JP2004175604A - オゾン生成素子 - Google Patents
オゾン生成素子 Download PDFInfo
- Publication number
- JP2004175604A JP2004175604A JP2002341923A JP2002341923A JP2004175604A JP 2004175604 A JP2004175604 A JP 2004175604A JP 2002341923 A JP2002341923 A JP 2002341923A JP 2002341923 A JP2002341923 A JP 2002341923A JP 2004175604 A JP2004175604 A JP 2004175604A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- electrode
- discharge
- discharge electrode
- ozone generating
- protective film
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Oxygen, Ozone, And Oxides In General (AREA)
Abstract
【課題】放電電極の消耗や汚れを抑えることができるとともに、放電電極の電気抵抗値もそれ程大きくならないオゾン発生素子を提供する。
【解決手段】放電電極3A,3Bが、固体誘電体基板2上に形成された、電気の良導体からなる主電極部30と、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい、金属酸化物導電体、金属酸化物半導体、又はこれらの混合体からなる主材料に、ガラス成分を加えたものを主成分とし、主電極部30上に、この主電極部30を覆うように形成されるガラス質の保護膜31,32とを有している。ガラス質の保護膜31,32により電極の消耗による電極面の汚れ等が抑えられるとともに、保護膜31,32と主電極部30との合成電気抵抗値もそれ程大きくなることはない。
【選択図】 図3
【解決手段】放電電極3A,3Bが、固体誘電体基板2上に形成された、電気の良導体からなる主電極部30と、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい、金属酸化物導電体、金属酸化物半導体、又はこれらの混合体からなる主材料に、ガラス成分を加えたものを主成分とし、主電極部30上に、この主電極部30を覆うように形成されるガラス質の保護膜31,32とを有している。ガラス質の保護膜31,32により電極の消耗による電極面の汚れ等が抑えられるとともに、保護膜31,32と主電極部30との合成電気抵抗値もそれ程大きくなることはない。
【選択図】 図3
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、沿面放電によって酸素含有ガスからオゾンガスを生成するのに用いられるオゾン生成素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
沿面放電用の従来のオゾン生成素子の放電電極は、溶融温度が高く、高温度において耐酸化性がある、タングステンや白金等の金属箔を、固体誘電体基板上に貼り付けることにより形成されたり、湿式メッキ、真空蒸着、又はスパッタリング等の乾式メッキを用いて、固体誘電体基板上に金属の導電性パターンを作ることにより形成されている。
【0003】
このような放電電極を用いたオゾン生成素子では、放電電極を形成している金属成分が、放電時に昇華や蒸発により消耗するので、電極の長寿命化が図れず、かつ、飛散した材料が、固体誘電体基板上に再付着して、電極面を汚したり、電極面上に髭状物を発生させたりするので、放電エネルギーの分散化が生じ、徐々に放電が弱まって、オゾンの発生効率を低下させてしまうという不都合がある。
【0004】
このため、放電電極を、セラミック誘電体(例えば、媒体となる、シリカ粉、アルミナ粉、ガラス粉、又はこれらの混合粉に、酸化チタン粉等の金属酸化物誘電体粉を添加した組成物を、パターン状に印刷・焼成したもの)により形成し、電極材料の消耗を抑えて、電極の長寿命化と、電極面の汚れ等の防止を図ったものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セラミック誘電体で形成された放電電極は電気抵抗値が極めて高いので、この放電電極を用いたオゾン生成素子では、放電エネルギーの供給を高周波高電圧下での静電誘導効果による電荷の移動のみに頼ることになり、オゾン発生のための放電エネルギーの伝達効率が、放電電極を金属導電体で形成した場合に比べて、かなり悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
また、このような放電電極を用いたオゾン生成素子では、高周波高電圧電源の負荷が静電容量性のものとなるため、合成インピーダンスが周波数により変化し、電源とこのオゾン発生素子間でのインピーダンス整合が容易でなく、高周波高圧電源の設計に手間がかかるという問題があった。
【0007】
さらに、このような放電電極を用いたオゾン生成素子では、長期間の使用により、放電電極の一部分が、静電振動によると思われる機械的損傷を受けるため、放電に欠落を生じたり、放電電極に断線が生じ易いという問題があった。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑み、放電電極の消耗や汚れ等を抑えることができるとともに、放電電極の電気抵抗値もそれ程大きくならないオゾン発生素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、固体誘電体基板上の放電電極が形成された面に沿って流れる酸素含有ガスを、沿面放電によってオゾン化するオゾン生成素子において、放電電極が、固体誘電体基板上に形成された、電気の良導体からなる主電極部と、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい、金属酸化物導電体、金属酸化物半導体、又はこれらの混合体からなる主材料に、ガラス成分を加えたものを主成分とし、主電極部上に、この主電極部を覆うように形成されるガラス質の保護膜とを有していることである。
【0010】
この発明では、固体誘電体基板上の電気の良導体からる主電極部を、昇華や蒸発の生じにくいガラス質の保護膜で覆うことにより、放電電極を形成しているので、放電時の昇華や蒸発に起因して放電電極に消耗が生じることはなく、放電電極の長寿命化を図ることができるとともに、放電電極の電極面に汚れや髭状物が付着することもなく、放電エネルギーの分散化に伴う、オゾン発生効率の減少を生じさせてしまうこともない。
【0011】
また、この発明では、保護膜が、金属酸化物導電体や金属酸化物半導体にガラス成分を混ぜたものを主成分とし、ある程度電気を通すため、この保護膜の電気抵抗値、すなわち、この保護膜と主電極部との合成電気抵抗値が著しく大きくなってしまうことはない。このため、この放電電極では、放電エネルギーの伝達効率がよくなって、放電現象を支障なく生じさせることができるとともに、放電電極に静電振動等に起因する機械的損傷を与えてしまうこともなく、かつ、電源の設計も容易となる。
【0012】
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、保護膜の主材料が酸化ルテニウムである場合に、ガラス成分に対するこの主材料の混合割合が、10〜80重量%の範囲内にあることである。
【0013】
この発明では、主材料である酸化ルテニウム(金属酸化物導電体)とガラス成分との混合比を適正に定めているので、保護膜の電気抵抗値を適正に定めることができるとともに、主材料を保護膜中に充分に保持することができ、保護膜の長寿命化を図ることができる。
【0014】
この発明の請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の場合において、保護膜は、膜厚が、1から100μm内に納まるように形成されていることである。
【0015】
この発明では、保護膜を一定の膜厚になるように形成しているので、この保護膜と主電極部との合成電気抵抗値を比較的小さく抑えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係るオゾン発生素子の外観を示している。
【0017】
オゾン発生素子1は、酸素含有ガスから沿面放電によってオゾンガスを発生させるものであり、図1で示されるように、固体誘電体基板2上に放電電極3が形成され、この形成面が放電面Sとなる放電電極ブロック100と、固体誘電体基板2と同幅で、これよりやや長い固体誘電体基板4上に、図1及び図2で示されるように、放電電極3に対向するように、誘電電極5が形成された誘電電極ブロック101とを、放電電極3側を露出させるとともに、誘電電極5側を覆うように重ね合わせて、電子材料用高純度耐熱性エポキシ樹脂で接着したものである。
【0018】
なお、オゾン発生素子1には、放電電極3の構成のみが異なる、7種類のもの(オゾン発生素子1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G)があり、オゾン発生素子1A,1Bは、一定の特徴を有する放電電極3A,3B(後述)を備えた実施例となるものであるが、オゾン発生素子1C,1D,1E,1F,1G,1Hは、放電電極3Cを除いて、従来形の放電電極3D,3E,3F,3G,3H(後述)を備えた比較例となるものであり、オゾン発生素子1A,1Bとの性能比較のためにのみ用いられる。
【0019】
放電電極3は、図2の(a)で示されるように、例えば1.6mm幅の帯状の電極材を矩形状(例えば全長70mmで全幅12mm幅)に引き回すようにして形成された本体部3aの外周端に、取出部3bを介して、電源(高周波高電圧電源)供給用のラウンド部3cを形成したものであり、誘電電極5は、図2の(b)で示されるように、放電電極3より、例えば全長、全幅とも2〜4mm大きいサイズで、内側を電極材で埋めるように矩形状に形成した本体部5aの端部に、取出部5bを介して、電源(高周波高圧電源)供給用のラウンド部5cが、図1で示されるように、重ね合わされた放電電極ブロック100から外方に突出するように形成されたものである。各ラウンド部3c,5cには、高電圧用のリコンゴム被覆電線A1,A2がハンダ付け等によって接続される。
【0020】
固体誘電体基板2は、耐熱性と電気絶縁性とを備える、誘電損失の少ない固体誘電体で、長期安定性(長期の耐熱老化性、長期の耐オゾン性など)を有すとともに、放電電極3の焼成時の温度にも耐え、かつ、同一規格のものが容易に入手できるもの(例えば、ガラス、アルミナセラミックなど)から形成される基板である。この場合、この固体誘電体基板2は、表面状態が平滑で、物理的な欠陥がないものが好ましい。この実施の形態では、例えば、長さ75mm、幅17mm、厚さ0.65mmの大きさで、純度96%以上のアルミナセラミックからなる平滑板を固体誘電体基板2として用いた。
【0021】
固体誘電体基板4は、長さを除いて、固体誘電体基板2と同一の材料で同一形状かつ同一サイズに形成される。また、誘電電極5は、以下に説明する実施例1の放電電極3の主電極部30と、同一方法により、かつ、同一材料を用いて、固体誘電体基板4上に形成される。
【0022】
つぎに、放電電極3A〜3Hの構造と材質について説明する。放電電極3A,3B,3Cは、図3の(a)で示されるように、固体誘電体基板2上に形成される主電極部30と、この主電極部30上を、これと一体になった状態で覆う保護膜31,32,33とからなる2層構造のものであり、放電電極3D,3E,3F,3G,3Hは、図3の(b)で示されるように、固体誘電体基板2上に形成される、従来からある1層構造のものである。
【0023】
まず、オゾン発生素子1A(実施例1)の放電電極3Aについて説明する。
この放電電極3Aの主電極部30は、放電エネルギーの供給を容易にするために電気良導体を用いて形成されるが、その形成は、従来からあるハイブリッドICや面状電気抵抗体の回路形成方法である印刷・焼成技術を用いてなされる。具体的には、この主電極部30は、ハイブリッドICの回路形成用に多用されている、焼成後の電気抵抗率が3×10−6Ωcmとなる銀/パラジウム導電ペーストを、固体誘電体基板2上で、図2の(a)で示される平面形状にスクリーン印刷し、これを大気中下の200℃で30分間の予備乾燥をした後、これを窒素雰囲気下の600℃で30分間焼成することにより形成される。
【0024】
放電電極3Aの保護膜31は、主電極部30回り(上部と側部)を隙間なく覆う、ある程度の導電性を有したガラス質の平滑膜であり、主電極部30を保護して、放電による電極材の昇華飛散や蒸発飛散(消耗)をなくし、長期にわたり、電極面への汚れの付着や髭状物の発生をなくして、放電エネルギーの分散化によるオゾン発生効率の減少を防止できるとともに、主電極部30との合成電気抵抗値(インピーダンス)を比較的低く保って、放電エネルギーの伝達効率を良好に維持できるものである。
【0025】
この保護膜31は、保護膜用導電ペースト(酸化ルテニウム、酸化ニオブ、酸化バナジウムなどの、高融点でかつ昇華の生じにくい、金属酸化物半導体粉又は/及び金属酸化物導電体粉(これらの単体や混合体を問わない。以下この材料を主材料という。)を所定割合の電子材料用ガラス粉と混合し、必要であれば、シリカ粉、アルミナ粉などの線膨張率改善用助剤を更に混合し、オイル成分、液状樹脂成分、又はこれらの混合性分の媒体で練り上げたもの)を主電極部30上にスクリーン印刷した後、これを焼成することにより形成される。この場合、保護膜32は、内部にピンホール等がなく、かつ表面も、材料の凝集による、又は、発泡による凹凸などの物理的欠陥がない平滑面に仕上げられていることが必要である。
【0026】
ここで、主材料として酸化ルテニウム(RuO2;電気抵抗率3.5×10−5Ωcm)を例にとり、酸化ルテニウム粉とガラス粉との混合割合について説明する。ガラス粉に対して酸化ルテニウム粉の割合が多くなれば、保護膜の電気抵抗率は小さくなり、放電エネルギーの伝達効率の向上が図られるが、接着材としてのガラス粉の量が少ない分、保護膜から主材料が分離し易くなり、保護膜の寿命が短くなる。また、酸化ルテニウム粉に対してガラス粉の割合が多くなれば、保護膜の電気抵抗率は大きくなり、放電エネルギーの伝達効率が悪く(放電が生じにくく)なるが、保護膜は安定し、その寿命が長くなる。
【0027】
そこで、以上のことを考慮に入れて試験した結果、酸化ルテニウムとガラス粉との混合割合は、酸化ルテニウムが、10重量%から80重量%の範囲にあればよく、好ましくは、17〜18重量%(保護膜の電気抵抗率が1×103Ωcm)から80重量%の範囲にあればよいことが分かった。
【0028】
ところで、酸化ルテニウムの替わりに、酸化ニオブ(NbO:電気抵抗率2×10−5Ωcm、又はNbO2:電気抵抗率2×10−3Ωcm(金属相)、6×10−5Ωcm(半導体相))、酸化バナジウム(例えばV2O3:電気抵抗率1×10−3Ωcm(金属相))を用いる場合には、保護膜の電気抵抗率が酸化ルテニウム使用の場合と同じになるように、これらをガラス粉に混ぜてやればよい。なお、この場合でも、ガラス粉の混合割合は、主材料が保護膜から分離するのを防止するために、約20重量%より小さくならないようにする必要がある。
【0029】
また、保護膜は、これが厚くなれば、主電極部30との合成電気抵抗値(インピーダンス)が大きくなるとともに、剥がれやすくなり、かつ、薄くしすぎるとピンホールが発生し易くなるので、印加する電源の周波数によって異なるが、おおむね、主電極部30と重なる部分の厚さは、1〜100μm、好ましくは、1〜20μm内にあればよい。また、保護膜は、主電極部30を充分に覆うように、その平面形状サイズを、主電極部30の平面形状サイズより、0.05〜2.0mm、好ましくは、0.2〜0.5mmだけ大きく形成する。
【0030】
具体的には、この保護膜31は、電気抵抗率が3.5×10−5Ωcmである、300メッシュのふるいをパスした純度99%以上の正方晶二酸化ルテニウム粉6.0gと、粒子径10μm以下で純度99.5%以上の電子材料用硬質1級ガラス粉(別名パイレックスガラス(登録商標)粉)4.0gとをよく混合して、これに純度99%以上の流動パラフィンをスクリーン印刷に適する粘度になるまで添加して保護膜用導電ペーストを形成し、つぎに、この保護膜用導電ペーストを主電極部30上にスクリーン印刷して、これを大気中下の200℃で30分間の予備乾燥した後、これを窒素雰囲気下の900℃で30分間焼成することにより形成した。
【0031】
この保護膜用導電ペーストを用いて保護膜31を形成した場合の、放電電極3A表面上の1cm離れた2点間における放電電極3Aの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、10KHzの高周波交流を印加してヒューレットパッカード社製のLCRメータ(型式4263A)で測定すると、0.08Ωであった。
【0032】
オゾン発生素子1B(実施例2)の放電電極3Bは、主電極部30上を、変更点が、二酸化ルテニウム粉とガラス粉の混合比率(保護膜31の場合重量比で6対4)が2対8となっているだけの材料を使用して、保護膜31と同様に形成される保護膜32で覆ったものである。この場合、放電電極3B表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Bの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、420Ωであった。
【0033】
オゾン発生素子1C(比較例1)の放電電極3Cは、主電極部30上を、ガラス粉だけの材料を使用して、保護膜31と同様に形成される保護膜33で覆ったものである。この場合、放電電極3C表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Cの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、無限大であった(すなわち、絶縁体であることを示した)。
【0034】
オゾン発生素子1D(比較例2)の放電電極3Dは、放電電極3Aの保護膜32と同じものを固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3C表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Dの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、0.78Ωであった。
【0035】
オゾン発生素子1E(比較例3)の放電電極3Eは、放電電極3Bの保護膜33と同じものを固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3E表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Eの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、1.5×107Ωであった。
【0036】
オゾン発生素子1F(比較例4)の放電電極3Fは、放電電極3Aの主電極部3と同一のものを固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3F表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Fの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、0.05Ωであった。
【0037】
オゾン発生素子1G(比較例5)の放電電極3Gは、固体誘電体基板2上に放電電極3Aの保護膜32と同一形状で同一サイズのものを、99.5%純度のタングステン金属を用いたスパッタリングの方法で形成したものである。この場合、放電電極3G表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Gの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、0.15Ωであった。
【0038】
オゾン発生素子1H(比較例6)の放電電極3Hは、誘電体型の放電電極であり、比誘電率が86のルチル型二酸化チタン粉とガラス粉とを8対2の重量比で混合したものを、放電電極3Aの保護膜32の場合と同一の方法及びサイズで、固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3H表面上の1cm離れた2点間における放電電極3Hの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、無限大であった(すなわち、絶縁体であることを示した)。
【0039】
つぎに、オゾン発生素子1A,1Bの性能を、オゾン発生素子1C〜1Hの性能と比較しつつ説明する。オゾン発生素子1の性能試験は、各オゾン発生素子1A〜1Gを、図4で示されるアルミニウム製の試験筐体50内に装填した後、この試験筐体50内のオゾン発生素子1の放電面Sに沿って、例えば、大気圧下で1.0リッター/分の除湿空気(酸素含有ガス)を流すとともに、放電電極3と誘電電極5とに、周波数が20KHzで、尖頭電圧が12KVの高周波高電圧を印加して行う。試験筐体50は、中央部にオゾン発生素子1の設置部51aを有するとともに、前面に、シリコンゴム被覆電線A1,A2の抜き出し孔51bと、冷却水供給孔51c(対向面には冷却水排出孔が設けられている)とが形成された、水ジャケットタイプの凹状の本体部51と、本体部51の上部を覆うとともに、空気供給孔52aと空気排出孔52bとが形成された蓋板52とから形成される。
【0040】
性能試験は、初期時(10分経過直後)と、24時間経過時と、500時間経過時と、1000時間経過時とにおいて、各オゾン発生素子1A〜1Hを用いた場合のオゾン発生量と消費電力とを、それぞれ測定することによりなされ、図5にその結果が示されている。なお、オゾン発生量は、オキトロニクス社製の紫外線吸収光度測定方式のオゾンガス濃度計(型式OZMー7000G)を用いて、1時間当たりのものを測定した。消費電力は、高周波高電圧電源の入力側の電力消費量、すなわち、電源入力は直流24Vを定電圧電源より供給したので、この時の消費電流を実測することにより算出した。
【0041】
図5によると、オゾン発生素子1Aを用いた場合には、初期時にオゾン発生量がやや低いが、他の時期には安定した状態でオゾンを発生させることができ、消費電力も安定している。この場合の、供給空気量と発生オゾン量との関係は図6に示されている。保護膜32にガラス成分の多い放電電極3Bのオゾン発生素子1Bを用いた場合には、オゾン発生量は、オゾン発生素子1Aの場合に比べて、初期時と24時間経過時とにやや低い(15〜5%減少)が、時間の経過とともに、オゾン発生素子1Aの場合に近づいているとともに、消費電力も、オゾン発生素子1Aを用いた場合に比べて、5〜10%分だけ下げることができ、性能的には、オゾン発生素子1Aを用いた場合と大きな違いはない。
【0042】
保護膜33がガラス成分(誘電体)のみからなる放電電極3Cのオゾン発生素子1Cを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合とに比べて、オゾン発生量が少ない(16〜19%減少)とともに、360時間経過時に、保護膜33の部分破壊(静電振動等の機械的要因に起因すると考えられる)による放電異常が発生し、420時間経過時に放電電極3Cに断線が生じた。保護膜33が破壊した直下の主電極部30に電荷の集中が起こり、この主電極部30も直ちに破壊されるためと思われる。
【0043】
放電電極3Dがオゾン発生素子1Aの保護膜31により形成されるオゾン発生素子1Dを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合に比べて、消費電力は15〜18%減少するが、オゾン発生量もそれ以上(31〜37%)減少し、明らかにオゾン発生素子1Aを用いた場合より性能的に劣っていることが分かる。また、放電電極3Eがオゾン発生素子1Bの保護膜32により形成されるオゾン発生素子1Eを用いた場合には、24時間経過時に放電が微弱となったため(オゾン発生量が大きく減少したため)、試験を中止した。さらに、放電電極3Fがオゾン発生素子1Aの主電極部3のみにより形成されるオゾン発生素子1Fを用いた場合には、電極面の汚染に起因して、436時間経過時に放電電極3Fに断線が生じた。
【0044】
また、放電電極3Gがタングステン金属のスパッタリングにより形成されるオゾン発生素子1Gを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合とに比べて、24時間経過時からオゾン発生量の減少(7〜22%減少)と消費電力の増加(6〜16%増加)が生じ、かつ、1000時間経過時に、電極面の汚染に起因して放電異常が生じるとともに、放電面に髭状物の発生が見られた。さらに、放電電極3Hが誘電体で形成されるオゾン発生素子1Hを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合とに比べて、オゾン発生量が少ない(20〜44%減少)とともに、500時間経過時に、放電に部分的欠落(静電振動等の機械的要因により放電電極3Hに部分的破壊が生じたと思われる)が生じ、かつ、785時間経過時に放電電極3Gに断線が生じた。
【0045】
以上のように、放電電極3を、主電極部30と保護膜31,32との2重構造としたオゾン発生素子1A,1Bでは、導電性の主電極部30が、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい金属酸化物半導体粉等からなる主材料に20重量%以上のガラス粉を加えて形成されるガラス質の保護膜31,32によって覆われているので、放電時における主電極部30の昇華等に起因する電極材の消耗が抑えられ、放電電極3の長寿命化と、電極面への汚染や髭状物の発生に起因する放電エネルギーの分散化(放電の弱まり)とが防止できるとともに、保護膜31,32の電気抵抗率がそれほど大きくならず、放電電極3A,3Bの電気抵抗値(インピーダンス)が比較的小さく抑えられることとなり、放電エネルギーの伝達効率の向上が図られて、放電が促進され、比較的多量のオゾンを継続的に発生させることができ、かつ、保護膜の寿命も延ばすことができる。
【0046】
また、このオゾン発生素子1A,1Bでは、主電極部30及び保護膜31,32とも、導電ペーストの印刷・焼成といった従来の技術によって形成できるので、その製造が容易であり、このオゾン発生素子1A,1Bの大量生産も可能である。
【0047】
なお、誘電電極ブロック101を設けずに、誘電電極5に接続されるシリコンゴム被覆電線A2を、直接アルミニウム製の試験筐体50に接続し、試験筐体50の本体部51の底部51d全体を誘電電極としてもよい。
【0048】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、昇華等による電極材の消耗やこれに伴う電極面の汚れ等を抑えることができるので、放電エネルギーの分散化に起因するオゾン発生効率の低下を防止できるとともに、放電電極の長寿命化をも図ることができる。また、この発明によれば、放電電極の電気抵抗値もそれ程大きくならないので、この放電電極を介して、放電エネルギーの伝達効率の向上が図られて、放電が促進され、比較的多量のオゾンを継続的に発生させることができる。
【0049】
この発明の請求項2記載の発明によれば、保護膜の電気抵抗値を適正に定めることができるとともに、保護膜を変化の生じない安定な状態に保つことができる。
【0050】
この発明の請求項3記載の発明によれば、保護膜と主電極部との合成電気抵抗値を比較的小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の一実施の形態に係るオゾン発生素子(ただし、オゾン発生素子1Cは比較例)の外観斜視図であり、(b)は比較例となる従来タイプのオゾン発生素子の外観斜視図である。
【図2】(a)は放電電極ブロックの外観斜視図であり、(b)は誘電電極ブロックの外観斜視図である。
【図3】(a)は図1(a)のAーA矢視断面図であり、(b)は図1(b)のBーB矢視断面図である。
【図4】試験筐体の分解斜視図である。
【図5】オゾン発生素子の性能試験結果を示す図である。
【図6】オゾン発生素子1Aを用いた場合の、供給空気量と発生オゾン量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B オゾン発生素子
2 固体誘電体基板
3,3A,3B 放電電極
30 主電極部
31,32 保護膜
S 放電面(面)
【発明の属する技術分野】
この発明は、沿面放電によって酸素含有ガスからオゾンガスを生成するのに用いられるオゾン生成素子に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
沿面放電用の従来のオゾン生成素子の放電電極は、溶融温度が高く、高温度において耐酸化性がある、タングステンや白金等の金属箔を、固体誘電体基板上に貼り付けることにより形成されたり、湿式メッキ、真空蒸着、又はスパッタリング等の乾式メッキを用いて、固体誘電体基板上に金属の導電性パターンを作ることにより形成されている。
【0003】
このような放電電極を用いたオゾン生成素子では、放電電極を形成している金属成分が、放電時に昇華や蒸発により消耗するので、電極の長寿命化が図れず、かつ、飛散した材料が、固体誘電体基板上に再付着して、電極面を汚したり、電極面上に髭状物を発生させたりするので、放電エネルギーの分散化が生じ、徐々に放電が弱まって、オゾンの発生効率を低下させてしまうという不都合がある。
【0004】
このため、放電電極を、セラミック誘電体(例えば、媒体となる、シリカ粉、アルミナ粉、ガラス粉、又はこれらの混合粉に、酸化チタン粉等の金属酸化物誘電体粉を添加した組成物を、パターン状に印刷・焼成したもの)により形成し、電極材料の消耗を抑えて、電極の長寿命化と、電極面の汚れ等の防止を図ったものもある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、セラミック誘電体で形成された放電電極は電気抵抗値が極めて高いので、この放電電極を用いたオゾン生成素子では、放電エネルギーの供給を高周波高電圧下での静電誘導効果による電荷の移動のみに頼ることになり、オゾン発生のための放電エネルギーの伝達効率が、放電電極を金属導電体で形成した場合に比べて、かなり悪くなってしまうという問題があった。
【0006】
また、このような放電電極を用いたオゾン生成素子では、高周波高電圧電源の負荷が静電容量性のものとなるため、合成インピーダンスが周波数により変化し、電源とこのオゾン発生素子間でのインピーダンス整合が容易でなく、高周波高圧電源の設計に手間がかかるという問題があった。
【0007】
さらに、このような放電電極を用いたオゾン生成素子では、長期間の使用により、放電電極の一部分が、静電振動によると思われる機械的損傷を受けるため、放電に欠落を生じたり、放電電極に断線が生じ易いという問題があった。
【0008】
この発明は、以上の点に鑑み、放電電極の消耗や汚れ等を抑えることができるとともに、放電電極の電気抵抗値もそれ程大きくならないオゾン発生素子を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、固体誘電体基板上の放電電極が形成された面に沿って流れる酸素含有ガスを、沿面放電によってオゾン化するオゾン生成素子において、放電電極が、固体誘電体基板上に形成された、電気の良導体からなる主電極部と、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい、金属酸化物導電体、金属酸化物半導体、又はこれらの混合体からなる主材料に、ガラス成分を加えたものを主成分とし、主電極部上に、この主電極部を覆うように形成されるガラス質の保護膜とを有していることである。
【0010】
この発明では、固体誘電体基板上の電気の良導体からる主電極部を、昇華や蒸発の生じにくいガラス質の保護膜で覆うことにより、放電電極を形成しているので、放電時の昇華や蒸発に起因して放電電極に消耗が生じることはなく、放電電極の長寿命化を図ることができるとともに、放電電極の電極面に汚れや髭状物が付着することもなく、放電エネルギーの分散化に伴う、オゾン発生効率の減少を生じさせてしまうこともない。
【0011】
また、この発明では、保護膜が、金属酸化物導電体や金属酸化物半導体にガラス成分を混ぜたものを主成分とし、ある程度電気を通すため、この保護膜の電気抵抗値、すなわち、この保護膜と主電極部との合成電気抵抗値が著しく大きくなってしまうことはない。このため、この放電電極では、放電エネルギーの伝達効率がよくなって、放電現象を支障なく生じさせることができるとともに、放電電極に静電振動等に起因する機械的損傷を与えてしまうこともなく、かつ、電源の設計も容易となる。
【0012】
この発明の請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の場合において、保護膜の主材料が酸化ルテニウムである場合に、ガラス成分に対するこの主材料の混合割合が、10〜80重量%の範囲内にあることである。
【0013】
この発明では、主材料である酸化ルテニウム(金属酸化物導電体)とガラス成分との混合比を適正に定めているので、保護膜の電気抵抗値を適正に定めることができるとともに、主材料を保護膜中に充分に保持することができ、保護膜の長寿命化を図ることができる。
【0014】
この発明の請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明の場合において、保護膜は、膜厚が、1から100μm内に納まるように形成されていることである。
【0015】
この発明では、保護膜を一定の膜厚になるように形成しているので、この保護膜と主電極部との合成電気抵抗値を比較的小さく抑えることができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面を参照しつつ説明する。
図1はこの発明の一実施の形態に係るオゾン発生素子の外観を示している。
【0017】
オゾン発生素子1は、酸素含有ガスから沿面放電によってオゾンガスを発生させるものであり、図1で示されるように、固体誘電体基板2上に放電電極3が形成され、この形成面が放電面Sとなる放電電極ブロック100と、固体誘電体基板2と同幅で、これよりやや長い固体誘電体基板4上に、図1及び図2で示されるように、放電電極3に対向するように、誘電電極5が形成された誘電電極ブロック101とを、放電電極3側を露出させるとともに、誘電電極5側を覆うように重ね合わせて、電子材料用高純度耐熱性エポキシ樹脂で接着したものである。
【0018】
なお、オゾン発生素子1には、放電電極3の構成のみが異なる、7種類のもの(オゾン発生素子1A,1B,1C,1D,1E,1F,1G)があり、オゾン発生素子1A,1Bは、一定の特徴を有する放電電極3A,3B(後述)を備えた実施例となるものであるが、オゾン発生素子1C,1D,1E,1F,1G,1Hは、放電電極3Cを除いて、従来形の放電電極3D,3E,3F,3G,3H(後述)を備えた比較例となるものであり、オゾン発生素子1A,1Bとの性能比較のためにのみ用いられる。
【0019】
放電電極3は、図2の(a)で示されるように、例えば1.6mm幅の帯状の電極材を矩形状(例えば全長70mmで全幅12mm幅)に引き回すようにして形成された本体部3aの外周端に、取出部3bを介して、電源(高周波高電圧電源)供給用のラウンド部3cを形成したものであり、誘電電極5は、図2の(b)で示されるように、放電電極3より、例えば全長、全幅とも2〜4mm大きいサイズで、内側を電極材で埋めるように矩形状に形成した本体部5aの端部に、取出部5bを介して、電源(高周波高圧電源)供給用のラウンド部5cが、図1で示されるように、重ね合わされた放電電極ブロック100から外方に突出するように形成されたものである。各ラウンド部3c,5cには、高電圧用のリコンゴム被覆電線A1,A2がハンダ付け等によって接続される。
【0020】
固体誘電体基板2は、耐熱性と電気絶縁性とを備える、誘電損失の少ない固体誘電体で、長期安定性(長期の耐熱老化性、長期の耐オゾン性など)を有すとともに、放電電極3の焼成時の温度にも耐え、かつ、同一規格のものが容易に入手できるもの(例えば、ガラス、アルミナセラミックなど)から形成される基板である。この場合、この固体誘電体基板2は、表面状態が平滑で、物理的な欠陥がないものが好ましい。この実施の形態では、例えば、長さ75mm、幅17mm、厚さ0.65mmの大きさで、純度96%以上のアルミナセラミックからなる平滑板を固体誘電体基板2として用いた。
【0021】
固体誘電体基板4は、長さを除いて、固体誘電体基板2と同一の材料で同一形状かつ同一サイズに形成される。また、誘電電極5は、以下に説明する実施例1の放電電極3の主電極部30と、同一方法により、かつ、同一材料を用いて、固体誘電体基板4上に形成される。
【0022】
つぎに、放電電極3A〜3Hの構造と材質について説明する。放電電極3A,3B,3Cは、図3の(a)で示されるように、固体誘電体基板2上に形成される主電極部30と、この主電極部30上を、これと一体になった状態で覆う保護膜31,32,33とからなる2層構造のものであり、放電電極3D,3E,3F,3G,3Hは、図3の(b)で示されるように、固体誘電体基板2上に形成される、従来からある1層構造のものである。
【0023】
まず、オゾン発生素子1A(実施例1)の放電電極3Aについて説明する。
この放電電極3Aの主電極部30は、放電エネルギーの供給を容易にするために電気良導体を用いて形成されるが、その形成は、従来からあるハイブリッドICや面状電気抵抗体の回路形成方法である印刷・焼成技術を用いてなされる。具体的には、この主電極部30は、ハイブリッドICの回路形成用に多用されている、焼成後の電気抵抗率が3×10−6Ωcmとなる銀/パラジウム導電ペーストを、固体誘電体基板2上で、図2の(a)で示される平面形状にスクリーン印刷し、これを大気中下の200℃で30分間の予備乾燥をした後、これを窒素雰囲気下の600℃で30分間焼成することにより形成される。
【0024】
放電電極3Aの保護膜31は、主電極部30回り(上部と側部)を隙間なく覆う、ある程度の導電性を有したガラス質の平滑膜であり、主電極部30を保護して、放電による電極材の昇華飛散や蒸発飛散(消耗)をなくし、長期にわたり、電極面への汚れの付着や髭状物の発生をなくして、放電エネルギーの分散化によるオゾン発生効率の減少を防止できるとともに、主電極部30との合成電気抵抗値(インピーダンス)を比較的低く保って、放電エネルギーの伝達効率を良好に維持できるものである。
【0025】
この保護膜31は、保護膜用導電ペースト(酸化ルテニウム、酸化ニオブ、酸化バナジウムなどの、高融点でかつ昇華の生じにくい、金属酸化物半導体粉又は/及び金属酸化物導電体粉(これらの単体や混合体を問わない。以下この材料を主材料という。)を所定割合の電子材料用ガラス粉と混合し、必要であれば、シリカ粉、アルミナ粉などの線膨張率改善用助剤を更に混合し、オイル成分、液状樹脂成分、又はこれらの混合性分の媒体で練り上げたもの)を主電極部30上にスクリーン印刷した後、これを焼成することにより形成される。この場合、保護膜32は、内部にピンホール等がなく、かつ表面も、材料の凝集による、又は、発泡による凹凸などの物理的欠陥がない平滑面に仕上げられていることが必要である。
【0026】
ここで、主材料として酸化ルテニウム(RuO2;電気抵抗率3.5×10−5Ωcm)を例にとり、酸化ルテニウム粉とガラス粉との混合割合について説明する。ガラス粉に対して酸化ルテニウム粉の割合が多くなれば、保護膜の電気抵抗率は小さくなり、放電エネルギーの伝達効率の向上が図られるが、接着材としてのガラス粉の量が少ない分、保護膜から主材料が分離し易くなり、保護膜の寿命が短くなる。また、酸化ルテニウム粉に対してガラス粉の割合が多くなれば、保護膜の電気抵抗率は大きくなり、放電エネルギーの伝達効率が悪く(放電が生じにくく)なるが、保護膜は安定し、その寿命が長くなる。
【0027】
そこで、以上のことを考慮に入れて試験した結果、酸化ルテニウムとガラス粉との混合割合は、酸化ルテニウムが、10重量%から80重量%の範囲にあればよく、好ましくは、17〜18重量%(保護膜の電気抵抗率が1×103Ωcm)から80重量%の範囲にあればよいことが分かった。
【0028】
ところで、酸化ルテニウムの替わりに、酸化ニオブ(NbO:電気抵抗率2×10−5Ωcm、又はNbO2:電気抵抗率2×10−3Ωcm(金属相)、6×10−5Ωcm(半導体相))、酸化バナジウム(例えばV2O3:電気抵抗率1×10−3Ωcm(金属相))を用いる場合には、保護膜の電気抵抗率が酸化ルテニウム使用の場合と同じになるように、これらをガラス粉に混ぜてやればよい。なお、この場合でも、ガラス粉の混合割合は、主材料が保護膜から分離するのを防止するために、約20重量%より小さくならないようにする必要がある。
【0029】
また、保護膜は、これが厚くなれば、主電極部30との合成電気抵抗値(インピーダンス)が大きくなるとともに、剥がれやすくなり、かつ、薄くしすぎるとピンホールが発生し易くなるので、印加する電源の周波数によって異なるが、おおむね、主電極部30と重なる部分の厚さは、1〜100μm、好ましくは、1〜20μm内にあればよい。また、保護膜は、主電極部30を充分に覆うように、その平面形状サイズを、主電極部30の平面形状サイズより、0.05〜2.0mm、好ましくは、0.2〜0.5mmだけ大きく形成する。
【0030】
具体的には、この保護膜31は、電気抵抗率が3.5×10−5Ωcmである、300メッシュのふるいをパスした純度99%以上の正方晶二酸化ルテニウム粉6.0gと、粒子径10μm以下で純度99.5%以上の電子材料用硬質1級ガラス粉(別名パイレックスガラス(登録商標)粉)4.0gとをよく混合して、これに純度99%以上の流動パラフィンをスクリーン印刷に適する粘度になるまで添加して保護膜用導電ペーストを形成し、つぎに、この保護膜用導電ペーストを主電極部30上にスクリーン印刷して、これを大気中下の200℃で30分間の予備乾燥した後、これを窒素雰囲気下の900℃で30分間焼成することにより形成した。
【0031】
この保護膜用導電ペーストを用いて保護膜31を形成した場合の、放電電極3A表面上の1cm離れた2点間における放電電極3Aの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、10KHzの高周波交流を印加してヒューレットパッカード社製のLCRメータ(型式4263A)で測定すると、0.08Ωであった。
【0032】
オゾン発生素子1B(実施例2)の放電電極3Bは、主電極部30上を、変更点が、二酸化ルテニウム粉とガラス粉の混合比率(保護膜31の場合重量比で6対4)が2対8となっているだけの材料を使用して、保護膜31と同様に形成される保護膜32で覆ったものである。この場合、放電電極3B表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Bの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、420Ωであった。
【0033】
オゾン発生素子1C(比較例1)の放電電極3Cは、主電極部30上を、ガラス粉だけの材料を使用して、保護膜31と同様に形成される保護膜33で覆ったものである。この場合、放電電極3C表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Cの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、無限大であった(すなわち、絶縁体であることを示した)。
【0034】
オゾン発生素子1D(比較例2)の放電電極3Dは、放電電極3Aの保護膜32と同じものを固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3C表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Dの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、0.78Ωであった。
【0035】
オゾン発生素子1E(比較例3)の放電電極3Eは、放電電極3Bの保護膜33と同じものを固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3E表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Eの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、1.5×107Ωであった。
【0036】
オゾン発生素子1F(比較例4)の放電電極3Fは、放電電極3Aの主電極部3と同一のものを固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3F表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Fの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、0.05Ωであった。
【0037】
オゾン発生素子1G(比較例5)の放電電極3Gは、固体誘電体基板2上に放電電極3Aの保護膜32と同一形状で同一サイズのものを、99.5%純度のタングステン金属を用いたスパッタリングの方法で形成したものである。この場合、放電電極3G表面上の1cm離れた2点間における、放電電極3Gの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、0.15Ωであった。
【0038】
オゾン発生素子1H(比較例6)の放電電極3Hは、誘電体型の放電電極であり、比誘電率が86のルチル型二酸化チタン粉とガラス粉とを8対2の重量比で混合したものを、放電電極3Aの保護膜32の場合と同一の方法及びサイズで、固体誘電体基板2上に形成したものである。この場合、放電電極3H表面上の1cm離れた2点間における放電電極3Hの電気抵抗実測値(インピーダンス)は、放電電極3Aの場合と同様な方法で測定すると、無限大であった(すなわち、絶縁体であることを示した)。
【0039】
つぎに、オゾン発生素子1A,1Bの性能を、オゾン発生素子1C〜1Hの性能と比較しつつ説明する。オゾン発生素子1の性能試験は、各オゾン発生素子1A〜1Gを、図4で示されるアルミニウム製の試験筐体50内に装填した後、この試験筐体50内のオゾン発生素子1の放電面Sに沿って、例えば、大気圧下で1.0リッター/分の除湿空気(酸素含有ガス)を流すとともに、放電電極3と誘電電極5とに、周波数が20KHzで、尖頭電圧が12KVの高周波高電圧を印加して行う。試験筐体50は、中央部にオゾン発生素子1の設置部51aを有するとともに、前面に、シリコンゴム被覆電線A1,A2の抜き出し孔51bと、冷却水供給孔51c(対向面には冷却水排出孔が設けられている)とが形成された、水ジャケットタイプの凹状の本体部51と、本体部51の上部を覆うとともに、空気供給孔52aと空気排出孔52bとが形成された蓋板52とから形成される。
【0040】
性能試験は、初期時(10分経過直後)と、24時間経過時と、500時間経過時と、1000時間経過時とにおいて、各オゾン発生素子1A〜1Hを用いた場合のオゾン発生量と消費電力とを、それぞれ測定することによりなされ、図5にその結果が示されている。なお、オゾン発生量は、オキトロニクス社製の紫外線吸収光度測定方式のオゾンガス濃度計(型式OZMー7000G)を用いて、1時間当たりのものを測定した。消費電力は、高周波高電圧電源の入力側の電力消費量、すなわち、電源入力は直流24Vを定電圧電源より供給したので、この時の消費電流を実測することにより算出した。
【0041】
図5によると、オゾン発生素子1Aを用いた場合には、初期時にオゾン発生量がやや低いが、他の時期には安定した状態でオゾンを発生させることができ、消費電力も安定している。この場合の、供給空気量と発生オゾン量との関係は図6に示されている。保護膜32にガラス成分の多い放電電極3Bのオゾン発生素子1Bを用いた場合には、オゾン発生量は、オゾン発生素子1Aの場合に比べて、初期時と24時間経過時とにやや低い(15〜5%減少)が、時間の経過とともに、オゾン発生素子1Aの場合に近づいているとともに、消費電力も、オゾン発生素子1Aを用いた場合に比べて、5〜10%分だけ下げることができ、性能的には、オゾン発生素子1Aを用いた場合と大きな違いはない。
【0042】
保護膜33がガラス成分(誘電体)のみからなる放電電極3Cのオゾン発生素子1Cを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合とに比べて、オゾン発生量が少ない(16〜19%減少)とともに、360時間経過時に、保護膜33の部分破壊(静電振動等の機械的要因に起因すると考えられる)による放電異常が発生し、420時間経過時に放電電極3Cに断線が生じた。保護膜33が破壊した直下の主電極部30に電荷の集中が起こり、この主電極部30も直ちに破壊されるためと思われる。
【0043】
放電電極3Dがオゾン発生素子1Aの保護膜31により形成されるオゾン発生素子1Dを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合に比べて、消費電力は15〜18%減少するが、オゾン発生量もそれ以上(31〜37%)減少し、明らかにオゾン発生素子1Aを用いた場合より性能的に劣っていることが分かる。また、放電電極3Eがオゾン発生素子1Bの保護膜32により形成されるオゾン発生素子1Eを用いた場合には、24時間経過時に放電が微弱となったため(オゾン発生量が大きく減少したため)、試験を中止した。さらに、放電電極3Fがオゾン発生素子1Aの主電極部3のみにより形成されるオゾン発生素子1Fを用いた場合には、電極面の汚染に起因して、436時間経過時に放電電極3Fに断線が生じた。
【0044】
また、放電電極3Gがタングステン金属のスパッタリングにより形成されるオゾン発生素子1Gを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合とに比べて、24時間経過時からオゾン発生量の減少(7〜22%減少)と消費電力の増加(6〜16%増加)が生じ、かつ、1000時間経過時に、電極面の汚染に起因して放電異常が生じるとともに、放電面に髭状物の発生が見られた。さらに、放電電極3Hが誘電体で形成されるオゾン発生素子1Hを用いた場合には、オゾン発生素子1Aの場合とに比べて、オゾン発生量が少ない(20〜44%減少)とともに、500時間経過時に、放電に部分的欠落(静電振動等の機械的要因により放電電極3Hに部分的破壊が生じたと思われる)が生じ、かつ、785時間経過時に放電電極3Gに断線が生じた。
【0045】
以上のように、放電電極3を、主電極部30と保護膜31,32との2重構造としたオゾン発生素子1A,1Bでは、導電性の主電極部30が、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい金属酸化物半導体粉等からなる主材料に20重量%以上のガラス粉を加えて形成されるガラス質の保護膜31,32によって覆われているので、放電時における主電極部30の昇華等に起因する電極材の消耗が抑えられ、放電電極3の長寿命化と、電極面への汚染や髭状物の発生に起因する放電エネルギーの分散化(放電の弱まり)とが防止できるとともに、保護膜31,32の電気抵抗率がそれほど大きくならず、放電電極3A,3Bの電気抵抗値(インピーダンス)が比較的小さく抑えられることとなり、放電エネルギーの伝達効率の向上が図られて、放電が促進され、比較的多量のオゾンを継続的に発生させることができ、かつ、保護膜の寿命も延ばすことができる。
【0046】
また、このオゾン発生素子1A,1Bでは、主電極部30及び保護膜31,32とも、導電ペーストの印刷・焼成といった従来の技術によって形成できるので、その製造が容易であり、このオゾン発生素子1A,1Bの大量生産も可能である。
【0047】
なお、誘電電極ブロック101を設けずに、誘電電極5に接続されるシリコンゴム被覆電線A2を、直接アルミニウム製の試験筐体50に接続し、試験筐体50の本体部51の底部51d全体を誘電電極としてもよい。
【0048】
【発明の効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、昇華等による電極材の消耗やこれに伴う電極面の汚れ等を抑えることができるので、放電エネルギーの分散化に起因するオゾン発生効率の低下を防止できるとともに、放電電極の長寿命化をも図ることができる。また、この発明によれば、放電電極の電気抵抗値もそれ程大きくならないので、この放電電極を介して、放電エネルギーの伝達効率の向上が図られて、放電が促進され、比較的多量のオゾンを継続的に発生させることができる。
【0049】
この発明の請求項2記載の発明によれば、保護膜の電気抵抗値を適正に定めることができるとともに、保護膜を変化の生じない安定な状態に保つことができる。
【0050】
この発明の請求項3記載の発明によれば、保護膜と主電極部との合成電気抵抗値を比較的小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)はこの発明の一実施の形態に係るオゾン発生素子(ただし、オゾン発生素子1Cは比較例)の外観斜視図であり、(b)は比較例となる従来タイプのオゾン発生素子の外観斜視図である。
【図2】(a)は放電電極ブロックの外観斜視図であり、(b)は誘電電極ブロックの外観斜視図である。
【図3】(a)は図1(a)のAーA矢視断面図であり、(b)は図1(b)のBーB矢視断面図である。
【図4】試験筐体の分解斜視図である。
【図5】オゾン発生素子の性能試験結果を示す図である。
【図6】オゾン発生素子1Aを用いた場合の、供給空気量と発生オゾン量との関係を示す図である。
【符号の説明】
1A,1B オゾン発生素子
2 固体誘電体基板
3,3A,3B 放電電極
30 主電極部
31,32 保護膜
S 放電面(面)
Claims (3)
- 固体誘電体基板上の放電電極が形成された面に沿って流れる酸素含有ガスを、沿面放電によってオゾン化するオゾン生成素子において、
前記放電電極が、前記固体誘電体基板上に形成された、電気の良導体からなる主電極部と、高融点でかつ昇華及び蒸発の生じにくい、金属酸化物導電体、金属酸化物半導体、又はこれらの混合体からなる主材料に、ガラス成分を加えたものを主成分とし、前記主電極部上に、この主電極部を覆うように形成されるガラス質の保護膜とを有していることを特徴とするオゾン生成素子。 - 前記保護膜の主材料が酸化ルテニウムである場合に、前記ガラス成分に対するこの主材料の混合割合が、10〜80重量%の範囲内にあることを特徴とする請求項1記載のオゾン生成素子。
- 前記保護膜は、膜厚が、1から100μm内に納まるように形成されていることを特徴とする請求項1又は2記載のオゾン生成素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002341923A JP2004175604A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | オゾン生成素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002341923A JP2004175604A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | オゾン生成素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004175604A true JP2004175604A (ja) | 2004-06-24 |
Family
ID=32704122
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2002341923A Pending JP2004175604A (ja) | 2002-11-26 | 2002-11-26 | オゾン生成素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004175604A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011146142A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Panasonic Corp | コロナ放電発生装置とそれを用いた除菌装置 |
WO2020116051A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | アートビーム有限会社 | 放電電極板 |
WO2021205809A1 (ja) * | 2020-04-06 | 2021-10-14 | アートビーム有限会社 | 放電電極板 |
-
2002
- 2002-11-26 JP JP2002341923A patent/JP2004175604A/ja active Pending
Cited By (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011146142A (ja) * | 2010-01-12 | 2011-07-28 | Panasonic Corp | コロナ放電発生装置とそれを用いた除菌装置 |
WO2020116051A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2020-06-11 | アートビーム有限会社 | 放電電極板 |
TWI716193B (zh) * | 2018-12-04 | 2021-01-11 | 日商亞特比目有限公司 | 放電電極板 |
JPWO2020116051A1 (ja) * | 2018-12-04 | 2021-10-07 | アートビーム有限会社 | 放電電極板 |
WO2021205809A1 (ja) * | 2020-04-06 | 2021-10-14 | アートビーム有限会社 | 放電電極板 |
JP7393050B2 (ja) | 2020-04-06 | 2023-12-06 | アートビーム株式会社 | 放電電極板 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
KR101392455B1 (ko) | Esd 보호 디바이스 및 그 제조 방법 | |
US5324053A (en) | Electrostatic chuck | |
CN102246371B (zh) | Esd保护器件 | |
JP5590122B2 (ja) | Esd保護デバイス | |
US8717730B2 (en) | ESD protection device and method for producing the same | |
TW201118891A (en) | Paste for electrostatic protection, electrostatic protection component and manufacturing method thereof | |
US20120236450A1 (en) | Esd protection device and method for producing the same | |
JP2998401B2 (ja) | 電気二重層コンデンサおよびその製造方法 | |
JP2005276666A (ja) | サージアブソーバ | |
JPH0222998B2 (ja) | ||
JP2004175604A (ja) | オゾン生成素子 | |
JP6107945B2 (ja) | Esd保護装置 | |
JPH09328303A (ja) | 沿面放電型放電素子 | |
EP3742459A1 (en) | Thermistor element and manufacturing method for same | |
JPH03129701A (ja) | 抵抗体装置 | |
JPH1064703A (ja) | 積層チップ型電子部品 | |
JP2019186251A (ja) | 薄膜コンデンサ及びそれを用いた半導体パワーモジュール | |
JPH03283581A (ja) | 積層圧電アクチュエータ素子 | |
JP2000188169A (ja) | サ―ジ吸収素子 | |
JPH11265808A (ja) | サージ吸収素子及びその製造方法 | |
JP2003327416A (ja) | オゾン発生用放電体 | |
JPH04112048A (ja) | サーマルヘッド | |
JPH0831917A (ja) | 静電チャック及びその製造法 | |
KR100792205B1 (ko) | 과전압 보호소자 및 그 제조방법 | |
JPH10241828A (ja) | 電界装置 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Effective date: 20040325 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 |
|
A977 | Report on retrieval |
Effective date: 20061207 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Effective date: 20070116 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 |
|
A02 | Decision of refusal |
Effective date: 20070529 Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 |