JP3455125B2 - レーザ美容器のレーザ光照射装置 - Google Patents

レーザ美容器のレーザ光照射装置

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【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体レーザのレ
ーザ光を皮膚面に照射して美肌、痩身、脱毛、育毛など
のトリートメントを行うレーザ美容器に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】脱毛クリームで毛を除
去した後の皮膚にレーザ光を照射すると、レーザ光が表
皮内メラニンに吸収されて発熱し、皮膚組織にたんぱく
変性が起こる。これにより、皮脂腺や毛乳頭部がダメー
ジを受け、毛包の組織が硬くなって毛の発育が抑制され
る脱毛効果を発揮する。
【0003】あるいは、シミ・ソバカスなど皮膚の表皮
や真皮に散在する異常な色素細胞にレーザ光を照射する
と、異常な色素細胞が発熱して細かい粒子に分散する。
分散した異常色素細胞は表面に浮き上がったり、老廃物
となって血管やリンパ管に吸収されて消滅し、正常な色
の皮膚が蘇る美肌効果を発揮する。
【0004】このようにレーザ光を照射して脱毛や美肌
などの美容トリートメントを行う場合、ムダ毛やシミ・
ソバカスなど皮膚の広い範囲にわたってまんべんなくレ
ーザ光を照射する必要がある。
【0005】ところが、美容トリートメントに使用する
半導体レーザは、発光部断面積が数μm〜数十μmと非
常に小さいのでHe−Neレーザなどのように高指向性
を持つ平行な細い直線ビームにはならず、30°〜45
°の角度で大きく広がる。そこで、パワー密度を集中さ
せるためにレンズで集光することを行うが、焦点付近お
けるビーム径は1〜2mmとかなり細くなる。このた
め、1本のビームで皮膚の広い範囲にわたってまんべん
なくレーザ光を照射しようとすると、ビーム径が小さい
ので手間と時間がかかり、根気を要する面倒な作業にな
る。
【0006】そこで本発明は、多数の半導体レーザを面
状に配列し、多数のレーザ光を皮膚の広い範囲にわたっ
て一度に照射することにより、レーザ光の照射効率を高
めて美容トリートメントに要する手間と時間を低減する
ことを目的になされたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めに、本発明は以下のように構成した。
【0008】すなわち、請求項1の発明は、半導体レー
ザのレーザ光を皮膚面に照射して美肌、痩身、脱毛、育
毛などのトリートメントを行うレーザ美容器において、
柔軟な弾性材料製のシート部材の上に長さ方向に沿って
多数の帯板状の台座をすのこ状に並べ、当該台座に多数
のレーザダイオードを配置して面状部材を形成すると共
に、この面状部材に当該レーザダイオードと皮膚面との
距離を保つスペーサを設け、皮膚の広い範囲にわたって
多数のレーザダイオードのレーザ光を一度に照射するこ
とを特徴とするレーザ光照射装置である。請求項2の発
明は、送風手段を備えて前記レーザ光を照射する皮膚面
にエアを吹き出すことを特徴とする請求項1記載のレー
ザ光照射装置である。請求項3の発明は、前記レーザダ
イオードをヒートシンクに取り付けて冷却することを特
徴とする請求項1記載のレーザ光照射装置である。
【0009】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態について説明する。
【0010】図1に、本発明を実施したレーザ美容器の
構成図を示す。レーザ美容器は、レーザ光照射装置1と
コントロールボックス2をケーブル3を介して接続し、
コントロールボックス2には電源コード4を接続する。
【0011】コントロールボックス2は、正面に操作パ
ネルPを配置し、図示しないレーザ発振器とコンプレッ
サおよびレーザ照射とエアの吹き出しをタイマ制御する
制御回路を内蔵する。
【0012】操作パネルPは、電源のオン・オフ、照射
時間の設定、トリートメント時間の設定、トリートメン
トの開始・停止などを操作する。
【0013】照射時間の設定は、皮膚に一過性のダメー
ジを与えないために、タイマにごく短い1〜6秒のカウ
ント値を設定する。トリートメント時間の設定は、皮膚
に長時間の使用によるダメージを与えないために、タイ
マに通常の使用に適正な5〜60分のカウント値を設定
する。
【0014】ケーブル3は、図示しないコンプレッサに
連結するエアチューブと、レーザ発振器と制御回路に接
続するリード線を内包する。
【0015】図2〜図4に、本発明を実施したレーザ光
照射装置の正面図、縦断面図および横断面図を示す。レ
ーザ光照射装置1は、柔軟な弾力性に富むプラスチック
製のシート部材11の上に長さ方向に沿って多数の帯板
状のヒートシンクとしての台座12をすのこ状に並べ
る。台座12は、それぞれ両端をシート部材11との距
離を保つねじ当て部材13を介してねじ止めする。
【0016】シート部材11の下には、両端の幅方向に
沿って皮膚との距離を保つ皮膚当て部材14を取り付け
る。この皮膚当て部材14は、柔軟な弾性材料で形成
し、腕や脚に押し当てるとシート部材11と一体になっ
湾曲して皮膚に密着すると共に、シート部材11と皮
膚との距離を保つ
【0017】台座12の上側には、ケース15を取り付
けてシート部材11と台座12全体を被覆する。また、
ケース15には、図示しない多数の通風溝を設けて内部
に発生する熱を放出する。
【0018】台座12には、長さ方向に沿って多数の縦
孔を穿ち、それぞれに発光面を下にしてレーザダイオー
ド16を挿嵌する。
【0019】シート部材11は、レーザダイオード16
の発光面に対向する部分を開口し、開口周縁部を突起さ
せて球レンズ17を取り付ける。シート部材11の下面
は、表面を鏡面状に形成して皮膚に照射したレーザ光を
反射させ、レーザ光が広い範囲に拡散するようにする。
また、シート部材11の表面には、多数の通気孔aを穿
ち、そこからシート部材11と台座12との間隙に開口
する図示しないエアチューブからの噴出エアを吹き出
す。
【0020】球レンズ17は、広がり角度の大きいレー
ザダイオード16のレーザ光を短い焦点距離で集光し、
皮膚面にレーザ光のパワー密度を集中させる。
【0021】レーザダイオード16は、GaAs(ガリ
ウムアルセナイド)などの化合物半導体を用いたPN接
合ダイオードに直接電流を流して励起し、レーザ発振を
得る半導体レーザを使用する。半導体レーザは、ピーク
波長600〜1600nm、光出力5〜500mWを有
し、熱効率が良くて皮膚に十分な光熱反応を起こす。ま
た、熱反応のほかに、光電気反応、光磁気反応、光力学
反応、光化学反応、光免疫反応、光酵素反応などがあ
り、光生物学的活性化により生体組織の新陳代謝を促し
て皮膚血行を高め、水分や血液に吸収されにくいため、
優れた皮膚深達性を持つ。
【0022】台座12は、レーザダイオード16の動作
時の発熱を熱伝導によって拡散させて性能の低下を抑え
る。このため、熱伝導効率のよいアルミあるいはその合
金で鋳造し、ダミーの通孔をいくつか設けて放熱効率を
高める。
【0023】本発明のレーザ光照射装置は以上のような
構成で、トリートメントを行うときは、まず、操作パネ
ルPを操作して照射時間とトリートメント時間を設定す
る。脱毛の場合は、あらかじめトリートメントを行う腕
や脚などのムダ毛の部分に脱毛クリームを塗って表面の
毛を溶かして除去しておく。次に、図5に示すように、
レーザ光照射装置1のケース15の両端を手に持って下
側のシート部材11を腕や脚などのムダ毛の部分に押し
当てる。これにより、シート部材11が変形して、図6
に示すように、内側に湾曲し、皮膚当て部材14によっ
て皮膚との距離を一定に保ちながら腕や脚の片面を包み
込むように覆う。この状態でトリートメントの開始を指
定すると、設定した秒数だけ皮膚の広い範囲にわたって
レーザ光が一度に照射される。同時に、シート部材11
の通気孔aからエアが吹き出て皮膚を冷却する。その
後、3秒間レーザ光の照射が休止する。休止の間もエア
の吹き出しは継続する。以上の照射と休止が設定したト
リートメント時間だけ繰り返えされる。
【0024】
【発明の効果】以上説明したように本発明のレーザ光照
射装置は、湾曲自在な面状部材の表面に多数のレーザダ
イオードを配置し、皮膚の広い範囲にわたって多数のレ
ーザ光を一度に照射する。従って、本発明によれば、皮
膚の広い範囲にわたってレーザ光を照射する必要のある
脱毛や美肌などのトリートメント効率が大幅に向上す
る。
【0025】また、柔軟な弾性材料製のシート部材の上
に長さ方向に沿って多数の帯板状の台座をすのこ状に並
べ、当該台座に多数のレーザダイオードを配置して面状
部材を形成する。さらに、面状部材に当該面状部材と皮
膚面との距離を保つスペーサを設ける。 従って、内側に
湾曲して皮膚との距離を一定に保ちながら腕や脚の片面
を包み込むように覆うことができる。
【0026】さらに、請求項2の発明は、送風手段を備
えて前記レーザ光を照射する皮膚面にエアを吹き出す。
従って、本発明によれば、レーザ光を照射した皮膚面が
適当に冷却されて過熱を防ぐので、十分な光熱作用を皮
膚に与えることができる。
【0027】請求項3の発明のレーザ光照射装置は、レ
ーザダイオードをヒートシンクに取り付けて冷却する。
従って、本発明によれば、多数のレーザダイオードが一
度に動作するときに発生する多量の熱を熱伝導によって
拡散するので、レーザダイオードの性能低下を抑えて大
量照射を可能にする。
【0028】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施したレーザ美容器の構成図であ
る。
【図2】本発明を実施したレーザ光照射装置の正面図で
ある。
【図3】図2の横断面図である。
【図4】図2の縦断面図である。
【図5】本発明を実施したレーザ光照射装置の使用方法
の説明図である。
【図6】内側に湾曲したレーザ光照射装置の横断面図で
ある。
【符号の説明】
1 レーザ光照射装置 11 シート部材 12 台座 13 ねじ当て部材 14 皮膚当て部材 15 ケース 16 レーザダイオード 17 球レンズ a 通気孔
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−215749(JP,A) 特開 平10−57441(JP,A) 実開 昭60−163943(JP,U) 特公 平3−26985(JP,B2) 特表2002−511323(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) A61N 5/00 - 5/10 A61B 18/20

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体レーザのレーザ光を皮膚面に照射
    して美肌、痩身、脱毛、育毛などのトリートメントを行
    うレーザ美容器において、柔軟な弾性材料製のシート部材の上に長さ方向に沿って
    多数の帯板状の台座をすのこ状に並べ、当該台座に多数
    のレーザダイオードを配置して面状部材を形成 すると共
    に、 この面状部材に当該レーザダイオードと皮膚面との距離
    を保つスペーサを設け、 皮膚の広い範囲にわたって多数のレーザダイオードのレ
    ーザ光を一度に照射することを特徴とするレーザ光照射
    装置
  2. 【請求項2】 送風手段を備えて前記レーザ光を照射す
    る皮膚面にエアを吹き出すことを特徴とする請求項1記
    載のレーザ光照射装置。
  3. 【請求項3】 前記レーザダイオードをヒートシンクに
    取り付けて冷却することを特徴とする請求項1記載のレ
    ーザ光照射装置。
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