JP2004166316A - セグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機 - Google Patents

セグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機 Download PDF

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Abstract

【課題】磁気音の増大、セグメント導体断面積の増大を回避しつつ、大電流通電又は高電圧対応が可能なセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機を提供すること。
【解決手段】それぞれ引き出し線33U、33V、33Wを有する同ターンの2つの相巻線部により相巻線を構成することができるので、直列接続と並列接続とを選択又は切り替えることにより、もしくは星形接続とデルタ接続の変更により、ターン数が異なるステータコイルを容易に実現することができるとともに、これら二つの相巻線部がそれぞれ第1、第2の相巻線部を重ねて外部に引き出すことができるので引き出し線33U、33V、33Wの配線作業の複雑化を抑止することができる。
【選択図】図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、セグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機の改良、特にセグメント導体接合型車載回転電機の改良に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
近年、採用されつつあるアイドルストップシステムでは頻繁なエンジン始動が必要であるので、ブラシを必要とする直流スタータに代えてそれを必要としない交流モータが要望されている。しかし、従来の直流直巻スタータに匹敵する大始動電流を通電可能な交流モータは従来のオルタネータなどに比較して大型化してしまうため、エンジンルーム内のスペース拡大やレイアウトの大幅変更が必要となり、車重増大も招いてしまう。
【0003】
また、車両用交流発電機として、ステータコアのスロットに挿通された多数のU字状のセグメント導体を順次接合して形成されたセグメント導体接合型電機子を備えた交流機が提案されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−164506号公報
【特許文献2】
特開2001−169490号公報
【0005】
上記特許文献2は、一対のスロット導体がスロットの径方向1層、4層を挿通する大セグメント導体(波巻セグメント導体)と、一対のスロット導体がスロットの径方向2層、3層を挿通する小セグメント導体(重ね巻セグメント導体)とをもつ1スロット4導体方式のセグメント導体接合型車両用交流発電機を開示している。更に説明すると、特許文献2は、第1のスロットに互いに隣接する2スロットに2つづつ収容される合計4つの周回コイルを襷がけ接続することにより、2つの周回コイルが直列接続される相巻線部を2つ並列接続して相巻線を構成する2スロット8導体方式のセグメント導体接合型ステータコイルを採用して、極数を増加することなく通電電流の倍増を可能としている。
【0006】
上記特許文献1は、一対のスロット導体がスロットの径方向1層、6層を挿通する大セグメント導体と、一対のスロット導体がスロットの径方向2層、3層を挿通する小セグメント導体と、一対のスロット導体がスロットの径方向4層、5層を挿通する小セグメント導体とを用いた1スロット6導体方式のセグメント導体接合型ステータコイルを提案している。この1スロット6導体方式のセグメント導体接合型ステータコイルによれば、上記した1スロット4導体方式のセグメント導体接合型ステータコイルよりもターン数を5割増しとすることができるため、回転数などの諸元を変更することなくターン数増大分だけ高電圧化が可能となる。
【0007】
しかしながら、これらのセグメント導体接合型ステータコイルでは配線パターンすなわち各スロット導体の接続順序が固定されているため、ロータ極数の増加なしにステータコイル(電機子巻線)のターン数を増大することができない。このため、車両用回転電機をバッテリの高電圧化に対応させることが容易でない。また、セグメント導体の断面積を増加することは曲げ加工が困難となるため、車両用回転電機の大電流化が容易ではなかった。
【0008】
また、並列接続される同相である一対の相巻線部の引き出し線引き出し位置が互いに大きく異なっているので、外部端子や中性点に連なる引き出し線(スロット内に収容された導体であるスロット導体部から外部に引き出される導体線)が長く複雑になり、配線抵抗及び配線インダクタンスの増大が派生したうえ、長く複雑な引き出し線を延設するための必要スペースの増大により回転電機の軸長増大といった問題も生じた。
【0009】
本発明は、上記問題点に鑑みなされたものであり、配線作業の困難化、セグメント断面積増大及びモータ軸長増大を回避しつつ大電流の通電が可能なセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機を提供することをその目的としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機は、毎極毎相q個(qは2以上の整数)のスロットをもつ電機子鉄心と、前記スロット内の収容された導体部分であるスロット導体を径方向内側から外側へ順にs個(sは4以上の偶数)有するとともに、互いに所定スロットピッチ離れた2つの前記スロット導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなる多数のセグメント導体の前記接続側コイルエンド部を一対ずつ接合して構成される相巻線をm個(mは3以上の整数)有する電機子巻線とを備えるセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
前記相巻線は、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が1磁極ピッチ以上離れた前記セグメント導体からなる波巻部と、前記一対の接続側コイルエンド部の前記先端部が1磁極ピッチ未満である重ね巻部とを交互に接続してそれぞれ構成されて互いに等しいターン数を有し互いに逆方向に進行する第1、第2の相巻線部を有し、前記第1、第2の相巻線部の一端は、同一スロット内に径方向に隣接して収容されるとともに一対の第1引き出し線に個別に連なる2つの前記スロット導体により構成され、前記第1、第2の相巻線部の他端は、同一スロット内に径方向に隣接してに収容されるとともに一対の第2引き出し線に個別に連なる2つの前記スロット導体により構成されることを特徴としている。
【0011】
この発明によれば、それぞれ引き出し線を有する同ターンの2つの相巻線部により相巻線を構成することができるので、直列接続と並列接続とを選択又は切り替えることにより、もしくは星形接続とデルタ接続の変更により、ターン数が異なるステータコイルを容易に実現することができるとともに、同相の第1、第2の相巻線部の引き出し線を重ねて外部に引き出すことができるので引き出し線の配線作業を簡素化することができる。
【0012】
好適な態様(請求項2)によれば、前記スロットは、前記スロット導体としての1層導体、2層導体、3層導体、4層導体を径方向内側から外側へ順に収容し、前記相巻線部は、互いに所定スロットピッチ離れた前記1層導体及び4層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体と、互いに所定スロットピッチ離れた前記2層導体及び3層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体とを有し、前記1層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記2層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、前記3層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記4層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、前記相巻線部は、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が略2磁極ピッチ離れた波巻部と、前記一対の接続側コイルエンド部の前記先端部が略零スロットピッチである重ね巻部とを交互に接続して構成され、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の一端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記1層導体及び2層導体(または3層導体及び4層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第1引き出し線に連なり、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の他端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記3層導体及び4層導体(または1層導体及び2層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第2引き出し線に連なる。
【0013】
これにより、1、4層に収容されて略2磁極ピッチの接合端ピッチをもつ波巻部と、2、3層に収容されて略零スロットピッチの接合端ピッチをもつ波巻部とを交互に接合することにより、一対の波巻部と重ね巻部との合計接合端ピッチを2磁極ピッチとすることができる。また、両相巻線部の引き出し線が同じスロット内の互いに隣接する位置から引き出されるので、引き出し線の配線、相互接続が非常に容易となり、同相である一対の相巻線部の並列接続などが非常に簡単となり、引き出し線の這い回し距離短縮、電機子巻線の電気抵抗低減により発電出力の向上や電機子巻線の発熱低減を実現し、引き出し線這い回しスペース短縮による軸長短縮を実現することができる。
【0014】
好適な態様(請求項3)によれば、各相の前記一対の第1引き出し線は、電気角2π/mだけ順次離れて配置され、かつ、全体として略2π(m−1)/mの電気角範囲内に配置され、各相の前記一対の第2引き出し線は、電気角2π/mだけ順次離れて配置され、かつ、全体として略2π(m−1)/mの電気角範囲内に配置されている。これにより、セグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機における入出力線や中性点に連なる引き出し線の這い回しを最小範囲に集約できるので、入出力線が接続される端子台の取り付け範囲に上記這い回し範囲を収めることができ、端子台取り付け範囲外のハウジング部分にこの引き出し線収容スペースを節約することができるうえ、並列回路構造における引き出し線這いまわしにともなう軸長増大を抑止することが可能となる。
【0015】
好適な態様(請求項4)によれば、前記一対の第2引き出し線は、星形接続用の中性点にて互いに接続される中性点接続線を構成する。これにより、セグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機における相巻線部並列接続型三相スター接続を中性点に連なる引き出し線の引出し及び整形等を複雑化することなく実現することができ、製造工程を簡素化することができる。また、中性点接続線も短縮できるので、大電流でもこの箇所の過昇温を抑制できる。なお、前記中性点は、前記各相の前記相巻線部の前記他端側スロット導体部が占有する角度範囲のうち周方向中央近傍に配置されることが、セグメントの長さばらつきを減らすうえで好適である。
【0016】
好適な態様(請求項5)によれば、任意の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第1相の入出力線を構成し、前記任意の一相とは異なる他の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第2相の入出力線を構成し、前記任意の一相の前記第1、第2の相巻線部の他端に連なる前記一対の第2引き出し線は、前記第2相の入出力線に接続され、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部は互いに並列接続され、各相の前記相巻線はデルタ接続されているので、セグメント導体接合型電機子において2つの相巻線部を並列接続した三相デルタ接続巻線を引き出し線の引出し及び整形等を複雑化することなく実現することができ、製造工程を簡素化することができる。
【0017】
好適な態様(請求項6)によれば、前記第1、第2の相巻線部は、前記波巻部と前記重ね巻部とを交互に接続して前記固定子鉄心を略一周する一対の第1周回コイルと、前記波巻部と前記重ね巻部とを交互に接続して前記固定子鉄心を前記第1周回コイルと同方向に略一周する一対の第2周回コイルと、前記第1周回コイルと前記第2周回コイルとを直列接続する一対の異形セグメント導体とをそれぞれ有し、互いに同相である前記一対の相巻線部は、電気磁気的に等価で互いに逆方向へ進行する。すなわち、この発明では、波巻部と重ね巻部とを交互に接続し、互いに同方向に進行する第1、第2周回コイルを、波巻部および重ね巻部のスロット導体ピッチ(後ピッチ)より少なくとも1スロット短ピッチである異形セグメント導体により接続してなる第1の相巻線部と、この第1相巻線部と電気磁気的に等価で逆方向に進行する第2相巻線部とにより、相巻線を構成しているので、セグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機における第1相巻線部と第2相巻線部との接続の直並列切替えを簡単に実現することができる。特に、第1巻線と第2巻線とを並列接続する場合において、引き出し線這い回し領域を集約することができる。
【0018】
好適な態様(請求項7)によれば、互いに同相である前記一対の異形セグメント導体は、前記第1スロットピッチより1スロットピッチ以上短いスロットピッチだけ互いに離れた2つの前記スロットに重ねて挿通されている。これにより、セグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機の製造に際して、大小2本組の松葉状セグメント(未展開セグメント)を同時に開き処理(スロット導体ピッチ増大加工)することによりこれら異形セグメント導体を同時に作成することができ、製作工程を簡素化することができる。
【0019】
好適な態様(請求項8)によれば、前記一対の第1引き出し線及び前記一対の第2引き出し線の引き出し位置は、前記異形セグメント導体の略V字状コイルエンド部の周方向両側に配置されている。これにより、巻線が密集していない空間を有効利用でき、引出し線の干渉を低減し、引き出し線引出し位置の自由度を向上することができる。
【0020】
好適な態様(請求項9)によれば、前記スロットは、前記スロット導体としての1層導体、2層導体、3層導体、4層導体を径方向内側から外側へ順に収容し、前記相巻線部は、互いに磁極ピッチよりも1スロットピッチ以上小さいスロットピッチ離れた前記1層導体及び4層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体と、互いに磁極ピッチよりも1スロットピッチ以上小さいススロットピッチ離れた前記2層導体及び3層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体とを有し、前記1層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記2層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、前記3層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記4層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、前記相巻線部は、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が略2磁極ピッチ離れた前記セグメント導体からなる波巻部と、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が略1スロットピッチ離れた前記セグメント導体からなる重ね巻部とを交互に接続して略一周する第1周回コイルと、前記波巻部と前記重ね巻部とを交互に接続して前記第1周回コイルと同方向に略一周する第2周回コイルと、前記第1スロットピッチと異なるスロットピッチだけ離れた2つの前記スロットに挿通されて前記第1周回コイルと前記第2周回コイルとを直列接続する異形セグメント導体とを有し、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部は、電気磁気的に等価で互いに逆方向へ進行する。
【0021】
すなわち、この発明では、波巻部と重ね巻部とを交互に接続し、互いに同方向に進行する第一、第二周回コイルを、波巻部および重ね巻部の第1スロットピッチ(後ピッチ)より少なくとも1スロット短ピッチである異形セグメント導体により接続してなる第1の相巻線部と、この第1相巻線部と電気磁気的に等価で逆方向に進行する第2相巻線部とにより相巻線を構成しているので、セグメント導体接合型電機子における第1相巻線部と第2相巻線部との接続の直並列接続切換が簡単となる。また、1、4層に収容されて略2磁極ピッチの接合端ピッチをもつ波巻部と、2、3層に収容されて略1スロットピッチの接合端ピッチをもつ波巻部とを交互に接合し、一対の波巻部と重ね巻部との合計接合端ピッチを2磁極ピッチとし、波巻部及び重ね巻部の第1スロットピッチ(後ピッチ)を磁極ピッチより少なくとも1スロットピッチ小さくしたので、接続側コイルエンド部も全節巻相当にでき、コイルエンドを短くすることができる。したがって、一方のコイルエンドが長くなるという従来の短節分布波巻の問題を回避しつつ従来の短節分布波巻同様に磁気音を抑制することができるとともに、電機子巻線の電気抵抗低減により発電出力の向上や電機子巻線の発熱低減を実現することができる。
【0022】
好適な態様(請求項10)によれば、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の前記異形セグメント導体は、前記第1スロットピッチより1スロットピッチ以上短いスロットピッチだけ互いに離れた2つの前記スロットに重ねて挿通されていることを特徴としている。これにより、セグメント導体接合型電機子の製造に際して、大小2本組の松葉状セグメント導体(未展開セグメント導体)を同時に開き処理(スロット導体ピッチ増大加工)することにより、これら異形セグメント導体を同時に作成することができ、製作工程を簡素化することができる。
【0023】
好適な態様(請求項11)によれば、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の一端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記1層導体及び2層導体(又は3層導体及び4層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第1引き出し線に個別に連なり、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の他端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記3層導体及び4層導体(又は1層導体及び2層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第2引き出し線に個別に連なり、前記一対の第1引き出し線は、所定相の入出力線を構成し、前記一対の第2引き出し線は、星形接続用の中性点にて他の前記相巻線と接続される中性点接続線を構成することを特徴としている。これにより、セグメント導体接合型電機子において、2つの相巻線部を並列接続する星形接続巻線を引き出し線の配線、接続を複雑化することなく実現することができ、製造工程を簡素化することができる。
【0024】
好適な態様(請求項12)によれば、任意の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第1相の入出力線を構成し、前記任意の一相とは異なる他の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第2相の入出力線を構成し、前記任意の一相の前記一対の相巻線部の他端に連なる前記一対の第2引き出し線は、前記第2相の入出力線に接続され、同相の前記相巻線を構成する前記第1、第2の相巻線部は互いに並列接続され、各相の前記相巻線はデルタ接続されている。これにより、セグメント導体接合型電機子において、2つの相巻線部を並列接続してなる三相デルタ接続巻線を引き出し線の配線、接続を複雑化することなく実現することができ、製造工程を簡素化することができる。
【0025】
好適な態様(請求項13)によれば、前記一対の第1引き出し線及び前記一対の第2引き出し線の引き出し位置は、前記異形セグメント導体の略V字状コイルエンド部の周方向両側に配置されていることを特徴としている。これにより、巻線が密集していない空間を有効利用でき、引出し線の干渉を低減し、引き出し線引出し位置の自由度を向上することができる。
【0026】
好適な態様(請求項14)によれば、前記相巻線は、前記異形セグメント導体を周方向へ跨いで前記第1、第2の相巻線部を直列接続する跨ぎセグメント導体を有し、前記跨ぎセグメント導体は、前記1層導体と3層導体、又は、前記2層導体と4層導体により構成される一対の前記スロット導体を有し、前記跨ぎセグメント導体の前記一対のスロット導体は、前記第1の相巻線部の最終スロット導体と、前記第2の相巻線部の先頭スロット導体とを構成し、前記跨ぎセグメント導体の前記一対のスロット導体は、前記跨ぎセグメント導体と同相である前記第1、第2引き出し線にそれぞれ連なる前記相巻線部の前記スロット導体と同じ前記スロットに収容されていることを特徴としている。これにより、セグメント導体接合型電機子においても、同相である一対の相巻線部の接続を容易に直列接続することができる。また、跨ぎセグメント導体を一対の引き出し線に置換することにより(好適には、跨ぎセグメント導体をその略V字状コイルエンド部の先端部分などで分断すればよい)同相である一対の相巻線部の一方側の引き出し線を並列接続すれば、容易に並列接続を実現することができ、結局、ステータコイルの直並列切り替えを容易に実現することができる。これにより、たとえば電源容量増大のニーズに応えられる36Vバッテリシステムに適した発生電圧(42V)に好適なセグメント導体接合型電機子の実現を容易化することができる。
【0027】
好適な態様(請求項15)によれば、前記スロットは、前記スロット導体としての1層導体、2層導体、3層導体、4層導体、5層導体、6層導体を径方向内側から外側へ順に収容し、前記相巻線部は、略1/2スロットピッチとされた接合端ピッチ及び磁極ピッチより1スロットピッチ以上小さいスロット導体ピッチ(第1スロットピッチ)を有して前記一対のスロット導体が2層、3層の前記導体収容位置を個別に挿通する第1重ね巻セグメント導体からなる第1重ね巻部と、略1/2スロットピッチとされた接合端ピッチ及び磁極ピッチより1スロットピッチ以上小さいスロット導体ピッチ(第1スロットピッチ)を有して前記一対のスロット導体が4層、5層の前記導体収容位置を個別に挿通する第2重ね巻セグメント導体からなる第2重ね巻部と、2磁極ピッチ(略電気角2π)から前記第1、第2重ね巻セグメント導体の前記接合端ピッチの合計を差し引いた接合端ピッチ及び磁極ピッチより1スロットピッチ以上小さいスロット導体ピッチ(第1スロットピッチ)を有して前記一対のスロット導体が1層、6層の前記導体収容位置を個別に挿通する波巻セグメント導体からなる波巻部とを順次接続して略一周する第1周回コイルと、前記第1重ね巻部と前記第2重ね巻部と前記波巻部とを順次接続して前記第1周回コイルと同方向に略1周する第2周回コイルと、前記第1スロットピッチと異なるスロットピッチだけ離れた2つの前記スロットに挿通されて前記第1周回コイルと前記第2周回コイルとを直列接続する異形セグメント導体とからなり、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部は、電気磁気的に等価で互いに逆方向へ進行することを特徴としている。
【0028】
この態様によれば、各スロットに6個のスロット導体を収容することができるとともに、毎極毎相複数スロットを配置することができるので、磁極数を増加することなくステータコイルのターン数を増加することができる。また、各相巻線を、それぞれ一対の引き出し線をもつ2つの相巻線部により構成することができるので、これら2つの相巻線部の直列接続、並列接続の切り替えにより回転電機の諸元を大きく変えずに異なるバッテリ電圧に対応することができる。また、短節巻を採用したにもかかわらず、略V字状コイルエンド部の軸方向長さを短縮することができる。更に、接続側コイルエンド部も全節巻同様に簡単に構成することができるので、接続側コイルエンド部におけるセグメント導体接合に支障が生じない。つまり、従来の短節分布波巻を車両用発電機適用する場合の障害と考えられていた片側コイルエンドが長くなる問題を解消してステータコイルの電気抵抗を低減することができるので発電出力を向上することができるとともに、短節巻きの実現により磁気騒音を抑制できる。なお、スロット内の導体収容位置は、径方向一列に少なくとも6個形成されるが、更にたとえば2個とか4個とか導体収容位置を増加させてもよい。この場合、1スロットの2つの導体収容位置を占有する公知のコイルや、1スロットの4つの導体収容位置を占有する公知のコイルを更に追設することができる。
【0029】
好適な態様(請求項16)によれば、同じスロット内で径方向に隣接する前記1層導体と2層導体は、互いに並列接続される前記第1、第2の相巻線部に個別に所属し、同じスロット内で径方向に隣接する前記5層導体と6層導体は、互いに並列接続される前記第1、第2の相巻線部に個別に所属することを特徴としている。すなわち、この態様によれば、第1の相巻線部の両端をなす一対の引き出し線と、第2の相巻線部の両端をなす一対の引き出し線とを、同じスロットの径方向に隣接する2つのスロット導体から引き出すことができるので、引き出し線の製造、整形、接合などの加工を容易とすることができる。
【0030】
好適な態様(請求項17)によれば、所定の一つの前記スロット内で径方向に隣接する前記1層導体と2層導体は前記相巻線の一方端に連なり、所定の他の一つの所定の前記スロット内で径方向に隣接する前記5層導体と6層導体は前記相巻線の他方端に連なり、前記各相巻線は、三相星形巻線を構成することを特徴としている。この態様によれば、三相星形巻線を構成する各相巻線の相端子側の引き出し線を同一スロットの隣接する2つの導体収容位置から引き出し、同じく、中性点側の引き出し線も同一スロットの隣接する2つの導体収容位置から引き出すことができるので、2つの相巻線部を並列接続してなる相巻線の三相星形接続を簡素な配線、接続により実現することが可能となる。
【0031】
好適な態様(請求項18)によれば、所定の一つの前記スロット内で径方向に隣接する前記1層導体と前記2層導体は前記相巻線の一方端に連なり、所定の他の一つの前記スロット内で径方向に隣接する前記5層導体と6層導体は前記相巻線の他方端に連なり、前記各相巻線は、三相デルタ巻線を構成することを特徴としている。この態様によれば、三相デルタ巻線を構成する各相巻線の一方の引き出し線を同一スロットの隣接する2つの導体収容位置から引き出し、同じく、他方の引き出し線も同一スロットの隣接する2つの導体収容位置から引き出すことができるので、2つの相巻線部を並列接続してなる相巻線の三相デルタ接続を簡素な配線、接続により実現することが可能となる。
【0032】
好適な態様(請求項19)によれば、前記相巻線は、前記異形セグメント導体を周方向へ跨いで互い同相である前記第1、第2の相巻線部を直列接続する跨ぎセグメント導体を有し、前記跨ぎセグメント導体が有する2つの前記スロット導体の一方は、前記相巻線の一対の引き出し線の一方に連なる前記スロット導体と同じスロットに収容されるとともに前記第1、第2の相巻線部の一方の先頭のスロット導体を構成し、前記跨ぎセグメント導体が有する2つの前記スロット導体の他方は、前記相巻線の一対の引き出し線の他方に連なる前記スロット導体と同じスロットに収容されるとともに前記第1、第2の相巻線部の他方の最終のスロット導体を構成し、前記跨ぎセグメント導体の前記2つのスロット導体の先端部分は、周方向同じ向きに曲げられていることを特徴としている。この態様によれば、相巻線を構成する一対の相巻線部の直列接続を簡素な配線により実現することができ、高電圧仕様のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機を実現することができる。
【0033】
好適な態様(請求項20)によれば、第1の前記相巻線部の異形セグメント導体の2つの前記スロット導体は、第2の前記相巻線部の2つの前記スロット導体と同じ一対の前記スロットに収容され、前記2つの異形セグメント導体のスロット導体ピッチは、等しくされていることを特徴としている。この態様によれば、同相である2つの異形セグメント導体を、それぞれ大小2本組の簪状セグメント導体(松葉状セグメント導体)の周方向同時開き加工により整形して製造し、同時にスロットに挿入することができるので、作業が簡素となり、かつ、コイルエンドが軸方向に膨らむこともない。
【0034】
好適な態様(請求項21)によれば、前記相巻線の両端をなす一対の引き出し線は、前記異形セグメント導体が収容されているスロットの周方向外側から引き出され、各相巻線は星形接続又はデルタ接続されていることを特徴としている。この態様によれば、異形セグメント導体の延在領域の周方向外側にて引き出し線を引き出しているので、引き出し線の引き出しが容易となり、引出し位置に自由度を持たせることもできる。
【0035】
好適な態様(請求項22)によれば、前記スロットは径方向一列に6の倍数の導体収容位置を有していることを特徴としている。この態様によれば、各スロットの互いに隣接する6個の導体収容位置に収容されるスロット導体により、一組の相巻線のそれぞれ二つの相巻線部を構成することができるので、倍数変更によりターン数の変更が可能となる。
【0036】
好適な態様(請求項23)によれば、前記第1、第2の前記相巻線部の一端部をなす一対の引き出し線からなる第1の引き出し線対は、所定の一つの前記スロットの1、2層の導体収容位置に互いに隣接して収容される一対の前記スロット導体に個別に連なり、前記第1、第2の前記相巻線部の他端部をなす一対の引き出し線からなる第2の引き出し線対は、所定の他の一つの前記スロットの5、6層の導体収容位置に互いに隣接して収容される一対の前記スロット導体に個別に連なり、mを3以上の奇数の相数とする場合に各相の前記相巻線の一端部をなす各前記第1の引き出し線対は、互いに電気角2π/mだけ順次離れて配置され、各相の前記相巻線の他端部をなす各前記第2の引き出し線対は、互いに電気角2π/mだけ順次離れて配置され、各相の前記第1の引き出し線対からなる第1の引き出し線対の群が占有する第1の角度範囲と、各相の前記第2の引き出し線対からなる第2の引き出し線対の群が占有する第2の角度範囲とは、互いにオーバラップし、前記両角度範囲は、それぞれ電気角略2π(m−1)/mに設定され、各前記第1の引き出し線対の引き出し位置は、各前記第2の引き出し線対の引き出し位置に対して周方向に1スロットピッチ以上ずれていることを特徴としている。
【0037】
この態様によれば、各引き出し線対の引き出し位置の干渉を回避しつつ、相端子(引き出し線が接続される外部接続用の端子をいうものとする)および中性点に連なる引き出し線対の周方向への這い回しを短縮することができるとともに、各相端子の周方向への広がりを抑止して各相端子が固定される端子台の周方向占有角度範囲を減らすことができる。これにより、端子台の小型化とともに、端子台が固定されないハウジング(たとえばリヤフレーム)の端子台を設置しない部分を軸方向に凹ませてその軽量化、占有スペース縮小を図ることができる。また、引き出し線の周方向への這い回し距離の短縮により、その電気抵抗損失や発熱も減らすことができる。
【0038】
好適な態様(請求項24)によれば、前記各第1の引き出し線対及び前記各第2の引き出し線対の一方は、中性点にて接続され、前記各第1の引き出し線対及び前記各第2の引き出し線対の他方は、相端子に接続され、前記各相巻線は、星形結線されることを特徴としている。これにより、相巻線を構成する一対の相巻線部を並列接続して大電流通電に好適とした星形接続ステータコイルを、中性点接続用の引き出し線の這い回し距離を短縮しつつ実現することができる。また、相端子接続用の引き出し線対や中性点接続用の引き出し線対の整形、引出し、接続などの作業を簡素化することができる。更に、中性点接続用の引き出し線の短縮により、抵抗損失を低減することができる。
【0039】
好適な態様(請求項25)によれば、前記中性点は、前記相端子に接続される側の前記各引き出し線対の各引き出し位置から周方向に1スロットピッチ以上離れ、かつ、前記相端子に接続される側の前記各引き出し線対の各引き出し位置の周方向中間部に配置されることを特徴としている。この態様によれば、中性点を各相端子接続用の引き出し線対の引き出し位置から離れて配置しているので、両者の干渉を抑止し、かつ、中性点接合作業を容易とすることができる。
【0040】
好適な態様(請求項26)によれば、前記中性点に接続される側の前記各引き出し線対のうち、第1の導体収容位置の前記スロット導体から引き出される各前記引き出し線は、互いに接続されて第1の中性点をなし、前記中性点に接続される側の前記各引き出し線対のうち、第2の導体収容位置の前記スロット導体から引き出される各前記引き出し線は、互いに接続されて第2の中性点をなし、前記両中性点は、互いに周方向へ所定スロットピッチ離れていることを特徴としている。この態様によれば、多数の引き出し線を一点に集めることなく、中性点を構成することができるので、中性点形成のための配線集合、相互接合作業を簡素化することが可能となるとともに、両中性点を離れて配置しているため、一方の中性点の接合において他方の中性点が邪魔となることがなく、中性点形成作業を容易化することができる。
【0041】
好適な態様(請求項27)によれば、前記各第1の引き出し線対と前記各第2の引き出し線対との一方は、順次接続されるとともに相端子に接続されて、同一相の前記一対の相巻線部は並列接続され、前記各相巻線は、デルタ結線されることを特徴としている。これにより、相巻線を構成する一対の相巻線部を並列接続して大電流通電に好適としたデルタ接続ステータコイルを、相間接続用の引き出し線の這い回し距離を短縮しつつ実現することができる。また、相間接続用の引き出し線対の整形、引出し、接続などの作業を簡素化することができる。更に、相間接続用の引き出し線の短縮により、抵抗損失を低減することができる。
【0042】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を適用した交流機を実施例を参照して以下に説明する。
【0043】
〔第1実施例〕
(全体構成の説明)
図1において、交流機1は、ロータ2、ステータ3、ハウジング4、整流器5、出力端子6、回転軸7、ブラシ8、スリップリング9を有する周知の車両用交流発電機であり、ステータ3は、ステータコイル(電機子巻線)31とステータコア32からなる。ステータコア32はハウジング4a、4bにより軸方向に挟持され、ステータコイル31はステータコア32の各スロットに巻装されている。ロータ2は、ハウジング4に回転自在に支持された回転軸7に固定されたランデルポール型ロータであり、ステータコア32の径方向内側に配置されている。ステータコイル31は三相電機子巻線であって、図2に示すセグメント導体セット330を図3に示すようにステータコア32に設けた所定数のスロット350に絶縁紙(インシュレータ)340を介して軸方向一方側から挿通し、軸方向他方側にて、径方向に隣接する先端同士を順次接続してなる。このような構成のステータコイルは、もはや周知である。
【0044】
(セグメント導体セット330の説明)
セグメント導体セット330を図2を参照して更に詳しく説明する。
【0045】
セグメント導体セット330は、略V字状の頭部(本発明で言う略V字状コイルエンド部)と、この頭部の両端から直線的に伸びてスロットに収容されている一対のスロット導体部(本発明で言うスロット導体)と、両スロット導体部の先端からそれぞれ伸びる一対の接続側コイルエンド部とをそれぞれ有する一つの大セグメント導体331と一つの小セグメント導体332とからなる。
【0046】
各頭部すなわち各略V字状コイルエンド部は、ステータコア32の一端側に全体としてリング状に存在する第1のコイルエンド312(図1参照)を構成し、各接続側コイルエンド部は、ステータコア32の他端側に全体としてリング状に存在する第2のコイルエンド311(図1参照)を構成している。
【0047】
セグメント導体セット330は、大きい大セグメント導体331と、小さい小セグメント導体332とを有している。この大セグメント導体331とこの大セグメント導体331が囲む小セグメント導体332とをセグメント導体セット330と称するものとする。
【0048】
大セグメント導体331において、331a、331bはスロット導体部、331cは頭部(略V字状コイルエンド部)、331f、331gは接続側コイルエンド部である。接続側コイルエンド部331f、331gの先端部331d、331eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部331aを1層のスロット導体部(本発明で言う1層導体)と称し、スロット導体部331bを4層のスロット導体部(本発明で言う4層導体)と称する。
【0049】
小セグメント導体332において、332a、332bはスロット導体部、332cは頭部、332f、332gは接続側コイルエンド部である。接続側コイルエンド部332f、332gの先端部332d、332eは接合部分であるので端部先端部又は接合部とも称する。スロット導体部332aを2層のスロット導体部(本発明で言う2層導体)と称し、スロット導体部332bを3層のスロット導体部(本発明で言う3層導体)と称する。
【0050】
符号’は、図示しない大セグメント導体又は小セグメント導体の符号’がない部分と同じ部分を示す。したがって、図2では、互いに径方向に隣接する接合部331dと接合部332d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332dと接合部331d’とが溶接され、互いに径方向に隣接する接合部332eと接合部331e’とが溶接されている。
【0051】
図2では、1層のスロット導体部331aと2層のスロット導体部332aが、ステータコア32の所定のスロットに収容される場合、同一のセグメント導体セット330の4層のスロット導体部331bと3層のスロット導体部332bはこの所定のスロットから所定ピッチ離れたスロットに収容される。小セグメント導体332の頭部332cは大セグメント導体331の頭部331cに囲まれるようにして配置されている。
【0052】
(スロット内のセグメント導体セット配置)
スロット350内のスロット導体部の配置状態を図3に示す。
【0053】
スロット350には径方向へ4個の導体収容位置が設定され、各導体収容位置にはスロット導体部331a、332a、332b’、331b’が収容されている。つまり、1層のスロット導体部331aは径方向内側から数えて第1層(最初)の導体収容位置に、2層のスロット導体部332aは第2層(2番目の)の導体収容位置に、3層のスロット導体部332b’は第3層(三番目の)の導体収容位置に、4層のスロット導体部331b’は第4層(最後の)の導体収容位置に収容されている。図3において、スロット導体部331b’、332b’は、スロット導体部332a、331aをもつ大セグメント導体331、小セグメント導体332とは異なる大セグメント導体331、小セグメント導体332に属している。
【0054】
(三相電機子巻線の構成の説明)
セグメント導体の接合により構成されたこの実施例の三相星形巻線の展開図を図4、図5に分割して示す。
【0055】
スロット350内の第1層の導体収容位置に収容される1層のスロット導体部(及びそれに連なる頭部及び接続側コイルエンド部の各半分)は一点鎖線で示され、同様に2層のスロット導体部は破線で示され、3層のスロット導体部は実線で示され、4層のスロット導体部は二点鎖線で示されている。
【0056】
なお、この実施例では、図面の簡略化のために4極構成としたが、更に極数を増大してもよい。また、このセグメント導体セット330をスロット350内に径方向へ複数配置して大出力化を図ってもよい。
【0057】
U相巻線だけの展開図を図6に示し、U相巻線の第1相巻線部10の展開図を図7に示し、U相巻線の第2相巻線部11の展開図を図8に示す。他相(V,W)の相巻線は周方向へシフトするのみで同じ構造であることは当然である。
【0058】
U相巻線(図6参照)は、図7に示す第1相巻線部10と、図8に示す第2相巻線部11とにより構成されている。この実施例では、両者は図4に示すように並列接続されているがその詳細は後述する。
【0059】
第1相巻線部10及び第2相巻線部11は、波巻部34と、重ね巻部35とを交互に接合してそれぞれ構成されている。
【0060】
波巻部34は、波巻コイルの一部をなすセグメント導体としての大セグメント導体331により構成され、1層のスロット導体部(一点鎖線)と4層のスロット導体部(二点鎖線)とをもつ。波巻部34とは、一対の接続側コイルエンド部がスロットから互いに周方向遠ざかる向きに飛び出すセグメント導体を意味している。波巻部34は、磁極ピッチをPスロットピッチ(本実施例ではP=6)とした場合に2P−1のスロットピッチに等しい接合端ピッチPWを有している。接合端ピッチとは、一つのセグメント導体の両接続側コイルエンド部の接合端間のピッチを意味する。
【0061】
重ね巻部35は、重ね巻コイルの一部をなすセグメント導体としての小セグメント導体332により構成され、2層のスロット導体部(破線)と3層のスロット導体部(実線)とをもつ。重ね巻部35とは、一対の接続側コイルエンド部がスロットから互いに近づく向きに飛び出すセグメント導体を意味している。重ね巻部35は、1スロットピッチに等しい接合端ピッチPOを有している。したがって、交互に接合した一対の波巻部34と重ね巻部35との合計接合端ピッチは2磁極ピッチとなる。
【0062】
これにより、波巻部34の一対のスロット導体部のピッチであるスロット導体ピッチ(後ピッチ)PWL、及び、重ね巻部35の一対のスロット導体部のピッチであるスロット導体ピッチ(後ピッチ)POLはそれぞれP−1(この実施例では5)スロットピッチとなり、接続側コイルエンド部の配線長さを長くせずに短節巻きを実現することができる。
【0063】
第1相巻線部10は、図7に示すように、波巻部34と重ね巻部35とを交互に接続して略一周する第1周回コイル100と、波巻部34と重ね巻部35とを交互に接続して第1周回コイル100と同方向に進行する第2周回コイル101と、第1周回コイル100の最終端と第2周回コイル101の先頭端とを直列接続するU字状の異形セグメント導体36aとを有している。異形セグメント導体36aの後ピッチは波巻部34および重ね巻部35のそれより1スロット短ピッチとされている。
【0064】
第2相巻線部周11は、図8に示すように、第1相巻線部10と電気磁気的に等価で形状としては対称形となっており、逆方向に進行している。36bは、第1相巻線部10の異形セグメント導体36aに相当する第2相巻線部11の異形セグメント導体である。なお、異形セグメント導体36(36a、36b)の後ピッチは波巻部34および重ね巻部35のそれよりも1スロット短ピッチとする代わりに1スロット長ピッチとしてもよい。
【0065】
これら第1相巻線部10と第2相巻線部11とを並列接続して各相巻線を構成した3相星形接続のステータコイル31の一部展開図である図4において、33Uは相巻線部10、11の一対のU相端子用引き出し線、33Vは相巻線部10、11の一対のV相端子用引き出し線、33Wは相巻線部10、11の一対のW相端子用引き出し線であり、これら一対の引き出し線は、各相の第1相巻線部10及び第2相巻線部11の先頭のスロット導体部をなす同一スロットの第1層と第2層のスロット導体部に個別に連なっている。引き出し線33U、33V、33Wは略4スロットピッチ順次離れている。
【0066】
33U’は相巻線部10、11の一対のU相中性点接続用引き出し線、33V’は相巻線部10、11の一対のV相中性点接続用引き出し線、33W’は相巻線部10、11の一対のW相中性点接続用引き出し線であり、これら一対の引き出し線は、各相の第1相巻線部10及び第2相巻線部11の最終のスロット導体部をなす同一スロットの第3層と第4層のスロット導体部に個別に連なっている。引き出し線33U’、33V’、33W’は略4スロットピッチ順次離れている。引き出し線33V’、33W’は引き出し線33U’の引き出し位置(中性点33N)へ向けて周方向へ互いに重なることなく周方向へ這い回されて、中性点33Nにて接続されている。これにより、相巻線がそれぞれ第1相巻線部10と第2相巻線部11との並列接続回路からなる三相星形電機子巻線を構成することができる。
【0067】
この実施例のセグメント導体接合型電機子巻線によれば、各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の引出し及び整形等が容易となり、製作工程を簡素化することができる。
【0068】
なお、上記とは逆に、各引き出し線33U、33V、33Wをそれぞれ同じスロットの第3層と第4層の導体収容位置に収容された3層、4層のスロット導体部に連ならせ、各引き出し線33U’、33V’、33W’を同じスロットの第1層と第2層の導体収容位置に収容された1層、2層のスロット導体部に連ならせてもよい。
【0069】
また、第1相巻線部10の異形セグメント導体36aと第2相巻線部11の異形セグメント導体36bとは、後ピッチが等しく、かつ、同じスロットに収容されているので、これら二つの異形セグメント導体36a、36bを一つのセグメント導体セット330の大回りセグメント導体と小回りセグメント導体とで構成して異形セグメント導体セット36とし、同時に展開処理してコイル整形した後、一緒にスロットに挿入できるので、製作工程を簡素化することができる。
【0070】
また、各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の各周方向隙間に異形セグメント導体セット36の頭部36cを設けているので、これら異形セグメント導体セット36が各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’と干渉することなく、かつ、各各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’を所望の範囲に集約して配置することができる。
【0071】
(第1実施例の作用効果)
以上説明したm(この実施例では三相)ステータコイル31によれば、引き出し線33U、33V、33Wは、スロット間隔が2π/mであり、2π(m−1)/mの角度範囲に配置されるm個のスロットから引き出され、同じく、引き出し線33U’、33V’、33W’も、スロット間隔が2π/mであり、2π(m−1)/mの角度範囲に配置されるm個のスロットから引き出されるので、図4に示すように、第1コイルエンド312から外へ飛び出している各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’が周方向に規則性を保ちつつ所定範囲に集約して配置することができる。更に、周方向中央の各引き出し線33U’の引き出し位置(第1コイルエンド312からの引き出し位置をいう)を中性点に設定したので、中性点接続用引き出し線33V’、33W’の周方向這い回距離、形状を対称とすることができ、製造を簡素化することができる。
【0072】
また、従来に比較して、周方向へ這い回す引き出し線の長さを短縮しつつ各相巻線を一対の相巻線部の並列接続により構成したセグメント導体接合型電機子巻線を実現することができるので、配線抵抗を低減することができる。
【0073】
また、波巻部34及び重ね巻部35の後ピッチを磁極ピッチより1スロットピッチ小さくしているので、その分だけコイルエンドを短縮することができ、巻線抵抗及び漏れインダクタンスの低減、その結果としての発熱低減と出力向上とを実現することができる。
【0074】
また、波巻部34と重ね巻部35とを交互接続した巻線構成としたので、第2コイルエンド311を全節巻相当にできる。これにより、従来の短節分布波巻を車両用発電機適用する場合の障害と考えられていた片側コイルエンドが長くなる問題を解消し、電機子巻線の電気抵抗を低減できるので、発電出力を向上しつつ大電流モータとして効率よく作動できる。
【0075】
〔第2実施例〕
第2実施例を図9に示す巻線展開図を参照して説明する。この実施例は、図4、図5に示す第1実施例の星形結線をデルタ結線に変更した態様である。
【0076】
スロット導体部の配置、及び、第1コイルエンド312からの各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の引き出し位置自体は、第1実施例と同じであり、各引き出し線33U、33V、33Wは、それぞれ同一スロットの1層、2層のスロット導体部に個別に連なり、各各引き出し線33U’、33V’、33W’も、それぞれ同一スロットの3層、4層のスロット導体部に個別に連なっている。
【0077】
各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’は、相間接続され、これにより、各相巻線が第1相巻線部10と第2相巻線部11とが並列接続されてなる三相電機子巻線31(図1参照)が構成されている。
【0078】
これにより、大電流モータとして有用な3相デルタ結線された並列回路構造のセグメント導体接合型電機子を各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の配置、接続を簡素化しつつ実現することができる。
【0079】
なお、引き出し線33U、33V、33Wが同じスロットの3層、4層のスロット導体部に個別に連なり、各引き出し線33U’、33V’、33W’が同じスロットの1層、第2層のスロット導体部に連なるようにしてもよいことはもちろんである。更に、この実施例においても、先に説明した第1実施例と同様の効果を奏することができることは明白である。
【0080】
〔第3実施例〕
第3実施例を図10〜図13を参照して以下に説明する。
【0081】
図10〜図13は、16極の交流機(車載用交流発電電動機)を示す。ただし、スロット数の増加に伴うセグメント導体セット330の増加を除いて、ステータコイル31及び各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の配置、接続自体は実施例1と同じである。ただし、図10〜図13における符号は他の実施例の符号と関係がないものとする。
【0082】
交流機1は、フロントフレーム110、リアフレーム120を備え、ベアリング28、29を介して回転子2を回転自在に支承している。フロントフレーム110とリアフレーム120とにより固定子鉄心32を挟持し、スルーボルト41の締結力により固定子鉄心32の回動を防止している。
【0083】
端子台13がボルト43によりリアフレーム120の周壁に締結され、端子台13は、入出力用の各引き出し線と図示しない三相インバータ装置の3つの交流端子とを個別に接続するための三相端子ボルト13aを有している。リアフレーム120の全周のうち端子台13が固定されていない部分の軸長は、端子台13が固定されている部分(一点鎖線で示す)の軸長よりもΔLだけ短縮されている。42はリアフレーム120のうち、端子台13が固定されている部分(一点鎖線で示す)の端面である。また、これにより、スルーボルト41の軸長も短縮されている。つまり、この実施例によれば、実施例1と同じく各引き出し線33U、33V、33Wの占有角度が小さいという理由により、リアフレーム120の軸長を短縮することができる。
【0084】
回転子2のシャフト21は、フロントフレーム110の前方に突出し、前端部にプーリ22が固定されている。プーリ22は図示しないベルトを介してエンジンのドライブプーリと動力伝達を行う。また、シャフト21は、リアフレーム120の後方に突出し、後端部にはブラシ装置14が配設されている。ブラシ装置14はシャフト21のリア側に設けた一対のスリップリング23と摺動接触する一対のブラシ15を有している。シャフト21はランデル型のロータコア24の軸孔に圧入されている。
【0085】
磁極鉄心24は、フロント側ポールコア24aとリア側ポールコア24bとからなり、外周部に8極対の磁極部24cを有している。両ポールコア24a、24bによりロータコア24を励磁する界磁コイル25が挟持されている。界磁コイル25の両端は一対のスリップリング23に個別に接続され、ブラシ装置14を通じて通電されている。
【0086】
ロータコア24の両端にはフロントファン26とリアファン27とが溶接により固着されている。両ファン26、27はロータコア24と一体に回転することにより、両フレーム110、120に設けた複数の吸入孔16、17から冷却風を吸入し、両フレーム110、120に設けた複数の吐出孔18、19(19は図示しない)から冷却風を排出する。
【0087】
図11はこの発電電動機の背面側面図であり、リアフレーム120に固定した端子台13の取り付け角度範囲外θにある端面450は第1コイルエンド312の軸方向後端に合わせて軸長短縮され、4本のスルーボルト41の軸長も短縮されている。
【0088】
図12は、上記したステータコア32及びステータコイル31を主要構成要素とする16極の電機子3の軸方向断面図、図13はその径方向背面側面図である。電機子3は電磁鋼鈑を積層してなる固定子鉄心32とこの固定子鉄心32のスロットに絶縁紙(インシュレータ)を介して装備された三相のステータコイル31とを有している。
【0089】
入出力線としての各引き出し線33U、33V、33Wからなる入出力線群33がステータコイル31の第1コイルエンド312から軸方向リア側に引出されており、各引き出し線33U、33V、33Wの先端に固定された圧着端子3300を端子台13の接続金具13bに締結することにより、ステータコイル31が不図示のインバータに電気的に接続される。
【0090】
中性点33N と、この中性点33Nに達するべく周方向に延設される中性点接続線用の引き出し線33U’、33V’、33W’が、入出力線群33の径方向内側、かつ、第1コイルエンド312の軸方向後方に近接して延設され、後述するように2カ所で接続されている。
【0091】
ステータコイル31の第2コイルエンド311は、各セグメント導体の溶接済みの接合端ペア間の短絡防止のため、エポキシ系樹脂により被覆されている。
【0092】
各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’近傍を拡大図示したステータコイル31の部分巻線展開図を図14に、その第1相巻線部10の部分巻線展開図を図15に、その第2相巻線部11の部分巻線展開図を図16に示す。中性点接続線用の各引き出し線33U’、33V’、33W’が2系統に分割されている点、及び、スロット数が増加されている点を除いて、図14は図4と、図15は図7と、図16は図8と等しい。
【0093】
この実施例によれば、第1実施例と同じく、電機子巻線の1相当り2本の入出力線用の引き出し線33U、33V、33Wが互いに同じスロットの3層、4層のスロット導体部に個別に連なり、中性点33Nに連なる1相当り2本の中性点接続線用の引き出し線33U’、33V’、33W’が互いに同じスロットの1層、2層のスロット導体部に個別に連なり、中性点33Nにて三相星形結線されている。これにより、各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の配置及び接続を簡素化し、短縮し、実施例1と同じ効果を奏することができる。
【0094】
なお、本実施例では中性点33Nを2個設けたので、各中性点33Nにおける接合導体数を3本に制限することができ、溶接が簡単となっている。 また、図14に示すように、第1周回コイル100(たとえば図15参照)と第2周回コイル101(たとえば図15参照)とを接続する異形セグメント導体セット36を構成する異形セグメント導体36a、36bの後ピッチを等しくし、かつ、異形セグメント導体36a、36bのスロット導体部が同じスロットに収容される構造を採用しているので、実施例1と同様に、製作工程短縮を実現することがきる。その他の効果も実施例1と同じである。
【0095】
(比較例)
図17〜図19に比較例を示す。
【0096】
図17は、二つの相巻線部の並列接続により相巻線を構成する三相星形結線のステータコイルの巻き線展開図、図18は図17のステータコイルをもつ電機子の軸方向断面図、図19はその径方向背面側面図である。 図12〜図14を図17〜図19と比較することにより、実施例1、3は短節巻の採用により、図17〜図19に示す全節巻に比べて各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’の形状、配置を小型、簡素とすることができることがわかる。
【0097】
図20は、本出願人の出願になる前述の特開2001−169490の巻線展開図であり、本発明の各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’は、これと比較しても格段に小型、簡素となっていることが明白である。
【0098】
(変形態様)
第1実施例において、スロットに径方向に2セグメント導体セット33を追加して合計3セットのセグメント導体セット330を順次挿入し、径方向最内側のセグメント導体セット330を第1実施例で説明した相巻線部10、11の並列接続を行って相巻線部Xを作成し、同様に径方向最外側のセグメント導体セット330を第1実施例で説明した相巻線部10、11の並列接続を行って相巻線部Yを作成し、同様に径方向中間のセグメント導体セット330を第3実施例で説明した両相巻線部10、11の並列接続を行って相巻線部Zを作成し、これら相巻線部X、Y、Zを直列接続して、3倍ターンのステータコイルを作成することもできる。
【0099】
〔第4実施例〕
第4実施例を図21〜図24に示す巻線展開図を参照して説明する。図21はU相巻線展開図、図22は図21に示すU相巻線の第1相巻線部10の巻線展開図、図23は図21に示すU相巻線の第2相巻線部11の巻線展開図、図24は跨ぎセグメント導体37を示す展開図である。他相の相巻線を周方向へシフトするのみで同じ構造であることは当然である。
【0100】
この実施例のセグメント導体接合型電機子巻線は、第1実施例における2つの相巻線部10、11の並列回路により相巻線を構成する代わりに、2つの相巻線部10、11の直列回路により相巻線を構成した点を除いて、実施例1のセグメント導体接合型電機子巻線と同じである。したがって、上記並列接続から直列接続への変更部分を除いて、図21は図6に、図22は図7に、図23は図8にそれぞれ形状、配置が等しく、したがって、その作用効果も実施例1に等しい。
【0101】
第1実施例と同じく、スロット350内の第1層(径方向最内側)の導体収容位置に収容される1層のスロット導体部(及びそれに連なる頭部(略V字状コイルエンド部)及び接続側コイルエンド部の各半分)は一点鎖線で示され、同様に2層のスロット導体部は破線で示され、3層のスロット導体部は実線で示され、4層のスロット導体部は二点鎖線で示されている。
【0102】
なお、この実施例では、図面の簡略化のために4極構成としたが、更に極数を増大してもよい。また、このセグメント導体セット330をスロット350内に径方向へ複数配置して高電圧化を図ってもよい。
【0103】
この実施例の特徴部分である2つの相巻線部10、11の直列接続の具体的構成を以下に説明する。図21において、36は既述した異形セグメント導体ペアであり、図22に示す第1相巻線部10の異形セグメント導体36aと、図23に示す第2相巻線部11の異形セグメント導体36bとから構成されている。
【0104】
2つの相巻線部10、11の直列接続は、図7に示す引き出し線33U’に連なる第1相巻線部10の最終のスロット導体部(4層)から引き出される引き出し線33U’と、図8に示す引き出し線33Uに連なる第2相巻線部11の先頭のスロット導体部(2層)から引き出される引き出し線33Uとを繋ぐことにより、実現される。なお、ここでいう相巻線部10、11の先頭スロット導体部とは、外部入出力線に連なる各引き出し線33U、33V、33W側から数えて最初のスロット導体部を言い、最終のスロット導体部とは、最後のスロット導体部を言う。
【0105】
具体的には、図24に示すU字状の跨ぎセグメント導体37の2つのスロット導体部2000、2001を、第2番スロットの第4層の導体収容位置と、第20番スロットの第2層の導体収容位置に挿通すればよい。ただし、周方向右側に周回する第1相巻線部10に対して、第2相巻線部11は周方向左側へ周回するので、この跨ぎセグメント導体37の接続側コイルエンド部3001は、通常の波巻部34とは異なり、周方向左側に曲げられている。
【0106】
跨ぎセグメント導体37について、図24を参照して更に詳しく説明する。
【0107】
跨ぎセグメント導体37は、一対のスロット導体部2000、2001と、スロット導体部2000に連なる第1接続側コイルエンド部3000及び半頭部4000と、スロット導体部2001に連なる第2接続側コイルエンド部3001及び半頭部4001とからなる。スロット導体部2000、第1接続側コイルエンド部3000及び半頭部4000は径方向4層位置の高さをもち、スロット導体部2001、第2接続側コイルエンド部3001及び半頭部4001は径方向2層位置の高さをもつ。
【0108】
各セグメント導体の接続側コイルエンド部を各層ごとに周方向相対回動させて捻る場合に、2層、4層は同一方向(ここでは周方向左側)に捻られるために問題なく、第1接続側コイルエンド部3000と第2接続側コイルエンド部3001とを周方向左側へ(同じ向きに)捻ることができる。各セグメント導体の接続側コイルエンド部の捻りについては、本出願人の出願あるいは取得した種々の公報を参照されたい。もちろん、この跨ぎセグメント導体37を頭部先端で分割して2つのI字状のセグメント導体とし、後でこの頭部先端位置で接合して跨ぎセグメント導体37としてもよい。
【0109】
このようにすれば、第1相巻線部10と第2相巻線部11とを直列接続することができるので、第1実施例のセグメント導体接合型電機子巻線に比較して2倍の電圧を印加すること、又は、2倍の電圧を発生することができる。
【0110】
(変形態様)
第1実施例において、スロットに径方向に2セグメント導体セット33を追加して合計3セットのセグメント導体セット330を順次挿入し、径方向最内側のセグメント導体セット330を第1実施例で説明した2つの相巻線部10、11の並列接続を行って相巻線部Xを作成し、同様に径方向最外側のセグメント導体セット330を第1実施例で説明した相巻線部10、11の並列接続を行って相巻線部Yを作成し、同様に径方向中間のセグメント導体セット330を第3実施例で説明した両相巻線部10、11の並列接続を行って相巻線部Zを作成し、これら相巻線部X、Y、Zを直列接続して、3倍ターンのステータコイルを作成することもできる。
【0111】
また、これら3層のセグメント導体セット330の合計6つの相巻線部を第3実施例の直列接続方法を用いて直列接続して、6倍ターンをもつステータコイルを作成することもできる。
【0112】
〔第5実施例〕
第5実施例を以下に説明する。
(全体構成)
この実施例の車両用回転電機の軸方向断面図を図25に示す。
【0113】
図25において、1は固定子(ステータ)、2は固定子鉄心、3はステータコイル、4は回転子(ロータ)、5はハウジング、6は回転軸、7は整流器、8はブラシ、9はスリップリングである。
【0114】
固定子(電機子)1は、ハウジング5の周壁内周面に固定され、正確には2つ割されたハウジング5により軸方向に挟持されている。ロータ4が嵌着される回転軸6は一対の軸受けによりハウジング5の両端壁に回転自在に支承されて、図示しないエンジンに図示しないベルトによりプーリー結合されている。
【0115】
回転子4は、回転軸6に嵌着、固定された所定数の爪状磁極部をもつランデル型のポールコア10に界磁コイル11を設けて構成され、界磁コイル11はスリップリング9を通じてブラシ8から給電されている。
【0116】
固定子1は、周知のスロットおよび歯部を有する固定子鉄心(ステータコア)2と、後述する多数のセグメント導体を順次接合して構成される固定子巻線(三相星形接続されたステータコイル)3を有している。それぞれ略U字状に形成された各セグメント導体は、スロットに収容される一対のスロット導体33と、略V字状に形成されこれら一対のスロット導体33から固定子鉄心2の一端側に延在する略V字状コイルエンド部311と、これら一対のスロット導体33から固定子鉄心2の他端側に延在する一対の接続側コイルエンド部312からなる。70は、固定子鉄心2とセグメント導体との間を電気絶縁するインシュレータ7とにより構成されている。
【0117】
図26は固定子1の径方向部分断面図を示す。Tはステータコア2の歯部、Sはステータコアのスロットである。固定子鉄心2の内周面には、毎極毎相2個(q=2)のスロットSを有し、合計p・k・m(pは磁極数、mは相数)個のスロットSが周方向等間隔に配置されている。各スロットSは、互いに径方向に隣接する1〜6層の導体収容位置に区分され、各導体収容位置はそれぞれ一本のスロット導体33を収容している。
【0118】
図27は固定子1の軸方向模式部分断面図を示す。
【0119】
ステータコイル3は、U字状の導体片(セグメント導体という)300、301、302を各スロットSへ図27において軸方向右側から左側へ挿通し、各セグメント導体300〜302の先端部を径方向に隣接する一対づつ溶接することにより、各セグメント導体300〜302を接続してなる3個の相巻線(U相巻線、V相巻線、W相相巻線)を星形接続して構成されている。
【0120】
各セグメント導体300〜302は、略V字状コイルエンド部311と、この略V字状コイルエンド部311の両端からそれぞれ延在してスロットSに収容されている一対のスロット導体33と、スロット導体33から延在する一対の接続側コイルエンド部312とからなり、接続側コイルエンド部312は、固定子鉄心2の前端部から突出している。接続側コイルエンド部312の先端部は、径方向に隣接する接続側コイルエンド部312の先端部と溶接されて接合端部34を構成している。
【0121】
したがって、一つのスロットSは、図26、図27に示すように6本のスロット導体33を径方向一列に収容している。スロット導体33は、図26に示すように、スロットSの1層の導体収容位置に収容されるスロット導体(1層導体)331、スロットSの2層の導体収容位置に収容されるスロット導体(2層導体)332、スロットSの3層の導体収容位置に収容されるスロット導体(3層導体)333、スロットSの4層の導体収容位置に収容されるスロット導体(4層導体)334、スロットSの5層の導体収容位置に収容されるスロット導体(5層導体)335、スロットSの6層の導体収容位置に収容されるスロット導体(6層導体)336からなる。セグメント導体300〜302の一対のスロット導体33は、互いに所定スロットピッチ離れた一対のスロットSの異なる導体収容位置に個別に収容されている。
【0122】
セグメント導体300は、図27に示すように一対のスロット導体が径方向内側から数えて1層と6層の導体収容位置に収容される波巻セグメント導体(大セグメント導体)であり、セグメント導体301は、図25に示すように一対のスロット導体が2層と3層の導体収容位置に収容される重ね巻セグメント導体(小セグメント導体)であり、セグメント導体302は、図25に示すように一対のスロット導体が4層と5層の導体収容位置に収容される重ね巻セグメント導体(小セグメント導体)である。図25に示すように、波巻セグメント導体300は、各セグメント導体301、302を囲むように配置されている。その他に後述する異形セグメント導体も配置されている。
【0123】
なお、この明細書でいう波巻セグメント導体とは、一対の接続側コイルエンド部が互いに離れる方向へスロットから飛び出すセグメント導体を意味し、重ね巻セグメント導体とは、一対の接続側コイルエンド部が互いに近づく方向へスロットから飛び出すセグメント導体を意味する。
【0124】
以下、この実施例の特徴をなすステータコイル3の構造、配置を説明する。ただし、三相星形巻線を構成する3つの相巻線の構造、配置は周方向へずれているだけで本質的に同じであるので、以下、U相コイル(U相の相巻線)だけを説明する。
【0125】
U相コイル3Uの回路図を図28に示す。
【0126】
U相コイル3Uは、第1の相巻線部3U1と第2の相巻線部3U2とを並列接続して構成されている。第1の相巻線部3U1は、第1周回コイル3000と第2周回コイル4000とを異形セグメント導体5000を介して直列接続して構成されている。第2の相巻線部3U2は、第1周回コイル3001と第2周回コイル4001とを異形セグメント導体5001を介して直列接続して構成されている。なお、図28において、第1周回コイル3001と第2周回コイル4001とを入れ替えたり、第1周回コイル3000と第2周回コイル4000とを入れ替えたりしてもよいことは当然である。
【0127】
U相コイル3Uの巻線展開図を図29に、第1の相巻線部3U1の巻線展開図を図30に、第2の相巻線部3U2の巻線展開図を図31に示す。
【0128】
図29〜図31において、一点鎖線は、径方向内側から数えて第1層目に位置する1層の導体収容位置に収容されるスロット導体及びそれに連なる略V字状コイルエンド部311の半分と接続側コイルエンド部312の半分を示す。一点鎖線の左側に隣接する破線は、径方向内側から数えて第2層目に位置する2層の導体収容位置に収容されるスロット導体及びそれに連なる略V字状コイルエンド部311の半分と接続側コイルエンド部312の半分を示す。上記破線の左側に隣接する実線は、径方向内側から数えて第3層目に位置する3層の導体収容位置に収容されるスロット導体及びそれに連なる略V字状コイルエンド部311の半分と接続側コイルエンド部312の半分を示す。上記実線の左側に隣接する二点鎖線は、径方向内側から数えて第4層目に位置する4層の導体収容位置に収容されるスロット導体及びそれに連なる略V字状コイルエンド部311の半分と接続側コイルエンド部312の半分を示す。二点鎖線の左側に隣接する破線は、径方向内側から数えて第5層目に位置する5層の導体収容位置に収容されるスロット導体及びそれに連なる略V字状コイルエンド部311の半分と接続側コイルエンド部312の半分を示す。各スロット内にて図中最も左側に図示される実線は、径方向内側から数えて第6層目に位置する6層の導体収容位置に収容されるスロット導体及びそれに連なる略V字状コイルエンド部311の半分と接続側コイルエンド部312の半分を示す。以下この表記に従って説明する。なお、以下、図面の簡単化のために4極としたが、極数の設定は自由である。
【0129】
第1の相巻線部3U1を図30を参照して更に詳しく説明する。前述したように、第1の相巻線部3U1は、第1周回コイル3000と第2周回コイル4000とを異形セグメント導体5000を介して直列接続して構成されている。
【0130】
第1周回コイル3000は、1、6層のスロット導体を有する波巻セグメント導体300と、2、3層のスロット導体を有する第1の重ね巻セグメント導体301と、4、5層のスロット導体を有する第2の重ね巻セグメント導体302とを順次接続してなる。これにより、各層のスロット導体331〜336は、1層、2層、3層、4層、5層、6層、1層の順に接続される。
【0131】
磁極ピッチをPスロット(本実施例ではP=6)すなわち毎極毎相2とすると、波巻セグメント導体300の接合端ピッチP0は2Pー1であり、第1の重ね巻セグメント導体301の接合端ピッチP1は1/2スロットピッチ、第2の重ね巻セグメント導体302の接合端ピッチP2も1/2スロットピッチとされている。したがって、波巻セグメント導体300と両重ね巻セグメント導体301、302との合成接合端ピッチは、2磁極ピッチ(2P)に等しい。また、波巻セグメント導体300、両重ね巻セグメント導体301、302のスロット内導体ピッチ(第1スロットピッチ)はともにPー1スロットピッチとされている。したがって、略V字状コイルエンド部311及び接続側コイルエンド部312を短節ピッチとすることがき、それらの周方向長を短縮することができる。
【0132】
第1の相巻線部3U1の第1周回コイル3000は、U相端子33Uから波巻セグメント導体300の半分(1層)、第1の重ね巻セグメント導体301(2、3層)、第2の重ね巻セグメント導体302(4、5層)、波巻セグメント導体300(6、1層)、第1の重ね巻セグメント導体301(2、3層)の順に略一周し、最後に第3の重ね巻セグメント導体(4、5層)となった後、異形セグメント導体5000(6、1層)を介して、第2周回コイル4000に連なっている。
【0133】
異形セグメント導体5000(6、1層)は、通常の波巻セグメント導体300(6、1層)と同じく波巻セグメント導体であるが、通常の波巻セグメント導体300よりも一対のスロット導体のピッチ(後ピッチ)が1スロットピッチ(もっと短くても良い)短く設定されている。異形セグメント導体5000の一対のスロット導体の一方は、第1周回コイル3000の最後のスロット導体を構成し、他方は第2周回コイル4000の先頭のスロット導体を構成している。
【0134】
第2周回コイル4000は、第1周回コイル3000に対して、本質的に1スロットピッチだけ左にシフトしている点が異なるが、進行方向及び形状、構造は同じである。ただし、第2周回コイル4000の先頭スロット導体をなす異形セグメント導体5000のスロット導体は1層とされ、以下、第2周回コイル4000は、第1重ね巻セグメント導体301の2層、3層、第2重ね巻セグメント導体302の4層、5層と連なっている。第2周回コイル4000は、最後に、波巻セグメント導体300の一半(6層)を介して、中性点に連なる。
【0135】
第2の相巻線部3U2を図31を参照して更に詳しく説明する。前述したように、第2の相巻線部3U2は、第1周回コイル3001と第2周回コイル4001とを異形セグメント導体5001を介して直列接続してなる。
【0136】
第1周回コイル3001は、1、6層のスロット導体とを有する波巻セグメント導体300と、2、3層のスロット導体を有する第1の重ね巻セグメント導体301と、4、5層のスロット導体を有する第2の重ね巻セグメント導体302とを順次接続してなる。これにより、各層のスロット導体331〜336は、2層、1層、6層、5層、4層、3層、2層の順に接続される。
【0137】
磁極ピッチをPスロット(本実施例ではP=6)、毎極毎相2スロットとすると、波巻セグメント導体300の接合端ピッチP0は2Pー1であり、第1の重ね巻セグメント導体301の接合端ピッチP1は1/2スロットピッチ、第2の重ね巻セグメント導体302の接合端ピッチP2も1/2スロットピッチとされている。したがって、波巻セグメント導体300と両重ね巻セグメント導体301、302との合成接合端ピッチは、2磁極ピッチ(2P)に等しい。また、波巻セグメント導体300、両重ね巻セグメント導体301、302のスロット内導体ピッチ(第1スロットピッチ)はともにPー1スロットピッチとされている。したがって、略V字状コイルエンド部及び接続側コイルエンド部を短節ピッチとすることがき、それらの周方向長を短縮することができる。
【0138】
第2の相巻線部3U2の第1周回コイル3001は、U相端子33Uから第1重ね巻セグメント導体301の半分(2層)、波巻セグメント導体300(1、6層)、第2の重ね巻セグメント導体302(5、4層)、第1の重ね巻セグメント導体301(3、2層)、第2の重ね巻セグメント導体302(3、2層)の順に略一周し、最後に波巻セグメント導体300(1、6層)となった後、異形セグメント導体5001(3、4層)を介して、第2周回コイル4001に連なっている。
【0139】
異形セグメント導体5001(3、4層)は、通常の重ね巻セグメント導体301、302と同じく波巻セグメント導体であるが、通常の重ね巻セグメント導体301、302よりも一対のスロット導体のピッチ(後ピッチ)が1スロットピッチ(もっと短くても良い)短く設定されている。異形セグメント導体5001の一対のスロット導体の一方は、第1周回コイル3001の最後のスロット導体を構成し、他方は第2周回コイル4001の先頭のスロット導体を構成している。
【0140】
第2周回コイル4001は、第1周回コイル3001に対して、本質的に1スロットピッチだけ左にシフトしている点が異なるが、進行方向及び形状、構造は同じである。ただし、第2周回コイル4001の先頭スロット導体をなす異形セグメント導体5001のスロット導体は4層とされ、以下、第2周回コイル4001は、第1重ね巻セグメント導体301の3層、2層、波巻セグメント導体300の1層、6層と連なっている。第2周回コイル4001は、第2の重ね巻セグメント導体302の一半(5層)を介して、中性点に連なる。
【0141】
第1の相巻線部3U1、第2の相巻線部3U2の各スロット導体が各スロットの導体収容位置(1層〜6層)に収容されている状態を図32に示す。
【0142】
スロット番号2、20、14のスロットの各導体収容位置はU相コイル3Uのスロット導体をそれぞれ収容しているが、その左側のスロット番号21、15のスロットの3、5、6層の導体収容位置を空きとなっており、これらの空きの導体収容位置は、容易に理解されるように、W相コイルのスロット導体を収容している。同様に、スロット番号1、19、13のスロットの1、2、4層の導体収容位置は空きとなっており、これらの空きの導体収容位置は、容易に理解されるように、V相コイルのスロット導体を収容している。
【0143】
なお、本実施例では、異形セグメント導体5000、5001の後ピッチ(スロット導体ピッチ)を波巻セグメント導体300、第1、第2の重ね巻セグメント導体301、302の後ピッチより1スロット短ピッチとしたが、1スロット長ピッチとしてもよい。
【0144】
U相巻線(U相コイル3U)、V相巻線、W相巻線を配置した三相星形接続ステータコイルの巻線展開図を図33に示す。
【0145】
33UはU相端子に連なるU相コイル3Uの引き出し線(本発明で言う相端子接続用の引き出し線)、33VはV相端子に連なるV相コイルの引き出し線(本発明で言う相端子接続用の引き出し線)、33WはW相端子に連なるW相コイルの引き出し線(本発明で言う相端子接続用の引き出し線)であり、それぞれ一対ずつ配置され、同一相の一対の相端子接続用の引き出し線は、同じスロットの隣接する2つの導体収容位置に個別に収容されている一対のスロット導体に個別に連なっている。
【0146】
33Nは中性点、33N’は中性点接続用の引き出し線、36Cは前述した異形セグメント導体5000、5001の総称である。中性点接続用の引き出し線33N’も相毎にそれぞれ一対形成されており、同一相の一対の中性点接続用の引き出し線33N’は、同じスロットの隣接する2つの導体収容位置に個別に収容されている一対のスロット導体に個別に連なっている。
【0147】
つまり、図33に示すように、各相巻線を構成する第1の相巻線部(たとえば3U1)及び第2の相巻線部(たとえば3U2)のそれぞれ一端部をなす一対の相端子接続用の引き出し線(端子接続用の引き出し線ともいう)は同じのスロットの互いに隣接する二つの導体収容位置(1層、2層)から引き出され、同様に、各相巻線を構成する第1の相巻線部及び第2の相巻線部の他端部をなす一対の中性点接続用の引き出し線は同一のスロットの互いに隣接する二つの導体収容位置(6層、5層)から引き出されるので、これらの引き出し線の引き回しや、これらの引き出し線を端子や中性点に接続するのが非常に容易となり、引出し及び整形等の製作が容易になり工程を短縮することができる。なお、中性点と端子とを逆の配置としてもよいことは当然である。
【0148】
また、この実施例によれば、異形セグメント導体5000、5001のスロット導体ピッチ(後ピッチ)は等しく、同一スロットに配置することができるので、異形セグメント導体5000を大セグメント導体、異形セグメント導体5001をそれに囲まれる小セグメント導体とし、同時に開き加工(松葉状セグメント導体の一対のスロット導体を周方向に曲げる加工)を同一工程で行い、一緒にスロットに挿入できるので、製作工程を短縮することができる。
【0149】
また、この実施例によれば、異形セグメント導体5000、5001の一対のスロット導体が挿入されるスロットの外側に位置するスロットから、スロット導体(第2周回コイルの最終スロット導体)に連なる中性点接続用の引き出し線を引き出し、スロット導体(第1周回コイルの先頭のスロット導体)に連なる端子接続用の引き出し線を引き出すことができるので、これら異形セグメント導体5000、5001の頭部と、これら引き出し線、引き出し線とが干渉することがなく、引出し位置に自由度を持たせることができる。
【0150】
以上説明したこの実施例によれば、電機子巻線を電気磁気的に等価な第1巻線と第2巻線とから構成したので各相巻線の二つの相巻線部を並列または直列に切替えることが容易であり、回転電機の諸元を大きく変えずに異なるバッテリ電圧に対応できる。
【0151】
また、毎極毎相当たり2スロットを配置することができるとともに、1スロットに6つの導体を収容することができるので、磁極数を増加することなくターン数を増加することができ、高電圧化に対応することができる。また、波巻セグメント導体300、両重ね巻セグメント導体301、302のスロット導体ピッチである後ピッチをともに磁極ピッチより1スロットピッチ小さくしたのでコイルエンドを短くできる。
【0152】
したがって、従来の短節分布波巻を車両用発電機適用する場合の障害と考えられていた片側コイルエンドが長くなる問題を解消し、電機子巻線の電気抵抗を低減できるので、発電出力を向上しつつ磁気音を抑制でき、大電流モータとして効率よく作動できる。
【0153】
(変形態様)
変形態様を図34を参照して以下に説明する。
【0154】
この変形態様は、図33に示す三相星形接続のステータコイルを三相デルタ接続のステータコイルに変更したものである。具体的には、図9における中性点接続用の引き出し線をなす各相それぞれ2つの第2周回コイルの最終のスロット導体から個別に引き出すそれぞれ一対のU相引き出し線3U’、V相引き出し線3V’、W相引き出し線3W’を設け、これら各相の引き出し線対をデルタ接続したものである。
【0155】
この変形態様においても、上記した実施例と同じ効果を奏することができることは明白である。したがって、星形接続とデルタ接続との切り替えにより、電圧仕様、電流仕様の変更を簡単に行うことができる。
【0156】
〔第6実施例〕
本発明の第6実施例を図35に示す回路図、図36に示す巻線展開図を参照して以下に説明する。図37はU相コイル3Uの第1の相巻線部3U1を示し、図38はU相コイル3Uの第2の相巻線部3U2を示す。
【0157】
この実施例は、第1実施例において説明した第1の相巻線部3U1と第2の相巻線部3U2とを跨ぎセグメント導体6000により直列接続したU相コイル3Uを示す。
【0158】
跨ぎセグメント導体6000の一対のスロット導体の一方は、第1の相巻線部3U1の第2周回コイル4000の最終のスロット導体を構成しており、第1実施例における中性点接続用の引き出し線に連なる第1の相巻線部3U1の第2周回コイル4000の最終のスロット導体と同じでもある。
【0159】
また、跨ぎセグメント導体6000の一対のスロット導体の他方は、第2の相巻線部3U2の第1周回コイル3001の先頭のスロット導体を構成しており、第1実施例におけるU相端子接続用の引き出し線33Uに連なる第2の相巻線部3U2の第1周回コイル3001の先頭のスロット導体と同じでもある。
【0160】
したがって、跨ぎセグメント導体6000は、第1の相巻線部3U1の第2周回コイル4000の進行方向を、第2の相巻線部3U2の第1周回コイル3001の進行方向に逆転させるための方向反転コイルとなっている。
【0161】
つまり、第1の相巻線部3U1と第2の相巻線部3U2との直列接続、並列接続の切り替え、並びに、相巻線の星形接続、デルタ接続の切り替えにより、種々の電圧に対応するセグメント導体接合型ステータコイル型を実現することができる。
【0162】
〔第7実施例〕
本発明の第7実施例を図39〜図42を参照して以下に説明する。図39〜図42は、16極の発電電動機を示す。ステータコイル3の形状、構造自体は上記各実施例と同じである。また、この実施例では、スロットの径方向最外側を1層と呼称し、以下、順次径方向内側に向けて2層、3層、4層、5層、6層と並んでおり、中性点接続用の引き出し線対は5、6層から、相端子接続用の引き出し線対は、1、2層から引き出されているものとする。更に、この実施例では、ステータコイル3は、実施例1の構成を採用しており、各相巻線を構成する第1、第2の相巻線部は並列接続され、かつ、各相巻線は三相星形接続されているものとする。3110はステータコイル3を構成する各セグメント導体の略V字状コイルエンド部311全体を模式図示したコイルエンドであり、3120はステータコイル3の各セグメント導体の接続側コイルエンド部312全体を模式図示したコイルエンドである。
【0163】
図39において、発電電動機は、フロントフレーム110、リアフレーム120を備え、一対のベアリングを介して回転子4を回転自在に支承している。フロントフレーム110とリアフレーム120とにより固定子鉄心2を挟持し、スルーボルト410の締結力により固定子鉄心2の回動を防止している。
【0164】
端子台130がボルト430によりリアフレーム120の周壁に締結され、端子台130は、入出力用の各引き出し線と図示しない三相インバータ装置の3つの交流端子とを個別に接続するための三相端子ボルト130aを有している。リアフレーム120の全周のうち端子台130が固定されていない部分の軸長は、端子台130が固定されている部分(一点鎖線で示す)の軸長よりもΔLだけ短縮されている。420はリアフレーム120のうち、端子台130が固定されている部分(一点鎖線で示す)の端面である。また、これにより、スルーボルト410の軸長を短縮することもできる。つまり、この実施例によれば、各相端子接続用の引き出し線(正確に言えば引き出し線対)33U、33V、33Wの占有角度が小さくすることができるので、引き出し線33U、33V、33Wが存在しない角度範囲において、リアフレーム120を軸方向に凹ませてその軸方向長さを短縮することができる。
【0165】
つまり、この実施例によれば、相端子接続用の引き出し線や中性点接続用の引き出し線が配置されている略2磁極ピッチの角度領域内にて、各引き出し線の先端を略軸方向に突出させているので、端子台130をこの引き出し線延設領域に配置することができ、その結果として端子台130を装着する必要がないリアフレーム120の外端面を引き出し線が無い分だけへこませることができ、その分だけリアフレーム120の小型軽量化を実現し、回転電機の搭載性を向上することができる。
【0166】
図40はこの発電電動機の背面側面図であり、リアフレーム12に固定した端子台130の取り付け角度範囲外θにある端面450はコイルエンド3120の軸方向後端に合わせて軸長短縮され、4本のスルーボルト410の軸長も短縮されている。
【0167】
図41は、上記した固定子鉄心(ステータコア)2及びステータコイル3を主要構成要素とする16極の電機子を示すものであって、図42のA矢視の軸方向断面図である。図42はこの電機子の径方向背面側面図である。電機子は電磁鋼鈑を積層してなる固定子鉄心2とこの固定子鉄心2のスロットに絶縁紙(インシュレータ)を介して装備された三相のステータコイル3とを有している。各引き出し線(正確には各引き出し線対)33U、33V、33Wからなる引き出し線群(入出力線群)330が各略V字状コイルエンド部311からなる第1のコイルエンド3110から軸方向リア側に引出されている。3120は各接続側コイルエンド部312からなる第2のコイルエンドである。各引き出し線33U、33V、33Wの先端には、圧着端子3300が固定され、圧着端子3300は端子台130の接続金具130bに締結され、接続金具130bは各相端子130aにつながっている(図39参照)。
【0168】
一対の中性点33Nは、 スロットの5層の導体収容位置に等しい径方向位置に設けられた第1の中性点と、スロットの6層の導体収容位置に等しい径方向位置に設けられた第2の中性点とからなる。なお、上述したように、この実施例では、スロットの径方向最内側の導体収容位置が6層とされている。
【0169】
各相の第1の相巻線部の一端は、スロットの5層の導体収容位置に収容されるスロット導体から引き出された後、中性点接続用の引き出し線33N’となって周方向に曲げられ、その後、互いに溶接されて、両中性点33Nの一方を構成している。この中性点33NはU相用引き出し線33UとV相引き出し線33Vとの間に配置されている。各相の第2の相巻線部の一端は、スロットの6層の導体収容位置に収容されるスロット導体から引き出された後、中性点接続用の引き出し線33N’となって周方向に曲げられ、その後、互いに溶接されて、両中性点33Nの他方を構成している。この中性点33NはW相用引き出し線33WとV相引き出し線33Vとの間に配置されている。ステータコイル3の第2のコイルエンド部3120は、それぞれ溶接されて互いに隣接する各セグメント導体の接合端間の短絡防止のため、エポキシ系樹脂により被覆されている。この実施例では中性点33Nを2個設けたので、各中性点33Nにおける接合導体数を3本に制限することができ、溶接が簡単となっている。
【0170】
(変形態様)
上記実施例では、一対の相巻線部をスロットの1〜6層の導体収容位置に収容した例を説明したが、スロット内に6のn(nは整数)の数の導体収容位置を設け、上記説明した相巻線部をnセット配置し、各セットに属する同相の相巻線部を並列又は直列接続することにより、更に相巻線のターン数を増大させることもできる。
【0171】
図20は、本出願人の出願になる前述の特開2001−169490の巻線展開図であり、本発明の各引き出し線33U、33V、33W、33U’、33V’、33W’は、これと比較しても格段に小型、簡素となっていることが明白である。
【0172】
〔第8実施例〕
本発明の第8実施例を図43〜図46を参照して以下に説明する。
【0173】
この実施例は、上記第1〜第3実施例に示す1スロット4導体形式のステータコイルを、短節巻きではなく全節巻きとした点をその特徴するものである。ちなみに、第4〜第6実施例は1スロット6導体形式で短節巻きのステータコイルを開示している。なお、この第8実施例において、ステータコイル及びその引き出し線の構成以外は第1〜第3実施例の構成と同じであるので、説明を省略するものとする。また、この第8実施例を示す図43〜図47において、ステータコイルは、三相星形接続形式を採用しているが、その中性点に引き出される引き出し線を互いに分離して、接続しなおすことにより三相デルタ接続形式に変更してもよいことは当然である。また、この実施例では2個の中性点を設け、それらを図示しない導体線で接続する構成を採用しているが、その代わりに単一の中性点を設けても良いことも当然である。
【0174】
セグメント導体の接合により構成されたこの実施例の三相星形巻線の展開図の要部を図43〜図44に分割して示す。
【0175】
図43〜図44の展開図におけるスロット内の1〜4層のスロット導体部すなわち1層導体、2層導体、3層導体、4層導体は、図4、図5に示すそれらと同じく、一点鎖線が1層のスロット導体部すなわち1層導体とそれに連なる頭部及び接続側コイルエンド部の各半分を示し、破線が2層のスロット導体部すなわち2層導体とそれに連なる頭部及び接続側コイルエンド部の各半分を示し、実線が3層のスロット導体部すなわち3層導体とそれに連なる頭部及び接続側コイルエンド部の各半分を示し、二点鎖線が4層のスロット導体部すなわち4層導体とそれに連なる頭部及び接続側コイルエンド部の各半分を示す。
【0176】
各相巻線は、実施例1と同じく第1相巻線部と第2相巻線部とにより構成され、他の相巻線も同じである。この実施例では、両者は実施例1と同様に並列接続されているが、第1相巻線部と第2相巻線部とを直列接続ししてもよいことは明白である。これら第1相巻線部及び第2相巻線部が波巻部と重ね巻部とを交互に接合してそれぞれ構成されることも実施例1(図4参照)と同じである。
【0177】
X相の第1相巻線部は、引き出し線501を通じてX相引き出し端子601に連なる9番スロットの1層導体に始まり、16番スロットの4層導体から引き出し線502を通じて第1中性点N1へ周方向へ引き回されている。
【0178】
X相の第2相巻線部は、引き出し線503を通じてX相引き出し端子602に連なる9番スロットの2層導体に始まり、16番スロットの3層導体から引き出し線504を通じて第2中性点N2へ周方向へ引き回されている。
【0179】
Y相の第1相巻線部は、引き出し線505を通じてY相引き出し端子603に連なる29番スロットの1層導体に始まり、36番スロットの4層導体から引き出し線506を通じて第1中性点N1へ周方向へ引き回されている。
【0180】
Y相の第2相巻線部は、引き出し線507を通じてY相引き出し端子604に連なる29番スロットの2層導体に始まり、36番スロットの3層導体から引き出し線508を通じて第2中性点N2へ周方向へ引き回されている。
【0181】
Z相の第1相巻線部は、引き出し線509を通じてZ相引き出し端子605に連なる61番スロットの1層導体に始まり、68番スロットの4層導体から引き出し線510を通じて第1中性点N1へ周方向へ引き回されている。
【0182】
Z相の第2相巻線部は、引き出し線511を通じてZ相引き出し端子606に連なる61番スロットの2層導体に始まり、68番スロットの3層導体から引き出し線512を通じて第2中性点N2へ周方向へ引き回されている。
【0183】
各相巻線部の配線パターン自体は収容スロットが異なるだけで同じであるので、以下、Y相の相巻線部だけを説明する。この交流機のスロットは毎極毎相2スロットを有している。なお、渡り導体を用いれば、2より大きい毎極毎相偶数スロットとすることが可能である。
【0184】
Y相の第1相巻線部は、29番スロットの1層導体、23番スロットの2層導体、29番スロットの3層導体、23番スロットの4層導体、17番スロットの1層導体、11番スロットの2層導体、23番スロット番号の3層導体、11番スロットの4層導体の順に進行し、同様に進行し、最後に36番スロットの4層導体に達する。
【0185】
29番スロットの1層導体は、引き出し用のI字導体により構成されている。23番スロットの2層導体と29番スロットの3層導体とは重ね巻部(重ね巻セグメント)により構成され、この重ね巻部の一対の接続側コイルエンド部は周方向同一位置に配置されている。すなわち、重ね巻部は、零スロットピッチに等しい接合端ピッチを有している。23番スロットの4層導体と17番スロットの1層導体とは波巻部(波巻セグメント)により構成され、この波巻部の一対の接続側コイルエンド部は周方向に電気角2π離れて配置され、2πスロットピッチに等しい接合端ピッチを有している。36番スロットの4層導体は、引き出し用のI字導体により構成されている。すなわち、この第2相巻線部は、両端がI字セグメントからなり、重ね巻部と波巻部とを交互に接続して構成されている。
【0186】
Y相の第2相巻線部は、スロット番号29の2層導体、35番スロットの1層導体、41番スロットの4層導体、47番スロットの3層導体、41番スロット番号の2層導体、47番スロットの1層導体の順に進行し、同様に進行し、最後に36番スロットの3層導体に達する。
【0187】
29番スロットの2層導体は、引き出し用のI字導体により構成されている。35番スロットの1層導体と41番スロットの4層導体とは波巻部(波巻セグメント)により構成され、この波巻部の一対の接続側コイルエンド部は周方向に電気角2π離れて配置され、2πスロットピッチに等しい接合端ピッチを有している。47番スロットの3層導体と41番スロット番号の2層導体とは重ね巻部(重ね巻セグメント)により構成され、この重ね巻部の一対の接続側コイルエンド部は周方向同一位置に配置されている。すなわち、重ね巻部は、零スロットピッチに等しい接合端ピッチを有している。36番スロットの3層導体は、引き出し用のI字導体により構成されている。すなわち、この第2相巻線部は、両端がI字セグメントからなり、重ね巻部と波巻部とを交互に接続して構成されている。
【0188】
結局、第1相巻線部と第2相巻線部とは、周方向へ逆方向に進行するものの、それらの両端をなすスロット導体は同一スロットの隣接する導体収容位置に配置されることがわかる。したがって、これら第1相巻線部と第2相巻線部とを並列接続して相巻線を構成することにより三相星形接続とすることができる他、両者を直列接続して三相星形接続、又は三相デルタ接続を行うことができる。他の相巻線も上記したY相の相巻線と同様に全節巻きにて形成されている。
【0189】
各引き出し線501〜512、引き出し端子601〜606、中性点N1、N2の配置を図45、図46に示す。同一相の引き出し端子同士は接続の容易化のために互いに周方向に所定距離離れて配置されているが、並列接続においては、このような顧慮は当然不要である。
【0190】
(実施例効果)
以上説明したこの実施例によれば、他の実施例と同様に各相巻線を2つの相巻線部により構成し、これら二つの相巻線部の端部をなす二つの引き出し線を同一スロットから引き出すため、一本の導体を細くすることができ、加工が容易となる他、引き出し線の引き出し処理特に周方向曲げ加工を一括して行うことができるので、作業が容易となる。また、相巻線を2つの相巻線部により構成することができるので、それらの直並列接続切り替えなども容易となる。
【0191】
(変形態様)
以上説明した第8実施例により、1スロット4導体型の短節巻き(第1実施例)のステータコイルを1スロット4導体型の全節巻きのステータコイルに変更した例を説明したが、同様に1スロット6導体型の短節巻き(第4実施例)のステータコイルを1スロット6導体型の全節巻きのステータコイルに変更することも当業者であれば容易に可能であり、その精細な説明は省略する。
【0192】
また、上記各実施例の1スロット4導体型のステータコイルと1スロット6導体型のステータコイルとを同一のステータコアに径方向に複数配置してもよく、複数の1スロット4導体型のステータコイルを同一のステータコアに径方向に複数配置してもよく、複数の1スロット6導体型のステータコイルを同一のステータコアに径方向に複数配置することも当業者であれば容易に可能であり、その精細な説明は省略する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1実施例の車両用交流発電機の軸方向断面図である。
【図2】セグメント導体セットの斜視図である。
【図3】スロット内の導体配置図である。
【図4】第1実施例のステータコイルの一部巻線展開図である。
【図5】第1実施例のステータコイルの残部巻線展開図である。
【図6】U相巻線の巻線展開図である。
【図7】U相巻線の第1相巻線部の巻線展開図である。
【図8】U相巻線の第2相巻線部の巻線展開図である。
【図9】第2実施例のステータコイルの巻線展開図である。
【図10】第3実施例の発電電動機の軸方向断面図である。
【図11】第3実施例の発電電動機の背面からみた側面図である。
【図12】第3実施例の電機子の軸方向断面図である。
【図13】図12の電機子の背面からみた側面図である。
【図14】第3実施例のステータコイルの巻線展開図である。
【図15】第3実施例のU相巻線の第1相巻線部の巻線展開図である。
【図16】第3実施例のU相巻線の第2相巻線部の巻線展開図である。
【図17】比較例のステータコイルの巻線展開図である。
【図18】図17の電機子の軸方向断面図である。
【図19】図17の電機子の背面からみた側面図である。
【図20】特開2001−169490記載の電機子の巻線展開図である。
【図21】第4実施例のU相巻線展開図である。
【図22】図21に示すU相巻線の第1相巻線部の巻線展開図である。
【図23】図21に示すU相巻線の第2相巻線部の巻線展開図である。
【図24】図21に示す跨ぎセグメント導体の展開図である。
【図25】本発明のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機の第5実施例を示す軸方向断面図である。
【図26】図25のステータの部分径方向断面図である。
【図27】図25のステータの模式部分軸方向断面図である。
【図28】図25のステータコイルのU相コイルを構成する一対の相巻線部を並列接続する例を示す回路図である。
【図29】図25のステータコイルのU相コイルの巻線展開図である。
【図30】図29の第1の相巻線部の巻線展開図である。
【図31】図29の第2の相巻線部の巻線展開図である。
【図32】図29のU相コイルのスロット内導体配置を示す説明図である。
【図33】両相巻線部を並列接続し、各相巻線を並列接続して図1のステータコイルを構成した例を示す巻線展開図である。
【図34】両相巻線部を並列接続し、各相巻線をデルタ接続して図1のステータコイルを構成した変形態様を示す巻線展開図である。
【図35】第6実施例としての両相巻線部を直列接続したU相コイルを示す回路図である。
【図36】両相巻線部を直列接続したU相コイルを示す巻線展開図である。
【図37】図35の第1の相巻線部の巻線展開図である。
【図38】図35の第2の相巻線部の巻線展開図である。
【図39】本発明のステータコイルを用いた第7実施例としての発電電動機の軸方向断面図である。
【図40】図39に示す発電電動機の背面図である。
【図41】図39の発電電動機における引き出し線引き出し状態を示すステータの軸方向模式断面図である。
【図42】図39の発電電動機における引き出し線の引き出し状態を示すステータの径方向模式側面図である。
【図43】第8実施例のステータコイルの一部巻線展開図である。
【図44】第8実施例のステータコイルの一部巻線展開図である。
【図45】第8実施例における引き出し線引き出し状態を示すステータの軸方向模式断面図である。
【図46】第8実施例における引き出し線の引き出し状態を示すステータの径方向模式側面図である。
【符号の説明】
(図1〜図24に示す実施例おいて)
1 交流機
2 回転子
3 電機子
31 ステータコイル(三相電機子巻線)
32 ステータコア(固定子鉄心)
33(33U,33V,33W) 入出力線
33N 中性点
34 波巻部
35 重ね巻部
36 異形セグメント導体
36a 異形セグメント導体(第1相巻線部用)
36b 異形セグメント導体(第2相巻線部用)
37 跨ぎセグメント導体
(図25〜図42に示す実施例おいて)
2 固定子鉄心
3 ステータコイル(電機子コイル)
330 入出力線群
33U、33V、33W 引き出し線
33N 中性点
3000 第1の相巻線部の第1周回コイル
3001 第2の相巻線部の第1周回コイル
4000 第1の相巻線部の第2周回コイル
4001 第2の相巻線部の第2周回コイル
5000 異形セグメント導体
5001 異形セグメント導体

Claims (27)

  1. 毎極毎相q個(qは2以上の整数)のスロットをもつ電機子鉄心と、
    前記スロット内の収容された導体部分であるスロット導体を径方向内側から外側へ順にs個(sは4以上の偶数)有するとともに、互いに所定スロットピッチ離れた2つの前記スロット導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなる多数のセグメント導体の前記接続側コイルエンド部を一対ずつ接合して構成される相巻線をm個(mは3以上の整数)有する電機子巻線とを備えるセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記相巻線は、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が1磁極ピッチ以上離れた前記セグメント導体からなる波巻部と、前記一対の接続側コイルエンド部の前記先端部が1磁極ピッチ未満である重ね巻部とを交互に接続してそれぞれ構成されて互いに等しいターン数を有し互いに逆方向に進行する第1、第2の相巻線部を有し、
    前記第1、第2の相巻線部の一端は、同一スロット内に径方向に隣接して収容されるとともに一対の第1引き出し線に個別に連なる2つの前記スロット導体により構成され、
    前記第1、第2の相巻線部の他端は、同一スロット内に径方向に隣接してに収容されるとともに一対の第2引き出し線に個別に連なる2つの前記スロット導体により構成されることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  2. 請求項1記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記スロットは、前記スロット導体としての1層導体、2層導体、3層導体、4層導体を径方向内側から外側へ順に収容し、
    前記相巻線部は、互いに所定スロットピッチ離れた前記1層導体及び4層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体と、互いに所定スロットピッチ離れた前記2層導体及び3層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体とを有し、
    前記1層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記2層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、
    前記3層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記4層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、
    前記相巻線部は、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が略2磁極ピッチ離れた波巻部と、前記一対の接続側コイルエンド部の前記先端部が略零スロットピッチである重ね巻部とを交互に接続して構成され、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の一端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記1層導体及び2層導体(または3層導体及び4層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第1引き出し線に連なり、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の他端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記3層導体及び4層導体(または1層導体及び2層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第2引き出し線に連なることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  3. 請求項2記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機において、
    各相の前記一対の第1引き出し線は、電気角2π/mだけ順次離れて配置され、かつ、全体として略2π(m−1)/mの電気角範囲内に配置され、
    各相の前記一対の第2引き出し線は、電気角2π/mだけ順次離れて配置され、かつ、全体として略2π(m−1)/mの電気角範囲内に配置されていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  4. 請求項3記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機において、
    前記一対の第2引き出し線は、星形接続用の中性点にて互いに接続される中性点接続線を構成することを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  5. 請求項2記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機において、
    任意の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第1相の入出力線を構成し、前記任意の一相とは異なる他の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第2相の入出力線を構成し、前記任意の一相の前記第1、第2の相巻線部の他端に連なる前記一対の第2引き出し線は、前記第2相の入出力線に接続され、互いに同相である前記第1、第2の相巻線部は互いに並列接続され、各相の前記相巻線はデルタ接続されていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  6. 請求項2乃至5のいずれか記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機において、
    前記第1、第2の相巻線部は、前記波巻部と前記重ね巻部とを交互に接続して前記固定子鉄心を略一周する一対の第1周回コイルと、前記波巻部と前記重ね巻部とを交互に接続して前記固定子鉄心を前記第1周回コイルと同方向に略一周する一対の第2周回コイルと、前記第1周回コイルと前記第2周回コイルとを直列接続する一対の異形セグメント導体とをそれぞれ有し、
    互いに同相である前記一対の相巻線部は、電気磁気的に等価で互いに逆方向へ進行することを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  7. 請求項6記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機において、
    互いに同相である前記一対の異形セグメント導体は、前記第1スロットピッチより1スロットピッチ以上短いスロットピッチだけ互いに離れた2つの前記スロットに重ねて挿通されていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  8. 請求項2乃至5のいずれか記載のセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機において、
    前記一対の第1引き出し線及び前記一対の第2引き出し線の引き出し位置は、前記異形セグメント導体の略V字状コイルエンド部の周方向両側に配置されていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びそれを備えた交流機。
  9. 請求項1記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記スロットは、前記スロット導体としての1層導体、2層導体、3層導体、4層導体を径方向内側から外側へ順に収容し、
    前記相巻線部は、互いに磁極ピッチよりも1スロットピッチ以上小さいスロットピッチ離れた前記1層導体及び4層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体と、互いに磁極ピッチよりも1スロットピッチ以上小さいスロットピッチ離れた前記2層導体及び3層導体の各一端を略V字状コイルエンド部により連結し各他端からそれぞれ接続側コイルエンド部を延設してなるセグメント導体とを有し、
    前記1層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記2層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、
    前記3層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部は、前記4層導体に連なる前記接続側コイルエンド部の先端部に接合され、
    前記相巻線部は、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が略2磁極ピッチ離れた前記セグメント導体からなる波巻部と、一対の前記接続側コイルエンド部の前記先端部が略1スロットピッチ離れた前記セグメント導体からなる重ね巻部とを交互に接続して略一周する第1周回コイルと、前記波巻部と前記重ね巻部とを交互に接続して前記第1周回コイルと同方向に略一周する第2周回コイルと、前記第1スロットピッチと異なるスロットピッチだけ離れた2つの前記スロットに挿通されて前記第1周回コイルと前記第2周回コイルとを直列接続する異形セグメント導体とを有し、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部は、電気磁気的に等価で互いに逆方向へ進行することを特徴とするセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機。
  10. 請求項9記載のセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機において、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の前記異形セグメント導体は、前記第1スロットピッチより1スロットピッチ以上短いスロットピッチだけ互いに離れた2つの前記スロットに重ねて挿通されていることを特徴とするセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機。
  11. 請求項9記載のセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機において、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の一端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記1層導体及び2層導体(又は3層導体及び4層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第1引き出し線に個別に連なり、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部の他端側の前記スロット導体は、同じ前記スロットの前記3層導体及び4層導体(又は1層導体及び2層導体)から個別に前記略V字状コイルエンド部側に引き出される一対の第2引き出し線に個別に連なり、
    前記一対の第1引き出し線は、所定相の入出力線を構成し、
    前記一対の第2引き出し線は、星形接続用の中性点にて他の前記相巻線と接続される中性点接続線を構成することを特徴とするセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機。
  12. 請求項9記載のセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機において、
    任意の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第1相の入出力線を構成し、前記任意の一相とは異なる他の一相の前記第1、第2の相巻線部の一端に連なる前記一対の第1引き出し線は、第2相の入出力線を構成し、前記任意の一相の前記一対の相巻線部の他端に連なる前記一対の第2引き出し線は、前記第2相の入出力線に接続され、同相の前記相巻線を構成する前記第1、第2の相巻線部は互いに並列接続され、各相の前記相巻線はデルタ接続されていることを特徴とするセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機。
  13. 請求項11又は12記載のセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機において、
    前記一対の第1引き出し線及び前記一対の第2引き出し線の引き出し位置は、前記異形セグメント導体の略V字状コイルエンド部の周方向両側に配置されていることを特徴とするセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機。
  14. 請求項9記載のセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機において、
    前記相巻線は、前記異形セグメント導体を周方向へ跨いで前記第1、第2の相巻線部を直列接続する跨ぎセグメント導体を有し、
    前記跨ぎセグメント導体は、前記1層導体と3層導体、又は、前記2層導体と4層導体により構成される一対の前記スロット導体を有し、
    前記跨ぎセグメント導体の前記一対のスロット導体は、前記第1の相巻線部の最終スロット導体と、前記第2の相巻線部の先頭スロット導体とを構成し、
    前記跨ぎセグメント導体の前記一対のスロット導体は、前記跨ぎセグメント導体と同相である前記第1、第2引き出し線にそれぞれ連なる前記相巻線部の前記スロット導体と同じ前記スロットに収容されていることを特徴とするセグメント導体型電機子及びそれを備えた交流機。
  15. 請求項1記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記スロットは、前記スロット導体としての1層導体、2層導体、3層導体、4層導体、5層導体、6層導体を径方向内側から外側へ順に収容し、
    前記相巻線部は、
    略1/2スロットピッチとされた接合端ピッチ及び磁極ピッチより1スロットピッチ以上小さいスロット導体ピッチ(第1スロットピッチ)を有して前記一対のスロット導体が2層、3層の前記導体収容位置を個別に挿通する第1重ね巻セグメント導体からなる第1重ね巻部と、略1/2スロットピッチとされた接合端ピッチ及び磁極ピッチより1スロットピッチ以上小さいスロット導体ピッチ(第1スロットピッチ)を有して前記一対のスロット導体が4層、5層の前記導体収容位置を個別に挿通する第2重ね巻セグメント導体からなる第2重ね巻部と、2磁極ピッチ(略電気角2π)から前記第1、第2重ね巻セグメント導体の前記接合端ピッチの合計を差し引いた接合端ピッチ及び磁極ピッチより1スロットピッチ以上小さいスロット導体ピッチ(第1スロットピッチ)を有して前記一対のスロット導体が1層、6層の前記導体収容位置を個別に挿通する波巻セグメント導体からなる波巻部とを順次接続して略一周する第1周回コイルと、
    前記第1重ね巻部と前記第2重ね巻部と前記波巻部とを順次接続して前記第1周回コイルと同方向に略1周する第2周回コイルと、
    前記第1スロットピッチと異なるスロットピッチだけ離れた2つの前記スロットに挿通されて前記第1周回コイルと前記第2周回コイルとを直列接続する異形セグメント導体とからなり、
    互いに同相である前記第1、第2の相巻線部は、電気磁気的に等価で互いに逆方向へ進行することを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  16. 請求項15記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    同じスロット内で径方向に隣接する前記1層導体と2層導体は、互いに並列接続される前記第1、第2の相巻線部に個別に所属し、
    同じスロット内で径方向に隣接する前記5層導体と6層導体は、互いに並列接続される前記第1、第2の相巻線部に個別に所属することを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  17. 請求項16記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    所定の一つの前記スロット内で径方向に隣接する前記1層導体と2層導体は前記相巻線の一方端に連なり、所定の他の一つの所定の前記スロット内で径方向に隣接する前記5層導体と6層導体は前記相巻線の他方端に連なり、
    前記各相巻線は、三相星形巻線を構成することを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  18. 請求項16記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    所定の一つの前記スロット内で径方向に隣接する前記1層導体と前記2層導体は前記相巻線の一方端に連なり、所定の他の一つの前記スロット内で径方向に隣接する前記5層導体と6層導体は前記相巻線の他方端に連なり、
    前記各相巻線は、三相デルタ巻線を構成することを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  19. 請求項15記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記相巻線は、前記異形セグメント導体を周方向へ跨いで互い同相である前記第1、第2の相巻線部を直列接続する跨ぎセグメント導体を有し、
    前記跨ぎセグメント導体が有する2つの前記スロット導体の一方は、前記相巻線の一対の引き出し線の一方に連なる前記スロット導体と同じスロットに収容されるとともに前記第1、第2の相巻線部の一方の先頭のスロット導体を構成し、
    前記跨ぎセグメント導体が有する2つの前記スロット導体の他方は、前記相巻線の一対の引き出し線の他方に連なる前記スロット導体と同じスロットに収容されるとともに前記第1、第2の相巻線部の他方の最終のスロット導体を構成し、
    前記跨ぎセグメント導体の前記2つのスロット導体の先端部分は、周方向同じ向きに曲げられていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  20. 請求項19記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    第1の前記相巻線部の異形セグメント導体の2つの前記スロット導体は、第2の前記相巻線部の2つの前記スロット導体と同じ一対の前記スロットに収容され、
    前記2つの異形セグメント導体のスロット導体ピッチは、等しくされていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  21. 請求項15乃至20のいずれか記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記相巻線の両端をなす一対の引き出し線は、
    前記異形セグメント導体が収容されているスロットの周方向外側から引き出され、
    各相巻線は星形接続又はデルタ接続されていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  22. 請求項15乃至21のいずれか記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記スロットは径方向一列に6の倍数の導体収容位置を有していることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  23. 請求項17又は18記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記第1、第2の前記相巻線部の一端部をなす一対の引き出し線からなる第1の引き出し線対は、所定の一つの前記スロットの1、2層の導体収容位置に互いに隣接して隣接して収容される一対の前記スロット導体に個別に連なり、
    前記第1、第2の前記相巻線部の他端部をなす一対の引き出し線からなる第2の引き出し線対は、所定の他の一つの前記スロットの5、6層の導体収容位置に互いに隣接して収容される一対の前記スロット導体に個別に連なり、
    mを3以上の奇数の相数とする場合に各相の前記相巻線の一端部をなす各前記第1の引き出し線対は、互いに電気角2π/mだけ順次離れて配置され、
    各相の前記相巻線の他端部をなす各前記第2の引き出し線対は、互いに電気角2π/mだけ順次離れて配置され、
    各相の前記第1の引き出し線対からなる第1の引き出し線対の群が占有する第1の角度範囲と、各相の前記第2の引き出し線対からなる第2の引き出し線対の群が占有する第2の角度範囲とは、互いにオーバラップし、
    前記両角度範囲は、それぞれ電気角略2π(m−1)/mに設定され、
    各前記第1の引き出し線対の引き出し位置は、各前記第2の引き出し線対の引き出し位置に対して周方向に1スロットピッチ以上ずれていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  24. 請求項17及び23記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記各第1の引き出し線対及び前記各第2の引き出し線対の一方は、中性点にて接続され、
    前記各第1の引き出し線対及び前記各第2の引き出し線対の他方は、相端子に接続され、
    前記各相巻線は、星形結線されることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  25. 請求項24記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記中性点は、前記相端子に接続される側の前記各引き出し線対の各引き出し位置から周方向に1スロットピッチ以上離れ、かつ、前記相端子に接続される側の前記各引き出し線対の各引き出し位置の周方向中間部に配置されることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  26. 請求項25記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記中性点に接続される側の前記各引き出し線対のうち、第1の導体収容位置の前記スロット導体から引き出される各前記引き出し線は、互いに接続されて第1の中性点をなし、
    前記中性点に接続される側の前記各引き出し線対のうち、第2の導体収容位置の前記スロット導体から引き出される各前記引き出し線は、互いに接続されて第2の中性点をなし、
    前記両中性点は、互いに周方向へ所定スロットピッチ離れていることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
  27. 請求項18及び23記載のセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機において、
    前記各第1の引き出し線対と前記各第2の引き出し線対との一方は、順次接続されるとともに相端子に接続されて、同一相の前記一対の相巻線部は並列接続され、
    前記各相巻線は、デルタ結線されることを特徴とするセグメント導体接合型電機子及びこの電機子を備えた交流機。
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