JP2004167751A - サーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】サーマルヘッドへの汚れをクリーニングシートを用いずに除去する。
【解決手段】プラテンローラ21の周面に研磨剤を含ませて、研磨機能を付与する。プラテンローラ21に電磁クラッチ53を介して搬送モータ16を接続する。記録紙10を給紙する前に、プラテンローラ21をサーマルヘッド20の発熱素子アレイ23に圧接させる。この状態で、電磁クラッチ53をオンにして、搬送モータ16を逆転し、プラテンローラ21を回転させる。このとき、発熱素子アレイ23を通電してクリーニングに最適な温度に上昇させておく。プラテンローラ21と発熱素子アレイ23とが摺接することにより、発熱素子アレイ23に付着したゴミや汚れが落とされて、クリーニング処理が行われる。クリーニングシートが不要になり、ヘッドクリーニングが簡単に行える。
【選択図】 図1
【解決手段】プラテンローラ21の周面に研磨剤を含ませて、研磨機能を付与する。プラテンローラ21に電磁クラッチ53を介して搬送モータ16を接続する。記録紙10を給紙する前に、プラテンローラ21をサーマルヘッド20の発熱素子アレイ23に圧接させる。この状態で、電磁クラッチ53をオンにして、搬送モータ16を逆転し、プラテンローラ21を回転させる。このとき、発熱素子アレイ23を通電してクリーニングに最適な温度に上昇させておく。プラテンローラ21と発熱素子アレイ23とが摺接することにより、発熱素子アレイ23に付着したゴミや汚れが落とされて、クリーニング処理が行われる。クリーニングシートが不要になり、ヘッドクリーニングが簡単に行える。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法に関し、更に詳しくはサーマルヘッドの汚れを除去する機能を持ったサーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱感度が異なるイエロー,マゼンタ,シアンの感熱発色層が層設され、最後に印画が行なわれるシアン感熱発色層以外の感熱発色層に定着性が付与されたカラー感熱記録紙を使用して、フルカラー画像を印画する感熱方式のカラーサーマルプリンタがある。このサーマルプリンタでは、カラー感熱記録紙を搬送する間に、サーマルヘッドの発熱素子アレイを圧接させ、各発熱素子を発熱させることで各感熱発色層に印画を行い、各色の印画後に光定着器で紫外線を照射して各感熱発色層を定着している。
【0003】
発熱素子アレイには、カラー感熱記録紙の表面に付着している塵埃や、カラー感熱記録紙の表面を覆っている保護層からの剥離物、紙屑,印字カス等の異物が付着する。発熱素子アレイに異物が付着した状態で印画を行なうと、カラー感熱記録紙への熱伝達が阻害されてプリント画質が劣化する。また、印画開始前にサーマルヘッドを空打ちさせて予熱を行なうサーマルプリンタでは、発熱素子アレイに付着した異物が焼きつき、汚れを悪化させてしまうことがある。
【0004】
そのため、カラーサーマルプリンタでは、定期的にサーマルヘッドのクリーニングを行なう必要がある。このクリーニングは、カラー感熱記録紙の代わりにクリーニングシートをセットし、このクリーニングシートを発熱素子アレイと摺接させることにより異物を除去して行っている(例えば特許文献1参照)。また、上記クリーニングほど異物の除去能力は高くないが、プリント動作時に毎回サーマルヘッドの汚れを除去するものもある(例えば、特許文献2参照)。これは、印画後に発熱素子アレイを記録材料に圧接させたまま記録材料の搬送を行なうことで、発熱素子アレイに付着した異物を擦り取るものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−143809号公報
【特許文献2】
特開平10−100365号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図5に示すように、加熱されていないカラー感熱記録紙2は硬いため、プラテンローラ4による押圧にも関わらず、発熱素子3とカラー感熱記録紙2との接触幅W1が狭くなる。これにより、記録紙搬送方向の上流側部分でしか発熱素子3とカラー感熱記録紙2とが接触しなくなる。そのため、記録紙搬送方向の下流側部分に付着している異物5が除去されることなく残ってしまう。
【0007】
また、カラー印刷時には、サーマルヘッドが高温になるため、発熱素子アレイに異物が焼きつき、表面が滑らかな記録材料をサーマルヘッドに摺接させる従来のクリーニング方式では異物を除去しきれない可能性がある。
【0008】
更に、クリーニングシートを使用してクリーニングを行う場合でも、クリーニングの度にクリーニングシートを装填する必要があり面倒である。このようなヘッドクリーニングにおける問題は感熱方式に限らず、熱溶融転写方式や昇華方式のサーマルプリンタにもあり、解決が望まれていた。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、サーマルプリンタ単体でサーマルヘッドのクリーニング処理が行えるようにしたサーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のサーマルプリンタは、周面に研磨機能を付与したプラテンローラをサーマルヘッドに圧接した状態で回転させることにより、サーマルプリンタ単体でサーマルヘッドのクリーニング処理を行うようにしたものである。なお、クリーニング処理時には、サーマルヘッドを加熱させた状態で前記のクリーニング処理を行うことが好ましい。
【0011】
また、プラテンローラの周面の表層には研磨剤が混入されていることが好ましい。更に、上記クリーニング処理時に、プラテンローラに付着したゴミが発熱素子アレイへ再付着するのを防止するために、プラテンローラにゴミ取りローラを当接させることが好ましい。
【0012】
また、上記クリーニング処理時にのみプラテンローラへ回転駆動を伝達させるために、駆動系とプラテンローラのと間にクラッチ機構を設けることが好ましい。
【0013】
更に、複数のサーマルヘッドを備えたサーマルプリンタにおいては、各サーマルヘッド毎に前記クリーニング処理を行うことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したカラーサーマルプリンタの構成を示す概略図である。このカラーサーマルプリンタでは、記録媒体として長尺のカラー感熱記録紙10が用いられる。カラー感熱記録紙10は、ロール状に巻かれた記録紙ロール11の形態でカラーサーマルプリンタにセットされる。記録紙ロール11は、外周に当接された給紙ローラ12によって回転され、カラー感熱記録紙10を図中右方の送出し方向(A方向)と、図中左方の巻戻し方向(B方向)とに搬送する。
【0015】
周知のように、カラー感熱記録紙10は、支持体上にシアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに、発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。
【0016】
記録紙ロール11のA方向の下流には、カラー感熱記録紙10を挟み込んで搬送する搬送ローラ対15が配置されている。この搬送ローラ対15は、搬送モータ16によって回転駆動されるキャプスタンローラ15aと、このキャプスタンローラ15aに圧接するピンチローラ15bからなり、カラー感熱記録紙10をA方向とB方向とに往復搬送する。搬送ローラ対15は図示しないシフト機構によって、カラー感熱記録紙10をニップする。
【0017】
搬送ローラ対15のA方向の上流側には、サーマルヘッド20とプラテンローラ21とがカラー感熱記録紙10の搬送経路を挟むように配置されている。サーマルヘッド20には、発熱素子アレイ23が形成されている。この発熱素子アレイ23は、カラー感熱記録紙10の幅方向の全域に印画を行なうために、カラー感熱記録紙10の幅寸法より長く設けられている。
【0018】
プラテンローラ21は、発熱素子アレイ23に対面する位置で搬送経路の上方に配置されている。このプラテンローラ21は、発熱素子アレイ23に圧接させる印画位置と、発熱素子アレイ23から離れさせる退避位置との間で移動自在とされており、この移動はカムやバネ,ソレノイド等からなるシフト機構25によって行なわれる。また、プラテンローラ21の周面の表層には研磨剤が混入されており、クリーニング処理時における異物除去能力が高められている。
【0019】
電磁クラッチ53は、プラテンローラ21の回転軸に設けられている。この電磁クラッチ53は搬送モータ16からプラテンローラ21への回転駆動の伝達を制御するものであり、印画時には、電磁クラッチ53を切って搬送モータ16から独立させたフリー状態にしてプラテンローラ21を従動回転させる。また、クリーニング処理時には、電磁クラッチ53を連結してプラテンローラ21に搬送モータ16からの回転駆動を伝達させる。
【0020】
ゴミ取りローラ55は、クリーニング処理時のプラテンローラ21に当接する位置に設けられている。このゴミ取りローラ55は、周面に粘着層が形成されており、プラテンローラ21の回転に応じて従動回転をして、クリーニング処理時にプラテンローラ21に付着する異物を吸着する。このゴミ取りローラ55はクリーニング処理時のみプラテンローラ21に当接するようにシフト機構56を備えており、通常のプリント時にはゴミ取りローラ55は、プラテンローラ21から待避した位置にされている。ゴミ取りローラ55は必要に応じて、清掃、交換が行われる。
【0021】
サーマルヘッド20は、搬送ローラ対15によってA方向に搬送されるカラー感熱記録紙10に圧接し、発熱素子アレイ23の各発熱素子を発熱させて各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ21は、カラー感熱記録紙10の搬送に応じて従動回転して、カラー感熱記録紙10と発熱素子アレイ23との摺接を補助する。
【0022】
搬送ローラ対15のA方向の下流側で搬送経路の上方には、給紙時にカラー感熱記録紙10の先端を検出する先端検出センサ26が配置されている。この先端検出センサ26には、例えば、カラー感熱記録紙10の先端に検査光を照射する投光部と、カラー感熱記録紙10に反射した検査光を受光する受光部とを備えた反射型フォトインタラプタが用いられている。
【0023】
搬送ローラ対15のA方向の下流側で搬送経路の下方には、光定着器28が配置されている。この光定着器28は、イエロー用定着ランプ29と、マゼンタ用定着ランプ30と、リフレクタ31とからなる。イエロー用定着ランプ29は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、カラー感熱記録紙10のイエロー感熱発色層を定着する。マゼンタ用定着ランプ30は365nmの紫外線を放出してマゼンタ感熱発色層を定着する。
【0024】
光定着器28のA方向の下流側には、長尺のカラー感熱記録紙10を記録エリアごとに切断するカッタ33が設けられている。カッタ33の下流側には、切断されたシート状のカラー感熱記録紙10を排出する排紙口34が配置されている。
【0025】
図2は、カラーサーマルプリンタの電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のカラーサーマルプリンタは、システムコントローラ36によって全体が制御されている。システムコントローラ36は、例えば、CPUと、プログラムROMと、ワークRAM等からなり、操作パネル37が接続されている。操作パネル37には、電源スイッチ、モード選択キー、プリント開始キー、その他の各種キーが設けられており、モード選択やプリント指示、データ入力が可能にされている。CPUは、プログラムROMに記憶されている制御プログラムに従ってプリンタの各部を制御し、その時々に生じる一時的なデータをワークRAMに記憶してプリンタの制御に利用する。
【0026】
システムコントローラ36には、メモリコントローラ38とインターフェースコントローラ39とが実装されたIC40が接続されている。メモリコントローラ38は、プリンタ外部に設けられたメモリカードスロットに装填されたメモリカード41と、画像メモリ42とを制御し、画像データの読み出し及び書き込みを行なう。インターフェースコントローラ39は、パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等との接続に用いられるPCインターフェース45と、外部モニタ43への映像出力を行なう映像出力回路44等を制御する。
【0027】
例えば、メモリカード41に記録されている画像データをモニタ43上に表示する場合には、メモリコントローラ38がメモリカード41から画像データを読み出し、インターフェースコントローラ39がこの画像データを映像出力回路44に入力する。映像出力回路44は、RGB形式の画像データをNTSC等のコンポジット信号に変換し、モニタ43に出力する。
【0028】
また、メモリカード41に記録されている画像データをプリントする場合には、メモリコントローラ38がメモリカード41から画像データを読み出し、画像メモリ42に記録する。画像メモリ42に記録された画像データは、メモリコントローラ38を介してプリントデータ形成部46に読み込まれる。
【0029】
プリントデータ形成部46は、読み込んだRGB形式の画像データをYMC形式のプリントデータに変換する。このプリントデータは、各色ごとに1ラインずつヘッドドライバ48に入力される。ヘッドドライバ48は、1ライン分のプリントデータを駆動信号に変換して、サーマルヘッド20の各発熱素子を駆動する。
【0030】
システムコントローラ36には、モータドライバ50とランプドライバ51とシフト機構25, 56と電磁クラッチ53とが接続されている。モータドライバ50は、システムコントローラ36からの制御信号により、パルスモータである搬送モータ16を駆動する駆動パルスを発生する。モータドライバ50で生成された駆動パルスは、システムコントローラ36にてカウントされ、カラー感熱記録紙10の搬送量の検出に用いられる。
【0031】
ランプドライバ51は、システムコントローラ36からの制御信号により、イエロー用定着ランプ29とマゼンタ用定着ランプ30とを点灯及び消灯させ、イエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層とを定着する。
【0032】
電磁クラッチ53は、システムコントローラ36からの制御信号により、搬送モータ16の駆動をプラテンローラ21へ選択的に伝達する。印画時には電磁クラッチ53への制御信号をオフにしてプラテンローラ21をフリー回転させ、クリーニング処理時には電磁クラッチ53への制御信号をオンにして搬送モータ16からプラテンローラ21へ回転駆動を伝達する。
【0033】
次に、図3のフローチャートを参照して、上記実施形態の作用について説明する。カラーサーマルプリンタの電源がオンされると、システムコントローラ36は最初にクリーニングモードの有無を確認し、クリーニングモードが選択されているときはクリーニング処理に入る。
【0034】
クリーニング処理では、まずシフト機構25がオンにされプラテンローラ21がサーマルヘッド20の発熱素子アレイ23に圧接される。また、シフト機構56がオンにされプラテンローラ21にゴミ取りローラ55が圧接される。次に、電磁クラッチ53がオンにされた後に、搬送モータ16が逆転される。この逆転により給紙ローラ12は時計方向に回転するため、記録紙ロール11からカラー感熱記録紙10が搬送経路に向けて送られることはない。また、電磁クラッチ53のオンにより搬送モータ16の回転駆動がプラテンローラ21に伝達され、プラテンローラ21が回転する。次に、サーマルヘッド20の発熱素子アレイ23がクリーニングに適する温度にまで加熱される。これにより、研磨機能を有するプラテンローラ21の摺接によって、発熱素子アレイ23に付着したゴミや汚れなどが落とされてクリーニング処理が行われる。
【0035】
このとき、図4に示すように、プラテンローラ21と発熱素子アレイ23の接触幅W2は、図5に示す従来のクリーニング方式の接触幅W1に比べて広くなる。さらに、プラテンローラ21と発熱素子アレイ23を摺接させるため、感熱記録紙を用いる従来のクリーニング方式より、発熱素子アレイに付着している異物を確実に除去することができる。このクリーニング処理の際、プラテンローラ21に付着する異物はゴミ取りローラ55によって除去され、発熱素子アレイ23への異物の再付着が防がれる。
【0036】
このクリーニング処理は例えば10秒ほど行われた後に、サーマルヘッド20の加熱停止、搬送モータ16の逆転停止、電磁クラッチ53のオフ、シフト機構25, 56のオフが行われて、終了する。この後、印画が選択されているときには、印画処理に移行する。また、印画が選択されていない時には、指示待ち状態になり、一定時間内に指示入力がされないときに、電源がオフにされる。
【0037】
印画処理では、まず、メモリカード41に記録されている画像データが、メモリコントローラ38によって読み出され、映像出力回路44によってモニタ43に表示される。ユーザーは、モニタ43上に表示される画像を選択し、操作パネル37を介してプリント指示を行なう。
【0038】
プリント指示を受けたシステムコントローラ36は、モータドライバ50を制御して搬送モータ16の回転を開始させる。図1に示すように、搬送モータ16の正転により給紙ローラ12は図中反時計方向に回転される。これにより記録紙ロール11は図中時計方向に回転して、カラー感熱記録紙10の先端が搬送経路に向けて給紙される。
【0039】
カラー感熱記録紙10の先端が搬送ローラ対15のキャプスタンローラ15aとピンチローラ15bとの間を通過して先端検出センサ26に到達すると、先端検出センサ26が検出信号をシステムコントローラ36に入力する。先端検出センサ26の検出信号を受けたシステムコントローラ36は、モータドライバ50に搬送モータ16の回転を停止させるとともに、搬送ローラ対15によってカラー感熱記録紙10をニップさせ、シフト機構25によってプラテンローラ21を印画位置に移動させる。
【0040】
サーマルヘッド20はA方向に搬送中のカラー感熱記録紙10に圧接して発熱し、イエロー感熱層にイエロー画像を印画する。プラテンローラ29は、カラー感熱記録紙10を上方から圧接してサーマルヘッド20との接触状態を安定化させる。印画が完了すると、システムコントローラ36はプラテンローラ21を待避位置に移動させる。そして、搬送モータ16を回転させて印画エリア後端縁が光定着器28に対面するまでカラー感熱記録紙10を搬送した後に、搬送モータ16の回転を停止させる。次いで、搬送モータ16を逆転させてカラー感熱記録紙10をB方向に搬送し、これと同時にイエロー用定着ランプを29を点灯させ、イエロー感熱発色層の定着を行う。その後、上述したイエロー画像の印画及び定着と同様に、マゼンタ画像の印画及び定着とシアン画像の印画とが行われる。
【0041】
シアン画像の印画が完了すると、カラー感熱記録紙10は更にA方向に向けて搬送され、カッタ33によって所定の位置で切り離され、排紙口34から排出される。
【0042】
その後、システムコントローラ36は、搬送モータ16を回転させ、カラー感熱記録紙10の先端をホームポジション、つまり搬送ローラ対15がニップする位置までカラー感熱記録紙10を搬送して、次の印画処理待機状態になる。そして、一定時間を経過しても次の入力がない場合には搬送モータ16を逆転させて、カラー感熱記録紙10を記録紙ロール11に巻き戻した後に、電源をオフにする。
【0043】
なお、上記実施形態では、搬送モータ16と電磁クラッチ53とを用いて、プラテンローラ21を回転させるようにしたが、搬送モータ16とは別個のモータを用いて、プラテンローラ21を独自に回転させることで、ヘッドクリーニングを行ってもよい。
【0044】
上記実施形態では、モード選択によりヘッドクリーニングモードが選択されたときにヘッドクリーニング処理を行うようにしたが、この他にサーマルプリンタを起動したときに給紙を行う前にその都度、ヘッドクリーニングを自動で行うようにしてもよい。さらには、カラー感熱記録紙の補充や交換時にその都度ヘッドクリーニングを自動で行うようにしてもよい。また、印画枚数または印画時間ををカウントしておき、所定枚数または所定時間の印画完了毎にクリーニング処理を自動的に行ってもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、長尺のカラー感熱記録紙を使用する場合を例にとって説明したが、この他に、カット紙を使用するカラーサーマルプリンタに実施してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、プラテンローラの周面の表層に研磨剤を混入したが、この他に、プラテンローラの周面に研磨剤を塗布してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、感熱式のカラーサーマルプリンタを例に説明したが、感熱式のモノクロサーマルプリンタや、昇華型、熱溶融型のサーマルプリンタなどにも実施することができる。
【0048】
また、本実施形態のカラーサーマルプリンタは、1個のサーマルヘッドに対してカラー感熱記録紙を3回往復動させて熱記録を行う3パス方式のカラーサーマルプリンタを例に説明したが、複数個のサーマルヘッドに対してカラー感熱記録紙を1回通過させて行う1パス方式のカラーサーマルプリンタにも適用してよい。この場合、クリーニング処理は、各サーマルヘッド毎に上述のクリーニング処理機構を設ければよい。そして、前記電磁クラッチの代わりに一方向クラッチを用いて、記録紙戻し方向時に搬送モータの駆動をプラテンローラへ伝達し、ヘッドクリーニングを行う。
【0049】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のサーマルプリンタによれば、クリーニングシートを用いることなく、サーマルプリンタ単体でクリーニング処理を行うことができる。また、研磨機能を付与したプラテンローラをサーマルヘッドに摺接させながらクリーニング処理を行うため、従来の記録紙をサーマルヘッドに摺接させるクリーニング処理法と比較して、異物除去能力が高くなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカラーサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】カラーサーマルプリンタの構成を示すブロック図である。
【図3】カラーサーマルプリンタの動作順序及びヘッドクリーニング処理の動作順序を示すフローチャートである。
【図4】クリーニング処理時の発熱素子とプラテンローラとの圧接状態を示す説明図である。
【図5】従来のクリーニング処理時の発熱素子とカラー感熱記録紙との圧接状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 カラー感熱記録紙
16 搬送モータ
20 サーマルヘッド
21 プラテンローラ
23 発熱素子アレイ
36 システムコントローラ
53 電磁クラッチ
【発明の属する技術分野】
本発明は、サーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法に関し、更に詳しくはサーマルヘッドの汚れを除去する機能を持ったサーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
熱感度が異なるイエロー,マゼンタ,シアンの感熱発色層が層設され、最後に印画が行なわれるシアン感熱発色層以外の感熱発色層に定着性が付与されたカラー感熱記録紙を使用して、フルカラー画像を印画する感熱方式のカラーサーマルプリンタがある。このサーマルプリンタでは、カラー感熱記録紙を搬送する間に、サーマルヘッドの発熱素子アレイを圧接させ、各発熱素子を発熱させることで各感熱発色層に印画を行い、各色の印画後に光定着器で紫外線を照射して各感熱発色層を定着している。
【0003】
発熱素子アレイには、カラー感熱記録紙の表面に付着している塵埃や、カラー感熱記録紙の表面を覆っている保護層からの剥離物、紙屑,印字カス等の異物が付着する。発熱素子アレイに異物が付着した状態で印画を行なうと、カラー感熱記録紙への熱伝達が阻害されてプリント画質が劣化する。また、印画開始前にサーマルヘッドを空打ちさせて予熱を行なうサーマルプリンタでは、発熱素子アレイに付着した異物が焼きつき、汚れを悪化させてしまうことがある。
【0004】
そのため、カラーサーマルプリンタでは、定期的にサーマルヘッドのクリーニングを行なう必要がある。このクリーニングは、カラー感熱記録紙の代わりにクリーニングシートをセットし、このクリーニングシートを発熱素子アレイと摺接させることにより異物を除去して行っている(例えば特許文献1参照)。また、上記クリーニングほど異物の除去能力は高くないが、プリント動作時に毎回サーマルヘッドの汚れを除去するものもある(例えば、特許文献2参照)。これは、印画後に発熱素子アレイを記録材料に圧接させたまま記録材料の搬送を行なうことで、発熱素子アレイに付着した異物を擦り取るものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平6−143809号公報
【特許文献2】
特開平10−100365号公報
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、図5に示すように、加熱されていないカラー感熱記録紙2は硬いため、プラテンローラ4による押圧にも関わらず、発熱素子3とカラー感熱記録紙2との接触幅W1が狭くなる。これにより、記録紙搬送方向の上流側部分でしか発熱素子3とカラー感熱記録紙2とが接触しなくなる。そのため、記録紙搬送方向の下流側部分に付着している異物5が除去されることなく残ってしまう。
【0007】
また、カラー印刷時には、サーマルヘッドが高温になるため、発熱素子アレイに異物が焼きつき、表面が滑らかな記録材料をサーマルヘッドに摺接させる従来のクリーニング方式では異物を除去しきれない可能性がある。
【0008】
更に、クリーニングシートを使用してクリーニングを行う場合でも、クリーニングの度にクリーニングシートを装填する必要があり面倒である。このようなヘッドクリーニングにおける問題は感熱方式に限らず、熱溶融転写方式や昇華方式のサーマルプリンタにもあり、解決が望まれていた。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するものであり、サーマルプリンタ単体でサーマルヘッドのクリーニング処理が行えるようにしたサーマルプリンタ及びヘッドクリーニング方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明のサーマルプリンタは、周面に研磨機能を付与したプラテンローラをサーマルヘッドに圧接した状態で回転させることにより、サーマルプリンタ単体でサーマルヘッドのクリーニング処理を行うようにしたものである。なお、クリーニング処理時には、サーマルヘッドを加熱させた状態で前記のクリーニング処理を行うことが好ましい。
【0011】
また、プラテンローラの周面の表層には研磨剤が混入されていることが好ましい。更に、上記クリーニング処理時に、プラテンローラに付着したゴミが発熱素子アレイへ再付着するのを防止するために、プラテンローラにゴミ取りローラを当接させることが好ましい。
【0012】
また、上記クリーニング処理時にのみプラテンローラへ回転駆動を伝達させるために、駆動系とプラテンローラのと間にクラッチ機構を設けることが好ましい。
【0013】
更に、複数のサーマルヘッドを備えたサーマルプリンタにおいては、各サーマルヘッド毎に前記クリーニング処理を行うことが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】
図1は、本発明を実施したカラーサーマルプリンタの構成を示す概略図である。このカラーサーマルプリンタでは、記録媒体として長尺のカラー感熱記録紙10が用いられる。カラー感熱記録紙10は、ロール状に巻かれた記録紙ロール11の形態でカラーサーマルプリンタにセットされる。記録紙ロール11は、外周に当接された給紙ローラ12によって回転され、カラー感熱記録紙10を図中右方の送出し方向(A方向)と、図中左方の巻戻し方向(B方向)とに搬送する。
【0015】
周知のように、カラー感熱記録紙10は、支持体上にシアン感熱発色層,マゼンタ感熱発色層,イエロー感熱発色層が順次層設されている。最上層となるイエロー感熱発色層は熱感度が最も高く、小さな熱エネルギーでイエローに発色する。最下層となるシアン感熱発色層は熱感度が最も低く、大きな熱エネルギーでシアンに発色する。また、イエロー感熱発色層は、420nmの近紫外線が照射されたときに、発色能力が消失する。マゼンタ感熱発色層は、イエロー感熱発色層とシアン感熱発色層との中間程度の熱エネルギーでマゼンタに発色し、365nmの紫外線が照射されたときに発色能力が消失する。
【0016】
記録紙ロール11のA方向の下流には、カラー感熱記録紙10を挟み込んで搬送する搬送ローラ対15が配置されている。この搬送ローラ対15は、搬送モータ16によって回転駆動されるキャプスタンローラ15aと、このキャプスタンローラ15aに圧接するピンチローラ15bからなり、カラー感熱記録紙10をA方向とB方向とに往復搬送する。搬送ローラ対15は図示しないシフト機構によって、カラー感熱記録紙10をニップする。
【0017】
搬送ローラ対15のA方向の上流側には、サーマルヘッド20とプラテンローラ21とがカラー感熱記録紙10の搬送経路を挟むように配置されている。サーマルヘッド20には、発熱素子アレイ23が形成されている。この発熱素子アレイ23は、カラー感熱記録紙10の幅方向の全域に印画を行なうために、カラー感熱記録紙10の幅寸法より長く設けられている。
【0018】
プラテンローラ21は、発熱素子アレイ23に対面する位置で搬送経路の上方に配置されている。このプラテンローラ21は、発熱素子アレイ23に圧接させる印画位置と、発熱素子アレイ23から離れさせる退避位置との間で移動自在とされており、この移動はカムやバネ,ソレノイド等からなるシフト機構25によって行なわれる。また、プラテンローラ21の周面の表層には研磨剤が混入されており、クリーニング処理時における異物除去能力が高められている。
【0019】
電磁クラッチ53は、プラテンローラ21の回転軸に設けられている。この電磁クラッチ53は搬送モータ16からプラテンローラ21への回転駆動の伝達を制御するものであり、印画時には、電磁クラッチ53を切って搬送モータ16から独立させたフリー状態にしてプラテンローラ21を従動回転させる。また、クリーニング処理時には、電磁クラッチ53を連結してプラテンローラ21に搬送モータ16からの回転駆動を伝達させる。
【0020】
ゴミ取りローラ55は、クリーニング処理時のプラテンローラ21に当接する位置に設けられている。このゴミ取りローラ55は、周面に粘着層が形成されており、プラテンローラ21の回転に応じて従動回転をして、クリーニング処理時にプラテンローラ21に付着する異物を吸着する。このゴミ取りローラ55はクリーニング処理時のみプラテンローラ21に当接するようにシフト機構56を備えており、通常のプリント時にはゴミ取りローラ55は、プラテンローラ21から待避した位置にされている。ゴミ取りローラ55は必要に応じて、清掃、交換が行われる。
【0021】
サーマルヘッド20は、搬送ローラ対15によってA方向に搬送されるカラー感熱記録紙10に圧接し、発熱素子アレイ23の各発熱素子を発熱させて各感熱発色層を発色させる。プラテンローラ21は、カラー感熱記録紙10の搬送に応じて従動回転して、カラー感熱記録紙10と発熱素子アレイ23との摺接を補助する。
【0022】
搬送ローラ対15のA方向の下流側で搬送経路の上方には、給紙時にカラー感熱記録紙10の先端を検出する先端検出センサ26が配置されている。この先端検出センサ26には、例えば、カラー感熱記録紙10の先端に検査光を照射する投光部と、カラー感熱記録紙10に反射した検査光を受光する受光部とを備えた反射型フォトインタラプタが用いられている。
【0023】
搬送ローラ対15のA方向の下流側で搬送経路の下方には、光定着器28が配置されている。この光定着器28は、イエロー用定着ランプ29と、マゼンタ用定着ランプ30と、リフレクタ31とからなる。イエロー用定着ランプ29は、発光ピークが420nmの近紫外線を放射して、カラー感熱記録紙10のイエロー感熱発色層を定着する。マゼンタ用定着ランプ30は365nmの紫外線を放出してマゼンタ感熱発色層を定着する。
【0024】
光定着器28のA方向の下流側には、長尺のカラー感熱記録紙10を記録エリアごとに切断するカッタ33が設けられている。カッタ33の下流側には、切断されたシート状のカラー感熱記録紙10を排出する排紙口34が配置されている。
【0025】
図2は、カラーサーマルプリンタの電気的構成を示すブロック図である。本実施形態のカラーサーマルプリンタは、システムコントローラ36によって全体が制御されている。システムコントローラ36は、例えば、CPUと、プログラムROMと、ワークRAM等からなり、操作パネル37が接続されている。操作パネル37には、電源スイッチ、モード選択キー、プリント開始キー、その他の各種キーが設けられており、モード選択やプリント指示、データ入力が可能にされている。CPUは、プログラムROMに記憶されている制御プログラムに従ってプリンタの各部を制御し、その時々に生じる一時的なデータをワークRAMに記憶してプリンタの制御に利用する。
【0026】
システムコントローラ36には、メモリコントローラ38とインターフェースコントローラ39とが実装されたIC40が接続されている。メモリコントローラ38は、プリンタ外部に設けられたメモリカードスロットに装填されたメモリカード41と、画像メモリ42とを制御し、画像データの読み出し及び書き込みを行なう。インターフェースコントローラ39は、パーソナルコンピュータやデジタルカメラ等との接続に用いられるPCインターフェース45と、外部モニタ43への映像出力を行なう映像出力回路44等を制御する。
【0027】
例えば、メモリカード41に記録されている画像データをモニタ43上に表示する場合には、メモリコントローラ38がメモリカード41から画像データを読み出し、インターフェースコントローラ39がこの画像データを映像出力回路44に入力する。映像出力回路44は、RGB形式の画像データをNTSC等のコンポジット信号に変換し、モニタ43に出力する。
【0028】
また、メモリカード41に記録されている画像データをプリントする場合には、メモリコントローラ38がメモリカード41から画像データを読み出し、画像メモリ42に記録する。画像メモリ42に記録された画像データは、メモリコントローラ38を介してプリントデータ形成部46に読み込まれる。
【0029】
プリントデータ形成部46は、読み込んだRGB形式の画像データをYMC形式のプリントデータに変換する。このプリントデータは、各色ごとに1ラインずつヘッドドライバ48に入力される。ヘッドドライバ48は、1ライン分のプリントデータを駆動信号に変換して、サーマルヘッド20の各発熱素子を駆動する。
【0030】
システムコントローラ36には、モータドライバ50とランプドライバ51とシフト機構25, 56と電磁クラッチ53とが接続されている。モータドライバ50は、システムコントローラ36からの制御信号により、パルスモータである搬送モータ16を駆動する駆動パルスを発生する。モータドライバ50で生成された駆動パルスは、システムコントローラ36にてカウントされ、カラー感熱記録紙10の搬送量の検出に用いられる。
【0031】
ランプドライバ51は、システムコントローラ36からの制御信号により、イエロー用定着ランプ29とマゼンタ用定着ランプ30とを点灯及び消灯させ、イエロー感熱発色層とマゼンタ感熱発色層とを定着する。
【0032】
電磁クラッチ53は、システムコントローラ36からの制御信号により、搬送モータ16の駆動をプラテンローラ21へ選択的に伝達する。印画時には電磁クラッチ53への制御信号をオフにしてプラテンローラ21をフリー回転させ、クリーニング処理時には電磁クラッチ53への制御信号をオンにして搬送モータ16からプラテンローラ21へ回転駆動を伝達する。
【0033】
次に、図3のフローチャートを参照して、上記実施形態の作用について説明する。カラーサーマルプリンタの電源がオンされると、システムコントローラ36は最初にクリーニングモードの有無を確認し、クリーニングモードが選択されているときはクリーニング処理に入る。
【0034】
クリーニング処理では、まずシフト機構25がオンにされプラテンローラ21がサーマルヘッド20の発熱素子アレイ23に圧接される。また、シフト機構56がオンにされプラテンローラ21にゴミ取りローラ55が圧接される。次に、電磁クラッチ53がオンにされた後に、搬送モータ16が逆転される。この逆転により給紙ローラ12は時計方向に回転するため、記録紙ロール11からカラー感熱記録紙10が搬送経路に向けて送られることはない。また、電磁クラッチ53のオンにより搬送モータ16の回転駆動がプラテンローラ21に伝達され、プラテンローラ21が回転する。次に、サーマルヘッド20の発熱素子アレイ23がクリーニングに適する温度にまで加熱される。これにより、研磨機能を有するプラテンローラ21の摺接によって、発熱素子アレイ23に付着したゴミや汚れなどが落とされてクリーニング処理が行われる。
【0035】
このとき、図4に示すように、プラテンローラ21と発熱素子アレイ23の接触幅W2は、図5に示す従来のクリーニング方式の接触幅W1に比べて広くなる。さらに、プラテンローラ21と発熱素子アレイ23を摺接させるため、感熱記録紙を用いる従来のクリーニング方式より、発熱素子アレイに付着している異物を確実に除去することができる。このクリーニング処理の際、プラテンローラ21に付着する異物はゴミ取りローラ55によって除去され、発熱素子アレイ23への異物の再付着が防がれる。
【0036】
このクリーニング処理は例えば10秒ほど行われた後に、サーマルヘッド20の加熱停止、搬送モータ16の逆転停止、電磁クラッチ53のオフ、シフト機構25, 56のオフが行われて、終了する。この後、印画が選択されているときには、印画処理に移行する。また、印画が選択されていない時には、指示待ち状態になり、一定時間内に指示入力がされないときに、電源がオフにされる。
【0037】
印画処理では、まず、メモリカード41に記録されている画像データが、メモリコントローラ38によって読み出され、映像出力回路44によってモニタ43に表示される。ユーザーは、モニタ43上に表示される画像を選択し、操作パネル37を介してプリント指示を行なう。
【0038】
プリント指示を受けたシステムコントローラ36は、モータドライバ50を制御して搬送モータ16の回転を開始させる。図1に示すように、搬送モータ16の正転により給紙ローラ12は図中反時計方向に回転される。これにより記録紙ロール11は図中時計方向に回転して、カラー感熱記録紙10の先端が搬送経路に向けて給紙される。
【0039】
カラー感熱記録紙10の先端が搬送ローラ対15のキャプスタンローラ15aとピンチローラ15bとの間を通過して先端検出センサ26に到達すると、先端検出センサ26が検出信号をシステムコントローラ36に入力する。先端検出センサ26の検出信号を受けたシステムコントローラ36は、モータドライバ50に搬送モータ16の回転を停止させるとともに、搬送ローラ対15によってカラー感熱記録紙10をニップさせ、シフト機構25によってプラテンローラ21を印画位置に移動させる。
【0040】
サーマルヘッド20はA方向に搬送中のカラー感熱記録紙10に圧接して発熱し、イエロー感熱層にイエロー画像を印画する。プラテンローラ29は、カラー感熱記録紙10を上方から圧接してサーマルヘッド20との接触状態を安定化させる。印画が完了すると、システムコントローラ36はプラテンローラ21を待避位置に移動させる。そして、搬送モータ16を回転させて印画エリア後端縁が光定着器28に対面するまでカラー感熱記録紙10を搬送した後に、搬送モータ16の回転を停止させる。次いで、搬送モータ16を逆転させてカラー感熱記録紙10をB方向に搬送し、これと同時にイエロー用定着ランプを29を点灯させ、イエロー感熱発色層の定着を行う。その後、上述したイエロー画像の印画及び定着と同様に、マゼンタ画像の印画及び定着とシアン画像の印画とが行われる。
【0041】
シアン画像の印画が完了すると、カラー感熱記録紙10は更にA方向に向けて搬送され、カッタ33によって所定の位置で切り離され、排紙口34から排出される。
【0042】
その後、システムコントローラ36は、搬送モータ16を回転させ、カラー感熱記録紙10の先端をホームポジション、つまり搬送ローラ対15がニップする位置までカラー感熱記録紙10を搬送して、次の印画処理待機状態になる。そして、一定時間を経過しても次の入力がない場合には搬送モータ16を逆転させて、カラー感熱記録紙10を記録紙ロール11に巻き戻した後に、電源をオフにする。
【0043】
なお、上記実施形態では、搬送モータ16と電磁クラッチ53とを用いて、プラテンローラ21を回転させるようにしたが、搬送モータ16とは別個のモータを用いて、プラテンローラ21を独自に回転させることで、ヘッドクリーニングを行ってもよい。
【0044】
上記実施形態では、モード選択によりヘッドクリーニングモードが選択されたときにヘッドクリーニング処理を行うようにしたが、この他にサーマルプリンタを起動したときに給紙を行う前にその都度、ヘッドクリーニングを自動で行うようにしてもよい。さらには、カラー感熱記録紙の補充や交換時にその都度ヘッドクリーニングを自動で行うようにしてもよい。また、印画枚数または印画時間ををカウントしておき、所定枚数または所定時間の印画完了毎にクリーニング処理を自動的に行ってもよい。
【0045】
また、上記実施形態では、長尺のカラー感熱記録紙を使用する場合を例にとって説明したが、この他に、カット紙を使用するカラーサーマルプリンタに実施してもよい。
【0046】
また、上記実施形態では、プラテンローラの周面の表層に研磨剤を混入したが、この他に、プラテンローラの周面に研磨剤を塗布してもよい。
【0047】
また、上記実施形態では、感熱式のカラーサーマルプリンタを例に説明したが、感熱式のモノクロサーマルプリンタや、昇華型、熱溶融型のサーマルプリンタなどにも実施することができる。
【0048】
また、本実施形態のカラーサーマルプリンタは、1個のサーマルヘッドに対してカラー感熱記録紙を3回往復動させて熱記録を行う3パス方式のカラーサーマルプリンタを例に説明したが、複数個のサーマルヘッドに対してカラー感熱記録紙を1回通過させて行う1パス方式のカラーサーマルプリンタにも適用してよい。この場合、クリーニング処理は、各サーマルヘッド毎に上述のクリーニング処理機構を設ければよい。そして、前記電磁クラッチの代わりに一方向クラッチを用いて、記録紙戻し方向時に搬送モータの駆動をプラテンローラへ伝達し、ヘッドクリーニングを行う。
【0049】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明のサーマルプリンタによれば、クリーニングシートを用いることなく、サーマルプリンタ単体でクリーニング処理を行うことができる。また、研磨機能を付与したプラテンローラをサーマルヘッドに摺接させながらクリーニング処理を行うため、従来の記録紙をサーマルヘッドに摺接させるクリーニング処理法と比較して、異物除去能力が高くなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したカラーサーマルプリンタの構成を示す概略図である。
【図2】カラーサーマルプリンタの構成を示すブロック図である。
【図3】カラーサーマルプリンタの動作順序及びヘッドクリーニング処理の動作順序を示すフローチャートである。
【図4】クリーニング処理時の発熱素子とプラテンローラとの圧接状態を示す説明図である。
【図5】従来のクリーニング処理時の発熱素子とカラー感熱記録紙との圧接状態を示す説明図である。
【符号の説明】
10 カラー感熱記録紙
16 搬送モータ
20 サーマルヘッド
21 プラテンローラ
23 発熱素子アレイ
36 システムコントローラ
53 電磁クラッチ
Claims (7)
- 発熱素子アレイを有するサーマルヘッドを用いて記録材料に画像を記録するサーマルプリンタのヘッドクリーニング方法において、
前記発熱素子アレイにプラテンローラを圧接させてプラテンローラを回転させ、ヘッドをクリーニングすることを特徴とするサーマルプリンタのヘッドクリーニング方法。 - 前記ヘッドのクリーニングに際して発熱素子アレイを発熱させることを特徴とする請求項1記載のサーマルプリンタのヘッドクリーニング方法。
- 前記プラテンローラは周面に研磨剤を含むことを特徴とする請求項1または2記載のサーマルプリンタのヘッドクリーニング方法。
- 前記ヘッドのクリーニングに際して前記プラテンローラに異物吸着手段を接触させることを特徴とする請求項1ないし3いずれか一つ記載のサーマルプリンタのヘッドクリーニング方法。
- 発熱素子アレイを有するサーマルヘッドを用いて記録材料に画像を記録するサーマルプリンタにおいて、
研磨機能を有するプラテンローラと、
このプラテンローラを前記発熱素子アレイに圧接して回転駆動する回転駆動手段とを有することを特徴とするサーマルプリンタ。 - 前記プラテンローラは、周面に研磨剤を含むことを特徴とする請求項5記載のサーマルプリンタ。
- 前記回転駆動手段は、前記記録材料を搬送する送りモータと、この送りモータの回転を選択的に伝達するクラッチ部材と、前記記録材料が前記発熱素子アレイから待避した状態で前記クラッチ手段を介して送りモータの駆動を伝達させる制御部とから構成されていることを特徴とする請求項5または6記載のサーマルプリンタ。
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2002
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