JP3301454B2 - 光化学2次電池 - Google Patents

光化学2次電池

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JP3301454B2 JP27102893A JP27102893A JP3301454B2 JP 3301454 B2 JP3301454 B2 JP 3301454B2 JP 27102893 A JP27102893 A JP 27102893A JP 27102893 A JP27102893 A JP 27102893A JP 3301454 B2 JP3301454 B2 JP 3301454B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充電と放電の双方が可
能な2次電池に係わり、酸化反応により放電し、光エネ
ルギーにより充電する光化学2次電池に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】太陽可視光等の光エネルギーで充電する
試みは、以前からなされており、この種の電池として
は、アモルファスシリコン太陽電池が知られている。こ
のアモルファスシリコン太陽電池等のp−n接合を用い
た従来の太陽電池には、夜間など光エネルギーが供給さ
れない状態では、電池としての役割を全く果たさないと
いう欠点がある。
【0003】一方、ニッケル−カドミウム蓄電池や鉛蓄
電池等の2次電池には、充電用の電源と、この電源の電
圧を充電に適した電圧に変換するための充電器とが必要
であり、これらを用意しないと充電ができないという欠
点があった。
【0004】太陽光等の光エネルギーによる充電が可能
な光2次電池の開発は、これらの欠点を同時に解決する
ものとして行われる。しかし、従来のアモルファスシリ
コン太陽電池とニッケル−カドミウム蓄電池等の蓄電池
とを単純に組み合わせた構成の光2次電池では、アモル
ファスシリコン太陽電池で生じた電力を蓄電池の充電に
適した電力に変換する必要があり、変換のための回路や
接続のための配線により電池の構造が複雑になること
や、変換によりエネルギーロスが増大すること、その上
アモルファスシリコン太陽電池を製造するためには、p
−n接合作製等の比較的高度な製造技術が必要になる等
の欠点があった。
【0005】これに対して、p−n接合を用いない光2
次電池として、光化学2次電池が知られ、この光化学2
次電池を図7に示す。図7に示すように、符号1は電池
容器、1aは電池容器1を密閉するための蓋、2はセパ
レータ、3はn型半導体部よりなる光電極、4aは充電
用の電極、4bは放電用の電極、5は電解質である。
【0006】これらの光化学2次電池は、半導体−電解
質界面の電気化学的な特性を利用したものであり、即
ち、半導体電極を電解質と接触させた時に生じるエネル
ギーバンドの曲りを利用し、光エネルギーにより生成し
た電子を半導体光電極の外部に取り出し、この電子の電
気エネルギーを充電用電極において電気化学的に蓄積す
るものである。図6に示す光化学2次電池の光電変換部
は、半導体電極3を電解質5に浸漬させるだけで構成さ
れており、p−n接合作製技術等の比較的高度な製造技
術を必要としない点において、アモルファスシリコン太
陽電池を用いた光2次電池に比べて優れている。
【0007】しかし、上記光化学2次電池では、通常の
2次電池における正極と負極の他に光充電を行うための
電極が1〜2極さらに必要であり、電池の構造が複雑に
なるという欠点があった。このような問題に対して、金
属ー半導体界面のエネルギーバンドにおける障壁を低減
する金属層を介して、金属製の負極部材とn型半導体部
とを一体形成し、n型半導体部上で光エネルギーにより
生成した電子を、電極外部に取り出すことなく、効率よ
く金属製負極部材における還元反応に用いられるn型半
導体部と金属製負極部材とを複合形成した負極を開発
し、この負極と正極との単純な2極構成で効率的な光充
電が可能な光空気2次電池を発明し、既に報告している
(特願平5−109658)。
【0008】この光空気2次電池では、正極活物質とし
て空気中の酸素を用いることにより、エネルギー密度の
高い光化学2次電池を実現したが、レドックスイオン対
を電解質中に存在させ、このレドックスイオン対を正極
活物質として用いれば、空気を活物質とした場合に比
べ、正極の構造を単純にしうることや、レドックスイオ
ン対の種類を変えることにより、使用目的にあった端子
間電圧を有する電池を作製することが可能であるなどの
利点がある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、電解質
中に含まれるレドックスイオン対を正極活物質として用
いる構成の電池では、充電の際には、負極のn型半導体
部に光照射を行うことにより、このn型半導体部の価電
子帯に正孔を生じさせ、放電時に、正極上で還元された
レドックスイオン対を上記正孔により酸化する必要があ
る。しかし、n型半導体部と金属製負極部材とを複合形
成した電極では、光照射時にn型半導体部の伝導帯に形
成された電子がn型半導体部と一体になる負極部材に伝
達されるため、光照射によりn型半導体部上で酸化され
たレドックスイオン対が負極の負極部材側まで電解質中
を移動していくと、光照射により生成され、本来負極活
物質の還元に用いられるべき電子により、負極部材上で
再び還元されてしまい、効率的な光充電が行われないと
いう欠点があった。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みてなされたもの
で、光エネルギーによる充電が可能であり、充電器を必
要とせず、省エネルギー性に優れ、負極と正極との2電
極よりなる単純な電池構成とすることができ、充電時に
光エネルギーを正極活物質であるレドックスイオン対の
還元に高率的に利用できる光化学2次電池を提供するこ
とを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の光化学2
次電池は、正極、負極、第一の電解質、第二の電解質、
及び電解質分離膜とが、電池ケースに収容された光化学
2次電池であって、前記第一の電解質と前記第二の電解
質とは、前記負極及び前記電解質分離膜を含む分離手段
によって分離され、前記第一の電解質は、レドックスイ
オン対を含有し、前記負極は、n型半導体部および金属
製負極部材を一体形成されてなり、該n型半導体部が前
記第一の電解質に、該金属製負極部材が前記第二の電解
質に、各々接するように前記電池ケース内に配置され、
前記正極は、前記第一の電解質に接するように前記電池
ケース内に配置され、前記電池ケースには、前記負極の
n型半導体部に光を入射するための受光部が設けられて
いることを特徴とするものである。
【0012】請求項2記載の光化学2次電池は、請求項
1に記載の光化学2次電池の特徴に加えて、前記金属製
負極部材が、充放電に伴って酸化還元される金属である
ことを特徴とするものである。
【0013】請求項3記載の光化学2次電池は、請求項
1に記載の光化学2次電池の特徴に加えて、前記金属製
負極部材が、充放電に伴って酸化還元されない導電体で
あり、前記第二の電解質が、レドックスイオン対を含有
することを特徴とするものである。
【0014】請求項4記載の光化学2次電池は、請求項
1から請求項3の何れかに記載の光化学2次電池の特徴
に加えて、前記負極のn型半導体部および金属製負極部
材とが、少なくとも一部において、金属ー半導体の界面
のエネルギー障壁を低減する金属層を介して貼り合わさ
れていることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明の光化学2次電池にあっては、以下の作
用を有する。請求項1記載の発明では、放電時には、金
属製負極部材における酸化反応により電子が負極から電
池外部に取り出され、負荷を経由して正極に到達した電
子は、第一の電解質中に含まれているレドックスイオン
対の還元に用いられる。
【0016】一方、充電時には、第一の電解質中にn型
半導体部を浸漬することで形成されるエネルギーバンド
の曲がりを利用して光エネルギーによりn型半導体部中
に電子と正孔とを発生させる。このn型半導体部中で発
生した電子は、放電時に、金属製負極部材において酸化
した物質を還元する。一方、n型半導体部中で発生した
正孔は、第一の電解質中に含まれているレドックスイオ
ン対の酸化に用いられる。
【0017】そして、負極及び電解質分離膜を含む分離
手段を設けたので、第一の電解質中に、正極活物質とし
て存在するレドックスイオン対が、第二の電解質中に移
動することを妨げ、かつ、電極反応に伴い生じた電解質
中の電荷の不均衡を補正するための活物質以外の少なく
とも1種類のイオン透過させる。このため、充電時に
n型半導体部上で酸化された第一の電解質中のレドック
スイオン対が第二の電解質中移動し、金属製負極部材
において、n型半導体部中で発生した電子により還元さ
れるのが防止される。したがって、光充電時の電子及び
正孔の利用効率が向上される。
【0018】また、請求項2記載の発明では、金属製負
極部材が、充放電に伴って酸化還元される金属であるの
で、この金属製負極部材が、負極活物質して作用する。
すなわち、充放電時の金属製負極部材における酸化還元
反応は、金属製負極部材自身の酸化還元反応である。
【0019】また、請求項3記載の発明では、金属製負
極部材が、充放電に伴って酸化還元されない導電体であ
り、第二の電解質が、レドックスイオン対を含有するの
で、第二の電解質中のレドックスイオン対が、負極活物
質して作用する。すなわち、充放電時の金属製負極部材
における酸化還元反応は、第二の電解質中のレドックス
イオン対の酸化還元反応である。
【0020】また、請求項4記載の発明では、負極のn
型半導体部および金属製負極部材とが、少なくとも一部
において、金属ー半導体の界面のエネルギー障壁を低減
する金属層を介して貼り合わされているので、n型半導
体部、金属層、金属製負極部材がそれぞれ電気的に接続
される。 そのため、従来の光化学2次電池における負極
と光電極との機能を一つの電極に併せ持たせることがで
きる。また、n型半導体部に光エネルギーを作用させる
ことにより生じさせた電力を、金属ー半導体界面の障壁
の影響を受けずに、金属製負極部材に、電極外部へ取り
出すことなく伝達させることが可能となり、光エネルギ
ーの利用効率が向上する。
【0021】
【実施例】
(実施例1)本発明の光化学2次電池の実施例1を、図
1ないし図3を参照して説明する。なお、本発明は以下
の実施例のみに限定されるものでない。ここで、図2
は、本実施例の光化学2次電池の外観を示す斜視図であ
り、図1は図2のXーX´線に沿う縦断面図であり、図
3は横断面図である。図中、図中符号6は正極、7は負
極、9は電解質分離膜、10は正極6に電気的に接続さ
れた正極端子、11は負極7に電気的に接続された負極
端子、12は電池ケースである。
【0022】電池ケース12は、アクリル樹脂製で直方
体状に形成され、表面を兼ねる透明アクリル板等の光透
過材等からなる受光部12aと、裏面に形成された板状
の底部12bとを有する。電池ケース12には、受光部
12a側に配設された正極6と、底部12b側に配設さ
れた負極7と、これら受光部12aと負極7のn型半導
体部7cとの間に充満された第一の電解質8a(電解
質)と、負極7の負極部材7aと底部12bとの間に充
満された第二の電解質8bと、これら第一の電解質8a
と第二の電解質8bとの間に配され、これらを画成する
電解質分離膜9とが収納されている。電池ケース12の
大きさは、幅が3.5cm、奥行き1.5cm、高さ
0.7cmに形成されている。なお、前記電池ケース2
7を角箱状に形成したが、本願はこれに限定するもので
なく、円盤状、あるいは円柱状等の形状でもよい。
【0023】正極6と負極7とは、ともに方形状に形成
され、一辺が1cmで他辺が3cmにそれぞれ形成され
ている。ここで、正極6と負極7との形状を方形状に限
定するものでなく、電ケース12の形状や大きさ等を考
慮して、方形以外の多角形、円盤状、あるいは円筒状等
の形状に形成してもよい。
【0024】正極6は、厚さ1mmの炭素板で、電池ケ
ース12の受光部12aと負極7のn型半導体部7cと
の間に設置されている。そして、正極6は、電池ケース
12の受光部12aから入射した光を、正極6を透過し
て負極7のn型半導体部7cに照射させるために、多数
の穴を開けた構造に形成されている。
【0025】また、負極7は、正極6に対向配設され、
光エネルギーを電気エネルギーに変換するn型半導体部
7cと、このn型半導体部7cの裏面に電気的に接続さ
れた状態で一体に形成され、金属ー半導体の界面におけ
るエネルギー障壁を低減する金属層7bと、この金属層
7bの裏面に電気的に接続された状態で貼り合わされ、
電池ケース12の底部12bに対向配設された負極部材
7aとから構成されている。この負極部材7aは、厚さ
1mmのコバルトで製作され、負極端子11に接続され
ている。
【0026】金属層7bは、厚さが0.3μmの合金層
であり、この合金は、重量比で、金が84%、ゲルマニ
ウムが12%、ニッケルが4%で構成されている。n型
半導体部7cは、厚さが0.2mmのn型ガリウムリン
単結晶半導体で形成されている。ここで、これら負極部
材7a、金属層7b、n型半導体部7cは、電池ケース
12の形状、大きさ、要求される電池の容量等を考慮
し、適切な厚み、および形状に形成される。
【0027】第一の電解質8aと第二の電解質8bと
は、濃度1mol/lの水酸化カリウム水溶液を主に含
み、電池ケース12内に充満されている。そして、第一
の電解質8aは、負極7のn型半導体部7c、電解質分
離膜9、電池ケース12の受光部12aに囲まれた部分
に充満され、[Fe(CN)63-/[Fe(CN)6
4-のレドックスイオン対を含む。
【0028】電解質分離膜9は、例えば、陰イオン交換
樹脂からなり、負極7と電池ケース12との隙間を埋め
る位置に設置され、第一の電解質8aのレドックスイオ
ン対が第二の電解質8bに移動するのを防止する構成に
されている。ここで、電解質分離膜9は、図3に示すよ
うに、負極7の周縁部と電池ケース12の側壁とにわた
って配設されている。すなわち、第一の電解質8aと第
二の電解質8bとは、電解質分離膜9で画成されてい
る。
【0029】以下、上述した実施例における光化学2次
電池の充放電時の動作を簡単に説明する。放電時には、
負極7上で、金属製の負極部材7aと第二の電解質8b
中の水酸イオンや水分子とが反応して、最終的に負極部
材7aの金属酸化物が生成するとともに、負極端子11
を通じて電子を外部負荷に供給する。一方、正極6上で
は、負極7から外部負荷を通して供給(放出)された電
子と第一の電解質8a中の[Fe(CN)63-イオン
とが反応して[Fe(CN)64-イオンが生成する。
【0030】充電時は、負極7のn型半導体部7cと第
一の電解質8aとを接触させることにより、その界面に
おいて、エネルギーバンドが第一の電解質8a側へ向っ
て上方曲りとなるn型半導体部7cの表面に太陽や蛍光
燈等の光エネルギーを照射し、n型半導体部7cの伝導
帯に電子を励起して価電子帯に正孔を生成させる。この
正孔は、上記バンドの曲りに沿って第一の電解質8a側
へ運ばれ、n型半導体部7cの表面で、放電時に正極6
上において生成した[Fe(CN)64-イオンと反応
して、[Fe(CN)63-イオンを再び生成する。
【0031】一方、伝導帯に励起された電子は、バンド
の曲りに沿って、負極7の負極部材7a側へ移動し、や
がて、第二の電解質8bと接触する負極部材7aの表面
に達する。ここで、上記電子が、第二の電解質8b中の
水と反応して水酸イオンを生成するとともに、負極部材
7aの放電生成物であるコバルト酸化物を還元する。以
上の経過を経て、光充電反応が進行する。この際、電解
質分離膜9は、充電時のn型半導体部7cで生成した
[Fe(CN)63-イオンが第一の電解質8a中を負
極部材7a上に移動して、この負極部材7aのかわりに
還元されることを防ぎ、光照射によりn型半導体部7c
中に生成した電子が負極部材7aの還元に効率的に利用
されるとともに、正孔が正極活物質である電解質8a中
のレドックスイオン対の酸化にそれぞれ効率的に利用さ
れる。
【0032】また、負極部材7aとn型半導体部7cと
の間に形成された金属層7bは、金属−半導体界面近傍
における半導体中のドナー濃度を高める。その結果、金
属−半導体界面のエネルギーバンドにおける障壁の幅が
非常に薄くなり、この障壁の影響を受けずに、n型半導
体部7cにおいて光エネルギーにより励起された電子が
負極部材7aに効率よく伝達される。
【0033】本実施例で示した光化学2次電池におけ
る、充放電時の正極端子10と負極端子11との間の電
圧の変化を、図4に実線で示した。光充電を行うための
光源には、キセノンランプが使用され、照射した光の強
度は50mWとした。また、放電時には、3mAの定電
流放電を行った。
【0034】(比較例)レドックスイオン対の拡散を妨
げる電解質分離膜9を設けない構造としたこと以外は、
第一の実施例と同様な光化学2次電池を作製した。この
電池の充放電時の正極端子10と負極端子11との間の
電圧変化を、図4に破線で示した。図4の破線に示すよ
うに、光充電されるときの電圧の上昇も少なく、放電時
の電気容量も少ないことがわかる。
【0035】上記実施例1においては、正極6は、第一
の電解質8a中において金属製負極部材7aよりも貴な
電位を示す導電性材料であれば特に限定されず、炭素板
の他に、Ni、およびこれらにPtやPdを触媒として
担持したもの(Pd−C,Pt−Ni,Pd−Ni)、
さらに、Pt,Pd,Ir,Rh,Os,Ru,Pt−
Co,Pt−Au,Pt−Sn,Pd−Au,Ru−T
a,Pt−Pd−Au,Pt−酸化物,Au,Ag,A
g−C,Ni−P,Ag−Ni−P,ラネーニッケル,
Ni−Mn,Ni−酸化コバルト、Cu−Ag,Cu−
Au,ラネー銀等の金属および合金,ホウ化ニッケル,
ホウ化コバルト,炭化タングステン,水酸化チタン,リ
ン化タングステン,リン化ニオブ,遷移金属の炭化物,
スピネル化合物,酸化銀,酸化タングステン,遷移金属
のペロブスカイト型イオン結晶等の無機化合物、およ
び、フタロシアニン,金属フタロシアニン,活性炭,キ
ノン類等の有機化合物などが挙げられる。
【0036】また、正極6の形状としては、充電時に負
極7のn型半導体部7cで酸化され、放電時に正極6で
酸化されるレドックスイオン対が正極6とn型半導体部
7cとの間での移動を容易にする目的から、正極6とn
型半導体7cとの距離を近づけ、かつ、このn型半導体
部7cに光が照射されるために、光透過用の多数の穴を
有する構造が望ましいが、正極6をITO電極やNes
aガラス電極のような光透過性電極で構成した場合に
は、正極6の構造を光透過用の穴を有さない板状に形成
してもよい。
【0037】さらに、前記実施例では、電池ケース12
の受光部12aを正極6および負極7と平行な面に設置
しているが、受光部12aを電池ケース12の正極6お
よび負極7と垂直な面に設置した場合、あるいは、電池
ケース12全体が光透過性を有する場合には、n型半導
体部7c上に直接照射された光でなく、他の部分で反射
あるいは散乱された光を用いることになり、効率が低下
するが、正極の形状を光透過性を有さない板状とするこ
とも可能である。
【0038】また、負極7をなす負極部材7aの材料と
しては、Ti,Zn,Fe,Pb,Al,Co,Hf,
V,Nb,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Cd, I
n,Ge,Sn,Bi,Th,Ta,Cr,Mo,W,
Pr,U等の金属、又は該金属の少なくとも一部が該金
属の酸化物、および、これらの複合成分系金属、合金等
が挙げられる。
【0039】負極7のn型半導体部7cとしては、ガリ
ウムリン(Gap)の他に、GaAs、AlAs、Zn
S、AlSb、InP、CdS、GaSb、InAs等
の化合物半導体、Si、Ge、Se等の無機半導体,ア
ントラセン、ピレン、ペリレン、フタロシアニン、銅フ
タロシアニン等の縮合多環芳香族化合物、ポリアセチレ
ン、ポリアニリン、ポリパラフェニレン、ポリピロール
等の高分子などから構成されるのが好ましい。
【0040】負極7の負極部材7aとn型半導体部7c
との組合わせは、該n型半導体部7cと第一の電解質8
aとの接触界面におけるn型半導体部7cの伝導帯下端
の電位レベルが、金属製負極部材7aの酸化還元電位よ
りも卑な電位を構成する組合わせであれば良く、特に部
材の種類には限定されない。
【0041】金属層7bは、重量比で、金が84%、ゲ
ルマニウムが12%、ニッケルが4%に設定すること
が、金属ー半導体界面における障壁を低減させる効果が
高い点で望ましいが、これ以外の組成比でも障壁低減の
効果が得られる。かかる金属層7bの材料として、金−
ゲルマニウム−ニッケル(Au−Ge−Ni)の他に、
Au、In等の金属、Au−Ge、Au−Si、Au−
Zn、Au−Ge−Pt、Au−Ge−In、Au−P
t−Ti、Ag−Ge−Ni、Ag−Ge−Pt、Ag
−Ge−In等の合金が望ましい。
【0042】また、第一の電解質8a、第二の電解質8
bとしては、水酸化カリウムの他に、水酸化ナトリウ
ム、塩化アンモニウム等の塩基や、その他弱酸等の液状
電解質が用いられる。また、充電性能は低下するが、硫
酸、塩酸等の強酸や塩を使うこともできる。さらに、第
一の電解質8a中に含まれるレドックスイオン対として
は、[Fe(CN)63-/[Fe(CN)64-、のほ
かにFe2+/Fe3+、Mn3+/Mn2+、Ce4+/C
3+、Eu3+/Eu2+、V3+/V2+、Co3+/Co2+
Cu2+/Cu+、Cr3+/Cr2+、[Cr(CN)64-
/[Cr(CN)65-、[Cr(CN)63-/[Cr
(CN)64-Ti4+/Ti3+、Ag2+/Ag+、[Co
edta]-/[Coedta]2-、[Co(N
363+/[Co(NH362+、[Co(dpy)
33+/[Co(dpy)32+等が挙げられる。
【0043】負極7の負極部材7aおよびn型半導体部
7cと第一の電解質8a中のレドックスイオン対との組
み合わせは、レドックスイオン対の酸化還元電位が、第
二の電解質8b中における金属製負極部材7aの酸化還
元電位より貴であり、かつ、n型半導体部7cと第一の
電解質8aとの接触界面におけるn型半導体部7cの価
電子帯上端の電位レベルより卑である組み合わせであれ
ばよく、特に部材の種類には限定されない。なお、本実
施例においては、上述したように液状の第一の電解質8
a、第二の電解質8bを用いているが、これら第一の電
解質8a、第二の電解質8bは、液状に限定されること
なく、第一の電解質8aを介する正極6と負極7間の電
子移動が妨げられないものであれば、固体状やペースト
状等どのような形態の電解質でも用いることができる。
【0044】電解質分離膜9の材料として、陰イオン交
換樹脂を用いれば、活物質である[Fe(CN)63-
/[Fe(CN)64-レドックスイオン対の透過を妨
げる一方、陽イオンは容易に透過でき、第一の電解質8
a、第二の電解質8b中の電荷の均衡が保たれる点で望
ましいが、ガラスフリット、バイコールガラス、合成樹
脂等、第一の電解質8a、第二の電解質8bの対流を妨
げることにより、レドックスイオンの透過量を低減で
き、かつ、第一の電解質8a、第二の電解質8b中で安
定である材料も、充放電効率は低下するが使用可能であ
る。
【0045】電池ケース12は、アクリル樹脂やABS
樹脂、あるいはフッ素樹脂等の第一の電解質8a、第二
の電解質8bに侵されない材質であれば特に限定されな
い。ただし、電池ケース12の正極6側に位置する受光
部12aの部分は、少なくとも可視光の一部や紫外光の
一部を透過する(無色あるいは有色の)部材、例えば、
ガラス、石英ガラス、アクリル、スチロール等からなる
透明板や透明フィルム等で構成される。もちろん電池ケ
ース12全体をこれら透明板や透明フィルム等の部材で
構成してもよい。このように受光部12a部分を光が透
過される構成としたのは、光充電反応を進行させるため
に、負極7のn型半導体部7cの表面に照射光を到達さ
せる際、この照射光が電池ケース12によって吸収ある
いは反射されて、n型半導体部7cの表面に到達する光
エネルギーが極端に低下するのを防止するためである。
【0046】(実施例2)この実施例2は、前述した実
施例1における負極部材7aを負極活物質でなく、電解
質の中で安定な導電体である白金の薄膜により形成した
ものである。さらに、第一の電解質8a、第二の電解質
8bは、濃度1mol/lの水酸化カリウムの水溶液で
あり、第一の電解質8aには、正極活物質としてFe2+
/Fe3+レドックスイオン対が含まれ、一方、第二の電
解質8bには、負極活物質としてCr2+/Cr3+レドッ
クスイオン対が含まれる。電解質分離膜9としては、陽
イオン交換樹脂を用い、それぞれのレドックスイオン対
が電解質分離膜9を透過して反対側の電解質中に拡散す
ることを防ぐ作用をしている。本実施例の他の構成は前
述した実施例1と同一であり、本実施例による光化学2
次電池の外観も実施例1と同一である。この実施例2に
おいては、負極活物質の役割を負極部材7aでなく、第
二の電解質8b中に含まれるレドックスイオン対が果た
している。
【0047】以下、上述した実施例における光化学2次
電池の充放電時の動作を簡単に説明する。放電時には、
負極7をなす負極部材7a上で第二の電解質8b中の
2+ イオンが酸化し、Cr 3+ イオンが生成するとともに
負極端子11を通して電子を外部負荷に供給する。一
方、正極6上では、負極7から外部負荷を通して供給
(放出)された電子と第一の電解質8a中のFe 3+ イオ
ンとが反応してFe 2+ イオンが生成する。
【0048】充電時は、負極7のn型半導体部7cに光
エネルギーを照射することにより、前述した実施例1と
同様にn型半導体部7cの伝導帯に電子が励起され、価
電子帯に正孔が生成する。この正孔はエネルギーバンド
の曲がりに沿って第一の電解質8a側に運ばれ、n型半
導体部7cの表面で、放電時に正極6で生成したFe 2+
イオンと反応してFe 3+ イオンを再び再生する。一方、
伝導帯に励起された電子は、バンドの曲がりに沿って、
負極7の負極部材7aの表面に達し、放電時に負極部材
7a上で生成したCr 3+ イオンと反応してCr 2+ が生成
する。以上の経過を経て、光充電反応が進行する。
【0049】本実施例による電解質分離膜9の作用は、
まず、充電時に負極部材7a上で還元された正極活物質
であるFeイオンがn型半導体部7c側へ移動し、光照
射により生成した電子により放電を行う前に酸化される
ことを防いでいる。一方、充電時にn型半導体部7cに
おいて酸化された負極活物質であるCrイオンが負極部
材7a側へ移動し、この負極部材7a上で放電前に還元
されてしまうことを防いでいる。
【0050】また、光充電時における負極部材7aとn
型半導体部7cとの間に形成された金属層7bの働き
は、前述した実施例1の場合と同一である。上記負極部
材7aは、実施例1の場合とは異なり、それ自身が酸化
還元を行う金属である必要はなく、電解質中で安定であ
り、かつ負極部材7a上でのレドックスイオン対の酸化
還元反応の活性が高い導電性物質であればよく、白金の
他に、、Pd,Ir,Rh,Os,Ru,Pt−Au,
Pd−Au,Pt−Pd−Au,Pt−C,Pt−酸化
物,Au,Ag,Ag−C,Cu−Ag,Cu−Au,
ラネー銀等の金属および合金,ホウ化ニッケル,ホウ化
コバルト,炭化タングステン,水酸化チタン,リン化タ
ングステン,リン化ニオブ,遷移金属の炭化物,スピネ
ル化合物,酸化銀,酸化タングステン,遷移金属のペロ
ブスカイト型イオン結晶等の無機化合物、および、フタ
ロシアニン,金属フタロシアニン,活性炭,キノン類等
の有機化合物などが挙げられる。
【0051】第一の電解質8a、第二の電解質8bとし
ては、前述の実施例1と同様な電解質に、負極7および
電解質分離膜9を挟んでそれぞれ異なったレドックスイ
オン対を含む。第一の電解質8a、第二の電解質8b中
に含まれるレドックスイオン対としては、実施例1に記
載したものと同様なレドックスイオン対を用いることが
可能である。
【0052】第一の電解質8a、第二の電解質8b中に
それぞれ含まれる2種類のレドックスイオン対の組み合
わせは、第一の電解質8aに含まれるレドックスイオン
対の酸化還元電位が、第二の電解質8bに含まれるレド
ックスイオン対の酸化還元電位よりも貴である組み合わ
せであれば特に限定されない。また、それぞれのレドッ
クスイオン対と負極7のn型半導体部7cとの組み合わ
せは、第一の電解質8aに含まれるレドックスイオン対
に関しては、このレドックスイオン対の酸化還元電位
が、n型半導体部7cと第一の電解質8aとの接触界面
における価電子帯上端の電位レベルよりも卑であればよ
く、一方、第二の電解質8bに含まれるレドックスイオ
ン対に関しては、このレドックスイオン対の酸化還元電
位がn型半導体部7cと第一の電解質8aとの接触界面
における伝導帯下端の電位レベルよりも貴であればよ
く、特に部材の種類には限定されない。
【0053】電解質分離膜9も材料としては、陽イオン
交換樹脂を用いると、活物質であるレドックスイオン対
の透過を妨げる一方、陰イオンは容易に透過でき、第一
の電解質と第二の電解質との電荷の均衡が保たれる点で
望ましいが、ガラスフリット、バイコールガラス、合成
樹脂等、第一の電解質と第二の電解質との対流を妨げる
ことによりレドックスイオン対の透過量を低減でき、か
つ第一の電解質と第二の電解質との中で安定であるよう
な材料も使用できる。
【0054】(実施例3)この実施例3は、電池ケース
12に、第二の電解質8bを収納する収納箱20を用い
る。この収納箱20を、図5ないし図7を用いて説明す
る。図5は、縦断面図であり、図6は図5の横断面図、
図7は、収納箱20を電池ケース12に組み込む際の全
体斜視図である。この収納箱20は、方形状負極7と、
この負極7に所定間隔をあけて並設された方形状の支持
板13と、これら負極7と支持板13との一辺に取り付
けられ、電気ケース12の側壁を兼ねる側壁板12c
と、負極7と支持板13との他の3辺に取り付けられた
電解質分離膜9とを組み立てて構成されている。この収
納箱20に、負極7、電解質分離膜9、支持板13、側
壁板12cを用いたこと以外は、実施例1と同様な構成
にされている。
【0055】支持板13は、負極7と同じ大きさの厚さ
0.3mmのアクリル樹脂から製作され、電池ケース1
2の底部12b上にスライド自在に載置されている。す
なわち、あらかじめ組み立てた収納箱20を電池ケース
12に組み込むことにより、光化学2次電池を組み立て
ることができる。ここで、支持板13は、アクリル樹脂
やABS樹脂、あるいはフッ素樹脂等の第一の電解質8
a、第二の電解質8bに侵されない材質であるのが望ま
しい。
【0056】このように負極部材7aと電解質分離膜9
とで収納箱20を形成したことにより、負極7が取り付
けられた収納箱20を電池ケース12に収容するだけ
で、第一の電解質8a、第二の電解質8bを、n型半導
体部7cに接する部分と負極部材7aに接する部分とに
簡便に分離できる。すなわち、電解質分離膜9を負極7
と電池ケース12との間に配置する構成では、負極7を
電池ケース12中に組み込んだ後に、電解質分離膜9を
貼り付ける必要があるが、図7に示すように、負極7と
この負極7の周囲に取り付けた電解質分離膜9とで収納
箱20を構成することにより、負極7と一体化した収納
箱20を電池ケース12内に挿入するだけで、第一の電
解質8aと第二の電解質8bとを、n型半導体部7cに
接する部分と、負極部材7aに接する部分とに簡便に分
離することができる。
【0057】なお、本実施例においては、収納箱20の
形状を直方体状に形成したが、電極の形状、あるいは電
池ケースの形状に合わせて、多面体状、円筒形状、半球
状等の形状に形成してもよい。また、本実施例では、負
極7と支持板13の大きさを同一とし、負極7と支持板
3とに対して電解質分離膜9を垂直に取り付けたが、支
持板13の大きさを負極7と異なった大きさに形成し、
電解質分離膜9を負極7に対して斜めに取り付けてもよ
い。
【0058】以上説明したように、前記実施例に示した
構成をとることによって、従来の光化学2次電池にはな
い、空気中の酸素をエネルギー源とした放電と光エネル
ギーによる充電が可能で、充電器を必要としない省エネ
ルギー性に優れ、高エネルギー密度の光化学2次電池を
提供することができる。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光化学2
次電池によれば、以下の効果を奏することができる。請
求項1記載の光化学2次電池によれば、正極と、負極
と、第一の電解質及び第二の電解質と、電解質分離膜と
が、電池ケースに収容され、前記負極は、n型半導体部
および金属製負極部材を一体形成されているので、光エ
ネルギー→電気化学エネルギーへの変換を行って充電す
ることが可能となり、充電器を必要としない省エネルギ
ー性に優れた光化学2次電池を提供することができる。
また、2電極系の簡単な構造となり、電池構造を簡易化
することができる。
【0060】上記電池ケースには、上記負極のn型半導
体部に光を入射する受光部が設けられ、かつ、n型半導
体部側に存在する第一の電解質中のレドックスイオン対
金属製負極部材側に透過するのを抑制する分離手段
設けられているので、正極活物質として第一の電解質中
に存在し、充電時に光照射により酸化されるレドックス
イオン対が金属製負極部材上に移動し還元されることを
防ぎ、光充電時の電子及び正孔の利用効率を高め、光充
電効率を高めることができる。
【0061】請求項2記載の光化学2次電池によれば、
金属製負極部材が、充放電に伴って酸化還元される金属
であるので、この金属製負極部材が、負極活物質して作
用することができる。 また、請求項3記載の発明では、
金属製負極部材が、充放電に伴って酸化還元されない導
電体であり、第二の電解質が、レドックスイオン対を含
有するので、第二の電解質中のレドックスイオン対が、
負極活物質して作用することができる。
【0062】請求項記載の光化学2次電池によれば、
請求項1から請求項3記載の発明と同様の効果を奏する
ことができるとともに、負極のn型半導体部および金属
製負極部材とが、少なくとも一部において、金属ー半導
体の界面のエネルギー障壁を低減する金属層を介して貼
り合わされているので、n型半導体部で光エネルギーに
より発生させた電気エネルギーを、負極外部に取り出す
ことなく、金属層を通して直接金属製負極部材に伝達さ
せることが可能となり、n型半導体部から金属製負極部
材に伝達される電気エネルギーの伝達効率を高めること
ができる。
【0063】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光化学2次電池に係る実施例1を示
し、図2のX−X’線に沿う縦断面図である。
【図2】本発明の光化学2次電池に係る実施例1の外観
を示した斜視図である。
【図3】図1に示す実施例1の光化学2次電池の横断面
図である。
【図4】本発明の光化学2次電池の実施例1と、電解質
分離膜を用いないときの光化学2次電池との充放電時に
おける正極−負極端子間の電圧の変化を示した図であ
る。
【図5】本発明の光化学2次電池に係る実施例3を示す
縦断面図である。
【図6】図5の横断面図である。
【図7】図5の収納箱を電池ケースに組み込む際の全体
斜視図である。
【図8】従来の光化学2次電池の構成図を示したもので
ある。
【符号の説明】
6…正極 7…負極 7a…負極部材 7b…金属層 7c…n型半導体部 8a…第一の電解質(電解質) 8b…第二の電解質 9…電解質分離膜 10…正極端子 11…負極端子 12…電池ケース 12a…受光部 13…支持板 20…収納箱
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 努 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 平5−269932(JP,A) 特開 平5−198319(JP,A) 特開 平6−215806(JP,A) 特開 平6−223889(JP,A) 特開 平6−223888(JP,A) 特開 平6−325801(JP,A) 特開 昭56−93270(JP,A) 特開 昭58−127389(JP,A) 特開 昭63−19775(JP,A) 阿久戸敬治、加藤直樹、竹内正明、尾 形努,光空気2次電池,電子情報通信学 会技術研究報告,日本,社団法人電子情 報通信学会,1992年1月24日,Vol. 91,No.439,15−20 (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 14/00 H01L 31/04

Claims (4)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 正極、負極、第一の電解質、第二の電解
    質、及び電解質分離膜とが、電池ケースに収容された
    化学2次電池であって、前記第一の電解質と前記第二の電解質とは、前記負極及
    び前記電解質分離膜を含む分離手段によって分離され、 前記第一の電解質は、レドックスイオン対を含有し、 前記負極は、n型半導体部および金属製負極部材を一体
    形成されてなり、該n型半導体部が前記第一の電解質
    に、該金属製負極部材が前記第二の電解質に、各々接す
    るように前記電池ケース内に配置され、 前記正極は、前記第一の電解質に接するように前記電池
    ケース内に配置され、前記電池ケースには、前記負極の
    n型半導体部に光を入射するための受光部が 設けられて
    いることを特徴とする光化学2次電池。
  2. 【請求項2】 前記金属製負極部材が、充放電に伴って
    酸化還元される金属であることを特徴とする請求項1に
    記載の光化学2次電池。
  3. 【請求項3】 前記金属製負極部材が、充放電に伴って
    酸化還元されない導電体であり、前記第二の電解質が、
    レドックスイオン対を含有することを特徴とする請求項
    記載の光化学2次電池。
  4. 【請求項4】 前記負極のn型半導体部および金属製負
    極部材とが、少なくとも一部において、金属ー半導体の
    界面のエネルギー障壁を低減する金属層を介して貼り合
    わされていることを特徴とする請求項1から請求項3の
    何れかに記載の光化学2次電池。
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阿久戸敬治、加藤直樹、竹内正明、尾形努,光空気2次電池,電子情報通信学会技術研究報告,日本,社団法人電子情報通信学会,1992年1月24日,Vol.91,No.439,15−20

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