JP4767370B2 - 光電気化学セル - Google Patents

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Description

本発明は、光の照射により水を分解する光電気化学セルに関する。
従来、光半導体に光を照射することによって水を水素と酸素とに分解する技術が知られている。
例えば、特許文献1には、互いに対向する光半導体電極と対向電極とを電解液中に配置して、光半導体電極の表面に光を照射することによって各電極の表面から水素又は酸素を発生させる技術が開示されている。
また、特許文献2には、導電体の円筒の外面に光半導体層が、内面に対極が、それぞれ設けられている反応筒を備えた水の光分解装置が開示されている。この装置は、生成された水素及び酸素を、反応筒の内側領域と外側領域とを利用して互いに分離する構成を有している。
また、水の光分解によって生成した水素と酸素とを分離できる他の装置として、特許文献3には、光半導体を含むアノード電極と、プロトン伝導膜と、カソード電極とを備え、カソード電極には貫通孔が形成されており、貫通孔の内側表面に触媒層となる白金層が設けられている装置が開示されている。この装置は、カソード電極における貫通孔の内側表面で発生した水素を貫通孔から排出することによって、生成した水素を酸素から分離できる構成となっている。
特開昭51−123779号公報 特開平4−231301号公報 特開2006−176835号公報
しかしながら、特許文献1に開示されているような、互いに対向する光半導体電極と対向電極とを単に電解液中に配置した構成の場合、生成した水素と酸素とを互いに分離することが困難である。また、特許文献1には、設置の状況等を考慮した構造とはなっていないため、設置の状況によっては発生した気体が電極表面を被覆してしまい、水素の発生効率が低下するという課題もあった。
特許文献2のように、導電体の円筒の外面に光半導体(光半導体電極)、内面に対極を設けて、円筒内外で生成する水素と酸素とを互いに分離するような構造を用いる場合、太陽光を利用するときには、これらの電極を太陽光に対向させて配置しなければならない。この場合、仮に光半導体電極面を太陽光に対向させると、光半導体電極面で生成する水素又は酸素は光半導体電極面から放出されるものの、円筒内部の対極表面で生成する酸素又は水素は対極表面を被覆して放出されにくくなる。そのため、このような構成は、水と対極との接触面積が低下し、水素の発生効率が低下するという課題を有している。
特許文献3に開示されている構成では、仮にアノード電極の光半導体を太陽光に対向させると、カソード電極の貫通孔の内部で生成された水素が貫通孔から排出されにくくなり、貫通孔の内部が水素で被覆されて水の光分解効率が低下し、水素の発生効率が低下するという課題があった。
そこで、本発明は、発生した気体により電極表面が被覆されてしまうことを抑制して、水素の発生効率を向上させた、光電気化学セルを提供することを目的とする。
本発明の光電気化学セルは、光の照射により水を分解して水素を発生させる光電気化学セルであって、
導電基板及び前記導電基板上に配置された光半導体層を含む第1電極と、
前記第1電極の前記導電基板側の面に対向して配置され、前記導電基板と電気的に接続された第2電極と、
前記光半導体層の表面及び前記第2電極の表面と接触する、水を含む電解液と、
前記第1電極、前記第2電極及び前記電解液を収容する容器と、
前記容器内部へ水を供給するための供給口と、
前記光半導体層の表面側の第1領域における電解液と、前記第1電極に対して前記第1領域と反対側の第2領域における電解液との間で、イオンを移動可能とするイオン通過部と、を備え、
前記光半導体層に光が照射されることによって、前記電解液中の前記水を分解して水素を発生させる。
光電気化学セルは、光の利用効率を高めるために、第1電極の光半導体層を太陽光などの光に対向させる向きで設置することが一般的である。本発明の光電気化学セルがこのように設置された場合、第1電極は光半導体層が仰向けになる向きで配置され、第2電極は電解液に接触している面が仰向けになるように配置されることになる。このように設置された場合、第1電極の光半導体層の表面及び第2電極の表面で発生した気体は、浮力により第1電極及び第2電極の表面から容易に離脱できるので、光半導体層の表面及び第2電極の表面に付着してこれら表面を被覆してしまうことがない。さらに、水の供給口が設けられており、当該供給口から水が供給されることによって電解液の流れが生じるので、発生した気体をさらに効率良く電極表面から離脱させることができる。このように、本発明の構成によれば、生成された気体によって、光半導体層の表面及び第2電極の表面と電解液との接触が妨げられないので、長期にわたり初期の水分解効率を保持でき、水素の発生効率の低下を抑制できる。
本発明の実施の形態1における光電気化学セルの構成を示す概念図 本発明の実施の形態2における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例1における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例2における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例3における光電気化学セルの構成を示す概念図 実施例2における光電気化学セルの構成を示す概念図 実施例3における光電気化学セルの構成を示す概念図 実施例4における光電気化学セルの構成を示す概念図 実施例5における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例5における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例6における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例7における光電気化学セルの構成を示す概念図 比較例8における光電気化学セルの構成を示す概念図 実施例5において、光半導体電極を容器に設置する方法を示す図
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、以下の実施の形態は一例であり、本発明は以下の実施の形態に限定されない。
(実施の形態1)
図1は、本発明の実施の形態1における光電気化学セルの構成を示す概念図である。
図1に示すように、本実施の形態における光電気化学セル1は、導電基板3a及び導電基板3a上に配置されたn型半導体層(光半導体層)3bによって形成された光半導体電極(第1電極)3と、光半導体電極3の導電基板3a側の面に対向して配置され、導電基板3aと導線10によって電気的に接続された対極(第2電極)4と、n型半導体層3bの表面及び対極4の表面と接触する、水を含む電解液11と、光半導体電極3、対極4及び電解液11を収容する容器2と、容器2内部へ水を供給するための供給口5と、イオン通過部12と、を備えている。供給口5は、光電気化学セル1が設置された状態において容器2の下端となる位置に配置されている。イオン通過部12は、n型半導体層3bの表面側の領域A(第1領域)における電解液11と、光半導体電極3に対して領域Aと反対側の領域B(第2領域)における電解液11との間で、イオン(例えば水素イオン及び水酸イオン)を移動可能とする部分である。本実施の形態においては、イオン通過部12は光半導体電極3に設けられた開口であり、光電気化学セル1が設置された状態において容器2の下面を基準とした場合に、光半導体電極3の下端となる位置よりも下側に設けられている。
光電気化学セル1は、n型半導体層3bに光が照射されることによって容器2内に供給された水を分解し、酸素7及び水素8を発生させる。光半導体電極3におけるn型半導体層3bの表面上では酸素7が、対極4の表面上では水素8が、それぞれ発生する。なお、本実施の形態では、光半導体電極3を構成する光半導体層にn型半導体を用いているが、p型半導体を用いることもできる。p型半導体を用いた場合は、水素と酸素の発生電極が逆となり、光半導体電極3上で水素が、対極4上で酸素が、それぞれ発生する。
光電気化学セル1には、光半導体電極3側で発生した気体(ここでは酸素7)と対極4側で発生した気体(ここでは水素8)とをより確実に分離する目的で、光半導体電極3と対極4との間(イオン通過部12の領域も含む)に配置されたガス分離体9がさらに設けられている。
容器2には、容器2内で発生した酸素7及び水素8をそれぞれ排出するための酸素排出口(第1排出口)6a及び水素排出口(第2排出口)6bが設けられている。これらの排出口から、水素及び酸素がそれぞれ回収される。
図1には、n型半導体層3bが仰向けになる向きで光半導体電極3が配置され、かつ、対極4における電解液11と接している面が仰向けになる向きで対極4が配置されるように、光電気化学セル1が設置されている状態が示されている。
この設置状態では、n型半導体層3bの表面で生成した酸素7は、浮力によりn型半導体層3bの表面から離れて、n型半導体層3b及び対極4の表面に付着することなくセル上部に移動できる。また、水素8を発生させる対極4はn型半導体層3bよりも下側に位置するものの、その間には導電基板3a及びガス分離体9が配置されているため、水素8がn型半導体層3bの表面に付着することもない。このため、生成された酸素7や水素8によってn型半導体層3bの表面が被覆されてしまうことがない。その結果、長期にわたり初期の水分解効率を保持できる。また、光半導体電極3が対極4よりも上側(光と対向する側)に配置されていることにより、対極4に遮られることなく光半導体電極3の表面に光が照射されるので、セル1の量子効率がさらに向上する。ここで、n型半導体層3b、すなわち光半導体層が仰向けであるとは、光半導体層表面の法線ベクトルが、水平面に対して鉛直方向上向き側の領域に向いていることをいう。
一方、対極4は、光半導体電極3の導電基板3a側の面に対向して配置されている。対極4は、光半導体電極3と対向している面が電解液11と接触しており、この面が仰向けになる向きで配置されている。なお、対極4の電解液11と接触している面が仰向けであるとは、当該面の法線ベクトルが、水平面に対して鉛直方向上向き側の領域に向いていることをいう。このように、本実施の形態の対極4では水素8が発生する面が仰向けとなっているので、発生した水素8は浮力によって対極4の表面から離れ、対極4の表面に付着することなくセルの上部に移動できる。したがって、対極4の表面が水素8によって被覆されることがない。さらに、酸素7が発生するn型半導体層3bは対極4よりも上側に位置しているので、酸素7によって対極4の表面が被覆されることもない。したがって、長期にわたり初期の水分解効率を保持できる。
光半導体電極3及び対極4について、さらに詳しく説明する。
光半導体電極3を構成するn型半導体層3bは、水を光分解して水素を発生させるために、伝導帯のバンドエッジ準位が水素イオンの標準還元準位である0V以下であり、かつ、価電子帯のバンドエッジ準位が水の標準酸化電位1.23V以上である半導体によって形成されていることが好ましい。このような半導体としては、チタン、タングステン、鉄、銅、タンタル、ガリウム及びインジウムのオキサイド、オキシナイトライド及びナイトライドの単体、これらの複合酸化物、これらにアルカリ金属イオンやアルカリ土類金属イオンを添加したもの、及び、鉄、銅、銀、金又は白金等を金属の表面に担持したものが、有効に用いられる。特に、金属の表面に鉄、銅、銀、金又は白金等を担持したものは、過電圧が小さいため特に好ましい。また、伝導帯のバンドエッジ準位が水素イオンの標準還元準位0V以下の物質からなる膜と、価電子帯のバンドエッジ準位が水の標準酸化電位1.23V以上の物質からなる膜とを互いに接合した積層膜等も、有効に用いられる。一例として、例えばWO3/ITO(Indium Tin Oxide)/Si積層膜等が有効に用いられる。
導電基板3aは、n型半導体層3bに対してオーミック接触するものであればよく、その材料は特に限定されない。一般には金属が用いられるが、ガラス等の絶縁基板の上にITOやFTO(Fluorine doped Tin Oxide)等の導電膜が形成された導電膜基板も用いることができる。ただし、導電基板3aにおいてn型半導体層3bに被覆されない部分は、電極内で電池反応を起こさないためにも水に接触しないほうがよい。そのため、導電基板3aにおいてn型半導体層3bに被覆されない部分は、例えば樹脂等の絶縁体で被覆されることが望ましい。
対極4としては、過電圧が小さいものが優れている。本実施の形態では対極4から水素8を発生させるので、対極4には、Pt、Au、Ag、Fe等の金属、もしくはそれらの金属を電極に担持した金属電極が好適に用いられる。n型半導体層3bの代わりにp型半導体層を用いて、対極4から酸素を発生させる光電気化学セルとする場合には、対極4には、例えばNi、Pt等の金属、もしくはそれらの金属を電極に担持した金属電極が好適に用いられる。
本実施の形態では、水を供給するための供給口5が、光電気化学セル1が設置された状態において容器2の下端となる位置に配置されている。これにより、光半導体電極3及び対極4の表面での電解液11の流れが下から上になり、発生した酸素及び水素をさらに効率良く電極表面から離脱させることができる。なお、本実施の形態では、水の供給口5は容器2の下端となる位置に配置されているが、この位置に限定されず、容器2の内部に水を供給できる位置に設けられていればよい。ただし、電解液11の流れによって酸素及び水素を効率良く電極表面から離脱させるために、供給口5は、光電気化学セル1が設置された状態において容器2の下面を基準とした場合に、光半導体電極3及び対極4の下端部よりも低い位置となるように配置されていることが好ましい。
イオン通過部12は、光半導体電極3に設けられた開口である。イオン通過部12を設けることにより、電解液11中のイオンの移動が電極によって妨げられることなく、各電極表面へイオンを効率良く供給できる。本実施の形態では、イオン通過部12は、光電気化学セル1が設置された状態において容器2の下面を基準とした場合に、光半導体電極3及び対極4の下端となる位置よりも下側(低い位置)となるように設けられている。水の分解で発生した酸素7及び水素8は、浮力によってセル1の上側に向かう。したがって、本実施の形態の構成によれば、発生した酸素7及び水素8がイオン通過部12に侵入することが抑制されるので、酸素7と水素8とを分離しながら、水分解を行うために必要な水素イオンもしくは水酸イオンを2つの電極間(領域A−領域B間)で移動させることができ、水分解を長期にわたり行うことができる。
ガス分離体9は、イオン通過部12の領域に配置されている。これにより、高効率に水を光分解しながら、生成した酸素7と水素8とを完全に分離することができる。本実施の形態では、ガス分離体9はイオン交換体によって形成されている。イオン交換体を用いることにより、酸素7と水素8とを分離しながら、イオンのみを透過させることができるので、継続的に水を高効率で光分解できる。ガス分離体9として用いるイオン交換体としては、イオン輸率の高い高分子固体電解質、例えばデュポン社製のナフィオン(登録商標)が望ましい。なお、ガス分離体9には、イオン交換体以外に、例えばポリテトラフルオロエチレン多孔質膜等の多孔質膜を用いることができる。この場合、電解液11は通過可能であって、かつ、生成した酸素7及び水素8は通過できない程度の孔径を有する多孔質膜を用いればよい。なお、本実施の形態では、上記のとおりイオン通過部12の設置位置によって酸素7と水素8とを高い確率で分離できるため、ガス分離体9を省略することも可能である。
容器2のうち、n型半導体層3bと対向する部分(光入射部)は、太陽光等の光を透過させる材料で構成されている。容器2には、容器2内で発生した酸素7及び水素8をそれぞれ排出するための酸素排出口(第1排出口)6a及び水素排出口(第2排出口)6bが設けられている。酸素排出口6a及び水素排出口6bは、光電気化学セル1が設置された状態において酸素排出口6aが光半導体電極3の上端部以上の位置となり、水素排出口6bが対極4の上端部以上の位置となるように、それぞれ配置されていることが好ましい。この構成により、光半導体電極3及び対極4の表面から離脱した酸素7及び水素8を効率よく捕集することができる。なお、図1では、対極4として設けられた部材が容器2外にまで延びて、当該部材の上端部の方が水素排出口6bよりも上の位置になっているが、当該部材の電解液11と接している部分が対極4として機能することになるため、この場合も水素排出口6bは対極4の上端部以上の位置に配置されているといえる。
図1に示された構成では、光半導体電極3と対極4とがほぼ同じ面積を有しているが、対極4の面積は光半導体電極3の面積よりも小さいことが望ましい。これにより、光半導体電極3の受光面積を最大限大きくできる。また、光電気化学セル1の電流密度は、水の電気分解の1/20程度であるので、水の電気分解と同じ白金触媒を用いて対極4を形成した場合、コストの大幅削減を実現できる。
電解液11は、水を含む電解液であればよく、酸性であってもよいし、アルカリ性であってもよい。また、電解液11は水のみから形成されていてもよい。
次に、本実施の形態の光電気化学セル1の動作について説明する。
光電気化学セル1における容器2の光入射部から、容器2内に配置された光半導体電極3のn型半導体層3bに太陽光が照射されると、n型半導体層3bにおいて下記反応式(1)により水が分解されて、酸素7が発生する。この反応で生じた電子(e-)は、n型半導体層3bから導電基板3a及び導線10を介して対極4に移動する。一方、反応式(1)の反応で生じた水素イオン(H+)は、領域Aから、イオン通過部12及びガス分離体9を経由して領域Bへと移動し、対極4に移動してきた電子と対極4の表面において反応して(下記反応式(2))、水素が発生する。
2H2O → O2↑+4H++4e- (1)
4e-+4H+ → 2H2↑ (2)
本実施の形態では、酸素7が発生する光半導体電極3の面と水素8が発生する対極4の面とが仰向けとなっているので、生成した酸素7が浮力により光半導体電極3から、生成した水素8が浮力により対極4から、それぞれ離脱する。イオン通過部12は酸素7及び水素8が発生する部分よりも低い位置に設けられていること、さらにガス分離体9が設けられていることにより、酸素7と水素8とは互いに混合することなく、酸素7はガス分離体9を境界として光半導体電極3側の上部に、水素8はガス分離体9を境界として対極4側の領域の上部に、それぞれ移動する。したがって、光半導体電極3側の領域に配置されている酸素排出口6aからは酸素7が、対極4側の領域に配置されている水素排出口6bからは水素8が、それぞれ取り出される。この間、上記に説明したように、光半導体電極3及び対極4の表面は生成した気体に被覆されることがないので、長期にわたり初期の水分解効率を保持できる。
(実施の形態2)
図2は、本発明の実施の形態1における光電気化学セルの構成を示す概念図である。
本実施の形態の光電気化学セル21は、光半導体電極(第1電極)22及びイオン通過部23の構成が、実施の形態1の光電気化学セル1の光半導体電極3及びイオン通過部12の構成とは異なるが、これら以外は光電気化学セル1と同様である。したがって、ここでは、光半導体電極22及びイオン通過部23についてのみ説明する。
光半導体電極22は、導電基板22aと、導電基板22a上に配置されたn型半導体層(光半導体層)22bとによって形成されている。対極4は、光半導体電極3の導電基板22a側の面に対向して配置され、導電基板22aと導線10によって電気的に接続されている。光電気化学セル22は、n型半導体層22bに光が照射されることによって容器2内に供給された水を分解し、酸素7及び水素8を発生させる。光半導体電極22におけるn型半導体層22bの表面上では酸素7が、対極4の表面上では水素8が、それぞれ発生する。なお、本実施の形態では、光半導体電極22を構成する光半導体層にn型半導体を用いているが、p型半導体を用いることもできる。p型半導体を用いた場合は、水素と酸素の発生電極が逆となり、光半導体電極22上で水素が、対極4上で酸素が、それぞれ発生する。
本実施の形態では、n型半導体層22bが仰向けになる向きで光半導体電極22が配置されるように、光電気化学セル22が設置される。したがって、n型半導体層22bの表面で生成した酸素7は、浮力によりn型半導体層22bの表面から離れて、n型半導体層22b及び対極4の表面に付着することなくセル上部に移動できる。また、水素8を発生させる対極4はn型半導体層22bよりも下側に位置するものの、その間には導電基板22a及びガス分離体9が配置されているため、水素8がn型半導体層22bの表面に付着することもない。このため、生成された酸素7や水素8によってn型半導体層22bの表面が被覆されてしまうことがない。その結果、長期にわたり初期の水分解効率を保持できる。
さらに、光半導体電極22にはイオン通過部23が設けられている。イオン通過部23は、n型半導体層22bの表面側の領域A(第1領域)における電解液11と、光半導体電極22に対して領域Aと反対側の領域B(第2領域)における電解液11との間で、イオン(例えば水素イオン及び水酸イオン)を移動可能とする部分である。本実施の形態では、イオン通過部23は、光半導体電極22に設けられた貫通孔によって形成されている。光半導体電極22の開口率は、光半導体電極22におけるn型半導体層22bと電解液11との接触面積を十分に確保する(貫通孔が設けられていない平板状の光半導体電極を想定した場合に、その平板状の光半導体電極と電解液との接触面積と同程度の接触面積を確保する)という観点から、46%以下が望ましい。さらに、光半導体電極22の開口率は、n型半導体層22bにおいて太陽光に照射される面積を十分に確保する(貫通孔が設けられていない平板状の光半導体電極を想定した場合に、その平板状の光半導体電極において太陽光の照射面積と同程度の照射面積を確保する)という観点から、13%以下がより望ましい。貫通孔の形状は、特に限定されず、例えばスリット状に形成してもよい。なお、貫通孔をスリット状とする場合、スリットの間隔が貫通孔の孔径に相当する。また、図2に示した光電気化学セル21では、イオン通過部23を、光半導体電極22に部分的に設けられた貫通孔によって形成したが、これに限定されない。例えば、光半導体電極22をメッシュ状又はハニカム状とすることによって、イオン通過部を有する光半導体電極を実現してもよい。このように、光半導体電極22をメッシュ状又はハニカム状とすることにより、イオン通過部23を設けることができるだけでなく、n型半導体層22bの表面積を増加させることもできる。これにより、水の光分解効率をさらに向上させることができる。光半導体電極22をメッシュ状とする場合は、例えば導電基板22aとして金属メッシュやパンチングメタル等を用い、その金属メッシュやパンチングメタル上にn型半導体層22bを設けることによって、光半導体電極22を作製できる。また、光半導体電極22をハニカム状とする場合も、同様に、導電基板22aとして金属ハニカムを用い、その金属ハニカムの表面上にn型半導体層22bを設けることによって、作製できる。また、光半導体電極22を部分的に、イオン交換体等のイオンを通過させることができる材料によって形成することによって、イオン通過部を形成することもできる。例えば、光半導体電極22に貫通孔を設け、その貫通孔にイオン交換体を充填して、イオン通過部としてもよい。イオン交換体としては、例えば固体電解質、高分子固体電解質等があるが、光電気化学セル21が常温付近での作動であるので、イオン輸率の高い高分子固体電解質、例えばデュポン社製のナフィオン(登録商標)が望ましい。
次に、本実施の形態の光電気化学セル21の動作について説明する。
光電気化学セル21における容器2の光入射部から、容器2内に配置された光半導体電極22のn型半導体層22bに太陽光が照射されると、n型半導体層22bにおいて上記反応式(1)により水が分解されて、酸素7が発生する。この反応で生じた電子(e-)は、n型半導体層22bから導電基板23a及び導線10を介して対極4に移動する。一方、反応式(1)の反応で生じた水素イオン(H+)は、領域Aから、イオン通過部23及びガス分離体9を経由して領域Bへと移動し、対極4に移動してきた電子と対極4の表面において反応して(上記反応式(2))、水素が発生する。
酸素7が発生する光半導体電極22の面と水素8が発生する対極4の面とが仰向けとなっているので、生成した酸素7が浮力により光半導体電極22から、生成した水素8が浮力により対極4から、それぞれ離脱する。ガス分離体9が設けられているので、酸素7と水素8とは互いに混合することなく、酸素7はガス分離体9を境界として光半導体電極22側の上部に、水素8はガス分離体9を境界として対極4側の領域の上部に、それぞれ移動する。したがって、光半導体電極22側の領域に配置されている酸素排出口6aからは酸素7が、対極4側の領域に配置されている水素排出口6bからは水素8が、それぞれ取り出される。この間、上記に説明したように、光半導体電極22及び対極4の表面は生成した気体に被覆されることがないので、長期にわたり初期の水分解効率を保持できる。
本実施の形態の光電気化学セル21のような、光半導体電極22に貫通孔を設けることによってイオン通過部23とする構成、さらにそれによって得られる効果について、従来の光電気化学セルと比較しながら、以下に簡単に説明する。
例えば、特許文献1に開示されているような、互いに対向する光半導体電極と対向電極とを電解液中に配置した構成の場合、電解液中のイオン(水素イオン及び水酸イオン)の移動が電極によって妨げられる等の理由により、各電極表面へイオンが効率良く供給されない場合がある。各電極表面へイオンが効率良く供給されない場合、光半導体電極による水の光分解効率も低下してしまう。そのため、このような構成では、水素及び酸素を効率良く発生させることができないこともある。
特許文献2に開示されている構成では、反応筒の内側領域−外側領域間の電解液の移動は、反応筒の下端に設けられた開口を介して行われる。したがって、反応筒の中央部及び上部における光半導体層及び対極の表面には、水素イオンや水酸イオンが効率良く供給されにくい。このように、特許文献2の構成では、光半導体層及び対極の表面全体にイオンが効率よく供給されにくかった。
特許文献3に開示されている構成では、プロトン伝導膜を介してアノード電極からカソード電極へ水素イオンが供給されるものの、水の光電解効率をさらに向上させるために、カソード電極表面への水素イオンの供給をさらに効率良く行う必要があった。
これに対し、本実施の形態の光電気化学セル21では、光半導体電極22に設けられたイオン通過部23により、光半導体電極22における光半導体層22bの表面側の領域Aと、光半導体電極3に対して領域Aと反対側の領域Bとの間で、電解液11中のイオンの移動が可能となる。対極4は光半導体電極22の導電基板22aと対向して配置されているので、領域Aからイオン通過部23を介して領域Bへと移動したイオンは、対極4の表面に効率良く供給され得る。これにより、水の光分解効率を向上させることが可能となる。
以下、本発明の実施例について具体的に説明する。
(実施例1)
実施例1として、図1に示した光電気化学セル1と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。以下、実施例1の光電気化学セルについて、図1を参照しながら説明する。
まず、10cm×10cmの正方形のガラス基板上に、スパッタ法でITO薄膜(厚さ150nm、シート抵抗10Ω/□)を形成した。このITO薄膜付きガラス基板(導電基板3aに相当)上に、n型半導体層3bとなる酸化チタン膜(厚さ500nm、アナタース多結晶体)を、スパッタ法で形成した。なお、導電基板3aの裏面(n型半導体層3bが設けられていない面)は、フッ素樹脂により絶縁されていた(図示せず)。一方、10cm×10cmの正方形の白金板を用意し、これを対極4とした。対極4の裏面(電解液と接触しない側の面)は、フッ素樹脂により絶縁されていた(図示せず)。対極4の裏面を容器2の内壁に密着させ、かつ表面を導電基板3aに対向させて、容器2内に対極4を設置した。対極4と導電基板3aとは、導電10で電気的に接続されていた。イオン通過部12として、光半導体電極3の下部には1cm×10cmの開口が設けられていた。光半導体電極3と対極4との間(イオン通過部12としての開口も含む)に、導電基板3aと接触させて、酸素7と水素8とを透過させず、かつ水素イオンを透過させることのできるイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン(登録商標))を、ガス分離体9として設けた。なお、容器2には、光半導体電極3及び対極4よりも低い位置(容器2の下面部分)に水の供給口5を設けた。また、容器2には、光半導体電極3の上端部以上の位置に酸素排出口6aを、対極4の上端部以上の位置に水素排出口6bを、それぞれ設けた。光半導体電極3のn型半導体層3bと、対極4の電解液11と接触する側の面とが共に仰向きとなり、さらにn型半導体層3bに太陽光が直角に照射されるように、容器2を水平面に対して60°傾斜させた。電解液11には、pH=0に調整した水を用いた。
<太陽光照射実験>
光電気化学セル1に実際に太陽光を照射したところ、光半導体電極3の表面上で酸素7が、対極4上で水素8が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.6×10-7L/s、水素3.1×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極3と対極4との間に流れる光電流を測定したところ、2.3mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、太陽光水素変換効率(STH(Solar-to-Hydrogen efficiency))を算出したところ、STHは約0.028%であった。また、これを継続したものの、これらの数値に大きな変化は見られなかった。これは、この間光半導体電極3および対極4の表面を観察したが、光半導体電極3のn型半導体層3b側の面及び対極4の電解液11と接する面が仰向きであるため、少なくとも光半導体電極3の表面が酸素で、対極4の表面が水素で、それぞれ被覆されることがないことが理由として考えられる。さらに、光半導体電極3及び対極4の下端部よりも下側に設けられた供給口5より水が光半導体電極3及び対極4に供給され、光半導体電極3の上端部以上の高い位置に設けられた酸素排出口6aから酸素を、対極4の上端部以上の高い位置に設けられた水素排出口6bから水素が取り出されることも、各電極が酸素及び水素で被覆されない理由として考えられる。さらに、イオン通過部12を経由して水素イオンが少なくとも光半導体電極3側から対極4側へと移動するので、長期にわたり高効率な初期の水分解の性能を保持することができたためではないかと考えられる。
(比較例1)
比較例1として、図3に示した光電気化学セル31と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、実施例1においてn型半導体層3bが仰向けになるように設置された光半導体電極3の代わりに、n型半導体層32bが下向きとなって対極4と対向し、かつ導電基板32aが容器2の内壁に密着するように設置された光半導体電極32を設けた点以外は、実施例1と同様の方法で光電気化学セル31を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例1の光半導体電極32の表面上で酸素が、対極4上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.2×10-7L/s、水素2.3×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2であった。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極と対極との間に流れる電流を測定したところ1.7mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.021%であると計算された。
比較例1の光電気化学セル31の場合、図3に示すように、光半導体電極32のn型半導体層32bから発生した酸素7が、下向きとなっているn型半導体層32bの表面に付着して当該表面を被覆してしまった。そのため、各電極表面へ電解液11が拡散しにくくなり、水の光分解効率が低下したと考えられる。このような理由から、比較例1の光電気化学セルでは、実施例1よりも水の光分解効率が低下したと考えられる。
(比較例2)
比較例2として、図4に示した光電気化学セル41と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、実施例1において、電解液11と接触する表面が仰向けとなるように設置された対極4の代わりに、電解液11と接触する表面(ただし、裏面はフッ素樹脂で被覆されている)が下向きとなるように設置された対極42を用いた点以外は、実施例1と同様の方法で光電気化学セル41を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例2の光半導体電極3の表面上で酸素が、対極42上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.4×10-7L/s、水素2.7×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2であった。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極と対極との間に流れる電流を測定したところ2.0mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.025%であると計算された。
比較例2の光電気化学セル41の場合、図4に示すように、対極42の表面から発生した水素8が、下向きとなっている対極42の表面に付着して当該表面を被覆してしまった。そのため、各電極表面へ電解液11が拡散しにくくなり、水の光分解効率が低下したと考えられる。このような理由から、比較例2の光電気化学セルでは、実施例1よりも水の光分解効率が低下したと考えられる。
(比較例3)
比較例3として、図5に示した光電気化学セル51と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、光半導体電極が比較例1の光半導体電極32と同じであり、対極が比較例2の対極42と同じであること以外は、実施例1の光電気化学セル1と同様の方法で光電気化学セル51を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例3の光半導体電極32の表面上で酸素が、対極42上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.0×10-7L/s、水素2.1×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極32と対極42との間に流れる光電流を測定したところ1.6mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.020%であると計算された。
比較例3の光電気化学セル51の場合、図5に示すように、光半導体電極32のn型半導体層32bから発生した酸素7が、下向きとなっているn型半導体層32bの表面へ付着して、当該表面を被覆してしまった。また、対極42の表面から発生した水素8は、下向きとなっている対極42の表面へ付着して、当該表面を被覆してしまった。そのため、各電極表面へ電解液11が拡散しにくくなり、水の光分解効率が低下したと考えられる。このような理由から、比較例3の光電気化学セルでは、実施例1よりも水の光分解効率が低下したと考えられる。
(実施例2)
実施例2として、図6に示した光電気化学セル61と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、ガス分離体9を設けないこと以外は、実施例1の光電気化学セル1と同様の方法で光電気化学セル61を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、実施例2の光半導体電極3の表面上で酸素が、対極4上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素4.0×10-7L/s、水素8.1×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極3と対極4との間に流れる光電流を測定したところ6.1mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.075%であると計算された。
実施例2の光電気化学セル61の場合、ガス分離体9が設けられていないことにより、水素イオンの輸率が実施例1の場合よりも向上したと考えられる。このような理由から、実施例2の光電気化学セルでは、実施例1よりも水の光分解効率が向上したと考えられる。
(実施例3)
実施例3として、図7に示した光電気化学セル71と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、設置された状態で容器2の下面を基準とした場合に、実施例1では光半導体電極3及び対極4の下端部よりも低い位置となるように配置されていた供給口5の代わりに、光半導体電極3の下端部よりも2cm高い位置に配置された供給口72を用いた。水の供給口以外の構成は、実施例1の光電気化学セル1と同様の方法で光電気化学セル71を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、実施例3の光半導体電極3の表面上で酸素が、対極4上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.4×10-7L/s、水素2.8×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極3と対極4との間に流れる光電流を測定したところ2.1mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.026%であると計算された。また、これを継続したところ、若干の効率低下が認められた。
実施例3の光電気化学セル71の場合、水の供給口72が光半導体電極3及び対極4の下端部よりも高い位置に設けられたため、実施例1の光電気化学セル1と比較すると、水が光半導体電極3及び対極4に均一に供給されにくくなったと考えられる。また、光半導体電極3上で酸素7が、対極4上で水素8が一部被覆されるのも認められたことから、これに起因するものと考えられる。このような理由から、実施例3の光電気化学セルでは、実施例1よりも水の光分解効率が低下したと考えられる。
(実施例4)
実施例4として、図8に示した光電気化学セル81と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、設置された状態で、実施例1では光半導体電極3の上端部以上の位置に配置されていた酸素排出口6aと、対極4の上端部以上の位置となるように配置されていた水素排出口6bとの代わりに、光半導体電極3の上端部よりも2cm低い位置に配置された酸素排出口82aと、対極4の上端部よりも2cm低い位置に配置された水素排出口82bとを用いた。酸素排出口及び水素排出口以外の構成は、実施例1の光電気化学セル1と同様の方法で光電気化学セル81を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、実施例4の光半導体電極3の表面上で酸素が、対極4上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.3×10-7L/s、水素2.6×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極3と対極4との間に流れる光電流を測定したところ2.0mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.025%であると計算された。また、これを継続したところ、若干の効率低下が認められた。
実施例4の光電気化学セル81の場合、酸素排出口82aが光半導体電極3の上端部よりも低い位置、水素排出口82bが対極4の上端部よりも低い位置に、それぞれ設けられたため、実施例1の光電気化学セル1と比較すると、酸素及び水素が取り出されにくくなったと考えられる。また、光半導体電極3上で酸素7が、対極4上で水素8が一部被覆されるのも認められたことから、この構成に起因するものと考えられる。このような理由から、実施例4の光電気化学セルでは、実施例1よりも水の光分解効率が低下したと考えられる。
(実施例5)
実施例5として、図9に示した光電気化学セル91と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。以下、実施例5の光電気化学セルについて、図9を参照しながら説明する。なお、光電気化学セル91は、対極92にスリット状の貫通孔94が設けられており、かつ対極92の裏面(電解液と接触しない側の面)がフッ素樹脂テープ93で被覆されている点で図2に示した光電気化学セル21と異なるが、それら以外の構成は実施の形態2で説明した光電気化学セル21と同じである。実施例5では、後述の比較例5の構成(対極の設置位置の関係で、対極の、光半導体電極に設けられたイオン通過部に対応する位置に、貫通孔を設ける必要がある構成)と水の光分解効率を正確に比較するために、貫通孔94が設けられた対極92を用いた。しかし、本発明の光電気化学セルにおいて、対極に貫通孔を設ける必要はない。また、フッ素樹脂テープ93は、電解液11が対極92の裏面に入り込んで対極92の裏面で水素生成反応が起こり、後述する比較例6と正確な比較ができなくなることを避ける目的で設けられたものである。
まず、0.8cm×10cmの短冊状のガラス基板上に、スパッタ法でITO薄膜(厚さ150nm、シート抵抗10Ω/□)を形成した。このITO薄膜付きガラス基板(導電基板3aに相当)上に、n型半導体層22bとなる酸化チタン膜(厚さ500nm、アナタース多結晶体)を、スパッタ法で形成した。このようなITO薄膜付きガラス基板にn型半導体層が設けられた短冊状のものを10枚準備し、これら10枚を0.2cmの隙間(イオン通過部23に相当)を設けて並べて、光半導体基板22とした。具体的には、ITO薄膜付きガラス基板にn型半導体層が設けられた短冊状のもの10枚を、図14に示すように内寸9.8cm×9.8cm角(外寸10cm×10cm角)の2つの枠体141,142間に挟み込み、光半導体電極22とした。一方0.8cm×10cmの短冊状の白金板を、0.2cmの隙間を設けて10枚並べて、上記と同様の方法で互いに連結し、10cm×10cm角の対極92とした。対極92の裏面を、フッ素樹脂テープ93で被覆した。対極92の裏面をフッ素樹脂テープ93を介して容器2の内壁に密着させ、かつ表面を導電基板22aに対向させて、容器2内に対極92を設置した。光半導体電極22と対極92との間に、導電基板22aと接触させて、酸素7と水素8とを透過させず、かつ水素イオンを透過させることのできるイオン交換膜(デュポン社製、ナフィオン(登録商標))を、ガス分離体9として設けた。光半導体電極22のn型半導体層22bと、対極92の電解液11と接触する側の面(ここでは、フッ素樹脂テープ93が設けられていない面)とが共に仰向きとなり、さらにn型半導体層22bに太陽光が直角に照射されるように、容器2を水平面に対して60°傾斜させた。電解液11には、pH=1に調整した水を用いた。
<太陽光照射実験>
光電気化学セル91に実際に太陽光を照射したところ、光半導体電極22の表面上で酸素7が、対極92上で水素8が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.3×10-7L/s、水素2.5×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極22と対極92との間に流れる電流を測定したところ1.8mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、低位発熱量基準で太陽光水素変換効率(STH(Solar-to-Hydrogen efficiency))を算出したところ、STHは約0.023%であった。
(実施例6)
実施例5で用いた導電基板22aの代わりに10cm角のチタン金属メッシュ(線径0.1mm、メッシュ数100)を用いたこと以外は、実施例5と同様の方法で光電気化学セルを作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、実施例6の光半導体電極の表面上で酸素が、対極上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.7×10-7L/s、水素3.3×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極と対極との間に流れる電流を測定したところ2.3mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.028%であると計算された。
以上のように、実施例6の光電気化学セルでは、実施例5の光電気化学セルよりも良好な結果が得られた。実施例5の構成では貫通孔の部分にn型半導体が存在しないのに対し、実施例6では光半導体電極がメッシュ状なのでメッシュの目の部分にもn型半導体が存在して、n型半導体層の表面積がより大きくなっていた。さらに、メッシュ状とすることで、貫通孔の断面積を小さくでき、しかも電極全面に対して均一に配置することができた。このような理由から、実施例6の光電気化学セルでは、実施例5よりも水の光分解効率が向上したと考えられる。
(実施例7)
実施例5で用いた導電基板22aの代わりに10cm角で厚さ1cmのチタン金属ハニカム(対辺寸法6mm)を用いたこと以外は、実施例5と同様の方法で光電気化学セルを作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、実施例7の光半導体電極の表面上で酸素が、対極上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.9×10-7L/s、水素3.6×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極と対極との間に流れる電流を測定したところ2.5mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.031%であると計算された。
以上のように、実施例7の光電気化学セルでは、実施例5及び実施例6の光電気化学セルよりも良好な結果が得られた。このような挙動は、光半導体電極がハニカム状であるので、実施例6の光半導体電極をメッシュ状としたことで得られた作用効果に加え、貫通孔の側面にもn型半導体が設けられていたために貫通孔に照射される太陽光をさらに有効に利用できたことによると考えられる。その結果、水の光電解効率をさらに向上させることができたと考えられる。
(比較例4)
実施例5で用いた導電基板22aの代わりに、8cm×10cmのガラス基板上にスパッタ法でITO薄膜(厚さ150nm、シート抵抗10Ω/□)を形成した導電基板を用いた。この導電基板上に、実施例1と同様の方法でn型半導体層を作製して、光半導体電極とした。すなわち、比較例4の光半導体電極にはイオン通過部が設けられていなかった。このように作製された8cm×10cmの光半導体電極を、実施例5と同様の容器内の10cm×10cmの面に、両端1cm×10cmの隙間を設けて設置した。この光半導体電極以外の構成は、実施例5と同じとした。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例4の光半導体電極の表面上で酸素が、対極上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素0.8×10-7L/s、水素1.6×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2であった。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極と対極との間に流れる電流を測定したところ0.9mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.014%であると計算された。
比較例4の構成では、光半導体電極の光半導体層表面−対極表面間をイオンが移動する際に通過できる領域は、光半導体電極の端部と容器の内壁との隙間のみである。イオンが通過できる部分がこのような隙間のみである場合、光半導体電極の端部まで水素イオンが拡散しなければならないため拡散抵抗が大きくなるとともに、対極の前記隙間に近い部分に水素イオンの拡散集中が起こるため、対極の水素過電圧が上昇する。その結果、水の光電解効率が大幅に低下すると考えられる。
(比較例5)
比較例5として、図10に示した光電気化学セル101と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、実施例5においてn型半導体層22bが仰向けとなるように設置された光半導体電極22の代わりに、n型半導体層102bが下向きとなり、かつ導電基板102aが容器2の内壁に密着するように設置された光半導体電極102を設けた点以外は、実施例5と同様の方法で光電気化学セル101を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例5の光半導体電極102の表面上で酸素が、対極92上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.0×10-7L/s、水素1.8×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極102と対極92との間に流れる電流を測定したところ1.3mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.016%であると計算された。
比較例5の光電気化学セル101の場合、図10に示すように、光半導体電極102のn型半導体層102bから発生した酸素7が、下向きとなっているn型半導体層102bの表面に付着して当該表面を被覆してしまった。そのため、各電極表面へ電解液11が拡散しにくくなり、水の光分解効率が低下したと考えられる。
(比較例6)
比較例6として、図11に示した光電気化学セル111と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、実施例5において、電解液11と接触する表面が仰向けとなるように設置された対極92の代わりに、電解液11と接触する表面(ただし、裏面はフッ素樹脂テープ113で被覆されている)が下向きとなるように設置された対極112を用いた点以外は、実施例5と同様の方法で光電気化学セル111を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例6の光半導体電極22の表面上で酸素が、対極112上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素1.1×10-7L/s、水素2.2×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2であった。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極22と対極112との間に流れる電流を測定したところ1.4mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.016%であると計算された。
比較例6の光電気化学セル111の場合、図11に示すように、対極112の表面から発生した水素8が、下向きとなっている対極112の表面に付着して当該表面を被覆してしまった。そのため、各電極表面へ電解液11が拡散しにくくなり、水の光分解効率が低下したと考えられる。
(比較例7)
比較例7として、図12に示した光電気化学セル121と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、光半導体電極が比較例5の光半導体電極102と同じであり、対極が比較例6の対極112と同じであること以外は、実施例5の光電気化学セル91と同様の方法で光電気化学セル121を作製した。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例7の光半導体電極102の表面上で酸素が、対極112上で水素が発生していることを確認した。そしてその生成速度を測定したところ、酸素0.8×10-7L/s、水素1.7×10-7L/sとなり、生成比が酸素1に対し水素2をほぼ満たしていた。これにより、化学量論的に水が分解されたことが確認された。また、光半導体電極102と対極112との間に流れる光電流を測定したところ1.0mAであり、化学量論的に水が電気分解されたことが確認された。そしてこの値より、STHは約0.013%であると計算された。
比較例7の光電気化学セル121の場合、図12に示すように、光半導体電極102のn型半導体層102bから発生した酸素7が、下向きとなっているn型半導体層102bの表面へ付着して、当該表面を被覆してしまった。また、対極112の表面から発生した水素8は、下向きとなっている対極112の表面へ付着して、当該表面を被覆してしまった。そのため、各電極表面へ電解液11が拡散しにくくなり、水の光分解効率が低下したと考えられる。
(比較例8)
比較例8として、図13に示した光電気化学セル131と同様の構成を有する光電気化学セルを作製した。具体的には、実施例5で用いた導電基板22aの代わりに、10cm角のガラス基板上にスパッタ法でITO薄膜(厚さ150nm、シート抵抗10Ω/□)を作製して導電基板132aとしたこと以外は、実施例1と同様の方法で光電気化学セル131を作製した。導電基板132a上には実施例1と同様の方法で作製されたn型半導体層132bが配置されて、光半導体電極132が形成されていた。
<太陽光照射実験>
実際に太陽光を照射したところ、比較例8の光電気化学セル131では、光半導体電極132の表面上で酸素が、対極92上で水素が発生していることを確認できなかった。このような挙動は、光半導体電極132がセル内部をn型半導体層132bが位置する側の領域と対極92が位置する側の領域とに分割してしまい、対極92への水素イオンの移動が起こらなかったためであると考えられる。
本発明の光電気化学セルによると、光の照射による水素生成反応の量子効率を向上させることができるので、燃料電池への水素供給源等として好適に利用できる。

Claims (10)

  1. 光の照射により水を分解して水素を発生させる光電気化学セルであって、
    導電基板及び前記導電基板上に配置された光半導体層を含む第1電極と、
    前記第1電極の前記導電基板側の面に対向して配置され、前記導電基板と電気的に接続された第2電極と、
    前記光半導体層の表面及び前記第2電極の表面と接触する、水を含む電解液と、
    前記第1電極、前記第2電極及び前記電解液を収容する容器と、
    前記容器内部へ水を供給するための供給口と、
    前記光半導体層の表面側の第1領域における電解液と、前記第1電極に対して前記第1領域と反対側の第2領域における電解液との間で、イオンを移動可能とするイオン通過部と、
    を備え、
    前記第2電極の面積が、前記第1電極の面積よりも小さく、
    前記光半導体層に光が照射されることによって、前記光半導体層の前記表面、又は、前記第2電極の前記電解液と接する前記表面で、前記電解液中の前記水の分解による水素生成反応を起こして、水素を発生させる、光電気化学セル。
  2. 前記イオン通過部は、前記第1電極に設けられた開口であり、前記光電気化学セルが設置された状態において前記容器の下面を基準とした場合に、前記第1電極及び第2電極の下端となる位置よりも下側に設けられている、請求項1に記載の光電気化学セル。
  3. 前記イオン通過部は、前記第1電極に設けられた貫通孔である、請求項1に記載の光電気化学セル。
  4. 前記第1電極がメッシュ状である、請求項3に記載の光電気化学セル。
  5. 前記第1電極がハニカム状である、請求項3に記載の光電気化学セル。
  6. 前記第1電極と前記第2電極との間に配置され、前記第1電極側で発生した気体と前記第2電極側で発生した気体とを互いに分離するガス分離体をさらに備えた、請求項1に記載の光電気化学セル。
  7. 前記ガス分離体がイオン交換体である、請求項6に記載の光電気化学セル。
  8. 前記供給口は、前記光電気化学セルが設置された状態において前記容器の下面を基準とした場合に、前記第1電極及び前記第2電極の下端となる位置よりも下側に設けられている、請求項1に記載の光電気化学セル。
  9. 前記第1電極側で発生する気体を排出する第1排出口と、前記第2電極側で発生する気体を排出する第2排出口と、をさらに備え、
    前記第1排出口及び前記第2排出口は、前記光電気化学セルが設置された状態において前記第1排出口が前記第1電極の上端部以上の位置となり、前記第2排出口が前記第2電極の上端部以上の位置となるように、それぞれ配置されている、請求項1に記載の光電気化学セル。
  10. 前記光電気化学セルが設置された状態において、
    前記第1電極は前記光半導体層が仰向けになる向きで配置され、かつ、前記第2電極は前記電解液と接している面が仰向けになる向きで配置されている、請求項1に記載の光電気化学セル。
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