JP2004155725A - 高純度2,3−ピリジンジカルボン酸の取得方法 - Google Patents

高純度2,3−ピリジンジカルボン酸の取得方法 Download PDF

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Abstract

【課題】農薬、医薬用に必要な純度を備えた2,3−ピリジンジカルボン酸を安価に製造するため、製造工程や設備から混入した重金属 (銅、鉄等) を簡単に除去することができる方法を提供する。
【解決手段】2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の水溶液を、水硫化物、硫化物、多硫化物およびイオウの1種もしくは2種以上を添加し、生じた硫化物の沈殿を除去した後、この水溶液に鉱酸を添加して2,3−ピリジンジカルボン酸を析出させ、分離する。精製する水溶液は、製造工程で得られた2,3−ピリジンジカルボン酸の銅塩をアルカリ分解して得た、2,3−ピリジンジカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液でよく、その後の鉱酸の添加によって、銅や鉄の含有量が好ましくは検出限界未満まで著しく低減した製品を得ることができる。
【選択図】 なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、重金属含有量が著しく低減した高純度の2,3−ピリジンジカルボン酸を取得する方法に関し、特に銅を用いる製造工程で2,3−ピリジンジカルボン酸を製造する場合に、銅含有量が著しく低減した2,3−ピリジンジカルボン酸を取得することができる方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
2,3−ピリジンジカルボン酸 (別名: キノリン酸) は、医薬、農薬、染料、顔料などの中間体として、幅広い用途を持っている。
【0003】
2,3−ピリジンジカルボン酸の製造方法はこれまでに数多く検討されてきた。例えば、ルテニウム化合物を触媒としてキノリンを硫酸中で過酸化水素、塩素酸ナトリウムで酸化する方法(特許文献1)、キノリンまたは8−ヒドロキシキノリンをルテニウム化合物を触媒として次亜塩素酸イオンで酸化する方法(特許文献2、3、4) 、キノリンをルテニウム化合物を触媒として亜塩素酸イオンで酸化する方法(特許文献5)、キノリンを多量のコバルトイオンの存在下、酸素酸化する方法(特許文献6)、8−ヒドロキシキノリンをバナジウムイオンの存在下、塩素酸イオンで酸化する方法(特許文献7)などがある。
【0004】
特許文献8には、酸性条件下でキノリンを当モルの2価銅塩の存在下に塩素酸ナトリウムで酸化する方法が開示されている。特許文献9には、キノリンを予備酸化した後、塩素酸塩で酸化する方法が開示されている。さらに、キノリンを銅イオンの存在下、過酸化水素で酸化する方法(非特許文献1)、8−ヒドロキシキノリンを硝酸で酸化する方法(非特許文献2)、メタノールと塩素酸塩から発生させた二酸化塩素でキノリンを酸化する方法(特許文献11)、キノリンをオゾンで酸化する方法(非特許文献3)なども知られている。
【0005】
特許文献2には、キノリンの酸化により得られた2,3−ピリジンジカルボン酸の溶液にpH1程度で硫酸銅を加えて2,3−ピリジンジカルボン酸を銅塩として析出させて分離し、この銅塩の分散液に約60℃で硫化水素ガスを通じて2,3−ピリジンジカルボン酸を得ることが記載されている。2,3−ピリジンジカルボン酸の銅塩を硫化水素または水酸化ナトリウムで分解すると、容易に2,3−ピリジンジカルボン酸になることは、特許文献4および10にも記載されている。
【0006】
しかしながら、2,3−ピリジンジカルボン酸の銅塩を硫化水素や硫化物で処理する方法は、下記理由で工業的製法としての価値はない。
(a) 処理には大量かつ過剰の硫化水素や硫化物を必要とする。その結果、製品である2,3−ピリジンジカルボン酸にイオウやチオン酸などが混入して異臭がするのみならず、製品品質が悪化する。例えば、特許文献10によれば、この方法で得られるキノリン酸は黄色であり、純度は91%にすぎない。
【0007】
(b) 当量の割合で副生する硫化銅の沈殿を大量の溶液から分離することが困難である。例えば、濾過で分離するには長時間を要する。
(c) 大量に副生する硫化銅の再利用が困難である。工業的観点、換言すれば経済的視点からは、実質上再利用できない。これに対し、アルカリ水溶液で分解する方法から発生する酸化銅は、酸に容易に溶解するので、製造工程で簡単に再利用できる。
【0008】
【特許文献1】
特開平3−271275号公報 (特許請求の範囲、第2頁左上欄)
【特許文献2】
特開昭61−212563号公報 (特許請求の範囲、第3頁左下欄〜右下欄)
【特許文献3】
特開平2−83370 号公報 (特許請求の範囲、第5頁左下欄)
【特許文献4】
特開平3−101661号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献5】
特開平3−157371号公報 (特許請求の範囲、第2頁左上欄)
【特許文献6】
特開昭49−55673 号公報 (特許請求の範囲)
【特許文献7】
特開昭58−105964号公報 (特許請求の範囲、第2頁左欄)
【特許文献8】
特開昭62−209063号公報 (特許請求の範囲、実施例)
【特許文献9】
特公昭62−18551 号公報 (特許請求の範囲、第2頁左上欄)
【特許文献10】
特公昭60−54305 号公報 (第2欄、第10欄)
【特許文献11】
特開平3−287576号公報 (特許請求の範囲)
【非特許文献1】
Chem. Ber. 65, 11 (1932)
【非特許文献2】
Chem. Ber. 12, 983 (1879)
【非特許文献3】
Synthesis, 11, 880 (1989)
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、2,3−ピリジンジカルボン酸の製造に関しては多様な方法がこれまでに提案されているが、酸化反応を銅イオンの存在下で塩素酸塩により行う方法は、反応剤の使用量や生産性の点から有利である。
【0010】
また、本発明者らは、酸化反応またはその後の精製もしくは分離工程で2,3−ピリジンジカルボン酸を銅塩として析出させると、酸化反応で副生した2,3−ピリジンジカルボン酸以外の有機不純物の含有量が著しく少ない製品が得られることを見出した。これは、銅イオンが2,3−ピリジンジカルボン酸とだけ選択的に難溶性の塩を形成する性質があるためであると考えられる。
【0011】
ところで、2,3−ピリジンジカルボン酸の主な用途である農薬や医薬では、重金属の含有は厳しく制限されており、一般に日本薬局方に規定する重金属試験法第2法に準じて測定した重金属含有量が25 mg/kg未満であることが求められる。しかし、2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程において、酸化反応に銅を使用したり、精製・分離のために銅塩の析出を利用すると、製品への銅の混入は不可避であり、製品の銅含有量は一般に50〜500 mg/kg 、典型的には 100〜300 mg/kg になる。
【0012】
また、工業的製造では製造設備にステンレス鋼等の金属材料を使うのが普通であるが、そうすると容器から溶出した鉄その他の重金属も製品に混入するため、重金属含有量がさらに増える。
【0013】
さらに、2,3−ピリジンジカルボン酸の製造では、重金属の混入を防ぐため、重金属含有量の少ない高純度の原材料の使用や、非金属材料の製造設備の使用が必須であり、これが2,3−ピリジンジカルボン酸の製造コストを押し上げる要因となっている。
【0014】
2,3−ピリジンジカルボン酸から重金属、特に銅を除去することはきわめて困難であることが知られており、この問題が、製造工程に銅を用いる2,3−ピリジンジカルボン酸の工業的製造を阻む原因になっている (特許文献1、3、5、7、9を参照) 。従って、製品から重金属を低コストで簡単に除くことができる技術を開発することが、当業界での課題であった。
【0015】
本発明は、2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程や設備から混入した重金属を簡単に除去することができ、農薬、医薬用途向けに必要な純度を備えた2,3−ピリジンジカルボン酸を安価に製造することを可能にする、重金属含有量の少ない2,3−ピリジンジカルボン酸の取得方法を提供することを課題とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその可溶性の塩の溶液から重金属を硫化物として沈殿させることで、溶液から重金属を簡単に除去できることを見出した。その後、溶液から2,3−ピリジンジカルボン酸を酸析させると、重金属含有量が著しく低減した2,3−ピリジンジカルボン酸を取得することができる。
【0017】
ここに、本発明は、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の溶液を、水硫化物、硫化物、多硫化物およびイオウから選んだ少なくとも1種を添加し、生じた沈殿を除去した後、この溶液に鉱酸を添加して2,3−ピリジンジカルボン酸を析出させ、分離することを特徴とする、重金属含有量が低減した2,3−ピリジンジカルボン酸を取得する方法である。
【0018】
好適態様において、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の溶液は、銅を用いた2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程から得られたものである。この溶液は、より好ましくは、2,3−ピリジンジカルボン酸銅をアルカリ分解することにより得られた2,3−ピリジンジカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液である。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明の方法における原料 (被処理物) は、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の溶液である。溶液の溶媒は、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩を溶解するものであれば種類を問わない。DMFなどの有機溶媒も使用できるが、一般には水が望ましい。水にアルコールやケトンなどの水混和性有機溶媒を混合した溶媒も使用できる。以下では、溶媒が水である場合について本発明を説明するが、溶媒は水に限られない。
【0020】
2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の水溶液は、いかなる方法で製造されたものでもよい。この水溶液は、任意の方法で製造された2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩をそのまま溶媒の水に溶解した溶液でもよく、あるいは2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程において中間体として得られる2,3−ピリジンジカルボン酸塩の水溶液でもよい。
【0021】
溶媒が水である場合、遊離の2,3−ピリジンジカルボン酸の溶解度はそれほど大きくないので、溶液中に適当なカチオンを共存させ、可溶性の塩の溶液とする方が、高濃度の溶液とすることができ、有利である。塩としては、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属塩や、アンモニウム塩などがあげられる。
【0022】
本発明の方法は、重金属の混入が不可避である、製造工程において銅を用いる方法により生成物または中間体として得られる2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の水溶液に適用することが特に有効である。そのような溶液の代表例は、2,3−ピリジンジカルボン酸銅をアルカリ分解することにより得られた、2,3−ピリジンジカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液である。
【0023】
2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程において銅を用いる方法は、(A) キノリンまたは8−ヒドロキシキノリンのような原料化合物を銅イオンの存在下で適当な酸化剤により酸化することで、中間体として2,3−ピリジンジカルボン酸銅の沈殿が生成する方法と、(B) 溶液状態の2,3−ピリジンジカルボン酸もしくはその塩を分離するため、またはこの酸もしくは塩を精製するため、難溶性の2,3−ピリジンジカルボン酸銅の析出を行う方法、の両方を含む。
【0024】
銅イオンの存在下で酸化反応を行う(A) の方法は、例えば、特許文献8、10と非特許文献1に記載されている。一方、2,3−ピリジンジカルボン酸銅の析出により2,3−ピリジンジカルボン酸を分離する(B) の方法は、例えば、特許文献2に記載されている。
【0025】
(A) と(B) のいずれの場合も、2,3−ピリジンジカルボン酸銅の沈殿を濾過等により分離した後、この銅塩を水中でアルカリまたは硫化物を作用させて分解し、副生した固形分 (酸化銅または硫化銅) を濾過等により除去して、アルカリ金属塩または遊離形態の2,3−ピリジンジカルボン酸の水溶液を得る。この水溶液に対して、本発明の方法を適用することができる。その後、水溶液に鉱酸を加えて酸性化し、必要であれば濃縮することにより、2,3−ピリジンジカルボン酸を固体として取得することができる。
【0026】
ここで特筆すべき点は、2,3−ピリジンジカルボン酸の銅塩を硫化物を用いて分解処理して得た2,3−ピリジンジカルボン酸であっても、銅の完全な除去はできず、製品は常にかなりの量の銅を不純物として含有するという事実である (特許文献9を参照) 。これに対し、本発明では、水溶液を硫化物で処理することにより、銅や他の重金属を効果的に除去することができる。
【0027】
銅イオンの存在下で酸化反応を行う(A) の方法として特に好ましいのは、特許文献8に記載の2,3−ピリジンジカルボン酸の製造方法である。この方法では、2価銅イオンの存在下、酸性媒質中でキノリンを塩素酸塩で酸化して、2,3−ピリジンジカルボン酸銅が析出した酸化反応液を得る。反応液から銅塩を分離した後、この銅塩を水中でアルカリ (例、水酸化ナトリウム) を作用させて分解し、副生した酸化銅を除去した後に、2,3−ピリジンジカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液を得る。この水溶液に鉱酸を添加して酸性化すると、2,3−ピリジンジカルボン酸が析出するので、これを回収する。
【0028】
即ち、銅イオン存在下での酸化反応で得られた中間体の2,3−ピリジンジカルボン酸銅塩から、アルカリ分解と酸析により2,3−ピリジンジカルボン酸を得る。他の方法で酸化生成物として得られた2,3−ピリジンジカルボン酸銅塩や、溶液から分離する目的で銅塩として析出させた2,3−ピリジンジカルボン酸についても、同じようにアルカリ分解と酸析によって2,3−ピリジンジカルボン酸を得ることができる。
【0029】
本発明によれば、上記方法において、アルカリ分解で得られた2,3−ピリジンジカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液に対して、重金属を除去するための精製を行う。この精製は、硫化物等を添加した後、生成した沈殿を除去することにより行われる。この方法は、イオン交換樹脂による処理といった他の重金属の除去方法に比べて、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の水溶液からの重金属の除去効率が極めて高く、その後に酸析を行って2,3−ピリジンジカルボン酸を回収すると、重金属含有量が著しく低減した製品を取得できることが判明した。
【0030】
もちろん、既に述べたように、精製する水溶液は、上記のように銅塩からアルカリ分解で得られたものに限られない。銅を使用しない製造工程で生成物または中間体として得られた2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩であっても、原料や設備から混入した重金属をかなり含有しており、その水溶液 (溶解度が不足する化合物形態の場合には、例えば、水中でアルカリ金属塩に転化してもよい) に対して本発明の方法を適用することで、重金属含有量が著しく低減した2,3−ピリジンジカルボン酸を得ることができる。
【0031】
本発明の方法によると、2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の水溶液に、水硫化物、硫化物、多硫化物およびイオウから選んだ1種もしくは2種以上の添加剤を添加する。それにより、重金属は不溶性の硫化物として沈殿するので、それを濾過等により除去すると、重金属含有量が低減した水溶液が得られる。
【0032】
水硫化物の例としては、硫化水素、水硫化ナトリウム、水硫化カリウム、水硫化アンモニウムなどが挙げられる。硫化物の例として、硫化ナトリウム、硫化カリウム、硫化カルシウム、硫化アンモニウムなどが、多硫化物として、多硫化ナトリウム、多硫化カリウム、多硫化アンモニウムなどが挙げられる。
【0033】
イオウは、水溶液がアルカリ性である場合に使用する。イオウは水溶液中の水酸化物イオンと反応して、硫化物イオンや多硫化物イオンになり、効力を発揮する。すなわち、本発明で用いる添加剤は、溶液中で水硫化物、硫化物または多硫化物イオンを発生するものであれば、種類を問わない。
【0034】
添加剤の添加量は、溶液中の重金属と当量以上が望ましいが、大過剰に加える必要はない。通常当量から10倍当量の範囲、望ましくは1.5 から5倍当量である。反応は常温でも進むが、沸点までの温度に加熱してもよい。特に、イオウを添加した場合は、加熱した方がよい。添加剤の量が少量であるので、水溶液として添加してもよい。処理時間は10〜60分程度で十分であり、処理中に攪拌することが好ましい。この硫化物等の添加による水溶液の精製と同時に、またはこれとは別に、水溶液を活性炭等で脱色処理してもよい。
【0035】
硫化物の沈殿を除去した後に得られる水溶液に鉱酸を加えて酸性化し、2,3−ピリジンジカルボン酸を析出させる。鉱酸は塩酸、硫酸、硝酸などでよいが、他の鉱酸も使用可能である。必要であれば、水溶液を濃縮してもよい。析出した2,3−ピリジンジカルボン酸を濾過等により分離すると、重金属含有量が著しく低減した2,3−ピリジンジカルボン酸が得られる。
【0036】
本発明の方法により、日本薬局方に規定する重金属試験法第2法に準じて測定した重金属含有量が25 mg/kg未満、好ましくは10mg/kg 以下である2,3−ピリジンジカルボン酸、または灰化後に鉱酸に溶解した溶液のICP分析により測定した銅含有量が20 mg/kg未満、好ましくは5mg/kg 以下である2,3−ピリジンジカルボン酸を取得することができる。銅に加え、設備等から混入し易い鉄の含有量も、銅と同レベル以下まで低減することができる。
【0037】
【実施例】
以下に参考例、実施例および比較例を示す。以下の説明では、%は特に指定しない限り質量%である。また、記述を短縮するため、2,3−ピリジンジカルボン酸を「2,3−PDCA」と略記する。
【0038】
以下に示す金属の分析値のうち、「鉄」および「銅」の含有量は、試料 (溶液または固体) を灰化後に鉱酸 (塩酸) に溶解し、ICPで分析した結果 (ICP法と略記) である。この実験でのICP法の検出限界は1mg/kg であったので、「<1mg/kg 」とは含有量が検出限界より少ないことを意味する。「重金属」の含有量は、日本薬局法に規定する重金属試験法第2法に従って測定した結果 (薬局方と略記) であり、その検出限界は10 mg/kgである。
【0039】
(参考例1)
市販の工業用2,3−PDCAを水酸化ナトリウム水溶液に溶解して調製した2,3−PDCA・Na塩の15%水溶液1000 gに、硫化アンモニウム0.2 g を添加して30分間攪拌した後、生じた沈殿を濾別した。処理前後の水溶液中の重金属濃度を調べた結果を下表に示す。
【0040】
Figure 2004155725
【0041】
(実施例1)
市販の工業用2,3−PDCA (純度99.8%、白色) 100 g を10%水酸化ナトリウム溶液600 g に溶解した。こうして得られた2,3−PDCA・Na塩の水溶液に、硫化ナトリウム0.15 gを添加して30分間攪拌した後、生じた沈殿を濾過により除去した。濾過後の水溶液に35%塩酸を加えて、水溶液をpH1に酸性化し、生じた2,3−PDCAの沈殿を濾取した後、乾燥した。収量は94 g (純度99.8%、白色) であった。処理前 (市販品) と処理後の2,3−PDCAの重金属含有量を下表に示す。
【0042】
Figure 2004155725
【0043】
(実施例2)
2,3−PDCAを含む水溶液に硫酸銅を加えて回収した2,3−PDCA・銅塩400 g を、15%水酸化ナトリウム水溶液1400 gに懸濁させ、70℃で1時間処理した。生じた酸化銅を濾別し、フィルター内のケーキを水洗した。濾液と洗液とを合わせて、1650 gの2,3−PDCA・Na塩の水溶液が得られた。この水溶液500 g に硫化ナトリウム1.2 g を添加し、30分間攪拌した後、析出した沈殿を濾別した。濾過後の水溶液に35%塩酸を加えてpH1に酸性化し、析出した2,3−PDCAの沈殿を濾取し、乾燥して、73 gの2,3−PDCA (純度99.8%、白色) を得た (処理品) 。
【0044】
比較として、硫化ナトリウムの添加 (およびその後の沈殿の濾別) を行わなかった点を除いて、上記と同様に操作することにより、同じく73 gの2,3−PDCA (純度99.8%、白色) を得た (未処理品) 。
【0045】
処理品と未処理品の2,3−PDCAの分析結果を下表に示す。
Figure 2004155725
【0046】
(実施例3)
特許文献8の実施例を参考に、キノリンから2,3−PDCAを合成した。すなわち、ガラス製フラスコに、キノリン104.4 g 、水810 g 、硫酸銅・5水和物202 g 、98%硫酸101 g 、および塩素酸ナトリウム304 g を入れ、98〜103 ℃で17時間反応させて、キノリンを酸化した。
【0047】
析出した2,3−PDCA・銅塩を濾過により分離した後、得られた湿潤ケーキを、水酸化ナトリウム75 gおよび水450 g と混合し、70℃で1時間処理して、銅塩をアルカリ分解した。副生した酸化銅を水で洗浄しながら濾過して除去し、2,3−PDCA・ナトリウム塩の水溶液700 g を得た。このNa塩の水溶液を二等分した。
【0048】
半分のNa塩の水溶液350 g に35%塩酸を加えてpH1とし、析出した沈殿を濾過により分離し、乾燥して、33.6 gの2,3−PDCA (純度99.8%、白色) を得た (未処理品) 。
【0049】
残り半分の2,3−PDCA・Na塩の水溶液350 g には、硫化ナトリウム2g を加えて70℃で30分間攪拌した後、濾過して固形分を除去した。得られた濾液に35%塩酸を加えてpH1とし、析出した沈殿を濾過により分離し、乾燥して、33.2 gの2,3−PDCA (純度99.8%、白色) を得た (処理品) 。
【0050】
処理品と未処理品の2,3−PDCAの分析結果を下表に示す。
Figure 2004155725
【0051】
本例において2,3−PDCAの鉄含有量が少ないのは、合成操作をすべてガラス容器内で実施したためである。試しに、Na塩の水溶液に微量の水酸化鉄を加えて、未処理品の鉄含有量が200 mg/kg になるようにした場合、本発明に従って水溶液を処理した処理品の鉄含有量は3 mg/kg となった。従って、工業的実施において設備からの鉄分の混入がある場合にも本発明は有効である。
【0052】
以上の参考例1および実施例1〜3の結果から、本発明に従って、酸析する前の2,3−PDCA塩の水溶液を、硫化物等で処理することにより精製すると、水溶液から重金属を効果的に除去することができ、酸析後に重金属含有量が著しく低減した2,3−PDCAを得ることができることがわかる。
【0053】
【発明の効果】
本発明により、溶液への硫化物等の添加と沈殿の除去という簡単な操作によって、農薬や医薬に求められる重金属含有量の基準を十分に満たす、日本薬局方に規定する重金属試験法第2法に準じて測定した重金属含有量が25 mg/kg未満、好ましくは10 mg/kg以下であり、かつ灰化後に鉱酸に溶解した溶液のICP分析により測定した銅含有量が20 mg/kg未満、好ましくは5mg/kg 以下であるという、高純度の2,3−ピリジンジカルボン酸を取得することができる。銅に加え、設備等から混入し易い鉄の含有量も、銅と同レベル以下まで低減することができる。
【0054】
特に、本発明による溶液の精製とその後の酸析を、銅イオンの存在下での酸化反応により2,3−ピリジンジカルボン酸の銅塩を析出させ、それをアルカリ分解および酸析する2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程に適用した場合には、アルカリ分解で得られた溶液に対して、硫化物の添加と沈殿の除去という簡便な操作を加えるだけでよく、それにより不純物レベルが数十分の一以下まで低減した、高純度の製品を取得することができる。
【0055】
また、製品純度を上げるために高純度原料を使用したり、製造設備を非金属材料から作製する必要もなくなるので、本発明により高純度の2,3−ピリジンジカルボン酸を安価に製造することが可能となる。

Claims (5)

  1. 2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の溶液を、水硫化物、硫化物、多硫化物およびイオウから選んだ少なくとも1種を添加し、生じた沈殿を除去した後、この溶液に鉱酸を添加して2,3−ピリジンジカルボン酸を析出させ、分離することを特徴とする、重金属含有量が低減した2,3−ピリジンジカルボン酸を取得する方法。
  2. 2,3−ピリジンジカルボン酸またはその塩の溶液が、銅を用いた2,3−ピリジンジカルボン酸の製造工程から得られたものである、請求項1に記載の方法。
  3. 前記溶液が、2,3−ピリジンジカルボン酸銅をアルカリ分解することにより得られた、2,3−ピリジンジカルボン酸アルカリ金属塩の水溶液である、請求項2に記載の方法。
  4. 取得した2,3−ピリジンジカルボン酸の重金属含有量が、日本薬局方に規定する重金属試験法第2法に準じて測定して25 mg/kg未満である、請求項1〜3のいずれかに記載の方法。
  5. 取得した2,3−ピリジンジカルボン酸の銅含有量が、灰化後に鉱酸に溶解した溶液のICP分析により測定して20 mg/kg未満である、請求項2または3に記載の方法。
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