JP2004176443A - ランナ構造 - Google Patents
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Abstract
【課題】走行レールに形成されたレール溝に嵌合され走行自在に案内されるランナ構造において、折戸等の建込み作業を他の補助者を要さずに単独で行えるようにする。
【解決手段】折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝6に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、前記ランナ5は、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸9と、このピボット軸9の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レール3の凹状レール溝6に嵌合されるガイドローラ14とを有し、前記ガイドローラ14は平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した両側位置に凹状溝15,15が形成され、一方前記走行レール3の凹状レール溝6の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラ14の底面に形成された凹状溝15が嵌合可能とされる一つの凸条部17がランナ走行方向に沿って形成されている。
【選択図】 図3
【解決手段】折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝6に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、前記ランナ5は、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸9と、このピボット軸9の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レール3の凹状レール溝6に嵌合されるガイドローラ14とを有し、前記ガイドローラ14は平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した両側位置に凹状溝15,15が形成され、一方前記走行レール3の凹状レール溝6の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラ14の底面に形成された凹状溝15が嵌合可能とされる一つの凸条部17がランナ走行方向に沿って形成されている。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋服ダンス等の収納家具およびクローゼット等の収納建具、間仕切りなどに使用される折戸、間仕切り戸、引戸などの横方向に開閉される戸のランナ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のバリアフリー化の傾向により、洋服ダンス等の収納家具またはクローゼット等の収納建具に使用される折戸および間仕切り戸等においては、例えば下記特許文献1に記載されるように、床面や戸枠の表面に直付けされるとともに、レールを床面からあまり突出させないように扁平のレール断面(所謂、面付け型走行レール)とし、前記レールに形成されたレール溝に沿って折戸の下端に設けられた下ランナを走行案内するようにしたランナ構造が採用されるようになってきた。
【0003】
具体的に前記特許文献1には、図8および図9に示されるように、ランナ32は折戸31に埋設される取付部33と、下レール42に走行自在に案内される走行部34とからなり、前記取付部33には、ケース35内にバネ37により付勢支持されたピボット軸36が上下にスライド自在な状態で支持され、一方前記走行部34には、鉛直軸周りに回転自在に取り付けられたローラ枠38に対して支軸39によりローラ40を設け、下レール42のレール部44を転動走行させるとともに、前記ローラ枠38の側壁下端部にそれぞれ形成された走行ガイド41をレール溝43に係合させるようにしたランナ構造が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−159233号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ランナ構造を採用した折戸の建込みを一人で行おうとした場合、前記ローラ枠38が鉛直軸周りに回転自在に支持されているため、前記走行ガイド41の方向を下レールの溝方向に配向することが困難である。従って、一人が戸の建込みを行い、もう一人がローラ枠38の方向を修正してレール溝に導く必要があり、折戸の建込みが二人がかりの作業になってしまうなどの問題があった。
【0006】
そこで本発明の主たる課題は、走行レールに形成されたレール溝に嵌合され走行自在に案内されるランナ構造において、折戸等の建込み作業を他の補助者を要さずに単独で行えるようにしたランナ構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明として、折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、
前記ランナは、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸と、このピボット軸の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レールの凹状レール溝に嵌合されるガイドローラとを有し、
前記ガイドローラは平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した片側位置または両側位置に凹状溝が形成され、一方前記走行レールの凹状レール溝の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラの底面に形成された凹状溝が嵌合可能とされる一つの凸条部がランナ走行方向に沿って形成されていることを特徴とするランナ構造が提供される。
【0008】
上記請求項1記載の発明においては、先ずガイドローラの平面形状を円形とし、方向性を持たせないようにして、レールの凹状レール溝に対する嵌め込みを一人でも簡単に行えるようにした。そして、前記ガイドローラを凹状レール溝に嵌め込んだ後は、戸をレール方向に沿ってスライドさせると、前記ガイドレールが自然に回転し始め、その後自動的にガイドローラの底面に形成された凹状溝がレール溝の底面に形成された凸条部と嵌合し正規の嵌め込み状態となる。この自動嵌合機構については、後段の実施形態の項で詳述することとする。
【0009】
次いで、請求項2に係る本発明として、折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、
前記ランナは、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸と、このピボット軸の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レールの凹状レール溝に嵌合されるガイドローラとを有し、
前記ガイドローラは平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した片側位置または両側位置に凸条部が形成され、一方前記走行レールの凹状レール溝の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラの底面に形成された凸条部が嵌合可能とされる一つの凹条溝がランナ走行方向に沿って形成されていることを特徴とするランナ構造が提供される。
【0010】
上記請求項2記載の発明は、請求項1とは反対に、ガイドローラの底面に凸条部を形成し、走行レールの凹状レール溝の底面に凹条溝を形成したものである。
【0011】
請求項3に係る発明として、前記ランナは戸の下端側、又は下端側と上端側とに夫々配置されている請求項1,2いずれかに記載のランナ構造が提供される。本発明は、戸の下端側ランナ装置として好適に使用されるが、下端側のみならず上端側にも配置してよい。
【0012】
請求項4に係る発明として、前記走行レールは床面や戸枠の表面に直付けされる面付け型走行レールである請求項1〜3いずれかに記載のランナ構造が提供される。本発明ランナ構造は、好適にはバリアフリーに対応した面付け型走行レールに対して好適に適用されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は折戸1の取付け状態を示す斜視図であり、図2は本発明に係る下ランナ5取付部分の拡大図、図3は図2の正面図である。
【0014】
図1に示されるように、折戸1は戸枠部の上側に上走行レール2が配設されるとともに、下側(床面)に下走行レール3が配設され、折戸1の戸元側上端部を前記上走行レール2に嵌合状態で固定された上部固定用軸受け金具18によって回転自在に支持するとともに、戸元側下端部を前記下走行レール3に取り付けられた下部固定用軸受け金具19によって回転自在に支持し、かつ戸先側上端部に固定されている吊り車型の上ランナ4が前記上走行レール2に沿って走行案内されるとともに、戸先側下端部に固定されている下ランナ5が下走行レール3に沿って走行案内されることにより、折戸中間のヒンジ部を境に屈曲し開閉可能となっているものである。
【0015】
前記下ランナ5は、図2および図3に示されるように、下走行レール3の凹状レール溝6に対し、先端のガイドローラ14が嵌合し、凹状レール溝6に沿って走行案内されるようになっている。
【0016】
具体的に詳述すると、前記下ランナ5は、図4に示されるように、主に、折戸1に埋設固定される有底筒状の折戸取付ケース7と、この折戸取付ケース7に上端側が嵌入され、ケースに内設されたバネ材11により軸方向に弾発的に付勢保持されたピボット軸9と、このピボット軸9の先端に回転自在に支持されたガイドローラ14とから主に構成されている。
【0017】
前記折戸取付ケース7は、下端部に鍔フランジ10aを有する中空筒体10とされ、上端部開口から前記ピボット軸9を挿入し、かつバネ材11を内設した後、キャップ20により上部開口が封鎖されるようになっている。そして、折戸の下端に形成された穴部に対して前記中空筒体10を嵌入し設置されるようになっている。
【0018】
前記ピボット軸9は、標準軸部9bよりも相対的に大径とされる頭部9aにより前記中空筒体10より抜け出ないように保持され、先端部には標準軸部9bより相対的に小径の先端軸受け部9cを備え、リング13を嵌め込んだ後、ガイドローラ14が鉛直軸回りに回転自在に保持されている。
【0019】
前記ガイドローラ14は、平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した両側位置に対称配置で左右一対の凹状溝15,15が形成されている。なお、前記ガイドローラ14の中央部には凹部14aが形成され、該凹部14a内において、ピボット軸9の先端軸受け部がカシメされ、ガイドローラ14が抜け出ないように保持されている。
【0020】
一方、前記下走行レール3は、床面や戸枠の表面にビス等により直付けされるとともに、バリアフリー化に対応してレールを床面からあまり突出させないように数mm厚、具体的には3〜5mm厚とした型材レールとされる。前記下走行レール3の上面側には所定幅の凹状レール溝6が形成され、ランナ走行面16が構成されており、前記凹状レール溝6の底面には、溝の幅方向中心位置から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラ14の底面に形成された前記凹状溝15が嵌合可能とされる一つの凸条部17がランナ走行方向に沿って形成されている。なお、下走行レール3の下面側には、図5に示されるように両側縁部およびその中間部にリブ3a、3a…が部材長手方向に沿って形成されている。
【0021】
以上詳説したランナ構造を採用した折戸1の建込み作業は、折戸1を戸枠部分に持ち込んで、ガイドローラ14の向き、すなわち下面に形成された凹状溝15の方向と下走行レール3の凹状レール溝6に形成された凸条部17との方向とが一致しているかどうかを気にすることなく、ガイドローラ14を凹状レール溝6内に嵌め込み、次いで、横方向にスライドさせると、ガイドローラ14が回転し始め、その後自動的に、ガイドローラ14の凹状溝15が下走行レール3の凸条部17に嵌り込み、正規の嵌合状態となる。なお、ガイドローラ14の凹状溝15が下走行レール3の凸条部17と嵌合状態とするのは、ガイドローラ14の底面をランナ走行面16から僅かだけ浮かせることにより摩擦抵抗の低減を図りランナ5を円滑に走行させるためである。
【0022】
前記ガイドローラ14の自動嵌合メカニズムに付いて詳述すると、図6および図7に示されるように、ガイドローラ14を凹状レール溝6に無頓着に嵌め込んだ状態ではガイドローラ14の底面が凸条部17に乗上げた状態となる。この際、ガイドローラ14の回転軸位置Oより凸条部17までの距離l1は前記中心位置Oより一方側端部までの距離l2よりも短くなる。
【0023】
この状態からガイドローラ14を凹状レール溝6に沿ってスライドさせると、l1側接触部での回転モーメンMは摩擦係数をPとするとM=Pl1となり、l2側の接触部での回転モーメントM’は摩擦係数をP’とするとM’=P’l2となる。これら回転モーメントM、M’を対比した場合、アーム長l1、l2が夫々異なり、摩擦係数P、P’が夫々異なるため、回転モーメントM≠M’の関係となり、前記ガイドローラ14は時計方向または反時計方向のいずれかの方向に回転するようになるため、スライド中に自動的にガイドローラ14の凹状溝15が凹状レール溝6の凸条部17に嵌り込むこととなる。
【0024】
(他の実施形態例)
(1)上記形態例では、折戸の下端側に設けられる下ランナ5に適用した場合について詳述したが、本ランナ構造は折戸の上端側に設けられる上ランナに対しても適用することができる。
【0025】
(2)上記形態例では、ガイドローラ14の底面に左右一対の凹状溝15,15を形成したが、前記凹状溝15は片側に一つのみとしてもよい。この場合は、ガイドローラ14の凹状溝15が凹状レール溝6の凸条部17に嵌り込むまでのスライド長が長くなる。
【0026】
(3)上記形態例では、ガイドローラ14の底面に凹状溝15を形成し、レール側の凹状レール溝6に凸条部17を形成したが、逆にガイドローラ14の底面に凸条部17を形成し、走行レールの凹状レール溝6の底面に凹条溝15を形成するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、走行レールに形成されたレール溝に嵌合され走行自在に案内されるランナ構造において、折戸等の建込み作業を他の補助者を要さずに単独で行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折戸1の取付け状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る下ランナ5取付部分の拡大側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】下ランナ5を示す、(A)は縦断面図、(B)はその底面図である。
【図5】下走行レール3の要部斜視図である。
【図6】下ランナ5の下走行レール3への嵌め込み要領を示す拡大正面図である。
【図7】その平面図(図6のVII−VII線矢視図)である。
【図8】従来例に係るランナ32の側面図である。
【図9】その正面図である。
【符号の説明】
1…折戸、2…上走行レール、3…下走行レール、4…上ランナ、5…下ランナ、6…凹状レール溝、9…ピボット軸、14…ガイドローラ、15…凹状溝、16…ランナ走行面、17…凸条部
【発明の属する技術分野】
本発明は、洋服ダンス等の収納家具およびクローゼット等の収納建具、間仕切りなどに使用される折戸、間仕切り戸、引戸などの横方向に開閉される戸のランナ構造に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年のバリアフリー化の傾向により、洋服ダンス等の収納家具またはクローゼット等の収納建具に使用される折戸および間仕切り戸等においては、例えば下記特許文献1に記載されるように、床面や戸枠の表面に直付けされるとともに、レールを床面からあまり突出させないように扁平のレール断面(所謂、面付け型走行レール)とし、前記レールに形成されたレール溝に沿って折戸の下端に設けられた下ランナを走行案内するようにしたランナ構造が採用されるようになってきた。
【0003】
具体的に前記特許文献1には、図8および図9に示されるように、ランナ32は折戸31に埋設される取付部33と、下レール42に走行自在に案内される走行部34とからなり、前記取付部33には、ケース35内にバネ37により付勢支持されたピボット軸36が上下にスライド自在な状態で支持され、一方前記走行部34には、鉛直軸周りに回転自在に取り付けられたローラ枠38に対して支軸39によりローラ40を設け、下レール42のレール部44を転動走行させるとともに、前記ローラ枠38の側壁下端部にそれぞれ形成された走行ガイド41をレール溝43に係合させるようにしたランナ構造が開示されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−159233号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、前記ランナ構造を採用した折戸の建込みを一人で行おうとした場合、前記ローラ枠38が鉛直軸周りに回転自在に支持されているため、前記走行ガイド41の方向を下レールの溝方向に配向することが困難である。従って、一人が戸の建込みを行い、もう一人がローラ枠38の方向を修正してレール溝に導く必要があり、折戸の建込みが二人がかりの作業になってしまうなどの問題があった。
【0006】
そこで本発明の主たる課題は、走行レールに形成されたレール溝に嵌合され走行自在に案内されるランナ構造において、折戸等の建込み作業を他の補助者を要さずに単独で行えるようにしたランナ構造を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するための請求項1に係る発明として、折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、
前記ランナは、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸と、このピボット軸の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レールの凹状レール溝に嵌合されるガイドローラとを有し、
前記ガイドローラは平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した片側位置または両側位置に凹状溝が形成され、一方前記走行レールの凹状レール溝の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラの底面に形成された凹状溝が嵌合可能とされる一つの凸条部がランナ走行方向に沿って形成されていることを特徴とするランナ構造が提供される。
【0008】
上記請求項1記載の発明においては、先ずガイドローラの平面形状を円形とし、方向性を持たせないようにして、レールの凹状レール溝に対する嵌め込みを一人でも簡単に行えるようにした。そして、前記ガイドローラを凹状レール溝に嵌め込んだ後は、戸をレール方向に沿ってスライドさせると、前記ガイドレールが自然に回転し始め、その後自動的にガイドローラの底面に形成された凹状溝がレール溝の底面に形成された凸条部と嵌合し正規の嵌め込み状態となる。この自動嵌合機構については、後段の実施形態の項で詳述することとする。
【0009】
次いで、請求項2に係る本発明として、折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、
前記ランナは、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸と、このピボット軸の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レールの凹状レール溝に嵌合されるガイドローラとを有し、
前記ガイドローラは平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した片側位置または両側位置に凸条部が形成され、一方前記走行レールの凹状レール溝の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラの底面に形成された凸条部が嵌合可能とされる一つの凹条溝がランナ走行方向に沿って形成されていることを特徴とするランナ構造が提供される。
【0010】
上記請求項2記載の発明は、請求項1とは反対に、ガイドローラの底面に凸条部を形成し、走行レールの凹状レール溝の底面に凹条溝を形成したものである。
【0011】
請求項3に係る発明として、前記ランナは戸の下端側、又は下端側と上端側とに夫々配置されている請求項1,2いずれかに記載のランナ構造が提供される。本発明は、戸の下端側ランナ装置として好適に使用されるが、下端側のみならず上端側にも配置してよい。
【0012】
請求項4に係る発明として、前記走行レールは床面や戸枠の表面に直付けされる面付け型走行レールである請求項1〜3いずれかに記載のランナ構造が提供される。本発明ランナ構造は、好適にはバリアフリーに対応した面付け型走行レールに対して好適に適用されるものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳述する。
図1は折戸1の取付け状態を示す斜視図であり、図2は本発明に係る下ランナ5取付部分の拡大図、図3は図2の正面図である。
【0014】
図1に示されるように、折戸1は戸枠部の上側に上走行レール2が配設されるとともに、下側(床面)に下走行レール3が配設され、折戸1の戸元側上端部を前記上走行レール2に嵌合状態で固定された上部固定用軸受け金具18によって回転自在に支持するとともに、戸元側下端部を前記下走行レール3に取り付けられた下部固定用軸受け金具19によって回転自在に支持し、かつ戸先側上端部に固定されている吊り車型の上ランナ4が前記上走行レール2に沿って走行案内されるとともに、戸先側下端部に固定されている下ランナ5が下走行レール3に沿って走行案内されることにより、折戸中間のヒンジ部を境に屈曲し開閉可能となっているものである。
【0015】
前記下ランナ5は、図2および図3に示されるように、下走行レール3の凹状レール溝6に対し、先端のガイドローラ14が嵌合し、凹状レール溝6に沿って走行案内されるようになっている。
【0016】
具体的に詳述すると、前記下ランナ5は、図4に示されるように、主に、折戸1に埋設固定される有底筒状の折戸取付ケース7と、この折戸取付ケース7に上端側が嵌入され、ケースに内設されたバネ材11により軸方向に弾発的に付勢保持されたピボット軸9と、このピボット軸9の先端に回転自在に支持されたガイドローラ14とから主に構成されている。
【0017】
前記折戸取付ケース7は、下端部に鍔フランジ10aを有する中空筒体10とされ、上端部開口から前記ピボット軸9を挿入し、かつバネ材11を内設した後、キャップ20により上部開口が封鎖されるようになっている。そして、折戸の下端に形成された穴部に対して前記中空筒体10を嵌入し設置されるようになっている。
【0018】
前記ピボット軸9は、標準軸部9bよりも相対的に大径とされる頭部9aにより前記中空筒体10より抜け出ないように保持され、先端部には標準軸部9bより相対的に小径の先端軸受け部9cを備え、リング13を嵌め込んだ後、ガイドローラ14が鉛直軸回りに回転自在に保持されている。
【0019】
前記ガイドローラ14は、平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した両側位置に対称配置で左右一対の凹状溝15,15が形成されている。なお、前記ガイドローラ14の中央部には凹部14aが形成され、該凹部14a内において、ピボット軸9の先端軸受け部がカシメされ、ガイドローラ14が抜け出ないように保持されている。
【0020】
一方、前記下走行レール3は、床面や戸枠の表面にビス等により直付けされるとともに、バリアフリー化に対応してレールを床面からあまり突出させないように数mm厚、具体的には3〜5mm厚とした型材レールとされる。前記下走行レール3の上面側には所定幅の凹状レール溝6が形成され、ランナ走行面16が構成されており、前記凹状レール溝6の底面には、溝の幅方向中心位置から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラ14の底面に形成された前記凹状溝15が嵌合可能とされる一つの凸条部17がランナ走行方向に沿って形成されている。なお、下走行レール3の下面側には、図5に示されるように両側縁部およびその中間部にリブ3a、3a…が部材長手方向に沿って形成されている。
【0021】
以上詳説したランナ構造を採用した折戸1の建込み作業は、折戸1を戸枠部分に持ち込んで、ガイドローラ14の向き、すなわち下面に形成された凹状溝15の方向と下走行レール3の凹状レール溝6に形成された凸条部17との方向とが一致しているかどうかを気にすることなく、ガイドローラ14を凹状レール溝6内に嵌め込み、次いで、横方向にスライドさせると、ガイドローラ14が回転し始め、その後自動的に、ガイドローラ14の凹状溝15が下走行レール3の凸条部17に嵌り込み、正規の嵌合状態となる。なお、ガイドローラ14の凹状溝15が下走行レール3の凸条部17と嵌合状態とするのは、ガイドローラ14の底面をランナ走行面16から僅かだけ浮かせることにより摩擦抵抗の低減を図りランナ5を円滑に走行させるためである。
【0022】
前記ガイドローラ14の自動嵌合メカニズムに付いて詳述すると、図6および図7に示されるように、ガイドローラ14を凹状レール溝6に無頓着に嵌め込んだ状態ではガイドローラ14の底面が凸条部17に乗上げた状態となる。この際、ガイドローラ14の回転軸位置Oより凸条部17までの距離l1は前記中心位置Oより一方側端部までの距離l2よりも短くなる。
【0023】
この状態からガイドローラ14を凹状レール溝6に沿ってスライドさせると、l1側接触部での回転モーメンMは摩擦係数をPとするとM=Pl1となり、l2側の接触部での回転モーメントM’は摩擦係数をP’とするとM’=P’l2となる。これら回転モーメントM、M’を対比した場合、アーム長l1、l2が夫々異なり、摩擦係数P、P’が夫々異なるため、回転モーメントM≠M’の関係となり、前記ガイドローラ14は時計方向または反時計方向のいずれかの方向に回転するようになるため、スライド中に自動的にガイドローラ14の凹状溝15が凹状レール溝6の凸条部17に嵌り込むこととなる。
【0024】
(他の実施形態例)
(1)上記形態例では、折戸の下端側に設けられる下ランナ5に適用した場合について詳述したが、本ランナ構造は折戸の上端側に設けられる上ランナに対しても適用することができる。
【0025】
(2)上記形態例では、ガイドローラ14の底面に左右一対の凹状溝15,15を形成したが、前記凹状溝15は片側に一つのみとしてもよい。この場合は、ガイドローラ14の凹状溝15が凹状レール溝6の凸条部17に嵌り込むまでのスライド長が長くなる。
【0026】
(3)上記形態例では、ガイドローラ14の底面に凹状溝15を形成し、レール側の凹状レール溝6に凸条部17を形成したが、逆にガイドローラ14の底面に凸条部17を形成し、走行レールの凹状レール溝6の底面に凹条溝15を形成するようにしてもよい。
【0027】
【発明の効果】
以上詳説のとおり本発明によれば、走行レールに形成されたレール溝に嵌合され走行自在に案内されるランナ構造において、折戸等の建込み作業を他の補助者を要さずに単独で行えるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】折戸1の取付け状態を示す斜視図である。
【図2】本発明に係る下ランナ5取付部分の拡大側面図である。
【図3】図2の正面図である。
【図4】下ランナ5を示す、(A)は縦断面図、(B)はその底面図である。
【図5】下走行レール3の要部斜視図である。
【図6】下ランナ5の下走行レール3への嵌め込み要領を示す拡大正面図である。
【図7】その平面図(図6のVII−VII線矢視図)である。
【図8】従来例に係るランナ32の側面図である。
【図9】その正面図である。
【符号の説明】
1…折戸、2…上走行レール、3…下走行レール、4…上ランナ、5…下ランナ、6…凹状レール溝、9…ピボット軸、14…ガイドローラ、15…凹状溝、16…ランナ走行面、17…凸条部
Claims (4)
- 折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、
前記ランナは、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸と、このピボット軸の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レールの凹状レール溝に嵌合されるガイドローラとを有し、
前記ガイドローラは平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した片側位置または両側位置に凹状溝が形成され、一方前記走行レールの凹状レール溝の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラの底面に形成された凹状溝が嵌合可能とされる一つの凸条部がランナ走行方向に沿って形成されていることを特徴とするランナ構造。 - 折戸、間仕切り戸、引戸などの開閉を走行案内するために、走行レールに形成された凹状レール溝に沿って走行自在に案内されるランナ構造であって、
前記ランナは、少なくとも軸方向に付勢保持されたピボット軸と、このピボット軸の先端部に回転自在に支持されるとともに、前記走行レールの凹状レール溝に嵌合されるガイドローラとを有し、
前記ガイドローラは平面形状が円形を成すとともに、その底面に中心位置から偏倚した片側位置または両側位置に凸条部が形成され、一方前記走行レールの凹状レール溝の底面に溝中心から片側に偏倚するとともに、前記ガイドローラの底面に形成された凸条部が嵌合可能とされる一つの凹条溝がランナ走行方向に沿って形成されていることを特徴とするランナ構造。 - 前記ランナは戸の下端側、又は下端側と上端側とに夫々配置されている請求項1,2いずれかに記載のランナ構造。
- 前記走行レールは床面や戸枠の表面に直付けされる面付け型走行レールである請求項1〜3いずれかに記載のランナ構造。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002345234A JP2004176443A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | ランナ構造 |
Applications Claiming Priority (1)
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JP2002345234A JP2004176443A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | ランナ構造 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2004176443A true JP2004176443A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32706460
Family Applications (1)
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JP2002345234A Withdrawn JP2004176443A (ja) | 2002-11-28 | 2002-11-28 | ランナ構造 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2004176443A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN102926604A (zh) * | 2011-08-08 | 2013-02-13 | 李刚 | 门窗上转轴 |
CN107720022A (zh) * | 2017-11-10 | 2018-02-23 | 荣成中磊石材有限公司 | 一种上开门铁路运输集装箱 |
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2002
- 2002-11-28 JP JP2002345234A patent/JP2004176443A/ja not_active Withdrawn
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