JP2004168849A - 電子機器筐体 - Google Patents
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Abstract
【課題】流動性、剛性、靭性および寸法安定性の全ての面において優れた成形材料を用いて成形した電子機器筐体を提供する。
【解決手段】本発明に係る電子機器筐体は、芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されている。ポリアミド6は、高靭性および高流動性を有している。そのため、芳香族ポリアミドと非晶性ポリアミドとポリアミド6とを混合することにより構成される母材は、芳香族ポリアミドおよび非晶性ポリアミドのみを混合することにより構成されるものに比べて、靭性および流動性がともに向上する。
【選択図】 図2
【解決手段】本発明に係る電子機器筐体は、芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されている。ポリアミド6は、高靭性および高流動性を有している。そのため、芳香族ポリアミドと非晶性ポリアミドとポリアミド6とを混合することにより構成される母材は、芳香族ポリアミドおよび非晶性ポリアミドのみを混合することにより構成されるものに比べて、靭性および流動性がともに向上する。
【選択図】 図2
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器筐体に関する。具体的には、携帯電話などの小型電子機器の筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、PDA、ノートパソコンなどの小型電子機器に対し、機器全体の薄型軽量化を図るため、電子機器筐体の薄肉化が要求されている。電子機器筐体の薄肉化を達成するためには、たとえば成形材料を用いて一般的な成形方法である射出成形を行う場合、射出成形時において高い射出圧力や射出速度が必要となるとともに、成形材料として高い流動性や機械強度、寸法安定性などが求められる。
【0003】
射出成形時における高い射出圧力や射出速度の要求は、高出力で高速射出可能な油圧サーボを用いることにより満たされていたが、近年はDCサーボモータの発達により保守が比較的容易でエネルギー効率や制御性に優れた電気サーボや高性能アキュムレータを用いても上述の要求が満たされるようになってきた。
【0004】
一方、成形材料としては、その剛性を向上させるために樹脂からなる母材に対してガラス繊維や炭素繊維などの繊維状補強材を充填した繊維強化樹脂が用いられる。この繊維強化樹脂を用いることにより、前記繊維状補強材を充填しない樹脂と比較して、たとえば曲げ弾性率は2〜5倍に向上する。しかし、補強材の配合量が増加するに伴い、成形材料の流動性が低下し、収縮率の異方性(一つの方向の収縮率が他の方向の収縮率と異なる傾向)も大きくなる。これにより、薄肉成形が困難になるとともに、成形体の強度の異方性や反りの増大などの問題が発生する。
【0005】
ABS樹脂やポリカーボネート(PC)などのいわゆる非晶性樹脂は、高寸法安定性や高靭性を有し、加えて塗装性にも優れている。しかし、非晶性樹脂は、流動性が低い。そのため、繊維状補強材を加えると、さらに流動性が低下して成形性がより悪化する。したがって、非晶性樹脂のみを母材とした繊維強化樹脂は、高剛性と高流動性を兼ね備えることが困難である。
【0006】
ポリアミドやポリプロピレンなどのいわゆる結晶性樹脂は、一般的に高流動性を有しているので、剛性を高めるべく繊維状補強材を加えても薄肉成形に十分な流動性を維持できる。しかし、結晶性樹脂は、成形時の金型面の温度差などにより結晶化のバラツキが生じ易いため、寸法安定性が低い。したがって、結晶性樹脂のみを母材とした繊維強化樹脂では、寸法安定性の低さが、成形体の薄肉化を図る上で問題となる。
【0007】
そこで、結晶性樹脂の寸法安定性を改善する技術として、結晶性樹脂である芳香族ポリアミドに非晶性ポリアミドを混合する、いわゆるポリマーアロイという手法を用いた技術が公知となっている。(たとえば、特許文献1および2参照。)
【0008】
【特許文献1】
特開平5−156158号公報
【特許文献2】
特開平7−109421号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている技術では、携帯電話筐体などの薄肉筐体の成形を行うのに必要な寸法安定性や靭性を得るには非晶性ポリアミドの割合をある程度大きくする必要がある。しかし、非晶性ポリアミドの割合が増大するのに伴い、成形材料の流動性が著しく低下する。また、流動性が低下すると、たとえば射出成形時に高い射出圧力が必要となる。射出圧力を高めると、成形金型のキャビティ内に充填される成形材料の直進性が強まり、その結果として繊維状補強材の指向性が高くなるため、収縮率の異方性が大きくなり、寸法安定性が低下する。したがって、高寸法安定性や高靭性と、高流動性を兼ね備えた成形材料を得ることが困難であるため、前記各文献に開示されている技術では携帯電話筐体などの薄肉筐体の成形を行うことは難しい。
【0010】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、より薄肉化した成形体の作製が可能な程度に、流動性、剛性、靭性および寸法安定性の全ての面において優れた成形材料を用いて成形した電子機器筐体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明において提供される電子機器筐体は、芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されていることを特徴としている。
【0012】
ポリアミド6は、高靭性および高流動性を有している。そのため、芳香族ポリアミドと非晶性ポリアミドとポリアミド6とを混合することにより構成される母材は、芳香族ポリアミドおよび非晶性ポリアミドのみを混合することにより構成されるものに比べて、靭性および流動性がともに向上する。また、母材がより高流動性となったことによって、たとえば射出成形時において、より低い射出圧力で成形可能となる。射出圧力を低くすれば、成形金型のキャビティ内における成形材料の直進性を低くできるため、その結果として成形材料に含まれる繊維状補強材の指向性が抑制され、収縮率の異方性が低減される。そのため、電子機器筐体の反りが低減するとともに、寸法安定性も向上する。したがって、ポリアミド6を加えたことにより、高靭性や高寸法安定性と高流動性とを兼ね備えた成形材料となるので、当該成形材料を用いることによって、より薄肉化した電子機器筐体の作製が可能となる。
【0013】
さらに、芳香族ポリアミドと非晶性ポリアミドとポリアミド6とは、いずれもポリアミド系の樹脂であるため、リサイクル時に一括して処理することが可能である。そのため、全く異なる樹脂を用いた際のようにリサイクル時の分別が必要なく、リサイクル性に優れている。
【0014】
好ましくは、母材内における重量比率は、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%である。
【0015】
非晶性ポリアミドは、重量比率が5wt%未満では芳香族ポリアミドの低寸法安定性に対する十分な改善効果を得ることができない。また、重量比率が25wt%を超えると、非晶性ポリアミドの低流動性に起因して成形材料の流動性が低下し、成形性が悪化するため筐体の薄肉化を図る上で好ましくない。ポリアミド6は、重量比率が5wt%未満では非晶性ポリアミドの低流動性に起因する流動性の低下を十分に抑制することができないのに加え、芳香族ポリアミドの低靭性に対する十分な改善効果が期待できない。また、重量比率が25wt%を超えると、吸水性の高まりに起因して物性が低下するとともに、ポリアミド6の低剛性に起因して成形材料の剛性が低下するため筐体の薄肉化を図る上で好ましくない。したがって、上述のような重量比率で母材を構成することは、薄肉成形体を得る上でより好ましいと言える。なお、好ましくは、芳香族ポリアミドとしては、ポリアミドMXD−6などが挙げられ、非晶性ポリアミドとしては、ポリアミド11および/またはポリアミド12などが挙げられる。
【0016】
好ましくは、繊維状補強材は、前記成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されている。このような割合で繊維状補強材を充填したことにより、成形材料は、より高い剛性を得ることができる。充填量が50wt%未満では、薄肉化に耐え得る剛性が十分に得られない。また、充填量が70wt%を超えると、流動性の低下が大きく、成形性が悪化する。そのため、電子機器筐体の薄肉化が困難になる。なお、繊維状補強材としては、ガラス繊維および/または炭素繊維であることが好ましい。
【0017】
本発明の好ましい実施形態においては、繊維状補強材は、平均繊維長さが100μm〜500μmである。ここでの平均繊維長さは、成形後の成形体内部に存在する繊維長さの平均値を示している。このように成形体内部において繊維状補強材は、比較的長い繊維長さを有している。したがって、繊維長さが比較的短いものより効果的に高い剛性を得ることができる。
【0018】
好ましくは、厚みが1.0mm以下となるように薄肉成形されている。
【0019】
本発明のその他の利点および特徴については、以下に行う発明の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
芳香族ポリアミド、非晶性ポリアミドおよびポリアミド6からなる母材と、繊維状補強材とを混練機を用いて混練し、成形材料を調製する。当該成形材料を用いて、射出成形などを行うことにより薄肉成形体を作製する。薄肉成形体の厚さは、1mm以下にすることを目標にしているが、これに限定されるものではない。
【0021】
また、母材内における重量比率としては、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%であることが成形体の薄肉化を図る上で好ましい。
【0022】
芳香族ポリアミドは、結晶性樹脂であり、一般的に流動性や剛性、吸水性などに優れているが、一方で寸法安定性や靭性、塗装性の面で劣る。ここで、結晶性とは、一般的に結晶化度が10%以上のものをいう。
【0023】
芳香族ポリアミドとしては、ポリアミドMXD−6などの芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とを重縮合反応させたポリマーが挙げられる。ポリアミドMXD−6は、キシリレンジアミンと炭素数6〜12のα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とを重縮合反応させたポリマーである。ここで、キシリレンジアミンとは、メタキシリレンジアミンを主成分とするものであり、メタキシリレンジアミン単独であってもよいし、メタキシリレンジアミンが60%以上、パラキシリレンジアミンが40%以下の割合で混合されたものであってもよい。また、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸としては、たとえばアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などを挙げることができる。これらの二塩基酸の中でも、得られる成形物の諸物性を考慮すると、アジピン酸が特に好ましい。これらの二塩基酸は、一種単独で、または二種以上を混合して使用することができる。また、キシリレンジアミンと二塩基酸との重縮合反応は、従来公知の方法によって行うことができる。なお、芳香族ポリアミドは、前記のものに限られない。
【0024】
非晶性ポリアミドは、非晶性樹脂であり、一般的に寸法安定性や靭性、塗装性などに優れているが、一方で流動性や剛性の面で劣る。ここで、非晶性とは、一般的に結晶化度が10%未満のものをいう。
【0025】
非晶性ポリアミドとしては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノカルボン酸、およびジアミンとジカルボン酸などとの重縮合により得られるポリアミドなどを用いることができ、そのモノマーの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム類、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、p−アミノ安息香酸などのアミノカルボン酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロ−へキシレンメタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジンなどのジアミン類、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸類などが挙げられる。なお、非晶性ポリアミドは、前記のものに限られない。
【0026】
ポリアミド6は、結晶性樹脂であり、流動性や靭性に優れている。また、ポリアミド6は、以下に示すような構造を有しており、たとえば7員環のカプロラクタムを開環重合することにより製造される。
【0027】
【化1】
【0028】
繊維状補強材は、特に限定されるものでなく、通常補強用に用いられる各繊維状物を用いることができる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、ウィスカなどが挙げられる。繊維状補強材の平均繊維長さは、後述する混練機に投入する時点で1〜5mmである場合、その後混練機における混練時や射出成形時などにおいて、ある程度破断されるため、最終的に成形体内部に存在する繊維状補強材の平均繊維長さは、100μm〜500μmとなる。成形体内部に存在する繊維状補強材の平均繊維長さが100μm〜500μmと比較的長いことは、効果的に高い剛性を得る上で好ましいが、繊維状補強材の平均繊維長さをこれに限定するものではない。また、繊維状補強材は、成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されていることが好ましい。
【0029】
図1は、母材と繊維状補強材とを混練するための混練機X1を示しており、図1(a)はその正面図、図1(b)はその平面図である。図1(a),(b)に示したように、混練機X1は、フィーダ部1と、サイドフィーダ部2と、スクリュー(図示せず)を有するシリンダ3と、ギヤポンプユニット4と、Tダイス5とを有している。
【0030】
フィーダ部1は、フィーダ1aに蓄えられた母材のシリンダ3への供給を行う部分であり、サイドフィーダ部2は、フィーダ2aに蓄えられた繊維状補強材のシリンダ3への供給を行う部分である。フィーダ部1によりシリンダ3に供給された母材は、まずサイドフィーダ部2とシリンダ3との接合点である供給口3aより上流部において、ある程度混練される。さらに、供給口3aより下流部において、ある程度混練された母材とサイドフィーダ部2によりシリンダ3に供給された繊維状補強材との混練を行う。なお、シリンダ3における母材あるいは母材と繊維状補強材との混練は内部に設けられたスクリュー(図示せず)により行われる。シリンダ3において母材および繊維状補強材を混練することにより得られる成形材料は、ギヤポンプユニット4を介してTダイスより混練機X1の外部に排出される。
【0031】
このように、サイドフィーダ2によりシリンダ3の中間部に繊維状補強材を供給することができる構成を有する混練機を用いたことにより、繊維状補強材に対する過剰な混練が抑制できる。したがって、過剰混練により繊維状補強材が破砕されて繊維長さが短くなることに起因する補強効果の低減が抑制される。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を、実施例および比較例をもとに具体的に説明する。
【0033】
【実施例1】
<成形材料の調製>
芳香族ポリアミド(商品名:レニー、三菱エンジニアリングプラスチックス製)、非晶性ポリアミド(商品名:グリルアミド、三菱エンジニアリングプラスチックス製)およびポリアミド6(商品名:ユニチカナイロン、ユニチカ製)からなる母材樹脂と、繊維状補強材として平均繊維径5〜15mmで平均繊維長さ1〜5mmであるガラス繊維(商品名:CS03、旭ファイバーガラス製)とを混練機(商品名:KZW15−MG、(株)テクノベル製)を用いて混練し、成形材料を調製した。
【0034】
成形材料における芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6と、ガラス繊維との配合比は、45:2.5:2.5:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)とした。成形材料の組成を表1に掲げた。なお、混練機におけるシリンダ温度は、280℃、スクリューの回転数は、150rpmとした。
【0035】
<サンプル成形体の作製>
上述のようにして得た成形材料から、射出成形により、携帯電話筐体型のサンプル成形体(縦110mm、横50mm、高さ20mm、厚さ0.8mm)を作成した。なお、図2は、サンプル成形体の概略図であり、図2(a)はその正面図、図2(b)は図2(a)の線IIb−IIbに沿った断面図を示している。
【0036】
<剛性に対する評価試験>
剛性に対する評価試験として、上述のようにして得られたサンプル成形体の正面中央部に10kgfの集中荷重を加えた場合におけるサンプル成形体の厚み方向の変位量を測定し、その結果を表2に示した。
【0037】
<衝撃強度に対する評価試験>
衝撃強度に対する評価試験として、上述のようにして得られたサンプル成形体の正面中央部に約100gの錘を成形体正面からの高さ30cmの位置から自由落下させた場合に、錘とサンプル成形体とが衝突することによりサンプル成形体に生じた割れ長さの最大値を測定し、その結果を表2に示した。
【0038】
<寸法安定性に対する評価試験>
寸法安定性に対する評価試験として、上述のようにして得られたサンプル成形体において、正面部分の厚み方向に対して垂直な基準面からの高さを所定箇所(計5箇所)測定し、その最大値と最小値との差の大きさを結果として表2に示した。
【0039】
【実施例2〜4】
成形材料における芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6と、ガラス繊維との配合比を、実施例2では40:5:5:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)、実施例3では30:10:10:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)、実施例4では20:15:15:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして各成形材料を調製した。各成形材料の組成を表1に示した。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた各成形材料を用いて各成形体サンプルを成形した。これらの成形体サンプルを用いて、それぞれ剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、それらの結果を表2に示した。
【0040】
【比較例1】
母材樹脂として非晶性ポリアミドおよびポリアミド6を含まず、成形材料における芳香族ポリアミドおよびガラス繊維の配合比を、50:50(=芳香族ポリアミド:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして成形材料を調製した。成形材料の組成を表1に掲げた。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた成形材料を用いて成形体サンプルを成形した。この成形体サンプルを用いて、剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0041】
【比較例2】
母材樹脂としてポリアミド6を含まず、成形材料における芳香族ポリアミド、非晶性ポリアミドおよびガラス繊維の配合比を、45:5:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして成形材料を調製した。成形材料の組成を表1に掲げた。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた成形材料を用いて成形体サンプルを成形した。この成形体サンプルを用いて、剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0042】
【比較例3】
母材樹脂として非晶性ポリアミドを含まず、成形材料における芳香族ポリアミド、ポリアミド6およびガラス繊維の配合比を、45:5:50(=芳香族ポリアミド:ポリアミド:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして成形材料を調製した。成形材料の組成を表1に掲げた。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた成形材料を用いて成形体サンプルを成形した。この成形体サンプルを用いて、剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【評価】
表1および表2を参照すると、実施例1〜4の成形材料から得られた成形体サンプルは、比較例1〜3の成形材料から得られた成形体サンプルより、衝撃強度および寸法安定性が改善されている。特に、実施例1と比較例2,3においては、芳香族ポリアミドおよびガラス繊維の配合比が同じで非晶性ポリアミドとポリアミド6との配合比のみを変えて行われており、それぞれを比較すると、非晶性ポリアミドとポリアミド6とが共存することによって衝撃強度および寸法安定性がより効果的に改善されていることがわかった。また、寸法安定性の改善は、ガラス繊維の配向が緩和されたことが一因であると考えられる。このガラス繊維の配向を緩和した要因は、成形材料の流動性の向上に起因するものと考えられるので、ポリアミド6を配合することにより流動性の改善もなされたと考えられる。これにより、より薄肉化を図った成形体の成形も可能であると考えられる。
【0046】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0047】
(付記1)芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されていることを特徴とする、電子機器筐体。
(付記2)前記母材内における重量比率は、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%である、付記1に記載の電子機器筐体。
(付記3)前記芳香族ポリアミドは、ポリアミドMXD−6である、付記1または2に記載の電子機器筐体。
(付記4)前記非晶性ポリアミドは、ポリアミド11および/またはポリアミド12である、付記1〜3のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記5)前記繊維状補強材は、前記成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されている、付記1〜4のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記6)前記繊維状補強材は、ガラス繊維および/または炭素繊維である、付記1〜5のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記7)前記繊維状補強材は、平均繊維長さが100μm〜500μmである、付記1〜6のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記8)厚みが1.0mm以下となるように薄肉成形されている、付記1〜7のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると成形体は、芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されている。これにより、高い剛性を維持しつつ、靭性および寸法安定性を高めることができた。また、寸法安定性の向上は、成形材料の流動性が向上したことに起因すると考えられる。したがって、流動性および寸法安定性の向上によって、より薄肉化した成形体の作製が可能と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る成形体を作製するのに用いられる成形材料を作製するための混練機を示しており、図1(a)は、その正面図、図1(b)は、その平面図である。
【図2】図2は、本発明に係る成形体の一例を示す概略図であり、図2(a)は、その正面図、図2(b)は、図2(a)の線IIb−IIbに沿った断面図である。
【符号の説明】
X1 混練機
1 フィーダ部
1a フィーダ
2 サイドフィーダ部
2a フィーダ
3 シリンダ
3a 供給口
4 ギヤポンプユニット
5 Tダイス
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子機器筐体に関する。具体的には、携帯電話などの小型電子機器の筐体に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、携帯電話、PDA、ノートパソコンなどの小型電子機器に対し、機器全体の薄型軽量化を図るため、電子機器筐体の薄肉化が要求されている。電子機器筐体の薄肉化を達成するためには、たとえば成形材料を用いて一般的な成形方法である射出成形を行う場合、射出成形時において高い射出圧力や射出速度が必要となるとともに、成形材料として高い流動性や機械強度、寸法安定性などが求められる。
【0003】
射出成形時における高い射出圧力や射出速度の要求は、高出力で高速射出可能な油圧サーボを用いることにより満たされていたが、近年はDCサーボモータの発達により保守が比較的容易でエネルギー効率や制御性に優れた電気サーボや高性能アキュムレータを用いても上述の要求が満たされるようになってきた。
【0004】
一方、成形材料としては、その剛性を向上させるために樹脂からなる母材に対してガラス繊維や炭素繊維などの繊維状補強材を充填した繊維強化樹脂が用いられる。この繊維強化樹脂を用いることにより、前記繊維状補強材を充填しない樹脂と比較して、たとえば曲げ弾性率は2〜5倍に向上する。しかし、補強材の配合量が増加するに伴い、成形材料の流動性が低下し、収縮率の異方性(一つの方向の収縮率が他の方向の収縮率と異なる傾向)も大きくなる。これにより、薄肉成形が困難になるとともに、成形体の強度の異方性や反りの増大などの問題が発生する。
【0005】
ABS樹脂やポリカーボネート(PC)などのいわゆる非晶性樹脂は、高寸法安定性や高靭性を有し、加えて塗装性にも優れている。しかし、非晶性樹脂は、流動性が低い。そのため、繊維状補強材を加えると、さらに流動性が低下して成形性がより悪化する。したがって、非晶性樹脂のみを母材とした繊維強化樹脂は、高剛性と高流動性を兼ね備えることが困難である。
【0006】
ポリアミドやポリプロピレンなどのいわゆる結晶性樹脂は、一般的に高流動性を有しているので、剛性を高めるべく繊維状補強材を加えても薄肉成形に十分な流動性を維持できる。しかし、結晶性樹脂は、成形時の金型面の温度差などにより結晶化のバラツキが生じ易いため、寸法安定性が低い。したがって、結晶性樹脂のみを母材とした繊維強化樹脂では、寸法安定性の低さが、成形体の薄肉化を図る上で問題となる。
【0007】
そこで、結晶性樹脂の寸法安定性を改善する技術として、結晶性樹脂である芳香族ポリアミドに非晶性ポリアミドを混合する、いわゆるポリマーアロイという手法を用いた技術が公知となっている。(たとえば、特許文献1および2参照。)
【0008】
【特許文献1】
特開平5−156158号公報
【特許文献2】
特開平7−109421号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に開示されている技術では、携帯電話筐体などの薄肉筐体の成形を行うのに必要な寸法安定性や靭性を得るには非晶性ポリアミドの割合をある程度大きくする必要がある。しかし、非晶性ポリアミドの割合が増大するのに伴い、成形材料の流動性が著しく低下する。また、流動性が低下すると、たとえば射出成形時に高い射出圧力が必要となる。射出圧力を高めると、成形金型のキャビティ内に充填される成形材料の直進性が強まり、その結果として繊維状補強材の指向性が高くなるため、収縮率の異方性が大きくなり、寸法安定性が低下する。したがって、高寸法安定性や高靭性と、高流動性を兼ね備えた成形材料を得ることが困難であるため、前記各文献に開示されている技術では携帯電話筐体などの薄肉筐体の成形を行うことは難しい。
【0010】
本発明は、このような事情のもとで考え出されたものであって、より薄肉化した成形体の作製が可能な程度に、流動性、剛性、靭性および寸法安定性の全ての面において優れた成形材料を用いて成形した電子機器筐体を提供することを目的とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明において提供される電子機器筐体は、芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されていることを特徴としている。
【0012】
ポリアミド6は、高靭性および高流動性を有している。そのため、芳香族ポリアミドと非晶性ポリアミドとポリアミド6とを混合することにより構成される母材は、芳香族ポリアミドおよび非晶性ポリアミドのみを混合することにより構成されるものに比べて、靭性および流動性がともに向上する。また、母材がより高流動性となったことによって、たとえば射出成形時において、より低い射出圧力で成形可能となる。射出圧力を低くすれば、成形金型のキャビティ内における成形材料の直進性を低くできるため、その結果として成形材料に含まれる繊維状補強材の指向性が抑制され、収縮率の異方性が低減される。そのため、電子機器筐体の反りが低減するとともに、寸法安定性も向上する。したがって、ポリアミド6を加えたことにより、高靭性や高寸法安定性と高流動性とを兼ね備えた成形材料となるので、当該成形材料を用いることによって、より薄肉化した電子機器筐体の作製が可能となる。
【0013】
さらに、芳香族ポリアミドと非晶性ポリアミドとポリアミド6とは、いずれもポリアミド系の樹脂であるため、リサイクル時に一括して処理することが可能である。そのため、全く異なる樹脂を用いた際のようにリサイクル時の分別が必要なく、リサイクル性に優れている。
【0014】
好ましくは、母材内における重量比率は、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%である。
【0015】
非晶性ポリアミドは、重量比率が5wt%未満では芳香族ポリアミドの低寸法安定性に対する十分な改善効果を得ることができない。また、重量比率が25wt%を超えると、非晶性ポリアミドの低流動性に起因して成形材料の流動性が低下し、成形性が悪化するため筐体の薄肉化を図る上で好ましくない。ポリアミド6は、重量比率が5wt%未満では非晶性ポリアミドの低流動性に起因する流動性の低下を十分に抑制することができないのに加え、芳香族ポリアミドの低靭性に対する十分な改善効果が期待できない。また、重量比率が25wt%を超えると、吸水性の高まりに起因して物性が低下するとともに、ポリアミド6の低剛性に起因して成形材料の剛性が低下するため筐体の薄肉化を図る上で好ましくない。したがって、上述のような重量比率で母材を構成することは、薄肉成形体を得る上でより好ましいと言える。なお、好ましくは、芳香族ポリアミドとしては、ポリアミドMXD−6などが挙げられ、非晶性ポリアミドとしては、ポリアミド11および/またはポリアミド12などが挙げられる。
【0016】
好ましくは、繊維状補強材は、前記成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されている。このような割合で繊維状補強材を充填したことにより、成形材料は、より高い剛性を得ることができる。充填量が50wt%未満では、薄肉化に耐え得る剛性が十分に得られない。また、充填量が70wt%を超えると、流動性の低下が大きく、成形性が悪化する。そのため、電子機器筐体の薄肉化が困難になる。なお、繊維状補強材としては、ガラス繊維および/または炭素繊維であることが好ましい。
【0017】
本発明の好ましい実施形態においては、繊維状補強材は、平均繊維長さが100μm〜500μmである。ここでの平均繊維長さは、成形後の成形体内部に存在する繊維長さの平均値を示している。このように成形体内部において繊維状補強材は、比較的長い繊維長さを有している。したがって、繊維長さが比較的短いものより効果的に高い剛性を得ることができる。
【0018】
好ましくは、厚みが1.0mm以下となるように薄肉成形されている。
【0019】
本発明のその他の利点および特徴については、以下に行う発明の実施形態の説明から、より明らかとなるであろう。
【0020】
【発明の実施の形態】
芳香族ポリアミド、非晶性ポリアミドおよびポリアミド6からなる母材と、繊維状補強材とを混練機を用いて混練し、成形材料を調製する。当該成形材料を用いて、射出成形などを行うことにより薄肉成形体を作製する。薄肉成形体の厚さは、1mm以下にすることを目標にしているが、これに限定されるものではない。
【0021】
また、母材内における重量比率としては、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%であることが成形体の薄肉化を図る上で好ましい。
【0022】
芳香族ポリアミドは、結晶性樹脂であり、一般的に流動性や剛性、吸水性などに優れているが、一方で寸法安定性や靭性、塗装性の面で劣る。ここで、結晶性とは、一般的に結晶化度が10%以上のものをいう。
【0023】
芳香族ポリアミドとしては、ポリアミドMXD−6などの芳香族ジアミンと芳香族ジカルボン酸とを重縮合反応させたポリマーが挙げられる。ポリアミドMXD−6は、キシリレンジアミンと炭素数6〜12のα,ω−直鎖脂肪族二塩基酸とを重縮合反応させたポリマーである。ここで、キシリレンジアミンとは、メタキシリレンジアミンを主成分とするものであり、メタキシリレンジアミン単独であってもよいし、メタキシリレンジアミンが60%以上、パラキシリレンジアミンが40%以下の割合で混合されたものであってもよい。また、α,ω−直鎖脂肪族二塩基酸としては、たとえばアジピン酸、スベリン酸、セバシン酸、ウンデカン二酸、ドデカン二酸などを挙げることができる。これらの二塩基酸の中でも、得られる成形物の諸物性を考慮すると、アジピン酸が特に好ましい。これらの二塩基酸は、一種単独で、または二種以上を混合して使用することができる。また、キシリレンジアミンと二塩基酸との重縮合反応は、従来公知の方法によって行うことができる。なお、芳香族ポリアミドは、前記のものに限られない。
【0024】
非晶性ポリアミドは、非晶性樹脂であり、一般的に寸法安定性や靭性、塗装性などに優れているが、一方で流動性や剛性の面で劣る。ここで、非晶性とは、一般的に結晶化度が10%未満のものをいう。
【0025】
非晶性ポリアミドとしては、3員環以上のラクタム、重合可能なω−アミノカルボン酸、およびジアミンとジカルボン酸などとの重縮合により得られるポリアミドなどを用いることができ、そのモノマーの具体例としては、ε−カプロラクタム、ω−ラウロラクタムなどのラクタム類、6−アミノカプロン酸、11−アミノウンデカン酸、12−アミノドデカン酸、p−アミノ安息香酸などのアミノカルボン酸、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ウンデカメチレンジアミン、ドデカメチレンジアミン、2,2,4/2,4,4−トリメチルヘキサメチレンジアミン、5−メチルノナメチレンジアミン、m−キシレンジアミン、p−キシレンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1,4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、ビス(4−アミノシクロヘキシル)メタン、1−アミノ−3−アミノメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキサン、4,4´−ジアミノ−3,3´−ジメチルジシクロ−へキシレンメタン、2,2−ビス(4−アミノシクロヘキシル)プロパン、ビス(アミノプロピル)ピペラジン、ビス(アミノエチル)ピペラジンなどのジアミン類、アジピン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などのジカルボン酸類などが挙げられる。なお、非晶性ポリアミドは、前記のものに限られない。
【0026】
ポリアミド6は、結晶性樹脂であり、流動性や靭性に優れている。また、ポリアミド6は、以下に示すような構造を有しており、たとえば7員環のカプロラクタムを開環重合することにより製造される。
【0027】
【化1】
【0028】
繊維状補強材は、特に限定されるものでなく、通常補強用に用いられる各繊維状物を用いることができる。具体的には、ガラス繊維、炭素繊維、ウィスカなどが挙げられる。繊維状補強材の平均繊維長さは、後述する混練機に投入する時点で1〜5mmである場合、その後混練機における混練時や射出成形時などにおいて、ある程度破断されるため、最終的に成形体内部に存在する繊維状補強材の平均繊維長さは、100μm〜500μmとなる。成形体内部に存在する繊維状補強材の平均繊維長さが100μm〜500μmと比較的長いことは、効果的に高い剛性を得る上で好ましいが、繊維状補強材の平均繊維長さをこれに限定するものではない。また、繊維状補強材は、成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されていることが好ましい。
【0029】
図1は、母材と繊維状補強材とを混練するための混練機X1を示しており、図1(a)はその正面図、図1(b)はその平面図である。図1(a),(b)に示したように、混練機X1は、フィーダ部1と、サイドフィーダ部2と、スクリュー(図示せず)を有するシリンダ3と、ギヤポンプユニット4と、Tダイス5とを有している。
【0030】
フィーダ部1は、フィーダ1aに蓄えられた母材のシリンダ3への供給を行う部分であり、サイドフィーダ部2は、フィーダ2aに蓄えられた繊維状補強材のシリンダ3への供給を行う部分である。フィーダ部1によりシリンダ3に供給された母材は、まずサイドフィーダ部2とシリンダ3との接合点である供給口3aより上流部において、ある程度混練される。さらに、供給口3aより下流部において、ある程度混練された母材とサイドフィーダ部2によりシリンダ3に供給された繊維状補強材との混練を行う。なお、シリンダ3における母材あるいは母材と繊維状補強材との混練は内部に設けられたスクリュー(図示せず)により行われる。シリンダ3において母材および繊維状補強材を混練することにより得られる成形材料は、ギヤポンプユニット4を介してTダイスより混練機X1の外部に排出される。
【0031】
このように、サイドフィーダ2によりシリンダ3の中間部に繊維状補強材を供給することができる構成を有する混練機を用いたことにより、繊維状補強材に対する過剰な混練が抑制できる。したがって、過剰混練により繊維状補強材が破砕されて繊維長さが短くなることに起因する補強効果の低減が抑制される。
【0032】
【実施例】
次に、本発明を、実施例および比較例をもとに具体的に説明する。
【0033】
【実施例1】
<成形材料の調製>
芳香族ポリアミド(商品名:レニー、三菱エンジニアリングプラスチックス製)、非晶性ポリアミド(商品名:グリルアミド、三菱エンジニアリングプラスチックス製)およびポリアミド6(商品名:ユニチカナイロン、ユニチカ製)からなる母材樹脂と、繊維状補強材として平均繊維径5〜15mmで平均繊維長さ1〜5mmであるガラス繊維(商品名:CS03、旭ファイバーガラス製)とを混練機(商品名:KZW15−MG、(株)テクノベル製)を用いて混練し、成形材料を調製した。
【0034】
成形材料における芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6と、ガラス繊維との配合比は、45:2.5:2.5:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)とした。成形材料の組成を表1に掲げた。なお、混練機におけるシリンダ温度は、280℃、スクリューの回転数は、150rpmとした。
【0035】
<サンプル成形体の作製>
上述のようにして得た成形材料から、射出成形により、携帯電話筐体型のサンプル成形体(縦110mm、横50mm、高さ20mm、厚さ0.8mm)を作成した。なお、図2は、サンプル成形体の概略図であり、図2(a)はその正面図、図2(b)は図2(a)の線IIb−IIbに沿った断面図を示している。
【0036】
<剛性に対する評価試験>
剛性に対する評価試験として、上述のようにして得られたサンプル成形体の正面中央部に10kgfの集中荷重を加えた場合におけるサンプル成形体の厚み方向の変位量を測定し、その結果を表2に示した。
【0037】
<衝撃強度に対する評価試験>
衝撃強度に対する評価試験として、上述のようにして得られたサンプル成形体の正面中央部に約100gの錘を成形体正面からの高さ30cmの位置から自由落下させた場合に、錘とサンプル成形体とが衝突することによりサンプル成形体に生じた割れ長さの最大値を測定し、その結果を表2に示した。
【0038】
<寸法安定性に対する評価試験>
寸法安定性に対する評価試験として、上述のようにして得られたサンプル成形体において、正面部分の厚み方向に対して垂直な基準面からの高さを所定箇所(計5箇所)測定し、その最大値と最小値との差の大きさを結果として表2に示した。
【0039】
【実施例2〜4】
成形材料における芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6と、ガラス繊維との配合比を、実施例2では40:5:5:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)、実施例3では30:10:10:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)、実施例4では20:15:15:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ポリアミド6:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして各成形材料を調製した。各成形材料の組成を表1に示した。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた各成形材料を用いて各成形体サンプルを成形した。これらの成形体サンプルを用いて、それぞれ剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、それらの結果を表2に示した。
【0040】
【比較例1】
母材樹脂として非晶性ポリアミドおよびポリアミド6を含まず、成形材料における芳香族ポリアミドおよびガラス繊維の配合比を、50:50(=芳香族ポリアミド:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして成形材料を調製した。成形材料の組成を表1に掲げた。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた成形材料を用いて成形体サンプルを成形した。この成形体サンプルを用いて、剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0041】
【比較例2】
母材樹脂としてポリアミド6を含まず、成形材料における芳香族ポリアミド、非晶性ポリアミドおよびガラス繊維の配合比を、45:5:50(=芳香族ポリアミド:非晶性ポリアミド:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして成形材料を調製した。成形材料の組成を表1に掲げた。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた成形材料を用いて成形体サンプルを成形した。この成形体サンプルを用いて、剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0042】
【比較例3】
母材樹脂として非晶性ポリアミドを含まず、成形材料における芳香族ポリアミド、ポリアミド6およびガラス繊維の配合比を、45:5:50(=芳香族ポリアミド:ポリアミド:ガラス繊維、wt%比)とした以外は実施例1と同様にして成形材料を調製した。成形材料の組成を表1に掲げた。また、実施例1と同様に、上述のようにして得られた成形材料を用いて成形体サンプルを成形した。この成形体サンプルを用いて、剛性、衝撃強度および寸法安定性の評価試験を行い、その結果を表2に示した。
【0043】
【表1】
【0044】
【表2】
【0045】
【評価】
表1および表2を参照すると、実施例1〜4の成形材料から得られた成形体サンプルは、比較例1〜3の成形材料から得られた成形体サンプルより、衝撃強度および寸法安定性が改善されている。特に、実施例1と比較例2,3においては、芳香族ポリアミドおよびガラス繊維の配合比が同じで非晶性ポリアミドとポリアミド6との配合比のみを変えて行われており、それぞれを比較すると、非晶性ポリアミドとポリアミド6とが共存することによって衝撃強度および寸法安定性がより効果的に改善されていることがわかった。また、寸法安定性の改善は、ガラス繊維の配向が緩和されたことが一因であると考えられる。このガラス繊維の配向を緩和した要因は、成形材料の流動性の向上に起因するものと考えられるので、ポリアミド6を配合することにより流動性の改善もなされたと考えられる。これにより、より薄肉化を図った成形体の成形も可能であると考えられる。
【0046】
以上のまとめとして、本発明の構成およびそのバリエーションを以下に付記として列挙する。
【0047】
(付記1)芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されていることを特徴とする、電子機器筐体。
(付記2)前記母材内における重量比率は、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%である、付記1に記載の電子機器筐体。
(付記3)前記芳香族ポリアミドは、ポリアミドMXD−6である、付記1または2に記載の電子機器筐体。
(付記4)前記非晶性ポリアミドは、ポリアミド11および/またはポリアミド12である、付記1〜3のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記5)前記繊維状補強材は、前記成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されている、付記1〜4のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記6)前記繊維状補強材は、ガラス繊維および/または炭素繊維である、付記1〜5のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記7)前記繊維状補強材は、平均繊維長さが100μm〜500μmである、付記1〜6のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
(付記8)厚みが1.0mm以下となるように薄肉成形されている、付記1〜7のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
【0048】
【発明の効果】
本発明によると成形体は、芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されている。これにより、高い剛性を維持しつつ、靭性および寸法安定性を高めることができた。また、寸法安定性の向上は、成形材料の流動性が向上したことに起因すると考えられる。したがって、流動性および寸法安定性の向上によって、より薄肉化した成形体の作製が可能と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、本発明に係る成形体を作製するのに用いられる成形材料を作製するための混練機を示しており、図1(a)は、その正面図、図1(b)は、その平面図である。
【図2】図2は、本発明に係る成形体の一例を示す概略図であり、図2(a)は、その正面図、図2(b)は、図2(a)の線IIb−IIbに沿った断面図である。
【符号の説明】
X1 混練機
1 フィーダ部
1a フィーダ
2 サイドフィーダ部
2a フィーダ
3 シリンダ
3a 供給口
4 ギヤポンプユニット
5 Tダイス
Claims (5)
- 芳香族ポリアミドと、非晶性ポリアミドと、ポリアミド6とを混合した母材に、繊維状補強材を混合して得られる成形材料を用いて成形されていることを特徴とする、電子機器筐体。
- 前記母材内における重量比率は、芳香族ポリアミドが90〜50wt%、非晶性ポリアミドが5〜25wt%、ポリアミド6が5〜25wt%である、請求項1に記載の電子機器筐体。
- 前記繊維状補強材は、前記成形材料全体の50〜70wt%となるように配合されている、請求項1または2に記載の電子機器筐体。
- 前記繊維状補強材は、ガラス繊維および/または炭素繊維である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
- 厚みが1.0mm以下となるように薄肉成形されている、請求項1〜4のいずれか1つに記載の電子機器筐体。
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