JP2004161575A - 多結晶シリコンインゴット及び部材の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】鋳造後に鋳型より取り出して常温保持し、その後1300℃程度の温度に加熱して数時間保持し、その後遅い冷却速度で冷却すると、加工時のヒビや欠け等の発生がなく、またX線による内部クラックの確認でもクラックの発生がなくなる。
【選択図】 なし
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、電極、サポートリングあるいはプラズマエッチング装置等の部品並びにその母材たるインゴットの製造方法の改良に係り、鋳造後に鋳型外で一旦常温保持されたインゴットを、所定時間の高温保持し、さらにその高温度から所定の微速冷却を行った後、機械加工することにより、機械加工時の割れを防止し、また前記用途で使用中に発生していた割れ等を防止できる多結晶シリコンインゴット及び多結晶シリコン部材の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
多結晶シリコン半導体材料は、太陽電池の基板材料や各種電極材料、サポートリングあるいはプラズマエッチング装置の部材などに多用されている。
【0003】
多結晶シリコン半導体は、石英製のルツボに原材料である固体の多結晶シリコンを充填し、これを加熱して融解させた後、溶融多結晶シリコンを、黒鉛製のルツボなどの鋳型に流し込んで凝固させ、所要形状のインゴットとなす鋳造法で製造される。
【0004】
また他に、真空中又は不活性ガス中において、石英製のルツボにて多結晶シリコンを融解させた後、該ルツボより直接鋳型となる黒鉛製のルツボに溶融シリコンを流し込み凝固させる半連続鋳造法によってインゴットを製造する。
【0005】
さらに、真空中において、石英製のルツボ内に融解したシリコンを、水冷された鋼板をルツボの冷却に用いるなどの熱交換法を用いて、前記ルツボ内で直接凝固させてインゴットを製造する方法もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上記のいずれの鋳造法においても、凝固後にそのまま冷却すると多結晶シリコンインゴットに大きな残留応力が発生し、割れ、ヒビなどが発生する問題があった。そこで従来は、凝固完了後に当該鋳造炉内で1200℃〜1400℃の高温に保持する、いわゆる炉内アニールを施していた。この熱処理により、鋳型からの取り出し時の外表面に割れ、ヒビが発生するのを低減することが可能となった。
【0007】
しかし一方、鋳型からの取り出されたインゴットに対して、ブロックや所要形状部材への切断や研削といった機械加工を施すが、この工程中に前記残留応力によるヒビや欠けなどの破損、あるいは切断面からインゴット全体に大きな割れが走ったり、切断面より小さなヒビが多発するなどの損傷が発生して、加工歩留まりが大きく低下する問題があった。
【0008】
例えばインゴットから最終製品の電極部材などを加工する途中で、一旦最終製品より若干大きめのブロックに粗加工する際に、当該切断面にヒビが頻繁に発生すると、そのまま最終製品への微細加工を施して良いか否かが不明であるため、ヒビが浅いことを確認するためにヒビの面を再度薄く切断するなどの余分な切断工程が必要となる。特に、多結晶インゴットの大きさがφ200mm以上かつ高さが200mm以上の大きなインゴットで前記の問題が生じていた。
【0009】
また、目視等では発見できない多結晶シリコンインゴットやブロック内部のクラック等により、作製された部品の機械的強度が著しく低下し、目的用途たるターゲットやプラズマエッチャーの電極として使用した場合、当該用途で使用中に割れが発生するという問題もあった。
【0010】
そこで、前記使用時の割れの発生を防止するため、機械加工後の製品に熱処理を施す方法が採られる。しかし、製品での熱処理は、表面の不純物の拡散や酸化膜の生成により品質が劣化するため、この処理環境の清浄度を著しく高くする必要や、酸などによるエッチング等の後処理が必要となる。また、前記熱処理中に残留応力が緩和されることにより、製品が変形する等の問題があった。
【0011】
この発明は、鋳造法による多結晶シリコンインゴットより機械加工されて多結晶シリコンブロックに機械加工する際、あるいは多結晶シリコンブロックより機械加工して所要形態の部材になす場合等、機械加工する際にインゴット又はブロックに割れ、ヒビ、欠けや内部クラックを発生させることがない多結晶シリコンインゴット及び部材の製造方法の提供を目的としている。
【0012】
【課題を解決するための手段】
発明者らは、機械加工時の割れ、ヒビ、欠けや内部クラックを防止するため、インゴットを熱処理することに着目して種々検討した結果、鋳造後に鋳型より取り出して保持し、その後1300℃程度の温度に加熱して数時間保持し、さらに遅い冷却速度で冷却すると、加工時の割れ、ヒビ、欠けや内部クラック等の発生がなくなることを知見した。
【0013】
また、発明者らは、前記のインゴットを熱処理する方法は、インゴットからブロックに加工された材料に施すことでも有効であり、該ブロックに熱処理を施すことで、例えばさらに電極部材やターゲットへの加工中にヒビや内部クラックが発生することなく、また得られた電極部材やターゲットの使用中に割れなどの発生することがないことを知見し、この発明を完成した。
【0014】
すなわち、この発明は、多結晶シリコンをインゴットに鋳造する工程、鋳造後のインゴットを鋳型より取り出し保持する工程、1000〜1400℃に昇温した後に冷却する熱処理工程とを有することを特徴とする多結晶シリコンインゴットの製造方法である。
【0015】
また、この発明は、鋳造された多結晶シリコンインゴットをシリコンブロックに機械加工する工程、シリコンブロックを1000〜1400℃に昇温した後に冷却する熱処理工程と、熱処理後に所望形状部材に機械加工する工程とを有することを特徴とする多結晶シリコン部材の製造方法である。
【0016】
この発明の製造方法において、熱処理工程は、
1000〜1400℃に昇温して1時間以上保持した後に平均4℃/min以下の速度で400℃まで冷却する工程、
1000〜1400℃に昇温して3時間以上保持した後に平均4℃/min以下の速度で200℃まで冷却する工程、
1200〜1400℃に昇温して3時間以上保持した後に平均2℃/min以下の速度で200℃まで冷却する工程である、昇温し高温保持し後に微速冷却する工程を含む方法、あるいは昇温速度を1℃/min〜10℃/minで1250〜1350℃の熱処理温度へ昇温する工程を含む方法を併せて提案する。
【0017】
【発明の実施の形態】
多結晶シリコンインゴットを鋳型に入れたまま熱処理し、処理温度を1400℃を超える温度で処理した場合は、インゴットの自重による変形と残留応力の発生で加工時のヒビや内部クラックが発生する。
【0018】
そこで、発明者らは、種々検討した結果、インゴットを鋳型から取り出して保持した状態で熱処理すると、外周を拘束せずに熱処理でき、かつ鋳型に拘束されていた際の相互の熱膨張係数差による応力が発生せず、インゴットの残留応力を低減でき、また後工程の加工時のヒビや内部クラックの発生がなくなることを知見した。さらに発明者らは、残留応力をインゴット全体に対して緩和できる適正な処理温度条件を追求した。
【0019】
まず、発明者らは、応力緩和処理温度について、シリコンの性質上、融点の約60%で脆性変形から塑性変形の変位点があることに着目し、800℃〜1350℃で処理を施して試験した結果、800℃〜l000℃では処理時間に関わらず残留応力による加工時の欠けが発生することを確認した。
【0020】
また、熱処理温度がl000℃〜1200℃ではクラックの発生は減少するが、加工カット数に対して10%程度の欠け等の発生があるのに対し、1200℃〜1350℃の領域になると、ヒビ、欠け及び内部クラックの発生が1%以下となり、特に1300℃においてはヒビ、欠け、クラックともに発生がないことを確認した。
【0021】
従って、この発明の特徴である熱処理温度は1000℃〜1400℃であり、さらに好ましい熱処理温度は、1250℃〜1350℃である。
【0022】
次に、発明者らは、前記熱処理温度に保持した後の冷却方法や冷却速度について調査した。その結果、極端な急冷、例えば4℃/min以上の冷却速度の場合は、冷却中に割れが発生すること、また平均2℃/minを超える冷却速度の場合は、加工中にヒビが発生するか、また内部クラックが発生することを確認した。従って、冷却速度(温度勾配)は平均2℃/min以下であることが望ましい。特に、この発明による冷却速度が1℃/min以下の場合は、加工時のヒビ、内部クラック等は全く発生しないことを確認した。
【0023】
この発明において、平均2℃/min以下の冷却速度で冷却する範囲は、前記熱処理温度である1200〜1400℃から少なくとも400℃、好ましくは200℃までは維持する必要があり、400℃を超える温度で前記冷却速度を超える速い冷却を行うと加工時や使用時のヒビや内部クラック等を招来することになる。
【0024】
この発明の熱処理において、1000〜1400℃に昇温した後の保持時間は、1時間以上であり、処理温度が低い場合、3時間未満では目的の応力の緩和が十分でない。好ましい保持時間は、処理温度によるが、3時間〜8時間であり、さらに好ましくは3〜5時間である。
【0025】
この発明において、例えば常温から1000〜1400℃、好ましくは1250℃〜1350℃へ昇温する速度は、特に限定しないが、1℃/min〜10℃/minが好ましく、1℃/min未満では、処理時間が長くなり、酸化雰囲気では表面の酸化が進行して好ましくなく、表面のコンタミネーションの内部への拡散が懸念され、また10℃/minを越えると、クラックなどの発生が懸念される。
【0026】
この発明において、熱処理装置及び雰囲気は、特に限定されず、大気中であっても問題がない。熱処理装置としては、解放型、流気型、密閉型のいずれも採用でき、好ましくは、酸素濃度が20%以下の雰囲気、アルゴンなどの不活性ガス雰囲気、あるいは減圧、真空雰囲気を採用することができる。
【0027】
この発明において、多結晶シリコンをインゴットに鋳造する工程は、前述した公知の各種鋳造方法のいずれも採用することが可能である。また、鋳造後のインゴットを鋳型より取り出し保持する工程は、各種鋳造法で採用される鋳型の構造等に応じて抜き出し方法や抜き出し用の治具が異なり、さらにインゴットを保持する保持治具等も異なるが、鋳型にて外周部を束縛されることなく保持されればいずれの形態であっても採用できる。
【0028】
なお、鋳造後にインゴットを鋳型より取り出す温度は、特に限定しないが、大気雰囲気で取り外すのが簡便であり、取り外し時の作業性と熱衝撃によるヒビ、欠けの防止などの観点から、取り外し時のインゴットの温度は200℃以下とすることが望ましい。
【0029】
鋳型からの取り出し方法の具体例を示すと、使い捨て式の石英鋳型を使用した鋳造の場合は、鋳造後に常温近くまで冷却した後、インゴットを石英鋳型ごと鋳造炉から取り出して、インゴットに密着している石英鋳型を軽い打撃等により破壊除去すればよい。また、組み立て再利用式の黒鉛鋳型の場合には、石英鋳型の場合と同様に黒鉛鋳型ごとインゴットを溶解炉から取リ出した後、黒鉛鋳型を解体すればよい。
【0030】
この発明において、鋳造されたインゴットをシリコンブロックに機械加工する工程、並びに熱処理後に所望形状部材に機械加工する工程で採用する機械加工方法や手段には、シリコン材に対して行われる切断、研削、研摩などの公知のいずれの加工方法や装置であっても採用できる。
【0031】
【実施例】
実施例1
真空保持可能な炉内に昇降可能に配置した石英製のルツボ内にシリコン塊を挿入して、これをヒーターで加熱して溶解し、その後、ルツボをヒーター領域から離して行きルツボ内で冷却凝固させて外径が300mm、高さ250mm、の円柱状の多結晶シリコンインゴットを得た。
【0032】
得られたシリコンインゴットを前記ルツボから取り出した後、真空保持した加熱炉内に装入した後、室温から900℃〜1400℃の種々温度まで3.2℃/minの昇温速度で昇温し、前記温度で1〜8時間保持した後、1〜4℃/minの種々の平均冷却速度で400℃〜200℃まで冷却し、その後炉を解放してシリコンインゴットを取り出した。
【0033】
かかる高温熱処理されたシリコンインゴットは、外観目視でヒビ発生の確認を行い、次にこのインゴットの上面と下面を切り落としする切断工程と、切り落とし後に主要部を厚さ3mmで順次50枚にスライスするスライス工程を施した。切り落とし時の上下の切断面のヒビなどの有無、スライス毎のヒビや内部クラック、欠けを調査し、切断面欠陥の有無、スライス毎のクラック発生及び欠け発生のいずれかが発生した場合を失格としてその率を表1に示す。なお、調査したインゴットは50個である。
【0034】
まず、前述の方法で鋳造した多結晶シリコンインゴットを前記ルツボから取り出した後、従来例としてそのまま切断工程、スライス工程を施した結果、前記失格率は88%であった。
【0035】
以下に、熱処理を施した例を処理温度の低いものから順に説明する。得られたシリコンインゴットを前記ルツボから取り出した後、真空保持した加熱炉内に装入した後、室温から900℃に3.2℃/minの昇温速度で昇温し、900℃で3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.1比較例)。この比較例は、外観目視ではヒビの発生が確認され、熱処理温度が900℃であるため失格率が80%であり、後述するこの発明の実施例のような熱処理効果は得られていなかった。
【0036】
また、得られたシリコンインゴットを前記ルツボから取り出した後、真空保持した加熱炉内に装入した後、室温から3.2℃/minの昇温速度で1000℃に昇温し、同温度で3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.2実施例)。熱処理温度が1000℃となると、失格率が26%と低減され、この発明の熱処理効果が得られたことが分かる。
【0037】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1100℃へ昇温して3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.3実施例)。熱処理温度が1100℃となることで、失格率がNo.2実施例よりさらに低減された。
【0038】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1200℃へ昇温して3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.4実施例)。熱処理温度が1200℃となることで、失格率がNo.2、No.3実施例よりさらに低減された。
【0039】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.5実施例)。熱処理温度が1250℃となることで、失格率が0となった。
【0040】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して3時間保持した後、2℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.6実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度が同じで冷却速度が倍となることで、失格率が2となった。
【0041】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して3時間保持した後、4℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.7実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度が同じで冷却速度が4倍となることで、失格率が16%と上昇した。
【0042】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で300℃まで冷却した(No.8実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度と冷却速度が同じで冷却完了温度を300℃としたことで、失格率が4%と上昇したが、No.4実施例と同様の改善効果が得られた。
【0043】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で400℃まで冷却した(No.9実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度と冷却速度が同じで冷却完了温度を400℃としたことで、失格率が12%と上昇したが、No.3実施例と同様の改善効果が得られた。
【0044】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して8時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.10実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度と冷却速度が同じで保持時間を8時間とするが、失格率は0%と最高の改善効果を維持していた。
【0045】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1250℃へ昇温して1時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.11実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度と冷却速度が同じで保持時間を1時間とするが、失格率は10%と良好な改善効果を維持していた。
【0046】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1350℃へ昇温して3時間保持した後、2℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.12実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度と冷却速度を上昇させるが、失格率は0%と最高の改善効果を維持していた。
【0047】
また、同様に鋳造したシリコンインゴットを、室温から前記昇温速度で1400℃へ昇温して3時間保持した後、1℃/minの平均冷却速度で200℃まで冷却した(No.13実施例)。No.5実施例に対して熱処理温度をさらに上昇させるが、失格率は0%と最高の改善効果を維持していた。しかし、融点に近いため、熱処理炉温度に不均一を生じると、部分的Siが溶解して炉を損傷する危惧があった。
【0048】
実施例2
実施例1と同様に鋳造した外径300mmの多結晶シリコンインゴットより、厚みが110mmの短円柱ブロックに切断加工を行った。切断加工時にブロック表面にクラックが発生しているものは除外し、表面にクラックの無いブロックを50個用意した。得られた多結晶シリコンブロックに真空保持した加熱炉内に装入した後、室温から1250℃に3.2℃/minの昇温速度で昇温し、1250℃で3時間保持した後、1℃/minの冷却速度で200℃まで冷却した(No.14実施例)。
【0049】
この発明による高温熱処理されたシリコンブロックは、外観目視ではヒビなどの発生は確認できなかった。このシリコンブロックを厚さ2mmで順次50スライスし、スライス毎のヒビや内部クラック、欠けを調査し、スライス毎のクラック及び欠け発生を失格率として表1に示す。
【0050】
【表1】
【0051】
【発明の効果】
この発明は、熱処理中及びその後の冷却中に、インゴットに対する外部応力をなくす目的で、鋳造凝固後に一旦冷却し、さらに鋳型を外した後、再び高温で熱処理するものであり、同時に高温保持の熱処理後の冷却速度についても、極低速に規定することにより、高温保持後の冷却時に生じやすい残留応力を低減できることを特徴とする。
【0052】
この発明によると、鋳造法による多結晶シリコンインゴットより機械加工されて多結晶シリコンブロックに機械加工する際、あるいは多結晶シリコンブロックより機械加工して所要形態の部材になす場合等、機械加工する際にインゴット又はブロックに割れや内部クラックを発生させることがない。特に、多結晶インゴットの直径が200mm以上さらには300mm以上、かつ高さが200mm以上の多結晶インゴットに対して大きな効果が得られる。
Claims (6)
- 多結晶シリコンをインゴットに鋳造する工程、鋳造後のインゴットを鋳型より取り出し保持する工程、1000〜1400℃に昇温した後に冷却する熱処理工程とを有する多結晶シリコンインゴットの製造方法。
- 鋳造された多結晶シリコンインゴットをシリコンブロックに機械加工する工程、シリコンブロックを1000〜1400℃に昇温した後に冷却する熱処理する工程と、熱処理後に所望形状部材に機械加工する工程とを有する多結晶シリコン部材の製造方法。
- 熱処理が、1000〜1400℃に昇温して1時間以上保持した後に平均4℃/min以下の速度で400℃まで冷却する工程である請求項1又は請求項2に記載の多結晶シリコンインゴット及び部材の製造方法。
- 熱処理が、1000〜1400℃に昇温して3時間以上保持した後に平均4℃/min以下の速度で200℃まで冷却する工程である請求項1又は請求項2に記載の多結晶シリコンインゴット及び部材の製造方法。
- 熱処理が、1200〜1400℃に昇温して3時間以上保持した後に平均2℃/min以下の速度で200℃まで冷却する工程である請求項1又は請求項2に記載の多結晶シリコンインゴット及び部材の製造方法。
- 熱処理が、1℃/min〜10℃/minで1250〜1350℃の熱処理温度へ昇温する工程である請求項1又は請求項2に記載の多結晶シリコンインゴット及び部材の製造方法。
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