JP4167868B2 - 新規分泌蛋白質およびそのdna - Google Patents

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亮 藤井
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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な分泌蛋白質、そのDNAおよびそれらの用途、および新規なAQ27受容体、そのDNAおよびそれらの用途に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、ヒトゲノムDNAあるいは各種ヒト組織由来のcDNAのランダムな配列決定による配列情報の蓄積および遺伝子解析技術の急速な進歩によってヒトの遺伝子が加速度的に解明されてきている。それにともない、機能未知の蛋白をコードすると予想される多くの遺伝子の存在が明らかになっている。
WO01/16313号には、オーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質であるAQ27およびそのDNAが記載されている。
WO00/29441号には、オーファンG蛋白質共役型レセプター蛋白質であるOT7T022およびそのDNAが記載されており、OT7T022に結合するリガンドとしてRFRP(RF related peptide)が記載されている。
WO01/66134号公報には、上記RFRPがプロラクチン分泌調節作用を有することが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、新規な分泌蛋白質、、そのDNAおよびそれらの用途、および新規なAQ27受容体、そのDNAおよびそれらの用途などを提供する。
【0004】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記の課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、ヒト全脳等から分泌シグナルを含む新規なペプチドをコードする9種類のDNAを取得することに成功し、このDNAに分泌ペプチドがコードされていることを見い出した。さらに、本発明者らは、マウスおよびラット由来のAQ27受容体をコードする9種類のDNAを取得することに成功した。本発明者らは、これらの知見に基づいて、さらに検討を重ねた結果、本発明を完成するに至った。
【0005】
すなわち、本発明は、
(1)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(2)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(3)上記(1)記載の分泌蛋白質の部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(4)上記(1)記載の分泌蛋白質の前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(5)配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(4)記載の前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(6)配列番号:2で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(7)上記(1)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(8)配列番号:7で表わされる塩基配列からなる上記(7)記載のポリヌクレオチド、
(9)上記(3)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(10)上記(4)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(11)配列番号:8で表わされる塩基配列からなる上記(10)記載のポリヌクレオチド、
(12)上記(7)〜(11)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(13)上記(12)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(14)上記(13)記載の形質転換体を培養し、上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(15)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(16)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(15)記載の抗体、
(17)上記(15)記載の抗体を含有してなる医薬、
(18)上記(15)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(19)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(20)上記(7)〜(11)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(21)上記(7)〜(11)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(22)上記(7)〜(11)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(23)上記(22)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(24)上記(22)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(25)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(26)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(27)上記(25)記載のスクリーニング方法または上記(26)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(28)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(29)上記(7)〜(11)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(30)上記(7)〜(11)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(31)上記(29)記載のスクリーニング方法または上記(30)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(32)上記(1)記載の分泌蛋白質、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(33)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜112番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(34)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜112番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(35)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜37番目のアミノ酸配列または第40番目〜55番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(36)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜37番目のアミノ酸配列または第40番目〜55番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(37)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(38)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(39)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(38)記載の前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(40)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(41)上記(33)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(42)配列番号:9で表わされる塩基配列の第64番目〜336番目の塩基配列からなる上記(41)記載のポリヌクレオチド、
(43)上記(35)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(44)配列番号:9で表わされる塩基配列の第64番目〜111番目の塩基配列または第118番目〜165番目の塩基配列からなる上記(43)記載のポリヌクレオチド、
(45)上記(37)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(46)上記(38)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(47)配列番号:9で表わされる塩基配列からなる上記(46)記載のポリヌクレオチド、
(48)上記(41)〜(47)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(49)上記(48)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(50)上記(49)記載の形質転換体を培養し、上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(51)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(52)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(51)記載の抗体、
(53)上記(51)記載の抗体を含有してなる医薬、
(54)上記(51)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(55)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(56)上記(41)〜(47)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(57)上記(41)〜(47)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(58)上記(41)〜(47)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(59)上記(58)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(60)上記(58)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(61)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(62)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(63)上記(61)記載のスクリーニング方法または上記(62)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(64)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(65)上記(41)〜(47)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(66)上記(41)〜(47)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(67)上記(65)記載のスクリーニング方法または上記(66)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(68)上記(33)記載の分泌蛋白質または上記(35)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(69)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜234番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(70)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜234番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(71)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜21番目のアミノ酸配列、第26番目〜58番目のアミノ酸配列、第60番目〜88番目のアミノ酸配列、第90番目〜107番目のアミノ酸配列、第110番目〜187番目のアミノ酸配列または第190番目〜234番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(72)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜21番目のアミノ酸配列、第26番目〜58番目のアミノ酸配列、第60番目〜88番目のアミノ酸配列、第90番目〜107番目のアミノ酸配列、第110番目〜187番目のアミノ酸配列または第190番目〜234番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(73)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(74)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(75)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(74)記載の前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(76)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(77)上記(69)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(78)配列番号:10で表わされる塩基配列の第43番目〜702番目の塩基配列からなる上記(77)記載のポリヌクレオチド、
(79)上記(71)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(80)配列番号:10で表わされる塩基配列の第43番目〜63番目の塩基配列、第76番目〜174番目の塩基配列、第178番目〜264番目の塩基配列、第268番目〜321番目の塩基配列、第328番目〜561番目の塩基配列または第568番目〜702番目の塩基配列からなる上記(79)記載のポリヌクレオチド、
(81)上記(73)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(82)上記(74)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(83)配列番号:10で表わされる塩基配列からなる上記(82)記載のポリヌクレオチド、
(84)上記(77)〜(83)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(85)上記(84)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(86)上記(85)記載の形質転換体を培養し、上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(87)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(88)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(87)記載の抗体、
(89)上記(87)記載の抗体を含有してなる医薬、
(90)上記(87)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(91)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(92)上記(77)〜(83)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(93)上記(77)〜(83)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(94)上記(77)〜(83)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(95)上記(94)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(96)上記(94)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(97)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(98)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(99)上記(97)記載のスクリーニング方法または上記(98)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(100)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(101)上記(77)〜(83)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(102)上記(77)〜(83)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(103)上記(101)記載のスクリーニング方法または上記(102)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(104)上記(69)記載の分泌蛋白質または上記(71)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(105)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜166番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(106)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜166番目のアミノ酸配列をからなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(107)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜85番目のアミノ酸配列、第86番目〜114番目のアミノ酸配列または第115番目〜166番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(108)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜85番目のアミノ酸配列、第86番目〜114番目のアミノ酸配列または第115番目〜166番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(109)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(110)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(111)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(110)記載の前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(112)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(113)上記(105)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(114)配列番号:11で表わされる塩基配列の第73番目〜498番目の塩基配列からなる上記(113)記載のポリヌクレオチド、
(115)上記(107)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(116)配列番号:11で表わされる塩基配列の第73番目〜255番目の塩基配列、第256番目〜342番目または第343番目〜498番目の塩基配列からなる上記(115)記載のポリヌクレオチド、
(117)上記(109)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(118)上記(110)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(119)配列番号:11で表わされる塩基配列からなる上記(118)記載のポリヌクレオチド、
(120)上記(113)〜(119)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(121)上記(120)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(122)上記(121)記載の形質転換体を培養し、上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(123)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(124)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(123)記載の抗体、
(125)上記(123)記載の抗体を含有してなる医薬、
(126)上記(123)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(127)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(128)上記(113)〜(119)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(129)上記(113)〜(119)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(130)上記(113)〜(119)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(131)上記(130)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(132)上記(130)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(133)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(134)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする上記(97)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(135)上記(133)記載のスクリーニング方法または上記(134)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(136)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(137)上記(113)〜(119)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(138)上記(113)〜(119)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(139)上記(137)記載のスクリーニング方法または上記(138)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(140)上記(105)記載の分泌蛋白質または上記(107)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(141)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜241番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(142)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜241番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(143)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜58番目のアミノ酸配列、第63番目〜202番目のアミノ酸配列または第205番目〜241番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(144)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜58番目のアミノ酸配列、第63番目〜202番目のアミノ酸配列または第205番目〜241番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(145)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(146)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(147)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(146)記載の前駆体蛋白質またはその塩、
(148)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(149)上記(141)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(150)配列番号:12で表わされる塩基配列の第55番目〜723番目の塩基配列からなる上記(149)記載のポリヌクレオチド、
(151)上記(143)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(152)配列番号:12で表わされる塩基配列の第55番目〜174番目の塩基配列、第187番目〜606番目または第613番目〜723番目の塩基配列からなる上記(151)記載のポリヌクレオチド、
(153)上記(145)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(154)上記(146)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(155)配列番号:12で表わされる塩基配列からなる上記(154)記載のポリヌクレオチド、
(156)上記(149)〜(155)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(157)上記(156)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(158)上記(157)記載の形質転換体を培養し、上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(159)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(160)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(159)記載の抗体、
(161)上記(159)記載の抗体を含有してなる医薬、
(162)上記(159)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(163)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(164)上記(149)〜(155)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(165)上記(149)〜(155)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(166)上記(149)〜(155)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(167)上記(166)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(168)上記(166)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(169)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(170)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(171)上記(169)記載のスクリーニング方法または上記(170)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(172)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(173)上記(149)〜(155)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(174)上記(149)〜(155)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(175)上記(173)記載のスクリーニング方法または上記(174)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(176)上記(141)記載の分泌蛋白質または上記(143)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(177)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列、配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列または配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜134番目のアミノ酸配列)を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(178)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(179)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜88番目のアミノ酸配列、第80番目〜88番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列または第127番目〜133番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(180)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜88番目のアミノ酸配列、第80番目〜88番目のアミノ酸配列、第90番目〜133番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列、第93番目〜133番目のアミノ酸配列、第104番目〜133番目のアミノ酸配列、第108番目〜133番目のアミノ酸配列、第109番目〜133番目のアミノ酸配列、第111番目〜133番目のアミノ酸配列、第115番目〜133番目のアミノ酸配列、第119番目〜133番目のアミノ酸配列、第124番目〜133番目のアミノ酸配列、第126番目〜133番目または第127番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(181)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(182)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(183)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列(例えば、配列番号:27で表わされるアミノ酸配列、配列番号:38で表わされるアミノ酸配列または配列番号:42で表わされるアミノ酸配列)を含有することを特徴とする上記(182)記載の前駆体蛋白質またはその塩、
(184)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(185)上記(177)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(186)配列番号:24で表わされる塩基配列の第55番目〜408番目の塩基配列からなる上記(185)記載のポリヌクレオチド、
(187)上記(179)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(188)配列番号:24で表わされる塩基配列の第76番目〜264番目の塩基配列、第238番目〜264番目、第271番目〜399番目または第379番目〜399番目の塩基配列からなる上記(187)記載のポリヌクレオチド、
(189)上記(181)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(190)上記(183)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(191)配列番号:24で表わされる塩基配列からなる上記(190)記載のポリヌクレオチド、
(192)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(193)上記(192)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(194)上記(193)記載の形質転換体を培養し、上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(195)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(196)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(195)記載の抗体、
(197)上記(195)記載の抗体を含有してなる医薬、
(198)上記(195)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(199)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(200)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(201)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(202)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(203)上記(202)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(204)上記(202)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(205)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(206)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(207)上記(205)記載のスクリーニング方法または上記(206)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(208)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(209)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(210)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(211)上記(209)記載のスクリーニング方法または上記(210)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(212)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(213)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(214)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(215)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(216)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(217)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(218)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(219)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(218)記載の前駆体蛋白質またはその塩、
(220)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなる上記(219)記載の前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(221)上記(213)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(222)配列番号:28で表わされる塩基配列の第52番目〜372番目の塩基配列からなる上記(221)記載のポリヌクレオチド、
(223)上記(215)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(224)配列番号:28で表わされる塩基配列の第343番目〜366番目の塩基配列または第346番目〜366番目の塩基配列からなる上記(223)記載のポリヌクレオチド、
(225)上記(217)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(226)上記(219)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(227)配列番号:28で表わされる塩基配列からなる上記(226)記載のポリヌクレオチド、
(228)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(229)上記(228)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(230)上記(229)記載の形質転換体を培養し、上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(231)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(232)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(231)記載の抗体、
(233)上記(231)記載の抗体を含有してなる医薬、
(234)上記(231)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(235)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(236)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(237)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(238)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(239)上記(238)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(240)上記(238)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(241)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(242)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(243)上記(241)記載のスクリーニング方法または上記(242)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(244)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(245)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(246)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(247)上記(245)記載のスクリーニング方法または上記(246)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(248)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(249)(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(250)上記(249)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(251)上記(249)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(252)(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(253)上記(252)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(254)上記(252)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(255)(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(256)上記(255)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(257)上記(255)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(258)(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(259)上記(258)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(260)上記(258)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(261)該G蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を含有する細胞を用い、該細胞内Ca2+遊離または細胞内cAMP生成を指標とする上記(249)、(252)、(255)または(258)記載のスクリーニング方法、
(262)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(263)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(264)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(265)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(266)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(267)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(268)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(267)記載の前駆体蛋白質またはその塩、
(269)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(270)上記(262)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(271)配列番号:39で表わされる塩基配列の第52番目〜372番目の塩基配列からなる上記(270)記載のポリヌクレオチド、
(272)上記(264)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(273)配列番号:39で表わされる塩基配列の第343番目〜366番目の塩基配列または第346番目〜366番目の塩基配列からなる上記(272)記載のポリヌクレオチド、
(274)上記(265)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(275)上記(267)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(276)配列番号:39で表わされる塩基配列からなる上記(275)記載のポリヌクレオチド、
(277)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(278)上記(277)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(279)上記(278)記載の形質転換体を培養し、上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(280)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(281)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(280)記載の抗体、
(282)上記(280)記載の抗体を含有してなる医薬、
(283)上記(280)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(284)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(285)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(286)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(287)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(288)上記(287)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(289)上記(287)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(290)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(291)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(292)上記(290)記載のスクリーニング方法または上記(291)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(293)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(294)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(295)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(296)上記(294)記載のスクリーニング方法または上記(295)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(297)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(298)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜134番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(299)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜131番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(300)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第125番目〜131番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(301)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第125番目〜131番目のアミノ酸配列または第124番目〜131番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(302)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチドの部分ペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(303)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチドの前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(304)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とする上記(303)記載の前駆体蛋白質またはその塩、
(305)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、
(306)上記(298)記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(307)配列番号:43で表わされる塩基配列の第52番目〜402番目の塩基配列からなる上記(306)記載のポリヌクレオチド、
(308)上記(300)記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(309)配列番号:43で表わされる塩基配列の第373番目〜393番目の塩基配列または第370番目〜393番目の塩基配列からなる上記(308)記載のポリヌクレオチド、
(310)上記(301)記載の部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(311)上記(303)記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(312)配列番号:43で表わされる塩基配列からなる上記(311)記載のポリヌクレオチド、
(313)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(314)上記(313)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(315)上記(314)記載の形質転換体を培養し、上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の製造法、
(316)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体、
(317)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(316)記載の抗体、
(318)上記(316)記載の抗体を含有してなる医薬、
(319)上記(316)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(320)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有してなる医薬、
(321)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(322)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(323)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(324)上記(323)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(325)上記(323)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(326)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(327)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を含有することを特徴とする上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(328)上記(326)記載のスクリーニング方法または上記(327)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(329)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(330)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(331)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(332)上記(330)記載のスクリーニング方法または上記(331)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(333)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(334)(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(335)上記(334)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(336)上記(334)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(337)(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(262)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(338)上記(337)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(339)上記(337)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(340)(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(341)上記(340)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(342)上記(340)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(343)(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩とを用いることを特徴とする、(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(344)上記(343)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる、(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩、
(345)上記(343)記載のスクリーニング方法を用いて得られうる(i)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩と(ii)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩との結合性を変化させる化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(346)該G蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を含有する細胞を用い、該細胞内Ca2+遊離または細胞内cAMP生成を指標とする上記(334)、(337)、(340)または(343)記載のスクリーニング方法、
(347)配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩、
(348)配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列からなるG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩、
(349)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド、
(350)配列番号:45または配列番号:47で表わされる塩基配列からなる上記(349)記載のポリヌクレオチド、
(351)上記(349)記載のポリヌクレオチドを含有する組換えベクター、
(352)上記(351)記載の組換えベクターで形質転換させた形質転換体、
(353)上記(352)記載の形質転換体を培養し、上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質を生成せしめることを特徴とする上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩の製造法、
(354)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体、
(355)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の活性を不活性化する中和抗体である上記(354)記載の抗体、
(356)上記(354)記載の抗体を含有してなる医薬、
(357)上記(354)記載の抗体を含有してなる診断薬、
(358)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる医薬、
(359)上記(349)記載のポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(360)上記(349)記載のポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(361)上記(349)記載のポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド、
(362)上記(361)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる医薬、
(363)上記(361)記載のアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる診断剤、
(364)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を用いることを特徴とする上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(365)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を含有することを特徴とする上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(366)上記(364)記載のスクリーニング方法または上記(365)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩、
(367)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(368)上記(349)記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、
(369)上記(349)記載のポリヌクレオチドを含有することを特徴とする上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング用キット、
(370)上記(368)記載のスクリーニング方法または上記(369)記載のスクリーニング用キットを用いて得られうる、上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩、
(371)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる医薬、
(372)ホルモン分泌調節剤、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤である上記(197)、(199)、(200)、(203,208)、(212)、(233)、(235)、(236)、(239)、(244)、(248)、(251)、(254)、(257)、(282)、(284)、(288)、(293)、(297)、(317)、(320)、(322)、(324)、(329)、(333)、(336)、(342)、(356)、(359)、(362)、(367)または(371)記載の医薬、
(373)プロラクチン分泌調節剤である上記(197)、(199)、(200)、(203)、(208)、(212)、(233)、(235)、(236)、(239)、(244)、(248)、(251)、(257)、(282)、(284)、(285)、(288)、(293)、(297)、(318)、(320)、(321)、(324)、(329)、(333)、(339)または(345)記載の医薬、
(374)哺乳動物に対して、
(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(iii)上記(195)記載の抗体、(iv)上記(202)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(v)上記(207)記載の化合物またはその塩、(vi)上記(211)記載の化合物またはその塩、(vii)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(viii)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(ix)上記(231)記載の抗体、(x)上記(238)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xi)上記(243)記載の化合物またはその塩、(xii)上記(247)記載の化合物またはその塩、(xiii)上記(250)記載の化合物またはその塩、(xiv)上記(256)記載の化合物またはその塩、(xv)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xvi)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xvii)上記(280)記載の抗体、(xviii)上記(287)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xix)上記(292)記載の化合物またはその塩、(xx)上記(296)記載の化合物またはその塩、(xxi)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xxii)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xxiii)上記(316)記載の抗体、(xxiv)上記(323)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xxv)上記(328)記載の化合物またはその塩、(xxvi)上記(332)記載の化合物またはその塩、(xxvii)上記(335)記載の化合物またはその塩、(xxviii)上記(341)記載の化合物またはその塩、(xxix)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩、(xxxx)上記(349)記載のポリヌクレオチド、(xxxi)上記(354)記載の抗体、(xxxii)上記(361)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xxxiii)上記(366)記載の化合物、または(xxxiv)上記(370)記載の化合物の有効量を投与することを特徴とするホルモン分泌調節、摂食、睡眠、覚醒、痛覚、ストレス応答、自発行動または情動行動の調節方法、
(375)哺乳動物に対して
(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(iii)上記(195)記載の抗体、(iv)上記(202)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(v)上記(207)記載の化合物またはその塩、(vi)上記(211)記載の化合物またはその塩、(vii)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(viii)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(ix)上記(231)記載の抗体、(x)上記(238)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xi)上記(243)記載の化合物またはその塩、(xii)上記(247)記載の化合物またはその塩、(xiii)上記(253)記載の化合物またはその塩、(xiv)上記(259)記載の化合物またはその塩、(xv)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xvi)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xvii)上記(280)記載の抗体、(xviii)上記(287)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xix)上記(292)記載の化合物またはその塩、(xx)上記(296)記載の化合物またはその塩、(xxi)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xxii)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xxiii)上記(316)記載の抗体、(xxiv)上記(323)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xxv)上記(328)記載の化合物またはその塩、(xxvi)上記(332)記載の化合物またはその塩、(xxvii)上記(338)記載の化合物またはその塩、または(xxviii)上記(344)記載の化合物またはその塩の有効量を投与することを特徴とするプロラクチン分泌調節方法、
(376)ホルモン分泌調節剤、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤を製造するための
(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(iii)上記(195)記載の抗体、(iv)上記(202)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(v)上記(207)記載の化合物またはその塩、(vi)上記(211)記載の化合物またはその塩、(vii)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(viii)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(ix)上記(231)記載の抗体、(x)上記(238)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xi)上記(243)記載の化合物またはその塩、(xii)上記(247)記載の化合物またはその塩、(xiii)上記(250)記載の化合物またはその塩、(xiv)上記(256)記載の化合物またはその塩、(xv)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xvi)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xvii)上記(280)記載の抗体、(xviii)上記(287)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xix)上記(292)記載の化合物またはその塩、(xx)上記(296)記載の化合物またはその塩、(xxi)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xxii)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xxiii)上記(316)記載の抗体、(xxiv)上記(323)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xxv)上記(328)記載の化合物またはその塩、(xxvi)上記(332)記載の化合物またはその塩、(xxvii)上記(335)記載の化合物またはその塩、(xxviii)上記(341)記載の化合物またはその塩、(xxix)上記(347)記載のG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩、(xxxx)上記(349)記載のポリヌクレオチド、(xxxi)上記(354)記載の抗体、(xxxii)上記(361)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xxxiii)上記(366)記載の化合物、または(xxxiv)上記(370)記載の化合物の使用、
(377)プロラクチン分泌調節剤を製造するための
(i)上記(177)記載の分泌蛋白質または上記(179)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(ii)上記(185)〜(191)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(iii)上記(195)記載の抗体、(iv)上記(202)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(v)上記(207)記載の化合物またはその塩、(vi)上記(211)記載の化合物またはその塩、(vii)上記(213)記載の分泌蛋白質または上記(215)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(viii)上記(221)〜(227)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(ix)上記(231)記載の抗体、(x)上記(238)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xi)上記(243)記載の化合物またはその塩、(xii)上記(247)記載の化合物またはその塩、(xiii)上記(253)記載の化合物またはその塩、(xiv)上記(259)記載の化合物またはその塩、(xv)上記(262)記載の分泌蛋白質または上記(264)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xvi)上記(270)〜(276)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xvii)上記(280)記載の抗体、(xviii)上記(287)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xix)上記(292)記載の化合物またはその塩、(xx)上記(296)記載の化合物またはその塩、(xxi)上記(298)記載の分泌蛋白質または上記(300)記載のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩、(xxii)上記(306)〜(312)のいずれかに記載のポリヌクレオチド、(xxiii)上記(316)記載の抗体、(xxiv)上記(323)記載のアンチセンスポリヌクレオチド、(xxv)上記(328)記載の化合物またはその塩、(xxvi)上記(332)記載の化合物またはその塩、(xxvii)上記(338)記載の化合物またはその塩、または(xxviii)上記(344)記載の化合物またはその塩の使用、
(378)配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩を含有してなる摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤、
(379)配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチドを含有してなる摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤、
(380)配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩に対する抗体を含有してなる摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤、
(381)配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドをコードするポリヌクレオチドと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチドを含有してなる摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤、
(382)配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質、その部分ペプチドまたはその塩の機能を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤、および
(383)配列番号:31で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有することを特徴とするG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその部分ペプチドの発現を促進または阻害する化合物またはその塩を含有してなる摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤または情動行動調節剤を提供する。
【0006】
【発明の実施の形態】
(1)本発明の配列番号:1で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Aと略記する場合がある)、
(2)本発明の配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜112番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Bと略記する場合がある)、
(3)本発明の配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜234番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Cと略記する場合がある)、
(4)本発明の配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜166番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Dと略記する場合がある)、
(5)本発明の配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜241番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Eと略記する場合がある)、
(6)本発明の配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Fと略記する場合がある)、
(7)本発明の配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Gと略記する場合がある)、
(8)本発明の配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Hと略記する場合がある)または、
(9)本発明の配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜134番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する分泌蛋白質(以下、本発明の分泌蛋白質Iと略記する場合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来するペプチドであってもよく、合成ペプチドであってもよい。
【0007】
本願明細書において、アミノ酸配列Xとは、以下の9種類のアミノ酸配列から選ばれる1つのアミノ酸配列を示す。
(A)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列、
(B)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜112番目のアミノ酸配列、
(C)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜234番目のアミノ酸配列、
(D)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜166番目のアミノ酸配列、
(E)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜241番目のアミノ酸配列、
(F)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列、
(G)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列、
(H)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列、
(I)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜134番目のアミノ酸配列。
アミノ酸配列Xと実質的に同一のアミノ酸配列としては、アミノ酸配列Xと約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。具体的には、配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列と60%以上の相同性を有するアミノ酸配列としては、配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列、配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列または配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜134番目のアミノ酸配列が挙げられる。
アミノ酸配列Xと実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチドとしては、例えば、前記のアミノ酸配列Xと実質的に同一のアミノ酸配列を有し、アミノ酸配列Xを有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチドなどが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、本発明のペプチドが有する活性(例えば、受容体との結合活性、受容体発現細胞に対する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性等)、酵素活性、転写活性、結合タンパク質との結合活性等)などが挙げられる。
実質的に同質とは、それらの活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。
【0008】
アミノ酸配列Xと同一または実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、(i)アミノ酸配列X、
(ii)アミノ酸配列X中の1〜30個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、より好ましくは1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(iii)アミノ酸配列Xに1〜30個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、より好ましくは1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iv)アミノ酸配列Xに1〜30個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、より好ましくは1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(v)アミノ酸配列X中の1〜30個(例えば1〜10個、好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、より好ましくは1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(vi)上記(ii)〜(v)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
本発明のペプチドの具体例としては、例えば、
(1)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなる分泌蛋白質A、
(2)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜112番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質B、
(3)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜234番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質C、
(4)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜166番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質D、
(5)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜241番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質E、
(6)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質F、
(7)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質G、
(8)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜124番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質H、
(9)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜134番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質Iなどが挙げられる。
本願明細書において、上記の分泌蛋白質A、分泌蛋白質B、分泌蛋白質C、分泌蛋白質D、分泌蛋白質E、分泌蛋白質F、分泌蛋白質G、分泌蛋白質Hおよび分泌蛋白質Iを本発明のペプチドと総称する場合がある。
【0009】
(1)本発明の配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜37番目のアミノ酸配列または第40番目〜55番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドBと略記する場合がある)、
(2)本発明の配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜21番目のアミノ酸配列、第26番目〜58番目のアミノ酸配列、第60番目〜88番目のアミノ酸配列、第90番目〜107番目のアミノ酸配列、第110番目〜187番目のアミノ酸配列または第190番目〜234番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドCと略記する場合がある)、
(3)本発明の配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜85番目のアミノ酸配列、第86番目〜114番目のアミノ酸配列または第115番目〜166番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドDと略記する場合がある)、または
(4)本発明の配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜58番目のアミノ酸配列、第63番目〜202番目のアミノ酸配列または第205番目〜241番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドEと略記する場合がある)、
(5)本発明の配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜88番目のアミノ酸配列、第80番目〜88番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列または第127番目〜133番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドFと略記する場合がある)、
(6)本発明の配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドGと略記する場合がある)、
(7)本発明の配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドHと略記する場合がある)、
(8)本発明の配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第124番目〜131番目のアミノ酸配列または第125番目〜131番目のアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチド(以下、本発明のペプチドIと略記する場合がある)は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来するペプチドであってもよく、合成ペプチドであってもよい。
【0010】
本願明細書において、アミノ酸配列Yとは、以下の25種類のアミノ酸配列から選ばれる1つのアミノ酸配列を示す。
(1)▲1▼配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜37番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第40番目〜55番目のアミノ酸配列、
(2)▲1▼配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜21番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜58番目のアミノ酸配列、
▲3▼配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第60番目〜88番目のアミノ酸配列、
▲4▼配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第90番目〜107番目のアミノ酸配列、
▲5▼配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第110番目〜187番目のアミノ酸配列、
▲6▼配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第190番目〜234番目のアミノ酸配列、
(3)▲1▼配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜85番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第86番目〜114番目のアミノ酸配列、
▲3▼配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜166番目のアミノ酸配列、
(4)▲1▼配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜58番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第63番目〜202番目のアミノ酸配列、
▲3▼配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第205番目〜241番目のアミノ酸配列、
(5)▲1▼配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜88番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第80番目〜88番目のアミノ酸配列、
▲3▼配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第91番目〜133番目のアミノ酸配列、
▲4▼配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第127番目〜133番目のアミノ酸配列、
(6)▲1▼配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第116番目〜122番目のアミノ酸配列、
(7)▲1▼配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第116番目〜122番目のアミノ酸配列、
(8)▲1▼配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第124番目〜134番目のアミノ酸配列、
▲2▼配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第124番目〜134番目のアミノ酸配列。
アミノ酸配列Yと実質的に同一のアミノ酸配列としては、アミノ酸配列Yと約70%以上、好ましくは約80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。
アミノ酸配列Yと実質的に同一のアミノ酸配列を有するペプチドとしては、例えば、前記のアミノ酸配列Yと実質的に同一のアミノ酸配列を有し、アミノ酸配列Yを有するペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチドなどが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、本発明のペプチドが有する活性(例えば、受容体との結合活性、受容体発現細胞に対する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性等)、酵素活性、転写活性、結合タンパク質との結合活性等)などが挙げられる。
実質的に同質とは、それらの活性が性質的に(例、生理化学的に、または薬理学的に)同質であることを示す。
【0011】
アミノ酸配列Yと同一または実質的に同一のアミノ酸配列の具体例としては、
(i)アミノ酸配列Y、
(ii)アミノ酸配列Y中の1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(iii)アミノ酸配列Yに1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iv)アミノ酸配列Yに1〜5個(好ましくは1〜3個、さらに好ましくは1〜2個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(v)アミノ酸配列Y中の1〜10個(好ましくは1〜5個、さらに好ましくは1〜3個、より好ましくは、1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(vi)上記(ii)〜(v)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
本発明のペプチドの具体例としては、例えば、
(1)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜37番目のアミノ酸配列または第40番目〜55番目のアミノ酸配列からなるペプチドB、
(2)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜21番目のアミノ酸配列、第26番目〜58番目のアミノ酸配列、第60番目〜88番目のアミノ酸配列、第90番目〜107番目のアミノ酸配列、第110番目〜187番目のアミノ酸配列または第190番目〜234番目のアミノ酸配列からなるペプチドC、
(3)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜85番目のアミノ酸配列、第86番目〜114番目のアミノ酸配列または第115番目〜166番目のアミノ酸配列からなるペプチドD、
(4)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜58番目のアミノ酸配列、第63番目〜202番目のアミノ酸配列または第205番目〜241番目のアミノ酸配列からなるペプチドE、
(5)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜88番目のアミノ酸配列、第20番目〜88番目のアミノ酸配列、第21番目〜88番目のアミノ酸配列、第22番目〜88番目のアミノ酸配列、第23番目〜88番目のアミノ酸配列、第24番目〜88番目のアミノ酸配列、第25番目〜88番目のアミノ酸配列、第26番目〜88番目のアミノ酸配列、第27番目〜88番目のアミノ酸配列、第28番目〜88番目のアミノ酸配列、第29番目〜88番目のアミノ酸配列、第30番目〜88番目のアミノ酸配列、第31番目〜88番目のアミノ酸配列、第32番目〜88番目のアミノ酸配列、第33番目〜88番目のアミノ酸配列、第34番目〜88番目のアミノ酸配列、第35番目〜88番目のアミノ酸配列、第36番目〜88番目のアミノ酸配列、第37番目〜88番目のアミノ酸配列、第38番目〜88番目のアミノ酸配列、第39番目〜88番目のアミノ酸配列、第40番目〜88番目のアミノ酸配列、第41番目〜88番目のアミノ酸配列、第42番目〜88番目のアミノ酸配列、第43番目〜88番目のアミノ酸配列、第44番目〜88番目のアミノ酸配列、第45番目〜88番目のアミノ酸配列、第46番目〜88番目のアミノ酸配列、第47番目〜88番目のアミノ酸配列、第48番目〜88番目のアミノ酸配列、第49番目〜88番目のアミノ酸配列、第50番目〜88番目のアミノ酸配列、第51番目〜88番目のアミノ酸配列、第52番目〜88番目のアミノ酸配列、第53番目〜88番目のアミノ酸配列、第54番目〜88番目のアミノ酸配列、第55番目〜88番目のアミノ酸配列、第56番目〜88番目のアミノ酸配列、第57番目〜88番目のアミノ酸配列、第58番目〜88番目のアミノ酸配列、第59番目〜88番目のアミノ酸配列、第60番目〜88番目のアミノ酸配列、第61番目〜88番目のアミノ酸配列、第62番目〜88番目のアミノ酸配列、第63番目〜88番目のアミノ酸配列、第64番目〜88番目のアミノ酸配列、第65番目〜88番目のアミノ酸配列、第66番目〜88番目のアミノ酸配列、第67番目〜88番目のアミノ酸配列、第68番目〜88番目のアミノ酸配列、第69番目〜88番目のアミノ酸配列、第70番目〜88番目のアミノ酸配列、第71番目〜88番目のアミノ酸配列、第72番目〜88番目のアミノ酸配列、第73番目〜88番目のアミノ酸配列、第74番目〜88番目のアミノ酸配列、第75番目〜88番目のアミノ酸配列、第76番目〜88番目のアミノ酸配列、第77番目〜88番目のアミノ酸配列、第78番目〜88番目のアミノ酸配列、第79番目〜88番目のアミノ酸配列または第80番目〜88番目のアミノ酸配列からなるペプチドF、または配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜133番目のアミノ酸配列、第20番目〜133番目のアミノ酸配列、第21番目〜133番目のアミノ酸配列、第22番目〜133番目のアミノ酸配列、第23番目〜133番目のアミノ酸配列、第24番目〜133番目のアミノ酸配列、第25番目〜133番目のアミノ酸配列、第26番目〜133番目のアミノ酸配列、第27番目〜133番目のアミノ酸配列、第28番目〜133番目のアミノ酸配列、第29番目〜133番目のアミノ酸配列、第30番目〜133番目のアミノ酸配列、第31番目〜133番目のアミノ酸配列、第32番目〜133番目のアミノ酸配列、第33番目〜133番目のアミノ酸配列、第34番目〜133番目のアミノ酸配列、第35番目〜133番目のアミノ酸配列、第36番目〜133番目のアミノ酸配列、第37番目〜133番目のアミノ酸配列、第38番目〜133番目のアミノ酸配列、第39番目〜133番目のアミノ酸配列、第40番目〜133番目のアミノ酸配列、第41番目〜133番目のアミノ酸配列、第42番目〜133番目のアミノ酸配列、第43番目〜133番目のアミノ酸配列、第44番目〜133番目のアミノ酸配列、第45番目〜133番目のアミノ酸配列、第46番目〜133番目のアミノ酸配列、第47番目〜133番目のアミノ酸配列、第48番目〜133番目のアミノ酸配列、第49番目〜133番目のアミノ酸配列、第50番目〜133番目のアミノ酸配列、第51番目〜133番目のアミノ酸配列、第52番目〜133番目のアミノ酸配列、第53番目〜133番目のアミノ酸配列、第54番目〜133番目のアミノ酸配列、第55番目〜133番目のアミノ酸配列、第56番目〜133番目のアミノ酸配列、第57番目〜133番目のアミノ酸配列、第58番目〜133番目のアミノ酸配列、第59番目〜133番目のアミノ酸配列、第60番目〜133番目のアミノ酸配列、第61番目〜133番目のアミノ酸配列、第62番目〜133番目のアミノ酸配列、第63番目〜133番目のアミノ酸配列、第64番目〜133番目のアミノ酸配列、第65番目〜133番目のアミノ酸配列、第66番目〜133番目のアミノ酸配列、第67番目〜133番目のアミノ酸配列、第68番目〜133番目のアミノ酸配列、第69番目〜133番目のアミノ酸配列、第70番目〜133番目のアミノ酸配列、第71番目〜133番目のアミノ酸配列、第72番目〜133番目のアミノ酸配列、第73番目〜133番目のアミノ酸配列、第74番目〜133番目のアミノ酸配列、第75番目〜133番目のアミノ酸配列、第76番目〜133番目のアミノ酸配列、第77番目〜133番目のアミノ酸配列、第78番目〜133番目のアミノ酸配列、第79番目〜133番目のアミノ酸配列、第80番目〜133番目のアミノ酸配列、第81番目〜133番目のアミノ酸配列、第82番目〜133番目のアミノ酸配列、第83番目〜133番目のアミノ酸配列、第84番目〜133番目のアミノ酸配列、第85番目〜133番目のアミノ酸配列、第86番目〜133番目のアミノ酸配列、第87番目〜133番目のアミノ酸配列、第88番目〜133番目のアミノ酸配列、第89番目〜133番目のアミノ酸配列、第90番目〜133番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列、第92番目〜133番目のアミノ酸配列、第93番目〜133番目のアミノ酸配列、第94番目〜133番目のアミノ酸配列、第95番目〜133番目のアミノ酸配列、第96番目〜133番目のアミノ酸配列、第97番目〜133番目のアミノ酸配列、第98番目〜133番目のアミノ酸配列、第99番目〜133番目のアミノ酸配列、第100番目〜133番目のアミノ酸配列、第101番目〜133番目のアミノ酸配列、第102番目〜133番目のアミノ酸配列、第103番目〜133番目のアミノ酸配列、第104番目〜133番目のアミノ酸配列、第105番目〜133番目のアミノ酸配列、第106番目〜133番目のアミノ酸配列、第107番目〜133番目のアミノ酸配列、第108番目〜133番目のアミノ酸配列、第109番目〜133番目のアミノ酸配列、第110番目〜133番目のアミノ酸配列、第111番目〜133番目のアミノ酸配列、第112番目〜133番目のアミノ酸配列、第113番目〜133番目のアミノ酸配列、第114番目〜133番目のアミノ酸配列、第115番目〜133番目のアミノ酸配列、第116番目〜133番目のアミノ酸配列、第117番目〜133番目のアミノ酸配列、第118番目〜133番目のアミノ酸配列、第119番目〜133番目のアミノ酸配列、第120番目〜133番目のアミノ酸配列、第121番目〜133番目のアミノ酸配列、第122番目〜133番目のアミノ酸配列、第123番目〜133番目のアミノ酸配列、第124番目〜133番目のアミノ酸配列、第125番目〜133番目のアミノ酸配列、第126番目〜133番目のアミノ酸配列または第127番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチドF(なかでも配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜88番目のアミノ酸配列、第80番目〜88番目のアミノ酸配列、第90番目〜133番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列、第93番目〜133番目のアミノ酸配列、第104番目〜133番目のアミノ酸配列、第108番目〜133番目のアミノ酸配列、第109番目〜133番目のアミノ酸配列、第111番目〜133番目のアミノ酸配列、第115番目〜133番目のアミノ酸配列、第119番目〜133番目のアミノ酸配列、第124番目〜133番目のアミノ酸配列、第126番目〜133番目、第127番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチドFなどが好ましく、特に第90番目〜133番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列、第93番目〜133番目のアミノ酸配列、第104番目〜133番目のアミノ酸配列、第108番目〜133番目のアミノ酸配列、第109番目〜133番目のアミノ酸配列、第111番目〜133番目のアミノ酸配列、第115番目〜133番目のアミノ酸配列、第119番目〜133番目のアミノ酸配列、第124番目〜133番目のアミノ酸配列、第126番目〜133番目、第127番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチドFなどが好ましく、第91番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチドFはN末端のグルタミン残基がピログルタミン化されていてもよく、第90番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチドFはN末端のグルタミン残基がTyrに置換されていてもよい(図57および図58参照))、
(6)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜122番目のアミノ酸配列、第19番目〜122番目のアミノ酸配列、第20番目〜122番目のアミノ酸配列、第21番目〜122番目のアミノ酸配列、第22番目〜122番目のアミノ酸配列、第23番目〜122番目のアミノ酸配列、第24番目〜122番目のアミノ酸配列、第25番目〜122番目のアミノ酸配列、第26番目〜122番目のアミノ酸配列、第27番目〜122番目のアミノ酸配列、第28番目〜122番目のアミノ酸配列、第29番目〜122番目のアミノ酸配列、第30番目〜122番目のアミノ酸配列、第31番目〜122番目のアミノ酸配列、第32番目〜122番目のアミノ酸配列、第33番目〜122番目のアミノ酸配列、第34番目〜122番目のアミノ酸配列、第35番目〜122番目のアミノ酸配列、第36番目〜122番目のアミノ酸配列、第37番目〜122番目のアミノ酸配列、第38番目〜122番目のアミノ酸配列、第39番目〜122番目のアミノ酸配列、第40番目〜122番目のアミノ酸配列、第41番目〜122番目のアミノ酸配列、第42番目〜122番目のアミノ酸配列、第43番目〜122番目のアミノ酸配列、第44番目〜122番目のアミノ酸配列、第45番目〜122番目のアミノ酸配列、第46番目〜122番目のアミノ酸配列、第47番目〜122番目のアミノ酸配列、第48番目〜122番目のアミノ酸配列、第49番目〜122番目のアミノ酸配列、第50番目〜122番目のアミノ酸配列、第51番目〜122番目のアミノ酸配列、第52番目〜122番目のアミノ酸配列、第53番目〜122番目のアミノ酸配列、第54番目〜122番目のアミノ酸配列、第55番目〜122番目のアミノ酸配列、第56番目〜122番目のアミノ酸配列、第57番目〜122番目のアミノ酸配列、第58番目〜122番目のアミノ酸配列、第59番目〜122番目のアミノ酸配列、第60番目〜122番目のアミノ酸配列、第61番目〜122番目のアミノ酸配列、第62番目〜122番目のアミノ酸配列、第63番目〜122番目のアミノ酸配列、第64番目〜122番目のアミノ酸配列、第65番目〜122番目のアミノ酸配列、第66番目〜122番目のアミノ酸配列、第67番目〜122番目のアミノ酸配列、第68番目〜122番目のアミノ酸配列、第69番目〜122番目のアミノ酸配列、第70番目〜122番目のアミノ酸配列、第71番目〜122番目のアミノ酸配列、第72番目〜122番目のアミノ酸配列、第73番目〜122番目のアミノ酸配列、第74番目〜122番目のアミノ酸配列、第75番目〜122番目のアミノ酸配列、第76番目〜122番目のアミノ酸配列、第77番目〜122番目のアミノ酸配列、第78番目〜122番目のアミノ酸配列、第79番目〜122番目のアミノ酸配列、第80番目〜122番目のアミノ酸配列、第81番目〜122番目のアミノ酸配列、第82番目〜122番目のアミノ酸配列、第83番目〜122番目のアミノ酸配列、第84番目〜122番目のアミノ酸配列、第85番目〜122番目のアミノ酸配列、第86番目〜122番目のアミノ酸配列、第87番目〜122番目のアミノ酸配列、第88番目〜122番目のアミノ酸配列、第89番目〜122番目のアミノ酸配列、第90番目〜122番目のアミノ酸配列、第91番目〜122番目のアミノ酸配列、第92番目〜122番目のアミノ酸配列、第93番目〜122番目のアミノ酸配列、第94番目〜122番目のアミノ酸配列、第95番目〜122番目のアミノ酸配列、第96番目〜122番目のアミノ酸配列、第97番目〜122番目のアミノ酸配列、第98番目〜122番目のアミノ酸配列、第99番目〜122番目のアミノ酸配列、第100番目〜122番目のアミノ酸配列、第101番目〜122番目のアミノ酸配列、第102番目〜122番目のアミノ酸配列、第103番目〜122番目のアミノ酸配列、第104番目〜122番目のアミノ酸配列、第105番目〜122番目のアミノ酸配列、第106番目〜122番目のアミノ酸配列、第107番目〜122番目のアミノ酸配列、第108番目〜122番目のアミノ酸配列、第109番目〜122番目のアミノ酸配列、第110番目〜122番目のアミノ酸配列、第111番目〜122番目のアミノ酸配列、第112番目〜122番目のアミノ酸配列、第113番目〜122番目のアミノ酸配列、第114番目〜122番目のアミノ酸配列、第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列からなるペプチドG(なかでも配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列、第116番目〜122番目のアミノ酸配列からなるペプチドGなどが好ましい)、
(7)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜122番目のアミノ酸配列、第19番目〜122番目のアミノ酸配列、第20番目〜122番目のアミノ酸配列、第21番目〜122番目のアミノ酸配列、第22番目〜122番目のアミノ酸配列、第23番目〜122番目のアミノ酸配列、第24番目〜122番目のアミノ酸配列、第25番目〜122番目のアミノ酸配列、第26番目〜122番目のアミノ酸配列、第27番目〜122番目のアミノ酸配列、第28番目〜122番目のアミノ酸配列、第29番目〜122番目のアミノ酸配列、第30番目〜122番目のアミノ酸配列、第31番目〜122番目のアミノ酸配列、第32番目〜122番目のアミノ酸配列、第33番目〜122番目のアミノ酸配列、第34番目〜122番目のアミノ酸配列、第35番目〜122番目のアミノ酸配列、第36番目〜122番目のアミノ酸配列、第37番目〜122番目のアミノ酸配列、第38番目〜122番目のアミノ酸配列、第39番目〜122番目のアミノ酸配列、第40番目〜122番目のアミノ酸配列、第41番目〜122番目のアミノ酸配列、第42番目〜122番目のアミノ酸配列、第43番目〜122番目のアミノ酸配列、第44番目〜122番目のアミノ酸配列、第45番目〜122番目のアミノ酸配列、第46番目〜122番目のアミノ酸配列、第47番目〜122番目のアミノ酸配列、第48番目〜122番目のアミノ酸配列、第49番目〜122番目のアミノ酸配列、第50番目〜122番目のアミノ酸配列、第51番目〜122番目のアミノ酸配列、第52番目〜122番目のアミノ酸配列、第53番目〜122番目のアミノ酸配列、第54番目〜122番目のアミノ酸配列、第55番目〜122番目のアミノ酸配列、第56番目〜122番目のアミノ酸配列、第57番目〜122番目のアミノ酸配列、第58番目〜122番目のアミノ酸配列、第59番目〜122番目のアミノ酸配列、第60番目〜122番目のアミノ酸配列、第61番目〜122番目のアミノ酸配列、第62番目〜122番目のアミノ酸配列、第63番目〜122番目のアミノ酸配列、第64番目〜122番目のアミノ酸配列、第65番目〜122番目のアミノ酸配列、第66番目〜122番目のアミノ酸配列、第67番目〜122番目のアミノ酸配列、第68番目〜122番目のアミノ酸配列、第69番目〜122番目のアミノ酸配列、第70番目〜122番目のアミノ酸配列、第71番目〜122番目のアミノ酸配列、第72番目〜122番目のアミノ酸配列、第73番目〜122番目のアミノ酸配列、第74番目〜122番目のアミノ酸配列、第75番目〜122番目のアミノ酸配列、第76番目〜122番目のアミノ酸配列、第77番目〜122番目のアミノ酸配列、第78番目〜122番目のアミノ酸配列、第79番目〜122番目のアミノ酸配列、第80番目〜122番目のアミノ酸配列、第81番目〜122番目のアミノ酸配列、第82番目〜122番目のアミノ酸配列、第83番目〜122番目のアミノ酸配列、第84番目〜122番目のアミノ酸配列、第85番目〜122番目のアミノ酸配列、第86番目〜122番目のアミノ酸配列、第87番目〜122番目のアミノ酸配列、第88番目〜122番目のアミノ酸配列、第89番目〜122番目のアミノ酸配列、第90番目〜122番目のアミノ酸配列、第91番目〜122番目のアミノ酸配列、第92番目〜122番目のアミノ酸配列、第93番目〜122番目のアミノ酸配列、第94番目〜122番目のアミノ酸配列、第95番目〜122番目のアミノ酸配列、第96番目〜122番目のアミノ酸配列、第97番目〜122番目のアミノ酸配列、第98番目〜122番目のアミノ酸配列、第99番目〜122番目のアミノ酸配列、第100番目〜122番目のアミノ酸配列、第101番目〜122番目のアミノ酸配列、第102番目〜122番目のアミノ酸配列、第103番目〜122番目のアミノ酸配列、第104番目〜122番目のアミノ酸配列、第105番目〜122番目のアミノ酸配列、第106番目〜122番目のアミノ酸配列、第107番目〜122番目のアミノ酸配列、第108番目〜122番目のアミノ酸配列、第109番目〜122番目のアミノ酸配列、第110番目〜122番目のアミノ酸配列、第111番目〜122番目のアミノ酸配列、第112番目〜122番目のアミノ酸配列、第113番目〜122番目のアミノ酸配列、第114番目〜122番目のアミノ酸配列、第115番目〜122番目のアミノ酸配列または第116番目〜122番目のアミノ酸配列からなるペプチドH(なかでも配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜122番目のアミノ酸配列、第116番目〜122番目のアミノ酸配列からなるペプチドHなどが好ましい)、
(8)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜131番目のアミノ酸配列、第19番目〜131番目のアミノ酸配列、第20番目〜131番目のアミノ酸配列、第21番目〜131番目のアミノ酸配列、第22番目〜131番目のアミノ酸配列、第23番目〜131番目のアミノ酸配列、第24番目〜131番目のアミノ酸配列、第25番目〜131番目のアミノ酸配列、第26番目〜131番目のアミノ酸配列、第27番目〜131番目のアミノ酸配列、第28番目〜131番目のアミノ酸配列、第29番目〜131番目のアミノ酸配列、第30番目〜131番目のアミノ酸配列、第31番目〜131番目のアミノ酸配列、第32番目〜131番目のアミノ酸配列、第33番目〜131番目のアミノ酸配列、第34番目〜131番目のアミノ酸配列、第35番目〜131番目のアミノ酸配列、第36番目〜131番目のアミノ酸配列、第37番目〜131番目のアミノ酸配列、第38番目〜131番目のアミノ酸配列、第39番目〜131番目のアミノ酸配列、第40番目〜131番目のアミノ酸配列、第41番目〜131番目のアミノ酸配列、第42番目〜131番目のアミノ酸配列、第43番目〜131番目のアミノ酸配列、第44番目〜131番目のアミノ酸配列、第45番目〜131番目のアミノ酸配列、第46番目〜131番目のアミノ酸配列、第47番目〜131番目のアミノ酸配列、第48番目〜131番目のアミノ酸配列、第49番目〜131番目のアミノ酸配列、第50番目〜131番目のアミノ酸配列、第51番目〜131番目のアミノ酸配列、第52番目〜131番目のアミノ酸配列、第53番目〜131番目のアミノ酸配列、第54番目〜131番目のアミノ酸配列、第55番目〜131番目のアミノ酸配列、第56番目〜131番目のアミノ酸配列、第57番目〜131番目のアミノ酸配列、第58番目〜131番目のアミノ酸配列、第59番目〜131番目のアミノ酸配列、第60番目〜131番目のアミノ酸配列、第61番目〜131番目のアミノ酸配列、第62番目〜131番目のアミノ酸配列、第63番目〜131番目のアミノ酸配列、第64番目〜131番目のアミノ酸配列、第65番目〜131番目のアミノ酸配列、第66番目〜131番目のアミノ酸配列、第67番目〜131番目のアミノ酸配列、第68番目〜131番目のアミノ酸配列、第69番目〜131番目のアミノ酸配列、第70番目〜131番目のアミノ酸配列、第71番目〜131番目のアミノ酸配列、第72番目〜131番目のアミノ酸配列、第73番目〜131番目のアミノ酸配列、第74番目〜131番目のアミノ酸配列、第75番目〜131番目のアミノ酸配列、第76番目〜131番目のアミノ酸配列、第77番目〜131番目のアミノ酸配列、第78番目〜131番目のアミノ酸配列、第79番目〜131番目のアミノ酸配列、第80番目〜131番目のアミノ酸配列、第81番目〜131番目のアミノ酸配列、第82番目〜131番目のアミノ酸配列、第83番目〜131番目のアミノ酸配列、第84番目〜131番目のアミノ酸配列、第85番目〜131番目のアミノ酸配列、第86番目〜131番目のアミノ酸配列、第87番目〜131番目のアミノ酸配列、第88番目〜131番目のアミノ酸配列、第89番目〜131番目のアミノ酸配列、第90番目〜131番目のアミノ酸配列、第91番目〜131番目のアミノ酸配列、第92番目〜131番目のアミノ酸配列、第93番目〜131番目のアミノ酸配列、第94番目〜131番目のアミノ酸配列、第95番目〜131番目のアミノ酸配列、第96番目〜131番目のアミノ酸配列、第97番目〜131番目のアミノ酸配列、第98番目〜131番目のアミノ酸配列、第99番目〜131番目のアミノ酸配列、第100番目〜131番目のアミノ酸配列、第101番目〜131番目のアミノ酸配列、第102番目〜131番目のアミノ酸配列、第103番目〜131番目のアミノ酸配列、第104番目〜131番目のアミノ酸配列、第105番目〜131番目のアミノ酸配列、第106番目〜131番目のアミノ酸配列、第107番目〜131番目のアミノ酸配列、第108番目〜131番目のアミノ酸配列、第109番目〜131番目のアミノ酸配列、第110番目〜131番目のアミノ酸配列、第111番目〜131番目のアミノ酸配列、第112番目〜131番目のアミノ酸配列、第113番目〜131番目のアミノ酸配列、第114番目〜131番目のアミノ酸配列、第115番目〜131番目のアミノ酸配列、第116番目〜131番目のアミノ酸配列、第117番目〜131番目のアミノ酸配列、第118番目〜131番目のアミノ酸配列、第119番目〜131番目のアミノ酸配列、第120番目〜131番目のアミノ酸配列、第121番目〜131番目のアミノ酸配列、第122番目〜131番目のアミノ酸配列、第123番目〜131番目のアミノ酸配列、第124番目〜131番目のアミノ酸配列または第125番目〜131番目のアミノ酸配列からなるペプチドI(なかでも配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第124番目〜131番目のアミノ酸配列、第125番目〜131番目のアミノ酸配列からなるペプチドIなどが好ましい)などが挙げられる。
これらのペプチドとしては、C末端のアミド体が好ましく用いられる。
本願明細書において、上記のペプチドB、ペプチドC、ペプチドD、ペプチドE、ペプチドF、ペプチドG、ペプチドHおよびペプチドIを本発明のペプチドと総称する場合がある。
【0012】
本発明の部分ペプチドとしては、前記した本発明のペプチドの部分ペプチドであれば何れのものであってもよいが、通常、アミノ酸が5個以上、好ましくは10個以上からなるペプチドが好ましく、さらには、本発明のペプチドと同様の活性を有するものが好ましい。
【0013】
本発明の分泌蛋白質または本発明のペプチドの前駆体蛋白質としては、前記した本発明の分泌蛋白質または本発明のペプチドを含む蛋白質であり、適当なペプチダーゼ等で切断することによって、本発明の分泌蛋白質または本発明のペプチドを製造し得るものである。
具体的には、
(1)分泌蛋白質Aの前駆体蛋白質としては、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する前駆体蛋白質Aなどが、
(2)分泌蛋白質BまたはペプチドBの前駆体蛋白質としては、配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Bなどが、
(3)分泌蛋白質CまたはペプチドCの前駆体蛋白質としては、配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Cなどが、
(4)分泌蛋白質DまたはペプチドDの前駆体蛋白質としては、配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Dなどが、
(5)分泌蛋白質EまたはペプチドEの前駆体蛋白質としては、配列番号:6で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Eなどが、
(6)分泌蛋白質FまたはペプチドFの前駆体蛋白質としては、配列番号:23で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Fなどが、
(7)分泌蛋白質GまたはペプチドGの前駆体蛋白質としては、配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Gなどが、
(8)分泌蛋白質HまたはペプチドHの前駆体蛋白質としては、配列番号:38で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Hなどが、
(9)分泌蛋白質IまたはペプチドIの前駆体蛋白質としては、配列番号:42で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Iなどが用いられる。
本願明細書において、アミノ酸配列Zとは、配列番号:2〜配列番号:6、配列番号:23、配列番号:27、配列番号:38および配列番号:42から選ばれる1つの配列番号で表されるアミノ酸配列を示す。
アミノ酸配列Zと同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を有する蛋白質は、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サルなど)の細胞(例えば、網膜細胞、肝細胞、脾細胞、神経細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、メサンギウム細胞、ランゲルハンス細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、肝細胞もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくは癌細胞など)もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、網膜、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、顎下腺、末梢血、前立腺、睾丸、卵巣、胎盤、子宮、骨、関節、骨格筋など、または血球系の細胞もしくはその培養細胞(例えば、MEL,M1,CTLL−2,HT−2,WEHI−3,HL−60,JOSK−1,K562,ML−1,MOLT−3,MOLT−4,MOLT−10,CCRF−CEM,TALL−1,Jurkat,CCRT−HSB−2,KE−37,SKW−3,HUT−78,HUT−102,H9,U937,THP−1,HEL,JK−1,CMK,KO−812,MEG−01など)に由来する蛋白質であってもよく、合成蛋白質であってもよい。
【0014】
アミノ酸配列Zと実質的に同一のアミノ酸配列としては、アミノ酸配列Zと約50%以上、好ましくは約60%以上、さらに好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などがあげられる。具体的には、配列番号:23で表わされるアミノ酸配列と60%以上の相同性を有するアミノ酸配列としては、配列番号:27で表わされるアミノ酸配列、配列番号:38で表わされるアミノ酸配列または配列番号:42で表わされるアミノ酸配列が挙げられる。
特に、アミノ酸配列Zと実質的に同一のアミノ酸配列としては、
(i)アミノ酸配列Z、
(ii)アミノ酸配列Z中の1〜30個(例えば1〜15個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個)のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、
(iii)アミノ酸配列Zに1〜30個(例えば1〜15個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個)のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、
(iv)アミノ酸配列Zに1〜30個(例えば1〜15個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個)のアミノ酸が挿入されたアミノ酸配列、
(v)アミノ酸配列Z中の1〜30個(例えば1〜15個、好ましくは1〜10個、さらに好ましくは1〜5個、より好ましくは1〜3個、特に好ましくは1個)のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、
(vi)上記(ii)〜(v)を組み合わせたアミノ酸配列などがあげられる。
本発明の前駆体蛋白質の具体例としては、例えば、
(1)配列番号:2で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質A、
(2)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質B、
(3)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質C、
(4)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質D、
(5)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質E、
(6)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質F、
(7)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質G、
(8)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質H、
(9)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Iなどが挙げられる。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなる分泌蛋白質Aは、配列番号:2で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質Aから分泌シグナル配列を除いたものである。
配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜21番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す
配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜14番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜24番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜18番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜18番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜17番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜17番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第1番目〜17番目のアミノ酸配列は分泌シグナル配列を示す。
本発明の前駆体蛋白質は、本発明の分泌蛋白質または本発明のペプチドと同様の活性を有していてもよい。
【0015】
本発明の分泌蛋白質または本発明のペプチド、その部分ペプチドまたはその前駆体蛋白質(以下、本発明のペプチドと略記する場合がある)は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。
配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなるペプチドをはじめとする、本発明のペプチドは、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)またはカルボキシレート(−COO-)であるが、C末端がアミド(−CONH2)またはエステル(−COOR)であってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1-6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3-8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6-12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1-2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1-2アルキル基などのC7-14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
本発明のペプチドがC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明のペプチドに含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、本発明のペプチドには、N末端のアミノ酸残基(例、メチオニン残基)のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイルなどのC1-6アシル基など)で保護されているもの、生体内で切断されて生成するN末端のグルタミン残基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC1-6アルカノイル基などのC1-6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖タンパク質などの複合タンパク質なども含まれる。
【0016】
本発明のペプチドの塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸)や塩基(例、アルカリ金属塩)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。このような塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。以下、塩も含めて、本発明のペプチドと称する。
本発明のペプチドは、前述したヒトや温血動物の細胞または組織から自体公知のペプチドの精製方法によって製造することもできるし、後述するペプチドをコードするDNAで形質転換された形質転換体を培養することによっても製造することができる。また、後述のペプチド合成法に準じて製造することもできる。
ヒトや哺乳動物の組織または細胞から製造する場合、ヒトや哺乳動物の組織または細胞をホモジナイズした後、酸などで抽出を行ない、該抽出液を逆相クロマトグラフィー、イオン交換クロマトグラフィーなどのクロマトグラフィーを組み合わせることにより精製単離することができる。
【0017】
本発明のペプチドまたはそれらのアミド体の合成には、通常市販のペプチド合成用樹脂を用いることができる。そのような樹脂としては、例えば、クロロメチル樹脂、ヒドロキシメチル樹脂、ベンズヒドリルアミン樹脂、アミノメチル樹脂、4−ベンジルオキシベンジルアルコール樹脂、4−メチルベンズヒドリルアミン樹脂、PAM樹脂、4−ヒドロキシメチルメチルフェニルアセトアミドメチル樹脂、ポリアクリルアミド樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−ヒドロキシメチル)フェノキシ樹脂、4−(2’,4’−ジメトキシフェニル−Fmocアミノエチル)フェノキシ樹脂などをあげることができる。このような樹脂を用い、α−アミノ基と側鎖官能基を適当に保護したアミノ酸を、目的とするペプチドの配列通りに、自体公知の各種縮合方法に従い、樹脂上で縮合させる。反応の最後に樹脂からペプチドを切り出すと同時に各種保護基を除去し、さらに高希釈溶液中で分子内ジスルフィド結合形成反応を実施し、目的の本発明のペプチドまたはそれらのアミド体を取得する。
上記した保護アミノ酸の縮合に関しては、ペプチド合成に使用できる各種活性化試薬を用いることができるが、特に、カルボジイミド類がよい。カルボジイミド類としては、DCC、N,N’−ジイソプロピルカルボジイミド、N−エチル−N’−(3−ジメチルアミノプロリル)カルボジイミドなどが用いられる。これらによる活性化にはラセミ化抑制添加剤(例えば、HOBt,HOOBt)とともに保護アミノ酸を直接樹脂に添加するかまたは、対称酸無水物またはHOBtエステルあるいはHOOBtエステルとしてあらかじめ保護アミノ酸の活性化を行なった後に樹脂に添加することができる。
保護アミノ酸の活性化や樹脂との縮合に用いられる溶媒としては、ペプチド縮合反応に使用しうることが知られている溶媒から適宜選択されうる。例えば、N,N−ジメチルホルムアミド,N,N−ジメチルアセトアミド,N−メチルピロリドンなどの酸アミド類、塩化メチレン,クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、トリフルオロエタノールなどのアルコール類、ジメチルスルホキシドなどのスルホキシド類、ピリジン,ジオキサン,テトラヒドロフランなどのエーテル類、アセトニトリル,プロピオニトリルなどのニトリル類、酢酸メチル,酢酸エチルなどのエステル類あるいはこれらの適宜の混合物などが用いられる。反応温度はペプチド結合形成反応に使用され得ることが知られている範囲から適宜選択され、通常約−20℃〜50℃の範囲から適宜選択される。活性化されたアミノ酸誘導体は通常1.5〜4倍過剰で用いられる。ニンヒドリン反応を用いたテストの結果、縮合が不十分な場合には保護基の脱離を行なうことなく縮合反応を繰り返すことにより十分な縮合を行なうことができる。反応を繰り返しても十分な縮合が得られないときには、無水酢酸またはアセチルイミダゾールを用いて未反応アミノ酸をアセチル化することによって、後の反応に影響を与えないようにすることができる。
【0018】
原料のアミノ基の保護基としては、例えば、Z、Boc、t−ペンチルオキシカルボニル、イソボルニルオキシカルボニル、4−メトキシベンジルオキシカルボニル、Cl−Z、Br−Z、アダマンチルオキシカルボニル、トリフルオロアセチル、フタロイル、ホルミル、2−ニトロフェニルスルフェニル、ジフェニルホスフィノチオイル、Fmocなどが用いられる。
カルボキシル基は、例えば、アルキルエステル化(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、t−ブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル、2−アダマンチルなどの直鎖状、分枝状もしくは環状アルキルエステル化)、アラルキルエステル化(例えば、ベンジルエステル、4−ニトロベンジルエステル、4−メトキシベンジルエステル、4−クロロベンジルエステル、ベンズヒドリルエステル化)、フェナシルエステル化、ベンジルオキシカルボニルヒドラジド化、t−ブトキシカルボニルヒドラジド化、トリチルヒドラジド化などによって保護することができる。
セリンの水酸基は、例えば、エステル化またはエーテル化によって保護することができる。このエステル化に適する基としては、例えば、アセチル基などの低級(C1-6)アルカノイル基、ベンゾイル基などのアロイル基、ベンジルオキシカルボニル基、エトキシカルボニル基などの炭酸から誘導される基などが用いられる。また、エーテル化に適する基としては、例えば、ベンジル基、テトラヒドロピラニル基、t−ブチル基などである。
チロシンのフェノール性水酸基の保護基としては、例えば、Bzl、Cl2−Bzl、2−ニトロベンジル、Br−Z、t−ブチルなどが用いられる。
ヒスチジンのイミダゾールの保護基としては、例えば、Tos、4−メトキシ−2,3,6−トリメチルベンゼンスルホニル、DNP、ベンジルオキシメチル、Bum、Boc、Trt、Fmocなどが用いられる。
【0019】
原料のカルボキシル基の活性化されたものとしては、例えば、対応する酸無水物、アジド、活性エステル〔アルコール(例えば、ペンタクロロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、シアノメチルアルコール、パラニトロフェノール、HONB、N−ヒドロキシスクシミド、N−ヒドロキシフタルイミド、HOBt)とのエステル〕などが用いられる。原料のアミノ基の活性化されたものとしては、例えば、対応するリン酸アミドが用いられる。
保護基の除去(脱離)方法としては、例えば、Pd−黒あるいはPd−炭素などの触媒の存在下での水素気流中での接触還元や、また、無水フッ化水素、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロ酢酸あるいはこれらの混合液などによる酸処理や、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチルアミン、ピペリジン、ピペラジンなどによる塩基処理、また液体アンモニア中ナトリウムによる還元なども用いられる。上記酸処理による脱離反応は、一般に約−20℃〜40℃の温度で行なわれるが、酸処理においては、例えば、アニソール、フェノール、チオアニソール、メタクレゾール、パラクレゾール、ジメチルスルフィド、1,4−ブタンジチオール、1,2−エタンジチオールなどのようなカチオン捕捉剤の添加が有効である。また、ヒスチジンのイミダゾール保護基として用いられる2,4−ジニトロフェニル基はチオフェノール処理により除去され、トリプトファンのインドール保護基として用いられるホルミル基は上記の1,2−エタンジチオール、1,4−ブタンジチオールなどの存在下の酸処理による脱保護以外に、希水酸化ナトリウム溶液、希アンモニアなどによるアルカリ処理によっても除去される。
原料の反応に関与すべきでない官能基の保護ならびに保護基、およびその保護基の脱離、反応に関与する官能基の活性化などは公知の基または公知の手段から適宜選択しうる。
【0020】
本発明のペプチドのアミド体を得る別の方法としては、例えば、まず、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基をアミド化して保護した後、アミノ基側にペプチド(ペプチド)鎖を所望の鎖長まで延ばした後、該ペプチド鎖のN末端のα−アミノ基の保護基のみを除いたペプチドとC末端のカルボキシル基の保護基のみを除去したペプチドとを製造し、この両ペプチドを上記したような混合溶媒中で縮合させる。縮合反応の詳細については上記と同様である。縮合により得られた保護ペプチドを精製した後、上記方法によりすべての保護基を除去し、所望の粗ペプチドを得ることができる。この粗ペプチドは既知の各種精製手段を駆使して精製し、主要画分を凍結乾燥することで所望の本発明のペプチドのアミド体を得ることができる。
本発明のペプチドのエステル体を得るには、例えば、カルボキシ末端アミノ酸のα−カルボキシル基を所望のアルコール類と縮合しアミノ酸エステルとした後、本発明のペプチドのアミド体と同様にして、所望の本発明のペプチドのエステル体を得ることができる。
【0021】
本発明のペプチドの部分ペプチドは、自体公知のペプチドの合成法に従って、あるいは本発明のペプチドを適当なペプチダーゼで切断することによって製造することができる。ペプチドの合成法としては、例えば、固相合成法、液相合成法のいずれによっても良い。すなわち、本発明のペプチドの部分ペプチドを構成し得る部分ペプチドもしくはアミノ酸と残余部分とを縮合させ、生成物が保護基を有する場合は保護基を脱離することにより目的のペプチドを製造することができる。公知の縮合方法や保護基の脱離としては、例えば、以下の▲1▼〜▲5▼に記載された方法があげられる。
▲1▼M. Bodanszky および M.A. Ondetti、ペプチド・シンセシス (Peptide Synthesis), Interscience Publishers, New York (1966年)
▲2▼SchroederおよびLuebke、ザ・ペプチド(The Peptide), Academic Press, New York (1965年)
▲3▼泉屋信夫他、ペプチド合成の基礎と実験、 丸善(株) (1975年)
▲4▼矢島治明 および榊原俊平、生化学実験講座 1、 タンパク質の化学IV、 205、(1977年)
▲5▼矢島治明監修、続医薬品の開発、第14巻、ペプチド合成、広川書店
また、反応後は通常の精製法、例えば、溶媒抽出・蒸留・カラムクロマトグラフィー・液体クロマトグラフィー・再結晶などを組み合わせて本発明のペプチドまたはその部分ペプチドを精製単離することができる。上記方法で得られる本発明のペプチドの部分ペプチドが遊離体である場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって適当な塩に変換することができるし、逆に塩で得られた場合は、公知の方法あるいはそれに準じる方法によって遊離体または他の塩に変換することができる。
【0022】
本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドとしては、上記した本発明のペプチドをコードする塩基配列(DNAまたはRNA、好ましくはDNA)を含有するものであればいかなるものであってもよい。該ポリヌクレオチドとしては、本発明のペプチドをコードするDNA、mRNA等のRNAであり、二本鎖であっても、一本鎖であってもよい。二本鎖の場合は、二本鎖DNA、二本鎖RNAまたはDNA:RNAのハイブリッドでもよい。一本鎖の場合は、センス鎖(すなわち、コード鎖)であっても、アンチセンス鎖(すなわち、非コード鎖)であってもよい。
本発明のペプチドをコードするポリヌクレオチドを用いて、例えば、公知の実験医学増刊「新PCRとその応用」15(7)、1997記載の方法またはそれに準じた方法により、本発明のペプチドのmRNAを定量することができる。
【0023】
本発明のペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明のペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
【0024】
本願明細書において、塩基配列Pとは、以下の9種類の塩基配列から選ばれる1つの塩基配列を示す。
(1)配列番号:7で表される塩基配列、
(2)配列番号:9で表わされる塩基配列の第64番目〜336番目の塩基配列、
(3)配列番号:10で表わされる塩基配列の第43番目〜702番目の塩基配列、
(4)配列番号:11で表わされる塩基配列の第73番目〜498番目の塩基配列、
(5)配列番号:12で表わされる塩基配列の第55番目〜724番目の塩基配列、
(6)配列番号:24で表わされる塩基配列の第55番目〜408番目の塩基配列、
(7)配列番号:28で表わされる塩基配列の第52番目〜372番目の塩基配列、
(8)配列番号:39で表わされる塩基配列の第52番目〜372番目の塩基配列、
(9)配列番号:43で表わされる塩基配列の第52番目〜402番目の塩基配列。
本発明の分泌蛋白質をコードするDNAとしては、例えば塩基配列Pとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含有し、本発明のペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチドをコードするDNAなどであれば何れのものでもよい。
塩基配列Pとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできる塩基配列としては、例えば、塩基配列Pと約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが用いられる。
ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、
(1)配列番号:1で表わされるアミノ酸配列からなる分泌蛋白質AをコードするDNAとしては、配列番号:7で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(2)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜第112番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質BをコードするDNAとしては、配列番号:9で表わされる塩基配列の第64番目〜第336番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(3)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜第234番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質CをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第43番目〜第702番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(4)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜第166番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質DをコードするDNAとしては、配列番号:11で表わされる塩基配列の第73番目〜第498番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(5)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜第241番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質EをコードするDNAとしては、配列番号:12で表わされる塩基配列の第55番目〜第723番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(6)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜第136番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質FをコードするDNAとしては、配列番号:24で表わされる塩基配列の第55番目〜第408番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(7)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜第124番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質GをコードするDNAとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列の第52番目〜第372番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(8)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜第124番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質HをコードするDNAとしては、配列番号:39で表わされる塩基配列の第52番目〜第372番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(9)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列の第18番目〜第134番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質HをコードするDNAとしては、配列番号:43で表わされる塩基配列の第52番目〜第402番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
【0025】
本願明細書において、塩基配列Qとは、以下の24種類の塩基配列から選ばれる1つの塩基配列を示す。
(1)▲1▼配列番号:9で表わされる塩基配列の第64番目〜111番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:9で表わされる塩基配列の第118番目〜165番目の塩基配列、
(2)▲1▼配列番号:10で表わされる塩基配列の第43番目〜63番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:10で表わされる塩基配列の第76番目〜174番目の塩基配列、
▲3▼配列番号:10で表わされる塩基配列の第178番目〜264番目の塩基配列、
▲4▼配列番号:10で表わされる塩基配列の第268番目〜321番目の塩基配列、
▲5▼配列番号:10で表わされる塩基配列の第328番目〜561番目の塩基配列、
▲6▼配列番号:10で表わされる塩基配列の第568番目〜702番目の塩基配列、
(3)▲1▼配列番号:11で表わされる塩基配列の第73番目〜255番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:11で表わされる塩基配列の第256番目〜342番目の塩基配列、
▲3▼配列番号:11で表わされる塩基配列の第343番目〜498番目の塩基配列、
(4)▲1▼配列番号:12で表わされる塩基配列の第55番目〜174番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:12で表わされる塩基配列の第187番目〜606番目の塩基配列、
▲3▼配列番号:12で表わされる塩基配列の第613番目〜723番目の塩基配列、
(5)▲1▼配列番号:24で表わされる塩基配列の第76番目〜264番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:24で表わされる塩基配列の第238番目〜264番目の塩基配列、
▲3▼配列番号:24で表わされる塩基配列の第271番目〜399番目の塩基配列、
▲4▼配列番号:24で表わされる塩基配列の第379番目〜399番目の塩基配列、
(6)▲1▼配列番号:28で表わされる塩基配列の第343番目〜366番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:28で表わされる塩基配列の第346番目〜366番目の塩基配列、
(7)▲1▼配列番号:39で表わされる塩基配列の第343番目〜366番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:39で表わされる塩基配列の第346番目〜366番目の塩基配列、
(8)▲1▼配列番号:43で表わされる塩基配列の第370番目〜393番目の塩基配列、
▲2▼配列番号:43で表わされる塩基配列の第373番目〜393番目の塩基配列。
本発明のペプチドをコードするDNAとしては、例えば塩基配列Qとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含有し、本発明のペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチドをコードするDNAなどであれば何れのものでもよい。
塩基配列Qとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズできる塩基配列としては、例えば、塩基配列Qと約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などが用いられる。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
【0026】
より具体的には、
(1)(i)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第22番目〜第37番目のアミノ酸配列からなるペプチドBをコードするDNAとしては、配列番号:9で表わされる塩基配列の第64番目〜第111番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列の第40番目〜第55番目のアミノ酸配列からなるペプチドBをコードするDNAとしては、配列番号:9で表わされる塩基配列の第118番目〜第165番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(2)(i)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第15番目〜第21番目のアミノ酸配列からなるペプチドCをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第43番目〜第63番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜第58番目のアミノ酸配列からなるペプチドCをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第76番目〜第174番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(iii)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第60番目〜第88番目のアミノ酸配列からなるペプチドCをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第178番目〜第264番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(iv)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第90番目〜第107番目のアミノ酸配列からなるペプチドCをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第268番目〜第321番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(v)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第110番目〜第187番目のアミノ酸配列からなるペプチドCをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第328番目〜第561番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(vi)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列の第190番目〜第234番目のアミノ酸配列からなるペプチドCをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列の第568番目〜第702番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(3)(i)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第25番目〜第85番目のアミノ酸配列からなるペプチドDをコードするDNAとしては、配列番号:11で表わされる塩基配列の第73番目〜第255番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第86番目〜第114番目のアミノ酸配列からなるペプチドDをコードするDNAとしては、配列番号:11で表わされる塩基配列の第256番目〜第342番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(iii)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜第166番目のアミノ酸配列からなるペプチドDをコードするDNAとしては、配列番号:11で表わされる塩基配列の第343番目〜第498番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(4)(i)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜第58番目のアミノ酸配列からなるペプチドEをコードするDNAとしては、配列番号:12で表わされる塩基配列の第55番目〜第174番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第63番目〜第202番目のアミノ酸配列からなるペプチドEをコードするDNAとしては、配列番号:12で表わされる塩基配列の第187番目〜第606番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(iii)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列の第205番目〜第241番目のアミノ酸配列からなるペプチドEをコードするDNAとしては、配列番号:12で表わされる塩基配列の第613番目〜第723番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(5)(i)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第26番目〜第88番目のアミノ酸配列からなるペプチドFをコードするDNAとしては、配列番号:24で表わされる塩基配列の第76番目〜第264番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第80番目〜第88番目のアミノ酸配列からなるペプチドFをコードするDNAとしては、配列番号:24で表わされる塩基配列の第238番目〜第264番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(iii)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第91番目〜第133番目のアミノ酸配列からなるペプチドFをコードするDNAとしては、配列番号:24で表わされる塩基配列の第271番目〜第399番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(iv)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第127番目〜第133番目のアミノ酸配列からなるペプチドFをコードするDNAとしては、配列番号:24で表わされる塩基配列の第379番目〜第399番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(6)(i)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜第122番目のアミノ酸配列からなるペプチドGをコードするDNAとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列の第343番目〜第366番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列の第116番目〜第122番目のアミノ酸配列からなるペプチドGをコードするDNAとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列の第346番目〜第366番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(7)(i)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第115番目〜第122番目のアミノ酸配列からなるペプチドHをコードするDNAとしては、配列番号:39で表わされる塩基配列の第343番目〜第366番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列の第116番目〜第122番目のアミノ酸配列からなるペプチドHをコードするDNAとしては、配列番号:39で表わされる塩基配列の第346番目〜第366番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(8)(i)配列番号:43で表わされるアミノ酸配列の第124番目〜第131番目のアミノ酸配列からなるペプチドIをコードするDNAとしては、配列番号:43で表わされる塩基配列の第370番目〜第393番目の塩基配列からなるDNAなどが、
(ii)配列番号:43で表わされるアミノ酸配列の第125番目〜第131番目のアミノ酸配列からなるペプチドIをコードするDNAとしては、配列番号:43で表わされる塩基配列の第373番目〜第393番目の塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
【0027】
本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、例えば、塩基配列PまたはQを有するDNAの部分塩基配列を有するDNA、または塩基配列PまたはQとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を有し、本発明のペプチドと実質的に同質の活性を有するペプチドをコードするDNAの部分塩基配列を有するDNAなどが用いられる。
塩基配列PまたはQとハイブリダイズできる塩基配列は、前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
本発明の部分ペプチドをコードするDNAとしては、前述した本発明の部分ペプチドをコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。
【0028】
本願明細書において、塩基配列Rとは、配列番号:8〜配列番号:12、配列番号:24、配列番号:28、配列番号:39および配列番号:43から選ばれる1つの配列番号で表される塩基配列を示す。
本発明の前駆体蛋白質をコードするDNAとしては、例えば、塩基配列Rを含有するDNAの塩基配列を有するDNA、または塩基配列Rとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズする塩基配列を含有し、本発明の前駆体蛋白質と実質的に同質の活性を有する前駆体蛋白質をコードするDNAの塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
塩基配列Rとハイブリダイズできる塩基配列は、前記と同意義を示す。
ハイブリダイゼーションの方法およびハイストリンジェントな条件は前記と同様のものが用いられる。
より具体的には、
(1)配列番号:2で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質AをコードするDNAとしては、配列番号:8で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(2)配列番号:3で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質BをコードするDNAとしては、配列番号:9で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(3)配列番号:4で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質CをコードするDNAとしては、配列番号:10で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(4)配列番号:5で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質DをコードするDNAとしては、配列番号:11で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(5)配列番号:6で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質EをコードするDNAとしては、配列番号:12で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(6)配列番号:23で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質FをコードするDNAとしては、配列番号:24で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(7)配列番号:27で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質GをコードするDNAとしては、配列番号:28で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(8)配列番号:38で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質HをコードするDNAとしては、配列番号:39で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
(9)配列番号:42で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質IをコードするDNAとしては、配列番号:43で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
【0029】
本発明のペプチドまたはその部分ペプチドをコードするDNAの塩基配列の一部、または該DNAと相補的な塩基配列の一部を含有してなるポリヌクレオチドとは、本発明の部分ペプチドをコードするDNAを包含するだけではなく、RNAをも包含する意味で用いられる。
本発明に従えば、本発明のペプチド遺伝子の複製または発現を阻害することのできるアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)を、クローン化した、あるいは決定された本発明のペプチドをコードするDNAの塩基配列情報に基づき設計し、合成しうる。そうしたポリヌクレオチド(核酸)は、本発明のペプチド遺伝子のRNAとハイブリダイズすることができ、該RNAの合成または機能を阻害することができるか、あるいは本発明のペプチド関連RNAとの相互作用を介して本発明のペプチド遺伝子の発現を調節・制御することができる。本発明のペプチド関連RNAの選択された配列に相補的なポリヌクレオチド、および本発明のペプチド関連RNAと特異的にハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドは、生体内および生体外で本発明のペプチド遺伝子の発現を調節・制御するのに有用であり、また病気などの治療または診断に有用である。用語「対応する」とは、遺伝子を含めたヌクレオチド、塩基配列または核酸の特定の配列に相同性を有するあるいは相補的であることを意味する。ヌクレオチド、塩基配列または核酸とペプチド(蛋白質)との間で「対応する」とは、ヌクレオチド(核酸)の配列またはその相補体から誘導される指令にあるペプチド(蛋白質)のアミノ酸を通常指している。本発明のペプチド遺伝子の5’端ヘアピンループ、5’端6−ベースペア・リピート、5’端非翻訳領域、ペプチド翻訳開始コドン、蛋白質コード領域、ORF翻訳終止コドン、3’端非翻訳領域、3’端パリンドローム領域、および3’端ヘアピンループは好ましい対象領域として選択しうるが、本発明のペプチド遺伝子内の如何なる領域も対象として選択しうる。
【0030】
目的核酸と、対象領域の少なくとも一部に相補的なポリヌクレオチドとの関係は、対象物とハイブリダイズすることができるポリヌクレオチドとの関係は、「アンチセンス」であるということができる。アンチセンス・ポリヌクレオチドは、2−デオキシ−D−リボースを含有しているポリヌクレオチド、D−リボースを含有しているポリヌクレオチド、プリンまたはピリミジン塩基のN−グリコシドであるその他のタイプのポリヌクレオチド、あるいは非ヌクレオチド骨格を有するその他のポリマー(例えば、市販の蛋白質核酸および合成配列特異的な核酸ポリマー)または特殊な結合を含有するその他のポリマー(但し、該ポリマーはDNAやRNA中に見出されるような塩基のペアリングや塩基の付着を許容する配置をもつヌクレオチドを含有する)などが挙げられる。それらは、2本鎖DNA、1本鎖DNA、2本鎖RNA、1本鎖RNA、さらにDNA:RNAハイブリッドであることができ、さらに非修飾ポリヌクレオチド(または非修飾オリゴヌクレオチド)、さらには公知の修飾の付加されたもの、例えば当該分野で知られた標識のあるもの、キャップの付いたもの、メチル化されたもの、1個以上の天然のヌクレオチドを類縁物で置換したもの、分子内ヌクレオチド修飾のされたもの、例えば非荷電結合(例えば、メチルホスホネート、ホスホトリエステル、ホスホルアミデート、カルバメートなど)を持つもの、電荷を有する結合または硫黄含有結合(例えば、ホスホロチオエート、ホスホロジチオエートなど)を持つもの、例えば蛋白質(ヌクレアーゼ、ヌクレアーゼ・インヒビター、トキシン、抗体、シグナルペプチド、ポリ−L−リジンなど)や糖(例えば、モノサッカライドなど)などの側鎖基を有しているもの、インターカレント化合物(例えば、アクリジン、プソラレンなど)を持つもの、キレート化合物(例えば、金属、放射活性をもつ金属、ホウ素、酸化性の金属など)を含有するもの、アルキル化剤を含有するもの、修飾された結合を持つもの(例えば、αアノマー型の核酸など)であってもよい。ここで「ヌクレオシド」、「ヌクレオチド」および「核酸」とは、プリンおよびピリミジン塩基を含有するのみでなく、修飾されたその他の複素環型塩基をもつようなものを含んでいて良い。こうした修飾物は、メチル化されたプリンおよびピリミジン、アシル化されたプリンおよびピリミジン、あるいはその他の複素環を含むものであってよい。修飾されたヌクレオチドおよび修飾されたヌクレオチドはまた糖部分が修飾されていてよく、例えば、1個以上の水酸基がハロゲンとか、脂肪族基などで置換されていたり、あるいはエーテル、アミンなどの官能基に変換されていてよい。
【0031】
本発明のアンチセンス・ポリヌクレオチド(核酸)は、RNA、DNA、あるいは修飾された核酸(RNA、DNA)である。修飾された核酸の具体例としては核酸の硫黄誘導体やチオホスフェート誘導体、そしてポリヌクレオシドアミドやオリゴヌクレオシドアミドの分解に抵抗性のものが挙げられるが、それに限定されるものではない。本発明のアンチセンス核酸は次のような方針で好ましく設計されうる。すなわち、細胞内でのアンチセンス核酸をより安定なものにする、アンチセンス核酸の細胞透過性をより高める、目標とするセンス鎖に対する親和性をより大きなものにする、そしてもし毒性があるならアンチセンス核酸の毒性をより小さなものにする。
こうして修飾は当該分野で数多く知られており、例えば J. Kawakami et al., Pharm Tech Japan, Vol. 8, pp.247, 1992; Vol. 8, pp.395, 1992; S. T. Crooke et al. ed., Antisense Research and Applications, CRC Press, 1993 などに開示がある。
本発明のアンチセンス核酸は、変化せしめられたり、修飾された糖、塩基、結合を含有していて良く、リポゾーム、ミクロスフェアのような特殊な形態で供与されたり、遺伝子治療により適用されたり、付加された形態で与えられることができうる。こうして付加形態で用いられるものとしては、リン酸基骨格の電荷を中和するように働くポリリジンのようなポリカチオン体、細胞膜との相互作用を高めたり、核酸の取込みを増大せしめるような脂質(例えば、ホスホリピド、コレステロールなど)といった粗水性のものが挙げられる。付加するに好ましい脂質としては、コレステロールやその誘導体(例えば、コレステリルクロロホルメート、コール酸など)が挙げられる。こうしたものは、核酸の3’端あるいは5’端に付着させることができ、塩基、糖、分子内ヌクレオシド結合を介して付着させることができうる。その他の基としては、核酸の3’端あるいは5’端に特異的に配置されたキャップ用の基で、エキソヌクレアーゼ、RNaseなどのヌクレアーゼによる分解を阻止するためのものが挙げられる。こうしたキャップ用の基としては、ポリエチレングリコール、テトラエチレングリコールなどのグリコールをはじめとした当該分野で知られた水酸基の保護基が挙げられるが、それに限定されるものではない。
アンチセンス核酸の阻害活性は、本発明の形質転換体、本発明の生体内や生体外の遺伝子発現系、あるいは本発明のペプチドの生体内や生体外の翻訳系を用いて調べることができる。該核酸それ自体公知の各種の方法で細胞に適用できる。
【0032】
本発明のペプチドをコードするDNAは、自体公知の方法で標識化されていてもよく、具体的にはアイソトープラベル化されたもの、蛍光標識されたもの(例えば、フルオレセインなどによる蛍光標識)、ビオチン化されたものまたは酵素標識されたものなどがあげられる。
本発明のペプチドを完全にコードするDNAのクローニングの手段としては、本発明のペプチドの部分塩基配列を有する合成DNAプライマーを用いて自体公知のPCR法によって増幅するか、または適当なベクターに組み込んだDNAを本発明のペプチドの一部あるいは全領域をコードするDNA断片もしくは合成DNAを用いて標識したものとのハイブリダイゼーションによって選別することができる。ハイブリダイゼーションの方法は、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。
【0033】
DNAの塩基配列の変換は、公知のキット、例えば、MutanTM-super Express Km(宝酒造(株))、MutanTM-K(宝酒造(株))等を用いて、ODA-LA PCR法、Gapped duplex法、Kunkel法等の自体公知の方法あるいはそれらに準じる方法に従って行なうことができる。
クローン化されたペプチドをコードするDNAは目的によりそのまま、または所望により制限酵素で消化したり、リンカーを付加したりして使用することができる。該DNAはその5’末端側に翻訳開始コドンとしてのATGを有し、また3’末端側には翻訳終止コドンとしてのTAA、TGAまたはTAGを有していてもよい。これらの翻訳開始コドンや翻訳終止コドンは、適当な合成DNAアダプターを用いて付加することもできる。
本発明のペプチドの発現ベクターは、例えば、(イ)本発明のペプチドをコードするDNAから目的とするDNA断片を切り出し、(ロ)該DNA断片を適当な発現ベクター中のプロモーターの下流に連結することにより製造することができる。
ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド(例、pBR322,pBR325,pUC12,pUC13)、枯草菌由来のプラスミド(例、pUB110,pTP5,pC194)、酵母由来プラスミド(例、pSH19,pSH15)、λファージなどのバクテリオファージ、レトロウイルス,ワクシニアウイルス,バキュロウイルスなどの動物ウイルスなどの他、pA1−11、pXT1、pRc/CMV、pRc/RSV、pcDNAI/Neoなどが用いられる。
本発明で用いられるプロモーターとしては、遺伝子の発現に用いる宿主に対応して適切なプロモーターであればいかなるものでもよい。例えば、動物細胞を宿主として用いる場合は、SRαプロモーター、SV40プロモーター、HIV・LTRプロモーター、CMVプロモーター、HSV-TKプロモーターなどがあげられる。
【0034】
これらのうち、CMV(サイトメガロウイルス)プロモーター、SRαプロモーターなどを用いるのが好ましい。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、trpプロモーター、lacプロモーター、recAプロモーター、λPLプロモーター、lppプロモーター、T7プロモーターなどが、宿主がバチルス属菌である場合は、SPO1プロモーター、SPO2プロモーター、penPプロモーターなど、宿主が酵母である場合は、PHO5プロモーター、PGKプロモーター、GAPプロモーター、ADHプロモーターなどが好ましい。宿主が昆虫細胞である場合は、ポリヘドリンプロモーター、P10プロモーターなどが好ましい。発現ベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを含有しているものを用いることができる。選択マーカーとしては、例えば、ジヒドロ葉酸還元酵素(以下、dhfrと略称する場合がある)遺伝子〔メソトレキセート(MTX)耐性〕、アンピシリン耐性遺伝子(以下、Amprと略称する場合がある)、ネオマイシン耐性遺伝子(以下、Neorと略称する場合がある、G418耐性)等があげられる。特に、dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞を用いてdhfr遺伝子を選択マーカーとして使用する場合、目的遺伝子をチミジンを含まない培地によっても選択できる。
また、必要に応じて、宿主に合ったシグナル配列を、本発明のペプチドのN端末側に付加する。宿主がエシェリヒア属菌である場合は、PhoA・シグナル配列、OmpA・シグナル配列などが、宿主がバチルス属菌である場合は、α−アミラーゼ・シグナル配列、サブチリシン・シグナル配列などが、宿主が酵母である場合は、MFα・シグナル配列、SUC2・シグナル配列など、宿主が動物細胞である場合には、インシュリン・シグナル配列、α−インターフェロン・シグナル配列、抗体分子・シグナル配列などがそれぞれ利用できる。
このようにして構築された本発明のペプチドをコードするDNAを含有するベクターを用いて、形質転換体を製造することができる。
宿主としては、例えば、エシェリヒア属菌、バチルス属菌、酵母、昆虫細胞、昆虫、動物細胞などが用いられる。
【0035】
エシェリヒア属菌の具体例としては、例えば、エシェリヒア・コリ(Escherichia coli)K12・DH1〔プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),60巻,160(1968)〕,JM103〔ヌクイレック・アシッズ・リサーチ(Nucleic Acids Research),9巻,309(1981)〕,JA221〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー(Journal of Molecular Biology),120巻,517(1978)〕,HB101〔ジャーナル・オブ・モレキュラー・バイオロジー,41巻,459(1969)〕,C600〔ジェネティックス(Genetics),39巻,440(1954)〕などが用いられる。
バチルス属菌としては、例えば、バチルス・サブチルス(Bacillus subtilis)MI114〔ジーン,24巻,255(1983)〕,207−21〔ジャーナル・オブ・バイオケミストリー(Journal of Biochemistry),95巻,87(1984)〕などが用いられる。
酵母としては、例えば、サッカロマイセス セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)AH22,AH22R-,NA87−11A,DKD−5D,20B−12、シゾサッカロマイセス ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)NCYC1913,NCYC2036、ピキア パストリス(Pichia pastoris)KM71などが用いられる。
【0036】
昆虫細胞としては、例えば、ウイルスがAcNPVの場合は、夜盗蛾の幼虫由来株化細胞(Spodoptera frugiperda cell;Sf細胞)、Trichoplusia niの中腸由来のMG1細胞、Trichoplusia niの卵由来のHigh FiveTM細胞、Mamestra brassicae由来の細胞またはEstigmena acrea由来の細胞などが用いられる。ウイルスがBmNPVの場合は、蚕由来株化細胞(Bombyx mori N 細胞;BmN細胞)などが用いられる。該Sf細胞としては、例えば、Sf9細胞(ATCC CRL1711)、Sf21細胞(以上、Vaughn, J.L.ら、イン・ヴィボ(In Vivo),13, 213-217,(1977))などが用いられる。
昆虫としては、例えば、カイコの幼虫などが用いられる〔前田ら、ネイチャー(Nature),315巻,592(1985)〕。
動物細胞としては、例えば、サル細胞COS−7(COS7),Vero,チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO細胞と略記),dhfr遺伝子欠損チャイニーズハムスター細胞CHO(以下、CHO(dhfr-)細胞と略記),マウスL細胞,マウスAtT−20,マウスミエローマ細胞,ラットGH3,ヒトFL細胞などが用いられる。
エシェリヒア属菌を形質転換するには、例えば、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンジイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),69巻,2110(1972)やジーン(Gene),17巻,107(1982)などに記載の方法に従って行なうことができる。
バチルス属菌を形質転換するには、例えば、モレキュラー・アンド・ジェネラル・ジェネティックス(Molecular & General Genetics),168巻,111(1979)などに記載の方法に従って行なうことができる。
酵母を形質転換するには、例えば、メソッズ・イン・エンザイモロジー(Methods in Enzymology),194巻,182−187(1991)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),75巻,1929(1978)などに記載の方法に従って行なうことができる。
【0037】
昆虫細胞または昆虫を形質転換するには、例えば、バイオ/テクノロジー(Bio/Technology), 6, 47-55(1988)などに記載の方法に従って行なうことができる。
動物細胞を形質転換するには、例えば、細胞工学別冊8 新細胞工学実験プロトコール.263−267(1995)(秀潤社発行)、ヴィロロジー(Virology),52巻,456(1973)に記載の方法に従って行なうことができる。このようにして、ペプチドをコードするDNAを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体を得ることができる。
宿主がエシェリヒア属菌、バチルス属菌である形質転換体を培養する際、培養に使用される培地としては液体培地が適当であり、その中には該形質転換体の生育に必要な炭素源、窒素源、無機物その他が含有せしめられる。炭素源としては、例えば、グルコース、デキストリン、可溶性澱粉、ショ糖など、窒素源としては、例えば、アンモニウム塩類、硝酸塩類、コーンスチープ・リカー、ペプトン、カゼイン、肉エキス、大豆粕、バレイショ抽出液などの無機または有機物質、無機物としては、例えば、塩化カルシウム、リン酸二水素ナトリウム、塩化マグネシウムなどがあげられる。また、酵母エキス、ビタミン類、生長促進因子などを添加してもよい。培地のpHは約5〜8が望ましい。
エシェリヒア属菌を培養する際の培地としては、例えば、グルコース、カザミノ酸を含むM9培地〔ミラー(Miller),ジャーナル・オブ・エクスペリメンツ・イン・モレキュラー・ジェネティックス(Journal of Experiments in Molecular Genetics),431−433,Cold Spring Harbor LaboHumanory, New York 1972〕が好ましい。ここに必要によりプロモーターを効率よく働かせるために、例えば、3β−インドリルアクリル酸のような薬剤を加えることができる。
【0038】
宿主がエシェリヒア属菌の場合、培養は通常約15〜43℃で約3〜24時間行ない、必要により、通気や撹拌を加えることもできる。
宿主がバチルス属菌の場合、培養は通常約30〜40℃で約6〜24時間行ない、必要により通気や撹拌を加えることもできる。
宿主が酵母である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、バークホールダー(Burkholder)最小培地〔Bostian, K. L. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),77巻,4505(1980)〕や0.5%カザミノ酸を含有するSD培地〔Bitter, G. A. ら、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ザ・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. USA),81巻,5330(1984)〕があげられる。培地のpHは約5〜8に調整するのが好ましい。培養は通常約20℃〜35℃で約24〜72時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が昆虫細胞または昆虫である形質転換体を培養する際、培地としては、Grace's Insect Medium(Grace, T.C.C.,ネイチャー(Nature),195,788(1962))に非動化した10%ウシ血清等の添加物を適宜加えたものなどが用いられる。培地のpHは約6.2〜6.4に調整するのが好ましい。培養は通常約27℃で約3〜5日間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
宿主が動物細胞である形質転換体を培養する際、培地としては、例えば、約5〜20%の胎児牛血清を含むMEM培地〔サイエンス(Science),122巻,501(1952)〕,DMEM培地〔ヴィロロジー(Virology),8巻,396(1959)〕,RPMI 1640培地〔ジャーナル・オブ・ザ・アメリカン・メディカル・アソシエーション(The Journal of the American Medical Association)199巻,519(1967)〕,199培地〔プロシージング・オブ・ザ・ソサイエティ・フォー・ザ・バイオロジカル・メディスン(Proceeding of the Society for the Biological Medicine),73巻,1(1950)〕などが用いられる。pHは約6〜8であるのが好ましい。培養は通常約30℃〜40℃で約15〜60時間行ない、必要に応じて通気や撹拌を加える。
以上のようにして、形質転換体の細胞内、細胞膜または細胞外などに本発明のペプチドを生成せしめることができる。
上記培養物から本発明のペプチドを分離精製するには、例えば、下記の方法により行なうことができる。
【0039】
本発明のペプチドを培養菌体あるいは細胞から抽出するに際しては、培養後、公知の方法で菌体あるいは細胞を集め、これを適当な緩衝液に懸濁し、超音波、リゾチームおよび/または凍結融解などによって菌体あるいは細胞を破壊したのち、遠心分離やろ過により本発明のペプチドの粗抽出液を得る方法などが適宜用いられる。緩衝液の中に尿素や塩酸グアニジンなどの蛋白質変性剤や、トリトンX−100TMなどの界面活性剤が含まれていてもよい。培養液中にペプチドが分泌される場合には、培養終了後、それ自体公知の方法で菌体あるいは細胞と上清とを分離し、上清を集める。
このようにして得られた培養上清、あるいは抽出液中に含まれる本発明のペプチドの精製は、自体公知の分離・精製法を適宜組み合わせて行なうことができる。これらの公知の分離、精製法としては、塩析や溶媒沈澱法などの溶解度を利用する方法、透析法、限外ろ過法、ゲルろ過法、およびSDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動法などの主として分子量の差を利用する方法、イオン交換クロマトグラフィーなどの荷電の差を利用する方法、アフィニティークロマトグラフィーなどの特異的親和性を利用する方法、逆相高速液体クロマトグラフィーなどの疎水性の差を利用する方法、等電点電気泳動法などの等電点の差を利用する方法などが用いられる。
かくして得られる本発明のペプチドが遊離体で得られた場合には、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法によって塩に変換することができ、逆に塩で得られた場合には自体公知の方法あるいはそれに準じる方法により、遊離体または他の塩に変換することができる。
なお、組換え体が産生する本発明のペプチドを、精製前または精製後に適当な蛋白修飾酵素を作用させることにより、任意に修飾を加えたり、ペプチドを部分的に除去することもできる。蛋白修飾酵素としては、例えば、トリプシン、キモトリプシン、アルギニルエンドペプチダーゼ、プロテインキナーゼ、グリコシダーゼなどが用いられる。
【0040】
本発明のペプチドに対する抗体(以下、単に本発明の抗体と称する場合がある)は、本発明のペプチドに対する抗体を認識し得る抗体であれば、ポリクローナル抗体、モノクローナル抗体の何れであってもよい。
本発明のペプチドに対する抗体は、本発明のペプチドを抗原として用い、自体公知の抗体または抗血清の製造法に従って製造することができる。
【0041】
〔モノクローナル抗体の作製〕
(a)モノクローナル抗体産生細胞の作製
本発明のペプチドは、温血動物に対して投与により抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は通常2〜6週毎に1回ずつ、計2〜10回程度行われる。用いられる温血動物としては、例えば、サル、ウサギ、イヌ、モルモット、マウス、ラット、ヒツジ、ヤギ、ニワトリがあげられるが、マウスおよびラットが好ましく用いられる。
モノクローナル抗体産生細胞の作製に際しては、抗原で免疫された温血動物、例えばマウスから抗体価の認められた個体を選択し最終免疫の2〜5日後に脾臓またはリンパ節を採取し、それらに含まれる抗体産生細胞を同種または異種動物の骨髄腫細胞と融合させることにより、モノクローナル抗体産生ハイブリドーマを調製することができる。抗血清中の抗体価の測定は、例えば、後記の標識化ペプチドと抗血清とを反応させたのち、抗体に結合した標識剤の活性を測定することにより行なうことができる。融合操作は既知の方法、例えば、ケーラーとミルスタインの方法〔ネイチャー(Nature)、256、495 (1975)〕に従い実施することができる。融合促進剤としては、例えば、ポリエチレングリコール(PEG)やセンダイウィルスなどがあげられるが、好ましくはPEGが用いられる。
骨髄腫細胞としては、例えば、NS−1、P3U1、SP2/0、AP−1などの温血動物の骨髄腫細胞があげられるが、P3U1が好ましく用いられる。用いられる抗体産生細胞(脾臓細胞)数と骨髄腫細胞数との好ましい比率は1:1〜20:1程度であり、PEG(好ましくはPEG1000〜PEG6000)が10〜80%程度の濃度で添加され、20〜40℃、好ましくは30〜37℃で1〜10分間インキュベートすることにより効率よく細胞融合を実施できる。モノクローナル抗体産生ハイブリドーマのスクリーニングには種々の方法が使用できるが、例えば、ペプチド(蛋白質)抗原を直接あるいは担体とともに吸着させた固相(例、マイクロプレート)にハイブリドーマ培養上清を添加し、次に放射性物質や酵素などで標識した抗免疫グロブリン抗体(細胞融合に用いられる細胞がマウスの場合、抗マウス免疫グロブリン抗体が用いられる)またはプロテインAを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法、抗免疫グロブリン抗体またはプロテインAを吸着させた固相にハイブリドーマ培養上清を添加し、放射性物質や酵素などで標識したペプチドを加え、固相に結合したモノクローナル抗体を検出する方法などがあげられる。
モノクローナル抗体の選別は、自体公知あるいはそれに準じる方法に従って行なうことができる。通常HAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)を添加した動物細胞用培地で行なうことができる。選別および育種用培地としては、ハイブリドーマが生育できるものならばどのような培地を用いても良い。例えば、1〜20%、好ましくは10〜20%の牛胎児血清を含むRPMI 1640培地、1〜10%の牛胎児血清を含むGIT培地(和光純薬工業(株))あるいはハイブリドーマ培養用無血清培地(SFM−101、日水製薬(株))などを用いることができる。培養温度は、通常20〜40℃、好ましくは約37℃である。培養時間は、通常5日〜3週間、好ましくは1週間〜2週間である。培養は、通常5%炭酸ガス下で行なうことができる。ハイブリドーマ培養上清の抗体価は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。
【0042】
(b)モノクローナル抗体の精製
モノクローナル抗体の分離精製は、自体公知の方法、例えば、免疫グロブリンの分離精製法〔例、塩析法、アルコール沈殿法、等電点沈殿法、電気泳動法、イオン交換体(例、DEAE)による吸脱着法、超遠心法、ゲルろ過法、抗原結合固相あるいはプロテインAあるいはプロテインGなどの活性吸着剤により抗体のみを採取し、結合を解離させて抗体を得る特異的精製法〕に従って行なうことができる。
【0043】
〔ポリクローナル抗体の作製〕
本発明のポリクローナル抗体は、それ自体公知あるいはそれに準じる方法に従って製造することができる。例えば、免疫抗原(ペプチド抗原)自体、あるいはそれとキャリアー蛋白質との複合体をつくり、上記のモノクローナル抗体の製造法と同様に温血動物に免疫を行ない、該免疫動物から本発明のペプチドに対する抗体含有物を採取して、抗体の分離精製を行なうことにより製造することができる。
温血動物を免疫するために用いられる免疫抗原とキャリアー蛋白質との複合体に関し、キャリアー蛋白質の種類およびキャリアーとハプテンとの混合比は、キャリアーに架橋させて免疫したハプテンに対して抗体が効率良くできれば、どの様なものをどの様な比率で架橋させてもよいが、例えば、ウシ血清アルブミンやウシサイログロブリン、ヘモシアニン等を重量比でハプテン1に対し、約0.1〜20、好ましくは約1〜5の割合でカプルさせる方法が用いられる。
また、ハプテンとキャリアーのカプリングには、種々の縮合剤を用いることができるが、グルタルアルデヒドやカルボジイミド、マレイミド活性エステル、チオール基、ジチオビリジル基を含有する活性エステル試薬等が用いられる。
縮合生成物は、温血動物に対して、抗体産生が可能な部位にそれ自体あるいは担体、希釈剤とともに投与される。投与に際して抗体産生能を高めるため、完全フロイントアジュバントや不完全フロイントアジュバントを投与してもよい。投与は、通常約2〜6週毎に1回ずつ、計約3〜10回程度行なわれる。
ポリクローナル抗体は、上記の方法で免疫された温血動物の血液、腹水など、好ましくは血液から採取することができる。
抗血清中のポリクローナル抗体価の測定は、上記の抗血清中の抗体価の測定と同様にして測定できる。ポリクローナル抗体の分離精製は、上記のモノクローナル抗体の分離精製と同様の免疫グロブリンの分離精製法に従って行なうことができる。
【0044】
本発明のペプチドをコードするDNA(以下、これらのDNAを本発明のDNAと略記する場合がある)に相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有するアンチセンスDNA(以下、これらのDNAをアンチセンスDNAと略記する場合がある)としては、本発明のDNAに相補的な、または実質的に相補的な塩基配列を有し、該DNAの発現を抑制し得る作用を有するものであれば、いずれのアンチセンスDNAであってもよい。
本発明のDNAに実質的に相補的な塩基配列とは、例えば、本発明のDNAに相補的な塩基配列(すなわち、本発明のDNAの相補鎖)の全塩基配列あるいは部分塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列などがあげられる。特に、本発明のDNAの相補鎖の全塩基配列うち、本発明のペプチドのN末端部位をコードする部分の塩基配列(例えば、開始コドン付近の塩基配列など)の相補鎖と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアンチセンスDNAが好適である。これらのアンチセンスDNAは、公知のDNA合成装置などを用いて製造することができる。
以下に、▲1▼本発明のペプチド、▲2▼本発明のDNA、▲3▼本発明の抗体、および▲4▼アンチセンスDNAの用途を説明する。
【0045】
(1)本発明のペプチドが関与する各種疾病の治療・予防剤
本発明のペプチドまたは本発明のDNAは、本発明のペプチドまたは本発明のDNAに異常があったり、欠損している場合、例えば、本発明のペプチドの機能不全に関連する疾患の予防・治療剤などの医薬として使用することができる。
例えば、本発明の分泌蛋白質F、本発明のペプチドFもしくはその部分ペプチド、本発明の前駆体蛋白質F、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩(以下、本発明のペプチドFと略記する場合がある)、▲2▼本発明の分泌蛋白質G、本発明のペプチドGもしくはその部分ペプチド、本発明の前駆体蛋白質G、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩(以下、本発明のペプチドGと略記する場合がある)、▲3▼本発明の分泌蛋白質H、本発明のペプチドHもしくはその部分ペプチド、本発明の前駆体蛋白質H、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩(以下、本発明のペプチドHと略記する場合がある)、▲4▼本発明の分泌蛋白質I、本発明のペプチドIもしくはその部分ペプチド、本発明の前駆体蛋白質I、またはそのアミドもしくはそのエステルまたはその塩(以下、本発明のペプチドIと略記する場合がある)はAQ27受容体と結合することができるので、本発明のF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌促進剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、本発明のF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは、例えば、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)の予防・治療剤などとして有用である。
【0046】
本発明のペプチドF、G、HまたはIはOT7T022受容体と結合することができるので、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは、安全で低毒性な医薬、例えば、プロラクチン分泌調節剤として有用である。すなわち、本発明のペプチドF、G、HまたはIがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAはプロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAはプロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
本発明のペプチドF、G、HまたはIがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAはプロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAはプロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、本発明のペプチドF、G、HまたはIはプロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIは、胎盤機能調節作用を有するため、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
プロラクチン分泌調節活性については、Neuroendocrinology, 62巻 1995年 198-206頁、または、Neuroscience Letters 203巻 1996年 164-170頁などに記載の方法またはそれに準じた方法により測定することができる。
【0047】
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などとして有用できる。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIおよびそれらをコードするDNAは、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
【0048】
本発明のペプチドおよび本発明のDNAは、例えば、生体内において本発明のペプチドが減少あるいは欠損している患者がいる場合に、(イ)本発明のDNAを該患者に投与し、生体内で本発明のペプチドを発現させることによって、(ロ)細胞に本発明のDNAを挿入し、本発明のペプチドを発現させた後に、該細胞を患者に移植することによって、または(ハ)本発明のペプチドを該患者に投与することなどによって、該患者における本発明のペプチドの役割を十分に、あるいは正常に発揮させることができる。
本発明のDNAを上記の治療・予防剤として使用する場合は、該DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って、ヒトまたは温血動物に投与することができる。本発明のDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
本発明のペプチドを上記の治療・予防剤として使用する場合は、少なくとも90%、好ましくは95%以上、より好ましくは98%以上、さらに好ましくは99%以上に精製されたものを使用するのが好ましい。
本発明のペプチドは、例えば、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、本発明のペプチドを生理学的に認められる担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な用量が得られるようにするものである。
【0049】
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、前記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。
注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などがあげられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例えば、エタノールなど)、ポリアルコール(例えば、プロピレングリコール、ポリエチレングリコールなど)、非イオン性界面活性剤(例えば、ポリソルベート80TM、HCO−50など)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などがあげられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。また、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液など)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。
本発明のDNAが挿入されたベクターも上記と同様に製剤化され、通常、非経口的に使用される。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)に対して投与することができる。
【0050】
本発明のペプチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のペプチドを経口投与する場合、一般的に成人(60kgとして)においては、一日につき該ペプチドを約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該ペプチドの1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のペプチドを注射剤の形で成人(体重60kgとして)に投与する場合、一日につき該ペプチドを約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を患部に注射することにより投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0051】
(2)疾病に対する医薬候補化合物のスクリーニング
本発明のペプチドは、本発明のペプチドの機能を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法に使用することができる。
また、本発明のDNAは、本発明のペプチドの発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法に使用することができる。
以下に、本発明のペプチドまたは本発明のDNAを用いるスクリーニング方法を具体的に説明する。
【0052】
(2−1)本発明のペプチドの受容体に対するアゴニストまたはアンタゴニストのスクリーニング方法
該スクリーニングは、本発明のペプチドを用いるか、または組換え型本発明のペプチドの発現系を構築し、該発現系を用いたレセプター結合アッセイ系を用いることによって、本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)(例えば、ペプチド、蛋白質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物など)またはその塩をスクリーニングすることができる。このような化合物には、本発明のペプチドの受容体を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性など)を有する化合物(即ち受容体アゴニスト)と該細胞刺激活性を有しない化合物(即ち受容体アンタゴニスト)などが含まれる。「リガンドとの結合性を変化させる」とは、リガンドとの結合を阻害する場合とリガンドとの結合を促進する場合の両方を包含するものである。
【0053】
すなわち、本発明は、
本発明のペプチドを用いることを特徴とする本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法、具体的には、
(i)受容体またはその部分ペプチド(以下、これらを単に受容体と略称する)に、本発明のペプチドを接触させた場合と(ii)受容体に、本発明のペプチドおよび試験化合物を接触させた場合との比較を行なうことを特徴とする本発明のペプチドと受容体の結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のスクリーニング方法においては、(i)受容体に、本発明のペプチドを接触させた場合と(ii)受容体に、本発明のペプチドおよび試験化合物を接触させた場合における、例えば受容体に対するリガンドの結合量、細胞刺激活性などを測定して、比較する。
【0054】
本発明のスクリーニング方法は具体的には、
▲1▼標識した本発明のペプチドを、受容体に接触させた場合と、標識した本発明のペプチドおよび試験化合物を受容体に接触させた場合における、標識した本発明のペプチドの受容体に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
▲2▼標識した本発明のペプチドを、受容体を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合と、標識した本発明のペプチドおよび試験化合物を受容体を含有する細胞または該細胞の膜画分に接触させた場合における、標識した本発明のペプチドの該細胞または該膜画分に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
▲3▼標識した本発明のペプチドを、受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した受容体に接触させた場合と、標識した本発明のペプチドおよび試験化合物を受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した受容体に接触させた場合における、標識した本発明のペプチドの受容体に対する結合量を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、
【0055】
▲4▼受容体を活性化する化合物(例えば、本発明のペプチド)を受容体を含有する細胞に接触させた場合と、受容体を活性化する化合物および試験化合物を受容体を含有する細胞に接触させた場合における、受容体を介した細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法、および
▲5▼受容体を活性化する化合物(例えば、本発明のペプチドなど)を受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した受容体に接触させた場合と、受容体を活性化する化合物および試験化合物を、受容体をコードするDNAを含有する形質転換体を培養することによって細胞膜上に発現した受容体に接触させた場合における、受容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング方法などである。
【0056】
本発明のスクリーニング方法の具体的な説明を以下にする。
まず、本発明のスクリーニング方法に用いる受容体としては、本発明のペプチドをリガンドとして認識するものであれば何れのものであってもよいが、ヒトや温血動物の臓器の膜画分などが好適である。しかし、特にヒト由来の臓器は入手が極めて困難なことから、スクリーニングに用いられるものとしては、組換え体を用いて大量発現させた受容体などが適している。受容体は、公知の方法に従って製造することができる。
本発明のスクリーニング方法において、受容体を含有する細胞あるいは該細胞膜画分などを用いる場合、後述の調製法に従えばよい。
受容体を含有する細胞を用いる場合、該細胞をグルタルアルデヒド、ホルマリンなどで固定化してもよい。固定化方法はそれ自体公知の方法に従って行うことができる。
受容体を含有する細胞としては、受容体を発現した宿主細胞をいうが、該宿主細胞としては、前述の大腸菌、枯草菌、酵母、昆虫細胞、動物細胞などが挙げられる。また、受容体を発現した宿主細胞は、前述の本発明のペプチドを含有する発現ベクターで形質転換された形質転換体の製造方法と同様の方法などがあげられる。
膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)による破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などがあげられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現した受容体と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
該受容体を含有する細胞や膜画分中の受容体の量は、1細胞当たり103〜108分子であるのが好ましく、105〜107分子であるのが好適である。なお、発現量が多いほど膜画分当たりのリガンド結合活性(比活性)が高くなり、高感度なスクリーニング系の構築が可能になるばかりでなく、同一ロットで大量の試料を測定できるようになる。
【0057】
本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)をスクリーニングする前記の▲1▼〜▲3▼を実施するためには、適当な受容体画分と、標識した本発明のペプチドなどが用いられる。受容体画分としては、天然型の受容体画分か、またはそれと同等の活性を有する組換え型受容体画分などが望ましい。ここで、同等の活性とは、同等のリガンド結合活性などを示す。標識したリガンドとしては、標識したリガンド、標識したリガンドアナログ化合物などが用いられる。例えば〔3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識されたリガンドなどを利用することができる。このうち好ましくは、〔125I〕で標識されたリガンドである。
具体的には、本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物のスクリーニングを行うには、まず受容体を含有する細胞または細胞の膜画分を、スクリーニングに適したバッファーに懸濁することによりレセプター標品を調製する。バッファーには、pH4〜10(望ましくはpH6〜8)のリン酸バッファー、トリス−塩酸バッファーなどのリガンドとレセプターとの結合を阻害しないバッファーであればいずれでもよい。また、非特異的結合を低減させる目的で、CHAPS、Tween−80TM(花王−アトラス社)、ジギトニン、デオキシコレートなどの界面活性剤をバッファーに加えることもできる。さらに、プロテアーゼによる受容体や本発明のペプチドの分解を抑える目的でPMSF、ロイペプチン、E−64(ペプチド研究所製)、ペプスタチンなどのプロテアーゼ阻害剤を添加することもできる。0.01ml〜10mlの該レセプター溶液に、一定量(5000cpm〜500000cpm)の標識した本発明のペプチドを添加し、同時に10-10〜10-7Mの試験化合物を共存させる。非特異的結合量(NSB)を知るために大過剰の未標識の本発明のペプチドを加えた反応チューブも用意する。反応は0℃から50℃、望ましくは4℃から37℃で20分から24時間、望ましくは30分から3時間行う。反応後、ガラス繊維濾紙等で濾過し、適量の同バッファーで洗浄した後、ガラス繊維濾紙に残存する放射活性を液体シンチレーションカウンターまたはγ−カウンターで計測する。拮抗する物質がない場合のカウント(B0)から非特異的結合量(NSB)を引いたカウント(B0−NSB)を100%とした時、特異的結合量(B−NSB)が例えば50%以下になる試験化合物を拮抗阻害能力のある候補物質として選択することができる。
【0058】
本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)をスクリーニングする前記の▲4▼〜▲5▼の方法を実施するためには、受容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下、GTPγS結合活性などを促進する活性または抑制する活性など)を公知の方法または市販の測定用キットを用いて測定することができる。具体的には、まず、受容体を含有する細胞をマルチウェルプレート等に培養する。スクリーニングを行うにあたっては前もって新鮮な培地あるいは細胞に毒性を示さない適当なバッファーに交換し、試験化合物などを添加して一定時間インキュベートした後、細胞を抽出あるいは上清液を回収して、生成した産物をそれぞれの方法に従って定量する。細胞刺激活性の指標とする物質(例えば、アラキドン酸など)の生成が、細胞が含有する分解酵素によって検定困難な場合は、該分解酵素に対する阻害剤を添加してアッセイを行なってもよい。また、cAMP産生抑制などの活性については、フォルスコリンなどで細胞の基礎的産生量を増大させておいた細胞に対する産生抑制作用として検出することができる。
細胞刺激活性を測定してスクリーニングを行なうには、適当な受容体を発現した細胞が必要である。受容体を発現した細胞としては、前述の受容体発現細胞株などが望ましい。
試験化合物としては、例えばペプチド、タンパク質、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液などがあげられる。
また、試験化合物としては、受容体の活性部位の原子座標およびリガンド結合ポケットの位置に基づいて、リガンド結合ポケットに結合するように設計された化合物が好ましく用いられる。受容体の活性部位の原子座標およびリガンド結合ポケットの位置の測定は、公知の方法あるいはそれに準じる方法を用いて行うことができる。
さらに、本発明のペプチドに代えて、本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物またはその塩を用いることもできる。本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物またはその塩は、例えば、リガンドとして本発明のペプチドを用いて、後述する本発明のスクーニング方法を実施することによって得ることができる。
【0059】
本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)またはその塩のスクリーニング用キットは、受容体またはその塩、受容体の部分ペプチドまたはその塩、受容体を含有する細胞、あるいは受容体を含有する細胞の膜画分、および本発明のペプチドを含有するものである。
本発明のスクリーニング用キットの例としては、次のものが挙げられる。
1.スクリーニング用試薬
▲1▼測定用緩衝液および洗浄用緩衝液
Hanks' Balanced Salt Solution(ギブコ社製)に、0.05%のウシ血清アルブミン(シグマ社製)を加えたもの。
孔径0.45μmのフィルターで濾過滅菌し、4℃で保存するか、あるいは用時調製しても良い。
▲2▼受容体標品
受容体を発現させたCHO細胞を、12穴プレートに5×105個/穴で継代し、37℃、5%CO2、95%airで2日間培養したもの。
▲3▼標識リガンド
3H〕、〔125I〕、〔14C〕、〔35S〕などで標識した本発明のペプチドを適当な溶媒または緩衝液に溶解したものを4℃あるいは−20℃にて保存し、用時に測定用緩衝液にて1μMに希釈する。
▲4▼リガンド標準液
本発明のペプチドを0.1%ウシ血清アルブミン(シグマ社製)を含むPBSで1mMとなるように溶解し、−20℃で保存する。
【0060】
2.測定法
▲1▼12穴組織培養用プレートにて培養した受容体を発現させた細胞を、測定用緩衝液1mlで2回洗浄した後、490μlの測定用緩衝液を各穴に加える。
▲2▼10-3〜10-10Mの試験化合物溶液を5μl加えた後、標識した本発明のペプチドを5μl加え、室温にて1時間反応させる。非特異的結合量を知るためには試験化合物の代わりに10-3Mの本発明のペプチドを5μl加えておく。
▲3▼反応液を除去し、1mlの洗浄用緩衝液で3回洗浄する。細胞に結合した標識された本発明のペプチドを0.2N NaOH−1%SDSで溶解し、4mlの液体シンチレーターA(和光純薬製)と混合する。
▲4▼液体シンチレーションカウンター(ベックマン社製)を用いて放射活性を測定し、Percent Maximum Binding(PMB)を次の式〔数1〕で求める。
〔数1〕
PMB=[(B−NSB)/(B0−NSB)]×100
PMB:Percent Maximum Binding
B :検体を加えた時の値
NSB:Non-specific Binding(非特異的結合量)
0 :最大結合量
【0061】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、本発明のペプチドと受容体との結合を変化させる(結合を阻害あるいは促進する)化合物(本発明のペプチドの活性を促進または阻害する化合物)であり、具体的には受容体を介して細胞刺激活性を有する化合物またはその塩(いわゆる受容体アゴニスト)、あるいは該刺激活性を有しない化合物(いわゆる受容体アンタゴニスト)である。該化合物としては、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
上記受容体アゴニストであるかアンタゴニストであるかの具体的な評価方法は以下の(i)または(ii)に従えばよい。
(i)前記▲1▼〜▲3▼のスクリーニング方法で示されるバインディング・アッセイを行い、本発明のペプチドと受容体との結合性を変化させる(特に、結合を阻害する)化合物を得た後、該化合物が上記した受容体を介する細胞刺激活性を有しているか否かを測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は受容体アゴニストであり、該活性を有しない化合物またはその塩は受容体アンタゴニストである。
(ii)(a)試験化合物を受容体を含有する細胞に接触させ、上記受容体を介した細胞刺激活性を測定する。細胞刺激活性を有する化合物またはその塩は受容体アゴニストである。
(b) 受容体を活性化する化合物(例えば、本発明のペプチドアゴニストなど)を受容体を含有する細胞に接触させた場合と、受容体を活性化する化合物および試験化合物を受容体を含有する細胞に接触させた場合における、受容体を介した細胞刺激活性を測定し、比較する。受容体を活性化する化合物による細胞刺激活性を減少させ得る化合物またはその塩は受容体アンタゴニストである。
【0062】
該受容体アゴニストは、受容体に対する本発明のペプチドが有する生理活性と同様の作用を有しているので、本発明のペプチドと同様に安全で低毒性な医薬として有用である。
逆に、受容体アンタゴニストは、受容体に対する本発明のペプチドが有する生理活性を抑制することができるので、本発明のペプチドの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物であり、本発明のペプチドの機能を促進または阻害する化合物である。
該化合物の塩としては、前記した本発明のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
【0063】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、受容体アンタゴニストを経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、受容体アンタゴニストを注射剤の形で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0064】
より具体的には、本発明のペプチドが、本発明のペプチドF、G、HまたはIである場合、受容体としては、
(1)配列番号:31、配列番号:44または配列番号:46で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩(以下、AQ27受容体と略記する場合がある)、
(2)配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と同一もしくは実質的に同一のアミノ酸配列を含有するG蛋白質共役型レセプター蛋白質またはその塩(以下、OT7T022受容体と略記する場合がある)などが用いられる。
【0065】
配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列としては、例えば、配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列などが挙げられる。
本発明の配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を含有する蛋白質としては、例えば、配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列と実質的に同一のアミノ酸配列を有し、配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列からなる蛋白質と実質的に同質の活性を有する蛋白質などが好ましい。
実質的に同質の活性としては、例えば、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用などが挙げられる。実質的に同質とは、それらの活性が性質的に同質であることを示す。したがって、リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性が同等(例、約0.5〜2倍)であることが好ましいが、これらの活性の程度や蛋白質の分子量などの量的要素は異なっていてもよい。
リガンド結合活性やシグナル情報伝達作用などの活性の測定は、前記と同様にして測定することができる。
【0066】
また、AQ27受容体またはOT7T022受容体としては、▲1▼配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠失したアミノ酸配列、▲2▼配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加したアミノ酸配列、▲3▼配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜30個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されたアミノ酸配列、または▲4▼それら欠失・付加・置換を組み合わせたアミノ酸配列を含有する蛋白質なども用いられる。
AQ27受容体またはOT7T022受容体は、ペプチド標記の慣例に従って左端がN末端(アミノ末端)、右端がC末端(カルボキシル末端)である。配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46、配列番号:33または配列番号:35で表わされるアミノ酸配列からなる蛋白質をはじめとするAQ27受容体またはOT7T022受容体は、C末端が通常カルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
ここでエステルにおけるRとしては、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルもしくはn−ブチルなどのC1−6アルキル基、例えば、シクロペンチル、シクロヘキシルなどのC3−8シクロアルキル基、例えば、フェニル、α−ナフチルなどのC6−12アリール基、例えば、ベンジル、フェネチルなどのフェニル−C1−2アルキル基もしくはα−ナフチルメチルなどのα−ナフチル−C1−2アルキル基などのC7−14アラルキル基のほか、経口用エステルとして汎用されるピバロイルオキシメチル基などが用いられる。
AQ27受容体またはOT7T022受容体がC末端以外にカルボキシル基(またはカルボキシレート)を有している場合、カルボキシル基がアミド化またはエステル化されているものも本発明の蛋白質に含まれる。この場合のエステルとしては、例えば上記したC末端のエステルなどが用いられる。
さらに、AQ27受容体またはOT7T022受容体には、上記した蛋白質において、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したグルタミル基がピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基(例えば、−OH、−SH、アミノ基、イミダゾール基、インドール基、グアニジノ基など)が適当な保護基(例えば、ホルミル基、アセチル基などのC2−6アルカノイル基などのC1−6アシル基など)で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖蛋白質などの複合蛋白質なども含まれる。
AQ27受容体の具体例としては、例えば、配列番号:31で表わされるアミノ酸配列からなるヒト由来AQ27受容体、配列番号:44で表わされるアミノ酸配列からなるラット由来AQ27受容体、配列番号:46で表わされるアミノ酸配列からなるマウス由来AQ27受容体などがあげられる。
OT7T022受容体の具体例としては、例えば、配列番号:33で表わされるアミノ酸配列からなるラット由来OT7T022受容体、配列番号:35で表わされるアミノ酸配列からなるヒト由来OT7T022受容体などがあげられる。
【0067】
AQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドとしては、前記したAQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドであれば何れのものであってもよいが、例えば、AQ27受容体またはOT7T022受容体の蛋白質分子のうち、細胞膜の外に露出している部位であって、レセプター結合活性を有するものなどが用いられる。
AQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドとしては、疎水性プロット解析において細胞外領域(親水性(Hydrophilic)部位)であると分析された部分を含むペプチドである。また、疎水性(Hydrophobic)部位を一部に含むペプチドも同様に用いることができる。個々のドメインを個別に含むペプチドも用い得るが、複数のドメインを同時に含む部分のペプチドでも良い。
AQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドのアミノ酸の数は、前記したAQ27受容体またはOT7T022受容体の構成アミノ酸配列のうち少なくとも20個以上、好ましくは50個以上、より好ましくは100個以上のアミノ酸配列を有するペプチドなどが好ましい。
実質的に同一のアミノ酸配列とは、これらアミノ酸配列と約50%以上、好ましくは約70%以上、より好ましくは約80%以上、さらに好ましくは約90%以上、最も好ましくは約95%以上の相同性を有するアミノ酸配列を示す。
ここで、「実質的に同質の活性」とは、前記と同意義を示す。「実質的に同質の活性」の測定は前記と同様に行なうことができる。
また、AQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドは、上記アミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が欠失し、または、そのアミノ酸配列に1または2個以上(好ましくは、1〜20個程度、より好ましくは1〜10個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が付加し、または、そのアミノ酸配列中の1または2個以上(好ましくは、1〜10個程度、より好ましくは1〜5個程度、さらに好ましくは数個(1または2個))のアミノ酸が他のアミノ酸で置換されていてもよい。
また、AQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドはC末端が通常カルボキシル基(−COOH)、カルボキシレート(−COO)、アミド(−CONH)またはエステル(−COOR)の何れであってもよい。
さらに、AQ27受容体またはOT7T022受容体の部分ペプチドには、前記したAQ27受容体またはOT7T022受容体と同様に、N末端のメチオニン残基のアミノ基が保護基で保護されているもの、N端側が生体内で切断され生成したGlnがピログルタミン酸化したもの、分子内のアミノ酸の側鎖上の置換基が適当な保護基で保護されているもの、あるいは糖鎖が結合したいわゆる糖ペプチドなどの複合ペプチドなども含まれる。
AQ27受容体またはOT7T022受容体またはその部分ペプチドの塩としては、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸)との塩などが用いられる。
【0068】
AQ27受容体またはOT7T022受容体をコードするDNAとしては、前述したAQ27受容体またはOT7T022受容体をコードする塩基配列を含有するものであればいかなるものであってもよい。また、ゲノムDNA、ゲノムDNAライブラリー、前記した細胞・組織由来のcDNA、前記した細胞・組織由来のcDNAライブラリー、合成DNAのいずれでもよい。ライブラリーに使用するベクターは、バクテリオファージ、プラスミド、コスミド、ファージミドなどいずれであってもよい。また、前記した細胞・組織よりtotalRNAまたはmRNA画分を調製したものを用いて直接Reverse Transcriptase Polymerase Chain Reaction(以下、RT-PCR法と略称する)によって増幅することもできる。
具体的には、AQ27受容体をコードするDNAとしては、例えば、配列番号:32、配列番号:45、配列番号:47で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:32、配列番号:45、配列番号:47で表わされる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有し、配列番号:31、配列番号:44、配列番号:46で表わされるアミノ酸配列からなるAQ27受容体と実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有する受容体をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
配列番号:32、配列番号:45、配列番号:47で表わされる塩基配列を含有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:32、配列番号:45、配列番号:47で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
より具体的には、配列番号:31で表わされるアミノ酸配列からなるヒトAQ27受容体をコードするDNAとしては、配列番号:32で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
より具体的には、配列番号:44で表わされるアミノ酸配列からなるラットAQ27受容体をコードするDNAとしては、配列番号:45で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
より具体的には、配列番号:46で表わされるアミノ酸配列からなるマウスAQ27受容体をコードするDNAとしては、配列番号:47で表わされる塩基配列からなるDNAなどが用いられる。
【0069】
OT7T022受容体をコードするDNAとしては、例えば、
(1)配列番号:34で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:34で表わされる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有し、配列番号:33で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022受容体と実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有する受容体をコードするDNA、または
(2)配列番号:36または配列番号:37で表わされる塩基配列を含有するDNA、または配列番号:36または配列番号:37で表わされる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAを有し、配列番号:35で表わされるアミノ酸配列からなるOT7T022受容体と実質的に同質の活性(例、リガンド結合活性、シグナル情報伝達作用など)を有する受容体をコードするDNAであれば何れのものでもよい。
配列番号:34、配列番号:36または配列番号:37で表わされる塩基配列を有するDNAとハイストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとしては、例えば、配列番号:34、配列番号:36または配列番号:37で表わされる塩基配列と約70%以上、好ましくは約80%以上、より好ましくは約90%以上、さらに好ましくは約95%以上の相同性を有する塩基配列を含有するDNAなどが用いられる。
ハイブリダイゼーションは、自体公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法などに従って行なうことができる。また、市販のライブラリーを使用する場合、添付の使用説明書に記載の方法に従って行なうことができる。より好ましくは、ハイストリンジェントな条件に従って行なうことができる。
ハイストリンジェントな条件とは、例えば、ナトリウム濃度が約19〜40mM、好ましくは約19〜20mMで、温度が約50〜70℃、好ましくは約60〜65℃の条件を示す。特に、ナトリウム濃度が約19mMで温度が約65℃の場合が最も好ましい。
より具体的には、配列番号:31で表わされるアミノ酸配列を含有するAQ27受容体をコードするDNAとしては、配列番号:32で表わされる塩基配列を含有するDNAが用いられる。
配列番号:33で表わされるアミノ酸配列からなるラットOT7T022受容体をコードするDNAとしては、配列番号:34で表わされる塩基配列からなるDNAが用いられる。
配列番号:35で表わされるアミノ酸配列からなるヒトOT7T022受容体をコードするDNAとしては、配列番号:36または配列番号:37で表わされる塩基配列からなるDNAが用いられる。
ヒトAQ27受容体、その部分ペプチドまたはその塩は、WO01/16316号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
OT7T022受容体、その部分ペプチドまたはその塩は、WO00/29441号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
ラットまたはマウスAQ27受容体、その部分ペプチドまたはその塩は、新規な蛋白質であり、WO01/16316号公報に記載の方法に準じて製造することができる。
【0070】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる本発明のペプチドF、G、HまたはIとAQ27受容体との結合性を変化させる化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌調節剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られるAQ27受容体アゴニストは、安全で低毒性な医薬、例えば、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)の予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌促進剤などとして有用である。
一方、本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られるAQ27受容体アンタゴニストは、安全で低毒性な医薬、例えば、本発明のペプチドFの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌阻害剤などとして有用である。
【0071】
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られるOT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストはプロラクチン分泌の調節作用剤として有用である。すなわち、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストは、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの畜産哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該畜産哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストは、胎盤機能調節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
プロラクチン分泌調節活性については、Neuroendocrinology, 62巻 1995年 198-206頁、または、Neuroscience Letters 203巻 1996年 164-170頁などに記載の方法またはそれに準じた方法により行うことができる。
さらに、本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られるOT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストは、安全で低毒性な医薬、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストは、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、OT7T022受容体アゴニストまたはOT7T022受容体アンタゴニストは、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
これらの医薬は前記と同様に製剤化して、使用することができる。
【0072】
(2−2)本発明のタンパク質の発現を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法
本発明のタンパク質、本発明のオリゴヌクレオチド、本発明の形質変換体または本発明の抗体は、本発明のタンパク質の発現を促進または阻害する化合物のスクリーニング法に使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明のタンパク質を発現し得る細胞または組織を、試験化合物の存在下および非存在下で培養した場合における、それぞれの本発明のタンパク質の発現量または本発明のタンパク質をコードするmRNA量を測定し、比較することを特徴とする本発明のタンパク質の発現を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のタンパク質を発現し得る細胞または組織としては、ヒトや温血動物(例えば、モルモット、ラット、マウス、ニワトリ、ウサギ、ブタ、ヒツジ、ウシ、サル等)の細胞(例えば、神経細胞、内分泌細胞、神経内分泌細胞、グリア細胞、膵臓β細胞、骨髄細胞、肝細胞、脾細胞、メサンギウム細胞、表皮細胞、上皮細胞、内皮細胞、繊維芽細胞、繊維細胞、筋細胞、脂肪細胞、免疫細胞(例、マクロファージ、T細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、肥満細胞、好中球、好塩基球、好酸球、単球、樹状細胞)、巨核球、滑膜細胞、軟骨細胞、骨細胞、骨芽細胞、破骨細胞、乳腺細胞、もしくは間質細胞、またはこれら細胞の前駆細胞、幹細胞もしくはガン細胞等、もしくはそれらの細胞が存在するあらゆる組織、例えば、脳、脳の各部位(例、嗅球、扁桃核、大脳基底球、海馬、視床、視床下部、大脳皮質、延髄、小脳)、脊髄、下垂体、胃、膵臓、腎臓、肝臓、生殖腺、甲状腺、胆のう、骨髄、副腎、皮膚、筋肉、肺、消化管(例、大腸、小腸)、血管、心臓、胸腺、脾臓、唾液腺、末梢血、前立腺、睾丸(精巣)、卵巣、胎盤、子宮、骨、軟骨、関節、骨格筋等を用いても良い。その際、株化細胞、初代培養系を用いてもよい。また、前記した本発明の形質転換された形質変換体を使用してもよい。
本発明のペプチドを発現し得る細胞の培養方法は、前記した本発明の形質変換体の培養法と同様である。
試験化合物としては、前記の試験化合物の他、DNAライブラリーなどを用いることができる。
【0073】
本発明のペプチドの発現量は抗体などを用いて免疫化学的方法などの公知の方法により測定することもできるし、本発明のペプチドをコードするmRNAをノザンハイブリダイゼーション法、RT−PCRやTaqMan PCR法を用いて、公知の方法により測定することもできる。
mRNAの発現量の比較をハイブリダイゼーション法によって行うには、公知の方法あるいはそれに準じる方法、例えば、モレキュラー・クローニング(Molecular Cloning)2nd(J. Sambrook et al., Cold Spring Harbor Lab. Press, 1989)に記載の方法等に従って行なうことができる。
具体的には、本発明のペプチドをコードするmRNAの量の測定は、公知の方法に従って細胞から抽出したRNAと、本発明のポリヌクレオチドもしくはその一部または本発明のアンチセンスポリヌクレオチドとを接触させ、本発明のポリヌクレオチドもしくはその一部または本発明のアンチセンスポリヌクレオチド結合したmRNAの量を測定することによって行われる。本発明のポリヌクレオチドもしくはその一部または本発明のアンチセンスポリヌクレオチドを、例えば放射性同位元素、色素などで標識することによって、本発明のポリヌクレオチドもしくはその一部または本発明のアンチセンスポリヌクレオチドに結合したmRNAの量が容易に測定できる。放射性同位元素としては、例えば32P、3Hなどが用いられ、色素としては、例えばfluorescein、FAM(PE Biosystems社製)、JOE(PE Biosystems社製)、TAMRA(PE Biosystems社製)、ROX(PE Biosystems社製)、Cy5(Amersham社製)、Cy3(Amersham社製)などの蛍光色素が用いられる。
また、mRNAの量は、細胞から抽出したRNAを逆転写酵素によってcDNAに変換した後、本発明のポリヌクレオチドもしくはその一部または本発明のアンチセンスポリヌクレオチドをプライマーとして用いるPCRによって、増幅されるcDNAの量を測定することによって行うことができる。
このように、本発明のペプチドをコードするmRNAの量を増加させる試験化合物を、本発明のペプチドの発現を促進する活性を有する化合物として選択することができ、また本発明のペプチドをコードするmRNAの量を減少させる試験化合物を、本発明のペプチドの発現を阻害する活性を有する化合物として選択することができる。
【0074】
さらに、本発明は、
(ii)本発明のペプチドをコードする遺伝子のプロモーター領域またはエンハンサー領域の下流にレポーター遺伝子を連結した組換えDNAで形質転換した形質転換体を試験化合物の存在下および非存在下で培養した場合における、それぞれのレポーター活性を測定し、比較することを特徴とする当該プロモーター活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法を提供する。
レポーター遺伝子としては、例えば、lacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT)、ルシフェラーゼ、成長因子、β-グルクロニダーゼ、アルカリホスファターゼ、Green fluorescent protein (GFP)、β-ラクタマーゼなどが用いられる。
レポーター遺伝子産物(例、mRNA、タンパク質)の量を公知の方法を用いて測定することによって、レポーター遺伝子産物の量を増加させる試験化合物を本発明のペプチドのプロモーターもしくはエンハンサーの活性を制御(特に促進)する作用を有する化合物、すなわち本発明のペプチドの発現を促進する活性を有する化合物として選択できる。逆に、レポーター遺伝子産物の量を減少させる試験化合物を本発明のペプチドのプロモーターもしくはエンハンサーの活性を制御(特に阻害)する作用を有する化合物、すなわち本発明のペプチドの発現を阻害する活性を有する化合物として選択することができる。
試験化合物としては、前記と同様のものが使用される。
形質転換体の培養は、前記の本発明の形質転換体と同様にして行うことができる。
レポーター遺伝子のベクター構築やアッセイ法は公知の技術に従うことができる(例えば、Molecular Biotechnology 13, 29-43, 1999)。
【0075】
本発明のペプチドの発現を促進する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの作用を増強することができるので、本発明のペプチドと同様に安全で低毒性な医薬として有用である。
逆に、本発明のペプチドの発現を阻害する活性を有する化合物は、本発明のペプチドが有する生理活性を抑制することができるので、本発明のペプチドの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のペプチドの発現を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のペプチドの発現を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0076】
より具体的には、本発明のペプチドが、本発明のペプチドF、G、HまたはIである場合、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌調節剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進する化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)の予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌促進剤などとして有用である。
一方、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を阻害する化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、本発明のペプチドFの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌阻害剤などとして有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、プロラクチン分泌の調節作用剤として有用である。すなわち、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドFの発現を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの畜産哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該畜産哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、胎盤機能調節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現を促進または阻害する化合物またはその塩は、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
これらの医薬は前記と同様に製剤化して、使用することができる。
【0077】
(2−3)本発明のペプチドの酵素活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法
本発明のペプチドまたは本発明のポリヌクレオチドは、本発明のペプチドの酵素活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法に使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明のペプチドに、試験化合物の存在下および非存在下で基質を添加した場合における、それぞれの生成物の生産量または生成物の活性を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドの酵素活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
(ii)▲1▼本発明のペプチドを発現し得る細胞にRI標識化された基質を接触させて培養した場合と▲2▼本発明のペプチドを発現し得る細胞にRI標識化された基質および試験化合物を接触させて培養した場合とにおける、生成物の生成量または生成物の活性を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドの酵素活性を促進または阻害する活性を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のペプチドを発現し得る細胞の培養方法は、前記した本発明の形質変換体の培養法と同様である。
試験化合物としては、前記と同様のものを用いることができる。
酵素活性は公知の方法を用いて測定することができる。
【0078】
例えば、上記(ii)の場合における酵素活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇させる試験化合物を本発明のペプチドの酵素活性を促進する化合物として、上記(ii)の場合における酵素活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上減少させる試験化合物を本発明のペプチドの酵素活性を阻害する化合物として選択することができる。
本発明のペプチドの酵素活性を促進する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの作用を増強することができるので、本発明のペプチドと同様に安全で低毒性な医薬として有用である。
逆に、本発明のペプチドの酵素活性を阻害する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のペプチドの酵素活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のペプチドの酵素活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0079】
(2−4)本発明のペプチドの転写因子活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法
本発明のペプチドまたは本発明のオリゴヌクレオチドは、本発明のペプチドの転写因子活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法に使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明のペプチドが結合するDNA配列(例、プロモーター領域、エンハンサー領域)の下流に選択マーカー遺伝子を結合させたDNAを含むベクターで形質転換された形質転換体を、本発明のペプチドの存在下で培養した場合と本発明のペプチドおよび試験化合物の存在下で培養した場合における、それぞれの選択マーカー活性を測定し、比較することを特徴とする本発明のペプチドの転写因子活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法を提供する。
選択マーカー遺伝子としては、前記のレポーター遺伝子や薬剤耐性遺伝子が用いられる(新生化学実験講座2、核酸III、3.6動物細胞発現ベクター、p84-103)。
薬剤耐性遺伝子と薬剤の組み合わせとしては、
(1)ピューロマイシン-N-アセチルトランスフェラーゼ遺伝子とピューロマイシンとの組み合わせ、
(2)アミノグリコシドホスホトランスフェラーゼ遺伝子(APH)とG418との組み合わせ、
(3)ハイグロマイシンBホスホトランスフェラーゼ遺伝子(HPH)とハイグロマイシンBとの組み合わせ、
(4)キサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(XGPRT)とマイコフェノール酸との組み合わせ、などを用いることができる。
また、親株の細胞株がヒポキサンチン-グアニンホスホリボシルトランスフェラーゼ(HGPRT)またはチミジンキナーゼ(TK)欠損株である場合、これらの遺伝子とHAT(ヒポキサンチン、アミノプテリン、チミジン)との組み合わせを用いることができる。
さらに、選択マーカー遺伝子としては、ジヒドロ葉酸還元酵素やアンピシリン耐性遺伝子などを用いることもできる。
これらの第一および第二の組換え遺伝子構築物を含有するベクターには、以上の他に、所望によりエンハンサー、スプライシングシグナル、ポリA付加シグナル、その他の選択マーカー、SV40複製オリジン(以下、SV40oriと略称する場合がある)などを付加させても良い。
試験化合物としては、前記と同様のものを用いることができる。
レポーター活性は公知の方法を用いて測定することができる。
例えば、上記(ii)の場合におけるレポーター活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇させる試験化合物を本発明のペプチドの転写因子活性を促進する化合物として、上記(ii)の場合におけるレポーター活性が上記(i)の場合に比べて、約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上減少させる試験化合物を本発明のペプチドの転写因子活性を阻害する化合物として選択することができる。
【0080】
本発明のペプチドの転写因子活性を促進する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの作用を増強することができるので、本発明のペプチドと同様に安全で低毒性な医薬として有用である。
逆に、本発明のペプチドの転写因子活性を阻害する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のペプチドの転写因子活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のペプチドの転写因子活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0081】
(2−5)本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法
本発明のペプチド、本発明のオリゴヌクレオチドまたは本発明の形質転換体は、本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法に使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明のペプチドまたはそれを含有する細胞と、本発明のペプチドが結合するタンパク質またはそれを含有する細胞とを、試験化合物の存在下および非存在下で接触させた場合における、それぞれの▲1▼両者の結合活性を測定するか、または▲2▼両細胞の形態変化を観察、比較することを特徴とする本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進または阻害する化合物のスクリーニング方法を提供する。
本発明のペプチドを含有する細胞は、前記した本発明の形質転換体を用いることができる。
本発明のペプチドが結合するタンパク質またはそれを含有する細胞も同様にして製造することができる。
試験化合物としては、前記と同様のものを用いることができる。
両者の結合活性は公知の方法を用いて測定することができる。
両細胞の形態変化は公知の方法を用いて観察すことができる。
例えば、上記のスクリーニング方法において、タンパク質結合活性を約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上上昇させる試験化合物を本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進する化合物として、逆にタンパク質結合活性を約20%以上、好ましくは30%以上、より好ましくは約50%以上減少させる試験化合物を本発明のペプチドのタンパク質結合活性を阻害する化合物として選択することができる。
【0082】
本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの作用を増強することができるので、本発明のペプチドと同様に安全で低毒性な医薬として有用である。
逆に、本発明のペプチドのタンパク質結合活性を阻害する活性を有する化合物は、本発明のペプチドの生理活性を抑制するための安全で低毒性な医薬として有用である。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物またはその塩は、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などから選ばれた化合物である。該化合物の塩としては、前記した本発明のペプチドの塩と同様のものが用いられる。
本発明のスクリーニング方法またはスクリーニング用キットを用いて得られる化合物を上述の治療・予防剤として使用する場合、常套手段に従って実施することができる。例えば、前記した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして、錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤、無菌性溶液、懸濁液剤などとすることができる。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは温血動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、トリ、ネコ、イヌ、サル、チンパンジーなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、その作用、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人(体重60kg当たり)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のペプチドのタンパク質結合活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人(60kg当たり)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0083】
(3)本発明のペプチドの定量
本発明の抗体は、本発明のペプチドを特異的に認識することができるので、被検液中の本発明のペプチドの定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化された本発明のペプチドとを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化された本発明のペプチドの割合を測定することを特徴とする被検液中の本発明のペプチドの定量法、および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中の本発明のペプチドの定量法を提供する。
【0084】
上記(ii)の定量法においては、一方の抗体が本発明のペプチドのN端部を認識する抗体で、他方の抗体が本発明のペプチドのC端部に反応する抗体であることが望ましい。
また、本発明のペプチドに対するモノクローナル抗体を用いて本発明のペプチドの定量を行うことができるほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')2、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いる本発明のペプチドの定量法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、ペプチド量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
【0085】
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔3H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常ペプチドあるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中の本発明のペプチド量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
【0086】
本発明のサンドイッチ法による本発明のペプチドの測定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、本発明のペプチドの結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、本発明のペプチドのC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。
競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えて本発明のペプチドの測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D : Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I : Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、本発明の抗体を用いることによって、本発明のペプチドを感度良く定量することができる。
【0087】
さらには、本発明の抗体を用いて本発明のペプチドの濃度を定量することによって、本発明のペプチドの濃度の減少が検出された場合、例えば、本発明のペプチドの機能不全に関連する疾患である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、本発明のペプチドの濃度の増加が検出された場合には、例えば、本発明のペプチドの過剰発現に起因する疾患である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
本発明のペプチドF、G、HまたはIの機能不全に関連する疾患または過剰発現に起因する疾患としては、例えば、
(i)中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)、
(ii)プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全、
(iii)プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常、
(iv)絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発、
(v)高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患、
(vi)MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)、
(vii)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイド、
(viii)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)、
(ix)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症、
(x)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎、
(xi)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状(例、ガストリン分泌昂進など)、
(xii)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制、
(xiii)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢、
(xiv)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、
(xv)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)、
(xvi)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成、
(xvii)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患、
(xviii)全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)、
(xix)痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症、
(xx)眼疾患(例、緑内障など)、
(xxi)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎、
(xxii)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症、
(xxiii)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)、
(xxiv)痛み、などが挙げられる。
また、本発明の抗体は、体液や組織などの被検体中に存在する本発明のペプチドを検出するために使用することができる。また、本発明のペプチドを精製するために使用する抗体カラムの作製、精製時の各分画中の本発明のペプチドの検出、被検細胞内における本発明のペプチドの挙動の分析などのために使用することができる。
【0088】
(4)遺伝子診断剤
本発明のポリヌクレオチドまたは本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは、例えば、プローブとして使用することにより、ヒトまたは温血動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、トリ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サル、など)における本発明のペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
本発明のポリヌクレオチドまたは本発明のアンチセンスポリヌクレオチドを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現低下が検出された場合は、 例えば、本発明のペプチドの機能不全に関連する疾患である可能性が高いまたは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、ノーザンハイブリダイゼーションにより発現過多が検出された場合は、例えば、本発明のペプチドの過剰発現に起因する疾患である可能性が高いまたは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
本発明のペプチドF、G、HまたはIの発現低下または過剰発現に起因する疾患としては、例えば、
(i)中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)、
(ii)プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全、
(iii)プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常、
(iv)絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発、
(v)高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患、
(vi)MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)、
(vii)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイド、
(viii)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)、
(ix)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症、
(x)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎、
(xi)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状(例、ガストリン分泌昂進など)、
(xii)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制、
(xiii)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢、
(xiv)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患、
(xv)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)、
(xvi)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成、
(xvii)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患、
(xviii)全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)、
(xix)痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症、
(xx)眼疾患(例、緑内障など)、
(xxi)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎、
(xxii)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症、
(xxiii)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)、
(xxiv)痛み、などが挙げられる。
【0089】
(5)アンチセンスポリヌクレオチドを含有する医薬
本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)に相補的に結合し、該ポリヌクレオチド(例、DNA)の発現を抑制することができる本発明のアンチセンスポリヌクレオチドは低毒性であり、生体内における本発明のレセプター蛋白質または本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)の機能を抑制することができるので、例えば、本発明のペプチドの過剰発現に起因する疾患の予防・治療剤として用いることができる。
具体的には、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドは、本発明のペプチドF、G、HまたはIの機能を阻害することができるので、本発明のペプチドF、G、HまたはIの活性を抑制する安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌阻害剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤、本発明のペプチドF、G、HまたはIの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤などとして有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドはプロラクチン分泌の調節剤として有用である。すなわち、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチドがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチは、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチは、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチは、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチは、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するアンチセンスポリヌクレオチは、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
【0090】
上記アンチセンスポリヌクレオチドを上記の治療・予防剤として使用する場合は、該アンチセンスポリヌクレオチドを、上記した本発明のポリヌクレオチドの場合と同様にして製剤化することができる。
このようにして得られる製剤は低毒性であり、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与することができる。
なお、該アンチセンスポリヌクレオチドは、そのままで、あるいは摂取促進用の補助剤などの生理学的に認められる担体とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与することもできる。
該アンチセンスポリヌクレオチドの投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより異なるが、例えば、癌の治療の目的で本発明のアンチセンスヌクレオチドを臓器(例、肝臓、肺、心臓、腎臓など)に局所投与する場合、成人(体重60 kg)に対して、一日あたり約0.1〜100 mgである。
さらに、該アンチセンスポリヌクレオチドは、組織や細胞における本発明のDNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
【0091】
本発明は、さらに
▲1▼本発明のペプチドをコードするRNAの一部とそれに相補的なRNAとを含有する二重鎖RNA、
▲2▼前記二重鎖RNAを含有してなる医薬、
▲3▼本発明のペプチドをコードするRNAの一部を含有するリボザイム、
▲4▼前記リボザイムを含有してなる医薬を提供する。
これらの二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)、リボザイムなどは、上記アンチセンスポリヌクレオチドと同様に、本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)の発現を抑制することができ、生体内における本発明のペプチド、G、HまたはIまたはそれをコードする本発明のポリヌクレオチド(例、DNA)の機能を抑制することができるので、例えば、本発明のペプチド、G、HまたはIの過剰発現に起因する疾患(例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌阻害剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤、本発明のペプチドF、G、HまたはIの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患)の予防・治療剤として用いることができる。
さらには、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムはプロラクチン分泌の調節作用剤として有用である。すなわち、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムがプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムがプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムは、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの畜産哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該畜産哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムは、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
また、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムは、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムは、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、該二重鎖RNA(RNAi;RNA interference法)またはリボザイムは、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
二重鎖RNAは、公知の方法(例、Nature, 411巻, 494頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。
リボザイムは、公知の方法(例、TRENDS in Molecular Medicine, 7巻, 221頁, 2001年)に準じて、本発明のポリヌクレオチドの配列を基に設計して製造することができる。例えば、本発明のペプチドをコードするRNAの一部に公知のリボザイムを連結することによって製造することができる。本発明のペプチドをコードするRNAの一部としては、公知のリボザイムによって切断され得る本発明のRNA上の切断部位に近接した部分(RNA断片)が挙げられる。
上記の二重鎖RNAまたはリボザイムを上記予防・治療剤として使用する場合、アンチセンスポリヌクレオチドと同様にして製剤化し、投与することができる。
【0092】
(6)本発明の抗体を含有する医薬
本発明のペプチドの活性を中和する作用を有する本発明の抗体は、例えば、本発明のペプチドの過剰発現に起因する疾患などの予防・治療薬などの医薬として使用することができる。
具体的には、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体は、本発明のペプチドFの機能を阻害することができるので、本発明のペプチドF、G、HまたはIの活性を抑制する安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌阻害剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤、本発明のペプチドF、G、HまたはIの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤などとして有用である。
また、本発明のペプチドFに対する抗体は、プロラクチン分泌の調節作用剤として有用である。すなわち、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体は、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体は、胎盤機能調節作用を有するため、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。また、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体は、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体は、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIに対する抗体は、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
【0093】
本発明の抗体を含有する上記疾患の治療・予防剤は、そのまま液剤として、または適当な剤型の医薬組成物として、ヒトまたは哺乳動物(例、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して経口的または非経口的に投与することができる。投与量は、投与対象、対象疾患、症状、投与ルートなどによっても異なるが、例えば、成人に使用する場合には、本発明の抗体を1回量として、通常0.01〜20mg/kg体重程度、好ましくは0.1〜10mg/kg体重程度、さらに好ましくは0.1〜5mg/kg体重程度を、1日1〜5回程度、好ましくは1日1〜3回程度、静脈注射により投与するのが好都合である。他の非経口投与および経口投与の場合もこれに準ずる量を投与することができる。症状が特に重い場合には、その症状に応じて増量してもよい。
本発明の抗体は、それ自体または適当な医薬組成物として投与することができる。上記投与に用いられる医薬組成物は、上記またはその塩と薬理学的に許容され得る担体、希釈剤もしくは賦形剤とを含むものである。かかる組成物は、経口または非経口投与に適する剤形として提供される。
すなわち、例えば、経口投与のための組成物としては、固体または液体の剤形、具体的には錠剤(糖衣錠、フィルムコーティング錠を含む)、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤(ソフトカプセル剤を含む)、シロップ剤、乳剤、懸濁剤などがあげられる。かかる組成物は自体公知の方法によって製造され、製剤分野において通常用いられる担体、希釈剤もしくは賦形剤を含有するものである。例えば、錠剤用の担体、賦形剤としては、乳糖、でんぷん、蔗糖、ステアリン酸マグネシウムなどが用いられる。
【0094】
非経口投与のための組成物としては、例えば、注射剤、坐剤などが用いられ、注射剤は静脈注射剤、皮下注射剤、皮内注射剤、筋肉注射剤、点滴注射剤などの剤形を包含する。かかる注射剤は、自体公知の方法に従って、例えば、上記抗体またはその塩を通常注射剤に用いられる無菌の水性もしくは油性液に溶解、懸濁または乳化することによって調製する。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン界面活性剤〔例、ポリソルベート80、HCO−50(polyoxyethylene(50mol)adduct of hydrogenated castor oil)〕などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤として安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどを併用してもよい。調製された注射液は、通常、適当なアンプルに充填される。直腸投与に用いられる坐剤は、上記抗体またはその塩を通常の坐薬用基剤に混合することによって調製される。
上記の経口用または非経口用医薬組成物は、活性成分の投与量に適合するような投薬単位の剤形に調製されることが好都合である。かかる投薬単位の剤形としては、錠剤、丸剤、カプセル剤、注射剤(アンプル)、坐剤などが例示され、それぞれの投薬単位剤形当たり通常5〜500mg、とりわけ注射剤では5〜100mg、その他の剤形では10〜250mgの上記抗体が含有されていることが好ましい。
なお前記した各組成物は、上記抗体との配合により好ましくない相互作用を生じない限り他の活性成分を含有してもよい。
【0095】
(7)DNA転移動物
本発明は、外来性の本発明のペプチドをコードするDNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、本発明は、
(i)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、
(ii)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(i)記載の動物、
(iii)ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第(ii)記載の動物、および
(iv)本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベクターを提供するものである。
本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、本発明のDNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法などにより目的とするDNAを転移することによって作出することができる。また、該DNA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により融合させることにより本発明のDNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6C3F1系統,BDF1系統,B6D2F1系統,BALB/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、Wistar,SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
【0096】
本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有している本発明のDNAではなく、いったん哺乳動物から単離・抽出された本発明のDNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元の本発明のDNAの塩基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれる。
該異常DNAとしては、異常な本発明のペプチドを発現させるDNAを意味し、例えば、正常な本発明のペプチドの機能を抑制するペプチドを発現させるDNAなどが用いられる。
本発明の外来性DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであってもよい。本発明のDNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高い本発明のDNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによって本発明のDNAを高発現するDNA転移哺乳動物を作出することができる。
【0097】
本発明のペプチドの発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリオファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記のDNA発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、▲1▼ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモーター、▲2▼各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
【0098】
その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結することも目的により可能である。
正常な本発明のペプチドの翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知の方法により調製された相補DNAを原料として取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞または組織より得られた正常なペプチドの翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有する。
本発明の外来性正常DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する。
導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0099】
本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的に本発明のペプチドの機能亢進症を発症することがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、本発明のペプチドの機能亢進症や、本発明のペプチドが関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、本発明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のペプチドの増加症状を有することから、本発明のペプチドに関連する疾患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
一方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科として用いることができる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
【0100】
本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的に本発明のペプチドの機能不活性型不応症となることがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、本発明のペプチドの機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DNA高発現動物は、本発明のペプチドの機能不活性型不応症における本発明の異常ペプチドによる正常ペプチドの機能阻害(dominant negative作用)を解明するモデルとなる。
また、本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離した本発明のペプチドの増加症状を有することから、本発明のペプチドまたはの機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
また、上記2種類の本発明のDNA転移動物のその他の利用可能性として、例えば、
▲1▼組織培養のための細胞源としての使用、
▲2▼本発明のDNA転移動物の組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、またはDNAにより発現されたペプチド組織を分析することによる、本発明のペプチドにより特異的に発現あるいは活性化するペプチドとの関連性についての解析、
▲3▼DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
▲4▼上記▲3▼記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスクリーニング、および
▲5▼本発明の変異ペプチドを単離精製およびその抗体作製などが考えられる。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のペプチドの機能不活性型不応症などを含む、本発明のペプチドに関連する疾患の臨床症状を調べることができ、また、本発明のペプチドに関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、本発明のDNA転移動物から各臓器を取り出し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素により、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さらに、本発明のペプチド産生細胞の特定化、アポトーシス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べることなどができ、本発明のペプチドおよびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、本発明のDNA転移動物を用いて、本発明のペプチドの機能不活性型不応症を含む、本発明のペプチドに関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。また、本発明のDNA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、本発明のペプチドが関連する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能である。
【0101】
(8)ノックアウト動物
本発明は、本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞および本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、本発明は、
(i)本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
(ii)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化された第(i)項記載の胚幹細胞、
(iii)ネオマイシン耐性である第(i)項記載の胚幹細胞、
(iv)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(i)項記載の胚幹細胞、
(v)ゲッ歯動物がマウスである第(iv)項記載の胚幹細胞、
(vi)本発明のDNAが不活性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
(vii)該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第(vi)項記載の非ヒト哺乳動物、
(viii)非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第(vi)項記載の非ヒト哺乳動物、(ix)ゲッ歯動物がマウスである第(viii)項記載の非ヒト哺乳動物、および
(x)第(vii)項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしている本発明のペプチドの活性を実質的に喪失させることにより、DNAが実質的に本発明のペプチドの発現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記する)をいう。
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNAに人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換させることによって行なうことができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
【0102】
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、本発明のDNA不活性化ES細胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有する本発明のDNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞について本発明のDNA上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使用した本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
また、相同組換え法等により本発明のDNAを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDF1マウス(C57BL/6とDBA/2とのF1)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BDF1マウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
【0103】
ES細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげることができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするのに約106個の細胞数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バンディング法による染色体数の確認等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1〜10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001〜0.5%トリプシン/0.1〜5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。このような継代は、通常1〜3日毎に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られる本発明のDNA発現不全細胞は、インビトロにおける本発明のペプチドまたは本発明のレセプター蛋白質の細胞生物学的検討において有用である。
【0104】
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベクターの本発明のDNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上の本発明のDNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、本発明のDNAをノックアウトさせることができる。
本発明のDNAがノックアウトされた細胞は、本発明のDNA上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来の本発明のDNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、本発明のDNAが不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常な本発明のDNA座をもつ細胞と人為的に変異した本発明のDNA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異した本発明のDNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えた本発明のDNA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常、本発明のペプチドのヘテロ発現不全個体であり、本発明のペプチドのヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔から本発明のペプチドのホモ発現不全個体を得ることができる。
【0105】
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子相同組換えにより本発明のDNA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにして本発明のDNAがノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。
本発明のDNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のペプチドにより誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、本発明のペプチドの生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
【0106】
(8a)本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニング方法
本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とする、本発明のDNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられる本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
具体的には、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0107】
該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、該試験動物の機能が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上低下した場合、該試験化合物を上記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として選択することができる。
具体的には、本発明のペプチドが、本発明のペプチドF、G、HまたはIである場合、該化合物を例えば、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤、または中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)の予防・治療剤などとして使用することができる。
また、該化合物はプロラクチン分泌の調節作用剤として有用である。すなわち、該化合物がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、該化合物がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
該化合物がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、該化合物がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、該化合物は、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの畜産哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該畜産哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、該化合物は、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
また、該化合物は、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、該化合物は、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、該化合物は、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Shortbowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
【0108】
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のペプチドの欠損や損傷などによって引き起こされる疾患に対して治療・予防効果を有するので、該疾患に対する安全で低毒性な治療・予防剤などの医薬として使用することができる。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のペプチドを含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する場合、一般的に成人患者(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で通常成人患者(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0109】
(8b)本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニング方法
本発明は、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とする本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記した本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、本発明のDNAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。
試験化合物としては、前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
本発明のDNAをレポーター遺伝子で置換された本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子が本発明のDNAに対するプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、本発明のペプチドをコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、本発明のペプチドの発現する組織で、本発明のペプチドの代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便に本発明のペプチドの動物生体内における発現状態を観察することができる。具体的には、本発明のペプチド欠損マウスまたはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
【0110】
本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、本発明のペプチドの発現を促進し、該ペプチドの機能を促進することができるので、例えば、本発明のペプチドの機能不全に関連する疾患などの予防・治療剤などの医薬として有用である。
より具体的には、本発明のペプチドが、本発明のペプチドF、G、HまたはIである場合、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌調節剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、本発明のペプチドFの活性を促進する安全で低毒性な医薬、例えば、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)の予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌促進剤などとして有用である。
一方、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、本発明のペプチドFの活性を抑制する安全で低毒性な医薬、例えば、本発明のペプチドFの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌阻害剤などとして有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、プロラクチン分泌の調節作用剤として有用である。すなわち、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進剤として、プロラクチン分泌不全に関係する各種疾患、例えば、卵巣機能低下症、精嚢発育不全、骨粗鬆症、更年期障害、乳汁分泌不全、甲状腺機能低下、腎不全などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌促進作用を有する場合は、プロラクチン分泌促進作用に基づく性欲促進作用(フェロモン的作用)を有するため、性欲促進剤としても有用である。
本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制剤として、プロラクチン過剰分泌に関係する各種疾患、例えば、高プロラクチン血症、下垂体腺腫瘍、間脳腫瘍、月経異常、ストレス、自己免疫疾患、プロラクチノーマ、不妊症、インポテンス、無月経症、乳汁漏症、末端肥大症、キアリ・フロンメル(Chiari-Frommel)症候群、アルゴンツ-デル・カスティロ(Argonz-del Castilo)症候群、フォーベス・アルブライト(Forbes-Albright)症候群、乳癌リンパ腫またはシーハン症候群または精子形成異常などのプロラクチン分泌に関係する各種疾患の予防および治療薬として有用である。さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩がプロラクチン分泌抑制作用を有する場合は、プロラクチン分泌抑制作用に基づいて、避妊薬としても有用である。
その他、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、プロラクチン分泌機能を調べるための検査薬としても、また、ウシ、ヤギ、ブタなどの畜産哺乳動物の乳汁の分泌促進剤などの動物薬としても有用であり、さらには該畜産哺乳動物体内で有用物質を生産させ、これをその乳汁中への分泌することによる有用物質生産などへの応用できる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、絨毛癌、胞状奇胎、侵入奇胎、流産、胎児の発育不全、糖代謝異常、脂質代謝異常または分娩誘発の予防または治療薬としても有用である。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、例えば、高血圧、自己免疫疾患、心不全、白内障、緑内障、急性バクテリア髄膜炎,急性心筋梗塞,急性膵炎,急性ウイルス脳炎,成人呼吸促迫症候群,アルコール性肝炎,アルツハイマー病,喘息,動脈硬化,アトピー性皮膚炎,バクテリア肺炎,膀胱がん,骨折,乳がん,過食症,多食症,火傷治癒,子宮頸部がん,慢性リンパ性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性膵炎,肝硬変,大腸がん(結腸/直腸がん),クローン病,痴呆,糖尿病性合併症,糖尿病性腎症,糖尿病性神経障害,糖尿病性網膜症,胃炎,ヘリコバクター・ピロリ感染症,肝不全,A型肝炎,B型肝炎,C型肝炎,肝炎,単純ヘルペスウイルス感染症,水痘帯状疱疹ウイルス感染症,ホジキン病,エイズ感染症,ヒトパピローマウイルス感染症,高カルシウム血症,高コレステロール血症,高グリセリド血症,高脂血症,感染症,インフルエンザ感染症,インシュリン依存性糖尿病(I型),侵襲性ブドウ状球菌感染症,悪性黒色腫,がん転移,多発性骨髄腫,アレルギー性鼻炎,腎炎,非ホジキン性リンパ腫,インシュリン非依存性糖尿病(II型),非小細胞肺がん,臓器移植,骨関節炎,骨軟化症,骨減少症,骨粗鬆症,卵巣がん,骨ペーチェット病,消化性潰瘍,末梢血管疾患,前立腺がん,逆流性食道炎,腎不全,リウマチ関節炎,精神分裂症,敗血症,敗血症ショック,重症全身性真菌感染症,小細胞肺がん,脊髄損傷,胃がん,全身性エリテマトーサス,一過性脳虚血発作,結核,心弁膜症,血管性/多発梗塞痴呆,創傷治癒,不眠症,関節炎、下垂体ホルモン分泌不全、瀕尿、尿毒症、または神経変成疾患等の疾病の治療・予防剤などの医薬として有用できる。
また、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、MACULAR EDEMA CYSTOID(嚢胞状黄斑浮腫)の疾病の治療・予防剤などの医薬として使用することができる。
さらに、本発明のペプチドF、G、HまたはIをコードするDNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、例えば、(1)先端巨大症、TSH産生腫瘍、非分泌性(非機能性)下垂体腫瘍、異所性ACTH(アドレノコルチコトロピン)産生腫瘍、髄様甲状腺癌、VIP産生腫瘍、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍、インスリノーマ、カルチノイドなどの腫瘍の治療薬、(2)インスリン依存性または非依存性糖尿病、あるいはこれら糖尿病に関連した種々の疾患、すなわち糖尿病合併症(例、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、糖尿病性神経障害、ドーン症候群、起立性低血圧症など)の治療薬、(3)高インスリン血症の改善または食欲の抑制などによる肥満、過食症などの治療薬、(4)急性膵炎、慢性膵炎、膵臓・腸フィステル、出血性潰瘍、消化性潰瘍、胃炎、胃酸過多症、逆流性食道炎などの治療薬、(5)ヘリコバクター・ピロリ菌感染に伴う様々な症状の改善剤(例、ガストリン分泌昂進の抑制剤など)、(6)内視鏡胆道膵管造影に伴うアミラーゼの分泌抑制剤、さらには膵臓外科手術の予後治療薬、(7)小腸の吸収能低下、分泌昂進または消化管の運動能異常に起因する下痢(例、Short bowel症候群など)、癌化学療法などの薬物に起因する下痢、先天性小腸萎縮に起因する下痢、VIP産生腫瘍などの神経内分泌腫瘍に起因する下痢、AIDSに起因する下痢、骨髄移植などに伴う対宿主移植片反応に起因する下痢、糖尿病に起因する下痢、腹腔神経叢遮断に起因する下痢、全身性硬化症に起因する下痢、好酸球増加症に起因する下痢などの治療薬、(8)ダンピング症候群、過敏性大腸炎、クローン病、炎症性腸疾患などの治療薬、(9)腫瘍または癌(例、甲状腺癌、大腸癌、乳癌、前立腺癌、小細胞肺癌、非小細胞肺癌、膵臓癌、胃癌、胆管癌、肝臓癌、膀胱癌、卵巣癌、メラノーマ、骨肉腫、軟骨肉腫、悪性褐色細胞腫、神経芽細胞腫、脳腫瘍、胸腺腫、腎臓癌など)、白血病(例、好塩基性白血球の白血病・慢性リンパ性白血病、慢性骨髄性白血病、ホジキン病、非ホジキン性リンパ腫など)などの治療薬;該治療薬は、単独または他の制癌剤(例、タモキシフエン、LHRHアゴニスト、LHRHアンタゴニスト、インターフェロン−α、βおよびγ、インターロイキン−2など)と併用して用いることができる、(10)肥大性心筋症、動脈硬化症、心弁膜症、心筋梗塞(特に、経皮経管冠動脈形成術後の心解梗塞)、再血管形成の予防・治療薬、(11)食道静脈癌出血、肝硬変、末梢血管疾患の治療薬、(12)免疫系に作用する生理活性物質(例、サブスタンスP、タヒキニン、サイトカインなど)の分泌の調節作用に基づき、例えば、全身性または局所性の炎症に伴う疾患(例、多発性動脈炎、リュウマチ性関節炎、乾せん、日焼け、湿疹、アレルギー(例、喘息、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)など)の治療薬、(13)神経調節因子の産生・分泌に影響を及ぼすことから、例えば、痴呆症(例、アルツハイマー病、アルツハイマー型老年期痴呆、血管性・多発性痴呆など)、精神分裂症、てんかん、うつ病、一般不安障害、睡眠障害、多発性硬化症などの治療薬、(14)眼疾患(例、緑内障など)などの治療薬、(15)急性バクテリア髄膜炎、急性ウイルス脳炎、成人呼吸促迫症候群、バクテリア肺炎、重症全身性真菌感染症、結核、脊髄損傷、骨折、肝不全、肺炎、アルコール性肝炎、A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、AIDS感染症、ヒトパピローマウイルス感染症、インフルエンザ感染症、癌転移、多発性骨髄腫、骨軟化症、骨粗しょう症、骨ベーチェット症、腎炎、腎不全、敗血症、敗血症ショック、高カルシウム血症、高コレステロール血症、高グリセリド血症、高脂血症、全身性エリテマトーサス、一過性脳虚血発作、アルコール性肝炎などの予防・治療薬として有用であり、(16)臓器移植、火傷、創傷、脱毛症などの治癒などにも用いられ、(17)慢性あるいは急性疼痛(例、術後疼痛、炎症性疼痛、歯痛、骨疾患(例、関節炎、リウマチ、骨粗鬆症など)にともなう疼痛)の抑制・緩和など、鎮痛剤としても有用である。
【0111】
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記した本発明のペプチドまたはその塩を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に成人患者(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常成人患者(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
一方、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物を経口投与する場合、一般的に成人患者(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、本発明のDNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物を注射剤の形で通常成人患者(60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
このように、本発明のDNA発現不全非ヒト哺乳動物は、本発明のDNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、本発明のDNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、本発明のペプチドのプロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に種々のタンパクをコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にそのペプチドを合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、本発明のペプチドそのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。
【0112】
AQ27受容体に対する抗体、AQ27受容体をコードするDNAと相補的な塩基配列またはその一部を含有してなるアンチセンスポリヌクレオチド(アンチセンスDNA)は、WO01/16313号に記載の方法に準じて製造することができる。
AQ27受容体、AQ27受容体をコードするDNA(以下、AQ27受容体DNAと略記する場合がある)、AQ27受容体に対する抗体(以下、本発明の抗体と略記する場合がある)、AQ27受容体DNAに対するアンチセンスDNA(以下、本発明のアンチセンスDNAと略記する場合がある)は、以下の用途を有している。
【0113】
(1)AQ27受容体の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤
a)AQ27受容体またはb)AQ27受容体をコードするDNAを、AQ27受容体の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤などの医薬として使用することができる。
例えば、生体内においてAQ27受容体が減少しているために、リガンドである脂肪酸の生理作用が期待できない(AQ27受容体の欠乏症)患者がいる場合に、a)AQ27受容体を該患者に投与し該AQ27受容体の量を補充したり、b)(イ)AQ27受容体をコードするDNAを該患者に投与し発現させることによって、あるいは(ロ)対象となる細胞にAQ27受容体をコードするDNAを挿入し発現させた後に、該細胞を該患者に移植することなどによって、患者の体内におけるAQ27受容体の量を増加させ、リガンドの作用を充分に発揮させることができる。すなわち、AQ27受容体をコードするDNAは、安全で低毒性なAQ27受容体の機能不全に関連する疾患の予防および/または治療剤などとして有用である。
具体的には、AQ27受容体またはAQ27受容体DNAは、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌促進剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、AQ27受容体またはAQ27受容体DNAは、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)の予防・治療剤などとして有用である。
AQ27受容体を上記予防・治療剤として使用する場合は、常套手段に従って製剤化することができる。
一方、AQ27受容体DNAを上記予防・治療剤として使用する場合は、AQ27受容体DNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。AQ27受容体DNAは、そのままで、あるいは摂取促進のための補助剤とともに、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
例えば、a)AQ27受容体またはb)AQ27受容体DNAは、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、a)AQ27受容体またはb)AQ27受容体DNAを生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
【0114】
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
【0115】
また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
AQ27受容体の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
AQ27受容体DNAの投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0116】
(2)遺伝子診断剤
AQ27受容体DNAおよびアンチセンスDNAは、プローブとして使用することにより、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)におけるAQ27受容体またはその部分ペプチドをコードするDNAまたはmRNAの異常(遺伝子異常)を検出することができるので、例えば、該DNAまたはmRNAの損傷、突然変異あるいは発現低下や、該DNAまたはmRNAの増加あるいは発現過多などの遺伝子診断剤として有用である。
AQ27受容体DNAまたはアンチセンスDNAを用いる上記の遺伝子診断は、例えば、自体公知のノーザンハイブリダイゼーションやPCR−SSCP法(ゲノミックス(Genomics),第5巻,874〜879頁(1989年)、プロシージングズ・オブ・ザ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンシイズ・オブ・ユーエスエー(Proceedings of the National Academy of Sciences of the United States of America),第86巻,2766〜2770頁(1989年))などにより実施することができる。
例えば、ノーザンハイブリダイゼーションによりAQ27受容体の発現低下が検出された場合は、例えば、AQ27受容体の機能不全に関連する疾患である可能性が高いまたは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、ノーザンハイブリダイゼーションによりAQ27受容体の発現過多が検出された場合は、例えば、AQ27受容体の過剰発現に起因する疾患である可能性が高いまたは将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
AQ27受容体の機能不全に関連する疾患としては、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)などが挙げられる。
AQ27受容体の過剰発現に起因する疾患としては、例えば、AQ27受容体の過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患などが挙げられる。
【0117】
(3)AQ27受容体の発現量を変化させる化合物を含有する医薬
AQ27受容体DNAは、プローブとして用いることにより、AQ27受容体の発現量を変化させる化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、例えば、(i)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞、または(ii)形質転換体等に含まれるAQ27受容体のmRNA量を測定することによる、AQ27受容体の発現量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
AQ27受容体のmRNA量の測定は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。
得られた細胞に含まれるAQ27受容体のmRNAは、例えば、通常の方法により細胞等からmRNAを抽出し、例えば、TaqManPCRなどの手法を用いることにより定量することができ、自体公知の手段によりノザンブロットを行うことにより解析することもできる。
(ii)AQ27受容体を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、該形質転換体に含まれるAQ27受容体のmRNAを同様にして定量、解析することができる。
【0118】
AQ27受容体の発現量を変化させる化合物のスクリーニングは、
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、細胞に含まれるAQ27受容体のmRNA量を定量、解析することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より好ましくは2日後〜3日後)、該形質転換体に含まれるAQ27受容体のmRNA量を定量、解析することにより行なうことができる。
【0119】
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、AQ27受容体の発現量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)AQ27受容体の発現量を増加させることにより、AQ27受容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など)を増強させる化合物、(ロ)AQ27受容体の発現量を減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
上記スクリーニング方法で得られるAQ27受容体の発現量を変化させる化合物は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌調節剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、AQ27受容体の発現量を増加させ、細胞刺激活性を増強させる化合物は、AQ27受容体の機能不全に関連する疾患、例えば、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)に対する安全で低毒性な予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌促進剤などとして有用である。
AQ27受容体の発現量を減少させ、細胞刺激活性を減弱させる化合物は、AQ27受容体の発現過多に起因する疾患、例えば、AQ27受容体の過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌阻害剤などとして有用である。
【0120】
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、該化合物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
【0121】
また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0122】
(4)AQ27受容体の定量法および診断方法
本発明の抗体は、AQ27受容体を特異的に認識することができるので、被検液中のAQ27受容体の定量、特にサンドイッチ免疫測定法による定量などに使用することができる。
すなわち、本発明は、
(i)本発明の抗体と、被検液および標識化されたAQ27受容体とを競合的に反応させ、該抗体に結合した標識化されたAQ27受容体の割合を測定することを特徴とする被検液中のAQ27受容体の定量法、および
(ii)被検液と担体上に不溶化した本発明の抗体および標識化された本発明の別の抗体とを同時あるいは連続的に反応させたのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することを特徴とする被検液中のAQ27受容体の定量法を提供する。
【0123】
上記(ii)の定量法においては、一方の抗体がAQ27受容体のN端部を認識する抗体で、他方の抗体がAQ27受容体のC端部に反応する抗体であることが望ましい。
また、AQ27受容体に対するモノクローナル抗体を用いてAQ27受容体の定量を行うことができるほか、組織染色等による検出を行なうこともできる。これらの目的には、抗体分子そのものを用いてもよく、また、抗体分子のF(ab')、Fab'、あるいはFab画分を用いてもよい。
本発明の抗体を用いるAQ27受容体の定量法は、 特に制限されるべきものではなく、被測定液中の抗原量(例えば、AQ27受容体量)に対応した抗体、抗原もしくは抗体−抗原複合体の量を化学的または物理的手段により検出し、これを既知量の抗原を含む標準液を用いて作製した標準曲線より算出する測定法であれば、いずれの測定法を用いてもよい。例えば、ネフロメトリー、競合法、イムノメトリック法およびサンドイッチ法が好適に用いられるが、感度、特異性の点で、後述するサンドイッチ法を用いるのが特に好ましい。
【0124】
標識物質を用いる測定法に用いられる標識剤としては、例えば、放射性同位元素、酵素、蛍光物質、発光物質などが用いられる。放射性同位元素としては、例えば、〔125I〕、〔131I〕、〔H〕、〔14C〕などが用いられる。上記酵素としては、安定で比活性の大きなものが好ましく、例えば、β−ガラクトシダーゼ、β−グルコシダーゼ、アルカリフォスファターゼ、パーオキシダーゼ、リンゴ酸脱水素酵素などが用いられる。蛍光物質としては、例えば、フルオレスカミン、フルオレッセンイソチオシアネートなどが用いられる。発光物質としては、例えば、ルミノール、ルミノール誘導体、ルシフェリン、ルシゲニンなどが用いられる。さらに、抗体あるいは抗原と標識剤との結合にビオチン−アビジン系を用いることもできる。
抗原あるいは抗体の不溶化に当っては、物理吸着を用いてもよく、また通常AQ27受容体あるいは酵素等を不溶化、固定化するのに用いられる化学結合を用いる方法でもよい。担体としては、アガロース、デキストラン、セルロースなどの不溶性多糖類、ポリスチレン、ポリアクリルアミド、シリコン等の合成樹脂、あるいはガラス等があげられる。
サンドイッチ法においては不溶化した本発明のモノクローナル抗体に被検液を反応させ(1次反応)、さらに標識化した別の本発明のモノクローナル抗体を反応させ(2次反応)たのち、不溶化担体上の標識剤の活性を測定することにより被検液中のAQ27受容体量を定量することができる。1次反応と2次反応は逆の順序に行っても、また、同時に行なってもよいし時間をずらして行なってもよい。標識化剤および不溶化の方法は前記のそれらに準じることができる。また、サンドイッチ法による免疫測定法において、固相用抗体あるいは標識用抗体に用いられる抗体は必ずしも1種類である必要はなく、測定感度を向上させる等の目的で2種類以上の抗体の混合物を用いてもよい。
【0125】
本発明のサンドイッチ法によるAQ27受容体の測定法においては、1次反応と2次反応に用いられる本発明のモノクローナル抗体は、AQ27受容体の結合する部位が相異なる抗体が好ましく用いられる。すなわち、1次反応および2次反応に用いられる抗体は、例えば、2次反応で用いられる抗体が、AQ27受容体のC端部を認識する場合、1次反応で用いられる抗体は、好ましくはC端部以外、例えばN端部を認識する抗体が用いられる。
本発明のモノクローナル抗体をサンドイッチ法以外の測定システム、例えば、競合法、イムノメトリック法あるいはネフロメトリーなどに用いることができる。
競合法では、被検液中の抗原と標識抗原とを抗体に対して競合的に反応させたのち、未反応の標識抗原(F)と、抗体と結合した標識抗原(B)とを分離し(B/F分離)、B,Fいずれかの標識量を測定し、被検液中の抗原量を定量する。本反応法には、抗体として可溶性抗体を用い、B/F分離をポリエチレングリコール、前記抗体に対する第2抗体などを用いる液相法、および、第1抗体として固相化抗体を用いるか、あるいは、第1抗体は可溶性のものを用い第2抗体として固相化抗体を用いる固相化法とが用いられる。
イムノメトリック法では、被検液中の抗原と固相化抗原とを一定量の標識化抗体に対して競合反応させた後固相と液相を分離するか、あるいは、被検液中の抗原と過剰量の標識化抗体とを反応させ、次に固相化抗原を加え未反応の標識化抗体を固相に結合させたのち、固相と液相を分離する。次に、いずれかの相の標識量を測定し被検液中の抗原量を定量する。
また、ネフロメトリーでは、ゲル内あるいは溶液中で抗原抗体反応の結果生じた不溶性の沈降物の量を測定する。被検液中の抗原量が僅かであり、少量の沈降物しか得られない場合にもレーザーの散乱を利用するレーザーネフロメトリーなどが好適に用いられる。
これら個々の免疫学的測定法を本発明の定量方法に適用するにあたっては、特別の条件、操作等の設定は必要とされない。それぞれの方法における通常の条件、操作法に当業者の通常の技術的配慮を加えてAQ27受容体の測定系を構築すればよい。これらの一般的な技術手段の詳細については、総説、成書などを参照することができる。
例えば、入江 寛編「ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和49年発行)、入江 寛編「続ラジオイムノアッセイ」(講談社、昭和54年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(医学書院、昭和53年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第2版)(医学書院、昭和57年発行)、石川栄治ら編「酵素免疫測定法」(第3版)(医学書院、昭和62年発行)、「Methods in ENZYMOLOGY」 Vol. 70(Immunochemical Techniques(Part A))、 同書 Vol. 73(Immunochemical Techniques(Part B))、 同書 Vol. 74(Immunochemical Techniques(Part C))、 同書 Vol. 84(Immunochemical Techniques(Part D : Selected Immunoassays))、 同書 Vol. 92(Immunochemical Techniques(Part E : Monoclonal Antibodies and General Immunoassay Methods))、 同書 Vol. 121(Immunochemical Techniques(Part I : Hybridoma Technology and Monoclonal Antibodies))(以上、アカデミックプレス社発行)などを参照することができる。
以上のようにして、本発明の抗体を用いることによって、AQ27受容体を感度良く定量することができる。
【0126】
さらには、本発明の抗体を用いてAQ27受容体の濃度を定量することによって、AQ27受容体の濃度の減少が検出された場合、例えば、AQ27受容体の機能不全に関連する疾患である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
また、AQ27受容体の濃度の増加が検出された場合には、例えば、AQ27受容体の過剰発現に起因する疾患である、または将来罹患する可能性が高いと診断することができる。
AQ27受容体の機能不全に関連する疾患としては、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)などが挙げられる。
AQ27受容体の過剰発現に起因する疾患としては、例えば、AQ27受容体の過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患などが挙げられる。
【0127】
(5)細胞膜におけるAQ27受容体またはその部分ペプチドの量を変化させる化合物を含有する医薬
本発明の抗体は、AQ27受容体を特異的に認識することができるので、細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち本発明は、例えば、
(i)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれるAQ27受容体を定量することによる、細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(ii)AQ27受容体を発現する形質転換体等を破壊した後、細胞膜画分を単離し、細胞膜画分に含まれるAQ27受容体を定量することによる、細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる化合物のスクリーニング方法、
(iii)非ヒト哺乳動物のa)血液、b)特定の臓器、c)臓器から単離した組織もしくは細胞等を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することによる、細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
(iv)AQ27受容体を発現する形質転換体等を切片とした後、免疫染色法を用いることにより、細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することによる、細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる化合物のスクリーニング方法を提供する。
【0128】
細胞膜画分に含まれるAQ27受容体の定量は具体的には以下のようにして行なう。
(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細胞等を、例えば、適当な緩衝液(例えば、トリス塩酸緩衝液、リン酸緩衝液、ヘペス緩衝液など)等に懸濁し、臓器、組織あるいは細胞を破壊し、界面活性剤(例えば、トリトンX100TM、ツイーン20TMなど)などを用い、さらに遠心分離や濾過、カラム分画などの手法を用いて細胞膜画分を得る。
細胞膜画分としては、細胞を破砕した後、それ自体公知の方法で得られる細胞膜が多く含まれる画分のことをいう。細胞の破砕方法としては、Potter−Elvehjem型ホモジナイザーで細胞を押し潰す方法、ワーリングブレンダーやポリトロン(Kinematica社製)のよる破砕、超音波による破砕、フレンチプレスなどで加圧しながら細胞を細いノズルから噴出させることによる破砕などが挙げられる。細胞膜の分画には、分画遠心分離法や密度勾配遠心分離法などの遠心力による分画法が主として用いられる。例えば、細胞破砕液を低速(500rpm〜3000rpm)で短時間(通常、約1分〜10分)遠心し、上清をさらに高速(15000rpm〜30000rpm)で通常30分〜2時間遠心し、得られる沈澱を膜画分とする。該膜画分中には、発現したAQ27受容体と細胞由来のリン脂質や膜蛋白質などの膜成分が多く含まれる。
細胞膜画分に含まれるAQ27受容体は、例えば、本発明の抗体を用いたサンドイッチ免疫測定法、ウエスタンブロット解析などにより定量することができる。
かかるサンドイッチ免疫測定法は上記の方法と同様にして行なうことができ、ウエスタンブロットは自体公知の手段により行なうことができる。
(ii)AQ27受容体を発現する形質転換体を上記の方法に従い作製し、細胞膜画分に含まれるAQ27受容体を定量することができる。
【0129】
細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる化合物のスクリーニングは、(i)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物に対して、薬剤あるいは物理的ストレスなどを与える一定時間前(30分前〜24時間前、好ましくは30分前〜12時間前、より好ましくは1時間前〜6時間前)もしくは一定時間後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、または薬剤あるいは物理的ストレスと同時に被検化合物を投与し、投与後一定時間経過後(30分後〜3日後、好ましくは1時間後〜2日後、より好ましくは1時間後〜24時間後)、細胞膜におけるAQ27受容体の量を定量することにより行なうことができ、
(ii)形質転換体を常法に従い培養する際に被検化合物を培地中に混合させ、一定時間培養後(1日後〜7日後、好ましくは1日後〜3日後、より好ましくは2日後〜3日後)、細胞膜におけるAQ27受容体の量を定量することにより行なうことができる。
細胞膜画分に含まれるAQ27受容体の確認は具体的には以下のようにして行なう。
(iii)正常あるいは疾患モデル非ヒト哺乳動物(例えば、マウス、ラット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど、より具体的には痴呆ラット、肥満マウス、動脈硬化ウサギ、担癌マウスなど)に対して、薬剤(例えば、抗痴呆薬、血圧低下薬、抗癌剤、抗肥満薬など)あるいは物理的ストレス(例えば、浸水ストレス、電気ショック、明暗、低温など)などを与え、一定時間経過した後に、血液、あるいは特定の臓器(例えば、脳、肝臓、腎臓など)、または臓器から単離した組織、あるいは細胞を得る。得られた臓器、組織または細胞等を、常法に従い組織切片とし、本発明の抗体を用いて免疫染色を行う。細胞表層での該受容体蛋白質の染色度合いを定量化することにより、細胞膜上の該蛋白質を確認することにより、定量的または定性的に、細胞膜におけるAQ27受容体の量を確認することができる。
(iv)AQ27受容体を発現する形質転換体等を用いて同様の手段をとることにより確認することもできる。
【0130】
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、細胞膜におけるAQ27受容体の量を変化させる作用を有する化合物であり、具体的には、(イ)細胞膜におけるAQ27受容体の量を増加させることにより、G蛋白質共役型レセプターを介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など)を増強させる化合物、(ロ)細胞膜におけるAQ27受容体の量を減少させることにより、該細胞刺激活性を減弱させる化合物である。
該化合物としては、ペプチド、蛋白、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物などが挙げられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
該化合物は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌調節剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
また、細胞膜におけるAQ27受容体の量を増加させることにより、細胞刺激活性を増強させる化合物は、AQ27受容体の機能不全に関連する疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌促進剤などとして有用である。
細胞膜におけるAQ27受容体の量を減少させることにより、細胞刺激活性を減弱させる化合物は、AQ27受容体の発現過多に起因する疾患に対する安全で低毒性な予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌阻害剤として有用である。
AQ27受容体の機能不全に関連する疾患としては、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)などが挙げられる。
AQ27受容体の過剰発現に起因する疾患としては、例えば、AQ27受容体の過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患などが挙げられる。
本発明のスクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩を医薬組成物として使用する場合、常套手段に従って製剤化することができる。
例えば、該化合物は、必要に応じて糖衣を施した錠剤、カプセル剤、エリキシル剤、マイクロカプセル剤などとして経口的に、あるいは水もしくはそれ以外の薬学的に許容し得る液との無菌性溶液、または懸濁液剤などの注射剤の形で非経口的に使用できる。例えば、該化合物を生理学的に認められる公知の担体、香味剤、賦形剤、ベヒクル、防腐剤、安定剤、結合剤などとともに一般に認められた製剤実施に要求される単位用量形態で混和することによって製造することができる。これら製剤における有効成分量は指示された範囲の適当な容量が得られるようにするものである。
【0131】
錠剤、カプセル剤などに混和することができる添加剤としては、例えば、ゼラチン、コーンスターチ、トラガント、アラビアゴムのような結合剤、結晶性セルロースのような賦形剤、コーンスターチ、ゼラチン、アルギン酸などのような膨化剤、ステアリン酸マグネシウムのような潤滑剤、ショ糖、乳糖またはサッカリンのような甘味剤、ペパーミント、アカモノ油またはチェリーのような香味剤などが用いられる。調剤単位形態がカプセルである場合には、上記タイプの材料にさらに油脂のような液状担体を含有することができる。注射のための無菌組成物は注射用水のようなベヒクル中の活性物質、胡麻油、椰子油などのような天然産出植物油などを溶解または懸濁させるなどの通常の製剤実施に従って処方することができる。注射用の水性液としては、例えば、生理食塩水、ブドウ糖やその他の補助薬を含む等張液(例えば、D−ソルビトール、D−マンニトール、塩化ナトリウムなど)などが用いられ、適当な溶解補助剤、例えば、アルコール(例、エタノール)、ポリアルコール(例、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール)、非イオン性界面活性剤(例、ポリソルベート80TM、HCO−50)などと併用してもよい。油性液としては、例えば、ゴマ油、大豆油などが用いられ、溶解補助剤である安息香酸ベンジル、ベンジルアルコールなどと併用してもよい。
また、上記予防・治療剤は、例えば、緩衝剤(例えば、リン酸塩緩衝液、酢酸ナトリウム緩衝液)、無痛化剤(例えば、塩化ベンザルコニウム、塩酸プロカインなど)、安定剤(例えば、ヒト血清アルブミン、ポリエチレングリコールなど)、保存剤(例えば、ベンジルアルコール、フェノールなど)、酸化防止剤などと配合してもよい。調製された注射液は通常、適当なアンプルに充填される。
このようにして得られる製剤は安全で低毒性であるので、例えば、ヒトや哺乳動物(例えば、ラット、マウス、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、投与対象、対象臓器、症状、投与方法などにより差異はあるが、経口投与の場合、一般的に例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mgである。非経口的に投与する場合は、その1回投与量は投与対象、対象臓器、症状、投与方法などによっても異なるが、例えば、注射剤の形では通常例えば、糖尿病患者(60kgとして)においては、一日につき約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0132】
(6)AQ27受容体に対する抗体を含有してなる医薬
AQ27受容体に対する抗体の中和活性とは、該AQ27受容体の関与するシグナル伝達機能を不活性化する活性を意味する。従って、該抗体が中和活性を有する場合は、該AQ27受容体の関与するシグナル伝達、例えば、該AQ27受容体を介する細胞刺激活性(例えば、アラキドン酸遊離、アセチルコリン遊離、細胞内Ca2+遊離、細胞内cAMP生成、細胞内cGMP生成、イノシトールリン酸産生、細胞膜電位変動、細胞内蛋白質のリン酸化、c−fosの活性化、pHの低下などを促進する活性または抑制する活性など)を不活性化することができる。
したがって、AQ27受容体に対する中和抗体は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌阻害剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調、またはAQ27受容体の過剰発現などに起因する疾患、例えば、本発明のペプチドFの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤などとして有用である。
【0133】
(7)本発明のアンチセンスDNAを含有してなる医薬
本発明のアンチセンスDNAは、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌阻害剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調、またはAQ27受容体の過剰発現などに起因する疾患、例えば、本発明のペプチドFの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患の予防・治療剤などとして用いることができる。
例えば、該アンチセンスDNAを用いる場合、該アンチセンスDNAを単独あるいはレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノウイルスアソシエーテッドウイルスベクターなどの適当なベクターに挿入した後、常套手段に従って実施することができる。該アンチセンスDNAは、そのままで、あるいは摂取促進のために補助剤などの生理学的に認められる担体とともに製剤化し、遺伝子銃やハイドロゲルカテーテルのようなカテーテルによって投与できる。
さらに、該アンチセンスDNAは、組織や細胞におけるAQ27受容体DNAの存在やその発現状況を調べるための診断用オリゴヌクレオチドプローブとして使用することもできる。
【0134】
(8)AQ27受容体DNA導入動物の作製
本発明は、外来性のAQ27受容体DNA(以下、本発明の外来性DNAと略記する)またはその変異DNA(本発明の外来性変異DNAと略記する場合がある)を有する非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、本発明は、
〔1〕本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物、
〔2〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔1〕記載の動物、
〔3〕ゲッ歯動物がマウスまたはラットである第〔2〕記載の動物、および
〔4〕本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを含有し、哺乳動物において発現しうる組換えベクターを提供するものである。
本発明の外来性DNAまたはその変異DNAを有する非ヒト哺乳動物(以下、AQ27受容体DNA転移動物と略記する)は、未受精卵、受精卵、精子およびその始原細胞を含む胚芽細胞などに対して、好ましくは、非ヒト哺乳動物の発生における胚発生の段階(さらに好ましくは、単細胞または受精卵細胞の段階でかつ一般に8細胞期以前)に、リン酸カルシウム法、電気パルス法、リポフェクション法、凝集法、マイクロインジェクション法、パーティクルガン法、DEAE−デキストラン法などにより目的とするDNAを転移することによって作出することができる。また、該DNA転移方法により、体細胞、生体の臓器、組織細胞などに目的とする本発明の外来性DNAを転移し、細胞培養、組織培養などに利用することもでき、さらに、これら細胞を上述の胚芽細胞と自体公知の細胞融合法により融合させることによりAQ27受容体DNA転移動物を作出することもできる。
非ヒト哺乳動物としては、例えば、ウシ、ブタ、ヒツジ、ヤギ、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、マウス、ラットなどが用いられる。なかでも、病体動物モデル系の作成の面から個体発生および生物サイクルが比較的短く、また、繁殖が容易なゲッ歯動物、とりわけマウス(例えば、純系として、C57BL/6系統,DBA2系統など、交雑系として、B6C3F系統,BDF系統,B6D2F系統,BALB/c系統,ICR系統など)またはラット(例えば、Wistar,SDなど)などが好ましい。
哺乳動物において発現しうる組換えベクターにおける「哺乳動物」としては、上記の非ヒト哺乳動物の他にヒトなどがあげられる。
【0135】
本発明の外来性DNAとは、非ヒト哺乳動物が本来有しているAQ27受容体DNAではなく、いったん哺乳動物から単離・抽出されたAQ27受容体DNAをいう。
本発明の変異DNAとしては、元のAQ27受容体DNAの塩基配列に変異(例えば、突然変異など)が生じたもの、具体的には、塩基の付加、欠損、他の塩基への置換などが生じたDNAなどが用いられ、また、異常DNAも含まれる。
該異常DNAとしては、異常なAQ27受容体を発現させるDNAを意味し、例えば、正常なAQ27受容体の機能を抑制するAQ27受容体を発現させるDNAなどが用いられる。
本発明の外来性DNAは、対象とする動物と同種あるいは異種のどちらの哺乳動物由来のものであってもよい。AQ27受容体DNAを対象動物に転移させるにあたっては、該DNAを動物細胞で発現させうるプロモーターの下流に結合したDNAコンストラクトとして用いるのが一般に有利である。例えば、本発明のヒトDNAを転移させる場合、これと相同性が高いAQ27受容体DNAを有する各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のDNAを発現させうる各種プロモーターの下流に、本発明のヒトDNAを結合したDNAコンストラクト(例、ベクターなど)を対象哺乳動物の受精卵、例えば、マウス受精卵へマイクロインジェクションすることによってAQ27受容体DNAを高発現するDNA転移哺乳動物を作出することができる。
【0136】
AQ27受容体の発現ベクターとしては、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミド、酵母由来のプラスミド、λファージなどのバクテリオファージ、モロニー白血病ウィルスなどのレトロウィルス、ワクシニアウィルスまたはバキュロウィルスなどの動物ウイルスなどが用いられる。なかでも、大腸菌由来のプラスミド、枯草菌由来のプラスミドまたは酵母由来のプラスミドなどが好ましく用いられる。
上記のDNA発現調節を行なうプロモーターとしては、例えば、▲1▼ウイルス(例、シミアンウイルス、サイトメガロウイルス、モロニー白血病ウイルス、JCウイルス、乳癌ウイルス、ポリオウイルスなど)に由来するDNAのプロモーター、▲2▼各種哺乳動物(ヒト、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来のプロモーター、例えば、アルブミン、インスリンII、ウロプラキンII、エラスターゼ、エリスロポエチン、エンドセリン、筋クレアチンキナーゼ、グリア線維性酸性タンパク質、グルタチオンS−トランスフェラーゼ、血小板由来成長因子β、ケラチンK1,K10およびK14、コラーゲンI型およびII型、サイクリックAMP依存タンパク質キナーゼβIサブユニット、ジストロフィン、酒石酸抵抗性アルカリフォスファターゼ、心房ナトリウム利尿性因子、内皮レセプターチロシンキナーゼ(一般にTie2と略される)、ナトリウムカリウムアデノシン3リン酸化酵素(Na,K−ATPase)、ニューロフィラメント軽鎖、メタロチオネインIおよびIIA、メタロプロティナーゼ1組織インヒビター、MHCクラスI抗原(H−2L)、H−ras、レニン、ドーパミンβ−水酸化酵素、甲状腺ペルオキシダーゼ(TPO)、ペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)、βアクチン、αおよびβミオシン重鎖、ミオシン軽鎖1および2、ミエリン基礎タンパク質、チログロブリン、Thy−1、免疫グロブリン、H鎖可変部(VNP)、血清アミロイドPコンポーネント、ミオグロビン、トロポニンC、平滑筋αアクチン、プレプロエンケファリンA、バソプレシンなどのプロモーターなどが用いられる。なかでも、全身で高発現することが可能なサイトメガロウイルスプロモーター、ヒトペプチド鎖延長因子1α(EF−1α)のプロモーター、ヒトおよびニワトリβアクチンプロモーターなどが好適である。
上記ベクターは、DNA転移哺乳動物において目的とするメッセンジャーRNAの転写を終結する配列(一般にターミネターと呼ばれる)を有していることが好ましく、例えば、ウイルス由来および各種哺乳動物由来の各DNAの配列を用いることができ、好ましくは、シミアンウイルスのSV40ターミネターなどが用いられる。
【0137】
その他、目的とする外来性DNAをさらに高発現させる目的で各DNAのスプライシングシグナル、エンハンサー領域、真核DNAのイントロンの一部などをプロモーター領域の5’上流、プロモーター領域と翻訳領域間あるいは翻訳領域の3’下流 に連結することも目的により可能である。
正常なAQ27受容体の翻訳領域は、ヒトまたは各種哺乳動物(例えば、ウサギ、イヌ、ネコ、モルモット、ハムスター、ラット、マウスなど)由来の肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来DNAおよび市販の各種ゲノムDNAライブラリーよりゲノムDNAの全てあるいは一部として、または肝臓、腎臓、甲状腺細胞、線維芽細胞由来RNAより公知の方法により調製された相補DNAを原料として取得することが出来る。また、外来性の異常DNAは、上記の細胞または組織より得られた正常なAQ27受容体の翻訳領域を点突然変異誘発法により変異した翻訳領域を作製することができる。
該翻訳領域は転移動物において発現しうるDNAコンストラクトとして、前記のプロモーターの下流および所望により転写終結部位の上流に連結させる通常のDNA工学的手法により作製することができる。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞のすべてに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において、本発明の外来性DNAが存在することは、作出動物の後代がすべて、その胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを保持することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞のすべてに本発明の外来性DNAを有する。
本発明の外来性正常DNAを転移させた非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して、該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。
受精卵細胞段階における本発明の外来性DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに過剰に存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の外来性DNAが過剰に存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫はその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の外来性DNAを過剰に有する。
導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを過剰に有するように繁殖継代することができる。
【0138】
本発明の正常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の正常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を促進することにより最終的にAQ27受容体の機能亢進症を発症することがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の正常DNA転移動物を用いて、AQ27受容体の機能亢進症や、AQ27受容体が関連する疾患の病態機序の解明およびこれらの疾患の治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、本発明の外来性正常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離したAQ27受容体の増加症状を有することから、AQ27受容体に関連する疾患に対する治療薬のスクリーニング試験にも利用可能である。
一方、本発明の外来性異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、交配により外来性DNAを安定に保持することを確認して該DNA保有動物として通常の飼育環境で継代飼育することが出来る。さらに、目的とする外来DNAを前述のプラスミドに組み込んで原科として用いることができる。プロモーターとのDNAコンストラク卜は、通常のDNA工学的手法によって作製することができる。受精卵細胞段階における本発明の異常DNAの転移は、対象哺乳動物の胚芽細胞および体細胞の全てに存在するように確保される。DNA転移後の作出動物の胚芽細胞において本発明の異常DNAが存在することは、作出動物の子孫が全てその胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有することを意味する。本発明の外来性DNAを受け継いだこの種の動物の子孫は、その胚芽細胞および体細胞の全てに本発明の異常DNAを有する。導入DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得し、この雌雄の動物を交配することによりすべての子孫が該DNAを有するように繁殖継代することができる。
【0139】
本発明の異常DNAを有する非ヒト哺乳動物は、本発明の異常DNAが高発現させられており、内在性の正常DNAの機能を阻害することにより最終的にAQ27受容体の機能不活性型不応症となることがあり、その病態モデル動物として利用することができる。例えば、本発明の異常DNA転移動物を用いて、AQ27受容体の機能不活性型不応症の病態機序の解明およびこの疾患を治療方法の検討を行なうことが可能である。
また、具体的な利用可能性としては、本発明の異常DNA高発現動物は、AQ27受容体の機能不活性型不応症における本発明の異常AQ27受容体による正常AQ27受容体の機能阻害(dominant negative作用)を解明するモデルとなる。
また、本発明の外来異常DNAを転移させた哺乳動物は、遊離したAQ27受容体の増加症状を有することから、AQ27受容体またはの機能不活性型不応症に対する治療薬スクリーニング試験にも利用可能である。
また、上記2種類のAQ27受容体DNA転移動物のその他の利用可能性として、例えば、
▲1▼組織培養のための細胞源としての使用、
▲2▼AQ27受容体DNA転移動物の組織中のDNAもしくはRNAを直接分析するか、またはDNAにより発現されたAQ27受容体組織を分析することによる、AQ27受容体により特異的に発現あるいは活性化するAQ27受容体との関連性についての解析、
▲3▼DNAを有する組織の細胞を標準組織培養技術により培養し、これらを使用して、一般に培養困難な組織からの細胞の機能の研究、
▲4▼上記▲3▼記載の細胞を用いることによる細胞の機能を高めるような薬剤のスクリーニング、および
▲5▼本発明の変異AQ27受容体を単離精製およびその抗体作製などが考えられる。
さらに、AQ27受容体DNA転移動物を用いて、AQ27受容体の機能不活性型不応症などを含む、AQ27受容体に関連する疾患の臨床症状を調べることができ、また、AQ27受容体に関連する疾患モデルの各臓器におけるより詳細な病理学的所見が得られ、新しい治療方法の開発、さらには、該疾患による二次的疾患の研究および治療に貢献することができる。
また、AQ27受容体DNA転移動物から各臓器を取り出し、細切後、トリプシンなどのタンパク質分解酵素により、遊離したDNA転移細胞の取得、その培養またはその培養細胞の系統化を行なうことが可能である。さらに、AQ27受容体産生細胞の特定化、アポトーシス、分化あるいは増殖との関連性、またはそれらにおけるシグナル伝達機構を調べ、それらの異常を調べることなどができ、AQ27受容体およびその作用解明のための有効な研究材料となる。
さらに、AQ27受容体DNA転移動物を用いて、AQ27受容体の機能不活性型不応症を含む、AQ27受容体に関連する疾患の治療薬の開発を行なうために、上述の検査法および定量法などを用いて、有効で迅速な該疾患治療薬のスクリーニング法を提供することが可能となる。また、AQ27受容体DNA転移動物または本発明の外来性DNA発現ベクターを用いて、AQ27受容体が関連する疾患のDNA治療法を検討、開発することが可能である。
【0140】
(9)ノックアウト動物
本発明は、AQ27受容体DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞およびAQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物を提供する。
すなわち、本発明は、
〔1〕AQ27受容体DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞、
〔2〕該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化された第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔3〕ネオマイシン耐性である第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔4〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔1〕項記載の胚幹細胞、
〔5〕ゲッ歯動物がマウスである第〔4〕項記載の胚幹細胞、
〔6〕AQ27受容体DNAが不活性化された該DNA発現不全非ヒト哺乳動物、
〔7〕該DNAがレポーター遺伝子(例、大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子)を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子がAQ27受容体DNAに対するプロモーターの制御下で発現しうる第〔6〕項記載の非ヒト哺乳動物、
〔8〕非ヒト哺乳動物がゲッ歯動物である第〔6〕項記載の非ヒト哺乳動物、
〔9〕ゲッ歯動物がマウスである第〔8〕項記載の非ヒト哺乳動物、および
〔10〕第〔7〕項記載の動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とするAQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
AQ27受容体DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞とは、該非ヒト哺乳動物が有するAQ27受容体DNAに人為的に変異を加えることにより、DNAの発現能を抑制するか、もしくは該DNAがコードしているAQ27受容体の活性を実質的に喪失させることにより、DNAが実質的にAQ27受容体の発現能を有さない(以下、本発明のノックアウトDNAと称することがある)非ヒト哺乳動物の胚幹細胞(以下、ES細胞と略記する)をいう。
非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
AQ27受容体DNAに人為的に変異を加える方法としては、例えば、遺伝子工学的手法により該DNA配列の一部又は全部の削除、他DNAを挿入または置換させることによって行なうことができる。これらの変異により、例えば、コドンの読み取り枠をずらしたり、プロモーターあるいはエキソンの機能を破壊することにより本発明のノックアウトDNAを作製すればよい。
【0141】
AQ27受容体DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞(以下、AQ27受容体DNA不活性化ES細胞または本発明のノックアウトES細胞と略記する)の具体例としては、例えば、目的とする非ヒト哺乳動物が有するAQ27受容体DNAを単離し、そのエキソン部分にネオマイシン耐性遺伝子、ハイグロマイシン耐性遺伝子を代表とする薬剤耐性遺伝子、あるいはlacZ(β−ガラクトシダーゼ遺伝子)、cat(クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ遺伝子)を代表とするレポーター遺伝子等を挿入することによりエキソンの機能を破壊するか、あるいはエキソン間のイントロン部分に遺伝子の転写を終結させるDNA配列(例えば、polyA付加シグナルなど)を挿入し、完全なメッセンジャーRNAを合成できなくすることによって、結果的に遺伝子を破壊するように構築したDNA配列を有するDNA鎖(以下、ターゲッティングベクターと略記する)を、例えば相同組換え法により該動物の染色体に導入し、得られたES細胞についてAQ27受容体DNA上あるいはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析あるいはターゲッティングベクター上のDNA配列とターゲッティングベクター作製に使用したAQ27受容体DNA以外の近傍領域のDNA配列をプライマーとしたPCR法により解析し、本発明のノックアウトES細胞を選別することにより得ることができる。
また、相同組換え法等によりAQ27受容体DNAを不活化させる元のES細胞としては、例えば、前述のような既に樹立されたものを用いてもよく、また公知 EvansとKaufmaの方法に準じて新しく樹立したものでもよい。例えば、マウスのES細胞の場合、現在、一般的には129系のES細胞が使用されているが、免疫学的背景がはっきりしていないので、これに代わる純系で免疫学的に遺伝的背景が明らかなES細胞を取得するなどの目的で例えば、C57BL/6マウスやC57BL/6の採卵数の少なさをDBA/2との交雑により改善したBDFマウス(C57BL/6とDBA/2とのF)を用いて樹立したものなども良好に用いうる。BDFマウスは、採卵数が多く、かつ、卵が丈夫であるという利点に加えて、C57BL/6マウスを背景に持つので、これを用いて得られたES細胞は病態モデルマウスを作出したとき、C57BL/6マウスとバッククロスすることでその遺伝的背景をC57BL/6マウスに代えることが可能である点で有利に用い得る。
また、ES細胞を樹立する場合、一般には受精後3.5日目の胚盤胞を使用するが、これ以外に8細胞期胚を採卵し胚盤胞まで培養して用いることにより効率よく多数の初期胚を取得することができる。
また、雌雄いずれのES細胞を用いてもよいが、通常雄のES細胞の方が生殖系列キメラを作出するのに都合が良い。また、煩雑な培養の手間を削減するためにもできるだけ早く雌雄の判別を行なうことが望ましい。
【0142】
ES細胞の雌雄の判定方法としては、例えば、PCR法によりY染色体上の性決定領域の遺伝子を増幅、検出する方法が、その1例としてあげることができる。この方法を使用すれば、従来、核型分析をするのに約10個の細胞数を要していたのに対して、1コロニー程度のES細胞数(約50個)で済むので、培養初期におけるES細胞の第一次セレクションを雌雄の判別で行なうことが可能であり、早期に雄細胞の選定を可能にしたことにより培養初期の手間は大幅に削減できる。
また、第二次セレクションとしては、例えば、G−バンディング法による染色体数の確認等により行うことができる。得られるES細胞の染色体数は正常数の100%が望ましいが、樹立の際の物理的操作等の関係上困難な場合は、ES細胞の遺伝子をノックアウトした後、正常細胞(例えば、マウスでは染色体数が2n=40である細胞)に再びクローニングすることが望ましい。
このようにして得られた胚幹細胞株は、通常その増殖性は大変良いが、個体発生できる能力を失いやすいので、注意深く継代培養することが必要である。例えば、STO繊維芽細胞のような適当なフィーダー細胞上でLIF(1〜10000U/ml)存在下に炭酸ガス培養器内(好ましくは、5%炭酸ガス、95%空気または5%酸素、5%炭酸ガス、90%空気)で約37℃で培養するなどの方法で培養し、継代時には、例えば、トリプシン/EDTA溶液(通常0.001〜0.5%トリプシン/0.1〜5mM EDTA、好ましくは約0.1%トリプシン/1mM EDTA)処理により単細胞化し、新たに用意したフィーダー細胞上に播種する方法などがとられる。このような継代は、通常1〜3日毎に行なうが、この際に細胞の観察を行い、形態的に異常な細胞が見受けられた場合はその培養細胞は放棄することが望まれる。
ES細胞は、適当な条件により、高密度に至るまで単層培養するか、または細胞集塊を形成するまで浮遊培養することにより、頭頂筋、内臓筋、心筋などの種々のタイプの細胞に分化させることが可能であり〔M. J. Evans及びM. H. Kaufman, ネイチャー(Nature)第292巻、154頁、1981年;G. R. Martin プロシーディングス・オブ・ナショナル・アカデミー・オブ・サイエンス・ユーエスエー(Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A.)第78巻、7634頁、1981年;T. C. Doetschman ら、ジャーナル・オブ・エンブリオロジー・アンド・エクスペリメンタル・モルフォロジー、第87巻、27頁、1985年〕、本発明のES細胞を分化させて得られるAQ27受容体DNA発現不全細胞は、インビトロにおけるAQ27受容体またはAQ27受容体の細胞生物学的検討において有用である。
【0143】
AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、該動物のmRNA量を公知方法を用いて測定して間接的にその発現量を比較することにより、正常動物と区別することが可能である。
該非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものが用いられる。
AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、例えば、前述のようにして作製したターゲッティングベクターをマウス胚幹細胞またはマウス卵細胞に導入し、導入によりターゲッティングベクターのAQ27受容体DNAが不活性化されたDNA配列が遺伝子相同組換えにより、マウス胚幹細胞またはマウス卵細胞の染色体上のAQ27受容体DNAと入れ換わる相同組換えをさせることにより、AQ27受容体DNAをノックアウトさせることができる。
AQ27受容体DNAがノックアウトされた細胞は、AQ27受容体DNA上またはその近傍のDNA配列をプローブとしたサザンハイブリダイゼーション解析またはターゲッティングベクター上のDNA配列と、ターゲッティングベクターに使用したマウス由来のAQ27受容体DNA以外の近傍領域のDNA配列とをプライマーとしたPCR法による解析で判定することができる。非ヒト哺乳動物胚幹細胞を用いた場合は、遺伝子相同組換えにより、AQ27受容体DNAが不活性化された細胞株をクローニングし、その細胞を適当な時期、例えば、8細胞期の非ヒト哺乳動物胚または胚盤胞に注入し、作製したキメラ胚を偽妊娠させた該非ヒト哺乳動物の子宮に移植する。作出された動物は正常なAQ27受容体DNA座をもつ細胞と人為的に変異したAQ27受容体DNA座をもつ細胞との両者から構成されるキメラ動物である。
該キメラ動物の生殖細胞の一部が変異したAQ27受容体DNA座をもつ場合、このようなキメラ個体と正常個体を交配することにより得られた個体群より、全ての組織が人為的に変異を加えたAQ27受容体DNA座をもつ細胞で構成された個体を、例えば、コートカラーの判定等により選別することにより得られる。このようにして得られた個体は、通常、AQ27受容体のヘテロ発現不全個体であり、AQ27受容体のヘテロ発現不全個体同志を交配し、それらの産仔からAQ27受容体のホモ発現不全個体を得ることができる。
【0144】
卵細胞を使用する場合は、例えば、卵細胞核内にマイクロインジェクション法でDNA溶液を注入することによりターゲッティングベクターを染色体内に導入したトランスジェニック非ヒト哺乳動物を得ることができ、これらのトランスジェニック非ヒト哺乳動物に比べて、遺伝子相同組換えによりAQ27受容体DNA座に変異のあるものを選択することにより得られる。
このようにしてAQ27受容体DNAがノックアウトされている個体は、交配により得られた動物個体も該DNAがノックアウトされていることを確認して通常の飼育環境で飼育継代を行なうことができる。
さらに、生殖系列の取得および保持についても常法に従えばよい。すなわち、該不活化DNAの保有する雌雄の動物を交配することにより、該不活化DNAを相同染色体の両方に持つホモザイゴート動物を取得しうる。得られたホモザイゴート動物は、母親動物に対して、正常個体1,ホモザイゴート複数になるような状態で飼育することにより効率的に得ることができる。ヘテロザイゴート動物の雌雄を交配することにより、該不活化DNAを有するホモザイゴートおよびヘテロザイゴート動物を繁殖継代する。
AQ27受容体DNAが不活性化された非ヒト哺乳動物胚幹細胞は、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物を作出する上で、非常に有用である。
また、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、AQ27受容体により誘導され得る種々の生物活性を欠失するため、AQ27受容体の生物活性の不活性化を原因とする疾病のモデルとなり得るので、これらの疾病の原因究明及び治療法の検討に有用である。
【0145】
(9a)AQ27受容体DNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニング方法
AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、AQ27受容体DNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物のスクリーニングに用いることができる。
すなわち、本発明は、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物に試験化合物を投与し、該動物の変化を観察・測定することを特徴とする、AQ27受容体DNAの欠損や損傷などに起因する疾病に対して治療・予防効果を有する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
該スクリーニング方法において用いられるAQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記と同様のものがあげられる。
試験化合物としては、例えば、ペプチド、タンパク、非ペプチド性化合物、合成化合物、発酵生産物、細胞抽出液、植物抽出液、動物組織抽出液、血漿などがあげられ、これら化合物は新規な化合物であってもよいし、公知の化合物であってもよい。
具体的には、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物を、試験化合物で処理し、無処理の対照動物と比較し、該動物の各器官、組織、疾病の症状などの変化を指標として試験化合物の治療・予防効果を試験することができる。
試験動物を試験化合物で処理する方法としては、例えば、経口投与、静脈注射などが用いられ、試験動物の症状、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。また、試験化合物の投与量は、投与方法、試験化合物の性質などにあわせて適宜選択することができる。
【0146】
該スクリーニング方法において、試験動物に試験化合物を投与した場合、該試験動物の血糖値が約10%以上、好ましくは約30%以上、より好ましくは約50%以上低下した場合、該試験化合物を上記の疾患に対して治療・予防効果を有する化合物として選択することができる。
該スクリーニング方法を用いて得られる化合物は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、AQ27受容体の欠損や損傷などによって引き起こされる疾患(例えば、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等))に対する安全で低毒性な治療・予防剤、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌促進剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸、有機酸など)や塩基(例、アルカリ金属など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記したAQ27受容体とリガンドとの結合性を変化させる化合物を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、該化合物を経口投与する場合、一般的に糖尿病患者(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、該化合物を注射剤の形で通常、糖尿病患者(体重60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
【0147】
(9b)AQ27受容体DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物をスクリーニング方法
本発明は、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物に、試験化合物を投与し、レポーター遺伝子の発現を検出することを特徴とするAQ27受容体DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法を提供する。
上記スクリーニング方法において、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物としては、前記したAQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物の中でも、AQ27受容体DNAがレポーター遺伝子を導入することにより不活性化され、該レポーター遺伝子がAQ27受容体DNAに対するプロモーターの制御下で発現しうるものが用いられる。
試験化合物としては、前記と同様のものがあげられる。
レポーター遺伝子としては、前記と同様のものが用いられ、β−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)、可溶性アルカリフォスファターゼ遺伝子またはルシフェラーゼ遺伝子などが好適である。
AQ27受容体DNAをレポーター遺伝子で置換されたAQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物では、レポーター遺伝子がAQ27受容体DNAに対するプロモーターの支配下に存在するので、レポーター遺伝子がコードする物質の発現をトレースすることにより、プロモーターの活性を検出することができる。
例えば、AQ27受容体をコードするDNA領域の一部を大腸菌由来のβ−ガラクトシダーゼ遺伝子(lacZ)で置換している場合、本来、AQ27受容体の発現する組織で、AQ27受容体の代わりにβ−ガラクトシダーゼが発現する。従って、例えば、5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリル−β−ガラクトピラノシド(X−gal)のようなβ−ガラクトシダーゼの基質となる試薬を用いて染色することにより、簡便にAQ27受容体の動物生体内における発現状態を観察することができる。具体的には、AQ27受容体欠損マウスまたはその組織切片をグルタルアルデヒドなどで固定し、リン酸緩衝生理食塩液(PBS)で洗浄後、X−galを含む染色液で、室温または37℃付近で、約30分ないし1時間反応させた後、組織標本を1mM EDTA/PBS溶液で洗浄することによって、β−ガラクトシダーゼ反応を停止させ、呈色を観察すればよい。また、常法に従い、lacZをコードするmRNAを検出してもよい。
上記スクリーニング方法を用いて得られる化合物またはその塩は、上記した試験化合物から選ばれた化合物であり、AQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物である。
該スクリーニング方法で得られた化合物は塩を形成していてもよく、該化合物の塩としては、生理学的に許容される酸(例、無機酸など)や塩基(例、有機酸など)などとの塩が用いられ、とりわけ生理学的に許容される酸付加塩が好ましい。この様な塩としては、例えば、無機酸(例えば、塩酸、リン酸、臭化水素酸、硫酸など)との塩、あるいは有機酸(例えば、酢酸、ギ酸、プロピオン酸、フマル酸、マレイン酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、リンゴ酸、蓚酸、安息香酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸など)との塩などが用いられる。
【0148】
AQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を促進または阻害する化合物またはその塩は、安全で低毒性な医薬、例えば、ホルモン分泌調節剤(例えば、コルチコステロンなどの副腎皮質ホルモン分泌調節剤)、摂食調節剤、睡眠調節剤、覚醒調節剤、痛覚調節剤、ストレス応答調節剤、自発行動調節剤、情動行動調節剤などとして有用である。
AQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を促進する化合物またはその塩は、AQ27受容体の発現を促進し、AQ27受容体の機能を促進することができるので、例えば、AQ27受容体の機能不全に関連する疾患などの予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌促進剤などの医薬として有用である。
AQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を阻害する化合物またはその塩は、AQ27受容体の発現を阻害し、AQ27受容体の機能を阻害することができるので、例えば、AQ27受容体の発現過多に関連する疾患などの予防・治療剤、副腎皮質ホルモン分泌阻害剤などの医薬として有用である。
AQ27受容体の機能不全に関連する疾患としては、中枢疾患(例えばアルツハイマー病・痴呆・摂食障害(拒食症)・てんかんなど)、ホルモン系の疾患(例えば、微弱陣痛、弛緩出血、胎盤娩出前後、子宮復古不全、帝王切開術、人工妊娠中絶、乳汁うっ滞など)、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば糖尿病・摂食障害など)、炎症性疾患(アレルギー・喘息・リュウマチなど)、循環器疾患(例えば高血圧症・心肥大・狭心症・動脈硬化等)などが含まれる。
AQ27受容体の過剰発現に起因する疾患としては、例えば、本発明のペプチドFの過剰な産生によって惹起される中枢疾患、ホルモン系の疾患、肝/胆/膵/内分泌疾患(例えば抗肥満薬・摂食過剰など)、炎症性疾患、循環器疾患などが挙げられる。
さらに、上記スクリーニングで得られた化合物から誘導される化合物も同様に用いることができる。
【0149】
該スクリーニング方法で得られた化合物またはその塩を含有する医薬は、前記したAQ27受容体またはその塩とリガンドとの結合性を変化させる化合物を含有する医薬と同様にして製造することができる。
このようにして得られる製剤は、安全で低毒性であるので、例えば、ヒトまたは哺乳動物(例えば、ラット、マウス、モルモット、ウサギ、ヒツジ、ブタ、ウシ、ウマ、ネコ、イヌ、サルなど)に対して投与することができる。
該化合物またはその塩の投与量は、対象疾患、投与対象、投与ルートなどにより差異はあるが、例えば、AQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を経口投与する場合、一般的に糖尿病患者(体重60kgとして)においては、一日につき該化合物を約0.1〜100mg、好ましくは約1.0〜50mg、より好ましくは約1.0〜20mg投与する。非経口的に投与する場合は、該化合物の1回投与量は投与対象、対象疾患などによっても異なるが、例えば、AQ27受容体DNAに対するプロモーター活性を促進する化合物を注射剤の形で通常、糖尿病患者(体重60kgとして)に投与する場合、一日につき該化合物を約0.01〜30mg程度、好ましくは約0.1〜20mg程度、より好ましくは約0.1〜10mg程度を静脈注射により投与するのが好都合である。他の動物の場合も、60kg当たりに換算した量を投与することができる。
このように、AQ27受容体DNA発現不全非ヒト哺乳動物は、AQ27受容体DNAに対するプロモーターの活性を促進または阻害する化合物またはその塩をスクリーニングする上で極めて有用であり、AQ27受容体DNA発現不全に起因する各種疾患の原因究明または予防・治療薬の開発に大きく貢献することができる。
また、AQ27受容体のプロモーター領域を含有するDNAを使って、その下流に種々のタンパクをコードする遺伝子を連結し、これを動物の卵細胞に注入していわゆるトランスジェニック動物(遺伝子移入動物)を作成すれば、特異的にそのAQ27受容体を合成させ、その生体での作用を検討することも可能となる。さらに上記プロモーター部分に適当なレポータ遺伝子を結合させ、これが発現するような細胞株を樹立すれば、AQ27受容体そのものの体内での産生能力を特異的に促進もしくは抑制する作用を持つ低分子化合物の探索系として使用できる。
【0150】
本明細書および図面において、塩基やアミノ酸などを略号で表示する場合、IUPAC−IUB Commission on Biochemical Nomenclatureによる略号あるいは当該分野における慣用略号に基づくものであり、その例を下記する。またアミノ酸に関し光学異性体があり得る場合は、特に明示しなければL体を示すものとする。
DNA :デオキシリボ核酸
cDNA :相補的デオキシリボ核酸
A :アデニン
T :チミン
G :グアニン
C :シトシン
I :イノシン
R :アデニン(A)またはグアニン(G)
Y :チミン(T)またはシトシン(C)
M :アデニン(A)またはシトシン(C)
K :グアニン(G)またはチミン(T)
S :グアニン(G)またはシトシン(C)
W :アデニン(A)またはチミン(T)
B :グアニン(G)、グアニン(G)またはチミン(T)
D :アデニン(A)、グアニン(G)またはチミン(T)
V :アデニン(A)、グアニン(G)またはシトシン(C)
N :アデニン(A)、グアニン(G)、シトシン(C)もしく
はチミン(T)または不明もしくは他の塩基
RNA :リボ核酸
mRNA :メッセンジャーリボ核酸
dATP :デオキシアデノシン三リン酸
dTTP :デオキシチミジン三リン酸
dGTP :デオキシグアノシン三リン酸
dCTP :デオキシシチジン三リン酸
ATP :アデノシン三リン酸
EDTA :エチレンジアミン四酢酸
SDS :ドデシル硫酸ナトリウム
BHA :ベンズヒドリルアミン
pMBHA :p−メチルベンズヒドリルアミン
Tos :p−トルエンスルフォニル
Bzl :ベンジル
Bom :ベンジルオキシメチル
Boc :t−ブチルオキシカルボニル
DCM :ジクロロメタン
HOBt :1−ヒドロキシベンズトリアゾール
DCC :N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド
TFA :トリフルオロ酢酸
DIEA :ジイソプロピルエチルアミン
【0151】
Gly又はG :グリシン
Ala又はA :アラニン
Val又はV :バリン
Leu又はL :ロイシン
Ile又はI :イソロイシン
Ser又はS :セリン
Thr又はT :スレオニン
Cys又はC :システイン
Met又はM :メチオニン
Glu又はE :グルタミン酸
Asp又はD :アスパラギン酸
Lys又はK :リジン
Arg又はR :アルギニン
His又はH :ヒスチジン
Phe又はF :フェニルアラニン
Tyr又はY :チロシン
Trp又はW :トリプトファン
Pro又はP :プロリン
Asn又はN :アスパラギン
Gln又はQ :グルタミン
pGlu :ピログルタミン酸
Tyr(I) :3−ヨードチロシン
DMF :N,N−ジメチルホルムアミド
Fmoc :N−9−フルオレニルメトキシカルボニル
Trt :トリチル
Pbf :2,2,4,6,7-ペンタメチルジヒドロベンゾフラン-5-
スルホニル
Clt :2−クロロトリチル
But :t−ブチル
Met(O) :メチオニンスルフォキシド
【0152】
本願明細書の配列表の配列番号は、以下の配列を示す。
〔配列番号:1〕
分泌ペプチドAのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:2〕
前駆体蛋白質Aのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:3〕
前駆体蛋白質Bのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:4〕
前駆体蛋白質Cのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:5〕
前駆体蛋白質Dのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:6〕
前駆体蛋白質Eのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:7〕
分泌ペプチドAをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:8〕
前駆体蛋白質AをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:9〕
前駆体蛋白質BをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:10〕
前駆体蛋白質CをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:11〕
前駆体蛋白質DをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:12〕
前駆体蛋白質EをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:13〕
実施例1で前駆体蛋白質AをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:14〕
実施例1で前駆体蛋白質AをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:15〕
実施例2で前駆体蛋白質BをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:16〕
実施例2で前駆体蛋白質BをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:17〕
実施例3で前駆体蛋白質CをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:18〕
実施例3で前駆体蛋白質CをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:19〕
実施例4で前駆体蛋白質DをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:20〕
実施例4で前駆体蛋白質DをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:21〕
実施例5で前駆体蛋白質EをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:22〕
実施例5で前駆体蛋白質EをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:23〕
前駆体蛋白質Fのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:24〕
前駆体蛋白質FをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:25〕
実施例6で前駆体蛋白質FをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:26〕
実施例6で前駆体蛋白質FをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:27〕
前駆体蛋白質Gのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:28〕
前駆体蛋白質GをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:29〕
実施例7で前駆体蛋白質GをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:30〕
実施例7で前駆体蛋白質GをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:31〕
ヒトAQ27受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:32〕
ヒトAQ27受容体をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:33〕
ラットOT7T022受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:34〕
ラットOT7T022受容体をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:35〕
ヒトOT7T022受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:36〕
ヒトOT7T022受容体をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:37〕
ヒトOT7T022受容体をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:38〕
前駆体蛋白質Hのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:39〕
前駆体蛋白質HをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:40〕
実施例10で前駆体蛋白質HをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:41〕
実施例10で前駆体蛋白質HをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:42〕
前駆体蛋白質Iのアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:43〕
前駆体蛋白質IをコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:44〕
ラットAQ27受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:45〕
ラットAQ27受容体をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:46〕
マウスAQ27受容体のアミノ酸配列を示す。
〔配列番号:47〕
マウスAQ27受容体をコードするDNAの塩基配列を示す。
〔配列番号:48〕
実施例21で前駆体蛋白質IをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:49〕
実施例21で前駆体蛋白質IをコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:50〕
実施例22でラットAQ27をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:51〕
実施例22でラットAQ27をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:52〕
実施例22でマウスAQ27をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:53〕
実施例22でマウスAQ27をコードするcDNAのスクリーニングに使用した合成DNAを示す。
〔配列番号:54〕
実施例24で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:55〕
実施例24で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:56〕
実施例24で使用したプローブの塩基配列を示す。
〔配列番号:57〕
実施例25で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:58〕
実施例25で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:59〕
実施例25で使用したプローブの塩基配列を示す。
〔配列番号:60〕
実施例26で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:61〕
実施例26で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:62〕
実施例26で使用したプローブの塩基配列を示す。
〔配列番号:63〕
実施例26で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:64〕
実施例26で使用したプライマーの塩基配列を示す。
〔配列番号:65〕
実施例26で使用したプローブの塩基配列を示す。
【0153】
後述の実施例1で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTA−S65は、2001年9月19日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7742として、2001年9月6日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16697として寄託されている。
後述の実施例2で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTA−S66は、2001年9月19日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7743として、2001年9月6日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16698として寄託されている。
後述の実施例3で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTA−S67は、2001年9月19日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7744として、2001年9月11日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16699として寄託されている。
後述の実施例4で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTA−S68は、2001年9月19日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7745として、2001年9月11日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16700として寄託されている。
後述の実施例5で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTA−S69は、2001年9月19日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7746として、2001年9月11日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16701として寄託されている。
後述の実施例6で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTAhFRF−1は、2002年2月18日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7903として、2002年2月6日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16752として寄託されている。
後述の実施例7で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTArFRF−1は、2002年2月18日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7905として、2002年2月6日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16754として寄託されている。
後述の実施例10で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTAmFRF−1は、2002年2月18日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−7904として、2002年2月6日から大阪府大阪市淀川区十三本町2−17−85(郵便番号532−8686)の財団法人・発酵研究所(IFO)に寄託番号IFO 16753として寄託されている。
後述の実施例21で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pTAbFRF−1は、2002年8月21日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−8162として寄託されている。
後述の実施例22で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pCR2.1−ratAQ27は、2002年8月21日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−8163として寄託されている。
後述の実施例23で得られた形質転換体Escherichia coli JM109/pCR2.1−mouseAQ27は、2002年8月21日から茨城県つくば市東1丁目1番地1 中央第6(郵便番号305−8566)の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに寄託番号FERM BP−8164として寄託されている。
【0154】
【実施例】
以下に実施例を示して、本発明をより詳細に説明するが、これらは本発明の範囲を限定するものではない。
実施例1 ヒト全脳cDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質の遺伝子の取得
クローンテック社より購入したヒト全脳cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1 microl、0.5 microl C216F(10 microM)、0. 5 microl C216R(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.5 microl KlenTaq(クローンテック)、17.5 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、63 ℃20 秒、72 ℃60秒のサイクルを40回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約300 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図1で示す配列がえられた。図1のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図2に示すものであった。また図2のアミノ酸配列の1から17番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。さらに生成するペプチドとしてPro Pro Pro Glu Ala Ser Gln Tyr Cys Gly Arg Leu Glu Tyr Trp Asn Pro Asp Asn Lys Cys Cys Ser Ser Cys Leu Gln Arg Phe Gly Pro Pro Pro Cys Pro Glu Leu Ser Ser Leu Ala Ser Gln Pro Leu Ser Arg Leu Leu Asp Glu Leu Glu Val Leu Glu Glu Leu Ile Val Leu Leu Asp Pro Glu Pro Gly Pro Gly Gly Gly Met Ala His Gly Thr Thr Arg His Leu Ala Ala Arg(配列番号:1)が予想された。次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTA-S65を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTA-S65をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図1と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0155】
実施例2 ヒト胎盤cDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質の遺伝子の取得
クローンテック社より購入したヒト胎盤cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1 microl、0.5 microl C2008F(10 microM)、0. 5 microl C2008R(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.5 microl KlenTaq(クローンテック)、17.5 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、63 ℃20 秒、72 ℃60秒のサイクルを40回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約 600 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図3で示す配列がえられた。図3のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図4に示すものであった。また図4のアミノ酸配列の第1番目から21番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。また生成するペプチドとして、図4のアミノ酸配列の第22番目から37番目のアミノ酸配列を有するペプチドのアミド、図4の第40番目から55番目のアミノ酸配列を有するペプチドのアミドなどが予想された。次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTA-S66を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTA-S66をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図3と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0156】
実施例3 ヒト全脳cDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質の遺伝子の取得
クローンテック社より購入したヒト全脳cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1 microl、0.5 microl C196F(10 microM)、0. 5 microl C196R(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.5 microl KlenTaq(クローンテック)、17.5 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、63 ℃20 秒、72 ℃60秒のサイクルを40回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約 700bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図5で示す配列がえられた。図5のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図6に示すものであった。また図6のアミノ酸配列の1から14番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。さらに生成するペプチドとして、図6のアミノ酸配列の第15番目〜21番目のアミノ酸配列を有するペプチド、図6のアミノ酸配列の第26番目〜58番目のアミノ酸配列を有するペプチド、図6のアミノ酸配列の第60番目〜88番目のアミノ酸配列を有するペプチド、図6のアミノ酸配列の第90番目〜107番目または図6のアミノ酸配列の第110番目〜187番目のアミノ酸配列のアミノ酸配列を有するペプチド等が予想された。次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTA-S67を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTA-S67をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図5と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0157】
実施例4 ヒト全脳cDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質の遺伝子の取得
クローンテック社より購入したヒト全脳cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1 microl、0.5 microl C296F(10 microM)、0. 5 microl C296R(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.5 microl KlenTaq(クローンテック)、17.5 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、63 ℃20 秒、72 ℃60秒のサイクルを40回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約 500 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図7で示す配列がえられた。図7のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図8に示すものであった。また図8のアミノ酸配列の1から24番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。さら生成するペプチドとして、図8のアミノ酸配列の第25番目〜85番目のアミノ酸配列を有するペプチド、図8のアミノ酸配列の第86番目〜114番目のアミノ酸配列を有するペプチドまたは図8のアミノ酸配列の第115番目〜166番目のアミノ酸配列を有するペプチドが予想された。次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTA-S68を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTA-S68をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図7と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0158】
実施例5 ヒト全脳cDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質の遺伝子の取得
クローンテック社より購入したヒト全脳cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1 microl、0.5 microl C216F(10 microM)、0. 5 microl C216R(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.5 microl KlenTaq(クローンテック)、17.5 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、63 ℃20 秒、72 ℃60秒のサイクルを40回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約300 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図9で示す配列がえられた。図9のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図10に示すものであった。また図10のアミノ酸配列の1から18番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。さらに生成するペプチドとして、図10のアミノ酸配列の第19番目〜58番目のアミノ酸配列を有するペプチド、図10のアミノ酸配列の第63番目〜202番目のアミノ酸配列を有するペプチドまたは図10のアミノ酸配列の第205番目〜241番目のアミノ酸配列を有するペプチドが予想された。次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTA-S69を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTA-S69をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図9と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0159】
実施例6 ヒトcDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質遺伝子の取得
クローンテック社より購入したHuman Universal cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1 microl、0.5 microl RFF2(10 microM)、0. 5 microl RFR1(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.25 microl ExTaq(タカラ)、17.75 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、60 ℃20 秒、72 ℃30秒のサイクルを40回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約400 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図11で示す配列がえられた。図11のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図12に示すものであった。また、図12のアミノ酸配列の1から18番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。
さらに、生成するペプチドとして、
(1)C末端がアミド化された、図12(配列番号:23)に示されたアミノ酸配列の第26番目〜第88番目のアミノ酸配列を含有するペプチド、
(2)C末端がアミド化された、図12(配列番号:23)に示されたアミノ酸配列の第80番目〜第88番目のアミノ酸配列を含有するペプチド、
(3)C末端がアミド化された、図12(配列番号:23)に示されたアミノ酸配列の第91番目〜第133番目のアミノ酸配列を含有するペプチド、
(4)C末端がアミド化された、図12(配列番号:23)に示されたアミノ酸配列の第127番目〜第133番目のアミノ酸配列を含有するペプチドなどが考えられる。
次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTAhFRF-1を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTAhFRF-1をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図11と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0160】
実施例7 ラットゲノムDNAからのPCR法によるリガンド候補遺伝子の取得
クローンテック社より購入したRat Genomic DNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はDNA溶液1 microl、0.5 microl F1(10 microM)、0. 5 microl R1(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.25 microl ExTaq(タカラ)、17.75 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、Thermal Cycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95 ℃2 分の変性の後、98 ℃10 秒、60 ℃20 秒、72 ℃30秒のサイクルを30回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約400 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図13で示す配列がえられた。図13のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図14に示すものであった。また図14のアミノ酸配列の1から17番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。
またヒト型とラット型のアミノ酸配列を比較したところ図15のようになり、特にC末端のRFアミドモチーフの配列(Arg Phe Gly Arg)が保存されていた。さらに、生成するペプチドとしてC末端がアミド化されたGly Gly Phe Ser Phe Arg Phe-NH(配列番号:27の第116番目〜第122番目)、Lys Gly Gly Phe Ser Phe Arg Phe-NH(配列番号:27の第115番目〜第122番目)等が予想された。
次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTArFRF-1を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTArFRF-1をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図13と同じラット型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0161】
実施例8
(1) Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)および Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)の合成
Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)および Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)を自体公知のペプチド合成法を用いて製造した。
(2) Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)の合成
Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を自体公知のペプチド合成法を用いて製造した。
【0162】
実施例9 新規ポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)および Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)のAQ27受容体およびOT7T022受容体を一過性に発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性
実施例8で合成した新規ポリペプチドFによるAQ27受容体(配列番号:31)およびヒトOT7T022受容体(配列番号:35)に特異的な刺激活性の検出は、cAMPレスポンスエレメント(CRE)プロモーターの発現誘導によって産生されるレポーター遺伝子産物(ルシフェラーゼ)の発現量を指標に行った。
HEK293細胞を増殖培地(DMEM(Dulbecco’s Modified Eagle Medium)(GibcoBRL)に10%ウシ胎児血清(GibcoBRL)を添加したもの)に懸濁し、1x105cells/wellの濃度にてコラーゲンでコートされたBlack well 96ウェルプレート(ベクトンディッキンソン社)にまいた。37℃、5%CO条件下で一晩培養した後、レポーター遺伝子を含むプラスミドであるpCRE−Luc(Clontech)と同時に、公知の方法により動物細胞での発現用ベクターpAKKO−111H(Biochem. Biophys. Acta, Hinuma, S. et al., 1219, 251-259, 1994記載のpAKKO−1.11Hと同一のプラスミドベクター)にAQ27遺伝子(配列番号:32)およびヒトOT7T022遺伝子(配列番号:36)を挿入して作製した発現ベクタープラスミド、または、AQ27遺伝子を含まないもとのpAKKO−111Hを用いて細胞のトランスフェクションを以下のとおりに行った。
OPTI−MEM−I(GibcoBRL)とLipofectamineTM2000 Reagent(GibcoBRL)を24:1にて混合することにより、リポフェクトアミン希釈液を調製した。また、OPTI−MEM−I、AQ27発現ベクタープラスミドまたはもとのベクタープラスミド(240ng/μl)およびpCRE−Luc(240ng/μl)を24:0.9:0.1にて混合することによりDNA希釈液を調製した。リポフェクトアミン希釈液とDNA希釈液を等量混合し、20分間室温で静置することによりDNAとリポフェクトアミンの複合体を形成させた後、上記のHEK293細胞を培養したプレートに25μl添加し、さらに37℃、5%CO条件下で一晩培養した。
トランスフェクトしたHEK293細胞をアッセイ用培地(DMEMに0.1%ウシ血清アルブミンを添加したもの)にて洗浄した後、アッセイ用培地にて希釈した実勢例8で合成した新規ポリペプチドFを10、1、0.1μMとなるよう添加し、37℃、5%CO条件下で4時間培養した。培養上清を捨てて、ルシフェラーゼ活性測定用の基質であるピッカジーンLT2.0(東洋インキ製造株式会社)を50μl添加し、プレートリーダー(ARVO sxマルチラベルカウンター、Wallac社)を用いてルシフェラーゼの発光量を測定した。
その結果、2種類の新規ポリペプチドFはいずれもAQ27受容体に対しフォルスコリン(FSK)添加で刺激したルシフェラーゼ活性を濃度依存的に増強する反応として検出された。一方、ヒトOT7T022受容体に対してはFSK添加で刺激したルシフェラーゼ活性を抑制する反応として検出された。これらの反応は受容体を導入していない空のベクターpAKKO-111Hを発現させた細胞では検出されなかった。したがって、2種類の新規ポリペプチドFはAQ27受容体特異的にルシフェラーゼ活性の増強を、またヒトOT7T022受容体特異的にルシフェラーゼ活性の抑制を引き起こしたことが確認された(図16、図17、図18)。
【0163】
実施例10 マウスゲノムDNAからのPCR法によるリガンド候補遺伝子の取得
クローンテック社より購入したMouse Genomic DNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はDNA溶液1 microl、0.5 microl F2(10 microM)、0.5 microl R2(10 microM)、2.5 microl添付の10 x 反応液、2.5 microl dNTP(10 mM)、0.25 microl ExTaq(タカラ)、17.75 microl大塚蒸留水を加えて合計25 microlにした。反応液を、Thermal Cycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95℃・2分の変性の後、98℃・10秒、60℃・20秒、72℃・30秒のサイクルを30回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約400 bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagenPCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図19で示す配列がえられた。図19のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図20に示すものであった。また、図20のアミノ酸配列の1から17番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。さらに生成するペプチドとしてC末端がアミド化されたGly Gly Phe Ser Phe Arg Phe-NH(配列番号:40の第116番目〜第122番目)、Lys Gly Gly Phe Ser Phe Arg Phe-NH(配列番号:40の第115番目〜第122番目)等が予想された。
次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTAmFRF-1を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTAmFRF-1をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図19と同じマウス型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0164】
実施例11 新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)のAQ27受容体およびOT7T022受容体を一過性に発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性
実施例9と同様の方法で新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)の(1)AQ27受容体およびOT7T022受容体を一過性に発現させていないHEK293細胞(図21)、(2)AQ27受容体を一過性に発現させたHEK293細胞(図22)および(3)OT7T022受容体を一過性に発現させたHEK293細胞(図23)に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性を測定した。その結果、新規ポリペプチドはAQ27に対してはルシフェラーゼ活性の上昇作用を(図22)、またhOT7T022に対してはルシフェラーゼ活性の抑制作用を引き起こした(図23)。
【0165】
実施例12 ヒトAQ27発現CHO細胞におけるcAMP産生抑制活性の検出自体公知の方法で樹立したAQ27発現CHO細胞(図24)およびコントロールとなるmock CHO細胞(図25)を、4x10/wellの濃度にて96ウェルプレート(ベクトンデッキンソン)に撒いて、一晩培養した。アッセイ用バッファーにはHanks’ Balanced Salt Solutionに0.1%ウシ血清アルブミンおよび0.2 mM 3−Isobutyl−1−methylxanthineを添加したものを用いた。アッセイ用バッファーで細胞を2回洗浄し、37℃で30分間プレインキュベーションした。再度細胞を2回洗浄したのちにアッセイ用バッファーで調製したサンプルを添加し、37℃で30分間インキュベーションした。cAMP産生抑制活性を評価するため、cAMP産生上昇を促進するホルスコリン(FSK、和光純薬)2 μMのみのサンプルと同濃度のFSKと10−7〜10−5Mの新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を含むサンプルで比較した。細胞の上清を捨てて、cAMPScreen System(アプライド バイオシステムズ)によって細胞内のcAMP産生量を測定した。その結果、図24に示す通り、AQ27発現CHOにおいてのみ、FSKで誘導されたcAMP産生がペプチドの添加によって抑制された。
【0166】
実施例13 AQ27発現CHO細胞における細胞内カルシウムイオン遊離促進活性の検出
自体公知の方法で樹立したAQ27発現CHO細胞を96−wellの黒色培養プレート(Costar社)に4×10cells/wellの細胞数で播種し、一晩培養した。Hank’s Balanced Salt Solution(HBSS)に20mMのHEPES(pH7.4, 同仁化学研究所)、2.5mM probenecid(Sigma社)を添加したものをアッセイバッファーとして用意した。細胞の培地を除去し、アッセイバッファーに4μMのFluo 3−AM(Dojindo社)および0.04% Pluronic acid(Morecular Probes社)を添加したものを加え、37℃で1時間インキュベーションした。細胞をアッセイバッファーで洗浄して過剰なFluo 3を除去し、FLIPR(モレキュラーデバイス社)にセットした。アッセイバッファーに溶解した検体も同じくFLIPRにセットした後、内蔵のマニュピレーターによってサンプルを細胞に添加し、励起光の照射によって発生する細胞内カルシウムイオン濃度に依存した蛍光量の変化を測定した。その結果、サンプル無添加(○)に対し、新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目;RKKGGFSFRF−NH)および新規ポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目;GGFSFRF−NH)について、10μM(▲)、1μM(□)ではそれぞれ図26および図27に示すような反応が検出され、それぞれのペプチドによってAQ27発現CHO細胞の細胞内カルシウムイオン遊離促進活性が検出された。
【0167】
実施例14
(1)Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第108番目〜第133番目;T1−F26−NH)の合成
T1−F26−NHを自体公知のペプチド合成法を用いて製造した。
(2)Pyr-Asp-Glu-Gly-Ser-Glu-Ala-Thr-Gly-Phe-Leu-Pro-Ala-Ala-Gly-Glu-Lys-Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第91番目〜第133番目;Pyr1−F43−NH)の合成
Pyr1−F43−NHを自体公知のペプチド合成法を用いて製造した。
(3)Ala-Ser-Gln-Pro-Gln-Ala-Leu-Leu-Val-Ile-Ala-Arg-Gly -Leu-Gln-Thr-Ser-Gly-Arg-Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第61番目〜第86番目;A1−F28−NH)の合成
A1−F28−NHを自体公知のペプチド合成法を用いて製造した。
【0168】
実施例15
新規ポリペプチドF:Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第108番目〜第133番目;T1−F26−NH)およびPyr-Asp-Glu-Gly-Ser-Glu-Ala-Thr-Gly-Phe-Leu-Pro-Ala-Ala-Gly-Glu-Lys-Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第91番目〜第133番目;Pyr1−F43−NH)のヒトAQ27受容体を一過性に発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性
実施例9と同様の方法を用いて、実施例14で合成した新規ポリペプチドT1−F26−NHおよびPyr1−F43−NHの(1)AQ27受容体を一過性に発現させていないHEK293細胞(図28)、(2)AQ27受容体を一過性に発現させたHEK293細胞(図29)に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性を測定した。その結果、それぞれのポリペプチドによってAQ27受容体を発現させたHEK293細胞においてルシフェラーゼ活性の上昇が検出された。
【0169】
実施例16
新規ポリペプチドPyr1−F43−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的な細胞内カルシウムイオン動員活性の検出
実施例13と同様の方法により、新規ポリペプチドPyr1−F43−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的な細胞内カルシウムイオン動員活性の検討を行った。その結果、図30に示す通り10−8M以上の新規ポリペプチドPyr1−F43−NHの添加によって、CHO−AQ27特異的な細胞内カルシウムイオン動員活性が認められた。一方、図31に示す通り、コントロールとなるmock CHO細胞においては活性が認められず、同ペプチドがAQ27のリガンドとして特異的なアゴニスト活性を示すことが確認された。
【0170】
実施例17
新規ポリペプチドPyr1−F43−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的なcAMP産生抑制活性
実施例12の方法と同様の方法により、新規ポリペプチドPyr1−F43−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的なcAMP産生抑制活性を検出した。その結果、図32に示す通り、AQ27発現CHO特異的に、FSKで誘導されたcAMP産生が新規ポリペプチドPyr1−F43−NHの添加によって抑制された。一方、図33に示す通り、コントロールとなるmock CHO細胞においては活性が認められず、同ペプチドがAQ27のリガンドとして特異的なアゴニスト活性を示すことが確認された。
【0171】
実施例18
新規ポリペプチドF:Ala-Ser-Gln-Pro-Gln-Ala-Leu-Leu-Val-Ile-Ala-Arg-Gly -Leu-Gln-Thr-Ser-Gly-Arg-Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第61番目〜第86番目;A1−F28−NH)のヒトAQ27受容体を一過性に発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性実施例9と同様の方法を用いて、実施例14で合成した新規ポリペプチドF:A1−F28−NHの(1)AQ27受容体を一過性に発現させていないHEK293細胞(図34)、(2)AQ27受容体を一過性に発現させたHEK293細胞(図35)に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性を測定した。その結果、A1−F28−NHによってAQ27受容体を発現させたHEK293細胞においてルシフェラーゼ活性の上昇が検出された。
【0172】
実施例19
新規ポリペプチドA1−F28−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的な細胞内カルシウムイオン動員活性の検出
実施例13と同様の方法により、新規ポリペプチドA1−F28−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的な細胞内カルシウムイオン動員活性の検討を行った。その結果、図36に示す通り10−6M以上の新規ポリペプチドA1−F28−NHの添加によって、CHO−AQ27特異的な細胞内カルシウムイオン動員活性が認められた。一方、図37に示す通り、コントロールとなるmock CHO細胞においては活性が認められず、同ペプチドがAQ27のリガンドとして特異的なアゴニスト活性を示すことが確認された。
【0173】
実施例20
新規ポリペプチドA1−F28−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的なcAMP産生抑制活性
実施例12の方法と同様の方法により、新規ポリペプチドA1−F28−NHによるAQ27発現CHO細胞特異的なcAMP産生抑制活性を検出した。その結果、図38に示す通り、AQ27発現CHO特異的に、FSKで誘導されたcAMP産生が10−6M以上の新規ポリペプチドA1−F28−NHの添加によって抑制された。一方、図39に示す通り、コントロールとなるmock CHO細胞においては活性が認められず、同ペプチドがAQ27のリガンドとして特異的なアゴニスト活性を示すことが確認された。
【0174】
実施例21 ウシゲノムDNAからのPCR法による新規分泌蛋白質I遺伝子の取得
クローンテック社より購入したBovine Genomic DNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCRによる増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はDNA溶液1 microl、0.5 microl bF(10microM)、0.5microl bR(10microM)、2.5microl添付の10x反応液、2.5microl dNTP(10mM)、0.25microl ExTaq(タカラ)、17.75microl大塚蒸留水を加えて合計25microlにした。反応液を、Thermal Cycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95℃・2分の変性の後、98℃・10秒、60℃・20秒、72℃・30秒のサイクルを30回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約400bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、直接配列決定を行ったところ図40で示す配列がえられた。図40のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図41に示すものであった。また図41のアミノ酸配列の1から17番目のアミノ酸配列は分泌シグナルと予想された。さらに生成するペプチドとして、C末端がアミド化された図41のアミノ酸配列の第124番目〜131番目のアミノ酸配列を有するペプチドまたはC末端がアミド化された図41のアミノ酸配列の第125番目〜131番目のアミノ酸配列を有するペプチド等が予想される。
次に、ゲルから回収したPCR産物をTAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pTAbFRF−1。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpTAbFRF−1をプラスミド抽出機(クラボウ社)を用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、その配列が図40と同じヒト型分泌蛋白質遺伝子cDNAであることを確認した。
【0175】
実施例22 ラット副腎cDNAからのPCR法によるAQ27受容体遺伝子の取得
ラット副腎のpolyA+RNA1μgからランダムプライマー、逆転写酵素としてSuperScriptII逆転写酵素(GIBCO BRL社)を用い、添付のマニュアルに従って42℃で反応を行い、cDNAを得た。以下の2種類の合成DNAを用いて、PCR による増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1microl、0.5microl F1(10microM)、0.5microl R1(10microM)、5microl添付の5x反応液、2.5microl Gcmelt、2.5microl dNTP(10mM)、0.5microl Advantage Gcmelt polymerase Mix(クローンテック)、12.5microl大塚蒸留水を加えて合計25microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95℃・2分の変性の後、98℃・10秒、61℃・20秒、72℃・120秒のサイクルを35回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約1300bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、TAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pCR2.1−ratAQ27を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpCR2.1−ratAQ27をQuiagenQIAwell 8 Ultra Plasmid Kitを用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、図42で示す配列がえられた。図42のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図43に示すものであった。また、ヒト型およびマウス型AQ27との相同性は図44に示すとおりであり、ラット型AQ27受容体であることが確認された。
【0176】
実施例23 マウス脳cDNAからのPCR法によるAQ27受容体遺伝子の取得
クローンテック マウスMTC Panelの脳cDNAを鋳型として、以下の2種類の合成DNAを用いて、PCRによる増幅を行った。
Figure 0004167868
PCRの反応液はcDNA溶液1microl、0.5microl F1(10microM)、0.5microl R1(10microM)、5microl添付の5x反応液、2.5microl Gcmelt、2.5 microl dNTP(10mM)、0.5microl Advantage Gcmelt polymerase Mix(クローンテック)、12.5microl大塚蒸留水を加えて合計25microlにした。反応液を、ThermalCycler9600を用いてPCR反応にかけた。PCRの条件は95℃・2分の変性の後、98℃・10秒、59℃・20秒、72℃・120秒のサイクルを35回繰り返した。PCR産物の一部を用いて電気泳動で約1300bpのPCR産物の増幅を確認した後、PCR産物をQuiagen PCR purification Kitを用いて精製し、TAクローニングキット(Invitrogen社)を用いて大腸菌JM109にサブクローニングし、大腸菌JM109/pCR2.1−mouseAQ27を取得した。サブクローニングで得られた大腸菌からプラスミドpCR2.1−mouseAQ27をQuiagen QIAwell 8 Ultra Plasmid Kitを用いて抽出し、挿入断片の塩基配列を決定し、図45で示す配列がえられた。図45のDNA配列から予測されるアミノ酸配列は図46に示すものであった。またヒト型およびラット型AQ27との相同性は図47のようであり、マウス型AQ27受容体であることが確認された。
【0177】
実施例24 RT−PCRによるAQ27受容体mRNAのヒトにおける組織分布の検討
鋳型となるcDNAには、ヒト各種組織由来のpolyA+RNA(クロンテック社)から以下の方法で合成したものを使用した。RNA1μgからランダムプライマー、逆転写酵素としてSuperScriptII逆転写酵素(GIBCO BRL社)を用い、添付のマニュアルに従って42℃で反応を行い、反応終了後にエタノール沈殿して100μlに溶解した。RT−PCRはSequence Detection System Prism 7700(PE Biosystems社)を用い、増幅と検出のためのプライマーとして5’−CCAGAACATTTCCGACAACTG−3’(配列番号:54), 5’−ACAGCGGTAGACTGGACAAA−3’(配列番号:55) およびTaqMan probeとして5’−(Fam)−TGCTTTCATTTGCAAGATGGTGCC−(Tamra)−3’(配列番号:56)を使用した。RT−PCR反応液はTaqMan Universal PCR Master Mix(PE Biosystems社)12.5μlに、それぞれ100μMのプライマー溶液を0.05μl、5μMのTaqMan probeを0.5μl、および上記で調製したcDNA溶液を0.5μl加え、蒸留水で総反応液量を25μlとした。PCR反応は50℃・2分、95℃・10分の後、95℃・15秒、60℃・1分のサイクルを40回繰り返した。得られたヒト各種組織におけるAQ27受容体のmRNA発現量はtotal RNA 25ngあたりのコピー数として算出した(図48)。
【0178】
実施例25 RT−PCRによるAQ27受容体mRNAのラットにおける組織分布の検討
鋳型となるcDNAには、ラット各種組織由来のpolyA+RNAから以下の方法で合成したものを使用した。RNA1μgからランダムプライマー、逆転写酵素としてSuperScriptII逆転写酵素(GIBCO BRL社)を用い、添付のマニュアルに従って42℃で反応を行い、反応終了後にエタノール沈殿して100μlに溶解した。RT−PCRはSequence Detection System Prism 7700(PE Biosystems社)を用い、増幅と検出のためのプライマーとして5’−CGGAAGCCTGGGAATTCTG−3’(配列番号:57),5’−ATGTGTCTCCTTTGGTTTCTTCCA−3’(配列番号:58) よびTaqMan probeとして5’−(Fam)−AGCAAAGTTATCTCGACCACAGCGTCCA−(Tamra)−3’(配列番号:59)を使用した。RT−PCR反応液はTaqMan Universal PCR MasterMix(PE Biosystems社)12.5μlに、それぞれ100μMのプライマー溶液を0.05μl、5μMのTaqMan probeを0.5μl、および上記で調製したcDNA溶液を0.5μl加え、蒸留水で総反応液量を25μlとした。PCR反応は50℃・2分、95℃・10分の後、95℃・15秒、60℃・1分のサイクルを40回繰り返した。得られたラット各種組織におけるAQ27受容体のmRNA発現量はtotal RNA 25ngあたりのコピー数として算出した(図48)。
【0179】
実施例26 RT−PCRによる新規分泌蛋白質GのmRNAのラットにおける組織分布の検討
Wistarラットより各種臓器を摘出し、total RNAをIsogen(ニッポンジーン社)、poly(A)RNAをmRNA purification kit(Pharmacia社)により、それぞれのマニュアルにしたがって調製した。得られたpoly(A)RNA 1μgをDnaseI(Amplification Grade, GIBCO BRL社)処理後、160ng分をRNA PCR Kit(Takara社)を用いて、マニュアルに従い42℃でcDNAを合成した。合成されたcDNAはpoly(A)RNA換算で4ng/μlの溶液とし、以後のRT−PCRの鋳型として用いた。RT−PCRはSequence Detection System Prism 7700(PE Biosystems社)を用い、増幅と検出のためのプライマーとして5’−AGCACACTGGCTTCCGTCTAG−3’(配列番号:60),5’−CGCTGGCCTTCTCTGAGTCA−3’(配列番号:61)およびTaqMan probeとして5’−(Fam)AGGCAGGACAGTGGCAGTGAAGCC−(Tamra)−3’(配列番号:62)を使用した。RT−PCR反応液はTaqMan Universal PCR Master Mix(PE Biosystems社)12.5μlに、それぞれ100μMのプライマー溶液を0.225μl、5μMのTaqMan probeを1.25μl、および上記で調製したcDNA溶液を0.5μl加え、蒸留水で総反応液量を25μlとした。PCR反応は50℃・2分、95℃・10分の後、95℃・15秒、60℃・1分のサイクルを40回繰り返した。得られたラット各種組織における新規分泌蛋白質GのmRNA発現量はpoly(A)RNA 1ngあたりのコピー数として算出した(図49)。
【0180】
実施例27 RT−PCRによる新規分泌蛋白質FのmRNAのヒトにおける組織分布の検討
mRNAの発現量検出のためのRT−PCRの鋳型となるcDNAには、ヒト各種組織由来のpolyA+RNA(クロンテック社)から以下の方法で合成したものを使用した。RNA1μgからランダムプライマー、逆転写酵素としてSuperScriptII逆転写酵素(GIBCO BRL社)を用い、添付のマニュアルに従って42℃で反応を行い、反応終了後にエタノール沈殿して100μlに溶解した。発現量の定量はSequence Detection System Prism 7700を用いて行った。増幅と検出のためのプライマーとして5’-TGAGAGCTTCACAGCCACA-3’(配列番号:63),5’-AGCTGAAGCCGCCTTTCTT-3’(配列番号:64)およびTaqMan probeとして5’-(Fam)AACCTGGCTGAGGAGCTCAATGGCTA-(Tamra)-3’(配列番号:65)を使用した。RT−PCR反応は実施例24と同様の方法で行った。
得られたヒト各種組織における新規分泌蛋白質FのmRNA発現量はpoly(A)RNA 1ngあたりのコピー数として算出した(図50)。
【0181】
実施例28 in situハイブリダイゼーション法による新規分泌蛋白質mRNAのラット脳における発現分布の検討
Wistarラットをネンブタール麻酔下で開腹し、左心室から0.9%食塩水を5分間潅流し、続いて4%パラホルムアルデヒド溶液を5分間潅流した。取り出した脳を同溶液中に24時間4℃で浸漬したのち、30%スクロース溶液に置換し,4℃で3日間浸漬し、解析に供する脳のサンプルを得た。
新規分泌蛋白質アンチセンス、センスプローブは以下の方法で調製した。
まず、プラスミドベクターpCRII TOPO(インビトロジェン社)に自体公知の方法でラット型AQ27リガンドcDNAを挿入した。このcDNAを、M13プライマー(インビトロジェン社)・Advantage GC2ポリメラーゼ(クロンテック社)を用いたPCRにて増幅・直鎖化し、エタノール沈殿法により精製した。このcDNAから、DIG RNA LabellingKIT (SP6/T7)(ロッシュ社)にてSP6もしくはT7によるinvitro transcriptionを行い(40μlスケール)、生成されたDIGラベルリボプローブをエタノール沈殿により精製した。精製したプローブは大塚精製水100μlに溶解した。cDNAの挿入方向から、SP6により生成されたDIGラベルリボプローブがアンチセンスプローブ、T7により生成されたDIGラベルリボプローブがセンスプローブであった。
In situハイブリダイゼーションにはフリーフローティング法を使用した。まずクライオスタットCM3050(ライカ社)を用いて40μmの厚さの前頭断凍結切片を作製した。つぎに切片をPBSで洗浄した後、1μg/ml Proteinase Kを含む10mM Tris−HCl / 1mM EDTA (pH8.0)処理(37℃・15分)にてプロテアーゼ処理を行った。さらに、0.25%無水酢酸を含む0.1Mトリエタノールアミン (pH8.0)による処理(室温・10分)にてアセチル化を行った後、hybridization buffer (50%ホルムアミド,10mM Tris−HCl pH7.5,1×Denhardt’s solution, 200μg/ml tRNA,10%デキストラン硫酸,600mM NaCl,0.25% SDS,1mM EDTA)による処理(60℃・20分)にてpre−hybridization反応を行った。Hybridization反応には、hybridization bufferでアンチセンスプローブもしくはセンスプローブを1000倍に希釈し、85℃で3分変性した後、切片に加え60℃で12時間以上反応させた。引き続き、非特異的にhybridizationしたプローブを洗浄するため以下の操作を行った。1)2×SSC (SSC;1×SSC=150mM NaCl,15mMクエン酸ナトリウム,pH7.0)/50%ホルムアミド処理(60℃・15分・2回)、2)TNE(0.5M NaCl,10mM Tris−HCl(pH7.6),1mM EDTA)処理(37℃・10分)、3)20mg/ml RNase A in TNE処理(37℃・30分)、4)TNE処理(37℃・10分)、5)2×SSC処理 (60℃・15分・2回)、6)0.5×SSC処理(60℃・15分・2回)。以上の操作を行った後、DIGラベルプローブを検出するための免疫組織化学を行った。まず、DIG−1(100mM Tris−HCl pH7.5,150mM NaCl,0.1% Tween20)で洗浄した後、1.5% Blocking reagent (ロッシュ社)を含むDIG−1による処理(37℃・1時間)にて非特異反応のブロッキングを行い、anti−DIG fab−fragment antibody conjugated with alkaline phosphatase(ロッシュ社)を含むDIG−1(1:1000)を室温で1時間反応させた。DIG−1で十分洗浄した後、DIG−3(100mM Tris−HCl pH9.5,100mM NaCl,50mM MgCl)でリンスし、0.18mg/ml 5−bromo−4−chloro−3−indolyl−phosphate (BCIP)を含むジメチルホルムアミド、および0.34mg/ml 4−nitroblue tetrazolium (NBT)を含む70%ジメチルホルムアミドを、DIG−3 1mlにつきそれぞれ3.5mlおよび4.5ml加えた溶液によって、室温にて発色反応を行った。適時に発色をPBS洗浄により止めた後、切片をスライドガラスに載せ、90%グリセロールを含むPBSで封入し、光学顕微鏡で観察した。
アンチセンスプローブにて特異的に発色していたのは、視床下部のretrochiasmatic areaを中心に、arcuate nucleusの吻側、特に背側部・外側部にかけてであった。これらの領域においてセンスプローブによる発色は検出されなかった。
上記部位では、cocaine− and amphetamine−regulated transcript(CART)、POMCが発現し(ともに摂食抑制)、またレプチン受容体が高濃度に存在することが知られている。このことから、AQ27リガンドは摂食を制御すると考えられる。arcuate nucleusはGHRHの存在する部位で、正中隆起外層に投射する神経があることが知られている。このことから、新規分泌蛋白質は神経内分泌に関与すると考えられる。さらに、実施例29に記すAQ27mRNAの分布と併せ考えると、新規分泌蛋白質が睡眠・覚醒、痛覚、交感神経系、自発行動・情動行動等を制御・修飾すると考えられる。
【0182】
実施例29 in situハイブリダイゼーション法によるAQ27mRNAのラット脳における発現分布の検討
Wistarラットをネンブタール麻酔下で開腹し、左心室から0.9%食塩水を5分間潅流し、続いて4%パラホルムアルデヒド溶液を5分間潅流した。取り出した脳を同溶液中に24時間4℃で浸漬したのち、30%スクロース溶液に置換し,4℃で3日間浸漬し、解析に供する脳のサンプルを得た。
AQ27アンチセンス、センスプローブは以下の方法で調製した。
まず、プラスミドベクターpCRII TOPO(インビトロジェン社)に自体公知の方法でラット型AQ27cDNAを挿入した。このcDNAを、M13プライマー(インビトロジェン社)・Advantage GC2ポリメラーゼ(クロンテック社)を用いたPCRにて増幅・直鎖化し、エタノール沈殿法により精製した。このcDNAから、DIG RNA Labelling KIT(SP6/T7)(ロッシュ社)にてSP6もしくはT7によるin vitro transcriptionを行い(40μlスケール)、生成されたDIGラベルリボプローブをさらに40mM NaHCO3,60mMNa2CO3pH10.2により400bpにアルカリ加水分解した後エタノール沈殿により精製した。精製したプローブは大塚精製水100μlに溶解した。cDNAの挿入方向から、SP6により生成されたDIGラベルリボプローブがアンチセンスプローブ、T7により生成されたDIGラベルリボプローブがセンスプローブであった。
In situハイブリダイゼーションにはフリーフローティング法を使用した。まずクライオスタットCM3050(ライカ社)を用いて40μmの厚さの前頭断凍結切片を作製した。つぎに切片をPBSで洗浄した後、1μg/ml Proteinase Kを含む10mM Tris−HCl/1mM EDTA(pH8.0)処理(37℃・15分)にてプロテアーゼ処理を行った。さらに、0.25%無水酢酸を含む0.1Mトリエタノールアミン(pH8.0)による処理(室温・10分)にてアセチル化を行った後、hybridization buffer(50%ホルムアミド,10mM Tris−HCl pH7.5,1×Denhardt’s solution, 200μg/ml tRNA,10%デキストラン硫酸,600mM NaCl,0.25% SDS,1mM EDTA)による処理(60℃・20分)にてpre−hybridization反応を行った。Hybridization反応には、hybridization bufferでアンチセンスプローブもしくはセンスプローブを1000倍に希釈し、85℃で3分変性した後、切片に加え60℃で12時間以上反応させた。引き続き、非特異的にhybridizationしたプローブを洗浄するため以下の操作を行った。1) 2×SSC(SSC;1×SSC=150mM NaCl,15mMクエン酸ナトリウム,pH7.0)/50%ホルムアミド処理(60℃・15分・2回)、2)TNE(0.5M NaCl,10mM Tris−HCl(pH7.6),1mM EDTA)処理(37℃・10分)、3)20mg/ml RNase A in TNE処理(37℃・30分)、4)TNE処理(37℃・10分)、5)2×SSC処理(60℃・15分・2回)、6)0.5×SSC処理(60℃・15分・2回)。以上の操作を行った後、DIGラベルプローブを検出するための免疫組織化学を行った。まず、DIG−1(100mM Tris−HCl pH7.5,150mM NaCl,0.1% Tween20)で洗浄した後、1.5% Blocking reagent (ロッシュ社)を含む DIG−1による処理(37℃、1時間)にて非特異反応のブロッキングを行い、anti−DIGfab−fragment antibody conjugated with alkaline phosphatase(ロッシュ社)を含むDIG−1(1:1000)を室温で1時間反応させた。DIG−1で十分洗浄した後、DIG−3(100mM Tris−HCl pH9.5,100mM NaCl,50mM MgCl)でリンスし、0.18mg/ml 5−bromo−4−chloro−3−indolyl−phosphate (BCIP)を含むジメチルホルムアミド、および0.34mg/ml 4−nitroblue tetrazolium (NBT)を含む70%ジメチルホルムアミドを、DIG−3 1mlにつきそれぞれ3.5mlおよび4.5ml加えた溶液によって、4℃にて一晩発色反応を行った。適時に発色をPBS洗浄により止めた後、切片をスライドガラスに載せ、90%グリセロールを含むPBSで封入し、光学顕微鏡で観察した。
アンチセンスプローブにて特異的に発色していたのは、piriform cortex(梨状皮質)、cortex−amygdara transition zone(皮質扁桃移行帯)、ventral pallidum(淡蒼球)、lateral preoptic area(視索前野)、ventromedial hypothalamic nucleus(腹内側核)、zona incerta(不確帯)、posteror hypothalamic area(視床下部後核)、marginal zone mediangeniculate(内側膝状周辺帯)、dorsal raphe nucleus(背側縫線核)、nucleus of brachium inferior colliculus(下丘腕核)、intergeniculate leaf(膝状体間小葉)、locus coeruleus(青斑核)、central gray,alpha・beta part(中心灰白質)等であった(図51)。特にdorsal raphe nucleus(背側縫線核)、locus coeruleus(青斑核)では強い発色が認められた。これらの領域ではセンスプローブによる発色は検出されなかった。
以上の結果から、新規分泌蛋白質/AQ27は視床下部で統合された情報を大脳−脳幹に伝達する役割を担うと考えられた。具体的には、1)摂食、2)睡眠・覚醒、3)痛覚、4)ストレス応答、5)自発行動・情動行動等の制御・修飾作用が示唆された。
【0183】
実施例30 ヒト型新規分泌蛋白質F遺伝子を導入したCHO細胞上清中のAQ27特異的活性成分の精製
まず定法により、ヒト型新規分泌蛋白質F遺伝子全長(配列番号:24)を発現ベクターpAKKO−H111に導入した。このベクターをリポフェクトアミン2000(Gibco−BRL)を用いてトランスフェクションし、一過性にCHO細胞においてヒト型新規分泌蛋白質Fを発現させ、培養上清を取得した。この培養上清中に、ベクターのみを導入したCHO細胞(mock CHO細胞)の培養上清と比較して、HEK細胞に一過性に発現させたオーファンレセプターAQ27に対して特異的な刺激活性を見出した(図52)。AQ27特異的な刺激活性の検出は、cAMPレスポンスエレメント(CRE)プロモーターの発現誘導によって産生されるレポーター遺伝子産物(ルシフェラーゼ)の発現量を指標に行った。
次に、この発現ベクターを、ジーントランスファー(和光純薬)を用いてCHOdhfr−細胞にトランスフェクションし、ヒト型AQ27リガンド遺伝子を恒常的に発現するCHO細胞を取得した。このヒト型新規分泌蛋白質F遺伝子発現CHO細胞を培養し、培養上清を得た。
培養上清からの精製にあたって、既知RFアミドペプチドを認識する抗体が分泌蛋白質Fを認識し得るか、液相の競合法で検討したところ、抗RFRP−1抗体の1F3−1が分泌蛋白質FのC末端構造を認識することが判明した(図53)。
培養上清を2.4L取得し、1F3−1抗体を用いたアフィニティー精製を行った。まず、上清を煮沸し、遠心にて析出物を取り除き、1F3−1抗体を結合させたNHS−activated Sepharoseカラム(アマシャムバイオサイエンス)にアプライした。カラムを1.0M NaClを加えたPBS(Phosphate Buffered Saline)にて洗浄後、0.5MnaClを含む0.2M Glycine−HCl pH2.2で1F3−1抗体を結合させたNHS−activated Sepharoseカラムに結合した成分を溶出した。この溶出画分を,Vydac C18 218TP5415カラムにアプライし、20−35%アセトニトリルの濃度勾配で溶出したところ、2つのピークのAQ27特異的な刺激活性が検出された(図54)。それぞれの活性ピークをμRPC C2/C18 SC2.1/10カラムで分離したことろ、それぞれ活性ピークは2つに分かれ合計4つの活性ピーク1〜4が得られた(図55および図56)。
4つの活性画分に含まれるペプチドの分子量をMALDI−TOF−MSで測定した。図55および図56に示されるそれぞれの活性ピークに含まれるペプチドの測定分子量とそれらに対応するヒト型AQ27リガンド遺伝子から推測される分子量の理論値およびアミノ酸配列を図57に示す。
【0184】
実施例31 長さの異なるペプチドFのAQ27発現CHO細胞株に対するcAMP産生抑制試験
AQ27を発現させたCHO細胞を、96穴プレート(ファルコン)に4×10個/wellでまき、37℃、5%CO・95%airで一晩培養した。アッセイ用バッファーとして、Hanks’Balanced Salt Solution(ギブコ)に、終濃度0.1% ウシ血清アルブミン(BSA、シグマ)、200μM 3−isobutyl−1−methylxanthine(シグマ)、20mM HEPES(pH7.4) (ギブコ)を加えたものを調製した。試料希釈用バッファーとしてアッセイ用バッファーに終濃度2μMフォルスコリンを添加したものを作成、これを用い図58に示した試料ペプチドを、2×10−6M、2×10−7M、2×10−8M、2×10−9M、2×10−10M、2×10−11Mに希釈した。一晩培養した細胞は、アッセイ用バッファー150μlで二回洗浄後交換して30分、37℃、100% airで培養し、同様に2回洗浄して、アッセイ用バッファー50μl、試料溶液50μlを添加し、攪拌した後30分、37℃、100% airで培養した。細胞内cAMP量を、cAMP−ScreenTM System(ABI)を用い、本キットのプロトコールに従い測定した。Maximam levelのcAMP量と各サンプルを添加した時のcAMP量の差を算出して、フォルスコリンによるcAMP産生促進量に対する百分率を算出し、これをcAMPの産生の抑制率とした(図59)。図58に各試料のEC50値を示す。
【0185】
実施例32 ヒト型新規分泌蛋白質Fのラットコルチコステロンの分泌刺激活性AQ27受容体がラット副腎で高い発現をしていることから、副腎ホルモンの分泌に作用する可能性があるため、図58に記載のAQ27L−43をラットに投与して副腎皮質ホルモンに対する影響を調べた。8週齢のオスWistarラットを軽く固定し尾静脈からAQ27L−43を生理食塩水に溶解し0.5mg/ラットの濃度で投与し30分後に断頭により採血を行った。またコントロールとして生理食塩水を投与したラットから採血した。これらの血清成分をラットコルチコステロン測定キット(Amersham社)を用いて測定したところAQ27投与ラットで血中コルチコステロンの上昇が観察できた。
【0186】
【発明の効果】
本発明の新規分泌蛋白質およびそのDNAは、例えば、本発明の新規分泌蛋白質の機能不全に関連する疾患などに対する予防・治療薬などとして有用である。さらに、本発明の新規分泌蛋白質は、本発明の新規分泌蛋白質の機能を促進または阻害する化合物のスクリーニング等にも有用である。
本発明のDNAは、本発明の新規分泌蛋白質の発現を促進または阻害する化合物のスクリーニング等にも有用である。
【0187】
【配列表】
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【図面の簡単な説明】
【図1】分泌蛋白質AのDNA配列を示す。
【図2】分泌蛋白質Aのアミノ酸配列を示す。
【図3】分泌蛋白質BのDNA配列を示す。
【図4】分泌蛋白質Bのアミノ酸配列を示す。
【図5】分泌蛋白質CのDNA配列を示す。
【図6】分泌蛋白質Cのアミノ酸配列を示す。
【図7】分泌蛋白質DのDNA配列を示す。
【図8】分泌蛋白質Dのアミノ酸配列を示す。
【図9】分泌蛋白質EのDNA配列を示す。
【図10】分泌蛋白質Eのアミノ酸配列を示す。
【図11】分泌蛋白質FのDNA配列を示す。
【図12】分泌蛋白質Fのアミノ酸配列を示す。
【図13】分泌蛋白質GのDNA配列を示す。
【図14】分泌蛋白質Gのアミノ酸配列を示す。
【図15】分泌蛋白質Fと分泌蛋白質Gのアミノ酸配列の比較図を示す。
【図16】新規ポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)および新規ポリペプチドF:Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)のヒトAQ27受容体およびヒトOT7T022受容体を発現させていないHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度(μM)を示す。FSKはフォルスコリンを示す。EHAGCRFRF-NHはポリペプチドGlu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)を、GGFSFRFはポリペプチドGly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)を示す。baseはポリペプチド無添加の場合を示す。
【図17】新規ポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)および新規ポリペプチドF:Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)のヒトAQ27受容体を一過性に発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度(μM)を示す。FSKはフォルスコリンを示す。EHAGCRFRF-NHはポリペプチドGlu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)を、GGFSFRFはポリペプチドGly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)を示す。baseはポリペプチド無添加の場合を示す。
【図18】新規ポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)および新規ポリペプチドF:Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)のヒトOT7T022受容体を一過性に発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度(μM)を示す。FSKはフォルスコリンを示す。EHAGCRFRF-NHはポリペプチドGlu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)を、GGFSFRFはポリペプチドGly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)を示す。baseはポリペプチド無添加の場合を示す。
【図19】分泌蛋白質HのDNA配列を示す。
【図20】分泌蛋白質Hのアミノ酸配列を示す。
【図21】新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)のヒトAQ27受容体およびヒトOT7T022受容体を発現させていないHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度(μM)を示す。FSKはフォルスコリンを示す。RKKGGFSFRF-NHはポリペプチドArg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を示す。baseはポリペプチド無添加の場合を示す。
【図22】新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)のヒトAQ27受容体を発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度(μM)を示す。FSKはフォルスコリンを示す。RKKGGFSFRF-NHはポリペプチドArg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を示す。baseはポリペプチド無添加の場合を示す。
【図23】新規ポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)のヒトOT7T022受容体を発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度(μM)を示す。FSKはフォルスコリンを示す。RKKGGFSFRF-NHはポリペプチドArg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を示す。baseはポリペプチド無添加の場合を示す。
【図24】AQ27発現CHO細胞におけるcAMP産生抑制活性を示す。n=2の平均値である。縦軸はcAMP濃度(pmol)を示す。横軸はポリペプチドの濃度をlogMで表したものである。FSK−はフォルスコリン無添加の場合を、FSK+はフォルスコリン添加の場合を示す。RKKGGFSFRF-NHはポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を示す。
【図25】mock CHO細胞におけるcAMP産生抑制活性を示す。n=2の平均値を示す。縦軸はcAMP濃度(pmol)を示す。横軸はポリペプチドの濃度をlogMで表したものである。FSK−はフォルスコリン無添加の場合を、FSK+はフォルスコリン添加の場合を示す。RKKGGFSFRF-NHはポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を示す。
【図26】GGFSFRF-NHのAQ27発現CHO細胞における細胞内カルシウムイオン遊離促進活性を示す。縦軸のFluorescenceは蛍光強度(cps)を示す。横軸は時間(秒)を示す。GGFSFRF-NHはポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)を示す。○、□および▲はそれぞれ添加したGGFSFRF-NHの濃度が0μM、1μMおよび10μMであることを示す。
【図27】RKKGGFSFRF-NHのAQ27発現CHO細胞における細胞内カルシウムイオン遊離促進活性を示す。縦軸のFluorescenceは蛍光強度(cps)を示す。横軸は時間(秒)を示す。RKKGGFSFRF-NHはポリペプチドF:Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第124番目〜第133番目)を示す。○、□および▲はそれぞれ添加したGGFSFRF-NHの濃度が0μM、1μMおよび10μMであることを示す。
【図28】新規ポリペプチドF:Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH2、Pyr-Asp-Glu-Gly-Ser-Glu-Ala-Thr-Gly-Phe-Leu-Pro-Ala-Ala-Gly-Glu-Lys-Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第108番目〜第133番目および第91番目〜第133番目)のヒトAQ27受容体を発現させていないHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度をlogMで表したものである。FSK−はフォルスコリン無添加の場合を、FSK+はフォルスコリン添加の場合を示す。T1−F26−NHは新規ポリペプチドF: Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg-Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第108番目〜第133番目)、Pyr1−F43−NHは新規ポリペプチドF:Pyr -Asp-Glu-Gly-Ser-Glu-Ala-Thr-Gly-Phe-Leu-Pro-Ala-Ala-Gly-Glu-Lys-Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第91番目〜第133番目)を示す。Pyrは環状ピログルタミル化されたグルタミンを示す。
【図29】新規ポリペプチドF:
Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH2、Pyr-Asp-Glu-Gly-Ser-Glu-Ala-Thr-Gly-Phe-Leu-Pro-Ala-Ala-Gly-Glu-Lys-Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第108番目〜第133番目および第91番目〜第133番目)のヒトAQ27受容体を発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はポリペプチドの濃度をlogMで表したものである。FSK−はフォルスコリン無添加の場合を、FSK+はフォルスコリン添加の場合を示す。T1−F26−NHは新規ポリペプチドF:
Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第108番目〜第133番目、Pyr1−F43−NHは新規ポリペプチドF:Pyr-Asp-Glu-Gly-Ser-Glu-Ala-Thr-Gly-Phe-Leu-Pro-Ala-Ala-Gly-Glu-Lys-Thr-Ser-Gly-Pro-Leu-Gly-Asn-Leu-Ala-Glu-Glu-Leu-Asn-Gly-Tyr-Ser-Arg -Lys-Lys-Gly-Gly-Phe-Ser-Phe Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第91番目〜第133番目)を示す。Pyrは環状ピログルタミル化されたグルタミンを示す。
【図30】新規ポリペプチドPyr1−F43−NHによるAQ27発現CHO細胞での細胞内カルシウムイオン動員活性を示す。縦軸のFluorescenceは蛍光強度(cps)を示す。横軸は時間(秒)を示す。□はペプチド無添加の場合を、■、△、▲、○、●および◇は添加したペプチドの濃度をlogMで表したものであり、それぞれ5、6、7、8、9および10を示す。
【図31】mock CHO細胞での細胞内カルシウムイオン濃度変化に対する新規ポリペプチドPyr1−F43−NHの影響を調べた結果を示す。縦軸のFluorescenceは蛍光強度(cps)を示す。横軸は時間(秒)を示す。□はペプチド無添加の場合を、■、△、▲、○、●および◇は添加したペプチドの濃度をlogMで表したものであり、それぞれ5、6、7、8、9および10を示す。
【図32】新規ポリペプチドPyr1−F43−NHによるAQ27発現CHO細胞でのcAMP産生抑制活性を示す。n=3の平均値。縦軸のinhibitionはcAMP産生抑制率(%)を示す。横軸のConc.は添加したペプチドの濃度をlogMで表した。
【図33】mock CHOのcAMP産生抑制活性に対する新規ポリペプチドPyr1−F43−NHの影響を調べた結果を示す。n=3の平均値。縦軸のinhibitionはcAMP産生抑制率(%)を示す。横軸のConc.は添加したペプチドの濃度をlogMで表した。
【図34】新規ポリペプチドF:Ala-Ser-Gln-Pro-Gln-Ala-Leu-Leu-Val-Ile-Ala-Arg-Gly-Leu-Gln-Thr-Ser-Gly-Arg-Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第61番目〜第86番目)のヒトAQ27受容体を発現させていないHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸はルシフェラーゼ活性(cps)、横軸はポリペプチドの濃度をlogMで表したものである。FSK−はフォルスコリン無添加の場合を、FSK+はフォルスコリン添加の場合を示す。A1−F28−NHは新規ポリペプチドF:Ala-Ser-Gln-Pro-Gln-Ala-Leu-Leu-Val-Ile-Ala-Arg-Gly-Leu-Gln-Thr-Ser-Gly-Arg-Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第61番目〜第86番目)を示す。
【図35】新規ポリペプチドF:
Ala-Ser-Gln-Pro-Gln-Ala-Leu-Leu-Val-Ile-Ala-Arg-Gly-Leu-Gln-Thr-Ser-Gly-Arg-Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第61番目〜第86番目)のヒトAQ27受容体を発現させたHEK293細胞に対するレポーター遺伝子発現量の上昇活性(ルシフェラーゼ活性)を示す。縦軸のFluorescenceはルシフェラーゼ活性(cps)、横軸はポリペプチドの濃度をlogMで表したものである。FSK−はフォルスコリン無添加の場合を、FSK+はフォルスコリン添加の場合を示す。A1−F28−NHは新規ポリペプチドF:Ala-Ser-Gln-Pro-Gln-Ala-Leu-Leu-Val-Ile-Ala-Arg-Gly-Leu-Gln-Thr-Ser-Gly-Arg-Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-NH2(配列番号:23の第61番目〜第86番目)を示す。
【図36】新規ポリペプチドA1−F28−NHによるAQ27発現CHO細胞での細胞内カルシウムイオン動員活性を示す。縦軸のFluorescenceは蛍光強度(cps)を示す。横軸は時間(秒)を示す。*はペプチド無添加の場合を、■、●、○、▲、◇および◆はペプチドの濃度をlogMで表したものであり、それぞれ5、6、7、8、9および10を示す。
【図37】mock CHO細胞での細胞内カルシウムイオン濃度変化に対する新規ポリペプチドA1−F28−NHの影響を調べた結果を示す。縦軸のFluorescenceは蛍光強度(cps)を示す。横軸は時間(秒)を示す。*はペプチド無添加の場合を、■、●、○、▲、◇および◆はペプチドの濃度をlogMで表したものであり、それぞれ5、6、7、8、9および10を示す。
【図38】新規ポリペプチドA1−F28−NHによるAQ27発現CHO細胞でのcAMP産生抑制活性を示す。n=2の平均値。縦軸のinhibitionはcAMP産生抑制率(%)を示す。横軸のConc.は添加したペプチドの濃度をlogMで表したものである。
【図39】mock CHO細胞のcAMP産生抑制活性に対する新規ポリペプチドA1−F28−NHの影響を調べた結果を示す。n=2の平均値。縦軸のinhibitionはcAMP産生抑制率(%)を示す。横軸のConc.は添加したペプチドの濃度をlogMで表したものである。
【図40】分泌蛋白質IのDNA配列を示す。
【図41】分泌蛋白質Iのアミノ酸配列を示す。
【図42】ラットAQ27受容体の塩基配列を示す。
【図43】ラットAQ27受容体のアミノ酸配列を示す。
【図44】マウスAQ27受容体の塩基配列を示す。
【図45】マウスAQ27受容体のアミノ酸配列を示す。
【図46】ヒトAQ27受容体(A)、ラットAQ27受容体(B)およびマウスAQ27受容体(C)のアミノ酸配列の相同性を示す。
【図47】AQ27受容体mRNAのヒトにおける組織分布を示す。
【図48】AQ27受容体mRNAのラットにおける組織分布を示す。図中のiはinfant(胎児)を示す。
【図49】分泌蛋白質GのmRNAのラットにおける組織分布を示す。
【図50】分泌蛋白質FのmRNAのヒトにおける組織分布を示す。
【図51】in situハイブリダイゼーション法によるAQ27mRNAのラット脳における発現分布を示す。シグナルの相対強度の+++は最も強い(highest)、++は中程度(moderate density)、+は弱い(low density)を示す。
【図52】分泌蛋白質F遺伝子を導入したCHO細胞または分泌蛋白質F遺伝子を導入していないCHO細胞の細胞上清をAQ27受容体発現細胞(AQ27/HEK)またはAQ27受容体を発現していない細胞(pAKKO/HEK)に接触させた時の特異的刺激活性を検出した結果を示す。縦軸はルシフェラーゼの発現量(cps)を示す。横軸はAQ27受容体に反応させた物質の濃度または希釈度を示す。Basalは無添加の場合を示す。FSKはフォルスコリンを添加した場合を示す。ペプチド(1)はペプチドF:Glu-His-Ala-Gly-Cys-Arg-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第80番目〜第88番目)を、ペプチド(2)はポリペプチドF:Gly-Gly-Phe-Ser-Phe-Arg-Phe-NH(配列番号:23の第127番目〜第133番目)を添加した場合を示す。mock SUP.は分泌蛋白質F遺伝子を導入していないCHO細胞の細胞上清を添加した場合を示す。ペプチドF SUP.は分泌蛋白質F遺伝子を導入したCHO細胞の細胞上清を添加した場合を示す。
【図53】既知の抗RFRP−1抗体 1F3−1と分泌蛋白質Fとの反応曲線を示す。縦軸のB/B(%)はサンプル添加時の結合量とサンプル非添加時の結合量の比を、横軸のPeptide conc.は分泌蛋白質Fの濃度をlogMで表したものである。
【図54】既知の抗RFRP−1抗体 1F3−1を用いたアフィニティクロマトグラフィー結合画分のAQ27受容体発現細胞(AQ27)またはAQ27受容体を発現していない細胞(pAKKO)に対する特異的刺激活性を示す。横軸のLuciferase activityはルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はアフィニティクロマトグラフィー結合画分の番号を示す。
【図55】図54のフラクション20(fr.20)を分離した時の各フラクションのAQ27受容体発現細胞に対する特異的刺激活性を示す。横軸のLuciferase activityはルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はフラクションの番号を示す。3と4は活性ピークを示す。
【図56】図54のフラクション20−13(fr.20−23)を分離した時の各フラクションのAQ27受容体発現細胞に対する特異的刺激活性を示す。横軸のLuciferase activityはルシフェラーゼ活性(cps)を示す。横軸はフラクションの番号を示す。1と2は活性ピークを示す。
【図57】図55および図56の活性ピーク1〜4に含まれるペプチドFの測定分子量と理論値およびアミノ酸配列を示す。
【図58】長さの異なるペプチドFのアミノ酸配列と各種ペプチドFのAQ27発現CHO細胞株に対するcAMP産生抑制活性(EC50値)を示す。
【図59】図58に示したペプチドFのAQ27発現CHO細胞株に対するcAMP産生抑制率を示す。縦軸のinhibition(%)はcAMP産生抑制率(%)を示す。横軸のConcentration(logM)は添加したペプチドFの濃度をlogMで表したものである。

Claims (13)

  1. 配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第19番目〜136番目のアミノ酸配列からなる分泌蛋白質、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  2. 配列番号:23で表わされるアミノ酸配列の第90番目〜133番目のアミノ酸配列、第91番目〜133番目のアミノ酸配列、第93番目〜133番目のアミノ酸配列、第104番目〜133番目のアミノ酸配列、第108番目〜133番目のアミノ酸配列、第109番目〜133番目のアミノ酸配列、第111番目〜133番目のアミノ酸配列、第115番目〜133番目のアミノ酸配列、第119番目〜133番目のアミノ酸配列、第124番目〜133番目のアミノ酸配列、第126番目〜133番目または第127番目〜133番目のアミノ酸配列からなるペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩。
  3. 配列番号:23で表わされるアミノ酸配列からなる前駆体蛋白質またはその塩。
  4. 請求項1記載の分泌蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  5. 配列番号:24で表わされる塩基配列の第55番目〜408番目の塩基配列からなる請求項4記載のポリヌクレオチド。
  6. 請求項2記載のペプチドをコードするポリヌクレオチドからなるポリヌクレオチド。
  7. 配列番号:24で表わされる塩基配列の第268番目〜399番目、第271番目〜399番目、第277番目〜399番目、第310番目〜399番目、第322番目〜399番目、第325番目〜399番目、第331番目〜399番目、第343番目〜399番目、第355番目〜399番目、第370番目〜399番目、第376番目〜399番目または第379番目〜399番目の塩基配列からなる請求項6記載のポリヌクレオチド。
  8. 請求項3記載の前駆体蛋白質をコードするポリヌクレオチドを含有するポリヌクレオチド。
  9. 配列番号:24で表わされる塩基配列からなる請求項8記載のポリヌクレオチド。
  10. 請求項1記載の分泌蛋白質または請求項2記載のペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩に対する抗体。
  11. 請求項2記載のペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の細胞内Ca2+遊離活性または細胞内cAMP生成抑制活性を不活性化する中和抗体である請求項10記載の抗体。
  12. 請求項6または7に記載のポリヌクレオチドを用いることを特徴とする請求項2記載のペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の発現を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
  13. 請求項2記載のペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩を用いることを特徴とする請求項1記載の分泌蛋白質または請求項2記載のペプチド、そのアミドもしくはそのエステルまたはその塩の、細胞内Ca2+遊離活性または細胞内cAMP生成抑制活性を促進または阻害する化合物またはその塩のスクリーニング方法。
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