JP2004175322A - インフレータブルカヌー - Google Patents

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JP2004175322A JP2002347383A JP2002347383A JP2004175322A JP 2004175322 A JP2004175322 A JP 2004175322A JP 2002347383 A JP2002347383 A JP 2002347383A JP 2002347383 A JP2002347383 A JP 2002347383A JP 2004175322 A JP2004175322 A JP 2004175322A
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Shiro Okawa
史郎 大川
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Abstract

【課題】左右2本の気胴間にスォートを架設してなるインフレータブルカヌーに関し、スォート構造の簡素化及び船体の強度と剛性を向上せしめる。
【解決手段】左右一対の気胴1を有し、これら両気胴1の両端部同士を船首及び船尾において接続し、この気胴1を底部材10,4により被覆して船体の底部を構成し、その船体の搭乗部の左右両気胴1間に気室からなるスォート7a,7bを架設して固定して成るインフレータブルカヌーであって、前記スォート7a,7bは、断面略楕円状に形成し、そのスォート7a,7bを長円方向を縦にして左右両気胴間に嵌め込み、その両側部を両気胴7a,7bに各々固定せしめて成るものであり、左右両気室間にスォート7a,7bを縦方向に保って装着し、その両側部を気胴側面に固定することにより船体の剛性と強度とを高める。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ゴム布等を用いて構成したインフレータブルカヌーに関し、特に船体内に背当てと兼用するスォートを設けて成るインフレータブルカヌーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のインフレータブルボート、即ち、ゴム布等を用いて構成するゴムボートは、川下り、遊戯用、釣り用、救助用等、多くのものが開発されている。
その中で、ゴムボートと同様に簡素な気室構造を持ちながら船足が良く、走行に伸びのあるインフレータブルカヌーが提案されている(意匠登録886695号)。
【0003】
図11にて示すように、上記インフレータブルカヌーは、船体100を構成する左右一対の気胴101を比較的狭い間隔をおいて平行状に配設してある。略円柱形に膨張する両気胴101の両端部には、先細状に成りつつ上方へ反り上がる船首気室102aと船尾気室102bとを設け、左右気室の気室先端部同士を接合してある。
船首、船尾両気室102a,102b間の底面はゴム布等のシート材からなる底部材(図示せず)により被覆してある。左右の気胴101間の底面側開口部には、全長方向に伸びる略エアーマット状の底気室103aを設けることにより、気胴101部位の船底103’を構成している。
また、左右両気胴101の中央と船尾には、略円柱状のスォート104a,104b(抗力材)を架設してある。尚、後述するように、このスォート104a,104bは左右両気胴101間を狭める方向に加わる荷重に抗する抗力材であると共に、搭乗者の背当てとして兼用される。
【0004】
上記したスォート104a,104bは、搭乗者の背当てとしても機能する。この実施例の場合、ゴム布を用いて略円柱形状に形成したスォート104a,104bを装着してある。両スォート104a,104bは、ゴム布を略円柱形状に形成するために、強度的に強く、左右両気胴101の間に挟み込み、端面を両気胴101の内側部に取り付け固定して、2本の気胴101の間を連結することにより、船体の強度と剛性を高めるように機能する。
尚、上記したスォート104a,104bの端面と左右両気胴101の内側部とを接続するには、気胴の内側部に直接に接着して固定するものの他に、紐と紐孔とを利用して着脱可能に接続する構造や、面ファスナーの係合を利用した構造、さらには,かんぬき構造等、様々な接続構造が考え出されている。
【0005】
【特許文献1】
特願2001ー24296号
【0006】
特許文献に記載したインフレータブルカヌーはスォートを具備したカヌーの気胴121とスォート122をかんぬき構造により着脱可能にした構造が記載されている(図10)。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように構成した従来のインフレータブルカヌーは、スォートを用いることにより、気胴フレームに十分な強度と剛性を持たせると共に、搭乗者の背当てとして機能するように構成してある。従来のインフレータブルカヌーにおいて、ゴム布を用いて円柱状に形成したスォートを装着せしめている。しかし、このスォートを製造するには大変な手間がかかり、製造コストを引き上げる一因となっていた。
【0008】
また、上記したような事情に鑑みて、図9にて示すようなスォート201を具備したインフレ−タブルカヌーも開発されている。このインフレータブルカヌーは、枕形に構成したスォート201を横に寝かせた状態にて気胴101間に架設し、両側部の接着代をゴム布等から成る接着シート202を介して接着固定したものが開発されている。上記したスォート201は、筒状に形成したゴム布の両開口縁に設けた接着代を平面的に接着して気密を保持したものであり、枕のような形状で容易に製造することができる。しかし、上記したようにスォート201を装着したインフレータブルカヌーは、スォート201の下に空間が形成された状態となり、スォートとして十分に機能する。しかし、強度と剛性を高める機能においては前記した円柱状のスォートには及ばなかった。
【0009】
本発明の課題は、上記したように左右2本の気胴間にスォートを架設してなるインフレータブルカヌーに関し、スォート構造の簡素化及び船体の強度と剛性とを合理的に向上せしめることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のインフレータブルカヌーは、左右一対の気胴を全幅方向に適宜な間隔を置いて配置してある。この左右両気胴の両端部には、例えばテーパーする船首気室及び船尾気室等を用いて接続してあり、その先端部同士を接合して船体を構成している。上記した左右両気胴、及び船首気室、船尾気室の底面開口にはシートやマット等から成る底部材を被装して船底を構成する。また、上記した左右両気胴の間には、搭乗者の背もたれとしても機能するスォートを架設してある。
スォートは、気密防水シート、例えばゴム布やターポリン等を用いて気室となる中空部を構成する。気密防水シートにより構成したスォートの左右両側部には接着代を形成する。この接着代は適宜な幅を有し、且つ平面的に接着形成して成る。
上記したスォートは、左右両接着代を略縦にした状態にて左右両気胴間に立設し、そして左右両側部の接着代を左右両気胴の内側部に各々取り付け固定してある。これにより、スォートの両端部を両気胴の内側部に嵌合した状態で取り付け固定する。また、上記スォートは両側部に平面的な接着代を設けているので、膨張した際にはその断面は略楕円形となる。
【0011】
上記したように、スォートの左右両側部に設けた接着代を縦にした状態にて、左右両気胴間に嵌め込み、且つ同スォート両側部の接着代を左右両気胴の内側部に各々固定することにより、船内に立てた状態で装着したスォートにより左右両気胴を連結せしめた状態となる。また、上記したスォートは両側部の接着代を縦に設けてあるので、船内の底面から上を仕切るように装着されることになる。これにより、左右両気胴の間は、圧縮材や張力材として機能するスォートにより連結され、同スォートは両気胴と共にメインフレームとして機能し、船体の強度と剛性を高める。また、このように装着されたスォートは搭乗者の背当てとしても機能し、同搭乗者の背中等をサポートする。
【0012】
請求項2記載のインフレータブルカヌーは、請求項1にて記載したスォートに関する。このスォートは、気密防水シートの左右両側部に適宜な幅で且つ平面的に形成した接着代を各々設けてある。上記接着代の一面には保持シートを貼着し、接着代と共に一方に折り曲げて各々気胴内側部に対して密着した状態で接着してある。
一方、上記接着代の折曲部の他方側、すなわち接着代の折曲方向とは反対側には、接着代と気胴内側部との接着部端の分かれ目により形成される窪みが露呈する。この窪み部分には、例えば断面を略V形に折り曲げた被着シートを挿入し、これをスォート側部と気胴内側部とに分けて貼着してあり、両面及び分かれ目に隙間なく密着する。
上記したように、スォート両側部の接着代の一面は保持シートと共に気胴外周面に接着してあるので、接着代の遊びによる振れが殆どなくなり、また、上記接着端の分かれ目から徐々に接着が剥がれ始めて拡がることも被着シートにより抑止される。気密防水シートにより構成したスォートの左右両側部には気密防水シートに形成される開口部を閉塞するための接着代を形成する。この接着代は適宜な幅を有し、且つ平面的に接着形成して成る。
【0013】
請求項3記載のインフレータブルカヌーは、請求項1又は2記載のスォートに関し、略長方形状に裁断した気密防水シートを長辺中央にて2枚折りして、両短辺の縁同士を重ね合わせ、この短辺外周縁の内面側沿って適宜曲率の突状円弧形と成るように接着代を設け、この接着代の内側に気密用テープ、例えば断面V形に折り曲げたVテープ等を用いて接着してある。また、上記気密防水シートの両側辺に沿って適宜曲率の凹状円弧形と成るように接着代を設け、この接着代の内側に気密用テープを接着する。これにより、気室の外周形状が決められる。
また、上記各気密用テープと共に、気密防水シート3辺の外周部内面の接着代同士を平面的に接着することにより、気密防水シート内部には後述する如き所定形状の気室が形成される。
【0014】
上記スォートを膨張させると短辺中央部の断面形が略楕円形に近づくように膨張する。また、相対向する左右両側部は凹状に湾曲する。よって、上記スォートを膨張させると、突状円弧により形成される短辺部位が幾分凹曲し、これが円弧状に裁断した突分と相殺し、結果的に膨張時には略直線状となって保形される。この下部直線部位はエアーマット等から成る船底上面に対して略均等に当接することになる。
そして、凹状の接着代とそれに沿う気密用テープにより、気室外周形を凹状円弧形としたスォートの両側部は、凹曲状の接着代を形成してあるため、気室の膨張によりさらに強い凹状円弧を形成する。
この凹状円弧は気胴の外周と略形状一致した状態で嵌合するように設定しておく。さらに上部短辺部位はスォートの上面部位となり、気室の膨張によって適度に凹曲した形態を維持する。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施例を図1乃至図3に基づいて説明する。
図1は、本発明を実施したインフレータブルカヌーAであり、船体の左右両側に沿ってゴム布、若しくはウレタンタ−ポリン等からなる断面円形の気胴1を配設してある。左右の両気胴1は、搭乗者が座ることのできる幅を確保して2本平行状に配置してある。
【0016】
上記両気胴1の船首側及び船尾側の両端部には、船首気室2及び船尾気室3を接続してある。
船首気室2及び船尾気室3は、気胴1端部の接続部bから各々先細状になりつつ上方へ反り上がるように形成してある。左右一対となる船首気室2及び船尾気室3の先端部同士は、接続気室5を介して各々一体的に接続してある。即ち、上記カヌーAは、左右両気胴1が略水平に着水し、且つ、左右両気胴1の端部に接続した左右両船首気室2と、左右船尾気室3とが喫水線から上方へ反り上がるように構成してある。
【0017】
上記した左右両気胴1の略中央と船尾側部位との間には漕座の背当てとなる2個のスォート7a,7bを架設し、これら両スォート7a,7bと左右両気胴1,船首気室2,船尾気室3により主フレームa1を構成してある。
尚、上記したインフレータブルカヌーAは、中央のスォート7aと後部のスォート7bに背をもたれかけた状態で1人若しくは2人で搭乗するように構成してある。即ち、上記インフレータブルカヌーAは図1において左側が船首となる。
また、上記インフレータブルカヌーは、船首側の気胴1間に上記したスォート7a,7bと同様なスォートを架設してもよい。
【0018】
上記した左右両気胴1、船首気室2及び船尾気室3によって囲繞形成される底面開口部、即ち、左右両気胴1、船首気室2及び船尾気室3により形成される船底側の開口は、ゴム布等から成る底面シート10にて全面的に被覆してある。
また、このように構成した船内にはエアーマットと同様に構成した底気室4を内装し、その外周縁部を両気胴1と上記底面シート10との間に挿入して、左右両側部を嵌め込む形で装着してある(図2,図3)。即ち、上記インフレータブルカヌーAの底部は底面シート10とエアーマット状の底気室4とから構成してある。
【0019】
上記したように、船内中央と船尾側とに設けたスォート7a,7bは全く同様に構成してある。よって、スォート7aに基づいて両スォートの構造を説明する。スォート7aは図5にて示すように、ゴム布を略長方形に裁断する。裁断したゴム布シート71の両短辺72は突状の円弧を描くように裁断する。
上記ゴム布シート71は中央部71aから2枚折りにして短辺72の円弧同士を重ね合わせる。
上記ゴム布シート71片半部内面の周囲3辺に沿っては断面V形に折ったVテープ74,73a,73bの片側の接着面を接着する。Vテープ74は折曲部を外側へ向けた状態にて短辺72の円弧に沿って接着する。また、長辺一半部のVテープ73a,73bは内側へ向けて幾分凹曲するように接着してある(図5)。
これらのVテープ74,73a,73b、及びその外周囲の接着代は上記ゴム布シート71を2枚折りにした際に、Vテープ74,73a,73bのもう片方の接着面、及びその周囲の接着代が相手の接着面に接着して、図6にて示すように2枚折りしたゴム布シートの内側に気室76を形成する。
また、上記ゴム布シート71の中央部71a一側寄りの位置には円形状の装着孔79を開口し、この装着孔79に逆止弁付きのバルブ77を取り付けてある。
【0020】
尚、上記した如く構成したスォート7aは、直線からなる短辺71aが上になり、突状の円弧からなる短辺72が下になるように縦置きに装着される。また、Vテープ73a,73bを凹曲させた両側端には適宜な幅の接着代78が形成される。この接着代78は後述するように、スォート7aの両側部を両気胴1の内側部に接着して固定するための部分となる。さらに、上記したように構成したスォート7a直線側の短辺の一端寄りの部位にはバルブ77を取り付けて、同スォート7aを膨張,収縮させる際の給排気口とする。
【0021】
上記した如く構成したスォート7a,7bを膨張させると、図1,図3,図8にて示す様な形状となる。
即ち、上記した如く略枕形に構成したスォートを膨張させると短辺中央の断面形が楕円から略円径に移行するように膨張するので、相対向する短辺(上辺部,下辺部)は中央部が凹状に湾曲するようになる。
このようなことから、スォート7aを膨張させると、突状円弧により形成される下部短辺部位72が幾分凹曲するように膨張しようとするが、短辺72に設けた円弧の突分がこれと相殺し、結果的には略直線状となって膨張する(図3)。
即ち、スォート7aは上面部を下辺部を除く3辺が凹状に保形されることになる。
また、直線部位(72)はエアーマット等から成る船底上面に沿って略均等に当接して安定した状態で載置される。
また、上記した如く構成したスォート7a,7bは両側部に平面的な接着代78を形成したので、膨張時におけるスォート7a,7bは断面が縦方向に長い略楕円形となり、スォート中央部へ移行するに連れて楕円形から円形に近づくように保形される。
図8における両側部位の縦断面が略楕円となり、その長径側が縦となる。そして、上記直線部位(72)が下面部位で、バルブ77が設けられる凹曲部位が上面となる。換言すると、スォート7a,7bの両側部75に設けた接着代78の長手方向が縦方向(高さ)、上記短辺72の長さ方向が横方向(幅)となる。
【0022】
スォート7aの左右両側部75は、気室76両側の外形を定める接着代78を予め凹曲させて接着してあるので、気室の膨張によりさらに強い凹曲を形成する(図3)。この凹曲形状は両気胴1の外周と略形状一致した状態にて嵌合するように設定してあり、スォート7aが膨張した状態にある時、同スォート7aの両側端部が気胴1の間に多少きつめに収まるように構成してある。したがって、上記したスォート7aの幅は両気胴1同士の間隔よりも幾分長く形成してある。これにより、気胴1の空気圧とスォート7aの空気圧とにより同スォート7aをしっかりと固定出来る。
【0023】
上記したスォート7a,7bは、両側部75に形成される接着代78の外面に保持シート81及び被着シート82を接着し、これらと共に同スォート7a,7bの両側部75を両気胴1間に対して強固に固定する。
図7にて示すように、ゴム布等から構成した保持シート81は、スォート7a,7bの両側部75に形成される接着代78の片面に略半分の範囲を接着する。また、接着代78の反対の面には断面を略V形に折曲した被着シート82の片面82aを接着する。
上記したスォート7a,7bを左右両気胴1に装着する際には、図4,図8にて示すように、2枚合わせの接着代78を保持シート81側へ向けて元から折り曲げて、保持シート81と共に気胴1の内側部に隙間無く接着する。
一方、上記接着代78の折曲部他方側に露呈する接着代78と気胴1内側部1aとの分かれ目eに形成される窪みには、断面を略V形に折り曲げた被着シート82を挿入し、これをスォート7a側部と気胴1内側部1aとに隙間なく接着する。
【0024】
図3,図8にて示すように、両側部75を左右両気胴1に取り付け固定したスォート7a,7bを膨張させると、両スォート7a,7bが縦に嵌め込まれ状態で保持される。そして、スォート7a,7b両側部75の接着代78の一面を保持シート81と共に気胴1の内側部に隙間無く接着する。
よって、接着代の幅のあそびにより生じるスォート7a,7b両側部75の振れを効果的に防止して、スォート7a,7bをしっかりと保持することができるので、安定した搭乗姿勢を保つことができる。
さらに、接着代78の他面側に生じる鋭角な溝を被着シート82により隙間なく接着したので、上記した振れ止め防止の効果と共に、接着面の端から徐々に接着が剥がれる不具合を防止できる。
【0025】
本実施例のインフレータブルカヌーは底面に底シート10を被覆し、その上にエアーマット状の底気室4を装着した構造であり、上記したようにスォート7a,7bを立てた状態で装着し、両側部75を保持シート81と被着シート82を介して両気胴1間に架設してある。よって、気胴1と同スォート7a,7bとによるフレームが構成され、船体の剛性と強度を効果的に高めることができる。
【0026】
上述したように、円弧状に形成したスォート7a,7bの下面は膨張時に略直線的に保形されるため、船底の底気室4の上に均等に当接してスォート7a,7bの安定性をさらに高めることができる。
膨張したスォート7a,7bの上面部は適宜に凹曲した状態となる。また、気室のバルブ77はスォート7a,7b上部の一側に寄せて配置してあるので、搭乗姿勢を取る搭乗者の背中に当たることがなく、パドリング時に邪魔になることもない。
【0027】
図8はスォート7aと気胴1の内側部1aとの接合部分を示している。前述したように、上記スォート7aを膨張させると同スォート7aの両側部75が凹曲するように立体的に変形する。これに伴って両側部75に形成される接着代78も凹曲するが、この時、同接着代78の上下部分は大きく弛んだ状態となる。
しかし、上記接着代の中央部は比較的変形しないので、接着代78中央部の範囲に接着した保持シート81と共に気胴1の内側部1aに接着することができる。これと同じ理由にて被着シート82も同様に接着でき、上記保持シート81,接着代78と共に気胴1内側部1aに対して確実に接着し、十分な保持強度にて固定することができる。
【0028】
図12(a)は気胴301の内側部301aにスォート307の両側部375に沿って形成される接着代378の前後両面に保持シート381,382を接着し、この保持シート381,382の先端側を前後方向へ開くように折り曲げ、気胴内側部301aの表面に沿って各々接着してある。
上記したようにスォート307の両側部375を気胴301の側部375に接着した場合、接着代378を挟むように接着した保持シート381,382の幅に余裕が出来過ぎ、同スォート307に寄りかかった際等に保持シート381,382が撓んでスォート307自体が前後に移動して不安定になる(図12−b)。
【0029】
上記したようなスォートの取り付け構造に比較すると、上記実施例のスォート7a,7bの接着は、接着代78の一面を保持シート81と共に折り曲げて気胴1内側部に接着してあるので、上記したスォートのように接着代のあそびにより生じるスォート端部の振れを効果的に低減することができる。
【0030】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のインフレータブルカヌーは、船体搭乗部の左右両気胴間に気室から成るスォートを架設して固定して成るインフレータブルカヌーであって、上記スォートは、気室を形成する気密防水シートの左右両側部に平面的で且つ適宜な幅の接着代を各々に形成してある。そして、上記スォートは左右両接着代を縦にして左右両気胴間に立設し、同スォート両側部の接着代を左右両気胴の内側部に各々取り付け固定して成るものであるから、船内に立てた状態で装着したスォートにより左右両気胴を連結せしめた状態となる。
上記したスォートは両側部に接着代を設けてあるので、断面が略楕円形に形成される。同スォートは、楕円の長径を縦にして、換言すると、左右両側部の接着代を設置してあるので、船内の底面から上を仕切るように装着されることになる。これにより、左右両気胴の間は、圧縮材や張力材として機能するスォートにより連結され、同スォートは両気胴と共にメインフレームの抗力材として機能し、船体の強度と剛性を高める。
また、スォートは左右両接着代を利用して両気胴間に連結し、背当てとなるスォート自体を強固なフレームとして機能せしめることができ、船底の剛性と強度を効果的に向上せしめることができる。上記スォートは、左右両側部を気室内側部の形状に合った状態で装着することができるので、左右両気胴間にピッタリと収まる状態で装着することができるので、船体の強度と剛性をさらに高めることができる。
さらに、上記スォートは膨張状態において断面略楕円形に形成されるので、従来のインフレータブルカヌーの気胴と比較すると幅が狭くなる。したがって、船体の全長を幾分短くした場合も船内には必要な長さの搭乗部を維持することができる。
【0031】
請求項2記載のインフレータブルカヌーは、請求項1記載のインフレータブルカヌーのスォートに関し、以下に記する如き効果を奏する。
接着代を縦にした状態で左右両気胴間に装着したスォートは、両側部の接着代の一面を保持シートと共に折り曲げて気胴外周面に接着してあるので、従来のもののように接着代の幅のあそびにより生じるスォート端部の振れを殆どなくすことができる。
その結果、スォートがしっかとり固定され、搭乗者の姿勢を常時安定した状態でサポートすることができるので、パドリングの際も良好な姿勢を維持することができる。
さらに、上記接着代の折曲部の他方側、すなわち接着代の折曲方向と反対の部位には、接着代と気胴内側部との接着端の分かれ目に形成される窪みが露呈する。この窪み部分には、被着シートを挿入し、これをスォート側部と気胴内側部とに分けて接着してあり、これにより両接着面及び分かれ目に隙間なく密着し、同分かれ目、即ち接着面の端から接着が徐々に剥がれてしまう不具合を防止し得る。
【0032】
請求項3記載のインフレータブルカヌーは、請求項1又は2記載のスォートに関する。
前記したように構成したスォートを膨張させるとスォート中央部の断面が楕円形から略円形に移行するように膨張するため相対向する下面部位と上面部位は自然と凹曲するような特性がある。
したがって、上記したように気室を膨張させると、突状円弧により形成した下面部位が幾分凹曲して気室の突状円弧部位の突と相殺し、結果的には略直線状となって保形される。この直線部位はエアーマット等から成る船底上面に当接するため、立てた状態で装着したスォートを安定した状態にて船内の底面に定置することができる。
また、気室外形を凹状円弧として形成したスォートの両側部では、気室の膨張にりさらに強い凹曲と成し、スォートの両側部の凹状円弧は気胴の内側外周面と略形状一致した状態で嵌合して気胴に対してしっかりと取り付け固定することができる。その結果、左右両気胴の間は抗力材として機能するスォートの密着性が高まった状態で各々に連結され、スォート自体が左右両気胴と共にフレームとして機能し、船体の強度と剛性とをより高めることができる。
また、従来の円柱形のスォートと比較すると構造を簡素化できるのでスォートの製造コストも低廉することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したインフレータブルカヌーを示す斜視図。
【図2】同カヌーの平面図。
【図3】同カヌーの縦断側面図。
【図4】同カヌーのスォート部を示す縦断面図。
【図5】同カヌーの船尾側のスォート部を示す縦断側面図。
【図6】同カヌーのスォートを示す斜視図。
【図7】船体内にスォートを装着する状態を示す斜視図。
【図8】船体内に装着したスォートの下にマットを敷設する状態を示す斜視図。
【図9】吊り布を利用してマットの凹部を形成したスォートを示す縦断側面図。
【図10】2個のスォートを各々マットの凹部に嵌装したカヌーの縦断側面図。
【図11】(a)従来のインフレータブルカヌーのスォートの取り付け部を示す横断平面図、(b)は保持シートと接着代とに遊びが生じて撓んだ状態を示すスォート取り付け部を示す横断平面図。
【図12】従来のインフレータブルカヌーを示す平面図。
【符号の説明】
A・・・カヌー
a1・・・主フレーム
e・・・分かれ目(接着部端の分かれ目)
1・・・気胴
1a・・・内側部
4・・・底気室
7a,7b・・・スォート
10・・・底面シート
72・・・短辺
73a,73b・・・Vテープ(側部)
74・・・Vテープ(短辺)
78・・・接着代
81・・・保持シート
82・・・被着シート
82a,82b・・・被着シートの接着面

Claims (3)

  1. 船体を構成する左右一対の気胴を有し、これら両気胴の両端部同士を船首及び船尾において接続し、この気胴の底面開口を底部材により被覆して船体の底部を構成し、その船体の搭乗部の左右両気胴間に気室からなるスォートを架設して固定して成るインフレータブルカヌーにおいて、前記スォートは、気密防水シートを貼り合わせて気室となる中空部を構成し、その気密防水シートの左右両側部位に平面的で且つ適宜な幅を有する接着代を各々形成し、このスォートは上記左右両接着代を縦にして左右両気胴間に立設し、同スォート両側部の接着代を左右両気胴の内側部に各々取り付け固定して成るインフレータブルカヌー。
  2. 上記スォートは、左右両側部に設けた接着代の一面に保持シートを貼着して同接着代と共に一方に折り曲げて各々気胴内側部に接着し、且つ上記接着代の折曲部他方側に露呈する接着代と気胴内側部との接着端の分かれ目により形成される窪み部に、被着シートを挿入し、これをスォート側部と気胴内側部とを被覆して密着するように接着して成る請求項1記載のインフレータブルカヌー。
  3. 上記スォートは、略長方形状に裁断した気密防水シートを長辺中央にて2枚折りして、両短辺の縁同士を重ね合わせ、この短辺外周縁の内面側に沿って適宜曲率の突状円弧形と成るように接着代を設け、この接着代の内側に断面略V形の気密用テープを接着し、且つ、同気密防水シートの両側辺に沿って適宜曲率の凹状円弧形と成るように接着代を設け、この接着代の内側に気密用テープを接着し、これら気密用テープと共に同気密防水シート3辺の外周部接着代同士を平面的に接着することにより気密防水シート内に気室を形成して成る請求項1又は2記載のインフレータブルカヌー。
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