JP2014116212A - 光水素化二次電池 - Google Patents

光水素化二次電池 Download PDF

Info

Publication number
JP2014116212A
JP2014116212A JP2012269867A JP2012269867A JP2014116212A JP 2014116212 A JP2014116212 A JP 2014116212A JP 2012269867 A JP2012269867 A JP 2012269867A JP 2012269867 A JP2012269867 A JP 2012269867A JP 2014116212 A JP2014116212 A JP 2014116212A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photocatalyst
hydrogen
negative electrode
electrolyte
secondary battery
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012269867A
Other languages
English (en)
Inventor
Konosuke Sawa
康之介 澤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Samsung R&D Institute Japan Co Ltd
Original Assignee
Samsung R&D Institute Japan Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Samsung R&D Institute Japan Co Ltd filed Critical Samsung R&D Institute Japan Co Ltd
Priority to JP2012269867A priority Critical patent/JP2014116212A/ja
Publication of JP2014116212A publication Critical patent/JP2014116212A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E60/00Enabling technologies; Technologies with a potential or indirect contribution to GHG emissions mitigation
    • Y02E60/10Energy storage using batteries

Landscapes

  • Catalysts (AREA)
  • Hybrid Cells (AREA)

Abstract

【解決課題】光励起反応を利用して得られた水素を負極活物質として活用する光水素化二次電池において、水素が酸素と反応して水に戻る逆反応を確実に抑制しつつ、かつ、可視光に基づく充電を可能にした光水素化二次電池を提供する。
【解決手段】本発明の光水素化二次電池は、正極と、前記正極用の第1の光触媒と、水素を吸蔵可能な導電体からなる負極と、前記負極用の第2の光触媒と、前記正極と負極とに接し、レドックスを含有する水溶液からなる電解質と、前記電解質を前記正極側と負極側とに分離し、充電時に前記正極側で発生した酸素の透過を抑制しつつ、前記レドックスとイオンを透過させるセパレータと、前記第1の光触媒及び前記第2の光触媒に対して可視光を通過させるための手段と、を備え、前記第1の光触媒層及び第2の光触媒層は夫々、前記可視光に基づく光励起反応を可能にする光触媒材料から構成されている。
【選択図】図1

Description

本発明は、光触媒の光励起反応に基づく酸化還元反応を利用して、負極への水素の吸蔵と負極からの水素の放出とを繰り返すことにより、充放電が可能な光水素化二次電池に関するものである。
太陽エネルギーを蓄える技術として、太陽電池と蓄電池をセットにした電池システムが実用化している。このシステムにおいて充電を行う場合、太陽光→電気→電気化学という3段階のエネルギー変換が行われ、電圧調整回路や逆流防止ダイオードなどがシステムに必要となる。
これに対して、光水素化二次電池では、太陽光→電気化学という2段階ステップでの充電が可能となり、充電器による充電や水素燃料の補給を必要としない。
この種の光水素化二次電池として、例えば、特開昭54−11450号公報に記載された酸素−水素燃料電池が存在する。この電池は、n型半導体電極と、酸素ガス拡散電極と、これら一対の電極に切り替え接続される水素吸蔵金属よりなる水素極と、電解液とを備え、前記n型半導体電極に光照射し、その光照射による水分解反応で生成する水素を前記水素極に吸蔵させて充電を行い、暗時前記水素極を前記酸素ガス拡散電極に切換接続して放電出力を得ることを特徴としている。
この電池では、n型半導体と水素極をつないでいる状態にし、受光部に光を照射することにより、n型半導体電極で酸化還元反応が起こり、水を水素と酸素に分解して水素イオンと酸素が生成するようにしている。
Mを任意の水素吸蔵合金とすると、充電反応は
n型半導体(光照射)→2p+ (正孔)+2e- (電子)
2p++H2O→(1/2)O2+2H+
M+xH++xe-→MHx
となり、放電反応は
MHx→M+xH++xe-
(1/2)O2+2H++2e-→H2O
となる。
しかしながら、この二次電池では、n型半導体電極で生成した酸素が水素極の表面に存在する水素に到達し、水素が水に戻る逆反応が起こり、充電が困難になるという問題があった。
そこで、特開平9−259942号公報に係る光水素気二次電池は、酸素透過防止膜でn型半導体電極と水素極とを分離して、n型半導体電極で生成した酸素が水素極に行かないようにして、水素が水に戻る逆反応を抑制するようにしている。
また、前記特許公報において、n型半導体としては、二酸化チタン等が挙げられているが、バンドギャップが広いため、紫外線光しか酸化還元反応に利用することができない。太陽光エネルギーを十分に利用する手法の一つとして、特開2002−255502号公報に係る水分解システムでは、バンドギャップが二酸化チタン等より狭い光触媒を2種類用意し、2段階の光励起反応によって、可視光を効率良く利用し、水分解反応を促進するシステムを提案している。
さらに、負極の水素吸蔵合金が大気に開放されている場合、水素吸蔵合金の平衡水素圧が1気圧以下の材料しか用いることができないが、特開2000−173679では、負極の水素吸蔵合金をプロトン伝導体の密閉構造にし、負極が水素ガスをプロトン化することのできる触媒を含有することにより、平衡水素圧が1気圧以上の水素吸蔵合金が利用できることを提案している。
特開昭54−11450号公報 特開平9−259942号公報 特開2002−255502号公報 特開2000−173679号公報
1種類のn型半導体を用いて水分解を行う場合、n型半導体電極の表面の近傍に酸素と水素イオンが生成すると、反応の過程で、水素イオンが酸素と再結合して水に戻る逆反応が発生し、太陽光エネルギー変換効率を下げるため、電池の充電効率が低下する。
伝導帯の下端と価電子帯の上端がそれぞれ水素および酸素の発生に適当なレベルにあって、さらに安定であるという触媒の必要条件を満たすものは、二酸化チタン以外、ほとんど見出されていない。このため、n型半導体として、二酸化チタン等のようにバンドギャップが大きい光触媒材料を利用する必要があるため、太陽光エネルギーを十分に利用できずに発電効率が悪い電池となっていた。
また、水素側極を密閉構造にし、水素極に水素ガスをプロトン化することのできる触媒を含有することより、平衡水素圧が1気圧以上の水素吸蔵合金の合金を使えることになるが、1気圧以上の平衡水素圧を実現しても、水素ガスが生成して負極から乖離した場合、内圧が上昇するため、電池の破損や劣化につながる。
そこで、本発明は、光励起反応を利用して得られた水素を負極活物質として活用する光水素化二次電池において、水素が酸素と反応して水に戻る逆反応を抑制しつつ、かつ、可視光に基づく充電を可能にし、負極で水素ガス生成を抑制しつつ1気圧以上の平衡水素圧を保持し、水素吸蔵量を増加させた光水素化二次電池を提供することを目的とするものである。
前記目的を達成するために、本発明は、光水素化二次電池において、正極と負極の夫々に光触媒を設けて、負極に吸蔵される水素を発生させるための光励起反応の反応場を正極と負極の二つに分けることにより水素が酸素と反応して水に戻る逆反応を防止するとともに、バンドギャップが夫々小さい光触媒の利用により、可視光、近赤外光による光励起反応を高め、負極に吸蔵される水素の発生効率を高めるようにしたことを特徴とするものである。
即ち、本発明の第1は、正極と、前記正極用の第1の光触媒と、水素を吸蔵可能な導電体からなる負極と、前記負極用の第2の光触媒と、前記正極と負極とに接し、レドックスを含有する水溶液からなる電解質と、前記電解質を前記正極側と負極側とに分離し、充電時に前記正極側で発生した酸素の透過を抑制しつつ、前記レドックスとイオンを透過させるセパレータと、前記第1の光触媒及び前記第2の光触媒に対して可視光を通過させるための手段と、を備え、前記第1の光触媒層及び第2の光触媒層は夫々、前記可視光に基づく光励起反応を可能にする光触媒材料から構成されている、ことを特徴とする光水素化二次電池である。
正極側の光触媒と電極が電解質と空気に接触できるものであれば、構造が限定されるものではないが、本発明の好適な態様では、前記光二次電池は、前記セパレータによって画成された前記正極側領域に設けられた大気に連通する開口部と、前記開口部から前記電解質の漏洩を防止する手段と、をさらに備えることが好ましい。
また、前記第1の光触媒は、伝導帯の下端が前記電解質のレドックス電位以上であり、価電子帯の上端がO2/H2Oの酸化還元電位よりも低く、可視光応答する材料から構成され、前記第2の光触媒は、伝導帯の下端がH/H2の酸化還元電位以上かつ水素ガスの生成電位以下(水の理論電解エネルギーは約1.23eVだが、過電圧を含めた水の電解エネルギーは1.5〜2.0eV程度)であり、価電子帯の上端が電解質のレドックス電位以下であり、可視光応答する材料から構成されている、ことが好ましい。
またさらに、前記負極が水素を吸蔵可能な導電体から構成され、さらに、前記第1の光触媒の光励起反応に基づく正孔が前記電解質の水を酸化することによって生じた水素イオンを前記負極に伝導するためのプロトン伝導体が前記負極に接合されている、ことが好ましい。
また、前記プロトン伝導体よって前記負極が前記電解質に対して密閉されていることが好ましい。
さらに、前記第1の光触媒に、還元触媒として作用する白金等の微粒子が担持されていることが好ましい。
本発明によれば、光励起反応を利用して得られた水素を負極活物質として活用する光水素化二次電池において、水素が酸素と反応して水に戻る逆反応を抑制しつつ、かつ、可視光に基づく充電を可能にした水素化二次電池を提供することができる。
図1は光水素化二次電池の断面方向の構造を示した図である。 図2は水素側光触媒を含んだプロトン伝導体構造例を示した図である。
本発明に係る光水素化二次電池の実施形態の構造について説明する。図1は光水素化二次電池の断面方向の構造を示した図である。符号2は電池ケースの平面、符号20,22は電池ケースの側面、符号6は電池ケースの底面を示す。即ち、平面2、側面20,22、そして、底面6によって、平面方向から底面方向に見て矩形の電池ケースが構成される。
電池ケースの平面2は可視光1を透過可能な受光部を備えている。平面2、側面20,22と底面6は遮光性の金属又は樹脂によって構成されている。具体的には、ABS樹脂やフッ素樹脂等の電解質に侵されない材質のものであればよい。平面2の受光部は、ガラス、石英ガラス、アクリル、スチロール等の可視光を透過する透明板や透明フィルム等で構成される。電池ケース全体をこれらの部材で構成してもよい。
電池ケースは、電池内環境を電池外環境から遮るためのものであるが、例として、底面6の正極領域には複数の開口部(空気穴)10が形成されたものでもよい。酸素の放出、取り込みのできる構造であれば、任意のものでよい。
電池内環境はセパレータ11によって正極領域と負極領域に分けられている。正極領域において、平面2の直下には正極用光触媒層7(第1の光触媒)が形成され、正極用光触媒層7の下方には上部が正極用光触媒層7に密着する正極層8が存在する。
一方、負極領域において、平面2の直下には、負極用光触媒層3(第2の光触媒を含む)が形成され、さらに、負極用光触媒層3に密着するように負極層4(水素吸蔵金属)が電池下方に形成されている。符号12は、負極層3を囲むプロトン伝導体を示す。
正極8はニッケル、カーボン等の導電材料であればよく、酸素還元触媒(例えば、Pt、MnO2、ペロブスカイト型酸化物)を含有する触媒層を有する一般的な空気極を使用することができる。更に、Pt、Pd、Ir、Rh、Os、Ru、Pt-Co、Pt-Au、Pt-Sn、Pd-Au、Ru-Ta、Ag-C、Ni-P、Ag-Ni-P、ラネーニッケル、Ni-Mn、Ni-酸化コバルト、Cu-Ag、Cu-Au、ラネー銀等の貴金属及び合金、ホウ化ニッケル、ホウ化コバルト、炭化タングステン、水酸化チタン、リン化タングステン、リン化ニオブ、遷移金属の炭化物、スピネル化合物、酸化銀、酸化タングステン、遷移金属のペロブスカイト型イオン結晶等の無機化合物、及び、バクテリア、非イオン活性剤、フロタシアニン、金属フロタシアニン、活性炭、キノン類等の有機化合物のいずれかで構成されることが望ましい。
一方、負極4は、水素吸蔵可能な導電体、公知の水素吸蔵合金から構成される。例えば、La−Ni系合金、La−Nd−Ni系合金、La−Gd−Ni系合金、La−Y−Ni系合金、La−Co−Ni系合金、La−Ce−Ni系合金、La−Ni−Ag系合金、La−Ni−Fe系合金、La−Ni−Cr系合金、La−Ni−Pd系合金、La−Ni−Cu系合金、La−Ni−Al系合金、La−Ni−Mn系合金、La−Ni−In系合金、La−Ni−Sn系合金、La−Ni−Ga系合金、La−Ni−Si系合金、La−Ni−Ge系合金、La−Ni−Al−Co系合金、La−Ni−Al−Mn系合金、La−Ni−Al−Cr系合金、La−Ni−Al−Cu系合金、La−Ni−Al−Si系合金、La−Ni−Al−Ti系合金、La−Ni−Al−Zr系合金、La−Ni−Mn−Zr系合金、La−Ni−Mn−Ti系合金、La−Ni−Mn−V系合金、La−Ni−Cr−Mn系合金、La−Ni−Cr−Zr系合金、La−Ni−Fe−Zr系合金、La−Ni−Cu−Zr系合金、並びに、上記合金中のLa元素をミッシュメタルで置き換えた合金、また、Ti−Zr−Mn−Mo系合金やZr−Fe−Mn系合金、Mg−Ni系合金等のTi、Fe、Mn、Al、Ce、Ca、Mg、Zr、Nb、V、Co、Ni、Cr元素の2組以上の組合せからなる合金等の水素吸蔵合金、Ti、V、Zr、La、Pd、Pt等の水素化物を形成する(水素吸蔵性を有する)金属、或いは、これら合金や金属の水素化物(水素を吸蔵した物質)で構成される。
水溶液からなる電解質で満たされた電解質領域5が光触媒層7、正極層8及び光触媒層3、プロトン伝導体12に接するように形成されている。電解質は負極活物質である水素の酸化還元反応に関与するレドックスを含んでいる。電解質は、塩基や中性の水溶液電解質で構成される。電解質は液状であるほかペースト状であってもよい。
レドックスとしては、特に限定されるものではないが、例えば、I /I、I/IO 、Br /Br、NO/NO等がある。I /Iは、電解液に、ヨウ素の水溶液とヨウ化物とを所定の割合で添加することによって調製ができる。ヨウ化物としては、例えば、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、ヨウ化カルシウム、ヨウ化リチウム等がある。
既述のセパレータ10は電解質5を正極領域と負極領域に分離するものであって、かつ、酸素透過の抑止膜、そして、プロトン(H)やレドックスの正極領域と負極領域間での拡散を妨げないものであればよい。このセパレータとしては、ガラス繊維やポリアミド系繊維不織布、ポリオレフィン系繊維不織布、ポリプロピレン、ポリエチレン、セラミック膜、イオン交換膜、セルロース膜、合成樹脂等から構成される。
光触媒層3は、例えば、プロトン伝導体と負極用光触媒とからなる。図2の2−1,2−2にこの構成例を示す。2−1は、プロトン伝導体102が、凝集した負極用光触媒100を包含したものであり、個々の負極光触媒100がプロトン伝導体102内部で互いに接触した構造になっている。2-2は、負極用光触媒100が柱状になってプロトン伝導体102内に構成されている。可視光は、プロトン伝導体102表面に露出している負極用光触媒100に入射されるか、プロトン伝導体102を通過して内部の光触媒に到達する。2−1、2−2ともに、光触媒層は電解質5と水素吸蔵合金4に接したものになっている。水素吸蔵合金4と光触媒層3とは接合されている。
光触媒層3のn型半導体の伝導帯の下端はH/H2の酸化還元電位よりも高いため、水素吸蔵合金と半導体を接合するとショットキー型のポテンシャル障壁を形成し、整流作用をもたらす。これは水素吸蔵合金に移動した電子が半導体に戻ることを防ぐ。
光触媒による酸化還元作用を促進させるためには、n型半導体を含んだプロトン伝導体3は負極層4の可視光、近赤外光を受光する面に配置される必要があるが、他の密閉部材はプロトン伝導体のみの層12、もしくは絶縁層でもよい。
図2の2−1の構造のように光触媒を包含したプロトン伝導体3は、水素吸蔵合金4から電解質5への電子放出を防ぎ、陰イオンレドックスが水素吸蔵合金に接することを防ぎ、プロトンが透過でき、電子の整流作用を持つ。電解質に接触した負極用光触媒によってレドックスを酸化することが可能である。
既述のように、図1の電池には、外気と酸素の交換を可能にするために、空気孔10があるため、電池内圧は大気圧に等しくなっている。したがって、充電により負極中に生成した水素化物(吸蔵水素)の解離による放電容量の低下を防ぐには、負極層は、水素の平衡水素圧が1気圧以下の材料で構成することが望ましいところであるが、既述のように、負極層4は負極用光触媒層3とプロトン伝導体12とによって電解質と直接接触しないよう電解質から密閉されているために、後述の電解水素チャージの手法と組み合わせて、水素の平衡水素圧が1気圧以上の材料を使用することもできる。
符号9は電解質5が開口部10から漏洩することを抑制する撥水膜である。撥水膜は電池ケース底面の内側の少なくとも正極領域に積層されている。充電時に正極側電解質領域において発生した酸素は、撥水膜9を介して開口部10から電池外に排出される。放電時に正極領域で必要な酸素は開口部10から撥水膜9を介して正極側電解質領域に取り込まれる。
正極用光触媒7は、伝導帯の下端が電解質のレドックス電位以上であり、価電子帯の上端がO2/H2Oの酸化還元電位よりも低く、負極用光触媒3は、伝導帯の下端がH/H2の酸化還元電位以上かつ水素ガスの生成電位以下(過電圧を含めた水の電解エネルギーは1.5〜2.0eV程度)であり、価電子帯の上端が電解質のレドックス電位以下である材料から構成されている。
光触媒材料としては、例えば、第1群(Ti、Ta、Zr,Nb、V、W、Zn、Cd、Ga、In、Sn,Bi)から選ばれる少なくとも一つ元素の酸化物であり、第2群(Cr、Ru、Bi,Cu、Mn、Mo、W、Fe、Co、Cd、Pt、Rh、Pd、Au、Ag)から選ばれる少なくとも一つの元素をドーピングしたものがある。組成やドーピング元素の含有量を変更することによって、エネルギー準位が調整されているものも含まれる。
正極用光触媒表面の一部には金属微粒子30が担持されることが好ましい。可視光1によって励起された励起電子よりもエネルギー準位が低い金属が光触媒に担持されていると、励起電子は金属の方に移動するため(32)、正孔(h+)との再結合(逆反応)の割合を減らすことができる。
プロトン伝導体12を通過して負極の水素吸蔵合金の表面にある水素イオンを水素吸蔵合金に吸蔵させるために、電解水素チャージを適用することができる。電解水素チャージでは、水素圧Pが下記数1のように規定される。光触媒によって2段階励起される電子のエネルギーを水分解の理論分解エネルギー(約1.23eV)以上、水素イオンが水素ガス化する臨界エネルギー(1.5〜2.0eV程度)以下に設定することによって、水素吸蔵合金の表面にある水素イオンが水素吸蔵合金に吸蔵されるための水素圧を高くすることができる。下記数1で表されるように、理論的には、無限にプロトンが供給される場合、過電圧の増加とともに水素圧が指数関数的に上昇する。この式に従えば、過電圧が0.05V、温度が25℃の場合、水素圧は4.9[MPa]となる。
電解水素チャージによって吸蔵された水素を水素合金内へ保つために、水素極光触媒と水素吸蔵合金の界面を接合し、既述のショットキー型のポテンシャル障壁がH/H2の酸化還元電位以上の高さを持つ必要がある。
前記12、102のプロトン伝導体としては、陰イオンや電子に対し絶縁性を持ち、可視光を透過し、プロトンが移動可能であり、光触媒の酸化還元作用に対する耐久性を持つものが好ましい。材質としては、有機電解質、ポリマー電解質或いは無機電解質等を用いることができる。
レドックスとしてI/IO 、I/IO 、I/I 等の陰イオンの組み合わせを用いる場合、このレドックスを通さない膜として、例えば、デュポン社のナフィオン膜,旭化成のアシプレックス膜,旭硝子のフレミオン膜等のパーフルオロスルホン酸系のカチオン透過膜等を用いることができる。
次に、電池の動作について説明する。先ず、充電時の動作について説明する。可視光が平面2の受光部から電池内に入射されると、正極側光触媒層7の光励起反応によって生じたホール(正孔)が水を酸化して、酸素と水素イオンを生成し、励起した電子がレドックスを還元する。
正極用光触媒(可視光)→4h(正孔)+4e(電子)
2H2O+4h→O2+4H+
Red(レドックス)+e-→Red
2は開口部10から電池外に排出される。正極領域と負極領域との間にはセパレータ(酸素透過抑止膜)11があるため、O2は負極側に移動しない。
水素イオンと、還元されたレドックスはセパレータ11を通過して負極領域に拡散する。還元されたレドックスは、負極用光触媒層3まで到達し、一方、水素イオンは光触媒層3のプロトン伝導体、プロトン伝導体12を通過して負極層(水素吸蔵合金)4に到達する。
負極用光触媒が可視光によって光励起されると、生じた正孔が還元されたレドックスを酸化する。一方、励起された電子は負極層表面近傍の水素イオンと反応し、これを還元して水素化物を発生させる。その結果、水素が水素吸蔵合金内に吸蔵されたことになり充電状態になる。
電子の移動度は、一般に、電解質よりも金属のほうが高いために、負極用光触媒で励起された電子のうち、レドックスに移動してこれを再度還元する逆反応の起こる割合は、水素吸蔵合金に移動する割合よりも格段に少ない。酸化されたレドックスは、セパレータ11を越えて正極領域に拡散する。レドックスは酸化と還元を繰り返しながら、正極領域と負極領域間を往復する。
負極4は光触媒層3と12のプロトン伝導体によって電解質5から分離されているために、水素吸蔵合金と電解質が直に接触しない。そのため、水素化物生成に用いられた励起電子が、正孔によって酸化されたレドックスを再度還元する逆反応が防がれるようにしている。
水素吸蔵合金表面のエネルギー準位が光触媒層3での伝導帯の下端のエネルギー準位より低ければ、金属-半導体接合であるため、ショットキー障壁を作る。これは整流作用をもたらし、水素吸蔵合金内の電子が光触媒に戻ることを防ぐ。
水素吸蔵合金表面と光触媒表面によって作られるショットキー障壁は、水素吸蔵合金内の電子を閉じ込める。この障壁のエネルギーを数式1のΔφに代入することよって、水素圧に換算できる。すなわち、電子を蓄積して逃がさない構造にすることにより、平衡大気圧以上の水素を蓄えることが可能になる。したがって、平衡水素圧が1気圧以上の材料による充電が可能になる。
次に放電時の動作について説明する。外部回路によって、負極4から正極8に向かって電子が流れ、負極4では水素吸蔵合金から水素イオンが解離される。解離した水素イオンは光触媒層3,12のプロトン伝導体を透過し、電解質5内を拡散し、セパレータ11を介して正極8側に到達する。正極側の水素イオンは、外部回路を介して負極から移動してきた電子と電池外から開口部と介して取り込まれた酸素と反応して、水に戻る。開口部10が存在しないと、電池内に酸素を取り込むことができず、電池容量が低下する。
水素イオンは正極で消費されて、電池は充電前の初期状態に戻る。
以上説明したように、既述の電池によれば、次の効果がある。負極側光触媒で励起される電子のエネルギーが水素ガス生成電位以下ならば、水素ガスは生成せず、電解水素チャージによって水素充電が行われ、さらにショットキー型のポテンシャル障壁を用いることによって、暗時でも水素を水素吸蔵合金内に保持することができる。
従来のように光触媒の1段反応のみを用いる電池では、同じ材料の表面上で酸素生成と水素イオン生成が起こるため、再結合して水に戻る逆反応が起こり得る。本発明によれば、2段階の光触媒反応に分けられるため、酸素が生成する反応場と水素イオン吸着が行われる反応場を分けることができ、逆反応の割合を減らすことができる。従来では、電極と光触媒(半導体)を接着することが出来なかったが、本願発明では、酸素生成と水素吸着の反応場が分離されているために、正極に光触媒を一体にすることができる。
水素化空気電池に必要な電位差は、特許文献3のように水分解を目的とした電位差(1.5〜2.0V程度)よりも低い。そのため、2段階反応における光触媒材料の組み合わせとして、よりバンドギャップが狭く、太陽光変換効率の高い材料を利用することができると期待できる。
なお、充電時には、正極・負極側で生成した各イオンが拡散によって、お互いの極に到達する必要があるため、正極と負極の構造を細かくして近づけ、特開2000−173679のように、この構造を周期的に複数持つ、くし型電極を用いてもよい。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について詳細に説明したが、本発明はかかる例に限定されない。本発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範囲内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本発明の技術的範囲に属するものである。
1 太陽光(可視光)
2 電池ケース平面(受光部)
3 負極用光触媒層
4 負極層(水素吸蔵合金)
5 レドックス電解質、
6 電池ケース底面
7 正極用光触媒層
8 正極
9 撥水膜
10 開口部
11 セパレータ
12 プロトン伝導体

Claims (6)

  1. 正極と、
    前記正極用の第1の光触媒と、
    水素を吸蔵可能な導電体からなる負極と、
    前記負極用の第2の光触媒と、
    前記正極と負極とに接し、レドックスを含有する水溶液からなる電解質と、
    前記電解質を前記正極側と負極側とに分離し、充電時に前記正極側で発生した酸素の透過を抑制しつつ、前記レドックスとイオンを透過させるセパレータと、
    前記第1の光触媒及び前記第2の光触媒に対して可視光、近赤外光を通過させるための手段と、
    を備え、
    前記第1の光触媒層及び第2の光触媒層は夫々、前記可視光に基づく光励起反応を可能にする光触媒材料から構成されている、
    光水素化二次電池。
  2. 前記セパレータによって画成された前記正極側領域に設けられた大気に連通する開口部と、
    前記開口部から前記電解質の漏洩を防止する手段と、
    をさらに備える、
    請求項1記載の光水素化二次電池。
  3. 前記第1の光触媒は、伝導帯の下端が前記電解質のレドックス電位以上であり、価電子帯の上端がO2/H2Oの酸化還元電位よりも低く、可視光応答する材料から構成され、
    前記第2の光触媒は、伝導帯の下端がH/H2の酸化還元電位以上かつ水素ガスの生成電位以下であり、価電子帯の上端が電解質のレドックス電位以下であり、可視光応答する材料から構成されている、
    請求項1又は2記載の光水素化二次電池。
  4. 前記負極が水素を吸蔵可能な導電体から構成され、
    さらに、前記第1の光触媒の光励起反応に基づく正孔が前記電解質の水を酸化することによって生じた水素イオンを前記負極に伝導するためのプロトン伝導体が前記負極に接合されている、
    請求項1乃至3の何れか1項記載の光水素化二次電池。
  5. 前記プロトン伝導体と前記第2の光触媒によって前記負極が前記電解質に対して密閉されている、請求項4記載の光水素化二次電池。
  6. 陰イオンのレドックスを使用し、
    水素ガスの生成電位以下かつH+/H2の酸化還元電位以上の伝導体を持つ前記第2の光触媒を前記負極に接合することにより、高い平衡水素圧を実現し、
    暗時でも水素吸蔵合金内に水素を保持する、
    請求項5記載の光水素化二次電池。
JP2012269867A 2012-12-10 2012-12-10 光水素化二次電池 Pending JP2014116212A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012269867A JP2014116212A (ja) 2012-12-10 2012-12-10 光水素化二次電池

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012269867A JP2014116212A (ja) 2012-12-10 2012-12-10 光水素化二次電池

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2014116212A true JP2014116212A (ja) 2014-06-26

Family

ID=51171997

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012269867A Pending JP2014116212A (ja) 2012-12-10 2012-12-10 光水素化二次電池

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2014116212A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106785243A (zh) * 2017-02-28 2017-05-31 南开大学 光充二次电池

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN106785243A (zh) * 2017-02-28 2017-05-31 南开大学 光充二次电池

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5207407B2 (ja) 空気極
Sapkota et al. Zinc–air fuel cell, a potential candidate for alternative energy
JP5355385B2 (ja) 燃料電池
JP5628840B2 (ja) 水素生成デバイス
JP4767370B2 (ja) 光電気化学セル
JP4904715B2 (ja) 光電気化学セル及びその製造方法
CN104577166B (zh) 光半导体电极、光电化学电池、氢产生方法和能量系统
US11377747B2 (en) Solar fuels generator with pH separation
US20180257057A1 (en) Chemical reaction system
JP2007509480A (ja) 電極、その製造方法、金属/空気燃料セルおよび金属水素化物セル
KR20140096916A (ko) 광전극 구조체용 복합 보호층, 이를 포함하는 광전극 구조체 및 이를 포함하는 광전기화학 전지
JP7413304B2 (ja) 二酸化炭素電解装置
JP4200339B2 (ja) 燃料電池単位セル、燃料電池単位セルアレイ、燃料電池モジュール及び燃料電池システム
US20030198862A1 (en) Liquid gallium alkaline electrolyte fuel cell
US7220501B2 (en) Integrated hybrid electrochemical device
JP6288655B2 (ja) リバーシブル燃料電池蓄電池
JP3346449B2 (ja) 光水素化空気二次電池
JP2014116212A (ja) 光水素化二次電池
JP3846727B2 (ja) 液体燃料電池およびそれを用いた発電装置
US20060078764A1 (en) Dissolved fuel alkaline fuel cell
CN104576069A (zh) 光电化学电池和使用该光电化学电池的氢产生方法
JP3304006B2 (ja) 光化学2次電池
JP3194448B2 (ja) 光空気2次電池
JP2005347216A (ja) 燃料電池
JPS60225363A (ja) 燃料電池