JP2004174774A - サーマルプリンタ - Google Patents
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Abstract
【課題】リボンセーブ処理中におけるソレノイドの動作状態を適正に保ち、正常なリボンセーブ機能を維持する。
【解決手段】ソレノイドのオンによってプラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させる構造を前提とし、リボンセーブ処理に際しては、1印字単位(例えば1枚のラベル10)中のサーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動方向における非印字領域(▲2▼、▲4▼及び▲5▼)の比率を実際比率として求め、求めた実際比率と予め定めた規定比率(例えば50%)とを比較し、実際比率が規定比率よりも小さい場合には実際比率を実行比率として選択し、実際比率が規定比率よりも大きい場合には規定比率を実行比率として選択し、1印字単位中の非印字領域において、実行比率分だけリボンセーブ処理を実行する。これにより、ソレノイドの温度上昇に伴う磁力の低下が防止され、正常なリボンセーブ機能が維持される。
【選択図】 図5
【解決手段】ソレノイドのオンによってプラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させる構造を前提とし、リボンセーブ処理に際しては、1印字単位(例えば1枚のラベル10)中のサーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動方向における非印字領域(▲2▼、▲4▼及び▲5▼)の比率を実際比率として求め、求めた実際比率と予め定めた規定比率(例えば50%)とを比較し、実際比率が規定比率よりも小さい場合には実際比率を実行比率として選択し、実際比率が規定比率よりも大きい場合には規定比率を実行比率として選択し、1印字単位中の非印字領域において、実行比率分だけリボンセーブ処理を実行する。これにより、ソレノイドの温度上昇に伴う磁力の低下が防止され、正常なリボンセーブ機能が維持される。
【選択図】 図5
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写方式のサーマルプリンタに関する。本発明のサーマルプリンタは、例えば運輸、物流、アパレル等の業界において用いられる文字やバーコード等をラベルやタグに印字するラベルプリンタへの適用に好適である。
【0002】
【従来の技術】
熱転写方式のサーマルプリンタは、インクリボンのインクをサーマルプリンタヘッドの発熱素子で溶融し、これを記録媒体に転写することによって印字を行なう。この際、サーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動が生ずる。このため、このようなサーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動に同期させ、インクリボンもサーマルプリンタヘッドと相対移動させなければならない。つまり、サーマルプリンタヘッドがインクリボンを介して記録媒体に当接しているという前提のもとでは、記録媒体とインクリボンとの相対移動量を0としなければならないため、インクリボンはサーマルプリンタヘッドと相対移動することになる。
【0003】
これに対して、例えばシート様の記録媒体の1ページやラベルである記録媒体の1ラベルである1印字単位中において、記録媒体の全面に渡り印字がなされないことも多い。ところが、この場合、印字されない非印字領域においてもサーマルプリンタヘッドとインクリボンとを相対移動させるとなると、インクリボンに無駄が生ずる。
【0004】
そこで、従来、1印字単位中の非印字領域において、リボンセーブ処理を実行するようにしたサーマルプリンタが実用化されている。ここで、リボンセーブ処理というのは、記録媒体を支持するプラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させる処理と、インクリボンとサーマルプリンタとを相対移動しないようにする処理とから構成される。例えば、ラインサーマルプリンタの場合には、記録媒体の搬送に合わせたインクリボンの巻き取り動作を停止する処理がインクリボンとサーマルプリンタとを相対移動しないようにする処理であり、この際、プラテンにサーマルプリンタヘッドが当接したままでは記録媒体がインクリボンと摺動してインクで汚れてしまうため、プラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させる処理が必要となる。このようなリボンセーブ処理を実行するようにしたサーマルプリンタは、例えば特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−50729号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のサーマルプリンタでは、例えば弾性部材の付勢力を利用して、サーマルプリンタヘッドがプラテンに対して、あるいはプラテンがサーマルプリンタヘッドに対して当接する方向に付勢されているのが一般的である。そこで、1印字単位中の非印字領域においてプラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させることを要求するリボンセーブ処理を実行するためには、弾性部材の付勢力に対抗してサーマルプリンタヘッド又はプラテンを駆動し、両者を離反させなければならない。そのための駆動源として、ソレノイドが広く用いられている。
【0007】
図6は、1印字単位を構成するラベル1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイドのオンオフ処理を示す模式図である。図6中、ラベル用紙201は紙面の右から左に搬送されて発行される。そして、1印字単位を構成する1枚のラベル202には、「12345678」として例示する内容と「ABCDEFG」として例示する内容とが一定の間隔を置いて印字されるものとする。そこで、ラベル202における非印字領域は、▲1▼及び▲2▼として示す領域ということになる。このような前提のもと、リボンセーブ処理の一環として、▲1▼及び▲2▼の領域においてソレノイドがオンされ、これによってプラテンとサーマルプリンタヘッドとが離反される。
【0008】
図6に例示するように、従来のリボンセーブ処理では、▲1▼及び▲2▼として示す非印字領域の全体に渡りソレノイドがオンされている。これに対して、ソレノイドのオン時間が長くなると、ソレノイドの温度が上昇し、これに伴い磁力が弱くなって可動鉄心を駆動する力が弱くなってしまうという問題がある。このような現象は、1印字単位の領域が大きくなればなる程顕著となり、例えば、1メートル近い大きさのラベルに印字する場合には、ソレノイドの磁力低下が頻繁に生じ易い。
【0009】
そして、このようなソレノイドの磁力低下という現象が生ずると、ソレノイドが正常に動作し得なくなり、これによって離反状態を維持すべきプラテンとサーマルプリンタヘッドとが接触してしまうことがある。この場合、リボンセーブ処理においては、インクリボンの巻き取り動作を停止する処理が実行されていることから、プラテンとサーマルプリンタヘッドとが接触してしまうと、インクリボンと記録媒体とが摺動し、記録媒体がインクで汚れてしまうという不都合が生ずる。
【0010】
本発明の目的は、リボンセーブ処理中におけるソレノイドの動作状態を適正に保ち、正常なリボンセーブ機能を維持し得るようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のサーマルプリンタは、対向配置されるプラテンとサーマルプリンタヘッドとを有する印字部と、インクリボン供給軸から前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとの間を通ってインクリボン巻取軸にインクリボンを案内搬送するインクリボン供給装置と、前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとを、弾性部材の付勢力により当接している状態から前記弾性部材の付勢力に対抗してソレノイドで離反させる離反機構とを備え、1印字単位(例えば、シート様の記録媒体の1ページ、ラベルである記録媒体の1ラベル等)中の前記サーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動方向における非印字領域について、前記ソレノイドを駆動して前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとを離反させる処理と前記インクリボン供給装置を制御して前記インクリボンと前記サーマルプリンタヘッドとが相対移動しないようにする処理とからなるリボンセーブ処理を実行する。そして、このようなリボンセーブ処理に際して、1印字単位中の前記サーマルプリンタヘッドと前記記録媒体との相対移動方向における非印字領域の比率を実際比率として求め、求めた前記実際比率と予め定めた規定比率とを比較し、前記実際比率が前記規定比率よりも小さい場合には前記実際比率を実行比率として選択し、前記実際比率が前記規定比率よりも大きい場合には前記規定比率を実行比率として選択し、1印字単位中の非印字領域において、前記実行比率分だけリボンセーブ処理を実行する。これにより、ソレノイドは、1印字単位中において、規定比率分に相当する以上の時間駆動されることがなくなり、これによってソレノイドの温度上昇に伴う磁力の低下が防止される。したがって、ソレノイドの磁力低下によって発生し得るプラテンとサーマルプリンタヘッドとの接触が抑制され、インクリボンと記録媒体との摺動に伴う記録媒体のインク汚れ等が阻止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
【0013】
図1は、サーマルプリンタ全体の縦断正面図である。
【0014】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、ライン型のラベルプリンタとして構成されている。このようなサーマルプリンタ1は、ハウジング2内において、用紙保持部3に保持された記録媒体としてのラベル用紙4を案内する記録媒体案内経路5を備え、この記録媒体案内経路5の途中に印字部6を有し、この印字部6よりもラベル用紙4の搬送方向上流側に位置させて用紙搬送部7を有している。
【0015】
図1には、印字後のラベル用紙4をそのまま発行するような使用形態が示されている。これに対して、印字部6よりもラベル用紙4の搬送方向下流側に位置させてラベル剥離板8が配置され、このラベル剥離板8でラベル用紙4を鋭角に屈曲させ、ラベル用紙4中の台紙9を図示しない巻取軸に巻き取らせることで、台紙9からラベル10を剥離して発行する剥離発行動作をするような使用形態とすることも可能である。
【0016】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、印字部6及び用紙搬送部7を支持するための構造物として、下部フレーム11を含む各種のフレーム構造を有している。下部フレーム11は、サーマルプリンタ1が備える図示しないボトムフレームに固定されている。
【0017】
印字部6について説明する。印字部6は、プラテン12とこのプラテン12に記録媒体案内経路5を介して当接するライン型のサーマルプリンタヘッド13とによって構成されている。プラテン12は、下部フレーム11に回転自在に取り付けられ、後述する紙送りモータ106(図2参照)に駆動されて回転する。サーマルプリンタヘッド13は、図示しないフレーム構造に回動自在に取り付けられたヘッド保持フレーム14に固定されている。これにより、サーマルプリンタヘッド13は、ヘッド保持フレーム14の回動動作に従い、プラテン12に対して当接離反する。ここに、プラテン12とサーマルプリンタヘッド13とを接離させる接離機構が構成されている。
【0018】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、サーマルプリンタヘッド13をプラテン12に加圧させるための当接機構としてのヘッド加圧機構と、サーマルプリンタヘッド13をヘッドアップさせるための離反機構としてのヘッドアップ機構とを有している(共に図示せず)。ここで、当接機構としてのヘッド加圧機構は、例えば板バネやコイルバネ等の弾性部材の付勢力を利用してプラテン12にサーマルプリンタヘッド13を当接させる機構である。また、離反機構としてのヘッドアップ機構は、そのような弾性部材の付勢力に対抗してソレノイド108(図2参照)でプラテン12からサーマルプリンタヘッド13を離反させる機構である。
【0019】
印字部6は、熱転写方式でラベル用紙4に印字動作を行なう。そこで、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、インクリボン供給軸15からプラテン12とサーマルプリンタヘッド13との間を通ってインクリボン巻取軸16に至るインクリボン経路17にインクリボン18を案内搬送するインクリボン供給装置19を有する。このインクリボン供給装置19は、後述するリボンモータ107(図2参照)の駆動力を利用してインクリボン巻取軸16を回転駆動する。このようなインクリボン供給装置19は、インクリボン18を他の構造物を回避してインクリボン経路17に案内するための案内フレーム20を有している。
【0020】
用紙搬送部7について説明する。用紙搬送部7は、用紙搬送ローラ21とこの用紙搬送ローラ21に記録媒体案内経路5を介して当接するピンチローラ22とによって構成されている。用紙搬送ローラ21は、下部フレーム11に回転自在に取り付けられ、後述する紙送りモータ106(図2参照)に駆動されて回転する。ピンチローラ22は、全体を図示しないフレーム構造の一部をなす搬送路フレーム23に揺動自在に取り付けられたピンチローラフレーム24に回転自在に支持されている。そして、ピンチローラフレーム24は、搬送路フレーム23に一端が取り付けられた板バネ25に付勢され、これによってピンチローラ22は用紙搬送ローラ21に当接している。
【0021】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、各種のセンサ類を有する。これらのセンサ類としては、ラベルセンサ26、剥離センサ27、及びリボンエンドセンサ28が設けられている。
【0022】
ラベルセンサ26は、記録媒体案内経路5中で用紙搬送部7と印字部6との間に配置され、ラベル用紙4におけるラベル10の有無を検出する。その判定結果は、ラベル10の位置を確認するために用いられる。
【0023】
剥離センサ27は、記録媒体案内経路5が連絡するハウジング2に設けられた発行口29の近傍に設けられ、ラベル10の有無を検出する。その検出結果は、ラベル10の発行の有無を判定するために用いられる。
【0024】
リボンエンドセンサ28は、インクリボン経路17中で印字部6よりもインクリボン供給軸15側に配置され、インクリボン18の有無を光学的に検出する。つまり、リボンエンドセンサ28は、図示しない発光素子と受光素子とを備え、これらの発光素子と受光素子との間に形成される光経路を通る光の状態、例えば強弱に基づいてインクリボン18の有無を検出する。このようなリボンエンドセンサ28の検出結果は、インクリボン18が消費され尽くしてしまったかどうかの判定に用いられる。
【0025】
図2は、各部の電気的接続を示すブロック図である。
【0026】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、各部を集中的に制御するCPU101、動作プログラムを含む各種の固定データを固定的に格納するROM102、及び各種の可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM103から構成されるマイクロコンピュータ104を有し、このマイクロコンピュータ104によって各部を駆動制御する。この際、CPU101によってROM102に格納された動作プログラムが解釈され、この解釈に従ったCPU101の制御によって各部の駆動制御が行われる。
【0027】
マイクロコンピュータ104には、バスライン105を介してサーマルプリンタヘッド13、印字部6のプラテン12及び用紙搬送部7の用紙搬送ローラ21の駆動源となるステッピングモータ構成の紙送りモータ106、インクリボン供給装置19のインクリボン供給軸15及びインクリボン巻取軸16の駆動源となるDCモータ構成のリボンモータ107、プラテン12からサーマルプリンタヘッド13を離反させるヘッドアップ機構の駆動源となるソレノイド108、各種のセンサ類(ラベルセンサ26、剥離センサ27、及びリボンエンドセンサ28)、及び外部機器と通信するための通信インターフェース109が接続されている。これらの各部は、マイクロコンピュータ104に信号を与えたり、マイクロコンピュータ104によって駆動制御されたりする。
【0028】
さらに、マイクロコンピュータ104には、通信インターフェース109を介して外部機器から送信された印字データを展開するための画像メモリ110も接続されている。
【0029】
このような構成において、本実施の形態のサーマルプリンタ1では、マイクロコンピュータ104の制御のもと、用紙搬送ローラ21とプラテン12とによってラベル用紙4を記録媒体案内経路5内で搬送させながら、サーマルプリンタヘッド13によってラベル用紙4に印字データに基づく印字動作を実行する。この際、サーマルプリンタヘッド13の図示しない発熱素子の選択的な発熱に応じて、インクリボン18のインクをラベル用紙4に転写する熱転写方式の印字が行なわれる。
【0030】
このような熱転写方式の印字に際して、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、リボンセーブ処理を実行する。そこで、このリボンセーブ処理を主に図3のフローチャートを参照して説明する。図3は、リボンセーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
まず、通信インターフェース109を介して印字データを受信すると(ステップS101)、受信した印字データが画像メモリ110に展開されて描画される(ステップS102)。
【0032】
一般的なサーマルプリンタでは、受信した印字データを画像メモリ110に展開し描画した後に印字部6等を駆動して直ちに印字動作を実行するのに対して、本実施の形態のサーマルプリンタ1では、リボンセーブ処理の一環として、まず、CPU101の演算機能を利用してソレノイド108のオフ比率を計算する(ステップS103)。つまり、1印字単位中の非印字領域の比率を実際比率として求める。ここでいう1印字単位は、1枚分のラベル10である。画像メモリ110は、印字データをラベル10の1枚分の単位で展開し描画する。そこで、ソレノイド108のオフ比率を計算する処理としては、まず、画像メモリ110に展開され描画された印字データについて、サーマルプリンタヘッド13とラベル用紙4との相対移動方向における非印字領域の比率を実際比率として求める処理を実行する。続いて、例えばROM102に予め格納された規定比率と求めた実際比率とを比較し、実際比率が規定比率よりも小さい場合には実際比率を実行比率として選択し、実際比率が規定比率よりも大きい場合には規定比率を実行比率として選択する処理が実行され、ここにソレノイド108のオフ比率を計算する処理(手段)が完遂する。
【0033】
その後、マイクロコンピュータ104は、印字動作を実行し、その中でリボンセーブ処理の残りのルーチンを実行する(ステップS104)。このようなリボンセーブ処理の残りのルーチンとしては、1印字単位である1枚分のラベル10の非印字領域、つまりサーマルプリンタヘッド13とラベル用紙4との相対移動方向における非印字領域において、ステップS3の処理で選択された実行比率分だけリボンセーブ動作を実行する処理である。つまり、リボンセーブ動作としては、ソレノイド108を駆動してプラテン12からサーマルプリンタヘッド13を離反させる処理と、インクリボン供給装置19を制御してインクリボン18とサーマルプリンタヘッド13とが相対移動しないようにする処理とが実行される。インクリボン18とサーマルプリンタヘッド13とが相対移動しないようにする処理は、インクリボン巻取軸16によるインクリボンの巻き取り動作を停止することにより実現される。
【0034】
本実施の形態において重要なことは、上記リボンセーブ動作が、ステップS103の処理で選択された実行比率分だけ実行される点である。この点について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、ラベル用紙4が搬送されて発行される方向を示す模式図、図5は、1印字単位を構成するラベル10の1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイド108のオンオフ処理を示す模式図である。
【0035】
図4中、ラベル用紙4は紙面の右から左に搬送されて発行される。そして、1印字単位を構成する1枚のラベル10には、「12345678」として例示する内容と「ABCDEFG」として例示する内容とが一定の間隔を置いて印字されるものとする。
【0036】
そこで、図5に示すように、ラベル202における印字領域は▲1▼及び▲3▼として示す領域であり、非印字領域は▲2▼、▲4▼及び▲5▼として示す領域ということになる。したがって、従来のリボンセーブ処理では、▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域においてソレノイド108がオンにされ、これによってプラテン12とサーマルプリンタヘッド13とが離反されることになる。
【0037】
これに対して、本実施の形態では、図3のステップS103でソレノイド108のオフ比率を計算する処理がなされるため、1枚分のラベル10の1印字単位分の領域(▲1▼〜▲5▼)に対する非印字領域である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が実際比率として求められる。そして、予め規定された規定比率と求めた実際比率とが比較される。これを図5に示す例に当てはめると、例えば規定比率が50%であるとした場合、実際比率、つまり1枚分のラベル10の1印字単位分の領域(▲1▼〜▲5▼)に対する非印字領域である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率と規定比率である50%とが比較される。その結果、実際比率が規定比率よりも小さい場合、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より小さい場合には実際比率である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が実行比率として選択される。これに対して、実際比率が規定比率よりも大きい場合、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より大きい場合には規定比率である50%が実行比率として選択される。
【0038】
もしも、図5に示す例において、実際比率が規定比率よりも小さい、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より小さいとすると、実際比率である▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が実際比率として選択され、そのぶんだけリボンセーブ動作が実行されることになる。
【0039】
しかしながら、図5に示す例では、実際比率が規定比率よりも大きい、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より大きいことが明らかである。そこで、図5に示す例では、50%が実行比率として選択される。
【0040】
これに応じて、本実施の形態では、図3のステップS104の印字動作において、1印字単位を構成する1枚のラベル10中の非印字領域である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域において実行すべきリボンセーブ動作を、実行比率である50%だけ実行する。図5中、1枚のラベル10の全領域である▲1▼〜▲5▼の領域に対して、非印字領域である▲2▼及び▲3▼の領域が50%の領域であるとすると、その▲2▼及び▲3▼の領域においてのみリボンセーブ動作が実行されることになる。したがって、その▲2▼及び▲3▼の領域においてのみソレノイド108がオンにされ、その区間だけプラテン12とサーマルプリンタヘッド13とが離反されることになる。
【0041】
このように、ソレノイド108は、1印字単位を構成する1枚のラベル10中において、規定比率分に相当する以上の時間駆動されることがなくなり、これによってソレノイド108の温度上昇に伴う磁力の低下を防止することができ、したがって、ソレノイド108の磁力低下によって発生し得るプラテン12とサーマルプリンタヘッド13との接触が抑制され、インクリボン18とラベル用紙4との摺動に伴うラベル用紙4のインク汚れ等が阻止される。
【0042】
ここで、図5より明らかなように、リボンセーブ処理は、1印字単位を構成する1枚のラベル10中の非印字領域の最初から実行される。したがって、実際比率が規定比率よりも大きい場合、図5の例で言うと▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より大きい場合には、ラベル10の終端が非印字領域であったとしても、ソレノイド108がオフになっているはずである。このため、後続するラベル10に対する印字時に実行されるであろうリボンセーブ動作に備えてソレノイド108が冷却され、ソレノイドの磁力低下をより効率良く防止することが可能となる。
【0043】
なお、実施に当っては、サーマルプリンタヘッド13を固定とし、このサーマルプリンタヘッド13に対してプラテン12を変位させる構造のものに適用しても良く、また、シリアルタイプのサーマルプリンタに適用しても良い。1印字単位は、1ページ分の用紙や1枚分のラベル101でなく、用紙の搬送距離(搬送長さ)にしても良い。また、非印字領域でのソレノイド108のオフを用紙の後端にしなくても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ソレノイドは、1印字単位中において、規定比率分に相当する以上の時間駆動されることがなくなり、これによってソレノイドの温度上昇に伴う磁力の低下を防止することができ、したがって、ソレノイドの磁力低下によって発生し得るプラテンとサーマルプリンタヘッドとの接触を防止し、インクリボンと記録媒体との摺動に伴う記録媒体のインク汚れ等を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す全体の縦断正面図である。
【図2】各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】リボンセーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】ラベル用紙が搬送されて発行される方向を示す模式図である。
【図5】1印字単位を構成するラベル1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイドのオンオフ処理を示す模式図である。
【図6】従来の一例として、1印字単位を構成するラベル1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイドのオンオフ処理を示す模式図である。
【符号の説明】
4 記録媒体(ラベル用紙)
6 印字部
12 プラテン
13 サーマルプリンタヘッド
15 インクリボン供給軸
16 インクリボン巻取軸
18 インクリボン
19 インクリボン供給装置
【発明の属する技術分野】
本発明は、熱転写方式のサーマルプリンタに関する。本発明のサーマルプリンタは、例えば運輸、物流、アパレル等の業界において用いられる文字やバーコード等をラベルやタグに印字するラベルプリンタへの適用に好適である。
【0002】
【従来の技術】
熱転写方式のサーマルプリンタは、インクリボンのインクをサーマルプリンタヘッドの発熱素子で溶融し、これを記録媒体に転写することによって印字を行なう。この際、サーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動が生ずる。このため、このようなサーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動に同期させ、インクリボンもサーマルプリンタヘッドと相対移動させなければならない。つまり、サーマルプリンタヘッドがインクリボンを介して記録媒体に当接しているという前提のもとでは、記録媒体とインクリボンとの相対移動量を0としなければならないため、インクリボンはサーマルプリンタヘッドと相対移動することになる。
【0003】
これに対して、例えばシート様の記録媒体の1ページやラベルである記録媒体の1ラベルである1印字単位中において、記録媒体の全面に渡り印字がなされないことも多い。ところが、この場合、印字されない非印字領域においてもサーマルプリンタヘッドとインクリボンとを相対移動させるとなると、インクリボンに無駄が生ずる。
【0004】
そこで、従来、1印字単位中の非印字領域において、リボンセーブ処理を実行するようにしたサーマルプリンタが実用化されている。ここで、リボンセーブ処理というのは、記録媒体を支持するプラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させる処理と、インクリボンとサーマルプリンタとを相対移動しないようにする処理とから構成される。例えば、ラインサーマルプリンタの場合には、記録媒体の搬送に合わせたインクリボンの巻き取り動作を停止する処理がインクリボンとサーマルプリンタとを相対移動しないようにする処理であり、この際、プラテンにサーマルプリンタヘッドが当接したままでは記録媒体がインクリボンと摺動してインクで汚れてしまうため、プラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させる処理が必要となる。このようなリボンセーブ処理を実行するようにしたサーマルプリンタは、例えば特許文献1に記載されている。
【0005】
【特許文献1】
特開平5−50729号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従来のサーマルプリンタでは、例えば弾性部材の付勢力を利用して、サーマルプリンタヘッドがプラテンに対して、あるいはプラテンがサーマルプリンタヘッドに対して当接する方向に付勢されているのが一般的である。そこで、1印字単位中の非印字領域においてプラテンとサーマルプリンタヘッドとを離反させることを要求するリボンセーブ処理を実行するためには、弾性部材の付勢力に対抗してサーマルプリンタヘッド又はプラテンを駆動し、両者を離反させなければならない。そのための駆動源として、ソレノイドが広く用いられている。
【0007】
図6は、1印字単位を構成するラベル1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイドのオンオフ処理を示す模式図である。図6中、ラベル用紙201は紙面の右から左に搬送されて発行される。そして、1印字単位を構成する1枚のラベル202には、「12345678」として例示する内容と「ABCDEFG」として例示する内容とが一定の間隔を置いて印字されるものとする。そこで、ラベル202における非印字領域は、▲1▼及び▲2▼として示す領域ということになる。このような前提のもと、リボンセーブ処理の一環として、▲1▼及び▲2▼の領域においてソレノイドがオンされ、これによってプラテンとサーマルプリンタヘッドとが離反される。
【0008】
図6に例示するように、従来のリボンセーブ処理では、▲1▼及び▲2▼として示す非印字領域の全体に渡りソレノイドがオンされている。これに対して、ソレノイドのオン時間が長くなると、ソレノイドの温度が上昇し、これに伴い磁力が弱くなって可動鉄心を駆動する力が弱くなってしまうという問題がある。このような現象は、1印字単位の領域が大きくなればなる程顕著となり、例えば、1メートル近い大きさのラベルに印字する場合には、ソレノイドの磁力低下が頻繁に生じ易い。
【0009】
そして、このようなソレノイドの磁力低下という現象が生ずると、ソレノイドが正常に動作し得なくなり、これによって離反状態を維持すべきプラテンとサーマルプリンタヘッドとが接触してしまうことがある。この場合、リボンセーブ処理においては、インクリボンの巻き取り動作を停止する処理が実行されていることから、プラテンとサーマルプリンタヘッドとが接触してしまうと、インクリボンと記録媒体とが摺動し、記録媒体がインクで汚れてしまうという不都合が生ずる。
【0010】
本発明の目的は、リボンセーブ処理中におけるソレノイドの動作状態を適正に保ち、正常なリボンセーブ機能を維持し得るようにすることである。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明のサーマルプリンタは、対向配置されるプラテンとサーマルプリンタヘッドとを有する印字部と、インクリボン供給軸から前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとの間を通ってインクリボン巻取軸にインクリボンを案内搬送するインクリボン供給装置と、前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとを、弾性部材の付勢力により当接している状態から前記弾性部材の付勢力に対抗してソレノイドで離反させる離反機構とを備え、1印字単位(例えば、シート様の記録媒体の1ページ、ラベルである記録媒体の1ラベル等)中の前記サーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動方向における非印字領域について、前記ソレノイドを駆動して前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとを離反させる処理と前記インクリボン供給装置を制御して前記インクリボンと前記サーマルプリンタヘッドとが相対移動しないようにする処理とからなるリボンセーブ処理を実行する。そして、このようなリボンセーブ処理に際して、1印字単位中の前記サーマルプリンタヘッドと前記記録媒体との相対移動方向における非印字領域の比率を実際比率として求め、求めた前記実際比率と予め定めた規定比率とを比較し、前記実際比率が前記規定比率よりも小さい場合には前記実際比率を実行比率として選択し、前記実際比率が前記規定比率よりも大きい場合には前記規定比率を実行比率として選択し、1印字単位中の非印字領域において、前記実行比率分だけリボンセーブ処理を実行する。これにより、ソレノイドは、1印字単位中において、規定比率分に相当する以上の時間駆動されることがなくなり、これによってソレノイドの温度上昇に伴う磁力の低下が防止される。したがって、ソレノイドの磁力低下によって発生し得るプラテンとサーマルプリンタヘッドとの接触が抑制され、インクリボンと記録媒体との摺動に伴う記録媒体のインク汚れ等が阻止される。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の一形態を図1ないし図5に基づいて説明する。
【0013】
図1は、サーマルプリンタ全体の縦断正面図である。
【0014】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、ライン型のラベルプリンタとして構成されている。このようなサーマルプリンタ1は、ハウジング2内において、用紙保持部3に保持された記録媒体としてのラベル用紙4を案内する記録媒体案内経路5を備え、この記録媒体案内経路5の途中に印字部6を有し、この印字部6よりもラベル用紙4の搬送方向上流側に位置させて用紙搬送部7を有している。
【0015】
図1には、印字後のラベル用紙4をそのまま発行するような使用形態が示されている。これに対して、印字部6よりもラベル用紙4の搬送方向下流側に位置させてラベル剥離板8が配置され、このラベル剥離板8でラベル用紙4を鋭角に屈曲させ、ラベル用紙4中の台紙9を図示しない巻取軸に巻き取らせることで、台紙9からラベル10を剥離して発行する剥離発行動作をするような使用形態とすることも可能である。
【0016】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、印字部6及び用紙搬送部7を支持するための構造物として、下部フレーム11を含む各種のフレーム構造を有している。下部フレーム11は、サーマルプリンタ1が備える図示しないボトムフレームに固定されている。
【0017】
印字部6について説明する。印字部6は、プラテン12とこのプラテン12に記録媒体案内経路5を介して当接するライン型のサーマルプリンタヘッド13とによって構成されている。プラテン12は、下部フレーム11に回転自在に取り付けられ、後述する紙送りモータ106(図2参照)に駆動されて回転する。サーマルプリンタヘッド13は、図示しないフレーム構造に回動自在に取り付けられたヘッド保持フレーム14に固定されている。これにより、サーマルプリンタヘッド13は、ヘッド保持フレーム14の回動動作に従い、プラテン12に対して当接離反する。ここに、プラテン12とサーマルプリンタヘッド13とを接離させる接離機構が構成されている。
【0018】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、サーマルプリンタヘッド13をプラテン12に加圧させるための当接機構としてのヘッド加圧機構と、サーマルプリンタヘッド13をヘッドアップさせるための離反機構としてのヘッドアップ機構とを有している(共に図示せず)。ここで、当接機構としてのヘッド加圧機構は、例えば板バネやコイルバネ等の弾性部材の付勢力を利用してプラテン12にサーマルプリンタヘッド13を当接させる機構である。また、離反機構としてのヘッドアップ機構は、そのような弾性部材の付勢力に対抗してソレノイド108(図2参照)でプラテン12からサーマルプリンタヘッド13を離反させる機構である。
【0019】
印字部6は、熱転写方式でラベル用紙4に印字動作を行なう。そこで、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、インクリボン供給軸15からプラテン12とサーマルプリンタヘッド13との間を通ってインクリボン巻取軸16に至るインクリボン経路17にインクリボン18を案内搬送するインクリボン供給装置19を有する。このインクリボン供給装置19は、後述するリボンモータ107(図2参照)の駆動力を利用してインクリボン巻取軸16を回転駆動する。このようなインクリボン供給装置19は、インクリボン18を他の構造物を回避してインクリボン経路17に案内するための案内フレーム20を有している。
【0020】
用紙搬送部7について説明する。用紙搬送部7は、用紙搬送ローラ21とこの用紙搬送ローラ21に記録媒体案内経路5を介して当接するピンチローラ22とによって構成されている。用紙搬送ローラ21は、下部フレーム11に回転自在に取り付けられ、後述する紙送りモータ106(図2参照)に駆動されて回転する。ピンチローラ22は、全体を図示しないフレーム構造の一部をなす搬送路フレーム23に揺動自在に取り付けられたピンチローラフレーム24に回転自在に支持されている。そして、ピンチローラフレーム24は、搬送路フレーム23に一端が取り付けられた板バネ25に付勢され、これによってピンチローラ22は用紙搬送ローラ21に当接している。
【0021】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、各種のセンサ類を有する。これらのセンサ類としては、ラベルセンサ26、剥離センサ27、及びリボンエンドセンサ28が設けられている。
【0022】
ラベルセンサ26は、記録媒体案内経路5中で用紙搬送部7と印字部6との間に配置され、ラベル用紙4におけるラベル10の有無を検出する。その判定結果は、ラベル10の位置を確認するために用いられる。
【0023】
剥離センサ27は、記録媒体案内経路5が連絡するハウジング2に設けられた発行口29の近傍に設けられ、ラベル10の有無を検出する。その検出結果は、ラベル10の発行の有無を判定するために用いられる。
【0024】
リボンエンドセンサ28は、インクリボン経路17中で印字部6よりもインクリボン供給軸15側に配置され、インクリボン18の有無を光学的に検出する。つまり、リボンエンドセンサ28は、図示しない発光素子と受光素子とを備え、これらの発光素子と受光素子との間に形成される光経路を通る光の状態、例えば強弱に基づいてインクリボン18の有無を検出する。このようなリボンエンドセンサ28の検出結果は、インクリボン18が消費され尽くしてしまったかどうかの判定に用いられる。
【0025】
図2は、各部の電気的接続を示すブロック図である。
【0026】
本実施の形態のサーマルプリンタ1は、各部を集中的に制御するCPU101、動作プログラムを含む各種の固定データを固定的に格納するROM102、及び各種の可変データを書き換え自在に記憶してワークエリアとして使用されるRAM103から構成されるマイクロコンピュータ104を有し、このマイクロコンピュータ104によって各部を駆動制御する。この際、CPU101によってROM102に格納された動作プログラムが解釈され、この解釈に従ったCPU101の制御によって各部の駆動制御が行われる。
【0027】
マイクロコンピュータ104には、バスライン105を介してサーマルプリンタヘッド13、印字部6のプラテン12及び用紙搬送部7の用紙搬送ローラ21の駆動源となるステッピングモータ構成の紙送りモータ106、インクリボン供給装置19のインクリボン供給軸15及びインクリボン巻取軸16の駆動源となるDCモータ構成のリボンモータ107、プラテン12からサーマルプリンタヘッド13を離反させるヘッドアップ機構の駆動源となるソレノイド108、各種のセンサ類(ラベルセンサ26、剥離センサ27、及びリボンエンドセンサ28)、及び外部機器と通信するための通信インターフェース109が接続されている。これらの各部は、マイクロコンピュータ104に信号を与えたり、マイクロコンピュータ104によって駆動制御されたりする。
【0028】
さらに、マイクロコンピュータ104には、通信インターフェース109を介して外部機器から送信された印字データを展開するための画像メモリ110も接続されている。
【0029】
このような構成において、本実施の形態のサーマルプリンタ1では、マイクロコンピュータ104の制御のもと、用紙搬送ローラ21とプラテン12とによってラベル用紙4を記録媒体案内経路5内で搬送させながら、サーマルプリンタヘッド13によってラベル用紙4に印字データに基づく印字動作を実行する。この際、サーマルプリンタヘッド13の図示しない発熱素子の選択的な発熱に応じて、インクリボン18のインクをラベル用紙4に転写する熱転写方式の印字が行なわれる。
【0030】
このような熱転写方式の印字に際して、本実施の形態のサーマルプリンタ1は、リボンセーブ処理を実行する。そこで、このリボンセーブ処理を主に図3のフローチャートを参照して説明する。図3は、リボンセーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【0031】
まず、通信インターフェース109を介して印字データを受信すると(ステップS101)、受信した印字データが画像メモリ110に展開されて描画される(ステップS102)。
【0032】
一般的なサーマルプリンタでは、受信した印字データを画像メモリ110に展開し描画した後に印字部6等を駆動して直ちに印字動作を実行するのに対して、本実施の形態のサーマルプリンタ1では、リボンセーブ処理の一環として、まず、CPU101の演算機能を利用してソレノイド108のオフ比率を計算する(ステップS103)。つまり、1印字単位中の非印字領域の比率を実際比率として求める。ここでいう1印字単位は、1枚分のラベル10である。画像メモリ110は、印字データをラベル10の1枚分の単位で展開し描画する。そこで、ソレノイド108のオフ比率を計算する処理としては、まず、画像メモリ110に展開され描画された印字データについて、サーマルプリンタヘッド13とラベル用紙4との相対移動方向における非印字領域の比率を実際比率として求める処理を実行する。続いて、例えばROM102に予め格納された規定比率と求めた実際比率とを比較し、実際比率が規定比率よりも小さい場合には実際比率を実行比率として選択し、実際比率が規定比率よりも大きい場合には規定比率を実行比率として選択する処理が実行され、ここにソレノイド108のオフ比率を計算する処理(手段)が完遂する。
【0033】
その後、マイクロコンピュータ104は、印字動作を実行し、その中でリボンセーブ処理の残りのルーチンを実行する(ステップS104)。このようなリボンセーブ処理の残りのルーチンとしては、1印字単位である1枚分のラベル10の非印字領域、つまりサーマルプリンタヘッド13とラベル用紙4との相対移動方向における非印字領域において、ステップS3の処理で選択された実行比率分だけリボンセーブ動作を実行する処理である。つまり、リボンセーブ動作としては、ソレノイド108を駆動してプラテン12からサーマルプリンタヘッド13を離反させる処理と、インクリボン供給装置19を制御してインクリボン18とサーマルプリンタヘッド13とが相対移動しないようにする処理とが実行される。インクリボン18とサーマルプリンタヘッド13とが相対移動しないようにする処理は、インクリボン巻取軸16によるインクリボンの巻き取り動作を停止することにより実現される。
【0034】
本実施の形態において重要なことは、上記リボンセーブ動作が、ステップS103の処理で選択された実行比率分だけ実行される点である。この点について、図4及び図5を参照しながら説明する。図4は、ラベル用紙4が搬送されて発行される方向を示す模式図、図5は、1印字単位を構成するラベル10の1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイド108のオンオフ処理を示す模式図である。
【0035】
図4中、ラベル用紙4は紙面の右から左に搬送されて発行される。そして、1印字単位を構成する1枚のラベル10には、「12345678」として例示する内容と「ABCDEFG」として例示する内容とが一定の間隔を置いて印字されるものとする。
【0036】
そこで、図5に示すように、ラベル202における印字領域は▲1▼及び▲3▼として示す領域であり、非印字領域は▲2▼、▲4▼及び▲5▼として示す領域ということになる。したがって、従来のリボンセーブ処理では、▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域においてソレノイド108がオンにされ、これによってプラテン12とサーマルプリンタヘッド13とが離反されることになる。
【0037】
これに対して、本実施の形態では、図3のステップS103でソレノイド108のオフ比率を計算する処理がなされるため、1枚分のラベル10の1印字単位分の領域(▲1▼〜▲5▼)に対する非印字領域である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が実際比率として求められる。そして、予め規定された規定比率と求めた実際比率とが比較される。これを図5に示す例に当てはめると、例えば規定比率が50%であるとした場合、実際比率、つまり1枚分のラベル10の1印字単位分の領域(▲1▼〜▲5▼)に対する非印字領域である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率と規定比率である50%とが比較される。その結果、実際比率が規定比率よりも小さい場合、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より小さい場合には実際比率である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が実行比率として選択される。これに対して、実際比率が規定比率よりも大きい場合、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より大きい場合には規定比率である50%が実行比率として選択される。
【0038】
もしも、図5に示す例において、実際比率が規定比率よりも小さい、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より小さいとすると、実際比率である▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が実際比率として選択され、そのぶんだけリボンセーブ動作が実行されることになる。
【0039】
しかしながら、図5に示す例では、実際比率が規定比率よりも大きい、つまり、図5中の▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より大きいことが明らかである。そこで、図5に示す例では、50%が実行比率として選択される。
【0040】
これに応じて、本実施の形態では、図3のステップS104の印字動作において、1印字単位を構成する1枚のラベル10中の非印字領域である▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域において実行すべきリボンセーブ動作を、実行比率である50%だけ実行する。図5中、1枚のラベル10の全領域である▲1▼〜▲5▼の領域に対して、非印字領域である▲2▼及び▲3▼の領域が50%の領域であるとすると、その▲2▼及び▲3▼の領域においてのみリボンセーブ動作が実行されることになる。したがって、その▲2▼及び▲3▼の領域においてのみソレノイド108がオンにされ、その区間だけプラテン12とサーマルプリンタヘッド13とが離反されることになる。
【0041】
このように、ソレノイド108は、1印字単位を構成する1枚のラベル10中において、規定比率分に相当する以上の時間駆動されることがなくなり、これによってソレノイド108の温度上昇に伴う磁力の低下を防止することができ、したがって、ソレノイド108の磁力低下によって発生し得るプラテン12とサーマルプリンタヘッド13との接触が抑制され、インクリボン18とラベル用紙4との摺動に伴うラベル用紙4のインク汚れ等が阻止される。
【0042】
ここで、図5より明らかなように、リボンセーブ処理は、1印字単位を構成する1枚のラベル10中の非印字領域の最初から実行される。したがって、実際比率が規定比率よりも大きい場合、図5の例で言うと▲1▼〜▲5▼の領域に対する▲2▼、▲4▼及び▲5▼の領域の比率が50%より大きい場合には、ラベル10の終端が非印字領域であったとしても、ソレノイド108がオフになっているはずである。このため、後続するラベル10に対する印字時に実行されるであろうリボンセーブ動作に備えてソレノイド108が冷却され、ソレノイドの磁力低下をより効率良く防止することが可能となる。
【0043】
なお、実施に当っては、サーマルプリンタヘッド13を固定とし、このサーマルプリンタヘッド13に対してプラテン12を変位させる構造のものに適用しても良く、また、シリアルタイプのサーマルプリンタに適用しても良い。1印字単位は、1ページ分の用紙や1枚分のラベル101でなく、用紙の搬送距離(搬送長さ)にしても良い。また、非印字領域でのソレノイド108のオフを用紙の後端にしなくても良い。
【0044】
【発明の効果】
本発明によれば、ソレノイドは、1印字単位中において、規定比率分に相当する以上の時間駆動されることがなくなり、これによってソレノイドの温度上昇に伴う磁力の低下を防止することができ、したがって、ソレノイドの磁力低下によって発生し得るプラテンとサーマルプリンタヘッドとの接触を防止し、インクリボンと記録媒体との摺動に伴う記録媒体のインク汚れ等を阻止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示す全体の縦断正面図である。
【図2】各部の電気的接続を示すブロック図である。
【図3】リボンセーブ処理の流れを示すフローチャートである。
【図4】ラベル用紙が搬送されて発行される方向を示す模式図である。
【図5】1印字単位を構成するラベル1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイドのオンオフ処理を示す模式図である。
【図6】従来の一例として、1印字単位を構成するラベル1枚中でリボンセーブ処理のために実行されるソレノイドのオンオフ処理を示す模式図である。
【符号の説明】
4 記録媒体(ラベル用紙)
6 印字部
12 プラテン
13 サーマルプリンタヘッド
15 インクリボン供給軸
16 インクリボン巻取軸
18 インクリボン
19 インクリボン供給装置
Claims (2)
- 対向配置されるプラテンとサーマルプリンタヘッドとを有する印字部と、
インクリボン供給軸から前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとの間を通ってインクリボン巻取軸にインクリボンを案内搬送するインクリボン供給装置と、
前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとを、弾性部材の付勢力により当接している状態から前記弾性部材の付勢力に対抗してソレノイドで離反させる離反機構と、
1印字単位中の前記サーマルプリンタヘッドと記録媒体との相対移動方向における非印字領域の比率を実際比率として求める手段と、
求めた前記実際比率と予め定めた規定比率とを比較し、前記実際比率が前記規定比率よりも小さい場合には前記実際比率を実行比率として選択し、前記実際比率が前記規定比率よりも大きい場合には前記規定比率を実行比率として選択する手段と、
1印字単位中の非印字領域において、選択された前記実行比率分だけ、前記ソレノイドを駆動して前記プラテンと前記サーマルプリンタヘッドとを離反させる処理と前記インクリボン供給装置を制御して前記インクリボンと前記サーマルプリンタヘッドとが相対移動しないようにする処理とからなるリボンセーブ処理を実行する手段と、
を具備するサーマルプリンタ。 - 前記リボンセーブ処理は、1印字単位中の非印字領域の最初から実行される請求項1記載のサーマルプリンタ。
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