JP2004160104A - 内視鏡のアングル操作装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】オートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態とを軽い力で切り換えることができ、さらにいずれの状態であるかの判別を簡単にすることができ、誤操作も生じることなく安心して操作することが可能である内視鏡のアングル操作装置を提供する。
【解決手段】プーリを回動する回動操作部材20、21は、駆動ノブ、駆動アームを含む駆動部と従動回動体を含む従動部とからなっており、駆動アーム34と従動回動体31に連動機構を設けて駆動部と従動部を連動させ、従動部には、移動リング33と従動回動体31とロック部材と摩擦リング37とを設けてオートロック機能の作動を可能となし、さらに従動部にはレバーを備えた外装リング17を設けて駆動部を上下動可能になして、オートロック機能の作動位置と停止位置とに切り換え可能となした。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療用等として用いられる内視鏡における挿入部の先端部分を所望の方向に向けるためのアングル部を遠隔操作により湾曲させるためのアングル操作装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
医療用等として使用されている内視鏡は、一般に、図10に示すように、操作部本体1、挿入部2、ユニバーサルコード3などからなっている。
挿入部2は、先端側から順に先端硬性部2aと、アングル部2bと、軟性部2cとからなっており、先端硬性部2aには、照明部、観察部、処置具等の導出部、その他などの重要な機構を備えている。また、アングル部2bには、先端硬性部2aを所望の位置に向けるために、上下および左右に湾曲操作可能な機構を備えており、操作部本体1に設けたアングル操作装置4とワイヤとにより遠隔操作が行えるようになっている。さらに、軟性部2cは、挿入部2が挿入経路の屈曲に応じて変形できるように軟性構造となされている。
【0003】
アングル部2bは、図11に示すように、多数のアングルリング5を上下及び左右に順次枢着した節輪構造で形成されており、その内部には上下及び左右の位置にそれぞれ各一対のアングル操作用のワイヤ6aと6b,6cと6dが挿通されている。この上下一対のワイヤ6a,6bの一方を引っ張り、他方を繰り出すと、アングル部2bは上下に湾曲し、左右一対のワイヤ6c,6dの一方を引っ張り、他方を繰り出すと、アングル部2bは左右に湾曲する。これにより、先端硬性部2aを所望の方向に向けて、観察視野の方向を所望の方向に特定することができる。
【0004】
このようなアングル操作は、操作者が操作部本体1を把持する方の手(通常、左手)の指で操作できるようになっており、アングル操作装置4は、操作部本体1を左手で把持したときには、左手の指で操作し易い位置に設けられている。また、アングル操作は、アングル部2bを上下及び左右に湾曲させて行うので、このアングル操作装置4には、上下一対のワイヤ6a,6bと左右一対のワイヤ6c,6dを押し引きするために、両アングル操作用の両プーリと駆動ノブ7a,7bが設けられている。
【0005】
駆動ノブ7a,7bを回動操作すると、アングル部2bが上下、左右に湾曲して、先端硬性部2aを所望の方向に向けて観察視野を選択することができるが、特定の方向の観察視野を詳細に観察したり、手術したりするために観察視野を固定したい場合には、所望の湾曲状態で保持されるようになっている。このために、アングル操作装置4にはロック機構が設けられており、図10には、従来のロックレバー8とロックつまみ9との摩擦ロック機構が示されている。操作部本体1の壁面側の駆動ノブ7bをロックさせるには、ロックレバー8を操作して固定し、また壁面から遠い側の駆動ノブ7bをロックさせるには、ロックつまみ9を操作して固定する。そして、ロック解除を行う際にも、これらロックレバー8とロックつまみ9を操作する。このように、ロック操作は駆動ノブ7a,7bの操作とは独立に行い、切り換え状態は明確に判別できるが、この摩擦ロック状態では、湾曲操作ができないので、観察視野を変える場合には、その都度、ロックレバー8とロックつまみ9でロックを解除してから湾曲操作をせねばならないため、急速な観察視野変換の要求に対応できないという操作上の致命的な欠点があった。
【0006】
そこで、この欠点を回避するために、駆動ノブ7a,7bを回動させて、アングル部2bを所望の湾曲状態まで湾曲させ、その位置で手を止めれば、アングル部2bが自動的にロックされるオートロック機構付きのアングル操作装置が開発されており、たとえば特許文献1,特許文献2,特許文献3,特許文献4,特許文献5に示されている。
【0007】
このオートロック機構付きのアングル操作装置は、駆動ノブの操作によりプーリを直接、回動させるのではなく、プーリを回動させる回動操作部材を、駆動ノブを含めた駆動部とプーリに連結した従動部とに分割し、これらの駆動部と従動部との間に連動機構を設け、駆動部が予め定めた角度だけ回動した後に従動部が連動するようにしている。そして、従動部にロック部材の当接面を形成すると共に、操作部本体のケーシング等に摩擦リングを設け、当接面と摩擦リングとの間に鋼球、ばねなどからなるロック部材を介装し、このロック部材を従動部の当接面と摩擦リングとに圧接させて、従動部が回動しないようにロックするようにしている。また、回動操作部材における駆動部にはロック解除機構を設けており、前述の駆動部の回動が従動部の回動より先行する間に駆動部の一部がロック部材に当接し、ロック部材を摩擦リングと従動部の当接面とから離脱させて、ロック解除を行うようにしている。
【0008】
このようにして、駆動ノブを回動させたときに、駆動部が予め定めた角度だけ単独で回動し、この駆動部に設けたロック解除機構の回動によって、ロック部材がロック解除する位置に移動され、次いでプーリに連結した従動部が連動機構により回動することになる。そして、駆動ノブへの回動力を止めるだけで、アングル部をその際の状態に固定することができる。また、駆動ノブを含む駆動部は回動方向と直交する方向に上下動可能となっており、駆動部を上下動させることによって、オートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態とに切り換えることができる。
【0009】
【特許文献1】
特公平5−77044号公報
【特許文献2】
実公平2−42243号公報
【特許文献3】
実公平2−42244号公報
【特許文献4】
実公平2−42245号公報、
【特許文献5】
特開2000−229061号公報
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
前述のように、オートロック機構付きのアングル操作装置を用いると、摩擦ロック手段の場合と比較して、その操作性が向上することになり、しかもオートロック機能作動状態と、オートロック機能停止状態とに切り換え可能とすることによって、オートロック機能を使用する必要のない場合には、オートロック機能停止状態で観察し、オートロック機能を使用する必要がある場合には、オートロック機能作動状態で観察するなどの操作者の好みに応じてモードの選択ができるので、さらにアングル操作の操作性が向上するなどの極めて優れた利点があるが、この技術のアングル操作装置にも各種の問題がある。
【0011】
このオートロック方式では、オートロック機能作動時とオートロック機能停止時との切り換えは、駆動ノブの上下動で行っており、その移動量が僅かであるため、切り換え状態が目で見て判別しにくく、また手による駆動ノブ移動のクリック感は、実際に操作していて、その状態がオートロック機能作動位置かオートロック機能停止位置かの判断がしにくい。このため、誤ってアングル部が湾曲状態となっているまま、挿入部が引き抜かれるおそれがあり、引き抜きに対する抵抗が増大し、患者に大きな苦痛を与えるなどの問題点があった。そのうえ、現在市場で使われている操作方式であるロックレバーやロックつまみ回転操作と異なる操作方法のため、市場に受け入れられにくいという難点もあった。
【0012】
上記の駆動ノブの上下動には、駆動ノブ1個について移動量dのスペースが必要であり、さらに駆動部の上下動には駆動ノブ移動量の2倍のスペース2dが必要であるため、合計で3dのスペースが必要となり、駆動ノブ2個について合計で6dのスペースが必要となる。また、駆動部と従動部との間に設ける連動機構としては、図12に示すように、駆動部に形成した連結用ピン7cと従動部に形成した透孔7dが採用されているが、連結用ピン7cは強度を考慮すると、細くできないので、これを挿通する透孔7dを形成するために従動部を大きくする必要があった。オートロック機構の小型化に支障があり、軽量化が要求される操作部においては大きな欠点となっていた。
【0013】
さらに、上記のオートロック方式では、オートロック機能停止状態でも駆動部が所定角度だけ回動した後に、従動部が連動するようになっており、駆動ノブの回動操作とアングル部の湾曲に所定角度の遊びが生じる機構となっているため、オートロック機能停止状態でアングル操作して観察するさいにも遊びがあり、操作者の微妙な感覚にずれが生じ、観察に手間取る要因の1つになっていた。
【0014】
本発明は、かかる問題点を解決するものであって、オートロック機構を備えたアングル操作装置を採用し、しかも小型化、軽量化が可能であって、ユニット化ができ、組み立てが簡単で、かつオートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態とを観察視野に衝撃を与えることなく、軽い力で切り換えることができ、さらにオートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態のいずれの状態であるかの判別を簡単にすることができ、誤操作も生じることなく安心して操作することが可能である内視鏡のアングル操作装置を提供することを目的とするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明は、前述の目的を達成するものであって、請求項1記載の発明は、操作部本体のプーリにアングル操作用ワイヤを巻回させ、回動操作部材の作動によって前記プーリに巻回したワイヤを押し引きすることにより、挿入部のアングル部を湾曲させるものであって、前記回動操作部材は、駆動ノブ、駆動アーム部を含む駆動部と従動回動体を含む従動部とからなっており、駆動アーム部と従動回動体のそれぞれにオートロック機能作動位置とオートロック機能停止位置との2種の位置をとり得る連動機構を設けて駆動部と従動部を2種のいずれかの状態で連動させるようになし、従動部には、移動リングと従動回動体とロック部材と摩擦リングとを設けてオートロック機能の作動を可能となし、さらに駆動アーム部にはロック部材のロックを解除する当たり面を形成してオートロック機能の解除を可能となし、さらに従動部にはレバーを備えた外装リングを設けて駆動部を上下動可能になして、オートロック機能作動位置とオートロック機能停止位置とに切り換えて、オートロック機能作動状態とオートロック機能解除状態とオートロック機能停止状態とに切り換え可能となしたことを特徴とする内視鏡のアングル操作装置である。
【0016】
請求項2記載の発明は、前記駆動部の駆動アーム部を上下動可能となし、レバーを備えた外装リングの回動操作により駆動アーム部に回動可能に連結した移動リングを上下動可能となして、オートロック機能作動位置とオートロック機能停止位置とに切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡のアングル操作装置である。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明をその実施の一形態である図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1において、10は操作部本体のケーシング、11はケーシング10内に設けた支持板である。12はアングル操作装置であって、このアングル操作装置12は、ケーシング10内の支持板11に装着されており、ケーシング10に形成した開口10aを通して外部に導出されている。支持板11には中心軸固定兼プーリカバー用部材13と中心軸15が立設、固定されていると共に、この中心軸固定兼プーリカバー用部材13には支持筒体14が固定されている。また、支持筒体14とケーシング10の開口10aの端部との間には、開口閉鎖用の固定リング16が嵌挿されており、これは支持筒体14の先端側の縮径部14aに螺合されている。
【0019】
そして、中心軸15の外周には順に第2軸19と第1軸18とが同軸で回動可能に立設されており、中心軸15と中心軸固定兼プーリカバー用部材13や支持筒体14との間には、第2軸19と連設されている第2プーリ19aと第1軸18と連設されている第1プーリ18aとが回動可能に配置されている。さらに具体的には、第2プーリ19aは中心軸15の外周と中心軸固定兼プーリカバー用部材13との間に回動自在に配置されており、第1プーリ18aは第2軸19と支持筒体14との間に回動自在に配置されている。
そして、両プーリ18a,19aには、それぞれ第1軸18と第2軸19とを介して回動操作部材20,21が連設されている。第1軸18と第2軸19と回動操作部材20,21との連設は、軸部に形成した角形状部と回動操作部材20,21に形成した角形孔とによってなされている。
【0020】
アングル操作用ワイヤとしては、上下方向の湾曲操作用の一対のワイヤ6a,6bと、左右方向の湾曲操作用の一対のワイヤ6c,6dとの合計4本が設けられており、各ワイヤはアングル部から本体操作用のケーシング10内にまで延在されている。そして、二対のワイヤは、両プーリ18a,19aとの外周面に設けた溝にそれぞれ巻回されている。両プーリ18a,19aには、上述のように、それぞれ回動操作部材20,21が連設されており、回動操作部材20は固定リング16内から仕切り板22までの部位に配置され、回動操作部材21は仕切り板22の上方に配置されている。回動操作部材20、21は実質的に同一の構成となっているので、回動操作部材20について説明し、回動操作部材21については、対応部材に「′」の符号を付けるなどにより、その説明を省略する。
【0021】
回動操作部材20は、駆動部と従動部とに大別することができ、第1プーリ18aに連接された従動部から順に説明する。
先ず、従動部は、駆動部の駆動力を第1軸18を介して第1プーリ18aに伝達するものであって、外装リング17、移動リング33、従動回動体31などからなるものである。
外装リング17は、固定リング16の上に配置されていて、主体が倒椀状をなしており、外方には回動用に供するレバー17aを備えており、内方には、駆動ノブ32の内方延設部と摺動可能に接する下方延設部分を備えている。倒椀状部の下端外側は固定リング16の内側に嵌挿され、固定リング16に沿って回動自在となされている。移動リング33は、椀状をなしており、外装リング17の倒椀状部の内部に第1軸18の長さ方向に移動可能に設けられ、上方に設けたクリック用ばね30によって下方へと付勢されて下端部では固定リング16に当接可能となされている(図1の実線の位置では、クリック用ばね30の付勢力に抗して上方へと移動せられているので、固定リング16と当接していないが、下方へ移動した点線の位置では固定リング16と当接する。)。移動リング33の内周面の凹部には、摩擦リング37がしっかりと固定されている。なお、摩擦リング37は移動リング33とともに上下動しても、後述の上下動しないロック部材との近接状態を維持するのに十分な上下方向の長さを有している。移動リング33と摩擦リング37との間には、駆動アーム部34の薄肉の張り出し部34aが狭持されているので、駆動アーム部34は移動リング33の移動と連動して第1軸18の長さ方向に移動する。なお、従動回動体31は、上方は駆動ノブ32と当接し、下方は第1軸18の段部に当接して、上下動不能となされており、さらに図2に示すように、従動回動体31は角形孔を備えており、これを回動させると、第1軸18に形成した角形状部との係合により第1軸18が回動して、プーリ18aに伝達され、それに巻回した一対のワイヤが押し引きされる。
【0022】
次に、駆動部は、駆動ノブ32、駆動アーム部34などからなるものであって、従動部に駆動力を伝達するものである。
駆動ノブ32は、外装リング17の上に配置されたアングル操作用のものであって、駆動ノブ32の内方の延設部は第1軸18に内接するとともに、外装部材17の延設部と外接しており、下端において駆動アーム部34が上下動可能に連結されている。すなわち、駆動アーム部34は角形孔を備えており、駆動ノブ32の内方の延設部の外周に形成した角形状部との係合により上下動可能に連結されている。従って、駆動ノブ32を回動操作すると、駆動アーム部34は駆動ノブ32と一体的に回動する。
【0023】
駆動アーム部34は、従動回動体31の上部に設けられており、両者にはそれぞれ両者を連結する連動機構が設けられている。すなわち、駆動アーム部34には、連動キー35がロック解除機構部43の内側に2段階の幅(上方が広幅で、下方が細幅)で形成され、従動回動体31には、連動キーの2段階の幅のうちの広幅と同幅の連動溝36が形成されている。これにより、連動キー35が連動溝36に遊嵌または嵌挿されるようになされており、図1においては、駆動アーム部34が上下動可能な上方の位置にあるので、遊嵌状態にある。このように、駆動アーム部34は、上下に移動可能となっているが、図1に示した位置に移動させても、連動キー35は従動回動体31の連動溝36に遊嵌された状態に保持される。なお、駆動アーム部34と従動回動体31との連動キーと連動溝とは相互に交換可能である。連動キーと連動溝とは駆動アーム部34と従動回動体31とにそれぞれに設けるので、従動部の小型化を計ると同時に連動キーをその回転中心からの距離を遠くすることにより、駆動ノブの回転トルクを少なくすることができる。
【0024】
上述のようになされているので、駆動ノブ32を回動操作すると、その回動力は、駆動アーム部34、連動キー35、連動溝36、従動回動体31、第1軸18を介して第1プーリ18aに伝達されるが、駆動ノブ32への回動操作力を止めると、瞬時にプーリ18aがその位置でロックされるオートロック機構を備えている。
【0025】
オートロック機構は、摩擦リング37と鋼球38a,38b、ばね39などのロック部材とからなっている。このロック部材は、他の形状のものであってよい。摩擦リング37は、移動リング33の内周面の凹部に固定された円環状の摩擦部材であって、従動回動体31の外面と摩擦リング37の内面との間に鋼球38a,38bを係脱させるようになされている。鋼球38a,38bは、駆動ノブ32が正逆両方向に回動するので、一方向への回動をロックするものと、他方向への回動をロックするものとが一対で使用される。
【0026】
図3に示すように、鋼球38a,38bは、圧縮ばね39の端面39a,39bにそれぞれに当接して相互に離間する方向に付勢されている。ロック部材は、従動回動体31と摩擦リング37との間に1乃至複数箇所、図においては3箇所に配装されている。
ここで、図3の(a)はオートロック機能作動状態を、また図3の(b)はオートロック機能作動解除状態を、図3の(c)はオートロック機能停止状態をそれぞれ示す。
【0027】
従動回動体31は、厚肉の概略円板状に形成した本体部31aと、この本体部31aから外向きに、例えば3箇所に張り出すように連設されている支承部31bとからなっている。支承部31bには貫通孔42が形成されており、その両開口部近傍には鋼球38a,38bが当接する当接面41a,41bが設けられており、この当接面41a,41bは摩擦リング37の内面とで両端近傍では狭くなる空間を形成している。鋼球38a,38bは、貫通孔42に嵌挿されたばね39の付勢力によって、当接面41a,41bと摩擦リング37との近接箇所で両者と圧接されている。このため、従動回動体31と摩擦リング37との間に鋼球38a,38bが密着され、鋼球38aにより図3の(a)の矢印P方向、鋼球38bにより矢印Q方向にそれぞれ回動できないロックされた状態となる。この場合、摩擦リング37と当接面41a,41bと鋼球38a,38bとの間にロック荷重が作用しているので、鋼球の接触面の耐久性を向上するために接触面を鋼球の半径に合った曲面にして線接触で受けていることが望ましい。なお、摩擦リング37と当接面41a,41bの角度と摩擦係数、またロック部材の摩擦係数やばね39の付勢力を調整することにより、予め設定したロック荷重を越える外力が負荷したときに、従動回動体と鋼球または鋼球と摩擦リングとの間で滑りながら従動回動体31は回動することが可能である。また、上述のように、ばね39は貫通孔42に嵌挿されているので、安定に保持され、摩擦リング37との不測の接触による損傷を未然に回避することができる。
【0028】
ロック解除機構も、駆動部を構成する駆動アーム部34に一体に設けられている。ロック解除機構部43は、駆動アーム部34から下方に延在されていて、二段階の幅のうちの細幅部であって、その円周方向の両端部には、図4に示すように、鋼球38a,38bが接離可能な受け面44a,44bを備えている。ロック解除機構部43は、従動回動体31の本体部31aから張り出した支承部31b間に形成された3箇所のスペース間に、駆動アーム部34の連動キー35の中心が従動回動体31の連動溝36の中心とほぼ一致した位置関係にあるように挿入されているので、駆動ノブ32に何等の外力も加わっていないときには、ばね39の付勢力によっても、鋼球38aが受け面44aに、また鋼球38bが受け面44bに、それぞれに対して僅かな隙間を置いた状態に保持される。従って、駆動ノブ32を例えば矢印P方向へ回動させると、この隙間に相当する角度だけは駆動部のみが回動し、従動部には回動力が伝達されない。ロック解除機構部43は駆動部の駆動アーム部34に設けられているので、駆動ノブ32を回動操作すると、その操作に応じてロック解除機構部43は予め定めた角度だけ回動すると、鋼球38aがばね39の付勢力に抗して押されて、図3の(b)に示すように、当接面41aと摩擦リング37との広い空間に移動するから、当接面41aと摩擦リング37との間の規制力が瞬時に解除され、従動部が駆動部の回動に応じて軽く回動し得ることになる。
【0029】
ロック停止機構も、駆動部を構成する駆動アーム部34に一体に設けられている。ロック停止機構部は、駆動アーム部34から下方に延在されていて、二段階の幅のうちの広幅部であって、その円周方向の両端部には、図4に示すように、鋼球38a,38bが当接可能な受け面45a,44bを備えている。受け面45a,45b間は受け面44a,44b間より間隔が広くなっているので、図5に示すように、この受け面45a,45bを鋼球38a,38bに対面させた状態にすると、鋼球38a,38bはばね39の付勢力に抗して接近する方向に移動する。この結果、図3の(c)に示すように、鋼球38a,38bは摩擦リング37と従動回動体31の当接面41a,41bにおいて、鋼球38a,38bの直径より広い空間に位置することになり、ロック機能が停止される。従って、この状態では、オートロック機能は作動しないので、連続してアングル操作しながら観察する場合には有用であり、さらに挿入部を体腔内から引き出す際には、アングル部への負荷に応じてワイヤ、プーリ、従動部が自由に移動可能であり、アングル部は挿入箇所の形状に応じた形状をとることができるので、スムースに引き出すことができる。なお、受け面44a,44bや受け面45a,45bとばね39の中心線とのなす角度を鋭角とすることにより、鋼球38a,38bを摩擦リング37から離間させることができ、異音の発生や損傷を防止することが可能である。
【0030】
このように、鋼球38a,38bを含むロック部材は、そのロック解除機構部43の第1受け面44a,44bが対面したオートロック機能作動位置と、第2受け面45a,45bが対面したオートロック機能停止位置とに切り換えることができるようになっている。この作動モードの切り換えは、図6ないし図9に示すように、レバー17a、クリックピン17b、カム面33c(またはピン)、ばね30などからなっている。
【0031】
レバー17aは、外装リング17に一体に設けられており、これを回動させることにより、図6,図8に示すように、明確に確認可能に外装リング17を回動させることができ、外装リング17の内周面に突設したクリックピン17bを精度良く回動させることができる。クリックピン17bは図7,図9に示すように、移動リング33の下端に形成したカム面33c(またはピン)と当接している。カム面33cは水平面に対して傾斜状をなしており、回動可能なクリックピン17bとの当接により移動リング33の上下動を可能とするものである。なお、ばね30は、レバー17aが回動されない限り、クリックピン17bをカム面33cの最上段の位置に安定に保持することを可能とするとともに、レバー17aが回動された場合には、クリックピン17bとカム面33cとの当接を確実にしながら(ばねの付勢力に抗しながら)、クリックピン17bの回動をカム面33cに伝達して確実にカム面33cの最下段の位置に移動させることができる。レバー17aの回動は、ばね30の付勢力に抗してなされるが、カム面の傾斜面を利用して徐々に行われるので、レバー17aの回動は比較的小さい力で容易に、しかも確実に操作可能である。しかも、この切り換えによる操作部の振動、振れが生じることがなく、先端部の観察視野が移動することなく、安定した観察が可能である。クリックピン17bが移動リング33のカム面33cの最上段の位置にある場合には、駆動アーム34は図1に示すように、上下動可能な最上位置にあるので、オートロック機能作動位置にある。一方、クリックピン17bが移動リング33のカム面33cの最下段の位置にある場合には、駆動アーム34は上下動可能な最下位置にあるので、オートロック機能停止位置にある。レバー17aをばね30の付勢力に抗して回転することにより、オートロック機能作動状態からオートロック機能停止状態に移動が容易に行える。
【0032】
さらに、カム面33cの最上位置と最下位置には、安定にその位置を保持し得るようにクリック用凹部33a,33bが形成されており、レバー17aが回動されない限り、凹部から逸脱できないようになされている。オートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態とに切り換える際には、クリックピン17bはこのクリック用凹部33a,33bの周縁の突起をクリック用ばね30の付勢力に抗して乗り越えなければならないので、そのときにクリック感が得られる。従って、切り換え時には、レバーの位置で確実に確認できるとともに、切り換えの操作感が得られ、誤操作を未然に回避することができ、操作者は安心して湾曲操作が可能となると共に、レバー17aをオートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態のそれぞれの位置に安定的に保持することができる。
【0033】
ここで、オートロック機能停止状態で駆動ノブ32を回動操作したとき、連動キー35は連動溝36と隙間無く嵌合する前記キー面35bを持ち、オートロック機能作動状態では隙間δをもって嵌合するキー面35aを持つ段付キーにすることにより、オートロック機能作動状態で設けた隙間δは、オートロック機能停止状態では無くなり、駆動ノブ32の回動によるアングル部湾曲の追従性が改善される。なお、連動キー35を従動部外周に、連動溝36は駆動アーム部側に設けても、同様の効果を奏することができる。
【0034】
オートロック機能作動状態となっている場合に、駆動ノブ32を回動操作すると、駆動部と従動部とが簡易に連動して実質的に一体的に作動し、円滑に操作することができるが、駆動ノブ32への操作力を止めれば、瞬時に、その状態でロックされるので、比較的長い観察や手術には便利であるが、従動回動体31が完全に固定されて、プーリもワイヤも移動不能となり、アングル部が変形不能となってしまうため、誤操作により、この状態で挿入部を体腔内から引き抜こうとすると、体腔内の狭窄な部位等に引っかかるなどにより患者の苦痛が増大すると共に、挿入部の引き抜き操作にも支障を来すことになる。このため、オートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態の切り換え操作が簡単かつ明確に万一の誤操作も生じることなく行えることが必要である。
【0035】
以上、説明したように、本発明では、駆動部と従動部とをそれぞれに設けた連動機構によって接離可能とするオートロック方式を採用しながら、駆動部に連接したレバーを回動することにより、駆動部を上下動させることにより、オートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態との移動が確実に容易に行うことが可能となった。特に、駆動部を移動リングと一体的に上下動させることにより、優れた作用効果が奏することが可能であり、また、移動リング、従動回動体、ロック部材を一体でユニットとしての着脱が可能となり、組み立てが簡易となるほか、摩擦トルクの調整も容易である。
【0036】
このようにして、オートロック機能作動状態からオートロック機能停止状態に明確にすることができ、挿入部を体腔内から引き抜く場合に、アングル部に体腔内の狭窄な部位等からの外力が作用したときには、外力に円滑に追従して曲がることになり、引き抜きに対する抵抗を最小限に抑制することができる。
【0037】
また、従来の駆動ノブの上下動に変えて外装リングの回動でオートロック機能作動状態からオートロック機能停止状態に切り換えるようにしたので、駆動ノブの移動量dのスペースが不要となり、駆動ノブ1個当たり移動量dのスペースの節約が可能となり、駆動ノブ2個当たり2倍の2dのスペースの節約が可能となるため、小型化が可能となる。また、駆動ノブと外装リングとの間の隙間はオートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態との切換によって、変動しないので、従来の欠点であった異物の付着による切換不能が生じることがない。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、オートロック機構を備えたアングル操作装置を採用するとともに、オートロック機能作動状態とオートロック機能停止状態との切り換え操作を簡単かつ明確にし、また機能停止状態における駆動ノブの遊びを無くすことにより観察時間を短縮するのみならず、アングル部の湾曲状態での機能を損なわず、しかもアングル部に外力が作用したときには、容易に追従して曲がるようになり、挿入部を体腔内等から引き抜く操作を円滑かつ容易に行えるなどの実用上の優れた効果を奏することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の一形態を示すアングル操作装置の断面図である。
【図2】図1の要部斜面図である。
【図3】オートロック機構の作動説明図であって、(a)はオートロック機能作動状態を、(b)はオートロック機能解除状態を、(c)はオートロック機能停止状態をそれぞれ示している。
【図4】図3の(a)に示したオートロック機能作動状態の側面図である。
【図5】図3の(c)に示したオートロック機能停止状態の側面図である。
【図6】オートロック機能停止状態を示す説明図である。
【図7】図6の要部側面図である。
【図8】図6の状態からオートロック機能作動状態に換えた状態を示す説明図である。
【図9】図8の要部側面図である。
【図10】内視鏡の全体構成図である。
【図11】図10のアングル部の内部構造である。
【図12】従来の連動機構を示す断面図である。
【符号の説明】
1 操作部本体
2 挿入部 2b アングル部
10 操作部本体のケーシング 10a 開口
11 支持板
12 アングル操作装置
13 中心軸固定兼プーリカバー用部材
14 支持筒体
15 中心軸
16 固定リング
17 外装部材 17a レバー
17b クリックピン
18 第1軸 18a 第1プーリ
19 第2軸 19b 第2プーリ
20 第1回動操作部材
21 第2回動操作部材
22 仕切り板
30 クリック用ばね
31 従動回動体 31a 本体部
31b 支承部
31c 張り出し部
32 駆動ノブ
33 移動リング 33a クリック用凹部
33b クリック用凹部
33c カム面
34 駆動アーム部 34a 張り出し部
35 連動キー 35a 第1のキー面
35b 第2のキー面
35c キー面切換テーパ面
36 連動溝
37 摩擦リング
38a,38b 鋼球
39 鋼球付勢用ばね 39a,39b ばね39の端面
41a,41b 当接面
42 貫通孔
43 ロック解除機構部
44a,44b 第1の受け面
45a,45b 第2の受け面
46a,46b 受け面切換テーパ面

Claims (2)

  1. 操作部本体のプーリにアングル操作用ワイヤを巻回させ、回動操作部材の作動によって前記プーリに巻回したワイヤを押し引きすることにより、挿入部のアングル部を湾曲させるものであって、前記回動操作部材は、駆動ノブ、駆動アーム部を含む駆動部と従動回動体を含む従動部とからなっており、駆動アーム部と従動回動体のそれぞれにオートロック機能作動位置とオートロック機能停止位置との2種の位置をとり得る連動機構を設けて駆動部と従動部を2種のいずれかの状態で連動させるようになし、従動部には、移動リングと従動回動体とロック部材と摩擦リングとを設けてオートロック機能の作動を可能となし、さらに駆動アーム部にはロック部材のロックを解除する当たり面を形成してオートロック機能の解除を可能となし、さらに従動部にはレバーを備えた外装リングを設けて駆動部を上下動可能になして、オートロック機能作動位置とオートロック機能停止位置とに切り換えて、オートロック機能作動状態とオートロック機能解除状態とオートロック機能停止状態とに切り換え可能となしたことを特徴とする内視鏡のアングル操作装置。
  2. 前記駆動部の駆動アーム部を上下動可能となし、レバーを備えた外装リングの回動操作により駆動アーム部に回動可能に連結した移動リングを上下動可能となして、オートロック機能作動位置とオートロック機能停止位置とに切り換えるようにしたことを特徴とする請求項1記載の内視鏡のアングル操作装置。
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