JP2004162802A - 制振用シート - Google Patents
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Abstract
【課題】焼却時にダイオキシンが発生するという問題が生ぜず、しかも可撓性、耐久性、制振性に優れる制振用シートを提供する。
【解決手段】エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有する樹脂組成物からなる厚さ0.5〜3mmのシートであって、該シートが連続的に押出加工して得られたことを特徴とする制振用シート。
【選択図】 なし
【解決手段】エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有する樹脂組成物からなる厚さ0.5〜3mmのシートであって、該シートが連続的に押出加工して得られたことを特徴とする制振用シート。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な可撓性と耐久性および制振性を有する、オレフィン系樹脂からなる制振用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フロアマット、床下用部材など建材の分野において使用される制振用シートとしては、硬質または軟質の塩化ビニル樹脂を成形したシートが用いられてきた。しかしながら塩化ビニル樹脂からなる制振用シートは、廃棄の際に不完全燃焼によりダイオキシンが発生する可能性があるため、オレフィン系樹脂からなる制振用シートの開発が進められている。
【0003】
オレフィン系樹脂からなる制振用シートとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体と高比重充填剤とからなる、プレス成形によって得られた制振用シートが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、オレフィン系樹脂のエマルジョンとフィラーとを混合した液を不織布に塗工して得られた防音材も提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−49904号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開昭63−259595号公報(第4頁)
【0005】
しかし、上記のような製法で得られた制振用シートは、生産性に劣るのみならず、制振性能においても十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、焼却時にダイオキシンが発生するという問題が生ぜず、しかも可撓性、耐久性、制振性に優れる制振用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有する樹脂組成物からなる厚さ0.5〜3mmのシートであって、該シートが連続的に押出加工して得られた制振用シートである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の制振用シートにおける原料樹脂であるエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレンなどのいわゆるポリエチレン樹脂やエチレンと他の共重合とのエチレン共重合体が適用される。
エチレン共重合体としてはエチレン−プロピレン共重合体などの極性基を有さないエチレン系樹脂のほか、エチレンと極性ビニルモノマーとのエチレン−極性ビニルモノマー共重合体が例示されるが、柔軟性に優れることからエチレン−極性ビニルモノマー共重合体を使用することが好ましい。
【0009】
極性ビニルモノマーとしては、例えばα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸などの炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルであって、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、およびメタクリル酸イソブチル等が挙げられる。また、カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
好ましいエチレン−極性ビニルモノマー共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、変性エチレン−極性ビニルモノマー共重合体(アイオノマー樹脂)などが挙げられるが、特に制振用シートの可撓性および生産効率の点からエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、制振用シートの可撓性と耐久性のバランスの点から、酢酸ビニル成分の含量が5〜30重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体であることがとりわけ好ましい。酢酸ビニル成分の含量が5重量%未満であると、可撓性に劣る傾向があり、30重量%を超えると耐久性が不足する傾向がある。
本発明の制振用シートは、2種類以上のエチレン系樹脂を原料樹脂として使用してもよい。
【0010】
本発明の制振用シートにおける無機フィラーの種類は特に限定するものではなく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン繊維、タルク、マイカ(雲母)、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、ガラスフレーク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどを使用することができる。本発明の制振用シートは、これら無機フィラーを二種以上含有していてもよい。また、無機フィラーの形状も特に限定されない。本発明の制振用シートにおける無機フィラーは、例えば平板状の高アスペクト比の無機フィラーを用いても構わないし、粒子状や繊維状のものでもよい。無機フィラーの粒径も特に限定されないが、分散性の面から粒径は100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以下である。
【0011】
無機フィラーの中でも、燃焼熱を減少させることによる難燃化の効果を有するとともに、コスト的にも有利であることから炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
炭酸カルシウムは、重質の炭酸カルシウムであっても、軽質の炭酸カルシウムであってもよく、結晶形態も特に限定されない。炭酸カルシウムが含有する水分量も特に限定されないが、シートの押出加工性の点からは含有する水分量が少ない炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
【0012】
本発明の制振用シートは、エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有することで、可撓性と耐久性に優れたシートとなる。すなわち、無機フィラーが20重量部より少ない場合は、耐久性に劣るものとなる。また、無機フィラーが120重量部より多い場合には、脆くなり、可撓性に劣る。
【0013】
本発明の制振用シートの組成は、エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有するという以外には特に限定されない。
上記条件を満たす範囲内であれば、制振性能を損なわない範囲でエチレン系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、また、無機フィラー以外の添加剤を含んでいてもよい。
エチレン系樹脂以外の樹脂としては、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種エラストマー樹脂などが挙げられる。
無機フィラー以外の添加剤としては、着色剤、滑剤、アンチブロッキング剤、耐候剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0014】
本発明の制振用シートは、厚さ0.5〜3mmであるが、その幅および長さは特に限定されない。厚さが0.5mmより薄い場合には制振性が不十分であり、3mmより厚い場合には押出し加工によって成形することが困難である。
本発明の制振用シートを製造する方法は、連続的に押出加工するという以外は特に限定されない。連続的に押出加工することにより、生産効率がよいだけでなく、制振性能にも優れた制振用シートを製造することができる。本願明の制振用シートは、例えば以下の方法にて製造することが可能である。
【0015】
まず、バンバリー型の混練機あるいは一軸または二軸の押出機などを用いてエチレン系樹脂と無機フィラーとを混練し、樹脂組成物を調整する。こうして得られた溶融状態の樹脂組成物を、そのまま溶融状態でTダイなどの押出成形にてシート化するか、もしくは一旦ペレット化し次いで押出機を通してシート化する。
また、無機フィラーを高濃度に配合したマスターバッチを用いて、該マスターバッチとエチレン系樹脂とをペレットブレンドし、押出機にて混練し、Tダイなどの押出成形によりシート化する方法を用いてもよい。
【0016】
本発明の制振用シートは、例えばTダイによる押出成形によって製造することができるが、その場合、厚みが0.5mm〜3mmと一般的なフィルムと比較すると厚いため、通常フィルム製膜時に好適に使用されるゴム製タッチロールやエアーチャンバーなどを用いると、該制振用シートの厚み制御が困難となる傾向がある。
そのため本願発明の制振用シートは、金属ロールを冷却ロールに対して一定のロール間隔で固定し、そのロール間からシートを引き落とすという方法で製造することが好ましい。この場合に冷却ロールの温度は30℃以上に設定することが好ましく、40〜80℃の範囲に設定することがより好ましい。冷却ロールが30℃より低い場合には、制振用シートが急冷されて結晶化が進行した後に引き落としされるため、結晶が配向して柔軟性のない硬いシートとなる傾向がある。冷却ロールが80℃より高い場合には、制振用シートを構成するエチレン系樹脂が溶融してロールに付着し、連続押出加工が困難となる傾向がある。
【0017】
本発明の制振用シートを床材、建材などで緩衝作用を有するシートとして用いる場合には、損失正接tanδの大きいシートであることが好ましい。tanδは粘弾性特性のひとつとして知られており、通常は動的粘弾性測定装置にて測定することができる。
制振用シートのtanδの値は、測定周波数および測定温度によって異なるが、測定温度10℃、測定周波数100Hzの条件下での測定値が0.145以上であることが好ましく、0.16以上であることがより好ましい。
このようなtanδを有する制振用シートは、本発明の範囲内で、無機フィラーの含有量をできるだけ多くすること、必要に応じて各種エラストマーを添加すること、tanδの値が大きいエチレン系樹脂を用いること、などの方法によって得ることができる。tanδの値が大きいエチレン系樹脂として、酢酸ビニル含有量が15重量%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状超低密度ポリエチレンなどを使用することが好ましい。
【0018】
本発明の制振用シートを、制振効果に加えて、緩衝効果をも有するシートとして床材や建材として使用する場合には、該制振用シートの少なくとも一方の表面に不織布が積層されてなるものを使用することが好ましい。特に、金属や硬い樹脂からなる成形体に挟んで本発明の制振用シートを使用する場合、緩衝効果と滑り防止効果のために不織布が積層されたシートであることが好ましい。
積層する不織布は、積層時のコンバーティング適性を考慮すると目付けが60〜300g/m2であることが好ましく、さらに、コストや緩衝効果の点から、75〜200g/m2であることがより好ましい。不織布の材質には特に制限はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アラミド繊維などが用いられる。不織布の形態も特に限定されず、スパンボンド、ニードルパンチ、ケミカルボンド、サーマルボンドなどの各種製造方法にて製造された不織布が用いられる。
【0019】
制振用シートに不織布を積層する方法も特に限定されない。ドライラミネートによる方法、押出ラミネートによる方法、シート製膜時に直接不織布を積層する方法などが挙げられる。特に、押出ラミネートによる方法は溶剤を使用しないため、床材や建材などの用途に使用する場合に好ましい。
押出ラミネートによる積層を行う場合、制振用シートの製造ライン内に押出ラミネートを行う工程も含まれていることが製造効率の点から好ましい。また同様の観点から、制振用シートを押出成形した直後に不織布を繰り出して、不織布と制振用シートとを直接積層する方法も好ましく用いられる。
本発明の制振用シートは、該シートの表面にに粘着剤からなる層を形成し、該粘着剤からなる層の上に剥離紙を積層して使用することができる。
かかる粘着剤層は、通常はシートの片面に設けられるが必要があればその両面に設けてもよい。また、片面に不織布が積層されてなる制振用シートにおいて、不織布が積層された面とは異なる面に粘着剤からなる層を形成し、その上にさらに剥離紙を積層することもできる。このような粘着剤からなる層と剥離紙とを積層した制振用シートは、剥離紙を取り除くと、容易に物品に貼着することができる。
【0020】
上記粘着剤からなる層を構成する粘着剤には特に制限はなく、公知の粘着剤が使用できる。例えば、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが挙げられる。粘着剤の種類および塗布方法も特に制限されず、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤のいずれの型のものであってもよい。また粘着剤層の厚みについてもとくに制限はなく、制振用シートの厚みや幅、または用途等を勘案して適宜決めればよく、一般的には10〜50μmである。
【0021】
本発明の制振用シートの用途は、特に限定されないが、床材、床下材、建材など、制振性に加えて、特に可撓性と耐久性を必要とする用途に対して好適に用いられる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の制振用シートは、焼却時にダイオキシンを発生することもなく、しかも可撓性、耐久性、制振性に優れたものである。この結果、本発明の制振用シートを床材、建材などに用いることにより、発生する衝撃や音を低減し、しかもその効果が長く持続することとなる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0024】
[繰り返し荷重試験]
15mm×15mmの大きさに裁断した片面に粘着剤からなる層を有する制振用シートを、該粘着剤からなる層を介してロール面長500mmの金属ロールに貼り付けた。他の金属ロールを、制振用シートを貼り付けた金属ロールに0.3kgf/cmの線圧となるように押しあて、両方のロールをロール面の回転速度が1m/minとなるように回転させて制振用シートに荷重を繰り返し加え、500回転後の制振用シートの状態を評価した。
【0025】
[落下音強度測定試験]
SUS材料にて製造された板(10cm×15cm、厚さ約2mm)の4隅に、16mm×24mmの大きさに裁断した片面に粘着剤からなる層を有する制振用シートを粘着剤からなる層を介して貼り付け、落下音強度測定試験試料とした。貼合した各制振用シートとほぼ同サイズで厚みが2cmのウレタン発泡体4体を平面上に固定し、その上に上記した試験材料を、貼合した制振用シートがウレタン発泡体に接するようにして載せた。
重さ5.6gの鉄球を30cmの高さから前記試験材料に垂直落下させ、落下した鉄球が試験材料に当たったときに発生する衝撃音の強度を、床面から高さ15cmの位置に検知器を設置し測定するという方法によって、落下音強度測定試験を行った。落下音の検知には精密騒音計NL−18(リオン株式会社製)を用いた。なお、制振用シートを貼合しないSUS製板を用いて上記試験を行ったときの落下音強度は113.3dBであった。
【0026】
[実施例1]
エチレン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であるエバテートH2011(住友化学工業(株)製、MFR=3、VAcont.:15wt%)を40重量部、無機フィラーとして、炭酸カルシウムマスターバッチMFP−CLLAR(三福工業(株)製 80wt%炭酸カルシウムマスターバッチ、ベース樹脂は線状低密度ポリエチレン)を60重量部、混合したものを制振用シート原料とした。
上記シート原料を用いて連続的に押出成形を行ない、制振用シートを作製した。押出成形にはSHIモダンマシナリー株式会社製キャストフィルム製膜装置(Tダイ幅:370mm、押出機:40mmφ)を用いた。シート成形条件は、押出機シリンダー温度200℃、押出量約15kg/h、引取速度0.5m/minであった。シートの引取時には二本の冷却ロールにてサイジングを行なった。このときロール間のギャップは1mm、冷却ロール温度は23℃であった。得られた制振用シートの厚みは1.2mmであった。本制振用シートは、可撓性に優れるため、シート成形時にロールで容易に引き取ることができ、連続押出成形することができた。
得られた制振用シートに目付け100g/m2の不織布スパンレース7810(シンワ株式会社製、材質ポリエステル)を押出ラミネート法により積層した。その後、制振用シートの不織布貼合面とは異なる面に、25W・min/m2の強度にてコロナ処理を行った。コロナ処理直後の処理面の濡れ指数は50dyne/cm以上であった。コロナ処理から1週間後に、アクリル系粘着剤を制振用シートのコロナ処理面に厚み30μmになるように塗工し、その上から剥離紙を貼合した。粘着剤塗工時の制振用シートのコロナ処理面の濡れ指数は46dyne/cmであった。
この制振用シートをSUS製板に貼り付けて落下音強度測定試験を行ったところ、強度は108.6dBであり、SUS製板のみでの落下音強度113.3dBと比較して、十分な制振効果を有していた。また、この複合シートを繰り返し荷重試験にかけたところ、500回の荷重に対しても、ずれを生じず、十分な力学的な強度と耐久性を有していた。
【0027】
[実施例2]
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であるエバテートH2011を48重量部、炭酸カルシウムマスターバッチMFP−CLLARを52重量部、混合したものを制振用シート原料として連続的に押出成形を行ない、制振用シートを作製した。押出成形には東芝機械(株)製の、かみ合い型スクリューを装備した異方向斜行二軸押出機(TEC−67)を用いた(Tダイ幅:1000mm)。押出機シリンダー温度200℃、押出量は約200kg/h、引取速度2.6m/minであった。押出成形は、ベント装置を用いて溶融樹脂の揮発成分を除去しながら行なった。シートの引取時には二本の冷却ロールにてサイジングを行なった。このときロール間のギャップは1mm、冷却ロール温度は23℃であった。得られた制振用シート厚みは1.2mmであった。本制振用シートは、可撓性に優れるため、成形時にロールで容易に引き取ることができ、連続押出成形することができた。
該シートの片面に粘着剤を塗工したものをSUS製板に貼り付けて、落下音強度測定試験を行ったところ、強度は109.5dBであり、SUS製板のみでの落下音強度113.3dBと比較して、十分な制振効果を有していた。また、この制振用シートに繰り返し荷重試験を行ったところ、500回の荷重に対しても、ずれを生じず、十分な力学的な強度と耐久性を有していた。
【0028】
[比較例1]
実施例1と同様に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であるエバテートH2011を40重量部、炭酸カルシウムマスターバッチMFP−CLLARを60重量部、混合したものをシート原料とした。
上記シート原料をテスト用混練機を用いて200℃にて溶融混練し、26℃の冷却板に挟んでプレス成形し、1.2mm厚みの制振用シートを得た。
該シートに粘着剤を塗工しSUS製板に貼り付けたものを用いて、落下音強度測定試験を行ったところ、強度は115.1dBであり、制振効果がみられなかった。
【発明の属する技術分野】
本発明は、良好な可撓性と耐久性および制振性を有する、オレフィン系樹脂からなる制振用シートに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、フロアマット、床下用部材など建材の分野において使用される制振用シートとしては、硬質または軟質の塩化ビニル樹脂を成形したシートが用いられてきた。しかしながら塩化ビニル樹脂からなる制振用シートは、廃棄の際に不完全燃焼によりダイオキシンが発生する可能性があるため、オレフィン系樹脂からなる制振用シートの開発が進められている。
【0003】
オレフィン系樹脂からなる制振用シートとしては、エチレン−酢酸ビニル共重合体と高比重充填剤とからなる、プレス成形によって得られた制振用シートが提案されている(例えば特許文献1参照)。また、オレフィン系樹脂のエマルジョンとフィラーとを混合した液を不織布に塗工して得られた防音材も提案されている(例えば特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】
特開平11−49904号公報(第3頁)
【特許文献2】
特開昭63−259595号公報(第4頁)
【0005】
しかし、上記のような製法で得られた制振用シートは、生産性に劣るのみならず、制振性能においても十分なものではなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、焼却時にダイオキシンが発生するという問題が生ぜず、しかも可撓性、耐久性、制振性に優れる制振用シートを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有する樹脂組成物からなる厚さ0.5〜3mmのシートであって、該シートが連続的に押出加工して得られた制振用シートである。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明の制振用シートにおける原料樹脂であるエチレン系樹脂としては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、直鎖状超低密度ポリエチレンなどのいわゆるポリエチレン樹脂やエチレンと他の共重合とのエチレン共重合体が適用される。
エチレン共重合体としてはエチレン−プロピレン共重合体などの極性基を有さないエチレン系樹脂のほか、エチレンと極性ビニルモノマーとのエチレン−極性ビニルモノマー共重合体が例示されるが、柔軟性に優れることからエチレン−極性ビニルモノマー共重合体を使用することが好ましい。
【0009】
極性ビニルモノマーとしては、例えばα,β−不飽和カルボン酸アルキルエステル、酢酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル等が挙げられる。α,β−不飽和カルボン酸アルキルエステルとしては、例えばアクリル酸、メタクリル酸などの炭素数が3〜8個のα,β−不飽和カルボン酸のアルキルエステルであって、具体的にはアクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸t−ブチル、およびメタクリル酸イソブチル等が挙げられる。また、カルボン酸ビニルエステルとしては、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニルなどが挙げられる。
好ましいエチレン−極性ビニルモノマー共重合体としては、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、変性エチレン−極性ビニルモノマー共重合体(アイオノマー樹脂)などが挙げられるが、特に制振用シートの可撓性および生産効率の点からエチレン−酢酸ビニル共重合体であることが好ましく、制振用シートの可撓性と耐久性のバランスの点から、酢酸ビニル成分の含量が5〜30重量%であるエチレン−酢酸ビニル共重合体であることがとりわけ好ましい。酢酸ビニル成分の含量が5重量%未満であると、可撓性に劣る傾向があり、30重量%を超えると耐久性が不足する傾向がある。
本発明の制振用シートは、2種類以上のエチレン系樹脂を原料樹脂として使用してもよい。
【0010】
本発明の制振用シートにおける無機フィラーの種類は特に限定するものではなく、例えば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、酸化マグネシウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸カルシウム、ガラス繊維、ガラスビーズ、カーボン繊維、タルク、マイカ(雲母)、カオリン、モンモリロナイト、ベントナイト、ハイドロタルサイト、カーボンブラック、ガラスフレーク、シリカ、硫酸バリウム、硫酸マグネシウムなどを使用することができる。本発明の制振用シートは、これら無機フィラーを二種以上含有していてもよい。また、無機フィラーの形状も特に限定されない。本発明の制振用シートにおける無機フィラーは、例えば平板状の高アスペクト比の無機フィラーを用いても構わないし、粒子状や繊維状のものでもよい。無機フィラーの粒径も特に限定されないが、分散性の面から粒径は100μm以下であることが好ましく、さらに好ましくは10μm以下である。
【0011】
無機フィラーの中でも、燃焼熱を減少させることによる難燃化の効果を有するとともに、コスト的にも有利であることから炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
炭酸カルシウムは、重質の炭酸カルシウムであっても、軽質の炭酸カルシウムであってもよく、結晶形態も特に限定されない。炭酸カルシウムが含有する水分量も特に限定されないが、シートの押出加工性の点からは含有する水分量が少ない炭酸カルシウムを使用することが好ましい。
【0012】
本発明の制振用シートは、エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有することで、可撓性と耐久性に優れたシートとなる。すなわち、無機フィラーが20重量部より少ない場合は、耐久性に劣るものとなる。また、無機フィラーが120重量部より多い場合には、脆くなり、可撓性に劣る。
【0013】
本発明の制振用シートの組成は、エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有するという以外には特に限定されない。
上記条件を満たす範囲内であれば、制振性能を損なわない範囲でエチレン系樹脂以外の樹脂を含んでいてもよく、また、無機フィラー以外の添加剤を含んでいてもよい。
エチレン系樹脂以外の樹脂としては、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリブタジエン、スチレン−ブタジエン共重合体、各種エラストマー樹脂などが挙げられる。
無機フィラー以外の添加剤としては、着色剤、滑剤、アンチブロッキング剤、耐候剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤などが挙げられる。
【0014】
本発明の制振用シートは、厚さ0.5〜3mmであるが、その幅および長さは特に限定されない。厚さが0.5mmより薄い場合には制振性が不十分であり、3mmより厚い場合には押出し加工によって成形することが困難である。
本発明の制振用シートを製造する方法は、連続的に押出加工するという以外は特に限定されない。連続的に押出加工することにより、生産効率がよいだけでなく、制振性能にも優れた制振用シートを製造することができる。本願明の制振用シートは、例えば以下の方法にて製造することが可能である。
【0015】
まず、バンバリー型の混練機あるいは一軸または二軸の押出機などを用いてエチレン系樹脂と無機フィラーとを混練し、樹脂組成物を調整する。こうして得られた溶融状態の樹脂組成物を、そのまま溶融状態でTダイなどの押出成形にてシート化するか、もしくは一旦ペレット化し次いで押出機を通してシート化する。
また、無機フィラーを高濃度に配合したマスターバッチを用いて、該マスターバッチとエチレン系樹脂とをペレットブレンドし、押出機にて混練し、Tダイなどの押出成形によりシート化する方法を用いてもよい。
【0016】
本発明の制振用シートは、例えばTダイによる押出成形によって製造することができるが、その場合、厚みが0.5mm〜3mmと一般的なフィルムと比較すると厚いため、通常フィルム製膜時に好適に使用されるゴム製タッチロールやエアーチャンバーなどを用いると、該制振用シートの厚み制御が困難となる傾向がある。
そのため本願発明の制振用シートは、金属ロールを冷却ロールに対して一定のロール間隔で固定し、そのロール間からシートを引き落とすという方法で製造することが好ましい。この場合に冷却ロールの温度は30℃以上に設定することが好ましく、40〜80℃の範囲に設定することがより好ましい。冷却ロールが30℃より低い場合には、制振用シートが急冷されて結晶化が進行した後に引き落としされるため、結晶が配向して柔軟性のない硬いシートとなる傾向がある。冷却ロールが80℃より高い場合には、制振用シートを構成するエチレン系樹脂が溶融してロールに付着し、連続押出加工が困難となる傾向がある。
【0017】
本発明の制振用シートを床材、建材などで緩衝作用を有するシートとして用いる場合には、損失正接tanδの大きいシートであることが好ましい。tanδは粘弾性特性のひとつとして知られており、通常は動的粘弾性測定装置にて測定することができる。
制振用シートのtanδの値は、測定周波数および測定温度によって異なるが、測定温度10℃、測定周波数100Hzの条件下での測定値が0.145以上であることが好ましく、0.16以上であることがより好ましい。
このようなtanδを有する制振用シートは、本発明の範囲内で、無機フィラーの含有量をできるだけ多くすること、必要に応じて各種エラストマーを添加すること、tanδの値が大きいエチレン系樹脂を用いること、などの方法によって得ることができる。tanδの値が大きいエチレン系樹脂として、酢酸ビニル含有量が15重量%以上のエチレン−酢酸ビニル共重合体、直鎖状超低密度ポリエチレンなどを使用することが好ましい。
【0018】
本発明の制振用シートを、制振効果に加えて、緩衝効果をも有するシートとして床材や建材として使用する場合には、該制振用シートの少なくとも一方の表面に不織布が積層されてなるものを使用することが好ましい。特に、金属や硬い樹脂からなる成形体に挟んで本発明の制振用シートを使用する場合、緩衝効果と滑り防止効果のために不織布が積層されたシートであることが好ましい。
積層する不織布は、積層時のコンバーティング適性を考慮すると目付けが60〜300g/m2であることが好ましく、さらに、コストや緩衝効果の点から、75〜200g/m2であることがより好ましい。不織布の材質には特に制限はなく、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリアミド、アラミド繊維などが用いられる。不織布の形態も特に限定されず、スパンボンド、ニードルパンチ、ケミカルボンド、サーマルボンドなどの各種製造方法にて製造された不織布が用いられる。
【0019】
制振用シートに不織布を積層する方法も特に限定されない。ドライラミネートによる方法、押出ラミネートによる方法、シート製膜時に直接不織布を積層する方法などが挙げられる。特に、押出ラミネートによる方法は溶剤を使用しないため、床材や建材などの用途に使用する場合に好ましい。
押出ラミネートによる積層を行う場合、制振用シートの製造ライン内に押出ラミネートを行う工程も含まれていることが製造効率の点から好ましい。また同様の観点から、制振用シートを押出成形した直後に不織布を繰り出して、不織布と制振用シートとを直接積層する方法も好ましく用いられる。
本発明の制振用シートは、該シートの表面にに粘着剤からなる層を形成し、該粘着剤からなる層の上に剥離紙を積層して使用することができる。
かかる粘着剤層は、通常はシートの片面に設けられるが必要があればその両面に設けてもよい。また、片面に不織布が積層されてなる制振用シートにおいて、不織布が積層された面とは異なる面に粘着剤からなる層を形成し、その上にさらに剥離紙を積層することもできる。このような粘着剤からなる層と剥離紙とを積層した制振用シートは、剥離紙を取り除くと、容易に物品に貼着することができる。
【0020】
上記粘着剤からなる層を構成する粘着剤には特に制限はなく、公知の粘着剤が使用できる。例えば、アクリル系粘着剤、ビニルエーテル系粘着剤、シリコン系粘着剤、ゴム系粘着剤などが挙げられる。粘着剤の種類および塗布方法も特に制限されず、溶液型粘着剤、エマルジョン型粘着剤、ホットメルト型粘着剤のいずれの型のものであってもよい。また粘着剤層の厚みについてもとくに制限はなく、制振用シートの厚みや幅、または用途等を勘案して適宜決めればよく、一般的には10〜50μmである。
【0021】
本発明の制振用シートの用途は、特に限定されないが、床材、床下材、建材など、制振性に加えて、特に可撓性と耐久性を必要とする用途に対して好適に用いられる。
【0022】
【発明の効果】
本発明の制振用シートは、焼却時にダイオキシンを発生することもなく、しかも可撓性、耐久性、制振性に優れたものである。この結果、本発明の制振用シートを床材、建材などに用いることにより、発生する衝撃や音を低減し、しかもその効果が長く持続することとなる。
【0023】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づき説明するが、本発明はこれら実施例に何ら限定されるものではない。
【0024】
[繰り返し荷重試験]
15mm×15mmの大きさに裁断した片面に粘着剤からなる層を有する制振用シートを、該粘着剤からなる層を介してロール面長500mmの金属ロールに貼り付けた。他の金属ロールを、制振用シートを貼り付けた金属ロールに0.3kgf/cmの線圧となるように押しあて、両方のロールをロール面の回転速度が1m/minとなるように回転させて制振用シートに荷重を繰り返し加え、500回転後の制振用シートの状態を評価した。
【0025】
[落下音強度測定試験]
SUS材料にて製造された板(10cm×15cm、厚さ約2mm)の4隅に、16mm×24mmの大きさに裁断した片面に粘着剤からなる層を有する制振用シートを粘着剤からなる層を介して貼り付け、落下音強度測定試験試料とした。貼合した各制振用シートとほぼ同サイズで厚みが2cmのウレタン発泡体4体を平面上に固定し、その上に上記した試験材料を、貼合した制振用シートがウレタン発泡体に接するようにして載せた。
重さ5.6gの鉄球を30cmの高さから前記試験材料に垂直落下させ、落下した鉄球が試験材料に当たったときに発生する衝撃音の強度を、床面から高さ15cmの位置に検知器を設置し測定するという方法によって、落下音強度測定試験を行った。落下音の検知には精密騒音計NL−18(リオン株式会社製)を用いた。なお、制振用シートを貼合しないSUS製板を用いて上記試験を行ったときの落下音強度は113.3dBであった。
【0026】
[実施例1]
エチレン系樹脂として、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であるエバテートH2011(住友化学工業(株)製、MFR=3、VAcont.:15wt%)を40重量部、無機フィラーとして、炭酸カルシウムマスターバッチMFP−CLLAR(三福工業(株)製 80wt%炭酸カルシウムマスターバッチ、ベース樹脂は線状低密度ポリエチレン)を60重量部、混合したものを制振用シート原料とした。
上記シート原料を用いて連続的に押出成形を行ない、制振用シートを作製した。押出成形にはSHIモダンマシナリー株式会社製キャストフィルム製膜装置(Tダイ幅:370mm、押出機:40mmφ)を用いた。シート成形条件は、押出機シリンダー温度200℃、押出量約15kg/h、引取速度0.5m/minであった。シートの引取時には二本の冷却ロールにてサイジングを行なった。このときロール間のギャップは1mm、冷却ロール温度は23℃であった。得られた制振用シートの厚みは1.2mmであった。本制振用シートは、可撓性に優れるため、シート成形時にロールで容易に引き取ることができ、連続押出成形することができた。
得られた制振用シートに目付け100g/m2の不織布スパンレース7810(シンワ株式会社製、材質ポリエステル)を押出ラミネート法により積層した。その後、制振用シートの不織布貼合面とは異なる面に、25W・min/m2の強度にてコロナ処理を行った。コロナ処理直後の処理面の濡れ指数は50dyne/cm以上であった。コロナ処理から1週間後に、アクリル系粘着剤を制振用シートのコロナ処理面に厚み30μmになるように塗工し、その上から剥離紙を貼合した。粘着剤塗工時の制振用シートのコロナ処理面の濡れ指数は46dyne/cmであった。
この制振用シートをSUS製板に貼り付けて落下音強度測定試験を行ったところ、強度は108.6dBであり、SUS製板のみでの落下音強度113.3dBと比較して、十分な制振効果を有していた。また、この複合シートを繰り返し荷重試験にかけたところ、500回の荷重に対しても、ずれを生じず、十分な力学的な強度と耐久性を有していた。
【0027】
[実施例2]
エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であるエバテートH2011を48重量部、炭酸カルシウムマスターバッチMFP−CLLARを52重量部、混合したものを制振用シート原料として連続的に押出成形を行ない、制振用シートを作製した。押出成形には東芝機械(株)製の、かみ合い型スクリューを装備した異方向斜行二軸押出機(TEC−67)を用いた(Tダイ幅:1000mm)。押出機シリンダー温度200℃、押出量は約200kg/h、引取速度2.6m/minであった。押出成形は、ベント装置を用いて溶融樹脂の揮発成分を除去しながら行なった。シートの引取時には二本の冷却ロールにてサイジングを行なった。このときロール間のギャップは1mm、冷却ロール温度は23℃であった。得られた制振用シート厚みは1.2mmであった。本制振用シートは、可撓性に優れるため、成形時にロールで容易に引き取ることができ、連続押出成形することができた。
該シートの片面に粘着剤を塗工したものをSUS製板に貼り付けて、落下音強度測定試験を行ったところ、強度は109.5dBであり、SUS製板のみでの落下音強度113.3dBと比較して、十分な制振効果を有していた。また、この制振用シートに繰り返し荷重試験を行ったところ、500回の荷重に対しても、ずれを生じず、十分な力学的な強度と耐久性を有していた。
【0028】
[比較例1]
実施例1と同様に、エチレン−酢酸ビニル共重合体樹脂であるエバテートH2011を40重量部、炭酸カルシウムマスターバッチMFP−CLLARを60重量部、混合したものをシート原料とした。
上記シート原料をテスト用混練機を用いて200℃にて溶融混練し、26℃の冷却板に挟んでプレス成形し、1.2mm厚みの制振用シートを得た。
該シートに粘着剤を塗工しSUS製板に貼り付けたものを用いて、落下音強度測定試験を行ったところ、強度は115.1dBであり、制振効果がみられなかった。
Claims (7)
- エチレン系樹脂100重量部に対して無機フィラー20〜120重量部を含有する樹脂組成物からなる厚さ0.5〜3mmのシートであって、該シートが連続的に押出加工して得られたシートであることを特徴とする制振用シート。
- エチレン系樹脂がエチレン−極性ビニルモノマー共重合体であることを特徴とする請求項1記載の制振用シート。
- エチレン−極性ビニルモノマー共重合体が、酢酸ビニル成分を5〜30重量%含むエチレン−酢酸ビニル共重合体であることを特徴とする請求項2記載の制振用シート。
- 無機フィラーが炭酸カルシウムであることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の制振用シート。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制振用シートの少なくとも一方の表面に粘着剤からなる層が形成され、前記粘着剤からなる層の上に剥離紙が積層されてなることを特徴とする制振用シート。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制振用シートの少なくとも一方の表面に、不織布が積層されてなることを特徴とする制振用シート。
- 請求項1ないし4のいずれか1項に記載の制振用シートにおいて、一方の表面に不織布が積層され、他方の面に粘着剤からなる層が形成され、前記粘着剤からなる層の上に剥離紙が積層されてなることを特徴とする制振用シート。
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