JP3534858B2 - 折畳み扉の支持構造 - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 【０００１】 【産業上の利用分野】本発明は、開口部や間仕切り部分
に配設されて使用される折畳み扉の支持構造の改良に関
する。 【０００２】 【従来の技術】折畳み扉(50)には、扉(50)の吊元（一
側端部）を所定位置で移動しないが回転可能に支持し、
他端にガイドローラ(51)を取り付け、これを上・下部レ
ール(52)『上部レールは図示せず。』にスライド自在に
嵌め込んだもの（図１０）と、扉(50)の両端部に走行
ローラ(53)及びガイドローラ(51)を取り付けて上・下部
レール(52)『上部レールは図示せず。』にスライド自在
に取り付けたもの（図１１）とがある。両者とも扉開閉
時の扉(50)の走行側下端部のブレを規制して走行をスム
ーズに行わせるために、扉(50)の走行側下端部に垂直軸
(54)を設け、これにガイドローラ(51)を回転自在に装着
し、ガイドローラ(51)を下部レール(52)に転動自在に嵌
め込み、下部レール(52)でガイドローラ(51)をガイド
し、走行時に扉(50)がブレないように規制していた。 【０００３】しかしながら、従来の下部レール(52)の突
条(55)は側壁から水平に突設され、その走行面(56)がガ
イドローラ(51)の下面(58)に略平行に形成されていたた
めに扉(50)の開閉時の傾きや間仕切り部分の開口高さの
バラツキで、ガイドローラ(51)の下面(58)と下部レール
(52)の突条(55)の走行面(56)とが接触する事があり、そ
の場合には接触部分に摩擦が生じてガイドローラ(51)の
回転が円滑に行われず、扉(50)が突っ掛かって開閉や移
動を円滑に行えないことが判明した。 【０００４】そこで、ガイドローラ(51)の外周面(57)の
みに下部レール(52)の側壁が接触し、ガイドローラ(51)
の下面(58)と下部レール(52)の突条(55)の走行面(56)と
が接触しないようにするために両者の間に十分なクリア
ランスを設ける事も考えられたが、建築物の開口寸法の
バラツキを前記クリアランスにて吸収するには大きなク
リアランスを必要とし、深いレール溝(59)や厚いガイド
ローラ(51)が必要となるという欠点があった。 【０００５】 【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、ガイ
ドローラの下面と下部レールの突条の走行面との間に十
分なクリアランスを必要としないにも拘わらず、開閉時
のどのような走行状態でも常時ガイドローラが円滑に回
転してガイドローラによる扉の開閉や移動を円滑に行わ
せる事ができるようにする事にある。 【０００６】 【０００７】 【０００８】【課題を解決するための手段】 請求項１は『上面両端部
が上部レール(2)に走行自在に吊持され、下面両端部が
下部レール(3)に走行自在に支持されている折畳み扉(1)
の支持構造において、折畳み扉(1)の端部下面に突設さ
れた垂直軸(4)にガイドローラ(5)が回転自在に取り付け
られ、且つガイドローラ(5)の下方にて垂直軸(4)に取り
付けられたガイドランナー(12)の水平軸(13)に走行ロー
ラ(14)が回転自在に取り付けられて下部レール(3)に走
行自在に嵌め込まれており、下部レール(3)が、ガイド
ローラ(5)の転動外輪(6)の外周面(6a)に接触してガイド
ローラ(5)をガイドするガイド溝(7)構成用のレール本体
(8)と、転動外輪(6)の下方にてレール本体(8)の側壁(9)
の内面から突設され、そのガイドローラ(5)側の走行面
(10)が転動外輪(6)から次第に離間するように傾斜する
ように形成されている突条(11)とで構成されている』事
を特徴とする。これにより、折畳み扉 (1) を開閉する
と、正常な開閉時は勿論、扉 (1) が開閉時に傾いても下
ガイドローラ (5) の転動外輪 (6) の外周面 (6a) がレール本
体 (8) の側壁 (9) に、転動外輪 (6) の下面 (6b) のエッジが
走行面 (10) に接触して円滑に回転し、軽く扉本体 (1a) を
移動させることができ、折畳み扉 (1) が倒れた場合でも
下ガイドローラ (5) は円滑に回転して折畳み扉 (1) の開閉
を阻害するような事がない。 【０００９】 【００１０】 【実施例】図１は本発明に係る折畳み扉(1)の支持構造
の斜視図、図２は第１実施例における下ガイドローラ
(5)の扉本体(1a)への取付状態を示す要部斜視図、図３
は上ガイドローラ(15)を上部レール(2)に、下ガイドロ
ーラ(5)を下部レール(3)に嵌め込んでいる状態を示す一
部省略端面図、図４は扉本体(1a)が倒れて下ガイドロー
ラ(5)の転動外輪(6)が下部レール(3)の側壁(9)及び走行
面(10)に接触している状態を示す要部端面図である。 【００１１】折畳み扉(1)は、複数の（一般的には一対
の）扉本体(1a)を蝶番（図示せず）にて折り畳み自在に
蝶着したもので、上ガイドユニット(16)及び下ガイドユ
ニット(17)が折畳み扉(1)の四隅端部の凹所(1b)に嵌合
固着されている。第１実施例にあっては、上ガイドユニ
ット(16)と下ガイドユニット(17)及び上部レール(2)と
下部レール(3)は上下同一形状として走行をよりスムー
ズにしているが、本発明では少なくとも下ガイドユニッ
ト(17)と下部レール(3)の構成を必須とし、下ガイドユ
ニット(17)を代表して説明する。下ガイドユニット(17)
は図５に示すように、主としてユニット本体(18)と、ユ
ニット本体(18)から突出した垂直軸(4)と、垂直軸(4)の
突出端に回転自在に装着された下ガイドローラ(5)と、
取付レバー(20)とで構成されており、下ガイドローラ
(5)に装着されたコイルバネ(19)にて常時垂直軸(4)を外
方に突出するように付勢している。 【００１２】下ガイドローラ(5)は、転動外輪(6)とボー
ル(24)とで構成されており、ボール(24)が転動外輪(6)
の凹所内に配設されていて垂直軸(4)の回りに円滑に回
転するようになっている。ボール(24)は押圧プレート(2
3)にて閉塞・保持されており、転動外輪(6)の下面(6b)
からは突出部(22)が突出しており、垂直軸(4)が挿通さ
れている。このように構成された下ガイドユニット(17)
『上ガイドユニット(16)も同様である。』を図２に示す
ように、取付レバー(20)を操作して扉本体(1a)の非蝶着
側の端部の凹所(1b)に嵌合固着すると、端部下面から垂
直軸(4)が突出する。『扉本体(1a)の端部上面からも同
様に垂直軸(4)が突出する事になる。』 【００１３】第１実施例の上部レール(2)と下部レール
(3)は同一断面であり、ここでは下部レール(3)を代表し
て説明する。下部レール(3)は、レール本体(8)と側壁
(9)及び突条(11)とで構成されており、レール本体(8)は
断面Ｕ字状で、その側壁(9)の内面中段に突条(11)が突
設されており、更にレール本体(8)の開口縁から外方に
外鍔(25)が延出している。突条(11)の先端は図３のよう
にストレートであってもよいが、図２や図９のように下
方に屈曲し、ガイド突条(41)を形成してもよい。突条(1
1)の下ガイドローラ(5)側の走行面(10)は、図３、４に
示すように下ガイドローラ(5)から次第に離間するよう
に傾斜状態に形成されている。勿論、突条(11)全体を傾
斜状態に形成してもよい。 【００１４】上部レール(2)は框(26)の下面の凹溝に、
下部レール(3)は敷居(27)の上面の凹溝に嵌め込まれ
る。第１実施例では、折畳み扉(1)の一端がピボット状
に固定されるため、図２に示すように上・下部レール
(2)(3)の固定端に固定金具(28)が取り付けられ、固定金
具(28)の通孔(29)に折畳み扉(1)の一端の下ガイドロー
ラ(5)及び上ガイドローラ(15)の突出部(22)が挿入され
る事になる。 【００１５】折畳み扉(1)の走行端部側では、図３に示
すように下ガイドローラ(5)が下部レール(3)のガイド溝
(7)に、上ガイドローラ(15)が上部レール(2)のガイド溝
(7)にそれぞれ嵌め込まれている。下ガイドローラ(5)側
ではコイルバネ(19)の作用にて、転動外輪(6)の外周面
が下部レール(3)の側壁(9)の一方に、転動外輪(6)の下
面(6b)のエッジが突条(11)の走行面(10)に接触して下面
(6b)の全面が接触しないようになっている。その結果、
下ガイドローラ(5)は走行中、円滑に回転することにな
る。下ガイドローラ(5)の突出部(22)も突条(11)の先端
に接触することなくその間の間隙に嵌まり込んでいる。
この点は上ガイドローラ(15)側も同様である。 【００１６】この状態で折畳み扉(1)を開閉すると、下
ガイドローラ(5)及び上ガイドローラ(15)の転動外輪(6)
は側壁(9)と走行面(10)とに接触して円滑に回転し、軽
く折畳み扉(1)を移動させることができる。処が、図４
のように折畳み扉(1)が一方に傾いた場合、折畳み扉(1)
の下端に取り付けられた下ガイドローラ(5)も一方に移
動するが、転動外輪(6)の外周面(6b)は図３の正常時と
同様に一方の側壁(9)に接触し、且つ下面(6b)のエッジ
が走行面(10)に接触し、下面(6b)の全面が走行面(10)に
接触せず、その結果、折畳み扉(1)が倒れた場合でも下
ガイドローラ(5)は円滑に回転して折畳み扉(1)の開閉を
阻害するような事がない。 【００１７】次に、本発明の第２実施例の場合を図６〜
８に従って説明する。ここでは、基本的に第１実施例と
相違する点のみを説明する。第２実施例の場合も折畳み
扉(1)は第１実施例と同様一対の扉本体(1a)が蝶番で折
り畳み可能に接続されているが、この場合は折畳み扉
(1)のいずれの端部も上部レール(2)及び下部レール(3)
に固定されず、その両端部上面に取着された上ガイドユ
ニット(16)の吊下ローラ(30)によって折畳み扉(1)が吊
り下げられ、上部レール(2)及び下部レール(3)に沿って
全体が移動するものである。 【００１８】上部レール(2)は、吊下ローラ(30)が嵌ま
り込んで走行出来るようにレール本体(31)の下面開口縁
に走行片部(32)が延出されている。下部レール(3)は第
１実施例と同一部材が使用される。これら上部レール
(2)及び下部レール(3)は第１実施例と同様框(26)、敷居
(27)の凹溝内に嵌め込まれて使用される。上ガイドユニ
ット(16)は主として吊下ユニット本体(33)と、吊下ユニ
ット本体(33)に対して一定の範囲で軸方向に移動可能に
取り付けられており且つ吊下ユニット本体(33)の上面か
ら突出している垂直軸(34)と、垂直軸(34)に回動自在に
取り付けられたガイドランナー(35)と、ガイドランナー
(35)に平行に取り付けられた２本の水平軸(36)と、水平
軸(36)に回転自在に取着された４個の吊下ローラ(30)と
で構成されている。 【００１９】下ガイドユニット(17)は折畳み扉(1)の両
端下部の凹所(1b)に取り付けられており、図８に示すよ
うに走行ユニット本体(21)に垂直軸(4)が軸方向にスラ
イド自在に挿通されていて、圧縮コイルバネ(37)によっ
て垂直軸(4)を引き込む方向に付勢している。垂直軸(4)
の突出端には下ガイドローラ(5)が設置されており、更
に垂直軸(4)の先端部にはガイドランナー(12)が回転自
在に取着されている。下ガイドローラ(5)はベアリング
(38)と転動外輪(6)とで構成されており、ベアリング(3
8)は転動外輪(6)内に嵌め込まれており、転動外輪(6)の
下面(6b)からは座(39)が突設されてガイドランナー(12)
と転動外輪(6)との間に間隙を形成している。ガイドラ
ンナー(12)には両端に平行に水平軸(13)が挿通されてお
り、水平軸(13)の両端に走行ローラ(14)が設置されてい
る。走行ローラ(14)は図６に示すように単なる円板状の
ものでもよいが、図９に示すように走行ローラ(14)の外
周に外周溝(40)を凹設し、突条(11)の先端に形成された
ガイド突条(41)が外周溝(40)に嵌まり込むようにしても
よい。 【００２０】この状態で折畳み扉(1)を開閉又は移動さ
せると、吊下ローラ(30)が折畳み扉(1)を吊持しつつ走
行片部(32)上を吊下ローラ(30)が走行する事になる。一
方、折畳み扉(1)の下端では、圧縮コイルバネ(37)の作
用でガイドランナー(12)が走行ユニット本体(36)側に引
き上げられ、走行ローラ(14)の外周溝(40)にガイド突条
(41)が嵌まり込んで走行ローラ(14)が円滑に回転し、同
時に転動外輪(6)の外周面(6a)が下部レール(3)の側壁
(9)の一方に且つ転動外輪(6)のエッジが走行面(10)に接
触して転動外輪(6)が円滑に回転し、軽く折畳み扉(1)を
移動又は開閉させることができる。 【００２１】この間に折畳み扉(1)が一方に傾いた場
合、折畳み扉(1)の下端に取り付けられた下ガイドロー
ラ(5)及び走行ローラ(14)も一方に移動するが、この場
合も第１実施例と同様に転動外輪(6)の外周面は一方の
側壁(9)に接触し、且つ下面(6b)のエッジが走行面(10)
に接触し、下面(6b)の全面が走行面(10)に接触せず、そ
の結果、折畳み扉(1)が倒れた場合でも下ガイドローラ
(5)は円滑に回転して折畳み扉(1)の開閉を阻害するよう
な事がない。 【００２２】 【発明の効果】本発明は、第１、２実施例に共通して突
条の走行面が傾斜しているため、折畳み扉を開閉した場
合、正常な開閉時は勿論、扉が傾いても下ガイドローラ
の転動外輪の外周面がレール本体の側壁に、転動外輪の
下面のエッジが走行面に接触して円滑に回転し、軽く扉
を移動させることができ、折畳み扉の開閉を阻害する事
がない。

【図面の簡単な説明】 【図１】本発明の折畳み扉を開口部に取り付けた場合の
斜視図 【図２】本発明の第１実施例の固定側端部の要部分解斜
視図 【図３】本発明の第１実施例の支持状態を示す一部省略
端面図 【図４】本発明のの第１実施例において折畳み扉が一方
に傾いた時の下端要部端面図 【図５】本発明の第１実施例に使用する上・下ガイドユ
ニットの断面図 【図６】本発明の第２実施例の支持状態を示す一部省略
端面図 【図７】本発明の第２実施例の支持状態を示す一部省略
斜視図 【図８】本発明の第２実施例に使用する下ガイドユニッ
トの断面図 【図９】本発明のの第２実施例における変形例の下端要
部端面図 【図１０】第１の従来例の下端要部端面図 【図１１】第２の従来例の下端要部端面図 【符号の説明】 (1)…折畳み扉 (2)…上部レール (3)…下部レール (4)…垂直軸 (5)…ガイドローラ (6)…転動外輪 (6a)…転動外輪の外周面 (6b)…転動外輪の下面 (7)…ガイド溝 (8)…レール本体 (9)…レール本体の側壁 (10)…走行面 (11)…突条

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 実開 昭61−197182（ＪＰ，Ｕ) 実開 平３−41081（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−122573（ＪＰ，Ｕ) 実開 昭63−187687（ＪＰ，Ｕ) (58)調査した分野(Int.Cl.⁷，ＤＢ名) E05D 15/26 E05D 15/06 - 15/06 125

Claims (1)

1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項１】 上面両端部が上部レールに走行自在に
   吊持され、下面両端部が下部レールに走行自在に支持さ
   れている折畳み扉の支持構造において、折畳み扉の端部
   下面に突設された垂直軸にガイドローラが回転自在に取
   り付けられ、且つガイドローラの下方にて垂直軸に取り
   付けられたガイドランナーの水平軸に走行ローラが回転
   自在に取り付けられて下部レールに走行自在に嵌め込ま
   れており、下部レールが、ガイドローラの転動外輪の外
   周面に接触してガイドするガイド溝構成用のレール本体
   と、転動外輪の下方にてレール本体の側壁の内面から突
   設され、そのガイドローラ側の走行面が転動外輪の下面
   から次第に離間するように傾斜して形成されている突条
   とで構成され、突条の下面が前記走行ローラの接触面と
   なる事を特徴とする折畳み扉の支持構造。