JP2004173681A - 抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップ、抗原特異的リンパ球の検出法及び製造方法 - Google Patents

抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップ、抗原特異的リンパ球の検出法及び製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】複雑な装置は必要とせず、細胞の分取の時間は短時間であり、抗原が結合することも確認でき、頻度の低い抗原特異的リンパ球(0.001%以上)も検出でき、しかも、抗原が結合したリンパ球が抗原に反応するかを解析することができる抗原特異的リンパ球検出法を提供すること。
【解決手段】複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体リンパ球を格納し、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つのリンパ球のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップ。1つの被検体リンパ球が含まれるマイクロウェルを複数有する抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップ。このマイクロウェルアレイチップの各マイクロウェルに抗原を添加し、細胞を刺激し、抗原に反応する細胞を検出することを含む、抗原特異的リンパ球の検出方法。
【選択図】図2

Description

本発明は、抗原特異的リンパ球検出に用いるマイクロウェルアレイチップ及び抗原特異的リンパ球の検出方法及び製造方法に関する。
従来、抗原特異的リンパ球は図3に示すような96穴プレートを用いて、1穴あたり約200,000個のリンパ球を加えて3日から1週間、抗原の存在下で培養することにより検出していた(非特許文献1及び2)。
検出方法は
1.細胞の増殖(3H-thymidineの取り込み、生細胞の検出)
2.抗体・サイトカインの産生
を測定することによる。
この方法では、約200,000個と言うリンパ球集団の中に抗原特異的リンパ球が存在することは確認できた。しかし、リンパ球集団中に存在する個々の抗原特異的リンパ球を同定することはできなかった。
これに対して近年、蛍光色素で標識した抗原分子をリンパ球と混ぜ合わせることにより、抗原特異的リンパ球の抗原受容体に蛍光標識抗原を結合させ、蛍光標識抗原を結合したリンパ球を、フローサイトメータを用いることにより検出する方法が開発され利用されている(非特許文献3)。この方法では抗原に結合する1個のリンパ球を同定することが可能である。さらに抗原に結合する1個のリンパ球を分取することも可能である。
しかしながら、上記検出方法では、分取するためにはセルソーターという高価で複雑な機器が必要である上に、以下の問題も有る。
(1)分取するための機器の条件設定が難しく、細胞を分取するためには機器操作の熟練を要する。
(2)バックグラウンドが高いため抗原特異的リンパ球の頻度が0.1%以下の場合は抗原特異的リンパ球を検出できない。
(3)細胞を分取する効率は低い。
(4)頻度の低い細胞を分取するのに時間がかかる。
(5)抗原が結合することは確認できるが、抗原が結合したリンパ球の反応を解析することは難しい。
別の抗原特異的リンパ球検出法として、磁気ビーズに結合した抗原分子をリンパ球と混ぜ合わせることにより、抗原特異的リンパ球の抗原受容体に磁気ビーズ結合抗原を結合させ、磁石を用いて抗原特異的リンパ球を分取する方法も開発されている(非特許文献4)。
この方法では、複雑な装置は必要とせず、細胞の分取の時間は短時間であり、抗原が結合することも確認できる。しかし、抗原が結合したリンパ球が抗原に反応(細胞内シグナル伝達、RNA合成、タンパク質合成などの細胞の代謝生理反応)するかを解析することはできなかった。また、抗原特異的リンパ球の頻度が0.1%以下の場合は抗原特異的リンパ球を検出できなかった。
「リンパ球機能検索法」矢野純一、藤原道夫編著、中外医学社(1994年) 「免疫実験操作法I、II」右田俊介、紺田進、本庶佑、濱岡利之編集、南江堂(1995年) Altman JD, Moss PA, Goulder PJ, Barouch DH, McHeyzer-Williams MG, Bell JI, McMichael AJ, Davis MM. Phenotypic analysis of antigen-specific T lymphocytes, Science, 274:94-96, 1996 Abts H, Emmerich M, Miltenyi S, Radbruch A, Tesch H, CD20 positive human B lymphocytes separated with the magnetic sorter (MACS) can be induced to proliferation and antibody secretion in vitro. Journal of Immunological Methods 125:19-28, 1989.
そこで本発明は、複雑な装置は必要とせず、細胞の分取の時間は短時間であり、抗原が結合することも確認でき、頻度の低い抗原特異的リンパ球(0.001%以上)も検出でき、抗原が結合したリンパ球が抗原に反応するかを解析することができ、しかも抗原特異的リンパ球を分取できる抗原特異的リンパ球検出法を提供することを目的とする。
さらに本発明の目的は、上記検出法に使用する抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップ、及び上記検出法を利用した抗原特異的リンパ球の製造方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明は以下の通りである。
(1)複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体リンパ球を格納し、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つのリンパ球のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップ。
(2)前記マイクロウェルは、円筒形、直方体、逆円錐形、若しくは逆角錐形またはこれらの2つ以上を組合せた形状である、(1)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(3)マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径の1〜2倍の範囲であり、かつマイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径の1〜2倍の範囲である、(1)または(2)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(4)1つの被検体リンパ球が含まれるマイクロウェルを複数有する抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップ。
(5)前記マイクロウェルは、直径5〜100μmであり、深さ5〜100μmである(4)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(6)前記被検体リンパ球は培養液とともにマイクロウェルに格納されている(4)又は(5)に記載のマイクロウェルアレイチップ。
(7)前記被検体リンパ球は血液由来である(4)〜(6)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(8)前記被検体リンパ球はBリンパ球またはTリンパ球である(4)〜(7)のいずれかに記載のマイクロウェルアレイチップ。
(9)(4)〜(8)のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップの各マイクロウェルに抗原を添加し、被検体リンパ球を刺激し、抗原に反応する被検体リンパ球を検出することを含む、抗原特異的リンパ球の検出方法。
(10)抗原に反応する細胞の検出を、Caイオン依存性蛍光色素を用いて行う(9)に記載の方法。
(11)抗原に反応する細胞の検出を、抗原により刺激され活性化した被検体リンパ球細胞の表面に発現する活性化マーカータンパク質を指標として行う(9)に記載の方法。
(12)抗原に反応する細胞の検出を、被検体リンパ球細胞内蛍光物質が発する蛍光の偏光度を指標として行う(9)に記載の方法。
(13)抗原に反応する細胞の検出を、被検体リンパ球細胞の増殖または抗体産生を指標として行う(9)に記載の方法。
(14)抗原がタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、脂質、糖鎖、または有機高分子化合物である(9)〜(13)のいずれかに記載の方法。
(15)抗原が、細菌、ウィルス、自己抗原、がん抗原またはアレルゲンである(9) 〜(13)のいずれかに記載の方法。
(16)(9)〜(15)のいずれかに記載の方法により、検出された抗原に反応する被検体リンパ球をマイクロウェルから回収することを含む、抗原特異的リンパ球の製造方法。
本発明では、血液中のリンパ球1個が1つのマイクロウェルに入るように添加し、これらのリンパ球を抗原で刺激する。ここでいう抗原とは感染症における細菌やウィルスなどの病原体をさす。血液中のリンパ球は1個1個がそれぞれ別々の抗原に反応する。本発明のマイクロウェルアレイチップを用いれば、例えば、抗原に反応するBリンパ球を検出することができる。さらに、検出された抗原特異的Bリンパ球を回収することができる。抗原特異的Bリンパ球を回収できると、マイクロウェルとは別のチューブ中で、抗原(病原体)に反応する抗体遺伝子を、例えば、PCRなどにより増幅できる。抗原特異的Bリンパ球を検出したマイクロウェル中で抗原(病原体)に反応する抗体遺伝子を増幅することもできる。
本発明の抗原特異的リンパ球の検出法は、マイクロウェルアレイチップを用いて行う。そのため、検出した抗原特異的リンパ球はマイクロウェルの中にあるため、その細胞の加工(細胞の分取・DNA/RNAの調製)が容易である。また、細胞の抗原に対する応答を検出できる。抗原だけでなく、様々な刺激に対する細胞の応答、また、細胞の応答に対する様々な試薬等の影響を解析することが可能である。
[マイクロウェルアレイチップ]
本発明のマイクロウェルアレイチップは、複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体リンパ球を格納し、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つのリンパ球のみが格納される形状及び寸法を有する。
マイクロウェルの形状や寸法には特に制限はないが、マイクロウェルの形状は、例えば、円筒形であることができ、円筒形以外に、直方体、逆円錐形、逆角錐形(逆三角錐形、逆四角錐形、逆五角錐形、逆六角錐形、七角以上の逆多角錐形)等であることもでき、これらの形状の二つ以上を組み合わせた形状であることもできる。例えば、一部が円筒形であり、残りが逆円錐形であることができる。また、逆円錐形、逆角錐形の場合、底面がマイクロウェルの開口となるが、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状である(その場合、マイクロウェルの底部は平坦になる)こともできる。円筒形、直方体は、マイクロウェルの底部は通常、平坦であるが、曲面(凸面や凹面)とすることもできる。マイクロウェルの底部を曲面とすることができるのは、逆円錐形、逆角錐形の頂上から一部を切り取った形状の場合も同様である。
マイクロウェルの形状や寸法は、マイクロウェルに格納されるべきリンパ球の種類(リンパ球の形状や寸法等)を考慮して、1つのマイクロウェルに1つのリンパ球が格納されるように、適宜決定される。
1つのマイクロウェルに1つのリンパ球が格納されるようにするためには、例えば、マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径の1〜2倍の範囲、好ましくは1.1〜1.9倍の範囲、より好ましくは1.2〜1.8倍の範囲であることが適当である。
また、マイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径の1〜2倍の範囲、好ましくは1.1〜1.9倍の範囲、より好ましくは1.2〜1.8倍の範囲であることが適当である。
マイクロウェルが円筒形の場合、その寸法は、例えば、直径5〜100μmであることができ、リンパ球がBリンパ球の場合、好ましくは、直径は5〜15μmである。また、深さは、例えば、5〜100μmであることができ、リンパ球がBリンパ球の場合、好ましくは、深さは5〜40μmであることができる。但し、マイクロウェルの寸法は、上述のように、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径とのマイクロウェルの寸法の好適な比を考慮して適宜決定する。
1つのマイクロウェルアレイチップが有するマイクロウェルの数は、特に制限はないが、抗原特異的リンパ球の頻度が105個に1個から多い場合には約500個であるという観点から、1cm2当たり、例えば、2,000〜1,000,000個の範囲であることができる。
本発明の抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップは、複数のマイクロウェルを有し、かつ各マイクロウェルが被検体リンパ球を1個含むことを特徴とする。マイクロウェルアレイチップは、上記の本発明のマイクロウェルアレイチップをそのまま用いることができる。
本発明の抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップは、各マイクロウェルが被検体リンパ球を1個含むことで、抗原特異的リンパ球を1個1個の細胞レベルで特定することが可能になる。即ち、本発明のマイクロウェルアレイチップを用いる抗原特異的リンパ球の検出方法では、マイクロウェルに含まれる被検体リンパ球が1個であることから、抗原に反応する被検体リンパ球を1個の細胞として特定できる。
その結果、検出された抗原特異的リンパ球を取り出して、抗原特異的抗体遺伝子やT細胞受容体遺伝子をクローニングすることが可能になる。例えば、抗原特異的抗体遺伝子がクローニングできると、それを用いて大量にヒト型モノクローナル抗体を生産することがでる。この抗体を感染症などの患者へ投与することにより、感染症などの治療、予防に用いることができると考えられる。
但し、同一のマイクロウェルには、リンパ球以外の細胞が被検体リンパ球とともに含まれていても良い。リンパ球以外の細胞であれば、抗原に反応せず、検出されることもないからである。
マイクロウェルには、被検体リンパ球は、例えば、培養液とともに格納される。培養液としては、例えば、以下のいずれかのものを挙げることができる。
1. 137mM NaCl, 2.7 mM KCl, 1.8mM CaCl2, 1 mM MgCl2, 1mg/mlグルコース, 1mg/ml BSA, 20mM HEPES(pH7.4)
2. 10% FCS(牛胎仔血清)含有RPMI1640培地
3. 1mg/ml BSA含有RPMI1640培地
4. 10% FCS(牛胎仔血清)含有Dulbecco's MEM培地
5. 1mg/ml BSA含有Dulbecco's MEM培地
被検体リンパ球は血液由来であることができ、例えば、Bリンパ球またはTリンパ球であることができる。それ以外に扁桃腺(リンパ節)、脾臓等のリンパ組織由来リンパ球、がん浸潤リンパ球などの病変部位浸潤リンパ球等を挙げることができる。
[抗原特異的リンパ球の検出方法]
本発明の抗原特異的リンパ球の検出方法は、上記本発明のマイクロウェルアレイチップの各マイクロウェルに抗原を添加し、リンパ球を刺激し、抗原に反応するリンパ球を検出することを含む。
各マイクロウェルへの抗原の添加は、以下のように行うことができる。
1. ピペットを用いてマイクロウェルアレイチップ全面を覆うように抗原液を添加する。
2. 1ウェルずつ自動スポッターを用いて抗原液を添加する。
本発明の抗原特異的リンパ球の検出方法により検出される抗原には、特に制限はないが、例えば、タンパク質、ペプチド、DNA、RNA、脂質、糖鎖、または有機高分子化合物(例えば、環境ホルモン)等であることができる。あるいは、細菌、ウィルス、自己抗原、がん抗原またはアレルゲン等であることができる。
細胞の培養は、例えば、リンパ球を培養液に懸濁させ、マイクロウェルに分注後、室温あるいは37℃にて、空気中あるいはCO2インキュベータ内にて培養することで行うことができる。
抗原に反応する細胞の検出は、例えば、(1)Caイオン依存性蛍光色素を用いて行う、(2)抗原により刺激され活性化した被検体リンパ球細胞の表面に発現する活性化マーカータンパク質を指標として行う、(3)被検体リンパ球細胞内蛍光物質が発する蛍光の偏光度を指標として行う、または(4)被検体リンパ球細胞の増殖または抗体産生を指標として行うことができる。
より具体的には、例えば、Bリンパ球の抗原受容体(免疫グロブリン)に抗原が結合するとまず細胞内シグナル伝達が起こり、それに続いて細胞増殖、抗体産生が起こる。従って、細胞内シグナル伝達、細胞増殖、抗体産生を種々の方法により検知することにより、抗原に反応する細胞を検出することができる。あるいは、例えば、Tリンパ球の抗原受容体に抗原が結合するとまず細胞内シグナル伝達が起こり、それに続いて細胞増殖、サイトカイン産生が起こる。従って、細胞内シグナル伝達、細胞増殖、サイトカイン産生を種々の方法により検知することにより、抗原に反応する細胞を検出することができる。
細胞内シグナル伝達を検出することによる、抗原に反応する細胞の検出は、例えば、細胞内Caイオンの濃度変化をCaイオン依存性の蛍光色素を用いることにより行うことができる。
細胞内Caイオン濃度変化は、蛍光色素としてFura-2、Fluo-3あるいは Fluo-4を用い、検出装置として蛍光顕微鏡あるいはマイクロアレイスキャナーを用いる。
具体的には、図1に示すように、Bリンパ球にCaイオン依存性蛍光色素であるFura-2あるいはFluo-3を導入する。次いで抗原でBリンパ球を刺激すると、Bリンパ球内Caイオン濃度が上昇する。その結果、CaイオンがCaイオン依存性蛍光色素に結合し、蛍光強度が増強される。Caイオン濃度が低いと青っぽい色、高いと赤っぽい色で示されている。この方法では、抗原で刺激されることにより細胞内Caイオンが上昇したBリンパ球(抗原特異的)をマイクロウェルアレイチップを用いて検出できる。
細胞増殖を検出することによる、抗原に反応する細胞の検出は、例えば、細胞数を、生細胞特異的蛍光色素を用いて計測することによっても行うことができる。この方法は、具体的には、抗原でBリンパ球を刺激しCO2インキュベータ内にて37℃、3日間培養すると、細胞が増殖する。細胞が増殖後、培養液中にフルオレッセイン・ジアセテート(Fluorescein diacetate(FDA))あるいはカルボキシ・フルオレッセイン・ジアセテート・サクシンイミジル・エステル(Carboxy-fluorescein diacetate, succinimidyl ester(CFSE))溶液を加える。これらの試薬は生細胞の膜を透過し、細胞内でエステラーゼによって分解され、膜不透過性の蛍光色素を生成する。この蛍光色素の発光は細胞数に比例するためウェル内の生細胞が発光する蛍光強度の和を蛍光顕微鏡あるいはマイクロアレイスキャナーを用いて計測することにより生細胞数を測定することができる。
抗体産生を計測することによっても、抗原に反応する細胞の検出を行うことができる。抗体産生は抗体を免疫化学的に計測することにより検出できる。
具体的には、抗原でBリンパ球を刺激しCO2インキュベータ内にて37℃、1週間培養すると、抗体が培養液中に分泌される。培養液中に分泌された抗原特異的抗体をELISA法(酵素標識免疫吸着法)により検出する。
あるいは、マイトゲン、レクチン、抗体、サイトカイン、PMA、Caイオノフォアを用いても、シグナル伝達、細胞増殖、抗体産生を検出することができる。
以下に、蛍光色素を用いる方法におけるマイクロウェルアレイチップへの細胞の分注、抗原刺激、取り出しまでについて図2に基づいて説明する。
(1)細胞の分注
マイクロウェル1つずつに細胞を入れる。
マイクロウェルに入れる細胞は、例えば、末梢血からリンパ球画分を分離後、Bリンパ球画分をさらに分離精製して得られる。
次に、Fluo3/AM(2μM)溶液に細胞を懸濁させ、室温に30分置き、さらに緩衝液で細胞を洗浄し、細胞内に負荷されなかった色素を除去する。
色素を除去した細胞をマイクロウェルに分注する。
マイクロウェルアレイチップの両側にシールを貼り、その上にカバーグラスを乗せ、緩衝液を満たすことで、乾燥を防ぐ。
(2)蛍光測定
まず、未刺激の細胞の蛍光を測定する。その際の蛍光強度(A)を測定する。
次いで抗原溶液をスライドグラスとカバーグラスの隙間に流し入れ緩衝液と交換し、抗原による刺激を受けた細胞の蛍光を測定する。刺激後1〜2分後の蛍光強度(B)を測定する。刺激前後の蛍光強度比(B/A)の高いウェルの細胞を選別する。
(3)抗原刺激に反応した細胞の取り出し(回収)
スライドグラスとカバーグラスの隙間に空気を入れると、カバーグラスは容易に剥がれる。抗原刺激により反応した細胞を、未刺激の細胞の蛍光強度と抗原による刺激を受けた細胞の蛍光強度の比(B/A)により選別し、取り出すことで、抗原特異的リンパ球を回収することができる。
[実施例]
以下、本発明を実施例により詳細に説明する。
実施例1
1.Bリンパ球の分離
末梢血からFicoll-Paque(Pharmacia, Uppsala, Sweden)を用いてリンパ球画分を分離し、さらにAutoMACS(Miltenyi Biotec, Bergisch Gladbach, Germany)を用いてリンパ球画分からBリンパ球画分をさらに分離精製した。
2.Fluo3の細胞への導入(図1参照)
2 x 106個のBリンパ球を2μM Fluo3/AM(同仁、熊本)/RPMI1640/10% FCS溶液に懸濁し、室温に30分インキュベーションする。RPMI1640/10% FCS溶液で細胞を洗浄し、細胞内に導入されなかったFluo3/AMを除いた。その後、細胞をRPMI1640/10% FCS溶液に懸濁した。
3.マイクロウェルアレイチップ(図2参照)
マイクロウェルアレイチップはpoly(dimethylsiloxane) (PDMS)を用いて作製されており、直径10μm、深さ32μmのマイクロウェルが2 cm x 2 cmのチップ上に縦・横30μmの間隔(マイクロウェルの中心から中心までの距離は40μm)で配置されている。マイクロウェルアレイチップの両側には厚さ1mm幅約1mm長さ2cmのシールを貼った。
4.マイクロアレイスキャナー
本装置は基本的に日立ソフトウェアエンジニアリング(株)(横浜市)のマイクロアレイスキャナー(CRBIO IIe-FITC)を用いており、以下の変更を加えている。
1.搭載されているレーザー(Cy3用, 532 nm; Cy5用, 635 nm)のうちの1本を473nmのレーザーと置換してある。
2.焦点深度も従来のものは±25μmであるが、本装置は±50μmに変更してある。
5.マイクロウェルアレイチップを用いた活性化Bリンパ球の検出(図2参照)
上記マイクロウェルアレイチップに上記細胞懸濁液を添加し、5分間静置した。マイクロウェルに入らなかった細胞をRPMI1640/10% FCS溶液を用いて洗い流した。リンパ球の直径は約8μm(8μm±1μm)であり、使用するマイクロウェルの直径が10μmであるためにひとつのマイクロウェルにはリンパ球は1個入る。カバーグラスを上記シールの上に置き、チップとカバーグラスの間にRPMI1640/10% FCS溶液を満たした。このマイクロウェルアレイチップをマイクロアレイスキャナーに挿入し、解像度10μmでスキャンし、データを保存した(抗原刺激前の蛍光のデータ:A)。
次に、チップとカバーグラスの間のRPMI1640/10% FCS溶液を除き、そこへRPMI1640/10% FCS溶液に溶解させた抗原(10μg/mL)を加えた。抗原を加えて1分後にマイクロウェルアレイチップをマイクロアレイスキャナーに挿入し、解像度10μmでスキャンし、データを保存した(抗原刺激後の蛍光のデータ:B)。
刺激前後の蛍光強度の比(B/A)を計算し、比の大きいウェルを特定した。このウェルの中に抗原特異的Bリンパ球が存在した。
実施例2
蛍光顕微鏡あるいはマイクロアレイスキャナーを用いて細胞のマイクロウェルへの導入の効率を調べた。CellTracker Orange(Molecular Probe社)を用いてマウスリンパ球を蛍光標識した。
マウスリンパ球は、以下のように入手した。
マウスより脾臓を摘出し、PBSが入ったプラスチックシャーレに移した。脾臓を2枚のメッシュの間に挟み、すりつぶすことによりリンパ球を脾臓より取り出す。取り出したリンパ球はRPMI1640, 10% FCS溶液に懸濁し、リンパ球の数を数えた。
マウスリンパ球の蛍光標識は、以下のように行った。
2 x 106個のBリンパ球を1μM CellTracker Orange (Molecular Probes,USA)、0.02% Pluronic F-127(Molecular Probes,USA)を含むLoading Buffer (20 mM HEPES, 137 mM NaCl, 2.7 mM KCl , 1.8 mM CaCl2, 1 mM MgCl2, 1 mg/ml Glucose, 1 mg/ml BSA)に懸濁し、室温で振盪しながら30分インキュベーションした。RPMI1640/10% FCS溶液で細胞を洗浄し、細胞内に導入されなかったCellTracker Orangeを除いた。その後細胞をRPMI1640/10% FCS溶液に懸濁した。
蛍光標識したマウスリンパ球(105個/μL)の細胞懸濁液(100 μL)を、マイクロウェルアレイを覆うように加え、細胞を播種した。
ここで使用したマイクロウェルアレイの形状や寸法等は、以下の通りである。
直径10μm、深さ12μmのマイクロウェルが2 cm x 2.5 cmのチップ上に縦・横15μmの間隔(マイクロウェルの中心から中心までの距離は25μm)で配置されている。マイクロウェルアレイチップの両側には厚さ1mm幅約1mm長さ2cmのシールを貼った。
細胞がウェル内に沈むのを待ったあと、ピペット操作によりウェル外の細胞を洗い流した。この細胞播種、洗浄の一連の操作を数回繰り返すことでより多くのウェルに細胞を入れることができる。最後にバッファー(RPMI1640/10% FCS溶液)で洗浄しウェル外に細胞が残らないようにした。カバーガラスをかぶせ、乾燥を防ぐと同時に液面を均一にして読み取りの精度を高めた。これを蛍光顕微鏡(BX-URA2/BX51W、オリンパス光学工業、日本)下で観察し、またマイクロアレイスキャナー(CRBIO IIe-FITC、日立ソフトウェアエンジニアリング、日本)に挿入し蛍光を読みとった。結果を図4に示す。
リンパ球の直径は約8μmであり、使用したマイクロウェルの直径が10μmであるために、ひとつのマイクロウェルにはリンパ球は1個入る。図4では、チップの一部である1クラスター(30×30)を示す。
左図は蛍光顕微鏡で観察した結果であり、約85%のウェルに細胞が入っていることが確認された。右図は別のサンプルをマイクロアレイスキャナーで観察した結果であり、約99%のウェルに細胞が入っていることが確認された。
実施例3
[抗原特異的Bリンパ球のマイクロアレイスキャナーによる検出]
健常人にB型肝炎ウィルスワクチンを接種し、常法により、4日目あるいは6日目に末梢血よりBリンパ球を調製した。ヒトBリンパ球をカルシウム蛍光指示薬Fluo-4/AM(Molecular Probes社)4μM, CellTracker Orange(Molecular Probes社)1μM , Pluronic F-127(Molecular Probes社) 0.02%を含むバッファー(Loading Buffer(20mM HEPES, 137mM NaCl, 2.7mM KCl, 1.8mM CaCl22H2O, 1mM MgCl2, 1mg/mL glucose, 1mg/mL BSA))に懸濁することにより、Fluo-4およびCellTracker Orangeを細胞質内に導入した。Fluo-4およびCellTracker Orangeを負荷したBリンパ球を実施例2と同様のマイクロウェルアレイチップに実施例2と同様の方法で播種した。
その後、マイクロウェルアレイチップに播種したFluo-4およびCellTracker Orangeを負荷したBリンパ球に、B型肝炎ウィルス抗原HBsタンパクによる刺激を与え、刺激前後でのBリンパ球の蛍光をマイクロウェルアレイキャナーで観察した。結果を図5に示す。
B型肝炎ウィルス抗原HBsタンパクによる刺激は、以下のようにして与えた。
マイクロアレイスキャナーより取り出したマイクロウェルアレイチップからRPMI1640/10% FCS溶液をチップにより抜き取り、かわりにRPMI1640/10% FCS溶液に100μg/mLになるように希釈溶解したB型肝炎ウィルス抗原HBsタンパクを添加し、再びマイクロアレイスキャナーに挿入し、約1分後に解像度2.5μmでスキャンした。
図5の左図はリンパ球を刺激する前の蛍光画像である。 Fluo-4を導入したリンパ球がわずかな蛍光を発しているため画像では淡い水色を示すが、蛍光強度はかなり低かった。
一方、右図はリンパ球を抗原( B型肝炎ウィルス抗原HBsタンパク100μg/mL)で刺激した後の蛍光画像である。大部分のリンパ球では、蛍光強度に変化はない。しかし、抗原特異的Bリンパ球(矢印の部分)の蛍光が増加し、画像では赤色を示している。
さらに、CellTracker Orangeの蛍光を観察することにより、刺激前後で各ウェルに細胞が1個ずつ入っており、刺激前後で細胞のウェル間の移動がないことを確認している(データなし)。
図5に示す枠に囲まれた25(5×5)個の細胞について、それぞれの蛍光強度の測定値をプロットし、図6に示す。
抗原特異的Bリンパ球(矢印のポイント)の蛍光強度は刺激前およそ77000(77454)であったが、刺激後およそ350000(349242)になり、4.5倍の増加を示した。それに対して、刺激に反応しない24個のリンパ球は刺激前平均52000(51683.875)、刺激後平均39000(38720.833) 、平均0.75倍の変化であり、蛍光強度に有意な変化はみられない。
図6で、中央の直線(斜線)は刺激前後の蛍光強度が変化しない場合の蛍光強度を示しており、両側の2本の直線(斜線)は刺激前の蛍光強度に対して刺激後の蛍光強度が4倍(上側の直線)あるいは1/4倍(下側の直線)に増加した場合の蛍光強度を示している。抗原特異的Bリンパ球(矢印のポイント)の蛍光強度は、上側の直線のやや上に位置している。ひとつのマイクロウェルにはリンパ球が1個入っており、本方法で、B型肝炎ウィルス抗原HBsタンパクで刺激された1個の抗原特異的Bリンパ球を検出できることが分かる。
実施例4
[マイクロウェルアレイチップを用いた抗原特異的Bリンパ球の検出]
これまでにB型肝炎ウィルスワクチンを接種することによりB型肝炎ウィルスのHBs抗原に対する抗体の力価が上昇していた健常人ボランティア(#1、#2) に常法により、B型肝炎ウィルスのワクチン(HBs抗原10μg)を接種し、接種前および後(4日、6日、8日、10日後)の末梢血を採取し、リンパ球を分離、さらにBリンパ球を分離調製した。そのBリンパ球を、実施例3と同様にしてFluo-4 (Molecular Probes社) 4μMおよびCellTracker Orange(Molecular Probes社)1μMで標識後、マイクロウェルアレイチップに播種し、B型肝炎ウィルス抗原(HBsタンパク100μg/mL)で刺激した。マイクロアレイスキャナーを用いて抗原刺激前後の細胞の蛍光を測定し、刺激前にはFluo-4の蛍光のシグナルが弱く、刺激後にFluo-4の蛍光のシグナルが増強した細胞(抗原特異的Bリンパ球)の数を計測した。次に、CellTracker Orangeの蛍光を観察し、Bリンパ球の総数を計測した。抗原に反応してFluo-4の蛍光が増加した細胞の数をBリンパ球の総数で割った頻度(百分率)を計算してグラフに示した。結果を図7に示す。
刺激後に蛍光のシグナルが増強した細胞(抗原特異的Bリンパ球)の数の計測は、以下のように行った。
マイクロアレイスキャナーを用いて抗原刺激前後のFluo-4およびCellTracker Orangeの蛍光画像を得る。これらを比較し、CellTracker Orangeの蛍光シグナルにより、抗原刺激の前後で細胞の位置が移動していないもので、刺激前にはFluo-4 の蛍光シグナルが弱く青色で表示され、刺激後にFluo-4 の蛍光シグナルが増強し赤色で表示される細胞を、シグナルが増強した細胞(抗原特異的Bリンパ球)として計数した。頻度を計算するために、任意に選んだ5クラスター(4500ウェル)について、Fluo-4 の蛍光シグナルが増強した細胞(抗原特異的Bリンパ球)を数えた。また同じ5クラスター(4500ウェル)に含まれる全細胞数をCellTracker Orange(Molecular Probe社)の蛍光画像を用いて計測した。
図7に示す結果から以下のことが分かる。
1.B型肝炎ウィルスワクチンを接種することによりB型肝炎ウィルスのHBs抗原に対する抗体の力価が上昇していた健常人ボランティアの末梢血中のB型肝炎ウィルス抗原特異的Bリンパ球は全Bリンパ球のわずか1〜2%である。
2.また、ワクチン接種後4〜6日後をピークに全Bリンパ球に対する抗原特異的Bリンパ球の割合が上昇し、その後ワクチン接種前の割合にまで下がることが分かる。
3.このように本方法によりヒト末梢血中の抗原特異的Bリンパ球の有無、頻度およびその変化を検出することができる。
細胞内Caイオンの濃度変化をCaイオン依存性の蛍光色素を用いることにより測定する方法の説明図。 蛍光色素を用いる方法におけるマイクロウェルアレイチップへの細胞の分注、抗原刺激、取り出しまでについての説明図。 従来の抗原特異的リンパ球測定に用いられている96穴プレート。 蛍光顕微鏡またはマイクロアレイスキャナーを用いての細胞のマイクロウェルへの導入効率の試験結果。 抗原特異的Bリンパ球のマイクロアレイスキャナーによる検出結果。 図5に示す枠に囲まれた25(5×5)個の細胞についての蛍光強度のプロット。 抗原刺激後に蛍光のシグナルが増強した細胞(抗原特異的Bリンパ球)の頻度を示す。

Claims (16)

  1. 複数個のマイクロウェルを有し、各マイクロウェルに1個の被検体リンパ球を格納し、抗原特異的リンパ球を1個単位で検出するために用いられるマイクロウェルアレイチップであって、前記マイクロウェルは、1つのマイクロウェルに1つのリンパ球のみが格納される形状及び寸法を有するマイクロウェルアレイチップ。
  2. 前記マイクロウェルは、円筒形、直方体、逆円錐形、若しくは逆角錐形またはこれらの2つ以上を組合せた形状である、請求項1に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  3. マイクロウェルの平面形状に内接する最大円の直径が、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径の1〜2倍の範囲であり、かつマイクロウェルの深さは、マイクロウェルに格納しようとするリンパ球の直径の1〜2倍の範囲である、請求項1または2に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  4. 1個の被検体リンパ球が含まれるマイクロウェルを複数有する抗原特異的リンパ球検出用マイクロウェルアレイチップ。
  5. 前記マイクロウェルは、直径5〜100μmであり、深さ5〜100μmである請求項4に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  6. 前記被検体リンパ球は培養液とともにマイクロウェルに格納されている請求項4又は5に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  7. 前記被検体リンパ球は血液由来である請求項4〜6のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  8. 前記被検体リンパ球はBリンパ球またはTリンパ球である請求項4〜7のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップ。
  9. 請求項4〜8のいずれか1項に記載のマイクロウェルアレイチップの各マイクロウェルに抗原を添加し、被検体リンパ球を刺激し、抗原に反応する被検体リンパ球を検出することを含む、抗原特異的リンパ球の検出方法。
  10. 抗原に反応する細胞の検出を、Caイオン依存性蛍光色素を用いて行う請求項9に記載の方法。
  11. 抗原に反応する細胞の検出を、抗原により刺激され活性化した被検体リンパ球細胞の表面に発現する活性化マーカータンパク質を指標として行う請求項9に記載の方法。
  12. 抗原に反応する細胞の検出を、被検体リンパ球細胞内蛍光物質が発する蛍光の偏光度を指標として行う請求項9に記載の方法。
  13. 抗原に反応する細胞の検出を、被検体リンパ球細胞の増殖または抗体産生を指標として行う請求項9に記載の方法。
  14. 抗原がタンパク質、ペプチド、DNA、RNA、脂質、糖鎖、または有機高分子化合物である請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  15. 抗原が、細菌、ウィルス、自己抗原、がん抗原またはアレルゲンである請求項9〜13のいずれか1項に記載の方法。
  16. 請求項9〜15のいずれか1項に記載の方法により、検出された抗原に反応する被検体リンパ球をマイクロウェルから回収することを含む、抗原特異的リンパ球の製造方法。
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