JP2004162514A - 防水パン - Google Patents

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Yashio Suzuki
弥志雄 鈴木
Mitsuru Iwai
満 岩井
Makoto Okada
誠 岡田
Eisuke Tadaoka
英介 唯岡
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Abstract

【課題】使用後の防水パンの表面を、自然乾燥により短時間のうちに乾燥状態にすることができ、汚れが貯まりにくく、落としやすい防水パンを提供する。
【解決手段】表面に、(a)面積が0.05〜20cmで撥水性を示す部分及び(b)この撥水性を示す部分の周りに連続して配される親水性を示す部分を有し、排水勾配を有してなる防水パン。親水性を示す部分は、排水口又は排水溝に連続して至るように配されていることが好ましい。また、撥水性を示す部分の表面は、水の接触角が60度以上であることが好ましく、親水性を示す部分の表面は、水の接触角が60度未満であることが好ましい。親水性を示す部分は、親水性膜の形成や凹凸模様の形成等の親水性処理を施すことが好ましい。
【選択図】 図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、使用後はその表面が乾きやすい浴室用の防水パンに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、浴室用の防水パンは、意匠性を重視して、その表面は300mm角程度の大きさの目地割りによる田の字又は格子状のパターンが施され、そのパターンを形成する溝は目地と呼ばれて、通常、その幅は3〜10mm程度、深さは0.3〜1.0mm程度である。また、上記溝で囲まれる最小区画(一箇のタイルに対応する部分)の表面は、自然感を持たせるために、天然石や見本板を真似て岩肌調に加工され、あるいはシボ加工されていることが多い。
【0003】
しかし、このような防水パンは、表面の意匠性が重視されてはいるが、排水性(速乾燥性)は不十分であり、また、防水パンの素材は、比較的撥水性の高いFRPなどのプラスチック類が多く用いられていることから、入浴後の防水パン上の湯水はその防水パンの上で接触角の大きな水玉を形成し、翌日になってもこの水玉状の残水は乾きにくく、自然乾燥せずに残ってしまう。従って、翌日、使用者が浴槽の清掃を行う際、防水性のぞうり等をはかなければ足がぬれるなど、煩わしいことになる。特に冬には残り水が冷たくなっているため、寒さを助長する。
【0004】
このような問題を解決するものとして、防水パンの表面に、凸部を有し、その周りに細く断面がV字状である溝を配し、その溝が排水口に至る構造の表面を有している防水パンが製品として提案されている(特許文献1参照)。この防水パンでは、約5mm×10mm程度の凸部と幅約2mm×深さ約0.7mmの溝の相互作用で残存する水玉の水を溝を通して排水口に流すことにおり、防水パンの表面を速やかに乾燥させることができる。
しかし、この防水パンは、溝に水とともに汚れ(石けんカス、垢、ゴミ等)も流入し、溝が細く、比較的深いために、その汚れが溝内に貯まり易く、また清掃の際にも汚れを落としづらいといった問題があった。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−54295号公報(第4、6頁、第9〜12図)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで、本発明は、第一に、前記の原理とは異なった原理により、使用後の防水パンの表面を、自然乾燥により短時間のうちに乾燥状態にすることができる防水パンを提供するものである。本発明は、第2に、汚れが貯まりにくく、落としやすい防水パンを提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
1.表面に、(a)面積が0.05〜20cmで撥水性を示す部分及び(b)この撥水性を示す部分の周りに連続して配される親水性を示す部分を有し、排水勾配を有してなる防水パン。
2.親水性を示す部分が、排水口又は排水溝に連続して至るように配されている項1記載の防水パン。
3.撥水性を示す部分の表面は、水の接触角が60度以上である項1又は2記載の防水パン。
4.親水性を示す部分の表面は、水の接触角が60度未満である項1〜3記載の防水パン。
5.親水性を示す部分内に、撥水性を示す部分1個を取り囲むように、しかも親水性を示す部分のみで閉じた曲線(撥水性を有する部分を内側に含まない)を作らないよう線を引いた場合に、その線に属する点から囲んだ撥水性を示す部分までの最短距離が0.5mm以上10mm以下になるように線が引けるように親水性を有する部分と撥水性を有する部分を配する項1〜4のいずれかに記載の防水パン。
6.親水性を有する部分が、親水性処理を施した部分である項1〜5のいずれかに記載の防水パン。
7.親水性処理が、親水性膜を形成することである項6に記載の防水パン。
8.親水性処理が、幅0.1〜1.5mmで、深さ0.5〜1.5mmの連続した溝を隣接させて複数施すことである項6記載の防水パン。
9.親水性処理が、高さが0.5〜1.5mm、上から平面的に見たときの面積が床の総面積の10〜20%の尖った凸部を隣接するように施すことである項6記載の防水パン。
10.親水性処理が、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ry(但し、Ry及びSmは、レーザ顕微鏡で、X−Y(横縦)方向の分解能を0.2913μm、Z(高さ)方向の分解能を0.5μm、測定長を298μmに設定して測定した場合の値である)が5以下であるように表面に凹凸を施すことである項6記載の防水パン。
【0008】
【発明の実施の形態】
【0009】
図1は本発明に係る一実施例の防水パンの平面図であり、図2はその部分拡大平面図である。
図1に示すように、防水パン1は、浴槽設置部2に隣接する洗場部に相当する部分であり、浴槽設置部2は洗場側防水パンと別体で形成され、接続される。また、防水パン1は、隣接する浴槽と一体に成形されていてもよい。
【0010】
防水パン1には、排水のための排水口凹部3が形成され、排水口凹部3の中に排水口4が配置されている。
防水パン1は、上記排水口凹部3が最も低くなるように排水勾配が取られており、浴室使用時には、湯水が防水パン1上の水が排水勾配に沿って流れ、排水口凹部3に集水されるようになっている。また、排水を補助するための排水流し溝5を浴槽に沿って設けている。排水流し溝5内に落ちた排水は排水口凹部3に集水されるようになっている。
【0011】
本発明における防水パンの素材は、無機質材料とすることもできるが、通常は、成形が容易であること、量産性に富むことから、ガラス繊維強化プラスチック製が好ましく、その樹脂材料としては、不飽和ポリエステル樹脂が一般的である。
本発明おける排水勾配は、使用時に、湯水が、排水口又は排水溝に向って流れるようにするための傾斜であり、排水口又は排水溝に向って1/20〜1/100の範囲内の下り勾配を有する。排水口に向けて下り勾配を付けることが一般的であるが、グレーチングを載せた排水溝が洗い場周りにあるような浴室では、その排水溝へ向かうような下り勾配でもよい。
【0012】
本発明に係る防水パンは、その表面に、撥水性を示す部分を有する。撥水性を示す部分の1個の面積は、0.05〜20cmである。
本発明おいて、撥水性とは、水の接触角が60度以上のことをいう。
なお、本発明おいて、水の接触角を計るときは、接触角測定器の水平台に測定物を載せ、横方向から光を当てて投影拡大し、測定物と液滴との境界を含む面(水平台面と平行とみなす)を基準にして、その基準と液滴端部を通る液滴への接線(最大角のもの)のなす角度を読み取る。防水パンのように大きな測定物は、小片に切断して測定すればよい。上記の角度は、水平台面と上記接線のなす角度としてもよい。
【0013】
撥水性を示す部分は、前記したガラス繊維強化プラスチック製の防水パンである場合、特別な処理をすることなく、その素材の性質をそのまま利用すればよい。表面を特に撥水性にする処理を施してもよいが、それには、フッ素樹脂などを塗装する方法などがある。
撥水性を示す部分は、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryが5を超える物はすべて含まれる。尚、本発明において、表面の平均粗さRa、凹凸の平均間隔Sm及び最大高さRyは、レーザ顕微鏡〔例えば、(株)キーエンス製のレーザ顕微鏡VK−8500シリーズ〕を用いて、前記した条件、すなわち、X−Y(横縦)方向の分解能を0.2913μm、Z(高さ)方向の分解能を0.5μm、測定長を298μmに設定(以下、設定Aという)の条件にて測定する。
【0014】
本発明における防水パンの表面には、親水性を示す部分を有する。
本発明おいて、親水性とは、水の接触角が60度未満のことをいう。親水性の尺度として、水の接触角を測る場合、(1)表面に水滴を静かに置いて測定する方法、(2)水滴を約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法、(3)表面に水滴を落とした後、水をおしなべて、その再凝集の状態を見る方法がある。(1)の場合も、(2)の場合も、表面にある水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性といえる。(3)の場合、再凝縮した水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性である。
本発明における好ましい接触角は、親水性の場合は、40度以下であり、撥水性の場合は60度以上である。
表面を親水性にするために、多くの場合、親水性処理が必要である。それには、親水性膜を形成する方法、表面形状を調整する方法などがある。
【0015】
親水性膜を形成する方法としては、表面に親水性の物質を塗装する方法が一般的である。親水性の物質としては、ポリシラザンや、酸化チタンを含む光触媒など、表面エネルギーが高く、結果として、水との接触角が60度未満になる物質であれば特に限定されない。因みに、FRPは水との接触角が70〜80度であり水は凝縮するが、ポリシラザンを塗装した場合は、接触角は約40度、光触媒を塗装した場合接触角は約10度にすることができる。
【0016】
表面形状を調整する方法としては、表面の凹凸形状(又は凹凸模様)によって、擬似的に親水化する方法である。
【0017】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、幅0.1〜1.5mmで、深さ0.5〜1.5mmの連続した溝を隣接させて複数施し、表面積を増大させることである。例えば、図8、9に示すように、表面に略V字形の連続した溝を隣接させて複数施す。この溝の上に水が落ちると、水は、その凝集作用によって溝内に吸引されて溝に入り込み、この後、溝の堰により再凝集が妨げられるとともにV字形の表面に対する真の接触角が大きくてもその表面が水平面に対してすでに大きな角度を有するため水平面に対する見かけの接触角が小さくなり、全体として、擬似的な接触角が小さくなる。従って、溝を複数隣接させた表面は、結果的に親水性を示す。尚、溝形状はV字形に限定されず、溝内の水の凝集作用を利用するものであればよい。
【0018】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法のもう一つは、高さが0.5〜1.5mmの尖った凸部を隣接するように、上から平面的に見たときの面積で床の総面積の少なくとも10〜20%にわたって施し、表面積を増大させる方法である。例えば、図5、6、7に示すように、略V字形の溝が格子状に施こされる。この擬似親水化表面に落ちた水は、溝内の水の凝集作用によって吸引され、表面は、結果的に親水性を示す。詳しくは後述するが、従来の床に残る水玉の占める面積は、防水パンの面積の10〜20%であることから、尖った凸部は、防水パンの面積の少なくとも10〜20%であることが好ましい。
この溝の上に水が落ちると、水は、その凝集作用によって溝内に吸引されて溝に入り込み、この後、溝が連続していることで、多くの水が溝内に留まることと、尖った凸部による妨害により再凝集が妨げられるとともに、尖った凸部の表面に対する真の接触角が大きくてもその表面が水平面に対してすでに大きな角度を有するため水平面に対する見かけの接触角が小さくなり、全体として、擬似的な接触角が小さくなる。
【0019】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法のさらにもう一つは、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryが5以下であるように表面に凹凸を施し、表面積を増大させることである。比Sm/Ryの下限は、特に制限はないが、0.05であることが好ましく、下限を0.1とするとより好ましい。比Sm/Ryが小さすぎると凹凸の作製が難しくなる。表面の平均粗さRaは100μm以下であることが好ましい。なお、このRaもレーザ顕微鏡で、設定Aの条件で測定した場合の値である。
このような凹凸形状を施す方法のうち成形品を加工する方法として、防水パン表面の凹凸形状を施したい部分をサンドペーパー等を用いてサンディングする方法がある。
FRPの金型成形品でその表面が鏡面の場合は、例えば、Ra=0.051μm、Ry=0.31μm、Sm=9.97μm、Sm/Ry=32.2であり、水を表面に流すと、凝縮する現象が観察される。一方、このFRPの表面を粒度20μmのサンドペーパーでサンディングした場合、例えば、Ra=0.328μm、Ry=2.89μm、Sm=13.899μm、Sm/Ry=4.8とすることができ、水を表面に流すと、水が広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型表面にエッチング処理を施した金型で防水パンを成形した場合、その表面は、例えば、Ra=1.523μm、Ry=8.72μm、Sm=38.579μm、Sm/Ry=4.4とすることができ、これにより水が広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
従来の岩肌調といわれているものは、平均粗さRaは1.77μm、最大高さRyは10.05μm、凹凸の平均間隔Smは97.95μm、Sm/Ryは9.7であり、上記の凹凸と区別され、また、この岩肌調といわれているものには、親水性化の機能はない。
【0020】
成形品の表面形状を調整する方法としては、直接成形品を加工する方法を採用しても良く、量産性の観点から、好ましくは、防水パン作製の材料であるSMC等の材料を加圧成形、射出成形又はRIM成形等で成形するための金型を用意し、予め成形品の溝に対応する部分の金型表面に機械加工、エッチング処理、サンドブラスト処理等の処理を施しておき、この金型を用いて成形することにより成形品に上記の溝を形成する方法がより好ましい。
【0021】
本発明において、撥水性を示す部分(以下、H部という)と親水性を示す部分(以下、S部という)を有する。
パネル表面のH部とS部の分布は、1個のH部が面積で0.05〜20cmであるように施されることが好ましい。H部の面積が大きすぎると、この中に、接触角の大きな水玉が残りやすくなり、乾かなくなる。S部は、個々のH部を囲むように設けられる。S部内で、H部を囲まない閉じた曲線を形成せず、しかも、H部を1個を完全に囲むように閉じた曲線を引いた場合に、その曲線に属する点から囲んだH部までの最短距離が、前記したとおり、0.5mm以上10mm以下になるように曲線を描くことができるようにS部とH部を配することが好ましい。H部の面積を一定とすると、上記の最短距離が小さいほど、H部に対するS部の面積が小さくなる。この最短距離は、0.5mm以上3mm以下の範囲にすることがより好ましく、0.75mm以上2mm以下の範囲にすることが最も好ましい。なお、この最短距離は、上記の曲線は、隣り合った撥水性を有する部分の間に1本の曲線が通るように引くべきであり、この場合、撥水性を有する部分への最短距離は、各撥水性を有する部分について、測定する。
上記の最短距離は、いわば、H部の幅に対応するものである。
【0022】
【作用】
防水パンは、排水勾配を有するので、浴室使用中の湯水の大部分は、これにより、すなわち、重力の働きで、排水口又は排水溝に向けて流れ落ちる。このとき残った湯水は、例えば、従来の滑らかな表面又は岩肌調の表面などでは、接触角70〜80度の水玉が多数残るように、水の表面張力により凝縮する。水玉が占める面積は、防水パン面積の十数%程度である。この水玉は、水の量に対し表面積が小さいため、8時間程度では自然乾燥することなく、翌朝になっても残ってしまう。
一方、排水勾配を有する防水パンが、親水性である場合、浴室使用中の湯水の大部分は、重力の働きで、排水口又は排水溝に向けて流れ落ちるが、残った湯水は、防水パンが、親水性であるため水で良く濡れることになり、水の表面積が多くなり、撥水性である場合に比べて、乾き易くなる。
しかし、本発明のように、H部の周りに又はH部に隣接してS部を配することにより、浴室使用中の湯水の大部分は、上記と同様、重力の働きで、排水口又は排水溝に向けて流れ落ちるが、残った湯水は、S部では、接触角の大きな水玉にはならず、良く濡れた状態になる。一方、H部上に残った湯水は、使用直後では、S部の水と繋がっており、H部の撥水性も作用して、S部に移動する。このような作用は、H部とS部との接触角の差が大きいほど発現しやすく、20度以上の差があることが好ましい。これにより、S部に残存又は誘導された水は、S部に薄く広がるため(接触角が小さいので)、体積に対して、表面積が大きく、従って、本発明のように、H部の周りに又はH部に隣接してS部を配する方が、自然乾燥しやすい。
H部とS部は、H部がS部を取り囲むように隣接して、しかも、S部が連続して防水パン全面に適当に配されると、特に、水玉ができにくくなるので乾燥効果が優れる。
さらに、S部が排水口又は排水溝に連続して至るように配されると、一部の水が排水口又は排水溝に導かれて排水される排水効果も期待できるため、乾燥効果を高めることができる。
以上の機序により、本発明に係る防水パンは、使用後に早く乾きやすい。なお、H部に水玉が残ることがあるかもしれないが、H部の面積を小さくしてあるので、蒸発により十分早く乾く。
H部とS部との高さ関係は、H部がS部より高い場合に、上記のようなH部からS部への移動があるだけでなく、S部がH部より高い場合も、H部からS部への移動がある。しかし、この場合、H部が低いため、H部に水が貯まることがある。
そこで、H部に貯まる残水が2cc以下になるように、H部の面積と高さを確保されていることが好ましい。2ccとは、未使用時の浴室の一般的な環境条件である温度15.3℃、湿度66%で8時間で自然乾燥する残水量である。
本発明おいて、親水性とは、例えば、水を表面に流した後、表面張力によって再度凝縮しようとする現象を防止する手段であるといえる。
【0023】
本発明のような表面テクスチュアを有する防水パンは、防水パンの表面凹凸模様に対応する型(金属製)を用いて、シートモールディングコンパウンド(SMC)を成形して製造することができる。また、同様にして成形した防止パンに処理を施すことにより本発明に係る防水パンを作製することができる。
【0024】
以上、防水パンについて説明したが、前記した床表面の状態を浴槽の内面の床表面や床板材、壁板材、天井板その他のパネル又は建材の表面に具現することができるものであり、また、そのための金型、特にFRP成形用の金型の準備も上記したように行うことができることは明らかである。一般のパネル又は建材の場合、排水勾配、排水口及び排水溝は必要ない。パネル又は建材の表面が、前記のような状態になっていることから、表面は親水化しており、水が付いても乾きやすく、また、耐汚れ性もよく、また、汚れても汚れが落ちやすい。
【0025】
【実施例】
実施例1
図1に示した防水パンを作製した。そのA−A断面図は図2に示す通りである。表面テクスチュアは図3及び図4に示すものとした。
図3は、表面テクスチュアを示す部分斜視図、図4はそのB−B断面図である。
本実施例における防水パンは、親水性を示す部分7に対応する部分の金型表面を所定のエッチングが施された金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、撥水性を示す部分6は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状をしており、長辺側が流し溝5へ向いていて、その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分6の周囲に幅3mmで設けられ、表面の平均粗さRaは13.48μm、最大高さRyは97.91μm、凹凸の平均間隔Smは14.15μm、Sm/Ryは0.14のシボ部である。尚、撥水性を示す部分6は防水パン1全体に等間隔に配置されている。また、撥水性を示す部分6は、親水性を示す部分7の最大高さに対して約0.1mm低く構成されている。
このRa、Ry、Smは、前記したとおりレーザ顕微鏡で設定Aの条件で測定した場合の値である。一方、レーザ顕微鏡の設定をX−Y方向の分解能を0.03641μm、Z方向の分解能を0.05μm、測定長を0.05μmにした場合(以下、「設定B」とする)、Ra=0.974μm、Ry=6.546μm、Sm=0.546μm、Sm/Ry=0.083になる。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約15度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
上記の金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分のみをシボ模様にするように対応させた版を用いて、Ryが約100μmになるようにエッチング処理を施した。この結果、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分が凸、成形品の親水性を有する部分に対応する部分が凹に形成された。この金型を用いて成形すると、成形品表面には親水性を有する部分にシボ模様が施され、撥水性を有する部分が親水性を有する部分よりも約0.1mm低くなった。
また、排水勾配は、1/50であるが、流し溝5付近では1/10の急勾配が施され、この急勾配の部分にも、前述した撥水性を示す部分6と親水性を示す部分7が施され、さらに親水性を示す部分7と同じシボ部は流し溝5にも施されている。この排水勾配は、以下の実施例でも同様である。
このような防水パン1を作製し、防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約1時間後、撥水性を示す部分6の水は親水性を示す部分7に吸収され、さらに約4時間後、親水性を示す部分7の水がすべて乾燥した。
【0026】
実施例2
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。ただし、表面テクスチュアを図5〜7に示すものとした。
図5は、防水パンの部分平面図、図6はそのC−C断面図、図7はそのD−D断面図である。
本実施例における防水パンにおいて、撥水性を示す部分6は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長辺側が流し溝へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分6の周囲に幅3mmで設けられ、高さが1.4mmの尖った凸部8がピッチ1.4mmで隣接され、結果的に、表面にV字形の溝9が、流し溝5方向とこれに直交する方向の二方向に設けられている。撥水性を示す部分6の表面と凸部8の先端が同一平面高さになるようにしてある。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約20度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
本実施例で使用した金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分のみを格子状の模様に対応させた版を用いて、エッチング処理を施した。この結果、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分が凸、成形品の親水性を有する部分に対応する部分が凹に形成された。この金型を用いて成形すると、成形品の親水性を有する部分に尖った凸部が施され、撥水性を有する部分が親水性を有する部分の尖った凸部よりも低くなる(図11及び12に示す状態)。次いで、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分のマスクをはずし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分をエッチングされないようにマスキングしてから成形品の撥水性を有する部分に対応する部分を、特に版を用いずに、成形品の親水性を有する部分に対応する部分の凹部と同一深さになるまで、エッチング処理を施した。この金型を用いて成形すると、成形品の親水性を有する部分に尖った凸部が施され、撥水性を有する部分と親水性を有する部分の凸部の先端が同一平面高さになる。尚、このときの撥水性を有する部分は模様のない平坦な面になる。
本実施例における防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約1時間後、撥水性を示す部分6の水はV字形の溝9に吸収され、さらに約4時間後、溝9の水がすべて乾燥した。
【0027】
実施例3
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。ただし、表面テクスチュアを図8〜9に示すものとした。
図8は、防水パンの部分平面図、図9はそのE−E断面図である。
本実施例における防水パンにおいて、表面テクスチュアに撥水性を有する部分6は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長辺側が流し溝5へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を有する部分7は、撥水性を示す部分6の周囲に幅3mmで設けられ、幅1mm、深さ0.5mm、ピッチ1mmのV字形の溝10が隣接して複数本、流し溝5に向かって施されている。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約20度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
本実施例で使用した金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分のみを線状の模様に対応した版を用いて、エッチング処理を施すと、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分が凸、親水性を有する部分が凹に形成される。
続いて、親水性を有する部分をエッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分を、特に版を用いずに、上記の凹部と同一深さまで、エッチング処理を施した。この金型を用いて成形すると、成形品の親水性を有する部分に隣接したV字形の溝が施され、撥水性を有する部分と親水性を有する部分の凸部の先端が同一平面高さになる。尚、このときの撥水性を有する部分は模様のない平坦な面になる。
本実施例における防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約1時間後、撥水性を示す部分6の水はV字形の溝10に吸収され、さらに約4時間後、溝10の水がすべて乾燥した。
【0028】
実施例4
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。ただし、表面テクスチュアを図10に示すものであり、この部分は下記に示す方法により形成した。
図10は、防水パンの部分平面図である。
本実施例における防水パンにおいて、撥水性を示す部分6は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長い方が流し溝5へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分6の周囲に幅3mmで設けられ、表面には親水性膜11として次のような処方でポリシラザンがコーティングされている。
予め脱脂処理したFRP製の防水パンに、5%のシランカップリング剤A−1100(イソプロピルアルコール溶液)(日本ユニカー株式会社製)をスプレーコートで塗布し、100℃の乾燥炉内で10分乾燥させた。次いで、5%のポリシラザンNL−110(キリレン溶媒)(クラリアントジャパン株式会社製)をスプレーコートで塗布し、140℃の乾燥炉内で60分乾燥(架橋)させた。その後、0.02%の水酸化ナトリウム水溶液で処理した。尚、撥水性を示す部分6は、マスキング等によりコーティングされない処置を施した。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約20度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
本実施例における防水パン1を作製し、防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約1時間後、撥水性を示す部分6の水は親水性膜に吸収され、さらに約4時間後、親水性膜の水がすべて乾燥した。
【0029】
実施例5
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。ただし、表面テクスチュアを図5、11、12に示すものとした。
図5は、防水パンの部分平面図、図11はそのC−C断面図、図12はそのD−D断面図である。
本実施例における防水パンにおいて、撥水性を示す部分6は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長辺側が流し溝へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分6の周囲に幅3mmで設けられ、高さが1.4mmの尖った凸部8がピッチ1.4mmで隣接され、結果的に、表面にV字形の溝9が、流し溝5方向とこれに直交する方向の二方向に設けられている。撥水性を示す部分6はとがった凸部8の先端よりも低く形成されている。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約20度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
本実施例で使用した金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分のみを格子状の模様に対応した版を用いて、エッチング処理を施すと、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分が凸、成形品の親水性を有する部分に対応する部分が凹に形成される。この金型を用いて成形すると、成形品の親水性を有する部分に尖った凸部が施され、撥水性を有する部分は親水性を有する部分の尖った凸部よりも低くなる。
本実施例における防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約3時間後、撥水性を示す部分6の水はV字形の溝9に吸収され、さらに約6時間後、溝9の水がすべて乾燥した。
【0030】
実施例6
図1に示した防水パンを作製した。そのA−A断面図は図2に示す通りである。表面テクスチュアは図13に示すものとした。
図13は、表面テクスチュアを示す部分拡大図である。
本実施例における防水パンは、親水性を示す部分7に対応する部分の金型表面を所定のエッチングが施された金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、撥水性を示す部分6は、一辺が3mmの略正方形をしており、対角線が流し溝5へ向いていて、その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分6の周囲に幅1.5mmで設けられ、表面の平均粗さRaは24.34μm、最大高さRyは144.78μm、凹凸の平均間隔Smは20.56μm、Sm/Ryは0.14のシボ部である。尚、撥水性を示す部分6は防水パン1全体に等間隔に配置されている。また、撥水性を示す部分6は、親水性を示す部分7の最大高さに対して約0.1mm低く構成されている。
このRa、Ry、Smは、レーザ顕微鏡を設定Aにした場合の値である。一方、設定Bの場合、Ra=1.503μm、Ry=10.295μm、Sm=0.801μm、Sm/Ry=0.078となる。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約15度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
上記の金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分のみをシボ模様にするように対応させた版を用いて、エッチング処理を施した。この結果、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分が凸、成形品の親水性を有する部分に対応する部分が凹に形成された。この金型を用いて成形すると、成形品表面には親水性を有する部分にシボ模様が施され、撥水性を有する部分が親水性を有する部分よりも約0.1mm低くなった。
また、排水勾配は、1/50であるが、流し溝5付近では1/10の急勾配が施され、この急勾配の部分にも、前述した撥水性を示す部分6と親水性を示す部分7が施され、さらに親水性を示す部分7と同じシボ部は流し溝5にも施されている。
このような防水パン1を作製し、防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約1時間後、撥水性を示す部分6の水は親水性を示す部分7に吸収され、さらに約4時間後、親水性を示す部分7の水がすべて乾燥した。
【0031】
実施例7
図1に示した防水パンを作製した。そのA−A断面図は図2に示す通りである。表面テクスチュアは図14に示すものとした。
図14は、表面テクスチュアを示す部分拡大図である。
本実施例における防水パンは、親水性を示す部分7に対応する部分の金型表面を所定のエッチングが施された金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における防水パンにおいて、撥水性を示す部分6は、直径10mmの円形であり、ピッチ13.5mmで60°千鳥状に配置されていて、その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分6の周囲にで設けられ、表面の平均粗さRaは13.52μm、最大高さRyは137.24μm、凹凸の平均間隔Smは17.88μm、Sm/Ryは0.13のシボ部である。尚、撥水性を示す部分6は防水パン1全体に等間隔に配置されている。また、撥水性を示す部分6は、親水性を示す部分7の最大高さに対して約0.1mm低く構成されている。
このRa、Ry、Smは、レーザ顕微鏡を設定Aにした場合の値である。一方、設定Bの場合、Ra=1.089μm、Ry=7.959μm、Sm=0.759μm、Sm/Ry=0.095になる。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分6は約70度であり、親水性を示す部分7は約15度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
上記の金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分に対応する部分のみをシボ模様にするように対応させた版を用いて、エッチング処理を施した。この結果、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分に対応する部分が凸、成形品の親水性を有する部分に対応する部分が凹に形成された。この金型を用いて成形すると、成形品表面には親水性を有する部分にシボ模様が施され、撥水性を有する部分が親水性を有する部分よりも約0.1mm低くなった。
また、排水勾配は、1/50であるが、流し溝5付近では1/10の急勾配が施され、この急勾配の部分にも、前述した撥水性を示す部分6と親水性を示す部分7が施され、さらに親水性を示す部分7と同じシボ部は流し溝5にも施されている。
このような防水パン1を作製し、防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、流し溝5への水の流れが途切れ、床全体に水が薄く水膜状に広がり、約1時間後、撥水性を示す部分6の水は親水性を示す部分7に吸収され、さらに約4時間後、親水性を示す部分7の水がすべて乾燥した。
【0032】
以上の各実施例で示した表面形状は、適宜組みあわせることができる。
【0033】
比較例
50mm×50mmの凸部と、その周囲に幅9mm、深さ1mmの凹部を備えた防水パンを作製した。
凸部は、滑り止め用の凹凸が施され、その平均粗さRaは1.77μm、最大高さRyは10.05μm、凹凸の平均間隔Smは97.95μm、Sm/Ryは9.7である。一方、凹部は鏡面状に仕上げられている。尚、この凸部と凹部が防水パン全体に施されている。このRa、Ry、Smは、レーザ顕微鏡を設定Aにした場合の値である。一方、設定Bの場合、Ra=0.12μm、Ry=0.707μm、Sm=0.253μm、Sm/Ry=0.513になる。
このような防水パンを用い、実施例と同じ試験を行った。
その結果、直後から水が凝縮しはじめ、凸部、凹部に拘わらず、水玉状に複数の箇所で残存し、約8時間経過しても乾燥しなかった。
【0034】
【発明の効果】
本発明に係る防水パンによれば、使用後は、水が膜状に濡れ広がるため、速やかに乾燥する。また、細く深い溝を形成する必要がないので、汚れの堆積が少なく、清掃もし易すくできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における防水パンの平面図である。
【図2】本発明の一実施例における防水パンの部分斜視図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】図2のB−B断面図である。
【図5】本発明の一実施例における防水パンの部分平面図である。
【図6】図5のC−C断面図である。
【図7】図5のD−D断面図である。
【図8】本発明の一実施例における防水パンの部分平面図である。
【図9】図8のE−E断面図である。
【図10】本発明の一実施例における防水パンの部分平面図である。
【図11】図5のもう一つのC−C断面図である。
【図12】図5のもう一つのD−D断面図である。
【図13】本発明の一実施例における防水パンの部分拡大図である。
【図14】本発明の一実施例における防水パンの部分拡大図である。
【符号の説明】
1:防水パン
2:浴槽設置部
3:排水口凹部
4:排水口
5:排水流し溝
6:撥水性を有する部分
7:親水性を有する部分

Claims (10)

  1. 表面に、(a)面積が0.05〜20cmで撥水性を示す部分及び(b)この撥水性を示す部分の周りに連続して配される親水性を示す部分を有し、排水勾配を有してなる防水パン。
  2. 親水性を示す部分が、排水口又は排水溝に連続して至るように配されている請求項1記載の防水パン。
  3. 撥水性を示す部分の表面は、水の接触角が60度以上である請求項1又は2記載の防水パン。
  4. 親水性を示す部分の表面は、水の接触角が60度未満である請求項1〜3のいずれか記載の防水パン。
  5. 親水性を示す部分内に、撥水性を示す部分1個を取り囲むように、しかも親水性を示す部分のみで閉じた曲線(撥水性を有する部分を内側に含まない)を作らないよう線を引いた場合に、その線に属する点から囲んだ撥水性を示す部分までの最短距離が0.5mm以上10mm以下になるように線が引けるように親水性を示す部分と撥水性を示す部分を配する請求項1〜4のいずれかに記載の防水パン。
  6. 親水性を有する部分が、親水性処理を施した部分である請求項1〜5のいずれかに記載の防水パン。
  7. 親水性処理が、親水性膜を形成することである請求項6に記載の防水パン。
  8. 親水性処理が、幅0.1〜1.5mmで、深さ0.5〜1.5mmの連続した溝を隣接させて複数施すことである請求項6記載の防水パン。
  9. 親水性処理が、高さが0.5〜1.5mm、上から平面的に見たときの面積が床の総面積の10〜20%の尖った凸部を隣接するように施すことである請求項6記載の防水パン。
  10. 親水性処理が、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ry(但し、Ry及びSmは、レーザ顕微鏡で、X−Y(横縦)方向の分解能を0.2913μm、Z(高さ)方向の分解能を0.5μm、測定長を298μmに設定して測定した場合の値である)が5以下であるように表面に凹凸を施すことである請求項6記載の防水パン。
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