JP2004161902A - 架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 - Google Patents

架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体 Download PDF

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克典 高橋
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Abstract

【課題】力学特性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供する。
【解決手段】ポリオレフィン系樹脂、架橋助剤、熱分解型発泡剤、および、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶化剤を配合して成るポリオレフィン系樹脂組成物から成る成形体に、電離性放射線を照射して得られる架橋体を加熱して、前記熱分解型発泡剤を熱分解させることにより得られる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は高い力学特性を有し、さらに、相溶化剤が、1分子鎖中に1個以上の極性基を有する低分子量ポリオレフィンから成る場合はより高い力学特性を有す。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体、特に、高い力学特性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に関する。
【0002】
【従来の技術】
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、その優れた耐熱性、断熱性のため、断熱材や雑貨として広く使用されており、さらに最近では、車両用内装材等として利用されることが多い。これらの用途に用いられる場合、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、その用途に応じた形状に加工するために、延伸や圧縮などの変形を受けることが多い。例えば、車両用内装材に用いられる場合は、車両天井部やドアパネル部等の形状に追従するように、真空成形やスタンピング成形などの成形法により成形されるが、このとき用いられる架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は延伸や圧縮などの極めて大きな変形を伴う。
【0003】
架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を加工して用いる場合には、発泡体の力学特性(伸び、抗張力等)が不十分であると、加工時に発泡体の破れ、シワ等が発生する問題が生じる。この問題を解決するには、発泡体の力学特性を向上させることが必須であり、そのための手段として、予めポリオレフィン系樹脂組成物を通常はシート状に成形した後、架橋させるとともにその架橋度を高めることが一般的に行われている。
【0004】
ポリオレフィン系樹脂組成物は、架橋体とすることを目的として電離性放射線を照射して用いられることが多く、このとき、ジビニルベンゼン等のビニル性二重結合を2個以上有するいわゆる多官能性の化合物を添加すると、架橋を促進する作用を有すること、すなわち架橋助剤として作用することが確認されている(例えば、特許文献1参照。)。そのため、ポリオレフィン系樹脂組成物の架橋度を高めるための手段として、照射する電離性放射線の照射線量を増やしたり、添加する上記化合物(架橋助剤)の量を増やしたりする方法等が挙げられる。
【0005】
しかし、電離性放射線の照射線量を増やすと、照射によるオレフィン鎖の切断が起こりやすくなるため、増やしすぎると、却って架橋度が低下してしまう場合もあり、照射線量の増加には限界がある。
【0006】
一方、ジビニルベンゼン等の架橋助剤として用いられる物質は、通常、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が極めて悪い。架橋助剤の量が多すぎると、樹脂組成物からブリードアウトしてしまうため、架橋助剤の添加量にも限界がある。そのうえ、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶性の悪さから、架橋助剤の樹脂組成物中での分散は均一でないことがあり、架橋助剤の添加量の割には、効果を十分に発揮できていないのが実情である。
【0007】
また、ポリオレフィン系樹脂組成物の架橋度を高めすぎると、発泡性が悪くなり、均一な発泡体が得られなかったり、十分な発泡倍率が出なかったりする。言い換えると、ポリオレフィン系樹脂組成物を発泡体原料として用いる場合には、適切な架橋度の範囲が存在し、その範囲を超えて架橋度を高めることは良くない。
【0008】
上述のように、ポリオレフィン系樹脂組成物の架橋度を上げることで、発泡体の力学特性を高めるという方法には限界があり、得られる発泡体の力学特性が十分でない場合があった。
【特許文献1】
特開平7−173317号公報
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上述した架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に関する従来技術の現状に鑑み、力学特性に優れた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂、架橋助剤、熱分解型発泡剤、および、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶化剤を配合して成るポリオレフィン系樹脂組成物から成る成形体に、電離性放射線を照射して得られる架橋体を加熱して、前記熱分解型発泡剤を熱分解させることにより得られる発泡体であることを特徴とする。
【0011】
さらに、本発明に係る架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、上述の相溶化剤が、1分子鎖中に1個以上の極性基を有する低分子量ポリオレフィンから成ることを特徴とする。
【0012】
以下、本発明の詳細を説明する。
本発明で使用されるポリオレフィン系樹脂には、ポリプロピレン系樹脂や、高密度ポリエチレン、中密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、超低密度ポリエチレン、直鎖状低密度ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等のポリエチレン系樹脂の他、オレフィン系エラストマー、スチレン系エラストマー等が例示され、これらは単独で用いても2種類以上併用してもよい。
【0013】
これらのポリオレフィン系樹脂のうちポリプロピレン系樹脂は、得られる発泡体の耐熱性が高くなる点で好ましく、スタンピング成形などに必要となる高温(150℃)での引張強度(伸び、抗張力等)を高めることができるので、このような成形法が適用される発泡体を得る際に、好適に用いられる。
【0014】
また、上記ポリエチレン系樹脂のうち、直鎖状低密度ポリエチレンは、得られる発泡体の柔軟性を保ち、かつ、ポリプロピレン系樹脂と併用した場合にも、ポリプロピレン系樹脂が発現する耐熱性を損なわないといった理由で好ましい。
【0015】
本発明におけるポリオレフィン系樹脂組成物は、シート等の成形体に成形した後、電離性放射線の照射により分子上にラジカルを発生させることにより架橋させる。電離性放射線としては、α線、β線、γ線、電子線等を挙げることができ、通常、0.1〜10Mradの照射線量で照射され、0.2〜5Mradの範囲が好ましい。照射線量が少ないと、組成物の発泡時に必要な粘度が不足するため良好な発泡体が得られず、逆に多すぎると組成物の流動性が不足するため発泡体の倍率が低いものとなる。
また、電離性放射線の種類は、生産性、効率等の点で電子線が好ましく用いられる。
【0016】
本発明においては、電離性放射線の照射によるポリオレフィン系樹脂組成物の架橋を促進するために、架橋助剤としていわゆる多官能性の化合物を添加して用いる。架橋助剤を添加することにより、低線量の照射で効果的に架橋を行うことが可能であり、また、電離性放射線の照射に伴う分子鎖の切断、樹脂の劣化を抑制する効果が得られる。
【0017】
架橋助剤としては、一般に使用されている多官能性の化合物すなわち、ビニル性二重結合を2個以上有する化合物や、置換し得る水素もしくは酸素原子などを有する2個以上の反応性原子団を有する化合物が挙げられる。
例えば、ジビニルベンゼン、トリメチロールプロパントリメタクリレート、1,9−ノナンジオールジメタクリレート、1,10−デカンジオールジメタクリレート、トリメリット酸トリアリルエステル、トリアリルイソシアヌレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸トリアリルエステル、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、フタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル等が挙げられ、これらは単独で使用しても2種以上併用してもよい。
【0018】
これら架橋助剤の添加量は、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.3〜6重量部がより好ましい。架橋助剤の添加量が0.1重量部未満では、所望の架橋度が得られず、また、10重量部を越えると、架橋度の制御が困難になり得られる発泡体の外観が悪くなる傾向がある。
【0019】
本発明においては、上記ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤として用いる上記多官能性の化合物との相溶性を高めるために、相溶化剤を配合する。相溶化剤としては分子中にいわゆる極性基を有するものが用いられる。ここで、いわゆる極性基としては、ハロゲン、水酸基、アミノ基、ニトロ基、カルボキシル基、ホルミル基、アルコキシ基、エステル基、ニトリル基等が挙げられる。
【0020】
具体的には、上記相溶化剤としては1分子鎖中に1個以上の極性基を有する低分子量ポリオレフィンが好ましく用いられる。
これらの極性基は、低分子量ポリオレフィンの末端に位置していても良く、側鎖に位置していても良く、主鎖中に割り込んでいても良く、言い換えると、分子鎖中のどの部分に位置していても良い。また、これらの極性基は低分子量ポリオレフィン中に、異なる種類のものが含まれていても構わないし、同じ種類のもののみが含まれていても差し支えない。
【0021】
相溶化剤である極性基を有する低分子量ポリオレフィンは、直鎖状でも良いし、枝分かれを有していても何ら問題はない。低分子量ポリオレフィンの炭素数は、50〜1000であることが好ましく、100〜500であることがより好ましい。炭素数が50未満の場合は、ポリオレフィン系樹脂との十分な相溶性を得ることが困難になり、炭素数1000を越える場合には、ポリオレフィン系樹脂組成物の抗張力や伸び等が低下してしまう可能性がある。
【0022】
また、低分子量ポリオレフィンにおける極性基の数は、1分子鎖中に1個以上が好ましく、より好ましくは1〜5個であり、かつ、炭素数50につき0.1〜5個が好ましく、0.2〜3個がより好ましい。極性基数が1分子鎖中に1個未満の場合は、架橋助剤である多官能性の化合物との十分な相溶が得難く、逆に、極性基数が1分子鎖中に5個を越える場合は、ポリオレフィン系樹脂との相溶性が悪くなる。
【0023】
これらの極性基を有する低分子量ポリオレフィンを相溶化剤として配合する場合、異なる種類のものを併用しても構わないし、単一種類のものを用いても構わない。これらの相溶化剤の配合量は、上記ポリオレフィン系樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部が好ましく、0.5〜3重量部がより好ましい。相溶化剤の添加量が0.1重量部未満の場合、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との十分な相溶性を得ることが困難である。また、相溶化剤の配合量が10重量部を越えても、所望の相溶性が悪くなることはないが、電離性放射線照射を経て最終的に得られる発泡体の力学特性に悪影響を及ぼす場合がある。
【0024】
本発明に用いられる熱分解型発泡剤とは、加熱により分解ガスを発生する化合物であり、具体的には、アゾジカルボンアミド、ベンゼンスルホニルヒドラジド、ジニトロソペンタメチレンテトラミン、トルエンスルホニルヒドラジド、4,4−オキシビス(ベンゼンスルホニルヒドラジド)等が例示される。これらは単独で用いられてもよいし、併用されてもよい。
熱分解型発泡剤の配合量は、ポリオレフィン系樹脂組成物100重量部に対して、通常、1〜50重量部の範囲とされる。この範囲内で、所望の発泡倍率(密度の逆数で定義する)に応じて適宜の量が選択され、好ましくは4〜25重量部とされる。
【0025】
ポリオレフィン系樹脂組成物には、目的とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体の物性を損なわない範囲で、炭酸カルシウム、タルク、クレー、酸化マグネシウム等の気泡形成剤;フェノール系、リン系、アミン系、イオウ系等の酸化防止剤;金属害防止剤;ヘキサブロモビフェニルエーテル、デカブロモジフェニルエーテル等のハロゲン化難燃剤;ポリリン酸アンモニウム、トリメチルフォスフェート等の難燃剤の他、充填剤、帯電防止剤、安定剤、顔料等が添加されてもよい。
【0026】
上記樹脂組成物を得る方法としては、公知の任意の方法が採用されてよく、例えば、単軸押出機、二軸押出機、バンバリーミキサー、ロールミル等の汎用混練装置を用いて、発泡剤の分解温度よりも低い温度で、ポリオレフィン系樹脂、架橋助剤、熱分解型発泡剤、相溶化剤及び上記各種の任意成分を溶融混練するのである。次いで、一般に、所定の形状(通常はシート状)に成形し、この成形物に例えば電子線を照射し架橋させた後、この架橋体を上記発泡剤の分解温度以上に加熱して発泡剤を熱分解させて、発泡体を得る。
【0027】
一般に架橋樹脂における架橋の度合いを表わす指標として、種々のものが知られているが、本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体については、溶剤不溶割合を意味するゲル分率が採用される。具体的には、発泡体約100mgを採取して試料重量W1mgを測定し、次に、120℃のキシレン30ml中に浸漬して24時間放置した後、200メッシュの金網で濾過し、金網上の不溶物の乾燥重量W2mgを測定し、以下の式により算出される値をゲル分率とする。
ゲル分率(重量%)=(W2 /W1 )×100
【0028】
(作用)
本発明においては、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶化剤を用いるので、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶性が改善され、架橋助剤のポリオレフィン系樹脂組成物からのブリードアウトが抑制されるため、添加可能な架橋助剤の量が増加する。このことにより電離性放射線照射による架橋効率をさらに高めることが可能となるため、低い電離性放射線照射量でより高い架橋度のポリオレフィン系樹脂組成物から成る架橋体を得ることができる。また、電離性放射線照射による樹脂の劣化も抑制できる。
【0029】
また、ポリオレフィン系樹脂組成物における架橋助剤の分散が均一であるため、電離性放射線照射により得られる架橋構造も従来と比較してより均一になる。以上のことから、架橋体の力学特性、ひいては発泡体の力学特性はより優れたものとなる。
【0030】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
【0031】
(実施例1)
メルトインデックス値(以下、MI値と称す)が4であるランダムポリプロピレン(密度0.91g/cm)60重量部、MI値が2.1である直鎖状低密度ポリエチレン(密度0.92g/cm)40重量部の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン3重量部、相溶化剤として低分子量ポリオレフィン系ポリオール「ポリテールH」(炭素数150〜200、水酸基2個、三菱化成株式会社製)1重量部、熱分解型発泡剤としてアゾジカルボンアミド13重量部、酸化防止剤として2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.3重量部及びジラウリルチオプロピオネート0.3重量部、並びに金属害防止剤としてメチルベンゾトリアゾール0.5重量部を単軸押出機「PCM−30」(池貝鉄工社製)に供給し、温度185℃で溶融混練して押出し、厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0032】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を1.0Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、得られた発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを縦型熱風発泡炉に供給し、炉内温度250℃、進入速度1.7m/秒、巻取速度6.2m/秒で連続的に延伸して加熱発泡させて架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、密度0.055g/cm(発泡倍率18.1cm/g)の外観良好なものであった。
【0033】
(実施例2)
実施例1と同じ樹脂の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン4重量部、相溶化剤として低分子量ポリオレフィン系ポリオール「ポリテールH」1重量部、その他の添加剤を実施例1と同じく添加し、実施例1と同様の方法で厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0034】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を0.8Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、実施例1と同様の方法で架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、密度0.056g/cm(発泡倍率17.9cm/g)の外観良好なものであった。
【0035】
(実施例3)
実施例1と同じ樹脂の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン5重量部、相溶化剤として低分子量ポリオレフィン系ポリオール「ポリテールH」2重量部、その他の添加剤を実施例1と同じく添加し、実施例1と同様の方法で厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0036】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を0.6Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、実施例1と同様の方法で架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、密度0.057g/cm(発泡倍率17.5cm/g)の外観良好なものであった。
【0037】
(比較例1)
実施例1と同じ樹脂の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン3重量部、その他の添加剤を実施例1と同じく添加し(相溶化剤は用いず)、実施例1と同様の方法で厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0038】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を1.5Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、実施例1と同様の方法で架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、密度0.054g/cm(発泡倍率18.5cm/g)の外観良好なものであった。
【0039】
(比較例2)
実施例1と同じ樹脂の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン4重量部、その他の添加剤を実施例1と同じく添加し(相溶化剤は用いず)、実施例1と同様の方法で厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0040】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を1.3Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、実施例1と同様の方法で架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体には、キズ、ヨゴレ、異常気泡などが存在し、均一な発泡体では無かった。
【0041】
(比較例3)
実施例1と同じ樹脂の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン5重量部、その他の添加剤を実施例1と同じく添加し(相溶化剤は用いず)、実施例1と同様の方法で厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
【0042】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を1.0Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、実施例1と同様の方法で架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体には、キズ、ヨゴレ、異常気泡などが存在し、均一な発泡体では無かった。
【0043】
(比較例4)
実施例1と同じ樹脂の合計100重量部に対し、架橋助剤としてジビニルベンゼン3重量部、1−オクタノール(炭素数8、水酸基1個、和光純薬社製)2重量部、その他の添加剤を実施例1と同じく添加し、実施例1と同様の方法で厚さ1mmの発泡性ポリオレフィン系樹脂シートを得た。
なお、1−オクタノールは、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶性を実質的に改善するものではなかった。
【0044】
この発泡性ポリオレフィン系樹脂シートに、加速電圧700kVで電子線を1.5Mrad照射して架橋させ、発泡性ポリオレフィン系樹脂架橋シートを得、実施例1と同様の方法で架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を得た。得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体には、キズ、ヨゴレ、異常気泡などが存在し、均一な発泡体では無かった。
【0045】
実施例1〜3、及び、比較例1〜4において、配合、電子線照射条件の異なる点をまとめて表1に示した。
【0046】
また、発泡性ポリオレフィン系樹脂シートの作成1日後のシートからの架橋助剤(ジビニルベンゼン)のブリードアウト性を調べた結果、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体のゲル分率を測定した結果、並びに、架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を用いて、常温(23℃)、及び、150℃雰囲気下で引張試験を行った結果を表1に示す。なお、引張試験は、JIS K6767(A法)に準拠して行った。
【0047】
比較例2〜4で得られた架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体に関しては、密度測定、ゲル分率測定、及び、引張試験は行っていない。これは、上述のごとく、均一な発泡体が得られなかったためである。
【0048】
【表1】
Figure 2004161902
【0049】
【発明の効果】
本発明の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体は、ポリオレフィン系樹脂、架橋助剤、熱分解型発泡剤、および、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶化剤を配合して成るポリオレフィン系樹脂組成物から成る成形体に、電離性放射線を照射して得られる架橋体を加熱して、前記熱分解型発泡剤を熱分解させることにより得られるものであるので、従来と比較してより高い力学特性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体を提供することが可能である。
【0050】
さらに、上記相溶化剤が、1分子鎖中に1個以上の極性基を有する低分子量ポリオレフィンである場合は、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶化が良好であり、より高い力学特性を有する架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体となる。

Claims (2)

  1. ポリオレフィン系樹脂、架橋助剤、熱分解型発泡剤、および、ポリオレフィン系樹脂と架橋助剤との相溶化剤を配合して成るポリオレフィン系樹脂組成物から成る成形体に、電離性放射線を照射して得られる架橋体を加熱して、前記熱分解型発泡剤を熱分解させることにより得られる発泡体であることを特徴とする架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
  2. 相溶化剤が、1分子鎖中に1個以上の極性基を有する低分子量ポリオレフィンから成ることを特徴とする請求項1記載の架橋ポリオレフィン系樹脂発泡体。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2009507123A (ja) * 2005-09-06 2009-02-19 ヨンボ ケミカル カンパニー, リミテッド 電子線架橋熱可塑性オレフィン系エラストマーフォームを製造するための組成物及びこれを用いた電子線架橋熱可塑性オレフィン系エラストマーフォームの製造方法
CN104558806A (zh) * 2015-01-17 2015-04-29 中利科技集团股份有限公司 一种陶瓷化聚烯烃电缆料及其制备方法

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