JP2004154424A - 遊技機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】大当り遊技時に保留球が存在するときには保留球の中に大当りが存在するか否が判定され、大当りが存在するときには大当り遊技中に大当り予告が高確率で行われる。このため、大当りラウンド表示を見る楽しみおよびパチンコ球Pが大入賞口31内に入賞することを見る楽しみに加え、大当り予告が行われるかを期待する楽しみができるので、大当り遊技時の趣向性が高まる。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、図柄を可変状態および可変停止状態で順に表示する可変表示をパチンコ球が始動口に入賞したことを条件に行う構成の遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】
上記遊技機には図柄を可変状態および可変停止状態で順に表示し、図柄の可変停止状態での態様に基づいて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を報知する構成のものがある。この構成の場合、図柄が大当りの態様で停止表示されたときには可変入賞口が開放され、パチンコ球が可変入賞口内に入賞することが許容される。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記遊技機の場合、可変入賞口の開放時に専用のアニメーション画面が表示される。このアニメーション画面は美的効果はあるものの遊技心を煽る効果が全くなく、繰返し見るうちに飽きてしまう。しかも、遊技盤内に発射されたパチンコ球が可変入賞口に集まるように障害釘がレイアウトされているので、発射ハンドルを操作してパチンコ球を可変入賞口に集めるおもしろみもなく、総じて、大当り遊技時の趣向性に乏しい。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、大当り遊技時の趣向性を高めることができる遊技機を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
<請求項1〜3に係る発明について>
請求項1〜3に係る発明は、大当り遊技中に予告を選択的に行うところに特徴を有する。この予告は大当り遊技時のアニメーション画面とは機能的に相違するものであり、保留球に係る可変表示の表示内容を映像・音・光・これらの組合わせで事前報知するものである。この可変表示は図柄が大当りの態様で停止するか否かが抽選される様子を演出するものであり、大当りの発生に直結するものである。即ち、予告は大当りに対する期待感を高める機能を有するものであり、可変表示の表示内容を「100%」の確率で確定的に事前報知するものである必要はなく、予告が行われたにも拘らず予告が実現しないことがある非確定的なものであっても良い。
【0005】
予告実行の有無は大当り遊技中に保留球が存在していることを条件に判定される。この保留球はパチンコ球が可変表示を即座に開始することができないタイミングで始動口に入賞することに基づいて発生するものであり、新たな可変表示の開始が保留されたことを示している。この保留球の存在は予告実行の必須条件であり、保留球以外の条件は任意に設定すれば良い。この任意条件の一例には予告カウンタの計測値が予め設定された予告値に該当すること,保留球に係るカウンタデータに基づいて予告行為に該当する表示行為の発生が判定されること等がある。例えば大当り予告を行うときには保留球に係るカウンタデータに基づいて大当りの発生が判定されること、リーチ予告を行うときには保留球に係るカウンタデータに基づいてリーチの発生が判定されること、リーチアクション予告を行うときには保留球に係るカウンタデータに基づいてリーチアクションの発生が判定されることが予告行為に該当する表示行為の判定に該当する。
請求項1〜3に係る発明によれば、大当り遊技時に保留球に係る予告が行われることがあるので、大当り遊技用のアニメーション画面を見る楽しみおよび可変入賞口にパチンコ球が入賞することを見る楽しみに加え、予告が何時行われるかを期待する楽しみができる。しかも、予告が保留球の存在を必須条件に行われるので、予告に対する信憑性が高まり、総じて、大当り遊技時の趣向性が高まる。
【0006】
<請求項4に係る発明について>
請求項4に係る発明は、予告を大当りラウンド表示の表示内容によって行うところに特徴を有する。この大当りラウンド表示は大当りラウンド中に表示される動画面または静止画面を称するものであり、大当りラウンドは設定条件が満足されるまで可変入賞口を遊技者に有利な状態にする動作を称している。この大当りラウンドは別の設定条件が満足されることに基づいて2以上の設定値を上限に再開されるものであり、大当りラウンドの繰返しが大当り遊技に相当する。また、大当りラウンド表示による予告とは大当りラウンド表示を通常とは異なる態様で行うことを称するものであり、例えば大当りラウンド表示を通常とは異なる絵柄で行ったり、通常とは異なる色彩で行うことである。
請求項4に係る発明によれば、大当りラウンド表示の表示内容によって予告が行われる。この大当りラウンド中には遊技者がパチンコ球の可変入賞口に対する挙動に加えて大当りラウンド表示を見つめる傾向にあるので、遊技者が予告を見逃す確度が低くなる。
【0007】
<請求項5に係る発明について>
請求項5に係る発明は、新たな大当りラウンド表示を開始する毎に可変表示の保留の有無を検出するところに特徴を有する。
請求項5に係る発明によれば、例えば最終の大当りラウンド表示の開始直前に新たな保留球が発生し、新たな保留球に基づいて予告有りが判定されたときには最終の大当りラウンド表示中に予告が行われるので、最終の大当りラウンド表示の開始直前に新たな保留球が発生したときでも予告を行うことができる。
【0008】
<請求項6〜7に係る発明について>
請求項6に係る発明は予告を複数の大当りラウンド表示で行うところに特徴を有し、請求項7に係る発明は予告を行ったときには最終回の大当りラウンド表示まで継続させるところに特徴を有する。
請求項6〜7に係る発明によれば、複数の大当りラウンド表示で予告が行われる。このため、予告を見逃す確度が低くなるので、予告を楽しむ折角の機会が失われることが防止される。
【0009】
<請求項8に係る発明について>
請求項8に係る発明は、大当り遊技中に予告を行ったときには予告が行われたことを大当り遊技終了後にも報知するところに特徴を有する。
請求項8に係る発明によれば、大当り遊技中に予告が行われたときには保留球に基づく可変表示時に予告があった旨が報知される。このため、大当り遊技中の予告に気付かなかったときでも予告を認識できるので、大当り遊技後の保留球に基づく可変表示に対する趣向性が高まる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の第1実施例を図1〜図43に基づいて説明する。パチンコホールの台島には、図4に示すように、外枠1が設置されている。この外枠1は前後面が開口する四角筒状をなすものであり、外枠1の前面には、図2に示すように、前面扉2が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されている。この前面扉2は外枠1の前面開口部を開閉する枠状をなすものであり、前面扉2の前面には横長な長方形状の皿板3が装着されている。この皿板3の前面には上皿4が固定されており、上皿4内にはパチンコ球P(図7参照)が貯溜されている。
【0011】
上皿4の左端部には、図2に示すように、複数のスリット5が形成されている。これら複数のスリット5の後方にはスピーカ6が固定されており、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6から複数のスリット5を通して前方の遊技者に効果音が出力される。また、前面扉2の前面には右下部に位置してハンドル台7が固定されており、ハンドル台7には発射ハンドル8が回動可能に装着されている。この発射ハンドル8の後方には、図4に示すように、発射モータ9が装着されており、発射モータ9の回転軸には、図2に示すように、打球槌10が連結されている。この発射モータ9は打球槌10の駆動源に相当するものであり、発射ハンドル8が図2の時計回り方向へ回動操作されたときには発射モータ9に電源が与えられ、打球槌10が駆動することに基づいて上皿4内のパチンコ球Pを上皿4内から弾き出す。
【0012】
前面扉2の前面には矩形状の窓枠11が左側辺部の垂直な軸(図示せず)を中心に回動可能に装着されており、窓枠11の内周面には透明なガラス窓12が保持されている。また、前面扉2の後面には額縁状の機構盤(図示せず)が固定されている。この機構盤には、図3に示すように、遊技盤13が保持されており、遊技盤13は窓枠11のガラス窓12により前方から覆われている。
【0013】
前面扉2の前面には、図2に示すように、右側部に位置して枠鍵14が装着されており、枠鍵14は前面扉2を外枠1に密着した閉鎖状態にロックし、窓枠11を前面扉2の開口部の内周面に嵌合した閉鎖状態にロックしている。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、外レール15および内レール16が固定されており、打球槌10が弾いたパチンコ球Pは外レール15および内レール16間の発射通路17を通って上昇し、発射通路17の出口18から放出される。また、遊技盤13の前面には複数の障害釘19が打込まれており、出口18から放出されたパチンコ球Pは障害釘19に当りながら落下する。
【0014】
遊技盤13の前面には左上隅部および右上隅部に位置して三角形状のコーナランプカバー20が固定されている。これら各コーナランプカバー20の後方には複数のコーナランプ21(図8参照)が固定されており、各コーナランプカバー20は後方のコーナランプ21が点灯することに基づいて発光する。また、遊技盤13の前面には、図3に示すように、左側部および右側部に位置してサイドランプカバー22が固定されている。これら各サイドランプカバー22の後方には複数のサイドランプ23(図8参照)が固定されており、各サイドランプカバー22は後方のサイドランプ23が点灯することに基づいて発光する。
【0015】
遊技盤13の前面には、図3に示すように、表示台板24が固定されており、表示台板24の上端部には4個の保留球ランプ25が固定されている。これら4個の保留球ランプ25は保留球表示器26を構成するものであり、横一列に配置されている。また、表示台板24にはカラー液晶表示器からなる図柄表示装置27が固定されている。この図柄表示装置27には特別図柄変動領域TEが横3列に設けられており、各特別図柄表示領域TE内には特別図柄が表示される。この特別図柄は大当りおよび外れを識別する識別図柄に相当するものであり、数字図柄から構成されている。尚、図柄表示装置27は表示装置に相当する。
【0016】
遊技盤13には図柄表示装置27の下方に位置して特別図柄始動口28が固定されている。この特別図柄始動口28は上面が開口するポケット状をなすものであり、特別図柄始動口28内には始動口センサ29(図8参照)が固定されている。この始動口センサ29は近接スイッチからなるものであり、特別図柄始動口28内にパチンコ球Pが入賞したことを検出して特別図柄始動信号(始動信号と称する)を出力する。尚、特別図柄始動口28は始動口に相当するものである。
【0017】
遊技盤13の前面には、図3に示すように、特別図柄始動口28の下方に位置して入賞口台板30が固定されており、入賞口台板30には、図5に示すように、前面が開口する四角筒状の大入賞口31が固定されている。また、入賞口台板30には、図3に示すように、扉32が下端部の水平な軸33を中心に回動可能に装着されており、大入賞口31の前面は扉32が垂直な閉鎖状態に回動することに基づいて閉鎖され、図5に示すように、扉32が前方へ水平に倒れた開放状態に回動することに基づいて開放される。尚、大入賞口31は可変入賞口に相当するものである。
【0018】
入賞口台板30の後面には左側部に位置して大入賞口ソレノイド34が固定されている。この大入賞口ソレノイド34のプランジャには扉32が機械的に連結されており、扉32は大入賞口ソレノイド34のプランジャが進退することに基づいて開放状態および閉鎖状態に回動操作される。また、大入賞口31内にはカウントセンサ35(図8参照)が固定されている。このカウントセンサ35は近接スイッチからなるものであり、大入賞口31内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してカウント信号を出力する。
【0019】
大入賞口31内には、図5に示すように、左側部および右側部に位置してカウント領域36および特定領域37が形成されている。これらカウント領域36および特定領域37は大入賞口31の奥壁に形成された孔からなるものであり、特定領域37の後方にはVセンサ38(図8参照)が固定されている。このVセンサ38は近接スイッチからなるものであり、特定領域37内にパチンコ球Pが入賞したことを検出してV信号を出力する。
【0020】
大入賞口31内には、図5に示すように、横長な矩形棒状の可動片39が装着されている。この可動片39は右方の特定領域37から左方のカウント領域36へ向って下降するカウント状態(図5参照)および左方のカウント領域36から右方の特定領域37へ向って下降する特定入賞状態(図6参照)間で回動可能にされたものであり、可動片39がカウント状態にあるときには大入賞口31内に入賞したパチンコ球Pが可動片39の上面の傾斜に沿ってカウント領域36内に高確率で入賞し、可動片39が特定入賞状態にあるときには可動片39の上面の傾斜に沿って特定領域37内に高確率で入賞する。
【0021】
入賞口台板30の後面には右側部に位置して可動片ソレノイド40が固定されている。この可動片ソレノイド40のプランジャには可動片39が機械的に連結されており、可動片ソレノイド40の断電時には可動片ソレノイド40のプランジャが可動片39を特定入賞状態に保持し、可動片ソレノイド40の通電時には可動片ソレノイド40のプランジャが可動片39をカウント状態に保持する。
【0022】
遊技盤13の後面には、図4に示すように、正方形状のセンタカバー41が配設されている。このセンタカバー41は前面が開口する容器状をなすものであり、センタカバー41の外周部には矩形枠状のメインセット42が配設されている。このメインセット42は前面扉2の後面に着脱可能に固定されたものであり、センタカバー41はメインセット42に着脱可能に固定されている。
【0023】
遊技盤13の後面には集合樋(図示せず)が固定されており、集合樋はセンタカバー41により後方から覆われている。この集合樋は特別図柄始動口28,大入賞口31のカウント領域36,大入賞口31の特定領域37に接続されており、特別図柄始動口28内に入賞したパチンコ球P,カウント領域36内に入賞したパチンコ球P,特定領域37内に入賞したパチンコ球Pは共通の集合樋内に転がり込み、集合樋からメインセット42の入賞球通路(図示せず)を通して機外へ排出される。
【0024】
メインセット42の後面には、図4に示すように、上端部に位置して球タンク43が固定されている。この球タンク43は上面が開口する容器状をなすものであり、球タンク43内にはパチンコ球Pが貯溜されている。また、メインセット42の後面にはタンクレール44が固定されている。このタンクレール44は傾斜樋状をなすものであり、タンクレール44の右端部は球タンク43内に接続されている。
【0025】
メインセット42の左側部には賞球払出装置45が着脱可能に装着されている。この賞球払出装置45はパチンコ球Pが特別図柄始動口28内および大入賞口31内に入賞することに基づいて上皿4内にパチンコ球Pを賞品球として払出すものであり、次のように構成されている。
<賞球払出装置45について>
メインセット42には、図7に示すように、払出ケース46が着脱可能に固定されており、払出ケース46内には球通路47が形成されている。この球通路47の上端部はタンクレール44の出口に接続されており、球通路47内には球タンク43内からタンクレール44内を通してパチンコ球Pが一列に充填されている。この球通路47の上下方向中間部にはスプロケット48が軸49を中心に回動可能に装着されており、スプロケット48の外周部には凹状をなす複数の球受け部50が形成されている。
【0026】
払出ケース46内にはステッピングモータからなる払出モータ51(図10参照)が固定されている。この払出モータ51の回転軸にはスプロケット48の軸49が連結されており、払出モータ51の回転停止時にはスプロケット48の回動が払出モータ51の電磁力で拘束され、図7に実線で示すように、パチンコ球Pがスプロケット48の1個の球受け部50内に保持されている。この状態で払出モータ51の回転軸が単位量だけ回転すると、図7に二点鎖線で示すように、スプロケット48が矢印A方向へ回動することに基づいて1個の球受け部50内から1個のパチンコ球Pが排出され、球通路47の下端部を通して払出ケース46の下方へ放出される。賞球払出装置45は以上のように構成されている。
【0027】
メインセット42には下皿通路(図示せず)が設けられている。この下皿通路の上端部は賞球払出装置45の球通路47に接続されており、球通路47内から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内を落下する。また、下皿通路の途中部分には上皿通路(図示せず)が設けられている。この上皿通路は上皿4に接続されており、賞球払出装置45から放出されるパチンコ球Pは下皿通路内から上皿通路内に転がり込み、上皿通路内を通して上皿4内に払出される。
【0028】
前面扉2の前面には、図2に示すように、上皿4の下方に位置して下皿52が固定されている。この下皿52は下皿通路の下端部に接続されたものであり、パチンコ球Pが上皿4内から溢れて上皿通路内に充満した状態では下皿通路の下端部を通して下皿52内に払出される。
【0029】
メインセット42の後面には、図4に示すように、下端部に位置して横長な長方形状のメイン基板ボックス53が固定されている。このメイン基板ボックス53内には、図8に示すように、メイン基板54が収納されており、メイン基板54にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成されたメイン制御装置55が搭載されている。このメイン制御装置55はCPU56,ROM57,RAM58,I/O59を有するものであり、ROM57には制御プログラムおよび制御データが記録されている。尚、メイン制御装置55のCPU56は大当り判定手段,図柄設定手段,データ取得手段,表示内容設定手段,変動パターン設定手段,大当り遊技手段,保留手段,予告判定手段,特典判定手段に相当するものである。
【0030】
始動口センサ29,カウントセンサ35,Vセンサ38はセンサ出力回路60を介してメイン制御装置55に電気的に接続されている。このセンサ出力回路60はメイン基板54に搭載されたものであり、メイン制御装置55のCPU56は始動口センサ29からの始動信号,カウントセンサ35からのカウント信号,Vセンサ38からのV信号をセンサ出力回路60を介して検出する。
【0031】
大入賞口ソレノイド34および可動片ソレノイド40はソレノイド駆動回路61を介してメイン制御装置55に電気的に接続されている。このソレノイド駆動回路61はメイン基板54に搭載されたものであり、メイン制御装置55のCPU56は大入賞口ソレノイド34および可動片ソレノイド40をソレノイド駆動回路61を介して通断電制御し、大入賞口31の扉32および大入賞口31の可動片39を回動操作する。
【0032】
4個の保留球ランプ25はランプ駆動回路62を介してメイン制御装置55に電気的に接続されている。このランプ駆動回路62はメイン基板54に搭載されたものであり、メイン制御装置55のCPU56は4個の保留球ランプ25をランプ駆動回路62を介して点灯制御する。
【0033】
表示台板24の後面には図柄基板ケース(図示せず)が固定されており、図柄基板ケース内には、図9に示すように、図柄基板63が収納されている。この図柄基板63はセンタカバー41により後方から覆われたものであり、図柄基板63にはサブ制御装置に相当する図柄制御装置64が搭載されている。この図柄制御装置64はCPU65,ROM66,RAM67,VDP68,VROM69,VRAM70,I/O71を有するものであり、図柄制御装置64のROM66には表示制御プログラムおよび表示制御データが記録され、VROM69には表示プログラムおよび表示データが記録されている。尚、図柄制御装置64のCPU65は演出表示手段,表示制御手段,予告手段に相当するものである。
【0034】
図柄制御装置64にはメイン制御装置55が電気的に接続されている。この図柄制御装置64はメイン制御装置55から表示制御コマンドおよび表示制御データが単方向で送信されるものであり、図柄制御装置64のCPU65はメイン制御装置55からの表示制御コマンド等に基づいて駆動コマンドを設定し、VDP68に出力する。すると、VDP68は駆動コマンドに応じた表示データをVROM69から検出し、LCD駆動回路72を介して図柄表示装置27に駆動コマンドに応じた動画面を表示する。このLCD駆動回路72は図柄基板63に搭載されたものであり、スプライト機能を有している。このスプライト機能は図形を画面中で移動させる動画機能であり、VDP68が複数の図形と表示位置とを指定すれば、LCD駆動回路72が複数の指定図形をハードウェア的に合成して図柄表示装置27に表示する。
【0035】
図柄制御装置64のVROM69には表示データとして複数の背景データ、複数の図柄データ、複数のキャラクタデータが記録されており、VDP68は背景データ,図柄データ,キャラクタデータの種類および表示位置を駆動コマンドに応じてLCD駆動回路72に指定し、背景データの前方に図柄データおよびキャラクタデータが重なる動画面を表示する。
【0036】
メインセット42の後面には、図4に示すように、メイン基板ボックス53の前方に位置して払出基板ボックス73が固定されている。この払出基板ボックス73内には、図10に示すように、払出基板74が収納されており、払出基板74にはワンチップ型のマイクロコンピュータを主体に構成された払出制御装置75が搭載されている。この払出制御装置75はCPU76,ROM77,RAM78,I/O79を有するものであり、ROM77には払出制御プログラムおよび払出制御データが記録されている。この払出制御装置75にはメイン制御装置55が電気的に接続されており、払出制御装置75にはメイン制御装置55から賞球コマンドおよび賞球データが単方向で送信される。
【0037】
払出制御装置75にはモータ駆動回路80を介して払出モータ51が電気的に接続されている。このモータ駆動回路80は払出基板74に搭載されたものであり、払出制御装置75のCPU76はモータ駆動回路80を通して払出モータ51の回転量を制御する。この回転量は払出制御装置75のCPU76がメイン制御装置55からの賞球データに基づいて調節するものであり、CPU76は払出モータ51の回転量を制御することに基づいて賞球払出装置45から上皿4内に賞球データに応じた個数のパチンコ球Pを賞品球として払出す。
【0038】
メインセット42の後面には音ランプ基板ボックス(図示せず)が固定されている。この音ランプ基板ボックス内には、図11に示すように、音ランプ基板81が収納されており、音ランプ基板81にはワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたスピーカ制御装置82が搭載されている。このスピーカ制御装置82はCPU83,ROM84,RAM85,I/O86を有するものであり、ROM84にはスピーカ制御プログラムおよびスピーカ制御データが記録されている。このスピーカ制御装置82にはメイン制御装置55が電気的に接続されており、スピーカ制御装置82にはメイン制御装置55からスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データが単方向で送信される。
【0039】
スピーカ制御装置82にはスピーカ駆動回路87を介してスピーカ6が電気的に接続されている。このスピーカ駆動回路87は音ランプ基板81に搭載されたものであり、スピーカ制御装置82のCPU83はスピーカ駆動回路87を通してスピーカ6から効果音を出力する。この効果音の出力はスピーカ制御装置82のCPU83がメイン制御装置55からのスピーカ制御コマンドおよびスピーカ制御データに基づいて行うものであり、スピーカ6の駆動時にはスピーカ6からスピーカ制御データに応じた効果音が出力される。
【0040】
音ランプ基板81には、図12に示すように、ワンチップ形のマイクロコンピュータを主体に構成されたランプ制御装置88が搭載されている。このランプ制御装置88はCPU89,ROM90,RAM91,I/O92を有するものであり、ROM90にはランプ制御プログラムおよびランプ制御データが記録されている。このランプ制御装置88にはメイン制御装置55が電気的に接続されており、ランプ制御装置88にはメイン制御装置55からランプ制御コマンドおよびランプ制御データが単方向で送信される。
【0041】
ランプ制御装置88にはランプ駆動回路93を介して複数のコーナランプ21および複数のサイドランプ23が電気的に接続されている。このランプ駆動回路93は音ランプ基板81に搭載されたものであり、ランプ制御装置88のCPU89はランプ駆動回路93を通して複数のコーナランプ21および複数のサイドランプ23を点灯制御する。この点灯制御はランプ制御装置88のCPU89がメイン制御装置55からのランプ制御コマンドおよびランプ制御データに基づいて行うものであり、コーナランプ21およびサイドランプ23の駆動時にはコーナランプカバー20およびサイドランプカバー22がランプ制御データに応じた態様で電飾される。
【0042】
次に上記構成の作用について説明する。
遊技者が上皿4内にパチンコ球Pを投入して発射ハンドル8を時計回り方向へ回動操作すると、遊技盤13内にパチンコ球Pが発射され、障害釘19に当りながら落下する。このパチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞すると、賞球払出装置45から設定個数のパチンコ球Pが上皿4内に賞品球として払出され、しかも、特別図柄遊技が開始される。この特別図柄遊技は図柄表示装置27に各種のアニメーション画面を表示することに基づいて行われるものであり、特別図柄遊技の概略は次の通りである。
【0043】
図柄表装置27には左,中,右の各列の特別図柄として「1,2,3,4,5,6,7,8,9,10,11,12」のいずれかの数字図柄が静止状態で表示されており、パチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞すると、各列の特別図柄が変動開始する。この変動は各列の特別図柄が移動しながら変化することを称するものであり、各列の特別図柄の移動方向は上から下であり、各列の特別図柄の変化順序は「1」……「11」→「12」→「1」→…のループ状である。
【0044】
各列の特別図柄の変動開始から所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄が当該順序で仮停止し、左特別図柄および右特別図柄の仮停止状態での組合せに応じてリーチの発生の有無が報知される。この仮停止状態では左特別図柄および右特別図柄が特別図柄変動領域TE内で上下方向に揺れ、再変動する可能性が残っていることが視覚的に表現される。
【0045】
リーチ図柄は大当りが発生する視覚的な可能性が存在する2個の特別図柄(左特別図柄および右特別図柄)の組合せを称するものであり、リーチはリーチ図柄が仮停止することによって発生する。このリーチ図柄には、下記に示すように、12種類が設定されており、「↓」は中特別図柄が変動中であることを示している。
【0046】
<リーチ図柄>
「1 ↓ 1」,「2 ↓ 2」,「3 ↓ 3」,「4 ↓ 4」,「5 ↓ 5」,「6 ↓ 6」,「7 ↓ 7」,「8 ↓ 8」,「9 ↓ 9」,「10 ↓ 10」,「11 ↓ 11」,「12 ↓ 12」
リーチの発生状態では図柄表示装置27に複数種のリーチアクション画面が選択的に表示される。このリーチアクション画面は最終の中特別図柄が何で仮停止するかを演出する動画面を称するものであり、どのような種類のリーチアクション画面が出現するかに応じて大当りに対する異なる信頼度が設定されている。
【0047】
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から別の所定時間が経過すると、左特別図柄および右特別図柄に続けて最終の中特別図柄が仮停止した後、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が1本の水平な有効ラインに沿って静止した確定状態になる。これら3列の特別図柄の変動開始から確定に至る経過時間は変動表示時間(可変時間)と称されるものであり、3列の特別図柄の確定状態での組合せによって大当りおよび外れの判定結果が遊技者に確定的に報知される。
【0048】
左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄は図柄制御装置64がメイン制御装置55からの表示制御コマンドを検出することに基づいて仮停止状態から静止表示するものであり、当該静止表示を確定停止表示(可変停止表示)と称する。仮停止は図柄制御装置64が自ら設定した表示パターンに基づいて確定停止前に左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を停止させることを称するものである。
【0049】
大当り図柄とは大当りを報知する3列の特別図柄の組合せを称するものであり、下記に示すように、大当り図柄には12通りが設定されている。また、完全外れ図柄はリーチすら発生しない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が相違するものである。また、外れリーチ図柄はリーチは発生するものの大当りとならない3列の特別図柄の組合せを称するものであり、具体的には左特別図柄および右特別図柄が同一で中特別図柄が相違するものである。
【0050】
<大当り図柄>
「1 1 1」,「2 2 2」,「3 3 3」,「4 4 4」,「5 5 5」,「6 6 6」,「7 7 7」,「8 8 8」,「9 9 9」,「10 10 10」,「11 11 11」,「12 12 12」
図柄表示装置27に大当り図柄が確定表示されたときには大当り遊技が開始される。この大当り遊技は大入賞口31の扉32を開放し、大入賞口31内にパチンコ球Pが入賞すること許容する遊技者に有利な状態を生成するものであり、大入賞口31は上限個のパチンコ球Pが入賞する個数条件または開放時間が上限値に達する時間条件が満足されるまで開放状態に保持される。
【0051】
大入賞口31の個数条件および時間条件を基準とする開放動作は大当りラウンドと称されるものであり、個数条件および時間条件が満足される間に大入賞口31の特定領域37内にパチンコ球Pが入賞したときには大当りラウンドの終了後に新たな大当りラウンドが再開される。この大当りラウンドの繰返し回数には上限値X(例えば15回)が設定されており、大当りラウンドの繰返し回数が上限値Xに達したときには大当り遊技が無条件に終了する。また、個数条件または時間条件が満足される間に特定領域37内にパチンコ球Pが入賞しなかったときには大当りラウンドの繰返し回数が上限値Xに達してなくても大当り遊技が終了する。
【0052】
大当り遊技時には図柄表示装置27に複数の大当りラウンド表示からなる大当り表示が行われる。この大当りラウンド表示とは現在の大当りラウンド数を現在の大当りラウンド数に応じた絵柄からなる大当りラウンド背景の前方に表示するものであり、大当りラウンド背景の前方には現在の大入賞口31に対するパチンコ球Pの入賞個数が表示される。
【0053】
最終の大当りラウンドの終了時には大当り終了表示が行われる。この大当り終了表示は遊技者に大当り遊技の終了を報知するものであり、具体的には最終の大当りラウンド背景の前方にメッセージ「またね」を表示することで行われる。尚、最終の大当りラウンドとは大当りラウンドが上限値Xまで継続したときには上限値Xの大当りラウンドであり、大当りラウンドが上限値Xまで継続しなかったときには途中終了した最後の大当りラウンドである。
【0054】
特別図柄の変動表示を即座に開始できない特別図柄の変動表示時,大当り表示時,大当り終了表示時等にパチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞したときには特別図柄の変動表示(特別図柄遊技)が4回を上限に保留される。保留球表示器26は当該保留回数を保留球ランプ25の点灯個数によって表示するものであり、特別図柄の変動表示が開始されたときには保留球ランプ25が消灯することによって保留回数の減少が報知される。
【0055】
大当り遊技時には大当り予告が行われる。この大当り予告は大当り遊技の終了後に保留球に基づく変動表示が行われた場合に大当りとなる組合わせで確定停止することを事前に報知する行為を称するものであり、少なくとも大当り遊技時に保留球が発生していることを条件に行われる。この大当り予告は大当りの発生を確定的に予告するものではなく非確定的に予告するものであり、大当り遊技時に大当り予告が行われたにも拘らず大当りが発生しないこともある。
【0056】
大当り予告は大当りラウンド背景を通常とは異なる色彩で表示することで行われる。この色彩の変化は瞬間的に行われるものではなく、最終の大当りラウンドが終了するまで継続的に行われるものである。この大当り予告は何個目の保留球に係る変動表示で大当りが発生するかを予告するものではなく、保留球に係る変動表示のいずれかで大当りが発生することを予告するものである。
【0057】
次にメイン制御装置55および図柄制御装置64の内部処理を図13〜図43に基づいて説明する。
<メイン制御装置55の内部処理について>
メイン制御装置55のCPU56は電源が投入されると、図13のメインプログラムを起動する。このメインプログラムはステップS1〜S3の実行後にステップS4のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すものであり、CPU56はステップS1へ移行すると、割込み禁止を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を禁止する。
【0058】
CPU56は割込み禁止を設定すると、ステップS2へ移行し、ランダムカウンタR1〜R9の計測値,ノーマルカウンタN1〜N4の計測値,タイマT1〜T2の計測値,各種フラグの設定結果,大当りの判定結果,特別図柄の設定結果,変動パターンの設定結果等のRAM58の全データおよびI/O59を初期設定する。そして、ステップS3で割込み許可を設定することに基づいてタイマ割込みプログラムの起動を許容し、タイマ割込みプログラムの残余時間でステップS4のカウンタ更新処理を無限ループ状に繰返すことに基づいてランダムカウンタR4,R6,R7,R8を更新する。
【0059】
ランダムカウンタR4は、図14の(a)に示すように、大当り判定用のランダムカウンタR3の加算開始値を抽選するものである。このランダムカウンタR4はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「952」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR6は左特別図柄を「1〜12」の左特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR6はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「11」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0060】
ランダムカウンタR7は中特別図柄を「1〜12」の中特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR7は左特別図柄用のランダムカウンタR6が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「11」に加算された後に「0」に戻って加算される。
ランダムカウンタR8は右特別図柄を「1〜12」の右特別図柄群の中から選択するものであり、完全外れおよび外れリーチの判定時にのみ活用される。このランダムカウンタR8は中特別図柄用のランダムカウンタR7が「0」にリセットされる桁上げ毎に「1」ずつ加算され、初期値「0」から上限値「11」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0061】
図15のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、メイン制御装置55のCPU56はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS11の出力監視処理〜ステップS19の大当り遊技処理を有するものであり、ステップS11の出力監視処理〜ステップS15の特別図柄用保留球処理はタイマ割込みプログラムが起動する毎に実行され、ステップS16の制御データ設定処理〜ステップS19の大当り遊技処理は遊技制御フラグの設定状態に基づいて選択的に実行される。
【0062】
(1)出力監視処理
メイン制御装置55のCPU56は始動口センサ29からの始動信号の有無,カウントセンサ35からのカウント信号の有無,Vセンサ38からのV信号の有無をセンサ出力回路60を介して検出し、検出結果をRAM58の出力監視エリアの始動信号記録部,カウント信号記録部,V信号記録部(いずれも図16参照)に格納する。この出力監視処理はタイマ割込が発生する4msec毎に必ず行われるものであり、出力監視エリアの各格納データは4msec毎に更新される。
【0063】
(2)カウンタ更新処理
図15のステップS12のカウンタ更新処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置55のCPU56はステップS12のカウンタ更新処理へ移行すると、ランダムカウンタR1〜R5,R9を更新する。
【0064】
ランダムカウンタR1は、図14の(a)に示すように、変動パターンを選択するパラメータとして機能するものであり、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の変動開始から確定に至る間は図柄表示装置27に変動パターンの選択結果に応じた演出内容のアニメーション画面が表示される。このランダムカウンタR1はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「100」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0065】
ランダムカウンタR2は外れの判定時に判定結果を完全外れおよび外れリーチに振分けるものである。このランダムカウンタR2はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「222」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0066】
ランダムカウンタR3は大当りの発生の有無を判定するものである。このランダムカウンタR3はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、ランダムカウンタR3が上限値に達したときにはランダムカウンタR4の現在の計測値が取得され、ランダムカウンタR3がランダムカウンタR4の取得値から上限値「952」に加算される。即ち、ランダムカウンタR3は一定の初期値から一定の上限値に加算された後に一定の初期値に戻るものではなく、ランダムな初期値R4から一定の上限値に加算された後にランダムな初期値R4に戻って加算されるものである。
【0067】
ランダムカウンタR4は、上述したように、ランダムカウンタR3の加算開始値を設定するものであり、タイマ割込みプログラムが起動する4msec毎に加算され且つメインプログラムの1ループ毎に加算される。
ランダムカウンタR5は大当りの判定時に大当り図柄を大当り図柄群「1〜12」の中から選択するものである。このランダムカウンタR5はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「11」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0068】
ランダムカウンタR9は大当り遊技時に保留球に対する大当り予告を行うか否かを判定するものである。このランダムカウンタR9はタイマ割込みプログラムの起動毎に「1」ずつ加算されるものであり、初期値「0」から上限値「32」に加算された後に「0」に戻って加算される。
【0069】
(3)賞球信号処理
図15のステップS13の賞球信号処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置55のCPU56は出力監視エリアの格納データに基づいて始動信号の有無およびカウント信号の有無を判断する。ここで始動信号またはカウント信号を検出したときには払出制御装置75に賞球コマンドおよび賞球データを出力し、賞品球の払出しを行う。
【0070】
(4)データ取得処理
図15のステップS14のデータ取得処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置55のCPU56はデータ取得処理でパチンコ球Pが特別図柄始動口28内に入賞したことを条件にランダムカウンタR1〜R8の現在の計測値を取得し、RAM58のカウンタデータエリア(図16参照)に格納する。
【0071】
CPU56は図17のステップS31へ移行すると、始動口センサ29からの始動信号の有無を検出する。この始動信号の有無はRAM58の出力監視エリアを参照することに基づいて行われるものであり、CPU56は出力監視エリアに始動信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS32へ移行し、カウンタN1を上限値「4」と比較する。このカウンタN1はパチンコ球Pの特別図柄始動口28に対する入賞個数を計測するものであり、CPU56は「N1<4」を検出したときにはステップS33でランダムカウンタR1〜R8の現在の計測値を検出し、ステップS34でカウンタN1に「1」を加算する。
【0072】
カウンタN1には、図18に示すように、計測値「1」〜「4」に対応してカウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E4が割付けられており、CPU56は図17のステップS35へ移行すると、保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN1の計測値に対応する記録部にランダムカウンタR1〜R8の取得結果を格納する。例えばカウンタN1の計測値が「1」であるときにはランダムカウンタR1〜R8の取得結果が計測値「1」に対応する保留データ記録部E1に格納される。また、計測値が「3」であるときにはランダムカウンタR1〜R8の取得結果が計測値「3」に対応する保留データ記録部E3に格納される。
【0073】
(5)保留球処理
図15のステップS15の保留球処理はタイマ割込みが発生する4msec毎に行われるものであり、メイン制御装置55のCPU56は保留球処理でカウンタN1の計測値を検出し、検出結果に基づいて保留球ランプ25を点灯・消灯することに基づいて遊技者に特別図柄遊技の保留回数を報知する。
【0074】
保留球ランプ25には図3の左から順にランプナンバー「RP1」,「RP2」,「RP3」,「RP4」が割付けられている。カウンタN1の計測値「1」〜「4」には、図18に示すように、ランプナンバー「RP1」〜「RP4」が割付けられており、CPU56は保留球処理へ移行すると、カウンタN1の計測値を検出し、計測値の検出結果に対応するランプナンバーの保留球ランプ25を点灯する。
【0075】
例えばカウンタN1の計測値が「3」の状態では「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯している。この状態で特別図柄始動口28内に1個のパチンコ球Pが入賞したときにはカウンタN1が「3」から「4」に加算され、「N1=4」に対応する4個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が新たに点灯することになり、遊技者に保留回数が「3」から「4」に増えたことが報知される。この状態で特別図柄の変動表示が開始されたときには、後述するように、カウンタN1が「4」から「3」に減算されるので、減算後のタイマ割込み処理で「N1=3」に対応する3個の保留球ランプ25が点灯する。従って、1個の保留球ランプ25が消灯することになり、遊技者に特別図柄遊技の保留回数が「4」から「3」に減ったことが報知される。
【0076】
(6)制御データ設定処理
図15のステップS16の制御データ設定処理は遊技制御フラグが制御データ設定処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置55のCPU56は制御データ設定処理で大当りと外れリーチと完全外れとを振分け、大当り図柄と外れリーチ図柄と完全外れ図柄とを設定し、大当りの判定時には確率変動の獲得状態を判定する。尚、遊技制御フラグは制御データ設定処理に初期設定されるものであり、電源投入直後の1回目のタイマ割込み処理では制御データ設定処理が実行される。
【0077】
CPU56は図19のステップS41でカウンタN1を「0」と比較する。このカウンタN1は、上述したように、ランダムカウンタR1〜R8の格納状態を示すものであり、CPU56は「N1>0」を検出したときにはランダムカウンタR1〜R8がRAM58に格納されていると判断し、ステップS42へ移行する。
【0078】
CPU56はステップS42へ移行すると、RAM58の確率変動エリア(図16参照)の格納データを検出する。この確率変動エリアは現在の遊技モードが確率変動状態であるか非確率変動状態であるかを示すものであり、例えば確率変動エリアに確率変動フラグFkがオン状態「1」で格納されていることを検出したときには確率変動状態であると判断し、ステップS43へ移行する。また、確率変動エリアに確率変動フラグFkがオフ状態「0」で格納されていることを検出したときには非確率変動状態であると判断し、ステップS44へ移行する。
【0079】
CPU56はステップS43へ移行すると、RAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR3を検出し、15個の大当り値「17,61,103,197,277,367,401,431,523,619,661,727,797,887,941」と比較する。ここでランダムカウンタR3が15個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、RAM58の大当りエリア(図16参照)に大当りフラグFoをオフ状態「0」で格納する。また、ランダムカウンタR3が15個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当りエリアに大当りフラグFoをオン状態「1」で格納する。
【0080】
CPU56は図19のステップS44へ移行すると、RAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR3を検出し、3個の大当り値「17,401,727」と比較する。ここでランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれとも同一でないことを検出したときには外れと判定し、RAM58の大当りエリアに大当りフラグFoをオフ状態「0」で格納する。また、ランダムカウンタR3が3個の大当り値のいずれかと同一であることを検出したときには大当りと判定し、大当りエリアに大当りフラグFoをオン状態「1」で格納する。尚、RAM64の大当りエリアは大当りおよび外れの次回の判定結果を記録することに基づいて更新されるものである。
【0081】
CPU56はステップS45へ移行すると、RAM58の大当りエリアに大当りおよび外れのいずれの判定結果が格納されているかを判断する。例えば大当りエリアに大当りフラグFoがオン状態で記録されていることを検出したときには大当りの判定を検出し、ステップS46へ移行する。
【0082】
メイン制御装置55のROM57には大当り図柄テーブルが記録されている。この大当り図柄テーブルは、図20に示すように、ランダムカウンタR5と大当り図柄との関係を示すものであり、CPU56は図19のステップS46へ移行すると、RAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR5を検出する。そして、大当り図柄テーブルからランダムカウンタR5に応じた図柄を検出し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを同一の検出図柄に設定する。例えばランダムカウンタR5が「6」であるときには数字図柄「7」が検出され、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とが同一の検出図柄「7」に設定される。
【0083】
CPU56は図19のステップS47へ移行すると、大当り図柄の設定結果を検出する。そして、大当り図柄の設定結果に基づいて確率変動の獲得状態を判定し、判定結果をRAM58の確率変動エリアに格納する。例えば大当り図柄の設定結果が奇数であるときには確率変動の獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグFkをオン状態「1」で格納する。また、大当り図柄の設定結果が偶数であるときには確率変動の非獲得と判定し、確率変動エリアに確率変動フラグFkをオフ状態「0」で格納する。即ち、確率変動の獲得の有無は大当りの発生を条件に「1/2」の確率で振分けられるものである。
【0084】
CPU56は図19のステップS45でRAM58の大当りエリアに大当りフラグFoがオフ状態「0」で記録されていることを検出すると、外れの判定を検出し、ステップS48へ移行する。
CPU56はステップS48へ移行すると、RAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR2を検出し、19個の外れリーチ値「5,11,23,31,43,53,61,79,89,97,113,127,139,149,157,163,173,181,193」と比較する。ここでランダムカウンタR2が19個の外れリーチ値のいずれかと同一であることを検出したときには外れリーチと判定し、RAM58の外れリーチエリア(図16参照)に外れリーチフラグFrをオン状態「1」で格納する。また、ランダムカウンタR2が19個の外れリーチ値のいずれとも同一でないことを検出したときには完全外れと判定し、外れリーチエリアに外れリーチフラグFrをオフ状態「0」で格納する。
【0085】
CPU56は外れリーチおよび完全外れの判定結果を外れリーチエリアに格納すると、図19のステップS49へ移行し、外れリーチエリアから外れリーチおよび完全外れの判定結果を検出する。ここで外れリーチフラグFrがオン状態で格納されていることを検出したときにはステップS50で外れリーチ図柄を設定し、外れリーチフラグFrがオフ状態で格納されていることを検出したときにはステップS51で完全外れ図柄を設定する。
【0086】
外れリーチ図柄および完全外れ図柄は原則的にランダムカウンタR6〜R8に基づいて設定されるものであり、ランダムカウンタR6〜R8が外れリーチ図柄および完全外れ図柄を構成しない組合せであるときには図柄の組合せを変更することに基づいて外れリーチ図柄および完全外れ図柄が設定される。以下、外れリーチ図柄および完全外れ図柄の設定方法について説明する。
【0087】
(6−1)外れリーチ図柄の設定
メイン制御装置55のROM57には左特別図柄テーブル,中特別図柄テーブル,右特別図柄テーブルが記録されており、左特別図柄テーブルには、図20に示すように、左特別図柄とランダムカウンタR6との対応関係が記録され、中特別図柄テーブルには中特別図柄とランダムカウンタR7との対応関係が記録され、右特別図柄テーブルには右特別図柄とランダムカウンタR8との対応関係が記録されている。
【0088】
メイン制御装置55のCPU56は図21のステップS61へ移行すると、RAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR6〜R8を検出する。そして、左特別図柄テーブルからランダムカウンタR6に応じた左特別図柄を選択し、中特別図柄テーブルからランダムカウンタR7に応じた中特別図柄を選択し、右特別図柄テーブルからランダムカウンタR8に応じた右特別図柄を選択する。
【0089】
CPU56は左特別図柄〜右特別図柄を選択すると、ステップS62で左特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで左特別図柄と右特別図柄とが同一であることを検出したときにはステップS63へ移行し、左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで3者が同一であることを検出したときにはステップS64へ移行し、中特別図柄を「+1」図柄に変更する。
【0090】
例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 1」であるときにはステップS62で「左特別図柄=右特別図柄」が検出され、ステップS63で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」でないことが検出され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 11」であるときにはステップS62で「左特別図柄=右特別図柄」が検出され、ステップS63で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」が検出される。そして、ステップS64で中特別図柄が「+1」図柄である「2」に変更され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。尚、「12」の「+1」図柄は「1」である。
【0091】
CPU56はステップS62で左特別図柄の選択結果と右特別図柄の選択結果とが相違していることを検出すると、ステップS65へ移行し、左特別図柄を右列にコピーする。次に、ステップS63で「左特別図柄=中特別図柄=右特別図柄」を検出したときにはステップS64へ移行し、中特別図柄を「+1」図柄に変更する。
【0092】
例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 4」であるときにはステップS62で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが判断される。そして、ステップS65で左特別図柄「1」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄が「1 2 1」に変更される。この場合にはステップS63で「NO」と判断され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 1 2」であるときにはステップS62で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが検出される。そして、ステップS65で左特別図柄「1」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄が「1 1 1」に変更される。この場合にはステップS64で中特別図柄が「1」から「2」に変更され、外れリーチ図柄「1 2 1」が確定する。
【0093】
(6−2)完全外れ図柄の設定
メイン制御装置55のCPU56は図22のステップS71でRAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR6〜R8を検出する。そして、左特別図柄テーブルからランダムカウンタR6に応じた左特別図柄を選択し、中特別図柄テーブルからランダムカウンタR7に応じた中特別図柄を選択し、右特別図柄テーブルからランダムカウンタR8に応じた右特別図柄を選択する。
【0094】
CPU56は左特別図柄〜右特別図柄を選択すると、ステップS72で左特別図柄と右特別図柄とを比較する。ここで左特別図柄と右特別図柄とが同一であることを検出したときにはステップS73へ移行し、中特別図柄を右列にコピーする。そして、ステップS74で左特別図柄と中特別図柄と右特別図柄とを比較し、3者が同一であることを検出したときにはステップS75で右特別図柄を「+1」図柄に変更する。例えば左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 2」であるときにはステップS72で「左特別図柄=右特別図柄」でないことが検出され、完全外れ図柄「1 2 2」が確定する。
【0095】
左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 2 1」であるときにはステップS72で「左特別図柄=右特別図柄」であることが検出される。そして、ステップS73で中特別図柄「2」が右列にコピーされ、左特別図柄〜右特別図柄の組合わせが「1 2 2」に変更される。この場合にはステップS74で「NO」と判断され、完全外れ図柄「1 2 2」が確定する。また、左特別図柄〜右特別図柄の選択結果が「1 1 1」であるときにはステップS73で中特別図柄「1」が右列にコピーされても左特別図柄〜右特別図柄の組合わせが「1 1 1」から変らない。この場合にはステップS75で右特別図柄が「+1」図柄である「2」に変更され、完全外れ図柄「1 1 2」が確定する。
【0096】
CPU56は図19のステップS52へ移行すると、RAM58の保留データ記録部E1からランダムカウンタR1を検出し、ランダムカウンタR1に基づいて変動パターンを設定する。この変動パターンは左特別図柄〜右特別図柄の組合せが決まる様子をどのような演出内容で表示するかを設定するパラメータとして機能するものであり、下記に示すように、大当り,外れリーチ,完全外れの判定結果に応じた異なる態様で設定される。
【0097】
(6−3)大当り判定時の変動パターン設定
メイン制御装置55のROM57には、図23に示すように、大当り用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルはランダムカウンタR1と変動パターンとの対応関係を示すものであり、CPU62は図19のステップS52へ移行すると、大当り用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1に応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」であるときには変動パターン「34」が検出され、変動パターンが「34」に設定される。
【0098】
(6−4)外れリーチ判定時の変動パターン設定
メイン制御装置55のROM57には、図24に示すように、外れリーチ用の変動パターンテーブルが記録されている。この変動パターンテーブルは停止図柄の差分ΔSとランダムカウンタR1と変動パターンとの対応関係を示すものであり、停止図柄の差分ΔSとは外れリーチ図柄の設定結果のうち「中特別図柄−左特別図柄」を称する。
【0099】
CPU56は図19のステップS52へ移行すると、外れリーチ用の変動パターンテーブルからランダムカウンタR1および差分ΔSに応じた変動パターンを検出する。例えばランダムカウンタR1が「10」で、外れリーチ図柄の設定結果が「10 2 10」であるときには変動パターン「3」が設定される。
【0100】
(6−5)完全外れ判定時の変動パターン設定
CPU56は完全外れの判定時にはランダムカウンタR1に基づく変動パターンの振分けを行わず、図19のステップS52で変動パターンを「1」に設定する。
【0101】
変動パターンには、図23および図24に示すように、変動表示時間が個別に設定されている。これら各変動表示時間は左特別図柄〜右特別図柄の変動開始から確定に至る所要時間を称するものであり、CPU56は図19のステップS53へ移行すると、変動パターンの設定結果に応じた変動表示時間を選択し、ステップS54で遊技制御フラグを変動表示処理に設定する。尚、変動パターンの設定結果が「1」であるときにはステップS50で変動表示時間が「T1」に設定される。
【0102】
(7)変動表示処理
図15のステップS17の変動表示処理は遊技制御フラグが変動表示処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置55のCPU56は変動表示処理で図柄制御装置64のCPU65に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて変動表示を開始する。
【0103】
CPU56は図25のステップS81でタイマT1を「0」にリセットし、ステップS82で図柄制御装置64にINT信号を出力する。そして、ステップS83で表示制御コマンドとして図柄制御コマンド(可変表示指令)を出力し、表示制御データとして直前の制御データ設定処理で設定した変動パターンと直前の制御データ設定処理で設定した左特別図柄〜右特別図柄とを出力する。すると、図柄制御装置64のCPU65はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、図柄制御コマンドと変動パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とをIRQ割込みプログラムの中で受信することに基づいて特別図柄の変動表示を開始する。
【0104】
CPU56はステップS83で図柄制御コマンド等を出力すると、ステップS84でタイマT1をスタートさせる。この図柄制御コマンド等の出力後には図柄制御装置64のCPU65が図柄表示装置27に特別図柄の変動表示を行っており、タイマT1は特別図柄の変動表示の開始時を起点とする経過時間を計測することになる。
【0105】
CPU56はタイマT1をスタートさせると、ステップS85でRAM58のカウンタデータエリアを整理する。この処理はカウンタデータエリアの保留データ記録部E1〜E3に保留データ記録部E2〜E4の格納データを上書きするものである。例えば保留データ記録部E1だけにランダムカウンタR1〜R8が格納されているときには保留データ記録部E1に保留データ記録部E2のデフォルトデータが記録され、保留データ記録部E1のランダムカウンタR1〜R8が消去される。また、保留データ記録部E1〜E4の全てにランダムカウンタR1〜R8が格納されているときには保留データ記録部E2〜E4のランダムカウンタR1〜R8が前段の保留データ記録部E1〜E3に移動され、保留データ記録部E4にデフォルトデータが記録される。
【0106】
即ち、次回の制御データ設定処理では保留データ記録部E2に記録されていたランダムカウンタR1〜R8に基づいて大当り判定処理,特別図柄設定処理,変動パターン設定処理等が行われる。また、次々回の制御データ設定処理では保留データ記録部E3に記録されていたランダムカウンタR1〜R8に基づいて大当り判定処理,特別図柄設定処理,変動パターン設定処理等が行われる。
【0107】
CPU56はRAM58のカウンタデータエリアを整理すると、図25のステップS86でカウンタN1から「1」を減算し、ステップS87で遊技制御フラグに全図柄停止処理をセットする。このカウンタN1は、上述したように、保留球数を計測するものであり、次のタイマ割込み処理でカウンタN1の減算結果が検出され、カウンタN1の減算結果に基づいて保留球表示器26が点灯制御される。従って、変動表示の開始後に保留球ランプ25が消灯し、保留球数の減少が変動表示の開始後に報知されることになる。
【0108】
カウンタN1は特別図柄始動口28に対するパチンコ球Pの入賞個数を「4」を上限値として計測するものである。従って、図柄制御コマンド等が出力された特別図柄の変動開始直後にはカウンタN1が減算され、カウンタN1が上限値まで加算されていたときでもカウンタN1に加算の余地が生成される。このカウンタN1の減算状態ではRAM58のカウンタデータエリアに空欄が必ず生成される。このため、以後の出力監視処理で始動信号有りが記録されたときにはデータ取得処理でカウンタN1が加算され、カウンタデータエリアにランダムカウンタR1〜R8が新たに格納される。
【0109】
(8)全図柄停止処理
図15のステップS18の全図柄停止処理は遊技制御フラグが全図柄停止処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置55のCPU56は全図柄停止処理で図柄制御装置64のCPU65に表示制御コマンドを出力し、変動表示を終了させる(図柄確定)。
【0110】
CPU56は図26のステップS91でタイマT1の計測値を変動表示時間の設定結果と比較する。このタイマT1は特別図柄の変動表示時間を計測するものであり、CPU56はタイマT1の計測値が変動表示時間の設定結果に達していることを検出したときにはステップS92でタイマT1を停止させ、変動表示時間の計測を終える。
【0111】
CPU56は変動表示時間の計測を終えると、ステップS93で図柄制御装置64にINT信号を出力し、ステップS94で表示制御コマンドとして全図柄停止コマンド(図柄確定コマンド,可変停止指令)を出力する。この変動表示時間の経過時点では左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にあり、図柄制御装置64のCPU65はINT信号を受信することに基づいてIRQ割込みプログラムの中で全図柄停止コマンドを検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から静止した確定状態に切換える。
【0112】
CPU56は全図柄停止コマンドを出力すると、ステップS95でRAM58の大当りエリアから大当りの判定結果を検出する。ここで大当りエリアに大当りフラグFoがオン状態で格納されていることを検出したときにはステップS96でVフラグFvをオン状態「1」にセットし、ステップS97で遊技制御フラグに大当り遊技処理をセットする。また、大当りエリアに大当りフラグFoがオフ状態で格納されていることを検出したときにはステップS98へ移行し、遊技制御フラグに制御データ設定処理をセットする。
【0113】
(9)大当り遊技処理
図15のステップS19の大当り遊技処理は遊技制御フラグが大当り遊技処理にセットされている場合に実行されるものであり、メイン制御装置55のCPU56は大当り遊技処理の中で大当りラウンドを実行し、図柄制御装置64に表示制御コマンドおよび表示制御データを出力することに基づいて図柄表示装置27に大当りラウンド表示を行う。
【0114】
大当りラウンド表示は現在の大当りラウンド回数および大入賞口31に対するパチンコ球Pの入賞個数を大当りラウンド回数に応じた大当りラウンド背景上に表示するものであり、保留球の中に大当りとなるものが存在するときには大当りラウンド用の背景として通常とは異なる大当り予告用のラウンド背景が表示され、保留球で大当りが発生することが遊技者に報知される。
【0115】
メイン制御装置55のCPU56は図27のステップS111へ移行すると、大入賞口31の開放状態を判断する。この大入賞口31の開放状態は開放フラグFdの設定状態に基づいて判断されるものであり、CPU56は開放フラグFdがオフ状態「0」にセットされていることを検出したときには大入賞口31が閉鎖されていると判断し、ステップS112へ移行する。
【0116】
CPU56はステップS112へ移行すると、VフラグFvの設定状態を判断する。このVフラグFvは全図柄停止処理の中でオン状態「1」にセットされたり、大当りラウンド中に大入賞口31の特定領域37内にパチンコ球Pが入賞することに基づいてオン状態にセットされるものであり、CPU56はVフラグがオン状態にセットされていることを検出したときにはステップS113へ移行し、カウンタN2を上限値「14」と比較する。このカウンタN2は大入賞口31の開放回数(大当りラウンド回数)を計測するものであり、CPU56は「N2≦14」を検出したときにはステップS114へ移行する。
【0117】
CPU56はステップS114へ移行すると、RAM58の大当り予告エリア(図16参照)から大当り予告フラグFyを検出する。この大当り予告フラグFyは大当り予告の有無を示すものであり、CPU56は大当り予告フラグFyがオン状態「1」にあることを検出したときには大当り予告が設定されていると判断し、図28のステップS124へ移行する。また、大当り予告フラグFyがオフ状態「0」にあることを検出したときには大当り予告が設定されていないと判断し、図27のステップS115へ移行する。
【0118】
CPU56はステップS115へ移行すると、カウンタN1の現在の計測値を取得し、カウンタN4と比較する。このカウンタN4は前回の大当りラウンドが終了した時点のカウンタN1の計測値(保留球数)に相当するものであり、CPU56は「N1>N4」を検出することに基づいて新たな保留球の発生を判定し、ステップ116へ移行する。ここでカウンタN1の現在の計測値をカウンタN4にセットすることに基づいてカウンタN4を更新し(N1→N4)、ステップS117へ移行する。
【0119】
CPU56はステップS117へ移行すると、RAM58の確率変動エリアの格納データに基づいて現在の遊技モードを検出する。例えば確率変動エリアに確率変動フラグFkがオン状態で格納されていることを検出したときには確率変動中であると判断し、ステップS118へ移行する。また、確率変動フラグFkがオフ状態で格納されていることを検出したときには非確率変動中であると判断し、ステップS119へ移行する。
【0120】
CPU56はステップS118へ移行すると、保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN4に対応する記録部からランダムカウンタR3の計測値を検出する。図30はカウンタN4と保留データ記録部E1〜E4との対応関係を示すものであり、CPU56はカウンタN4が「1」であるときには保留データ記録部E1からランダムカウンタR3を検出し、カウンタN4が「2」であるときには保留データ記録部E1〜E2からランダムカウンタR3を検出する。また、カウンタN4が「3」であるときには保留データ記録部E1〜E3からランダムカウンタR3を検出し、カウンタN4が「4」であるときには保留データ記録部E1〜E4からランダムカウンタR3を検出する。
【0121】
CPU56はランダムカウンタR3を検出すると、15個の大当り値と比較する。これら15個の大当り値は制御データ設定処理で説明した確率変動時の15個の大当り値と同一のものであり、CPU56はランダムカウンタR3の中に大当り値と同一のものが存在することを検出すると、保留球の中に大当りが存在していると判定し、RAM58の保留球判定エリア(図16参照)に保留球判定フラグFhをオン状態「1」で格納する。また、ランダムカウンタR3の中に15個の大当り値と同一のものが存在しないことを検出すると、保留球の中に大当りが存在していないと判定し、保留球判定エリアに保留球判定フラグFhをオフ状態「0」で格納する。
【0122】
CPU56は図27のステップS119へ移行すると、保留データ記録部E1〜E4からランダムカウンタR3を選択的に検出する。このランダムカウンタR3は、図30に示すように、カウンタN4に応じた記録部の中から検出されるものであり、CPU56はランダムカウンタR3を検出すると、3個の大当り値と比較する。これら3個の大当り値は制御データ設定処理で説明した非確率変動時の3個の大当り値と同一のものであり、CPU56はランダムカウンタR3の中に3個の大当り値と同一のものが存在することを検出すると、RAM58の保留球判定エリアに保留球判定フラグFhをオン状態で格納する。また、ランダムカウンタR3の中に3個の大当り値と同一のものが存在しないことを検出すると、保留球判定エリアに保留球判定フラグFhをオフ状態で格納する。
【0123】
CPU56はステップS120へ移行すると、ランダムカウンタR9の現在の計測値を取得し、ステップS121で保留球に基づく大当りの判定結果を検出する。例えばRAM58の保留球判定エリアに保留球判定フラグFhがオン状態で格納されていることを検出したときには保留球に大当りが存在していると判断し、ステップS122へ移行する。また、保留球判定エリアに保留球判定フラグFhがオフ状態で格納されていることを検出したときには保留球に大当りが存在していないと判断し、ステップS123へ移行する。
【0124】
CPU56はステップS122へ移行すると、ランダムカウンタR9の取得結果を27個の大当り予告値「0〜26」と比較する。ここでランダムカウンタR9が27個の大当り予告値のいずれかと同一であることを検出したときに大当り予告を行うと判断し、RAM58の大当り予告エリア(図16参照)に大当り予告フラグFyをオン状態で格納する。また、ランダムカウンタR9が27個の大当り予告値のいずれとも同一でないことを検出したときには大当り予告を行わないと判断し、RAM58の大当り予告エリアに大当り予告フラグFyをオフ状態で格納する。即ち、保留球の中に大当りが存在しているときには「27/33」の高確率で大当り予告の実行が設定され、「6/33」の低確率で大当り予告の非実行が設定される。
【0125】
CPU56はステップS123へ移行すると、ランダムカウンタR9の取得結果を3個の大当り予告値「28〜30」と比較する。ここでランダムカウンタR9が3個の大当り予告値のいずれかと同一であることを検出したときには大当り予告を行うと判断し、RAM58の大当り予告エリアに大当り予告フラグFyをオン状態で格納する。また、ランダムカウンタR9が3個の大当り予告値のいずれとも同一でないことを検出したときには大当り予告を行わないと判断し、RAM58の大当り予告エリアに大当り予告フラグFyをオフ状態で格納する。即ち、保留球の中に大当りが存在していないときには「3/33」の低確率で大当り予告の実行が設定され、「30/33」の高確率で大当り予告の非実行が設定される。
【0126】
CPU56は図28のステップS124へ移行すると、カウンタN2に「1」を加算し、ステップS125でタイマT2を「0」にリセットする。このタイマT2は大入賞口31の開放時間(大当りラウンドの継続時間)を計測するものであり、CPU56はタイマT2を「0」にリセットすると、ステップS126へ移行する。
【0127】
CPU56はステップS126へ移行すると、図柄制御装置64にINT信号を出力することに基づいてIRQ割込みプログラムの起動を指令する。そして、ステップS127へ移行し、RAM58の大当り予告エリアから大当り予告フラグFyの設定状態を検出する。例えば大当り予告フラグFyがオフ状態で格納されていることを検出したときには大当り予告無しと判断し、ステップS128へ移行する。また、大当り予告フラグFyがオン状態で格納されていることを検出したときには大当り予告有りと判断し、ステップS129へ移行する。
【0128】
CPU56はステップS128へ移行すると、図柄制御装置64に表示制御コマンドとして通常用の大当りラウンド表示コマンドを出力し、表示制御データとして大当りラウンド表示データを出力する。前者の大当りラウンド表示コマンドは通常の大当りラウンド背景の表示を指令するものであり、通常の大当りラウンド背景とは大当り予告機能が付与されていない大当りラウンド背景を称する。後者の大当りラウンド表示データは大当りラウンド回数を称するものであり、具体的にはカウンタN2の現在の計測値である。
【0129】
図柄制御装置64のCPU65はIRQ割込みプログラムの中で通常用の大当りラウンド表示コマンドおよび大当りラウンド表示データを検出すると、図柄表示装置27に大当り予告機能を持たない通常の大当りラウンド表示を行う。この大当りラウンド表示は大当りラウンド回数(カウンタN2)に応じた通常の大当りラウンド背景を表示するものであり、通常の大当りラウンド背景の前方には現在の大当りラウンド回数(カウンタN2)が数値で表示される。
【0130】
CPU56はステップS129へ移行すると、図柄制御装置64に表示制御コマンドとして大当り予告用の大当りラウンド表示コマンドを出力し、表示制御データとして大当りラウンド表示データを出力する。前者の大当りラウンド表示コマンドは大当り予告用の大当りラウンド背景の表示を指令するものであり、大当り予告用の大当りラウンド背景とは通常の大当りラウンド背景とは色彩が相違し絵柄が同一の色違い同一背景を称している。
【0131】
図柄制御装置64のCPU65はIRQ割込みプログラムの中で大当り予告用の大当りラウンド表示コマンドおよび大当りラウンド表示データを検出すると、図柄表示装置27に大当り予告機能を有する大当りラウンド表示を行う。この大当りラウンド表示は大当りラウンド回数に応じた大当り予告用の大当りラウンド背景を表示するものであり、大当り予告用の大当りラウンド背景の前方には現在の大当りラウンド回数が数値で表示される。
【0132】
CPU56は大当りラウンド表示コマンド等を出力すると、ステップS130で大入賞口ソレノイド34に駆動電源を印加し、大入賞口31を開放する(大当りラウンドの開始)。これにより、パチンコ球Pが大入賞口31内に入賞することを許容する大当り状態を発生させ、遊技者に有利な状態を生成する。
【0133】
CPU56は大入賞口31を開放すると、ステップS131で可動片ソレノイド40の駆動電源を遮断し、可動片39を特定入賞状態に回動操作する。この特定入賞状態では可動片39が大入賞口31のカウント領域36から特定領域37へ向って下降傾斜し、大入賞口31内に入賞したパチンコ球Pが可動片39の傾斜に沿って特定領域37内に高確率で案内される。
【0134】
CPU56は可動片39を特定入賞状態に回動操作すると、ステップS132で開放フラグFdをオン状態にセットすることに基づいて大入賞口31の開放を記録する。そして、ステップS133で開放時間用のタイマT2をスタートさせ、大入賞口31の開放時間を計測開始する。次に、ステップS134でVフラグFvをオフ状態にリセットし、大入賞口31の特定領域37内にパチンコ球Pが入賞したか否かを記録可能な状態にする。
【0135】
例えば大当りの判定直後にはVフラグFvがオン状態にセットされ、大当り予告フラグFyおよび開放フラグFdがオフ状態にセットされ、カウンタN2およびN4が「0」にリセットされている。従って、CPU56は図27のステップS111からS112,S113,S114へ移行し、大当り予告の有無を判断する。ここで大当り予告の非設定を検出し、ステップS115でカウンタN1およびN4を比較することに基づいて新たな保留球の有無を判断する。この大当り判定直後にはカウンタN4が「0」にリセットされているので、保留球が存在しているときには新たな保留球有りと判断され、ステップS116でカウンタN4にカウンタN1が投入される。
【0136】
CPU56は新たな保留球が存在しているときには保留球で大当りが発生するか否かを判断する。この大当りの判断は確率変動の獲得結果に応じた異なる確率で行われるものであり、CPU56は大当りの判断結果にランダムカウンタR9の取得結果を加えて大当り予告の有無を無作為に決定する。従って、大入賞口31の開放状態で通常用の大当りラウンド背景または大当り予告用の大当りラウンド背景が表示されるので、遊技者は大当りラウンド背景の種類(具体的には色彩の相違)によって保留球で大当りが発生するか否かを非確定的に知ることができる。
【0137】
CPU56は大入賞口31の開放状態でタイマ割込みが発生すると、図27のステップS111で開放フラグFdがオン状態にセットされていることを検出し、図29のステップS135でV信号の有無を判断する。このV信号はパチンコ球Pが大入賞口31の特定領域37内に入賞することに基づいてVセンサ38から出力されるものであり、CPU56はRAM58の出力監視エリアにV信号有りが記録されていることを検出したときにはステップS136へ移行し、VフラグFvをオン状態にセットする。これにより、パチンコ球Pが特定領域37内に入賞したことを記録し、ステップS137へ移行する。
【0138】
CPU56はステップS137へ移行すると、可動片ソレノイド40に駆動電源を印加し、可動片39をカウント状態に回動操作する。このカウント状態では可動片39が大入賞口31の特定領域37からカウント領域36へ向って下降傾斜し、大入賞口31内に入賞したパチンコ球Pが可動片39の傾斜に沿ってカウント領域36内に高確率で案内される。
【0139】
CPU56は可動片39をカウント状態に回動操作すると、ステップS138で図柄制御装置64にINT信号を出力し、ステップS139で表示制御コマンドとしてV表示コマンドを出力する。すると、図柄制御装置64のCPU65はIRQ割込みプログラムの中でV表示コマンドを検出し、図柄表示装置27にV表示を行う。このV表示はパチンコ球Pが大入賞口31の特定領域37内に入賞したことを遊技者に報知するものであり、具体的には大当りラウンド数に応じた通常用の大当りラウンド背景または大当り予告用の大当りラウンド背景の前方にアルファベット「V」を表示することで行われる。
【0140】
CPU56はV表示コマンドを出力すると、ステップS140でカウント信号の有無を判断する。このカウント信号はパチンコ球Pが大入賞口31内に入賞することに基づいてカウントセンサ35から出力されるものであり、CPU56はRAM58の出力監視エリアにカウント信号有りが記録されていることを検出したときにはカウント信号有りと判断し、ステップS141でカウンタN3に「1」を加算する。このカウンタN3は1回の大当りラウンド中に何個のパチンコ球Pが大入賞口31内に入賞したかを計測するものであり、CPU56はパチンコ球Pの入賞個数を計測すると、ステップS142へ移行する。
【0141】
CPU56はステップS142へ移行すると、図柄制御装置64にINT信号を出力する。そして、ステップS143で表示制御コマンドとして入賞数表示コマンドを出力し、表示制御データとして入賞数表示データを出力する。この入賞数表示データは入賞個数用のカウンタN3の計測値を有するものであり、図柄制御装置64のCPU65はIRQ割込みプログラムの中で入賞数表示コマンドおよび入賞数表示データを検出し、図柄表示装置27に入賞数表示を行う。この入賞数表示は大当りラウンド回数に応じた通常用の大当りラウンド背景または大当り予告用の大当りラウンド背景の前方にカウンタN3の計測値を数値表示することで行われるものであり、大当りラウンド中にパチンコ球Pが大入賞口31内に入賞したときには入賞数がカウントアップ表示される。
【0142】
CPU56は入賞数表示コマンド等を出力すると、ステップS144でカウンタN3の計測値を上限値「10個」と比較し、ステップS145で開放時間用のタイマT2の計測値を上限値「27秒」と比較する。ここで「N3≧10個」および「T2≧27秒」のいずれかを検出したときにはステップS146で大入賞口ソレノイド34を断電することに基づいて大入賞口31を閉鎖する。即ち、大当りラウンドは規定個数のパチンコ球Pが大入賞口31内に入賞するか、大入賞口31の開放時間が上限値に達することに基づいて終了する。
【0143】
CPU56はステップS146で大当りラウンドを終えると、ステップS147でタイマT2を停止することに基づいて開放時間の計測動作を終える。そして、ステップS148で入賞個数用のカウンタN3を「0」にリセットし、ステップS149で開放フラグをオフ状態にセットすることに基づいて大入賞口31の閉鎖を記録する。
【0144】
CPU56は大入賞口31の閉鎖状態でタイマ割込みが発生すると、図27のステップS111からS112へ移行し、VフラグFvの設定状態を判断する。ここで、VフラグFvがオフ状態にセットされていることを検出したときにはステップS150で大当りラウンド回数用のカウンタN2を「0」にリセットし、ステップS151で保留球用のカウンタN4を「0」にリセットし、ステップS152へ移行する。
【0145】
CPU56はステップS152へ移行すると、図柄制御装置64にINT信号を出力する。そして、ステップS153で表示制御コマンドとして大当り終了表示コマンドを出力し、ステップS154で遊技制御フラグを制御データ設定処理にセットする。次に、ステップS155で大当り予告フラグFyをオフ状態「0」にリセットし、RAM58の保留球判定エリアの判定データをリセットする。すると、図柄制御装置64のCPU65はINT信号を検出することに基づいてIRQ割込みプログラムを起動し、IRQ割込みプログラムの中で大当り終了表示コマンドを検出する。この大当り終了表示コマンドは図柄制御装置64のCPU65に大当り終了表示の実行を指令するものであり、CPU65は大当り終了表示コマンドを検出すると、通常用の大当りラウンド背景または大当り予告用の大当りラウンド背景の前方にメッセージを表示し、大当り遊技の終了を遊技者に報知する。
【0146】
CPU56はステップS112でVフラグFvがオン状態にセットされていることを検出すると、ステップS113で大当りラウンド回数用のカウンタN2を上限値「14」と比較する。ここで「N2≦14」を検出したときにはステップS113からS114へ移行し、大当り予告判定処理を行った後に大入賞口31を開放する。即ち、大当りラウンドは大入賞口31の開放時にパチンコ球Pが特定領域37内に入賞することを条件に再開されるものであり、大当り予告判定処理は大当りラウンドの再開を条件に大当りラウンドの開始前に再び行われる。
【0147】
CPU56はステップS113で「N2>14」を検出したときにはステップS150で大当りラウンド回数用のカウンタN2をリセットし、ステップS151で保留球用のカウンタN4を「0」にリセットし、ステップS152で図柄制御装置64にINT信号を出力する。そして、ステップS153で大当り終了表示コマンドを出力し、ステップS154で遊技制御フラグを制御データ設定処理にセットし、ステップS155で大当り予告フラグFyおよび保留球判定エリアをリセットする。即ち、大当りラウンドの繰返し回数には上限値「15回」が設定されており、パチンコ球Pが特定領域37内に入賞した場合でも大当りラウンドの継続回数が15回に達しているときには大当りラウンドが再開されず、大当り遊技処理が終了する。
【0148】
<図柄制御装置64の内部処理について>
図柄制御装置64のCPU65は電源が投入されると、図31のステップS201で割込み禁止を設定し、ステップS202でRAM67の全データおよびI/O71を初期設定する。そして、ステップS203でVDP68にデモ表示コマンドを出力し、ステップS204で割込み禁止の設定を解除することに基づいて割込みの発生を許可する。
【0149】
VDP68はデモ表示コマンドを検出すると、VROM69から必要な表示データを読出す。そして、図柄表示装置27にデモンストレーション表示(デモ表示と称する)を行う。このデモ表示は遊技者に客待ち状態にあることを報知するものであり、具体的にはデモ背景の前方に製造社名および機種名等を表示することで行われる。
【0150】
CPU65はステップS204で割込みを許可すると、ステップS205のカウンタ更新処理へ移行し、カウンタ更新処理を無限ループ状に繰返す。このカウンタ更新処理は特別図柄用の表示パターンを選択するランダムカウンタR10を「1」ずつ加算するものであり、ランダムカウンタR10の加算処理は「0」から上限値「191」に加算された後に「0」に戻ってリング状に行われる。
【0151】
CPU65はメイン制御装置55からのINT信号を検出すると、図32のIRQ割込みプログラムを起動する。そして、ステップS211でメイン制御装置55からの表示制御コマンドおよび表示制御データを検出し、RAM67のコマンドエリアおよびデータエリアに格納する。
【0152】
図33のタイマ割込みプログラムは4msecが経過する毎に起動するものであり、図柄制御装置64のCPU65はタイマ割込みプログラムの起動時にはメインプログラムを実行位置で一時停止させ、タイマ割込みプログラムの終了時にはメインプログラムを一時停止位置から再開する。このタイマ割込みプログラムはステップS221の特別図柄変動表示処理〜ステップS222の大当り表示処理を有するものであり、ステップS221の特別図柄変動表示処理〜ステップS222の大当り表示処理の詳細は次の通りである。
【0153】
(1)特別図柄変動表示処理
図33のステップS221の特別図柄変動表示処理は図柄表示装置27に特別図柄を変動状態,仮停止状態,確定停止状態で順に表示し、特別図柄の確定停止状態での組合せに応じて遊技者に大当りおよび外れの判定結果を報知するものであり、特別図柄が大当りの組合せで確定停止したときにはメイン制御装置55が最初の大当りラウンドを開始し、大入賞口31内にパチンコ球Pが入賞することを許容する。
【0154】
CPU65は図34のステップS231へ移行すると、RAM67のコマンドエリアに図柄制御コマンドが格納されているか否かを判断する。この図柄制御コマンドはメイン制御装置55がパチンコ球Pの特別図柄始動口28に対する入賞を検出することに基づいて特別図柄の設定結果および変動パターンの設定結果と共に出力するものであり、CPU65はコマンドエリアに図柄制御コマンドが格納されていることを検出すると、ステップS232へ移行する。
【0155】
図柄制御装置64のROM66には、図35に示すように、表示パターンテーブルが記録されている。この表示パターンテーブルは変動パターンおよびランダムカウンタR10に基づいて表示パターンを選択するためのものであり、図柄制御装置64のCPU65は図34のステップS232へ移行すると、図35の表示パターンテーブルから変動パターンおよびランダムカウンタR10に応じた表示パターンを設定する。
【0156】
表示パターンは各列の特別図柄の変動速度,各列の特別図柄の仮停止タイミング,特別図柄用背景の種類,特別図柄用背景の切換えタイミング,キャラクタの表示タイミング,キャラクタの種類等を示すものであり、変動表示時間で終了するように設定されている。
【0157】
図36は表示パターン「1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「1」は完全外れが判定された変動パターン「1」の検出時に一義的に選択されるものであり、表示パターン「1」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景Aが表示される。また、キャラクタの表示は行われず、左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM67のデータエリアに格納されているメイン制御装置55からの表示制御データ(特別図柄の設定結果)で行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。
【0158】
図37は表示パターン「4−1」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「4−1」は変動パターンが「4」である外れリーチの判定時にランダムカウンタR10に応じて選択されるものであり、表示パターン「4−1」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景Aが表示される。また、左特別図柄および右特別図柄は通常変動状態から当該順序で仮停止し、中特別図柄は通常変動状態から低速変動状態に切換わった後に仮停止する。これら左特別図柄,右特別図柄,中特別図柄の仮停止はRAM67のデータエリアに格納されているメイン制御装置55からの表示制御データで行われるものであり、3列の仮停止状態では3列の特別図柄が外れの組合せになる。この表示パターン「4−1」にはキャラクタの表示が設定されており、左特別図柄が仮停止し且つ右特別図柄が仮停止していない状態でキャラクタの表示が瞬間的に行われることに基づいてリーチの発生が遊技者に予告される。
【0159】
図38は表示パターン「58」の設定内容を説明するためのタイミングチャートである。この表示パターン「58」は変動パターンが「58」である大当りの判定時にランダムカウンタR10に拘らず選択されるものであり、表示パターン「58」の選択時には特別図柄遊技用背景として背景A→背景B→背景Aが切換え表示される。また、左特別図柄および右特別図柄は通常変動状態から仮停止した後に消滅し、中特別図柄は通常変動状態から消滅する。この中特別図柄の消滅は特別図柄遊技用背景が「A」から「B」に切換わると同時に行われるものであり、特別図柄遊技用背景の切換え状態ではリーチアクション用のキャラクタが表示され、所定の動作を行うアニメーション画面が表示される。このアニメーション画面はキャラクタの動作内容に応じて大当り発生の有無を遊技者にイメージさせるものであり、リーチアクションと称されている。
【0160】
図39は表示パターン「58」の選択時に表示されるリーチアクションを説明するものであり、表示パターン「58」の選択時にはリーチアクション用のキャラクタMがキャラクタWに自分を放り投げることを哀願し、図39の(a)および(b)に示すように、キャラクタWがキャラクタMの哀願を承諾してキャラクタMを放り投げる演出のリーチアクションが表示される。このリーチアクションの終了時には特別図柄遊技用背景が「B」から「A」に切換わる。そして、キャラクタとして「大当り!!」のメッセージが表示された後、図39の(c)に示すように、3列の特別図柄が大当りとなる組合わせで仮表示される。
【0161】
CPU65は表示パターンを設定すると、図34のステップS233へ移行し、VDP68に変動開始コマンドと表示パターンの設定結果と特別図柄の設定結果とを出力する。すると、VDP68は表示パターンに応じた表示データをVROM69から検出し、図柄表示装置27に表示パターンに応じた演出内容で変動表示を行う。
【0162】
CPU65は特別図柄の変動表示を開始すると、ステップS234でコマンドエリアの図柄制御コマンドを消去する。そして、ステップS235へ移行し、コマンドエリアに全図柄停止コマンドが格納されているか否かを判断する。この全図柄停止コマンドはメイン制御装置55が変動表示時間の経過を検出することに基づいて出力するものであり、CPU65は全図柄停止コマンドを検出すると、ステップS236でVDP68に図柄確定コマンドを出力し、ステップS237でコマンドエリアの全図柄停止コマンドを消去する。
【0163】
全図柄停止コマンドはメイン制御装置55が出力するものであり、全図柄停止コマンドの出力タイミングは変動パターンに応じた変動表示時間の経過タイミングに設定されている。表示パターンは図柄制御装置64が変動パターンに基づいて設定するものであり、変動パターンに応じた変動表示時間で終了するように設定される。従って、図柄制御装置64のCPU65が全図柄停止コマンドを検出してVDP68に図柄確定コマンドを出力するときには左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が必ず仮停止状態にある。この仮停止状態ではVDP68が左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を上下に揺らしており、VDP68は図柄確定コマンドを検出すると、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を水平な1本の有効ライン上に静止した確定状態で表示する。
【0164】
例えば変動パターン「58」の設定時にはメイン制御装置54から図柄制御装置64に変動表示時間「T58」の経過タイミングで全図柄停止コマンドが出力される。この変動パターン「58」の設定時には図柄制御装置64が表示パターン「58」を変動表示時間「T58」で終了するように設定している。この変動表示時間「T58」の経過時点では、図38に示すように、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄が仮停止状態にあり、VDP68はCPU65からの図柄確定コマンドを左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄の仮停止状態で検出し、左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄を仮停止状態から確定状態に切換える。
【0165】
(2)大当り表示処理
図33のステップS222の大当り表示処理は大当り遊技中に大当りラウンド回数に応じた大当りラウンド背景を表示し、大当りラウンド背景の前方にキャラクタとして大当りラウンド情報を報知するものであり、保留球の中に大当りが存在しているときには大当りラウンド背景として大当り予告用の特殊背景が表示されることに基づいて大当り予告が行われる。
【0166】
CPU65は図41のステップS241へ移行すると、RAM67のコマンドエリアに大当りラウンド表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この大当りラウンド表示コマンドはメイン制御装置55が大当りラウンドの開始時に大当りラウンド回数(カウンタN2)と共に出力するものであり、CPU65は大当りラウンド表示コマンドを検出すると、ステップS242でRAM67のデータエリアから大当りラウンド回数を検出する。
【0167】
図柄制御装置64のROM66には大当りラウンドテーブルが記録されている。この大当りラウンドテーブルは、図42に示すように、大当りラウンド回数(カウンタN2)と大当りラウンド用の表示パターンとの対応関係を示すものであり、CPU65は図41のステップS243へ移行すると、大当りラウンドテーブルから大当りラウンド回数に応じた表示パターンを検出し、VDP68にラウンド表示コマンドおよびラウンド表示データを出力する。このラウンド表示データは表示パターンの検出結果と色彩データとを有するものであり、通常用の大当りラウンド表示コマンドの検出時には色彩データとしてノーマルデータが出力され、大当り予告用の大当りラウンド表示コマンドの検出時には色彩データとして特殊データが出力される。
【0168】
VDP68はCPU65からのラウンド表示コマンドおよびラウンド表示データを検出すると、VROM69から必要な表示データを検出し、図柄制御装置27に大当りラウンド背景および大当りラウンド回数を表示する。図43は大当りラウンド背景および大当りラウンド回数の表示画面を示すものであり、例えば表示パターン「R1」の検出時には、図43の(a)に示すように、大当りラウンド背景として「亀が海中を泳ぐ」演出のアニメーション画面が表示され、大当りラウンド回数として「R1」が表示される。また、表示パターン「R15」の検出時には、図43の(b)に示すように、大当りラウンド背景として「蟹およびヤドカリが海中を泳ぐ」演出のアニメーション画面が表示され、大当りラウンド回数として「R15」が表示される。このアニメーション画面は色彩データに応じて彩色されるものであり、例えば色彩データがノーマルであるときには海中の描写が青色に彩色され、色彩データが特殊であるときには海中の描写が赤色に彩色される。尚、図40は大当りラウンド背景を示すものである。
【0169】
CPU65はVDP68に大当りラウンド表示の実行を指令すると、図41のステップS244でコマンドエリアの大当りラウンド表示コマンドおよびデータエリアの大当りラウンド回数を消去し、ステップS245でRAM67のコマンドエリアにV表示コマンドが記録されているか否かを検出する。このV表示コマンドは大入賞口31の特定領域37内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置55が出力するものであり、CPU65はV表示コマンドを検出すると、ステップS246でVDP68にV表示コマンドを出力する。すると、VDP68はVROM69から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27にV表示を行う。このV表示は、図43に示すように、メッセージ「V」を表示するものであり、メッセージ「V」の表示は通常用の大当りラウンド背景または大当り予告用の大当りラウンド背景の前方で行われる。
【0170】
CPU65は図41のステップS247へ移行すると、コマンドエリアのV表示コマンドを消去し、ステップS248でコマンドエリアに入賞数表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この入賞数表示コマンドは大入賞口31内にパチンコ球Pが入賞した場合にメイン制御装置55がカウンタN3と共に出力するものであり、CPU65は入賞数表示コマンドを検出すると、ステップS249へ移行する。
【0171】
CPU65はステップS249へ移行すると、RAM67のデータエリアからカウンタN3を検出し、ステップS250でVDP68に入賞数表示コマンドおよびカウンタN3を出力する。すると、VDP68はVROM69から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27に入賞数表示を行う。この入賞数表示は、図43に示すように、「N3個」を表示するものであり、入賞数の表示は通常用の大当りラウンド背景または大当り予告用の大当りラウンド背景の前方で行われる。
【0172】
CPU65は図41のステップS251へ移行すると、コマンドエリアの入賞数表示コマンドおよびデータエリアのカウンタN3を消去し、ステップS252でコマンドエリアに大当り終了表示コマンドが格納されているか否かを検出する。この大当り終了表示コマンドはメイン制御装置55が最終の大当りラウンドが終了した大当り遊技の終了時に出力するものであり、CPU65は大当り終了表示コマンドを検出すると、ステップS253へ移行する。
【0173】
CPU65はステップS253へ移行すると、VDP68に大当り終了表示コマンドを出力し、ステップS254でコマンドエリアの大当り終了表示コマンドを消去する。すると、VDP68はVROM69から必要な表示データを読出し、図柄表示装置27に大当り終了表示を行う。この大当り終了表示は大当り遊技の終了(最終の大当りラウンドの終了)を遊技者に報知するものであり、図43の(c)に示すように、最終の大当りラウンド背景の前方にメッセージ「バイバイ またね!」を表示することで行われる。
【0174】
図1は大当り遊技の流れを時系列的に示すものである。この大当り遊技は図柄表示装置27に大当り図柄が確定停止状態で表示された後に実行されるものであり、大当り遊技時にはメイン制御装置55から図柄制御装置64に大当りラウンド表示コマンドSrおよび大当りラウンド回数Rが出力され、図柄制御装置64が大当りラウンド回数Rに応じた大当りラウンド背景の前方に大当りラウンド回数を表示する(大当りラウンド表示)。そして、メイン制御装置55が大入賞口31を開放し、大当りラウンドを開始する。この大当りラウンド中にはメイン制御装置55から図柄制御装置64にV表示コマンドSvおよび入賞数表示コマンドSnが出力され、図柄制御装置64が特定領域37に対するパチンコ球Pの入賞と大入賞口31に対するパチンコ球Pの入賞数とを大当りラウンド背景の前方に表示する。
【0175】
大入賞口31の開放時間が上限値に達したり、規定個数のパチンコ球Pが大入賞口31内に入賞すると、メイン制御装置55が大入賞口31を閉鎖することに基づいて今回の大当りラウンドを終え、大当りラウンドの繰返し回数が上限値に達していないときには大入賞口31の特定領域37内にパチンコ球Pが入賞したか否かを判断する。そして、パチンコ球Pの入賞を検出したときには次回の大当りラウンドを行い、パチンコ球Pの入賞を検出しなかったときには次回の大当りラウンドを行わずに今回の大当りラウンドを最終回とする。また、大当りラウンドの繰返し回数が上限値に達しているときには無条件に今回の大当りラウンドを最終回とする。
【0176】
最終回の大当りラウンドが終了すると、メイン制御装置55から図柄制御装置64に大当り終了表示コマンドSeが出力される。すると、図柄制御装置64がメッセージを表示し、大当り遊技の終了を遊技者に報知する。
【0177】
大当り遊技時にはメイン制御装置55が大当り予告を選択的に行う。この大当り予告は保留球で大当りが発生することを非確定的に予告するものであり、大当り予告を行うか否かの大当り予告判定処理は大当り予告の実行が設定されていないことに加え、新たな保留球の発生を条件に大当りラウンドの開始毎に行われる。この判定結果は今回の大当りラウンドに即座に反映されるものであり、大当り予告の実行が判定されたときには今回の大当りラウンド背景が特殊な色彩で表示される。この色彩の変化は今回の大当りラウンド背景だけで終了するものではなく、最終回の大当りラウンドが終了するまで継続される。
【0178】
上記第1実施例によれば、大当り遊技時に保留球に係る大当り予告を選択的に行ったので、大当りラウンド表示を見る楽しみおよび大入賞口31内にパチンコ球が入賞することを見る楽しみに加え、大当り予告が何時行われるかを期待する楽しみができる。しかも、大当り予告を保留球の存在を必須条件に行ったので、大当り予告に対する信憑性が高まり、総じて、大当り遊技時の趣向性が高まる。
【0179】
また、大当り遊技時に保留球に係る大当り予告を選択的に行ったので、大当り予告が行われたときには遊技者が大当り遊技終了直後にも着座状態で変動表示を見詰めるようになる。このため、遊技者が大当り遊技の終了直後に出球の交換目的で席を離れることがなくなるので、出球の交換中に大入賞口31が開放され、大量の出球を獲得するチャンスを逃がすことがなくなる。
【0180】
また、大当り予告を大当りラウンド表示の表示内容によって行った。この大当りラウンド中には遊技者がパチンコ球Pの大入賞口31に対する挙動に加えて大当りラウンド表示を見つめる傾向にあるので、遊技者が大当り予告を見逃す確度が低くなる。
【0181】
また、大当りラウンド表示を開始する毎に新たな保留球の有無を検出した。このため、最終の大当りラウンド表示の開始直前に新たな保留球が発生し、新たな保留球に基づいて大当り予告有りが判定されたときには最終の大当りラウンド表示時に予告が行われるので、最終の大当りラウンド表示の開始直前に新たな保留球が発生したときでも大当り予告を行うことができる。
【0182】
また、大当り予告有りが最終の大当りラウンド表示の開始前以外で判定されたときには大当り予告を複数の大当りラウンド表示で行った。このため、大当り予告を見逃す確度が低くなるので、大当り予告を楽しむ折角の機会が失われることが防止される。
また、大当り予告を行ったときには最終回の大当りラウンド表示まで継続させた。このため、大当り予告を見逃す確度が一層低くなるので、大当り予告を楽しむ折角の機会が失われることが確実に防止される。
【0183】
次に本発明の第2実施例を図44〜図46に基づいて説明する。メイン制御装置55のCPU56は最終の大当りラウンドを終えると、図45のステップS156で大当り予告フラグFyの設定状態に基づいて大当り予告の実行の有無を判断する。例えば大当り予告フラグFyが「1」にセットされているときには大当り予告が実行されたと判断し、ステップS157で図柄制御装置65にINT信号を出力する。そして、ステップS158で大当り予告データを出力し、ステップS159で大当り予告フラグFyおよび保留球判定エリアをリセットする。この大当り予告データはカウンタN1の計測値を有するものであり、図柄制御装置64のCPU65はINT信号を受信すると、IRQ割込みプログラムを起動して大当り予告データを検出し、RAM67のデータエリアに格納する。
【0184】
図柄制御装置64のCPU65は図46のステップS231でメイン制御装置からの図柄制御コマンドを検出すると、ステップS238でRAM67のデータエリアからカウンタN1を検出し、設定値「0」と比較する。ここで「N1>0」を検出したときにはステップS239で大当り予告有りを設定し、ステップS232で表示パターンを設定するときに大当り予告用のキャラクタを設定する。そして、ステップS233で表示パターンに応じた変動表示を行った後、ステップS240でカウンタN1から「1」を減算する(N1←N1−1)。
【0185】
即ち、大当り遊技中の保留球に基づく変動表示時にはカウンタN1の計測値が「0」になっておらず、大当り遊技時に大当り予告が行われたときには大当り遊技中の保留球に基づく変動表示時に大当り予告用のキャラクタ「大当り??」が出現する。この大当り予告用のキャラクタは、図44に示すように、3列の特別図柄および特別図柄遊技用背景の前方に表示されるものであり、遊技者は大当り予告用のキャラクタを認識することに基づいて変動表示が大当りに発展することを非確定的に知ることができる。尚、図44の矢印「↓」は各列の特別図柄が変動していることを示している。
【0186】
上記第2実施例によれば、大当り遊技中に大当り予告を行ったときには大当り予告が行われたことを大当り遊技中の保留球に係る変動表示時に表示した。このため、大当り遊技中の大当り予告に気付かなかったときでも大当り予告を認識できるので、大当り遊技直後の保留球に係る変動表示に対する期待感が高まり、保留球に係る変動表示の趣向性が向上する。
【0187】
尚、上記第1〜第2実施例においては、メイン制御装置55が保留球に係る大当り判定処理を大当り遊技中に行う構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば保留球の発生直後に大当り判定処理を行い、大当りの判定結果をRAM58に格納する構成としても良い。この構成の場合、大当り遊技中にRAM58から保留球に係る大当りの判定結果を検出し、大当りの判定結果に応じた異なる態様で大当り予告の有無を判定すると良い。
【0188】
また、上記第1〜第2実施例においては、変動表示の表示内容に係る予告として大当り予告を行ったが、これに限定されるものではなく、例えばリーチ予告を行ったり、リーチアクション予告を行っても良い。以下、大当り遊技中にリーチ予告を行う本発明の第3実施例を図47に基づいて説明し、大当り遊技中にリーチアクション予告を行う本発明の第4実施例を図48に基づいて説明する。
【0189】
<第3実施例>
メイン制御装置55のCPU56は大当りを判定すると、図47のステップS170でリーチ予告フラグの状態を検出する。ここでリーチ予告フラグがオフ状態「0」にセットされていることを検出すると、リーチ予告が設定されていないと判断してステップS115へ移行し、新たな保留球の有無を判断する。
【0190】
CPU56は新たな保留球の発生を検出すると、ステップS116でカウンタN4を更新し、ステップS171でランダムカウンタR9の現在の計測値を取得し、ステップS172で保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN4に対応する記録部から大当り用のランダムカウンタR3を検出する。そして、ランダムカウンタR3を確率変動の獲得状態に応じた異なる個数の大当り値と比較し、保留球の中に大当りが存在するか否かを確率変動の獲得状態に応じた異なる確率で判定する。
【0191】
CPU56は保留球の中に大当りが存在しないことを判定すると、ステップS173へ移行し、保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN4に対応する記録部から外れリーチ用のランダムカウンタR2を検出する。そして、ランダムカウンタR2を19個の外れリーチ値と比較し、保留球の中に外れリーチが存在するか否かを判定する。
【0192】
CPU56は保留球の中に大当りまたは外れリーチが存在しないことを検出すると、ステップS174へ移行し、ランダムカウンタR9の取得値を2個のリーチ予告値「0〜1」と比較する。ここでランダムカウンタR9が2個のリーチ予告値のいずれかと同一であることを検出したときにはリーチ予告フラグをオン状態にセットし、リーチ予告有りに設定する。即ち、保留球の中に完全外れしか存在しないときには「2/33」の高確率でリーチ予告の非実行が設定され、「2/33」の低確率でリーチ予告の実行が設定される。
【0193】
CPU56は保留球の中に大当りまたは外れリーチが存在することを検出すると、ステップS175へ移行し、ランダムカウンタR9の取得値を30個のリーチ予告値「2〜31」と比較する。ここでランダムカウンタR9が30個のリーチ予告値のいずれかと同一であることを検出したときにはリーチ予告フラグをオン状態にセットし、リーチ予告有りに設定する。即ち、保留球の中に大当りまたは外れリーチが存在しているときには「30/33」の高確率でリーチ予告の実行が設定され、「3/33」の低確率でリーチ予告の非実行が設定される。
【0194】
CPU56はリーチ予告フラグのオン状態では図柄制御装置64にリーチ予告用の大当りラウンド表示コマンドを出力する。すると、図柄制御装置64のCPU65はIRQ割込みプログラムの中でリーチ予告用の大当りラウンド表示コマンドを検出し、図柄表示装置27にリーチ予告機能を有する色彩が異なる大当りラウンド表示を行う。この大当りラウンド表示は大当りラウンド回数に応じたリーチ予告用の大当りラウンド背景を表示するものであり、リーチ予告用の大当りラウンド背景の前方には現在の大当りラウンド回数が数値で表示される。
【0195】
CPU56は最終の大当りラウンドを終えると、ステップS176でリーチ予告フラグの設定状態に基づいてリーチ予告の実行の有無を判断する。ここでリーチ予告が実行されたと判断したときにはステップS157で図柄制御装置64にINT信号を出力し、ステップS158でカウンタN1を出力し、ステップS177でリーチ予告フラグおよび保留球判定エリアをリセットする。
【0196】
図柄制御装置64のCPU65はINT信号を受信すると、IRQ割込みプログラムの中でカウンタN1を検出し、RAM67のデータエリアに格納する。この後、メイン制御装置55からの図柄制御コマンドを検出すると、カウンタN1を設定値「0」と比較する。
【0197】
CPU65は「N1>0」を検出すると、特別図柄用の表示パターンを設定するときにリーチ予告用のキャラクタ「リーチ??」を設定し、表示パターンに応じた変動表示を行った後にカウンタN1から「1」を減算する。即ち、大当り遊技中にリーチ予告が行われたときには大当り遊技時の保留球に係る変動表示時にリーチ予告用のキャラクタ「リーチ??」が3列の変動状態で出現する。
【0198】
<第4実施例>
メイン制御装置55のCPU56は大当りを判定すると、図48のステップS178でリーチアクション予告フラグの状態を検出する。ここでリーチアクション予告フラグがオフ状態「0」にセットされていることを検出すると、リーチアクション予告が設定されていないと判断してステップS115へ移行し、新たな保留球の有無を判断する。
【0199】
CPU56は新たな保留球の発生を検出すると、ステップS116でカウンタN4を更新し、ステップS171でランダムカウンタR9の現在の計測値を取得する。そして、ステップS179で保留データ記録部E1〜E4のうちカウンタN4に対応する記録部から変動パターン用のランダムカウンタR1と外れリーチ用のランダムカウンタR2と大当り用のランダムカウンタR3とを検出し、ランダムカウンタR2およびR3に基づいて大当りと外れリーチと完全外れとを判定する。次に、大当りと外れリーチと完全外れの判定結果およびランダムカウンタR1に基づいて変動パターンを判定し、ステップS180で変動パターンの判定結果の中に予め設定された特定のものが存在するか否かを判定する。
【0200】
CPU56は変動パターンの中に特定のものが存在しないことを判定すると、ステップS181へ移行し、ランダムカウンタR9の取得値を2個のリーチアクション予告値「0〜1」と比較する。ここでランダムカウンタR9が2個のリーチアクション予告値のいずれかと同一であることを検出したときにはリーチアクション予告フラグをオン状態にセットし、リーチアクション予告有りに設定する。即ち、保留球の中に特定の変動パターンが存在しないときには「2/33」の高確率でリーチアクション予告の非実行が設定され、「2/33」の低確率でリーチアクション予告の実行が設定される。
【0201】
CPU56は保留球の中に特定の変動パターンが存在することを検出すると、ステップS182へ移行し、ランダムカウンタR9の取得値を30個のリーチアクション予告値「2〜31」と比較する。ここでランダムカウンタR9が30個のリーチアクション予告値のいずれかと同一であることを検出したときにはリーチアクション予告フラグをオン状態にセットし、リーチアクション予告有りに設定する。即ち、保留球の中に特定の変動パターンが存在しているときには「30/33」の高確率でリーチアクション予告の実行が設定され、「3/33」の低確率でリーチアクション予告の非実行が設定される。
【0202】
CPU56はリーチアクション予告フラグのオン状態では図柄制御装置64にリーチアクション予告用の大当りラウンド表示コマンドを出力する。すると、図柄制御装置64のCPU65はIRQ割込みプログラムの中でリーチアクション予告用の大当りラウンド表示コマンドを検出し、図柄表示装置27にリーチアクション予告機能を有する色彩が異なる大当りラウンド表示を行う。この大当りラウンド表示は大当りラウンド回数に応じたリーチアクション予告用の大当りラウンド背景を表示するものであり、リーチアクション予告用の大当りラウンド背景の前方には現在の大当りラウンド回数が数値で表示される。
【0203】
CPU56は最終の大当りラウンドを終えると、ステップS183でリーチアクション予告フラグの設定状態に基づいてリーチアクション予告の実行の有無を判断する。ここでリーチアクション予告が実行されたと判断したときにはステップS157で図柄制御装置64にINT信号を出力し、ステップS158でカウンタN1を出力し、ステップS184でリーチアクション予告フラグおよび保留球判定エリアをリセットする。
【0204】
図柄制御装置64のCPU65はINT信号を受信すると、IRQ割込みプログラムの中でカウンタN1を検出し、RAM67のデータエリアに格納する。この後、メイン制御装置55からの図柄制御コマンドを検出すると、カウンタN1を設定値「0」と比較する。
【0205】
CPU65は「N1>0」を検出すると、特別図柄用の表示パターンを設定するときにリーチアクション予告用のキャラクタ「スーパーリーチ??」を設定し、表示パターンに応じた変動表示を行った後にカウンタN1から「1」を減算する。即ち、大当り遊技中にリーチアクション予告が行われたときには大当り遊技中の保留球に基づく変動表示時にリーチアクション予告用のキャラクタ「スーパーリーチ??」が3列の変動状態で出現する。
【0206】
尚、上記第1〜第4実施例においては、外れリーチおよび完全外れの判定時にランダムカウンタR6〜R8の計測値に基づいて外れリーチ図柄および完全外れ図柄を設定したが、これに限定されるものではなく、例えば下記第5実施例の構成で外れリーチ図柄および完全外れ図柄を設定しても良い。
【0207】
<第5実施例>
メイン制御装置55のCPU56は図50のステップS4で左図柄〜右図柄用のランダムカウンタR6〜R8に換えてランダムカウンタR11を加算する。このランダムカウンタR11は3桁のカウンタからなるものであり、1桁目は、図49に示すように、「0」から「11」に加算された後に「0」に戻ってリング状に加算されれる。この1桁目の加算処理はメインプログラムの1ループ毎に「1」ずつ行われるものであり、ランダムカウンタR11の2桁目は1桁目が「11」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」ずつ加算され、3桁目は2桁目が「11」から「0」に加算される桁上げ毎に「1」ずつ加算される。
【0208】
CPU56は図50のステップS4でランダムカウンタR11を加算すると、ステップS5でランダムカウンタR11の1桁目と3桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ステップS6でランダムカウンタR11をRAM58の完全外れ図柄エリアに格納する。そして、制御データ設定処理で完全外れを判定すると、完全外れ図柄エリアからランダムカウンタR11を検出し、1桁目の検出結果に基づいて左特別図柄を設定し、2桁目の検出結果に基づいて中特別図柄を設定し、3桁目の検出結果に基づいて右特別図柄を設定する。
【0209】
CPU56はステップS5でランダムカウンタR11の1桁目と3桁目とが同一であることを検出すると、ステップS7でランダムカウンタR11の1桁目と2桁目とを比較する。ここで両者が相違していることを検出すると、ランダムカウンタR11をRAM58の外れリーチ図柄エリアに格納する。そして、制御データ設定処理で外れリーチを判定すると、外れリーチ図柄エリアからランダムカウンタR11を検出し、1桁目の検出結果に基づいて左特別図柄を設定し、2桁目の検出結果に基づいて中特別図柄を設定し、3桁目の検出結果に基づいて右特別図柄を設定する。
【0210】
尚、上記第1〜第5実施例においては、大当りラウンド時に大入賞口31に対するパチンコ球Pの現在の入賞数を表示したが、これに限定されるものではなく、例えば現在の入賞数を表示しなくても良く、要は大当り遊技用の絵柄を有する動画面または静止画面を表示すれば良い。
【0211】
また、上記第1〜第5実施例においては、大当りラウンド背景の色彩の変化で大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告を行ったが、これに限定されるものではなく、例えば予告の非実行時と同色の大当りラウンド背景の前方にキャラクタを表示することに基づいて大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告を行っても良い。
また、上記第1〜第5実施例においては、保留球数を4個を上限に計測する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば4個以外の複数値を上限に計測する構成としたり、上限値を設定しない構成としても良い。
【0212】
また、上記第1〜第5実施例においては、大当り遊技中に大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告が行われても大当り,リーチ,特定のリーチアクションが保留球に係る変動表示時に発生しないことがある構成としたが(非確定的な予告)、これに限定されるものではなく、例えば大当り遊技中に大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告が行われたときには大当り,リーチ,特定のリーチアクションが保留球に係る変動表示時に必ず発生する構成としても良い(確定的な予告)。
【0213】
また、上記第1〜第5実施例においては、大当り遊技中の大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告を映像で行ったが、これに限定されるものではなく、例えばスピーカ6を用いた音で行ったり、コーナランプカバー20やサイドランプカバー22を用いた光で行ったり、これらの組合わせで行っても良い。
【0214】
また、上記第1〜第5実施例においては、ランダムカウンタR9の計測値を大当り遊技中の大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告の判定条件としたが、これに限定されるものではなく、例えばランダムカウンタR9の計測値を予告の判定条件から外しても良い。
【0215】
また、上記第1〜第5実施例においては、メイン制御装置55のRAM58にカウンタデータエリアとして保留データ記録部E1,E2,E3,E4を設けたが、これに限定されるものではなく、例えば保留データ記録部E0,E1,E2,E3,E4を設けても良い。この構成の場合、図25のステップS85でRAM58の格納データを整理するに際して保留データ記録部E1の格納データ(ランダムカウンタR1〜R8)を保留データ記録部E0に上書きし、現在の変動表示に係るカウンタデータを保管するようにすると良い。
【0216】
また、上記第1〜第5実施例においては、変動表示の開始後に保留球ランプ25を消灯する構成としたが、これに限定されるものではなく、例えば変動表示の開始と略同時に保留球ランプ25を消灯しても良い。この場合、図25の変動表示処理で格納データの整理(ランダムカウンタR1〜R8の整理)および保留球数の減算(カウンタN1の減算)を行った後にカウンタN1の減算結果に基づいて保留球ランプ25を消灯し、保留球ランプ25の消灯後に図柄制御装置64にINT信号,図柄制御コマンド,図柄制御データを出力すると良い。
【0217】
また、上記第1〜第5実施例においては、確率変動の獲得状態を変動表示の開始直前に判定したが、これに限定されるものではなく、例えば大当り遊技中に判定しても良い。この場合、判定タイミングとしては大当り遊技の終了時(具体的には大当り予告の判定処理後であって最終の大当りラウンドの終了直後)が好ましい。このタイミングで確率変動の獲得状態を判定するときには大当り予告判定処理を行うに際して確率変動の有無が決まっていないので、確率変動中であるか否かを検出せずに大当りを一定の低確率で判定すると良い。
【0218】
また、上記第1〜第5実施例においては、大当り遊技中に新たな保留球が発生することを条件に大当り予告,リーチ予告,リーチアクション予告を行った。例えば2回目の大当りラウンドの開始時点で3個の保留球が発生し、大当り予告等が実行されていないときには3回目以後の大当りラウンドの開始時点で新たな4個目の保留球が発生し、新たな4個目の保留球に基づいて大当り等が判定された場合に大当り予告等を行った。しかしながら、これに限定されるものではなく、例えば新たな保留球が発生しない場合にも大当り予告等が行われるように構成しても良い。この構成の場合、大当りラウンドの開始毎にランダムカウンタの現在の計測値を取得し、ランダムカウンタの計測値が予め設定された予告値であることを条件に大当り予告等を行うと良い。
【0219】
また、上記第1〜第5実施例においては、大当りの発生を条件に確率変動の獲得状態が判定される構成のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば時間短縮の獲得状態が判定される構成のパチンコ機に適用しても良い。この時間短縮とは特別図柄の変動開始から確定停止に至る変動時間(可変時間)を短縮する機能であり、具体的には大当りが奇数図柄で発生したときには大当り遊技後のXa回の変動表示に対して時間短縮を設定し、大当りが偶数図柄で発生したときには大当り遊技後のXb(<Xa)回の変動表示に対して時間短縮を設定すると良い。
【0220】
また、上記第1〜第5実施例においては、大当り図柄の確定停止に連動して大当り遊技が行われる1種のパチンコ機に本発明を適用したが、これに限定されるものではなく、例えば3種のパチンコ機に適用しても良い。この3種のパチンコ機は大当り図柄の確定表示に連動して特別入賞口が開放されるものであり、特別入賞口の開放時に特別入賞口内にパチンコ球が入球することに基づいて大当り遊技が行われる。この大当り遊技は予め設定された複数の大当りラウンドからなるものであり、各回の大当りラウンドは別の特別入賞口内にパチンコ球が入賞することに基づいて開始され、予め設定された最終回まで無条件に継続される。
【0221】
【発明の効果】
本発明によれば、大当り遊技時に保留球に係る予告を行ったので、大当り遊技用のアニメーション画面を見る楽しみおよび可変入賞口内にパチンコ球が入賞することを見る楽しみに加え、予告が何時行われるかを期待する楽しみができる。しかも、予告を保留球の存在を必須条件に行ったので、予告に対する信憑性が高まり、総じて、大当り遊技時の趣向性が高まる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す図(大当り遊技の流れを示す図)
【図2】パチンコ機の全体構成を示す前面図
【図3】遊技盤を示す前面図
【図4】パチンコ機の全体構成を示す後面図
【図5】大入賞口を開放状態で示す斜視図(可動片がカウント状態に回動した様子を示す図)
【図6】大入賞口を開放状態で示す斜視図(可動片が特定入賞状態に回動した様子を示す図)
【図7】賞球払出装置の内部構成を示す後面図
【図8】メイン制御装置の電気的構成を示す図
【図9】図柄制御装置の電気的構成を示す図
【図10】払出制御装置の電気的構成を示す図
【図11】スピーカ制御装置の電気的構成を示す図
【図12】ランプ制御装置の電気的構成を示す図
【図13】メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図14】(a)はメイン制御装置が保有するランダムカウンタの一覧を示す図、(b)はメイン制御装置が保有するノーマルカウンタの一覧を示す図、(c)はメイン制御装置が保有するタイマの一覧を示す図
【図15】メイン制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図16】メイン制御装置のRAMのデータ格納エリアを示す図
【図17】メイン制御装置のデータ取得処理を示すフローチャート
【図18】カウンタと保留データ記録部とランプナンバーとの関係を示す図
【図19】メイン制御装置の制御データ設定処理を示すフローチャート
【図20】ランダムカウンタと大当り図柄,左特別図柄,中特別図柄,右特別図柄との関係を示す図
【図21】メイン制御装置の外れリーチ図柄設定処理を示すフローチャート
【図22】メイン制御装置の完全外れ図柄設定処理を示すフローチャート
【図23】大当り用の変動パターンテーブルを示す図
【図24】外れリーチ用の変動パターンテーブルを示す図
【図25】メイン制御装置の変動表示処理を示すフローチャート
【図26】メイン制御装置の全図柄停止処理を示すフローチャート
【図27】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図28】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図29】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート
【図30】大当り遊技処理中のカウンタと保留球記録部との対応関係を示す図
【図31】図柄制御装置のメインプログラムを示すフローチャート
【図32】図柄制御装置のIRQ割込みプログラムを示すフローチャート
【図33】図柄制御装置のタイマ割込みプログラムを示すフローチャート
【図34】図柄制御装置の特別図柄変動表示処理を示すフローチャート
【図35】表示パターンテーブルを示す図
【図36】完全外れ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図37】外れリーチ用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図38】大当り用の表示パターンを説明するためのタイミングチャート
【図39】リーチアクションの表示内容を示す図
【図40】特別図柄遊技用の背景データを示す図
【図41】図柄制御装置の大当り表示処理を示すフローチャート
【図42】大当りラウンドテーブルを示す図
【図43】(a)および(b)は大当りラウンド表示の表示画面を示す図、(b)は大当り終了表示の表示画面を示す図
【図44】本発明の第2実施例を示す図(大当り予告用のキャラクタの表示画面を示す図)
【図45】メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート(図27相当図)
【図46】図柄制御装置の特別図柄変動表示処理を示すフローチャート(図34相当図)
【図47】本発明の第3実施例を示す図27相当図(メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート)
【図48】本発明の第4実施例を示す図27相当図(メイン制御装置の大当り遊技処理を示すフローチャート)
【図49】本発明の第5実施例を示す図(ランダムカウンタの加算順序を説明するための図)
【図50】図13相当図(メイン制御装置のメインプログラムを示すフローチャート)
【符号の説明】
Pはパチンコ球、27は図柄表示装置(表示装置)、28は特別図柄始動口(始動口)、31は大入賞口(可変入賞口)、55はメイン制御装置(データ取得手段、表示内容設定手段、大当り遊技手段、保留手段)、64は図柄制御装置(表示制御手段、予告手段)を示している。
Claims (8)
- 図柄を可変状態および可変停止状態で順に表示する可変表示をパチンコ球が始動口に入賞したことを条件に行う構成のものにおいて、
パチンコ球が前記始動口に入賞することに基づいてカウンタデータを取得するデータ取得手段と、
前記データ取得手段の取得結果に基づいて可変表示の表示内容を設定する表示内容設定手段と、
前記表示内容設定手段の設定結果に応じた内容で可変表示を行う表示制御手段と、
大当りが判定されたことを条件に可変入賞口を遊技者に有利な状態にする大当り遊技を行う大当り遊技手段と、
パチンコ球が可変表示を開始できないタイミングで前記始動口に入賞することに基づいて当該入賞球に基づく可変表示の開始を保留する保留手段と、
可変表示の表示内容を確定的あるいは非確定的に予告する予告手段とを備え、前記予告手段は、前記保留手段が大当り遊技中に可変表示の開始を保留していることを最低条件として保留された可変表示に係る予告を大当り遊技中に行うものであることを特徴とする遊技機。 - 予告手段は、保留された可変表示のいずれかで大当りが発生することを確定的または非確定的に予告するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 予告手段は、保留された可変表示のいずれかでリーチが発生することを確定的または非確定的に予告するものであることを特徴とする請求項1記載の遊技機。
- 大当り遊技手段は、設定条件が満足されるまで可変入賞口を遊技者に有利な状態にする大当りラウンドを別の設定条件が満足されることに基づいて再開する動作を設定回数N(Nは2以上の整数)を上限値として行い、
表示制御手段は、大当りラウンドの継続回数に応じた表示内容で大当りラウンド表示を行い、
予告手段は、予告を大当りラウンド表示の表示内容によって行うことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の遊技機。 - 予告手段は、新たな大当りラウンド表示を開始する毎に可変表示の保留の有無を検出することを特徴とする請求項4記載の遊技機。
- 予告手段は、予告を複数の大当りラウンド表示で行うことを特徴とする請求項4〜5のいずれかに記載の遊技機。
- 予告手段は、予告を行ったときには最終回の大当りラウンド表示まで継続させることを特徴とする請求項4〜6のいずれかに記載の遊技機。
- 予告手段は、大当り遊技中に予告を行ったときには予告が行われたことを大当り遊技終了後にも報知することを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の遊技機。
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