JP2004167890A - サーマルプリンタ - Google Patents

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Abstract

【課題】リボンエンドセンサの調整に際して、そのリボンエンドセンサの領域でのインクリボンの張り状態を常に一定にする。
【解決手段】用紙案内経路5を介して対向配置されるプラテン12とサーマルプリンタヘッド13とを有する印字部6と、インクリボン供給軸15からプラテン12とサーマルプリンタヘッド13との間を通ってインクリボン巻取軸16に至るインクリボン経路17にインクリボン18を案内搬送するインクリボン供給装置19と、インクリボン経路17中で印字部6よりもインクリボン供給軸15側に配置されてインクリボン18の有無を光学的に検出するリボンエンドセンサ28とを基本構成として備えた上で、トリガ(例えば、センサ調整要求信号)に応じてインクリボン供給軸15をバックフィードさせ、これによってリボンエンドセンサ28の領域におけるインクリボン18の張り状態が一定となるようにした。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写方式のサーマルプリンタに関する。本発明のサーマルプリンタは、例えば運輸、物流、アパレル等の業界において用いられる文字やバーコード等をラベルやタグに印字するラベルプリンタへの適用に好適である。
【0002】
【従来の技術】
熱転写方式のサーマルプリンタは、サーマルプリンタヘッドの発熱素子を発熱させることでインクリボンを加熱してインクを溶かし、これを記録媒体に転写することによって印字を行なう。このような熱転写方式のサーマルプリンタは、例えば特許文献1に開示されている。
【0003】
熱転写方式のサーマルプリンタでは、インクリボンが消費され尽くすと、もはや印字動作を行なうことができない。そこで、従来の熱転写方式のサーマルプリンタでは、インクリボンの有無を検出するリボンエンドセンサを設け、このリボンエンドセンサの出力に基づいてインクリボンの有無を判定するようにしている。上記特許文献1は、このようなリボンエンドセンサを用いたインクリボンの有無判定についても言及している。
【0004】
【特許文献1】
特開平7−323650号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
リボンエンドセンサは、インクリボン経路中でインクリボンの有無を光学的に判定するのが一般的である。つまり、リボンエンドセンサは、発光素子と受光素子との間に形成される光経路を通る光の状態、例えば強弱に基づいてインクリボンの有無を検出する。
【0006】
このようなリボンエンドセンサの構造上、リボンエンドセンサが備える発光素子及び受光素子とインクリボンとの間のギャップは、常に一定である必要がある。ところが、実際に製品を製造してみると、そのようなギャップに看過し得ないばらつきが生じてしまうという問題がある。これは、リボンエンドセンサ自体の製品ばらつき、各部を組み込んだ場合に不可避的に発生する製造誤差等を原因として発生するものと思われる。そこで、従来、サーマルプリンタの製造に際して、実際にインクリボンをセットした状態で、リボンエンドセンサを調整する、ということが行なわれている。
【0007】
ここで、リボンエンドセンサの調整に際しては、そのリボンエンドセンサの領域でインクリボンが適正に張られた状態に維持されていなければならない。そこで、作業員は、リボンエンドセンサの調整に際して、装置にインクリボンをセットした後に手作業でインクリボンを張った状態にし、その上でリボンエンドセンサの調整作業を行っているのが現状である。
【0008】
ところが、従来はインクリボンを張る作業を作業員の手作業に頼っているため、その作業自体が忘れられてしまったり、作業員間の個人差によってインクリボンの張り状態がばらついてしまったりすることがある。これでは、せっかくの調整作業が適正に行なわれなくなってしまう。
【0009】
本発明の目的は、リボンエンドセンサの調整に際して、そのリボンエンドセンサの領域でのインクリボンの張り状態を常に一定にすることである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明のサーマルプリンタは、用紙案内経路を介して対向配置されるプラテンとサーマルプリンタヘッドとを有する印字部と、インクリボン供給軸からプラテンとサーマルプリンタヘッドとの間を通ってインクリボン巻取軸に至るインクリボン経路にインクリボンを案内搬送するインクリボン供給装置と、インクリボン経路中で印字部よりもインクリボン供給軸側に配置されてインクリボンの有無を光学的に検出するリボンエンドセンサとを具備し、トリガ(例えば、センサ調整要求信号)に応じてインクリボン供給軸をバックフィードさせ、これによってリボンエンドセンサの領域におけるインクリボンの張り状態を一定にするようにした。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図3に基づいて説明する。
【0012】
図1は、サーマルプリンタ全体の縦断正面図である。
【0013】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、ライン型のラベルプリンタとして構成されている。このようなサーマルプリンタ1は、ハウジング2内において、用紙保持部3に保持されたラベル用紙4を案内する用紙案内経路5を備え、この用紙案内経路5の途中に印字部6を有し、この印字部6よりもラベル用紙4の搬送方向上流側に位置させて用紙搬送部7を有している。
【0014】
図1には、印字後のラベル用紙4をそのまま発行するような使用形態が示されている。これに対して、印字部6よりもラベル用紙4の搬送方向下流側に位置させてラベル剥離板8が配置され、このラベル剥離板8でラベル用紙4を鋭角に屈曲させ、ラベル用紙4中の台紙9を図示しない巻取軸に巻き取らせることで、台紙9からラベル10を剥離して発行する剥離発行動作をするような使用形態とすることも可能である。
【0015】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、印字部6及び用紙搬送部7を支持するための構造物として、下部フレーム11を含む各種のフレーム構造を有している。下部フレーム11は、サーマルプリンタ1が備える図示しないボトムフレームに固定されている。
【0016】
印字部6について説明する。印字部6は、プラテン12とこのプラテン12に用紙案内経路5を介して当接するライン型のサーマルプリンタヘッド13とによって構成されている。プラテン12は、下部フレーム11に回転自在に取り付けられ、図示しない駆動構造に駆動されて回転する。サーマルプリンタヘッド13は、図示しないフレーム構造に回動自在に取り付けられたヘッド保持フレーム14に固定されている。これにより、サーマルプリンタヘッド13は、ヘッド保持フレーム14の回動動作に従い、プラテン12に対して当接離反する。もっとも、サーマルプリンタヘッド13は、プラテン12に対して何の規制力も無く当接離反するわけではなく、その当接離反を制御する機構が設けられている。つまり、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、サーマルプリンタヘッド13をヘッドアップさせるためのヘッドアップ機構と、サーマルプリンタヘッド13をプラテン12に加圧させるためのヘッド加圧機構とを有している(共に図示せず)。
【0017】
印字部6は、単独でラベル用紙4に印字を行ない得るものではなく、熱転写方式でラベル用紙4に印字動作を行なう。そこで、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、インクリボン供給軸15からプラテン12とサーマルプリンタヘッド13との間を通ってインクリボン巻取軸16に至るインクリボン経路17にインクリボン18を案内搬送するインクリボン供給装置19を有する。このインクリボン供給装置19は、インクリボン18を他の構造物を回避してインクリボン経路17に案内するための案内フレーム20を有している。
【0018】
用紙搬送部7について説明する。用紙搬送部7は、用紙搬送ローラ21とこの用紙搬送ローラ21に用紙案内経路5を介して当接するピンチローラ22とによって構成されている。用紙搬送ローラ21は、下部フレーム11に回転自在に取り付けられ、図示しない駆動構造に駆動されて回転する。ピンチローラ22は、全体を図示しないフレーム構造の一部をなす搬送路フレーム23に揺動自在に取り付けられたピンチローラフレーム24に回転自在に支持されている。そして、ピンチローラフレーム24は、搬送路フレーム23に一端が取り付けられた板バネ25に付勢され、これによってピンチローラ22は用紙搬送ローラ21に当接している。
【0019】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、各種のセンサ類を有する。これらのセンサ類としては、ラベルセンサ26、剥離センサ27、及びリボンエンドセンサ28が設けられている。
【0020】
ラベルセンサ26は、用紙案内経路5中で用紙搬送部7と印字部6との間に配置され、ラベル用紙4におけるラベル10の有無を検出する。その判定結果は、ラベル10の位置を確認するために用いられる。
【0021】
剥離センサ27は、用紙案内経路5が連絡するハウジング2に設けられた発行口29の近傍に設けられ、ラベル10の有無を検出する。その検出結果は、ラベル10の発行の有無を判定するために用いられる。
【0022】
リボンエンドセンサ28は、インクリボン経路17中で印字部6よりもインクリボン供給軸15側に配置され、インクリボン18の有無を光学的に検出する。つまり、リボンエンドセンサ28は、図示しない発光素子と受光素子とを備え、これらの発光素子と受光素子との間に形成される光経路を通る光の状態、例えば光の強弱に基づいてインクリボン18の有無を検出する。このようなリボンエンドセンサ28の検出結果は、インクリボン18が消費され尽くしてしまったかどうかの判定に用いられる。
【0023】
図2は、各部の電気的接続を示すブロック図である。
【0024】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、各部を集中的に制御するCPU101、動作プログラムを含む各種の固定データを固定的に格納するROM102、及び各種の可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM103から構成されるマイクロコンピュータ104を有し、このマイクロコンピュータ104によって各部を駆動制御する。
【0025】
マイクロコンピュータ104には、バスライン105を介してサーマルプリンタヘッド13、印字部6のプラテン12及び用紙搬送部7の用紙搬送ローラ21の駆動源となるステッピングモータ106、インクリボン供給装置19のインクリボン供給軸15及びインクリボン巻取軸16の駆動源となるDCモータ107、各種のセンサ類(ラベルセンサ26、剥離センサ27、及びリボンエンドセンサ28)、図示しない調整キーを含む操作部108、並びに外部機器と通信するための通信インターフェース109が接続されている。これらの各部は、マイクロコンピュータ104に信号を与えたり、マイクロコンピュータ104によって駆動制御されたりする。
【0026】
このような構成において、本実施の形態のサーマルプリンタ1では、マイクロコンピュータ104の制御のもと、用紙搬送ローラ21とプラテン12とによってラベル用紙4を用紙案内経路5内で搬送させながら、サーマルプリンタヘッド13によってラベル用紙4に印字データに基づく印字動作を実行する。この際、サーマルプリンタヘッド13の図示しない発熱素子の選択的な発熱に応じて、インクリボン18のインクをラベル用紙4に転写する熱転写方式の印字が行なわれる。
【0027】
ここで、サーマルプリンタ1の製造に際して、リボンエンドセンサ28の調整が必要となる。これはリボンエンドセンサ28の構造上、リボンエンドセンサ28が備える発光素子及び受光素子とインクリボン18との間のギャップは、常に一定である必要があるのに対して、実際に製品を製造してみると、そのようなギャップに看過し得ないばらつきが生じてしまうからである。そこで、サーマルプリンタ1の製造に際して、実際にインクリボン18をインクリボン供給装置19にセットした状態で、リボンエンドセンサ28を調整する必要がある。
【0028】
そして、リボンエンドセンサ28の調整に際しては、そのリボンエンドセンサ28の領域でインクリボン18が適正に張られた状態に維持されていなければならない。そこで、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、このようなインクリボン18を適正に張った状態とする処理を実行する。
【0029】
図3は、インクリボン18の張り状態を常に一定にするための処理の流れを示すフローチャートである。
【0030】
まず、操作部108が操作されて図示しない調整キーが押下されたかどうかが判定され(ステップS1)、調整キーが押下された場合(ステップS1のY)にはインクリボン18のバックフィード処理を実行する(ステップS2、ステップS3)。このバックフィード処理というのは、調整キーの押下の判定をトリガとして、このトリガに応じてインクリボン供給軸15をバックフィードさせるようにDCモータ107を逆回転させ、その逆回転を時間管理(ステップS3)する処理である。つまり、インクリボン供給軸15をバックフィードさせるようにDCモータ107を逆回転させた後、例えばROM102に登録されている規定時間が経過すると処理を終了する(ステップS3のY)。
【0031】
以上説明した処理が実行されるに際して、サーマルプリンタヘッド13は、ヘッド加圧機構によってプラテン12に加圧された状態にあり、インクリボン18は、そのようなサーマルプリンタヘッド13とプラテン12との間で挟持される。このため、図3のフローチャートに示すステップS2、3におけるインクリボン18のバックフィード処理が実行されると、インクリボン18は、プラテン12とサーマルプリンタヘッド13との間のニップ部分とインクリボン供給軸15との間で張設状態となり、これによって、リボンエンドセンサ28の領域におけるインクリボン18の張り状態が一定となり、リボンエンドセンサ28の適正な調整作業が可能な状態となる。
【0032】
ここで、本実施の形態では、操作部108が操作されて図示しない調整キーが押下されたことの判定結果がトリガとされてインクリボン18のバックフィード処理が実行される。この場合、操作部108が操作されて図示しない調整キーが押下されたことの判定結果は、受信したセンサ調整要求信号であると認識することができる。
【0033】
もっとも、受信したセンサ調整要求信号としては、そのような調整キーが押下されたことの判定結果に限らず、例えば外部機器から通信インターフェース109を介して受信したセンサ調整要求信号等であっても良い。この場合の外部機器は、例えばサーマルプリンタ1に印字指令を送信するホスト機器であったり、サーマルプリンタ1の製造に際してホスト機器となるコンピュータ等であったりする。
【0034】
また、本実施の形態では詳述しないが、マイクロコンピュータ104は、操作部108が操作されて図示しない調整キーが押下されたことの判定結果に応じて、或いは他の種類のセンサ調整要求信号の受信に応じて、リボンエンドセンサ28の調整作業を実行することができるモードに機器を設定しても良い。
【0035】
【発明の効果】
本発明は、トリガ(例えば、センサ調整要求信号)に応じてインクリボン供給軸をバックフィードさせ、これによってリボンエンドセンサの領域におけるインクリボンの張り状態を一定にするようにしたので、リボンエンドセンサの調整に際して、そのリボンエンドセンサの領域でのインクリボンの張り状態を常に一定にすることができ、したがって、リボンエンドセンサの適正な調整作業に資することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す全体の縦断正面図である。
【図2】各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】インクリボンの張り状態を常に一定にするための処理の流れを示すフローチャートである。
【符号の説明】
5 用紙案内経路
6 印字部
12 プラテン
13 サーマルプリンタヘッド
15 インクリボン供給軸
16 インクリボン巻取軸
17 インクリボン経路
18 インクリボン
19 インクリボン供給装置
28 リボンエンドセンサ

Claims (2)

  1. 用紙案内経路を介して対向配置されるプラテンとサーマルプリンタヘッドとを有する印字部と、
    インクリボン供給軸から前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとの間を通ってインクリボン巻取軸に至るインクリボン経路にインクリボンを案内搬送するインクリボン供給装置と、
    前記インクリボン経路中で前記印字部よりも前記インクリボン供給軸側に配置されて前記インクリボンの有無を光学的に検出するリボンエンドセンサと、
    トリガに応じて前記インクリボン供給軸をバックフィードさせ、前記リボンエンドセンサの領域における前記インクリボンの張り状態を一定にする手段と、
    を具備するサーマルプリンタ。
  2. 前記トリガは、受信したセンサ調整要求信号である請求項1記載のサーマルプリンタ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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