JP2004159666A - レーザ脱毛器 - Google Patents
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Abstract
【課題】多数のレーザ光を皮膚に照射して脱毛トリートメントを行う際、火傷や痛みを感じることのないようにする。
【解決手段】ヘッド面に光拡散ロッド１１を交換可能に取り付け、内側を湾曲させて多数の通孔を穿ち、そこに投光用の球レンズ１２を挿嵌する。光拡散ロッド１１は、石英ガラスやプラスチックなどの透明な誘電体で形成し、相対する端面のヘッド部１より露出して皮膚に接触する側を出射端ａとし、ヘッド部１に取り付ける側を入射端ｂとする。球レンズ１２の内側は、中空のヒートシンク１３の開口端面を臨ませ、その基端にヒートシンク１３の軸心に光軸を一致させて半導体レーザダイオード１４の金属パッケージを挿嵌する。半導体レーザダイオード１４は、光拡散ロッド１１の入射端ｂに対向して正面に配置した球レンズ１２の焦点が光拡散ロッド１１の入射端ｂ、あるいは、その前後に結ぶように光軸を傾斜させて配置する。
【選択図】 図２
【解決手段】ヘッド面に光拡散ロッド１１を交換可能に取り付け、内側を湾曲させて多数の通孔を穿ち、そこに投光用の球レンズ１２を挿嵌する。光拡散ロッド１１は、石英ガラスやプラスチックなどの透明な誘電体で形成し、相対する端面のヘッド部１より露出して皮膚に接触する側を出射端ａとし、ヘッド部１に取り付ける側を入射端ｂとする。球レンズ１２の内側は、中空のヒートシンク１３の開口端面を臨ませ、その基端にヒートシンク１３の軸心に光軸を一致させて半導体レーザダイオード１４の金属パッケージを挿嵌する。半導体レーザダイオード１４は、光拡散ロッド１１の入射端ｂに対向して正面に配置した球レンズ１２の焦点が光拡散ロッド１１の入射端ｂ、あるいは、その前後に結ぶように光軸を傾斜させて配置する。
【選択図】 図２
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザダイオードのレーザ光を皮膚に照射して毛乳頭や皮脂腺にたんぱく変性を起こし、その部分の毛の発育を抑制して脱毛トリートメントを行うレーザ脱毛器に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ光を皮膚に照射して脱毛トリートメントを行う場合、ムダ毛の部分を広い範囲にわたってまんべんなくレーザ光を照射する必要がある。
【０００３】
ところが、脱毛トリートメントに使用する半導体レーザは、発光部断面積が数μｍ〜数十μｍと非常に小さいのでＨｅ−Ｎｅレーザなどのように高指向性を持つ平行な細い直線ビームにはならず、３０°〜４５°の角度で大きく広がる。
そこで、パワー密度を集中させるために投光レンズで集光するが、このようにすると焦点付近におけるビーム径は１〜２ｍｍとかなり細くなる。
このため、１本のビームで皮膚の広い範囲にわたってまんべんなくレーザ光を照射しようとすると、ビーム径が小さいので手間と時間がかかり、根気を要する面倒な作業になる。
そこで、プローブのヘッドに多数の半導体レーザを配列して一度に照射できる面積を拡げ、脱毛トリートメントの効率を向上させることを行う。
【０００４】
ところが、多数のレーザ光を一度に皮膚に照射すると、焦点とそれ以外の部分でエネルギー密度にむらができ、焦点付近では光パワーが集中して焦点のまわりの正常細胞に光熱反応によって軽い火傷が起きたり、痛みを感じる。
このため、火傷や痛みによる恐怖感や不安感が先にたち、レーザ光を長時間照射して皮膚に十分な光熱反応を起こすことができず、脱毛トリートメントを有効に行うことが困難になる。
【０００５】
そこで本発明は、多数のレーザ光を皮膚に照射して脱毛トリートメントを行う際、エネルギー密度のむらをなくして皮膚に均一に作用させることにより、火傷や痛みを感じることのないようにすることを目的になされたものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。
【０００７】
すなわち、請求項１の発明は、プローブのヘッド部に透明な誘電体より成るレーザ透過部を設置して、その相対する端面の一方を入射端とし、
半導体レーザダイオードの正面に投光レンズを配したレーザ光源を前記入射端の対向面に複数個配備し、
入射端に相対するレーザ透過部の出射端をヘッド部より露出して皮膚に接触できるようにして成るレーザ脱毛器である。
請求項２の発明は、前記レーザ光源を配備する入射端の対向面を凹状に湾曲させて成る請求項１記載のレーザ脱毛器である。
請求項３の発明は、前記レーザ透過部を交換可能に設置して成る請求項１または２記載のレーザ脱毛器である。
請求項４の発明は、前記レーザ透過部に冷却手段を備えて成る請求項１または２記載のレーザ脱毛器である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【０００９】
図１と図２に、本発明を実施したレーザ脱毛器の正面図と一部を切り欠いた側面図を示す。
レーザ脱毛器は、レーザ光の照射時間をタイマによって制御する制御回路と電源（図示しない）を内蔵し、正面にヘッド部１を突設して下方にＬＥＤランプ２と押しスイッチ３を配置する。
【００１０】
ヘッド部１は、ヘッド面にレーザ透過部としての光拡散ロッド１１を交換可能に取り付け、内側を湾曲させて多数の通孔を穿ち、そこに投光用の球レンズ１２を挿嵌する。
光拡散ロッド１１は、石英ガラスやプラスチックなどの透明な誘電体で形成し、相対する端面のヘッド部１より露出して皮膚に接触する側を出射端ａとし、ヘッド部１に取り付ける側を入射端ｂとする。
光拡散ロッド１１は、また、スペーサとしての役割も果たし、出射端ａを皮膚に接触させて球レンズ１２と皮膚面との間の距離を一定に保つ。
さらに、ヘッド面からエアを吹き付けたり、ペルチェ素子を取り付けて光拡散ロッド１１を冷却すると、皮膚を冷やして鎮痛する効果がある。
【００１１】
球レンズ１２の内側は、中空のヒートシンク１３の開口端面を臨ませ、その基端にヒートシンク１３の軸心に光軸を一致させて半導体レーザダイオード１４の金属パッケージを挿嵌する。
半導体レーザダイオード１４は、光拡散ロッド１１の入射端ｂに対向して正面に配置した球レンズ１２の焦点が光拡散ロッド１１の入射端ｂ、あるいは、その前後に結ぶように光軸を傾斜させて配置する。
ヘッド部１に配置する半導体レーザダイオード１４は、光パワーが大きい場合は複数でなく１つでもよい。
【００１２】
球レンズ１２は、半導体レーザダイオード１４のレーザ光を集光して前方の焦点にビームウエストを形成するが、焦点距離が通常のレンズより短いので、焦点深度もわずかで狭い範囲に光パワーを絞り込むことができる。
また、焦点を過ぎた位置からは逆に同じ角度で広がり、広い範囲に光パワーが分散する。
【００１３】
ヒートシンク１３は、半導体レーザダイオード１４の動作時の発熱を熱伝導によって拡散させて性能の低下を抑える。
このため、熱伝導効率のよいアルミあるいはその合金で鋳造し、ダミーの通孔をいくつか設けて放熱効率を高める。
【００１４】
半導体レーザダイオード１４は、ＧａＡｓ（ガリウムアルセナイド）などの化合物半導体を用いたＰＮ接合ダイオードに直接電流を流して励起し、レーザ発振を得る。また、ピーク波長６００〜１６００ｎｍ、光出力５ｍＷ〜３Ｗのレーザ光を出力し、熱効率が良くて皮膚に十分な光熱反応を起こす。
さらに、熱反応のほか、光電気反応、光磁気反応、光力学反応、光化学反応、光免疫反応、光酵素反応などがあり、光生物学的活性化により生体組織の新陳代謝を促して皮膚血行を高め、水分や血液に吸収されにくいため、優れた皮膚深達性を持つ。
【００１５】
押しスイッチ３は、１つのスイッチを操作して電源のオン・オフと照射時間の設定を行う。
すなわち、始めに押しスイッチ３を押すと、電源がオンとなり、照射時間１秒が設定される。このときＬＥＤランプ２が緑色点灯する。
次に押しスイッチ３を押すと、照射時間２秒が設定され、ＬＥＤランプ２が緑色点滅する。
さらに押しスイッチ３を押していくと、照射時間３〜６秒が順次設定され、ＬＥＤランプ２が設定秒数に応じて橙色点灯、橙色点滅、赤色点灯、赤色点滅に切換わる。
最後に押しスイッチ３をロングオン（１．５秒）すると、電源がオフになる。
照射時間の設定は、皮膚に一過性のダメージを与えないために、このようにタイマにごく短い１〜６秒のカウント値を設定する。
【００１６】
本発明のレーザ脱毛器は以上のような構成で、トリートメントを行うときは、まず、押しスイッチ３を押して電源をオンにする。
電源をオンにすると、半導体レーザダイオード１４が既定の１秒間点灯し、その後１秒間休止する。以後この照射と休止を繰り返す。
照射時間を変更する場合は、押しスイッチ３を押しながら１〜６秒の範囲で所望の照射時間を設定する。
半導体レーザダイオード１４が点灯したら、光拡散ロッド１１の出射端ａをトリートメントすべき皮膚面に押し当て、設定した時間だけレーザ光を照射する。
レーザ光を照射した後は、次の休止時間の間に出射端ａの位置を移動し、以後この照射と休止を繰り返して出射端ａを移動しながらトリートメントを継続する。
【００１７】
半導体レーザダイオード１４が点灯すると、図３に示すように、球レンズ１２で集光したレーザ光が光拡散ロッド１１の入射端ｂに所定の角度で入射する。
そして、光拡散ロッド１１の軸に沿って進む軸光線と光拡散ロッド１１の縁を通って全反射しながら進む折り返し光線に分かれて誘電体経路を伝搬し、光拡散ロッド１１の出射端ａから出射する。
このとき、伝搬経路が異なるために出射端ａまでの到達時間が違うことによって波形が時間的に広がる分散現象を起こす。
また、半導体レーザダイオード１４のレーザ光は、単一波長に近いが、完全に単一でなく、ある幅を持った波長特性を有する。
このため、波長による伝搬経路の長さの違いから出射端ａまでの到達時間に違いを生じ、同様に分散現象を起こす。
これらの分散や伝搬損失による光パワーの減衰によって、光拡散ロッド１１の出射端ａから出射するレーザ光のエネルギー密度が平均化し、高密度に拡散して均一に皮膚に作用する。
【００１８】
光拡散ロッド１１は交換可能で、レーザ光を狭い範囲に高密度に照射するときは径の細いものを使用し、レーザ光を広い範囲に疎密度に照射するときは径の太いものを使用する。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のレーザ脱毛器は、プローブのヘッド部に設置した透明な誘電体より成るレーザ透過部を介して、多数の半導体レーザダイオードのレーザ光を照射する。
従って、本発明によれば、レーザ光の光パワーがレーザ透過部で拡散・減衰してエネルギー密度が均一化するので、従来のように複数の焦点に光パワーが集中して皮膚を火傷したり、痛みを感じさせるようなことがなくなる。
また、レーザ透過部を皮膚に当ててトリートメントするので、操作が楽になり、照射部分の見極めもし易くなる。
また、レーザ透過部がレーザ光源と皮膚との間の距離を一定に保つので、安全性が高まり、レーザ透過部が皮膚を冷して鎮痛する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を実施したレーザ脱毛器の正面図である。
【図２】図１の一部を切り欠いた側面図である。
【図３】本発明を実施したレーザ透過部の光の伝搬経路を示す図である。
【符号の説明】
１ ヘッド部
１１ 光拡散ロッド
１２ 球レンズ
１３ ヒートシンク
１４ 半導体レーザダイオード
２ ＬＥＤランプ
３ 押しスイッチ
ａ 出射端
ｂ 入射端
【発明の属する技術分野】
本発明は、半導体レーザダイオードのレーザ光を皮膚に照射して毛乳頭や皮脂腺にたんぱく変性を起こし、その部分の毛の発育を抑制して脱毛トリートメントを行うレーザ脱毛器に関する。
【０００２】
【発明が解決しようとする課題】
レーザ光を皮膚に照射して脱毛トリートメントを行う場合、ムダ毛の部分を広い範囲にわたってまんべんなくレーザ光を照射する必要がある。
【０００３】
ところが、脱毛トリートメントに使用する半導体レーザは、発光部断面積が数μｍ〜数十μｍと非常に小さいのでＨｅ−Ｎｅレーザなどのように高指向性を持つ平行な細い直線ビームにはならず、３０°〜４５°の角度で大きく広がる。
そこで、パワー密度を集中させるために投光レンズで集光するが、このようにすると焦点付近におけるビーム径は１〜２ｍｍとかなり細くなる。
このため、１本のビームで皮膚の広い範囲にわたってまんべんなくレーザ光を照射しようとすると、ビーム径が小さいので手間と時間がかかり、根気を要する面倒な作業になる。
そこで、プローブのヘッドに多数の半導体レーザを配列して一度に照射できる面積を拡げ、脱毛トリートメントの効率を向上させることを行う。
【０００４】
ところが、多数のレーザ光を一度に皮膚に照射すると、焦点とそれ以外の部分でエネルギー密度にむらができ、焦点付近では光パワーが集中して焦点のまわりの正常細胞に光熱反応によって軽い火傷が起きたり、痛みを感じる。
このため、火傷や痛みによる恐怖感や不安感が先にたち、レーザ光を長時間照射して皮膚に十分な光熱反応を起こすことができず、脱毛トリートメントを有効に行うことが困難になる。
【０００５】
そこで本発明は、多数のレーザ光を皮膚に照射して脱毛トリートメントを行う際、エネルギー密度のむらをなくして皮膚に均一に作用させることにより、火傷や痛みを感じることのないようにすることを目的になされたものである。
【０００６】
【課題を解決するための手段】
かかる目的を達成するために、本発明は以下のように構成した。
【０００７】
すなわち、請求項１の発明は、プローブのヘッド部に透明な誘電体より成るレーザ透過部を設置して、その相対する端面の一方を入射端とし、
半導体レーザダイオードの正面に投光レンズを配したレーザ光源を前記入射端の対向面に複数個配備し、
入射端に相対するレーザ透過部の出射端をヘッド部より露出して皮膚に接触できるようにして成るレーザ脱毛器である。
請求項２の発明は、前記レーザ光源を配備する入射端の対向面を凹状に湾曲させて成る請求項１記載のレーザ脱毛器である。
請求項３の発明は、前記レーザ透過部を交換可能に設置して成る請求項１または２記載のレーザ脱毛器である。
請求項４の発明は、前記レーザ透過部に冷却手段を備えて成る請求項１または２記載のレーザ脱毛器である。
【０００８】
【発明の実施の形態】
以下に図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【０００９】
図１と図２に、本発明を実施したレーザ脱毛器の正面図と一部を切り欠いた側面図を示す。
レーザ脱毛器は、レーザ光の照射時間をタイマによって制御する制御回路と電源（図示しない）を内蔵し、正面にヘッド部１を突設して下方にＬＥＤランプ２と押しスイッチ３を配置する。
【００１０】
ヘッド部１は、ヘッド面にレーザ透過部としての光拡散ロッド１１を交換可能に取り付け、内側を湾曲させて多数の通孔を穿ち、そこに投光用の球レンズ１２を挿嵌する。
光拡散ロッド１１は、石英ガラスやプラスチックなどの透明な誘電体で形成し、相対する端面のヘッド部１より露出して皮膚に接触する側を出射端ａとし、ヘッド部１に取り付ける側を入射端ｂとする。
光拡散ロッド１１は、また、スペーサとしての役割も果たし、出射端ａを皮膚に接触させて球レンズ１２と皮膚面との間の距離を一定に保つ。
さらに、ヘッド面からエアを吹き付けたり、ペルチェ素子を取り付けて光拡散ロッド１１を冷却すると、皮膚を冷やして鎮痛する効果がある。
【００１１】
球レンズ１２の内側は、中空のヒートシンク１３の開口端面を臨ませ、その基端にヒートシンク１３の軸心に光軸を一致させて半導体レーザダイオード１４の金属パッケージを挿嵌する。
半導体レーザダイオード１４は、光拡散ロッド１１の入射端ｂに対向して正面に配置した球レンズ１２の焦点が光拡散ロッド１１の入射端ｂ、あるいは、その前後に結ぶように光軸を傾斜させて配置する。
ヘッド部１に配置する半導体レーザダイオード１４は、光パワーが大きい場合は複数でなく１つでもよい。
【００１２】
球レンズ１２は、半導体レーザダイオード１４のレーザ光を集光して前方の焦点にビームウエストを形成するが、焦点距離が通常のレンズより短いので、焦点深度もわずかで狭い範囲に光パワーを絞り込むことができる。
また、焦点を過ぎた位置からは逆に同じ角度で広がり、広い範囲に光パワーが分散する。
【００１３】
ヒートシンク１３は、半導体レーザダイオード１４の動作時の発熱を熱伝導によって拡散させて性能の低下を抑える。
このため、熱伝導効率のよいアルミあるいはその合金で鋳造し、ダミーの通孔をいくつか設けて放熱効率を高める。
【００１４】
半導体レーザダイオード１４は、ＧａＡｓ（ガリウムアルセナイド）などの化合物半導体を用いたＰＮ接合ダイオードに直接電流を流して励起し、レーザ発振を得る。また、ピーク波長６００〜１６００ｎｍ、光出力５ｍＷ〜３Ｗのレーザ光を出力し、熱効率が良くて皮膚に十分な光熱反応を起こす。
さらに、熱反応のほか、光電気反応、光磁気反応、光力学反応、光化学反応、光免疫反応、光酵素反応などがあり、光生物学的活性化により生体組織の新陳代謝を促して皮膚血行を高め、水分や血液に吸収されにくいため、優れた皮膚深達性を持つ。
【００１５】
押しスイッチ３は、１つのスイッチを操作して電源のオン・オフと照射時間の設定を行う。
すなわち、始めに押しスイッチ３を押すと、電源がオンとなり、照射時間１秒が設定される。このときＬＥＤランプ２が緑色点灯する。
次に押しスイッチ３を押すと、照射時間２秒が設定され、ＬＥＤランプ２が緑色点滅する。
さらに押しスイッチ３を押していくと、照射時間３〜６秒が順次設定され、ＬＥＤランプ２が設定秒数に応じて橙色点灯、橙色点滅、赤色点灯、赤色点滅に切換わる。
最後に押しスイッチ３をロングオン（１．５秒）すると、電源がオフになる。
照射時間の設定は、皮膚に一過性のダメージを与えないために、このようにタイマにごく短い１〜６秒のカウント値を設定する。
【００１６】
本発明のレーザ脱毛器は以上のような構成で、トリートメントを行うときは、まず、押しスイッチ３を押して電源をオンにする。
電源をオンにすると、半導体レーザダイオード１４が既定の１秒間点灯し、その後１秒間休止する。以後この照射と休止を繰り返す。
照射時間を変更する場合は、押しスイッチ３を押しながら１〜６秒の範囲で所望の照射時間を設定する。
半導体レーザダイオード１４が点灯したら、光拡散ロッド１１の出射端ａをトリートメントすべき皮膚面に押し当て、設定した時間だけレーザ光を照射する。
レーザ光を照射した後は、次の休止時間の間に出射端ａの位置を移動し、以後この照射と休止を繰り返して出射端ａを移動しながらトリートメントを継続する。
【００１７】
半導体レーザダイオード１４が点灯すると、図３に示すように、球レンズ１２で集光したレーザ光が光拡散ロッド１１の入射端ｂに所定の角度で入射する。
そして、光拡散ロッド１１の軸に沿って進む軸光線と光拡散ロッド１１の縁を通って全反射しながら進む折り返し光線に分かれて誘電体経路を伝搬し、光拡散ロッド１１の出射端ａから出射する。
このとき、伝搬経路が異なるために出射端ａまでの到達時間が違うことによって波形が時間的に広がる分散現象を起こす。
また、半導体レーザダイオード１４のレーザ光は、単一波長に近いが、完全に単一でなく、ある幅を持った波長特性を有する。
このため、波長による伝搬経路の長さの違いから出射端ａまでの到達時間に違いを生じ、同様に分散現象を起こす。
これらの分散や伝搬損失による光パワーの減衰によって、光拡散ロッド１１の出射端ａから出射するレーザ光のエネルギー密度が平均化し、高密度に拡散して均一に皮膚に作用する。
【００１８】
光拡散ロッド１１は交換可能で、レーザ光を狭い範囲に高密度に照射するときは径の細いものを使用し、レーザ光を広い範囲に疎密度に照射するときは径の太いものを使用する。
【００１９】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のレーザ脱毛器は、プローブのヘッド部に設置した透明な誘電体より成るレーザ透過部を介して、多数の半導体レーザダイオードのレーザ光を照射する。
従って、本発明によれば、レーザ光の光パワーがレーザ透過部で拡散・減衰してエネルギー密度が均一化するので、従来のように複数の焦点に光パワーが集中して皮膚を火傷したり、痛みを感じさせるようなことがなくなる。
また、レーザ透過部を皮膚に当ててトリートメントするので、操作が楽になり、照射部分の見極めもし易くなる。
また、レーザ透過部がレーザ光源と皮膚との間の距離を一定に保つので、安全性が高まり、レーザ透過部が皮膚を冷して鎮痛する効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図１】本発明を実施したレーザ脱毛器の正面図である。
【図２】図１の一部を切り欠いた側面図である。
【図３】本発明を実施したレーザ透過部の光の伝搬経路を示す図である。
【符号の説明】
１ ヘッド部
１１ 光拡散ロッド
１２ 球レンズ
１３ ヒートシンク
１４ 半導体レーザダイオード
２ ＬＥＤランプ
３ 押しスイッチ
ａ 出射端
ｂ 入射端
Claims (4)
- プローブのヘッド部に透明な誘電体より成るレーザ透過部を設置して、その相対する端面の一方を入射端とし、
半導体レーザダイオードの正面に投光レンズを配したレーザ光源を前記入射端の対向面に複数個配備し、
入射端に相対するレーザ透過部の出射端をヘッド部より露出して皮膚に接触できるようにして成るレーザ脱毛器。 - 前記レーザ光源を配備する入射端の対向面を凹状に湾曲させて成る請求項１記載のレーザ脱毛器。
- 前記レーザ透過部を交換可能に設置して成る請求項１または２記載のレーザ脱毛器。
- 前記レーザ透過部に冷却手段を備えて成る請求項１または２記載のレーザ脱毛器。
Priority Applications (3)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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