JP2004156139A - 成膜装置及び成膜方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】大きな体積を有するワークに対して効果的に冷却することができる成膜装置及び成膜方法を提供すること。
【解決手段】真空チャンバ1内に、ワーク2に被膜を形成するための蒸発源3と該ワーク2を冷却するための冷却装置4とを有した成膜装置において、前記ワーク2は、開口部14を介して外部に連通する内部空間15を有し、前記冷却装置4は、前記ワーク2の開口部14から内部空間15へ挿脱自在とされて該ワーク2を内部から冷却するように構成されている。
【選択図】図5

Description

本発明は、切削工具や機械部品などへの耐摩耗性コーティング処理等に使用される成膜装置及び成膜方法に関する。
切削工具や機械部品などのワークの表面に、耐摩耗性物質などをコーティングする技術として、物理的蒸着法(PVD法)が知られている。このPVD法における真空アーク成膜法においては、成膜レートが高いことから、必然的にワークへの入熱が多く、温度が上がりやすくなる。そのため、ワーク(基板)を冷却する技術が必要であった。
この種のワーク冷却装置として、ワークを搭載するステージの内部に、冷却配管を設けてワークを冷却するもの(特許文献1参照)や、ワークを搭載するトレーを介した伝熱手段でワークを冷却するもの(特許文献2参照)が公知である。
また、真空室内に保持された被処理基板の成膜処理を行う装置であって、前記真空室内に、公転軸を中心に回転自在のホルダ保持部と、前記ホルダ保持部により前記公転軸の周囲に保持され、自転軸を中心に回転自在の基板ホルダと、前記ホルダ保持部および基板ホルダを回転駆動するための回転駆動部と、前記基板ホルダにより保持される被処理基板を冷却するための冷却部とを備えた成膜装置も公知であった(特許文献3参照)。
特開平8−262250号公報 特開2001−226771号公報 特開2002−124471号公報
前記従来のワーク冷却装置は、何れも平板状のワークの一外表面からワークを冷却するものであるから、ワークが平板状のものに対しては有効であるが、切削工具や機械部品又は自動車部品など複雑な形状をしたワークや、冷却面に対して所定の厚み(高さ)を有する大きな体積を有するワークに対しては、効果的に冷却できないものであった。
そこで、本発明は、大きな体積を有するワークに対して効果的に冷却することができる成膜装置及び成膜方法を提供することを目的とする。
前記目的を達成するため、本発明は、次の手段を講じた。
即ち、本発明の特徴とするところは、真空チャンバ内に、ワークに被膜を形成するための蒸発源と該ワークを冷却するための冷却装置とを有した成膜装置において、前記ワークは、開口部を介して外部に連通する内部空間を有し、前記冷却装置は、前記ワークの開口部から内部空間へ挿脱自在とされて該ワークを内部から冷却するように構成されている点にある。
前記構成の本発明によれば、ワークの内部空間より当該ワークを冷却するので、筒状体などの大きな容積を有するワークを効果的に冷却することができる。
前記冷却装置は、内部に冷却媒体を流す冷媒容器を有するのが好ましい。
前記ワークの内部空間は直線状軸心を有する筒状に形成されており、前記冷媒容器は前記内部空間に挿入される筒状に形成されているのが好ましい。
前記ワークの内周面と前記冷媒容器の外周面との隙間が、100mm以下とされているのが好ましい。
前記ワークを着脱自在に保持するワーク保持装置を有し、該ワーク保持装置は、前記内部空間の軸心である自転軸回りにワークを自転させる自転テーブルを有するのが好ましい。
前記ワーク保持装置は、前記自転テーブルとは別に前記ワークを移動させる移動手段を有し、前記冷媒容器は、前記移動手段によるワークの移動に追従して移動するように設けられているのが好ましい。
前記移動手段は公転軸回りに回転する公転テーブルを有し、該公転テーブルに前記自転テーブルが設けられているのが好ましい。
前記冷媒容器は、前記公転テーブルに設けられているのが好ましい。
前記真空チャンバは底部を有し、該底部に前記公転テーブルが公転軸を縦軸姿勢として設けられ、該公転テーブルの上面に前記自転テーブルが公転軸を中心とする同心円周上に周方向等間隔を有して設けられ、前記冷媒容器は、前記自転軸心部に設けられているのが好ましい。
また、本発明の成膜方法の特徴とするところは、真空チャンバ内に、ワークに被膜を形成するための蒸発源と該ワークを冷却するための冷却装置とを有した成膜装置を用いて、前記ワークに成膜する方法であって、前記冷却装置を前記ワークの内部に挿脱自在に挿入して該ワークの内部から該ワークを冷却しつつ、該ワークの外周面に成膜を行う点にある。
前記方法において、ワーク内部に冷却装置を挿入した状態で、ワークを自転させ且つ公転させるのが好ましい。
本発明によれば、大きな体積を有するワークを効果的に冷却することができる。
以下、本発明の実施の形態を、図面に基づき説明する。
図1、2において示すものは、真空アーク成膜装置である。この成膜装置は、真空チャンバ1を有し、該チャンバ1内に、挿脱自在に装着されたワーク2に被膜を形成するための蒸発源3と、該ワーク2を冷却するための冷却装置4とを有する。
この真空チャンバ1は、底部5と天井部6と周壁部7とを有する密閉容器であり、前記周壁部7は、縦軸心を有する円筒状に形成されている。真空チャンバ1には、排気管8が接続され、該排気管8に真空ポンプ(図示省略)が接続されて、真空チャンバ1内部は減圧される。真空チャンバ1には、ガス供給管9の一つ又は複数が接続され、不活性ガスや反応ガス(プロセスガス)が真空チャンバ1内へ供給される。
前記真空チャンバ1内に設けられる前記蒸発源3は、成膜材料をロッド形に形成してなるもので、真空チャンバ1の軸心部分に上下方向に沿って配置されている。
真空チャンバ1には、ワーク2を保持するためのワーク保持装置10が設けられている。この保持装置10は、チャンバ1の底部5に、該チャンバ1の軸心と同心円上に周方向等間隔を有して複数配置された自転テーブル11を有する。各自転テーブル11は、その上面にワーク2を載置するように構成されている。この自転テーブル11は、円盤状で該円盤の下面の中心に自転軸12が縦軸心となるように固定され、該自転軸12がチャンバ1の底部5に回転自在に支持されている。
この自転軸12は、駆動手段13によって回転自在とされている。この駆動手段13は、真空チャンバ1の外部に設けられ、モータにより構成されている。この実施の形態では、駆動手段13は各自転軸12毎に設けられたモータから構成されているが、一のモータによる動力を歯車伝動機構などを介して各自転軸12に伝動するものであっても良い。
前記保持装置10に保持されるワーク2は、開口部14を介して外部に連通する内部空間15を有する。ワーク2の内部空間15は直線状軸心を有する筒状に形成されている。なお、前記冷却装置4の外周面は、筒状内部空間15と同心状の筒状に形成されているのが好ましい。
この実施の形態では、ワーク2は両端開口の円筒体とされている。円筒体のワーク2は、その軸心が前記自転軸12の軸心と一致するように自転テーブル11上面に固定される。
前記真空チャンバ1内に設けられた前記冷却装置4は、前記ワーク2の開口部14から内部空間15へ挿脱自在とされて、該ワーク2を内部から冷却するように構成されている。冷却装置4は、内部に冷却媒体を流す冷媒容器16を有する。この冷媒容器16は、前記ワーク2の筒状内部空間15に挿入される筒状に形成されている。
この実施の形態では、前記円筒体のワーク2の上端開口部14から、内部空間15へ挿脱自在となるように、前記冷媒容器16は、円筒状に形成されている。そして、この円筒状冷媒容器16は、前記各自転テーブル11に対向して、その上方の真空チャンバ1の天井部6に上下動自在に設けられている。天井部6と冷媒容器16間はシール部材(図示省略)でシールされている。
前記冷媒容器16には、真空チャンバ1の外部において冷媒供給管17と排出管18が接続され、冷媒が冷媒容器16内を効率よく循環するよう構成されている。冷媒としては、例えば冷却水が用いられる。
前記ワーク2の内周面と前記冷媒容器16の外周面との隙間は、100mm以下とされている。望ましくは30mm以下とするのがよい。なお、完全に密着しても良いが、少し間隔を持たせた方が熱収縮を吸収できるので、より望ましい。また作業性も良い。
尚、前記成膜装置は、アーク電源19とバイアス電源20を有し、アーク電源19の陰極が蒸発源3に接続され、該蒸発源3はターゲット(陰極)として構成される。アーク電源19の陽極は真空チャンバ1に接続されている。また、ワーク2は、バイアス電源20の陰極に接続されている。
前記アーク電源19には、火花放電用の補助陽極(図示省略)を有し、該補助陽極とターゲット3間でアークを発生させるように構成されている。
次に、前記構成の成膜装置を用いて成膜する方法を説明する。
まず円筒状ワーク2を真空チャンバ1内に挿入し、自転テーブル11上に載置して、自転軸12と同心状に固定する。冷却装置4の冷媒容器16を下降させて、ワーク2の内部空間15に挿入する。真空チャンバ1内を排気し、プロセスガスを供給してチャンバ1内を所定の減圧状態に維持する。
次に、アーク電源19を駆動して蒸発源3にアークを発生させ、蒸発源3から陰極物質を蒸発及びイオン化させる。これをプロセスガスと反応させることにより、ワーク2の表面に成膜する。
このとき、ワーク2には、バイアス電源20が印加されている。自転テーブル11は駆動手段13により自転し、円筒状ワーク2は、その軸心周りに回転して、ワーク2の外周面は、蒸発源3に対して均等に対面する。また、冷媒容器16には冷媒の冷却水が供給され、ワーク2は内部から冷却される。
前記実施の形態によれば、円筒状ワーク2の内側に低温の冷媒容器16を挿入することにより、これまで放熱にはほとんど寄与していなかったワーク2内面からの吸熱が可能となる。さらに冷媒容器16自体がプラズマやヒータからの入熱を受けずにすむため、冷媒が十分に低温を維持し、従って、ワーク2を冷却する能力が落ちることがない。この冷却装置4により、ワーク2は、400℃以下に維持される。
冷媒容器16をワーク2の内部空間15形状に合わせた円筒形状としているので、天井部6とのシール構造が容易になり、真空チャンバ1内の真空度の悪化を最小限に抑えることができる。
すなわち、真空中では、熱媒体となるもの(ガスやイオン粒子)の密度が極端に低いために、物から物への熱の伝わりは、両者がある程度の面積で密着している場合(伝導伝熱)を除き、ほとんど輻射による。したがって、大気中や大気圧以上での熱媒体に接する熱交換機などで使用されるような蛇腹形式やフィン構造として面積を増やすことにはあまり意味がなく、逆に真空中で大幅に表面積を増やすことは真空度の悪化につながるため、円筒状のワーク2に対しては単純形状の円筒形の冷媒容器16が好ましい。
また、2物体間の輻射による熱伝達速度は、両者の熱伝達に関与する面積に比例する。冷媒容器16とワーク2内面の間隔をできるだけ狭くすることによりワーク2内面から仰ぎ見たときの冷媒容器16の面積がより広くなり、逆に高温のワーク2内面が見える面積が減ることにより、冷却効果が高まる。
両者間の距離がゼロ、即ち、接触した場合は、より冷却効果の高い伝導伝熱による冷却が期待できるが、伝導伝熱による顕著な冷却作用は、両者が0.5〜10MPaの圧力で押しつけられている場合に得られることが知られており、これが実現できるのはやや特殊なケースである。実際の操業上は、ワーク2と冷媒容器16を簡単に着脱する必要がある場合が多く、例えば、500mm程度の長さのワーク2であれば、少なくとも5mm程度の隙間を設けておく方が作業性は良いし、それで十分な冷却効果が得られる。
なお、ワーク2を自転テーブル11に固定することなく、単に載置するのみとし、冷媒容器16によりその転倒を防止するように構成しても良い。この場合、冷媒容器16は、ワーク保持治具として機能する。
蒸発源3からの蒸発物質が、ワーク2に対してある特定の方向から飛来する場合、蒸発源3に面した側に厚く成膜されるが、ワーク2を自転させることにより、ワーク2を冷却しながら全周にわたって均一な膜厚に成膜することができる。
図3に示すものは、本発明の他の実施の形態である。
この実施の形態では、前記ワーク保持装置10は、前記自転とは異なる方向にワーク2を移動させるように構成されている。即ち、ワーク保持装置10は、前記自転テーブル11とは別に、前記ワーク2を移動させる移動手段21を有する。また、前記冷媒容器16は、前記移動手段21によるワーク2の移動に追従して移動するように設けられている。
即ち、ワーク保持装置10は、移動手段21としての公転テーブルを有し、該公転テーブル21に前記自転テーブル11の自転軸12が回転自在に設けられている。公転テーブル21は、公転軸22を有し、この公転軸22は、円筒状真空チャンバ1の軸心と同心状になるよう、底部5に回転自在に支持されている。公転軸22には、太陽歯車23が設けられ、該太陽歯車23に遊星歯車24が噛合し、この遊星歯車24は前記自転軸12に固定されている。公転軸22は、駆動手段13によって回転される。
蒸発源3は、前記ワーク保持手段10を取り囲むように、前記公転軸22の軸心と同心円周上に、周方向等間隔を有して、複数配置されている。また、蒸発源3は、上下に複数段(この実施の態様では2段)にわたって配置されている。
冷却装置4は、前記公転軸22と同心状に、真空チャンバ1の天井部6に回転自在に支持された冷媒容器保持部25を有する。
この冷媒容器保持部25に、前記冷媒容器16が、前記自転テーブル11と同じ位置で対向するように垂下されている。冷媒容器保持部25の上部は、真空チャンバ1の天井部6から上方に突出し、該突出部に回転継手26を介して冷媒供給・排出部27が接続されている。
前記真空チャンバ1の天井部6と周壁部7、又は、周壁部7と底部5は、上下方向に相対移動自在に設けられ、両者を分離したとき、ワーク2を自転テーブル11上に載置可能とし、両者を密閉状に接合したとき、冷媒容器16がワーク2の内部空間15へ挿入されるように構成されている。そして、公転軸22と冷媒容器保持部25とが、係脱自在に結合されて、各冷媒容器16は、公転軸22と同じ回転を行うよう構成されている。
その他の構成は、図1、2に示すものと同じである。
前記構成の実施の形態によれば、ワーク2は、自転すると共に公転するので、蒸発源3に対して均一に対面することになり、均一な成膜が可能となる。
このとき、冷却装置4も公転に追従して移動するので、ワーク2を効果的に冷却することができる。また冷媒の給排出を一カ所の冷媒供給・排出部27で行うように構成されているので、配管系統が簡単になる。
図4に示すものは、本発明の他の実施の形態である。
冷却装置4の冷媒容器16が、天井部6に回転自在に支持されている。冷媒容器16は、駆動手段13によりその軸心周りに回転自在とされている。冷媒容器16の上端部は、回転継手26を介して冷媒供給・排出部27が接続されている。
ワーク保持装置10は、冷媒容器16の下端に設けられたワーク保持具28と、冷媒容器16の中途部に設けられたスペーサ29とから構成されている。
前記ワーク保持具28の上面に円筒状ワーク2が載置され、スペーサ29により同心に位置合わせされる。ワーク2は、駆動手段13により冷媒容器16が回転し、それに伴い、ワーク2が自転するので、前記ワーク保持具28は、自転テーブル11と同じ機能を備えている。
蒸発源3は、ワーク2の一側方に配置されている。その他の構成は、前記他の実施の形態と同じである。
図5、6に示すものは、本発明の他の実施の形態である。
この実施の形態では、冷却装置4がワーク保持装置10に設けられている。
即ち、真空チャンバ1の底部5に、ワーク保持装置10の公転テーブル21の公転軸22が真空シール絶縁30を介して回転自在に支持されている。公転軸22の下端は、駆動手段13のモータにギヤを介して連動連結されている。
前記公転テーブル21の上面に、冷却装置4の円筒形状の冷媒容器16が、公転軸22の軸心と同心円上に、周方向等間隔を有して縦軸姿勢で固定されている。
この冷媒容器16の下部に自転テーブル11が軸受手段31のベアリングを介して回転自在に支持されている。この自転テーブル11の上面が、筒状ワーク2の載置面とされている。自転テーブル11の下部に小ギヤ32が形成されている。この小ギヤ32に噛合する内歯を有した大ギヤ33が、前記公転軸22の軸心と同心状に、チャンバ1の底部5に絶縁物34を介して設けられている。
前記公転軸22の下端に回転継手26を介して冷媒供給排出部27が設けられている。冷媒供給排出部27から供給される冷媒は、公転軸22及び公転テーブル21に形成された冷媒供給路35を通って冷媒容器16に供給され、循環して後、公転テーブル21及び公転軸22に形成された冷媒排出路36を通って冷媒供給排出部27より排出されるように構成されている。
なお、前記公転軸22にバイアス電源20が接続され、自転テーブル11上のワーク2にバイアス電源20の陰極が印加される。
前記構成において、蒸発源3は公転軸心部に設けるのが好ましい。しかし、前記図3に示すようにワークの外周域に設けることができる。また、蒸発源3を中心部と外周域の両方に設けることもできる。
前記構成によれば、冷却装置4がワーク保持装置10を兼用することになるので、ワーク2を自転テーブル11上に載置することにより、冷却装置4も同時にセットされることになり、作業のセッチング時間が短縮される。
又この実施の形態では、ワーク2の装着が上方から行えるので、ワークの装着が容易になる。
ワーク保持装置10に冷媒通路35,36が設けられているため、ワーク保持装置10自体も冷却され、ワーク下端部が効果的に冷却される。
ロッド状の蒸発源3を中心に配した形態の装置では、蒸発源3の中心軸に対してチャンバ(陽極)1の構造等が厳密には軸対称とならないため、ロッド型蒸発源3から蒸発する粒子の拡散状態は周方向に均一にならず、前記図1の形態では、ワーク間で(各自転軸の間で)少なくとも数パーセント程度の膜厚のバラツキが出るが、図5に示す実施の形態では、ワーク2を自転させ且つ蒸発源3の回りに公転させるので、ワーク間の膜厚バラツキは解消される。
更に、ワーク2の駆動軸、冷却水の給排水部が1箇所で済み、真空装置にとって重要な真空シールの信頼性が向上する。また、バイアス電圧の給電機構が簡素化できる。
図7に示すものは、本発明装置で使用可能なワーク2の各種形状を示している。図7(a)は、リング状のピストンリングを上下方向に積層して一体化したものである。同図(b)は、軸線方向に複数に分割した筒体である。このような各種ワークは、筒状体ワークとして、本発明装置に使用できる。
図1,2に示す装置を用いた成膜例を示す。
ワーク:外径90mm、厚み3mm、高さ600mmの円筒体。
冷媒容器:材質はSUS、冷媒は水温27℃の水。
成膜条件:アーク電流は、500A×2台で、1000A、バイアス電圧は15V、ガス(窒素)圧は3Pa。
を共通の条件とし、ワーク2と冷媒容器16の隙間を変えた場合と、冷媒容器16なしの場合のワーク2の温度を比較した。温度測定は、ワーク温度が十分に定常状態となる放電開始2時間後に行った。実験結果を表1に示す。
Figure 2004156139
表1によれば、冷媒容器なしで500℃弱であったワーク温度が大きく下がり、隙間30mmで400℃強、ワークと冷媒容器の隙間5mm以下とすれば、360℃台まで下がり、実用上十分であることが分かる。
従って、ワーク内周面と冷媒容器外周面の隙間は、100mm以下、望ましくは、30mm以下で、5mm以上とするのがよい。
なお、本発明は、前記実施の形態に示したものに限定されるものではなく、真空アーク成膜法に限らず、その他のPVD法に適用されるものであり、またワークの形状は円筒状物に限らず、冷却装置を挿入できる内部空間を有するものであればよい。また内部空間を有さない中実ワークであっても、その配置により中空部材と同じ冷却を行いつつ成膜することができる。
本発明は、切削工具や機械部品などへの耐摩耗性コーティング処理産業等において利用可能である。
図1は、本発明の実施の形態を示す成膜装置の概略側面構成図である。 図2は、図1の平面構成図である。 図3は、本発明の他の実施の形態を示す構成図である。 図4は、本発明の他の実施の形態を示す構成図である。 図5は、本発明の他の実施の形態を示す構成図である。 図6は、図5の上面図である。 図7は、ワークの各種形状を示す斜視図である。
符号の説明
1 真空チャンバ
2 ワーク
3 蒸発源
4 冷却装置
10 ワーク保持装置
11 自転テーブル
12 自転軸
14 開口部
15 内部空間
16 冷媒容器
21 移動手段(公転テーブル)
22 公転軸

Claims (12)

  1. 真空チャンバ内に、ワークに被膜を形成するための蒸発源と該ワークを冷却するための冷却装置とを有した成膜装置において、
    前記ワークは、開口部を介して外部に連通する内部空間を有し、前記冷却装置は、前記ワークの開口部から内部空間へ挿脱自在とされて該ワークを内部から冷却するように構成されていることを特徴とする成膜装置。
  2. 前記冷却装置は、内部に冷却媒体を流す冷媒容器を有することを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  3. 前記ワークの内部空間は直線状軸心を有する筒状に形成されており、前記冷媒容器は前記内部空間に挿入される筒状に形成されていることを特徴とする請求項2記載の成膜装置。
  4. 前記ワークの内周面と前記冷媒容器の外周面との隙間が、100mm以下とされていることを特徴とする請求項3記載の成膜装置。
  5. 前記ワークを着脱自在に保持するワーク保持装置を有し、該ワーク保持装置は、前記内部空間の軸心である自転軸回りにワークを自転させる自転テーブルを有することを特徴とする請求項3又は4記載の成膜装置。
  6. 前記ワーク保持装置は、前記自転テーブルとは別に前記ワークを移動させる移動手段を有し、前記冷媒容器は、前記移動手段によるワークの移動に追従して移動するように設けられていることを特徴とする請求項5記載の成膜装置。
  7. 前記移動手段は公転軸回りに回転する公転テーブルを有し、該公転テーブルに前記自転テーブルが設けられていることを特徴とする請求項6記載の成膜装置。
  8. 前記冷媒容器は、前記公転テーブルに設けられていることを特徴とする請求項7記載の成膜装置。
  9. 前記真空チャンバは底部を有し、該底部に前記公転テーブルが公転軸を縦軸姿勢として設けられ、該公転テーブルの上面に前記自転テーブルが公転軸を中心とする同心円周上に周方向等間隔を有して設けられ、前記冷媒容器は、前記自転軸心部に設けられていることを特徴とする請求項8記載の成膜装置。
  10. 前記ワークは、同心円周上に複数配置され、前記冷却装置は、前記同心円の中心部に配置されていることを特徴とする請求項1記載の成膜装置。
  11. 真空チャンバ内に、ワークに被膜を形成するための蒸発源と該ワークを冷却するための冷却装置とを有した成膜装置を用いて、前記ワークに成膜する方法において、
    前記冷却装置を前記ワークの内部に挿脱自在に挿入して該ワークの内部から該ワークを冷却しつつ、該ワークの外周面に成膜を行うことを特徴とする成膜方法。
  12. ワーク内部に冷却装置を挿入した状態で、ワークを自転させ且つ公転させることを特徴とする請求項11記載の成膜方法。
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