JP2004170562A - 斜めpcコネクタのフェルール及びその研磨方法並びに端面研磨装置 - Google Patents

斜めpcコネクタのフェルール及びその研磨方法並びに端面研磨装置 Download PDF

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Koji Minami
浩二 皆見
Junji Taira
淳司 平
Akira Nagase
亮 長瀬
秀一 ▲柳▼
Shuichi Yanagi
Osamu Murata
治 村田
Yasuyo Miyake
泰世 三宅
Yuji Shinagawa
雄二 品川
Masaji Suwabe
正次 諏訪部
Hidekazu Onouchi
英和 尾之内
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Abstract

【課題】先端面を高精度に研磨することができると共に低挿入損失及び高反射減衰量を実現することができる斜めPCコネクタのフェルール及びその製造方法並びに端面研磨装置を提供する。
【解決手段】光ファイバ1の斜め研磨端面同士を接続する斜めPCコネクタに用いられて、前記光ファイバ1を保持すると共に先端面23が光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成されたフェルール用筒状体20及び該フェルール用筒状体20の後端部に嵌合するつば部材30からなる斜めPCコネクタのフェルール10において、前記フェルール用筒状体20の先端面23を前記光ファイバ1の近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径が2mm以上大きい凸面状で形成すると共に前記光ファイバ1の中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量を小さくする。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光ファイバの斜め研磨端面同士を接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルール及びその製造方法並びに端面研磨装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
光通信等において用いられる光コネクタでは、コネクタ接続部における接続損失の低減及び反射戻り光の低減を目的として、フェルールに保持された光ファイバの端面をフェルール端面と共に光ファイバの軸に垂直な面に対して斜めに、且つ凸球面に研磨した「斜めPC(Physical Contact)コネクタ」が用いられる。
【0003】
ここで、従来の斜めPCコネクタに用いられるフェルールについて説明する。
【0004】
図12は、従来技術に係るフェルールの斜視図及び平面図である。
【0005】
図12に示すように、斜めPCコネクタに用いられるフェルール210は、先端に円筒形状を有するフェルール用筒状体220と、フェルール用筒状体220の後端部に嵌合するつば部材230とからなり、つば部材230には、フェルール用筒状体210側の外周に円周方向に亘って半径方向に突出したつば部233が設けられている。このつば部233は、半径方向の断面が略矩形状に形成されており、フェルール210が斜めPCコネクタのプラグフレームに保持された際にプラグフレーム内に設けられたつば部233と同等の形状で形成された係合孔と係合してフェルール210の中心軸回りの回転方向の移動を規制している。
【0006】
このようなフェルール210は、プラグフレーム内に保持されて光コネクタアダプタ等により、フェルール用筒状体220の先端面223同士を当接させた対向接続を行うことにより、低挿入損失及び高反射減衰量の光接続を行うことができる。
【0007】
このような斜めPCコネクタ用のフェルール210は、端面研磨装置によってその先端面223を光ファイバ軸に垂直な面に対して傾斜した凸球面状に形成することができる。そして、先端面223の曲率半径は、端面全体でほぼ一定の値であった。
【0008】
この端面研磨装置は、回転及び揺動する定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、治具盤に斜めPCコネクタの後端部側が研磨部材の研磨面に垂直な方向に対して定盤の回転中心に向かって傾斜するように保持させて、斜めPCコネクタのフェルール210の先端面を研磨部材に押圧して研磨することで形成することができる(例えば、特許文献1参照。)。
【0009】
【特許文献1】
特開平8−112745号公報(第3頁、第1図)
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このように形成された斜めPCコネクタ用のフェルールは、対向接続させた際に、挿入損失を低減すると共に反射減衰量を高めるために、フェルール用筒状体の中心と、フェルール用筒状体の凸球面状の先端面の角度基準面に対しての曲率頂点までの距離で示される球面偏心量を50μm以下となるように形成しなくてはならず、高精度に形成するのは困難であるという問題がある。球面偏心量は、JIC C 5963:2001の光ファイバコード付き光コネクタ通則の6.2.4斜めPC研磨の端面形状及び寸法に、フェルールの中心と、角度基準面に対しての曲率頂点との距離として定義されている。この他、IEC61754−4 AMENDMENT 1に基準が定められている。ここで、斜め研磨角度は8°、9°、12°がある。
【0011】
特に、上述した従来のMU型、LC型等の斜めPCコネクタに用いられる1.25mmと小径のフェルール用筒状体の研磨では、従来の端面研磨装置の定盤上に設けられた弾性部材の硬度や研磨部材の反りの影響から球面偏心量を所定範囲内に抑えることが困難であるという問題がある。
【0012】
本発明はこのような事情に鑑み、先端面を高精度に研磨することができると共に低挿入損失及び高反射減衰量を実現することができる斜めPCコネクタのフェルール及びその製造方法並びに端面研磨装置を提供することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決する本発明の第1の態様は、光ファイバの斜め研磨端面同士を接続する斜めPCコネクタに用いられて、前記光ファイバを保持すると共に先端面が光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成されたフェルール用筒状体及び該フェルール用筒状体の後端部に嵌合するつば部材からなる斜めPCコネクタのフェルールにおいて、前記フェルール用筒状体の先端面が、前記光ファイバ近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径が2mm以上大きい凸面状であると共に前記光ファイバの中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量が小さいことを特徴とする斜めPCコネクタのフェルールにある。
【0014】
本発明の第2の態様は、第1の態様において、前記フェルール用筒状体の凸面状の曲率半径が5.0mm〜12mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルールにある。
【0015】
本発明の第3の態様は、第1又は2の態様において、前記先端面の球面偏心量が50μm以下であることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルールにある。
【0016】
本発明の第4の態様は、第3の態様において、前記先端面のが30μm以下であることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルールにある。
【0017】
本発明の第5の態様は、第1〜4の何れかの態様において、前記フェルール用筒状体の外径が1.25mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルールにある。
【0018】
本発明の第6の態様は、第5の態様において、前記斜めPCコネクタがMU型又はLC型であることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルールにある。
【0019】
本発明の第7の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨端面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端に外径が0.3mm〜0.9mmの先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体の後端部側を研磨部材の研磨面に垂直な方向に対して当該研磨部材の回転中心から周縁部側に向かって傾斜するように、前記フェルール用筒状体の先端面を当該研磨部材に当接させて研磨する工程とを具備することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0020】
本発明の第8の態様は、第7の態様において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、当該フェルール用筒状体の先端面の縁部に光ファイバ軸に対する傾斜角度が32.5°〜45°の面取り部を設けることで形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0021】
本発明の第9の態様は、第7又は8の態様において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.55〜0.7mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0022】
本発明の第10の態様は、第7の態様において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、当該フェルール用筒状体の先端部に先端面の外径と同等の小径の筒状部を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0023】
本発明の第11の態様は、第10の態様において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.4〜0.9mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0024】
本発明の第12の態様は、第10又は11の態様において、前記フェルール用筒状体の先端面を研磨する工程では、前記研磨部材の研磨面を回転中心から周縁部側に向かって前記フェルール用筒状体の傾斜方向と同じ方向に傾斜させて行うことを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0025】
本発明の第13の態様は、第7〜12の何れかの態様において、前記弾性部材の硬度が70〜97Hsであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0026】
本発明の第14の態様は、第7〜13の何れかの態様において、前記弾性部材の厚みが1mm〜5mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法にある。
【0027】
本発明の第15の態様は、装置本体に支持されて回転及び揺動する定盤上に設置された弾性部材上に設けられた研磨部材に、治具盤に装着された棒状部材を押圧して研磨する端面研磨装置において、前記治具が前記棒状部材の後端部側を前記研磨部材の研磨面に垂直な方向に対して当該研磨部材の回転中心から周縁部側に向かって所定量傾斜させて保持すると共に前記弾性部材の硬度が70〜97Hsであることを特徴とする端面研磨装置にある。
【0028】
本発明の第16の態様は、第15の態様において、記研磨部材の研磨面が回転中心から周縁部側に向かって前記棒状部材の傾斜方向と同じ方向に傾斜した円周形状を有することを特徴とする端面研磨装置にある。
【0029】
本発明の第17の態様は、第15又は16の態様において、前記棒状部材が斜めPCコネクタ又は当該斜めPCコネクタ用のフェルールであることを特徴とする端面研磨装置にある。
【0030】
本発明の第18の態様は、第15〜17の何れかの態様において、前記弾性部材がゴム部材からなることを特徴とする端面研磨装置にある。
【0031】
本発明の第19の態様は、第15〜18の何れかの態様のおいて、前記弾性部材の厚みが1mm〜5mmであることを特徴とする端面研磨装置にある。
【0032】
かかる本発明では、フェルールの先端面を所定の形状とすることで、先端面を高精度に形成することができると共に低挿入損失及び高反射減衰量を実現することができる。
【0033】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
【0034】
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態1に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。
【0035】
図1に示すように、本実施形態のフェルール10は、外径が1.25mmで形成されたフェルール用筒状体20と、フェルール用筒状体20の一端部に嵌合されたつば部材30とを具備する。
【0036】
フェルール用筒状体20は、円筒形状を有し、その内部には軸方向に貫通して光ファイバ1を挿入保持する光ファイバ挿入孔21が設けられている。また、この光ファイバ挿入孔21の後端部には、内径が開口側に向かって漸大するテーパ部22が設けられている。このようなテーパ部22を設けることによって、光ファイバ挿入孔21に光ファイバ1を挿入した際に光ファイバ1の先端がフェルール用筒状体20の端面に接触することで欠けたり、折れるのを防止することができる。
【0037】
このようなフェルール用筒状体20としては、例えば、ジルコニア等のセラミック材料、プラスチック材料及び結晶化ガラス、ホウケイ酸ガラス、石英等のガラス材料を揚げることができる。
【0038】
また、このフェルール用筒状体20の先端面23は、光ファイバ1の先端面と共に光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状、本実施形態では、凸球面に近似した非球面で形成されている。
【0039】
この先端面23は、光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径が2mm以上大きくなるように形成されており、この光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径及び傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径は所定の範囲、本実施形態では、5mm〜12mmとなるように形成されている。
【0040】
さらに、フェルール用筒状体20の凸面状に形成された先端面23は、光ファイバ1の中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して、傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量が小さくなるように形成されている。
【0041】
このような凸面状に形成されたフェルール用筒状体20の先端面23は、凸面状の先端面23同士を当接させて対向接続させた際に、例えば、0.2dB以下の低挿入損失で、且つ60dB以上の超高反射減衰量という仕様を実現するため、凸面状に形成された先端面23の曲率頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以下、好ましくは、30μm以下となるように形成されている。すなわち、曲面偏心量を50μm以下、好ましくは30μmとした。
【0042】
また、このようなフェルール用筒状体20の先端縁部には、円周方向に亘って光ファイバ軸に対して所定の傾斜角度、本実施形態では、32.5°〜45°の面取り部24が設けられている。
【0043】
ここで、本実施形態のフェルール用筒状体20の先端面23の測定結果を図2に示す。なお、図2は、フェルール用筒状体の先端面の光ファイバ近傍の中心領域から傾斜方向の距離と曲率半径との関係を示すグラフである。
【0044】
図2に示すように、本実施形態のフェルール用筒状体20の先端面23は、光ファイバ1の先端面の中心を基準として傾斜方向突出側の縁部までの距離が0.35mm、傾斜方向他方面側の縁部までの距離が0.40mmとなっている。
【0045】
この先端面23の曲率半径は、光ファイバ1近傍の中心領域では、約5.5mmであるのに対して、傾斜方向突出側の周縁部近傍の領域では約8.0mmとなっている。また、傾斜方向他方側の周縁部近傍の領域では、曲率半径が約8.0mmと傾斜方向突出側と略同等の曲率半径となっているが、傾斜方向突出側の縁部までの距離と比較して傾斜方向他方側の縁部までの距離の方が短いため、基準となる光ファイバ1の先端面の中心から突出側縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量の方が中心から他方側縁部までに比べて小さいことが分かる。このような先端面23は、後述する端面研磨装置及び端面研磨方法によって容易に且つ高精度に形成することができる。
【0046】
一方、つば部材30は、フェルール用筒状体20の一端部を嵌合させる嵌合孔31と、光ファイバ1の外周に被覆を施した光ファイバ心線2を挿入保持する光ファイバ心線挿入孔32と、嵌合孔31の外周側に円周方向に亘って所定量突出するように設けられたつば部33とを具備する。
【0047】
つば部33は、半径方向の断面が略矩形状となるように形成されており、このつば部33によって、詳しくは後述するが、フェルール10が斜めPCコネクタのプラグフレームに保持された際に中心軸回りの回転方向の移動が所定角度に規制された状態で保持されるようになっている。
【0048】
このようなフェルール10は、例えば、MU型等の斜めPCコネクタに搭載されて光コネクタアダプタ等で対向接続することができる。
【0049】
ここで、斜めPCコネクタについて説明する。図3は、斜めPCコネクタの分解斜視図であり、図4は、斜めPCコネクタの分解平面図及び組立断面図である。
【0050】
図示するように、本実施形態の斜めPCコネクタ40は、光コネクタアダプタに嵌合するプラグハウジング50と、プラグハウジング50内に嵌合すると共に後端部側からフェルール10が挿入されるプラグフレーム60と、先端部がプラグフレーム60の後端部と係合するストップリング70と、フェルール10とストップリング70との間に保持されてフェルール10を軸方向先端側に向かって付勢する付勢ばね80とを具備する。
【0051】
図4に示すように、プラグフレーム60は、長手方向に亘って貫通したフェルール挿入孔61を有し、断面が略矩形の例えば、プラスチック材料で形成されている。このフェルール挿入孔61には、フェルール用筒状体20の外径よりも若干大きな内径を有し、フェルール用筒状体20のみが突出可能な突出孔62が形成された突出用フランジ部63が設けられている。
【0052】
また、フェルール挿入孔61には、突出用フランジ部63に隣接してつば部33に係合することによりフェルール10の中心軸回りの回転方向の移動を所定範囲内に規制する係合孔64が設けられている。本実施形態では、つば部33の断面が矩形状に形成されているため、係合孔64を半径方向の断面がつば部33よりも若干大きな矩形状とした。
【0053】
このような係合孔64は、軸方向に亘って縦及び横の開口幅が所定の幅で設けられており、これによりつば部33と係合孔64との間に所定のクリアランスを形成して、フェルール10の中心軸回りの回転角度が所定範囲となるようにしている。
【0054】
これは、フェルール用筒状体20の先端面23の球面頂上が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以下となるようにしたが、フェルール10を斜めPCコネクタ40に搭載してフェルール10の端面同士を対向接続させた際にフェルール10がプラグフレーム60に対して中心軸回りに所定角度以上回転すると、フェルール用筒状体20の先端面23の頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以上ずれた状態と同じ状態となってしまい、低挿入損失及び高反射減衰量を実現できない。このため、所望の挿入損失及び反射減衰量となるフェルール10の回転角度となるように、プラグフレーム60の係合孔64とつば部33とのクリアランスを適宜設定する必要がある。
【0055】
また、プラグフレーム60には、フェルール挿入孔61と連通して外周に開口する係止孔65が2つ形成されており、この係止孔65には、ストップリング70の先端部に設けられた係止部75が係止されるようになっている。
【0056】
また、ストップリング70は、つば部33の後端部が挿入可能な軸方向に貫通した貫通孔71を有する円筒形状で形成された、例えば、ステンレス、黄銅等の金属やプラスチック材料からなる。
【0057】
この貫通孔71は、先端部側に付勢ばね80を挿入可能な大径部72と、後端部側につば部材30の後端部が挿入可能な小径部73とで構成されており、大径部72と小径部73との内径差による段差部74に付勢ばね80の一端が当接するようになっている。
【0058】
なお、付勢ばね80の他端は、つば部33の後端部側端面に当接してつば部材30はストップリング70に対して軸方向前方側に付勢されるようになっている。
【0059】
また、ストップリング70の先端側外周には、ストップリング70をプラグフレーム60のフェルール挿入孔61に挿入した際に、係止孔65内に突出する係止部75が設けられている。この係止部75は、先端に向かって突出量が漸小するテーパ形状で形成されており、係止部75は、フェルール挿入孔61内にプラグフレーム60の後端部を押し広げながら進入して係止孔65に係止されるようになっている。
【0060】
このように構成されたプラグフレーム60にフェルール10を保持させるには、プラグフレーム60のフェルール挿入孔61に光ファイバ1を保持したフェルール10を挿入し、予め光ファイバ心線2に挿入した付勢ばね80及びストップリング70を順次挿入することで、ストップリング70の係止部75をプラグフレーム60の係止孔65に係止する。これにより、ストップリング70がプラグフレーム60に固定される。このとき、フェルール10のつば部33の先端面がプラグフレーム60の突出用フランジ部63に当接することで、フェルール10は先端側への移動が規制された状態で突出孔62から先端部を所定量突き出して軸方向前方側に付勢保持される。
【0061】
また、このように組み立てられたプラグフレーム60の外周には、プラグハウジング50と係合する係合凸部66が2つ設けられており、これら係合凸部66がプラグハウジング50の係合凹部51と係合することでプラグハウジング50内にプラグフレーム50が軸方向の所定範囲に移動自在に保持されて斜めPCコネクタ40が構成されている。
【0062】
また、このようなフェルール10は、例えば、フェルール用筒状体20の先端面を光ファイバ1の軸に垂直な面で形成して斜めPCコネクタ40に搭載し、端面研磨装置によって凸面状の先端面23を研磨により形成することができる。もちろん、フェルール10を単体で研磨することもできる。
【0063】
ここで、本実施形態の端面研磨装置について説明する。なお、図5は、端面研磨装置の概略断面図である。
【0064】
図5に示すように、自転用モータ91の回転軸には第1自転伝達盤92の中心部が固結され、この第1自転伝達盤92には回転中心を支点とする同心円上に複数の第1連結ピン93が固定されている。そして、この各第1連結ピン93は対応する各回転伝達盤94の偏心部に回転自在に連結され、この各回転伝達盤94には偏心部に第2連結ピン95が固定されている。各第2連結ピン95は第2自転伝達盤96に回転自在に連結されている。
【0065】
一方、公転用モータ97の回転軸には駆動歯車98の中心部が固結され、この駆動歯車98には従動歯車99がかみ合っている。この従動歯車99は公転伝達軸100の下部外周に固結され、この公転伝達軸100の上部外周には装置本体101の軸受筒部102が嵌合している。そして、この公転伝達軸100には回転中心より所定量偏心した位置に自転用回転軸103が回転自在に嵌入し、この自転用回転軸103の下端部は第2自転伝達盤96の中心部に固結されている。
【0066】
また、自転用回転軸103の上端部は結合部材104を介して定盤105に結合されている。そして、この定盤105の上面部には、研磨面が平面状に設けられた研磨部材106を有する弾性部材107が設けられている。
【0067】
この弾性部材107に用いる材料としては、硬度が70〜97Hsであれば特に限定されず、例えば、ゴム、エラストマ、樹脂等を挙げることができる。このように、弾性部材107を所定の硬度とすることで、フェルール用筒状体20の研磨前の先端面を研磨部材106に当接させた際に、フェルール用筒状体20の沈み込み量と研磨部材106の反り量とを制御して、フェルール用筒状体20に凸面状の先端面23を容易に且つ高精度に形成することができる。ここで弾性部材107の厚みは1mm〜5mmが使用可能であり、特に2mm〜3mmが好ましい。
【0068】
また、弾性部材107上に設けられた研磨部材106としては、例えば、ダイヤモンド、酸化シリコン、酸化セリウム、炭化ケイ素等からなる砥粒を有する研磨シートや研磨砥石等を挙げることができる。
【0069】
一方、装置本体101には、支持機構110によって複数のフェルール10又はフェルール10を保持した斜めPCコネクタ40などの棒状部材が固定された治具盤120が支持されている。
【0070】
ここで、支持機構110及び治具盤120について詳しく説明する。
【0071】
図6は、治具盤の斜視図及び側面図であり、図7は、治具盤の上面図であり、図8(a)は、図7の治具盤のA−A′断面図、(b)は支持機構110と図7の治具盤のB−B′面の要部断面図である。
【0072】
図示するように、治具盤120は、本実施形態では、フェルール10を保持した斜めPCコネクタ40を保持するものであり、周縁部に円周方向に亘って複数の凹部131が設けられた治具盤本体130と、各凹部131に対応して設けられた複数の保持部材140とを具備する。
【0073】
治具盤本体130は、円盤形状を有し、周縁部近傍に円周方向に亘って複数の凹部131が設けられている。この凹部131は、フェルール用筒状体20を保持した斜めPCコネクタ40の先端部を嵌合させて凹部131と保持部材140との間で斜めPCコネクタ40を保持する。
【0074】
この凹部131の底面には、フェルール用筒状体20の先端部に嵌合する円筒形状を有する筒状体132が設けられている。この筒状体132は、治具盤本体130の厚さ方向に貫通して凹部131と保持部材140との間で保持された斜めPCコネクタ40のフェルール用筒状体20の先端部のみを治具盤本体130の底面から突出させるようになっている。
【0075】
また、このような凹部131及び筒状体132は、詳しくは後述するが、治具盤120に斜めPCコネクタ40を保持した際に、斜めPCコネクタ40の後端部側が治具盤本体130の厚さ方向に対して中心から周縁部に向かって傾斜させて保持するような傾斜角度で設けられている。
【0076】
また、保持部材140は、治具盤本体130の各凹部131に対応して固定された支柱部141と、この支柱部141の外周に軸方向に移動自在に設けられた保持部142と、支柱部141の外周面に支柱部141と保持部142との間で保持された付勢ばね143とを具備する。
【0077】
支柱部141は、対応する凹部131及び筒状体132と同等の傾斜方向及び角度で治具盤本体に固定されている。すなわち、本実施形態では、支柱部141の固定された端部とは反対側の端部が治具盤本体の厚さ方向に対して周縁部側に向かって傾斜するように固定されている。
【0078】
また、保持部142は、支柱部141の外周に嵌合して支柱部141の軸方向に移動自在に設けられたスライド部144と、スライド部144の一端から延設されて凹部131の上部側に突出したアーム部145とを有する。
【0079】
アーム部145は、先端部に厚さ方向に貫通すると共に一辺が貫通した矩形の嵌合部146が設けられており、この嵌合部146が斜めPCコネクタ40の後端部に嵌合するようになっている。
【0080】
また、支柱部141の固定された端部とは反対側の端部側の外周面上には、付勢ばね143が設けられている。
【0081】
この付勢ばね143は、一端がスライド部144の端部に当接し、他端が支柱部141の固定された端部とは反対側の端部に設けられたストッパ部147に当接することで、保持部142を支柱部141の軸方向凹部131側へ付勢している。すなわち、凹部131側に付勢された保持部142は、凹部131との間で治具盤本体130の底面からフェルール用筒状体20の先端部を所定量突出させた状態で、傾斜させて保持することができる。
【0082】
このように、治具盤120は、治具盤本体130と保持部140とによって斜めPCコネクタ40をその後端部側が治具盤本体130の中心から周縁部側に向かって所定量傾斜するように保持することができる。
【0083】
また、治具盤本体130の中央部にはボス部133が設けられている。このボス部133は、支持機構110によって治具盤120を研磨部材106に向かって付勢すると共に支持機構110と係合することで治具盤110が研磨部材106の回転方向に回転するのを防止している。
【0084】
一方、このような治具盤120を支持する支持機構110は、装置本体101に設けられた支持アーム111と、支持アーム111に付勢支持されて治具盤120を研磨部材106側に押圧する押圧部112と、支持アーム111に設けられて治具盤120の回転方向の移動を規制する規制ピン113とが設けられている。
【0085】
この押圧部112は、支持アーム111に設けられた図示しない付勢手段によって研磨部材106方向に付勢保持されており、その先端に設けられたテーパ部112aが治具盤120のボス部133のテーパ凹部134に当接することで、治具盤120を研磨部材106方向に押圧している。
【0086】
一方、規制ピン113は、治具盤120のボス部133の規制孔135に係合することで、治具盤120は研磨部材106の回転に伴う回転方向の移動が規制されている。
【0087】
すなわち、治具盤120は、支持機構110の規制ピン113によって回転方向の移動が規制された状態で、押圧部112に研磨部材106方向に付勢され、治具盤120によって固定された斜めPCコネクタ40に保持されたフェルール用筒状体20の先端面23を介して研磨部材106上に支持される。そして、研磨部材106を回転及び遥動することで、フェルール用筒状体20の先端に光ファイバ軸に垂直な面に対して傾斜した凸面状の先端面23を形成することができる。
【0088】
このように、治具盤120によって斜めPCコネクタ40の後端部側を研磨部材106の研磨面に垂直な方向に対して治具盤本体130の中心から周縁部に向かって傾斜させて保持すると共に、治具盤上の1点を荷重し、硬度が70〜97Hsと所定の硬度の弾性部材107を介してフェルール用筒状体20の先端面23を押圧して研磨することによって、研磨部材のしずみ込み量を大きくして研磨時の治具盤120のぶれを防止して高精度な研磨を行うことができる。
【0089】
ここで、このような端面研磨装置を用いた斜めPCコネクタ40のフェルール10の端面研磨方法について詳細に説明する。なお、図9は、フェルールの研磨方法を示すフェルール用筒状体の要部平面図である。
【0090】
まず、図9(a)に示すフェルール用筒状体20の状態から、図9(b)に示すように、光ファイバ1を保持したフェルール用筒状体20の先端に光ファイバ軸に垂直な外径が0.3〜0.9mmの先端面223を形成する。
【0091】
本実施形態では、フェルール用筒状体20の先端面223の縁部を円周方向に亘って光ファイバ軸に対して32.5〜45°傾斜させた面取り部24を形成することによって所定の外径の先端面223を形成した。
【0092】
この先端面223の形成では、後の工程でフェルール用筒状体20の先端面223を研磨して形成した凸面状の先端面23の頂点と光ファイバ1の端面の中心との距離が50μm以下とするには、研磨前の先端面223の外径を0.3〜0.9mmとすることで実現できるが、面取り部24を32.5〜40°の傾斜角度で、研磨前の先端面223の外径を0.55〜0.7mmに形成することで30μm以下とすることができる。
【0093】
次いで、図9(c)に示すように、フェルール用筒状体20の先端面223を研磨することにより、フェルール用筒状体20に光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状の先端面23を形成する。
【0094】
詳しくは、フェルール用筒状体20の後端部側を研磨部材106の研磨面に垂直な方向に対して研磨部材106の半径方向に対して外側または内側に向かって所定量傾斜させて、フェルール用筒状体20の研磨前の先端面223を研磨部材106に当接して研磨することにより、凸面状の先端面23を形成することができる。本実施形態では、フェルール用筒状体20が研磨部材106の研磨面に垂直な方向に対して周縁部側に向かって8°傾斜させて研磨した。なおこの時、研磨部材106の研磨面に傾斜はなく(傾き0°)水平のまま用いた。
【0095】
このようにフェルール用筒状体20の研磨前の先端面を所定の外径となるように形成すると共に、フェルール用筒状体20を所定の傾斜方向に傾斜させ、定盤の角度補正を行うことなく、水平状の定盤105上に弾性部材107を介して研磨部材106上で研磨することにより、凸面状の先端面23の球面偏心量がフェルール用筒状体の先端面の中心から50μm以下と高精度に研磨することができる。研磨治具を一点荷重することにより、先端面を細くしたフェルール用筒状体を研磨部材に押圧すると、弾性部材の沈み込み量が大きくなり、定盤の角度補正を不要とすることができる。
【0096】
以上傾斜8°の例を示したが、これ以外に9°と12°の場合も同様に所望の端面形状を得ることができる。
【0097】
なお、このような斜めPCコネクタ40のフェルール10の研磨方法は、上述したフェルール10に限定されず、例えば、従来の形状の斜めPCコネクタ用のフェルールにも適用して高精度に研磨することができる。さらに、外形2.5mmのフェルールにも適応可能である。
【0098】
また、フェルール用筒状体とつば部が一体に形成されたフェルールや、フェルール用筒状体単体。または、上記方法で予め斜めPCコネクタのフェルールを形成した後、ファイバを挿入し研磨を行う。プリドームフェルールにも適応可能である。
【0099】
(実施形態2)
図10は、本発明の実施形態2に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。なお、上述した実施形態1で説明した同等の部材には同一の符号を付して重複する説明は省略する。
【0100】
図10に示すように、実施形態2のフェルール10Aは、外径が1.25mmで形成されたフェルール用筒状体20Aと、フェルール用筒状体20Aの一端部に嵌合されたつば部材30とを具備する。
【0101】
フェルール用筒状体20Aの先端面23Aは、上述した実施形態1と同様に、光ファイバ1の先端面と共に光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状、本実施形態では、凸球面に近似した非球面で形成されている。
【0102】
すなわち、先端面23Aは、光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径が2mm以上大きくなるように形成されており、この光ファイバ1近傍の中心領域の曲率半径及び傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径は所定の範囲、本実施形態では、5mm〜12mmとなるように形成されている。
【0103】
さらに、フェルール用筒状体20Aの凸面状に形成された先端面23Aは、光ファイバ1の中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して、傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量が小さくなるように形成されている。
【0104】
また、フェルール用筒状体20Aの先端部には、先端面23Aと同等の外径を有する小径筒状部25が設けられている。
【0105】
この小径筒状部25の外径は、凸面状の先端面23Aを研磨により形成する前に所定の外径の先端面23Aを形成するために設けられたものであり、本実施形態では、フェルール用筒状体20Aの研磨前の垂直な先端面の外径を0.4〜0.9mmとするため、小径筒状部の外径も0.3〜0.9mmとなっている。
【0106】
また、フェルール用筒状体20Aの小径筒状部25との外径差による段差が形成された縁部には、面取り部24Aが形成されている。
【0107】
ここで、このようなフェルール用筒状体20Aの先端面23Aを形成する端面研磨方法について説明する。なお、図11は、フェルールの研磨方法を示すフェルール用筒状体の要部平面図である。
【0108】
まず、図11(a)に示すフェルール用筒状体20Aの状態から、図11(b)に示すように、光ファイバ1を保持したフェルール用筒状体20Aの先端部に外径が0.3〜0.9mmの小径筒状部25を軸方向に所定の長さで形成することで、光ファイバ軸に垂直な外径が0.3〜0.9mmの先端面223Aを形成する。
【0109】
この小径筒状部25及び先端面223Aの形成では、後の工程でフェルール用筒状体20Aの先端面223Aを研磨して形成した凸面状の先端面23Aの頂点と光ファイバ1の先端面の中心との距離が50μm以下とするには、研磨前の先端面223A及び小径筒状部25の外径を0.3〜0.9mmとすることで実現できるが、小径筒状部25及び先端面223Aの外径を0.55〜0.7mmに形成することで30μm以下とすることができる。なお、小径筒状部25は、例えば、研削等によって形成することができる。
【0110】
次いで、図11(c)に示すように、フェルール用筒状体20Aの先端面223Aを研磨することにより、フェルール用筒状体20Aに光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状の先端面23Aを形成する。
【0111】
詳しくは、上述した実施形態1と同様に、フェルール用筒状体20Aの後端部側を研磨部材106Aの研磨面に垂直な方向に対して研磨部材106Aの回転中心から外側に向かって傾斜させてフェルール用筒状体20Aの研磨前の先端面223Aを研磨部材106Aに当接すると共に、研磨部材106Aの研磨面を回転中心から周縁部側に向かってフェルール用筒状体20Aの傾斜方向と同じ方向に所定量傾斜させて研磨することでフェルール用筒状体20Aに傾斜した凸面状の先端面23Aを形成することができる。
【0112】
このような研磨部材106Aの研磨面の傾斜は、本実施形態では、例えば、定盤105Aの弾性部材107Aが設けられた面を中心から周縁部に向かって傾斜した円錐状に形成し、この円錐状の面に沿って弾性部材107Aを設けることで実施することができる。
【0113】
なお、研磨部材106Aの研磨面の傾斜角度は、例えば、先端面23Aの頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以内の位置とする場合、すなわち、先端面223A及び小径筒状部25の外径を0.3〜0.9mmとする場合には、研磨面の傾斜角度を0.1〜0.5°とすればよい。
【0114】
また、先端面23Aの頂点が光ファイバ1の先端面の中心から30μm以内の位置とする場合、すなわち、先端面223A及び小径筒状部25の外径を0.55〜0.7mmとする場合には、研磨面の傾斜角度を0.2〜0.4°とすればよい。
【0115】
このように研磨前のフェルール用筒状体20Aに所定の外径の先端面223A及び小径筒状部25を形成し、且つフェルール用筒状体20Aを所定の傾斜方向に傾斜させると共に研磨部材106Aの研磨面も同一方向に所定量傾斜させて研磨することで、凸面状の先端面23Aの頂点が光ファイバ1の先端面の中心から50μm以下と高精度に研磨することができる。
【0116】
なお、このような研磨方法に用いられる端面研磨装置の定盤、弾性部材及び研磨部材以外の部材は、上述した実施形態1と同様なため重複する説明は省略する。
【0117】
(他の実施形態)
以上、本発明の実施形態1及び2を説明したが、本発明の斜めPCコネクタのフェルール及びその研磨方法並びに端面研磨装置は上述したものに限定されるものではない。
【0118】
例えば、上述した実施形態1及び2では、実施形態1の端面研磨方法では、フェルール用筒状体20及び20Aを形成するようにしたが、これに限定されず、例えば、同様の研磨方法によってフェルール用筒状体の先端面が、従来と同様に光ファイバ近傍の中心領域の曲率半径に対して傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径が2mm以下大きい凸面状又は凸球面状となるフェルールを形成してもよく、また上述した実施形態1及び2の端面研磨装置も、上述したフェルール用筒状体20及び20Aのみを形成するものではないことは言うまでもない。
【0119】
また、上述した実施形態1及び2の端面研磨装置の治具盤120が、斜めPCコネクタ40を保持するようにしたが、治具盤はフェルール用筒状体が傾斜して保持できれば特にこれに限定されず、治具盤がフェルールを直接保持するようにしてもよい。
【0120】
さらに、上述した実施形態1及び2のフェルールは、MU型斜めPCコネクタ用のフェルールやLC型等の斜めPCコネクタ用のフェルールとしてもよい。
【0121】
また、上述した実施形態1及び2では、フェルール用筒状体の外径を1.25mmとしたが、これに限定されず、フェルール用筒状体の外径が2.5mmのSC型、FC型等の斜めPCコネクタ用のフェルールとしてもよい。
【0122】
このようなフェルールであっても、上述した実施形態1及び2と同様に研磨前の先端面の外径や、弾性部材の硬度などにより、容易に且つ高精度に傾斜した凸面状の先端面を形成することができる。
【0123】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明では、フェルール用筒状体の先端面を所定の形状とすることで容易に且つ高精度に形成して低挿入損失及び高反射減衰量を実現することができる。また、フェルールの端面研磨方法としては、平面状又はマイナス角度に補正した研磨部材によって凸面状の頂点と光ファイバの先端面の中心との距離を高精度に研磨することができる。さらに、端面研磨装置としては、研磨時の治具盤のぶれを防止して容易に且つ高精度に斜め研磨端面を形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態1に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。
【図2】本発明の実施形態1に係るフェルール用筒状体の先端面の光ファイバ近傍の中心領域から傾斜方向の距離と曲率半径との関係を示すグラフである。
【図3】本発明の実施形態1に係る斜めPCコネクタの分解斜視図である。
【図4】本発明の実施形態1に係る斜めPCコネクタの分解平面図及び組立断面図である。
【図5】本発明の実施形態1に係る端面研磨装置の概略断面図である。
【図6】本発明の実施形態1に係る治具盤の斜視図及び側面図である。
【図7】本発明の実施形態1に係る治具盤の上面図である。
【図8】本発明の実施形態1に係る治具盤の断面図であり、(a)は図7のA−A′断面図、(b)は支持機構と図7のB−B′断面図である。
【図9】本発明の実施形態1に係るフェルールの研磨方法を示すフェルール用筒状体の要部平面図である。
【図10】本発明の実施形態2に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及びその断面図である。
【図11】本発明の実施形態2に係るフェルールの研磨方法を示すフェルール用筒状体の要部平面図である。
【図12】従来技術に係るフェルールの斜視図、軸方向の平面図及び端面方向の平面図である。
【符号の説明】
10、10A フェルール
20、20A フェルール用筒状体
23、23A 先端面
24、24A 面取り部
25 小径筒状部
30 つば部材
33 つば部
40 斜めPCコネクタ
50 プラグハウジング
60 プラグフレーム
70 ストップリング
80 付勢ばね
105、105A 定盤
106、106A 研磨部材
107、107A 弾性部材
110 支持機構
120 治具盤

Claims (20)

  1. 光ファイバの斜め研磨端面同士を接続する斜めPCコネクタに用いられて、前記光ファイバを保持すると共に先端面が光ファイバ軸に直交する面に対して前記光ファイバ中心の接平面が傾斜した凸面状に形成されたフェルール用筒状体及び該フェルール用筒状体の後端部に嵌合するつば部材からなる斜めPCコネクタのフェルールにおいて、
    前記フェルール用筒状体の先端面が、前記光ファイバ近傍の中心領域の曲率半径に対して、傾斜方向両側の周縁部近傍の曲率半径が2mm以上大きい凸面状であると共に前記光ファイバの中心領域から傾斜方向突出側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量と比較して傾斜方向他方側の周縁部までの曲率半径の単位距離当たりの変化量が小さいことを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール。
  2. 請求項1記載の斜めPCコネクタのフェルールにおいて、
    前記フェルール用筒状体の凸面状の曲率半径が5mm〜12mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール。
  3. 請求項1又は2記載の斜めPCコネクタのフェルールにおいて、前記先端面の球面偏心量が50μm以下であることを特徴とする請求項1記載の斜めPCコネクタのフェルール。
  4. 請求項3記載の斜めPCコネクタのフェルールにおいて、前記球面偏心量が30μm以下であることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール。
  5. 請求項1〜4の何れか一項に記載の斜めPCコネクタのフェルールにおいて、
    前記フェルール用筒状体の外径が1.25mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール。
  6. 請求項5記載の斜めPCコネクタのフェルールにおいて、前記斜めPCコネクタがMU型又はLC型であることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール。
  7. 装置本体に支持されて回転及び揺動する研磨定盤上に載置された弾性部材上の研磨部材に、光ファイバの斜め研磨端面同士を対向接続する斜めPCコネクタに用いられるフェルールの先端面を押圧して研磨することにより当該フェルールの先端面を光ファイバ軸に直交する面に対して傾斜した凸面状に形成する斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、
    前記フェルール用筒状体の先端に前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程と、前記フェルール用筒状体の後端部側を研磨部材の研磨面に垂直な方向に対して当該研磨部材の回転中心から周縁部側に向かって傾斜するように、前記フェルール用筒状体の先端面を当該研磨部材に当接させて研磨する工程とを具備することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  8. 請求項7記載の斜めPCコネクタのフェルール研摩方法において、前記フェルール用筒状体の先端に前記フェルール用筒状体の外径より外径の小さい先端面を形成する工程で、前記フェルール用筒状体の先端に外径が0.3mmから0.9mmの前記先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  9. 請求項7又は8記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、当該フェルール用筒状体の先端面の縁部に光ファイバ軸に対する傾斜角度が32.5°〜45°の面取り部を設けることで形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  10. 請求項7乃至9いずれか1項記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.55〜0.7mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  11. 請求項7又は8記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、当該フェルール用筒状体の先端部に先端面の外径と同等の小径の筒状部を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  12. 請求項11記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.3mm〜0.9mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  13. 請求項11記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端面を形成する工程では、先端に外径が0.55mm〜0.7mmの先端面を形成することを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  14. 請求項11乃至13記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記フェルール用筒状体の先端面を研磨する工程では、前記研磨部材の研磨面を回転中心から周縁部側に向かって前記フェルール用筒状体の傾斜方向と同じ方向に傾斜させて行うことを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  15. 請求項7〜14の何れか1項に記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記弾性部材の硬度が70Hs〜97Hsであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  16. 請求項7〜15の何れか1項に記載の斜めPCコネクタのフェルール研磨方法において、前記弾性部材の厚みが1mm〜5mmであることを特徴とする斜めPCコネクタのフェルール研磨方法。
  17. 装置本体に支持されて回転及び揺動する定盤上に設置された弾性部材上に設けられた研磨部材に、治具盤に装着された棒状部材を押圧して研磨する端面研磨装置において、
    前記治具が前記棒状部材の後端部側を前記研磨部材の研磨面に垂直な方向に対して当該研磨部材の回転中心から周縁部側に向かって所定量傾斜させて保持すると共に前記弾性部材の硬度が70Hs〜97Hsであることを特徴とする端面研磨装置。
  18. 請求項17記載の端面研磨装置において、前記研磨部材の研磨面が回転中心から縁部側に向かって前記棒状部材の傾斜方向と同じ方向に傾斜した円周形状を有することを特徴とする端面研磨装置。
  19. 請求項17又は18記載の端面研磨装置において、前記棒状部材が斜めPCコネクタ又は当該斜めPCコネクタ用のフェルールであることを特徴とする端面研磨装置。
  20. 請求項17〜19の何れか1項に記載の端面研磨装置において、前記弾性部材がゴム部材からなることを特徴とする端面研磨装置。
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