JP2003074174A - 浴室用床パネル - Google Patents

浴室用床パネル

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JP2003074174A
JP2003074174A JP2001264230A JP2001264230A JP2003074174A JP 2003074174 A JP2003074174 A JP 2003074174A JP 2001264230 A JP2001264230 A JP 2001264230A JP 2001264230 A JP2001264230 A JP 2001264230A JP 2003074174 A JP2003074174 A JP 2003074174A
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Japan
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floor panel
floor
bathroom
water
flow path
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JP2001264230A
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English (en)
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Toshimi Kitakado
俊実 北角
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 親水化された浴室の洗い場床面の水滴削減効
果を保ち、翌日に使用者の足を濡らすことの無い乾燥性
能を長期間に渡って安定して発揮する浴室用床パネルを
提供する。 【解決手段】 浴室の床面を形成する床パネルの上面の
少なくとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長手方向
に沿う近傍における前記床パネルの上面に、滑り止め用
の凸形状部と、この凸形状部との間に排水口あるいは排
水補助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形状部が
形成された床部分を親水化し、床面の残留水滴削減を図
った床パネルにおいて、通常入浴時に人体が前記流路の
底面に接触しないように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は浴室の一部として組
み込まれる浴室用床パネルに関する。
【0002】
【従来の技術】近年の住宅等の浴室はユニットバスが主
流になっている。これらユニットバスは床をはじめ、主
要な部材がFRP等の防水性の高い材料で構成され、そ
の素材や構造によって高い防水性・気密性・耐水性を有
しており、これらの特徴は浴室として理想的であるが、
その反面、在来浴室に比べ、内部の水が外に抜けにく
く、乾燥しにくいといった傾向がある。床面上の水はけ
に限ってみても、特にFRP等プラスチック製の表面材
を持つ床では素材そのものが水を弾く疎水性のものでで
きているため、島状に水を残水させてしまいやすく、ま
た床素材の吸水性が低いため床面に吸い込まれることが
なく、翌日になってもこの島状に残った残水は自然乾燥
せずに大量に残ってしまう。これは翌日、使用者が浴槽
の清掃を行う際、靴下のまま浴室内の洗い場部に立つと
靴下を濡らしてしまう結果となり、非常に不快であり、
また掃除の度に靴下を脱がなければならないので煩わし
く、特に冬場では残水が冷水となっているため、高齢者
にはつらいものであった。
【0003】このような床の問題点を解消するために
は、床表面を親水状態にし、表面に残留する独立水滴を
削減すれば床表面が早期に乾燥することが一般的に知ら
れている。床を親水状態にする手法としては、単に床表
面を親水性の素材で形成する手法をはじめ、FRPなど
の疎水性の材料であっても、親水性の塗料による塗装を
含む親水コーティング材の塗布や、特開2001−90
137に開示されているようなホーニング、サンドブラ
スト、サンディング処理など床表面に機械的な傷を二次
的に施すことで微細な凸凹を形成する親水処理手法、ま
たは紫外線照射処理、紫外線レーザー処理、プラズマ処
理、コロナ放電処理、火炎処理などを用いて床面に化学
的に親水性置換基を配置する処理手法など、様々な手法
で親水状態にさせることが可能である。
【0004】しかしながら、このような手法を用い親水
状態とすることで残留水滴を削減し、早期乾燥を図った
床も、実使用条件では入浴に伴なって、皮脂や石鹸カス
・汗などの有機物、埃などの無機物など様々な汚染物質
が親水状態の床表面に定着し、これら付着物のうち、皮
脂などの撥水性の油脂系のよごれの影響で親水効果を失
ってしまい、親水状態でない通常の床と同じような残留
水滴が短期間で発生してしまうという問題があった。
【0005】これら撥水性の汚染物質の定着は前述した
樹脂製の床パネルを持つユニットバスに限らず、素材的
に本来、親水性を示す素材で床面を構成した浴室の場合
にも発生し得るもので、本来、親水素材である床材の表
面に撥水性の汚染物質が定着することによって親水性を
失ってしまい、同様に大量の残留水滴が発生することに
なっていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記課題を解
決するためになされたもので、親水素材を用いたり、あ
るいは様々な親水手法によって親水化された浴室の洗い
場床面の水滴削減効果を保ち、翌日に使用者の足を濡ら
すことの無い乾燥性能を長期間に渡って安定して発揮す
る浴室用床パネルを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記問題点を解決すべく
請求項1に係る浴室用床パネルは、浴室の床面を形成す
る床パネルの上面の少なくとも浴室の出入り口部の近
傍、及び浴槽長手方向に沿う近傍における前記床パネル
の上面に、滑り止め用の凸形状部と、この凸形状部との
間に排水口あるいは排水補助用の溝に連続した流路を形
成し、前記凸形状部が形成された床部分を親水化した床
パネルにおいて、前記流路の底面に通常入浴時に人体が
接触しないように形成されている構成とした。
【0008】このような構成とすることで、床面上の水
を平たく水膜状にして流れやすくできるとともに、入浴
に伴って定着する撥水性の汚れの影響を低減し、長期間
床の親水・早期乾燥効果を保つことができる。それによ
り入浴後のメンテナンスなどで浴室内に立ち入り作業を
する際の室内へのアプローチ経路や浴槽の清掃等の作業
に必要な最低限の範囲の床面を乾燥させておくことがで
き、足元を濡らすことが無い。
【0009】また、前記流路底面に人体接触がないよう
に形成されているため、湿潤状態の床面を足で踏みつけ
た際に、踏みつけられた足の下でも排水流路を確実に確
保することができ、この部分より確実に排水させること
で、足の裏と床面との間に水を挟み込んでしまうことが
なくなる。これによってスリップを誘発する足裏と床面
との間の薄い水膜の形成を抑え、機械的な摩擦力に頼る
ことなく、床面のノンスリップ性を向上させることがで
きる。
【0010】また、本発明の請求項2に係る浴室用床パ
ネルは、浴室の床面を形成する床パネルの上面の少なく
とも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長手方向に沿う
近傍における前記床パネルの上面に、滑り止め用の凸形
状部と、この凸形状部との間に排水口あるいは排水補助
用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形状部が形成さ
れた床部分の前記流路内を親水化した床パネルにおい
て、前記流路の底面に通常入浴時に人体が接触しないよ
うに形成されている構成とした。
【0011】このような構成とすることで、入浴に伴っ
て定着する撥水性の汚れの影響を低減し、長期間床の親
水・早期乾燥効果を保つことができる。それにより入浴
後のメンテナンスなどで浴室内に立ち入り作業をする際
の室内へのアプローチ経路や浴槽の清掃等の作業に必要
な最低限の範囲の床面を乾燥させておくことができ、足
元を濡らすことが無い。
【0012】また、前記流路底面に人体接触がないよう
に形成されているため、湿潤状態の床面を足で踏みつけ
た際に、踏みつけられた足の下でも排水流路を確実に確
保することができ、この部分より確実に排水させること
で、足の裏と床面との間に水を挟み込んでしまうことが
なくなる。これによってスリップを誘発する足裏と床面
との間の薄い水膜の形成を抑え、機械的な摩擦力に頼る
ことなく、床面のノンスリップ性を向上させることがで
きる。
【0013】本発明の請求項3に係る浴室用床パネル
は、浴室の床面を形成する床パネルの上面が目地で分割
され、この目地で分割された前記床パネルの上面の少な
くとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長手方向に沿
う近傍における前記床パネルの上面に、滑り止め用の凸
形状部と、この凸形状部との間に排水口あるいは排水補
助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形状部が形成
された床部分を親水化した床パネルにおいて、前記流路
の底面に通常入浴時に人体が接触しないように形成され
ている構成とした。
【0014】このような構成とすることで、床面上の水
を平たく水膜状にして流れやすくできるとともに、入浴
に伴って定着する撥水性の汚れの影響を低減し、長期間
床の親水・早期乾燥効果を保つことができる。それによ
り入浴後のメンテナンスなどで浴室内に立ち入り作業を
する際の室内へのアプローチ経路や浴槽の清掃等の作業
に必要な最低限の範囲の床面を目地部分を除いた状態で
乾燥させておくことができ、足元を濡らすことが無い。
【0015】また、前記流路底面に人体接触がないよう
に形成されているため、湿潤状態の床面を足で踏みつけ
た際に、踏みつけられた足の下でも排水流路を確実に確
保することができ、この部分より確実に排水させること
で、足の裏と床面との間に水を挟み込んでしまうことが
なくなる。これによってスリップを誘発する足裏と床面
との間の薄い水膜の形成を抑え、機械的な摩擦力に頼る
ことなく、床面のノンスリップ性を向上させることがで
きる。
【0016】また、本発明の請求項4に係る浴室用床パ
ネルは、浴室の床面を形成する床パネルの上面が目地で
分割され、この目地で分割された前記床パネルの上面の
少なくとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長手方向
に沿う近傍における前記床パネルの上面に、滑り止め用
の凸形状部と、この凸形状部との間に排水口あるいは排
水補助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形状部が
形成された床部分の前記流路内を親水化した床パネルに
おいて、前記流路の底面に通常入浴時に人体が接触しな
いように形成されている構成とした。
【0017】このような構成とすることで、入浴に伴っ
て定着する撥水性の汚れの影響を低減し、長期間床の親
水・早期乾燥効果を保つことができる。それにより入浴
後のメンテナンスなどで浴室内に立ち入り作業をする際
の室内へのアプローチ経路や浴槽の清掃等の作業に必要
な最低限の範囲の床面を目地部分を除いた状態で乾燥さ
せておくことができ、足元を濡らすことが無い。
【0018】また、前記流路底面に人体接触がないよう
に形成されているため、湿潤状態の床面を足で踏みつけ
た際に、踏みつけられた足の下でも排水流路を確実に確
保することができ、この部分より確実に排水させること
で、足の裏と床面との間に水を挟み込んでしまうことが
なくなる。これによってスリップを誘発する足裏と床面
との間の薄い水膜の形成を抑え、機械的な摩擦力に頼る
ことなく、床面のノンスリップ性を向上させることがで
きる。
【0019】また、本発明の請求項5に係る浴室用床パ
ネルは、前記請求項2又は請求項4に記載の床パネルに
おいて、凸形状が施された床部分の前記凸形状部間に形
成された流路内を親水化させる手法は、親水性塗料の塗
装を含む親水剤のコーティングによるものであることを
特徴としている。
【0020】このような構成とすることで床面への付着
力が頑強でないコーティングなどの親水手法であっても
最低限、流路内部のコーティング等の親水手法が人体接
触によって剥げ落ちてしまうことを防止できるため、長
期の使用に耐え得る性能の床を比較的安易に製作するこ
とができる。
【0021】
【発明実施の形態】以下に本発明の実施の形態を添付図
面に基づいて説明する。図1は本発明に係る浴室用床パ
ネルの平面図、図2は同床パネルの拡大平面図、図3は
同床パネルの通常入浴後の拡大斜視図、図4は図3のA
−A断面図、図5は同床パネルの拡大詳細図、図6乃至
図8は同床パネルの流路断面形状詳細図、図9は同床パ
ネル上の排水作用を示す図、図10は本発明の他実施例
の床面凸部形状を示す平面図、図11は最低限必要な床
面乾燥エリアを示した平面図、図12は目地に水が溜ま
った場合の本実施例の使用後の残水状態を示した平面
図、図13は本発明の床パネルを湿潤状態で踏みつけた
状態を示す図、図14は図13のB部拡大図、図15は
従来技術での残水の状態を示す平面図である。
【0022】図1に示すように床パネル1は樹脂材料
(たとえばFRP)を成形してなり、浴槽2(2点鎖線で
示す)とそれに隣接する洗い場部より構成される。浴槽
2は洗い場側床パネルと別体で形成され接続される分割
タイプの物や浴槽側の床パネルそのものを浴槽形状に成
形した洗い場付き浴槽の場合もある。また、シャワー室
のように浴槽2を持たないものの他、既存の浴室の洗い
場面に敷き込んで使用するシート状の床パネル1の場合
もあるものとする。なお、本発明でいう床パネル1とは
洗い場部とは別体で形成される排水口3を覆うトラップ
カバーや排水溝カバー(図示せず)をも含んでいる。
【0023】床パネル1の上面には、格子状の目地9を
設けて意匠性を高めている。また、床パネル1の一端部
に出入り用の建具10が取り付けられている。更に床パ
ネル1の洗い場面には、排水のための排水口凹部4が形
成され、排水口凹部4の中に排水口3が配置されてい
る。
【0024】床パネル1は、前記排水口凹部4が最も低
くなるように排水勾配が取られており、床パネル1上の
水が排水勾配にそって流れ、排水口凹部4に集水される
ようになっている。本発明の実施例では、床面排水勾配
とあわせて、排水を補助するための排水流し溝5を設
け、床パネル1上の水を集め、排水口凹部4に集水させ
る構造を採用している。また、排水流し溝5上には必要
に応じて排水溝カバー(図示せず)が載置されている。
【0025】目地9で分割されている床パネル1の上面
には滑り止め用の凸部6が形成され、これら凸部6の間
に連続する流路7が形成されている。この流路7は概ね
上記目地9もしくは排水流し溝5もしくは排水口凹部4
に連続するように設定されている。滑り止め用の凸部6
は、その上面に、凸部6の周囲を区画した流路7内に流
れ込むこと無く、独立して残留することのできる水玉の
水量を平均的な浴室環境下、例えば温度15.3℃、湿度6
6%の環境下において8時間程度の間に自然乾燥可能な
2cc以下に抑えられるように形成されている。本実施
例では図5に示すように、凸部6を約5mm×約10m
mの略長方形で、高さを約0.5mmと比較的高く形成
されている。また、各々の凸部6の間隔を約2mmと接
近させることで、隣り合う凸部6の間で形成される流路
7はその深さと幅を約0.5mmと約2mmとされ、通
常入浴において人体が流路7の底面に接触しないように
形成されている。本発明の実施例では前述したように凸
部6を約5mm×約10mmの略長方形とし、凸部6の
上面に、周囲の流路7内に流れ込むことなく独立して残
留することのできる水玉の水量を、約0.2ccと非常
に少なくしているため、万が一、この凸部6の上に水玉
が独立して残留しても、前記した浴室環境の条件下にお
いて、よりすばやく自然乾燥し、より短時間での床表面
の乾燥を確実なものとされている。また、本実施例では
目地9によって床パネル1の意匠を向上させた例を示し
ているが、目地9を施さない床パネル1の場合もある。
【0026】また、あわせて、トラップカバー(図示せ
ず)上面や排水溝カバー(図示せず)上面などを含む前記
凸部6が形成された床部分、もしくは前記流路7内は、
単にその部分を親水性の素材で形成する手法をはじめ、
たとえ、その部分がFRPなどの疎水性の材料で形成さ
れる場合であっても、親水性の塗料による塗装を含む親
水コーティング材の塗布や、特開2001−90137
に開示されているようなホーニング、サンドブラスト、
サンディング処理など床表面に機械的な傷を二次的に施
すことで微細な凸凹を形成する親水処理手法、または紫
外線照射処理、紫外線レーザー処理、プラズマ処理、コ
ロナ放電処理、火炎処理などを用いて床面に化学的に親
水性置換基を配置する化学的な処理手法など一般的に知
られている何らかの手法で親水化されている。
【0027】本実施例での流路7の断面形状は、図6
(a)で示したように、清掃性などを考慮し、略V字型
の流路とされており、この流路7底面に通常入浴におい
て人体接触がないように形成されている。このほかにも
流路7の断面形状としては、通常入浴において流路7底
面に人体接触がないようにされているものであれば図7
(a)・図8(a)に示すように略角型、略丸型など、
どのようなものでも良い。また各々の形態の場合の幅と
深さは図6・図7・図8の各々にW・Hで示したように
定義されるものとする。この場合、流路7の断面形状を
問わず、図6(b)・図7(b)・図8(b)で示すよ
うに途中で断面形状を変化させた2段形状などで形成し
た場合は、実質的に最小限の水を溜められる流路部の幅
を流路幅Wとするものとする。また、凸部6の形状や配
置も図2または図10(a)に示したような略長方形の
他、図10(b)に示したような幾何学模様、図10
(c)に示した略円形、その他・略正方形など、どのよ
うな形状の凸部6をどのように並べても、また異なる形
状の凸部6の組み合わせでも、これら凸部6間に形成さ
れる前記流路7の底面に通常入浴で人体接触が無く、皮
脂などの撥水性の汚染物質8が入浴に伴って流路7の底
面にまで定着してしまうことが無いようにされていると
共に、これら流路7によって区画された凸部6の上に流
路7に接触することなく独立して残留できる水量が2CC
以下に抑えられるように形成されているものであれば、
その配置・形状・経路を問わない。
【0028】このように水滴削減効果を長期にわたって
確保する工夫は床パネル1全面に施しても良いととも
に、床の一部分に設けても良い。図11の実施例では浴
室に入室する際の出入り口部10近傍、及び浴槽2長辺
の近傍の床パネル1上に前述した実施例と同様の床面上
の工夫を施し、最低限この範囲の乾燥性能を保証するよ
うにされている。更に浴槽2の長手方向に排水溝カバー
(図示せず)が設置される場合においては、この溝カバ
ーの上面であっても良い。
【0029】これは、翌日に浴室に入室した際に不用意
に足を濡らさず、浴槽2の清掃等のメンテナンス作業を
可能とするという目的を最低限達成するためには、必ず
しも床パネル1全面が完全に乾燥している必要はなく、
最低限の入室のためのアプローチ経路と浴槽2を清掃す
る際の作業範囲が乾燥していれば目的を達成できるため
である。
【0030】なお、本実施例では床パネル1の材質を主
にFRP等の樹脂材料とした場合を中心として説明して
いるが、本来、親水性を有した材料を用い、その表面に
前述した実施例と同様の形状を施し、床パネル上の同様
の個所に配置したものも、その効果が同一のものとなる
ため、本発明に包含されるものとする。この場合、素材
そのものが親水性を有しているため、当然、前述の親水
手法は必要としない。
【0031】次に以上のように構成される本発明の作用
について説明する。床パネル1が水をはじく撥水性の材
料で形成されたものの場合、素材自体が水をはじこうと
することで、床パネル1表面上を流れる水が途中で途切
れてしまう現象が多発し、取り残された部分の水は停滞
し、結果として床パネル1上に流された水は図15に示
すように、独立した水玉となって床パネル1全面にラン
ダムに残留してしまっていた。この問題点は、床パネル
表面を親水状態とし残留水適を削減することで抑えられ
ることが一般的に知られており、その親水化の手法は単
に床パネル上を親水性の素材で形成する手法をはじめ、
たとえ床面上がFRPなどの疎水性の材料で形成される
場合であっても、親水性の塗料による塗装を含む親水コ
ーティング材の塗布や、特開2001−90137に開
示されているようなホーニング、サンドブラスト、サン
ディング処理など床パネル表面に機械的な傷を二次的に
施すことで微細な凸凹を形成する親水処理手法、または
紫外線照射処理、紫外線レーザー処理、プラズマ処理、
コロナ放電処理、火炎処理などを用いて床パネル表面に
化学的に親水性置換基を配置する化学的処理手法など様
々な手法が知られている。しかしながらこれら様々な手
法で親水状態とされた床も、実使用条件においては、入
浴に伴って皮脂などの撥水性の汚染物質が親水状態の床
パネル表面の上から定着することで早期に撥水状態とな
り、従来の床と同様に独立した水滴が大量に発生してし
まっていた。
【0032】これは、床パネル上面を本来、親水性を有
する素材、例えば石器質タイルにセメント目地込め等、
従来一般的に見られた仕様で構成した場合でも、タイル
の表面に撥水性の汚染物質が定着することを防止するよ
うな工夫を採っておらず、タイルの周囲の親水状態を保
っているセメント目地に触れることなく、タイル上に独
立して残留する水玉の水量が自然乾燥によって翌朝まで
に乾燥できる量よりも多くなってしまうような構成のも
のであれば、タイル表面に実使用の入浴によって撥水性
の汚染物質が定着し、タイル表面が撥水性状を示すよう
になるため、翌朝までの所定時間内に乾燥することのな
い残留水適が発生してしまい、同様の問題が発生するの
である。すなわち、親水性の素材を用いて床パネルを形
成したとしても、その表面に何らかの形で耐久性を向上
させる工夫を加えないと、早期に床の乾燥性能が損なわ
れ、目的が達成できないということになるのである。
【0033】本発明の場合でも、実使用入浴に伴って、
通常の浴室の床と同様に石鹸かす・汗・埃・皮脂などの
様々な汚染物質が親水化された床パネル1表面に供給さ
れる。これら皮脂などの撥水性の汚染物質8は、単に床
パネル1面上に供給されただけでは撥水性状を示すこと
はなく、入浴に伴なって使用される湯水によって大部分
が洗い流されるため、床パネル1上に定着せず、床パネ
ル1表面の親水性に対して大きな影響を与えないが、実
入浴に伴なって床パネル1面を足の裏で踏みつけたりす
ることで発生する不可避の人体接触の圧力によって図3
や図4に示すように床パネル1表面に擦りつけられて定
着し、それによってその部分は撥水状態となってしまう
のである。つまり、人体の接触が避けられない凸部6の
上面は、撥水性の汚染物質8が定着することで、通常の
床と同じように撥水状態となってしまうのである。
【0034】しかしながら本発明の床パネル1では滑り
止め用の複数の凸部6の間に連続した流路7を持ち、少
なくとも、その流路7の底面部分が通常入浴において人
体接触のないように形成されているため、実使用条件で
も、流路7内は人体接触による撥水性の汚染物質8の定
着を抑えることが可能となり、長期間にわたり、流路7
内の初期の親水性は保たれ、入浴行為によって使用され
た水をこの流路7内部に保持した湿潤状態とすることも
できる。
【0035】このため、図9に示すように、ここから更
に新たな水が床パネル1表面に流され、その水が表面張
力によって、一旦、床パネル1表面に水玉を形成して
も、これらの水玉が親水状態を保持している流路7に接
触しているため、この流路7の親水能力、または流路7
内に湿潤状態で保持された水によるに誘引・導水作用と
あわせて、水玉が床パネル1表面の凸部6及び流路7に
よる凸凹の高低差によって切り裂かれ、高い部分から低
い部分に流れ込もうとする一般的な物理現象との相乗効
果によって、水玉内の水を流路7内に押し込み流れ込ま
せることができる。ちなみに床パネル1面上に、いった
ん形成された水玉を凸部6の周囲の流路7に押し込む力
は、図3に示すような凸部6に撥水性の汚染物質8が定
着し、凸部6の上面のみが水を弾きやすい状態となって
いる実使用後の方が、撥水性の汚染物質8が定着してい
ない初期状態よりも大きくなる。
【0036】滑り止めの凸部6の形状・大きさは、その
周囲を区画した流路7内に流れ込むこと無く、凸部6上
面に独立して残留することのできる水玉の水量を平均的
な浴室環境下、例えば温度15.3℃、湿度66%の環境下
において8時間程度の間に自然乾燥可能な2cc以下に
抑えられるように形成されているため、図5に示したよ
うに凸部6の上面に独立して残留する水玉が発生した場
合でも、その水を翌日まで残留させることなく乾燥させ
ることができる。
【0037】なお、床パネル1上の凸部6の上面に、そ
の周囲を区画する流路7に接触することなく留まれる水
玉の水量を2CC以下とするという状態は実質的な状態を
言い、この条件から一部逸脱する量の水が残留できる凸
部6が部分的に存在したとしても、得られる床乾燥効果
が発明の要旨を変更しない範囲であれば実質的に同一の
ものとする。
【0038】本実施例では、図5に示すように凸部6を
約5mm×約10mmの大きさとし、その間に形成され
る流路7を細かく枝別れさせ、細かい網目状に配置する
ことで流路7内を水が流れていく際に様々な経路を採れ
るようにされている。これは、流路7内の親水性が、最
悪、流路7のある部分で途切れたとしても、別の経路を
伝わって水玉の水が確実に排水される効果を生む。
【0039】また、凸部6の幅を約5mmとし、水滴一
滴の平均液滴径に近い寸法で形成することで水玉破壊の
効果を高めることができるとともに、床パネル1上に一
旦形成された水玉が高い確率で流路7に接触できるよう
になり、凸部6の上に完全に独立した水玉として存在し
にくくなるため、運悪く凸部6の上に残留してしまう可
能性のある水量を自然乾燥で乾ききるだけの範囲に制限
することができる。
【0040】本実施例の場合、上記の形状・工夫によ
り、凸部6の上面に、その周囲を区画した流路7内に流
れ込むことなく独立して残留することのできる水玉の水
量を、約0.2ccと非常に少なくしているため、万が
一、この凸部6の上に水玉が独立して残留しても、前述
した一般的な浴室環境下において、規定時間内に自然乾
燥可能な量より少量にすることで、より短時間での確実
な乾燥を実現している。
【0041】床パネル1上に繋がった状態で形成された
流路7に流れ込んだ水玉中の水は、完全に停滞している
わけではなく、親水状態の流路7内を排水勾配に沿って
ゆっくりと進行して流れ、目地9が形成されている場合
は目地9を経由し、いずれ排水口凹部4、もしくは排水
流し溝5を介して排水口3より排水される。その結果と
して床パネル1上の水玉は消滅してしまい、床パネル1
上に残留することが無い。
【0042】さらに水玉の消滅後も時間の経過とともに
床パネル1上の流路7内のトータル水量を着実に削減で
きるため、床パネル1を早期に乾燥させる事ができるの
である。つまり、上記のような構成の床パネルであれ
ば、通常入浴によって避けられない人体接触による撥水
性の汚染物質の定着が発生した場合でも、床面に残留す
る水滴を削減するのに必要な連続した流路を親水状態に
保つことができるため、残留水適を存在させること無く
乾燥させたい範囲の床面の早期乾燥効果を長期間保つこ
とができるのである。
【0043】前述のタイル張り等、本来、親水性の材料
で形成された床の場合も、その表面に同様の形状を施す
ことによって以上の説明とまったく同じ効果を得ること
ができ、長期間の使用に耐え得る耐久性を得ることがで
きるようになる。
【0044】また、本実施例のように床パネル1を分割
する目地9を形成し、この目地9に撥水性の汚染物質8
の定着を防止する特別な手段を施さない場合、厳密に言
えば、この部分で床パネル1上に形成している連続流路
7が途切れやすい状態となるが、目地部9の全てが完全
に撥水状態になることはほとんどなく、実質的には流路
7の水は目地9を経由して問題なく排水される。また、
万が一、図12に示すように目地部9のみに水が残った
場合でも目地部9は面積が小さいため、その量は少な
く、そのような状態で翌日の掃除の際に浴室に立ち入る
場合であっても目地部9の残水は目視できるため、あえ
て、その目地9を踏んで浴室内に立ち入ることはないた
め、実際には目地9の残水は問題にならず、本発明の効
果を損なうものではない。
【0045】これら親水性の流路7内に湿潤状態で捕水
された水による誘引・導水作用は水の表面張力を利用し
たものである。水は表面張力によって、その表面積を最
も小さくするべく、球状になろうとし、その結果、疎水
性の物質上では水玉となって安定する。しかし、各々の
表面張力で別々に安定して存在している複数の水玉が接
触した場合、これらが個別に水玉を形成し続けるより
も、1つにまとまった大きな水玉を形成した方がトータ
ルの表面積が小さくて済み、より安定するため、接触し
た時点でこれらの水に1つにまとまろうとする力が発生
する。この力は各々の水が持つ表面張力によるものであ
るが、これによって他に外的な力が働いていない停滞状
態の水玉でも、その他の水玉や水分と接触した瞬間に水
自身が持つ表面張力によって動こうとする動力を得るこ
とができるのである。本発明では通常の床と同様の排水
勾配による重力排水方式に加え、親水性を保持した流路
7内に捕水した水と、新たに床表面で水玉を形成した残
水とを接触させることで、これら2つの水の表面張力に
よって発生する力を流路7内への誘引・導水力として利
用して水玉を破壊し排水させる排水方式も利用しながら
単独で残留する水玉を削減し床表面の乾燥時間を短縮し
ているのである。
【0046】また、流路7の内部が撥水性の汚染物質8
によって万が一、部分的に撥水状態になったとしても、
実際に水玉に触れている流路7と床パネル1の水下部分
とが、いずれかの経路の親水状態を保持した流路7で繋
がっているのであれば、水玉の水はその経路を伝わって
流れ、排水されてしまうため、本発明の効果を損なうも
のではない。
【0047】また、図1の実施例で説明したように床パ
ネル1の洗い場面の全範囲を親水化して残留水滴を削減
し、全体を早期乾燥させることはもちろんのこと、翌日
の浴槽2の掃除などのメンテナンス時に浴室内へ入室す
る際などに足を濡らさないという本来の目的を達成させ
るためには、図11に示したように入室のアプローチ経
路を確保するための出入り口近傍の床パネル面と浴槽2
の清掃の作業スペースを確保するための浴槽2長手近傍
のエリアの部分の床パネル面のみに、前述したような水
滴削減効果を長期にわたって確保できる工夫を施せば、
最低限の目的は達成できることとなる。
【0048】また、本発明の床構造は床パネル1表面に
施された凸部6の間に連続した流路7を形成し、その流
路7の底面に通常入浴において人体接触がないように形
成しているため、湿潤時のノンスリップ性を効果的に高
めることも出来る。
【0049】浴室の床など湿潤状態で使用される床にお
いて滑りが発生する主原因は床表面と足の裏との間に挟
み込まれた水が、うまく排水されず、薄い水膜となって
足の裏と床との直接接触を妨げるためである。つまり、
足の裏と床との間に水膜が形成されてしまうと、実際、
足は床の上を滑っているのではなく、水膜の上を滑って
いることになる。この水膜の形成を抑え、いかなる場合
でも床と足の裏の直接接触を確保することが出来れば、
床の表面の凸凹を悪戯に大きくして機械的な摩擦力(引
っ掛かり力)を高めなくとも実使用上十分なノンスリッ
プ性を得ることができる。
【0050】従来の床に見られるように連続流路が形成
されていない岩肌調などのランダムな凸凹形状では機械
的な摩擦力はある程度あるものの、各々の凹部が独立し
ているため、足の裏と床面との間に挟み込まれた水分が
効率的に抜けていく連続した流路がなく、凸凹をかなり
大きくしないと水膜の発生を抑えられなかった。また、
悪戯に凸凹を大きくすると、肌触りが悪くなることに加
え、清掃性も悪化してしまうこととなり、ある程度、妥
協した性能しか得ることが出来なかった。
【0051】また、岩肌のような独立した凹部を形成す
るのではなく、単に連続した流路を目地状に形成した床
においても、通常入浴時にその流路の底面まで簡単に人
体接触が及ぶものであった場合、足で踏みつけた場合、
人体接触によって流路そのものが閉塞され、水膜の形成
を抑えるための排水経路を確保することが出来なくなる
ため、足の裏と床表面との間に水が閉じ込められ、それ
によって水膜が形成されることで、ノンスリップ性を高
めることが出来ないものになっていた。
【0052】本発明の床パネル1は床パネル表面に凸部
6を設け、それら複数の凸部6の間に連続した流路7を
通常入浴において流路7底面に人体接触のないように形
成するとともに、床パネル1上に残留した水玉が、その
流路7に触れることなく独立して存在できる水玉の水量
を2cc以下に抑えられるような細かい間隔で配置して
いるため、図13、図14で示したとおり、たとえ小さ
な子供の足裏の踵部分に相当するような狭い面積、例え
ば10平方cm程度の面積であっても、足裏によって踏
みつけられた床パネル1面上に確実に排水のための連続
した流路7が存在でき、あわせて流路7が通常入浴にお
いて人体接触のないように形成されているため、足の裏
の人体接触によって流路7そのものが閉塞されてしま
い、床パネル1との間に挟み込まれた水が抜けなくなる
ことがないため、湿潤状態で入浴し、床パネル1面上を
足で踏みつけ、足の裏と床パネル1上面との間に水を挟
み込みそうになっても、図14に示す、足の裏と流路7
底面との間に確保されている流路空間11を通じて効果
的に排水させることができるため、足の裏面と床パネル
1表面との間に水膜が形成されず、凸凹形状の機械的な
摩擦力に頼ることなしに、また肌触りや清掃性をも悪化
させることなしに、湿潤時のノンスリップ性を高めるこ
とができる。
【0053】また、このような人体接触のない流路7を
持った床パネル1では撥水性の付着物8の流路7内への
定着を抑えることができると同時に、前記流路7内を親
水状態にするために親水塗装を含む親水コーティング材
の塗布等の手法を採用した場合に、この耐久性を大幅に
向上させることができる。
【0054】親水塗装やコーティングは比較的安価に簡
単に撥水性の材質を親水化する手法として知られてい
る。例えば微細な二酸化珪素粒子などの親水成分をメタ
ノールなどの分散媒を用いて分散させて含有させたコロ
イダルシリカ溶液などは撥水性の素材に塗ることで、そ
の素材を簡単に親水状態とすることができ、浴室用の鏡
のくもり止めなどに使用されているが、これらは一般的
に頑強な膜強度や付着力を持っていないため、長期間に
わたって摩擦力の働く床パネル面などに使用した場合、
耐久性に難が有った。
【0055】これらコーティング材などが剥がれ落ちる
原因として、毎日の使用による人体接触での摩擦の影響
があげられる。すなわち、浴室の床面に使用した場合、
実使用に伴って、主に足の裏で毎日少しずつ擦り取られ
ることで、ついには剥げ落ちてしまって、その効果を無
くしてしまうのである。
【0056】本発明における床パネル1の上に形成され
た人体の接触がない流路7であれば、少なくとも人体接
触によって流路7内のこれらコーティングが擦り取ら
れ、剥げ落ちる危険性が飛躍的に少なくなるため、長期
間、流路7内の親水状態を保つことができる。なお、人
体接触の避けられない凸部6の上面は、その効果を得る
ことができないが、そもそも人体接触のある部分は初期
に親水状態であったとしても、実使用に伴う撥水性の付
着物8の定着によって撥水状態となってしまうため、流
路7内さえ親水状態を長期間保つことができるのであれ
ば、前述した水玉削減効果が十分発揮され、床パネル1
の乾燥性能に影響を与えることはない。これによって、
従来の親水塗装や親水コーティングの耐久性を実使用上
問題ないレベルに引き上げることができ、比較的安易か
つ安価に早期乾燥性能を長期間発揮することが可能な床
パネル1を製作することができる。
【0057】
【発明の効果】以上に説明した如く、本発明によれば、
浴室用床パネルの表面に、滑り止め用の凸部と、この凸
部との間に排水口あるいは排水補助用の流し溝、あるい
は目地に連続した流路をその底面まで通常入浴において
人体接触がないように形成し、凸部が形成された床部分
を親水化しているため、床面上の水を平たく水膜状にし
て流れやすくできるとともに、入浴に伴って定着する撥
水性の汚れの影響を低減でき、どのような親水手法を用
いた浴室用床パネルであっても、長期間、その親水・早
期乾燥効果を保つことが可能となる。
【0058】また、本発明によれば、浴室用床パネルの
表面に、滑り止め用の凸部と、この凸部との間に排水口
あるいは排水補助用の流し溝、あるいは目地に連続した
流路をその底面まで通常入浴において人体接触がないよ
うに形成し、凸部が形成された床部分の流路内を親水化
しているため、入浴に伴って流路内に定着する撥水性の
汚れの影響を低減でき、長期間床パネル面の水滴削減効
果・早期乾燥効果を保つことができる。
【0059】また、あわせて、床パネル表面の滑り止め
用の凸部は、その上部に周囲を区画する流路に触れるこ
となく独立して残留できる水玉の水量を2cc以下とな
るように形成されているため、入浴に伴なって撥水性の
汚染物質が凸部の上面に定着して、その部分が撥水に至
った場合でも、凸部上に独立して残留してしまう可能性
のある水量を一般的な浴室環境下の中で規定時間内に十
分乾燥可能な量に制限することができ、長期間に渡って
床パネル面の早期乾燥性能を確実に保証できる。
【0060】また、浴室用床パネルの表面に、滑り止め
用の凸部と、この凸部との間に排水口、あるいは排水補
助用の流し溝もしくは目地に連続した流路を、その底面
に通常入浴において人体接触がないように形成し、あわ
せて、床パネル表面の滑り止め用の凸部の上に凸部の周
囲を区画する前記流路に触れることなく独立して残留で
きる水玉の水量を2cc以下となるような細かいピッチ
で配置しているため、床パネル面を湿潤状態で使用して
も、足裏によって踏みつけられた流路が足の裏の人体接
触によって閉塞されることがなく、確実に確保されてい
る足の裏と流路の隙間の流路空間から水を効率的に排水
することができるため、足の滑りを誘発する足の裏と床
パネル面との間の水膜の形成を防止でき、これによって
湿潤状態で使用しても滑りにくい床パネル面とすること
ができる。
【0061】また、浴室用床パネルの表面に、滑り止め
用の凸部と、この凸部との間に排水口、あるいは排水補
助用の流し溝あるいは目地に連続した流路を、その底面
に通常入浴において人体接触がないように形成している
ため、床パネル面の流路内に親水性を付加する手法とし
て親水塗装や親水コーティングなど一般的に人体接触な
どの摩擦によって剥がれ落ちやすく耐久性の低い手法を
用いた場合でも、その耐久性を高めることができ、流路
内の親水性を長期間保持でき、比較的安易かつ安価に早
期乾燥効果を持った床パネルを製作することが可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る浴室用床パネルの平面図
【図2】同床パネルの拡大平面図
【図3】同床パネルの通常入浴後の拡大斜視図
【図4】図3のA−A断面図
【図5】同床パネルの拡大詳細図
【図6】同床パネルの流路断面形状詳細図
【図7】同床パネルの流路断面形状詳細図
【図8】同床パネルの流路断面形状詳細図
【図9】同床パネル上の排水作用を示す見取り図
【図10】本発明の他実施例の床面凸部形状を示す平面
【図11】実用上、最低必要な床面乾燥エリアを示した
平面図
【図12】目地に水が溜まった場合の本実施例の使用後
の残水状態を示した平面図
【図13】本発明の床パネルを湿潤状態で踏みつけた状
態を示す図
【図14】図13のB部拡大図
【図15】従来技術での残水の状態を示す平面図
【符号の説明】 1 床パネル 2 浴槽 3 排水口 4 排水口凹部 5 排水流し溝 6 滑り止め用凸部 7 流路 8 撥水性汚染物質 9 目地 10 建具 11 流路空間 W 流路幅 D 流路深さ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴室の床面を形成する床パネルの上面の
    少なくとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長手方向
    に沿う近傍における前記床パネルの上面に、滑り止め用
    の凸形状部と、この凸形状部との間に排水口あるいは排
    水補助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形状部が
    形成された床部分を親水化した床パネルにおいて、前記
    流路の底面に通常入浴時に人体が接触しないように形成
    されていることを特徴とする床パネル。
  2. 【請求項2】 浴室の床面を形成する床パネルの上面の
    少なくとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長手方向
    に沿う近傍における前記床パネルの上面に、滑り止め用
    の凸形状部と、この凸形状部との間に排水口あるいは排
    水補助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形状部が
    形成された床部分の前記流路内を親水化した床パネルに
    おいて、前記流路の底面に通常入浴時に人体が接触しな
    いように形成されていることを特徴とする床パネル。
  3. 【請求項3】 浴室の床面を形成する床パネルの上面が
    目地で分割され、この目地で分割された前記床パネルの
    上面の少なくとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長
    手方向に沿う近傍における前記床パネルの上面に、滑り
    止め用の凸形状部と、この凸形状部との間に排水口ある
    いは排水補助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形
    状部が形成された床部分を親水化した床パネルにおい
    て、前記流路の底面に通常入浴時に人体が接触しないよ
    うに形成されていることを特徴とする床パネル。
  4. 【請求項4】 浴室の床面を形成する床パネルの上面が
    目地で分割され、この目地で分割された前記床パネルの
    上面の少なくとも浴室の出入り口部の近傍、及び浴槽長
    手方向に沿う近傍における前記床パネルの上面に、滑り
    止め用の凸形状部と、この凸形状部との間に排水口ある
    いは排水補助用の溝に連続した流路を形成し、前記凸形
    状部が形成された床部分の前記流路内を親水化した床パ
    ネルにおいて、前記流路の底面に通常入浴時に人体が接
    触しないように形成されていることを特徴とする床パネ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記請求項2又は請求項4に記載の床パ
    ネルにおいて、凸形状が施された床部分の前記凸形状部
    間に形成された流路内を親水化させる手法は、親水性塗
    料の塗装を含む親水剤のコーティングによるものである
    ことを特徴とする浴室用床パネル。
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