以下では、本発明の実施の形態に係る水廻り部材について、図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、いずれも本発明の一具体例を示すものである。したがって、以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本発明を限定する趣旨ではない。よって、以下の実施の形態における構成要素のうち、独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。
また、各図は、模式図であり、必ずしも厳密に図示されたものではない。したがって、例えば、各図において縮尺などは必ずしも一致しない。また、各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付しており、重複する説明は省略又は簡略化する。
また、本明細書において、平行又は直交などの要素間の関係性を示す用語及び正方形又は長方形などの要素の形状を示す用語、並びに、数値範囲は、厳格な意味のみを表す表現ではなく、実質的に同等な範囲、例えば数%程度の差異をも含むことを意味する表現である。
また、本明細書及び図面において、x軸、y軸及びz軸は、三次元直交座標系の三軸を示している。各実施の形態では、水廻り部材の表面に平行な二軸をx軸及びy軸とし、当該表面に直交する方向をz軸方向としている。x軸の正方向は、水廻り部材の主な排水方向である。水廻り部材の表面は、排水性能を高めるため、水平面に対して傾斜している。このため、z軸方向は、鉛直方向に対して傾斜している。また、z軸正方向は、水廻り部材の位置が高い方向である。
(実施の形態)
[概要]
まず、実施の形態に係る水廻り部材1の概要について、図1を用いて説明する。図1は、本実施の形態に係る水廻り部材1及び浴室部材71が設けられた浴室70を示す図である。
水廻り部材1は、図1に示されるように、浴室70の洗い場の床に利用される。浴室部材71は、水廻り部材1を備え、例えば、さらに、排水口72を備える床部材である。浴室部材71が備える水廻り部材1は、排水口72に向かって水を速やかに流すことができる。
なお、水廻り部材1は、図1に示す浴室70に配置された浴槽73の底74に設けられていてもよい。また、水廻り部材1は、浴室70に限らず、排水が必要とされる場所で用いられる排水部材として利用できる。水廻り部材1は、例えば、洗面台若しくはキッチンなどの流し台(シンク)の底、排水口、水気のある部屋若しくは通路の床又は洗濯機の内部などに用いられてもよい。
次に、水廻り部材1の具体的な構成について、図2から図6を用いて詳細に説明する。
[構成]
図2は、本実施の形態に係る水廻り部材1の一部を拡大して示す斜視図である。水廻り部材1は、溝状の目地10と、目地10によって区分された複数の面状部20と、微細溝30と、フィルム部材40と、床部材60とを備える。より具体的には、水廻り部材1は、目地10と、複数の面状部20とを床部材60の上面に備える。フィルム部材40は、目地10と複数の面状部20との表面、すなわち、床部材60の表面に設けられる。また、微細溝30は、フィルム部材40の表面に設けられる。しかしながら、図1においては、図が煩雑になることを避けるため、フィルム部材40は、図示されない。また、水廻り部材1の表面は、排水方向Dに高さが低くなるように傾斜している。さらに具体的には、水平面に対して傾斜角φで傾斜している。ここで、排水方向Dとは、水廻り部材1に水が散布されたときに、水廻り部材1の傾斜角φに基づき重力に従って水が流れる方向であり、例えば、排水口72へ向かう方向である。
床部材60は、水廻り部材1の基材に相当する。床部材60の表面には、目地10と複数の面状部20とが設けられている。
目地10は、床部材60の表面に、格子状に設けられた溝である。目地10は、排水方向Dに向かって排水する排水用の溝である。目地10の上面視形状は、格子状である。目地10は、例えば、通し目地(「いも目地」とも言う)状の溝であり、複数の横溝11と複数の縦溝12とを有する。
複数の横溝11は、互いに平行で、かつ、等間隔に並んでいる。複数の縦溝12は、互いに平行で、かつ、等間隔に並んでいる。複数の横溝11と複数の縦溝12とは、各々が互いに直交している。具体的には、複数の横溝11は、y軸方向で表される水平方向に平行に延びている。複数の縦溝12は、x軸正方向で表される排水方向Dに平行に延びている。縦溝12は、水平面に対して傾斜角φで傾斜している。
複数の横溝11及び複数の縦溝12の各々の幅は、ミリメートルオーダである。例えば、複数の横溝11及び複数の縦溝12の各々の幅は、1mm以上4mm以下であるが、これに限らない。複数の横溝11及び複数の縦溝12の各々の幅は、1mmより短くてもよく、4mmより長くてもよい。なお、複数の横溝11の幅は、複数の横溝11の短手方向(すなわち、x軸方向)における長さである。複数の縦溝12の幅は、複数の縦溝12の短手方向(すなわち、y軸方向)における長さである。
複数の面状部20は、目地10によって格子状に区切られている。隣り合う2本の横溝11と、隣り合う2本の縦溝12とで囲まれた部分は、全て面状部20である。また、複数の面状部20の詳細構造は、図3を用いて後述する。
複数の横溝11の並び間隔と複数の縦溝12の並び間隔とは、例えば同じである。この場合、複数の面状部20の上面視形状は、正方形である。複数の横溝11の並び間隔と複数の縦溝12の並び間隔とは、異なっていてもよい。この場合、複数の面状部20の上面視形状は、長方形である。また、複数の横溝11と複数の縦溝12とは、斜めに交差していてもよい。この場合、例えば、複数の面状部20の上面視形状は、平行四辺形又は菱形である。
水廻り部材1を上面視したときに、排水方向Dに対して垂直な方向(y軸方向)と平行な方向(x軸方向)とに格子状に目地10が形成されるため、複数の面状部20は、x軸方向及びy軸方向の各々に行列状に並んでいる。複数の面状部20の形状及び大きさは、互いに同じであるが、異なっていてもよい。
複数の面状部20を上面視したときの最大の1辺の長さは、例えば、10mm以上100mm以下であるが、これに限らない。本実施の形態では、複数の面状部20の上面視形状が矩形であり、より具体的には、正方形である。
床部材60は、人が上に立つことが前提とされる。このため、人が立ったときの床が斜めになっていることによる違和感を減らすため、傾斜角φは、例えば1.2°以下であり、一例として1.1°である。
床部材60は、例えば、熱可塑性樹脂又は熱硬化性樹脂などから形成される。具体的には、床部材60は、繊維強化プラスチック(FRP:Fiber Reinforced Plastics)又はガラス繊維を含有するSMC(Sheet Molding Compound)材料から形成される。あるいは、床部材60は、アクリル又はポリエステルなどを主成分として含む人工大理石から形成されてもよい。床部材60は、例えば、SMC材料を用いたプレス成型により形成される。
ここで、目地10と複数の面状部20の詳細構造について、図3と図4とを用いて説明する。
図3は、図2のIII-III線における水廻り部材1の断面図である。具体的には、図3は、水廻り部材1の目地10に含まれる複数の横溝11に直交する断面(xz断面)を示している。また、図4は、図2の領域IVにおける水廻り部材1を拡大した上面図である。図4は、水廻り部材1の表面に設けられた複数の面状部20と、微細溝30の一部とを模式的に示している。なお、図4において、実線で図示されたx軸方向と平行な線は、微細溝30が有する溝状の複数の凹部31を表している。
図3に示されるように、複数の面状部20は、複数の面状部20において最も高い位置にある最上辺部23を含む面形状の第1面部21を有する。複数の面状部20は、さらに、最上辺部23を含む面形状の第2面部22を有する。第2面部22は、最上辺部23を挟んで第1面部21よりも排水方向Dの上流側に位置する。
第1面部21及び第2面部22は、床部材60の表面を構成する面である。また、第1面部21及び第2面部22は、完全に平坦な面でなくてもよく、緩やかな曲面状の面であってもよい。ここで、最上辺部23において第1面部21の表面と鉛直方向とのなす角をαとし、第1面部21の表面の水接触角をωとする。このとき、αとωとは、α+ω≦90°を満たす。
また、最上辺部23において第2面部22の表面と鉛直方向とのなす角をβとする。このとき、αとβとは、α>βを満たす。
なお、本実施の形態においては、α、β及びωの単位は、度(°)である。また、αは、30°<α<90°の範囲であってもよい。好ましくは、αは、40°<α<80°の範囲であってもよく、より好ましくは、αは、50°<α<70°の範囲である。また、βは、0°≦β<80°の範囲であってもよい。好ましくは、βは、20°<β<70°の範囲であってもよく、より好ましくは、βは、30<β<60°の範囲である。なお、本実施の形態に係るβは、0°以上である。
最上辺部23は、複数の面状部20において最も高い位置(z軸正方向)にある辺である。最上辺部23は、y軸方向に延びる辺であって、最上辺部23は、1つの面状部20において、1つずつ存在する。また、最上辺部23は、第1面部21と第2面部22とが接続する辺である。
さらに、図4に示されるように、第1面部21及び第2面部22の上面視形状はいずれも、長方形である。上述のように、本実施の形態の複数の面状部20の上面視形状は、正方形であり、複数の面状部20のそれぞれは、第1面部21と、第2面部22とによって分割されるため、第1面部21及び第2面部22の上面視形状はいずれも、長方形となる。また、複数の面状部20を上面視したとき、最上辺部23は、第1面部21の一辺であり、第2面部22の一辺でもある。
また、図3に示すように、複数の横溝11の断面形状は、長方形であるが、これに限らない。複数の横溝11の断面形状は、V字形状でもよく、U字形状でもよく、逆台形でもよい。なお、複数の横溝11の断面形状は、テーパーを有しない正方形でもよい。複数の縦溝12の断面形状は、例えば、複数の横溝11の断面形状と同じであるが、異なっていてもよい。
さらに、図3に示されるように、水廻り部材1は、さらに、フィルム部材40を備える。フィルム部材40は、目地10と複数の面状部20との表面に位置する。すなわち、フィルム部材40は、床部材60の上方に設けられており、目地10と複数の面状部20とを覆うように形成されている。従って、フィルム部材40は、目地10及び複数の面状部20の表面の形状に追随するように設けられている。また、本実施の形態に係る水廻り部材1は、微細溝30を備える。
微細溝30は、目地10と複数の面状部20との表面にストライプ状に並んで設けられ、幅及び深さの少なくとも一方がマイクロメートルオーダの溝状の複数の凹部31を有する。微細溝30の詳細構造は、図5及び図6を用いて後述するが、本実施の形態においては、微細溝30は、フィルム部材40の表面に設けられる。つまり、微細溝30は、フィルム部材40の表面に設けられることで、目地10及び複数の面状部20の表面に設けられる。
また、図4に示されるように、微細溝30は、溝状の複数の凹部31を備える。すなわち、複数の凹部31は、目地10及び複数の面状部20の表面に設けられる。具体的には、複数の凹部31は、複数の面状部20と、複数の面状部20の間の目地10に亘って、水廻り部材1の全体に設けられている。
ここで、図5を用いて、微細溝30と複数の凹部31とについて説明する。
図5は、図4のV-V線における微細溝30の断面図である。具体的には、図5は、本実施の形態に係る水廻り部材1の表面に設けられた微細溝30の一部を拡大して示す断面図である。また、図5は、微細溝30の複数の凹部31が延びる方向(x軸方向)に直交する断面を示す図である。
フィルム部材40は、基材41と、樹脂層42とを備える。基材41は、樹脂層42を支持する部材である。基材41は、床部材60上に設けられている。具体的には、基材41は、床部材60の目地10及び複数の面状部20に沿って設けられている。
基材41は、例えば、樹脂フィルム、金属箔又は不織布などである。樹脂フィルムの材料としては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリスチレン(PS)、ポリ酢酸ビニル(PVAc)などを用いることができる。基材41の大きさ及び形状は、特に限定されない。基材41は、使用目的及び使用環境などに応じて適切な大きさ及び形状を有する。
樹脂層42は、基材41上に設けられている。樹脂層42は、例えば、紫外線硬化樹脂などの光硬化性樹脂材料を用いて形成される。紫外線硬化樹脂としては、シリコーン系樹脂、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂などを用いることができる。樹脂層42の厚さは、例えば、1μm以上50μm以下であるが、これに限定されない。
樹脂層42は、図4に示されるように、微細溝30を有する。微細溝30は、樹脂層42の上面に設けられており、水廻り部材1の最上面に設けられている。つまり、水廻り部材1を床部材などに利用した場合に、微細溝30が最表面に露出する。
本実施の形態では、微細溝30を構成する材料、すなわち、樹脂層42の材料の水接触角θは、90°未満である。すなわち、樹脂層42は、親水性材料を用いて形成されている。
また、微細溝30は、親水性を有する。微細溝30を構成する材料である樹脂層42は、親水性材料を用いて形成されているため、微細溝30は、親水性を有する。
図3を用いて説明したとおり、フィルム部材40は、床部材60の目地10及び複数の面状部20に沿って設けられている。そのため、フィルム部材40の上面、すなわち、樹脂層42の上面に設けられる微細溝30は、図4を用いて説明したとおり、目地10及び複数の面状部20の表面に設けられる。より具体的には、微細溝30は、目地10及び複数の面状部20の表面に連続して設けられている。
さらに、図5に示されるように、微細溝30が有する複数の凹部31は、ストライプ状に設けられる。つまりは、微細溝30は、溝状の複数の凹部31を有し、複数の凹部31は、ストライプ状に設けられている。複数の凹部31は、複数の凹部31の延伸方向に対して、直交する方向に沿って並んで複数設けられている。また、隣り合う2つの凹部31間に凸部が設けられている。すなわち、微細溝30は、上面視形状がストライプ状である凹凸構造である。ストライプ状は、互いに略平行に延伸する複数の凹部31が溝状に延伸しながら所定の間隔で並んだ形状である。
なお、ストライプ状とは、ラインとスペースとが交互に並んで設けられ、かつ、同一方向に沿って延びた形状であり、ラインアンドスペース形状ともいう。複数の凹部31がスペースに相当し、隣り合う2つの凹部31間に存在する凸部がラインに相当する。複数の凹部31は、互いに交差していない。
複数の凹部31の形状は互いに同じであるが、互いに異なっていてもよい。また、複数の凹部31のそれぞれの並び間隔は等間隔であるが、異なっていてもよい。
以下では、微細溝30が有する複数の凹部31の形状について、図6を用いて詳細に説明する。
図6は、図5の領域VIを拡大して示す断面図である。図6は、本実施の形態に係る水廻り部材1の微細溝30の複数の凹部31の断面を示している。図6では、さらに、一点鎖線の矩形枠で囲まれた範囲内に、複数の凹部31のそれぞれの開口に存在する第1端部34aを拡大した図が示されている。
本実施の形態に係る複数の凹部31が延伸する方向に直交する断面において、複数の凹部31の形状は、逆台形であるが、これに限らない。例えば、複数の凹部31の断面形状は、V字形状、U字形状、正方形、長方形又は半円形などでもよい。なお、水廻り部材1が備える微細溝30は、断面形状が異なる複数の凹部31を有してもよい。
複数の凹部31は、第1側面32aと、第2側面32bと、底面33と、第1端部34aと、第2端部34bとを有する。本実施の形態では、第1側面32a、第2側面32b及び底面33はそれぞれ、平面である。第1側面32a及び第2側面32bは、底面33に対して斜めに傾斜している。底面33に対する第1側面32aの傾斜角は、底面33に対する第2側面32bの傾斜角に等しいが、異なっていてもよい。本実施の形態では、複数の凹部31は、断面視において、線対称な形状を有する。すなわち、複数の凹部31の断面形状は、逆さまの等脚台形である。
なお、断面形状が矩形の場合、第1側面32a及び第2側面32bはそれぞれ、底面33に対して垂直である。また、断面形状がU字形状である場合、底面33は湾曲面である。また、断面形状がV字形状又は半円形である場合、複数の凹部31は、底面33を有しない。また、断面形状が半円形である場合、第1側面32a及び第2側面32bはそれぞれ、湾曲面であり、具体的には、複数の凹部31の延伸方向を軸とする円柱側面の一部である。
第1端部34a及び第2端部34bは、図6に示される断面において、複数の凹部31の開口端部であり、互いに向かい合う部分である。第1端部34a及び第2端部34bはそれぞれ、滑らかである。
具体的には、第1端部34a及び第2端部34bはそれぞれ、所定の曲率の湾曲面を有する。例えば、図6に示される断面において、第1端部34aは、半径Rの円の一部を描く。第1端部34aは、複数の凹部31が延伸する方向を軸とする円柱側面の一部である。第2端部34bも同様である。第1端部34a及び第2端部34bの各々において、角が含まれておらず、すなわち、平面(断面視における直線)が含まれていない。また、第1端部34aは、例えば、第1側面32aに滑らかに接続されている。第2端部34bは、例えば、第2側面32bに滑らかに接続されている。
第1端部34a及び第2端部34bの各々の半径Rは、例えば100nm以上である。これにより、金型を用いたインプリント法により複数の凹部31を成型した場合に、金型に樹脂材料が残留することを抑制できる。また、半径Rは、例えば2mm以下である。これにより、例えば水接触角が10°程度の親水性を示す材料を用い、複数の凹部31に汚れが溜まることを抑制するために複数の凹部31の深さHが100μm以下の場合でも、複数の凹部31は、複数の凹部31内に存在する水を濡れ広がらせることができる。
図6に示される断面において、第1端部34a上の第1点P1と第2端部34b上の第2点P2との間の複数の凹部31の壁面に沿った長さをA、第1点P1と第2点P2との直線距離をBとする。具体的には、長さAは、長さA1と、長さA2と、長さA3との和で表される。直線距離Bは、複数の凹部31の開口幅に相当する。
長さA1は、第1端部34aにおける第1点P1から第1側面32aに至るまでの湾曲部分の長さと、第1側面32aの直線部分の長さとの和である。長さA2は、第2端部34bにおける第2点P2から第2側面32bに至るまでの湾曲部分の長さと、第2側面32bの直線部分の長さとの和である。長さA3は、底面33の幅である。
本実施の形態では、複数の凹部31の深さH及び直線距離Bは、マイクロメートルオーダである。すなわち、深さH及び直線距離Bはそれぞれ、1μm以上であり、1mmより短い長さである。また、複数の凹部31の深さHは、微細溝30における溝の深さを意味している。例えば、深さHは、5μm以上150μm以下であってもよい。また、直線距離Bは、10μm以上300μm以下であってもよい。なお、複数の凹部31の深さHは、第1点P1及び第2点P2を結ぶ直線から底面33までの距離である。
なお、複数の凹部31の幅は、直線距離Bとみなすことができる。あるいは、複数の凹部31の幅は、底面33の幅、すなわち、長さA3とみなしてもよい。あるいは、複数の凹部31の幅は、直線距離Bと長さA3との平均値とみなしてもよい。また、複数の凹部31の幅は、微細溝30における溝の幅を意味している。
図6に示される断面において、第1点P1を通る、第1端部34aにおける接線L2と、水平面L1とがなす角度θは、複数の凹部31を有する部材、すなわち、フィルム部材40の水接触角θに等しい。言い換えると、第1端部34a上における任意の点のうち、第1端部34aに対する接線L2と水平面L1とがなす角度θが、フィルム部材40の水接触角θに等しくなる点が、第1点P1である。
第2点P2についても同様である。すなわち、第2点P2を通る、第2端部34bにおける接線と、水平面L1とがなす角度も同様に、水接触角θに等しい。このように、第1点P1及び第2点P2はそれぞれ、水接触角θに基づいて定められる。したがって、第1点P1及び第2点P2に基づいて定められる長さA及び直線距離Bも、水接触角θに基づいて定まる。
なお、ここでは、第1端部34a及び第2端部34bが湾曲面を有する例について示したが、これに限らない。第1端部34a及び第2端部34bは、断面視において一点で表されてもよい。つまり、第1端部34a及び第2端部34bはそれぞれ、複数の凹部31のそれぞれの上面の縁であってもよい。複数の凹部31のそれぞれの上面の縁に直接、第1側面32aと第2側面32bとがそれぞれ接続されていてもよい。この場合、第1点P1及び第2点P2はそれぞれ、複数の凹部31のそれぞれの上面の縁、すなわち、断面視において一点で表される第1端部34a及び第2端部34bそのものに相当する。
本実施の形態では、長さA[単位:m]及び直線距離B[単位:m]、並びに、水接触角θは、式(1)を満たす。
これは、複数の凹部31の延伸方向に沿って、複数の凹部31が毛細管現象を起こす条件に相当する。
複数の凹部31では、直線距離Bに相当する上面が開放されているので、上面は、完全に撥水性を有する面とみなすことができる。言い換えると、上面の水接触角は、180°であるとみなすことができる。
これにより、毛細管現象によって発生する毛細管力(キャピラリ力)Pc[単位:N]は、以下の式(2)で表される。
なお、σは、水の表面張力[単位:N/m]であり、Sは、複数の凹部31の断面積[単位:m2]である。複数の凹部31の断面積は、図6に示される断面において、第1点P1と第2点P2とを結ぶ直線と、複数の凹部31の壁面とで囲まれた範囲の面積に相当する。
毛細管力Pcが0より大きい場合、複数の凹部31において、複数の凹部31の延伸方向に毛細管現象が発生する。このように、毛細管現象が発生するためには、式(2)においてPc>0が成り立つので、上述した式(1)の関係が導かれる。
複数の凹部31に毛細管現象が発生することで、複数の凹部31内に入った水は、複数の凹部31の延伸方向に沿って複数の凹部31内を延びるように進む。つまり、水は、毛細管現象によって、水廻り部材1の表面で広範囲に広がりやすくなる。水が広範囲に広がることにより、空気に触れる水の表面積が大きくなって、乾燥に要する時間が短くなる。
以上説明した微細溝30が設けられたフィルム部材40表面の水接触角をωとする。つまり、フィルム部材40が設けられた第1面部21及び第2面部22の表面の水接触角は、ωである。
また、上述のように、本実施の形態においては、複数の凹部31を有する微細溝30は、複数の面状部20と目地10とに亘って設けられている。つまり、例えば、水廻り部材1に散布された水が目地10内に残った場合に、目地10上の複数の凹部31内に残った水は、複数の凹部31に発生する毛細管現象によって複数の面状部20までくみ上げられる。これにより、本実施の形態に係る水廻り部材1の乾燥性能が高まる。
以上説明したように、本実施の形態に係る水廻り部材1は、目地10と複数の面状部20との表面にストライプ状に並んで設けられ、幅及び深さHの少なくとも一方がマイクロメートルオーダの溝状の複数の凹部31を有する微細溝30を備える。また、微細溝30の表面は、親水性を有する。
これにより、水廻り部材1の表面に散布された水滴は、水廻り部材1の表面に濡れ広がりやすく、つまり、空気に触れる水の表面積が大きくなる。そのため、水廻り部材1の乾燥性能が高まる。
また、上述のように、本実施の形態に係る複数の凹部31は、幅が、10μm以上300μm以下であり、かつ、深さHが、5μm以上150μm以下である。
これにより、効果的に毛細管現象を発生させることができる。例えば、複数の凹部31の幅が10μm以上又は深さHが5μm以上であることで、複数の凹部31の断面積を確保することができ、複数の凹部31内を水が進行しやすくすることができる。また、例えば、複数の凹部31の幅が300μm以下又は深さHが150μm以下であることで、優れた乾燥性能を実現することができる。
また、微細溝30を有するフィルム部材40は、例えば、ナノインプリント装置又はロールツーロール方式のグラビア印刷装置などを用いた転写技術を利用して製造される。
具体的には、樹脂層42を構成する紫外線硬化樹脂材料を基材41の表面に塗布することで、基材41上に樹脂膜を成膜する。微細溝30を転写するための凹凸構造(すなわち、微細溝30を反転させた構造)を有する金型を樹脂膜に押し当て、押し当てた状態で基材41側から紫外線を照射することによって、樹脂膜を硬化させる。これにより、微細溝30を有する樹脂層42が形成される。最後に、金型を外すことで、微細溝30を有するフィルム部材40が形成される。なお、形成されたフィルム部材40を床部材60の表面に貼り付けることで、水廻り部材1が製造される。
また、上述のように、フィルム部材40は、目地10と複数の面状部20との表面に位置し、微細溝30は、フィルム部材40の表面に設けられる。
これにより、微細溝30を有するフィルム部材40は、床部材60と分離して、別体で製造される。フィルム部材40を目地10と複数の面状部20との表面、すなわち、床部材60の表面に設けることで水廻り部材1を得られるため、製造が容易になる。
次に、本実施の形態に係る水廻り部材1における排水の挙動について図7を用いて説明する。
[排水時の挙動]
図7は、本実施の形態に係る水廻り部材1の排水時の挙動を説明する断面図である。より具体的には、図7は、図3に示された断面図の一部である。また、図7の(a)は、水廻り部材1に水80が散布された直後の状態を示す図である。図7の(b)は、散布された水80の水面が最上辺部23より低くなった状態を示す図である。図7の(c)は、水80の排水が進み、複数の面状部20上には、水80がほとんど残らない状態を示す図である。図7の(a)、図7の(b)及び図7の(c)において、残存した水80の範囲に模式的にドットを付して示している。
図7の(a)に示されるように、水廻り部材1に水80が散布されると、水80の大部分は、水廻り部材1の傾斜(図2に示される傾斜角φ)に基づいて、排水方向D(x軸の正方向)に向かって流れ落ちる。図7の(a)が示すように、散布される水80が十分に多い場合は、水80は、目地10(図7の(a)においては、複数の横溝11)と複数の面状部20との表面全体を覆いながら、排水される。
図7の(b)に示されるように、さらに水80の排水が進み、水80の水面が最上辺部23より低くなると、水80は、最上辺部23を起点に第1面部21又は第2面部22へ分かれるように移動する。つまり、水80は、最上辺部23を起点に、複数の面状部20のそれぞれの下流側(第1面部21側)又は上流側(第2面部22側)へ分断され、移動する。
この現象は、最上辺部23において第1面部21の表面と鉛直方向とのなす角αと第1面部21の表面の水接触角ωとが、α+ω≦90°を満たすことに起因する。αとωとがα+ω≦90°を満たすため、最上辺部23において、水80は、第1面部21と第2面部22とに跨って濡れ広がることができない。すなわち、第1面部21上の水80は、最上辺部23を越えて、反対側(本実施の形態においては第2面部22)へ濡れ広がることができない。同様に、第2面部22上の水80は、最上辺部23を越えて、反対側(本実施の形態においては第1面部21)へ濡れ広がることができない。そのため、水80は、複数の面状部20のそれぞれの下流側(第1面部21側)又は上流側(第2面部22側)へ分断される。
ここで、複数の面状部20上に残った水80に着目する。第1面部21上の水80には、第1面部21の傾斜による重力と、水80の表面張力による水80自身の表面積を最小にしようとする力とに基づいて、当該第1面部21の下流側の1本の横溝11へ向かう力がはたらく。一方で、第2面部22上の水80には、第2面部22の傾斜による重力と、水80の表面張力による水80自身の表面積を最小にしようとする力とに基づいて、当該第2面部22の上流側の1本の横溝11へ向かう力がはたらく。
図7の(c)に示されるように、さらに水80の排水が進むと、複数の面状部20上には、水80がほとんど残らない状態になる。すなわち、上記の下流側の1本の横溝11へ向かう力がはたらいた結果、第1面部21上の水80は、当該第1面部21の下流側の1本の横溝11へ容易に移動する。一方で、上記の上流側の1本の横溝11へ向かう力がはたらいた結果、第2面部22上の水80は、第1面部21上の水80と同様に、当該第2面部22の上流側の1本の横溝11へ容易に移動する。つまり、複数の面状部20(第1面部21及び第2面部22)上の水80は、目地10に容易に移動する。そのため、複数の面状部20(第1面部21及び第2面部22)の上には、水80が残らない。
さらに、下流側又は上流側の1本の横溝11へ移動した水80は、排水方向Dに延びる複数の縦溝12によって、排水口72まで運ばれる。つまり、複数の横溝11及び複数の縦溝12にも、水80は、残らない。従って、目地10には、水80は、残らない。
以上まとめると、本実施の形態においては、αとωとがα+ω≦90°を満たすため、第1面部21上の水80は、最上辺部23を越えて、濡れ広がることができない。そのため、複数の面状部20上の水80は、最上辺部23を起点に、複数の面状部20それぞれの下流側又は上流側へ分断され、移動する。さらに、複数の面状部20上の水80は、目地10へ容易に移動する。その結果、複数の面状部20上に水80が残らず、目地10へ移動した水80は、排水方向Dに延びる目地10(本実施の形態においては複数の縦溝12)によって、素早く排水される。つまり、本実施の形態に係る水廻り部材1は、優れた排水性能を有する。
また、第2面部22が最上辺部23を挟んで第1面部21よりも排水方向Dの上流側に位置し、α及びβがα>βを満たすことで、最上辺部23は、当該最上辺部23を備える複数の面状部20のぞれぞれにおいて、より上流側に位置することとなる。そのため、最上辺部23を起点に分断された水80の内、より多くの水80が第1面部21に移動する。その結果、より多くの水80が下流側(x軸側)の目地10(本実施の形態においては複数の横溝11)へ移動するため、水廻り部材1の排水性能が高まる。
また、図1に示すように、本実施の形態に係る水廻り部材1は、浴室部材71としても適用可能である。このような浴室部材71においては、第1面部21上の水80は、最上辺部23を越えて、濡れ広がることができない。そのため、複数の面状部20上の水80は、最上辺部23を起点に、複数の面状部20それぞれの下流側又は上流側へ分断され、移動する。さらに、複数の面状部20上の水80は、目地10へ容易に移動する。その結果、複数の面状部20上に水80が残らず、目地10へ移動した水80は、排水方向Dに延びる目地10(本実施の形態においては複数の縦溝12)によって、素早く排水される。つまり、本実施の形態に係る浴室部材71は、優れた排水性能を有する。
なお、最上辺部23において第2面部22の表面と鉛直方向とのなす角βは、0°であってもよい。つまり、第2面部22は、yz平面と平行な面となる。この場合においても、本実施の形態に係る水廻り部材1と同様に、複数の面状部20に散布された水80は、最上辺部23を起点に、複数の面状部20のそれぞれの下流側(第1面部21側)又は上流側(第2面部22側)へ分断され、排水される。
また、第1面部21及び第2面部22は、緩やかな曲面状の面であってもよい。つまり、第1面部21及び第2面部22の断面視形状は、曲線状でもよい。当該曲線は、複数の面状部20の上方向(z軸正方向)に凸形状でもよく、複数の面状部20の下方向(z軸負方向)に凸形状でもよい。
[効果など]
以上のように、本実施の形態に係る水廻り部材1は、溝状の目地10と、目地10によって区分された複数の面状部20とを備える。複数の面状部20は、複数の面状部20において最も高い位置にある最上辺部23を含む面形状の第1面部21を有する。最上辺部23において第1面部21の表面と鉛直方向とのなす角をαとし、第1面部21の表面の水接触角をωとした場合、α及びωは、α+ω≦90を満たす。
これにより、本実施の形態においては、αとωとがα+ω≦90°を満たすため、第1面部21上の水80は、最上辺部23を越えて、濡れ広がることができない。そのため、複数の面状部20上の水80は、最上辺部23を起点に、複数の面状部20それぞれの下流側又は上流側へ分断され、移動する。さらに、複数の面状部20上の水80は、目地10へ容易に移動する。その結果、複数の面状部20上に水80が残らず、目地10へ移動した水80は、排水方向Dに延びる目地10によって、素早く排水される。つまり、本実施の形態に係る水廻り部材1は、優れた排水性能を有する。
また、本実施の形態においては、複数の面状部20は、さらに、最上辺部23を含む面形状の第2面部22を有し、第2面部22は、最上辺部23を挟んで第1面部21よりも排水方向Dの上流側に位置する。最上辺部23において第2面部22の表面と鉛直方向とのなす角をβとした場合、α及びβは、α>βを満たす。
これにより、最上辺部23は、当該最上辺部23を備える複数の面状部20のぞれぞれにおいて、より上流側に位置することとなる。そのため、最上辺部23を起点に分断された水80の内、より多くの水80が第1面部21に移動する。その結果、より多くの水80が下流側(x軸側)の目地10へ移動するため、水廻り部材1の排水性能が高まる。
また、本実施の形態に係る水廻り部材1は、さらに、目地10と複数の面状部20との表面にストライプ状に並んで設けられ、幅及び深さHの少なくとも一方がマイクロメートルオーダの溝状の複数の凹部31を有する微細溝30を備える。微細溝30の表面は、親水性を有する。
これにより、水廻り部材1の表面に散布された水滴は、水廻り部材1の表面に濡れ広がりやすく、つまり、空気に触れる水の表面積が大きくなる。そのため、水廻り部材1の乾燥性能が高まる。
また、本実施の形態に係る複数の凹部31は、幅が10μm以上300μm以下であり、かつ、深さHが5μm以上150μm以下である。
これにより、効果的に毛細管現象を発生させることができる。例えば、複数の凹部31の幅が10μm以上又は深さHが5μm以上であることで、複数の凹部31の断面積を確保することができ、凹部31内を水が進行しやすくすることができる。また、例えば、凹部31の幅が300μm以下又は深さHが150μm以下であることで、優れた乾燥性能を実現することができる。
また、本実施の形態に係る水廻り部材1は、さらに、面状部20と目地10との表面に位置するフィルム部材40を備え、微細溝30は、フィルム部材40の表面に設けられる。
これにより、フィルム部材40は、床部材60と分離して別体で製造され、フィルム部材40を目地10と複数の面状部20との表面、すなわち、床部材60の表面に設けることで水廻り部材1を得られるため、製造が容易になる。
また、本実施の形態に係る浴室部材71は、上記記載の水廻り部材1を備える。
これにより、本実施の形態においては、αとωとがα+ω≦90°を満たすため、第1面部21上の水80は、最上辺部23を越えて、ぬれ広がることができない。そのため、第1面部21上の水80は、最上辺部23を越えて、濡れ広がることができない。そのため、複数の面状部20上の水80は、最上辺部23を起点に、複数の面状部20それぞれの下流側又は上流側へ分断され、移動する。さらに、複数の面状部20上の水80は、目地10へ容易に移動する。その結果、複数の面状部20上に水80が残らず、目地10へ移動した水80は、排水方向Dに延びる目地10によって、素早く排水される。つまり、本実施の形態に係る浴室部材71は、優れた排水性能を有する。
(その他)
以上、本発明に係る水廻り部材について、上記の実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、上記の実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記の実施の形態では、目地10の横溝11が排水方向D(すなわち、傾斜方向)に平行である例を説明したが、これに限らない。目地10は、排水方向Dに対して斜めに延びる方向に設けられていてもよい。
さらに、例えば、複数の面状部20の上面視形状は、正方形、長方形、平行四辺形又は菱形などの四角形でなくてもよい。複数の面状部20の上面視形状は、三角形又は六角形などの多角形でもよく、少なくとも一部に曲線を含む非対称な図形であってもよい。例えば、複数の面状部20の各々の上面視形状は、互いに異なる非対称な形状であってもよい。
なお、フィルム部材40は、接着層を備えていてもよい。例えば、接着層は、基材41において樹脂層42がある面と反対側の面に形成されてもよい。接着層は、フィルム部材40と、床部材60を接着する材料で構成されている。これにより、フィルム部材40を床部材60の表面に貼り付けることができる。
また、例えば、目地10を有する床部材60の上面に直接、樹脂層42により構成される微細溝30が設けられてもよい。つまり、水廻り部材1は、基材41を備えていなくてもよい。さらに、また、目地10を有する床部材60の表面に直接、床部材60により構成される微細溝30が設けられてもよい。つまり、水廻り部材1は、フィルム部材40、基材41及び樹脂層42を備えていなくてもよい。
なお、本実施の形態に係るα及びβは、鉛直方向に関係する値であると定義がなされている。上記定義は、床部材60の最表面(すなわち、目地10と複数の面状部20とが設けられる面)と水平面とのなす角度がφである場合を想定して、決められもよい。つまり、水廻り部材1が備える床部材60の最表面と水平面とのなす角度がφとなるように、水廻り部材1が設置された場合に、α及びβは、本実施の形態で示した値を示してもよい。言い換えると、本実施の形態に係る水廻り部材1が水平面に設置された場合に、上記定義は、満たされてもよい。
また、例えば、上記の実施の形態では、水廻り部材1の表面の傾斜角φは、1.2°以下である例について示したが、傾斜角φは1.2°より大きくてもよい。例えば、人が立つことがあまり想定されない構造物、例えば、浴槽73の底などに水廻り部材1を用いる場合、傾斜角φが1.2°より大きくても人に使用時の違和感を与えなくて済む。したがって、傾斜角φを1.2°より大きくすることで、排水性能を高めることができる。
その他、実施の形態に対して当業者が思いつく各種変形を施して得られる形態や、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で各実施の形態における構成要素及び機能を任意に組み合わせることで実現される形態も本発明に含まれる。