JP2004164932A - コネクタ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】基板用コネクタ10(コネクタ)は、ハウジング11の圧入孔13に細長い端子金具30を圧入し、端子金具30の圧入方向先端部をハウジング11における雌側コネクタ40(相手側コネクタ)との対向面15から突出させたものであり、対向面15には、圧入孔13の孔縁を凹ませた形態の凹部17を形成した。端子金具30を圧入孔13に圧入したときに、圧入孔13の内壁の一部13aが対向面15側へ膨出しても、その膨出部13aは凹部17内に収容される。したがって、膨出部13aが雌側コネクタ40と干渉する虞はない。
【選択図】 図10
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、細長いピン状の端子金具をハウジングに貫通させて構成されるコネクタに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板用コネクタは、回路基板に固定される合成樹脂製のハウジングに圧入孔を形成し、細長いピン状をなす端子金具を圧入孔に圧入することでハウジングに対して貫通状態で組み付けた構造をなす。端子金具の一方の端部は、ハウジングにおける相手側コネクタとの対向面から突出して相手側端子に接続される端子接続部とされ、端子金具の他方の端部は回路基板のスルーホールに差し込まれる基板接続部となっている(例えば、特許文献1等を参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2000−82515公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
圧入孔に端子金具を圧入する方向としては、端子接続部側を先に向けて差し込む形態と、基板接続部を先に向けて差し込む形態の2通りが考えられるが、基板接続部が半田付けされずにスルーホールの内壁に対して弾性的に圧接するプレスフィットタイプの場合には、圧接部が太くなっているため端子接続部を先に向けて差し込む形態のみが可能である。
【0005】
端子金具を圧入孔に圧入して組み付けるコネクタでは、圧入孔を端子金具よりも僅かに小さい大きさにして摩擦により端子金具を遊動規制するようになっているため、端子金具の圧入方向出口側では圧入孔の内壁の一部がハウジングの外面側へ盛り上がった状態となることがある。
そのため、上記プレスフィットタイプのように端子接続部を先に向けて圧入孔に差し込んだ場合は、圧入孔の内壁の一部が、ハウジングにおける相手側コネクタとの対向面側へ膨出部として突出した状態になることが懸念される。もし、このようになると、相手側コネクタと嵌合したときにその相手側コネクタが膨出部に突き当たり、正規の深さまで嵌合が進まなくなる虞がある。
【0006】
本願発明は上記事情に鑑みて創案され、ハウジングにおける相手側コネクタとの対向面に端子金具の圧入に起因する膨出部が盛り上がるのを回避することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、ハウジングに形成した圧入孔に細長い端子金具を圧入し、前記端子金具の圧入方向先端部を前記ハウジングにおける相手側コネクタとの対向面から突出させるようにしたコネクタにおいて、前記対向面には、前記圧入孔の孔縁を凹ませた形態の凹部を形成した構成とした。
【0008】
【発明の作用及び効果】
[請求項1の発明]
端子金具を圧入孔に圧入したときに、圧入孔の内壁の一部がハウジングにおける相手側コネクタとの対向面側へ膨出しても、その膨出部は、凹部内に収容されるため、対向面から突出することはない。
【0009】
【発明の実施の形態】
[実施形態1]
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図10を参照して説明する。尚、以下の説明において、前後方向については、図1〜図5、図7から図10における右側を前側ということにする。また、上下方向については、図1及び図2を基準とする。
【0010】
本実施形態の基板用コネクタ10(本発明の構成要件であるコネクタ)は、回路基板Pに取り付けられるものであり、合成樹脂製のハウジング10とこのハウジング10に組み付けられる複数の端子金具30と、端子金具30を整列させるための整列部材20とを備えて構成される。
ハウジング10は、略方形の後面壁11と、この後面壁11の外周縁から前方へ突出する角筒状のフード部12とを有している。後面壁11には、その前後両面間を貫通する複数の圧入孔13が上下左右に整列して形成されている。後面壁11のうち各圧入孔13と対応する複数領域には、夫々、後面側へ突出する凸部14が形成されており、圧入孔13はこの凸部14内を貫通している。圧入孔13の前端は、後面壁11の前面、即ち雌側コネクタ40(本発明の構成要件である相手側コネクタ)と対向する対向面15に方形に開口され、圧入孔13の後端は凸部14の後端面に方形に開口されている。また、凸部14には、その後端面における圧入孔13の孔縁部を凹ませた形態のテーパ状の誘導部16が形成されている。
【0011】
後面壁11の対向面15、即ちフード部12の奥端面には、各圧入孔13の孔縁部を全周に亘って(全辺に亘って)凹ませた形態の凹部17が形成されている。この凹部17は、対向面15に対して段差状に凹んでおり、正面から視て方形をなしている。即ち、対向面15上において、圧入孔13の開口領域と凹部17とは相似形をなしている。
また、フード部12の上面壁には、下方へ突出するカムピン18が形成されている。さらに、後面壁11の下端部には、フード部12の下面壁に対してほぼ面一状に後方へ延出するように整列部材20が取り付けられている。この整列部材20には上下方向に貫通する複数の位置決め孔21が形成されている。
【0012】
端子金具30は、全体として細長いピン状をなし、一直線状に成型された後に、L字形に屈曲されている。端子金具30のうち屈曲部31から前方へ水平に延びる部分は端子接続部32とされ、屈曲部31から下方へ延びる部分は基板接続部33とされている。端子金具30のうち少なくとも端子接続部32は方形断面をなし、この端子接続部32の縦横の寸法は、圧入孔13の縦横寸法よりも僅かに大きい寸法に設定されている。一方、基板接続部33の下端部には、幅方向中央部を縦に裂いた形態であって左右一対の縦長の撓み片34aを有するプレスフィット部34が形成されている。
【0013】
かかる端子金具30は、その端子接続部32を先に向けた状態で圧入孔13に対して後方から圧入され、ハウジング10に対しその後面壁11を貫通する状態で組み付けられる。端子接続部32の略前半部分は、後面壁11における雌側コネクタ40との対向面15から前方へ突出してフード部12内に臨んでいる。
さて、端子接続部32を圧入孔13に圧入する際には、端子接続部32が圧入孔13よりも僅かに大きく成型されていることから、圧入孔13の内壁の一部13aが端子接続部32によって対向面15側(端子接続部32の圧入方向先方側)へ押し出され、その押し出された部分が膨出部13aとして端子接続部32の外周面に沿いつつ対向面15側へ膨出する。ところが、対向面15上における圧入孔13の孔縁には、対向面15に対して段差状に凹んだ形態の凹部17が全周に亘って形成されているので、膨出部13aは凹部17によって構成される空間内に収容された状態となり、対向面15よりも前方へ突出する虞はない。即ち、凹部17の深さ寸法は、膨出部13aの予想される高さ寸法以上の深さに設定されている。
【0014】
端子接続部32の略後半部分、屈曲部31及び基板接続部33は、後面壁11よりも後方に位置している。そして、各基板接続部33は、夫々、整列部材20の位置決め孔21に貫通されることで、回路基板PのスルーホールHと対応するように位置決めされる。プレスフィット部34は、整列部材20よりも下方に位置してスルーホールHへの接続に備える。
かかる基板用コネクタ10は、ハウジング10(フード部12の下面壁及び整列部材20)を回路基板Pの上面に載置した状態で固定されるとともに、各端子金具30のプレスフィット部34は、その撓み片34aを弾性変形させつつスルーホールHに差し込まれる。差し込まれたプレスフィット部34の撓み片34aがスルーホールHの内壁面に対して弾性的に当接し、もって、端子金具30と回路基板Pとが所定の接触圧で接続される。
【0015】
雌側コネクタ40は、内部に雌端子金具41を収容するとともに、上端部に水平板状をなすレバー42を回動可能に支持したものであり、フード部12の内部に嵌合されるようになっている。この雌側コネクタ40は、回路基板Pに取り付けられた基板用コネクタ10に対して嵌合される。
両コネクタ10,40を嵌合する際には、雌側コネクタ40をフード部12に浅く嵌合してレバー42のカム溝43の入口をカムピン18に嵌め入れ、その状態でレバー42を回動させる。すると、カム溝43とカムピン18との係合によるカム作用により、両コネクタ10,40が互いに引き寄せられる。そして、レバー42が所定の位置まで回動されると、両コネクタ10,40が正規の嵌合状態に至る。
【0016】
上述のように本実施形態の基板用コネクタ10は、ハウジング10に形成した圧入孔13に細長い端子金具30を圧入し、端子金具30の圧入方向先端部をハウジング10における雌側コネクタ40との対向面15から突出させる形態となっているが、対向面15には、圧入孔13の孔縁を凹ませた形態の凹部17を形成したので、端子金具30を圧入孔13に圧入したときに、圧入孔13の内壁の一部が対向面15側へ膨出しても、その膨出部13aは、凹部17内に収容され、対向面15よりも前方へ突出することはない(図9及び図10を参照)。したがって、雌側コネクタ40との嵌合状態において、雌側コネクタ40の正面が基板用コネクタ10の対向面15に当接するようになっていても、雌側コネクタ40と膨出部13aとが干渉することはない。
【0017】
[他の実施形態]
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれ、さらに、下記以外にも要旨を逸脱しない範囲内で種々変更して実施することができる。
(1)上記実施形態では基板用コネクタに適用した例を説明したが、本発明は、基板用コネクタに限らず、ハウジングに対して端子金具を圧入により貫通状態で組み付ける他のタイプのコネクタも適用できる。
【0018】
(2)上記実施形態では基板側接続部がプレスフィットタイプのものである場合について説明したが、本発明によれば、基板側接続部がプレスフィットタイプのものではなく半田付けによより回路基板に接続される場合にも適用することができる。
(3)上記実施形態では端子金具がL字形に屈曲したタイプの場合について説明したが、本発明によれば、端子金具が屈曲せずに「I」字形をなす場合にも適用することができる。
【0019】
(4)上記実施形態ではレバーによるカム作用を利用してコネクタの嵌合を行うもについて説明したが、本発明によれば、レバーを用いずにコネクタの嵌合を行う場合にも適用することができる。
(5)上記実施形態では凹部を段差状に凹ませた形態としたが、本発明によれば、凹部は略球面状に湾曲した形態で凹ませてもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施形態1において相手側コネクタを離脱させた状態の縦断面図
【図2】相手側コネクタと嵌合した状態の縦断面図
【図3】ハウジングの正面図
【図4】レバーによるカム構造をあらわす水平断面図
【図5】レバーによるカム構造をあらわす水平断面図
【図6】ハウジングに端子金具を圧入する前の状態をあらわす縦断面図
【図7】端子金具との回路基板との接続構造をあらわす部分拡大縦断面図
【図8】端子金具を圧入孔に圧入する前の状態をあらわす部分拡大縦断面図
【図9】端子金具を圧入孔に圧入した状態をあらわす部分拡大縦断面図
【図10】相手側コネクタと嵌合した状態をあらわす部分拡大縦断面図
【符号の説明】
10…基板用コネクタ(コネクタ)
11…ハウジング
13…圧入孔
15…対向面
17…凹部
30…端子金具
40…雌側コネクタ(相手側コネクタ)
Claims (1)
- ハウジングに形成した圧入孔に細長い端子金具を圧入し、前記端子金具の圧入方向先端部を前記ハウジングにおける相手側コネクタとの対向面から突出させるようにしたコネクタにおいて、
前記対向面には、前記圧入孔の孔縁を凹ませた形態の凹部を形成したことを特徴とするコネクタ。
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