JP2004166699A - 抗利尿剤 - Google Patents

抗利尿剤 Download PDF

Info

Publication number
JP2004166699A
JP2004166699A JP2003375060A JP2003375060A JP2004166699A JP 2004166699 A JP2004166699 A JP 2004166699A JP 2003375060 A JP2003375060 A JP 2003375060A JP 2003375060 A JP2003375060 A JP 2003375060A JP 2004166699 A JP2004166699 A JP 2004166699A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
seq
amino acid
acid sequence
polypeptide
salt
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2003375060A
Other languages
English (en)
Inventor
Hirokazu Matsumoto
寛和 松本
Ko Takagi
鋼 高木
Masaaki Mori
森  正明
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Takeda Pharmaceutical Co Ltd
Original Assignee
Takeda Chemical Industries Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Takeda Chemical Industries Ltd filed Critical Takeda Chemical Industries Ltd
Priority to JP2003375060A priority Critical patent/JP2004166699A/ja
Publication of JP2004166699A publication Critical patent/JP2004166699A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Measuring Or Testing Involving Enzymes Or Micro-Organisms (AREA)
  • Micro-Organisms Or Cultivation Processes Thereof (AREA)
  • Medicines That Contain Protein Lipid Enzymes And Other Medicines (AREA)
  • Medicines Containing Antibodies Or Antigens For Use As Internal Diagnostic Agents (AREA)
  • Pharmaceuticals Containing Other Organic And Inorganic Compounds (AREA)
  • Investigating Or Analysing Biological Materials (AREA)
  • Preparation Of Compounds By Using Micro-Organisms (AREA)
  • Peptides Or Proteins (AREA)

Abstract

【課題】 抗利尿剤などの提供。
【解決手段】 GPR8リガンドは、優れた抗利尿剤などとして有用であり、GPR8リガンドおよびその受容体は優れた抗利尿剤などのスクリーニングなどに有用である。
【選択図】 なし

Description

本発明は抗利尿剤もしくは利尿剤またはそのスクリーニングなどに関する。
動物における尿生成機構は、全体重の45〜70%を占める体内の水分および電解質の代謝の恒常性を維持するためにきわめて重要である。これに伴い、尿生成を制御する様々な作用機作に基づく多くの利尿薬および抗利尿薬が治療現場で使用されている。例えば、尿細管細胞におけるNa+-H+交換系を抑制する炭酸脱水酵素阻害であるスルファニルアミドまたはアセタゾラミド、尿細管再吸収抑制剤であるベンゾチアジアジン系利尿薬、ヘンレ上行脚のNa+/Cl-の能動輸送抑制によって髄質の浸透圧勾配を消失させるフェノキシ酢酸誘導体またはスルファモイル安息香酸誘導体などの利尿薬が知られている。また、抗利尿薬としては、抗利尿ホルモンであるバソプレッシンまたはその誘導体がある。これらはいずれも強力な利尿作用あるいは抗利尿作用を有し、高血圧、腎性浮腫、肝硬変や心不全に伴う浮腫、鬱血性心不全による肺鬱血、下垂体性尿崩症または腎性尿崩症の治療に使用されている。しかしながら、ベンゾチアジアジン系利尿薬では血中カリウム濃度の低下や高血糖、また、フェノキシ酢酸誘導体あるいはスルファモイル安息香酸誘導体では抗尿酸血症や聴覚障害といった副作用が知られている。バソプレッシンは血圧上昇作用を有する。
一方、ヒトGPR8(Genomics、28巻、84-91頁、1995年)のリガンドとして、摂食作用等を有するペプチド(特許文献1 WO 01/98494号公報、J. Biol. Chem.、277巻、35826-35832頁、2002年)が報告されている。
WO 01/98494号公報
利尿作用または抗利尿作用を有することが知られている公知の化合物に比べて、新たなメカニズムに基づく副作用の少ない安全な腎性浮腫、下垂体性尿崩症または腎性尿崩症などの予防・治療剤の開発が望まれていた。
本発明者らは、この様な現状に鑑み、鋭意検討した結果、WO 01/98494号公報記載のGPR8リガンドペプチドが、ウサギに対して抗利尿作用を有することを見出し、更に研究を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、
(1) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる抗利尿剤、
(2) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩を含有してなる抗利尿剤、
(3) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩を含有してなる利尿剤、
(4) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる抗利尿剤、
(5) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(6) 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(7) さらに、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いる上記(5)記載のスクリーニング方法、
(7a) さらに、配列番号:73または配列番号:79で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いる上記(5)記載のスクリーニング方法、
(8) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(9) 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(10) さらに、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有する上記(8)記載のスクリーニング用キット、
(10a) 上記(5)〜(7)記載のスクリーニング方法または上記(8)〜(10)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる抗利尿剤または利尿剤、
(11) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(12) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(12a) 上記(11)記載のスクリーニング方法または上記(12)記載のスクリーニング用キットを用いて得られる抗利尿剤または利尿剤、
(13) (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる利尿剤、
(14) (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる利尿剤、
(15) 多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療剤である上記(1)、(2)または(4)記載の抗利尿剤、
(16) 腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療剤である上記(3)、(13)または(14)記載の利尿剤、
(17) 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または(iii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする尿生成抑制方法、
(18) 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または(iii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療法、
(19) 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、(ii)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(iii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、(iv)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、または(v)上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする尿生成促進方法、
(20) 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、(ii)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(iii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、(iv)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、または(v)上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療法、
(21) (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進することを特徴とする尿生成抑制方法、
(22) (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進することを特徴とする多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療法、
(23) (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害することを特徴とする尿生成促進方法、
(24) (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害することを特徴とする腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療法、
(25) 多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療剤を製造するための、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または(iii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドの使用、
(26) 腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療剤の製造のための、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、(ii)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(iii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、(iv)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、または(v)上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドの使用、
(27) 配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩、
(28) 配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質またはその塩、
(29) 上記(27)記載の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩、
(30) 上記(27)記載の蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(31) DNAである上記(30)記載のポリヌクレオチド、
(32) 配列番号:82または配列番号:84で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(33) 上記(30)記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(34) 上記(33)記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、
(35) 上記(34)記載の形質転換体を培養し、上記(27)記載の蛋白質またはその部分ペプチドを生成・蓄積せしめることを特徴とする上記(27)記載の蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩の製造法、
(36) 上記(27)記載の蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(37) 上記(36)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(38) 上記(30)記載のポリヌクレオチドに相補的または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチド、
(39) DNAである上記(38)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、
(40) 上記(27)記載の蛋白質またはその部分ペプチドを用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(41) 上記(27)記載の蛋白質またはその部分ペプチドを含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット、
(42) 配列番号:85で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(43) 配列番号:85で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(44) 上記(42)記載のポリペプチドの部分ペプチドまたはその塩、
(45) 上記(42)記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(46) DNAである上記(45)記載のポリヌクレオチド、
(47) 配列番号:86で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド、
(48) 上記(45)記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(49) 上記(48)記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体、
(50) 上記(49)記載の形質転換体を培養し、上記(42)記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドを生成・蓄積せしめることを特徴とする上記(42)記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドまたはその塩の製造法、
(51) 上記(42)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(52) 上記(51)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(53) 上記(45)記載のポリヌクレオチドに相補的または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチド、
(54) DNAである上記(53)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、
(55) 上記(42)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法、
(56) 上記(42)記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キットなどを提供する。
本発明のポリペプチドまたは受容体、本発明のDNAは、抗利尿剤または利尿剤のスクリーニングに有用である。さらに、例えば蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤、あるいは腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤などのスクリーニングにも有用である。本発明のポリペプチドまたは受容体、本発明のDNA、本発明のポリペプチドまたは受容体の活性を促進する化合物またはその塩は、低毒性で安全な抗利尿剤として有用であり、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤などとして有用である。本発明の抗体、本発明のアンチセンスDNA、本発明のポリペプチドまたは受容体の活性を阻害する化合物またはその塩は、低毒性で安全な利尿剤として有用であり、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤などとして有用である。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチド(以下、本発明のポリペプチドと称する場合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL、M1、CTLL-2、HT-2、WEHI-3、HL-60、JOSK-1、K562、ML-1、MOLT-3、MOLT-4、MOLT-10、CCRF-CEM、TALL-1、Jurkat、CCRT-HSB-2、KE-37、SKW-3、HUT-78、HUT-102、H9、U937、THP-1、HEL、JK-1、CMK、KO-812、MEG-01など)に由来するポリペプチドであってもよく、合成ポリペプチドであってもよい。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と例えば約70%以上、好ましくは約80%以上、好ましくは約90%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
特に、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iii) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列に1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(iv) 配列番号:1で表されるアミノ酸配列中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有するポリペプチドとしては、例えば、前記の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチドなどが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、本発明のポリペプチドの有する活性(例、抗利尿作用など)などがあげられる。
実質的に同質の活性とは、それらの活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。
抗利尿作用の測定は、公知の方法に準じて行うことができ、例えば、Modern Urine Chemistry(Bayer Corporation, New York, 1996年)に記載の方法またはそれに準じた方法、後述の実施例に記載の方法などに従って測定することができる。
配列番号:1で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:21、配列番号:2、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:40、配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43、配列番号:44、配列番号:45、配列番号:46、配列番号:47、配列番号:48、配列番号:49、配列番号:50、配列番号:51、配列番号:52、配列番号:53、配列番号:54、配列番号:55、配列番号:56、配列番号:57、配列番号:58または配列番号:71で表されるアミノ酸配列などがあげられる。
本発明のポリペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:2で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:21で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:7で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:8で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:9で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:10で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:11で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:12で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:24で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:25で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:30で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:31で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:36で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:37で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:40で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:41で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:42で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:43で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:44で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:45で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:46で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:47で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:48で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:49で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:50で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:51で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:52で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:53で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:54で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:55で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:56で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:57で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドおよび配列番号:58で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:71で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:85で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどの、GPR8等と特異的に結合する能力を有するポリペプチドがあげられる。
また、本発明のポリペプチドは、本発明のポリペプチドの前駆体ポリペプチドをも包含する意味で用いられる。
該前駆体ポリペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:6で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするポリペプチド等があげられる。
より、具体的には、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と約80%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
特に、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、上記のアミノ酸配列の他、
(i) 配列番号:6で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(ii) 配列番号:6で表されるアミノ酸配列に1〜100個(好ましくは1〜50個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iii) 配列番号:6で表されるアミノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(iv) 配列番号:6で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号:6で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、例えば、配列番号:20、配列番号:23、配列番号:29または配列番号:35で表されるアミノ酸配列などがあげられる。
上記前駆体ポリペプチドの具体例としては、例えば、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:20で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:23で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:29で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:35で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチド、配列番号:116で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどがあげられる。
本発明のポリペプチドに対する受容体としては、種々の受容体のうち、本発明のポリペプチドと結合活性を有し、本発明のポリプチドにより該受容体発現細胞の細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成/抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性等)が観察されるものなどがあげられる。
具体的には、(1)GPR8(配列番号:73;Genomics、28巻、84-91頁、1995年)または配列番号:73で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、(2)ラットTGR26(配列番号:75;WO 02/44368号公報)または配列番号:75で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、(3)マウスTGR26(配列番号:77;WO 02/44368号公報)または配列番号:77で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、(4)GPR7(配列番号:79;Genomics、28巻、84-91頁、1995年)または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、(5)ウサギGPR8(配列番号:81)または配列番号:81で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、(6)ウサギGPR7(配列番号:83)または配列番号:83で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質などがあげられる。
配列番号:73で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号:76で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号:77で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号:79で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質、配列番号:81で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:83で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質(以下、これらを本発明の受容体と称する場合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL、M1、CTLL-2、HT-2、WEHI-3、HL-60、JOSK-1、K562、ML-1、MOLT-3、MOLT-4、MOLT-10、CCRF-CEM、TALL-1、Jurkat、CCRT-HSB-2、KE-37、SKW-3、HUT-78、HUT-102、H9、U937、THP-1、HEL、JK-1、CMK、KO-812、MEG-01など)に由来する蛋白質であってもよく、合成蛋白質であってもよい。
配列番号:73で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:73で表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号:75で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:75で表されるアミノ酸配列と85%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号:77で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:77で表されるアミノ酸配列と86%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号:79で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:79で表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号:81で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、配列番号:73で表わされるアミノ酸配列と約82%以上、好ましくは約90%以上、より好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
配列番号:83で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:83で表されるアミノ酸配列と92%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、例えば、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有し、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列を有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、(i) 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、(ii) 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、(iii) 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列に1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、(iv) 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77、配列番号:79、配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列中の1〜15個(好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは、1〜3個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、(v) 上記(i)〜(iv)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
本発明の受容体の具体例としては、例えば、配列番号:73で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:75で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:77で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:79で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:81で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質、配列番号:83で表されるアミノ酸配列を含有する蛋白質などが用いられる。
本発明のポリペプチドに対する受容体の部分ペプチド(以下、本発明の部分ペプチドと称する場合がある)としては、後述の医薬等のスクリーニング方法に用いることのできる部分ペプチドであれば、いかなるものであっていてもよいが、好ましくは、本発明のポリペプチドに対する結合能を有する部分ペプチド、細胞膜外領域に相当するアミノ酸配列を含有する部分ペプチド等が用いられる。本発明の受容体の構成アミノ酸配列のうち20個以上、好ましくは50個以上、より好ましくは100個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。(i)上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が欠失し、(ii)上記アミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1〜5個))のアミノ酸が付加し、または(iii)上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは数個、さらに好ましくは1〜5個程度)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
具体例としては、(a)配列番号:73で表されるアミノ酸配列中、1番目(Met)〜123番目(Phe)のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部、301番目(Asn)〜358番目(Lys)のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部、548番目(Tyr)〜593番目(Arg)のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部、および843番目(Ala)〜895番目(Ile)のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部から選択される1または2以上の部分アミノ酸配列を含有する部分ペプチド、(b)配列番号:75で表されるアミノ酸配列中、1番目(Met)〜85番目(Asp)のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部、または222番目(Cys)〜329番目(Ala)のアミノ酸残基からなる部分アミノ酸配列もしくはその一部を含有するペプチドなどがあげられる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドは、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドは、C末端がカルボキシル基(-COOH)、カルボキシレート(-COO-)、アミド(-CONH2)またはエステル(-COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明のポリペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドには、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドは、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から公知のポリペプチドの精製方法によって製造することもできるし、後述するポリペプチドをコードするDNAで形質転換された形質転換体を培養することによっても製造することができる。また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもできる。例えば、WO 01/98494号公報、WO 02/44368号公報などに記載の方法に準じて製造することができる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
本発明のポリペプチド、受容体、その部分ペプチド、もしくはそれらの塩、またはそれらのアミド体の合成には、通常市販のポリペプチド合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2',4'-ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげることができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするポリペプチドの配列通りに、公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からポリペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的のポリペプチド、受容体、部分ペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、ポリペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N'−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N'−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt、HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ポリペプチド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はポリペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによって、後の反応に影響を与えないようにすることができる。
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級(C1−6)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t-ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド(ポリペプチド)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたポリペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したポリペプチドとを製造し、この両ポリペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ポリペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ポリペプチドを得ることができる。この粗ポリペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドのアミド体を得ることができる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、ポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドのアミド体と同様にして、所望のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドのエステル体を得ることができる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドは、公知のペプチドの合成法に従って、あるいは受容体の部分ペプチドについては、受容体を適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の(a)〜(e)に記載された方法があげられる。
(a)M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
(b)SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
(c)泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
(d)矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年)
(e)矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合成、広川書店
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られるポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
本発明のポリペプチドをコードするDNAとしては、例えば(a)配列番号:3、配列番号:4、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:86または配列番号:88で表わされる塩基配列を含有するDNA、
(b)配列番号:3、配列番号:4、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:86または配列番号:88で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のポリペプチドと実質的に同質の活性を有するポリペプチドをコードするDNA、
(c)配列番号:5、配列番号:19、配列番号:22、配列番号:28または配列番号:34で表わされる塩基配列を含有するDNA、または
(d)配列番号:5、配列番号:19、配列番号:22、配列番号:28または配列番号:34で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAなどであれば何れのものでもよい。
(i)配列番号:3、配列番号:4、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:86または配列番号:88で表わされる塩基配列、または(ii)配列番号:5、配列番号:19、配列番号:22、配列番号:28または配列番号:34で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、それぞれ(i)配列番号:3、配列番号:4、配列番号:13、配列番号:14、配列番号:15、配列番号:16、配列番号:17、配列番号:18、配列番号:26、配列番号:27、配列番号:32、配列番号:33、配列番号:38、配列番号:39、配列番号:59、配列番号:60、配列番号:61、配列番号:62、配列番号:63、配列番号:64、配列番号:65、配列番号:66、配列番号:67、配列番号:68、配列番号:69、配列番号:70、配列番号:72、配列番号:86または配列番号:88で表される塩基配列、または(ii)配列番号:5、配列番号:19、配列番号:22、配列番号:28または配列番号:34で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、
(i) 配列番号:1で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:3で表わされる塩基配列を含有するDNA、配列番号:88で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(ii) 配列番号:2で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:4で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(iii) 配列番号:7で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:13で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(iv) 配列番号:8で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:14で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(v) 配列番号:9で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:15で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(vi) 配列番号:10で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:16で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(vii) 配列番号:11で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:17で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(viii) 配列番号:12で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:18で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(ix) 配列番号:24で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:26で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(x) 配列番号:25で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:27で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xi) 配列番号:30で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:32で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xii) 配列番号:31で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:33で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xiii) 配列番号:36で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:38で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xiv) 配列番号:37で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:39で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xv) 配列番号:40で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:3で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xvi) 配列番号:41で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:59で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xvii) 配列番号:42で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:60で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xviii) 配列番号:43で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:61で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xix) 配列番号:44で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:62で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xx) 配列番号:45で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:63で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxi) 配列番号:46で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:64で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxii) 配列番号:47で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:65で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxiii) 配列番号:48で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:26で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxiv) 配列番号:49で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:32で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxv) 配列番号:50で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:3で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxvi) 配列番号:51で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:3で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxvii) 配列番号:52で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:66で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxviii) 配列番号:53で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:67で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxix) 配列番号:54で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:68で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxx) 配列番号:55で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:69で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxi) 配列番号:21で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:70で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxii) 配列番号:56で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:66で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxiii) 配列番号:57で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:3で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxiv) 配列番号:58で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:66で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxv) 配列番号:71で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:72で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられ、
(xxxvi) 配列番号:85で表わされるアミノ酸配列を含有するポリペプチドをコードするDNAとしては、配列番号:86で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明の受容体をコードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:74で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:74で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:73で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNA、(2)配列番号:76で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:76で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:75で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNA、(3)配列番号:78で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:78で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:77で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNA、(4)配列番号:80で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:80で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:79で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNA、(5)配列番号:82で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:82で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:81で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNA、(6)配列番号:84で表される塩基配列を含有するDNA、または配列番号:84で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:83で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAなどであれば何れのものでもよい。
配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78または配列番号:80で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、それぞれ配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78または配列番号:80で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
配列番号:82で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:82で表わされる塩基配列と82%以上、好ましくは約85%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
配列番号:84で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできるDNAとしては、例えば、配列番号:84で表わされる塩基配列と92%以上、好ましくは約95%以上、より好ましくは約98%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションは、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:73で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:74で表わされる塩基配列を含有するDNA、配列番号:75で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:76で表わされる塩基配列を含有するDNA、配列番号:77で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:78で表わされる塩基配列を含有するDNA、配列番号:79で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:80で表わされる塩基配列を含有するDNA、配列番号:81で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:82で表わされる塩基配列を含有するDNA、配列番号:83で表わされるアミノ酸配列を含有する蛋白質をコードするDNAとしては、配列番号:84で表わされる塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
本発明の受容体の部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明の受容体の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
本発明の受容体の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、(1)配列番号:74で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:74で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:73で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA、(2)配列番号:76で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:76で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:75で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA、(3)配列番号:78で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:77で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:75で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA、(4)配列番号:80で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:80で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:79で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA、(5)配列番号:82で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:82で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:81で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNA、(6)配列番号:84で表わされる塩基配列を有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または配列番号:84で表わされる塩基配列とハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、配列番号:83で表されるアミノ酸を含有する蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質をコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
配列番号:74、配列番号:76、配列番号:78、配列番号:80、配列番号:82または配列番号:84で表わされる塩基配列とハイブリダイズできるDNAは、前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
また、本発明の受容体の部分ペプチドをコードするDNAとしてより具体的には、配列番号:73で表されるアミノ酸配列中、1番目(Met)〜43番目(Phe)、101番目(Asn)〜118番目(Lys)、188番目(Tyr)〜213番目(Arg)および283番目(Ala)〜295番目(Ile)で表される部分アミノ酸配列から選択される1または2以上の部分アミノ酸配列を含有する部分ペプチドをコードする塩基配列を有するDNAを含有するDNA、またはこれらとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有するDNAを含有するDNAなどがあげられる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドをコードするDNAは、公知の方法で標識化されていてもよく、具体的にはアイソトープラベル化されたもの、蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、ビオチン化されたものまたは酵素標識されたものなどがあげられる。好ましくはアイソトープラベル化された本発明のポリペプチドが用いられる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチド(以下、これらポリペプチド等をコードするDNAのクローニングおよび発現の説明においては、これらポリペプチド等を単に本発明のポリペプチドと略記する場合がある)を完全にコードするDNAのクローニングの手段としては、本発明のポリペプチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて公知のPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のポリペプチドの一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、Molecular Cloning 2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
DNAの塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、MutanTM-super Express Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA-LA PCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。
クローン化されたポリペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のポリペプチドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のポリペプチドをコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、HIV・LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどがあげられる。
これらのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。
発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Ampと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neoと略称する場合がある、G418耐性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のポリペプチドのN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のポリペプチドをコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌の具体例としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology)〕,120巻,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが用いられる。
昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7,Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetics),168巻,111(1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,182-187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)などに記載の方法に従って行なうことができる。
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology, 6, 47-55(1988))などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263-267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。
このようにして、ポリペプチドをコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、成長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),431-433,Cold Spring Harbor Laboratory, New York 1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。
宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5330(1984)〕があげられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Journal of the American Medical Association)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外などに本発明のポリペプチドを生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のポリペプチドを分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
本発明のポリペプチドを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過によりポリペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にポリペプチドが分泌される場合には、培養終了後、公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれるポリペプチドの精製は、公知の分離・精製法を適宜組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
かくして得られるポリペプチドが遊離体で得られた場合には、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生するポリペプチドを、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ポリペプチドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
本発明のポリペプチドまたは受容体に対する抗体(以下、単に本発明の抗体と称する場合がある)は、本発明のポリペプチドまたは受容体を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のポリペプチドまたは受容体に対する抗体は、本発明のポリペプチドまたは受容体を抗原として用い、公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のポリペプチドまたは受容体は、温血動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化ポリペプチドと抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。
モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、ポリペプチド(蛋白質)抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識された抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識されたポリペプチドを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげられる。
モノクローナル抗体の選別は、公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
(b)モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、公知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、公知あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗原(ポリペプチド抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のポリペプチドに対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。
温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
本発明のポリペプチド、受容体またはその部分ペプチドをコードするDNA(以下、これらのDNAを本発明のDNAと略記する場合がある)に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンスポリヌクレオチド(好ましくはDNA)(以下、アンチセンスDNAと略記する場合がある)としては、本発明のDNAに相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスDNAであってもよい。
本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などがあげられる。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発明のポリペプチドのN末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適である。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置などを用いて製造することができる。
本発明のアンチセンスDNAは、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうして付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった疎水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3'端あるいは5'端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3'端あるいは5'端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
アンチセンスDNAの阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のペプチドまたは受容体の生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。
以下に、(a)本発明のポリペプチド、(b)本発明の受容体(以下、その部分ペプチドも含む)、(c)本発明のDNA、(d)本発明の抗体および(e)本発明のアンチセンスDNAなどの用途を説明する。
(1)本発明のポリペプチドが関与する疾患の予防・治療剤
本発明のポリペプチドは、本発明の受容体(例、GPR8、GPR7、ラットTGR26、マウスTGR26、ウサギGPR8、ウサギGPR7など)などの発現細胞の細胞刺激活性を有し、本発明の受容体の内因性リガンドである。
本発明のポリペプチドまたは本発明のDNAに異常があったり、欠損している場合、または本発明の受容体または該受容体をコードするDNAに異常があったり、欠損している場合には、例えば、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などとなる可能性が高い。従って、本発明のポリペプチドおよび本発明のDNAは、例えば、抗利尿剤として使用することができ、例えば、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤として使用することができる。好ましくは、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤である。
本発明のポリペプチドおよび本発明のDNAは、例えば、生体内において本発明のポリペプチドが減少あるいは欠損している患者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、生体内で本発明のポリペプチドを発現させることによって、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のポリペプチドを発現させた後に、該細胞を患者に移植することによって、または(ハ)本発明のポリペプチドを該患者に投与することなどによって、該患者における本発明のポリペプチドの役割を十分に、あるいは正常に発揮させることができる。
本発明のDNAを上記の予防・治療剤として使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動物に投与することができる。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
本発明のポリペプチドを上記の予防・治療剤として使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のポリペプチドは、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的(好ましくは皮下投与)に使用できる。例えば、本発明のポリペプチドを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。
本発明のDNAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対して投与することができる。
本発明のポリペプチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、尿崩症の治療の目的で本発明のポリペプチドを皮下投与する場合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日につき該ポリペプチドを約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(2)利尿または抗利尿作用を有する医薬候補化合物のスクリーニング
本発明のポリペプチドは本発明の受容体のリガンドとしての機能などを有するため、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の機能を促進する化合物またはその塩は、例えば、抗利尿剤などとして有用であり、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤などとして使用できる。好ましくは、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤である。
一方、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の機能を阻害する化合物またはその塩は、例えば利尿剤として有用であり、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤などとして使用できる。
該スクリーニングは、本発明のポリペプチドを用いるか、または組換え型本発明のポリペプチドの発現系を構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用いることによって、本発明のポリペプチドとその受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物、本発明の受容体の活性を促進または阻害する化合物)(例、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩をスクリーニングすることができる。このような化合物には、本発明の受容体を介して細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成/抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性など)を有する化合物(即ち本発明のポリペプチドの受容体アゴニスト)と該細胞刺激活性を有しない化合物(即ち本発明のポリペプチドの受容体アンタゴニスト)などが含まれる。「本発明のポリペプチドとの結合性を変化させる」とは、本発明のポリペプチドとの結合を阻害する場合と本発明のポリペプチドとの結合を促進する場合の両方を包含するものである。
本発明のポリペプチドおよび/または本発明の受容体を用いることを特徴とする、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法の具体例としては、(i)本発明の受容体に、本発明のポリペプチドを接触させた場合と(ii)上記した本発明の受容体に、本発明のポリペプチドおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体の結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法が挙げられる。
上記スクリーニング方法においては、(i)上記した本発明の受容体に、本発明のポリペプチドを接触させた場合と(ii)上記した本発明の受容体に、本発明のポリペプチドおよび試験化合物を接触させた場合における、例えば該本発明の受容体に対する該ポリペプチドの結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較する。
上記スクリーニング方法のさらなる具体例としては、
(a)標識された本発明のポリペプチドを、上記した本発明の受容体に接触させた場合と、標識された本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明の受容体に接触させた場合における、標識された本発明のポリペプチドの本発明の受容体に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
(b)標識された本発明のポリペプチドを、本発明の受容体を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、標識された本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、標識された本発明のポリペプチドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
(c)標識された本発明のポリペプチドを、本発明の受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の受容体に接触させた場合と、標識された本発明のポリペプチドおよび試験化合物を本発明の受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明のポリペプチドの受容体に接触させた場合における、標識された本発明のポリペプチドの本発明の受容体に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
(d)本発明の受容体を活性化する化合物(例えば、本発明のポリペプチド)を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合と、本発明の受容体を活性化する化合物および試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合における、本発明の受容体を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成/抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、および
(e)本発明の受容体を活性化する化合物(例えば、本発明のポリペプチドなど)を本発明の受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の受容体に接触させた場合と、本発明の受容体を活性化する化合物および試験化合物を、本発明の受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した本発明の受容体に接触させた場合における、本発明の受容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成/抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法などである。
標識された本発明のポリペプチドの好ましい具体例は、〔125I〕でそれぞれ標識された配列番号:1、配列番号:2、配列番号:7、配列番号:8、配列番号:9、配列番号:10、配列番号:11、配列番号:12、配列番号:21、配列番号:24、配列番号:25、配列番号:30、配列番号:31、配列番号:36、配列番号:37、配列番号:40、配列番号:41、配列番号:42、配列番号:43、配列番号:44、配列番号:45、配列番号:46、配列番号:47、配列番号:48、配列番号:49、配列番号:50、配列番号:51、配列番号:52、配列番号:53、配列番号:54、配列番号:55、配列番号:56、配列番号:57、配列番号:58、配列番号:71または配列番号:85で表されるアミノ酸配列を有するポリペプチドなどが挙げられる。
上記スクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、本発明のスクリーニング方法に用いる本発明の受容体としては、本発明のポリペプチドをリガンドとして認識するものであれば何れのものであってもよいが、ヒトや温血動物の臓器の膜画分などが好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現させた本発明の受容体などが適している。
本発明の受容体を製造するには、前述の製造方法などが用いられる。
本発明のスクリーニング方法において、本発明の受容体を含有する細胞あるいは該細胞膜画分などを用いる場合、後述の調製法に従えばよい。
本発明の受容体を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法は公知の方法に従って行うことができる。
本発明の受容体を含有する細胞としては、本発明の受容体を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。また、本発明の受容体を発現した宿主細胞は、前述の本発明のポリペプチドを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体の製造方法と同様の方法などがあげられる。
膜画分としては、細胞を破砕した後、公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などがあげられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500〜3000rpm)で短時間(通常、約1〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現した本発明の受容体と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該本発明の受容体を含有する細胞や膜画分中の本発明の受容体の量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)をスクリーニングする前記の(a)〜(c)を実施するためには、適当な本発明の受容体画分と、標識された本発明のポリペプチドなどが用いられる。本発明の受容体画分としては、天然型の本発明の受容体画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型本発明の受容体画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識されたポリペプチドとしては、例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識されたポリペプチドなどを利用することができる。このうち好ましくは、〔125I〕で標識されたポリペプチドである。
具体的には、本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行うには、まず本発明の受容体を含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによる本発明の受容体や本発明のポリペプチドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000〜500000cpm)の標識された本発明のポリペプチドを添加し、同時に10-10〜10-7Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識の本発明のポリペプチドを加えた反応チューブも用意する。反応は0〜50℃、望ましくは4〜37℃で20分〜24時間、望ましくは30分〜3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)をスクリーニングする前記の(d)〜(e)の方法を実施するためには、本発明の受容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成/抑制、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。具体的には、まず、本発明の受容体を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当な本発明の受容体を発現した細胞が必要である。本発明の受容体を発現した細胞としては、前述の本発明の受容体発現細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、例えばペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。
本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング用キットは、本発明の受容体またはその塩、本発明の受容体の部分ペプチドまたはその塩、本発明の受容体を含有する細胞、あるいは本発明の受容体を含有する細胞の膜画分、および本発明のポリペプチドを含有するものである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
1.スクリーニング用試薬
(a)測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。
孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
(b)本発明の受容体標品
本発明の受容体を発現させたCHO細胞を、12穴プレートに5×10個/穴で継代し、37℃、5%CO、95%airで2日間培養したもの。
(c)標識リガンド
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識された本発明のポリペプチドを適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。
(d)リガンド標準液
本発明のポリペプチドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で保存する。
2.測定法
(a)12穴組織培養用プレートにて培養した本発明の受容体を発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。
(b)10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた後、標識された本発明のペプチドを5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わりに10−3Mの本発明のポリペプチドを5μl加えておく。
(c)反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄する。細胞に結合した標識された本発明のポリペプチドを0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。
(d)液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
〔数1〕
PMB=[(B−NSB)/(B−NSB)]×100
PMB:Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量)
:最大結合量
上記スクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合を変化させる(結合を阻害あるいは促進する)化合物(本発明のポリペプチドの活性を促進または阻害する化合物)であり、具体的には本発明の受容体を介して細胞刺激活性を有する化合物またはその塩(いわゆる本発明の受容体アゴニスト)、あるいは該刺激活性を有しない化合物(いわゆる本発明の受容体アンタゴニスト)である。該化合物としては、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
上記本発明の受容体アゴニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な評価方法は以下の(i)または(ii)に従えばよい。
(i)前記(a)〜(c)のスクリーニング方法で示されるバインディング・アッセイを行い、本発明のポリペプチドと本発明の受容体との結合性を変化させる(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、該化合物が上記した本発明の受容体を介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発明の受容体アゴニストであり、該活性を有しない化合物またはその塩は本発明の受容体アンタゴニストである。
(ii)(a)試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞に接触させ、上記本発明の受容体を介した細胞刺激活性を測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は本発明の受容体アゴニストである。
(b) 本発明の受容体を活性化する化合物(例えば、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体アゴニストなど)を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合と、本発明の受容体を活性化する化合物および試験化合物を本発明の受容体を含有する細胞に接触させた場合における、本発明の受容体を介した細胞刺激活性を測定し、比較する。本発明の受容体を活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩は本発明の受容体アンタゴニストである。
上記本発明の受容体アゴニストは、本発明の受容体に対する本発明のポリペプチドが有する生理活性と同様の作用を有しているので、本発明のポリペプチドと同様に抗利尿剤として有用であり、安全で低毒性な、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤などとして使用することができる。好ましくは、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤などとして使用することができる。
上記本発明の受容体アンタゴニストは、本発明の受容体に対する本発明のポリペプチドが有する生理活性を抑制することができるので、利尿剤として有用であり、安全で低毒性な、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤などして使用することができる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物であり、本発明のポリペプチドの活性または機能を促進または阻害する化合物である。
該化合物の塩としては、前記した本発明のポリペプチドの塩と同様のものが用いられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の予防・治療剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、尿崩症の治療の目的で本発明のポリペプチドの活性を促進する化合物を皮下投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
また、例えば、腎性浮腫の治療の目的で本発明のポリペプチドの活性を阻害する化合物を皮下投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(3)本発明のポリペプチドまたは受容体の定量
本発明の抗体は、本発明のポリペプチドまたは受容体を特異的に認識することができるので、被検液中の本発明のポリペプチドまたは受容体の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用することができる。
本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発明のポリペプチドまたは受容体とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本発明のポリペプチドの割合を測定することを特徴とする被検液中の本発明のポリペプチドの定量法、および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のポリペプチドまたは受容体の定量法を提供する。
上記(ii)の定量法においては、一方の抗体が本発明のポリペプチドまたは受容体のN端部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のポリペプチドまたは受容体のC端部に反応する抗体であることが望ましい。
また、本発明のポリペプチドまたは受容体に対するモノクローナル抗体を用いて本発明のポリペプチドまたは受容体の定量を行うことができるほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる本発明のポリペプチドまたは受容体の定量法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、ポリペプチド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常ポリペプチドあるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発明のポリペプチド量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
本発明のサンドイッチ法による本発明のポリペプチドの測定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、本発明のポリペプチドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のポリペプチドのC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。
競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のポリペプチドの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D : Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I : Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、本発明の抗体を用いることによって、本発明のポリペプチドまたは受容体を感度良く定量することができる。
本発明の抗体を用いて本発明のポリペプチドまたは受容体の濃度を定量することによって、本発明のポリペプチドまたは受容体の濃度の減少が検出された場合、例えば、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの疾病である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、本発明のポリペプチドまたは受容体の濃度の増加が検出された場合には、例えば、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの疾病である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のポリペプチドまたは受容体を検出するために使用することができる。また、本発明のポリペプチドまたは受容体を精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のポリペプチドまたは受容体の検出、被検細胞内における本発明のポリペプチドまたは受容体の挙動の分析などのために使用することができる。
(4)遺伝子診断薬
本発明のDNAは、例えば、プローブとして使用することにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)における本発明のポリペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断薬として有用である。
本発明のDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(Genomics,第5巻,874−879頁(1989年)、Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America,第86巻,2766−2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションにより本発明のポリペプチドまたは受容体の遺伝子の発現低下が検出された場合は、 例えば、蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの疾病である可能性が高い、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、ノーザンハイブリダイゼーションにより本発明のポリペプチドまたは受容体の遺伝子の発現過多が検出された場合は、例えば、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの疾病である可能性が高い、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
(5)アンチセンスDNAを含有する医薬
本発明のアンチセンスDNAは、利尿剤などとして使用することができ、例えば、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤などとして使用することができる。
例えば、該アンチセンスDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
(6)本発明の抗体を含有する医薬
本発明のポリペプチドを中和する作用を有する本発明の抗体は、例えば利尿剤などとして使用することができ、例えば、腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤として有用である。
本発明の抗体を含有する上記疾患の剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人の腎性浮腫の治療のために使用する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いられる。
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などの剤形を包含する。かかる注射剤は、公知の方法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
(7)DNA転移動物
外来性の本発明のポリペプチドまたは受容体をコードするDNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物も、利尿剤などをスクリーニングするために用いられる。
本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法などにより目的とするDNAを転移することによって作出することができる。また、該DNA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と公知の細胞融合法により融合させることにより本発明のDNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6C3F系統,BDF系統,B6D2F系統,BALB/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、Wistar,SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれる。
該異常DNAとしては、異常な本発明のポリペプチドまたは受容体を発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明のポリペプチドまたは受容体の機能を抑制するポリペプチドを発現させるDNAなどが用いられる。
本発明の外来性DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺乳動物を作出することができる。
本発明のポリペプチドまたは受容体の発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリオファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記のDNA発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、(a)ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモーター、(b)各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性蛋白質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存蛋白質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎蛋白質、チログロブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒトポリペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部などをプロモーター領域の5´上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3´下流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明のポリペプチドまたは受容体の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知の方法により調製された相補DNAを原料として取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞または組織より得られた正常なポリペプチドの翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有する。
本発明の外来性正常DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する。
導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に本発明のポリペプチドの機能亢進症を発症することがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明のポリペプチドの機能亢進症や、本発明のポリペプチドが関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、本発明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のポリペプチドの増加症状を有することから、本発明のポリペプチドに関連する疾患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
一方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原料として用いることができる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症となることがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DNA高発現動物は、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症における本発明の異常ポリペプチドによる正常ポリペプチドの機能阻害(dominant negative作用)を解明するモデルとなる。
また、本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のポリペプチドの増加症状を有することから、本発明のポリペプチドまたはの機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
また、上記2種類の本発明のDNA転移動物のその他の利用可能性として、例えば、
(a)組織培養のための細胞源としての使用、
(b)本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、またはDNAにより発現されたポリペプチド組織を分析することによる、本発明のポリペプチドにより特異的に発現あるいは活性化するポリペプチドとの関連性についての解析、
(c)DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
(d)上記(c)記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスクリーニング、および
(e)本発明の変異ポリペプチドを単離精製およびその抗体作製などが考えられる。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のポリペプチドの機能不活性型不応症などを含む、本発明のポリペプチドまたは受容体に関連する疾患の臨床症状を調べることができ、また、本発明のポリペプチドまたは受容体に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、細切後、トリプシンなどの蛋白質分解酵素により、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さらに、本発明のポリペプチドまたは受容体産生細胞の特定化、アポトーシス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べることなどができ、本発明のポリペプチドまたは受容体およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のポリペプチドまたは受容体の機能不活性型不応症を含む、本発明のポリペプチドまたは受容体に関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。また、本発明のDNA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、本発明のポリペプチドが関連する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能である。
(8)ノックアウト動物
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物も、抗利尿剤をスクリーニングするために用いられる。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしている本発明のポリペプチドの活性を実質的に喪失させることにより、DNAが実質的に本発明のポリペプチドの発現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記する)をいう。
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNAに人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換させることによって行なうことができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDFマウス(C57BL/6とDBA/2とのF)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BDFマウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
ES細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげることができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするのに約10個の細胞数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バンディング法による染色体数の確認等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1〜10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001〜0.5%トリプシン/0.1〜5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。このような継代は、通常1〜3日毎に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, Nature 第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビトロにおける本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の細胞生物学的検討において有用である。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウトさせることができる。
本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常、本発明のポリペプチドのヘテロ発現不全個体であり、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体のヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体のホモ発現不全個体を得ることができる。
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明のDNAがノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体により誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明のポリペプチドまたは本発明の受容体の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
(8a)本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
具体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
例えば、抗利尿剤をスクリーニングする場合、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に飲水負荷処置を行ない、飲水負荷処置前または処置後に試験化合物を投与し、該動物の尿量変化などを経時的に測定する。
該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、該試験動物の尿量が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上低下した場合、該試験化合物を上記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のポリペプチドの欠損や損傷などによって引き起こされる疾患に対して治療・予防効果を有するので、該疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤などの医薬として使用することができる。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のポリペプチドを含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、該化合物を皮下投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)の患者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)の拒食症患者に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
(8b)本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニング方法
本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。
試験化合物としては、前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、本発明のポリペプチドをコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明のポリペプチドの発現する組織で、本発明のポリペプチドの代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便に本発明のポリペプチドの動物生体内における発現状態を観察することができる。具体的には、本発明のポリペプチド欠損マウスまたはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、本発明のポリペプチドまたは受容体の発現を促進し、該ポリペプチドまたは受容体の機能を促進することができるので、例えば、抗利尿剤などとして有用であり、例えば蓄尿障害〔例、頻尿、尿失禁(例、切迫性尿失禁、腹圧性尿失禁、機能性尿失禁など)など〕、多尿症、尿崩症(例、下垂体性尿崩症、腎性尿崩症など)、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症、Cushing症候群などの予防・治療剤などとして使用することができる。
また、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、本発明のポリペプチドまたは受容体の発現を阻害し、該ポリペプチドまたは受容体の機能を阻害することができるので、例えば利尿剤などとして有用であり、例えば腎性浮腫、尿排出障害(例、膀胱収縮障害、尿道通過障害、排尿困難、排尿痛、尿路閉塞など)、低ナトリウム血症、抗利尿ホルモン分泌不適症候群(SIADH)、高血圧などの予防・治療剤などとして使用することができる。
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のポリペプチドまたはその塩を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)の患者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)の患者に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
一方、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kgとして)の患者においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人(60kgとして)の患者に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
このように、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、本発明のポリペプチドのプロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に種々の蛋白質をコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にそのポリペプチドを合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のポリペプチドそのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC-IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
I :イノシン
R :アデニン(A)またはグアニン(G)
Y :チミン(T)またはシトシン(C)
M :アデニン(A)またはシトシン(C)
K :グアニン(G)またはチミン(T)
S :グアニン(G)またはシトシン(C)
W :アデニン(A)またはチミン(T)
B :シトシン(C)、グアニン(G)またはチミン(T)
D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T)
V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C)
N :アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)
もしくはチミン(T)または不明もしくは他の塩基
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
BHA :ベンズヒドリルアミン
pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン
Tos :p−トルエンスルフォニル
Bzl :ベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Boc :t−ブチルオキシカルボニル
DCM :ジクロロメタン
HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール
DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TFA :トリフルオロ酢酸
DIEA :ジイソプロピルエチルアミン
BSA :ウシ血清アルブミン
CHAPS :3−〔(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ〕−
1−プロパンスホナート
Gly又はG :グリシン
Ala又はA :アラニン
Val又はV :バリン
Leu又はL :ロイシン
Ile又はI :イソロイシン
Ser又はS :セリン
Thr又はT :スレオニン
Cys又はC :システイン
Met又はM :メチオニン
Glu又はE :グルタミン酸
Asp又はD :アスパラギン酸
Lys又はK :リジン
Arg又はR :アルギニン
His又はH :ヒスチジン
Phe又はF :フェニルアラニン
Tyr又はY :チロシン
Trp又はW :トリプトファン
Pro又はP :プロリン
Asn又はN :アスパラギン
Gln又はQ :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
Tyr(I) :3−ヨードチロシン
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル
Trt :トリチル
Pbf : 2,2,4,6,7−ペンタメチルジヒドロベンゾフラン
−5−スルホニル
Clt :2−クロロトリチル
Bu :t−ブチル
Met(O) :メチオニンスルフォキシド
本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
ヒトGPR8リガンドペプチド(hNPW23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:2〕
ヒトGPR8リガンドペプチド(hNPW30)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:3〕
配列番号:1で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:4〕
配列番号:2で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:5〕
ヒトGPR8リガンドペプチド前駆体の一部をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:6〕
ヒトGPR8リガンドペプチド前駆体の一部のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:7〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-29)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:8〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-28)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:9〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-27)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:10〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-26)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:11〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-25)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:12〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-24)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:13〕
配列番号:7で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:14〕
配列番号:8で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:15〕
配列番号:9で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:16〕
配列番号:10で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:17〕
配列番号:11で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:18〕
配列番号:12で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:19〕
ヒトGPR8リガンドペプチド前駆体をコードするcDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:20〕
ヒトGPR8リガンドペプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:21〕
ブタGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:22〕
ブタGPR8リガンドペプチド前駆体をコードするcDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:23〕
ブタGPR8リガンドペプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:24〕
ブタGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:25〕
ブタGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:26〕
配列番号:24で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:27〕
配列番号:25で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:28〕
ラットGPR8リガンドペプチド前駆体をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:29〕
ラットGPR8リガンドペプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:30〕
ラットGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:31〕
ラットGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:32〕
配列番号:30で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:33〕
配列番号:31で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:34〕
マウスGPR8リガンドペプチド前駆体をコードするcDNAの配列を示す。
〔配列番号:35〕
マウスGPR8リガンドペプチド前駆体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:36〕
マウスGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:37〕
マウスGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:38〕
配列番号:36で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:39〕
配列番号:37で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:40〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-23)酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:41〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-22)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:42〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-21)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:43〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-20)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:44〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-19)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:45〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-18)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:46〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-17)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:47〕
合成ヒトGPR8リガンド(1-16)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:48〕
合成GPR8リガンド(1-23)酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:49〕
合成ラットまたはマウスGPR8リガンド(1-23)酸化体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:50〕
合成Fmoc化ヒトGPR8リガンド(1-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:51〕
合成[Nα-Acetyl-Trp1]-ヒトGPR8リガンド(1-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:52〕
合成ヒトGPR8リガンド(2-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:53〕
合成ヒトGPR8リガンド(4-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:54〕
合成ヒトGPR8リガンド(9-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:55〕
合成ヒトGPR8リガンド(15-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:56〕
合成[N-Acetyl-Tyr2]-ヒトGPR8リガンド(2-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:57〕
合成[D-Trp1]-ヒトGPR8リガンド(1-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:58〕
合成[N-3-Indolepropanoyl-Tyr2]-ヒトGPR8リガンド(2-23)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:59〕
配列番号:41で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:60〕
配列番号:42で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:61〕
配列番号:43で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:62〕
配列番号:44で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:63〕
配列番号:45で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:64〕
配列番号:46で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:65〕
配列番号:47で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:66〕
配列番号:52で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:67〕
配列番号:53で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:68〕
配列番号:54で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:69〕
配列番号:55で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:70〕
配列番号:21で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:71〕
[Phe2]ヒトGPR8リガンド(1-20)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:72〕
配列番号:71で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:73〕
ヒトGPR8のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:74〕
配列番号:73で表されるアミノ酸配列をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:75〕
ラットTGR26のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:76〕
ラットTGR26をコードするcDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:77〕
マウスTGR26のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:78〕
マウスTGR26をコードするcDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:79〕
ヒトGPR7のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:80〕
ヒトGPR7をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:81〕
ウサギGPR8のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:82〕
ウサギGPR8をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:83〕
ウサギGPR7のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:84〕
ウサギGPR7をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:85〕
ウサギGPR8リガンドペプチド(1-30)のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:86〕
ウサギGPR8リガンドペプチド(1-30)をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:87〕
ウサギGPR8リガンドペプチド(1-23)のアミノ酸配列を示す。配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一である。
〔配列番号:88〕
ウサギGPR8リガンドペプチド(1-23)をコードする塩基配列を示す。
〔配列番号:89〕
以下の実施例2−(1)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:90〕
以下の実施例2−(1)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:91〕
ウサギGPR8をコードするcDNAの5’上流側の塩基配列を示す。
〔配列番号:92〕
以下の実施例2−(2)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:93〕
以下の実施例2−(2)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:94〕
ウサギGPR8をコードするcDNAの3’下流側の塩基配列を示す。
〔配列番号:95〕
以下の実施例2−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:96〕
以下の実施例2−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:97〕
以下の実施例2−(3)において得られたウサギGPR8をコードするcDNAを含む塩基配列を示す。
〔配列番号:98〕
以下の実施例3−(1)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:99〕
以下の実施例3−(1)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:100〕
ウサギGPR7をコードするcDNAの5’上流側の塩基配列を示す。
〔配列番号:101〕
以下の実施例3−(2)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:102〕
以下の実施例3−(2)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:103〕
ウサギGPR7をコードするcDNAの3’下流側の塩基配列を示す。
〔配列番号:104〕
以下の実施例3−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:105〕
以下の実施例3−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:106〕
以下の実施例3−(3)において得られたウサギGPR7をコードするcDNAを含む塩基配列を示す。
〔配列番号:107〕
以下の実施例4−(1)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:108〕
以下の実施例4−(1)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:109〕
ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAの5’上流側の塩基配列を示す。
〔配列番号:110〕
以下の実施例4−(2)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:111〕
以下の実施例4−(2)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:112〕
ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAの3’下流側の塩基配列を示す。
〔配列番号:113〕
以下の実施例4−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:114〕
以下の実施例4−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:115〕
ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAを含む塩基配列を示す。
〔配列番号:116〕
ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:117〕
以下の実施例4−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:118〕
以下の実施例4−(3)におけるPCR反応で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:119〕
ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAを含む塩基配列を示す。
〔配列番号:120〕
配列番号:116で表されるアミノ酸配列をコードするcDNAの塩基配列を示す。
後述の実施例2で得られたEscherichia coli DH5α/pAKKO-rabbit GPR8は、2003年9月25日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP-8497として寄託されている。
後述の実施例3で得られたEscherichia coli DH5α/pAKKO-rabbit GPR7は、2003年9月25日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP-8496として寄託されている。
後述の実施例4で得られたEscherichia coli DH5α/pAKKO-rabbit prepro-NPWは、2003年9月25日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305-8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに受託番号FERM BP-8495として寄託されている。
以下に参考例および実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
参考例1
[Phe2]ヒトGPR8リガンド(1-20)(配列番号:71)の製造
アプライドバイオシステムズ社のペプチド自動合成機(ABI 433モデル)を使用し、プログラムに従ってC端より逐次Fmoc法によりペプチド鎖を延長し目的の保護ペプチド樹脂の合成を行った。
出発アミノ酸樹脂担体はWang(p-benzyloxybenzyl alcohol)樹脂(0.25 mmol)を使用し、Fmoc-Leu、Fmoc-Gly、Fmoc-Ala、Fmoc-Arg(Pbf)、Fmoc-Val、Fmoc-Thr(But)、Fmoc-His(Trt)、Fmoc-Tyr(But)、Fmoc-Pro、Fmoc-Ser(But)、Fmoc-Lys(Boc)、Fmoc-Phe、Fmoc-Trp(Boc)のFmocアミノ酸誘導体をHBTU(2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム ヘキサフルオロホスフェート)によりシークエンスにしたがって逐次縮合した。
樹脂上へのペプチドの構築が終了後、保護ペプチド樹脂を乾燥した。得られた保護ペプチドの脱保護処理とペプチドの樹脂担体からの切り離しはTFA処理によって行なった。得られた粗ペプチドは0.1% TFA水によって抽出し、凍結乾燥により粉末固体として得た。続いて、粗ペプチドを逆相高速クロマトグラフィー(島津製作所、分取装置:モデルLC8A)によりアセトニトリル−0.1% TFA水の系(15-35%、80分)を用いて分取精製を行なって目的とする精製ペプチド35 mgを得た。
精製物を0.2% 3−(2−アミノエチル)インドールを含む4N メタンスルホン酸によって110℃・22時間の条件で加水分解して得た加水分解物のアミノ酸分析値は(括弧内は理論値)以下のとおり。
Thr (1) 0.93, Ser (1) 0.92, Gly (2) 2.03, Ala (3) 3.09, Val (2) 1.90, Leu (2) 2.02, Tyr (1) 1.02, Phe (1) 1.00, His (2) 1.91, Lys (1) 0.98, Trp (1) 0.88, Arg (2) 2.06, Pro (1) 1.02
純度はHPLCにより98.8%と算出された。また、質量分析値は2266.6(理論値2266.6)であった。
参考例2
ラクトパーオキシダーゼ法を用いた[Phe2,125I-Tyr10]ヒトGPR8リガンド(1-20)の作製
DMSO 10μlに溶かした、参考例1に記載した製法に準じて得られた[Phe2] ヒトGPR8リガンド(1-20)(配列番号:71)10 nmolを、0.1 M塩化ニッケル水溶液10μl、0.1 M HEPES (pH 7.6)に溶かした0.001%過酸化水素水10μl、0.1 M HEPES (pH 7.6)に溶かしたラクトパーオキシダーゼ (シグマ社) 10μg/mlを10μl、および[125I]NaI 40 MBq(NENライフサイエンスプロダクツ社)10μlを混合して室温で50分間反応させた後、生成した[Phe2, 125I-Tyr10] ヒトGPR8リガンド(1-20)を以下の条件のHPLCにより分取した。
用いたカラムは、ODS-80TM (4.6 mm x 15 cm)(トーソー社)、溶出液Aとして10%アセトニトリル/0.1% TFA、溶出液Bとして60%アセトニトリル/0.1% TFAを用い、0-0 (2 min)、0-27 (5 min)、27-32 (40 min) %B/A+Bのグラディエント溶出法を行なった。流速は1 mL/min、カラム温度は40℃、検出は215 nmとした。このHPLC条件では、[Phe2, 125I-Tyr10] ヒトGPR8リガンド(1-20)は25分付近に溶出した。
実施例1
ヒトGPR8リガンド(1-23)の静脈投与によるウサギの尿量、心拍数および血圧に対する作用
Japanese White系雄性ウサギ(2.2−2.4 kg)にウレタン(カルバミド酸エチル)を耳静脈より投与し (1.5 g/ml/kg)、麻酔下にてウサギ手術台に固定して開腹した。右大腿動脈挿管および尿管を剥離し、尿管カテーテルを両尿管に挿管し、ポリグラフ363を用いて動脈血圧、心拍数および尿量を計測した。生理食塩水の輸液(10 ml/h)および検体の投与(300μl/回)は耳静脈より行なった。WO 01/98494号公報に記載の方法と同様にして作製したヒトGPR8リガンド(1−23)(配列番号:1)(hNPW23と記載することがある)は生理食塩水(大塚製薬)に溶解し、投与量を12.5、25、50および100 nmol/kgに設定した。対照区には生理食塩水を投与し、各群5例で行なった。hNPW23投与前および投与後の4分間の尿量を計測し、投与前後の尿量変化の比率(%)をもってF-検定を行なった。
hNPW23投与による尿量の変動は、下式に従って表記する。
(%)=(投与後4分間の尿量)/(投与前4分間の尿量)×100
結果を表1に示す。
〔表1〕
投与量(nmol/kg) 0 12.5 25 50 100
尿量の変動(%) 101±0.9 90.0±7.4 78.2±2.7 74.8±2.6 56.8±8.1
(平均値±標準誤差)

hNPW23投与群では、25、50および100 nmol/kg投与群において、生理食塩水投与群と比較し、投与量依存的に有意に尿量が減少した。また、hNPW23の12.5 nmol/kg投与群では、尿量の減少傾向がみられたが、生理食塩水投与群に比較して有意な差はみられなかった(表1)。
また、hNPW23は、いずれの投与量においても血圧および心拍数には影響を与えなかった。
実施例2
ウサギGPR8をコードするcDNAのクローニング
(1)ウサギGPR8をコードするcDNAの5’上流側配列のクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いて5’-RACE用の鋳型であるウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、1回目のPCR反応ではkit添付のAdaptor Primer 1とプライマー1(配列番号:89)、2回目のPCR反応ではkit添付のNested Adaptor Primer 2とプライマー2(配列番号:90)を用いた。反応は、逆転写したcDNAのうちmRNA 2 ng相当分を鋳型に50μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.2μM、dNTP混合液0.2 mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、どちらのPCRも94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、60℃(サイクル数が1回増える毎に0.5℃ずつ上昇)、72℃・4分のサイクルを15回、94℃・30秒、68℃・4分のサイクルを15回繰り返した後、72℃で10分保温した。反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える900 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit (キアゲン社)で抽出し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、ウサギGPR8をコードするcDNAの5’上流側配列である配列番号:91で示される塩基配列を得た。
(2)ウサギGPR8をコードするcDNAの3’下流側配列のクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いて3’-RACE用の鋳型であるウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、1回目のPCR反応ではkit添付のAdaptor Primer 1とプライマー1(配列番号:92)、2回目のPCR反応ではkit添付のNested Adaptor Primer 2とプライマー2(配列番号:93)を用いた。反応は、逆転写したcDNAのうちmRNA 2 ng相当分を鋳型に50μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.2μM、dNTP混合液0.2 mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、どちらのPCRも94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、72℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、70℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、68℃・4分のサイクルを20回繰り返した後、72℃で10分保温した。反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える2000 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)で抽出し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、ウサギGPR8をコードするcDNAの3’下流側配列である配列番号:94で示される塩基配列を得た。
(3)ウサギGPR8をコードする全長cDNAのクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いてウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。ウサギGPR8遺伝子の5’側配列をもとに作製したプライマー1(配列番号:95)およびウサギGPR8遺伝子の3’側配列をもとに作製したプライマー2(配列番号:96)を用いてウサギ全脳二本鎖cDNAを鋳型にPCR反応を行なった。反応は、mRNA 1 ng相当分のcDNAを鋳型に100μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.5μM、dNTP混合液0.2mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、68℃・2分のサイクルを40回繰り返した後、72℃で10分間保温した。得られた反応液をQIAquick PCR purification Kit(キアゲン社)を用いて精製し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:97に示す塩基配列を得た。この配列には、ウサギGPR8の全アミノ酸配列(配列番号:81)をコードする塩基配列が含まれていた。次に、そのプラスミドDNAを制限酵素Sal IとSpe I(宝酒造)を用いて消化後、反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える1000 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)を用いて回収した。このDNA断片をpAKKOのSal IサイトとSpe IサイトにDNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入し、形質転換体Escherichia coli DH5α/pAKKO-rabbit GPR8を得た。
実施例3
ウサギGPR7をコードするcDNAのクローニング
(1)ウサギGPR7をコードするcDNAの5’上流側配列のクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いて5’-RACE用の鋳型であるウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、1回目のPCR反応ではkit添付のAdaptor Primer 1とプライマー1(配列番号:98)、2回目のPCR反応ではkit添付のNested Adaptor Primer 2とプライマー2(配列番号:99)を用いた。反応は、逆転写したcDNAのうちmRNA 2 ng相当分を鋳型に50μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.2μM、dNTP混合液0.2 mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、どちらのPCRも94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、72℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、70℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、68℃・4分のサイクルを20回繰り返した後、72℃で10分保温した。反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える1000 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)で抽出し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、ウサギGPR7をコードするcDNAの5’上流側配列である配列番号:100で示される塩基配列を得た。
(2)ウサギGPR7をコードするcDNAの3’下流側配列のクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いて3’-RACE用の鋳型であるウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、1回目のPCR反応ではkit添付のAdaptor Primer 1とプライマー1(配列番号:101)、2回目のPCR反応ではkit添付のNested Adaptor Primer 2とプライマー2(配列番号:102)を用いた。反応は、逆転写したcDNAのうちmRNA 2 ng相当分を鋳型に50μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.2μM、dNTP混合液0.2 mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、どちらのPCRも94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、72℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、70℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、68℃・4分のサイクルを20回繰り返した後、72℃で10分保温した。反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える1000 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)で抽出し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、ウサギGPR7をコードするcDNAの3’下流側配列である配列番号:103で示される塩基配列を得た。
(3)ウサギGPR7をコードする全長cDNAのクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いて、マニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いてウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。ウサギGPR7遺伝子の5’側配列をもとに作製したプライマー1(配列番号:104)およびウサギGPR7遺伝子の3’側配列をもとに作製したプライマー2(配列番号:105)を用いてウサギ全脳二本鎖cDNAを鋳型にPCR反応を行なった。反応は、mRNA 1 ng相当分のcDNAを鋳型に100μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.5μM、dNTP混合液0.2mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、68℃・2分のサイクルを40回繰り返した後、72℃で10分間保温した。得られた反応液をQIAquick PCR purification Kit(キアゲン社)を用いて精製し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:106に示す塩基配列を得た。この配列には、ウサギGPR7の全アミノ酸配列(配列番号:83)をコードする塩基配列が含まれていた。次に、そのプラスミドDNAを制限酵素Sal IとSpe I(宝酒造)を用いて消化後、反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える1000 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)を用いて回収した。このDNA断片を、pAKKOのSal IサイトとSpe IサイトにDNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入し、形質転換体Escherichia coli DH5α/pAKKO-rabbit GPR7を得た。
実施例4
ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAのクローニング
(1)ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAの5’上流側配列のクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いて5’-RACE用の鋳型であるウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、1回目のPCR反応ではkit添付のAdaptor Primer 1とプライマー1(配列番号:107)、2回目のPCR反応ではkit添付のNested Adaptor Primer 2とプライマー2(配列番号:108)を用いた。反応は、逆転写したcDNAのうちmRNA 2 ng相当分を鋳型に50μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.2μM、dNTP混合液0.2 mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer II 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、どちらのPCRも94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、72℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、70℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、68℃・4分のサイクルを20回繰り返した後、72℃で10分保温した。反応液を1.5% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える350bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)で抽出し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAの5’上流側配列である配列番号:109で示される塩基配列を得た。
(2)ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAの3’下流側配列のクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いて、3’-RACE用の鋳型であるウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。RACE PCR反応に用いたプライマーセットは、1回目のPCR反応ではkit添付のAdaptor Primer 1と縮重プライマー1(配列番号:110)、2回目のPCR反応ではkit添付のNested Adaptor Primer 2と縮重プライマー2(配列番号:111)を用いた。反応は、逆転写したcDNAのうちmRNA 2 ng相当分を鋳型に50μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.2μM、dNTP混合液0.2 mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer I 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、どちらのPCRも94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、72℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、70℃・4分のサイクルを5回、94℃・30秒、68℃・4分のサイクルを20回繰り返した後、72℃で10分保温した。反応液を1.2% アガロースゲルで電気泳動し、エチジウムブロマイドで染色した時に見える600 bp付近のバンドをDNA Extraction Kit(キアゲン社)で抽出し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードするcDNAの3’下流側配列である配列番号:112で示される塩基配列を得た。
(3)ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードする全長cDNAのクローニング
ウサギ全脳のtotal RNAはUNITECH社より購入した。Poly(A)+RNA画分をmRNA purification kit(アマシャム バイオサイエンス社)を用いて調製後、ウサギ全脳poly(A)+RNA 1.0μgからPowerScript Reverse Transcriptase(クロンテック社)を用いてマニュアルに従って逆転写を行なった後、Marathon cDNA Amplification kit(クロンテック社)を用いてウサギ全脳二本鎖cDNAを作成した。ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードする遺伝子の5’側配列をもとに作製したプライマー1(配列番号:113)およびウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質をコードする遺伝子の3’側配列をもとに作製したプライマー2(配列番号:114)を用いてウサギ全脳二本鎖cDNAを鋳型にPCR反応を行なった。反応は、mRNA 1 ng相当分のcDNAを鋳型に200μlの液量で行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.5μM、dNTP混合液0.2mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer II 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、72℃・1分のサイクルを5回、94℃・30秒、70℃・1分のサイクルを5回、94℃・30秒、68℃・1分のサイクルを35回繰り返した後、72℃で7分間保温した。得られた反応液をQIAquick PCR purification Kit(キアゲン社)を用いて精製し、DNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてプラスミドベクターpGEM-T Easy Vector(プロメガ社)へサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:115に示す塩基配列を得た。このDNA配列には、ヒト、ブタ、ラットおよびマウスGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列に類似したウサギGPR8リガンドペプチドと予想されるペプチドをコードするようなフレームが存在するが、その5’上流側には蛋白翻訳の開始コドンであると予想されるATGが存在しない。しかし、これまでに幾つかの蛋白質でATG以外のコドンを開始コドンとすることが予想されている例が報告されている〔ヒト塩基性線維芽細胞増殖因子(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻、1836-1840頁、1989年、Proc. Natl. Acad. Sci. USA、86巻、3978-3981頁、1989年)、マウスレチノイン酸受容体β4(Proc. Natl. Acad. Sci. USA、89巻、2718頁、1992年)、ヒトホスホリボシルピロリン酸合成酵素(J. Biol. Chem.、265巻、16491-16497頁、1990年)、ショウジョウバエコリンアセチル転移酵素(J. Biol. Chem.、265巻、21714-21719頁、1990年)〕。これらの例では、ATGに代わりLeuをコードするCTGが開始コドンとして仮定されていることが多い。ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質においても同様であると考え、ブタあるいはラットのGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質との比較からこれらの前駆体蛋白質における開始コドンと予想されるATGにほぼ対応する位置に存在するCTGコドンを開始コドンと仮定し、前駆体蛋白質の配列を推定した。この仮想的ウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質のアミノ酸配列を配列番号:116に示した。ウサギGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列と予想される配列のカルボキシ末端側にはGPR8リガンドペプチドのヒト、ブタ、ラットあるいはマウスホモログ前駆体蛋白の場合と同様に、通常の生理活性ペプチドが切り出されると考えられるArg-Argの配列(Ann. N. Y. Acad. Sci.、839巻、9-24頁、1998年)が2ヶ所存在した。これらのことから、GPR8リガンドペプチドのウサギホモログのアミノ酸配列は配列番号:85および87のいずれかもしくは両方であると推定された。なお、配列番号:87の23残基型ウサギGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列は、23残基型ヒトGPR8リガンドペプチドのアミノ酸配列(配列番号:1)と一致している。
次に、配列番号:115の塩基配列を含むプラスミドDNA 50 ngを鋳型にしてウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質遺伝子の5’側配列をもとに作製したプライマー1(配列番号:117)およびウサギGPR8リガンドペプチド前駆体蛋白質遺伝子の3’側配列をもとに作製したプライマー2(配列番号:118)を用いて200μlの液量でPCR反応を行なった。反応液の組成は、プライマー濃度0.5μM、dNTP混合液0.2mM、LA-Taq(宝酒造)1/100 volume、2倍濃縮GC Buffer II 1/2 volumeとした。増幅のためのサイクルは、94℃で120秒保温した後、94℃・30秒、68℃・1分のサイクルを15回繰り返した後、72℃で7分間保温した。得られた反応液をQIAquick PCR purification Kit(キアゲン社)を用いて精製後、制限酵素Sal IとSpe I(宝酒造)を用いて消化した。このDNA断片を動物細胞発現ベクターpAKKOのSal IサイトとSpe IサイトにDNA Ligation Kit(宝酒造)を用いてサブクローニングした後、大腸菌DH5α(TOYOBO社)へ導入した。生じた形質転換体からQIAGEN Plasmid Mini Kit(キアゲン社)を用いてプラスミドDNAを精製した。塩基配列決定のための反応は、BigDye Terminator Cycle Sequence Ready Reaction Kit(パーキンエルマー社)を用いて行なった。蛍光式自動シーケンサーを用いて解読し、配列番号:119に示す塩基配列を得た。このプラスミドで大腸菌DH5α(TOYOBO社)を形質転換してEscherichia coli DH5α/pAKKO-rabbit prepro-NPWを得た。

Claims (56)

  1. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる抗利尿剤。
  2. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩を含有してなる抗利尿剤。
  3. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩を含有してなる利尿剤。
  4. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる抗利尿剤。
  5. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法。
  6. 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法。
  7. さらに、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を用いる請求項5記載のスクリーニング方法。
  8. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット。
  9. 配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット。
  10. さらに、配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩を含有する請求項8記載のスクリーニング用キット。
  11. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法。
  12. 配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット。
  13. (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる利尿剤。
  14. (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる利尿剤。
  15. 多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療剤である請求項1、請求項2または請求項4記載の抗利尿剤。
  16. 腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療剤である請求項3、請求項13または請求項14記載の利尿剤。
  17. 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または(iii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする尿生成抑制方法。
  18. 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または(iii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療法。
  19. 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、(ii)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(iii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、(iv)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、または(v)上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする尿生成促進方法。
  20. 哺乳動物に対して、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、(ii)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(iii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、(iv)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、または(v)上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドの有効量を投与することを特徴とする腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療法。
  21. (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進することを特徴とする尿生成抑制方法。
  22. (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を促進することを特徴とする多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療法。
  23. (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害することを特徴とする尿生成促進方法。
  24. (i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、または(ii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩の活性を阻害することを特徴とする腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療法。
  25. 多尿症、尿崩症、高ナトリウム血症、代謝性アルカローシス、低カリウム血症またはCushing症候群の予防・治療剤を製造するための、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を促進する化合物またはその塩、または(iii)該ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルをコードするポリヌクレオチドの使用。
  26. 腎性浮腫または抗利尿ホルモン分泌不適症候群の予防・治療剤の製造のための、(i)配列番号:1で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を阻害する化合物またはその塩、(ii)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、(iii)配列番号:73、配列番号:75、配列番号:77または配列番号:79で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、(iv)上記ポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチド、または(v)上記蛋白質もしくはその部分ペプチドまたはその塩をコードするDNAの塩基配列に相補的もしくは実質的に相補的な塩基配列またはその一部を含有するアンチセンスポリヌクレオチドの使用。
  27. 配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質またはその塩。
  28. 配列番号:81または配列番号:83で表されるアミノ酸配列からなる蛋白質またはその塩。
  29. 請求項27記載の蛋白質の部分ペプチドまたはその塩。
  30. 請求項27記載の蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  31. DNAである請求項30記載のポリヌクレオチド。
  32. 配列番号:82または配列番号:84で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド。
  33. 請求項30記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター。
  34. 請求項33記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体。
  35. 請求項34記載の形質転換体を培養し、請求項27記載の蛋白質またはその部分ペプチドを生成・蓄積せしめることを特徴とする請求項27記載の蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩の製造法。
  36. 請求項27記載の蛋白質またはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体。
  37. 請求項36記載の抗体を含有してなる診断薬。
  38. 請求項30記載のポリヌクレオチドに相補的または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチド。
  39. DNAである請求項38記載のアンチセンスポリヌクレオチド。
  40. 請求項27記載の蛋白質またはその部分ペプチドを用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法。
  41. 請求項27記載の蛋白質またはその部分ペプチドを含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット。
  42. 配列番号:85で表されるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  43. 配列番号:85で表されるアミノ酸配列からなるポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  44. 請求項42記載のポリペプチドの部分ペプチドまたはその塩。
  45. 請求項42記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  46. DNAである請求項45記載のポリヌクレオチド。
  47. 配列番号:86で表される塩基配列からなるポリヌクレオチド。
  48. 請求項45記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター。
  49. 請求項48記載の組換えベクターで形質転換された形質転換体。
  50. 請求項49記載の形質転換体を培養し、請求項42記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドを生成・蓄積せしめることを特徴とする請求項42記載のポリペプチドまたはその部分ペプチドまたはその塩の製造法。
  51. 請求項42記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその部分ペプチドまたはその塩に対する抗体。
  52. 請求項51記載の抗体を含有してなる診断薬。
  53. 請求項45記載のポリヌクレオチドに相補的または実質的に相補的な塩基配列またはその一部を有するアンチセンスポリヌクレオチド。
  54. DNAである請求項53記載のアンチセンスポリヌクレオチド。
  55. 請求項42記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング方法。
  56. 請求項42記載のポリペプチドもしくはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする抗利尿剤または利尿剤のスクリーニング用キット。

JP2003375060A 2002-11-06 2003-11-05 抗利尿剤 Withdrawn JP2004166699A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2003375060A JP2004166699A (ja) 2002-11-06 2003-11-05 抗利尿剤

Applications Claiming Priority (2)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2002322715 2002-11-06
JP2003375060A JP2004166699A (ja) 2002-11-06 2003-11-05 抗利尿剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2004166699A true JP2004166699A (ja) 2004-06-17

Family

ID=32715995

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2003375060A Withdrawn JP2004166699A (ja) 2002-11-06 2003-11-05 抗利尿剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2004166699A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539974A (ja) * 2007-10-05 2010-12-24 インデックス・ファーマシューティカルズ・アクチエボラーグ 浮腫を治療または軽減するための新規な化合物およびその使用方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010539974A (ja) * 2007-10-05 2010-12-24 インデックス・ファーマシューティカルズ・アクチエボラーグ 浮腫を治療または軽減するための新規な化合物およびその使用方法
JP2014204722A (ja) * 2007-10-05 2014-10-30 インデックス・ファーマシューティカルズ・アクチエボラーグ 浮腫を治療または軽減するための新規な化合物およびその使用方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2002112772A (ja) 新規ポリペプチドおよびそのdna
KR20010081109A (ko) 신규 g 단백질 공액형 리셉터단백질, 그 dna 및 그리간드
JP4841054B2 (ja) 新規インスリン/igf/リラキシンファミリーポリペプチドおよびそのdna
EP1239039A1 (en) Novel polypeptide and dna thereof
EP1241257A1 (en) Novel tachykinin-like polypeptides and use thereof
JP2004073182A (ja) インスリン抵抗性改善剤
US7375074B2 (en) Body weight gain inhibitor
JP2004166699A (ja) 抗利尿剤
JP4128030B2 (ja) 新規リガンドおよびそのdna
JP4959880B2 (ja) Gpr8に対するリガンドおよびそのdna
JP4320151B2 (ja) 新規ポリペプチドおよびその用途
JP4676608B2 (ja) 新規タヒキニン様ポリペプチドおよびその用途
US20090227501A1 (en) Agents for preventing and/or treating upper digestive tract disorders
JP4404605B2 (ja) 新規なfprl1リガンドおよびその用途
JP4300008B2 (ja) 新規タンパク質およびそのdna
JP4535670B2 (ja) 新規ポリペプチド、そのdnaおよびそれらの用途
JP4167868B2 (ja) 新規分泌蛋白質およびそのdna
WO2004041301A1 (ja) 抗利尿剤
JP2001299362A (ja) 新規ポリペプチドおよびそのdna
JP2004105175A (ja) 新規蛋白質およびその用途
JP2004026692A (ja) Mepeの新規用途
JP2006298798A (ja) マスクリン受容体およびその用途
JP2001149072A (ja) 新規g蛋白質共役型レセプター蛋白質、そのdnaおよびそのリガンド
JP2004000141A (ja) 新規ペプチドおよびその用途
JP2004105167A (ja) 新規タンパク質およびそのdna

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20070109