JP2004167921A - 無機質板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】製品材料のプレス成形時に離型剤を模様型表面全体に容易かつ均一に供給することで模様型から製品を容易に離型することのできる無機質板の製造方法を提供する。
【解決手段】離型剤(6)をプレス成形に用いられる模様型(1)の内部に設けられた配管(2)、(4)に供給し、その配管(2)、(4)につながる模様型表面(3)に設けられた複数の孔(5)から模様型表面(3)に離型剤(6)を供給し、製品材料(7)のプレス成形を行う。
【選択図】 図1
【解決手段】離型剤(6)をプレス成形に用いられる模様型(1)の内部に設けられた配管(2)、(4)に供給し、その配管(2)、(4)につながる模様型表面(3)に設けられた複数の孔(5)から模様型表面(3)に離型剤(6)を供給し、製品材料(7)のプレス成形を行う。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、無機質板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、離型剤を模様型表面の全面に容易かつ均一に供給することで模様型から製品を容易かつ確実に離型することのできる無機質板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築用の外装材や内装材としてセメント系などの無機質板がよく知られている。これらの無機質板は、例えば押し出し法や注型法により作製された湿潤な生板の表面に模様型を当接して直圧プレス機にてプレス成形して圧締および表面模様の形成を行い、その後養生硬化させる工程を経て製造されている。
【0003】
この無機質板の製造工程において直圧プレスにて表面模様の形成を行うプレス成形の際には、模様型から製品(無機質板)を離れやすくし、また模様型表面に製品の一部が付着してしまうことを防止するため、灯油やホーマ油などの離型剤を模様型表面に塗布することが一般的に行われている。
【0004】
また上記の方法以外にプレス成形の際に製品を離型する方法としては、図2に示すようにプレス解圧時に模様型に設けた孔からエアーを吹き込んで製品を模様型から離すことも行われている(特許文献1)。この方法においては、まず図2(a)に示すように内部に中空部(50)を有する中空品(あるいは中実品)の生板(51)に対して、プレス上型(52)を矢印(A)にて示すように降下させて振動を与えながらプレス加圧し、そして生板(51)とプレス上型(52)との間を通気孔(53)を介して矢印(B)にて示すように真空吸引を行いプレス上型(52)を所定の加圧下限まで加圧降下させ、(b)に示すように加圧下限(H)で真空吸引を停止して、その後(c)に示すようにプレス上型(52)内からのエアー吹込みを通気孔(53)を介して0.5kgf/cm2以下の圧力範囲で矢印(C)にて示すように行いプレス上型(52)を矢印(D)にて示すように上昇させて製品(54)を離型させる。このように製品(54)を離型させることによって微小な凹みとしてのヒケの発生を防ぐことができ、均一な離型を行うことができるとされている。
【0005】
またその他の方法として模様型表面をテフロン(登録商標)でコーティングするといったテフロン(登録商標)加工を行うことで製品を離型しやすくする方法も知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−328112
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、模様型表面に離型剤を塗布する従来の方法では、製品サイズが大きかったりあるいは完成品の表面の模様形状が複雑になると、離型剤を均一に模様型表面に塗布できず、製品がきれいに離型しにくくなるという問題を有しており、また模様型表面に塗布したはずの離型剤が飛散しやすいといった問題も有していた。さらに各々の生板をプレス成形するごとに離型剤を模様型表面に塗布する必要があることから、離型剤を模様型表面に塗布するための手間と時間が必要となりプレス成形の時間を長引かせる原因となっていた。
【0008】
また、プレス解圧時にエアーを吹き込む方法においてはエアーを吹き込むだけでは依然離型が完全に行われないため、やはり一回のプレス毎に離型剤を塗布しなければならず、生産性が悪くまた模様型の表面形状が複雑な場合に離型剤が全体に行き渡り難いといった問題も有していた。
【0009】
また模様型表面にテフロン(登録商標)加工する方法においては、コーティングしたテフロン(登録商標)の寿命が短く、寿命がくるたびにテフロン(登録商標)加工を繰り返さなくてはならず手間がかかり、プレス成形のコストアップの原因になってしまっていた。
【0010】
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、無機質板のプレス成形時に製品を模様型から容易にかつ確実に離型することのできる無機質板の製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、無機質板の製造工程における製品材料のプレス成形の工程において、離型剤をプレス成形に用いられる模様型の内部に設けられた配管に供給し、その配管につながる模様型表面に設けられた複数の孔から模様型表面に離型剤を供給することを特徴とする無機質板の製造方法を提供する。
【0012】
また、この出願の発明は、第2には、模様型による製品材料のプレス加圧直前に離型剤を模様型表面に供給すること、第3には、模様型表面と製品材料の間の距離が0.5mm以上2.0mm以下となった時点で離型剤を模様型表面に供給すること、第4には、離型剤の液圧を0.05MPa以上0.2MPa以下として模様型表面に離型剤を供給することをそれぞれ特徴とする無機質板の製造方法を提供し、さらに、第5には、プレス解圧時に離型剤を模様型表面に供給すること、第6には、離型剤の液圧を0.2MPa以上1.0MPa以下として模様型表面に離型剤を供給すること、第7には、模様型表面に設けられた複数の孔の直径が0.3mm以上2.0mm以下であること、第8には、複数の孔を100mm以下の間隔で模様型表面の略全面に設けることを特徴とする無機質板の製造方法もそれぞれ提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って実施形態を示し、この出願の発明の無機質板の製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0014】
図1にこの出願の発明の無機質板の製造方法におけるプレス成形の工程の一例を示す。図1(a)に示すように、模様型(1)には、離型剤を模様型(1)の内部に供給する配管(2)と、その配管(2)から模様が形成された模様型表面(3)に向かって枝分かれした複数の配管(4)が設けられており、これら複数の配管(4)に模様型表面(3)に設けられた複数の孔(5)がつながっている。これら複数の孔(5)は模様型表面(3)の略全面に設けられており、離型剤(6)を模様型(1)の配管(2)に供給することで、その配管(2)から枝分かれした配管(4)を介して(b)に示すように複数の孔(5)から模様型表面(3)に離型剤(6)が供給される。
【0015】
離型剤(6)を模様型表面(3)に供給するタイミングとしては、製品材料である生板(7)に対して模様型(1)を矢印(ア)にて示すように降下させてプレス加圧する直前すなわち模様型表面(3)が生板(7)に当接する(ただし正確には間に離型剤(6)があるため模様型(1)と生板(7)は直接当接しない。)直前とするのが好ましく、より具体的には模様型表面(3)のはじめに生板(7)に当接する部分と生板(7)の間の距離が0.5mm以上2mm以下になった時点で行うのが好ましい。
【0016】
このように模様型(1)を生板(7)に対してプレス加圧する直前に離型剤(6)を模様型表面(3)に供給することによってプレス加圧時に離型剤(6)が模様型(1)と生板(7)の間で確実に延ばされて模様型表面(3)の全面に均一に行き渡らせることができるのである。
【0017】
なお、プレス加圧直前に模様型表面(3)に離型剤(6)を供給する際には、生板(7)がまだ柔らかい状態であるため離型剤(6)の供給時の液圧により生板(7)が変形する恐れがあるが、液圧を0.05MPa以上0.2MPa以下の低圧として離型剤(6)を模様型表面(3)に吐出して供給することによって、離型剤(6)の模様型表面(3)への供給時にその液圧によって生板(7)が変形するのを防ぐことができる。
【0018】
さらに模様型(1)によるプレス加圧時に加えて、模様型(1)のプレス解圧時にも離型剤(6)を模様型表面(3)に供給することで、離型剤(6)を模様型表面(3)に均一に延ばすことができ、さらには離型剤(6)の液圧で製品(8)を離型しやすくすることができる。ただし、その際にも離型剤(6)の液圧を高くした場合には製品(8)が変形する恐れがあるため、液圧を0.2MPa以上1.0MPa以下として離型剤(6)を模様型表面(3)に吐出して供給するのが好ましい。
【0019】
なお、模様型表面(3)に設けられる複数の孔(5)の直径を0.3mm以上2.0mm以下とすることで、製品(8)の表面模様に影響を及ぼさないようにすることができ、また複数の孔(5)を100mm以下の間隔で模様型表面(3)の略全面に設けることで、離型剤(6)を模様型表面(3)の全面に均一に延ばすことができるのである。なお図1においては、複数の孔(5)は模様型表面(3)の略全面に設けられており、とくにはじめに生板(7)の表面に当接して生板(7)をプレス加圧する部分(凸部分)には孔(5)が密に設けられている。
【0020】
次に図1(a)〜(d)に基づいてこの出願の発明の無機質板の製造方法におけるプレス成形の工程の流れを説明する。
【0021】
まず図1(a)に示すように、模様型(1)の下にプレス成形される生板(7)が配置され、次に(b)の矢印(ア)にて示すように模様型(1)を降下させて生板(7)に対してプレス加圧するが、そのプレス加圧直前で離型剤(6)が配管(2)および配管(4)を介して孔(5)から、例えば、0.05MPa以上0.2MPa以下の液圧で模様型表面(3)に供給される。そして(c)に示すように模様型(1)により生板(7)がプレス加圧されて模様が形成される際に離型剤(6)が模様型表面(3)の全面に均一に延ばされる。
【0022】
そして加圧下限で生板(7)に模様が形成され、その後模様型(1)を(d)の矢印(イ)にて示すように上昇させてプレス解圧するが、そのプレス解圧時に再び離型剤(6)を孔(5)から、例えば、0.2MPa以上1.0MPa以下の液圧で模様型表面(3)に供給し、その液圧により模様型(1)を製品(8)からさらに容易に離すことが可能となり、製品(8)を変形させずに容易かつ確実に離型することができるのである。
【0023】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、模様型を用いた無機質板の製品材料のプレス成形時に製品を容易かつ確実に離型することのできる無機質板の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の無機質板の製造方法におけるプレス成形の工程を例示した断面図である。
【図2】従来のプレス成形時の離型方法を示した断面図である。
【符号の説明】
1 模様型
2 配管
3 模様型表面
4 配管
5 孔
6 離型剤
7 生板
8 製品
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、無機質板の製造方法に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、離型剤を模様型表面の全面に容易かつ均一に供給することで模様型から製品を容易かつ確実に離型することのできる無機質板の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、建築用の外装材や内装材としてセメント系などの無機質板がよく知られている。これらの無機質板は、例えば押し出し法や注型法により作製された湿潤な生板の表面に模様型を当接して直圧プレス機にてプレス成形して圧締および表面模様の形成を行い、その後養生硬化させる工程を経て製造されている。
【0003】
この無機質板の製造工程において直圧プレスにて表面模様の形成を行うプレス成形の際には、模様型から製品(無機質板)を離れやすくし、また模様型表面に製品の一部が付着してしまうことを防止するため、灯油やホーマ油などの離型剤を模様型表面に塗布することが一般的に行われている。
【0004】
また上記の方法以外にプレス成形の際に製品を離型する方法としては、図2に示すようにプレス解圧時に模様型に設けた孔からエアーを吹き込んで製品を模様型から離すことも行われている(特許文献1)。この方法においては、まず図2(a)に示すように内部に中空部(50)を有する中空品(あるいは中実品)の生板(51)に対して、プレス上型(52)を矢印(A)にて示すように降下させて振動を与えながらプレス加圧し、そして生板(51)とプレス上型(52)との間を通気孔(53)を介して矢印(B)にて示すように真空吸引を行いプレス上型(52)を所定の加圧下限まで加圧降下させ、(b)に示すように加圧下限(H)で真空吸引を停止して、その後(c)に示すようにプレス上型(52)内からのエアー吹込みを通気孔(53)を介して0.5kgf/cm2以下の圧力範囲で矢印(C)にて示すように行いプレス上型(52)を矢印(D)にて示すように上昇させて製品(54)を離型させる。このように製品(54)を離型させることによって微小な凹みとしてのヒケの発生を防ぐことができ、均一な離型を行うことができるとされている。
【0005】
またその他の方法として模様型表面をテフロン(登録商標)でコーティングするといったテフロン(登録商標)加工を行うことで製品を離型しやすくする方法も知られている。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−328112
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、模様型表面に離型剤を塗布する従来の方法では、製品サイズが大きかったりあるいは完成品の表面の模様形状が複雑になると、離型剤を均一に模様型表面に塗布できず、製品がきれいに離型しにくくなるという問題を有しており、また模様型表面に塗布したはずの離型剤が飛散しやすいといった問題も有していた。さらに各々の生板をプレス成形するごとに離型剤を模様型表面に塗布する必要があることから、離型剤を模様型表面に塗布するための手間と時間が必要となりプレス成形の時間を長引かせる原因となっていた。
【0008】
また、プレス解圧時にエアーを吹き込む方法においてはエアーを吹き込むだけでは依然離型が完全に行われないため、やはり一回のプレス毎に離型剤を塗布しなければならず、生産性が悪くまた模様型の表面形状が複雑な場合に離型剤が全体に行き渡り難いといった問題も有していた。
【0009】
また模様型表面にテフロン(登録商標)加工する方法においては、コーティングしたテフロン(登録商標)の寿命が短く、寿命がくるたびにテフロン(登録商標)加工を繰り返さなくてはならず手間がかかり、プレス成形のコストアップの原因になってしまっていた。
【0010】
この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、無機質板のプレス成形時に製品を模様型から容易にかつ確実に離型することのできる無機質板の製造方法を提供することを課題としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、第1には、無機質板の製造工程における製品材料のプレス成形の工程において、離型剤をプレス成形に用いられる模様型の内部に設けられた配管に供給し、その配管につながる模様型表面に設けられた複数の孔から模様型表面に離型剤を供給することを特徴とする無機質板の製造方法を提供する。
【0012】
また、この出願の発明は、第2には、模様型による製品材料のプレス加圧直前に離型剤を模様型表面に供給すること、第3には、模様型表面と製品材料の間の距離が0.5mm以上2.0mm以下となった時点で離型剤を模様型表面に供給すること、第4には、離型剤の液圧を0.05MPa以上0.2MPa以下として模様型表面に離型剤を供給することをそれぞれ特徴とする無機質板の製造方法を提供し、さらに、第5には、プレス解圧時に離型剤を模様型表面に供給すること、第6には、離型剤の液圧を0.2MPa以上1.0MPa以下として模様型表面に離型剤を供給すること、第7には、模様型表面に設けられた複数の孔の直径が0.3mm以上2.0mm以下であること、第8には、複数の孔を100mm以下の間隔で模様型表面の略全面に設けることを特徴とする無機質板の製造方法もそれぞれ提供する。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、図面に沿って実施形態を示し、この出願の発明の無機質板の製造方法についてさらに詳しく説明する。
【0014】
図1にこの出願の発明の無機質板の製造方法におけるプレス成形の工程の一例を示す。図1(a)に示すように、模様型(1)には、離型剤を模様型(1)の内部に供給する配管(2)と、その配管(2)から模様が形成された模様型表面(3)に向かって枝分かれした複数の配管(4)が設けられており、これら複数の配管(4)に模様型表面(3)に設けられた複数の孔(5)がつながっている。これら複数の孔(5)は模様型表面(3)の略全面に設けられており、離型剤(6)を模様型(1)の配管(2)に供給することで、その配管(2)から枝分かれした配管(4)を介して(b)に示すように複数の孔(5)から模様型表面(3)に離型剤(6)が供給される。
【0015】
離型剤(6)を模様型表面(3)に供給するタイミングとしては、製品材料である生板(7)に対して模様型(1)を矢印(ア)にて示すように降下させてプレス加圧する直前すなわち模様型表面(3)が生板(7)に当接する(ただし正確には間に離型剤(6)があるため模様型(1)と生板(7)は直接当接しない。)直前とするのが好ましく、より具体的には模様型表面(3)のはじめに生板(7)に当接する部分と生板(7)の間の距離が0.5mm以上2mm以下になった時点で行うのが好ましい。
【0016】
このように模様型(1)を生板(7)に対してプレス加圧する直前に離型剤(6)を模様型表面(3)に供給することによってプレス加圧時に離型剤(6)が模様型(1)と生板(7)の間で確実に延ばされて模様型表面(3)の全面に均一に行き渡らせることができるのである。
【0017】
なお、プレス加圧直前に模様型表面(3)に離型剤(6)を供給する際には、生板(7)がまだ柔らかい状態であるため離型剤(6)の供給時の液圧により生板(7)が変形する恐れがあるが、液圧を0.05MPa以上0.2MPa以下の低圧として離型剤(6)を模様型表面(3)に吐出して供給することによって、離型剤(6)の模様型表面(3)への供給時にその液圧によって生板(7)が変形するのを防ぐことができる。
【0018】
さらに模様型(1)によるプレス加圧時に加えて、模様型(1)のプレス解圧時にも離型剤(6)を模様型表面(3)に供給することで、離型剤(6)を模様型表面(3)に均一に延ばすことができ、さらには離型剤(6)の液圧で製品(8)を離型しやすくすることができる。ただし、その際にも離型剤(6)の液圧を高くした場合には製品(8)が変形する恐れがあるため、液圧を0.2MPa以上1.0MPa以下として離型剤(6)を模様型表面(3)に吐出して供給するのが好ましい。
【0019】
なお、模様型表面(3)に設けられる複数の孔(5)の直径を0.3mm以上2.0mm以下とすることで、製品(8)の表面模様に影響を及ぼさないようにすることができ、また複数の孔(5)を100mm以下の間隔で模様型表面(3)の略全面に設けることで、離型剤(6)を模様型表面(3)の全面に均一に延ばすことができるのである。なお図1においては、複数の孔(5)は模様型表面(3)の略全面に設けられており、とくにはじめに生板(7)の表面に当接して生板(7)をプレス加圧する部分(凸部分)には孔(5)が密に設けられている。
【0020】
次に図1(a)〜(d)に基づいてこの出願の発明の無機質板の製造方法におけるプレス成形の工程の流れを説明する。
【0021】
まず図1(a)に示すように、模様型(1)の下にプレス成形される生板(7)が配置され、次に(b)の矢印(ア)にて示すように模様型(1)を降下させて生板(7)に対してプレス加圧するが、そのプレス加圧直前で離型剤(6)が配管(2)および配管(4)を介して孔(5)から、例えば、0.05MPa以上0.2MPa以下の液圧で模様型表面(3)に供給される。そして(c)に示すように模様型(1)により生板(7)がプレス加圧されて模様が形成される際に離型剤(6)が模様型表面(3)の全面に均一に延ばされる。
【0022】
そして加圧下限で生板(7)に模様が形成され、その後模様型(1)を(d)の矢印(イ)にて示すように上昇させてプレス解圧するが、そのプレス解圧時に再び離型剤(6)を孔(5)から、例えば、0.2MPa以上1.0MPa以下の液圧で模様型表面(3)に供給し、その液圧により模様型(1)を製品(8)からさらに容易に離すことが可能となり、製品(8)を変形させずに容易かつ確実に離型することができるのである。
【0023】
【発明の効果】
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明によって、模様型を用いた無機質板の製品材料のプレス成形時に製品を容易かつ確実に離型することのできる無機質板の製造方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の無機質板の製造方法におけるプレス成形の工程を例示した断面図である。
【図2】従来のプレス成形時の離型方法を示した断面図である。
【符号の説明】
1 模様型
2 配管
3 模様型表面
4 配管
5 孔
6 離型剤
7 生板
8 製品
Claims (8)
- 無機質板の製造工程における製品材料のプレス成形の工程において、離型剤をプレス成形に用いられる模様型の内部に設けられた配管に供給し、その配管につながる模様型表面に設けられた複数の孔から模様型表面に離型剤を供給することを特徴とする無機質板の製造方法。
- 模様型による製品材料のプレス加圧直前に離型剤を模様型表面に供給することを特徴とする請求項1記載の無機質板の製造方法。
- 模様型表面と製品材料の間の距離が0.5mm以上2.0mm以下となった時点で離型剤を模様型表面に供給することを特徴とする請求項2記載の無機質板の製造方法。
- 離型剤の液圧を0.05MPa以上0.2MPa以下として模様型表面に離型剤を供給することを特徴とする請求項2または3記載の無機質板の製造方法。
- プレス解圧時に離型剤を模様型表面に供給することを特徴とする請求項2ないし4いずれかに記載の無機質板の製造方法。
- 離型剤の液圧を0.2MPa以上1.0MPa以下として模様型表面に離型剤を供給することを特徴とする請求項5記載の無機質板の製造方法。
- 模様型表面に設けられた複数の孔の直径が0.3mm以上2.0mm以下であることを特徴とする請求項1ないし6いずれかに記載の無機質板の製造方法。
- 複数の孔を100mm以下の間隔で模様型表面の略全面に設けることを特徴とする請求項1ないし7いずれかに記載の無機質板の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2002338091A JP2004167921A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 無機質板の製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2002338091A JP2004167921A (ja) | 2002-11-21 | 2002-11-21 | 無機質板の製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004167921A true JP2004167921A (ja) | 2004-06-17 |
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ID=32701412
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Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP (1) | JP2004167921A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1886780A2 (de) * | 2006-07-28 | 2008-02-13 | Jens Gessner | Werkzeug zur Herstellung von Betonsteinen |
WO2023208857A1 (de) * | 2022-04-25 | 2023-11-02 | Kobra Formen Gmbh | Vorrichtung zur herstellung von betonformsteinen und verfahren zur herstellung von betonformsteinen |
-
2002
- 2002-11-21 JP JP2002338091A patent/JP2004167921A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1886780A2 (de) * | 2006-07-28 | 2008-02-13 | Jens Gessner | Werkzeug zur Herstellung von Betonsteinen |
EP1886780A3 (de) * | 2006-07-28 | 2008-03-12 | Jens Gessner | Werkzeug zur Herstellung von Betonsteinen |
WO2023208857A1 (de) * | 2022-04-25 | 2023-11-02 | Kobra Formen Gmbh | Vorrichtung zur herstellung von betonformsteinen und verfahren zur herstellung von betonformsteinen |
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