JP7393050B2 - 放電電極板 - Google Patents

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Description

本発明は、コロナ放電させる細長い放電電極を形成する放電電極板に関するものである。
従来、高分子樹脂の表面を改質してつるつるの表面を、小さな凹凸あるいはトゲトゲ状にする方法と1つとして、大気コロナ放電中を通す手法がある。
このコロナ放電を起こした中を高分子樹脂を通過させることにより、プラズマ中の活性化したイオンが樹脂の表面を適切に凹凸化、あるいはギザギザ化する。
高分子樹脂の表面が小さな凹凸形状になると、撥水性から親水性に変化する。例えば、応用製品として、海苔を干す簾の表面は小さな凹凸化があると都合がよい。これにより、海水から引き揚げた海苔は相応の密着性を有するが、高分子樹脂表面がツルツル状態では、この密着性は得られず、簾に海苔がつかない。
このように高分子樹脂の表面改質処理は、大気中でコロナ放電を起こして行われている。この放電電極の材質は、従来は、金属類(例えば、ステンレス、タングステン)が使われていた。
上述した従来のコロナ放電させる放電材料として、図10に示すように、金属類(ステンレス、タングステン)を使用した場合には、コロナ放電プラズマ下で多量に発生するオゾンO3のために、極めて短時間(速いものは1週間程度)で表面が酸化してしまい、放電電極(金属板22)の表面からの電子の供給が円滑に行われなくなってしまい、使用できなくなってしまう欠点があった。
また、放電電極(金属板22)が短時間(1週間程度)で表面が酸化して放電ができなくなり、放電電極を交換することが要求されてしまう欠点もあった。
これらの欠点を解消するために、図11に示すように、コロナ放電プラズマ下で酸化しない電子導電性ガラス焼結膜22ー1に、上記金属電極(ステンレス、タングステン等)を置き換えることにより、上記放電電極の酸化を防ぐごとはできた。
しかし、これも実際に使用すると、図12に示すように、外部配線24の取出し部(電源供給部)に近いところでは放電(コロナ放電)は安定、中央部では不安定と図示のようになり、1か月程度でコロナ放電しなくなってしまうという問題が発生した。
以下簡単に図10から図12を説明する。
図10は、従来技術(電極が金属又は金属の焼結膜)を示す。
図10において、セラミック板21は、耐熱絶縁性の板であって、高周波電圧(例えば7.5KV,30KHz)を印加する金属板22を保持するものである。
金属板22は、コロナ放電させる金属板であって、ステンレス、Wなどの細長い板である。
外部配線24は、金属板22に外部から高周波電圧を印加するための配線(リード線)である。
半田25は、金属板22に外部配線24を半田付けする半田である。
以上の構成のもとで、高周波電源(例えば7.5KV,30KHz)を、ここでは、対向する金属板22の間に印加し、両金属板22の間に大気中でコロナ放電を発生させる。そして、コロナ放電中を例えば上述した高分子樹脂シートを一定速度で通過させ、該高分子樹脂シートの表面にコロナ放電により微小凹凸を形成する。
図11は、従来技術(電極が電子導電性ガラス焼結膜)を示す。ここで、セラミック基板21、外部配線24、半田25は、図10の同一番号のものと同一であるので説明を省略する。
図11において、電子導電ガラス焼結膜22ー1は、コロナ放電させる電子導電ガラス焼結膜22ー1であって、電子導電ガラスを焼結した膜である。
以上の構成のもとで、高周波電源(例えば6.5KV,30KHz)を、ここでは、対向する電子導電ガラス焼結膜22ー1の間に印加し、両電子導電ガラス焼結膜22ー1の間に大気中でコロナ放電を発生させる。そして、コロナ放電中を例えば上述した高分子樹脂シートを一定速度で通過させ、該高分子樹脂シートの表面にコロナ放電により微小凹凸を形成する。
図12は、従来の電子導電ガラス焼結膜の電極の放電状態例を示す。
図12において、上側電極25は図11の電子導電ガラス焼結膜22ー1の上側のもの示し、下側電極26は図11の電子導電ガラス焼結膜22ー1の下側の電極を示す。
以上の構成のもとで、高周波電源(例えば6.5KV,30KHz)を、ここでは、対向する電子導電ガラス焼結膜22ー1である上側電極25と、下側電極26との間に印加し、上側電極5と下側電極6との間に大気中でコロナ放電を発生させると、図示のように、外部配線24の取出部(電源供給部)に近いところでは放電(コロナ放電)は安定、中央部では不安定となってしまった。このため、長期間(例えば1月程度)使用すると、コロナ放電が発生しなってしまった。
そこで、大気中で図12のコロナ放電が端部で安定、中央部で不安定になる問題を解決すること、更に、放電電極(電子導電性ガラス焼結膜)の長寿命化が望まれていた。
本発明者らは、放電電極材料として導電性ガラス焼結膜をコロナ放電させても電子の供給を円滑に長期間に渡って行えることに加え、下地に導電性金属焼結膜を配置して電気導電性を改善してコロナ放電を均一化し、電極の長寿命化できることを実験で発見した。
そして、特に、大気中でもコロナ放電を均一化し、電極の長寿命化を図ることを実験で確認した。
そのために、本願発明は、 コロナ放電させる細長い放電電極を形成する放電電極板に
おいて、耐熱性材料で作成した耐熱性板と、耐熱性板の上に細長く形成した導電性金属焼結膜と、導電性金属焼結膜の上に細長く形成した導電性ガラス焼結膜との2層からなる放電電極を備え、放電電極を構成する導電性ガラス焼結膜を電子導電性の導電性ガラスで形成してコロナ放電による劣化を低減して長寿命化すると共に、導電性金属焼結膜を形成して導電性ガラス焼結膜の端から中央に流れる電流あるいは電子流による電圧降下を低減して均一なコロナ放電を生成するようにしている。
この際、放電電極を大気中に配置してコロナ放電させるようにしている。
また、導電性ガラスは、バナジウム、バリウム、鉄から構成されるバナジン酸塩ガラスとするようにしている。
また、耐熱性板は、耐熱ガラスあるいはセラミックとするようにしている。
また、導電性金属焼結膜の上に形成する導電性ガラス焼結膜のサイズは、導電性金属焼結膜よりも小さくしてはみださないようにしている。
また、放電電極を対向して配置した場合には、対向する放電電極の端に半田付けした外部配線の部分を長さ方向にずらしてコロナ放電の領域に入らないようにし、半田付け部分の損傷を低減するようにしている。
また、放電電極を構成する導電性金属焼結膜および導電性ガラス焼結膜の両者に半田付けして外部配線を接続するようにしている。
また、放電電極に外部配線の半田付けは、超音波半田付けするようにしている。
また、導電性ガラスを塗布、焼成して放電電極の形成は、導電性ガラスの粉末を含むペーストを生成し、この生成したペーストを塗布、焼成して電子導電性の放電電極を形成するようにしている。
また、導電性ガラス焼結膜は、導電性金属焼結膜を焼結した後、その上に塗布・乾燥・焼結し、金属粒子と導電性ガラス粒子とが熱拡散しないようにしている。
また、放電電極と対面した他の電極、あるいは放電電極と背面した他の電極との間に10KHzから5MHzの範囲内の高周波電圧を印加し、放電電極の周りにコロナ放電させるようにしている。
また、導電性ガラス焼結膜を電子導電性の導電性ガラスで形成した場合には、導電性ガラスは、粉砕した導電性ガラスの粉末を所定の焼結温度に加熱して焼結して常温に戻す第1の焼結熱処理した後、焼結温度より低い所定のアニーリング温度に加熱して昇温した後、加熱を停止して自然冷却する第2のアニーリング熱処理を行うようにしている。
また、第1の焼結熱処理、および前記第2のアニーリング熱処理を行った後の導電性ガラス焼結膜は、粉砕する前の導電性ガラスに比し、抵抗値を10の2乗ないし3乗以上小さく低減させるようにしている。
本発明は、上述したように、放電電極材料として導電性ガラス焼結膜をコロナ放電させても電子の供給を円滑に長期間に渡って行えることに加え、下地に導電性金属焼結膜を配置して電気導電性を改善してコロナ放電を均一化し、電極の長寿命化できた。
また、電気導電ガラス焼結膜を放電電極に使用したことで、高周波電圧の低減化を図り、より長期間の使用を可能にして長寿命化を図ることができた。
また、大気中でもコロナ放電を均一化し、電極の長寿命化を図ることができた。
図1は、本発明の1実施例構造図(電子導電ガラスと金属焼結膜の2層)を示す。尚、実施例では、2枚のセラミック基板1を対向させ、上側のセラミック基板1の下面と、下側のセラミック基板1の上面にアルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜3との2層の放電電極をそれぞれ形成したが、これに限らず、1枚のセラミック基板1の上面と下面とに2層の放電電極をそれぞれ形成し、両者の間で大気中コロナ放電させてもよい。以下実施例では2枚のセラミック基板1を対向させた例を用いて説明する。
図1において、セラミック基板1は、アルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜3とらなる放電電極を絶縁した状態で保持するものであって、コロナ放電により高温になるのでそれに耐えることができる耐熱性かつ高周波電圧絶縁性の板である。セラミック基板1は、セラミック板の他に、耐熱性ガラスの板でもよく、耐熱性かつ高周波電圧絶縁性があればよい。
アルミ焼結膜2は、セラミック基板1の上に形成した導電性金属焼結膜の例である。アルミ焼結膜の他に、銅、銀などの金属の焼結膜でもよい。実験では幅1mmないし30mm程度、長さは10cm、更に実現できれば長くてもよい。
電子導電ガラス焼結膜3は、電子導電ガラスの焼結膜であって、バナジウム、バリウム、鉄かなる半導体ガラスの焼結膜である(後述する)。
外部配線4は、アルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜3とに半田5で超音波半田付けし、外部から高周波電圧をそれぞれに印加するためのものである。
半田5は、アルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜3とに、外部配線4を超音波半田付けする半田である。
以上の構成のもとで、高周波電源(例えば6.5KV、30KHz)の高周波電圧を外部配線4を介してアルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜3とに印加すると、大気中で、図示の電子導電ガラス焼結膜3の上側と、下側との間にコロナ放電が発生する。このコロナ放電中に樹脂シートを通過させると、該樹脂シートの表面に微小の凹凸が形成される。
尚、高周波電源は、実験では30KHzの電源を用いたが、これに限られず、大気中のコロナ放電には、10KHから5MHz程度まで使用できる。周波数が高いほど、大気圧中におけるコロナ放電が発生しやすくなるが、電源が高価になる。
この際、外部配線4の端(1端あるいは両端)から、アルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜(例えば抵抗率が200から400Ωcm程度)3との2層からなる放電電極中に電流が流れるが、金属導電性焼結膜であるアルミ焼結膜2が下層にあるため当該電流による電子導電ガラス焼結膜2中の電圧降下が低減され、ほぼ均一の高周波電圧が電子導電ガラス焼結膜3の全面に渡って印加され、当該電子導電ガラス焼結膜3の間にほぼ均一なコロナ放電が大気中で発生し、長期間継続して放電電極を使用でき、該放電電極の長寿命化ができた(図4参照)。
図2は、本発明の1実施例構造図(その2)(電子導電ガラスと金属焼結膜の2層の外部配線結合)を示す。
図2の(a)は側面図を示し、図2の(b)は要部を示す。セラミック基板1、アルミ焼結膜2、電子導電ガラス焼結膜3、外部配線4は図1の同一番号のものと同一であるので説明を省略する。
図2において、半田5は、図2の(b)要部に示すように、両面(層)に付ける。図示ではセラミック基板1の上に焼結したアルミ焼結膜2と、このアルミ焼結膜2の上に焼結した電子導電ガラス焼結膜3との両者(両層)と、外部配線4を半田5により半田付けするものである。これにより、高圧高周波電圧を外部配線4を介してアルミ焼結膜2と電子導電ガラス焼結膜3との両者に印加し、上側と下側の電子導電ガラス焼結膜3との間に大気圧中で均一なコロナ放電を発生させ、かつ該アルミ焼結膜2および電子導電ガス焼結膜3からなる放電電極の長寿命化(1月以上の長寿命化)を図ることができた。
詳述すれば、外部配線4からアルミ焼結膜2および電子導電ガラス焼結膜3の1端(あるいは両端)から高周波電圧を印加すると、電子導電ガラス焼結膜3のみの従来ではコロナ放電に伴う電流あるいは電子流により電圧降下が発生して端で高く、中央で電圧降下分だけ低い高周波電圧となり、対向する電子導電ガラス焼結膜3の開いたでの電圧が低くなりコロナ放電が不安定であった。これを解決するために、本発明では下地にアルミ焼結膜2が形成してありこれは金属焼結膜であって抵抗値が小さく、端から中央に流れる電流あるいは電子流の電圧降下を非常に小さく低減して電子導電ガラス焼結膜3に高周波電圧を供給するので、結果として該電子導電ガラス焼結膜3の上側と下側との間に印加される高周波電圧が端と中央とでほぼ均一となり、長期間に渡った均一なコロナ放電を発生させることができ、放電電極の長寿命化(例えば1月以上)が実験で確認できた。
図3は、本発明の電子導電ガラス焼結膜の形成例を示す。
図3の(a)は上面の放電面を示し、図3の(b)は下面の放電面を示す。ここで、図示の電子導電ガラス焼結膜3の下のセラミック基板1との間に図1、図2で既述したアルミ焼結膜2が形成されているが、図では省略する。
図3において、下側に記載したように、該図3の上面と下面の外部配線4の位置は1cm程度、図示のようにずらし、放電領域から外し、配線保護する様子を模式的に示す。
これは、外部配線4が上面と下面とが同一の位置であると、対向する上面と下面との電子導電ガラス焼結膜3の間でコロナ放電が発生し、外部配線4を該電子導電ガラス焼結膜3に超音波半田付けした部分にも及び、イオン照射されて少しずつなくなって、長期間の間に導電不良が発生したので、半田付け部分にコロナ放電が発生しないように、図示のように、例えば上面の電子導電ガラス焼結膜3を左側にずらし、下面の電子導電ガラス焼結膜3を右側にずらし、両者の半田付け部分にコロナ放電によるイオン照射が発生しないようにし、半田付け部分の損傷(イオン照射による損傷)を回避する。
図4は、本発明の電子導電ガラスと金属焼結膜の2層電極の放電状態例を示す。図4は、既述した図1の電子導電ガラス焼結膜3の上面と下面とに高周波電圧(例えば6.8KV,30KHz)を印加したときに、大気中におけるコロナ放電の状態を横方向から撮影した写真の例である。
ここでは、大気中で、上面と下面との間にコロナ放電がほぼ全域に渡り均一に放電している様子が見える。
図5は、本発明の電子導電ガラス焼結膜の形成例(その2)を示す。
図5の(a)は上側(アース)の下面図/上面図を示し、図5の(b)は下側(放電電極)の上面図を示す。ここで、図5の(a)の上側(アース)は、セラミック基板1の上面あるいは下面のいずれに形成してもよいから、該図5の(a)を下面図あるいは上面図としたものである。また、図5の(b)の電子導電ガラス焼結膜3の下のセラミック基板1との間に図1、図2で既述したアルミ焼結膜2が形成されているが、図では省略する。
図5の(a)において、アルミニウム電極(アース)7は、コロナ放電するときにアース電極であって、図5の(b)の電子導電性ガラス焼結膜3との間でコロナ放電させるためのものである。
アース側配線6は、アルミニウム電極7にアース電位を与えるための外部配線(外部端子)である。
図5の(b)において、電子導電性ガラス焼結膜3は、セラミック基板1の上にアルミ焼結膜2を形成し、更にその上に形成した電子導電性ガラス焼結膜であって、図5の(a)のアルミニウム電極(アース)との間でコロナ放電させるための電極である。
外部配線4は、電子導電性ガラス焼結膜3とその下地のアルミ焼結膜2とに半田付けする外部配線4であって、高周波電圧を印加するための配線(外部端子)である。外部配線4は、コロナ放電する放電部分から外れた領域であって、かつ、ここでは、表面改質材(ワイヤー)8に接触しなくて邪魔にならない外側に配置したものである。
以上の構成のもとで、電子導電性ガラス焼結膜3とアルミニウム電極7との間に高周波電圧を大気中で印加し、電子導電性ガラス焼結膜3の上にコロナ放電を発生させ、このコロナ放電中を表面改質材(ワイヤー)8を通過させ、表面の改質(例えば微小の凹凸を形成)するようにしている。
次に、図6のフローチャートの順番に従い、電子導電ガラスの2層の放電電極の製造方法を詳細に説明する。
図6は、本発明の金属と電子導電ガラスの2層の放電電極の製造フローチャートを示す。
図6において、S1は、アルミナ基板・アルミペースト・電子導電ガラスペーストを用意する。これは、
・図1のセラミック基板1としてここでは、アルミナ基板1を用意する。
・図1のアルミ焼結膜2を形成するためのアルミペーストを用意する。
・図2の電子導電ガラス焼結膜3を形成するための電子導電ガラスペーストを用意する。
S2は、アルミペーストでアルミ層のパターンをアルミナ基板に印刷する。これは、S1で用意したアルミペーストで、図1のアルミ焼結膜2のパターンを、S1で用意したアルミナ基板1の上にスクリーン印刷する。
S3は、アルミパターン膜を乾燥・焼結(800℃×10分)する。これは、S2でアルミナ基板1の上に印刷したアルミパターン膜を熱風乾燥した後、焼結(800℃×10分)を行う。
S4は、アルミパターンより一回り(2mm以上)小さい電子導電性ガラスペーストを印刷・乾燥・焼成(550℃×15分)する。これは、S3で焼結したアルミ焼結膜2の上に、更に、当該アルミ焼結膜2のパターンよりも2mm以上小さい電子導電性ガラスペーストを印刷、熱風乾燥、更に、焼成(550℃×15分)を行う。
S5は、焼成(500℃×1H)(ガラス再加熱処理」を行う。これは、S4で焼成した電子導電性ガラス焼結膜について、再焼成(例えば500℃×1H)、即ちアニーリングを行い、電子導電性ガラスの抵抗値を非常に小さくする(例えば10のマイナス4乗Ωcm程度に小さくする)。
S6は、半田付け(超音波等・アルミ膜・電子導電ガラス膜)する。これは、既述した図2に示すように、外部配線4と、アルミ焼結膜2、電子導電ガラス焼結膜3との3者を超音波半田付けする。
以上のようにして、図1、図2に示すように、セラミック基板1の上にアルミ焼結膜2を形成、更にその上に電子導電ガラス焼結膜3を形成し、これらアルミ焼結膜2および電子導電ガラス焼結膜3に外部配線4を超音波半田付けし、図1、図2の構造を製造する。
ここで、導電性ガラス焼結膜は導電性金属焼結膜を焼結した後、その上に塗布・乾燥・焼結し、金属粒子と導電性ガラス粒子とが熱拡散しないようにしている。これにより、熱拡散がなくなり、2層(アルミ焼結膜2、電子導電性ガラス焼結膜3の2層)がうまく製造できた。同時焼成を行うと、金属粒子と導電ガラス粒子とが熱拡散してしまい、2層がうまくできなかった。
図7は、本発明の電子導電ガラスペーストの製造フローチャートを示す。
図7において、S11は、ガラス原料を調合して溶融(900~1200℃)する(電気炉温度が上がったところに入れて1時間、保持する)。これは、ガラス原料を調合(後述する図8参照)し、電気炉温度が上がって溶解する温度(例えば900~1200℃の実験で求めた最適温度)になったときに、該調合したガラス原料を白金ルツボを入れて投入し、例えば1時間、良く攪拌して保持する。
S12は、ガラス破片3ー5mmを作成する(溶融ガラスを冷やしたローラーに流しながら粉砕する)。これは、S11で作成した溶融ガラスを、水冷したローラーの間に流しこみながら粉砕し、3ー5mm程度のガラス破片を作成する。
S13は、ガラス粗粉砕・粉末2ー3mm・粉末~50μmする。これは、S12で作成したガラス破片3ー5mmを、更に、粉末2ー3mm、更に、粉末~50μmに粉砕する。
S14は、微粉砕(2―3μm・ジェットミル装置)する。これは、S13で作成した粉末~50μmを、ジェットミル装置で更に2―3μm程度に微粉砕する。
S15は、有機材・有機溶剤・樹脂を上記ガラス微粉砕と共に攪拌する。
S16は、電子導電ガラスペーストを完成する。
以上の手順により、原材料(バナジウム、バリウム、鉄、図8参照)を溶融・攪拌して急速冷却して粉砕し、粉砕した微粉末と、有機材、有機溶剤、樹脂とを良く攪拌して電子導電ガラスペーストを製造することが可能となる。
図8は、本発明の電子導電ガラス例を示す。図7の電子導電ガラス原料は、図示の下記の材料から構成されるものである。
・V2O5 ;50-75wt%
・Bao ;10-25wt%
・Fe2O3;8.0-15wt%
以上の各材料のうちの範囲は、実験により、図1、図2の電子導電ガラス焼結膜3を作成し、コロナ放電が良好かつ長寿命に適した最適な値を選択する必要がある。更に、図6で説明した、焼成、ガラス再加熱処理(アニーリング)の温度、時間についても実験で最適な値を決める必要がある。
図9は、本発明のアルミペーストの製造フローチャートを示す。
図9において、S21は、アルミ破片3ー5mmを用意する。これは、アルミ材料として、アルミ破片3ー5mmを用意する。
S22は、アルミ微粉砕(2―3μm・ジェットミル装置)する。これは、S21で用意したアルミ破片3ー5mmを、ジェットミル装置で2―3μm程度に粉砕する。
S23は、有機材・有機溶剤・樹脂を上記アルミ微粉砕と共に攪拌する。
S24は、アルミペーストを完成する。
以上の手順により、原材料(アルミ破片)を粉砕した微粉末と、有機材、有機溶剤、樹脂とを良く攪拌してアルミペーストを製造することが可能となる。
図13は、本発明の他の電極および絶縁層とそのコロナ放電の説明図を示す。この図13は、コロナ放電させる電極の間に、薄い絶縁層(30~300μm、好ましくは70~100μm)を形成し、低電圧(80~150Vの商用交流電圧(50/60Hz))のコロナ放電を実現した実験例を示す。以下図13から図17を用いて順次詳細に説明する。
図13の(a)はコロナ放電(要部の上面図)を示し、図13の(a-1)は模式図の上面図を示し、図13の(a-2)は模式図の側面図を示す。
まず、実験に用いた導電層12、絶縁層13、導電層11の3層構造について説明し、次に、低電圧のコロナ放電の現象を説明する。
(1)図13の(a-1)と(a-2)に示すように、円板状の導電層12を図示外の基板の上に塗布・乾燥・焼結して形成し、次に、上に円板状の絶縁層13を塗布・乾燥・焼結して形成し、更に上にリング状の導電層11を塗布・乾燥・焼結して形成する。
(2)(1)で形成した導電層11と、導電層12との間に低電圧を印加すると、図13の(a)のように、導電層11と導電層12との間にコロナ放電が安定的に発生した。
(3)低電圧で安定したコロナ放電が発生した理由は下記と思われる。
(4)図13の(a)のリング状のコロナ放電は、リング状の導電層11と導電層12との間に薄い絶縁層13を形成し、導電層11と導電層12との間に低電圧(30~300VAC)を印加したときに発生したコロナ放電の様子を示す。導電層11と導電層12との間に低電圧を印加すると、これら導電層11、12を形成した実験に用いた導電ガラスペースト焼結膜の表面は最大30~50μm程度の凹凸となっており、この部分に電界が集中して放電が始まって過剰の電流(電子)が流れると当該導電ガラスペースト焼結膜が熱くなり、低抵抗化し、更にその部分への電流が増えて熱くなり、当該導電ガラスペースト焼結膜が部分的に溶け、雷のようなアーク放電が途絶え、図13の(a)に図示のように安定したコロナ放電が発生して継続すると予想されます。また、導電性ガラスぺースト焼結膜(導電層11、12)が導電性を有しかつ半導体(電子伝導性)であることにより、コロナ放電を低電圧で発生しやすいことにも起因すると思われます。
図13の(b)は、コロナ放電の全体の上面図を示す。これは、図13の(a)の要部を含む実験装置の全体を示す。
図13の(c)は、実験条件を示す。ここでは、図示の下記のようにした。
・印加電圧:80~150V(AC)
・電流 :0.9mA(AC)
・電極間隔:30~300μm(好ましくは70~100μm)
ここで、印加電圧は、図13の(a-1)、(a-2)の導電層11と導電層12との間に印加した電圧であって、商用周波数の80~150Vである。電流はそのときに流した電流である。電極間隔は、図13の(a-1)、(a-2)の絶縁層13の厚さであって、導電層11と導電層12との間の間隔である。この絶縁層13の厚さは、大気中(空気中)で80~150V印加したときにコロナ放電する間隔であって、これよりも小さくするとアーク放電し、また、最大間隔以上であると本発明のコロナ放電が開始しない間隔である。尚、電源(AC)は商用周波数(50/60Hz)を用いて実験したが、高周波電源でもよい。
図14は、本発明の他の電極および絶縁層の説明図を示す。
図14の(a)は本発明の構造例を示し、図14の(a-1)は実験条件例を示す。
図14の(a)において、本発明の構造例の特徴は、コロナ放電させる導電層15の間に薄い絶縁ペースト焼結体16を形成し、低電圧の印加で安定したコロナ放電を実現した点にあります。本発明の実験条件は図示の下記の通りである
・印加電圧:80~150V(AC)
・電流 :0.6~0.09mA(AC)
・電極間隔:30~300μm(好ましくは70~100μm)
図14の(b)は従来の構造例を示し、図14の(b-1)は実験条件例を示す。
図14の(b)において、従来の構造例の特徴は、コロナ放電させる導電層15の間に厚いセラミック板18を挿入し、大電圧の印加で安定したコロナ放電を実現した点にあります。従来の実験条件は図示の下記の通りである。
・印加電圧:1、8KV(AC)
・電流 :0.9mA(AC)
・電極間隔:1mm
以上説明したように、図14の(b)の従来の構造例では導電層15の間に1mm厚のセラミック板18を挿入して大電圧(1.8KVAC)を印加してコロナ放電を発生させており、これに対して図14の(a)の本発明の構造例では導電層15の間に30~300μm厚の薄い絶縁ペースト焼結体16を形成して低電圧(80~150VAC)を印加して安定にコロナ放電を発生させている点において異なります。つまり、本発明は、電極間間隔が狭く、かつ低電圧で安定したコロナ放電を発生させている点に特徴があります。
図15は、本発明の他の電極および絶縁層の説明図(その2)を示す。
図15の(a)は特徴例を示し、図15の(b)は本発明の構造例(その2)を示す。
図15の(a)において、本発明の構造は、既述した図14の(a)の構造である。
従来の構造は、既述した図14の(b)の構造である。
本発明の構造と、従来の構造とを比較すると図示の下記の特徴がある。
絶縁体薄膜化 加工 絶縁層の3D形状化 特徴
本発明の構造 30μm~300μm 易 易 低電圧対応
従来の構造 300μm以上 難 難 低電圧対応不可
ここで、絶体体薄膜化は本発明では後述する絶縁ガラスを用いることにより薄い30~300μmを容易かつ安価に製造できる。しかし従来構造のセラミック板は加工が難であ
り、高価である。絶縁層の3D形状かも同様である。また、本発明は低電圧対応が可能であって、80~150VACで安定したコロナ放電を発生させている。従来技術の構造では1.6KVと高圧であり低電圧化は不可である。
図15の(b)は、本発明の構造例(その2)を示す。
図15の(b)において、図示の構造は下記により形成する。
(1)基板14の上に導電層15を例えば導電ガラスペーストを塗布・乾燥・焼結して形成する。
(2)その上に絶縁ペースト焼結体16(図14の(a)参照)として絶縁ガラスペーストを塗布・乾燥・焼結して形成する。この形成した絶縁ペースト焼結体16は、端から見ると図示のように、下側の導電層15の全体を覆っているがこれは両端の部分のみで、中央のコロナ放電を発生させる部分は、下の導電層15が露出し、上の導電層15との間にコロナ放電するように形成してある。
(3)更にその上に導電層15として導電ガラスペーストを塗布・乾燥・焼結して形成し、図示のような3層構造(下の導電層15、絶縁ペースト焼結体16、上の導電層15の3層構造)を形成する。
以上のように形成した本発明の構造例(その2)の導電層15の間に低電圧を印加し、導電層15の間にコロナ放電を安定的に発生させる。
次に、図16、図17を用いて絶縁ペースト焼結体16の形成方法について詳細に説明する。
図16は、本発明の他の絶縁ガラス適用フローチャートを示す。
図16において、S31は、絶縁ガラスペーストをスクリーン印刷する。これは、例えば既述した図14の(a)の絶縁ペースト焼結体16を形成する部分に、絶縁ガラスペーストを用いてパターンをスクリーン印刷する。この際、焼結後の厚さが所定厚さ(30~300μm)になるようにペーストの濃度調整を行う。
S32は、乾燥する。これは、S31でスクリーン印刷した後の焼結ガラスペーストの乾燥として、大気中に放置(省略する場合もある)、例えば1時間放置して乾燥する。
S33は、乾燥する。これは、溶剤飛ばしを行うために、電気炉で40~100℃、15分~100分の熱風乾燥を行う。
S34は、冷却する。これは、大気放置として、例えば2~24時間(省略する場合もある)の間、放置して冷却する。
S35は、焼成する。これは、電気炉で340~900℃で、10分から100分の焼成を行い、絶縁ペースト焼結体16を形成する。
以上によって、既述した図14の(a)の絶縁ペースト焼結体16として、30~300μm厚の均一な絶縁層を安価かつ高精度かつ任意形状に製造することが可能となる。
図17は、本発明の絶縁ガラスペースト組成例を示す。これは、既述した図16のS31で使用する絶縁ガラスペーストの組成例を示す。ここで、図17に示す下記のような成分、適用範囲、備考を有するものである。
成分 濃度適用 備考
ソーダガラス(窓ガラス) 75-80% 主材
(粉末2~3μm最大30μm)
ジエチレングリコール 10-15% 主材粒子の結合
モノブチルアセテート
タビネオール 5-10% 濃度調整
セルロース系樹脂 1-5% 調整剤
ここでは、絶縁ガラスペーストとして、一般的な窓ガラスに多用されているソーダガラスの粒系、結合剤、濃度調整剤等について上記のような範囲で使用した。その他のガラスでも同様に使用可能である。
図18は、本発明のABLガラス焼結膜の抵抗率のテスト例を示す。
図18の(a)は、ABLガラス焼結膜サンプル例を示す。抵抗率の測定は、図示のように、a-b間の抵抗値を測定して行った。
図18の(a)において、基板21は、アルミナ基板であって、厚さ1mmの図示の形状を持つものである。
ABLガラス焼結膜22は、幅5mm、長さ40mmのパターンを導電性ガラスペーストでスクリーン印刷して乾燥、焼結、アニーリングして形成したものである(図19を用いて後述する)。
抵抗値の測定は、図18の(a)のa-b間の抵抗値を測定することによって行う(図20を用いて後述する)。
図19は、本発明のABLガラス焼結プロセスのフローチャートを示す。これは、既述した図18のABLガラス焼結膜22を形成するフローチャートである。
図19において、S41は、ABLガラスペーストを基板に印刷する。これは、既述した図18の基板21の上に、ABLガラスペーストを用い、図示のパターン(5mm×40mm)をスクリーン印刷する。
S42は、100℃にした電気炉に10分間乾燥する。
S43は、常温に取り出す。常温で約20分間放置する。これらS42,S43は、S41で基板21の上にスクリーン印刷した当該基板21を、100℃に加熱した電気炉に入れて10分間放置して印刷したABLガラスペーストを乾燥する。乾燥は、これに限られず、100℃前後の熱風を10分間程度吹き付けて乾燥などしてもよい。
S44は、550℃にした電気炉に5分間焼結処理する。
S45は、常温に取り出す。常温で5分間放置する。これらS44,S45は、乾燥したABLガラスペーストのパターンを形成した基板21を、550℃の電気炉に5分間いれて焼結した後、常温に取り出し、冷却する。この焼結により、既述した図18に示す矩形パターンのガラス焼結膜22が形成されると共に、基板21に強く固着する。
S46は、500℃の電気炉に60分間入れてアニーリングする。
S47は、電気炉を切り、そのまま常温になるまで自然冷却する。これらS46,S47のアニーリング処理、即ちS44,S45の焼結処理よりも低い温度(ここでは、500℃で、実験により最適値を求める)に60分間放置(実験により最適放置時間を求める)した後、電離炉の電源をOFFにし、そのまま自然冷却(ゆっくり冷却)させるという、アニーリング熱処理を施すことにより、低抵抗値のABLガラス焼結膜を得ることができた。
低抵抗値のABLガラス焼結膜の上記フローチャートの手順による生成は、下記のようにして形成されたと思われる。
(1) 焼結に用いたABLガラス自体(電子導電性半導体)は、粒子同士が蜜に繋がっており、電子を運ぶ手が限られてしまうことにより、通常10Ωcmから150Ωcm程度の抵抗値を有するものである。
(2) 一方、(1)を粉砕して細かくしたABLガラスペースト(電子導電性半導体)を印刷して上記第1の焼結熱処理(S44,S45)、第2のアニーリング熱処理(S46,S47)を施した後のABLガラス燒結膜は、微粉末(微粒子)の焼結された粒子同士の繋がりの間に電子を運ぶ手が多くなり、かつ粒子の表面積が増大し、結果として、通常10の2乗ないし3乗以上の小さい抵抗値となることが実験で確認された(後述する図20を参照)。
ここで、燒結温度について:この燒結温度ではABLガラス粉末粒子の一部が溶けて粒子が互いに結合し始める。550℃±70℃の範囲で機能する。下限を過ぎると、ガラス粒子は溶けず、粒子同士が十分に結合しない。上限を過ぎると、粒子同士の結合が大きな領域に渡り、ガラス板状のものが内部に形成される。これが沢山になると抵抗率(抵抗値)が高くなる。
また、アニーリングについて:燒結温度550℃に対して、50~70℃前後低い温度でアニーリング熱処理を行い、かつ、その後は自然冷却する(外部に取り出して急速冷却しない)。これにより、ガラスの内部の成分が整合して抵抗率(抵抗値)が下がる。
また、燒結膜の抵抗値は、ガラス内部を流れる電流と、ガラスの粒子表面を流れる電流との総和で決まる。適切な燒結温度(例えば550℃)では、ガラス粒子の結合が適切になりガラス表面を流れる電流が主役となり、抵抗率(抵抗値)を小さくできると考えられる。燒結前の導電性ガラス(電子導電性ガラス(半導体))のガラス固体の抵抗値は、ガラス内部を流れる電流が主役である。
図20は、本発明のABLガラス焼結膜の抵抗率測定値例を示す。
図20において、焼結温度520℃、550℃、580℃について上述した第1の焼結熱処理、第2のアニーリング熱処理を施した結果、図示の下記の測定値が得られた。ここで用いた固体ABLガラス(焼結前のABLガラス)の抵抗率(抵抗値)は、140Ωcmである。
・焼結温度520℃では下記の測定値が得られた。、
・520-1:膜厚15μm、抵抗値5.7KΩ、抵抗率1.068Ωcm、
・520-2:膜厚16μm、抵抗値6.1KΩ、抵抗率1.143Ωcm、
・520-3:膜厚20μm、抵抗値7.0KΩ、抵抗率1.75Ωcm、
・焼結温度550℃では下記の測定値が得られた。、
・550-1:膜厚14μm、抵抗値3.5KΩ、抵抗率0.612Ωcm、
・550-2:膜厚17μm、抵抗値2.4KΩ、抵抗率0.510Ωcm、
・550-3:膜厚20μm、抵抗値5.7KΩ、抵抗率0.51Ωcm、
・焼結温度580℃では下記の測定値が得られた。
・580-1:膜厚11μm、抵抗値4.5KΩ、抵抗率0.618Ωcm、
・580-2:膜厚17μm、抵抗値7.4KΩ、抵抗率1.573Ωcm、
・580-3:膜厚23μm、抵抗値5.7KΩ、抵抗率1.638Ωcm、
以上の測定結果から、第1の焼結熱処理、第2のアニーリング熱処理を施した結果、抵抗値(抵抗率)が約10の2乗ないし3乗以上だけ小さい図示の測定値が得られた。ここで、膜厚、焼結温度に依存して抵抗率(抵抗値)が変動するので、実験により最適値を求めて、決める必要がある。図20の例では、焼結温度550℃、膜厚15から20μm程度(ここでは、スクリーン印刷による膜厚)が最も小さな抵抗値となり、焼結前のABLガラスの140Ωcmから、燒結、アニーリング熱処理により0.51Ωcmになった(約4×(10の3乗)Ωcmだけ小さくなった)。
本発明の1実施例構造図(電子導電ガラスと金属焼結膜の2層)である。 本発明の1実施例構造図(その2)(電子導電ガラスと金属焼結膜の2層の外部配線結合)である。 本発明の電子導電ガラス焼結膜の形成例である。 本発明の電子導電ガラスと金属焼結膜の2層電極の放電状態例である。 本発明の電子導電ガラス焼結膜の形成例(その2)である。 本発明の金属と電子導電ガラスの2層の放電電極の製造フローチャートである。 本発明の電子導電ガラスペーストの製造フローチャートである。 本発明の電子導電ガラス例である。 本発明のアルミペーストの製造フロチャートである。 従来技術例(電極が金属又は金属の焼結膜)である。 従来技術(電極が電子導電ガラス焼結膜)である。 従来の電子導電ガラス焼結膜の電極の放電状態例である。 本発明の他の電極および絶縁層とそのコロナ放電の説明図である。 本発明の他の電極および絶縁層の説明図である。 本発明の他の電極および絶縁層の説明図(その2)である。 本発明の他の絶縁ガラス適用フローチャートである。 本発明の絶縁ガラスペースト組成例である。 本発明のABLガラス焼結膜の抵抗率のテスト例である。 本発明のABLガラス焼結プロセスのフローチャートである。 本発明のABLガラス焼結膜の抵抗率測定値例である。
1:セラミック基板
2:アルミ焼結膜
3:電子導電ガラス焼結膜
4:外部配線
5:半田
6:アース側配線
7:アルミニウム電極
8:表面改質材
11、12、15:導電層
13:絶縁層
14:基板
16:絶縁ペースト焼結体
17:コロナ放電部
21;基板
22:ABLガラス燒結膜

Claims (5)

  1. コロナ放電させる放電電極を形成する放電電極板において、
    絶縁性かつ耐熱性材料で作成した、30から300μm厚の薄い絶縁体と、
    前記薄い絶縁体の表面と裏面とにそれぞれ形成した導電層とからなる放電電極を備え、
    前記放電電極を構成する前記導電層を導電性ガラスでそれぞれ形成して低電圧のコロナ放電を良好に開始・継続させると共に劣化を低減して長寿命化することを特徴とする放電電極板。
  2. 前記放電電極を大気中に配置してコロナ放電させることを特徴とする請求項1に記載の放電電極板。
  3. 前記導電性ガラスは、バナジウム、バリウム、鉄から構成されるバナジン酸塩ガラスとしたことを特徴とする請求項1から請求項のいずれかに記載の放電電極板。
  4. 前記絶縁体は、耐熱ガラスあるいはセラミックとしたことを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の放電電極板。
  5. 前記薄い絶縁体は、絶縁性のガラスペーストを焼結した絶縁ペースト焼結体としたことを特徴とする請求項から請求項のいずれかに記載の放電電極
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