JP2004171836A - 電池の製造装置及び製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ウェブに付着した磁性金属不純物を除去して特性の向上を図る。
【解決手段】シート状の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブは、負極材51と正極材52及び第1セパレータ53,第2セパレータ54がガイドローラを経て夫々重ね合わされて出来る。各ガイドローラのうち,12a、12b、12c、12dの各ローラはウェブの幅よりも長軸とされた筒状のローラ本体31と、このローラ本体の内部にウェブと非接触状態に保持されて設けられた磁気手段21とからなる磁気ローラ30によって構成し、外周部を走行するウェブに付着した磁性金属不純物を吸着除去する。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電池の製造装置及び製造方法に関し、さらに詳しくは製造工程中でシート状部材として取り扱われる負極材や正極材等の中間体、セパレータ、アルミ箔や銅箔等の電極基材、或いは集電リード等の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブに付着した磁性金属不純物を除去して電池を製造する電池の製造装置及び製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電池の製造工程においては、例えば電極基材を構成するアルミ箔や銅箔、これら電極基材に電極活物質を塗布して所定幅に裁断した負極材や正極材、セパレータやその素材の樹脂シート、集電リード或いは絶縁インシュレータ等の各種のウェブが取り扱われる。各種のウェブは、一般に供給部から繰り出されて複数のガイドローラを有する搬送路中を走行される途中で適宜の加工処理が施され、次工程へと送られる。
【0003】
ところで、携帯型電子機器には、利便性や経済性或いは省資源化から、電源として繰り返し充電が可能な二次電池が用いられている。二次電池には、従来、鉛電池、ニッケルカドミウム電池或いはニッケル水素電池等が用いられていたが、携帯型電子機器の小型軽量化、高機能化或いは長時間使用化に対しての適応が困難となっている。リチウムイオン二次電池は、高エネルギー密度特性を有して上述した携帯型電子機器等の要求特性に対応可能であり、汎用されるようになっている。
【0004】
リチウムイオン二次電池は、例えばシート状の負極材と正極材とをそれぞれセパレータを介して重ね合わせるとともに渦巻き状に巻回したり折り畳んだりして電池素子を構成し、この電池素子が非水電解液とともに電池缶内に収納される。リチウムイオン二次電池は、電池缶の開口部に電池蓋を封口ガスケッを介してかしめ付けして電池素子と非水電解液とを電池缶内に密封する。リチウムイオン二次電池は、電池缶が負極リードを介して負極材と接続されて負極を構成するとともに、電池蓋が正極リードを介して正極材と接続されて正極を構成する。
【0005】
リチウムイオン二次電池は、負極材がフィルム状の銅箔等からなる負極集電体の両面或いは片面に負極活物質が塗布されて形成され、正極材がフィルム状のアルミニウム箔等からなる正極集電体の両面或いは片面に正極活物質が塗布されて形成されてなる。
【0006】
リチウムイオン二次電池は、負極材100と正極材101及びセパレータ102、103が、図5に示した巻取工程により巻取ロール104の外周部上で重ね合わされて電池素子が形成される。すなわち、巻取工程には、所定幅に裁断された長尺の負極材100が負極材供給ロール105に巻回されて供給されるとともに、所定幅に裁断された長尺の正極材101が正極材供給ロール106に巻回されて供給される。巻取工程には、所定幅に裁断された長尺の第1のセパレータ102が第1の供給ロール107に巻回されて供給されるとともに、所定幅に裁断された長尺の第2のセパレータ103が第2の供給ロール108に巻回されて供給される。
【0007】
巻取工程においては、負極材供給ロール105から繰り出されて第1のガイドローラ109a乃至第5のガイドローラ109eに掛け合わされて走行される負極材100と、第1の供給ロール107から繰り出されてガイドローラ110に掛け合わされて走行される第1のセパレータ102とが、第1の重合せローラ111の外周部において重ね合わされて巻取ロール104へと導かれる。巻取工程においては、正極材供給ロール106から繰り出されて第1のガイドローラ112a乃至第4のガイドローラ112dに掛け合わされて走行される正極材101と、第2の供給ロール108から繰り出されてガイドローラ113に掛け合わされて走行される第2のセパレータ103とが、第2の重合せローラ114の外周部において重ね合わされて巻取ロール104へと導かれる。
【0008】
巻取工程においては、第1の重合せローラ111を介して導かれた負極材100と第1のセパレータ102及び第2の重合せローラ114を介して導かれた正極材101と第2のセパレータ103とが、巻取ロール104の外周部上に正極材101を内層側にして積層状態に重ね合わされながら巻き取られて電池素子を形成する。電池素子は、次工程において例えば渦巻き状に巻回されて電池缶の内部に収納される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、電池においては、電池素子の内部に混入した鉄やニッケル等の磁性金属不純物によって、電池特性が劣化するといった問題がある。このため、電池の製造工程においては、一般に電極活物質の材料となるカーボンや高分子材料等の材料粉体の処理工程中で、磁力選別装置を用いて磁性金属不純物を除去する処理が行われている。
【0010】
しかしながら、電池の製造工程においては、粉体処理工程を経た後に種々の工程が施されるとともに、磁力選別を施されない材料や部品が供給されて電池の製造が行われる。したがって、従来の電池の製造工程においては、工程全体で特性劣化をもたらす磁性金属不純物の混入を除去する根本的な問題解決が図られていなかった。
【0011】
リチウムイオン二次電池の製造工程においては、例えば一般的なシート材の搬送工程において用いられている回転ブラシ等によって表面に付着した異物を除去する工程を採用することも考慮される。しかしながら、かかるブラシ構造は、負極材100や正極材101の特性に大きな影響を与える虞があるとともに設備も大型化するばかりでなく充分な除去精度も得られない。
【0012】
したがって、本発明は、製造工程の全体において、取り扱われるシート状の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブを対象として簡易な装置と工程とにより磁性金属不純物を除去することにより特性の向上を図った電池を製造する電池製造装置及び製造方法を提供することを目的に提案されたものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上述した目的を達成する本発明にかかる電池の製造装置は、シート状の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブを外周部に走行させて搬送路を構成するガイドローラを備えてなる。電池の製造装置は、ガイドローラの少なくとも1個が、ウェブの幅よりも長軸とされた筒状のローラ本体と、このローラ本体の内部にウェブと非接触状態に保持されて設けられた磁気手段とからなる磁気ローラによって構成する。
【0014】
以上のように構成された本発明にかかる電池の製造装置によれば、供給部から繰り出されたウェブが搬送路中を走行される途中で適宜の処理が行われて次工程へと供給される。電池の製造装置によれば、ウェブが磁気ローラの外周部を走行されることにより、このウェブに付着した磁性金属不純物が走行路中で吸着除去される。したがって、電池の製造装置によれば、工程の新規編成や大規模な設備投資を不要として、磁性金属不純物の混入が低減されて特性向上を図った電池を歩留まりよく製造する。
【0015】
また、上述した目的を達成する本発明にかかる電池の製造方法は、供給部から繰り出されるシート状の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブが、ガイドローラの外周部に走行させて次工程へと搬送される。電池の製造方法においては、ガイドローラの少なくとも1個に、ウェブの幅よりも長軸とされた筒状のローラ本体と、このローラ本体の内部にウェブと非接触状態に保持されて設けられた磁気手段とからなる磁気ローラが用いられる。電池の製造方法においては、ウェブを磁気ローラの外周部に走行させることにより付着した磁性金属不純物を搬送路中で吸着除去する処理を行う。
【0016】
以上のように構成された本発明にかかる電池の製造方法によれば、供給部から繰り出されたウェブが搬送路中を走行される途中で適宜の処理が行われて次工程へと供給される。電池の製造方法によれば、ウェブに付着した磁性金属不純物を走行路中で吸着除去することから、工程の新規編成や大規模な設備投資を不要として、磁性金属不純物の混入が低減されて特性向上を図った電池を歩留まりよく製造することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して詳細に説明する。実施の形態として示したリチウムイオン二次電池の製造装置及び製造方法は、従来とほぼ同様にして、電極形成工程と電池形成工程とを経て例えば図4に示したリチウムイオン二次電池50を製造する。リチウムイオン二次電池50は、シート状の負極材51と正極材52とをそれぞれセパレータ53、54を介して詳細を後述する巻取ロール1上で重ね合わされるとともに渦巻き状に巻回して電池素子55を構成し、この電池素子55が絶縁材56を介して非水電解液とともに有底円筒形の電池缶57内に収納される。リチウムイオン二次電池50は、電池缶56の上端開口部に電池蓋58を封口ガスケット59を介してかしめ付けして電池素子55と非水電解液とを電池缶57内に密封する。
【0018】
リチウムイオン二次電池50は、電池缶57が負極リード60を介して負極材51と接続されて負極を構成するとともに、電池蓋58が正極リード61を介して正極材52と接続されて正極を構成する。リチウムイオン二次電池50は、正極リード61が電流遮断機能を有する安全弁機構62に溶接により固定され、この安全弁機構62を介して電池蓋58と接続されてなる。リチウムイオン二次電池50は、万一電池内部の圧力が異常に上昇するようなことがあった場合に安全弁機構62が押し上げられて変形することにより、正極リード61が溶接部位を残して切断されて電流の遮断が行われるようにする。
【0019】
リチウムイオン二次電池50は、負極材51がフィルム状の銅箔等からなる負極集電体の両面或いは片面に負極活物質が塗布されて形成され、正極材52がフィルム状のアルミニウム箔等からなる正極集電体の両面或いは片面に正極活物質が塗布されて形成されてなる。負極材51には、負極活物質として、例えばリチウムイオンをドープ・脱ドープ可能な炭素材料やポリアセチレン、ポリピロール等の高分子材料或いはSnO等の酸化物が用いられ、これにポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした負極塗料が用いられる。
【0020】
負極材51は、負極塗料を例えばドクターブレード法等により負極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して分散媒の残留有機溶媒を蒸発させ、さらにロールプレスによる加圧処理を施して負極活物質を負極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。負極材51は、スリッターにより所定幅に裁断されて詳細を後述する負極材供給リール2に巻き取られる。なお、負極材51は、電池の種類によって裁断幅と長さとを異にするが、例えば幅寸法が57.5mm、長さが575mmに形成される。
【0021】
正極材52には、正極活物質として、例えばLiMO(M:一種類以上の遷移金属、x:電池の放電状態により異にし、通常0.05以上1.10以下)で表される高電圧の発生或いはエネルギー密度に優れた特性を有するリチウム複合酸化物やその他の金属酸化物、金属硫化物が用いられる。正極材52は、この正極活物質にポリフッ化ビニリデン等の結合材を混合するとともにn−メチルピロドリン等の有機溶媒に分散してスラリー状とした正極塗料が用いられる。
【0022】
正極材52は、正極塗料を例えばドクターブレード法等によって正極集電体上に均一に塗布した後に、高温乾燥処理を施して有機溶媒を飛ばし、さらにロールプレスによる加圧処理を施して正極活物質を正極集電体上に高密度化して成膜形成してなる。正極材52は、スリッターにより所定幅に裁断されて詳細を後述する正極材供給リール3に巻き取られる。なお、正極材52は、電池の種類によって裁断幅と長さとを異にするが、例えば幅寸法が55.5mm、長さが524mmとされ、負極材51よりもやや小さく形成される。
【0023】
非水電解液には、電解質を有機溶媒中に溶解させた溶液が用いられる。有機溶媒としては、例えばプロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニレンカーボネート、γ−ブチロラクトン、スルホラン、1,2−ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチル−1,3−ジオキソラン、プロピオン酸メチル、酪酸メチル、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジプロピルカーボネート等が用いられる。有機溶媒は、これらのなかから1種類単独で、或いは2種類以上を混合して用いられる。電解質は、上述した有機溶媒に溶解可能でありかつイオン伝導性を有するリチウムイオン塩、例えばLiPF、LiClO、LiBF、LiCFSO或いはLiN(CFSO等が用いられる。
【0024】
セパレータ53、54は、それぞれが例えばPE(ポリエチレン)を素材として製膜時に内径が約1μm程度以下の微孔を多数個形成してなる。セパレータ53、54は、厚みが20μm乃至25μmのシート材を、スリッターにより幅が59.3mm、長さを753mmと負極材51や正極材52よりも大きな外形寸法に切断して詳細を後述する第1の供給リール4及び第2の供給リール5にそれぞれ巻き取られる。
【0025】
上述したリチウムイオン二次電池50においては、充電時には正極中のリチウムイオンが電解液を介して負極中に吸蔵され、放電時には負極中のリチウムイオンが電解液を介して正極中に吸蔵される電気化学的な可逆反応が生じる。リチウムイオン二次電池50は、このような負極材51と正極材52との間におけるリチウムイオンの往来により充放電が行われるようになる。
【0026】
リチウムイオン二次電池50においては、上述した負極材51と正極材52及びセパレータ53、54が、図1に示した巻取工程により巻取ロール1の外周部上で重ね合わされて電池素子55が形成される。すなわち、巻取工程には、裁断工程を経て負極材51が負極材供給ロール2に巻回されて供給されるとともに、裁断工程を経て正極材52が正極材供給ロール3に巻回されて供給される。巻取工程には、後述するように負極材51に重ね合わされる第1のセパレータ53が第1の供給ロール4に巻回されて供給されるとともに、負極材52に重ね合わされる第2のセパレータ54が第2の供給ロール5に巻回されて供給される。
【0027】
巻取工程においては、上述した従来の巻取工程と同様に、負極材供給ロール2から繰り出されて第1のガイドローラ6a乃至第5のガイドローラ6eに掛け合わされて走行される負極材51と、第1の供給ロール4から繰り出されてガイドローラ7に掛け合わされて走行される第1のセパレータ53とが、第1の重合せローラ8の外周部において重ね合わされて巻取ロール1へと導かれる。巻取工程においては、正極材供給ロール3から繰り出されて第1のガイドローラ9a乃至第4のガイドローラ9dに掛け合わされて走行される正極材52と、第2の供給ロール5から繰り出されてガイドローラ10に掛け合わされて走行される第2のセパレータ54とが、第2の重合せローラ11の外周部において重ね合わされて巻取ロール1へと導かれる。
【0028】
巻取工程においては、第1の重合せローラ8を介して導かれる負極材51と、第1のセパレータ53及び第2の重合せローラ11を介して導かれる正極材52及び第2のセパレータ54とが、正極材52を内層側にして巻取ロール1の外周部上に積層状態に重ね合わされながら巻き取られて電池素子55を形成する。電池素子55は、次工程において例えば渦巻き状に巻回されて電池缶57の内部に収納される。
【0029】
巻取工程においては、上述した負極材51、正極材52及びセパレータ53、54の各走行路内に、それぞれの表面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する磁気ローラ機構12a乃至12d(以下、代表して説明する場合には磁気ローラ機構12と称す。)が配設される。負極材磁気ローラ機構12aは、第5のガイドローラ6eと第1の重合せローラ8との間に、負極材51の走行路を挟んで走行方向に離間して配置された一対の磁気ローラ12a1、12a2から構成される。負極材磁気ローラ機構12aは、これら磁気ローラ12a1、12a2の外周部に負極材51がそれぞれの表裏面を摺擦走行することにより、この表裏面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する。
【0030】
正極材磁気ローラ機構12bは、第4のガイドローラ6dと第2の重合せローラ11との間に、正極材52の走行路を挟んで走行方向に離間して配置された一対の磁気ローラ12b1、12b2から構成される。正極材磁気ローラ機構12bは、これら磁気ローラ12b1、12b2の外周部に正極材52がそれぞれ表裏面を摺擦走行することにより、この表裏主面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する。
【0031】
第1のセパレータ磁気ローラ機構12cは、ガイドローラ7と第1の重合せローラ8との間に、第1のセパレータ53の走行路を挟んで走行方向に離間して配置された一対の磁気ローラ12c1、12c2から構成される。第1のセパレータ磁気ローラ機構12cは、これら磁気ローラ12c1、12c2の外周部に第1のセパレータ53がそれぞれの表裏面を摺擦走行することにより、この表裏主面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する。
【0032】
第2のセパレータ磁気ローラ機構12dは、ガイドローラ10と第2の重合せローラ11との間に、第2のセパレータ54の走行路を挟んで走行方向に離間して配置された一対の磁気ローラ12d1、12d2から構成される。第2のセパレータ磁気ローラ機構12dは、これら磁気ローラ12d1、12d2の外周部に第2のセパレータ54がそれぞれの表裏面を摺擦走行することにより、この表裏主面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する。
【0033】
巻取工程においては、上述したように巻取ローラ1の直前において、それぞれの走行路に配置した各磁気ローラ機構12によって負極材51と、正極材52及びセパレータ53、54の表裏主面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する。したがって、リチウムイオン二次電池50は、電極形成工程において正極材52の材料中に混入した磁性金属不純物が除去されるばかりでなく、工程途中で負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の表面に付着した磁性金属不純物も巻取工程で除去されて電池素子55が形成されることで、内部放電の発生が低減されて特性向上が図られる。
【0034】
なお、巻取工程においては、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の各走行路中に各ガイドローラに加えて磁気ローラ機構12がそれぞれ配置されている。巻取工程においては、各磁気ローラ機構12がそれぞれの走行路においてガイドローラの一部と置き換えられて配置されるように構成してもよいことは勿論である。
【0035】
各磁気ローラ機構12には、例えば図2に示した磁気ローラ20がそれぞれ用いられる。磁気ローラ20は、棒状或いは円筒状のマグネット21と、このマグネット21の外周部を被覆する非磁性材からなるチューブ22と、非磁性材からなりマグネット21の両端部をそれぞれ支持する一対のスリーブ23a、23bとから構成される。磁気ローラ20は、スリーブ23a、23bの外側面に支軸部24a、24bが一体に形成されるとともに、これら支軸部24a、24bにベアリング軸受24a、24bが組み付けられてなる。磁気ローラ20は、支軸部24a、24bに組み付けたベアリング軸受24a、24bが、走行路を構成する図示しない装置の対向側板に設けた軸孔に組み付けられることにより、対向側板間に回転自在に支架される。
【0036】
磁気ローラ20は、マグネット21に永久磁石或いは電磁石が用いられ、その長さが少なくとも負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の幅よりも長軸とされている。磁気ローラ20は、リチウムイオン二次電池50の仕様に応じた外形形状を以って形成されるが、上述した負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の形状に応じて全長が例えば75mm程度に形成されている。また、磁気ローラ20は、外径が巻取工程中における配置する位置により異にして形成されるが、例えば12mm程度に形成されている。
【0037】
マグネット21は、永久磁石を用いる場合に、例えばNe−Fe−B系磁石、Sm−Co系磁石、ネオジウム磁石、Fe−Al−Ni−Co系磁石或いは酸化物磁石等が用いられる。マグネット21は、単体で棒状或いは円筒状に成形されたものばかりでなく、例えば磁性粉末を支持テープの表面に付着させたマグネットテープを所定外径の筒状に巻回したものであってもよい。
【0038】
チューブ22は、マグネット21よりもやや長軸であり、例えばテフロン(登録商標)やビニール樹脂によって成形される。チューブ22は、マグネット21を被覆するが、磁気ローラ20の外周部を摺擦する負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54に対してマグネット21の磁力が充分に作用されるに足る厚みとともに、摩擦に対する機械的剛性が保持されて形成される。
【0039】
磁気ローラ20は、マグネット21に対してチューブ22が着脱自在に組み合わされる。磁気ローラ20は、詳細を省略するがスリーブ23a、23bの相対する内面に嵌合凸部が一体に形成され、これら嵌合凸部に軸孔が嵌合されることによってマグネット21が支持される。勿論、磁気ローラ20は、かかるマグネット21の支持構造に限定されるものではなく、一方のスリーブ23aに軸状の嵌合凸部を形成してマグネット21を軸装するとともに、この嵌合凸部の他端をスリーブ23bに支持するようにしてもよい。
【0040】
以上のように構成された磁気ローラ20は、チューブ22の外周部を負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54が摺擦走行するが、これらの走行に追従して円滑に回転動作する。磁気ローラ20は、チューブ22を介してマグネット21の磁力を外周部を摺擦走行する負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54に作用させることにより、これらの表面に付着した磁性金属不純物をチューブ22の外周部に吸着除去する。
【0041】
磁気ローラ20は、負極材51、正極材52及びセパレータ53、54の巻取ロール1への巻取り操作を終了するとマグネット21からチューブ22が取り外される。磁気ローラ20は、これによって磁性金属不純物がマグネット21からの磁力の作用を失うことで、チューブ22の外周部からの磁性金属不純物の回収が行われる。磁気ローラ20は、上述したようにチューブ22を介してマグネット21と負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54とが非接触状態に保持されることで、マグネット21から生じる摩耗粉等が負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54に付着することを防止する。
【0042】
磁気ローラ20は、マグネット21に対してチューブ22を着脱自在に組み合わせたことにより、磁性金属不純物の回収処理と清掃処理とが容易に行われるとともにより精度の高い磁性金属不純物の吸着除去作用が保持される。
【0043】
図3に第2の実施の形態として示した磁気ローラ30は、非磁性材によって円筒状に形成されたローラ体31と、このローラ体31の内部に収納されたマグネット32と、ローラ体31を回転自在に支持する図示しない軸受機構とから構成される。磁気ローラ30には、詳細を後述するようにローラ体31の外周部に位置してクリーニング部材33とダストカバー34とからなる磁性金属不純物の捕集機構が付設されている。
【0044】
ローラ体31は、例えばアルミニウム等の軽量金属材によって、外周部を、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54が摺擦走行しても変形や歪みが生じない機械的剛性を有するとともにマグネット32の磁力を外周面に及ぼすに足る厚みを以って形成されている。ローラ体31も、上述した負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の形状仕様に応じて75mm程度の全長を有し、また巻取工程中における配置位置により異にするが、例えば外径が12mm程度に形成されている。ローラ体31は、滑らかな外周面により形成され、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54に傷等を付けることなく摺擦走行させる。
【0045】
マグネット32も、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の幅よりもやや長軸とされるとともにローラ体31の曲率半径とほぼ等しい曲率半径を有する断面が半円弧状を呈する形状の永久磁石や電磁石が用いられる。マグネット32は、ローラ体31の外周部を摺擦走行する負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の巻付け角度よりやや大きめの領域に対向する幅(円弧の長さ)を有して形成されている。マグネット32も、永久磁石を用いる場合に、例えばNe−Fe−B系磁石、Sm−Co系磁石、ネオジウム磁石、Fe−Al−Ni−Co系磁石或いは酸化物磁石等が用いられ、6000ガウス以上、好ましくは10000ガウス程度の磁力を有している。
【0046】
マグネット32は、図示しない支持部材に取り付けられてローラ体31の内部空間に、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の走行領域に対向して配置される。マグネット32は、外周面と対向して回転動作するローラ体31の外周部の対向部位に対して磁力を作用させることにより、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の走行領域を磁化領域31aとする。したがって、磁気ローラ30は、ローラ体31の磁化領域31aを摺擦走行する負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の表面に付着した磁性金属不純物を吸着除去する。
【0047】
磁気ローラ30は、ローラ体31の外周部が、マグネット32との対向領域において磁化領域31aとなりマグネット32の配置位置と反対側に回転すると非磁化領域31bとなる。磁気ローラ30には、ローラ体31の非磁化領域31bに対向する外周部にクリーニング部材33が配置されるとともに、この非磁化領域31bを覆ってダストカバー34が配置される。磁気ローラ30は、磁化領域31aにおいて負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54の表面から磁性金属不純物をローラ体31の外周部に吸着除去するとともに、この外周部が非磁化領域31bへと回転移動することによりマグネット32の磁力による保持力が失われてダストカバー34内へと自然落下するようにする。
【0048】
磁気ローラ30は、自然落下しなかった磁性金属不純物が負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54に再付着することを防止するために、非磁化領域31bにおいてローラ体31の外周部から剥離除去するクリーニング部材33が付設される。クリーニング部材33は、ローラ体31の外周部を傷付けることなく全長に亘って摺擦することによって磁性金属不純物を拭い取るブラシ、フェルト等の布からなる。また、クリーニング部材33は、ローラ体31の外周部に対して微小間隔を以って対向配置され、磁性金属不純物を吸着するマグネットからなる。なお、捕集機構については、負極材51、正極材52或いはセパレータ53、54への再付着をより確実に抑制するために、ダストカバー34内から外部へと排出するバキューム機構或いは確実に吸着保持するマグネット等を付設するようにしてもよい。
【0049】
上述した工程を経て製造されたリチウムイオン二次電池50については、さらに内部に残留した磁性金属不純物の存在を検出装置を用いて確認するようにしてもよい。検査装置としては、例えば以下のように高周波誘導加熱処理を施すことにより非破壊検出を行う装置を用いてもよい。かかる検出装置は、負極材51や正極材52に高周波誘導加熱処理を施して残留した金属不純物のみを加熱昇温させ、高温部位を検出することで金属不純物の有無及びその存在箇所を特定する。検出装置は、いわゆる非破壊検査により、金属不純物の有無と存在箇所とを効率的かつ高精度に検出する。検出装置は、金属の加熱/溶解用に用いられる高周波電源と誘導加熱部とを備えた一般的な高周波誘導加熱装置を利用することから、設備投資の負担を強いることはなく操作も簡便である。
【0050】
また、検出装置は、高温部位の検出手段として、熱電対や発揮測温計等の接触型温度計や、放射温度計等の非接触型温度計或いはサーモグラフィーや赤外線カメラ等が用いられる。検出装置は、金属不純物の有無と存在箇所とを温度差により検出することから、外部ノイズの影響を受けることなくかつ高精度の検出を可能とする。
【0051】
次に、上述した検査装置を用いた具体的な検査の内容について説明する。対象となるリチウムイオン二次電池には、幅が200mm、厚さが30μmの銅箔表面に対して人造黒鉛97重量%、結着剤のPVdFが3重量%の混合物からなる負極活物質を100μmの厚みで塗布した後に、直径が約50μmの鉄粉とニッケル粉とをそれぞれ10個埋め込んでなる負極材を用いた。リチウムイオン二次電池には、幅が200mm、厚さが30μmのアルミニウム箔表面に対して、LiCoO95重量%、導電補助剤のアセチレンブラック2重量%、結着剤のとしてPVdF3重量%の混合物からなる正極活物質を100μmの厚みで塗布した後に、直径が約50μmの鉄粉とニッケル粉とをそれぞれ10個埋め込んでなる正極材を用いた。
【0052】
高周波誘導加熱には、直径が300mmの渦巻き形誘導コイルを有する高周波誘導加熱装置を用い、誘導コイルを負極材及び正極材に対して約50mm程度の間隔を以って対向配置して周波数200KHz、出力3KWの高周波出力を約20秒間照射して誘導加熱を行った。検査装置は、かかる誘導加熱を行った負極材及び正極材を、赤外線カメラで撮影して加熱された金属物から放射される赤外線を検出してモニタ確認を行うようにする。
【0053】
モニタには、この確認の結果、負極材及び正極材のいずれの赤外線画像にも、合計20個の輝点が表示された。また、負極材及び正極材からは、これら輝点の箇所から、予め埋め込んだ鉄粉とニッケル粉とが回収された。したがって、上述した検査装置は、負極材や正極材内に混入したり付着した金属不純物の有無及びその存在箇所とを正確に識別することを可能とする。
【0054】
ところで、かかる検査装置は、誘導加熱条件が周波数を低くするにしたがって電極材の厚み方向の加熱能力が向上することから、周波数条件を適宜設定することにより厚みを異にする各種の電極材についても適用可能である。また、検査装置は、高周波出力と照射時間とを適宜設定することにより金属不純物の温度が上がりすぎて電極材を破損させるといった不都合の発生を防止する。
【0055】
検査装置は、電極材と高周波誘導加熱装置とをある位置において互いに静止した状態で検査を実施する構成に限定されるものでは無い。検査装置は、例えば静止設置した高周波誘導加熱装置に対して電極材を走行させながら検査を行うように構成したり、電極材に対して高周波誘導加熱装置を移動させながら誘導加熱を行うように構成してもよい。
【0056】
上述した実施の形態においては、リチウムイオン二次電池50を対象として負極材51と正極材52及びセパレータ53、54を巻取ロール1に重ね合わせて電池素子55を形成する工程の適用例を示したが、本発明はかかる実施の形態に限定されるものでは無いことは勿論である。本発明は、リチウムイオン二次電池50ばかりでなく他の電池の製造にも広く適用可能である。
【0057】
電池の製造工程においては、上述した負極材51と正極材52及びセパレータ53、54ばかりでなく、シート状或いはフィルム状のウェブとして、例えば負極集電体として用いられる銅箔や正極集電体として用いられるアルミ箔或いは負極リード60や正極リード61、絶縁インシュレータ等の素材や部品等もガイドローラを介して搬送されるウェブとして取り扱われる。したがって、本発明においては、このような種々のウェブについても上述した各磁気ローラを用いて、同様に磁性金属不純物の除去が行われる。
【0058】
【実施例】
上述した磁気ローラ30を備える巻取工程を有する製造工程によって製造した実施例リチウムイオン二次電池50と、材料粉体に対して磁気選別を行った電極材の製造工程とによって製造したリチウムイオン二次電池とについて以下により内部放電特性の評価を行った。
【0059】
(負極材の作製)
不活性ガス雰囲気中で焼成した後、平均粒径20μmに粉砕した炭素材料90重量部に対して、結着剤として10重量部のポリフッ化ビニリデンを混合し、この混合物をn−メチル−2−ピロドリンに分散させて負極活物質スラリーを作製した。この負極活物質スラリーを、圧延によって製造された厚さが約15μmの銅箔からなる負極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥させた後にローラプレス機によってプレスして帯状としてコアに巻き取って負極材を作製した。なお、負極材は、磁気選別を行って磁性金属不純物を除去した各材料を用いて作製した。
【0060】
(正極材の作製)
LiCoO91重量部に対して、導電補助剤として6重量部の黒鉛粉末と、結着剤として3重量部のポリフッ化ビニリデンとを混合し、この混合物をn−メチル−2−ピロドリンに分散させて正極活物質スラリーを作製した。この正極活物質スラリーを、圧延によって製造された厚さが約20μmのアルミニウム箔からなる正極集電体の両面に均一に塗布し、乾燥させた後にローラプレス機によってプレスして帯状としてコアに巻き取って正極材を作製した。なお、正極材は、磁気選別を行って磁性金属不純物を除去した各材料を用いて作製した。
【0061】
(磁気ローラの構成)
負極材、正極材或いはセパレータの各走行路を挟んで一対が配置され、表裏主面に付着した磁性金属不純物を一括して吸着除去するようにした。アルミニウム製のローラ本体の内部に約10000ガウスのマグネットを固定配置し、フェルトのクリーニング部材を用いるとともにダストカバー内にバキューム掃除機を設置した。
【0062】
(正極材への磁性金属不純物の実験的付着)
上述した正極材を巻取機に設置して巻直し操作を行いながら、電池1個当たり2個の鉄粉を付着させた。なお、鉄粉の付着処理を行った正極材を1000個分作製するとともに、鉄粉の付着処理を行わなかった正極材を500個分作製して正極材Aとした。
【0063】
(正極材の磁性金属不純物の除去処理)
鉄粉の付着処理を行った1000個の正極材について、内500個について上述した磁気ローラによる鉄粉の吸着除去処理を行いながら、再度巻直し処理を施して処理済み正極材Bとした。また、残りの500個の正極材については鉄粉が付着した状態のままとして非処理正極材Cとした。
【0064】
(電池の作製)
上述したそれぞれ500個の正極材A、処理済み正極材B及び非処理正極材Cを用いて、負極材と厚さが25μmの微多孔性ポリプロピレンフィルムからなるセパレータとに対して、負極材−セパレータ−正極材−セパレータの順に重ね合わせて円筒状に巻き込んで渦巻き形電池素子A、電池素子B及び電池素子Cを作製した。さらに、これら電池素子A、電池素子B及び電池素子Cに対してそれぞれ上下に絶縁板を配置した状態で、ニッケルめっきを施した電池缶内にそれぞれ収納した。電池素子A、電池素子B及び電池素子Cの各正極材からアルミニウム製の正極リードを導出させるとともにこれを電池蓋の安全弁に溶接し、各負極材からニッケル製の負極リードを導出させるとともにこれを電池缶の底部にそれぞれ溶接した。各電池缶の内部に、エチレンカーボネートとジメチルカーボネートとを体積比1:1で混合した非水溶媒にLiPFを1モル/リットルの割合で溶解させた非水電解液を注入した。各電池缶の開口部に封口ガスケットを介して電池蓋をかしめ付けして内部を密封してなるそれぞれ直径18mm、高さ65mmの電池A、電池B及び電池Cを作製した。
【0065】
(内部放電特性の評価)
上述した各500個の電池A、電池B及び電池Cについて、それぞれ4.2Vに充電して常温で30日間無負荷状態で放置した後に、電圧変化を測定して評価を行った。評価は、電圧電池が4.15V以下となったものについて、内部放電増大不良と判定してその個数をカウントした。
【0066】
(評価結果)
電池A、電池B及び電池Cの不良個数は、
電池A:22個/500個
電池B:0個/500個
電池C:498個/500個
であった。
【0067】
(評価)
電池Cは、鉄粉が混入したままの電池素子Cが用いられており、ほぼ全数において内部放電増大不良が発生した。電池Aは、材料段階で磁性選別の処理が行われたにもかかわらず、実験室レベルの環境下において製作されたことによってなおも22個の内部放電増大不良が発生した。電池Aは、正極材ばかりでなく負極材或いはセパレータが巻取工程等を経ることによりそれぞれの表面等に磁性金属不純物が付着し、これによって内部放電増大不良が発生したものである。
【0068】
一方、電池Bは、内部放電増大不良の発生個数が0個であった。電池Bは、材料段階で磁性選別の処理を行うとともに巻取工程においても巻取ロールの前段で磁気ローラによる磁気選別が行われて磁性金属不純物が確実に除去されたことにより、この磁性金属不純物に起因する内部放電増大不良の発生が低減される。
【0069】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、供給部から繰り出されたウェブの搬送路を構成する走行ガイドローラに磁気ローラを設け、この磁気ローラの外周部をウェブが走行される際に付着した磁性金属不純物を吸着除去するようにしたことから、工程の新規編成や大規模な設備投資を不要として、磁性金属不純物の混入が低減されて特性向上を図った電池が歩留まりよく製造される。
【図面の簡単な説明】
【図1】電池の製造工程における電極材巻取工程の概要説明図である。
【図2】同電極材巻取工程に用いられる磁気ローラの斜視図である。
【図3】他の磁気ローラの一部切欠き要部斜視図である。
【図4】リチウムイオン二次電池の一部切欠き要部斜視図である。
【図5】従来の電池の製造工程における電極材巻取工程の概要説明図である。
【符号の説明】
1 巻取ロール、2 負極材供給ロール、3 正極材供給ロール、4,5 セパレータの供給ロール、6,7,9,10 ガイドローラ、8,11 重合せローラ、12 磁気ローラ機構、20 磁気ローラ、21 マグネット、22 チューブ、30 磁気ローラ、31 ローラ本体、32 マグネット、33 クリーニング部材、50 リチウムイオン二次電池、51 負極材、52 正極材、53,54 セパレータ、55 電池素子

Claims (10)

  1. シート状の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブを外周部に掛け合わせて走行させることによって搬送路を構成するガイドローラを備える電池の製造装置において、
    上記ガイドローラの少なくとも1個が、上記ウェブの幅よりも長軸とされた筒状のローラ本体と、このローラ本体の内部に上記ウェブと非接触状態に保持されて設けられた磁気手段とからなる磁気ローラであり、
    上記磁気ローラの外周部を走行する上記ウェブに付着した磁性金属不純物を走行路中で吸着除去することを特徴とする電池の製造装置。
  2. 上記磁気ローラが、それぞれの供給部から繰り出されるフィルム状集電体に電極活物質が塗布されて所定幅に裁断されたシート状の負極材及び正極材とシート状のセパレータとを重ね合わせて電池素子を形成する巻取ロールの前段に配置されるそれぞれの走行ガイドローラに用いられ、
    上記各磁気ローラの外周部に上記負極材及び正極材とセパレータとを走行させることにより、付着した上記磁性金属不純物を上記各巻取ロールの前段で吸着除去することを特徴とする請求項1に記載の電池の製造装置。
  3. 上記磁気ローラが、上記磁性手段と、この磁性手段の外周部を全周に亘って被覆する非磁性材からなるチューブと、支軸部とから構成され、
    上記ウェブを、上記チューブを介して上記磁気手段に対して非接触状態に保持して上記ローラ本体の外周部に摺擦走行させて付着した上記磁性金属不純物を吸着除去することを特徴とする請求項1に記載の電池の製造装置。
  4. 上記磁気ローラが、上記チューブを上記磁気手段に対して着脱自在とすることを特徴とする請求項3に記載の電池の製造装置。
  5. 上記磁気ローラが、非磁性材により形成され外周部を上記ウェブが摺擦走行する円筒状ローラ体と、このローラ体の内部に設けられその曲率半径とほぼ等しい曲率半径を有する断面が略半円弧状を呈する上記磁気手段とから構成され、
    上記ウェブを、上記ローラ体の外周部の上記磁気手段が対向配置されることによって磁化された領域に摺擦走行させて付着した上記磁性金属不純物を吸着除去することを特徴とする請求項1に記載の電池の製造装置。
  6. 上記磁気ローラの上記磁気手段が配置されていない非磁化領域に対向して、上記磁化領域において上記ウェブから吸着除去して上記各ローラ体の外周部に付着した上記磁性金属不純物を除去回収するクリーニング手段が設けられていることを特徴とする請求項5に記載の非水電解液電池の製造装置。
  7. シート状の電池部品や中間体、セパレータ或いは素材からなるウェブが、ガイドローラの外周部に掛け合わされて搬送される電池の製造方法において、
    上記ガイドローラの少なくとも1個に、上記ウェブの幅よりも長軸とされた筒状のローラ本体と、このローラ本体の内部に上記ウェブと非接触状態に保持されて設けられた磁気手段とからなる磁気ローラが用いられ、
    上記磁気ローラの外周部を走行する上記ウェブに付着した磁性金属不純物を搬送途中で吸着除去することを特徴とする電池の製造方法。
  8. 上記磁気ローラを、それぞれの供給部から繰り出されるフィルム状集電体に電極活物質が塗布されて所定幅に裁断されたシート状の負極材及び正極材とシート状のセパレータとを重ね合わせて電池素子を形成する巻取ロールの前段に配置されるそれぞれの走行ガイドローラに用いて、
    上記各磁気ローラの外周部に上記負極材及び正極材とセパレータとを走行させることにより、付着した上記磁性金属不純物を上記各巻取ロールの前段で吸着除去して電池素子を形成することを特徴とする請求項7に記載の電池の製造方法。
  9. 上記磁性手段と、この磁性手段の外周部を全周に亘って被覆するとともに着脱自在な非磁性材からなるチューブと、支軸部とから構成された上記各磁気ローラが用いられ、
    上記ウェブをそれぞれ上記チューブを介して上記磁気手段と非接触状態に保持して摺擦走行させて上記磁性金属不純物を吸着除去するとともに、上記磁気手段に対して上記チューブを取り外してその外周部に付着した上記磁性金属不純物の回収を行うことを特徴とする請求項7に記載の非水電解液電池の製造方法。
  10. 非磁性材により形成された円筒状ローラ体と、このローラ体の内部に設けられその曲率半径とほぼ等しい曲率半径を有する断面が半円弧状を呈する上記磁気手段とから構成された上記各磁気ローラが用いられ、
    上記ウェブを、上記磁気手段の配置領域に対向する上記ローラ体の外周領域に摺擦走行させて付着した上記磁性金属不純物を吸着除去するとともに、上記磁気手段の非配置領域に対向する上記ローラ体の非磁化領域に配置したクリーニング手段により吸着除去した上記磁性金属不純物を除去回収することを特徴とする請求項7に記載の非水電解液電池の製造方法。
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