JP2004163808A - トナー用結着樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレート(以下、PET類という)をアルコール及び/又はカルボン酸化合物と反応させ、解重合及び縮重合させることにより得られるトナー用結着樹脂であって、前記PET類の固有粘度数が0.70〜0.90であり、前記PET類中のジエチレングリコールの含有量が3重量%以下であるトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有してなるトナー。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成される潜像の現像に用いられるトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有したトナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、資源の有効利用の観点から、回収ポリエチレンテレフタレートを原料として、トナー用結着樹脂を製造し、これを含有させたトナー(リサイクルトナー)が知られている(特許文献1、特許文献2)。しかし、高速化が強く要求される今日にあっては、帯電安定性、耐久性及び保存性のいずれにも優れたリサイクルトナーが強く求められている。
【0003】
トナーの帯電性、耐久性と保存性を合わせて改善するための各種添加剤に関する技術としては、海島構造を有する樹脂にワックスを最適に分散させたトナー(特許文献3)、アルコール成分としてビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を用いたポリエステルと離型剤、着色剤及び外添剤の組み合せを規定したトナー(特許文献4、特許文献5)、特定の芳香族炭化水素共重合石油樹脂を含有したトナー(特許文献6)等が知られ、ある程度の効果は得られているものの、リサイクルトナーにおいては、より一層の性能向上が必要とされ、結着樹脂そのものの改善が強く望まれている。
【0004】
【特許文献1】
特開平8−239409号公報(請求項1、請求項3)
【特許文献2】
特開平8−253596号公報(請求項1、請求項2)
【特許文献3】
特開2002−244338号公報(請求項1)
【特許文献4】
特開2000−98661号公報(請求項1)
【特許文献5】
特開2000−214638号公報(請求項1)
【特許文献6】
特開平11−72956号公報(請求項1)
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、帯電性、耐久性及び保存性のいずれにも優れたポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートを原料とするトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有したトナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレート(以下、PET類という)をアルコール及び/又はカルボン酸化合物と反応させ、解重合及び縮重合させることにより得られるトナー用結着樹脂であって、前記PET類の固有粘度数が0.70〜0.90であり、前記PET類中のジエチレングリコールの含有量が3重量%以下であるトナー用結着樹脂組成物、及び該結着樹脂組成物を含有してなるトナーに関する。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明のトナー用結着樹脂組成物は、特定のPET類を解重合及び縮重合させることにより得られる。
【0008】
本発明では、PET類として、ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレートが用いられるが、好ましくはポリエチレンテレフタレートである。なお、本発明における変性ポリエチレンテレフタレートとは、モノマーとしてエチレングリコール及びテレフタル酸を主成分として、全モノマー中、50モル%以上、好ましくは70モル%以上含有しているが、その他に樹脂物性の改質を目的に、1,6−ヘキサンジメタノール、1,4−ブタンジオール、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等を含有した変性樹脂をいう。
【0009】
本発明の結着樹脂組成物の原料となるPET類の固有粘度数は、0.70〜0.90であり、好ましくは0.75〜0.85、より好ましくは0.80〜0.85である。固有粘度数は一般にポリマーの重合度の指標として用いられる。固有粘度数が0.70未満であると、解重合により低分子量体まで分解される量が多くなり、保存性及び耐久性が損なわれる。また、固有粘度数が0.90を超えると、解重合させつつ、縮重合を進行させる際に、反応が均一化しにくく、トナー化した際に、結着樹脂がPET類のみからなる不均一なトナーが製造され、帯電性が損なわれる。
【0010】
PET類の固有粘度数は、アルコールとカルボン酸化合物の比率、反応温度、反応時間、減圧度、触媒の種類等により、調整される。
【0011】
また、PET類中のジエチレングリコールの含有量は、3重量%以下であり、好ましくは0.5〜3重量%、より好ましくは1.0〜2.5重量%である。なお、このジエチレングリコールはPET類の製造の過程でエチレングリコールが脱水して二量体化し、PET類中に残存したものである。ジエチレングリコールの含有量が3重量%を超えると、結着樹脂組成物中の低分子量体が増加し、保存性及び耐久性が悪化する。
【0012】
PET類は、エチレングリコールとテレフタル酸、テレフタル酸ジメチル等との縮重合により、常法に従って製造することができるが、PET類はボトルやフィルム等の製品として汎用されており、本発明では、それらの製品として製造されたものが、廃棄され、その後回収された、回収PET類が用いられることが好ましい。なお、回収品は、トナーの性能や重合反応を妨げるような化合物を含有せず、ある程度の純度を有しているものであれば、その種類等は、特に限定されない。
【0013】
なお、使用に際しては、取り扱いや分散・分解等の容易性のため、フレーク状に粉砕されたもの、ペレット等が好適に用いられる。
【0014】
PET類の解重合及び縮重合は、アルコール及び/又はカルボン酸化合物、好ましくはアルコール及びカルボン酸化合物と反応させて行う。
【0015】
アルコールとしては、通常、ポリエステルのアルコール成分として用いられるアルコールを特に限定することなく用いることができるが、2価以上の多価アルコールを主成分として、用いるアルコール中、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは100モル%用いるのが望ましい。さらに、分子量調整や耐オフセット性向上を目的として1価のアルコールを少量用いてもよい。
【0016】
アルコールとしては、反応性の観点から、炭素数2〜8、好ましくは2〜6の脂肪族ジオールが好ましい。
【0017】
炭素数2〜8の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、1,4−ブテンジオール等が挙げられ、これらの中では、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール及びネオペンチルグリコールがより好ましい。
【0018】
炭素数2〜8の脂肪族ジオールは、PET類と反応させるために使用するアルコール中、30モル%以上が好ましく、80〜100モル%がより好ましい。
【0019】
炭素数2〜8の脂肪族以外のジオールとしては、ポリオキシプロピレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン、ポリオキシエチレン(2.2)−2,2−ビス (4−ヒドロキシフェニル) プロパン等のビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物、水素添加ビスフェノールA及びそれらのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物等が挙げられ、これらの中ではビスフェノールAのアルキレン(炭素数2〜3)オキサイド(平均付加モル数1〜16)付加物が好ましい。
【0020】
さらに、3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、ソルビトール、1,4−ソルビタン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等が挙げられる。
【0021】
カルボン酸化合物も、通常、ポリエステルのカルボン酸成分として用いられるカルボン酸化合物を特に限定することなく用いることができるが、2価以上の多価カルボン酸化合物を主成分として、用いるカルボン酸化合物中、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは100モル%用いるのが望ましい。さらに、分子量調整や耐オフセット性向上を目的として1価のカルボン酸化合物を少量用いてもよい。なお、本発明において、カルボン酸化合物には、カルボン酸に限らず、無水物やアルキルエステル等のカルボン酸誘導体も含まれる。
【0022】
ジカルボン酸化合物としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸等の芳香族多価カルボン酸、フマル酸、マレイン酸、アジピン酸、コハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸等の脂肪族多価カルボン酸、それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられ、好ましくは芳香族ジカルボン酸化合物であり、これらの含有量は、ジカルボン酸化合物中、50モル%以上が好ましく、70〜100モル%がより好ましい。
【0023】
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、ピロメリット酸及びその酸無水物、アルキル(炭素数1〜12)エステル等が挙げられる。
【0024】
3価以上の多価化合物(3価以上の多価アルコール及び多価カルボン酸化合物)、好ましくは3価以上の多価カルボン酸化合物は、軟化点の調整の観点から、PET類と反応させるアルコール又はカルボン酸化合物中、好ましくは5〜50モル%、より好ましくは20〜50モル%使用されるのが望ましい。
【0025】
PET類の解重合及び縮重合は、PET類とアルコール及び/又はカルボン酸化合物とを混合し、通常、ポリエステルの原料モノマーを縮重合させる際と同様の条件下で行うことできる。例えば、不活性ガス雰囲気中にて、要すればエステル化触媒を用いて、180〜250℃の温度で縮重合することにより、PET類を解重合させつつ、縮重合を進行させることができる。なお、これらの反応は、アルコール及び/又はカルボン酸化合物を順次添加し、反応を逐次的に進めても、アルコール及び/又はカルボン酸化合物を同時に添加し、反応を同時的に進めてもよい。
【0026】
アルコールとカルボン酸化合物の比率は、水酸基/カルボキシル基の比率が好ましくは0.6〜1.4、より好ましくは0.7〜1.1となるように調整されるのが好ましい。
【0027】
なお、PET類の反応性を考慮すると、PET類を反応系に一度に添加するよりも、数回に分割して添加することが好ましい。
【0028】
解重合及び縮重合に供する原料、即ちPET類、アルコール及びカルボン酸化合物の総量におけるPET類の含有量は、PET類の利用及び生成する樹脂組成物の物性調整の観点から、10〜70重量%が好ましく、20〜60重量%がより好ましく、30〜55重量%が特に好ましい。
【0029】
本発明の結着樹脂組成物の酸価は、5〜50mgKOH/gが好ましく、10〜40mgKOH/gがより好ましい。ガラス転移点は、保存性及び耐久性の観点から、50〜80℃が好ましく、55〜75℃がより好ましい。
【0030】
また、本発明の結着樹脂組成物の軟化点は、好ましくは110〜160℃、より好ましくは130〜150℃である。
【0031】
さらに、本発明では、本発明の結着樹脂組成物を含有したトナーを提供する。
【0032】
トナーには、本発明の効果を損なわない範囲で、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂、ポリエステルとスチレンアクリルの混合樹脂、エポキシ樹脂等が結着樹脂としてさらに含有されていてもよい。本発明の結着樹脂組成物の含有量は、結着樹脂中、50〜100重量%が好ましく、80〜100重量%がより好ましく、100重量%が特に好ましい。
【0033】
本発明のトナーには、さらに、着色剤、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、老化防止剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤等の添加剤が、適宜含有されていてもよい。
【0034】
着色剤としては、トナー用着色剤として用いられている染料、顔料等のすべてを使用することができ、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、パーマネントブラウンFG、ブリリアントファーストスカーレット、ピグメントグリーンB、ローダミン−Bベース、ソルベントレッド49、ソルベントレッド146 、ソルベントブルー35、キナクリドン、カーミン6B、ジスアゾエロー等が挙げられ、これらは単独で又は2種以上を混合して用いることができ、本発明のトナーは、黒トナー、カラートナー、フルカラートナーのいずれにも使用することができる。着色剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、3〜10重量部がより好ましい。
【0035】
荷電制御剤としては、ニグロシン染料、3級アミンを側鎖として含有するトリフェニルメタン系染料、4級アンモニウム塩化合物、ポリアミン樹脂、イミダゾール誘導体等の正帯電性荷電制御剤及び含金属アゾ染料、銅フタロシアニン染料、サリチル酸のアルキル誘導体の金属錯体、ベンジル酸のホウ素錯体等の負帯電性荷電制御剤が挙げられる。
【0036】
離型剤としては、カルナウバワックス、ライスワックス等の天然エステル系ワックス、ポリプロピレンワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャートロプッシュ等の合成ワックス、モンタンワックス等の石炭系ワックス、アルコール系ワックス等のワックスが挙げられ、これらは単独でまたは2種以上を混合して含有されていてもよい。
【0037】
本発明のトナーの製造方法は、混練粉砕法等の従来より公知のいずれの方法であってもよいが、例えば、混練粉砕法による粉砕トナーの場合、結着樹脂、着色剤等をヘンシェルミキサー、ボールミル等の混合機で均一に混合した後、密閉式ニーダー又は1軸もしくは2軸の押出機等で溶融混練し、冷却、粉砕、分級して製造することができる。トナーの体積平均粒子径は、3〜15μmが好ましい。
【0038】
本発明のトナーは、磁性体微粉末を含有するときは単独で現像剤として、また磁性体微粉末を含有しないときは非磁性一成分系現像剤として、もしくはキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができるが、本発明のトナーは耐久性に優れる点から、二成分系現像剤としての使用が好ましい。
【0039】
【実施例】
〔軟化点〕
JIS K7210に準じて測定する。
【0040】
〔ガラス転移点及び融点〕
示差走査熱量計(セイコー電子工業社製、DSC210)を用いて昇温速度10℃/分で測定する。
【0041】
〔酸価〕
JIS K0070に従って測定する。
【0042】
〔固有粘度数〕
ASTM D2857に従って測定する。
【0043】
実施例1、2、4〜6、比較例1〜3
表1、2に示す無水トリメリット酸以外のカルボン酸化合物、アルコール及び回収ポリエチレンテレフタレート(PET)の半量、及びジブチル錫オキシド9gを5L容の4つ口フラスコに入れ、窒素気流下、200℃に昇温し攪拌しつつ、3時間解重合及び縮重合反応させた。その後、残りの回収PETを投入し、3時間解重合及び縮重合反応させた。さらにその後8時間かけて230℃に昇温し、230℃にてさらに1時間縮重合反応を行った。その後減圧下、52kPaにて1時間反応させて、次に、表1、2に示す無水トリメリット酸を添加し、210〜220℃で減圧下27kPaにて反応させた。軟化点により重合度を追跡し、軟化点が139℃に達した時点で反応を終了し、樹脂組成物を得た。
【0044】
実施例3
表1に示す無水トリメリット酸以外のカルボン酸化合物、アルコール及びジブチル錫オキシド9gを5L容の4つ口フラスコに入れ、窒素気流下、185℃から230℃に8時間かけて昇温し、その後52kPaにてさらに1時間攪拌しつつ、縮重合反応させ、プレポリマーを得た。さらに表1に示す回収PETの半量を投入し、3時間かけて解重合を行い、その後残りの回収PETを投入し、3時間解重合及び縮重合反応させた。その後3時間かけて210℃に冷却し、表1に示す無水トリメリット酸を添加後、210〜220℃にて1時間、52kPaに減圧し、さらに縮重合反応を行った。軟化点により重合度を追跡し、軟化点が139℃に達した時点で反応を終了し、樹脂組成物を得た。
【0045】
実施例7
表2に示すアルコール及び回収PET、及びテトラステアリルチタネート9gを5L容の4つ口フラスコに入れ、窒素気流下、210℃に昇温、攪拌しつつ、3時間解重合反応を行った。その後、表2に示す、無水トリメリット酸以外のカルボン酸化合物を投入し、8時間かけて230℃に昇温し、230℃にてさらに3時間縮重合反応を行った。その後52kPaに減圧し、1時間反応させた後、220℃に冷却し、表2に示す無水トリメリット酸を添加し、常圧にて反応させた。軟化点により重合度を追跡し、軟化点が136℃に達した時点で反応を終了した。
【0046】
実施例8
表2に示すアルコール及び回収PET、及びテトラステアリルチタネート9gを5L容の4つ口フラスコに入れ、窒素気流下、210℃に昇温、攪拌しつつ、3時間解重合反応を行った。その後、8.3kPaにて解重合されたエチレングリコールを脱水管を通じて留去した。その後、180℃に冷却後、表2に示すカルボン酸化合物及びハイドロキノン2.5gを投入し、4時間かけて210℃に昇温し、さらに1時間縮重合反応を行った。その後50kPaに減圧し、反応させた。軟化点により重合度を追跡し、軟化点が135℃に達した時点で反応を終了し、樹脂組成物を得た。
【0047】
【表1】
【0048】
【表2】
【0049】
トナーの製造例
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物100重量部、カーボンブラック「MOGUL−L」(キャボット社製)4重量部、荷電制御剤「ボントロンN−04」(オリエント化学工業社製)1重量部及び「カルナバワックスC1」(加藤洋行社製)1重量部をヘンシェルミキサーで十分に混合した後、同方向回転二軸押出機(混練部分の全長:1560mm、スクリュー径:42mm、バレル内径:43mm)を用い、ロール回転速度を200回転/分、ロール内の加熱温度を100℃、混合物の供給速度を10kg/時に調整して溶融混練した。混合物の平均滞留時間は約18秒であった。得られた溶融混練物を、冷却、粗粉砕した後、ジェットミルにより粉砕し分級して、体積平均粒子径が8.0μmの粉体を得た。得られた粉体100重量部に、外添剤として「アエロジル R−972」(日本アエロジル(株)製)1.0重量部を添加し、ヘンシェルミキサーで混合することにより、トナーを得た。
【0050】
試験例1
トナー4gを、温度50℃、相対湿度90%の環境下で8時間放置した後、トナーの凝集の程度を目視にて観察し、保存性を評価した。結果を表3に示す。
【0051】
〔保存性の評価基準〕
◎: 凝集が全く認められない。
○: 凝集がほとんど認められない。
△: ソフトケーキングが認められる。
×: 凝集が認められる。
【0052】
試験例2
トナー4重量部に対して、シリコーンコートフェライトキャリア(関東電化工業社製、平均粒子径:90μm)96重量部を10分間ターブラーミキサーにて混合して、現像剤とした。
【0053】
得られた現像剤を複写機「AR−505」を改造した装置(印刷速度:70枚(A4紙縦)/分)に実装し、黒化率5%のA4(210mm×297mm)原稿を10万枚連続印刷した後、キャリアのスペント量を炭素量分析装置「EMIA−110」(堀場製作所製)を用いて測定し、耐久性を評価した。結果を表3に示す。なお、スペント量とは、使用前のキャリアの炭素量に対する10万枚印刷後のキャリアの炭素増加量である。
【0054】
〔耐久性の評価基準〕
◎: スペント量が0.05%未満
○: スペント量が0.05%以上0.10%未満
△: スペント量が0.10%以上0.15%未満
×: スペント量が0.15%以上
【0055】
試験例3
試験例2において、印刷初期(1000枚)及び10万枚印刷後の現像剤の帯電量を「q/m Meter MODEL 210HS」(TREK社製)を用いて測定した。結果を表3に示す。
【0056】
【表3】
【0057】
以上の結果より、実施例のトナーは、帯電量の低下が小さく、保存性及び耐久性のいずれにも優れていることが分かる。これに対し、比較例1、2では、用いられている原料の種類及び量は実施例1と同じであるものの、PETの固有粘度数及びジエチレングリコールの含有量が所定の範囲に調整されていないために、帯電量の低下又は保存性の低下が生じている。また、比較例3では、実施例1においてPETを用いる代わりに、PETの原料モノマーも考慮して全てモノマーから樹脂組成物を製造しているが、帯電量安定性、耐久性が不十分である。
【0058】
【発明の効果】
本発明により、帯電性、耐久性及び保存性のいずれにも優れたトナー用結着樹脂組成物及び該結着樹脂組成物を含有したトナーを提供することができる。
Claims (5)
- ポリエチレンテレフタレート又は変性ポリエチレンテレフタレート(以下、PET類という)をアルコール及び/又はカルボン酸化合物と反応させ、解重合及び縮重合させることにより得られるトナー用結着樹脂であって、前記PET類の固有粘度数が0.70〜0.90であり、前記PET類中のジエチレングリコールの含有量が3重量%以下であるトナー用結着樹脂組成物。
- PET類が、回収されたPET類である請求項1記載の結着樹脂組成物。
- 解重合及び縮重合に供する原料中のPET類の含有量が、10〜70重量%である請求項1又は2記載の結着樹脂組成物。
- ガラス転移点が50〜80℃である請求項1〜3いずれか記載の結着樹脂組成物。
- 請求項1〜4いずれか記載の結着樹脂組成物を含有してなるトナー。
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