JP2004293215A - 浴室用床構成部材 - Google Patents

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謙一 宮崎
Mitsuru Iwai
満 岩井
Makoto Okada
誠 岡田
Yashio Suzuki
弥志雄 鈴木
Eisuke Tadaoka
英介 唯岡
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Abstract

【課題】滑り止め効果と乾燥性能に優れるものであって、清潔性及び清掃性並びに意匠性に優れた浴室用床構成部材を提供する。
【解決手段】親水化処理された傾斜面とこの傾斜面の周りに配された溝を有し、傾斜面の水下において傾斜面と溝の段差をなくすかほとんどなくしてなる浴室用床構成部材であって、親水化処理処理された傾斜面が、撥水性を示す部分とこの撥水性を示す部分の周りに連続して親水性を示す部分とを配してなる。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マンションや一般住宅等に設置される浴室ユニットの床として使用される床パネル又は防水パンに有用な浴室用床構成部材に関する。
【0002】
【従来の技術】
マンションなどの集合住宅や一般住宅等には防水性を有するFRP等で形成された床を使用する浴室ユニットが設置される場合が多い。FRP等で形成された床は滑り易く乾燥性能も悪いため、表面に滑り止め効果を出すための岩肌調の凹凸と、排水のための目地を形成しているものがあるが、水玉の表面張力で目地部や岩肌部に大きく水が溜り、乾燥しにくいものになっている。
【0003】
その原理を図22、図23、図24(a)、(b)、(c)、(d)を用いて説明する。
図22は、従来例の浴室用床構成部材を示す部分平面図である。図23は図22のH−H断面図である。図24(a)、(b)、(c)、(d)は従来例の水の挙動を示す拡大部分断面図である。
従来例では床面7は、溝5に囲まれ手織、従って床面7は凸部形状をしており、溝6及び床面7の間の段差はどこも同じである。大量の水が排水口又は排水溝に流れる方向の勾配を排水勾配4とするとこ排水勾配4と床面7は同じ勾配になっていた。そのため、床面7は水下7b部で溝に対して段差のある形状となっていた。図24を用いて水の流れについて説明すると、床面に落ちた大量の水8は、図24(a)に示すように、排水勾配4に従って流れ落ち、水量が減ると図24(b)の状態になる。図24(b)の状態では、溝5自体が床面7上の水15の流れに対して抵抗となり、ここで、水の流れ速度が低下する。このため、床面7上を流れている水の速度より遅くなる。また、床面7上において、溝に入り込む水14は段差のために速度が速くなり、床面7のより上部の水の流れがこれに対して遅くなる。この結果、床面7の上部と下部で水が分断され、図24(c)、(d)に示すように、溝5に溜まった水16と床面7に取り残された水17に分断される。床面7に取り残された水17は表面張力の働きで流れなくなり、厚い水玉の状態で溜まるようになる。この水玉は、床面の水下側に残留するが、これが床面の乾きの遅い原因となっていた。
【0004】
そこで、その対策として、滑り止め用の凸部と、それらの凸部の間に排水口に連結した流路と、さらに該流路内に水玉の表面張力を破壊する凹凸を形成することにより、また、滑り止め効果と乾燥性能の向上を狙ったもの、表面に滑り止め用、且つ水玉の表面張力を破壊する凸部と、これら凸部の間に排水口又は流し溝に連続する流路が形成され、更にこの流路内の水が途切れないようにするために流路内の流速を遅くする手段を施すことにより、滑り止め効果と乾燥性能の向上を狙ったものがある。(特許文献1、特許文献2参照)
しかし、これらの方法においても、凸部面積を小さくしないと、上記したように水玉が残留し、床面の乾燥が遅くなる。また、これらの方法によれば、多数の小さな凸部の間に溝を形成するため、あかやゴミが溝に溜まりやすく、この結果、汚れやすく、また、汚れが取れにくいという欠点、すなわち、清潔性及び清掃性に劣るという問題点を有する。さらに、形状が限定されることから意匠性にも劣る。
【0005】
【特許文献1】
特開2002−54295号公報
【特許文献2】
特開2002−242410号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記の原理と異なった原理により、滑り止め効果と乾燥性能に優れるものであって、清潔性及び清掃性並びに意匠性に優れた浴室用床構成部材を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、次のものに関する。
1.親水化処理された傾斜面とこの傾斜面の周りに配された溝を有し、傾斜面の水下において傾斜面と溝の段差をなくすかほとんどなくしてなる浴室用床構成部材。
2.親水化処理された傾斜面が、撥水性を示す部分とこの撥水性を示す部分の周りに連続して親水性を示す部分を配してなる項1記載の浴室用床構成部材。
3.親水化処理された傾斜面のその親水性を示す部分が表面の凹凸形状によって擬似的に親水化されている項1又は項2に記載の浴室用床構成部材。
4.親水化処理された傾斜面のその親水性を示す部分が独立した複数の微細な凹部を表面に有する傾斜面である項1又は項2に記載の浴室用床構成部材。
5.親水化処理された傾斜面のその親水性を示す部分がその表面に親水性膜を有する項1又は項2に記載の浴室用床構成部材。
6.親水性を示す部分の水の接触角が、60度以上である項2〜5のいずれかに記載の浴室用床構成部材。
7.撥水性を示す部分の面積が0.1〜20cmある項2に記載の浴室用床構成部材。
8.撥水性を示す部分の水の接触角が、60度未満である項2又は8に記載の浴室用床構成部材。
【0008】
本発明おいて、各傾斜面には、その全面又は一部に親水性処理が施されている。各傾斜面において、親水性処理が施される面積の割合は、10〜100%が好ましい。この面積が小さすぎるとその効果が低下しやすくなる。
本発明おいて、親水性とは、水の接触角が60度未満のことをいう。水の接触角を計るときは、接触角測定器の水平台に測定物を載せ、横方向から光を当てて投影拡大し、測定物と液滴との境界を含む面(水平面台と平行とみなす)を基準にして、その基準と液滴端部を通る液滴への接線(最大角のもの)のなす角度を読み取る。床構成部材のように大きな測定物は、小片に切断して測定すればよい。上記の角度は、水平台面と上記接線のなす角度としても良い。
水の接触角を測るときは、傾斜面を水平にして測定する。傾斜面が平らでないときは、同様の処理を施した水平面を用いて測定する。このとき、その基準面は、上記したとおりである。また、親水性の尺度として、水の接触角を測る場合、(1)単に表面に水滴を静置して測定する方法、(2)水滴を約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法、(3)水滴を落とした後、水をおしなべて、その再凝集の状態を見る方法がある。(1)の場合、表面に水滴を落とした結果、水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性といえる。(2)の場合も、水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性といえる。(3)の場合、再凝縮した水の接触角が60度未満であれば、本発明における親水性であり、再凝縮しない場合も本発明における親水性といえる。
各傾斜面において親水化する面積は、傾斜面の総面積の少なくとも10〜20%であることが好ましい。親水性処理を施さないとき傾斜面に残る水玉の占める面積は、傾斜面の面積の10〜20%であることから、尖った凸部は、床構成部材底面の面積の少なくとも10〜20%であることが好ましい。
【0009】
表面を親水性にするための親水性処理の方法としては、親水性膜を形成する方法、表面形状を調整する方法などがある。
【0010】
親水性膜を形成する方法としては、表面に親水性の物質を塗装する方法が一般的である。親水性の物質としては、ポリシラザンや、酸化チタンを含む光触媒など、表面エネルギーが高く、結果として、水との接触角が60度以下になる物質であれば特に限定されない。因みに、FRPは水との接触角が70〜80度であるが、ポリシラザンを塗装した場合は約40度、光触媒を塗装した場合は約10度にすることができる。水の凝縮が観察されない。その他親水性の物質としては、親水性塗料がある。
【0011】
表面形状を調整する方法としては、表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法である。
【0012】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、幅0.1〜1.5mmで、深さ0.5〜1.5mmの連続した溝を隣接させて複数施し、表面積を増大させることである。例えば、図6,図7,図9中の符号8、9で示すように、表面に略V字形の連続した溝を隣接させて複数施す。この溝の上に水が落ちると、水は、その凝集作用によって溝内に吸引されて溝に入り込み、この後、溝の堰により再凝集が妨げられるとともにV字形の表面に対する真の接触角が大きくてもその表面が水平面に対してすでに大きな角度を有するため水平面に対する見かけの接触角が小さくなり、全体として、擬似的な接触角が小さくなる。従って、溝を複数隣接させた表面は、結果的に親水性を示す。尚、溝形状はV字形に限定されず、溝内の水の凝集作用を利用するものであればよい。
【0013】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法のもう一つは、高さが0.5〜1.5mmの尖った凸部を隣接するように施して表面積を増大させる方法である。例えば、図11中の符号8、9に示すように、略V字形の溝が格子状に施こされる。この擬似親水化表面に落ちた水は、溝内の水の凝集作用によって吸引され、表面は、結果的に親水性を示す。
この溝の上に水が落ちると、水はその凝集作用によって溝内に吸引されて溝に入り込み、この後溝が連続していることで、多くの水が溝内に留まることと、尖った凸部による妨害により再凝集が妨げられるとともに、とがった凸部の表面に対する真の接触角が大きくても、その表面が水平面に対して、すでに大きな角度を有するため水平面に対する見かけの接触角が小さくなり、全体として擬似的な接触角が小さくなる。
【0014】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法のさらにもう一つは、表面の平均粗さRaが100μm以下で、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryが5以下であるように表面に凹凸を施し、表面積を増大させることである。
このような凹凸形状を施す方法としては、床構成部材表面の凹凸形状を施したい部分をサンドペーパー等を用いてサンディングする方法がある。床構成部材を金型成形するに際し、金型として、床構成部材の凹凸形状を施す部分に対応した金型表面にサンドブラストをかけたり、エッチング処理をした金型を使用する方法などがある。
FRPで鏡面の場合は、例えば、Ra=0.051μm、Ry=0.31μm、Sm=9.97μm、Sm/Ry=32.2であり、水を表面に流すと、凝縮する現象が観察される。一方、FRPの表面を粒度20μmのサンドペーパーでサンディングした場合、例えば、Ra=0.328μm、Ry=2.89μm、Sm=13.899μm、Sm/Ry=4.8とすることができ、水を表面に流すと、水が広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型表面にエッチング処理を施した金型で防水パンを成形した場合、その表面は、例えば、Ra=1.523μm、Ry=8.72μm、Sm=38.579μm、Sm/Ry=4.4とすることができ、これにより水が広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
従来の岩肌調といわれているものは、平均粗さRaは1.77μm、最大高さRyは10.05μm、凹凸の平均間隔Smは97.95μm、Sm/Ryは9.7であり、上記の凹凸と区別され、また、この岩肌調といわれているものには、親水性化の機能はない。
【0015】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、レーザ顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK−8500シリーズ)を用いて、上方から見たときの横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能0.05μmに設定し、測定長5μmで、任意に選んだ5箇所以上測定したとき(以下、測定条件Aという)、算術平均粗さRaの平均値が0.8μm以上10μm以下に施すことである。Raが大きいということは、測定長の中で、凹凸の幅が大きいことを示す。算術平均粗さRaの平均値は10μm以下であることが好ましい。
FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで測定した場合、Ra=0.164μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、Ra=0.117μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Ra=1.436μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Ra=1.334μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
【0016】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、測定条件Aで、最大高さRyの平均値が5μm以上に施すことである。Ryが大きいということは、測定長の中で、凹凸の幅が大きいことを示す。最大高さRyの平均値は、100μm以下であることが好ましい。
FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで測定した場合、Ry=0.999μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、Ry=0.73μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Ry=10.372μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Ry=17.793μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
【0017】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、測定条件Aで、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryの平均値が0.2以下に施すことである。Sm/Ryが小さいということは、測定長の中で、凹凸のピッチに対して凹凸の幅が十分に大きいことを示す。Sm/Ryは、0.01以上で0.2以下であることが好ましい。
FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで測定した場合、Sm=0.363μm、Ry=0.999μm、Sm/Ry=0.533であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、Sm=0.26μm、Ry=0.73μm、Sm/Ry=0.366であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Sm=0.9μm、Ry=10.372μm、Sm/Ry=0.112であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、成形して得られた防水パンの表面では、Sm=0.493μm、Ry=17.793μm、Sm/Ry=0.052であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
【0018】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、レーザ顕微鏡(例えば、(株)キーエンス製VK−8500シリーズ)を用いて、上方から見たときの横縦(X−Y)方向の分解能を0.0364μm、高さ(Z)方向の分解能0.05μmに設定し、測定範囲5μm四方で、表面の代表的な状態を5箇所以上測定したとき(以下、測定条件Bという)、凹凸の表面積の平均値が400μm以上に施すことである。凹凸の表面積が大きいということは、測定範囲の中で、凹凸が微細に集まっていることを示す。凹凸の表面積の平均値は、10000μm以下であることが好ましい。
FRPで鏡面の場合は、測定条件Bで測定した場合、表面積が160.32μmあり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、169.599μmであり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、成形して得られた防水パンの表面では、528.586μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、成形して得られた防水パンの表面では、934.231μmであり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
【0019】
表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化する方法の一つは、微細な凹凸を、測定条件Aで、各箇所ごとに断面曲線のZ方向の値の平均値を求め、その平均値から偏差割合曲線を求め、その偏差割合曲線をフーリエ変換し、波長の逆数ごとのパワースペクトルを求め、対数近似した近似曲線が、波長の逆数が2.5〜14/μm(波長換算0.4〜0.071μm)の範囲の全域が、−30μm以上である箇所が、測定した箇所の75〜100%であるように施すことである。波長0.388〜0.071μmの範囲の全域が、−30μm以上であるということは、測定長の中で、このような波長の凹凸が数多く集まっていることを示す。
FRPで鏡面の場合は、測定条件Aで8箇所測定した場合、断面曲線のZ方向の値をZとし、その平均値ZAVに対する偏差割合ΔH=(Z−ZAV)/ZAVは、−0.064〜0.023の範囲であり、その偏差割合曲線をフーリエ変換し、各波長の逆数ごとのパワースペクトルPS=10×log10[{(スペクトルの実数部)+(スペクトルの虚数部)}/2]を求め、対数近似した近似曲線は、波長の逆数が2.5〜14/μm(波長換算0.4〜0.071μm)の範囲では、8箇所のすべてが、PS=−30μm以下であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。また、従来の岩肌調といわれているものは、ΔH=−0.1〜0.105であり、8箇所中7箇所、すなわち87.5%がPS=−30μm以下であり、表面に水を流すと、凝縮する現象が観察される。
一方、金型に所定のエッチングを施し、成形して得られた防水パンの表面では、ΔH=−0.292〜0.315であり、8箇所のすべてが、PS=−30μm以上であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。また、金型に所定のサンドブラストを施し、成形して得られた防水パンの表面では、ΔH=−0.961〜0.695であり、8箇所のすべてが、PS=−30μm以上であり、表面に水を流すと、水が薄く広がった状態が保たれ、凝縮しないことが観察される。
【0020】
成形品の表面形状を調整する方法としては、直接成形品を加工する方法を採用しても良く(特に、親水性膜を形成する場合)、量産性の観点から、好ましくは、床構成部材作製の材料であるSMC等の材料を加圧成形、射出成形又はRIM成形等で成形するための金型を用意し、予め成形品の形状に対応する部分の金型表面に機械加工、エッチング処理、サンドブラスト処理等の処理を施しておき、この金型を用いて成形することにより成形品に上記の形状を施する方法、成形時に加飾シートを利用する方法等がより好ましい。
【0021】
傾斜面には、(a)撥水性を示す部分及び(b)この撥水性を示す部分の周りに連続して配される親水性を示す部分を有するようにしてもよい。
本発明おいて、撥水性とは、水の接触角が60度以上のことをいう。
撥水性を示す部分は、前記したガラス繊維強化プラスチック製の防水パンである場合、特別な処理をすることなく、その素材の性質をそのまま利用すればよい。表面を特に撥水性にする処理を施してもよいが、それには、フッ素樹脂などを塗装する方法などがある。
撥水性を示す部分は、表面の平均粗さRaが100μmを超えるか、凹凸の平均間隔Smと最大高さRyとの比Sm/Ryが5を超える物はすべて含まれる。
【0022】
尚、本発明において、表面の平均粗さRa、凹凸の平均間隔Sm及び最大高さRyは、レーザ顕微鏡〔例えば、(株)キーエンス製のレーザ顕微鏡VK−8500シリーズ〕を用いて測定できる。
【0023】
本発明において、傾斜面が、撥水性を示す部分(以下、H部という)と親水性を示す部分(以下、S部という)を有する場合、H部とS部の分布は、1個のH部が面積で0.1〜20cmであるように施されることが好ましい。H部の面積が大きすぎると、この中に、接触角の大きな水玉が残りやすくなり、乾かなくなる。S部は、個々のH部を囲むように設けられる。S部内で、H部を囲まない閉じた曲線を形成せず、しかも、H部を1個を完全に囲むように閉じた曲線を引いた場合に、その曲線に属する点から囲んだH部までの最短距離が1mm以上10mm以下になるように曲線を描くことができるようにS部とH部を配することが好ましい。H部の面積を一定とすると、上記の最短距離が小さいほど、H部に対するS部の面積が小さくなる。この最短距離は、1.5mm以上3mm以下の範囲にすることがより好ましい。なお、この最短距離は、上記の曲線は、撥水性を有する部分の間に1本の曲線が通るように引くべきであり、この場合、撥水性を有する部分への最短距離は、各撥水性を有する部分について、測定する。
上記の最短距離は、いわば、H部の幅に対応するものである。
【0024】
本発明において、溝内に、前記した親水性処理を施しておくことが好ましい。
本発明において、傾斜面の勾配と溝の勾配は方向が異なっていてもよいが、両勾配とも、床構成部材の排水勾配とは、下り方向で90度未満になるように、特に60度以下になるように調整されることが好ましい。
また、傾斜面の勾配は、溝の勾配より急とされることが好ましい。
傾斜面は、その水下で溝との段差がないように又はほとんどないようにされる。これは、傾斜面の水下で溝が無くなること又はほとんどなくなることを意味する。また、これによって、傾斜面の勾配は溝の勾配より急となる。また、急斜面の水上では、溝と傾斜面の段差があることになるが、この段差は、溝の底部と傾斜面の表面の高さが0.5〜5mmに調整されることが好ましい。さらに好ましくは、1〜3mmである。この段差が高すぎるとつまずく原因になりやすくなる。低すぎると後で説明する本発明の作用をはたさなくなる。
傾斜面の平面形状は、矩形、菱形、円形、三角形等任意であるが、面積は、1〜3000cmが好ましく、さらに好ましくは4〜2000cm、特に好ましくは9〜1600cmである。傾斜面の面積が大きすぎると乾燥の効果が小さくなりやすく、小さすぎると傾斜面の設置の効果がなくなる。
溝の幅は、0.2〜20mm、0.3〜10mm、0.5〜3mmが好ましい。溝幅が小さくなりすぎると排水に時間がかかりやすくなり、大きすぎると乾燥の効果が小さくなる。
水下で段差がない範囲は、適宜の広さをもって設定することができる。
【0025】
【作用】
本発明における床構成部材は、排水勾配を有するので、浴室使用中の湯水の大部分は、これにより、すなわち、重力の働きで、排水口又は排水溝に向けて流れ落ちる。このとき残った湯水は、例えば、従来の滑らかな表面又は岩肌調の表面などでは、接触角70〜80度の水玉が多数残るように、水の表面張力により凝縮する。水玉が占める面積は、傾斜面の面積の十数%程度である。この水玉は、水の量に対し表面積が小さいため、8時間程度では自然乾燥することなく、翌朝になっても残ってしまう。これは、本発明における傾斜面についても言えることであり、前記したようにその表面が親水性処理されていることが必要である。これにより。大量の水が排水勾配により流れ去った後は、傾斜面に沿って水が流れその水下で一旦溜まる。この水は、徐々に溝に誘導される。溝は、途中各傾斜面の水下で消えるか殆ど消えた状態になり断続的に繋がって排水口又は排水溝に繋がっているが、上記の水下溜まった水は、この断続的に繋がっている溝を通して排水口又は排水溝に誘導される。このためにも、溝の中は、特に溝の幅が1mm以上の場合には、親水性処理されていることが好ましい。傾斜面に表面は親水性であるため、水が良く濡れ、従って、水下に流れやすくなっている。傾斜面を水が流れさったあとは、その表面は水で濡れているが、水玉にはなっていないため速やかに乾燥する。
傾斜面においてH部の周りに又はH部に隣接してS部を配することになっている場合も上記同様にして排水乾燥されるがH部上に残った湯水は、最初は、S部の水と繋がっており、H部の撥水性も作用して、S部に移動する。このような作用は、H部とS部との接触角の差が大きいほど発現しやすく、20度以上の差があることが好ましい。これにより、S部に残存又は誘導された水は、S部に薄く広がるため(接触角が小さいので)、体積に対して、表面積が大きくなるため自然乾燥しやすい。このためにも、H部の周りに又はH部に隣接してS部を配する方が好ましい。H部とS部は、H部をS部が取り囲むように隣接して、しかも、S部が連続して傾斜面全面に適当に配されると、特に、水玉ができにくくなるので乾燥効果が優れる。なお、H部に水玉が残ることがあるかもしれないが、H部の面積を小さくしてあるので、蒸発により十分早く乾く。H部とS部との高さ関係は、H部がS部より高い場合に、上記のようなH部からS部への移動があるだけでなく、S部がH部より高い場合も、H部からS部への移動がある。しかし、この場合、H部が低いため、H部に水が貯まることがある。そこで、H部に貯まる残水が2cc以下になるように、H部の面積と高さを確保されていることが好ましい。2ccとは、未使用時の浴室の一般的な環境条件である温度15.3℃、湿度66%で8時間で自然乾燥する残水量である。
本発明おいて、親水性とは、例えば、水を表面に流した後、表面張力によって再度凝縮しようとする現象を防止する手段であるともいえる。
親水性処理を施した場合、特に、表面の凹凸形状によって、擬似的に親水化したときは、これによりすべり止め効果を発揮する。
【0026】
本発明のような表面形状を有する床構成部材は、前記したように金型成型により製造することができ、また、金型成型により成形後親水性処理する方法によっても製造することができる。特に、床構成部材の表面凹凸模様に対応する型(金属製)を用いて、シートモールディングコンパウンド(SMC)を成形して製造することが好ましい。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1は本発明に係る一実施例の床構成部材の平面図である。
図1に示すように、床構成部材1は、浴槽設置部2に隣接する洗場部に相当する部分であり、浴槽設置部2は洗場側防水パンと別体で又は一体に形成され、接続される。また、床構成部材1は、隣接する浴槽と一体に成形されていてもよい。
【0028】
床構成部材1には、排水のための排水口凹部が形成され、排水口凹部の上に排水口蓋3が乗せられ、排水口凹部中に排水口が配置されている。排水勾配の方向を矢印4で示す。
床構成部材1は、上記排水口凹部が最も低くなるように排水勾配が取られており、浴室使用時には、大量の湯水が床構成部材1上の水が排水勾配に沿って流れ、排水口凹部に集水されるようになっている。また、排水を補助するための排水流し溝5を浴槽に沿っても設けている。排水流し溝5内に落ちた水は排水口凹部に集水されるようになっている。
床構成部材1は浴槽2と一体に形成される場合や、浴槽防水パンと呼ばれる浴槽設置台と一体に形成される場合や、浴槽設置台と別体に形成される場合がある。床構成部材1の表面には、溝5や大割りの目地6でいくつかに分割された傾斜面7が形成されている。図1では、排水口蓋3は浴槽2と床構成部材1の隣接する中心に位置しているが、どのような場所に位置しても良く、また溝5や大割りの目地6もどのような形状でも良い。
【0029】
床構成部材1の素材としては、量産性を考えると型による成形品のものが好ましく、不飽和ポリエステル樹脂その他の樹脂を使用したガラス繊維強化プラスチック(FRP)製が適しているが、射出成形、注入成形等に適した材質のものでも良い。

本発明における排水勾配は、使用時に、大量湯水が、排水口又は排水溝に向って流れるようにするための傾斜であり、排水口又は排水溝に向って1/20〜1/100の範囲内の下り勾配を有する。排水口に向けて下り勾配を付けることが一般的であるが、グレーチングを載せた排水溝が洗い場周りにあるような浴室では、その排水溝へ向かうような下り勾配でもよい。上記の排水勾配は、使用状態の床構成部材の排水口凹部又は排水溝との境のある点Aから床構成部材の全体の水上のある点Bを結ぶ直線を引いたとしたときに、この勾配が最も大きくなるときの勾配である。各A点毎に排水勾配がきまるが、B点としては、傾斜面のある点でも、溝中のある点でも良い。
【0030】
以下、図面を参照して更に具体的に説明する。
図2は、本発明に係る浴室用床構成部材の一例を示す部分平面図である。図3は、図2のA−A断面図である。
図4は、本発明に係る他の浴室用床構成部材を示す部分平面図である。図5は、図4のA′−A′断面図である。
溝5に囲まれた夫々の傾斜面7を、水下7bの位置で周囲の溝5とほぼ同じ高さになるように、水上7aから水下7bにかけての勾配を周囲の目地5よりも急勾配にしている。
【0031】
図6(a)、(b)、(c)、(d)は、この例における浴室用床構成部材上の水の挙動を示す部分断面図である。
まず、床面に落ちた水8は図6(a)に示すように、それが大量である場合、ほぼ排水勾配方向に流れる。大量の水が流れ去り、図6(b)に示すように水9が傾斜面に溜まった状態になると傾斜面の最大勾配の方向に流れるようになる。その後、溝5の勾配よりも傾斜面7の勾配の方が急勾配であるため、図6(c)、(d)に示すように、溝5の排水が終る前に傾斜面7の上の水が傾斜面に沿って流れきるため、傾斜面の水下に水10が溜まる。また、傾斜面7の水下において溝5との段差がないため(この部分を傾斜面の水下部の一部とする)、傾斜面7の水下に溜まった水10は途切れずに、溝5に徐々に流れ込み、溝5内の水は溝5に沿って水の流れ方向11に従い流れ、下流の傾斜面の水下の水に合流するか、下流の水下に水が溜まっていない場合は下流の水下部を経由して溝をつたって、排水口に導かれる。傾斜面等に残った水は、短時間のうちに自然に乾燥する。
なお、傾斜面7の水上には段差があるが、水下7bには段差がないかほとんどない。
【0032】
図7は、傾斜面の表面形状を示す部分断面図である。凹部12の形状及び配列は限定しないが、例えば、凹部幅12aを1〜3mm、凹部ピッチ12bを1〜3mm、凹部深さ12cを0.2〜0.5mmとした。
図8は、傾斜面の別の表面形状を示す部分断面図である。表面に微細な凹凸が形成されている。
【0033】
傾斜面が、その表面にH部とS部を有する場合の例を示す。
【0034】
図9は、傾斜面の表面テクスチュアの一例を示す部分斜視図、図10はそのB−B断面図である。撥水性を示す部分8は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状をしており、長辺側が浴槽へ向いていて、その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分9は、撥水性を示す部分6の周囲に幅3mmで設けられ、表面の平均粗さRaは13.48μm、最大高さRyは97.91μm、凹凸の平均間隔Smは14.15μm、Sm/Ryは0.14のシボ部である。尚、撥水性を示す部分6は角形斜面全体に等間隔に配置される。また、撥水性を示す部分8は、親水性を示す部分9の最大高さに対して約0.1mm低く構成されている。
本実施例における接触角は、撥水性を示す部分8は約70度であり、親水性を示す部分9は約15度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
【0035】
図11は、傾斜面の部分平面図、図12はそのC−C断面図、図13はそのD−D断面図である。撥水性を示す部分8は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長辺側が浴槽へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分7は、撥水性を示す部分8の周囲に幅3mmで設けられ、高さが1.4mmの尖った凸部10がピッチ1.4mmで隣接され、結果的に、表面にV字形の溝11が、浴槽に向かう方向とそれと直交する方向の二方向に設けられている。撥水性を示す部分8の表面と凸部10の先端が同一平面高さになるようにしてある。
実施例1におけるのと同様の防水パンを作製した。ただし、表面テクスチュアを図〜に示すものとした。
【0036】
図14は、傾斜面の部分平面図、図15はそのE−E断面図である。
表面テクスチュアに撥水性を有する部分8は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長辺側が浴槽へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を有する部分9は、撥水性を示す部分8の周囲に幅3mmで設けられ、幅1mm、深さ0.5mm、ピッチ1mmのV字形の溝12が隣接して複数本、浴槽に向かって施されている。
本例における接触角は、撥水性を示す部分8は約70度であり、親水性を示す部分9は約20度である。尚、測定は、水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
【0037】
図16は、傾斜面の部分平面図である。撥水性を示す部分8は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長い方が浴槽へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分9は、撥水性を示す部分8の周囲に幅3mmで設けられ、表面には親水性膜として次のような処方でポリシラザンがコーティングされている。
【0038】
図11は、傾斜面の部分平面図、図17はそのC−C断面図、図18はそのD−D断面図である。撥水性を示す部分8は、対角線寸法の長い方が13mm、短い方が6.8mmの菱形状であって、長辺側が浴槽へ向いている。その表面は鏡面である。一方、親水性を示す部分9は、撥水性を示す部分8の周囲に幅3mmで設けられ、高さが1.4mmの尖った凸部10がピッチ1.4mmで隣接され、結果的に、表面にV字形の溝11が、浴槽に向かう方向とこれに直交する方向の二方向に設けられている。撥水性を示す部分8はとがった凸部10の先端よりも低く形成されている。
【0039】
【実施例】
図19に示した防水パンを作製した。図19において、床構成部材1は、浴槽設置部2に隣接する洗場部に相当する部分であり、浴槽設置部2は洗場側防水パンと別体で又は一体に形成され、接続されている。
床構成部材1には、排水のための排水口凹部が形成され、排水口凹部の上に排水口蓋3が乗せられ、排水口凹部中に排水口が配置されている。排水勾配の方向を矢印4で示す。
床構成部材1は、上記排水口凹部が最も低くなるように排水勾配が取られており、浴室使用時には、大量の湯水が床構成部材1上の水が排水勾配に沿って流れ、排水口凹部に集水されるようになっている。また、排水を補助するための排水流し溝を浴槽に沿うように設けている。排水流し溝5内に落ちた水は排水口凹部に集水されるようになっている。
図20は、図19の部分拡大図、図21は、傾斜面7上の表面テクチュアーを示す部分平面図である。傾斜面7は150mm×150mmの形状をしており、溝の幅は1.5mm、溝の壁上部は半径0.7mmで外側に湾曲している。矢印は傾斜面の勾配方向(排水勾配を水平としたときのもの)をしめす。排水勾配は部位によってことなるが1/50〜1/30となっている。図20のF−F断面図は、図3又は図5に示すようなものになっている。傾斜面の水上部での段差の高さは2.4mmとし、水下部での段差0mmとした。図19の各傾斜面7の表面は、撥水性を示す部分8が3mm×3mm角の大きさ有し、その周りを親水性を示す部分9が幅1.5mmで取りましている。図21のG−G断面図は図10のようになっている。親水性を有する部分9は平均粗さRaを13.48μm、最大高さRyを97.91μm、凹凸の平均間隔Smを14.15μm、Sm/Ryを0.14のシボとした。また、溝表面にも親水性を有する部分9と同じシボを施している。
本実施例における防水パンは、親水性を示す部分9に対応する部分の金型表面を所定のエッチングが施された金型を用いてシートモールディングコンパウンド(SMC)成形することにより作製したものである。
本実施例における接触角は、撥水性を有する部分8 は約70度であり、親水性を有する部分 は約15度である。尚、測定は水滴約10μLを約300mmの高さから表面に自然落下させて測定する方法を用いた。
上記の金型は次のように表面処理された。すなわち、成形品の撥水性を有する部分8に対応する部分は、エッチングされないようにマスキングし、成形品の親水性を有する部分9に対応する部分のみをシボ模様にするように対応させた版を用いて、Ryが約100μmになるようにエッチング処理を施した。この結果、金型表面は、成形品の撥水性を有する部分8に対応する部分が凸、成形品の親水性を有する部分9に対応する部分が凹に形成された。この金型を用いて成形すると、成形品表面には親水性を有する部分9にシボ模様が施され、撥水性を有する部分8が親水性を有する部分9よりも約0.1mm低くなった。
このような防水パン1を作製し、防水パン1を所定の配置に固定し、シャワーを用いて、防水パン1全体に放水し、水を流した後、室温15℃、湿度66%の雰囲気に放置して、防水パン表面が完全に乾燥するまでの時間を測定した。
その結果、放水直後には、大量の水が排水勾配に従って流れ去った後、傾斜面の水下部に水が溜まり、溝へ徐々に流れ込み、溝内の水の流れが途切れることはなかった。放水直後防水パン全体の水下部には水たまりが出来る状態であるが、この水たまりが徐々に小さくなり最後にはなくなるが、この間、水際が水下方向に後退するにつれて、その部分の傾斜面の水下部には水が溜まり、徐々に溝に流れ込むようにしてこの水たまりもやがてなくなった。また、傾斜面の撥水性を示す部分8に残った水は、約1時間後、親水性を示す部分7に吸収され、さらに約4時間後、親水性を示す部分9の水がすべて乾燥した。このとき、溝内も乾燥していた。
【0040】
【発明の効果】
本発明い係る浴室床構成部材は、乾燥性、清潔性、清掃性が優れ、傾斜面に
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る一実施例の床構成部材の平面図である。
【図2】本発明に係る浴室用床構成部材の一例を示す部分平面図である。
【図3】図2のA−A断面図である。
【図4】本発明に係る他の浴室用床構成部材を示す部分平面図である。
【図5】図4のB−B断面図である。
【図6】浴室用床構成部材上の水の挙動を示す部分断面図である。
【図7】傾斜面の表面形状を示す部分断面図である。
【図8】傾斜面の別の表面形状を示す部分断面図である。
【図9】傾斜面の表面テクスチュアの一例を示す部分斜視図である。
【図10】図9のB−B断面図である。
【図11】傾斜面の一例を示す部分平面図である。
【図12】図11のC−C断面図である。
【図13】図11のD−D断面図である。
【図14】傾斜面の一例を示す部分平面図である。
【図15】図14のE−E断面図である。
【図16】傾斜面の一例を示す部分平面図である。
【図17】図11のC−C断面図である。
【図18】図11のD−D断面図である。
【図19】本発明に係る実施例の防水パン
【図20】図19の部分拡大図である。
【図21】傾斜面の表面テクチュアーを示す部分平面図である。
【図22】従来例の浴室用床構成部材である。
【図23】図22のH−H断面斜視図である。
【図24】従来例の水の挙動を示す拡大断面図である。
【符号の説明】
1:床構成部材 2:浴槽設置部
3:排水口位置 4:排水勾配の方向を示す矢印
5:溝 6:目地
7:傾斜面
7a:水上 7b:水下
8:撥水性を示す部分 9:親水性を示す部分
10:凸部 11:溝
12:溝 13:水
14:水の流れ 15:凹部に分散された水
16:微細な凹凸 17:薄く延ばされた水
14:溝に流れ込む水 15:床面を流れる水
16:溝に溜まった水 17:床面に取り残された水
18:水が流れる方向を示す矢印

Claims (8)

  1. 親水化処理された傾斜面とこの傾斜面の周りに配された勾配を有する溝を有し、傾斜面の水下において傾斜面と溝の段差をなくすかほとんどなくしてなる浴室用床構成部材。
  2. 親水化処理された傾斜面が、撥水性を示す部分とこの撥水性を示す部分の周りに連続して親水性を示す部分を配してなる請求項1記載の浴室用床構成部材。
  3. 親水化処理された傾斜面のその親水性を示す部分が表面の凹凸形状によって擬似的に親水化されている請求項1又は2に記載の浴室用床構成部材。
  4. 親水化処理された傾斜面のその親水性を示す部分が独立した複数の微細な凹部を表面に有する傾斜面である請求項1又は2に記載の浴室用床構成部材。
  5. 親水化処理された傾斜面のその親水性を示す部分がその表面に親水性膜を有する請求項1に記載の浴室用床構成部材。
  6. 親水性を示す部分の水の接触角が、60度以上である請求項2〜5のいずれかに記載の浴室用床構成部材。
  7. 撥水性を示す部分の面積が0.1〜20cmある請求項2に記載の浴室用床構成部材。
  8. 撥水性を示す部分の水の接触角が、60度未満である請求項2又は8に記載の浴室用床構成部材。
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