JPH06238637A - セメント製品の加工方法及びその装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 セメント製品を加工する場合において、養生
工程後の切削工程を省略しプレス工程時に凹凸模様が鮮
明に付すると共に製品周囲縁も無理なく切断することを
目的とする。 【構成】 未硬化セメント成形体Ｇ表面にプレスにより
凹凸模様を付すセメント製品の加工方法において、前記
未硬化セメント成形体表面をプレスすると共に前記セメ
ント成形体周縁Ｇ２を押圧切断する工程よりなり、表面
凹凸と周縁切断の工程を一気に行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この発明はセメント製品の加工方
法に関する。

【０００２】

【従来の技術】従来、セメント製品の製造方法として、
成形ベルト上に粉状原料を層状に供給しロールにより圧
縮して成形する乾式法、セメントスラリーを抄造して積
層していく抄造法、あるいはセメント混練物を押出成形
する押出成形法など種々の成形方法が知られている。と
ころで、上記セメント製品を成形する場合、表面に煉瓦
様凹凸模様などを付する場合があり、このような凹凸模
様は模様付けロールあるいはプレスにより付することが
行われる。

【０００３】

【従来技術の問題点】しかし、ロールあるいはプレスに
より模様を付する場合、成形体はこれらプレス圧によっ
てある程度圧延されるのでプレス時に製品周囲縁を決め
て切断することは困難で、通常は表面に凹凸模様を付す
る工程後、養生工程終了後に製品の周囲縁を切断して製
品形状を切り出す成形工程とが設けられ、製造工程が複
雑となって効率が悪い欠点があった。

【０００４】もっとも、凹凸模様付けを平板プレスによ
り行う際に、周囲縁をプレス機で同時に切断することが
考えられるが、この場合プレス型面と成形品表面との間
に空気が閉じ込められ、この空気の圧力によって凹凸模
様が十分に鮮明に付されず、また煉瓦目地状の凹条をプ
レスする場合は材料の流動性と空気圧力の相乗によって
凹条の直線性が悪くなる場合が多く、不良の発生率が高
いといった欠点があった。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】この発明は、上記問題
点に鑑み、養生工程後の切削工程を省略し、プレス工程
時に凹凸模様が鮮明に付すると共に製品周囲縁も無理な
く切断できるセメント製品の加工方法を提供することを
目的としてなされたものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】即ち、この発明のセメン
ト製品の加工方法は、未硬化セメント成形体Ｇ表面にプ
レスにより凹凸模様を付するセメント製品の加工方法に
おいて、前記未硬化セメント成形体表面をプレスすると
共にセメント成形体周縁Ｇ２を押圧切断することを特徴
とするものであり、今ひとつの発明は、上記方法に実施
される装置に関し、未硬化セメント成形体Ｇ表面に凹凸
模様を付するプレス装置であって、凹凸模様成形用プレ
ス部とこのプレス部周囲にセメント成形体周縁Ｇ２を押
圧切断する切断部とを備えてなることを特徴とするもの
である。

【０００７】

【作用】この発明において、セメント製品表面に凹凸模
様を付する手段として平板プレス法を前提とする。この
平板プレスするに際し、プレス型として凹凸模様成形用
プレス部とこのプレス部周囲にセメント成形体周縁Ｇ２
を押圧切断する切断部とを備えた型を使用する。またこ
の型は凹型面底部にセメント粒子より目の細かい金網体
をフィルターとする脱気孔を有するプレス型を使用す
る。

【０００８】従って、製品表面はプレス型面と周囲縁の
切断刃とで囲まれて密閉空間化されるが、上記脱気孔か
らの脱気により密閉空気の圧力による弊害が解消され、
この結果彫りの深い直線性の良い凹凸模様を付すると同
時に製品周縁も正確に規制された状態に切り揃えること
が可能となる。

【０００９】

【実施例】次にこの発明の実施例を説明する。図１〜図
３はこの発明の方法の工程を示す断面図である。

【００１０】セメント47.5重量％、珪砂47.5重量％、パ
ルプ繊維 5重量％よりなるセメント配合に外割で 1重量
％のメチルセルロース及び水を22.5重量％添加してなる
セメント混練物を押出成形し、厚さ 2cm、巾30cmの帯状
成形体Ｇを成形した。

【００１１】この帯状成形体Ｇ表面に、図１に示すよう
に 6cm×9cm ピッチで縦横に巾 8mm凹凸差 8mmの目地を
有する煉瓦積様の凹凸模様を付する型１であって、凹型
面底部１Ａに、セメント粒子より目の細かい金網体２を
フィルターとする脱気孔３を有し、その周縁１Ｂにシリ
ンダ状に成形された切断刃４を有する型１を用いてプレ
ス成形した。

【００１２】プレス成形はまず、成形体Ｇ表面にプレス
型１を下降させて、脱気孔３から脱気しつつ製品表面に
凹凸模様を付し、次いで切断刃４を下降させて製品周囲
を切断する場合と、切断刃４を先に下降させ、次いでプ
レス型１を下降させて脱気孔３から脱気しつつ製品表面
に凹凸模様を付す二種類の製法を実施した。

【００１３】上記二種類の製法のいずれの場合も製品Ｇ
は、図３に示すように未硬化の段階であるにも係わら
ず、表面には非常に彫りの深い鮮明な凹凸模様Ｇ１が付
されると共に周縁Ｇ２が正確に切断された製品が成形さ
れた。

【００１４】なお、上記実施例において、図中１Ｃは上
型１を構成するチェッカープレート、１Ｄは同パンチン
グプレート、１Ｅは煉瓦目地を形成するための突条桟１
Ｆ及びフィルター２を止着するためのボルト、５は製品
パレット、６はプレス装置の下フレームを示す。

【００１５】

【発明の効果】以上説明したように、この発明の方法に
よれば、未硬化のセメント製品表面に凹凸模様を付する
際に同時に製品の輪郭形状をも打ち抜くことが可能とな
り、従来必要としていた後の切断工程が省略でき、しか
も成形された製品表面に凹凸模様は深く鮮明とすること
もでき、高品質の製品が容易に大量生産可能となる効果
を有する。

【図面の簡単な説明】

【図１】この発明のプレス前の工程を示す断面図であ
る。

【図２】この発明のプレス中の工程を示す断面図であ
る。

【図３】この発明のプレス後の工程を示す断面図であ
る。

【符号の説明】

Ｇ…帯状成形体 １…プレス型 １Ａ…凹型面底部 １Ｂ…周縁 ２…金網体 ３…脱気孔 ４…切断刃

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 未硬化セメント成形体Ｇ表面にプレスに
   より凹凸模様を付するセメント製品の加工方法におい
   て、前記未硬化セメント成形体表面をプレスすると共に
   セメント成形体周縁Ｇ２を押圧切断することを特徴とす
   るセメント製品の加工方法。
2. 【請求項２】 未硬化セメント成形体Ｇ表面に凹凸模様
   を付するプレス装置であって、凹凸模様成形用プレス部
   とこのプレス部周囲にセメント成形体周縁Ｇ２を押圧切
   断する切断部とを備えてなることを特徴とするセメント
   製品の加工装置。