JP2998765B2 - 光空気2次電池 - Google Patents

光空気2次電池

Info

Publication number
JP2998765B2
JP2998765B2 JP4008716A JP871692A JP2998765B2 JP 2998765 B2 JP2998765 B2 JP 2998765B2 JP 4008716 A JP4008716 A JP 4008716A JP 871692 A JP871692 A JP 871692A JP 2998765 B2 JP2998765 B2 JP 2998765B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
light
positive electrode
electrode member
oxygen
air
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP4008716A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH05198319A (ja
Inventor
敬治 阿久戸
直樹 加藤
正明 竹内
努 尾形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Original Assignee
Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nippon Telegraph and Telephone Corp filed Critical Nippon Telegraph and Telephone Corp
Priority to JP4008716A priority Critical patent/JP2998765B2/ja
Priority to US08/005,301 priority patent/US5346785A/en
Priority to DE69313152T priority patent/DE69313152T2/de
Priority to EP93400134A priority patent/EP0553023B1/en
Publication of JPH05198319A publication Critical patent/JPH05198319A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2998765B2 publication Critical patent/JP2998765B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、充電と放電の双方が可
能な2次電池に係わり、空気中の酸素をエネルギー源と
して放電し、かつ光エネルギーによる充電が可能な、充
電器を必要としない省エネルギー性に優れた光空気2次
電池の構成に関するものである。
【0002】
【従来の技術】太陽可視光等の光エネルギーで2次電池
を充電する試みは、以前からなされており、この種の電
池としては、アモルファスシリコン太陽電池とニッケル
−カドミウム蓄電池や鉛蓄電池等の2次電池を組合せた
太陽光蓄電池が知られている。
【0003】図7は、従来の光2次電池の第1例を示す
ものであり、また図8は図7に示した電池の等価回路図
を示したものである。これらの図に示す光2次電池は、
太陽電池1で発電した後、得られた電力を2次電池2に
貯蔵するという二段階型(間接型)の光2次電池であ
り、電圧調整回路3や逆流防止ダイオード4が必要であ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来型光2次電池にあっては、上記したように電圧調整
回路3や逆流防止ダイオード4等の構成部品が必須であ
るため、光2次電池の構造が複雑で大きなものとなると
いう欠点を有している。
【0005】また、上記従来型光2次電池を適正に機能
させるには、太陽電池1で発電した電力を、2次電池2
へ充電するのに適した電圧に調整する必要があり、この
調整のために消費されるエネルギー損失が大であるとい
う問題があった。また、上記従来型光2次電池は、光→
電気→電気化学の3段階のエネルギー変換ステップを経
るため、このエネルギー変換ステップのための構成部品
数の増加や、あるいはこのエネルギー変換ステップに起
因するエネルギーロスの増大といった問題も有してい
る。さらに、太陽電池1を製造するには、pn接合設備
等の比較的高度の製造設備が必要となるなど、製造上の
困難性も有している。
【0006】一方、図9は、従来型光蓄電池を示す図で
ある。この光蓄電池は、透明ガラス基板7と、p型半導
体8と、i型半導体9と、集電体10,11と、陰極1
2と、陽極13と、固体電解質14と、パッシベーショ
ン層15と、透明電極16とを具備してなる電池であ
る。この光蓄電池においても、上述の説明と同様、構造
が複雑であり、エネルギー密度が小さいといった欠点が
ある。
【0007】図10は、従来型光化学2次電池の第1例
の構成図を示したもので、図中符号17は電池容器、1
7aは電池容器を密閉するための蓋、18はセパレー
タ、19はn型半導体よりなる光電極、20aは充電用
の電極、20bは放電用の電極である。図11は、従来
型光化学2次電池の第2例を示す図で、電池の簡単な構
成とエネルギー準位図を示したものである。
【0008】これらの光化学2次電池は、半導体−電解
質界面の電気化学特性を利用して、即ち、半導体電極を
電解質と接触させた時に生じるエネルギーバンドの曲り
を利用して、光エネルギーを電気化学的に蓄積すること
を狙いとした光化学2次電池である。この図10の光化
学2次電池の光変換部は、半導体電極19を電解質Sに
浸漬させるだけで構成されており、この点、太陽電池等
の必要な図7や図8に示した従来型光2次電池に比べ優
れている。
【0009】しかし、これらの電池の反応は、電解質の
酸化還元反応に基づくものであり、容量増大の為には、
多量の電解質が必要となり、基本的には大きなエネルギ
ー密度が望めないという欠点が有った。
【0010】本発明は、上記事情に鑑みなされたもの
で、空気中の酸素をエネルギー源とした放電と光エネル
ギーによる充電が可能で、充電器を必要としない省エネ
ルギー性に優れた、高エネルギー密度の光空気2次電池
の提供を目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を解
消するために、金属製の負極部材と、酸素触媒を有する
正極部材と、該負極部材と該正極部材とに接触する電解
質と、該負極部材に電気的に接続され、且つ該電解質と
接触するn型半導体よりなる光電極部材と、該負極部材
に電気的に接続されてなる負極端子と、該正極部材に電
気的に接続されてなる正極端子と、少なくとも可視光の
一部または紫外光の一部を入射する受光部を有し、上記
負極部材と上記正極部材と上記電解質とが収容される電
池ケースとを具備し、上記負極部材をなす金属と、空気
中の酸素と上記電解質中の酸素の少なくとも一方との酸
化反応により放電され、上記光電極部材に上記受光部か
ら入射された光エネルギーを作用させて、該光電極部材
に接続された負極部材を還元して充電を行う光空気2次
電池を提供する。
【0012】また、請求項1記載の光空気2次電池は、
光電極の受光部側と上記電池ケース受光部とを接触させ
た構成としてもよい。
【0013】また、請求項1記載の光空気2次電池は、
電池ケースの受光部が光電極で構成されていてもよい。
【0014】また、請求項1、2又は3記載の光空気2
次電池の電池ケースは、正極部材の一部に外部の空気を
接触させる空気孔を、該正極部材近傍に少なくとも一つ
以上具備した構成とするのが望ましい。
【0015】また、請求項1、2又は3記載の光空気2
次電池の電池ケースの少なくとも正極部材近傍部分が、
酸素透過性部材よりなる構成としてもよい。
【0016】また、請求項1、2、3、4又は5記載の
光空気2次電池の正極部材は、酸素触媒と、電池ケース
の空気孔または酸素透過性部材よりなる部分を通して、
電解質が電池外部へ流出し、透過するのを防止する溌水
剤とで構成されることが望ましい。
【0017】また、請求項1、2又は3記載の光空気2
次電池の正極部材は、正極部材と電池ケースとの間に、
該電池ケースの空気孔または酸素透過性部材よりなる部
分を通して、電解質が電池外部へ流出し、透過するのを
防止する溌水膜または溌水板を設けた構成としてもよ
い。
【0018】また、請求項6記載の光空気2次電池は、
正極部材と電池ケースとの間に、酸素を該正極部材表面
に一様に拡散するための拡散紙を設けた構成としてもよ
い。
【0019】また、請求項7記載の光空気2次電池は、
溌水膜または溌水板と電池ケースとの間に、酸素を正極
部材表面に一様に拡散するための拡散紙を設けた構成と
してもよい。
【0020】
【作用】以上述べたように、本発明の光2次電池にあっ
ては、上記負極部材をなす金属の酸化反応により放電さ
れ、電解質中にn型半導体光電極を浸漬することで形成
されるエネルギーバンドの曲りを利用して、光エネルギ
ー→電気化学エネルギーへの変換を行い、光エネルギー
により充電される構成としたので、放電時には、例えば
空気中の酸素により負極部材をなす金属が酸化されるこ
とにより放電される。また、充電時には、上記光電極に
光エネルギーを作用させて、伝導帯に電子を励起して価
電子帯にホールを生じせしめ、このホールを、上記エネ
ルギーバンドの曲りに添って電解質側へ運び、負極表面
で水酸イオンと反応させて酸素と水を生成するととも
に、伝導帯に励起された電子を、エネルギーバンドの曲
りに添って負極へ移動させ、この負極表面で電解質中の
水と反応して上記放電で酸化された負極金属を還元す
る。従って、本発明の光空気2次電池は、電気と光の何
れのエネルギー形態でも充電可能である等の特徴を有す
る。
【0021】
【実施例】図1および図2は、本発明に係る光空気2次
電池の第1の実施例を示す図で、図中符号21は多孔性
酸素触媒よりなる正極、22は金属よりなる負極、23
はn型半導体よりなる光電極、24はこれら正極および
負極と接触する電解質、25はセパレータ、26は正極
端子、27は負極端子、28は電池ケース、29は溌水
膜、30は電池ケース28に設けられた空気孔、31は
接続導体である。
【0022】上記電池ケース28は、角箱状をなし、一
方の面には光透過材等からなる受光面28aが設けら
れ、反対の面には多数の空気孔30が設けられている。
この電池ケース28内には、空気孔30が形成されてい
る面28b側に配設された正極21と、受光面28a側
に配設された光電極23と、上記正極21と光電極23
との間に配設された負極22と、これら正極21と負極
22との間に充満された液状電解質24と、この電解質
24が通過可能なガラス繊維等の材料からなり、上記正
極21と負極22との間に設けられているセパレータ2
5とが収納されている。また、上記光電極23と負極2
2とは、接続導体31により電気的に接続されている。
また、上記正極21と電池ケース28の空気孔30が形
成されている面28bとの間には、通気性を有し、電解
質24の外部への流出を防止する溌水膜29が設けられ
ている。
【0023】本実施例の光空気2次電池では、空気中の
酸素の還元に基づく放電反応を円滑に進行させるため、
酸素と電解質および正極21(酸素触媒)とで構成され
る気−液−固三相界面の場を効果的に形成することが必
要である。従って、該三相界面場の増大を目的として、
例えば正極21を多孔性の酸素触媒で構成するのが好ま
しい。ただし、低率(低電流)放電で使用する電池を構
成する場合には、必ずしも多孔性である必要はなく、板
状の正極21を用いてもよい。
【0024】上記正極21としては、カーボン(多孔炭
素)や多孔ニッケル、および、これらにPtやPdを担持し
た多孔性酸素触媒(Pt-C、Pd-C、Pt-Ni、Pd-Ni)、さら
に、Pt、Pd、Ir、Rh、Os、Ru、Pt-Co、Pt-Au、Pt-Sn、P
d-Au、Ru-Ta、Pt-Pd-Au、Pt-酸化物、Au、Ag、Ag-C、Ni
-P、Ag-Ni-P、ラネーニッケル、Ni-Mn、Ni-酸化コバル
ト、Cu-Ag、Cu-Au、ラネー銀等の貴金属および合金、ホ
ウ化ニッケル、ホウ化コバルト、炭化タングステン、水
酸化チタン、リン化タングステン、リン化ニオブ、遷移
金属の炭化物、スピネル化合物、酸化銀、酸化タングス
テン、遷移金属のペロブスカイト型イオン結晶等の無機
化合物、および、バクテリヤ、非イオン活性剤、フタロ
シアニン、金属フタロシアニン、活性炭、キノン類等の
有機化合物のいずれかで構成されるのが好ましい。
【0025】また、負極22としては、Ti,Zn,fe,Pb,A
l,Co,Hf,V,Nb,Ni,Pd,Pt,Cu,Ag,Cd,In,Ge,Sn,Bi,Th,Ta,C
r,Mo,W,Pr,Bi,U等の金属やその酸化物、および、これら
の複合成分系金属、合金等で構成されるのが好ましい。
【0026】また、光電極23としては、n型半導体で
あるGaP,GaAs,AlAs,ZnS,AlSb,Inp,CdS,GaSb,InAs,ZnTe,
SiC,BaTiO3,TiO2,ZnO,Ag2S,Ag2Se,Ag2Te,SnO2,ThO2,V2O
5,Nb2O5,Ta2O5,Bi2S3,MoO3,WO3,NaxWO3,LixWO3,KxWO
3(以上、X=0〜1),MnO2,FeS2,HgSe,Bi2Se3,PbCrO4,PbO
x,(x=0〜2),MgO,Mg2AlO4,Al2O3,SiO2,V2O4,FeO,Fe2O
3Fe3O4,CuO,Cu2S,CuS,CuInSe2,CuBr,CuI,ZnSe,ZnTe,GeS
e,SrO,ZrO2,Nb2O5,Nb2O4,Nb2O3,MoO3,MoS,AgI,CdO,InS
e,SnSe,Sb2O4,BaO,Ta2O3,Ta2O5,WO3,HgTe,Tl2S,Bi2S3,B
i2Se3,PbTe,CeO2,Nd2O3等の化合物半導体、Si,Ge,Se等
の無機半導体,アントラセン、テトラセン、ペンタセ
ン、ピレン、ペリレン、アンサンスレン、オバレン、コ
ロネン、ビオランスレン、イソビオランスレン、ピラン
スレン、アンサンスロン、ビオランスロン、イソビオラ
ンスロン、ピランスロン、シアナンスロン、イソダンス
ロンブラック、フラバンスロン、インダンスロン、フタ
ロシアニン、銅フタロシアニン、、石墨等の縮合多環芳
香族化合物、ポリアセチレン、ポリアニリン、ポリパラ
フェニレン、ポリチィオフィン、ポリピロール等の高分
子、および、強誘電性を有するPbZrxTi1-xO3、Pb1-xM2x
NbO6(x=0〜1、M=アルカリ金属)などから構成されるの
が好ましい。
【0027】なお、互いに電気的に接続される負極22
と光電極23との組合わせは、該光電極23と電解質2
4との接触界面における光電極23の伝導帯下端の電位
レベルが負極活物質の酸化還元電位よりも卑な電位を構
成する組合わせであれば良く、特に部材の種類には限定
されない。
【0028】また、本実施例の電解質24として、水酸
化カリウム、水酸化ナトリウム、塩化アンモニウム等の
塩基や、その他弱酸等の液状電解質が用いられる。ま
た、充電性能は低下するが、硫酸、塩酸等の強酸や塩を
使うこともできる。なお、本実施例においては、上述し
たように液状の電解質24を用いているが、電解質24
は、液状に限定されることなく、この電解質24を介す
る正極21と負極22間の電子移動が妨げられないもの
であれば、固体状やペースト状等どのような形態の電解
質でも用いることができる。
【0029】セパレータ25は、ガラス繊維やポリアミ
ド系繊維不織布、ポリオレフィン系繊維不織布、セルロ
ース、合成樹脂等の電解質に対する耐久性を有するもの
であれば特に限定されない。
【0030】電池ケース28は、ABS樹脂やフッ素樹
脂等の電解質24に侵されない材質であれば特に限定さ
れない。ただし、電池ケース28の負極側に位置する受
光面部分28aは、少なくとも可視光の一部や紫外光の
一部を透過する(無色あるいは有色の)部材、例えば、
ガラス、石英ガラス、アクリル、スチロール等からなる
透明板や透明フィルム等で構成される。もちろん電池ケ
ース28全体をこれら透明板や透明フィルム等の部材で
構成してもよい。このように、受光面部分28aを少な
くとも可視光の一部や紫外光の一部が透過される構成と
したのは、光充電反応を進行させるために、照射光を負
極22表面に到達させる際、この照射光が電池ケース2
8によって吸収あるいは反射されて、負極22表面に到
達する光エネルギーが極端に低下するのを防止するため
である。
【0031】一方、空気中の酸素の還元に基づく放電反
応を円滑に進行させるためには、該酸素が酸素触媒より
なる正極21表面へ拡散移動しなければならない。この
様な酸素の拡散移動を実現することを目的として、本実
施例の電池は、電池ケース28の正極21側の面28b
に、小径の空気孔30を少なくとも1つ以上設ける構成
とした。この空気孔30は、空気中からの酸素取り込み
口として働くものであるので、空気を取り込むことがで
きれば、大径の空気孔としても開口部としてもよい。
【0032】溌水膜29は、正極21と、電池ケース2
8の該正極21側の面28bとの間に設けられている。
この溌水膜29は、上記電池ケース28中の電解質24
が、正極21中の孔を通過し、さらにこの電池ケース2
8に形成された空気孔30を通して光空気2次電池の外
部へ透過し、流出するのを(その溌水性により)防止す
る働きをするとともに、酸素と電解質24および正極2
1(酸素触媒)とで構成される気−液−固三相界面の場
の増大にも寄与している。
【0033】上記溌水膜(溌水板)29としては、例え
ば多孔性四フッ化エチレン等のフッ素系樹脂やシリコン
系樹脂等で構成するのが好ましい。
【0034】なお、上記溌水膜29の代りに、溌水板を
用いて本実施例の光空気2次電池電池を構成してもよ
い。また、これら溌水膜29や溌水板を設ける代りに、
酸素触媒中に溌水剤を混入させて酸素触媒と溌水剤とか
ら正極21を構成し、上記溌水膜29(溌水板)と同様
の機能を正極21に付与してもよい。この場合には、上
記気−液−固三相界面場の増大効果は更に大きくなる。
【0035】なお、上述した空気孔30が小孔で構成さ
れる場合、空気孔30から取り込んだ酸素を正極21面
全体へ一様に拡散させるために、電池ケース28の正極
21側の面28bと溌水膜29または溌水剤を含む正極
21との間にセルロース等からなる拡散紙を設けてもよ
い。
【0036】図3は、本発明の第2の実施例を説明する
図であって、電池ケース28の、正極21側の面28b
の部分を酸素透過性部材33で構成されていることを除
けば、他の構成は第1の実施例と同様である。上記電池
ケース28の正極21側の面28b部分を酸素透過性部
材33で構成したのは、電池外部の酸素を酸素触媒より
なる正極21表面へ拡散移動させるためで、先の実施例
において電池ケース28に空気孔30を形成した趣旨と
同様である。
【0037】上記酸素透過性部材としては、例えばエチ
ルセルロース,セルロース,アセテート、およびブチレ
ート等の材料により構成されるのが好ましいが、酸素透
過性を有する部材であればこれらに限定されるものでは
ない。
【0038】なお、上述した2つの実施例の光空気2次
電池では、電池ケース28内に酸素を取り入れるため
に、電池ケース28に空気孔30を設けた構成とした
り、電池ケース28の一部を酸素透過性部材により構成
したが、上記構成とせず、電池ケース28内に存在する
酸素と、充電により生成する酸素のみを利用して放電反
応を進行させることも可能である。従って、電池ケース
28(面28b)に空気孔30を設けたり、この面28
b部分を酸素透過性の部材で構成することは必須ではな
い。但し、この場合には、外部からの酸素取り込みが不
可能となるため、電池の放電容量、即ちエネルギー密度
が上記実施例に比べて低下する。
【0039】以上説明したように、第1の実施例および
第2の実施例に示した構成をとることによって、従来の
光2次電池にはない、空気中の酸素をエネルギー源とし
た放電と、光エネルギーによる充電が可能で、充電器を
必要とせず、省エネルギー性に優れ、高エネルギー密度
の光空気2次電池を提供することができる。
【0040】図4は、本発明の第3の実施例を説明する
図であって、光電極23の電池ケース側の面と電池ケー
ス28の受光面28aとの間に電解質24が介在せず、
光電極23の電池ケース側の面が直接電解質24と接触
しない構造としたこと、(すなわち光電極23の電池ケ
ース側の面と上記電池ケース受光面28aとを接触させ
たこと)を除けば、他の構成は第1の実施例と同様であ
る。なお、上記第2の実施例を本実施例に述べた構造と
してもよい。
【0041】図5は、本発明の第4の実施例を説明する
図であって、電池ケース28の受光面28aが光電極2
3で構成され、光電極23が電池ケースの一部を兼ねた
構造であることを除けば、他の構成は第1の実施例と同
様である。また、上記第2の実施例を本実施例に述べた
構造としてもよい。
【0042】上記第3の実施例の光空気2次電池にあっ
ては、照射光が電解質24を介することなく光電極23
上に到達する構造となっているため、電解質24によ
り、照射光の一部が吸収されることがないので、第1の
実施例や第2の実施例の光空気2次電池に比べ、光充電
効率を上昇させることができる。さらに上記第4の実施
例の光空気2次電池は、照射光が電解質24だけでな
く、電池ケース28の受光面28a部分をも介すること
なく光電極23上に直接到達する構造となっているた
め、光充電効率をより上昇させることができる。
【0043】また、以上述べたように、第3の実施例お
よび第4の実施例の光空気2次電池にあっては、照射光
が電解質24を介することなく光電極23上に到達する
構造となっているため、電解質24として光吸収性を有
するものを選択することが可能となる。
【0044】以下に、上述した4つの実施例における光
空気2次電池の充放電時の動作を、まとめて簡単に説明
する。まず放電時は、負極22上で、負極22金属と電
解質24中の水酸イオンとが反応して、最終的に金属酸
化物と水とが生成するとともに、負極端子27を通じて
電子を負荷に供給する。
【0045】一方、正極21上では、空気中から取り込
んだ酸素と電解質24と酸素触媒(正極)21により形
成される三相界面において、酸素と電解質24中の水、
および、負極から負荷を通して供給(放出)されてきた
電子とが反応して、水酸イオンを生成する。この放電反
応においては、電池系全体では正極21と負極22での
反応が相殺される結果、電解質24の減少は全く起きな
い。また、正極活物質である酸素は、電池ケース28の
面28bを介して空気中から取り込むため、その消費は
問題とならない。結局、本放電反応によって消費される
のは負極22の金属であり、金属酸化物が生成する。従
って、本実施例の光空気2次電池を充電するということ
は、該金属酸化物を元の金属に還元するということには
ほかならない。
【0046】充電時は、n型半導体よりなる光電極23
と電解質24との接触界面において、エネルギーバンド
が電解質24側へ向って上方曲りとなる光電極23の表
面に、太陽や蛍光燈等の光エネルギーを照射し、伝導帯
に電子を励起して、価電子帯にホールを生む。このホー
ルは、上記バンドの曲りに添って電解質24側へ運ば
れ、負極22表面で水酸イオンと反応して酸素と水を生
成する。一方、伝導帯に励起された電子は、バンドの曲
りに添って、接続導体31を経て負極22へ移動し、や
がて、電解質24と接触する負極22表面に達する。そ
こで電解質24中の水と反応して、水酸イオンを生成す
るとともに、負極22の放電生成物である金属酸化物を
金属に還元する。以上の経過を経て、光充電反応が進行
する。
【0047】(実験例)正極21の触媒、負極22、お
よび光電極23に、それぞれ白金(Pt)、重さ2gの
コバルト(Co)粒子を焼結して作成したコバルト板、
およびガリウムリン(GaP)を用い、さらに電解質2
4として1mol/リットルの水酸化カリウム(KO
H)を使用し、直径25mm、厚さ4mmの寸法を有す
る第1の実施例のGaP-Co|KOH|Pt(O2)系光空気2次
電池を試作し、この試作した光空気2次電池が、光充電
および空気放電可能な光空気2次電池として機能するこ
とを確認した。
【0048】試作した上記GaP-Co/O2系光空気2次電池
における充放電挙動の測定結果を図6に示す。図6中、
電圧値の経時変化は、光充電→開放→放電→光充電→開
放→放電の各測定状態に対応しており、この一連の測定
を行った様子を示した。図6中1V付近への電池電圧の
急激な立上がりは、充電による電圧回復過程である。こ
の実験結果により、放電後の負極活物質表面への光照射
による電池電圧の回復が観測され、繰返し充放電可能で
あることが判明した。また、この試作した光空気2次電
池は、光充電と放電とを繰返しても、放電容量の低下が
見られず、優れた寿命特性を示した。
【0049】なお、上記充放電挙動の測定には、キセノ
ン(Xe)光源を使用した。本測定に使用した電池は、
光充放電機能の確認のみを目的として試作したものであ
り、負極のさらなる多孔化や最適設計により上記放電容
量は増大される。また、本実験において試作し、測定に
使用した電池は、光充放電機能の確認のみを目的として
試作したものであり、負極22の多孔化や最適設計によ
り上記放電容量は大幅に増大される。
【0050】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の光空気2
次電池にあっては、上記負極部材をなす金属の酸化反応
により放電され、電解質中にn型半導体光電極を浸漬す
ることで形成されるエネルギーバンドの曲りを利用し
て、光エネルギー→電気化学エネルギーへの変換を行っ
て充電する構成としたので、放電時には、例えば空気中
の酸素により負極部材の金属が酸化されることにより放
電される。また、充電時には、上記光電極に光エネルギ
ーを作用させて、伝導帯に電子を励起し、価電子帯にホ
ールを生じせしめ、このホールを、上記エネルギーバン
ドの曲りに添って電解質側へ運び、負極表面で水酸イオ
ンと反応させて酸素と水を生成するとともに、伝導帯に
励起された電子を、エネルギーバンドの曲りに添って負
極へ移動させ、この負極表面で電解質中の水と反応して
上記放電で酸化された負極金属を還元する。従って、本
発明の光空気2次電池は、電気と光の何れのエネルギー
形態でも充電可能となる。
【0051】また、本発明の光空気2次電池にあって
は、正極に酸素触媒を用いているので、空気中の酸素を
エネルギー源(活物質)とした放電が可能である。従っ
て、実質的に正極活物質は空気中から簡単に充分な量が
補給でき、高エネルギー密度で、経済性や省エネルギー
性に優れた光空気2次電池を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施例の光空気2次電池の外
観図を示したものである。
【図2】図1に示す第1実施例の光空気2次電池のX−
X’線に添う断面図を示したものである。
【図3】本発明の第2の実施例を示す光空気2次電池の
断面図である。
【図4】本発明の第3の実施例を示す光空気2次電池の
断面図である。
【図5】本発明の第4の実施例を示す光空気2次電池の
断面図である。
【図6】本発明の実施例として試作したGaP-Co|KOH|P
t(O2)系光空気2次電池に関する電池電圧の測定結果
を示すもので、本試作電池の充放電挙動を示すグラフで
ある。
【図7】従来の光2次電池の外観図を示したものであ
る。
【図8】図7の等価回路を示したものである。
【図9】従来型光蓄電池の構成図を示したものである。
【図10】第1例の従来型光化学2次電池の構成図を示
したものである。
【図11】第2例の従来型光化学2次電池の簡単な構成
とエネルギー準位図を示したものである。
【符号の説明】
21…正極 22…負極 23…光電極 24…電解質 26…正極端子 27…負極端子 28…電池ケース 28a…受光部 29…溌水膜(溌水板) 30…空気孔 31…接続導体
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 尾形 努 東京都千代田区内幸町1丁目1番6号 日本電信電話株式会社内 (56)参考文献 特開 昭56−93270(JP,A) 特開 昭62−259360(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H01M 12/08,14/00,16/00

Claims (9)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 金属製の負極部材と、酸素触媒を有する
    正極部材と、該負極部材と該正極部材とに接触する電解
    質と、該負極部材に電気的に接続され、且つ該電解質と
    接触するn型半導体よりなる光電極部材と、該負極部材
    に電気的に接続されてなる負極端子と、該正極部材に電
    気的に接続されてなる正極端子と、少なくとも可視光の
    一部または紫外光の一部を入射する受光部を有し、上記
    負極部材と上記正極部材と上記電解質とが収容される電
    池ケースとを具備し、 上記負極部材をなす金属と、空気中の酸素と上記電解質
    中の酸素の少なくとも一方との酸化反応により放電さ
    れ、上記光電極部材に上記受光部から入射された光エネ
    ルギーを作用させて、該光電極部材に接続された負極部
    材を還元して充電を行うことを特徴とする光空気2次電
    池。
  2. 【請求項2】 上記光電極の受光部側と上記電池ケース
    受光部とを接触させたことを特徴とする請求項1記載の
    光空気2次電池。
  3. 【請求項3】 電池ケースの受光部が、光電極で構成さ
    れたことを特徴とする請求項1記載の光空気2次電池。
  4. 【請求項4】 電池ケースが、正極部材の一部に外部の
    空気を接触させる空気孔を、正極部材近傍に少なくとも
    一つ以上具備してなることを特徴とする請求項1、2又
    は3記載の光空気2次電池。
  5. 【請求項5】 電池ケースの、少なくとも正極部材近傍
    部分が、酸素透過性部材よりなることを特徴とする請求
    項1、2又は3記載の光空気2次電池。
  6. 【請求項6】 正極部材が、酸素触媒と、電池ケースの
    空気孔または酸素透過性部材よりなる部分を通して、電
    解質が電池外部へ流出し、透過するのを防止する溌水剤
    とで構成されることを特徴とする請求項1,2,3,4
    又は5記載の光空気2次電池。
  7. 【請求項7】 正極部材と電池ケースとの間に、該電池
    ケースの空気孔または酸素透過性部材よりなる部分を通
    して、電解質が電池外部へ流出し、透過するのを防止す
    る溌水膜または溌水板を設けたことを特徴とする請求項
    1、2又は3記載の光空気2次電池。
  8. 【請求項8】 正極部材と電池ケースとの間に、酸素を
    該正極部材表面に一様に拡散するための拡散紙を設けた
    ことを特徴とする請求項6記載の光空気2次電池。
  9. 【請求項9】 溌水膜または溌水板と電池ケースとの間
    に、酸素を正極部材表面に一様に拡散するための拡散紙
    を設けたことを特徴とする請求項7記載の光空気2次電
    池。
JP4008716A 1992-01-21 1992-01-21 光空気2次電池 Expired - Lifetime JP2998765B2 (ja)

Priority Applications (4)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4008716A JP2998765B2 (ja) 1992-01-21 1992-01-21 光空気2次電池
US08/005,301 US5346785A (en) 1992-01-21 1993-01-19 Photochargeable air battery
DE69313152T DE69313152T2 (de) 1992-01-21 1993-01-20 Mittels Photoenergie aufladbare Luftbatterie
EP93400134A EP0553023B1 (en) 1992-01-21 1993-01-20 Photochargeable air battery

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP4008716A JP2998765B2 (ja) 1992-01-21 1992-01-21 光空気2次電池

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH05198319A JPH05198319A (ja) 1993-08-06
JP2998765B2 true JP2998765B2 (ja) 2000-01-11

Family

ID=11700665

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP4008716A Expired - Lifetime JP2998765B2 (ja) 1992-01-21 1992-01-21 光空気2次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2998765B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130135885A (ko) 2010-12-10 2013-12-11 유니버시티 오브 울롱공 다층 물 분해 장치
JP6088048B2 (ja) 2012-06-12 2017-03-01 モナシュ ユニバーシティ 水分解用の通気性電極構造およびその方法並びにシステム
BR112016002269A2 (pt) 2013-07-31 2017-08-01 Aquahydrex Pty Ltd método e célula eletroquímica para gerenciar reações eletroquímicas
CN105637603B (zh) * 2013-11-08 2019-01-01 松下电器产业株式会社 电化学器件
KR20210122260A (ko) 2019-02-01 2021-10-08 아쿠아하이드렉스, 인크. 제한된 전해질을 갖춘 전기화학적 시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JPH05198319A (ja) 1993-08-06

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7122873B2 (en) Hybrid solid state/electrochemical photoelectrode for hyrodrogen production
US4452867A (en) Storage battery containing voltage reducing means
US4916035A (en) Photoelectrochemical cells having functions as a solar cell and a secondary cell
EP0553023B1 (en) Photochargeable air battery
US4064326A (en) Photo-electrochemical cell containing chalcogenide redox couple and having storage capability
US4152490A (en) Radiant energy converter having storage
JP2998765B2 (ja) 光空気2次電池
JP3304006B2 (ja) 光化学2次電池
JP2006040722A (ja) 二次電池
JP3025798B2 (ja) 光化学2次電池及び光化学2次電池の製造方法
US4242423A (en) Optical-charging type half-cell, and photochemical battery using the same
JP3301454B2 (ja) 光化学2次電池
JPH09259942A (ja) 光水素化空気二次電池
JP3194448B2 (ja) 光空気2次電池
JP3273477B2 (ja) 光空気2次電池
JP3194449B2 (ja) 光空気2次電池
JPH06223889A (ja) 光空気2次電池
JP3523506B2 (ja) 充電式空気電池
JP3196151B2 (ja) 光空気2次電池
JPH06215807A (ja) 光2次電池
JP3306685B2 (ja) 密閉型光酸素2次電池
JPH0785895A (ja) 光化学2次電池
JP2615465B2 (ja) 光発電二次電池
JP2511905B2 (ja) 光二次電池
Li et al. Fabrication and characterization of miniaturized photo-electro-chemical solar cells

Legal Events

Date Code Title Description
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20071105

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20081105

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091105

Year of fee payment: 10

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101105

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20101105

Year of fee payment: 11

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111105

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20111105

Year of fee payment: 12

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121105

Year of fee payment: 13

EXPY Cancellation because of completion of term
FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121105

Year of fee payment: 13