以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、内部にランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右には内部にランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24等が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。また、センターケース40に設けられた凹部の内側の下部には、盤装飾装置42の一つをなし、内部にフルカラーLEDを備えた補助演出装置42aが遊技者から視認可能な位置に設けられている。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域をなす始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口を有する始動入賞領域をなす普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の前面下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、図5(a)に示すように、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(特図1表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(特図2表示器)52と、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)53と、同じくLEDランプで構成された各変動表示ゲームの始動記憶数報知用の記憶表示部54〜56を備える。また、一括表示装置50には、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっているエラーを表示するエラー表示部58、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド表示部59が設けられている。
特図1表示器51と特図2表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
普図表示器53は、変動中はランプを点滅させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、例えばランプを消灯状態にし、ゲームの結果が「当り」のときはランプを点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
特図1保留表示器54は、特図1表示器51の変動開始条件となる始動入賞口36への入賞球数のうち未消化の球数(始動記憶数=保留数)を表示する。具体的には、図5(b)のように、保留数が「0」のときは4つのランプを全て消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1と2と3を点灯状態にし、保留数が「4」のときは4つのランプ1〜4をすべて点灯状態にする。
特図2保留表示器55は、特図2表示器52の変動開始条件となる第2始動入賞口(普通変動入賞装置37)の始動記憶数(=保留数)を、特図1保留表示器54と同様にして表示する(図5(b)参照)。
普図保留表示器56は、図5(c)に示すように、普図表示器53の変動開始条件となる普図始動ゲート34の始動記憶数(=保留数)を表示する。例えば保留数が「0」のときはランプ1と2を消灯状態にし、保留数が「1」のときはランプ1のみを点灯状態にする。また、保留数が「2」のときはランプ1と2を点灯状態にし、保留数が「3」のときはランプ1を点滅、ランプ2を点灯状態にし、保留数が「4」のときはランプ1と2を点滅状態にする。
エラー表示部58は、例えば遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が低確率状態の場合にはランプを消灯状態にし、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態の場合にはランプを点灯状態にする。
ラウンド表示部59は、例えば、通常の遊技状態の場合にはランプを消灯状態にし、大当りが発生した場合にはその大当りのラウンド数に対応するランプ(2、3、11、16ラウンドの何れか)を点灯状態にする。なお、ラウンド表示部59は7セグメント型の表示器で構成してもよい。
本実施形態の遊技機10では、図示しない発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部56に表示される。また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)53で実行されるようになっている。普図表示器53は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器53に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の記憶表示部54、55に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又はそれらの始動記憶に基づいて、特図表示器(変動表示装置)51又は52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41(変動表示装置)にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば前述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。また、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームは、始動記憶が発生した順に実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態のパチンコ遊技機10の制御システムのブロック図である。遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターン(変動態様)を決定するための変動パターンテーブルを記憶している。変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が大当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。さらに、これらのパターンテーブルには、後半変動パターンテーブル、前半変動パターンテーブルが含まれている。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ(Nリーチ)、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)、プレミアリーチ等が設定されている。なお、以下の説明では、スペシャル1リーチ(SP1リーチ)、スペシャル2リーチ(SP2リーチ)、スペシャル3リーチ(SP3リーチ)及びプレミアリーチをまとめてSPリーチと称する。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチ<プレミアリーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。ここで、CPU111Aは、始動記憶手段としてのRAM111Cに記憶された始動記憶に基づく特図変動表示ゲームにおいてリーチ状態を発生可能なリーチ状態発生手段をなす。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数、普図変動表示ゲームの当り判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数などに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、前述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行えるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行われるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行われ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行われるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、及びエラー指定コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42(例えば補助演出装置42a)を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置44(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス304を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器53に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器53に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器53にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。すなわち、演出制御装置300が、演出制御を実行する演出制御手段をなす。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。そして、大入賞口に所定個数(例えば、9個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は1秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを一のラウンド遊技とし、これを所定ラウンド回数(例えば、16、11、3、2回の何れか)継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。すなわち、遊技制御装置100が、特別遊技の実行制御を行う特別遊技実行制御手段をなし、特別遊技実行制御手段は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能なラウンド遊技を複数回繰り返して実行するサイクル遊技によって、特別遊技を構成していることとなる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生可能となっている。この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特図変動表示ゲームの結果態様に基づき、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生可能となっている。この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
図6には、特別結果の種類と遊技モードの移行について示した。特別結果には、特別遊技状態の実行態様や特別遊技状態の終了後に遊技者に付与される付加遊技価値が異なる複数種類が設定されており、遊技制御装置100では大当り図柄乱数に基づき特別結果態様を選択する。すなわち、大当り図柄乱数に基づき付加遊技価値の量が決定されるといえる。なお、本実施形態の遊技機における特別遊技状態の実行態様とは、実行可能なラウンド数や大入賞口の開放時間である。また、付加遊技価値とは、特別遊技状態の終了後に次回の特別結果態様の導出まで遊技状態を確変状態とすることや、特別遊技状態の終了後に所定回数の特図変動表示ゲームを実行するまで遊技状態を時短状態とすることである。
第1特図変動表示ゲーム(特図1)の特別結果の種類には、11R確変(図柄)、11R通常A(図柄)、11R通常B(図柄)の三種類がある。また、第2特図変動表示ゲーム(特図2)の特別結果の種類には、16R確変(図柄)、2R確変(図柄)、3R確変(図柄)、2R通常A(図柄)、3R通常A(図柄)、2R通常B(図柄)、3R通常B(図柄)の七種類がある。
各特別結果の名称は、特別遊技状態において実行するラウンド遊技の回数と、特別遊技状態の終了後の確率状態を示している。例えば、11R確変(図柄)は、特別遊技状態において実行するラウンド遊技の回数が11回(11ラウンド)であり、特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態(確変状態)となるものである。なお、特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態である場合は、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態となり、この状態は次回の特別結果態様の導出まで継続される。
また、11R通常A(図柄)は、特別遊技状態において実行するラウンド遊技の回数が11回(11ラウンド)であり、特別遊技状態の終了後の確率状態が通常確率状態となるものである。また、「A」は、特別遊技状態の終了後に50回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数50回)ことを示している。なお、「B」は、特別遊技状態の終了後に100回の特図変動表示ゲームを実行するまで普通変動入賞装置37の動作状態を時短動作状態とする(時短回数100回)ことを示すものである。
また、11R確変(図柄)、11R通常A(図柄)、11R通常B(図柄)、16R確変(図柄)に基づく特別遊技状態(第1の特別遊技状態)では、各ラウンドにおける大入賞口の開放時間が第1開放時間(25秒)である。これに対して、2R確変(図柄)、3R確変(図柄)、2R通常A(図柄)、3R通常A(図柄)、2R通常B(図柄)、3R通常B(図柄)に基づく特別遊技状態(第2の特別遊技状態)では、大入賞口の開放時間が第1開放時間よりも短い第2開放時間(1秒)とされる。
ここで、2R、3R当りに基づく特別遊技状態では、大入賞口を1秒開放する動作を1秒のウェイト時間(閉鎖時間)を挟んで2回又は3回行うようになっている。このため大入賞口に遊技球が入賞することは非常に困難であるが、僅かに大入賞口に入賞する可能性はあり、遊技者に所定の遊技価値を付与可能な状態である。また、このように遊技球の入賞は困難であるが、他の特別結果態様に基づく特別遊技状態の場合と同様に大入賞口に所定個数(例えば9個)の遊技球が入賞するかの監視も行われる。
また、遊技モードには、通常モードST1、大当りモードST2、天国モードST3、チャンスモードST4の四種類がある。これらの各遊技モードは遊技の演出が異なり、遊技者はどの遊技モードであるかを判別可能である。
通常モードST1は、確率状態が通常確率状態であることが明確に報知される状態であって普通変動入賞装置37の動作状態が通常動作状態(普電サポートなし)である場合に選択される遊技モードである。また、大当りモードST2は、特別遊技状態である場合に選択される遊技モードである。天国モードST3は、確率状態が高確率状態であることが明確に報知される状態であって普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポートあり)である場合に選択される遊技モードである。なお、後述するように、特別遊技状態の終了後、始動記憶内に結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶がある場合には確率状態が通常確率状態であっても選択可能である。チャンスモードST4は、確率状態が明確に報知されない状態であって普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態(普電サポートあり)である場合に選択される遊技モードである。
各遊技モードにおいて特図変動表示ゲームの結果が特別結果となり特別遊技状態となった場合は大当りモードST2に移行する。そして、特別遊技状態の終了後、特別結果の種類により天国モードST3もしくはチャンスモードST4に移行する。
特別結果の種類が16R確変であった場合は、特別遊技状態の終了後に天国モードST3へ移行する。また、特別結果の種類が11R通常A、11R通常B、2R確変、3R確変、2R通常A、3R通常A、2R通常B、3R通常Bであった場合は、特別遊技状態の終了後にチャンスモードST4へ移行する。また、特別結果の種類が11R確変であった場合は、特別遊技状態の終了後に抽選により天国モードST3かチャンスモードST4の何れかが選択される。
特別遊技状態の終了後にチャンスモードST4に移行する特別結果のうち、11R確変、11R通常A及び11R通常Bは、飾り特図変動表示ゲームの結果態様が共通であり、特別遊技状態の実行態様(ラウンド数や演出等)も同じであることから、遊技者にとっては何れの当りであったかを判別することが困難となっている。また、同様に2R確変、2R通常A及び2R通常Bや、3R確変、3R通常A及び3R通常Bも、それぞれ飾り特図変動表示ゲームの結果態様が共通であり、特別遊技状態の実行態様(ラウンド数や演出等)も同じであることから、遊技者にとっては何れの当りであったかを判別することが困難となっている。すなわち、遊技者にとっては、特別遊技状態の終了後の確率状態が高確率状態であるか否かを特別遊技状態の実行態様等から判別することが困難となっている。このように、確率状態が高確率状態であるか否かを判別することが困難な状態である場合にチャンスモードST4が選択される。すなわち、チャンスモードST4は確率状態が明確に報知されない非報知状態である。
また、チャンスモードST4においては、チャンスモードST4へ移行する契機となった特別結果の種類により遊技モードの移行先や移行条件が異なる。チャンスモードST4において確率状態が高確率状態である場合、すなわち、11R確変、2R確変もしくは3R確変に基づく特別遊技状態の終了後にチャンスモードST4へ移行した場合は、特別遊技状態の終了後から数えて50回もしくは100回の特図変動表示ゲームが終了した後に天国モードST3へ移行する。なお、天国モードST3へ移行する条件が成立することとなる特図変動表示ゲームの実行回数(50回もしくは100回)は、抽選により決定される。
これに対し、チャンスモードST4において確率状態が通常確率状態である場合であって、11R通常A、2R通常Aもしくは3R通常Aに基づく特別遊技状態の終了後にチャンスモードST4へ移行した場合は、特別遊技状態の終了後から数えて50回の特図変動表示ゲームが終了した後に通常モードST1へ移行する。また、チャンスモードST4において確率状態が通常確率状態である場合であって、11R通常B、2R通常Bもしくは3R通常Bに基づく特別遊技状態の終了後にチャンスモードST4へ移行した場合は、特別遊技状態の終了後から数えて100回の特図変動表示ゲームが終了した後に通常モードST1へ移行する。すなわち、時短状態の終了とともに通常モードST1へ移行する。なお、天国モードST3においては次回の特別結果の導出まで天国モードST3が維持される。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図7及び図8参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図11参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図7に示すように、まず、割込みを禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msecの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート(遊技用マイコン111に予め搭載されているポートで、この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない)を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがオンしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがオフ(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内の停電検査領域のデータをチェックした後、停電復旧か否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電復旧である(ステップS11;Yes)と判定すると、ステップS12へ進みチェックサムと呼ばれるデータを算出する処理及び算出されたチェックサムが正常か異常かを判定する(ステップS13)。また、ステップS9で初期化スイッチがオン(ステップS9;Yes)と判定された場合、ステップS11で停電復旧でない(ステップS11;No)と判定された場合及びステップS13でチェックサムが正常でない(ステップS13;No)と判定された場合は、図8のステップS20へジャンプする。
また、ステップS13でチェックサムが正常(ステップS13;Yes)と判定した場合は、図8のステップS14へ移行して、RWM(リードライトメモリ:実施例ではRAM)内の初期化すべき領域に停電復旧時の初期値をセーブ(格納)してから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS15)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS16)。ここで、高確率でないと(ステップS16;No)と判定した場合は、ステップS17,S18をスキップしてステップS19へ移行する。
また、ステップS16で高確率であると(ステップS16;Yes)と判定した場合は、ステップS17で高確率の報知フラグ領域にオン情報をセーブしてから、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示部58)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)に設定(ステップS18)してステップS19へ移行する。ステップS19では、後述の特図ゲーム処理を合理的に実行するために用意されている処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13からステップS20へジャンプした場合には、先ずCPUが使用するRAM内の作業領域をリセットしてから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS21)。それから、ステップS22で電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理を行ってステップS23へ進む。ステップS23では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS23のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS24)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS25)、割込みを許可する(ステップS26)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS27)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS27の初期値乱数更新処理の後、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックして停電が発生したか否かの判定(ステップS28)を行い、停電が発生していない場合(ステップS28;No)には、ステップS27に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS27)の前に割り込みを許可する(ステップS26)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS27での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS28において、停電が発生していると判定した場合(ステップS28;Yes)は、一旦割込みを禁止する処理(ステップS29)、全出力ポートにオフデータを出力する処理(ステップS30)、を行う。その後さらに、停電復旧検査領域に停電復旧検査領域チェックデータをセーブする処理(ステップS31)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS32)を行なった後、算出したチェックサムをセーブ(ステップS33)して、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS34)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、電源の遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを電源再投入時に判断することができる。
〔初期値乱数更新処理〕
次に、上述のメイン処理における初期値乱数更新処理(ステップS27)の詳細について説明する。図9に示すように、初期値乱数更新処理では、当り初期値乱数をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS271)、大当り図柄初期値乱数1をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS272)、大当り図柄初期値乱数2をインクリメント(更新(+1))する処理(ステップS273)を順次行う。なお、各乱数更新処理では、上限値がそれぞれ設けられ、上限値に達すると0となり、0から上限値の間で順次更新(+1)する処理が行なわれる。
ここで、「当り初期値乱数」は普図変動ゲームの当りを決定する乱数の初期値となる乱数のことである。また、「大当り図柄初期値乱数1」は、特図1の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数、「大当り図柄初期値乱数2」は、特図2の大当り停止図柄を決定する乱数の初期値となる乱数のことである。このように、メイン処理の中で時間が許す限り乱数をインクリメントし続けることによって、乱数のランダム性を高めることができるようにしている。
〔チェックサム算出処理〕
次に、上述のメイン処理におけるチェックサム算出処理(ステップS32)の詳細について説明する。図10に示すように、チェックサム算出処理では、先ず算出アドレスとしてRWMの先頭アドレスを設定する処理(ステップS321)、繰り返し数を設定する処理(ステップS232)、算出値として「0」を設定する処理(ステップS323)を順次行う。その後、算出アドレスの内容をロードし(ステップS324)、ロードした値に算出値を加算した値を新たな算出値とする(ステップS325)。そして、算出アドレスを更新(+1)し(ステップS326)、繰り返し数を−1更新すなわち減算してチェックサムの算出が終了したチェックする(ステップS327)。そして、算出が終了でない(ステップS328:No)と判定するとステップS324へ戻って上記処理を繰り返す。また、算出が終了である(ステップS328:Yes)と判定すると当該チェックサム算出処理を終了する。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。図11に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111Aにおいてタイマ割込みが発生すると、図11のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS41)を行う。なお、本実施例において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS42)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS43)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS44)、乱数更新処理1(ステップS45)、乱数更新処理2(ステップS46)を行う。その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS47)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS48)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS49)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS50)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁石不正監視処理(ステップS51)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS52)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS53)を行い、ステップS41で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS54)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS55)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS44)の詳細について説明する。図12に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS410)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS420)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
先ず、上述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS410)の詳細について説明する。図13に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、先ず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかチェックする(ステップS411)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であれば設定コマンドなしと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS412)。
このステップS412の判定で、設定コマンドなし(ステップS412;No)と判定した場合には当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS412の判定で、コマンドが設定されている(ステップS412;Yes)と判定した場合には次のステップS413でリードカウンタを更新(+1)する。そして、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS414)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS415)。さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS416)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS417)。しかる後、演出制御コマンド出力処理(ステップS418)へ移行する。
〔演出制御コマンド出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド送信処理における演出制御コマンド出力処理(ステップS418)の詳細について説明する。図14に示すように、演出制御コマンド出力処理においては、先ず、コマンド(MODE)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備して(ステップS181)、コマンドデータ出力処理(ステップS182)を実行する。その後、コマンド(ACTION)を出力し(ステップS183)、コマンド(ACTION)出力中を示すストローブ信号のオフ時間を準備(ステップS184)してから、コマンドデータ出力処理(ステップS185)を実行する。
〔コマンドデータ出力処理〕
次に、上述の演出制御コマンド出力処理におけるコマンドデータ出力処理(ステップS182、S185)の詳細について説明する。図15に示すように、コマンドデータ出力処理においては、先ず、ポートの直前の状態が失われないようにするため、演出制御コマンド出力のストローブ信号を含む出力ポート131のポート状態保持データをロードする(ステップS821)。それから、演出制御コマンドを出力ポート132へ出力(ステップS822)し、出力ポート131へはストローブ信号を除く信号を直前の状態に保持してオフ状態(データの読取り無効を示す例えばロウレベル)のストローブ信号を付加して出力する(ステップS823)。そして、次のステップS824で、ストローブ信号をオフ状態にすべき時間(オフ時間)が終了したか否か判定する。ここで、オフ時間が終了していない(ステップS824;No)と判定するとステップS822へ戻って上記処理を繰り返す。
一方、ステップS824で、オフ時間が終了した(ステップS824;Yes)と判定するとステップS825へ移行して、ストローブ信号のオン状態(データの読取り有効を示す例えばハイレベル)の時間を設定する。それから、演出制御コマンドを出力(ステップS826)し、オン状態(ハイレベル)のストローブ信号を出力する(ステップS827)。
そして、次のステップS828で、ストローブ信号をオン状態にすべき時間(オン時間)が終了したか否か判定する。ここで、オン時間が終了していない(ステップS828;No)と判定するとステップS826へ戻って上記処理を繰り返す。また、ステップS828で、オン時間が終了した(ステップS828;Yes)と判定するとステップS829へ移行して、オフ状態のストローブ信号を出力して当該コマンドデータ出力処理を終了する。ステップS826で演出制御コマンドを再度出力しているのは、ステップS826〜S828のループ処理中に停電が発生した場合に、出力中の演出制御コマンドが停電復帰後に出力されなくなるのを回避するためである。また、ノイズによって、コマンドコードが変わってしまうのを回避することもできる。なお、このステップS824及びステップS828は、各々の処理のみをループさせることも可能である。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS48)の詳細について説明する。特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図16に示すように、特図ゲーム処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマを更新(−1)して、当該ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップした(ステップA4;Yes)と判定すると、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルを設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2、3、11、16R、確変、通常A、通常B)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当りの大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。また、ステップA8にて、ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。なお、大当り終了処理(ステップA15)の詳細については後述する。
そして、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行う。一方、ステップA4にて、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていない(ステップA4;No)と判定すると、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。図17に示すように、始動口スイッチ監視処理では、先ず、始動入賞口36(始動口1)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備し(ステップA111)、さらに、始動口1による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA112)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113)を行う。なお、ステップA113における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA120における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA114)、普通電動役物が作動中である(ステップA115;Yes)と判定すると、処理をステップA118に移行して、それ以降の処理を行う。一方、ステップA115にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA115;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA116)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA117)を行う。普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA117;No)と判定すると、普通変動入賞装置37(始動口2)による始動口入賞演出コマンドを設定するテーブルを準備する(ステップA118)。
その後、始動口2による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA119)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA120)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。また、ステップA117にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合も(ステップA117;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA113、A120)の詳細について説明する。特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図18に示すように、特図始動口スイッチ共通処理では、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、大当り乱数をロード(大当り乱数を抽出)する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードする(ステップA205)。そして、ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA206)、出力回数がオーバーフローしない(ステップA207;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA208)、処理をステップA209に移行する。一方、ステップA207にて、出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA207;Yes)、処理をステップA209に移行する。
そして、ステップA209にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA209)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA210)を行う。
ステップA210にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA210;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA211)を行った後、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA212)を行う。続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA213)、当該監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロード(大当り図柄乱数を抽出)し(ステップA214)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA215)、コマンド設定処理(ステップA216)を行う。
そして、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブするとともに、その大当り図柄乱数をレジスタに退避する(ステップA218)。次に、対応する変動パターン乱数1をロード(変動パターン乱数1を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA219)、次に、対応する変動パターン乱数2をロード(変動パターン乱数2を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、次に、対応する変動パターン乱数3をロード(変動パターン乱数3を抽出)し、ロードした値をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA221)。ここで、遊技制御装置100のRWM(RAM111C)は、始動入賞口36や普通変動入賞装置37の始動領域への遊技球の流入に基づいて各種乱数を抽出し、該抽出された各種乱数を始動記憶(特図変動表示ゲームの実行権利)として所定の上限数まで記憶可能な始動入賞記憶手段をなす。
続けて、ステップA218にてレジスタに退避した監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数をロードし、ロードした値を後述の特図保留情報判定処理(ステップA223)にて使用するために準備する(ステップA222)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA223)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA210にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA210;No)と判定すると、ステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA224)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA225;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA226)、コマンド設定処理(ステップA227)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。一方、ステップA225にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合にも(ステップA225;No)、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA223)の詳細について説明する。特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図19に示すように、まず、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA231)を行う。なお、ステップA231における大当り判定処理は、特図普段処理における大当り判定処理(図25参照)と略同様であるが、常に低確率時(通常確率状態)の判定値を用いて判定を行う。すなわち、ステップA375、A376は行わない。
そして、はずれ情報テーブルを設定する処理(ステップA232)を行った後、ステップA231における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA233;No)と判定すると、処理をステップA241に移行する。一方、ステップA231における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA233;Yes)と判定すると、大当り図柄乱数チェックテーブル1を準備する(ステップA234)。
次に、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA235)、始動口1スイッチ36aの入力でない(ステップA236;No)と判定すると、ステップA234で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に置き換えて、大当り図柄乱数チェックテーブル2を準備する(ステップA237)。
そして、大当り図柄乱数に対応する入賞情報ポインタを取得する処理(ステップA238)を行った後、大当り情報テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA239)を行って、入賞情報ポインタに対応する大当り情報テーブルを取得する処理(ステップA240)を行う。また、ステップA236にて、始動口1スイッチ36aの入力であると判定された場合(ステップA236;Yes)は、処理をステップA238に移行して、ステップA234で準備した大当り図柄乱数チェックテーブル1に基づいてそれ以降の処理を行う。
次に、ステップA232またはA240で設定した情報テーブルから停止図柄パターン情報を取得する処理(ステップA241)を行って、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA242)。続いて、ステップA232またはA240で設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得する処理(ステップA243)を行って、当該始動口入賞演出図柄コマンドをRWMの入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA244)。
次に、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備した後(ステップA245)、当該監視対象の始動口に関して設定された特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA246)を行う。続けて、特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA247)を行った後、特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA248)を行う。なお、ステップA246における特図情報設定処理、ステップA247における後半変動パターン設定処理、ステップA248における変動パターン設定処理の各々は、特図普段処理における特図情報設定処理(図28参照)、後半変動パターン設定処理(図29参照)、変動パターン設定処理(図30参照)と同様であり、その詳細については後述する。
そして、変動パターンに対応する始動口入賞演出コマンドを準備し(ステップA249)、コマンド設定処理(ステップA250)を行う。続けて、入賞演出図柄コマンド領域から始動口入賞演出図柄コマンドをロードして準備し(ステップA251)、コマンド設定処理(ステップA252)を行って、特図保留情報判定処理を終了する。すなわち、ステップA249にて始動口入賞演出コマンドが準備され、ステップA251にて始動口入賞演出図柄コマンドが準備されることで、始動記憶に対応した結果関連情報の判定結果(先読み結果)を、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に演出制御装置300に対して知らせることができる。演出制御装置300ではこの情報に基づき、表示装置41に表示される特図保留数を変化させるなどして、その特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に遊技者に結果関連情報を報知する。また、特別遊技状態中に判定結果を示唆する報知である示唆報知を行う。
図20には、始動口入賞演出図柄コマンドの一覧を示した。監視対象の始動口スイッチが始動口1スイッチ36aである場合は、始動口入賞演出図柄1コマンド1から4の何れかが出力される。例えば、結果がはずれである場合は、始動口入賞演出図柄1コマンド1が出力される。また、結果が大当りであり、特別結果の種類が11R確変である場合は、始動口入賞演出図柄1コマンド2が出力される。監視対象の始動口スイッチが始動口2スイッチ37aである場合は、始動口入賞演出図柄2コマンド1から8の何れかが出力される。例えば、結果がはずれである場合は、始動口入賞演出図柄2コマンド1が出力される。また、結果が大当りであり、特別結果の種類が16R確変である場合は、始動口入賞演出図柄2コマンド2が出力される。すなわち、遊技制御装置100が、始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報(結果や変動パターンなど)を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する遊技結果事前判定手段をなす。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。図21に示すように、特図普段処理では、まず、RAM内の始動記憶領域に、特図1または特図2の始動記憶(特図保留)があるか否かの判定(ステップA261)を行う。このステップA261において、特図1または特図2の始動記憶(特図保留)がないと判定した場合(ステップA261;No)は、演出制御装置300へ送信するコマンドが「客待ちデモ」に設定がなされているか否かの判定(ステップA262)を行う。この判定(ステップA262)で、客待ちデモに設定がなされている場合(ステップA262;Yes)は、特図普段処理を終了する。
一方、ステップA262において、客待ちデモに設定がなされていないと判定した場合(ステップA262;No)は、演出制御装置300へ送信する客待ちコマンドをレジスタもしくはRAMにセットする処理(ステップA263)、特図普段動作で使用する設定テーブルを設定する処理(ステップA264)、コマンドを送信用のバッファに設定するコマンド設定処理(ステップA265)を行い、特図普段処理を終了する。
また、ステップA261において、特図1または特図2の始動記憶(特図保留)があると判定した場合(ステップA261;Yes)は、RAM内に用意され始動入賞が発生する毎に順番に記憶されて行く図22に示すような変動順序フラグセーブ領域を参照して、最先すなわち最も古い記憶である「変動待ち保留1用」の欄に記憶されているフラグが特図1か否か判定する(ステップA266)。このステップA266において、変動順序フラグが特図1であると判定した場合(ステップA266;Yes)は、特図1の変動開始処理(ステップA267)を行ってから、特図1変動開始の設定テーブルを設定する処理(ステップA268)を行い、特図普段処理を終了する。一方、ステップA266において、変動順序フラグが特図1でないと判定した場合(ステップA266;No=特図2)は、特図2の変動開始処理(ステップA269)を行なってから、特図2変動開始の設定テーブルを設定する処理(ステップA270)を行い、特図普段処理を終了する。
上記のような処理により、特図表示器51または52に識別情報を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームが実行される。また、表示装置41にて複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが並行して実行される。従って、特図普段処理すなわち遊技制御装置100が、始動記憶に基づき、特図変動表示ゲームの実行制御を行う変動表示制御手段をなす。また、遊技制御装置100および演出制御装置300が、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲームおよび飾り特図変動表示ゲーム)を実行する変動表示制御手段をなす。なお、図22の変動順序フラグセーブ領域には、それぞれ発生した始動記憶が「特図1」なのか「特図2」なのかを示す情報が発生順に記憶されている。そのため、特図2の変動表示ゲームが優先的に実行されるのではなく、特図1と特図2の変動表示ゲームが始動記憶の発生順序に従って実行されていくこととなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA267)の詳細について説明する。特図1変動開始処理は、第1特図変動表示ゲームの開始時に行う処理である。なお、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA311)では、処理の対象を特図2の始動記憶として以下に説明する特図1変動開始処理と同様の処理を行う。
図23に示すように特図1変動開始処理では、先ず、第1特図変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA321)を行う。なお、ステップA321における大当りフラグ1設定処理の詳細については後述する。
次に、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA322)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号の出力データ領域にセーブする(ステップA323)。なお、ステップA322における特図1停止図柄設定処理の詳細については後述する。続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報をロードした後(ステップA324)、当該停止図柄パターン情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA325)。
次に、特図1変動フラグを設定して準備し(ステップA326)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA327)。その後、特図後半変動の設定に係るテーブルを準備して(ステップA328)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA329)を行う。続けて、第1特図変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA330)を行った後、第1特図変動表示ゲームの変動態様を設定する変動パターン設定処理(ステップA331)を行う。その後、第1特図の変動開始の情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA332)を行って、特図1変動開始処理を終了する。なお、ステップA329における特図情報設定処理、ステップA330における後半変動パターン設定処理、ステップA331における変動パターン設定処理、ステップA332における変動開始情報設定処理の詳細については後述する。
以下に、図23に示す特図1変動開始処理における、大当りフラグ1設定処理(ステップA321)、特図1停止図柄設定処理(ステップA322)の各々について説明する。
〔大当りフラグ1設定処理〕
特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理(ステップA321)では、図24に示すように、先ず、大当りフラグ1領域にはずれ情報をセーブした後(ステップA361)、RWMの乱数セーブ領域から大当り乱数をロードして準備し(ステップA362)、取得した大当り乱数値が大当り判定値と一致するか否かに応じて大当りであるか否かを判定する大当り判定処理(ステップA363)を行う。このステップA363における大当り判定処理の詳細については後述する。
そして、ステップA363における大当り判定処理の判定結果が大当りである(ステップA364;Yes)と判定すると、ステップA361にてはずれ情報をセーブした大当りフラグ1領域に大当り情報を上書きしてセーブした後(ステップA365)、RWMの乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA366)、大当りフラグ1設定処理を終了する。一方、ステップA363における大当り判定処理の判定結果が大当りでない(ステップA364;No)と判定すると、大当りフラグ1にはずれ情報がセーブされた状態で、ステップA366の処理を行い、大当りフラグ1設定処理を終了する。
〔大当り判定処理〕
次に、図24の大当りフラグ1設定処理における大当り判定処理(ステップA363)について説明する。図25に示すように、大当り判定処理では、先ず、大当り判定用の下限判定値を設定する処理(ステップA371)を行う。その後、大当り乱数の値が下限判定値未満であるか否かをチェック、つまり、図24のステップA362で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の下限値未満であるかをチェックして(ステップA372)、大当り乱数の値が下限判定値未満でない(ステップA373;No)と判定すると、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態である場合の上限判定値を設定する処理(ステップA374)を行う。
次に、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)となっているか否かを判定する処理(ステップA375)を行う。ここで、高確率状態となっている(ステップA375;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態である場合の上限判定値を設定する処理(ステップA376)を行った後、大当り乱数の値が上限判定値を超えたか否かをチェック、つまり、図24のステップA362で読み込んだ大当り乱数の値が、当該大当り乱数の当り判定値の上限値よりも大きいかをチェックして(ステップA377)、大当り判定処理を終了する。
一方、ステップA375にて、高確率状態となっていない(ステップA375;No)と判定すると、ステップA376をスキップして、大当り乱数の値がステップA374にて設定された上限判定値より大きいか否かをチェックして(ステップA377)、大当り判定処理を終了する。また、ステップA373にて、大当り乱数の値が下限判定値未満である(ステップA373;Yes)と判定すると、大当り乱数の値が上限判定値より大きいか否かの判定に係るステップA374〜A377の処理を行わずに、大当り判定処理を終了する。なお、この大当り判定処理において、大当り乱数値の値が判定値の下限値以上であり、かつ、確率状態に応じた上限値以下である場合に、図24の大当りフラグ1設定処理における大当りであるか否かの判定(ステップA364)において大当りである(ステップA364;Yes)と判定される。
〔特図1停止図柄設定処理〕
図23の特図1変動開始処理のステップA322における特図1停止図柄設定処理は、第1特図変動表示ゲームにおける停止図柄を設定する処理であり、図26に示すように、先ず、特図1停止図柄領域にはずれ時の停止図柄番号をセーブした後(ステップA381)、停止図柄パターン情報領域にはずれ時の停止図柄パターン番号をセーブする(ステップA382)。
次に、大当りフラグ1が大当りであるか否か、即ち、大当り情報がセーブされているか否かをチェックして(ステップA383)、大当りである(ステップA384;Yes)と判定すると、特図1の大当り図柄テーブルを設定する処理(ステップA385)を行う。続けて、RWMの乱数セーブ領域から大当り図柄乱数をロードして(ステップA386)、当該大当り図柄乱数に対応する停止図柄番号を取得する処理(ステップA387)を行い、特図1停止図柄領域に大当り時の停止図柄番号をセーブする(ステップA388)。次に、特図1停止図柄(大当り図柄)に対応する停止図柄情報を設定する停止図柄情報設定処理(ステップA389)を行う。なお、ステップA389における停止図柄情報設定処理の詳細については後述する。
次に、飾り特図コマンドテーブルを設定する処理(ステップA390)を行う。また、ステップA384にて、大当りフラグ1が大当りでないと判定された場合(ステップA384;No)には、ステップA385〜ステップA389の処理を行わない、つまり、特図1停止図柄にはステップA381にてセーブしたはずれ時の停止図柄番号が、停止図柄パターン情報にはステップA382にてセーブしたはずれ時の停止図柄パターン番号がセーブされた状態で、処理をステップA390に移行して、それ以降の処理を行う。
続けて、停止図柄パターン情報に対応する飾り特図1コマンド(ACTION)を取得する処理(ステップA391)を行った後、飾り特図コマンド(MODE)を取得する処理(ステップA392)を行って、これらのコマンドをRWMの飾り特図コマンド領域にセーブする(ステップA393)。そして、RWMの乱数セーブ領域を0にクリアして(ステップA394)、特図1停止図柄設定処理を終了する。
〔停止図柄情報設定処理〕
次に、図26の特図1停止図柄設定処理における停止図柄情報設定処理(ステップA389)の詳細について説明する。図27に示すように、停止図柄情報設定処理では、先ず、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態である場合の大当り停止図柄情報テーブルを設定する処理(ステップA401)を行う。
次に、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態)であるか否かを判定する処理(ステップA402)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中である(ステップA402;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)や、普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合の大当り停止図柄情報テーブルを設定する処理(ステップA403)を行う。なお、ステップA402にて、普通変動入賞装置37がサポート中でない(ステップA402;No)と判定すると、ステップA403における大当り停止図柄情報テーブルの設定処理を行わずに、処理をステップA404に移行させる。
続けて、ステップA401、或いはステップA403にて設定された大当り停止図柄情報テーブルを用いて、ステップA404以降の処理を行う。即ち、停止図柄番号に対応する停止図柄パターン番号を取得する処理(ステップA404)を行った後、当該停止図柄パターン番号をRWMの停止図柄パターン情報領域にセーブする(ステップA405)。
続けて、停止図柄番号に対応する確率変動判定フラグを取得する処理(ステップA406)を行った後、当該確率変動判定フラグをRWMの確率変動判定フラグ領域にセーブする(ステップA407)。次に、停止図柄番号に対応するラウンド数上限値データを取得する処理(ステップA408)を行った後、当該ラウンド数上限値データをRWMのラウンド数上限値判定フラグ領域にセーブする(ステップA409)。
続けて、停止図柄番号に対応する大入賞口開放情報を取得する処理(ステップA410)を行った後、当該大入賞口開放情報をRWMの大入賞口開放情報判定フラグ領域にセーブする(ステップA411)。その後、停止図柄番号に対応する変動振り分けデータを取得する処理(ステップA412)を行った後、当該変動振り分けデータをRWMの変動振り分け判定フラグ領域にセーブして(ステップA413)、停止図柄情報設定処理を終了する。
次に、図23の特図1変動開始処理における特図情報設定処理(ステップA329)、後半変動パターン設定処理(ステップA330)、変動パターン設定処理(ステップA331)、変動開始情報設定処理(ステップA332)の各々について説明する。
〔特図情報設定処理〕
図28に示すように、特図情報設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、設定対象の特図(例えば、第1特図等)を示すフラグ(変動図柄判別フラグ)を作業用の図柄判別フラグにセーブする(ステップA421)。次に、第1特図及び第2特図のうち、対象の特図の保留数を保留数ポインタとしてロードする(ステップA422)。次に、変動振り分けポインタとして基本値0を設定する処理(ステップA423)を行った後、遊技モードポインタとして特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が低確率状態である場合の値を設定する処理(ステップA424)を行う。
次に、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中であるか否かを判定する処理(ステップA425)を行う。ここで、普通変動入賞装置37がサポート中である(ステップA425;Yes)と判定すると、変動振り分けポインタとして変動パターン振り分け情報をロードした後(ステップA426)、保留数ポインタとして基本値0を設定する処理(ステップA427)を行い、続けて、遊技モードポインタとして普通変動入賞装置37の動作状態が時短動作状態である場合の値を設定する処理(ステップA428)を行う。
次に、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態(確率変動状態)となっているか否かを判定する処理(ステップA429)を行う。ステップA429にて、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっている(ステップA429;Yes)と判定すると、特図変動表示ゲームが高確率状態の場合に選択される値を、遊技モードポインタとして設定する処理(ステップA430)を行う。
続けて、第1特図及び第2特図のうち、設定対象の特図(例えば、第1特図等)の保留数が2未満か否かをチェックする(ステップA434)。また、ステップA429にて、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態となっていないと判定された場合(ステップA429;No)にも処理をステップA434に移行して、それ以降の処理を行う。そして、保留数が2未満でない(ステップA435;No)と判定すると、保留数ポインタとして1を設定する処理(ステップA436)を行う。
次に、保留・遊技モードポインタとしての保留数ポインタと遊技モードポインタを加算する処理(ステップA437)を行って、当該保留・遊技モードポインタをRWMの対象となる前半変動情報1領域にセーブする(ステップA438)。また、ステップA425にて、普通変動入賞装置37がサポート中でないと判定されるか(ステップA425;Yes)、或いは、ステップA435にて、保留数が2未満であると判定された場合には(ステップA435;Yes)、処理をステップA437に移行して、それ以降の処理を行う。
続けて、変動振り分けポインタをRWMの対象となる前半変動情報2領域にセーブした後(ステップA439)、作業用の図柄情報領域から停止図柄パターン情報をロードして(ステップA440)、当該停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報を設定する処理(ステップA441)を行う。次に、作業用の図柄判別フラグにセーブされている変動図柄判別フラグをチェックして(ステップA442)、第1特図及び第2特図のうち、第1特図(特図1)を示すフラグがセーブされていない、即ち、第2特図を示すフラグがセーブされている(ステップA443;No)と判定すると、変動選択グループ情報を補正する処理(ステップA444)を行う。
ここで、ステップA441にて設定される停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報は、第1特図変動表示ゲームに対応するものであるため、ステップA442のチェック処理により第2特図(特図2)を示すフラグがセーブされていると判定された場合は、停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報として、第2特図変動表示ゲームに対応するものに設定する。すなわち、ステップA441にて設定された停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報を、第2特図変動表示ゲームに対応するものに補正することとなる。一方、第1特図を示すフラグがセーブされている(ステップA443;Yes)と判定すると、ステップA444の処理を行わずにステップA445へ移行する。すなわち、ステップA441にて設定された停止図柄パターン情報に対応する変動選択グループ情報に基づいて以降の処理を実行することとなる。
続けて、保留数ポインタを変動選択グループ情報1領域にセーブした後(ステップA445)、変動選択グループ情報を変動選択グループ情報2領域にセーブする(ステップA446)。次に、停止図柄パターン情報に対応する変動選択テーブルのアドレスを設定する処理(ステップA447)を行って、当該アドレスをRWMの対象となる変動テーブルセーブ領域にセーブする(ステップA448)。続けて、変動選択グループ情報と変動振り分けポインタから特図情報を算出する処理(ステップA449)を行って、特図情報設定処理を終了する。
〔後半変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における後半変動パターン設定処理(ステップA330)の詳細について説明する。図29に示すように、後半変動パターン設定処理では、先ず、第1特図及び第2特図のうち、特図情報設定処理にて設定された特図情報(例えば、第1特図等)に対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA451)を行う。
次に、作業用の図柄情報領域から停止図柄パターン情報をロードし(ステップA452)、特図1停止図柄設定処理にて設定された停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンであるか否かをチェックして(ステップA453)、停止図柄パターン情報がはずれ図柄パターンである(ステップA454;Yes)と判定すると、設定対象の変動選択グループ情報1から保留数ポインタをロードした後(ステップA455)、当該保留数ポインタに対応する変動グループ選択テーブルのアドレスを算出する処理(ステップA456)を行う。
続けて、特図変動表示ゲームの後半変動パターングループを選択するための判定用乱数として、2バイト(複数バイト)で構成された変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA457)、上記ステップA456においてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA458)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA459)を行う。また、ステップA454にて、停止図柄パターンがはずれ図柄パターンでない(ステップA454;No)と判定されると、処理をステップA457に移行して、変動パターン乱数1を対象の領域からロードして準備した後(ステップA457)、ステップA451にてアドレスが算出された変動グループ選択テーブルを準備して(ステップA458)、後半変動選択テーブルの特定に係る2バイト振り分け処理(ステップA459)を行う。
次に、2バイト振り分け処理を行うことにより得られた後半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA460)、特図変動表示ゲームの後半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数2を対象の領域からロードして準備し(ステップA461)、後半変動番号の特定に係る振り分け処理(ステップA462)を行う。そして、振り分け処理を行うことにより得られた後半変動番号を取得する処理(ステップA463)を行って、当該後半変動番号をRWMの対象となる後半変動番号領域にセーブして(ステップA464)、後半変動パターン設定処理を終了する。
〔変動パターン設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動パターン設定処理(ステップA331)の詳細について説明する。図30に示すように、変動パターン設定処理では、先ず、変動選択グループ情報2をロードして(ステップA471)、当該変動選択グループ情報2に対応する前半変動選択アドレステーブル(1st)を設定する処理(ステップA472)を行う。
次に、後半変動番号を対象の後半変動番号領域からロードして(ステップA473)、前半変動選択アドレステーブル(1st)の後半変動番号に対応するアドレスを算出する処理(ステップA474)を行う。続けて、算出されたアドレスから前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを取得する処理(ステップA475)を行った後、対象の前半変動情報1をテーブルポインタとしてロードする(ステップA476)。
次に、後半変動番号が1であるか否かをチェックして(ステップA477)、後半変動番号が1でない(ステップA478;No)と判定すると、対象の前半変動情報2をテーブルポインタとしてロードする(ステップA479)。続けて、テーブルポインタに対応する前半変動選択アドレステーブル(2nd)のアドレスを算出する処理(ステップA480)を行う。また、ステップA478にて、後半変動番号が1である(ステップA478;Yes)と判定すると、処理をステップA480に移行して、それ以降の処理を行う。
次に、ステップA480にて算出されたアドレスから前半変動選択テーブルのアドレスを取得して準備した後(ステップA481)、特図変動表示ゲームの前半変動パターンを選択するための判定用乱数として、変動パターン乱数3を対象の領域からロードして準備し(ステップA482)、前半変動番号を特定する振り分け処理(ステップA483)を行う。そして、振り分け処理の結果得られた前半変動番号を取得する処理(ステップA484)を行って、変動パターン設定処理を終了する。
〔変動開始情報設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理における変動開始情報設定処理(ステップA332)の詳細について説明する。図31に示すように、変動開始情報設定処理では、先ず、対象となる変動パターン乱数のRWMのセーブ領域をクリアした後(ステップA491)、変動パターン設定処理にて取得された前半変動番号に対応する前半変動時間値テーブルの値を取得する処理(ステップA492)を行い、続けて、後半変動パターン設定処理にて取得された後半変動番号に対応する後半変動時間値テーブルの値を取得する処理(ステップA493)を行う。
次に、取得された前半変動時間値と後半変動時間値とを加算する処理(ステップA494)を行った後、加算値を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA495)。続けて、前半変動番号に対応する変動コマンド(MODE)を算出して準備した後(ステップA496)、後半変動番号の値を変動コマンド(ACTION)として準備して(ステップA497)、コマンド設定処理(ステップA498)を行う。
次に、RWMの飾り特図コマンド領域から、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをロードして準備し(ステップA499)、コマンド設定処理(ステップA500)を行う。続けて、表示装置41に表示される特図保留数に係る飾り特図1保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA501)、RWMの特図1の乱数セーブ領域のアドレスを準備する(ステップA502)。
次に、特図変動フラグ領域にセーブされている変動図柄判別フラグが特図1変動フラグであるか特図2変動フラグであるかをチェックして(ステップA503)、特図1変動フラグでない、即ち、特図2変動フラグである(ステップA504;No)と判定すると、表示装置41に表示される特図保留数に係る飾り特図2保留数コマンド(MODE)を準備して(ステップA505)、RWMの特図2の乱数セーブ領域のアドレスを準備する(ステップA506)。
続けて、第1特図及び第2特図のうち、変動対象の特図保留数を更新(−1)する処理(ステップA507)を行う。また、ステップA504にて、特図1変動フラグであると判定された場合にも(ステップA504;Yes)、処理をステップA507に移行して、それ以降の処理を行う。次に、第1特図及び第2特図のうち、変動対象の飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA508)、コマンド設定処理(ステップA509)を行う。そして、第1特図及び第2特図のうち、変動対象の特図の乱数セーブ領域をシフトし(ステップA510)、シフト後の空き領域をクリアする処理(ステップA511)を行って、変動開始情報設定処理を終了する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。図32に示すように、大当り終了処理では、先ず、大当り終了設定テーブルのアドレステーブルを設定する処理(ステップA641)を行う。続けて、停止図柄情報設定処理にて設定された確率変動判定フラグをロードした後(ステップA642)、当該確率変動判定フラグに対応する大当り終了設定テーブルを取得する処理(ステップA643)を行って、取得した大当り終了設定テーブルの各データをRWMの作業領域にセーブする(ステップA644)。
ここで、大当り終了設定テーブルは、特別遊技状態の終了後に発生する遊技状態の種類、例えば、確変状態や時短状態に応じて設定されるようになっている。確変状態用の大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲーム及び特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、高確率状態の表示に係る遊技状態表示LEDを点灯させる情報、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームや特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報等を規定するものである。
また、時短状態用の大当り終了設定テーブルは、具体的には、外部情報端子に出力用の普通変動入賞装置37の開放延長機能の作動中に係る信号、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す試験信号、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、演出制御装置300に出力される、普図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が高確率状態であることを示す情報、時間短縮変動回数(例えば、50回もしくは100回)を指示する情報等を規定するものである。
すなわち、特別遊技状態の終了後、当該特別遊技状態を発生させた特別結果の種類が所定の特別結果であることに基づき、再度特別結果となる確率を通常よりも高めた高確率状態を発生可能に構成されており、遊技制御装置100が、特別遊技状態の終了後、特別結果となる確率である確率状態を通常確率状態と、該通常確率状態よりも高めた高確率状態との何れかで制御する確率設定手段をなす。
次に、確率変動判定フラグに対応する確率情報コマンドを準備して(ステップA645)、コマンド設定処理(ステップA646)を行う。続けて、予め実行された先読み処理にて設定された変動パターンに係る変動振り分け判定フラグをロードした後(ステップA647)、ロードした値をRWMの変動パターンテーブル領域にセーブする(ステップA648)。
その後、特図普段処理に移行するためのテーブルを準備する処理(ステップA649)、具体的には、当該テーブルに、特図普段処理に係る処理番号「0」、大入賞口不正監視期間を規定するフラグ(大入賞口不正監視情報)等を設定する処理を行う。
さらに、当り図柄に対応する停止図柄コマンドを準備する処理(ステップA650)、コマンド設定処理(ステップA651)を行い、大当り終了処理を終了する。この停止図柄コマンドには、今回の特別遊技状態を発生する契機となった特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報が含まれており、後に演出制御装置300に送信される。演出制御装置300では停止図柄コマンドの受信に基づき、遊技モードの設定を行う。
次に、演出制御装置300での制御について説明する。演出制御装置300では、遊技に関する処理として、主に図33に示すメイン処理と、所定時間ごと(例えば、4msecごと)に行われる図34に示す割込み処理とを行う。メイン処理では、プログラム全体の制御を行うようになっている。図33に示すように、メイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、電源投入時の初期化処理(ステップB10)を行い、タイマを起動する処理(ステップB11)を行う。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、メインコマンド解析処理(ステップB12)を行う。このメインコマンド解析処理(ステップB12)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定する処理を行う。
その後、特図変動表示ゲームに対応して実行される飾り特図変動表示ゲームの制御に関するゲーム制御処理(ステップB13)を行う。そして、表示装置41の表示に関する処理である表示制御処理(ステップB14)、音声の出力に関する処理である音制御処理(ステップB15)、装飾装置(盤装飾装置42、枠装飾装置18、盤演出装置44(補助演出装置44a等)、枠演出装置45等)の制御に関する処理である装飾制御処理(ステップB16)を行う。さらに、エラーの発生の監視を行うエラー監視処理(ステップB17)、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB18)を行い、メインコマンド解析処理(ステップB12)に戻る。
また、図34に示すように割込み処理では、まず、タイマ更新処理(ステップB20)を行い、演出制御装置300に入力される信号を処理する入力処理(ステップB21)、演出制御装置300から出力される信号を処理する出力処理(ステップB22)を行う。その後、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを受信するメインコマンド受信処理(ステップB23)を行い、割込み処理を終了する。
演出制御装置300は、特図変動表示ゲームの実行中に当該特図変動表示ゲームの結果を示唆する予告演出の制御を行う。この予告演出は、表示装置41への画像の表示や、ランプ、LEDの発光態様、音声の出力等により行われるものであり、飾り特図変動表示ゲームの進行に合わせて所定のタイミングで行われるようになっている。予告演出の実行タイミングは、特図変動表示ゲームにおいて識別情報の変動が開始されてから停止するまでの期間を複数のブロックに分割し、この複数のブロックのうちから予告演出を実行するブロックを選択することで決定されるようになっている。また、予告演出の種類は、選択されたブロックで実行可能な予告演出から選択される。
図35に示すように、本実施形態の遊技機では、特図変動表示ゲームにおいて識別情報の変動が開始されてから停止するまでの期間を、「1」変動開始時、「2」前半変動中、「3」Nリーチ中、「4」SPリーチ中の四つのブロックに分割している。「1」変動開始時のブロックの期間は、特図1表示器51又は特図2表示器52での特図変動表示ゲームの変動開始(t1)から、飾り特図変動表示ゲームの変動開始(t2)の後、所定時間(t3)となるまでの期間(t1からt3)である。
また、「2」前半変動中のブロックの期間は、「1」変動開始時のブロックの期間終了後(t3)から、リーチ状態の発生(t4)までの期間(t3からt4)であり、「3」Nリーチ中のブロックの期間は、リーチ状態の発生(t4)から、SPリーチ状態への発展(t5)までの期間(t4からt5)である。また、「4」SPリーチ中のブロックの期間は、SPリーチ状態への発展(t5)から、変動停止(t6)までの期間(t5からt6)である。
なお、変動パターンがリーチ状態とならない変動パターンである場合は、「1」変動開始時、「2」前半変動中の期間のみ選択可能である。また、変動パターンがNリーチ(ノーマルリーチ)である変動パターンの場合は、「1」変動開始時、「2」前半変動中、「3」Nリーチ中の期間のみ選択可能である。
図36には、各ブロックにおいて選択可能な予告演出の種類を示し、図37には予告演出の一例を示した。各ブロックにおける予告演出には、桃太郎を主体とした演出と鬼を主体とした演出の2つのパターンがある。また、各パターンの予告演出には、通常予告(予告種類;大当り信頼度(低))と、該通常予告よりも結果が特別結果となる場合に選択されやすい特殊予告(予告種類;大当り信頼度(高))と、がある。
図36(a)に示すように、「1」変動開始時では、背景画像として桃太郎もしくは鬼の画像を表示する予告演出を実行可能である。このうち、桃太郎を主体とした予告演出では、通常予告として桃太郎の人数が1人から4人の四種類の予告演出を選択可能であり、特殊予告として桃太郎の人数が5人の予告演出を選択可能である。また、鬼を主体とした予告演出では、通常予告として鬼の人数が1人から4人の四種類の予告演出を選択可能であり、特殊予告として鬼の人数が5人の予告演出を選択可能である。図37(a)には、特殊予告として桃太郎の人数が5人の背景画像41aが表示された予告演出の例を、図37(b)には、通常予告として桃太郎の人数が1人の背景画像41aが表示された予告演出の例を示した。
また、図36(b)に示すように、「2」前半変動中では、段階的に表示が変化する画像を表示するステップアップ予告を行う予告演出を実行可能である。このうち、桃太郎を主体としたステップアップ予告Aでは、通常予告としてSTEP1まで実行するものからSTEP4まで実行するものまでの四種類の予告演出を選択可能であり、特殊予告としてSTEP5まで実行する予告演出を選択可能である。また、鬼を主体としたステップアップ予告Bでは、通常予告としてSTEP1まで実行するものからSTEP4まで実行するものまでの四種類の予告演出を選択可能であり、特殊予告としてSTEP5まで実行する予告演出を選択可能である。図37(c)には、桃太郎を主体としたステップアップ予告Aにおける特殊予告においてSTEP5の演出画像41bが表示された予告演出の例を、図37(d)には、桃太郎を主体としたステップアップ予告Aにおける通常予告においてSTEP1の演出画像41bが表示された予告演出の例を示した。
また、図36(c)に示すように、「3」Nリーチ中では、桃太郎もしくは鬼の画像が画面を横切るように表示される群予告を行う予告演出を実行可能である。このうち、桃太郎を主体とした桃太郎群予告では、通常予告として桃太郎の人数が1人の予告演出を選択可能であり、特殊予告として桃太郎の人数が複数の予告演出を選択可能である。また、鬼を主体とした鬼群予告では、通常予告として鬼の人数が1人の予告演出を選択可能であり、特殊予告として鬼の人数が複数の予告演出を選択可能である。図37(e)には、桃太郎を主体とした桃太郎群予告における特殊予告において複数の群予告演出画像41cが表示された予告演出の例を、図37(f)には、桃太郎群予告における通常予告において一つの群予告画像41cが表示された予告演出の例を示した。
また、図36(d)に示すように、「4」SPリーチ中では、桃太郎もしくは鬼の画像が表示されるカットイン予告を行う予告演出を実行可能である。このうち、桃太郎を主体としたカットイン予告Aでは、通常予告として桃太郎の台詞が「…」の予告演出を選択可能であり、特殊予告として桃太郎の台詞が「激アツ」の予告演出を選択可能である。また、鬼を主体としたカットイン予告Bでは、通常予告として鬼の台詞が「…」の予告演出を選択可能であり、特殊予告として鬼の台詞が「激アツ」の予告演出を選択可能である。図37(g)には、桃太郎を主体としたカットイン予告Aにおける特殊予告においてカットイン画像41dが表示された予告演出の例を、図37(f)には、カットイン予告Aにおける通常予告においてカットイン画像41dが表示された予告演出の例を示した。
以上のような予告演出の制御処理として、演出制御装置300では、図33に示すメイン処理におけるゲーム制御処理(ステップB13)において、図38に示す予告振分処理を行う。この予告振分処理では、まず、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置100から送信される変動コマンドを受信したか否かの判定(ステップB30)を行う。変動コマンドは、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含むコマンドである。なおこの他に、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドも受信している。この変動コマンドを受信したか否かの判定(ステップB30)において、変動コマンドを受信していない場合(ステップB30;No)は、予告振分処理を終了する。また、変動コマンドを受信している場合(ステップB30;Yes)は、予告選択乱数を抽出する処理(ステップB31)を行う。
その後、特図変動表示ゲームの結果は大当りであるか否かの判定(ステップB32)を行い、特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(ステップB32;No)は、予告実行判定テーブルを取得する処理(ステップB33)を行う。そして、予告選択乱数を予告実行判定テーブルに参照し、予告を実行するか否かの判定(ステップB34)を行い、予告を実行しない場合(ステップB34;No)は、予告振分処理を終了する。また、予告を実行する場合(ステップB34;Yes)は、はずれ特殊予告実行判定テーブルを取得する処理(ステップB35)を行い、予告選択乱数をはずれ特殊予告実行判定テーブルに参照して、特殊予告を実行するか否かの判定(ステップB38)を行う。
一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB32;Yes)は、大当り特殊予告実行判定テーブルを取得する処理(ステップB36)を行い、大当り発生フラグをセットする処理(ステップB37)を行う。その後、予告選択乱数を大当り特殊予告実行判定テーブルに参照して、特殊予告を実行するか否かの判定(ステップB38)を行う。すなわち、演出制御装置300が、所定の予告演出を実行する通常予告演出と、該通常予告演出よりも特別結果となる場合の選択率が高い特殊予告演出と、の何れの予告演出を実行するかを選択する予告演出選択手段をなす。
そして、特殊予告を実行する場合(ステップB38;Yes)は、特殊予告出現ポイント判定処理(ステップB39)を行い、予告設定処理(ステップB41)を行って、予告振分処理を終了する。また、特殊予告を実行しない場合(ステップB38;No)は、通常予告出現ポイント判定処理(ステップB40)を行い、予告設定処理(ステップB41)を行って、予告振分処理を終了する。
図39には、図38に示した予告振分処理における特殊予告出現ポイント判定処理(ステップB39)を示した。この特殊予告出現ポイント判定処理では、まず、結果が特別結果である場合にセットされる大当り発生フラグがあるか否かの判定(ステップB50)を行う。そして、大当り発生フラグがある場合(ステップB50;Yes)は、大当り特殊予告出現ポイント判定テーブルを取得する処理(ステップB51)を行い、予告選択乱数値に基づいて特殊予告出現ポイントを決定する処理(ステップB53)を行う。また、大当り発生フラグがない場合(ステップB50;No)は、はずれ特殊予告出現ポイント判定テーブルを取得する処理(ステップB52)を行い、予告選択乱数値に基づいて特殊予告出現ポイントを決定する処理(ステップB53)を行う。
次に、決定された特殊予告出現ポイント情報を設定する処理(ステップB54)を行い、大当り発生フラグをクリアする処理(ステップB55)を行って、特殊予告出現ポイント判定処理を終了する。この処理により、図35に示したブロックのうちから特殊予告を実行するブロックが決定されることとなる。
すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームにおいて識別情報の変動が開始されてから停止するまでの期間を複数ブロックに分割し、何れのブロックで特殊予告演出を実行するかを選択する予告ブロック選択手段をなす。また、演出制御装置300が、変動表示ゲームの結果に基づき、特殊予告演出を実行するブロックの選択態様を決定する選択態様決定手段をなす。
また、図40には、図38に示した予告振分処理における通常予告出現ポイント判定処理(ステップB40)を示した。この通常予告出現ポイント判定処理では、まず、結果が特別結果である場合にセットされる大当り発生フラグがあるか否かの判定(ステップB60)を行う。そして、大当り発生フラグがある場合(ステップB60;Yes)は、大当り通常予告出現ポイント判定テーブルを取得する処理(ステップB61)を行い、予告選択乱数値に基づいて通常予告出現ポイントを決定する処理(ステップB63)を行う。また、大当り発生フラグがない場合(ステップB60;No)は、はずれ通常予告出現ポイント判定テーブルを取得する処理(ステップB62)を行い、予告選択乱数値に基づいて通常予告出現ポイントを決定する処理(ステップB63)を行う。
次に、決定された通常予告出現ポイント情報を設定する処理(ステップB64)を行い、大当り発生フラグをクリアする処理(ステップB65)を行って、通常予告出現ポイント判定処理を終了する。この処理により、図35に示したブロックのうちから通常予告を実行するブロックが決定されることとなる。
図41には、図38に示した予告振分処理における予告設定処理(ステップB41)を示した。この予告設定処理では、まず、特殊予告出現ポイント判定処理(図39参照)で設定される特殊予告出現ポイント情報があるか否かの判定(ステップB70)を行い、特殊予告出現ポイント情報がある場合(ステップB70;Yes)は、特殊予告出現ポイント情報に基づいて実行する特殊予告を選択する処理(ステップB71)を行う。
特殊予告出現ポイント情報に基づいて実行する特殊予告を選択する処理(ステップB71)では、特殊予告を実行するブロックとして選択されたブロックにおいて図36に示したように選択可能な特殊予告のうちから一つの特殊予告を選択する。そして、選択された特殊予告を設定する処理(ステップB72)を行い、特殊予告出現ポイント情報をクリアする処理(ステップB73)を行って、予告設定処理を終了する。
一方、特殊予告出現ポイント情報がない場合(ステップB70;No)は、通常予告出現ポイント判定処理(図40参照)で設定される通常予告出現ポイント情報があるか否かの判定(ステップB74)を行う。そして、通常予告出現ポイント情報がある場合(ステップB74;Yes)は、通常予告出現ポイント情報に基づいて実行する通常予告を選択する処理(ステップB75)を行う。また、通常予告出現ポイント情報がない場合(ステップB74;No)は、予告設定処理を終了する。
通常予告出現ポイント情報に基づいて実行する通常予告を選択する処理(ステップB75)では、通常予告を実行するブロックとして選択されたブロックにおいて図36に示したように選択可能な通常予告のうちから一つの通常予告を選択する。そして、選択された通常予告を設定する処理(ステップB76)を行い、通常予告出現ポイント情報をクリアする処理(ステップB77)を行って、予告設定処理を終了する。
以上の処理で設定された予告演出に関する情報に基づき、メイン処理(図33参照)の表示制御処理(ステップB14)、音制御処理(ステップB15)及び装飾制御処理(ステップB16)により、特図変動表示ゲームが選択されたブロックに進行した際に選択された予告演出が実行されることとなる。このような制御として、例えば、特図変動表示ゲームの開始からの経過時間により、選択されたブロックでの予告実行タイミングまで特図変動表示ゲームが達したかを判定し、達した場合に予告演出を行うようにする。また、リーチ時の映像として、予告演出を含む映像を予め作成して記憶しておき、決定された予告演出の種類により適切な映像を選択して使用するようにしても良い。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの実行中に当該変動表示ゲームの結果を予告する予告演出を実行可能な予告演出実行手段をなす。
図42、図43には、予告振分処理による予告出現ポイントの振分例を示した。なお、この例では予告選択乱数は0から999の値のうちから選択される。図42には、特図変動表示ゲームの結果がはずれであり、変動パターンとしてSPリーチが選択された場合の振分例を示した。
図42(a)に示すように、結果がはずれの場合に用いられる予告実行判定テーブルでは、0から299の値が選択されている場合に予告を実行すると判定され(ステップB34;Yes)、300から999の値が選択されている場合には予告を実行しないと判定される(ステップB34;No)。
また、図42(b)に示すように、はずれ特殊予告実行判定テーブルでは、予告を実行すると判定される0から299の値のうち、0から89の値が選択されている場合に特殊予告を実行すると判定され(ステップB38;Yes)、90から299の値が選択されている場合に通常予告を実行すると判定される(ステップB38;No)。
そして、図42(c)に示すように、はずれ特殊予告出現ポイント判定テーブルでは、0から26の値が選択されている場合に「1」変動開始時のブロックで特殊予告を実行すると選択され、27から53の値が選択されている場合に、「2」前半変動中のブロックで特殊予告を実行すると選択される。また、54から71の値が選択されている場合に「3」Nリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択され、72から80の値が選択されている場合に「4」SPリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択される。さらに、81から85の値が選択されている場合に「1」変動開始時及び「2」Nリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択され、86から89の値が選択されている場合に「1」変動開始時及び「3」Nリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択される。
なお、はずれ通常予告出現ポイント判定テーブルについては示していないが、図42(c)に示すはずれ特殊予告出現ポイント判定テーブルと同様に、選択予告乱数値に基づき通常予告を実行するブロックが選択されるようになっている。
図43には、特図変動表示ゲームの結果が大当りであり、変動パターンとしてSPリーチが選択された場合の振分例を示した。
図43(a)に示すように、結果が大当りの場合には必ず予告の実行が選択される。また、図43(b)に示すように、大当り特殊予告実行判定テーブルでは、0から699の値が選択されている場合に特殊予告を実行すると判定され(ステップB38;Yes)、700から999の値が選択されている場合に通常予告を実行すると判定される(ステップB38;No)。
そして、図43(c)に示すように、大当り特殊予告出現ポイント判定テーブルでは、0から34の値が選択されている場合に「1」変動開始時のブロックで特殊予告を実行すると選択され、35から69の値が選択されている場合に、「2」前半変動中のブロックで特殊予告を実行すると選択される。また、70から139の値が選択されている場合に「3」Nリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択され、140から279の値が選択されている場合に「4」SPリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択される。さらに、280から489の値が選択されている場合に「1」変動開始時及び「2」Nリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択され、490から699の値が選択されている場合に「1」変動開始時及び「3」Nリーチ中のブロックで特殊予告を実行すると選択される。
なお、大当り通常予告出現ポイント判定テーブルについては示していないが、図43(c)に示す大当り特殊予告出現ポイント判定テーブルと同様に、選択予告乱数値に基づき通常予告を実行するブロックが選択されるようになっている。
このように大当りの場合ははずれの場合に比べて予告演出の実行確率が高く、予告演出を実行すると決定された場合に特殊予告を選択する確率も高い。また、大当りの場合ははずれの場合に比べて予告演出を実行するブロックとして後半のブロックが選択される確率が高く、複数のブロックが選択される確率も高い。
このように、特図変動表示ゲームにおいて識別情報の変動が開始されてから停止するまでの期間を複数ブロックに分割し、何れのブロックで特殊予告演出を実行するかを選択することで、所望の予告演出の出現を容易に制御することができる。すなわち、遊技者が最も期待する予告演出である特殊予告演出の実行の有無を、複数種類の特殊予告演出のそれぞれについて独立して抽選するようにすると、例えば結果がはずれの場合であっても特殊予告演出が複数回実行されてしまう可能性がある。これを避けるため、特殊予告演出の実行確率を極端に低くすると、必要な場合に特殊予告演出が実行されないこととなり、予告演出としての機能を果たさなくなってしまう。しかし、本発明のように特殊予告演出を実行するブロックを予め決めることで、例えば結果がはずれの場合に特殊予告演出が複数回実行されてしまうことを防止でき、逆に必要な場合には複数回の特殊予告演出を実行することも可能となり、所望の予告演出の出現を容易に制御できることとなる。また、例えば結果が特別結果である場合に非常に低い確率で選択される特殊予告演出(いわゆるプレミア予告)が、一の変動表示ゲームで複数回実行されてしまうことも防止でき、出現確率の低い特殊予告演出の価値が低下してしまうことを防止できる。
また、特図変動表示ゲームの結果に基づき、特殊予告演出を実行するブロックの選択態様を決定するようにしたことでも所望の予告演出の出現を容易に制御することを可能としている。すなわち、例えば、結果がはずれの場合には特殊予告演出を一つのブロックのみで実行可能とし、結果が特別結果の場合には特殊予告演出を複数のブロックで実行可能とする制御を容易に行うことができる。これにより、結果がはずれであるにもかかわらず大当りの可能性が非常に高いことを予告する報知が行われて遊技者に過度の期待感を抱かせることや、予告の信頼性が明確でなくなることを防止できる。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果なった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生する遊技機において、変動表示ゲームの実行中に当該変動表示ゲームの結果を予告する予告演出を実行可能な予告演出実行手段(演出制御装置300)を備え、予告演出実行手段は、所定の予告演出を実行する通常予告演出と、該通常予告演出よりも特別結果となる場合の選択率が高い特殊予告演出と、の何れの予告演出を実行するかを選択する予告演出選択手段(演出制御装置300)と、変動表示ゲームにおいて識別情報の変動が開始されてから停止するまでの期間を複数ブロックに分割し、何れのブロックで特殊予告演出を実行するかを選択する予告ブロック選択手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
また、予告ブロック選択手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの結果に基づき、特殊予告演出を実行するブロックの選択態様を決定する選択態様決定手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
次に、特別遊技状態中の予告演出について説明する。特別遊技状態中の予告演出としては、結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の存在を示唆する予告演出Aと、特別結果が11R確変であった場合に、高確率状態となること(天国モードに移行すること)を所定の確率で報知する予告演出Bを実行可能である。
予告演出Aは、図44(a)に示すように、ラウンド遊技の実行中にセンターケース40に設けられた補助演出装置42aを発光させるとともに、発光に合わせて表示装置41にも光が放射されているような演出表示41eを行う。なお、ラウンド遊技の実行中には、ラウンド数を表示するラウンド表示41fや飾り特図変動表示ゲームで導出された特別結果の種類を表示する特別結果表示41gも行われる。
予告演出Aでは、結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の存在を示唆する示唆報知と、結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の存在を明確に報知する確定報知を実行可能である。示唆報知では、補助演出装置42aを白色で発光させる演出を行い、確定報知は、補助演出装置42aを複数の色が連続的に変化するように発光(レインボー発光)させる演出を行うようになっており、遊技者は何れの演出であるかを判別可能である。また、予告演出Aは、複数回のラウンド遊技のそれぞれで独立して実行される。すなわち、ラウンド遊技毎に実行するか否かが選択され、実行が選択されたラウンド遊技でのみ選択された種類の演出が実行される。
このように予告演出Aの実行を決定するようにしたことで、特別遊技の実行中に発生する演出に対する遊技者の期待感を持続させ、特別遊技中の遊技の興趣を向上することができる。すなわち、複数のラウンドのうち、何れのラウンドで報知が発生するのか予想できないので、ラウンドが更新されるごとに報知の実行に対する期待を抱かせることができ、特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。また、実行中のラウンド遊技で報知が実行されなかった場合でも、次以降のラウンドで再度報知が実行される可能性があり、特別遊技の終了まで期待感を持続させることができる。
図45には、予告演出Aの選択割合を示した。なお、図45(a)は、特図1の始動記憶を対象とした予告演出Aの選択割合であり、図45(b)は、特図2の始動記憶を対象とした予告演出Aの選択割合である。このように予告演出Aは、始動記憶の種類(特図1もしくは特図2)と、結果(はずれまたは各種大当り)と、により、予め定められた割合で選択される。
なお、演出種類の「演出なし」とは予告演出Aを実行しないことを意味し、「演出装置⇒白」は示唆報知を実行することを、「演出装置⇒レインボー」は確定報知を実行することを意味する。また、保留種類の「はずれ」とは、全ての始動記憶がはずれであることを示し、この場合は始動記憶の種類に関係なく一定の割合で予告演出が選択される。その他の保留種類は、特図1と特図2でそれぞれ導出可能な特別結果の種類であり、例えば、「11確」とは11R確変を意味し、「11通A」とは11R通常Aを意味する。
例えば、図45(a)または図45(b)に示すように、全ての始動記憶の結果がはずれである場合は、演出なしが80%、示唆報知が20%の割合で選択される。また、図45(a)に示すように、結果が11R確変(11確)となる始動記憶を対象として予告演出Aを選択する場合は、演出なしが65%、示唆報知が25%、確定報知が10%の割合で選択され、図45(b)に示すように、結果が2R通常B(2通B)となる始動記憶を対象として予告演出Aを選択する場合は、演出なしが75%、示唆報知が25%の割合で選択される。
このように、示唆報知は、結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が存在しない場合よりも存在する場合のほうが実行される確率が高くなっている。つまり、複数のラウンド遊技で示唆報知が実行されるほど、結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が存在する確率が高いことが示唆される。また、確定報知は、結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が存在する場合のみ実行可能である。これにより、各回のラウンド遊技において報知の実行に対する期待を抱かせることができ、特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。さらに、各回のラウンド遊技において確定報知の実行に対する期待も抱かせることができ、より一層特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。
一方、予告演出Bは、所定のラウンド(ここでは6ラウンド)となると開始される演出である。この予告演出Bでは、例えば、図44(b)に示すように桃太郎と鬼がじゃんけんをする演出が行われ、桃太郎が勝てば高確率状態となること(天国モードに移行すること)を報知し、桃太郎が負ければ高確率であることを報知しない演出を行う。
上述の予告演出Aの制御処理として、演出制御装置300では、図33に示すメイン処理におけるゲーム制御処理(ステップB13)において、特別遊技状態の実行中である場合に図46に示す予告演出A抽選処理を行う。この予告演出A抽選処理では、まず、保留記憶(始動記憶)があるか否かの判定(ステップB80)を行い、保留記憶がない場合(ステップB80;No)は、予告演出A抽選処理を終了する。また、保留記憶がある場合(ステップB80;Yes)は、予告演出Aを実行するか否かの抽選を行った場合に設定される予告演出A抽選完了フラグがあるか否かの判定(ステップB81)を行う。
そして、予告演出A抽選完了フラグがない場合(ステップB81;No)は、予告演出A抽選乱数を抽出する処理(ステップB82)を行う。一方、予告演出A抽選完了フラグがある場合(ステップB81;Yes)は、大当りラウンド更新であるか否かの判定(ステップB92)を行い、大当りラウンド更新でない場合(ステップB92;No)は、予告演出A抽選処理を終了する。また、大当りラウンド更新である場合(ステップB92;Yes)は、予告演出A抽選完了フラグをクリアし(ステップB93)、予告演出A抽選乱数を抽出する処理(ステップB82)を行う。このような処理により、一のラウンド遊技では予告演出Aを実行するか否かの抽選が一回だけ行われるようになる。
予告演出A抽選乱数を抽出する処理(ステップB82)を行った後、変動待ち保留の値を取得する処理(ステップB83)を行う。変動待ち保留の値を取得する処理(ステップB83)では、現在記憶されている各始動記憶の発生時に特図保留情報判定処理(図19参照)による判定の結果、演出制御装置300に送信された始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得する。
なお、演出制御装置300でも、始動記憶の消化順序を記憶する図22に示したような変動順序フラグセーブ領域を有している。そして、予告演出A抽選乱数を抽出する処理(ステップB82)を行った後に初めて変動待ち保留の値を取得する処理(ステップB83)を行う場合は、この変動順序フラグセーブ領域に記憶された実行順序に従って最も早く消化される始動記憶(最先の始動記憶)の始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得する。また、後述するように、取得した始動口入賞演出図柄コマンドの値がはずれであり(ステップB84;No)、全ての始動記憶の始動口入賞演出図柄コマンドを判定していない場合(ステップB85;No)は、再度変動待ち保留の値を取得する処理(ステップB83)に戻る。この場合は、変動順序フラグセーブ領域に記憶された実行順序に従って、すでに始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得した始動記憶の次に消化される始動記憶の始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得する。このようにして、最先の始動記憶から順次判定が行われるようになっている。
変動待ち保留の値を取得する処理(ステップB83)を行った後、取得した始動口入賞演出図柄コマンドの値が大当り値であるか否かの判定(ステップB84)を行い、大当り値でない場合(ステップB84;No)は、全ての変動待ち保留の判定が終了したか否かの判定(ステップB85)を行う。
そして、全ての変動待ち保留の判定が終了していない場合(ステップB85;No)は、変動待ち保留の値を取得する処理(ステップB83)に戻り、上述したように判定した始動記憶の次に消化された始動記憶の始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得する。また、全ての変動待ち保留の判定が終了した場合(ステップB85;Yes)、すなわち、全てはずれであった場合は、予告演出A抽選乱数をはずれに対応する予告演出A抽選テーブルに参照することで抽選を行う(ステップB86)。この場合、図45(a)もしくは図45(b)の「はずれ」の欄に示す割合で予告演出Aが選択される。この後、抽選結果に基づき予告演出を設定し(ステップB90)、予告演出A抽選完了フラグをセットして(ステップB91)、予告演出A抽選処理を終了する。
一方、取得した始動口入賞演出図柄コマンドの値が大当り値であった場合(ステップB84;Yes)は、予告演出A抽選乱数を大当りの種類に対応する予告演出A抽選テーブルに参照することにより抽選を行う(ステップB87)。この場合、予告対象となる始動記憶の種類(特図1もしくは特図2)と、特別結果の種類とから、図45(a)もしくは図45(b)の該当する欄に示す割合で予告演出Aが選択される。
そして、選択された予告演出Aが確定報知であるか否かの判定(ステップB88)を行い、確定報知でない場合(ステップB88;No)は、天国モードフラグをセットする処理(ステップB89)を行わずにステップB90に移行する。一方、選択された予告演出Aが確定報知であるか否かの判定(ステップB88)において、確定報知である場合(ステップB88;Yes)は、天国モードフラグをセットする処理(ステップB89)を行った後、抽選結果に基づき予告演出を設定し(ステップB90)、予告演出A抽選完了フラグをセットして(ステップB91)、予告演出A抽選処理を終了する。すなわち、演出制御装置300が、特別遊技実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行されるラウンド遊技ごとに示唆報知を実行するか否かを選択する報知実行選択手段をなす。
このように最先の始動記憶から判定を行い、特別結果となる始動記憶があった場合には当該始動記憶を対象として予告演出の設定を行うようにしたことで、特別結果となる始動記憶が複数存在する場合であっても、先に特別結果となる始動記憶を対象として示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かが選択されるようになる。これにより、常にすべての始動記憶をチェックする必要がないので制御装置での処理を軽減することができる。また、先に発生する特別結果を対象とすることで報知の対象が明確となることから、単に特別結果となる可能性を示唆する以外に特別結果の種類なども考慮した報知を行うようにすることもでき、報知の内容を多彩なものとすることができて興趣を向上することができる。
以上の処理で設定された予告演出Aに関する情報に基づき、メイン処理(図33参照)の表示制御処理(ステップB14)、音制御処理(ステップB15)及び装飾制御処理(ステップB16)により、所定のタイミングで予告演出が実行されることとなる。すなわち、演出制御装置300が、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果を示唆する報知である示唆報知を実行可能な報知手段をなす。
以上のことから、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果なった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生する遊技機において、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)と、遊技結果事前判定手段による判定結果を示唆する報知である示唆報知を実行可能な報知手段(演出制御装置300)と、特別遊技の実行制御を行う特別遊技実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、特別遊技実行制御手段は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能なラウンド遊技を複数回繰り返して実行するサイクル遊技によって、特別遊技を構成し、報知手段は、特別遊技実行制御手段によって実行されるラウンド遊技ごとに前記示唆報知を実行するか否かを選択する報知実行選択手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
また、報知手段(演出制御装置300)は、示唆報知として、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶の存在を遊技者に示唆する報知を実行可能であり、報知実行選択手段(演出制御装置300)は、特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合は、存在しない場合よりも高い確率で示唆報知の実行を選択するようにしていることとなる。
また、報知手段(演出制御装置300)は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶の存在を遊技者に明確に報知する確定報知を実行可能であり、報知実行選択手段(演出制御装置300)は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合は、特別遊技実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行されるラウンド遊技ごとに示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かを選択するようにしていることとなる。
また、報知実行選択手段(演出制御装置300)は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が複数存在する場合には、先に特別結果となる変動表示ゲームを実行する始動記憶を対象として示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かを選択するようにしていることとなる。
また、上述の予告演出Bの制御処理として、演出制御装置300では、図33に示すメイン処理におけるゲーム制御処理(ステップB13)において、特別遊技状態の実行中である場合に図47に示す予告演出B抽選処理を行う。この予告演出B抽選処理では、まず、実行中の特別遊技状態が11R確変の導出に基づくものであるか否かの判定(ステップB100)を行う。そして、11R確変の導出に基づくものでない場合(ステップB100;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、11R確変の導出に基づくものである場合(ステップB100;Yes)は、5R目の終了タイミングであるか否かの判定(ステップB101)を行う。
5R目の終了タイミングでない場合(ステップB101;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、5R目の終了タイミングである場合(ステップB101;Yes)は、予告演出B抽選乱数を抽出し(ステップB102)、予告演出B判定テーブルを取得する(ステップB103)。
その後、予告演出B抽選乱数を予告演出B判定テーブルに参照し、予告演出Bを実行するか否かを判定(ステップB104)する。そして、予告演出Bを実行しない場合(ステップB104;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、予告演出Bを実行する場合(ステップB104;Yes)は、予告演出B抽選乱数を予告演出B判定テーブルに参照した結果が、確変を報知する結果であるか否かの判定(ステップB105)を行う。
結果が確変を報知するものでない場合(ステップB105;No)は、昇格演出(失敗)情報を設定し(ステップB106)、予告演出B抽選処理を終了する。この場合は、予告演出Bが図44(b)に示したような演出である場合は、桃太郎がじゃんけんで負けて確変であることが報知されない演出が設定される。また、結果が確変を報知するものである場合(ステップB105;Yes)は、昇格演出(成功)情報を設定し(ステップB107)、天国モードフラグをセットして(ステップB108)、予告演出B抽選処理を終了する。この場合は、予告演出Bが図44(b)に示したような演出である場合は、桃太郎がじゃんけんで勝って確変であることが報知される演出が設定される。
以上の処理で設定された予告演出Bに関する情報に基づき、メイン処理(図33参照)の表示制御処理(ステップB14)、音制御処理(ステップB15)及び装飾制御処理(ステップB16)により、所定のタイミングで予告演出が実行されることとなる。
図48には、演出制御装置300において特別遊技状態の終了時に行われる大当り終了処理を示した。この大当り終了処理では、まず、停止図柄コマンドを受信したか否かの判定(ステップB110)を行う。図32に示したように、停止図柄コマンドには今回の特別遊技状態を発生する契機となった特図変動表示ゲームの停止図柄(特別結果の種類)に関する情報が含まれている。この停止図柄コマンドを受信したか否かの判定(ステップB110)において、停止図柄コマンドを受信していない場合(ステップB110;No)は、大当り終了処理を終了する。
また、停止図柄コマンドを受信している場合(ステップB110;Yes)は、停止図柄コマンドに基づき停止図柄に関する情報(特別結果の種類)を取得する処理(ステップB111)を行い、通常図柄であるか否かの判定(ステップB112)を行う。通常図柄とは、特別遊技状態の終了後の確率状態を通常確率状態とする特別結果であり、11R通常A(図柄)、11R通常B(図柄)、2R通常A(図柄)、3R通常A(図柄)、2R通常B(図柄)、3R通常B(図柄)である。
そして、通常図柄である場合(ステップB112;Yes)は、時短フラグをセットする処理(ステップB113)、時短回数をセットする処理(ステップB114)を行い、参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB115)を行う。時短フラグは遊技状態が時短状態となることを示すフラグである。また、時短回数とは、時短状態で実行可能な特図変動表示ゲームの回数であり、時短回数をセットする処理(ステップB114)では時短回数を管理する時短カウンタに初期値(50もしくは100)を設定する。一方、通常図柄でない場合(ステップB112;No)は、参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB115)を行う。
参照テーブルとして情報設定テーブルをセットする処理(ステップB115)を行った後、確率情報コマンド及び停止図柄コマンドに対応する確率情報と遊技モード情報をセットする処理(ステップB116)を行う。これらの処理により、特別結果の種類に応じた特別遊技状態の終了後の確率情報と遊技モード情報が規定された情報設定テーブルがセットされ、このテーブルに特図変動表示ゲームの特別結果の種類(図柄番号)を参照することで、確率情報と遊技モード情報が決定されてセットされる。例えば、特別結果の種類が16R確変であった場合は、確率情報として高確率がセットされ、遊技モード情報として天国モードがセットされる。また、特別結果の種類が2R通常Aであった場合は、確率情報として通常確率がセットされ、遊技モード情報としてチャンスモードがセットされる。なお、特別結果の種類が11R確変であった場合は、確率情報として高確率がセットされ、遊技モード情報は抽選により選択されたモードがセットされる。
その後、天国モードフラグがあるか否かの判定(ステップB117)を行う。天国モードフラグは、図46の予告演出A抽選処理で確定報知が選択された場合や、図47の予告演出B抽選処理で確変の報知が選択された場合に設定されるフラグである。この天国モードフラグがない場合(ステップB117;No)は、遊技モードに対応した変動パターンテーブルをセットする処理(ステップB119)を行う。この場合は、ステップB116で設定された遊技モードとなる。一方、天国モードフラグがある場合(ステップB117;Yes)は、遊技モード情報を天国モードに設定し(ステップB118)、遊技モードに対応した変動パターンテーブルをセットする処理(ステップB119)を行う。この場合は、ステップB116で設定された遊技モードに代えて天国モードが設定される。
これにより、特別遊技状態中に結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶が存在する場合や、11R確変に基づく特別遊技状態において確変の報知がなされた場合に天国モードが設定されることとなる。すなわち、特別遊技の終了後の遊技モードとして、高確率状態が設定された場合及び特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合にのみ特定の遊技モード(天国モード)を選択可能であることとなる。
これにより、特別遊技の終了後に特定の遊技モードとなれば再度特別結果となる可能性が極めて高いことが報知されることとなり、特別遊技中の報知の結果を明確に報知することができる。また、特別結果となる始動記憶がある場合には確率状態にかかわらず高確率状態が設定された場合に移行可能な特定の遊技モードに移行可能であるので、特別結果として高確率状態となる種類の特別結果が選択される割合が高い遊技機であるという印象を与えることができ、当該遊技機で継続して遊技を行う意欲を高めることができる。
演出モードに対応した変動パターンテーブルをセットする処理(ステップB119)を行った後、変動回数カウンタをセットする処理(ステップS120)を行い、大当り終了処理を終了する。変動回数カウンタをセットする処理(ステップS120)では、変動回数カウンタに初期値として0をセットする。この変動回数カウンタは、特図変動表示ゲームの終了毎に+1されるようになっており、これにより特別遊技状態の終了後に実行された特図変動表示ゲームの実行回数が計数される。
そして演出制御装置300では、この変動回数カウンタの値に基づき遊技モードの移行を行う。例えば、特別結果の種類が通常Aであった場合は、変動回数カウンタの値が50となった場合(50回の特図変動表示ゲームを実行した場合)にチャンスモードST4から通常モードST1へ移行する処理を行う。また、特別結果の種類が通常Bであった場合は、変動回数カウンタの値が100となった場合(100回の特図変動表示ゲームを実行した場合)にチャンスモードST4から通常モードST1へ移行する処理を行う。さらに、特別結果の種類が確変であってチャンスモードST4である場合は、変動回数カウンタの値が50となった場合に抽選を行い、当選した場合は天国モードST3へ移行する処理を行う。また、当選しなかった場合は、その後変動回数カウンタの値が100となった場合に天国モードST3へ移行する処理を行う。すなわち、演出制御装置300が、遊技の演出が異なる複数の遊技モードから、一の遊技モードを選択する遊技モード選択手段をなす。
以上のことから、特別結果の種類に基づき、特別遊技の終了後における変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を、通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出が異なる複数の遊技モードから、一の遊技モードを選択する遊技モード選択手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技モード選択手段は、特別遊技の終了後の遊技モードとして、高確率状態が設定された場合及び遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合にのみ特定の遊技モードを選択可能であることとなる。
なお、上述の実施形態では、特図保留判定処理(図19参照)における大当り判定処理(ステップA231)において常に通常確率状態の判定値を用いるとしたが、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームが実行される際の確率状態を考慮して大当りの判定を行っても良い。この場合、始動記憶に特別結果となる始動記憶がない場合は、現在の確率状態での判定値により大当り判定を行うようにする。また、始動記憶に特別結果となる始動記憶がある場合は、当該始動記憶より後に消化される始動記憶については、特別結果に基づく特別遊技状態の終了後に設定される確率状態で大当り判定を行うようにする。
また、予告演出は表示装置41における表示で行うものや、ランプやLEDの発光態様で行うもののほか、音声の出力により行うもの、役物装置の動作により行うもの、これらを複合したものなどでも実行可能である。また、示唆報知では、特別結果となる始動記憶の存在の可能性の高さを報知の頻度により示唆するとしたが、例えば、発光色や、発光の状態のような報知態様により示唆するようにしても良い。
また、図46に示した予告演出A抽選処理では、確定報知が選択された場合(ステップB88;Yes)にのみ天国モードフラグをセットする(ステップB89)ようにしているが、特別結果となる始動記憶がある場合(ステップB84)には常に天国モードフラグをセットするようにしても良い。このようにすれば、特別遊技中の示唆報知が特別結果となる始動記憶の存在を報知していたものであるか否かを明確に報知することができる。
次に、上述した実施形態の遊技機の第1変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。本変形例の遊技機は、予告演出を実行可能なブロック毎に予告演出の実行を抽選するようにし、結果がはずれの場合は特殊予告が複数実行されないようにしている。
本変形例の遊技機では、図35に示したブロック毎に各予告演出の実行確率が設定されている。図49には各ブロックにおける特殊予告の実行確率を示した。なお、通常予告についても各ブロックにおける実行確率が同様に設定されている。
そして、図38から図43に示した予告演出の決定に関する処理に代えて、図50から54に示す処理を行う。図50に示す予告振分処理では、まず、特図変動表示ゲームの開始時に遊技制御装置100から送信される変動コマンドを受信したか否かの判定(ステップB30)を行う。変動コマンドは、特図変動表示ゲームの変動パターンに関する情報を含むコマンドである。なおこの他に、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドも受信している。この変動コマンドを受信したか否かの判定(ステップB30)において、変動コマンドを受信していない場合(ステップB30;No)は、予告振分処理を終了する。また、変動コマンドを受信している場合(ステップB30;Yes)は、予告選択乱数を抽出する処理(ステップB31)を行う。
その後、特図変動表示ゲームの結果は大当りであるか否かの判定(ステップB32)を行い、特図変動表示ゲームの結果が大当りでない場合(ステップB32;No)は、予告実行判定テーブルを取得する処理(ステップB33)を行う。そして、予告選択乱数を予告実行判定テーブルに参照し、予告を実行するか否かの判定(ステップB34)を行い、予告を実行しない場合(ステップB34;No)は、予告振分処理を終了する。また、予告を実行する場合(ステップB34;Yes)は、変動開始予告判定処理(ステップB130)を行う。一方、特図変動表示ゲームの結果が大当りである場合(ステップB32;Yes)は、大当り発生フラグをセットする処理(ステップB37)を行い、変動開始予告判定処理(ステップB130)を行う。
変動開始予告判定処理(ステップB130)では、「1」変動開始時のブロックにおける予告演出の設定を行う。その後、「2」前半変動中のブロックにおける予告演出の設定を行う前半変動予告判定処理(ステップB131)を行い、「3」Nリーチ中のブロックにおける予告演出の設定を行うNリーチ予告判定処理(ステップB132)を行う。そして、「4」SPリーチ中のブロックにおける予告演出の設定を行うSPリーチ予告判定処理(ステップB133)を行い、予告設定処理(ステップB134)を行って予告振分処理を終了する。
図51には、図50に示す予告振分処理における変動開始予告判定処理(ステップB130)を示した。この変動開始予告判定処理では、まず、結果が特別結果である場合にセットされる大当り発生フラグがあるか否かの判定(ステップB140)を行い、大当り発生フラグがある場合(ステップB140;Yes)は、大当り特殊予告実行判定テーブルを取得し(ステップB141)、予告選択乱数を大当り特殊予告実行判定テーブルに参照して、特殊予告を実行するか否かを判定する処理を行う(ステップB142)。なお、ここで特殊予告を実行すると判定する確率は、図49に示すように20/100となっている。
特殊予告を実行すると判定された場合(ステップB142;Yes)は、特殊予告出現ポイント情報を設定する処理(ステップB146)を行い、変動開始予告判定処理を終了する。これにより「1」変動開始時のブロックでの特殊予告の実行が決定される。一方、特殊予告を実行すると判定されなかった場合(ステップB142;No)は、大当り通常予告実行判定テーブルを取得し(ステップB143)、予告選択乱数を大当り通常予告実行判定テーブルに参照して、通常予告を実行するか否かを判定する処理を行う(ステップB144)。
そして、通常予告を実行すると判定されなかった場合(ステップB144;No)は、変動開始予告判定処理を終了する。この場合は「1」変動開始時のブロックでは予告演出は実行されない。また、通常予告を実行すると判定された場合(ステップB144;Yes)は、通常予告出現ポイント情報を設定する処理(ステップB145)を行い、変動開始予告判定処理を終了する。これにより「1」変動開始時のブロックでの通常予告の実行が決定される。
なお、結果が大当りである場合は何れかのブロックで予告演出が行われるようになっており、予告選択乱数として選択可能な値は、変動開始予告判定処理(ステップB130)からSPリーチ予告判定処理(ステップB133)の大当り特殊予告実行判定テーブルもしくは大当り通常予告実行判定テーブルの判定値(実行すると判定する判定値)として含まれている。
一方、大当り発生フラグがない場合(ステップB140;No)は、はずれ特殊予告実行判定テーブルを取得し(ステップB147)、予告選択乱数をはずれ特殊予告実行判定テーブルに参照して、特殊予告を実行するか否かを判定する処理を行う(ステップB148)。なお、ここで特殊予告を実行すると判定する確率は、図49に示すように5/100となっている。
特殊予告を実行すると判定された場合(ステップB148;Yes)は、特殊予告禁止情報を設定する処理(ステップB152)を行い、特殊予告出現ポイント情報を設定する処理(ステップB153)を行って、変動開始予告判定処理を終了する。これにより「1」変動開始時のブロックでの特殊予告の実行が決定される。また、特殊予告禁止情報が設定されることで、他のブロックで特殊予告の実行が決定されることが抑制される。
一方、特殊予告を実行すると判定されなかった場合(ステップB148;No)は、はずれ通常予告実行判定テーブルを取得し(ステップB149)、予告選択乱数をはずれ通常予告実行判定テーブルに参照して、通常予告を実行するか否かを判定する処理を行う(ステップB150)。
そして、通常予告を実行すると判定されなかった場合(ステップB150;No)は、変動開始予告判定処理を終了する。この場合は「1」変動開始時のブロックでは予告演出は実行されない。また、通常予告を実行すると判定された場合(ステップB150;Yes)は、通常予告出現ポイント情報を設定する処理(ステップB151)を行い、変動開始予告判定処理を終了する。これにより「1」変動開始時のブロックでの通常予告の実行が決定される。
図52には、図50に示す予告振分処理における前半変動予告判定処理(ステップB131)を示した。なお、上述の変動開始予告判定処理と同様の処理には同じ符号を付しており、異なる部分について説明する。
大当り発生フラグがない場合(ステップB140;No)には、結果がはずれの場合に特殊予告の実行が決定された際に設定される特殊予告禁止情報があるか否かの判定(ステップB160)を行う。そして、特殊予告禁止情報がない場合(ステップB160;No)は、はずれ時の予告演出の実行に関する処理を行う。また、特殊予告禁止情報がある場合(ステップB160;Yes)は、前半変動予告判定処理を終了する。
この処理により、結果がはずれの場合に複数のブロックで特殊予告の実行が決定されることが抑制される。これにより、所望の予告演出の出現を容易に制御でき、結果がはずれであるにもかかわらず大当りの可能性が非常に高いことを予告する特殊予告演出が複数回行われ、遊技者に過度の期待感を抱かせることや、予告の信頼性が明確でなくなることを防止できる。すなわち、演出制御装置300が、変動表示ゲームの結果が特別結果でない場合は、何れか一つのブロックにて特殊予告演出の実行が選択された場合に他のブロックにて特殊予告演出の実行が選択されることを抑制する予告演出抑制手段をなす。
また、この前半変動予告判定処理におけるステップB141、ステップB143、ステップB147、ステップB149で取得される各テーブルは、前半変動予告判定処理用のテーブルが選択される。このうち、ステップB141で取得される大当り特殊予告実行判定テーブルでは、特殊予告を実行すると判定する確率が図49に示すように20/100となっている。また、ステップB147で取得されるはずれ特殊予告実行判定テーブルでは、特殊予告を実行すると判定する確率が図49に示すように5/100となっている。また、ステップB145、ステップB146、ステップB151、ステップB153で設定される出現ポイント情報は、「2」前半変動中のブロックで予告を実行する旨の情報が設定される。
図53には、図50に示す予告振分処理におけるNリーチ予告判定処理(ステップB132)を示した。なお、上述の前半変動予告判定処理と同様の処理には同じ符号を付しており、異なる部分について説明する。
このNリーチ予告判定処理におけるステップB141、ステップB143、ステップB147、ステップB149で取得される各テーブルは、Nリーチ予告判定処理用のテーブルが選択される。このうち、ステップB141で取得される大当り特殊予告実行判定テーブルでは、特殊予告を実行すると判定する確率が図49に示すように30/100となっている。また、ステップB147で取得されるはずれ特殊予告実行判定テーブルでは、特殊予告を実行すると判定する確率が図49に示すように5/100となっている。また、ステップB145、ステップB146、ステップB151、ステップB153で設定される出現ポイント情報は、「3」Nリーチ中のブロックで予告を実行する旨の情報が設定される。
図54には、図50に示す予告振分処理におけるSPリーチ予告判定処理(ステップB133)を示した。なお、上述のNリーチ予告判定処理と同様の処理には同じ符号を付しており、異なる部分について説明する。
このSPリーチ予告判定処理では、大当り発生フラグがある場合(ステップB140;Yes)に行われる予告演出に関する処理(ステップB141からステップB146)を行った後、大当り発生フラグをクリアする処理(ステップB170)を行うようになっている。
また、このSPリーチ予告判定処理におけるステップB141、ステップB143、ステップB147、ステップB149で取得される各テーブルは、SPリーチ予告判定処理用のテーブルが選択される。このうち、ステップB141で取得される大当り特殊予告実行判定テーブルでは、特殊予告を実行すると判定する確率が図49に示すように30/100となっている。また、ステップB147で取得されるはずれ特殊予告実行判定テーブルでは、特殊予告を実行すると判定する確率が図49に示すように5/100となっている。また、ステップB145、ステップB146、ステップB151、ステップB153で設定される出現ポイント情報は、「4」SPリーチ中のブロックで予告を実行する旨の情報が設定される。
図55には、図50に示す予告振分処理における予告設定処理(ステップB134)を示した。この予告設定処理は、図41に示す予告設定処理におけるステップB71からステップB73及びステップB75からステップB77の処理を行うものである。この処理により、出現ポイント情報が設定されたブロックについて、実行する特殊予告や通常予告が選択されて設定される。
以上のことから、予告ブロック選択手段(演出制御装置300)は、変動表示ゲームの結果が特別結果でない場合は、何れか一つのブロックにて特殊予告演出の実行が選択された場合に他のブロックにて特殊予告演出の実行が選択されることを抑制する予告演出抑制手段(演出制御装置300)を備えていることとなる。
なお、ステップB141、ステップB143、ステップB147、ステップB149で取得される各テーブルを変動パターン毎に用意し、予告振分処理においては、特図変動表示ゲームで実行されないブロックについての予告判定処理を行わないようにしても良い。
次に、上述した実施形態の遊技機の第2変形例について説明する。なお、基本的には、上述の実施形態の遊技機と同様の構成を有しており、以下、同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
本変形例の遊技機は、予告演出A、Bともに特別遊技状態中における結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の存在を予告する演出を行うものとしている。予告演出Aは、上述の実施形態と同様に補助演出装置42aの発光により示唆報知と確定報知を行う。また、予告演出Bは、上述の実施形態と同様に所定のラウンド(ここでは6ラウンド)となると開始される演出であり、例えば、図44(b)に示すように桃太郎と鬼がじゃんけんをする演出を行う。そして、桃太郎が勝つことで結果が特別結果となる特図変動表示ゲームを実行する始動記憶の存在を明確に報知する演出となっている。
本変形例の遊技機では、特別遊技状態において図46、図47に示した処理に代えて図56、図57に示す処理を行う。なお、図56に示す予告演出B抽選処理は、特別遊技状態の開始時に図57に示す予告演出A抽選処理よりも先に実行される。
図56に示す予告演出B抽選処理では、まず、予告演出A待機フラグがあるか否かの判定(ステップB180)を行う。後述するように予告演出A待機フラグがある場合は、予告演出Aが実行されないようになっている。この予告演出A待機フラグがない場合(ステップB180;No)は、大当り発生であるか否かの判定(ステップB181)を行う。
大当り発生であるか否かの判定(ステップB181)では、特別遊技状態の開始時であるかが判定される。この大当り発生であるか否かの判定(ステップB181)において、大当り発生でない場合(ステップB181;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、大当り発生である場合(ステップB181;Yes)は、保留記憶(始動記憶)があるか否かの判定(ステップB182)を行う。
そして、保留記憶がない場合(ステップB182;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、保留記憶がある場合(ステップB182;Yes)は、予告演出B抽選乱数を抽出する処理(ステップB183)を行い、予告演出B判定テーブルを取得する処理(ステップB184)を行う。その後、予告演出B抽選乱数を予告演出B判定テーブルに参照して、予告演出Bを実行するか否かの判定(ステップB185)を行う。
予告演出Bを実行しない場合(ステップB185;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、予告演出Bを実行する場合(ステップB185;Yes)は、予告演出A待機フラグをセットする処理(ステップB186)を行い、予告演出B抽選処理を終了する。すなわち、特別遊技状態の開始時にのみ予告演出Bの実行が抽選され、実行すると決定された場合は、予告演出A待機フラグがセットされて予告演出Aの実行が禁止される。
一方、予告演出A待機フラグがある場合(ステップB180)は、5R目の終了タイミングであるか否かの判定(ステップB187)を行う。そして、5R目の終了タイミングでない場合(ステップB187;No)は、予告演出B抽選処理を終了する。また、5R目の終了タイミングである場合(ステップB187;Yes)は、変動待ち保留の始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得する処理(ステップB188)を行う。
変動待ち保留の始動口入賞演出図柄コマンドの値を取得する処理(ステップB188)、始動口入賞演出図柄コマンドの値が大当り値であるか否かの判定(ステップB189)、全ての変動待ち保留の判定が終了したか否かの判定(ステップB190)は、図46に示す予告演出A抽選処理のステップB83からステップB85の処理と同様である。すなわち、最先の始動記憶から判定を行い、特別結果となる始動記憶があった場合(ステップB189;Yes)には、予告演出Bとして特別結果となる始動記憶の存在を報知する演出を設定する処理として、予告演出B(成功)情報を設定する処理(ステップB192)を行う。この場合は、桃太郎がじゃんけんで勝つ演出が設定される。その後、天国モードフラグをセットし(ステップB193)、予告演出A待機フラグをクリアして(ステップB194)、予告演出B抽選処理を終了する。
一方、全ての変動待ち保留の判定が終了した場合(ステップB190;Yes)、すなわち、全てはずれであった場合は、予告演出B(失敗)情報を設定する処理(ステップB191)を行う。この場合は、桃太郎がじゃんけんで負ける演出が設定される。その後、予告演出A待機フラグをクリアして(ステップB194)、予告演出B抽選処理を終了する。
また、図57に示すように、予告演出A抽選処理では、まず、予告演出Aの実行を禁止する予告演出A禁止フラグがあるか否かの判定(ステップB200)を行う。この予告演出A禁止フラグがある場合(ステップB200;Yes)は、大当り終了であるか否かの判定(ステップB203)を行う。そして、大当り終了でない場合(ステップB203;No)は、予告演出A抽選処理を終了する。また、大当り終了である場合(ステップB203;Yes)は、予告演出A禁止フラグをクリアする処理(ステップB204)を行い、予告演出A抽選処理を終了する。
一方、予告演出A禁止フラグがない場合(ステップB200;No)は、上述した予告演出Bの実行が決定された際に設定される予告演出A待機フラグがあるか否かの判定(ステップB201)を行う。そして、予告演出A待機フラグがある場合(ステップB201;Yes)は、予告演出A禁止フラグをセットし(ステップB202)、予告演出A抽選処理を終了する。また、予告演出A待機フラグがない場合(ステップB201;No)は、保留記憶があるか否かの判定(ステップB80)の処理を行う。この処理以下の処理は図46に示す処理と同様の処理である。
すなわち、特別遊技状態が発生した際には、まず、予告演出Bを実行するか否かが決定され、予告演出Bを実行すると決定された場合は当該の特別遊技状態中における予告演出Aの実行が禁止される。これにより、特別遊技状態の所定ラウンドから開始される予告演出Bによる報知の前に予告演出Aにより結果が報知されてしまうことを防止でき、両方の予告を効果的に利用できるようになる。
以上のことから、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)による判定結果を示唆する報知である示唆報知を実行可能な報知手段(演出制御装置300)を備え、報知手段は、特別遊技実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行されるラウンド遊技ごとに示唆報知(予告演出A)を実行する第1報知手段(演出制御装置300)と、ラウンド遊技ごとに第1報知手段による示唆報知を実行するか否かを選択する第1報知実行選択手段(演出制御装置300)と、所定回数のラウンド遊技の実行後に示唆報知(予告演出B)を実行する第2報知手段(演出制御装置300)と、特別遊技の開始時に第2報知手段による示唆報知を実行するか否かを選択する第2報知実行選択手段(演出制御装置300)と、第2報知実行選択手段により第2報知手段による示唆報知の実行が選択された場合に、第1報知実行選択手段による第1報知手段での示唆報知の実行の選択を禁止する選択禁止手段(演出制御装置300)と、を備えていることとなる。
以上のような遊技機10は、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づき、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲームを実行可能な変動表示装置(特図1表示器51、特図2表示器52、表示装置41)を備え、変動表示ゲームの結果が特別結果なった場合に、遊技者に所定の遊技価値を付与する特別遊技を発生する遊技機であって、始動入賞領域への遊技球の入賞に基づき変動表示ゲームの実行権利となる始動記憶を所定の上限数まで記憶する始動入賞記憶手段(遊技制御装置100)と、始動入賞記憶手段に始動記憶と対応して記憶される遊技結果情報を当該始動記憶に基づく変動表示ゲームの実行前に判定する遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)と、遊技結果事前判定手段による判定結果を示唆する報知である示唆報知を実行可能な報知手段(演出制御装置300)と、特別遊技の実行制御を行う特別遊技実行制御手段(遊技制御装置100)と、を備え、特別遊技実行制御手段は、所定の遊技価値を遊技者に付与可能なラウンド遊技を複数回繰り返して実行するサイクル遊技によって、特別遊技を構成し、報知手段は、特別遊技実行制御手段によって実行されるラウンド遊技ごとに前記示唆報知を実行するか否かを選択する報知実行選択手段(演出制御装置300)を備えている。
したがって、報知手段は、特別遊技実行制御手段によって実行されるラウンド遊技ごとに示唆報知を実行するか否かを選択する報知実行選択手段を備えるので、特別遊技の実行中に発生する演出に対する遊技者の期待感を持続させ、特別遊技中の遊技の興趣を向上することができる。すなわち、複数のラウンドのうち、何れのラウンドで報知が発生するのか予想できないので、ラウンドが更新されるごとに報知の実行に対する期待を抱かせることができ、特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。また、実行中のラウンド遊技で報知が実行されなかった場合でも、次以降のラウンドで再度報知が実行される可能性があり、特別遊技の終了まで期待感を持続させることができる。
また、報知手段(演出制御装置300)は、示唆報知として、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶の存在を遊技者に示唆する報知を実行可能であり、報知実行選択手段(演出制御装置300)は、特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合は、存在しない場合よりも高い確率で示唆報知の実行を選択するようにしている。
したがって、報知実行選択手段は、特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合は、存在しない場合よりも高い確率で示唆報知の実行を選択するので、特別遊技の実行中に発生する演出に対する遊技者の期待感を持続させ、特別遊技中の遊技の興趣を向上することができる。すなわち、報知の頻度が高いほど特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する可能性が高く、各回のラウンド遊技において報知の実行に対する期待を抱かせることができ、特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。
また、報知手段(演出制御装置300)は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶の存在を遊技者に明確に報知する確定報知を実行可能であり、報知実行選択手段(演出制御装置300)は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合は、特別遊技実行制御手段(遊技制御装置100)によって実行されるラウンド遊技ごとに示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かを選択するようにしている。
したがって、報知実行選択手段は、遊技結果事前判定手段により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合は、特別遊技実行制御手段によって実行されるラウンド遊技ごとに示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かを選択するので、特別遊技の実行中に発生する演出に対する遊技者の期待感を持続させ、特別遊技中の遊技の興趣を向上することができる。すなわち、示唆報知の頻度が高いほど特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する可能性が高く、各回のラウンド遊技において報知の実行に対する期待を抱かせることができ、特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。さらに、各回のラウンド遊技において確定報知の実行に対する期待も抱かせることができ、より一層特別遊技の全期間に亘り演出に対する期待感を持続させることができる。
また、報知実行選択手段(演出制御装置300)は、遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が複数存在する場合には、先に特別結果となる変動表示ゲームを実行する始動記憶を対象として示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かを選択するようにしている。
したがって、報知実行選択手段は、遊技結果事前判定手段により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が複数存在する場合には、先に特別結果となる変動表示ゲームを実行する始動記憶を対象として示唆報知もしくは確定報知を実行するか否かを選択するので、報知に関する制御装置での処理を軽減することができる。すなわち、先に消化される始動記憶から順に遊技結果事前判定手段による判定結果をチェックし、途中に特別結果となる始動記憶があった場合は、その始動記憶を対象として報知を行えば良く、常にすべての始動記憶をチェックする必要がないので制御装置での処理を軽減することができる。また、先に発生する特別結果を対象とすることで報知の対象が明確となることから、単に特別結果となる可能性を示唆する以外に特別結果の種類なども考慮した報知を行うようにすることもでき、報知の内容を多彩なものとすることができて興趣を向上することができる。
また、特別結果の種類に基づき、特別遊技の終了後における変動表示ゲームの結果が特別結果となる確率状態を、通常確率状態と該通常確率状態よりも高い高確率状態との何れかに設定する確率設定手段(遊技制御装置100)と、遊技の演出が異なる複数の遊技モードから、一の遊技モードを選択する遊技モード選択手段(演出制御装置300)と、を備え、遊技モード選択手段は、特別遊技の終了後の遊技モードとして、高確率状態が設定された場合及び遊技結果事前判定手段(遊技制御装置100)により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合にのみ特定の遊技モードを選択可能である。
したがって、遊技モード選択手段は、特別遊技の終了後の遊技モードとして、高確率状態が設定された場合及び遊技結果事前判定手段により特別結果となる変動表示ゲームを実行すると判定された始動記憶が存在する場合にのみ特定の遊技モードを選択可能であるので、特別遊技の終了後まで遊技者の期待感を持続させることができる。すなわち、特別遊技の終了後に特定の遊技モードとなれば再度特別結果となる可能性が極めて高いことが報知されることとなり、特別遊技中の示唆報知の結果を明確に報知することができる。また、特別結果となる始動記憶がある場合には確率状態にかかわらず高確率状態が設定された場合に移行可能な特定の遊技モードに移行可能であるので、特別結果として高確率状態となる種類の特別結果が選択される割合が高い遊技機であるという印象を与えることができ、当該遊技機で継続して遊技を行う意欲を高めることができる。
なお、本発明の遊技機は、遊技機として、前記実施の形態に示されるようなパチンコ遊技機に限られるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技球を使用する全ての遊技機に適用可能である。
また、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。