[第1実施形態]
以下、本発明の好適な実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施形態の遊技機の説明図である。
本実施形態の遊技機10は前面枠12を備え、該前面枠12は本体枠(外枠)11にヒンジ13を介して開閉回動可能に組み付けられている。遊技盤30(図2参照)は前面枠12の表側に形成された収納部(図示省略)に収納されている。また、前面枠(内枠)12には、遊技盤30の前面を覆うカバーガラス(透明部材)14を備えたガラス枠15が取り付けられている。
また、ガラス枠15の上部には、ランプ及びモータを内蔵した照明装置(ムービングライト)16や払出異常報知用のランプ(LED)17が設けられている。また、ガラス枠15の左右にはランプ等を内蔵し装飾や演出のための発光をする枠装飾装置18や、音響(例えば、効果音)を発するスピーカ(上スピーカ)19aが設けられている。さらに、前面枠12の下部にもスピーカ(下スピーカ)19bが設けられている。
また、前面枠12の下部には、図示しない打球発射装置に遊技球を供給する上皿21、遊技機10の裏面側に設けられている球払出装置から払い出された遊技球が流出する上皿球出口22、上皿21が一杯になった状態で払い出された遊技球を貯留する下皿23及び打球発射装置の操作部24が設けられている。さらに、上皿21の上縁部には、遊技者からの操作入力を受け付けるための操作スイッチを内蔵した演出ボタン25が設けられている。さらに、前面枠12下部右側には、前面枠12を開放したり施錠したりするための鍵26が設けられている。
この実施形態の遊技機10においては、遊技者が上記操作部24を回動操作することによって、打球発射装置が、上皿21から供給される遊技球を遊技盤30前面の遊技領域32に向かって発射する。また、遊技者が演出ボタン25を操作することによって、表示装置41(図2参照)における変動表示ゲーム(飾り特図変動表示ゲーム)において、遊技者の操作を介入させた演出等を行わせることができる。さらに、上皿21上方のガラス枠15の前面には、遊技者が隣接する球貸機から球貸しを受ける場合に操作する球貸ボタン27、球貸機のカードユニットからプリペイドカードを排出させるために操作する排出ボタン28、プリペイドカードの残高を表示する残高表示部(図示省略)等が設けられている。
次に、図2を用いて遊技盤30の一例について説明する。図2は、本実施形態の遊技盤30の正面図である。
遊技盤30の表面には、ガイドレール31で囲われた略円形状の遊技領域32が形成されている。遊技領域32は、遊技盤30の四隅に各々設けられた樹脂製のサイドケース33及びガイドレール31に囲繞されて構成される。遊技領域32には、ほぼ中央に表示装置41を備えたセンターケース40が配置されている。表示装置41は、センターケース40に設けられた凹部に、センターケース40の前面より奥まった位置に取り付けられている。即ち、センターケース40は表示装置41の表示領域の周囲を囲い、表示装置41の表示面よりも前方へ突出するように形成されている。
表示装置41は、例えば、LCD(液晶表示器)、CRT(ブラウン管)等の表示画面を有する装置で構成されている。表示画面の画像を表示可能な領域(表示領域)には、複数の識別情報(特別図柄)や特図変動表示ゲームを演出するキャラクタや演出効果を高める背景画像等が表示される。表示装置41の表示画面においては、識別情報として割り当てられた複数の特別図柄が変動表示(可変表示)されて、特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームが行われる。また、表示画面には遊技の進行に基づく演出のための画像(例えば、大当り表示画像、ファンファーレ表示画像、エンディング表示画像等)が表示される。
遊技領域32のセンターケース40の左側には、普通図柄始動ゲート(普図始動ゲート)34が設けられている。センターケース40の左下側には、三つの一般入賞口35が配置され、センターケース40の右下側には、一つの一般入賞口35が配置されている。
これら一般入賞口35、…には、各一般入賞口35に入った遊技球を検出するための入賞口スイッチ35a〜35n(図3参照)が配設されている。
また、センターケース40の下方には、特図変動表示ゲームの開始条件を与える始動入賞領域としての始動入賞口36が設けられ、その直下には上部に逆「ハ」の字状に開いて遊技球が流入し易い状態に変換する一対の可動部材37b、37bを備えるとともに内部に第2始動入賞口(始動入賞領域)を有する普通変動入賞装置(普電)37が配設されている。
普通変動入賞装置37の一対の開閉部材37b,37bは、常時は遊技球の直径程度の間隔をおいた閉じた閉状態(遊技者にとって不利な状態)を保持している。ただし、普通変動入賞装置37の上方には、始動入賞口36が設けられているので、閉じた状態では遊技球が入賞できないようになっている。
そして、普図変動表示ゲームの結果が所定の停止表示態様となった場合には、駆動装置としての普電ソレノイド37c(図3参照)によって、逆「ハ」の字状に開いて普通変動入賞装置37に遊技球が流入し易い開状態(遊技者にとって有利な状態)に変化させられるようになっている。
さらに、普通変動入賞装置37の下方には、特図変動表示ゲームの結果によって遊技球を受け入れない状態と受け入れ易い状態とに変換可能な特別変動入賞装置(大入賞口)38が配設されている。
特別変動入賞装置38は、上端側が手前側に倒れる方向に回動して開放可能になっているアタッカ形式の開閉扉38cを有しており、補助遊技としての特図変動表示ゲームの結果如何によって大入賞口を閉じた状態(遊技者にとって不利な閉塞状態)から開放状態(遊技者にとって有利な状態)に変換する。
即ち、特別変動入賞装置38は、例えば、駆動装置としての大入賞口ソレノイド38b(図3参照)により駆動される開閉扉38cによって開閉される大入賞口を備え、特別遊技状態中は、大入賞口を閉じた状態から開いた状態に変換することにより大入賞口内への遊技球の流入を容易にさせ、遊技者に所定の遊技価値(賞球)を付与するようになっている。
なお、大入賞口の内部(入賞領域)には、当該大入賞口に入った遊技球を検出する検出手段としてのカウントスイッチ38a(図3参照)が配設されている。
特別変動入賞装置38の下方には、入賞口などに入賞しなかった遊技球を回収するアウト口39が設けられている。
また、遊技領域32の外側(例えば、遊技盤30の右下部)には、特図変動表示ゲームをなす第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲーム及び普図始動ゲート34への入賞をトリガとする普図変動表示ゲームを一箇所で実行する一括表示装置50が設けられている。
一括表示装置50は、7セグメント型の表示器(LEDランプ)等で構成された第1特図変動表示ゲーム用の第1特図変動表示部(第1特図表示器)51及び第2特図変動表示ゲーム用の第2特図変動表示部(第2特図表示器)52と、を備える。また、一括表示装置50には、図示は省略するが、普図変動表示ゲーム用の変動表示部(普図表示器)、LEDランプ4つで構成された特図1変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図1保留表示器および特図2変動表示ゲームの始動記憶数報知用の特図2保留表示器、LEDランプ2つで構成された普図変動表示ゲームの始動記憶数報知用の普図保留表示器、大当りが発生すると点灯して大当り発生を報知する第1遊技状態表示器、時短状態が発生すると点灯して時短状態発生を報知する第2遊技状態表示器、遊技機10の電源投入時に大当りの確率状態が高確率状態となっていることを表示する高確率報知器、大当り時のラウンド数(特別変動入賞装置38の開閉回数)を表示するラウンド数表示器が設けられている。
第1特図表示器51と第2特図表示器52における特図変動表示ゲームは、例えば変動表示ゲームの実行中、即ち、表示装置41において飾り特図変動表示ゲームを行っている間は、中央のセグメントを点滅駆動させて変動中であることを表示する。そして、ゲームの結果が「はずれ」のときは、はずれの結果態様として例えば中央のセグメントを点灯状態にし、ゲームの結果が「大当り」のときは、当りの結果態様(特別結果態様)としてはずれの結果態様以外の結果態様(例えば「3」や「7」の数字等)を点灯状態にしてゲーム結果を表示する。
本実施形態の遊技機10では、打球発射装置から遊技領域32に向けて遊技球(パチンコ球)が打ち出されることによって遊技が行われる。打ち出された遊技球は、遊技領域32内の各所に配置された障害釘や風車等の方向転換部材によって転動方向を変えながら遊技領域32を流下し、普図始動ゲート34、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に入賞するか、遊技領域32の最下部に設けられたアウト口39へ流入し遊技領域から排出される。そして、一般入賞口35、始動入賞口36、普通変動入賞装置37又は特別変動入賞装置38に遊技球が入賞すると、入賞した入賞口の種類に応じた数の賞球が、払出制御装置200によって制御される払出ユニットから、前面枠12の上皿21又は下皿23に排出される。
一方、普図始動ゲート34内には、該普図始動ゲート34を通過した遊技球を検出するための非接触型のスイッチなどからなるゲートスイッチ34a(図3参照)が設けられており、遊技領域32内に打ち込まれた遊技球が普図始動ゲート34内を通過すると、ゲートスイッチ34aにより検出されて普図変動表示ゲームが行われる。
また、普図変動表示ゲームを開始できない状態、例えば、既に普図変動表示ゲームが行われ、その普図変動表示ゲームが終了していない状態や、普図変動表示ゲームが当って普通変動入賞装置37が開状態に変換されている場合に、普図始動ゲート34を遊技球が通過すると、普図始動記憶数の上限数未満でならば、普図始動記憶数が加算(+1)されて普図始動記憶が1つ記憶されることとなる。この普図始動入賞の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の普図保留表示器(図示省略)に表示される。
また、普図始動記憶には、普図変動表示ゲームの当りはずれを決定するための当り判定用乱数値が記憶されるようになっていて、この当り判定用乱数値が判定値と一致した場合に、当該普図変動表示ゲームが当りとなって特定の結果態様(特定結果)が導出されることとなる。
普図変動表示ゲームは、一括表示装置50に設けられた変動表示部(普図表示器)(図示省略)で実行されるようになっている。普図表示器は、普通識別情報(普図、普通図柄)として点灯状態の場合に当りを示し、消灯状態の場合にはずれを示すLEDから構成され、このLEDを点滅表示することで普通識別情報の変動表示を行い、所定の変動表示時間の経過後、LEDを点灯又は消灯することで結果を表示するようになっている。
なお、普通識別情報として例えば数字、記号、キャラクタ図柄などを用い、これを所定時間変動表示させた後、停止表示させることにより行うように構成しても良い。この普図変動表示ゲームの停止表示が特定結果となれば、普図の当りとなって、普通変動入賞装置37の一対の可動部材37bが所定時間(例えば、0.3秒間)開放される開状態となる。これにより、普通変動入賞装置37の内部の第2始動入賞口へ遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームが実行される回数が多くなる。
普図始動ゲート34への通過検出時に抽出した普図乱数値が当り値であるときには、普図表示器に表示される普通図柄が当り状態で停止し、当り状態となる。このとき、普通変動入賞装置37は、内蔵されている普電ソレノイド37c(図3参照)が駆動されることにより、可動部材37bが所定の時間(例えば、0.3秒間)だけ開放する状態に変換され、遊技球の入賞が許容される。
始動入賞口36への入賞球及び普通変動入賞装置37への入賞球は、それぞれは内部に設けられた始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aによって検出される。始動入賞口36へ入賞した遊技球は第1特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶されるとともに、普通変動入賞装置37へ入賞した遊技球は第2特図変動表示ゲームの始動入賞球として検出され、所定の上限数(例えば、4個)を限度に記憶される。
また、この始動入賞球の検出時にそれぞれ大当り乱数値や大当り図柄乱数値、並びに各変動パターン乱数値が抽出され、抽出された乱数値は、遊技制御装置100(図3参照)内の特図記憶領域(RAMの一部)に特図始動記憶として各々所定回数(例えば、最大で4回分)を限度に記憶される。そして、この特図始動記憶の記憶数は、一括表示装置50の始動入賞数報知用の特図1、特図2保留表示器(図示省略)に表示されるとともに、センターケース40の表示装置41においても表示される。
遊技制御装置100は、始動入賞口36若しくは普通変動入賞装置37への入賞、又は当該入賞装置への入賞により発生する始動記憶に基づいて、特図1表示器51又は特図2表示器52で第1又は第2特図変動表示ゲームを行う。
第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームは、複数の特別図柄(特図、識別情報)を変動表示したのち、所定の結果態様を停止表示することで行われる。また、表示装置41にて各特図変動表示ゲームに対応して複数種類の識別情報(例えば、数字、記号、キャラクタ図柄など)を変動表示させる飾り特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
そして、特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51若しくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。また、これに対応して表示装置41の表示態様も特別結果態様となる。
表示装置41における飾り特図変動表示ゲームは、例えば上述した数字等で構成される飾り特別図柄(識別情報)が左(第一特別図柄)、右(第二特別図柄)、中(第三特別図柄)の順に変動表示を開始して、所定時間後に変動している図柄を順次停止させて、特図変動表示ゲームの結果を表示することで行われる。また、表示装置41では、特図始動記憶数に対応する飾り特別図柄による変動表示ゲームを行うとともに、興趣向上のためにキャラクタの出現など多様な演出表示が行われる。
なお、特図1表示器51、特図2表示器52は、別々の表示器でも良いし同一の表示器でも良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように各特図変動表示ゲームが表示される。また、表示装置41も、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームで別々の表示装置や別々の表示領域を使用するとしても良いし、同一の表示装置や表示領域を使用するとしても良いが、各々独立して、また、同時には実行しないように飾り特図変動表示ゲームが表示される。また、遊技機10に特図1表示器51、特図2表示器52を備えずに、表示装置41のみで特図変動表示ゲームを実行するようにしても良い。
また、第2特図変動表示ゲームは、第1特図変動表示ゲームよりも優先して実行されるようになっている。即ち、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームの始動記憶がある場合であって、特図変動表示ゲームの実行が可能となった場合は、第2特図変動表示ゲームが実行されるようになっている。
また、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態で、且つ、始動記憶数が0の状態で、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動権利の発生に伴って始動記憶が記憶されて、始動記憶数が1加算されるととともに、直ちに始動記憶に基づいて、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始され、この際に始動記憶数が1減算される。
一方、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が直ちに開始できない状態、例えば、既に第1若しくは第2特図変動表示ゲームが行われ、その特図変動表示ゲームが終了していない状態や、特別遊技状態となっている場合に、始動入賞口36(若しくは、普通変動入賞装置37)に遊技球が入賞すると、始動記憶数が上限数未満ならば、始動記憶数が1加算されて始動記憶が1つ記憶されることになる。そして、始動記憶数が1以上となった状態で、第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始可能な状態(前回の特図変動表示ゲームの終了若しくは特別遊技状態の終了)となると、始動記憶数が1減算されるとともに、記憶された始動記憶に基づいて第1特図変動表示ゲーム(第2特図変動表示ゲーム)が開始される。
なお、以下の説明において、第1特図変動表示ゲームと第2特図変動表示ゲームを区別しない場合は、単に特図変動表示ゲームと称する。
なお、特に限定されるわけではないが、上記始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aには、磁気検出用のコイルを備え該コイルに金属が近接すると磁界が変化する現象を利用して遊技球を検出する非接触型の磁気近接センサ(以下、近接スイッチと称する)が使用されている。遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63や前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64には、機械的な接点を有するマイクロスイッチを用いることができる。
図3は、本実施形態の遊技機10の制御システムのブロック図である。
遊技機10は遊技制御装置100を備え、遊技制御装置100は、遊技を統括的に制御する主制御装置(主基板)であって、遊技用マイクロコンピュータ(以下、遊技用マイコンと称する)111を有するCPU部110と、入力ポートを有する入力部120と、出力ポートやドライバなどを有する出力部130、CPU部110と入力部120と出力部130との間を接続するデータバス140などからなる。
上記CPU部110は、アミューズメントチップ(IC)と呼ばれる遊技用マイコン(CPU)111と、入力部120内の近接スイッチ用のインタフェースチップ(近接I/F)121からの信号(始動入賞検出信号)を論理反転して遊技用マイコン111に入力させるインバータなどからなる反転回路112と、水晶振動子のような発振子を備え、CPUの動作クロックやタイマ割込み、乱数生成回路の基準となるクロックを生成する発振回路(水晶発振器)113などを有する。遊技制御装置100及び該遊技制御装置100によって駆動されるソレノイドやモータなどの電子部品には、電源装置400で生成されたDC32V,DC12V,DC5Vなど所定のレベルの直流電圧が供給されて動作可能にされる。
電源装置400は、24Vの交流電源から上記DC32Vの直流電圧を生成するAC−DCコンバータやDC32Vの電圧からDC12V,DC5Vなどのより低いレベルの直流電圧を生成するDC−DCコンバータなどを有する通常電源部410と、遊技用マイコン111の内部のRAMに対して停電時に電源電圧を供給するバックアップ電源部420と、停電監視回路や初期化スイッチを有し遊技制御装置100に停電の発生、回復を知らせる停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの制御信号を生成して出力する制御信号生成部430などを備える。
この実施形態では、電源装置400は、遊技制御装置100と別個に構成されているが、バックアップ電源部420及び制御信号生成部430は、別個の基板上あるいは遊技制御装置100と一体、即ち、主基板上に設けるように構成してもよい。遊技盤30及び遊技制御装置100は機種変更の際に交換の対象となるので、実施例のように、電源装置400若しくは主基板とは別の基板にバックアップ電源部420及び制御信号生成部430を設けることにより、交換の対象から外しコストダウンを図ることができる。
上記バックアップ電源部420は、電解コンデンサのような大容量のコンデンサ1つで構成することができる。バックアップ電源は、遊技制御装置100の遊技用マイコン111(特に内蔵RAM)に供給され、停電中あるいは電源遮断後もRAMに記憶されたデータが保持されるようになっている。制御信号生成部430は、例えば通常電源部410で生成された32Vの電圧を監視してそれが例えば17V以下に下がると停電発生を検出して停電監視信号を変化させるとともに、所定時間後にリセット信号を出力する。また、電源投入時や停電回復時にもその時点から所定時間経過後にリセット信号を出力する。
初期化スイッチ信号は初期化スイッチがオン状態にされたときに生成される信号で、遊技用マイコン111内のRAM111C及び払出制御装置200内のRAMに記憶されている情報を強制的に初期化する。特に限定されるわけではないが初期化スイッチ信号は電源投入時に読み込まれ、停電監視信号は遊技用マイコン111が実行するメインプログラムのメインループの中で繰り返し読み込まれる。リセット信号は強制割込み信号の一種であり、制御システム全体をリセットさせる。
遊技用マイコン111は、遊技を統括的に制御する制御手段を構成している。具体的には、遊技用マイコン111は、CPU(中央処理ユニット:マイクロプロセッサ)111A、読出し専用のROM(リードオンリメモリ)111B及び随時読出し書込み可能なRAM(ランダムアクセスメモリ)111Cを備える。
ROM111Bは、遊技制御のための不変の情報(プログラム、固定データ、各種乱数の判定値等)を不揮発的に記憶し、RAM111Cは、遊技制御時にCPU111Aの作業領域や各種信号や乱数値の記憶領域として利用される。ROM111B又はRAM111Cとして、EEPROMのような電気的に書換え可能な不揮発性メモリを用いてもよい。
また、ROM111Bは、例えば、特図変動表示ゲームの実行時間、演出内容、リーチ状態の発生の有無などを規定する変動パターンを決定するための変動パターンテーブルを記憶している。
変動パターンテーブルとは、始動記憶として記憶されている変動パターン乱数1〜3をCPU111Aが参照して変動パターンを決定するためのテーブルである。また、変動パターンテーブルには、結果がはずれとなる場合に選択されるはずれ変動パターンテーブル、結果が15R確変当りや2R確変当りとなる場合に選択される大当り変動パターンテーブル等が含まれる。
また、リーチ(リーチ状態)とは、表示状態が変化可能な表示装置を有し、該表示装置が時期を異ならせて複数の表示結果を導出表示し、該複数の表示結果が予め定められた特別結果態様となった場合に、遊技状態が遊技者にとって有利な遊技状態(特別遊技状態)となる遊技機10において、複数の表示結果の一部がまだ導出表示されていない段階で、既に導出表示されている表示結果が特別結果態様となる条件を満たしている表示状態をいう。また、別の表現をすれば、リーチ状態とは、表示装置の変動表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点でも、特別結果態様となる表示条件からはずれていない表示態様をいう。そして、例えば、特別結果態様が揃った状態を維持しながら複数の変動表示領域による変動表示を行う状態(いわゆる全回転リーチ)もリーチ状態に含まれる。また、リーチ状態とは、表示装置の表示制御が進行して表示結果が導出表示される前段階にまで達した時点での表示状態であって、表示結果が導出表示される以前に決定されている複数の変動表示領域の表示結果の少なくとも一部が特別結果態様となる条件を満たしている場合の表示状態をいう。
よって、例えば、特図変動表示ゲームに対応して表示装置に表示される飾り特図変動表示ゲームが、表示装置における左、中、右の変動表示領域の各々で所定時間複数の識別情報を変動表示した後、左、右、中の順で変動表示を停止して結果態様を表示するものである場合、左、右の変動表示領域で、特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報)で変動表示が停止した状態がリーチ状態となる。またこの他に、すべての変動表示領域の変動表示を一旦停止した時点で、左、中、右のうち何れか二つの変動表示領域で特別結果態様となる条件を満たした状態(例えば、同一の識別情報となった状態、ただし特別結果態様は除く)をリーチ状態とし、このリーチ状態から残りの一つの変動表示領域を変動表示するようにしても良い。そして、このリーチ状態には複数のリーチ演出が含まれ、特別結果態様が導出される可能性が異なる(信頼度が異なる)リーチ演出として、ノーマルリーチ、スペシャル1リーチ、スペシャル2リーチ、スペシャル3リーチ等が設定されている。
なお、信頼度は、リーチなし<ノーマルリーチ<スペシャル1リーチ<スペシャル2リーチ<スペシャル3リーチの順に高くなるようになっている。また、このリーチ状態は、少なくとも特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出される場合(大当りとなる場合)における変動表示態様に含まれるようになっている。即ち、特図変動表示ゲームで特別結果態様が導出されないと判定すると(はずれとなる場合)における変動表示態様に含まれることもある。よって、リーチ状態が発生した状態は、リーチ状態が発生しない場合に比べて大当りとなる可能性の高い状態である。
CPU111Aは、ROM111B内の遊技制御用プログラムを実行して、払出制御装置200や演出制御装置300に対する制御信号(コマンド)を生成したりソレノイドや表示装置の駆動信号を生成して出力して遊技機10全体の制御を行う。
また、図示しないが、遊技用マイコン111は、特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数(大当り判定用乱数)や大当りの図柄を決定するための大当り図柄用乱数、特図変動表示ゲームでの変動パターン(各種リーチやリーチ無しの変動表示における変動表示ゲームの実行時間等を含む)を決定するための変動パターン乱数(変動態様決定用乱数)、普図変動表示ゲームの当たり判定用乱数等を生成するための乱数生成回路と、発振回路113からの発振信号(原クロック信号)に基づいてCPU111Aに対する所定周期(例えば、4ミリ秒)のタイマ割込み信号や乱数生成回路の更新タイミングを与えるクロックを生成するクロックジェネレータを備えている。
また、CPU111Aは、後述する特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理(ステップA1)や特図普段処理(ステップA9)にて、ROM111Bに記憶されている複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを取得する。具体的には、CPU111Aは、特図変動表示ゲームの遊技結果(大当り或いははずれ)や、現在の遊技状態としての特図変動表示ゲームの確率状態(通常確率状態或いは高確率状態)、現在の遊技状態としての普通変動入賞装置37の動作状態(通常動作状態或いは時短動作状態)、始動記憶数、停電復旧直後等の所定のタイミングなどに基づいて、複数の変動パターンテーブルの中から、何れか一の変動パターンテーブルを選択して取得する。
払出制御装置200は、図示しないが、CPU、ROM、RAM、入力インタフェース、出力インタフェース等を備え、遊技制御装置100からの賞球払出し指令(コマンドやデータ)に従って、払出ユニットの払出モータを駆動させ、賞球を払い出させるための制御を行う。また、払出制御装置200は、カードユニットからの貸球要求信号に基づいて払出ユニットの払出モータを駆動させ、貸球を払い出させるための制御を行う。
遊技用マイコン111の入力部120には、始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、普図始動ゲート34内のゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aに接続され、これらのスイッチから供給されるハイレベルが11Vでロウレベルが7Vのような負論理の信号が入力され、0V−5Vの正論理の信号に変換するインタフェースチップ(近接I/F)121が設けられている。近接I/F121は、入力の範囲が7V−11Vとされることで、近接スイッチのリード線が不正にショートされたり、スイッチがコネクタから外されたり、リード線が切断されてフローティングになったような異常な状態を検出することができ、異常検知信号を出力するように構成されている。
近接I/F121の出力はすべて第2入力ポート122へ供給されデータバス140を介して遊技用マイコン111に読み込まれるとともに、主基板100から中継基板70を介して図示しない試射試験装置へ供給されるようになっている。また、近接I/F121の出力のうち始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aの検出信号は、第2入力ポート122の他、反転回路112を介して遊技用マイコン111へ入力されるように構成されている。反転回路112を設けているのは、遊技用マイコン111の信号入力端子が、マイクロスイッチなどからの信号が入力されることを想定し、かつ負論理、即ち、ロウレベル(0V)を有効レベルとして検知するように設計されているためである。
従って、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aとしてマイクロスイッチを使用する場合には、反転回路112を設けずに直接遊技用マイコン111へ検出信号を入力させるように構成することができる。つまり、始動口1スイッチ36aと始動口2スイッチ37aからの負論理の信号を直接遊技用マイコン111へ入力させたい場合には、近接スイッチを使用することはできない。上記のように近接I/F121は、信号のレベル変換機能を有する。このようなレベル変換機能を可能にするため、近接I/F121には、電源装置400から通常のICの動作に必要な例えば5Vのような電圧の他に、12Vの電圧が供給されるようになっている。
また、入力部120には、遊技機10の前面枠12等に設けられた不正検出用の磁気センサスイッチ61及び振動センサスイッチ62からの信号及び上記近接I/F121により変換された始動入賞口36内の始動口1スイッチ36a、普通変動入賞装置37内の始動口2スイッチ37a、ゲートスイッチ34a、一般入賞口スイッチ35a〜35n、カウントスイッチ38aからの信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第2入力ポート122が設けられている。第2入力ポート122が保持しているデータは、遊技用マイコン111が第2入力ポート122に割り当てられているアドレスをデコードすることによってイネーブル信号CE1をアサート(有効レベルに変化)することよって、読み出すことができる。後述の他のポートも同様である。
さらに、入力部120には、遊技機10のガラス枠15等に設けられた前枠開放検出スイッチ63及び前面枠(遊技枠)12等に設けられた遊技枠開放検出スイッチ64からの信号及び払出制御装置200からの払出異常を示すステータス信号や払出し前の遊技球の不足を示すシュート球切れスイッチ信号、オーバーフローを示すオーバーフロースイッチ信号を取り込んでデータバス140を介して遊技用マイコン111に供給する第1入力ポート123が設けられている。オーバーフロースイッチ信号は、下皿23に遊技球が所定量以上貯留されていること(満杯になったこと)を検出したときに出力される信号である。
また、入力部120には、電源装置400からの停電監視信号や初期化スイッチ信号、リセット信号などの信号を遊技用マイコン111等に入力するためのシュミットトリガ回路124が設けられており、シュミットトリガ回路124はこれらの入力信号からノイズを除去する機能を有する。電源装置400からの信号のうち停電監視信号と初期化スイッチ信号は、一旦第1入力ポート123に入力され、データバス140を介して遊技用マイコン111に取り込まれる。つまり、上述の各種スイッチからの信号と同等の信号として扱われる。遊技用マイコン111に設けられている外部からの信号を受ける端子の数には制約があるためである。
一方、シュミットトリガ回路124によりノイズ除去されたリセット信号RSTは、遊技用マイコン111に設けられているリセット端子に直接入力されるとともに、出力部130の各ポートに供給される。また、リセット信号RSTは出力部130を介さずに直接中継基板70に出力することで、試射試験装置へ出力するために中継基板70のポート(図示省略)に保持される試射試験信号をオフするように構成されている。また、リセット信号RSTを中継基板70を介して試射試験装置へ出力可能に構成するようにしてもよい。なお、リセット信号RSTは入力部120の各ポート122,123には供給されない。リセット信号RSTが入る直前に遊技用マイコン111によって出力部130の各ポートに設定されたデータはシステムの誤動作を防止するためリセットする必要があるが、リセット信号RSTが入る直前に入力部120の各ポートから遊技用マイコン111が読み込んだデータは、遊技用マイコン111のリセットによって廃棄されるためである。
出力部130は、データバス140に接続され払出制御装置200へ出力する4ビットのデータ信号とデータの有効/無効を示す制御信号(データストローブ信号)及び演出制御装置300へ出力するデータストローブ信号SSTBを生成する第1出力ポート131と、演出制御装置300へ出力する8ビットのデータ信号を生成する第2出力ポート132とを備える。遊技制御装置100から払出制御装置200及び演出制御装置300へは、パラレル通信でデータが送信される。また、出力部130には、演出制御装置300の側から遊技制御装置100へ信号を入力できないようにするため、即ち、片方向通信を担保するために第1出力ポート131からの上記データストローブ信号SSTB及び第2出力ポート132からの8ビットのデータ信号を出力する単方向のバッファ133が設けられている。なお、第1出力ポート131から払出制御装置200へ出力する信号に対してもバッファを設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、データバス140に接続され図示しない認定機関の試射試験装置へ変動表示ゲームの特図図柄情報を知らせるデータや大当りの確率状態を示す信号などを中継基板70を介して出力するバッファ134が実装可能に構成されている。このバッファ134は遊技店に設置される実機(量産販売品)としてのパチンコ遊技機の遊技制御装置(主基板)には実装されない部品である。なお、前記近接I/F121から出力される始動口スイッチなど加工の必要のないスイッチの検出信号は、バッファ134を通さずに中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。
一方、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62のようにそのままでは試射試験装置へ供給できない検出信号は、一旦遊技用マイコン111に取り込まれて他の信号若しくは情報に加工されて、例えば遊技機が遊技制御できない状態であることを示すエラー信号としてデータバス140からバッファ134、中継基板70を介して試射試験装置へ供給される。なお、中継基板70には、上記バッファ134から出力された信号を取り込んで試射試験装置へ供給するポートや、バッファを介さないスイッチの検出信号の信号線を中継して伝達するコネクタなどが設けられている。中継基板70上のポートには、遊技用マイコン111から出力されるチップイネーブル信号CEも供給され、該信号CEにより選択制御されたポートの信号が試射試験装置へ供給されるようになっている。
また、出力部130には、データバス140に接続され特別変動入賞装置38を開成させるソレノイド(大入賞口ソレノイド)38bや普通変動入賞装置37の可動部材37bを開成させるソレノイド(普電ソレノイド)37cの開閉データと、一括表示装置50のLEDのカソード端子が接続されているデジット線のオン/オフデータを出力するための第3出力ポート135、一括表示装置50に表示する内容に応じてLEDのアノード端子が接続されているセグメント線のオン/オフデータを出力するための第4出力ポート136、大当り情報など遊技機10に関する情報を外部情報端子71へ出力するための第5出力ポート137が設けられている。外部情報端子71から出力された遊技機10に関する情報は、例えば遊技店に設置された情報収集端末や遊技場内部管理装置(図示省略)に供給される。
さらに、出力部130には、第3出力ポート135から出力される大入賞口ソレノイド38bの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号や普電ソレノイド37cの開閉データ信号を受けてソレノイド駆動信号を生成し出力する第1ドライバ(駆動回路)138a、第3出力ポート135から出力される一括表示装置50の電流引き込み側のデジット線のオン/オフ駆動信号を出力する第2ドライバ138b、第4出力ポート136から出力される一括表示装置50の電流供給側のセグメント線のオン/オフ駆動信号を出力する第3ドライバ138c、第5出力ポート137から管理装置等の外部装置へ供給する外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dが設けられている。
上記第1ドライバ138aには、32Vで動作するソレノイドを駆動できるようにするため、電源電圧としてDC32Vが電源装置400から供給される。また、一括表示装置50のセグメント線を駆動する第3ドライバ138cには、DC12Vが供給される。デジット線を駆動する第2ドライバ138bは、表示データに応じたデジット線を電流で引き抜くためのものであるため、電源電圧は12V又は5Vのいずれであってもよい。12Vを出力する第3ドライバ138cによりセグメント線を介してLEDのアノード端子に電流を流し込み、接地電位を出力する第2ドライバ138bによりカソード端子よりセグメント線を介して電流を引き抜くことで、ダイナミック駆動方式で順次選択されたLEDに電源電圧が流れて点灯される。外部情報信号を外部情報端子71へ出力する第4ドライバ138dは、外部情報信号に12Vのレベルを与えるため、DC12Vが供給される。なお、バッファ134や第3出力ポート135、第1ドライバ138a等は、遊技制御装置100の出力部130、即ち、主基板ではなく、中継基板70側に設けるようにしてもよい。
さらに、出力部130には、外部の検査装置500へ各遊技機の識別コードやプログラムなどの情報を送信するためのフォトカプラ139が設けられている。フォトカプラ139は、遊技用マイコン111が検査装置500との間でシリアル通信によってデータの送受信を行なえるように双方通信可能に構成されている。なお、かかるデータの送受信は、通常の汎用マイクロプロセッサと同様に遊技用マイコン111が有するシリアル通信端子を利用して行なわれるため、入力ポート122,123のようなポートは設けられていない。
次に、図4を用いて、演出制御装置300の構成について説明する。
演出制御装置300は、遊技用マイコン111と同様にアミューズメントチップ(IC)からなる主制御用マイコン(1stCPU)311と、該1stCPU311の制御下でもっぱら映像制御を行う映像制御用マイコン(2ndCPU)312と、該2ndCPU312からのコマンドやデータに従って表示装置41への映像表示のための画像処理を行うグラフィックプロセッサとしてのVDP(Video Display Processor)313と、各種のメロディや効果音などをスピーカ19a,19bから再生させるため音の出力を制御する音源LSI314を備えている。
上記主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、各CPUが実行するプログラムを格納したPROM(プログラマブルリードオンリメモリ)からなるプログラムROM321、322がそれぞれ接続され、VDP313にはキャラクタ画像や映像データが記憶された画像ROM323が接続され、音源LSI314には音声データが記憶された音声ROM324が接続されている。主制御用マイコン(1stCPU)311は、遊技用マイコン111からのコマンドを解析し、演出内容を決定して映像制御用マイコン312へ出力映像の内容を指示したり、音源LSI314への再生音の指示、装飾ランプの点灯、モータの駆動制御、演出時間の管理などの処理を実行する。主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312の作業領域を提供するRAMは、それぞれのチップ内部に設けられている。なお、作業領域を提供するRAMはチップの外部に設けるようにしてもよい。
特に限定されるわけではないが、主制御用マイコン(1stCPU)311と映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311と音源LSI314との間は、それぞれシリアル方式でデータの送受信が行なわれ、映像制御用マイコン(2ndCPU)312との間、主制御用マイコン(1stCPU)311とVDP313との間は、パラレル方式でデータの送受信が行なわれるように構成されている。パラレル方式でデータを送受信することで、シリアルの場合よりも短時間にコマンドやデータを送信することができる。VDP313には、画像ROM323から読み出されたキャラクタなどの画像データを展開したり加工したりするのに使用される超高速なVRAM(ビデオRAM)313aや、画像を拡大、縮小処理するためのスケーラ313b、LVDS(小振幅信号伝送)方式で表示装置41へ送信する映像信号を生成する信号変換回路313cなどが設けられている。
VDP313から主制御用マイコン311へは表示装置41の映像と前面枠12や遊技盤30に設けられている装飾ランプの点灯を同期させるために垂直同期信号VSYNCが入力される。さらに、VDP313から映像制御用マイコン312へは、VRAMへの描画の終了等処理状況を知らせるため割込み信号INT0〜n及び映像制御用マイコン312からのコマンドやデータの受信待ちの状態にあることを知らせるためのウェイト信号WAITが入力される。また、映像制御用マイコン312から主制御用マイコン311へは、映像制御用マイコン312が正常に動作していることを知らせるとともにコマンドの送信タイミングを与える同期信号SYNCが入力される。主制御用マイコン311と音源LSI314との間は、ハンドシェイク方式でコマンドやデータの送受信を行うために、呼び掛け(コール)信号CTSと応答(レスポンス)信号RTSが交換される。
なお、映像制御用マイコン(2ndCPU)312には、主制御用マイコン(1stCPU)311よりも高速なつまり高価なCPUが使用されている。主制御用マイコン(1stCPU)311とは別に映像制御用マイコン(2ndCPU)312を設けて処理を分担させることによって、主制御用マイコン(1stCPU)311のみでは実現困難な大画面で動きの速い映像を表示装置41に表示させることが可能となるとともに、映像制御用マイコン(2ndCPU)312と同等な処理能力を有するCPUを2個使用する場合に比べてコストの上昇を抑制することができる。また、CPUを2つ設けることによって、2つのCPUの制御プログラムを別々に並行して開発することが可能となり、これによって新機種の開発期間を短縮することができる。
また、演出制御装置300には、遊技制御装置100から送信されてくるコマンドを受信するインタフェースチップ(コマンドI/F)331が設けられている。このコマンドI/F331を介して、遊技制御装置100から演出制御装置300へ送信された変動開始コマンド、始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド、客待ちデモコマンド、ファンファーレコマンド、確率情報コマンド、変動停止コマンド、大当り終了コマンド等を、演出制御指令信号として受信する。遊技制御装置100の遊技用マイコン111はDC5Vで動作し、演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311はDC3.3Vで動作するため、コマンドI/F331には信号のレベル変換の機能が設けられている。
また、演出制御装置300には、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられているLED(発光ダイオード)を有する盤装飾装置42を駆動制御する盤装飾LED制御回路332、前面枠12に設けられているLED(発光ダイオード)を有する枠装飾装置(例えば枠装飾装置18等)を駆動制御する枠装飾LED制御回路333、遊技盤30(センターケース40を含む)に設けられている盤演出装置(例えば表示装置41における演出表示と協働して演出効果を高める電動役物等)44を駆動制御する盤演出モータ/SOL制御回路334、前面枠12に設けられているモータ(例えば前記ムービングライト16を動作させるモータ等)45を駆動制御する枠演出モータ制御回路335が設けられている。なお、ランプやモータ及びソレノイドなどを駆動制御するこれらの制御回路332〜335は、アドレス/データバス340を介して主制御用マイコン(1stCPU)311と接続されている。
さらに、演出制御装置300には、前面枠12に設けられた演出ボタン25に内蔵されているスイッチ25aや上記盤演出装置44内のモータの初期位置を検出する演出モータスイッチのオン/オフ状態を検出して主制御用マイコン(1stCPU)311へ検出信号を入力するスイッチ入力回路336、前面枠12に設けられた上スピーカ19aを駆動するオーディオパワーアンプなどからなるアンプ回路337a、前面枠12に設けられた下スピーカ19bを駆動するアンプ回路337bが設けられている。
電源装置400の通常電源部410は、上記のような構成を有する演出制御装置300やそれによって制御される電子部品に対して所望のレベルの直流電圧を供給するため、モータやソレノイドを駆動するためのDC32V、液晶パネルからなる表示装置41を駆動するためのDC12V、コマンドI/F331の電源電圧となるDC5Vの他に、LEDやスピーカを駆動するためのDC18Vやこれらの直流電圧の基準としたり電源モニタランプを点灯させるのに使用するNDC24Vの電圧を生成するように構成されている。さらに、主制御用マイコン(1stCPU)311や映像制御用マイコン(2ndCPU)312として、3.3Vあるいは1.2Vのような低電圧で動作するLSIを使用する場合には、DC5Vに基づいてDC3.3VやDC1.2Vを生成するためのDC−DCコンバータが演出制御装置300に設けられる。なお、DC−DCコンバータは通常電源部410に設けるようにしてもよい。
電源装置400の制御信号生成部430により生成されたリセット信号RSTは、主制御用マイコン311、映像制御用マイコン312、VDP313、音源LSI314、ランプやモータなどを駆動制御する制御回路332〜335、スピーカを駆動するアンプ回路337a、337bに供給され、これらをリセット状態にする。また、この実施例においては、映像制御用マイコン312の有する汎用のポートを利用して、VDP313に対するリセット信号を生成して供給する機能を有するように構成されている。これにより、映像制御用マイコン312とVDP313の動作の連携性を向上させることができる。
次に、これらの制御回路において行われる遊技制御について説明する。
遊技制御装置100の遊技用マイコン111のCPU111Aでは、普図始動ゲート34に備えられたゲートスイッチ34aからの遊技球の検出信号の入力に基づき、普図の当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、普図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。そして、普図表示器(図示省略)に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する普図変動表示ゲームを表示する処理を行う。この普図変動表示ゲームの結果が当りの場合は、普図表示器に特別の結果態様を表示するとともに、普電ソレノイド37cを動作させ、普通変動入賞装置37の可動部材37b、37bを所定時間(例えば、0.3秒間)上述のように開放する制御を行う。
なお、普図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、普図表示器にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、始動入賞口36に備えられた始動口1スイッチ36aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動入賞(始動記憶)を記憶し、この始動記憶に基づき、第1特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第1特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
また、普通変動入賞装置37に備えられた始動口2スイッチ37aからの遊技球の検出信号の入力に基づき始動記憶を記憶し、この始動記憶に基づき、第2特図変動表示ゲームの大当り判定用乱数値を抽出してROM111Bに記憶されている判定値と比較し、第2特図変動表示ゲームの当り外れを判定する処理を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、上記の第1特図変動表示ゲームや第2特図変動表示ゲームの判定結果を含む制御信号(演出制御コマンド)を、演出制御装置300に出力する。そして、特図1表示器51や特図2表示器52に、識別図柄を所定時間変動表示した後、停止表示する特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
また、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、表示装置41で特図変動表示ゲームに対応した飾り特図変動表示ゲームを表示する処理を行う。
さらに、演出制御装置300では、遊技制御装置100からの制御信号に基づき、スピーカ19a,19bからの音の出力、各種LEDの発光を制御する処理等を行う。
そして、遊技制御装置100のCPU111Aは、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52に特別結果態様を表示するとともに、特別遊技状態を発生させる処理を行う。
例えば、この特図変動表示ゲームの結果として、特図1表示器51もしくは特図2表示器52の表示態様が特別結果態様(たとえば「7」)となった場合には、大当りとなって特別遊技状態(いわゆる、大当り状態)となる。
特別遊技状態を発生させる処理においては、CPU111Aは、例えば、大入賞口ソレノイド38bにより特別変動入賞装置38の開閉扉38cを開放させ、大入賞口内への遊技球の流入を可能とする制御を行う。
そして、特図変動表示ゲームの結果が大当りの場合は、大入賞口に所定個数(例えば、10個)の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間(例えば、25秒又は0.5秒)が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数(例えば、15回(第1特別遊技状態)又は2回(第2特別遊技状態))継続する(繰り返す)制御(サイクル遊技)を行う。
また、特図変動表示ゲームの結果がはずれの場合は、特図1表示器51や特図2表示器52にはずれの結果態様を表示する制御を行う。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として確変状態を発生させるとともに、当該確変状態の各特図変動表示ゲームにおいて当該確変状態から通常確率状態へ転落するか否かを抽選する転落抽選を行うようになっている。
この確変状態は、特図変動表示ゲームにて当り結果となる確率が、通常確率状態に比べて高い状態(高確率状態)である。また、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームのどちらの特図変動表示ゲームの結果態様に基づき確変状態となっても、第1特図変動表示ゲーム及び第2特図変動表示ゲームの両方が確変状態となる。
また、遊技制御装置100は、特別遊技状態の終了後に、遊技状態として時短状態を発生させるようになっている。
この時短状態においては、普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37を時短動作状態とする制御を行う。具体的には、時短状態においては、上述の普図変動表示ゲームの実行時間が第1の変動表示時間よりも短い第2の変動表示時間となるように制御され(例えば、10秒が1秒)、これにより、単位時間当りの普通変動入賞装置37の開放回数が実質的に多くなるように制御される。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームが当り結果となって普通変動入賞装置37が開放される場合に、開放時間が通常状態の第1開放時間よりも長い第2開放時間となるように制御される(例えば、0.3秒が1.7秒)。また、時短状態においては、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対して、普通変動入賞装置37の開放回数が1回の第1開放回数ではなく、2回以上の複数回(例えば、3回)の第2開放回数に設定される。
なお、普図変動表示ゲームの実行時間を第2の変動表示時間(例えば、1秒)とする制御と、普通変動入賞装置37の開放態様を開放時間が第2開放時間(例えば、1.7秒)とし、且つ、普図変動表示ゲームの1回の当り結果に対する開放回数が第2開放回数(例えば、3回)とする制御は、何れか一方のみを行っても良いし、両方を行っても良い。また、時短動作状態においては、普図変動表示ゲームの当り結果となる確率が通常動作状態より高くなるように制御してもよい。
これにより、普通変動入賞装置37に遊技球が入賞し易くなり、第2特図変動表示ゲームの始動が容易となる。
なお、確変状態と普図変動表示ゲーム及び普通変動入賞装置37の時短動作状態は、それぞれ独立して発生可能であり、両方を同時に発生することも可能であるし、一方のみを発生させることも可能である。
次に、上記遊技制御装置100の遊技用マイクロコンピュータ(遊技用マイコン)111によって実行される制御について説明する。
遊技用マイコン111による制御処理は、ループ処理として繰り返されるメインルーチンであるメイン処理(主に図5及び図6参照)と、メイン処理に対する割り込みルーチンとして、所定時間周期(例えば4ms)で行われるタイマ割込み処理(図7参照)とからなる。
〔メイン処理〕
先ず、メイン処理について説明する。
メイン処理は、電源が投入されることで開始される。このメイン処理においては、図5に示すように、まず、割込み禁止する処理(ステップS1)を行ってから、割込みが発生したときに実行するジャンプ先のベクタアドレスを設定する割込みベクタ設定処理(ステップS2)、割込みが発生したときにレジスタ等の値を退避する領域の先頭アドレスであるスタックポインタを設定するスタックポインタ設定処理(ステップS3)、割込み処理のモードを設定する割込みモード設定処理(ステップS4)を行う。
次に、払出制御装置(払出基板)200のプログラムが正常に起動するのを待つため例えば4msの時間待ちを行う(ステップS5)。これにより、電源投入の際に仮に遊技制御装置100が先に立ち上がって払出制御装置200が立ち上がる前にコマンドを払出制御装置200へ送ってしまい、払出制御装置200がコマンドを取りこぼすのを回避することができる。その後、RAMやEEPROM等の読出し書込み可能なRWM(リードライトメモリ)のアクセス許可をし、全出力ポートに出力が無い状態にするオフデータを出力する(ステップS6,S7)。また、シリアルポート((遊技用マイコン111に予め搭載されているポート)この実施例では、払出制御装置200や演出制御装置300とパラレル通信を行っているため使用しない))を使用しない状態に設定する処理を行う(ステップS8)。
続いて、電源装置400内の初期化スイッチがONしているか否か判定する(ステップS9)。ここで、初期化スイッチがOFF(ステップS9;No)と判定すると、ステップS10で、RWM内に複数設けられている停電検査領域のうち、停電検査領域1のデータの値をチェックし(ステップS10)、停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であるか否かの判定を行う(ステップS11)。このステップS11で停電検査領域1の値が正常な停電検査領域チェックデータ1であると判定した場合(ステップS11;Yes)には、停電検査領域2のデータの値をチェックし(ステップS12)、停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であるか否かの判定を行う(ステップS13)。このステップS13で停電検査領域2の値が正常な停電検査領域チェックデータ2であると判定した場合(ステップS13;Yes)には、チェックサムと呼ばれるデータを算出する処理(ステップS14)を行い、算出したチェックサムと電源遮断時のチェックサムとを比較して(ステップS15)、値が一致するか否かを判定する(ステップS16)。
また、ステップS9で初期化スイッチがONと判定した場合(ステップS9;Yes)、ステップS11で停電検査領域1の値が正常でないと判定した場合(ステップS11;No)、ステップS13で停電検査領域2の値が正常でないと判定した場合(ステップS13;No)、或いは、ステップS16でチェックサムが一致しないと判定した場合(ステップS16;No)には、図6のステップS24へジャンプする。
また、ステップS16でチェックサムが一致すると判定した場合(ステップS16;Yes)には、図6のステップS17へ移行して、全ての停電検査領域をクリアする処理(ステップS17)、チェックサム領域をクリアする処理(ステップS18)を行ってから、エラーや不正監視に係る領域をリセットする(ステップS19)。次に、RWM内の遊技状態を記憶する領域を調べて遊技状態が高確率状態であるか否かを判定する(ステップS20)。ここで、高確率でない(ステップS20;No)と判定した場合は、ステップS21,S22をスキップしてステップS23へ移行する。
また、ステップS20で高確率であると判定した場合(ステップS20;Yes)には、高確率の報知フラグ領域にON情報をセーブしてから(ステップS21)、例えば一括表示装置50に設けられる高確率報知LED(エラー表示器)をオン(点灯)させるONデータをセグメントに対応する領域(ポート136)にセーブして(ステップS22)、ステップS23へ移行する。ステップS23では、特図ゲーム処理番号に対応する停電復旧時のコマンドを送信してステップS29へ進む。
一方、ステップS9,S11,S13,S16からステップS24へジャンプした場合には、先ずCPU111Aが使用するRAM内の、アクセス禁止領域より前の全作業領域をクリアする処理(ステップS24)、アクセス禁止領域より後の全スタック領域をクリアする処理(ステップS25)を行ってから、初期化すべき領域に電源投入時の初期値をセーブする(ステップS26)。それから、RWMをクリアしたことに関する外部情報を出力する期間の時間値を設定し(ステップS27)、電源投入時のコマンドを演出制御装置300へ送信する処理(ステップS28)を行って、ステップS29へ進む。
ステップS29では、遊技用マイコン111(クロックジェネレータ)内のタイマ割込み信号及び乱数更新トリガ信号(CTC)を発生するCTC(Counter/Timer Circuit)回路を起動する処理を行う。
なお、CTC回路は、遊技用マイコン111内のクロックジェネレータに設けられている。クロックジェネレータは、水晶発振器113からの発振信号(原クロック信号)を分周する分周回路と、分周された信号に基づいてCPU111Aに対して所定周期(例えば、4ms)のタイマ割込み信号及び乱数生成回路へ供給する乱数更新のトリガを与える信号CTCを発生するCTC回路とを備えている。
上記ステップS29のCTC起動処理の後は、乱数生成回路を起動設定する処理を行う(ステップS30)。具体的には、乱数生成回路内の所定のレジスタ(CTC更新許可レジスタ)へ乱数生成回路を起動させるためのコード(指定値)の設定などがCPU111Aによって行われる。それから、電源投入時の乱数生成回路内の所定のレジスタ(ソフト乱数レジスタ1〜n)の値を、対応する各種初期値乱数(大当り図柄を決定する乱数(大当り図柄乱数1、大当り図柄乱数2)、普図の当りを決定する乱数(当り乱数))の初期値(スタート値)としてRWMの所定領域にセーブしてから(ステップS31)、割込みを許可する(ステップS32)。本実施例で使用するCPU111A内の乱数生成回路においては、電源投入毎にソフト乱数レジスタの初期値が変わるように構成されているため、この値をCPU側で生成する各種初期値乱数の初期値(スタート値)とすることで、ソフトウェアで生成される乱数の規則性を崩すことができ、遊技者による不正な乱数の取得を困難にすることができる。
続いて、各種初期値乱数の値を更新して乱数の規則性を崩すための初期値乱数更新処理(ステップS33)を行う。なお、本実施形態においては、特に限定されるわけではないが、大当り乱数は乱数生成回路において生成される乱数(大当り乱数)を使用して生成するように構成されている。つまり、大当り乱数はハードウェアで生成されるハード乱数であり、大当り図柄乱数、当り乱数はソフトウェアで生成されるソフト乱数である。
上記ステップS33の初期値乱数更新処理の後、停電監視信号をチェックする回数を設定する(ステップS34)。そして、電源装置400から入力されている停電監視信号をポート及びデータバスを介して読み込んでチェックし、停電監視信号がONであるか否かを判定する(ステップS35)。ステップS35で、停電監視信号がONでないと判定した場合(ステップS35;No)には、ステップS33に戻り、上記初期値乱数更新処理と停電監視信号のチェック(ループ処理)を繰り返し行う。初期値乱数更新処理(ステップS33)の前に割り込みを許可する(ステップS32)ことによって、初期値乱数更新処理中にタイマ割込みが発生すると割込み処理が優先して実行されるようになり、タイマ割込みが初期値乱数更新処理によって待たされることで割込み処理が圧迫されるのを回避することができる。
なお、上記ステップS33での初期値乱数更新処理は、メイン処理のほか、タイマ割込み処理の中においても初期値乱数更新処理を行う方法もあり、そのような方法を採用した場合には両方で初期値乱数更新処理が実行されるのを回避するため、メイン処理で初期値乱数更新処理を行う場合には割込みを禁止してから更新して割込みを解除する必要があるが、本実施例のようにタイマ割込み処理の中での初期値乱数更新処理はせず、メイン処理内のみにした場合には初期値乱数更新処理の前に割込みを解除しても何ら問題はなく、それによってメイン処理が簡素化されるという利点がある。
上記ステップS35において、停電監視信号がONであると判定した場合(ステップS35;Yes)には、設定したチェック回数の分だけONが継続されたか否かを判定する(ステップS36)。そして、継続されなかったと判定した場合(ステップS36;No)には、ステップS35に戻り、停電が発生したか否かの判定(ループ処理)を繰り返し行う。また、ステップS36において、継続されたと判定した場合(ステップS36;Yes)、即ち、停電が発生していると判定した場合には、一旦割込みを禁止する処理(ステップS37)、全出力ポートにOFFデータを出力する処理(ステップS38)を行う。その後さらに、停電復旧検査領域1に停電復旧検査領域チェックデータ1をセーブする処理(ステップS39)、停電復旧検査領域2に停電復旧検査領域チェックデータ2をセーブする処理(ステップS40)、RWMの電源遮断時のチェックサムを算出する処理(ステップS41)を行った後、算出したチェックサムをチェックサム領域にセーブして(ステップS42)、RWMへのアクセスを禁止する処理(ステップS43)を行ってから、遊技機の電源が遮断されるのを待つ。このように、停電復旧検査領域にチェックデータをセーブするとともに、電源遮断時のチェックサムを算出することで、停電等に伴う遊技機10の電源遮断の前にRWMに記憶されていた情報が正しくバックアップされているか否かを、遊技機10の電源再投入時に判断することができる。
〔タイマ割込み処理〕
次に、タイマ割込み処理について説明する。
図7に示すように、タイマ割込み処理は、クロックジェネレータ内のCTC回路で生成される周期的なタイマ割込み信号がCPU111Aに入力されることで開始される。遊技用マイコン111においてタイマ割込みが発生すると、図7のタイマ割込み処理が開始される。
タイマ割込み処理が開始されると、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず所定のレジスタに保持されている値をRWMに移すレジスタ退避の処理(ステップS51)を行う。なお、本実施形態において遊技用マイコンとして使用しているZ80系のマイコンでは、当該処理を表レジスタに保持されている値を裏レジスタに退避することで置き換えることができる。次に、各種センサ(始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、カウントスイッチ38aなど)からの入力の取込み、即ち、各入力ポートの状態を読み込む入力処理(ステップS52)を行う。それから、各種処理でセットされた出力データに基づき、ソレノイド(大入賞口SOL38b、普電SOL37c)等のアクチュエータの駆動制御などを行うための出力処理(ステップS53)を行う。
次に、各種処理で送信バッファにセットされたコマンドを演出制御装置300や払出制御装置200等に出力するコマンド送信処理(ステップS54)、乱数更新処理1(ステップS55)、乱数更新処理2(ステップS56)を行う。
その後、始動口1スイッチ36a、始動口2スイッチ37a、普図のゲートスイッチ34a、入賞口スイッチ35a…35n、カウントスイッチ38aから正常な信号の入力があるか否かの監視や、エラーの監視(前面枠やガラス枠が開放されていないかなど)を行う入賞口スイッチ/エラー監視処理(ステップS57)を行う。また、特図変動表示ゲームに関する処理を行う特図ゲーム処理(ステップS58)、普図変動表示ゲームに関する処理を行う普図ゲーム処理(ステップS59)を行う。
次に、遊技機10に設けられ、特図変動表示ゲームの表示や遊技に関する各種情報を表示するセグメントLEDを所望の内容を表示するように駆動するセグメントLED編集処理(ステップS60)、磁気センサスイッチ61や振動センサスイッチ62からの検出信号をチェックして異常がないか判定する磁気エラー監視処理(ステップS61)を行う。それから、外部の各種装置に出力する信号を出力バッファにセットする外部情報編集処理(ステップS62)を行う。続いて、割込み要求をクリアして割込みの終了を宣言する処理(ステップS63)を行い、ステップS51で退避したレジスタのデータを復帰する処理(ステップS64)を行った後、割込みを許可する処理(ステップS65)を行って、タイマ割込み処理を終了する。
〔コマンド送信処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理におけるコマンド送信処理(ステップS54)の詳細について説明する。
図8に示すように、コマンド送信処理は、演出制御装置300に対する演出制御コマンド送信処理(ステップS71)と、払出制御装置200に対する払出コマンド送信処理(ステップS72)とからなる。
〔演出制御コマンド送信処理〕
次に、上述のコマンド送信処理における演出制御コマンド送信処理(ステップS71)の詳細について説明する。
図9に示すように、演出制御コマンド送信処理においては、まず、送信コマンドをRWMに設定するときに「+1」されるライトカウンタの値と、RWMから送信コマンドを読み出すときに「+1」されるリードカウンタの値とを比較して、コマンドが設定されているかをチェックする(ステップS81)。具体的には、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが同一であればコマンドが設定されていないと判定し、ライトカウンタの値とリードカウンタの値とが一致していない場合には、未送信のコマンドが設定されていると判定する(ステップS82)。
ステップS82で、コマンドが設定されていないと判定した場合(ステップS82;No)には、当該演出制御コマンド送信処理から抜け、ステップS82で、コマンドが設定されていると判定した場合(ステップS82;Yes)には、リードカウンタを更新(+1)する(ステップS83)。
次いで、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(MODE(上位バイト))からコマンドをロードする(ステップS84)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS85)。
さらに、リードカウンタの値に対応するコマンド送信領域(ACTION(下位バイト))からコマンドをロードする(ステップS86)。それから、ロードしたコマンドが入っていた領域をリセットする(ステップS87)。
そして、演出制御コマンド出力処理(ステップS88)を行い、演出制御コマンド送信処理を終了する。
〔特図ゲーム処理〕
次に、上述のタイマ割込み処理における特図ゲーム処理(ステップS58)の詳細について説明する。
特図ゲーム処理では、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入力の監視と、特図変動表示ゲームに関する処理全体の制御、特図の表示の設定を行う。
図10に示すように、特図ゲーム処理においては、まず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aの入賞を監視する始動口スイッチ監視処理(ステップA1)を行う。始動口スイッチ監視処理では、始動入賞口36、第2始動入賞口をなす普通変動入賞装置37に遊技球の入賞があると、各種乱数(大当り乱数など)の抽出を行い、当該入賞に基づく特図変動表示ゲームの開始前の段階で入賞に基づく遊技結果を事前に判定する遊技結果事前判定を行う。なお、始動口スイッチ監視処理(ステップA1)の詳細については後述する。
次に、カウントスイッチ監視処理(ステップA2)を行う。このカウントスイッチ監視処理では、特別変動入賞装置38内に設けられたカウントスイッチ38aのカウント数を監視する処理を行う。
次に、特図ゲーム処理タイマが既にタイムアップしたか、又は当該特図ゲーム処理タイマを更新(−1)した後にタイムアップしたかをチェックして(ステップA3)、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたか否かを判定する(ステップA4)。
ステップS4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしたと判定した場合(ステップA4;Yes)には、特図ゲーム処理番号に対応する処理に分岐させるために参照する特図ゲームシーケンス分岐テーブルをレジスタに設定する処理(ステップA5)を行って、当該テーブルを用いて特図ゲーム処理番号に対応する処理の分岐先アドレスを取得する処理(ステップA6)を行う。
そして、分岐処理終了後のリターンアドレスをスタック領域に退避させる処理(ステップA7)を行った後、特図ゲーム処理番号に応じてゲーム分岐処理(ステップA8)を行う。
ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「0」の場合は、特図変動表示ゲームの変動開始を監視し、特図変動表示ゲームの変動開始の設定や演出の設定や、特図変動中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図普段処理(ステップA9)を行う。なお、特図普段処理(ステップA9)の詳細については後述する。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「1」の場合は、特図の停止表示時間の設定や、特図表示中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図変動中処理(ステップA10)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「2」の場合は、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであれば、大当りの種類(2R大当りor15R大当り)に応じたファンファーレコマンドの設定や、各大当り(2R大当りor15R大当り)の大入賞口開放パターンに応じたファンファーレ時間の設定や、ファンファーレ/インターバル中処理を行うために必要な情報の設定等を行う特図表示中処理(ステップA11)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「3」の場合は、大入賞口の開放時間の設定や開放回数の更新、大入賞口開放中処理を行うために必要な情報の設定等を行うファンファーレ/インターバル中処理(ステップA12)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「4」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドでなければインターバルコマンドを設定する一方で最終ラウンドであれば大当り終了画面のコマンドを設定する処理や、大入賞口残存球処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口開放中処理(ステップA13)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「5」の場合は、大当りラウンドが最終ラウンドであれば大入賞口内にある残存球が排出されるための時間を設定する処理や、大当り終了処理を行うために必要な情報の設定等を行う大入賞口残存球処理(ステップA14)を行う。
また、ステップA8にて、特図ゲーム処理番号が「6」の場合は、特図普段処理(ステップA9)を行うために必要な情報の設定等を行う大当り終了処理(ステップA15)を行う。
その後、特図1表示器51の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA16)、特図1表示器51に係る図柄変動制御処理(ステップA17)を行う。
その後、特図2表示器52の変動を制御するためのテーブルを準備した後(ステップA18)、特図2表示器52に係る図柄変動制御処理(ステップA19)を行い、当該特図ゲーム処理を終了する。
一方、ステップA4で、特図ゲーム処理タイマがタイムアップしていないと判定した場合(ステップA4;No)には、処理をステップA16に移行して、それ以降の処理を行う。
〔始動口スイッチ監視処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における始動口スイッチ監視処理の詳細について説明する。
図11に示すように、始動口スイッチ監視処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1(始動入賞口36への入賞)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA111)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112)を行う。
なお、ステップA112における特図始動口スイッチ共通処理の詳細については、ステップA117における特図始動口スイッチ共通処理とともに後述する。
次に、普通電動役物(普通変動入賞装置37)が作動中である、即ち、普通変動入賞装置37が作動して遊技球の入賞が可能な開状態となっているか否かをチェックして(ステップA113)、普通電動役物が作動中である(ステップA113;Yes)と判定すると、処理をステップA116に移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップA113にて、普通電動役物が作動中でない(ステップA113;No)と判定すると、普通変動入賞装置37への不正入賞数が不正発生判定個数以上であるかをチェックして(ステップA114)、不正入賞数が不正発生判定個数以上であるか否かを判定する処理(ステップA115)を行う。
普通変動入賞装置37は、閉状態では遊技球が入賞不可能であり、開状態でのみ遊技球が入賞可能である。よって、閉状態で遊技球が入賞した場合は何らかの異常や不正が発生した場合であり、このような閉状態で入賞した遊技球があった場合はその数を不正入賞数として計数する。そして、このように計数された不正入賞数が所定の不正発生判定個数(上限値)以上であるかが判定される。
ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上でない(ステップA115;No)と判定すると、始動口2(普通変動入賞装置37への入賞)による保留の情報を設定するテーブルを準備した後(ステップA116)、特図始動口スイッチ共通処理(ステップA117)を行って、始動口スイッチ監視処理を終了する。
また、ステップA115にて、不正入賞数が不正判定個数以上であると判定された場合は(ステップA115;Yes)、始動口スイッチ監視処理を終了する。即ち、第2始動記憶をそれ以上発生させないようにする。
〔特図始動口スイッチ共通処理〕
次に、上述の始動口スイッチ監視処理における特図始動口スイッチ共通処理(ステップA112、A117)の詳細について説明する。
当該特図始動口スイッチ共通処理は、始動口1スイッチ36aや始動口2スイッチ37aの入力があった場合に、各々の入力について共通して行われる処理である。
図12に示すように、特図始動口スイッチ共通処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、先ず、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に入力があるか否かをチェックして(ステップA201)、監視対象の始動口スイッチに入力がない(ステップA202;No)と判定すると、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA202にて、監視対象の始動口スイッチに入力がある(ステップA202;Yes)と判定すると、当該監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグをセーブした後(ステップA203)、監視対象のハード乱数ラッチレジスタに抽出された大当り乱数をロードし、準備する(ステップA204)。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)への入賞の回数に関する情報が遊技機10の外部の管理装置に対して出力された回数(始動口信号出力回数)をロードして、当該ロードした値を更新(+1)し、出力回数がオーバーフローするか否かをチェックして(ステップA205)、始動口信号出力回数がオーバーフローしない(ステップA206;No)と判定すると、更新後の値をRWMの始動口信号出力回数領域にセーブして(ステップA207)、処理をステップA208に移行する。
一方、ステップA206にて、始動口信号出力回数がオーバーフローしたと判定された場合は(ステップA206;Yes)、処理をステップA208に移行する。
そして、ステップA208にて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)に対応する更新対象の特図保留(始動記憶)数が上限値未満か否かをチェックして(ステップA208)、特図保留数が上限値未満か否かを判定する処理(ステップA209)を行う。
ステップA209にて、特図保留数が上限値未満である(ステップA209;Yes)と判定すると、更新対象の特図保留数(例えば、特図1保留数等)を更新(+1)する処理(ステップA210)を行う。
続けて、始動口1スイッチ36a及び始動口2スイッチ37aのうち、監視対象の始動口スイッチ(例えば、始動口1スイッチ36a等)の飾り特図保留数コマンド(MODE)を準備した後(ステップA211)、特図保留数に対応する飾り特図保留数コマンド(ACTION)を準備して(ステップA212)、コマンド設定処理(ステップA213)を行う。
続けて、特図保留数に対応する乱数セーブ領域のアドレスを算出する処理(ステップA214)を行った後、大当り乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA215)。そして、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数を抽出し、当該大当り図柄乱数をRWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA216)。
次に、対応する変動パターン乱数1を抽出し、RWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA217)、次に、対応する変動パターン乱数2を抽出し、RWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA218)、さらに、対応する変動パターン乱数3を抽出し、RWMの乱数セーブ領域にセーブする(ステップA219)。
次いで、転落抽選に用いられる転落抽選乱数を抽出し、RWMの乱数セーブ領域にセーブし(ステップA220)、監視対象の始動口スイッチの大当り図柄乱数をロードし、準備する(ステップA221)。そして、特図保留情報判定処理(ステップA222)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。なお、特図保留情報判定処理の詳細については後述する。
一方、ステップA209にて、特図保留数が上限値未満でない(ステップA209;No)と判定すると、始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力であるか否かをチェックして(ステップA223)、始動口1スイッチ36aの入力である(ステップA224;Yes)と判定すると、飾り特図保留数コマンド(オーバーフローコマンド)を準備し(ステップA225)、コマンド設定処理(ステップA226)を行って、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
一方、ステップA224にて、始動口1スイッチ36aの入力でないと判定された場合(ステップA224;No)は、特図始動口スイッチ共通処理を終了する。
〔特図保留情報判定処理〕
次に、上述の特図始動口スイッチ共通処理における特図保留情報判定処理(ステップA222)の詳細について説明する。
当該特図保留情報判定処理は、対応する始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの開始タイミングより前に当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理である。
図13に示すように、特図保留情報判定処理において、遊技制御装置100の遊技用マイコン111は、まず、先読み演出を実行してよい条件を満たしているかチェックする(ステップA231)。
ここで、「先読み演出を実行してよい条件」とは、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの入力であること、又は当該始動口スイッチの入力が始動口1スイッチ36aの入力の場合には、普通変動入賞装置37の開放延長機能が作動中でない、即ち、普通変動入賞装置37がサポート中(時短動作状態中)でなく、且つ、大当り中でないことを意味する。つまり、特図始動口スイッチ共通処理のステップA202に係る始動口スイッチの入力が始動口2スイッチ37aの場合は、普通変動入賞装置37がサポート中、又は大当り中であるかにかかわらず、当該始動記憶に対応した結果関連情報の判定を行う先読み処理を行うこととなる。
ステップA232にて、先読み演出を実行してよい条件を満たしていない場合(ステップA232;No)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、先読み演出を実行してよい条件を満たしている場合(ステップA232;Yes)は、転落抽選の当否結果を事前に判定する転落判定処理(ステップA233)を行う。なお、転落判定処理の詳細については後述する。そして、転落判定処理(ステップA233)の結果、転落抽選に当選していることを示す転落情報があるか否かを判定する(ステップA234)。
ステップA234にて、転落情報があると判定した場合(ステップA234;Yes)は、特図保留情報判定処理を終了する。
一方、転落情報がないと判定した場合(ステップA234;No)は、大当り判定処理を行う(ステップA235)。
そして、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りである場合(ステップA236;Yes)には、監視対象の始動口スイッチに対応する大当り図柄乱数チェックテーブルを設定し(ステップA237)、大当り図柄乱数をチェックし、対応する大当り情報テーブルを取得し、設定して(ステップA238)、ステップA240へ移行する。
一方、ステップA235における大当り判定処理の判定結果が大当りでない場合(ステップA236;No)には、はずれ情報テーブルを設定し(ステップA239)、ステップA240へ移行する。
ステップA240では、設定した情報テーブル(大当り情報テーブル、又は、はずれ情報テーブル)から図柄情報を取得し、取得した図柄情報を図柄情報(作業用)領域にセーブする(ステップA240)。
次に、設定した情報テーブルから始動口入賞演出図柄コマンドを取得し、取得した始動口入賞演出図柄コマンドを入賞演出図柄コマンド領域にセーブする(ステップA241)。
続けて、監視対象の始動口スイッチの始動口入賞フラグを準備し(ステップA242)、監視対象の始動口入賞演出コマンド設定テーブルを準備し(ステップA243)、特図情報設定処理(ステップA244)、後半変動パターン設定処理(ステップA245)、変動パターン設定処理(ステップA246)を行う。
そして、前半変動番号に対応する始動口入賞演出コマンド(MODE)を算出し、準備して(ステップA247)、後半変動番号の値を始動口入賞演出コマンド(ACTION)として、準備して(ステップA248)、コマンド設定処理(ステップA249)を行う。
続けて、始動口入賞演出図柄コマンドをロードし、準備して(ステップA250)、コマンド設定処理(ステップA251)を行い、特図保留情報判定処理を終了する。
〔転落判定処理〕
次に、上述の特図保留情報判定処理における転落判定処理(ステップA233)の詳細について説明する。
図14に示すように、転落判定処理では、先ず、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA261)を行う。
ステップA261で、高確率時でないと判定した場合(ステップA261;No)は、転落判定処理を終了する。
一方、ステップA261で、高確率時であると判定した場合(ステップA261;Yes)は、設定(後述する大当り終了処理(図23参照)において設定)されている転落判定値をチェックする(ステップA262)。
ここで、転落判定値とは、転落抽選処理(転落判定処理)を実行する際の転落抽選に当選する確率(転落確率)を示す数値である。当該転落判定値は、複数種類の転落確率(例えば、1/10、1/50等)の中から大当りが発生したときの大当り図柄に応じて設定されるようになっている。
次いで、設定されている転落判定値に基づき下限判定値を設定し(ステップA263)、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする(ステップA264)。
そして、転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA265;Yes)、即ち、転落抽選に当選していない場合は、転落判定処理を終了する。
一方、転落抽選乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA265;No)は、転落判定値に基づき上限判定値を設定し(ステップA266)、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする(ステップA267)。
そして、転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA268;No)、即ち、転落抽選に当選していない場合は、転落判定処理を終了する。
一方、上限判定値以下である場合(ステップA268;Yes)、即ち、転落抽選に当選している場合は、転落抽選に当選していることを示す転落情報を作業用(RWM)の設定情報領域にセーブする(ステップA269)。
次いで、転落情報コマンドを準備して(ステップA270)、コマンド設定処理(ステップA271)を行い、転落判定処理を終了する。
〔特図普段処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図普段処理(ステップA9)の詳細について説明する。
図15に示すように、特図普段処理では、先ず、特図2保留数(第2始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA281)。
そして、特図2保留数が0である(ステップA282;Yes)と判定すると、特図1保留数(第1始動記憶数)が0であるか否かをチェックする(ステップA283)。
そして、特図1保留数が0である(ステップA284;Yes)と判定すると、既に客待ちデモが開始されているか否かをチェックして(ステップA285)、客待ちデモを開始していない、即ち、開始済みでない(ステップA286;No)と判定すると、客待ちデモフラグ領域に客待ちデモ中フラグをセーブする処理(ステップA287)を行う。
続けて、客待ちデモコマンドを準備して(ステップA288)、コマンド設定処理(ステップA289)を行う。
一方、ステップA286にて、既に客待ちデモが開始されている(ステップA286;Yes)と判定すると、既に客待ちデモフラグは客待ちデモ中に設定(ステップA287)され、客待ちデモコマンドも準備(ステップA288)され、コマンド設定処理(ステップA289)も実行されているため、これらの処理を行わずにステップA290に移行する。そして、特図普段処理移行設定処理1(ステップA290)を行って、特図普段処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1の詳細については後述する。
また、ステップA282にて、特図2保留数が0でない(ステップA282;No)と判定すると、特図2変動開始処理(ステップA291)を行う。なお、ステップA291における特図2変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図2の特図変動中処理移行設定処理(ステップA292)を行って、特図普段処理を終了する。
また、ステップA284にて、特図1保留数が0でない(ステップA284;No)と判定すると、特図1変動開始処理(ステップA293)を行う。なお、ステップA293における特図1変動開始処理の詳細については後述する。
その後、特図1の特図変動中処理移行設定処理(ステップA294)を行って、特図普段処理を終了する。
このように、ステップA281とステップA282における特図2保留数のチェックを、ステップA283とステップA284における特図1保留数のチェックよりも先に行うことで、特図2保留数が0でない場合には、特図2変動開始処理(ステップA291)が実行されることとなる。即ち、第2特図変動表示ゲームが第1特図変動表示ゲームに優先して実行されることとなる。
〔特図1変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図1変動開始処理(ステップA293)の詳細について説明する。
特図1変動開始処理は、特図1変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図16に示すように、先ず、転落抽選の当否を判定する転落抽選処理(ステップA301)を実行する。なお、転落抽選処理の詳細については後述する。
次いで、特図1変動表示ゲームの変動パターンを決定する際に用いられる変動パターンテーブルを設定するための変動パターンテーブル設定処理(ステップA302)を実行する。なお、変動パターンテーブル設定処理の詳細については後述する。
次いで、特図1変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ1にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ1設定処理(ステップA303)を行う。
次いで、第1特図停止図柄(特図1停止図柄)の設定に係る特図1停止図柄設定処理(ステップA304)を行った後、第1特図停止図柄番号(特図1停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA305)。
続いて、特図1停止図柄設定処理にて設定された図柄情報を図柄情報領域からロードし(ステップA306)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA307)。
次に、特図1変動フラグを設定し、準備して(ステップA308)、特図1変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA309)。
その後、特図1変動表示ゲームの後半変動を設定するテーブルを準備して(ステップA310)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA311)を行う。続けて、特図1変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA312)を行った後、特図1変動表示ゲームの変動態様のうち、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA313)を行う。その後、特図1変動表示ゲームの変動開始情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA314)を行って、特図1変動開始処理を終了する。
〔特図2変動開始処理〕
次に、上述の特図普段処理における特図2変動開始処理(ステップA291)の詳細について説明する。
特図2変動開始処理は、特図2変動表示ゲームの開始時に行う処理であり、具体的には、図17に示すように、先ず、転落抽選の当否を判定する転落抽選処理(ステップA321)を実行する。なお、当該転落抽選処理は、特図1変動開始処理中の転落抽選処理(ステップA301)と共通の処理であり、その詳細については後述する。
次いで、特図2変動表示ゲームの変動パターンを決定する際に用いられる変動パターンテーブルを設定するための変動パターンテーブル設定処理(ステップA322)を実行する。なお、当該変動パターンテーブル設定処理は、特図1変動開始処理中の変動パターンテーブル設定処理(ステップA302)と共通の処理であり、その詳細については後述する。
次いで、特図2変動表示ゲームが大当りであるか否かを判定するための大当りフラグ2にはずれ情報や大当り情報を設定する大当りフラグ2設定処理(ステップA323)を行う。
次いで、第2特図停止図柄(特図2停止図柄)の設定に係る特図2停止図柄設定処理(ステップA324)を行った後、第2特図停止図柄番号(特図2停止図柄番号)に対応する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA325)。
続いて、特図2停止図柄設定処理にて設定された図柄情報を図柄情報領域からロードし(ステップA326)、当該図柄情報をRWMの作業用の図柄情報領域にセーブする(ステップA327)。
次に、特図2変動フラグを設定し、準備して(ステップA328)、特図2変動フラグをRWMの変動図柄判別フラグ領域にセーブする(ステップA329)。
その後、特図2変動表示ゲームの後半変動を設定するテーブルを準備して(ステップA330)、特図情報を設定する特図情報設定処理(ステップA331)を行う。続けて、特図2変動表示ゲームにおける変動態様のうち、後半変動パターンを設定する後半変動パターン設定処理(ステップA332)を行った後、特図2変動表示ゲームの変動態様のうち、前半変動パターンを設定する変動パターン設定処理(ステップA333)を行う。その後、特図2変動表示ゲームの変動開始情報を設定する変動開始情報設定処理(ステップA334)を行って、特図2変動開始処理を終了する。
〔転落抽選処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理、及び特図2変動開始処理における転落抽選処理(ステップA301、A321)の詳細について説明する。
図18に示すように、転落抽選処理では、先ず、高確率時(高確率状態)であるか否かの判定(ステップA341)を行う。
ステップA341で、高確率時でないと判定した場合(ステップA341;No)は、転落抽選処理を終了する。
一方、ステップA341で、高確率時であると判定した場合(ステップA341;Yes)は、設定(後述する大当り終了処理(図23参照)において設定)されている転落判定値をチェックする(ステップA342)。
次いで、設定されている転落判定値に基づき下限判定値を設定し(ステップA343)、転落抽選乱数の値が下限判定値未満かチェックする(ステップA344)。
そして、転落抽選乱数の値が下限判定値未満である場合(ステップA345;Yes)、即ち、転落抽選に当選していない場合は、転落抽選乱数を一時記憶する乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA350)、転落抽選処理を終了する。
一方、転落抽選乱数の値が下限判定値未満でない場合(ステップA345;No)は、転落判定値に基づき上限判定値を設定し(ステップA346)、転落抽選乱数の値が上限判定値以下かチェックする(ステップA347)。
そして、転落抽選乱数の値が上限判定値以下でない場合(ステップA348;No)、即ち、転落抽選に当選していない場合は、転落抽選乱数を一時記憶する乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA350)、転落抽選処理を終了する。
一方、上限判定値以下である場合(ステップA348;Yes)、即ち、転落抽選に当選している場合は、確率状態を高確率状態(確変状態)から低確率状態(通常確率状態)に移行させるための転落情報設定処理(ステップA349)を実行する。なお、転落情報設定処理の詳細については後述する。
次いで、転落抽選乱数を一時記憶する乱数セーブ領域を0クリアして(ステップA350)、転落抽選処理を終了する。
〔転落情報設定処理〕
次に、上述の転落抽選処理における転落情報設定処理(ステップA349)の詳細について説明する。
図19に示すように、転落情報設定処理では、先ず、RWMの遊技状態表示番号領域に確率状態が低確率時であることを示す番号をセーブする(ステップA351)。
次いで、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブする(ステップA352)。
次いで、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップA353)。
次いで、転落判定値をクリアし(ステップA354)、転落抽選に当選したことを演出制御装置300に伝達するための転落コマンドを準備し(ステップA355)、コマンド設定処理(ステップA356)を実行して、転落情報設定処理を終了する。
〔変動パターンテーブル設定処理〕
次に、上述の特図1変動開始処理、及び特図2変動開始処理における変動パターンテーブル設定処理(ステップA302、A322)の詳細について説明する。
図20に示すように、変動パターンテーブル設定処理では、先ず、当該処理の対象である特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであるか否かを判定する(ステップA361)。
ステップA361で、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りであると判定した場合(ステップA361;Yes)は、大当り用変動パターンテーブルを設定し(ステップA362)、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
一方、ステップA361で、特図変動表示ゲームの遊技結果が大当りでないと判定した場合(ステップA361;No)は、当該処理が実行されるときの遊技状態が時短状態中(時短中)であるか否かを判定する(ステップA363)。
ステップA363で、遊技状態が時短状態中であると判定した場合(ステップA363;Yes)は、時短用変動パターンテーブルを設定し(ステップA364)、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
一方、ステップA363で、遊技状態が時短中でないと判定した場合(ステップA363;No)は、通常用変動パターンテーブルを設定し(ステップA365)、変動パターンテーブル設定処理を終了する。
〔特図表示中処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における特図表示中処理(ステップA11)の詳細について説明する。
図21に示すように、特図表示中処理では、まず、特図2変動開始処理における大当りフラグ2設定処理にて設定された大当りフラグ2をロードして(ステップA371)、RWMの大当りフラグ2領域をクリアする(ステップA372)。
次いで、ロードされた大当りフラグ2が大当りかチェックして(ステップA373)、大当りであると判定した場合(ステップA374;Yes)は、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA380)。
次いで、特図2変動表示ゲームの大当り(特図2大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA381)、ラウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA382)、ステップA383へ移行する。
一方、ステップA374で、大当りフラグ2のチェックの結果、大当りでないと判定した場合(ステップA374;No)は、特図1変動開始処理における大当りフラグ1設定処理にて設定された大当りフラグ1をロードして(ステップA375)、RWMの大当りフラグ1領域をクリアする(ステップA376)。
次いで、ロードされた大当りフラグ1が大当りかをチェックして(ステップA377)、大当りであると判定した場合(ステップA378;Yes)は、特図1変動表示ゲームの大当り(特図1大当り)の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブし(ステップA379)、ラウンド数上限値テーブルを設定して(ステップA382)、ステップA383へ移行する。
ステップA383では、ラウンド数上限値情報に対応するラウンド数上限値を取得し、RWMのラウンド数上限値領域にセーブする。続けて、ラウンド数上限値情報に対応するラウンドLEDポインタを取得し、RWMのラウンドLEDポインタ領域にセーブする(ステップA384)。
次いで、確率状態が低確率時の確率情報コマンドを準備して(ステップA385)、コマンド設定処理(ステップA386)を行う。続けて、図柄情報に対応するファンファーレコマンドを準備して(ステップA387)、コマンド設定処理(ステップA388)を行う。その後、飾り特図変動表示ゲームに係る停止図柄パターン情報に対応する飾り特図コマンドをRWMの飾り特図コマンド領域からロードし、準備して(ステップA389)、コマンド設定処理(ステップA390)を行う。
次いで、大入賞口開放情報と確率状態に対応する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA391)。
次いで、大入賞口開放情報に対応する大当りファンファーレ時間を設定して(ステップA392)、当該大当りファンファーレ時間を特図ゲーム処理タイマ領域にセーブする(ステップA393)。
次いで、大入賞口不正入賞数領域をリセットした後(ステップA394)、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間外フラグをセーブする(ステップA395)。そして、ファンファーレ/インターバル中処理に移行するためのファンファーレ/インターバル中処理移行設定処理(ステップA396)を行い、特図表示中処理を終了する。
また、ステップA378で、大当りフラグ1のチェックの結果、大当りでないと判定した場合(ステップA378;No)は、図22に示すステップA397へ移行する。
ステップA397では、時短状態時であるか否かを判定し、時短状態時でないと判定した場合(ステップA397;No)は、特図普段処理へ移行するための特図普段処理移行設定処理1(ステップA398)を行い、特図表示中処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理1の詳細については後述する。
また、ステップA397で、時短状態時であると判定した場合(ステップA397;Yes)は、時短変動回数を−1更新する(ステップA399)。
次いで、時短変動回数が0であるか否かを判定する(ステップA400)。
ステップA400で、時短変動回数が0でないと判定した場合(ステップA400;No)は、特図普段処理移行設定処理1(ステップA398)を行い、特図表示中処理を終了する。
一方、ステップA400で、時短変動回数が0であると判定した場合(ステップA400;Yes)は、時短状態終了時の確率情報コマンドを準備し(ステップA401)、コマンド設定処理(ステップA402)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA403)を行い、特図表示中処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)の詳細については後述する。
〔大当り終了処理〕
次に、上述の特図ゲーム処理における大当り終了処理(ステップA15)の詳細について説明する。
図23に示すように、大当り終了処理では、先ず、高確率状態での遊技を開始するための高確率の開始に関する信号をRWMの外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA411)。
次いで、上記高確率の開始に関する信号をRWMの試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA412)。
次いで、RWMの遊技状態表示番号領域に高確率状態にあることを示す高確率時の番号をセーブする(ステップA413)。
次いで、RWMの普図ゲームモードフラグ領域に普図高確率/普電サポートフラグをセーブする(ステップA414)。
次いで、RWMの特図ゲームモードフラグ領域に高確率/時短フラグをセーブする(ステップA415)。
次いで、RWMの停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(高確率)をセーブする(ステップA416)。
次いで、RWMの時短変動回数領域に時短変動回数初期値をセーブする(ステップA417)。
次いで、転落確率判定フラグをロードし(ステップA418)、ロードされた転落確率判定フラグによる分岐処理(ステップA419)を行う。
なお、転落確率判定フラグは、上述した特図1変動開始処理(図16参照)の大当りフラグ1設定処理(ステップA303)、又は、特図2変動開始処理(図17参照)の大当りフラグ2設定処理(ステップA323)において設定され、具体的には、大当り図柄情報に対応するフラグが設定されるようになっている。
ステップA419で、転落確率判定フラグの値が「0」であると判定した場合は、転落判定値に転落確率Aの値(例えば、1/10)をセットして(ステップA420)、ステップA422へ移行する。
一方、ステップA419で、転落確率判定フラグの値が「1」であると判定した場合は、転落判定値に転落確率Bの値(例えば、1/50)をセットして(ステップA421)、ステップA422へ移行する。
ステップA422では、転落確率判定フラグに対応する転落確率情報コマンドを準備して(ステップA422)、コマンド設定処理(ステップA423)を行う。そして、特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)(ステップA424)を実行して、大当り終了処理を終了する。なお、特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)の詳細については後述する。
〔特図普段処理移行設定処理1〕
次に、上述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理1(ステップA398)の詳細について説明する。
図24に示すように、特図普段処理移行設定処理1では、先ず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定する(ステップA431)。続いて、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブ(ステップA432)する。
次いで、変動図柄判別フラグ領域をリセットする(ステップA433)。そして、大入賞口不正監視期間を規定する不正監視期間中フラグを大入賞口不正監視期間フラグ領域にセーブして(ステップA434)、特図普段処理移行設定処理1を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理2〕
次に、上述の特図表示中処理における特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)(ステップA403)の詳細について説明する。
図25に示すように、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)では、先ず、特図普段処理に係る処理番号として「0」を設定する(ステップA441)。続いて、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA442)。
次いで、時短(時短状態)の終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブする(ステップA443)。続いて、時短(時短状態)の終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA444)。
次いで、遊技状態表示番号領域に低確率時の番号をセーブし(ステップA445)、普図ゲームモードフラグ領域に普図低確率/普電サポートなしフラグをセーブする(ステップA446)。
次いで、特図ゲームモードフラグ領域に特図低確率フラグをセーブし(ステップA447)、停電復旧時送信コマンド領域に確率情報コマンド(低確率)をセーブする(ステップA448)。続いて、変動図柄判別フラグ領域をリセット(ステップA449)し、特殊演出情報(振分用)領域をリセットして(ステップA450)、特図普段処理移行設定処理2(時短終了時)を終了する。
〔特図普段処理移行設定処理3〕
次に、上述の大当り終了処理における特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)(ステップA424)の詳細について説明する。
図26に示すように、特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)では、先ず、特図普段処理に係る処理番号として「0」に設定する(ステップA451)。続いて、特図ゲーム処理番号領域に処理番号をセーブする(ステップA452)。
次いで、大当りの終了に関する信号を外部情報出力データ領域にセーブし(ステップA453)、大当りの終了に関する信号を試験信号出力データ領域にセーブする(ステップA454)。
次いで、確率変動判定フラグ領域をリセットし(ステップA455)、大当りのラウンド回数を示すラウンドLEDポインタ領域をリセットする(ステップA456)。
そして、大入賞口不正監視期間フラグ領域に不正監視期間中フラグをセーブし(ステップA457)、特殊演出情報(設定用)領域をリセットして(ステップA458)、特図普段処理移行設定処理3(大当り終了時)を終了する。
〔1stメイン処理〕
演出制御装置300の主制御用マイコン(1stCPU)311では、図27に示す1stメイン処理を行う。この1stメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、割込みを禁止し(ステップB11)、RAMを0クリアして(ステップB12)、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB13)を行う。次に、RAMの初期値を設定し(ステップB14)、乱数を初期化する乱数初期化処理(ステップB15)を行い、各種割込みのタイマを起動して(ステップB16)、割込みを許可する(ステップB17)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、まず、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB18)、演出ボタン25の操作に基づく入力信号(立ち上がりエッジ)から入力情報を作成する演出ボタン入力処理(ステップB19)を行う。
次に、遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)を行う。この遊技制御コマンド解析処理(ステップB20)では、遊技制御装置100から送信される遊技に関するコマンドを正しく受信したかを判定し、正しく受信していた場合にはコマンドを確定して、後述するシーン制御処理のためのコマンドの区分けをする処理を行う。
次に、表示装置41や装飾装置、演出装置等のテストを行うためのテストモードに関する処理であるテストモード処理(ステップB21)を行う。このテストモード処理(ステップB21)によりテストモードとなった場合は、以降の遊技に関する処理は行わない。ただし、テストモードにおいて表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等を行う場合は、これらを制御するための処理において制御を行う。なお、テストモードは遊技機の電源を遮断することで終了するようになっている。
そして、遊技の演出の制御に関するシーン制御処理(ステップB22)を行う。このシーン制御処理(ステップB22)の詳細については後述する。次に、遊技機でエラーが発生した場合に遊技制御装置100から送信されるエラー報知コマンドに基づき、対応する報知を行う遊技機エラー監視処理(ステップB23)を行う。なお、対応する報知を行うための表示装置41での表示やスピーカからの音声の出力、装飾装置のLEDの発光、演出装置の動作等は、これらを制御するための処理(例えば、スピーカからの音声の出力であれば、サウンド制御処理)において制御を行う。
その後、映像制御用マイコン(2ndCPU)312に出力するコマンドを編集する演出コマンド編集処理(ステップB24)を行い、スピーカ(上スピーカ19a、下スピーカ19b)からの音声の出力に関する制御を行うサウンド制御処理(ステップB25)を行う。次に、盤装飾装置42、枠装飾装置18のLEDの制御を行う装飾制御処理(ステップB26)、盤演出装置44、枠演出装置45のモータやソレノイドの制御を行うモータ/SOL制御処理(ステップB27)を行う。そして、飾り特図変動表示ゲームの変動態様の詳細を決定する乱数を更新する乱数更新処理(ステップB28)を行って、WDTをクリアする処理(ステップB18)に戻る。
〔シーン制御処理〕
図28には、図27に示した1stメイン処理におけるシーン制御処理(ステップB22)を示した。このシーン制御処理では、先ず、テストモード中であるかを判定し(ステップB31)、テストモード中である場合(ステップB31;Yes)は、シーン制御処理を終了する。また、テストモード中でない場合(ステップB31;No)は、シーン変更コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB32)。
シーン変更コマンドは、遊技制御装置100から演出制御装置300に送信される遊技に関する各種のコマンドである。このシーン変更コマンドを受信した場合(ステップB32;Yes)は、更新する遊技状態(現在の遊技状態)を取得し(ステップB33)、有効なコマンドであるかを判定する(ステップB34)。有効なコマンドであるかの判定(ステップB34)では、受信したシーン変更コマンドが取得した現在の遊技状態に対して有効なものであるかを判定する。そして、有効なコマンドである場合(ステップB34;Yes)は、受信コマンドをセーブし(ステップB35)、演出リクエストフラグをセットして(ステップB36)、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。
一方、シーン変更コマンドを受信していない場合(ステップB32;No)や、有効なコマンドでなかった場合(ステップB34;No)は、受信したコマンドのコマンド識別子による分岐処理(ステップB37)を行う。この場合、直近の有効であったコマンドの識別子による分岐を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)では、受信したコマンドに基づき実行する処理を選択する。電源投入コマンドを受信した場合は電源投入時に必要な処理を行う電源投入処理(ステップB38)を行う。また、停電復旧コマンドを受信した場合は停電復旧時に必要な処理を行う停電復旧(客待ち以外)処理(ステップB39)を行う。また、客待ちデモコマンドを受信した場合は客待ちデモの表示に関する処理等を行う客待ち処理(ステップB40)を行う。
また、変動パターンコマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの実行に関する処理等を行う変動中処理(ステップB41)を行う。この変動中処理(ステップB41)では、飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定を行う。この飾り特図変動表示ゲームを行うために必要な情報の設定では、例えば、遊技制御装置100から送信された変動パターンコマンドに含まれる情報(大当りか否か、モード情報、変動パターン情報など)に基づき演出(変動パターンや変動時間など)の設定を行う。
また、図柄停止コマンドを受信した場合は飾り特図変動表示ゲームの変動停止に関する処理である図柄停止処理(ステップB42)を行う。また、ファンファーレコマンドを受信した場合は特別遊技状態の開始に関する処理であるファンファーレ処理(ステップB43)を行う。また、大入開放n回目コマンドを受信した場合はラウンド遊技に関する処理であるラウンド中処理(ステップB44)を行う。また、インターバルコマンドを受信した場合はラウンド間のインターバルに関する処理であるインターバル処理(ステップB45)を行う。また、エンディングコマンドを受信した場合は特別遊技状態の終了に関する処理であるエンディング処理(ステップB46)を行う。
コマンド識別子による分岐処理(ステップB37)により選択された上述の各処理を行った後、即座に映像に反映されないコマンドに基づく処理を行う。この処理として、まず、特図変動表示ゲームの停止図柄に関する情報を含む飾り特図コマンドに基づく処理を行う図柄コマンド受信処理(ステップB47)を行い、始動記憶の増減に関する情報を含む保留数コマンド(特図1保留数コマンド、特図2保留数コマンド)に基づく処理を行う保留数コマンド受信処理(ステップB48)を行う。
さらに、始動記憶に基づく特図変動表示ゲームの結果等を当該特図変動表示ゲームの実行前に事前に判定する先読み処理の結果を含む先読み情報コマンド(始動口入賞演出コマンド、始動口入賞演出図柄コマンド)に基づく処理を行う先読みコマンド受信処理(ステップB49)を行う。そして、確率状態に関する情報を含む確率情報コマンド(確率情報コマンド(低確率、高確率))に基づく処理を行う確率情報コマンド受信処理(ステップB50)を行い、シーン制御処理を終了する。
〔2ndメイン処理〕
映像制御用マイコン(2ndCPU)312では、図29に示す2ndメイン処理を行う。この2ndメイン処理においては、はじめにプログラム開始時の処理を行う。このプログラム開始時の処理として、まず、CPUを初期化するCPU初期化処理(ステップB51)を行い、RAMを0クリアして(ステップB52)、RAMの初期値を設定する(ステップB53)。次に、VDPを初期化するVDP初期化処理(ステップB54)を行い、各種割込みを許可する(ステップB55)。さらに、各種制御処理の初期化処理(ステップB56)を行い、画面描画を許可する(ステップB57)。
次に、メインループ処理としてループの処理を行う。このループの処理では、先ず、システム周期待ちフラグをクリアし(ステップB58)、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定を行う(ステップB59)。システム周期とは、画像データを一時的に格納する二つのバッファを切り替える周期であって、切り替えが可能な状態となるとシステム周期フラグが「1」となる。このシステム周期待ちフラグが1となるまでは、システム周期待ちフラグが1であるか否かの判定(ステップB59)を繰り返し、システム周期待ちフラグが1となると(ステップB59;Yes)、WDT(watchdog timer)をクリアし(ステップB60)、通常ゲーム処理(ステップB61)を行って、システム周期待ちフラグをクリアする処理(ステップB58)に戻る。なお、通常ゲーム処理の詳細については後述する。
〔通常ゲーム処理〕
図30には、図29に示した2ndメイン処理における通常ゲーム処理(ステップB61)を示した。この通常ゲーム処理では、先ず、受信コマンドチェック処理(ステップB71)を行う。この受信コマンドチェック処理(ステップB71)では、1stCPU311から送信されるコマンドを正しく受信したかを判定する。
次いで、時短中(時短状態)の演出の制御を行う時短中演出制御処理(ステップB72)を行う。なお、時短中演出制御処理の詳細については後述する。
次に、背景の設定を行う背景処理(ステップB73)を行い、飾り特図変動表示ゲームにおける識別情報の変動に関する表示制御処理であるリール制御/表示処理(ステップB74)を行う。さらに、特図1保留表示器及び特図2保留表示器の表示に連動して表示装置41に表示される飾り特図保留数表示の設定を行う保留表示処理(ステップB75)を行う。
その後、客待ちデモの表示に関する客待ちデモ処理(ステップB76)を行う。そして、受信したコマンドに基づき、表示内容を決定するシーン制御/表示処理(ステップB77)を行い、ROMのデータをRAMに設定されたバッファに転送し、実際に表示をさせる処理を行う表示システム処理(ステップB78)を行って、通常ゲーム処理を終了する。
〔時短中演出制御処理〕
図31には、図30に示した通常ゲーム処理における時短中演出制御処理(ステップB72)を示した。この時短中演出制御処理では、先ず、変動開始コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB81)。
ステップB81で、変動開始コマンドを受信したと判定した場合(ステップB81;Yes)は、当該変動開始コマンドの受信により開始される特図変動表示ゲーム(当該変動)から時短状態の特図変動表示ゲームが開始されるか否かを判定する(ステップB82)。
ステップB82で、当該変動から時短状態の特図変動表示ゲームが開始されると判定した場合(ステップB82;Yes)は、時短状態時の演出を開始するための時短演出開始処理(ステップB83)を実行する。そして、当該変動の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選している場合には当該転落抽選に当選したことを報知するための転落報知設定処理(時短開始時用)(ステップB84)を実行して、ステップB87へ移行する。なお、時短演出開始処理、及び転落報知設定処理(時短開始時用)の詳細については後述する。
また、ステップB82で、当該変動から時短状態の特図変動表示ゲームが開始されないと判定した場合(ステップB82;No)は、既に時短(時短状態)中であるか否かを判定する(ステップB85)。
ステップB85で、既に時短中であると判定した場合(ステップB85;Yes)は、転落報知設定処理(ステップB86)を実行して、ステップB87へ移行する。なお、転落報知設定処理の詳細については後述する。
一方、ステップB85で、時短中でないと判定した場合(ステップB85;No)は、時短中演出制御処理を終了する。
次いで、ステップB87では、大当り終了時に設定される時短回数の値を−1更新し(ステップB87)、時短終了時の確率情報コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB88)。
ステップB88で、時短終了時の確率情報コマンドを受信したと判定した場合(ステップB88;Yes)は、時短状態時の演出を終了するための時短演出終了処理(ステップB89)を実行して、時短中演出制御処理を終了する。なお、時短演出終了処理の詳細については後述する。
一方、ステップB88で、時短終了時の確率情報コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB88;No)は、時短中演出制御処理を終了する。
また、ステップB81で、変動開始コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB81;No)は、時短中であるか否かを判定する(ステップB90)。
ステップB90で、時短中であると判定した場合(ステップB90;Yes)は、ステップB88へ移行して、それ以降の処理を行う。
一方、ステップB90で、時短中でないと判定した場合(ステップB90;No)は、時短中演出制御処理を終了する。
〔時短演出開始処理〕
図32には、図31に示した時短中演出制御処理における時短演出開始処理(ステップB83)を示した。この時短演出開始処理では、先ず、時短用演出テーブルを設定する(ステップB91)。
次いで、時短用演出テーブルに基づき演出パターンを設定するための時短中演出設定処理(ステップB92)を実行して、時短演出開始処理を終了する。
〔転落報知設定処理(時短開始時用)〕
図33には、図31に示した時短中演出制御処理における転落報知設定処理(時短開始時用)(ステップB84)を示した。この転落報知設定処理(時短開始時用)は、時短状態1回目の特図変動表示ゲームにおいて実行される処理である。
この転落報知設定処理(時短開始時用)では、まず、転落抽選に当選したことを示す転落コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB101)。
ステップB101で、転落コマンドを受信していない場合(ステップB101;No)は、転落報知設定処理(時短開始時用)を終了する。
一方、ステップB101で、転落コマンドを受信したと判定した場合(ステップB101;Yes)は、設定されている転落判定値をチェックし(ステップB102)、当該転落判定値が転落確率A(例えば、1/10)であるか否かを判定する(ステップB103)。
ステップB103で、転落判定値が転落確率Aであると判定した場合(ステップB103;Yes)は、転落報知設定処理(時短開示時用)を終了する。
一方、ステップB103で、転落判定値が転落確率Aでないと判定した場合(ステップB103;No)、即ち、転落判定値が転落確率B(例えば、1/50)であると判定した場合は、低確率状態報知フラグをオンにして(ステップB104)、転落報知設定処理(時短開始時用)を終了する。
つまり、本実施形態の遊技機10では、時短状態1回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合は、当該特図変動表示ゲームで転落抽選に当選したことを報知しないようになっている。具体的には、当該特図変動表示ゲームでは、転落抽選に当選したことを報知するためのフラグ(低確率状態報知フラグ)をオンに設定しておくのみで、時短状態2回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
〔転落報知設定処理〕
図34には、図31に示した時短中演出制御処理における転落報知設定処理(ステップB86)を示した。この転落報知設定処理は、時短状態2回目以降の特図変動表示ゲームにおいて実行される処理である。
この転落報知設定処理では、まず、転落抽選に当選したことを示す転落コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB111)。
ステップB111で、転落コマンドを受信したと判定した場合(ステップB111;Yes)は、設定されている転落判定値をチェックし(ステップB112)、当該転落判定値が転落確率A(例えば、1/10)であるか否かを判定する(ステップB113)。
ステップB113で、転落判定値が転落確率Aであると判定した場合(ステップB113;Yes)は、転落報知設定処理を終了する。つまり、転落判定値が転落確率Aに設定されている場合は、転落抽選に当選している場合であっても当該転落抽選に当選したことを報知しないようになっている。
一方、ステップB113で、転落判定値が転落確率Aでないと判定した場合(ステップB113;No)、即ち、転落判定値が転落確率B(例えば、1/50)であると判定した場合は、確率状態が低確率状態であることを示唆する低確率中演出の設定を行う低確率中演出設定処理(ステップB114)を実行して、転落報知設定処理を終了する。
つまり、本実施形態の遊技機10では、時短中演出の実行中に低確率中演出を実行することによって、高確率状態から低確率状態に転落したことを報知するようになっている。
また、ステップB111で、転落コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB111;No)は、低確率状態報知フラグがオンになっているか否かを判定する(ステップB115)。
ステップB115で、低確率状態報知フラグがオンになっていないと判定した場合(ステップB115;No)は、転落報知設定処理を終了する。
一方、ステップB115で、低確率状態報知フラグがオンになっていると判定した場合(ステップB115;Yes)は、低確率状態報知フラグをオフにした(ステップB116)後、低確率中演出設定処理(ステップB114)を実行して、転落報知設定処理を終了する。つまり、上述したように、時短状態1回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選し、転落報知設定処理(時短開始時用)で低確率状態報知フラグがオンに設定されている場合は、時短状態2回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
〔時短演出終了処理〕
図35には、図31に示した時短中演出制御処理における時短演出終了処理(ステップB89)を示した。この時短演出終了処理では、先ず、転落抽選に当選したことを報知する転落報知演出(低確率中演出)を実行済みであるか否かを判定する(ステップB121)。
ステップB121で、転落報知演出を実行済みでないと判定した場合(ステップB121;No)は、設定されている確率状態をチェックし(ステップB122)、確率状態が低確率状態であるか否かを判定する(ステップB123)。
ステップB123で、確率状態が低確率状態であると判定した場合(ステップB123;Yes)は、低確率中演出設定処理(ステップB124)を実行し、通常用演出テーブルを設定し(ステップB125)、時短演出終了処理を終了する。
一方、ステップB123で、確率状態が低確率状態でないと判定した場合(ステップB123;No)は、ステップB124をスキップして、通常用演出テーブルを設定し(ステップB125)、時短演出終了処理を終了する。
また、ステップB121で、転落報知演出を実行済みであると判定した場合(ステップB121;Yes)は、通常用演出テーブルを設定し(ステップB125)、時短演出終了処理を終了する。
次に、転落抽選に当選したことを報知するタイミングについて、図36〜図38に示すタイミングチャートを用いて説明する。
図36は、転落抽選に用いられる転落判定値に転落確率A(例えば、1/10)が設定されているときのタイミングチャートである。
図36に示すように、本実施形態の遊技機10の遊技制御装置100は、大当り当選した特図変動表示ゲームの特別遊技状態が終了するタイミングt1(大当り終了時)になると、大当り終了処理(図23参照)を行う。具体的には、遊技制御装置100は、転落判定値に転落確率Aをセットする(ステップA420)。また、遊技制御装置100は、タイミングt1になると、確率状態を低確率状態から高確率状態に移行させるための特図高確率フラグをセットするとともに、遊技状態を通常遊技状態から時短状態に移行させるための時短開始フラグをセットする(特図普段処理移行設定処理(大当り終了時))。これにより、本実施形態の遊技機10は、大当り終了時のタイミングt1から時短状態による特図変動表示ゲームを実行するとともに、確率状態が高確率状態である可能性を有することを示唆する高確率演出を実行する。なお、本実施形態の遊技機10にあっては、大当り終了直後、確率状態は必ず高確率状態となる。
次いで、例えば、大当り終了後4回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選すると(タイミングt2)、遊技制御装置100は、転落情報設定処理(図19参照)を行う。具体的には、遊技制御装置100は、確率状態を低確率状態に移行させるための各種処理(ステップA351〜A353)を行う。また、遊技制御装置100は、転落判定値をクリアした後、演出制御装置300に転落コマンドを送信する(ステップA354〜A356)。なお、このとき確率状態は低確率状態となるが、表示装置41に表示される演出表示上は引き続き高確率演出が実行されるようになっている。
次いで、時短状態が終了するタイミングt3になる(大当り終了後、新たな大当りが導出されることなく、例えば50回の特図変動表示ゲームが終了する)と、演出制御装置300は、時短演出終了処理(図35参照)を行う。具体的には、演出制御装置300は、このとき高確率演出を実行しており、転落報知演出としての低確率中演出を実行していないので(ステップB121;No)、高確率演出を停止して当該低確率中演出を実行するための低確率中演出設定処理(ステップB124)を行う。ここで、本実施形態の遊技機10は、高確率演出から低確率中演出に切り替えることによって、確率状態が高確率状態から低確率状態に移行、即ち、転落抽選に当選したことを報知することができるようになっている。
このように、転落判定値に転落確率A(後述する転落確率Bよりも転落抽選に当選し易い値)が設定されている場合、本実施形態の遊技機10は、時短状態が終了するまで高確率演出を実行することによって、当該時短状態のゲーム中は転落抽選の当否を判別し難くするようになっている。
なお、タイミングt3において、まだ転落抽選に当選していない場合は、引き続き高確率演出が実行されることとなる。
図37は、転落抽選に用いられる転落判定値に転落確率B(例えば、1/50)が設定されているときのタイミングチャートである。
図37に示すように、本実施形態の遊技機10の遊技制御装置100は、大当り当選した特図変動表示ゲームの特別遊技状態が終了するタイミングt11(大当り終了時)になると、大当り終了処理(図23参照)を行う。具体的には、遊技制御装置100は、転落判定値に転落確率Bをセットする(ステップA421)。また、遊技制御装置100は、タイミングt11になると、確率状態を低確率状態から高確率状態に移行させるための特図高確率フラグをセットするとともに、遊技状態を通常遊技状態から時短動作状態に移行させるための時短開始フラグをセットする(特図普段処理移行設定処理(大当り終了時))。これにより、本実施形態の遊技機10は、大当り終了時のタイミングt11から時短状態による特図変動表示ゲームを実行するとともに、確率状態が高確率状態である可能性を有することを示唆する高確率演出を実行する。
次いで、例えば、大当り終了後4回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選すると(タイミングt12)、遊技制御装置100は、転落情報設定処理(図19参照)を行う。具体的には、遊技制御装置100は、確率状態を低確率状態に移行させるための各種処理(ステップA351〜A353)を行う。また、遊技制御装置100は、転落判定値をクリアした後、演出制御装置300に転落コマンドを送信する(ステップA354〜A356;転落情報設定処理)。
そして、転落コマンドを受信した演出制御装置300は、転落報知設定処理(図34参照)を行う。具体的には、演出制御装置300は、低確率中演出設定処理(ステップB114)を行う。
ここで、本実施形態の遊技機10は、高確率演出から低確率中演出に切り替えることによって、確率状態が高確率状態から低確率状態に移行、即ち、転落抽選に当選したことを報知することができるようになっている。
次いで、時短状態が終了するタイミングt13になると、演出制御装置300は、時短演出終了処理(図35参照)を行う。具体的には、演出制御装置300は、このとき既に転落報知演出としての低確率中演出を実行しているので(ステップB121;Yes)、転落報知演出を行うことなく通常遊技状態に移行する。
このように、転落判定値に転落確率B(上述した転落確率Aよりも転落抽選に当選し難い値)が設定されている場合、本実施形態の遊技機10は、転落抽選に当選したゲームにおいて低確率中演出を実行することによって、当該転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
図38は、転落判定値に転落確率Bが設定され、かつ、大当り終了後の時短状態1回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選したときのタイミングチャートである。
図38に示すように、本実施形態の遊技機10の遊技制御装置100は、大当り当選した特図変動表示ゲームの特別遊技状態が終了するタイミングt21(大当り終了時)になると、図37で説明したときと同様に、大当り終了処理(図23参照)を行い、転落判定値に転落確率Bをセットする(ステップA421;大当り終了処理)。また、遊技制御装置100は、タイミングt21になると、確率状態を低確率状態から高確率状態に移行させるための特図高確率フラグをセットするとともに、遊技状態を通常遊技状態から時短状態に移行させるための時短開始フラグをセットする(特図普段処理移行設定処理(大当り終了時))。これにより、本実施形態の遊技機10は、大当り終了時のタイミングt21から時短状態による特図変動表示ゲームを実行するとともに、確率状態が高確率状態である可能性を有することを示唆する高確率演出を実行する。
ただし、このケースでは大当り終了後1回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選するため、遊技制御装置100は、転落情報設定処理(図19参照)を行う。具体的には、遊技制御装置100は、確率状態を低確率状態に移行させるための各種処理(ステップA351〜A353)を行う。つまり、大当り終了後、確率状態が高確率状態に設定されても直ぐに低確率状態に戻されることとなる。
また、遊技制御装置100は、転落判定値をクリアした後、演出制御装置300に転落コマンドを送信する(ステップA354〜A356)。つまり、大当り終了後、転落判定値に転落確率Bがセットされても直ぐに当該転落確率Bがクリアされることとなる。
また、転落コマンドを受信した演出制御装置300は、時短状態による特図変動表示ゲームが開始されるタイミングt21において、転落報知設定処理(時短開始時用)(図33参照)を行う。具体的には、演出制御装置300は、低確率状態報知フラグをオンにする(ステップB104)。
次いで、大当り終了後、時短状態における2回目の特図変動表示ゲームが開始されると(タイミングt22)、当該2回目の特図変動表示ゲームの変動開始コマンドを受信した演出制御装置300は、転落報知設定処理(図34参照)を行う。具体的には、演出制御装置300は、低確率状態報知フラグをオフにした(ステップB116)後、高確率演出の実行を停止し低確率中演出設定処理(ステップB114)を行う。
次いで、時短状態が終了するタイミングt23になると、演出制御装置300は、時短演出終了処理(図35参照)を行う。具体的には、演出制御装置300は、このとき既に転落報知演出としての低確率中演出を実行しているので(ステップB121;Yes)、転落報知演出を行うことなく通常遊技状態に移行する。
このように、転落判定値に転落確率B(上述した転落確率Aよりも転落抽選に当選し難い値)が設定され、かつ、大当り終了後の時短動作状態における1回目の特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する場合、本実施形態の遊技機10は、転落抽選に当選したゲーム(時短動作状態における1回目の特図変動表示ゲーム)では低確率中演出を実行せず、次のゲーム(時短状態における2回目の特図変動表示ゲーム)において低確率中演出を実行することによって、当該転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
次に、本実施形態の遊技機10において、特図変動表示ゲームが実行されたときの演出表示の一例について、図39を用いて説明する。
図39(a)は、表示装置41において、飾り特図変動表示ゲームが開始され左・中・右の各識別図柄が変動表示された状態を示す図である。
図39(a)に示すように、左・中・右の各識別図柄が1つの直線上に表示されるシングルライン表示は、演出制御装置300により低確率中演出が実行されることによって表示される演出である。
つまり、各識別図柄がシングルライン表示される低確率中演出が実行されることによって、確率状態が低確率状態にあることを報知することができるようになっている。
図39(b)は、図39(a)に示した飾り特図変動表示ゲームにおいて大当り図柄(例えば「7」「7」「7」)が導出された状態を示す図である。
続けて、当該大当り図柄が導出されてから所定時間が経過すると、図39(c)に示すように、特別遊技状態が発生し、大入賞口に所定個数の遊技球が入賞するか、大入賞口の開放から所定時間が経過するかの何れかの条件が達成されるまで大入賞口を開放することを1ラウンドとし、これを所定ラウンド回数繰り返すサイクル遊技が行われる。図39(c)は、1ラウンド目のサイクル遊技が行われている状態を示す図である。
図39(d)は、最終ラウンドのサイクル遊技が行われている状態を示す図である。
次いで、当該最終ラウンドのサイクル遊技が終了、即ち特別遊技状態が終了すると、時短状態に移行する。
図39(e)は、演出制御装置300により時短中演出設定処理(ステップB92)が実行された状態を示す図である。
図39(e)に示すように、時短中演出設定処理が実行されると、時短状態に移行したことを示す表示(例えば、「☆ドキドキタイム☆START」)がなされる。
また、本実施形態の遊技機10は、上述のように時短状態の開始直後は必ず高確率状態に移行するため、演出制御装置300によって高確率演出を実行するための高確率演出設定処理がなされる。
図39(f)は、大当り終了後、時短状態1回目の飾り特図変動表示ゲームが開始され左・中・右の各識別図柄が変動表示された状態を示す図である。
図39(f)に示すように、時短状態では時短中演出が実行され、星を模した図柄が背景表示されるようになっている。また、図39(f)に示すように、高確率演出の実行中は、左・中・右の各識別図柄が上段・中段・下段の3つの直線上にそれぞれ表示(マルチライン表示)されるようになっている。
なお、表示装置41の表示画面右上に表示されている「50回」の表示は、時短状態における残りのゲーム回数を表示するものである。
次に、本実施形態の遊技機10において、遊技状態が時短動作状態にあるときの演出表示の一例について、図40を用いて説明する。
図40(a)〜(e)は、大当り終了後に実行される転落抽選の当選確率が転落確率A(例えば1/10)に設定されている場合の演出表示の一例を示す図である。
図40(a)は、大当り終了後、時短状態1回目の飾り特図変動ゲームが開始された直後の状態を示す図である。図40(a)に示すように、大当り終了後は確率状態が高確率状態に設定されることから表示装置41には高確率演出として、左・中・右の各識別図柄が上段・中段・下段の3つの直線上にそれぞれ表示されるマルチライン表示が行われるようになっている。
図40(b)は、時短状態26回目の飾り特図変動表示ゲームが終了し、時短状態27回目の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図40(b)に示すように、時短状態27回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選しても、転落判定値が転落確率Aに設定されている場合は、図40(c)に示すように、引き続きマルチライン表示(高確率演出)による飾り特図変動表示ゲームが行われるようになっている。
そして、図40(d)に示すように、その後も大当りが発生することなく、時短状態50回目(ラスト)の飾り特図変動表示ゲームが終了すると、図40(e)に示すように、時短状態から通常遊技状態に移行し、星を模した背景画像が消滅するようになっている。また、このとき飾り特図変動表示ゲームの演出表示がマルチライン表示(高確率演出)からシングルライン表示(低確率中演出)に切り替えられることによって、転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
このように、転落抽選の当選確率が転落確率A(例えば1/10)に設定されている場合、時短状態の飾り特図変動表示ゲームで転落抽選に当選したときは、当該転落抽選に当選したことを時短状態が終了するまでは報知しないようになっている(図44(a)参照)。
次に、転落抽選の当選確率が転落確率Aよりも低い転落確率B(例えば1/50)に設定されている場合の演出表示の一例について、図40(f)〜(j)を用いて説明する。
図40(f)は、図40(a)と同様、大当り終了後、時短状態1回目の飾り特図変動ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図40(g)は、図40(b)と同様、時短状態26回目の飾り特図変動表示ゲームが終了し、時短状態27回目の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図40(g)に示すように、時短状態27回目の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合、転落判定値が転落確率Bに設定されているときは、図40(h)に示すように、当該飾り特図変動表示ゲームの演出表示をマルチライン表示(高確率演出)からシングルライン表示(低確率中演出)に切り替えることによって、転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
なお、当該飾り特図変動表示ゲームの演出表示をマルチライン表示(高確率演出)からシングルライン表示(低確率中演出)に切り替える際、時短状態であることを示唆する星を模した背景画像を消すことにより、通常遊技状態と同様の演出が行われているように見せても良い。これにより、確率状態が低確率状態に移行したことを判別し易くすることができる。
そして、図40(i)に示すように、その後も大当りが発生することなく、時短状態50回目(ラスト)の飾り特図変動表示ゲームが終了すると、図40(j)に示すように、時短状態から通常遊技状態に移行し、星を模した背景画像が消滅するようになっている。
このように、転落抽選の当選確率が転落確率Aよりも低い転落確率Bに設定されている場合、時短状態の飾り特図変動表示ゲームで転落抽選に当選したときは、当該転落抽選に当選した際の飾り特図変動表示ゲームにおいて当該転落抽選に当選したことを報知するようになっている(図44(a)参照)。
次に、時短状態における飾り特図変動表示ゲームでは転落抽選に当選せず、当該時短状態終了後の通常遊技状態での飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合の演出表示の一例について、図41を用いて説明する。
図41(a)は、図40(a),(f)と同様、大当り終了後、時短状態1回目の飾り特図変動ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図41(b)は、時短状態1回目の飾り特図変動表示ゲームの開始後、大当りが発生することなく、また転落抽選に当選することなく連続して飾り特図変動表示ゲームが行われ、時短状態50回目(ラスト)の飾り特図変動表示ゲームが終了した状態を示す図である。
図41(b)に示すように、時短状態50回目(ラスト)の飾り特図変動表示ゲームが終了すると、図41(c)に示すように、時短状態から通常遊技状態に移行し、星を模した背景画像が消滅するようになっている。また時短状態が終了した段階では転落抽選には当選しておらず、確率状態が高確率状態に設定されたままである。
従って、当該時短状態終了後の通常遊技状態においては、飾り特図変動表示ゲームの演出表示はマルチライン表示(高確率演出)のままとなっている。なお、本実施形態の遊技機10では、時短状態が終了しても引き続き転落抽選が行われるようになっている。
図41(d)は、時短状態終了後、マルチライン表示中の一の飾り特図変動表示ゲームが終了し、次の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図41(d)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合、図41(e)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームの演出表示がマルチライン表示(高確率演出)からシングルライン表示(低確率中演出)に切り替えられることによって、転落抽選に当選したことを報知するようになっている。
このように、時短状態における飾り特図変動表示ゲームで転落抽選に当選しなかった場合は、当該時短状態終了後の通常遊技状態でもマルチライン表示(高確率演出)による飾り特図変動表示ゲームが行われるようになっている。そして、当該通常遊技状態の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選した場合は、当該転落抽選に当選した際の飾り特図変動表示ゲームにおいて、マルチライン表示からシングルライン表示(低確率中演出)に切り替えられることにより、当該転落抽選に当選したことを報知するようになっている(図44(a)参照)。
以上のように、第1実施形態の遊技機10は、複数の識別情報を変動表示する変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を表示可能な変動表示装置(表示装置41)と、始動入賞領域(始動入賞口36、普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞に基づいて取得した複数の乱数値の判定結果に基づいて前記変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の進行制御を行う遊技制御手段(遊技制御装置100)と、該変動表示装置(表示装置41)における表示制御を行う演出制御手段(演出制御装置300)と、を備え、前記変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が予め定められた特別結果となる場合に遊技者に遊技価値を付与する特別遊技状態を発生可能な遊技機10において、前記遊技制御手段(遊技制御装置100)は、前記変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の結果が前記特別結果となる確率状態として、通常確率状態よりも確率を高めた高確率状態を設定可能な確率設定手段(遊技制御装置100)と、前記高確率状態である場合に、前記変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)の実行毎に前記通常確率状態へ移行させるか否かを決定するための転落抽選を行う転落抽選手段(遊技制御装置100)と、を備え、前記演出制御手段(演出制御装置300)は、複数の演出パターン(シングルライン表示、マルチライン表示)の中から前記確率状態に対応した演出パターンを選択して、当該確率状態に対応した演出を実行可能な演出実行手段(演出制御装置300)を備え、前記演出実行手段(演出制御装置300)は、前記確率状態が前記高確率状態から前記通常確率状態へ移行した場合でも、前記高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)を擬似的に行う高確演出継続手段(演出制御装置300)と、前記確率状態が前記高確率状態から前記通常確率状態へ移行した場合、前記通常確率状態へ移行した旨を遊技者に報知する演出(シングルライン表示)を行う転落報知演出実行手段(演出制御装置300)と、を備え、通常は前記確率状態に対応した演出を実行し、前記転落抽選に当選した場合には、所定条件(大当り図柄情報)に基づいて前記高確演出継続手段(演出制御装置300)又は前記転落報知演出実行手段(演出制御装置300)による演出を選択するように構成されている。
従って、第1実施形態の遊技機10によれば、転落抽選に当選した場合であっても、確率状態が通常確率状態へ移行した旨を報知する場合と報知しない場合とがあるので、当該演出(マルチライン表示)中の確率状態の予測を行い難くすることができ、高確率状態に対応した演出、若しくは当該演出が擬似的に行われているときの毎回の特図変動表示ゲームの結果、そして当該演出(マルチライン表示)が本当に高確率状態に対応するものであるか否かということに対する関心を高めることができる。
これにより、当該演出(マルチライン表示)の実行中、高確率状態が継続している期待感を維持させつつ、遊技者に転落へのスリル感を与えることができるようになり、遊技の興趣が向上する。
また、第1実施形態の遊技機10にあっては、前記転落抽選手段(遊技制御装置100)は、前記転落抽選により取得した転落抽選乱数値が当選となる値であるか否かを判定する転落判定値を複数種類(転落確率A,B)有し、前記確率設定手段(遊技制御装置100)により前記確率状態として前記高確率状態が設定される際に、前記乱数値に基づき前記複数種類(転落確率A,B)のうちの何れかの転落判定値が設定され、前記演出実行手段(演出制御装置300)は、前記所定条件として前記設定された転落判定値(転落確率A,B)に応じて、前記確率状態が前記高確率状態から前記通常確率状態へ移行した際に、前記高確演出継続手段または前記転落報知演出実行手段の何れかによる演出を選択するように構成されている。
従って、第1実施形態の遊技機10によれば、転落抽選に当選した場合、高確演出継続手段により高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)を擬似的に行うか、転落報知演出実行手段により通常確率状態へ移行した旨を遊技者に報知する演出(シングルライン表示)を行うか、を複数種類ある転落判定値(転落確率A,B)に応じて選択することができるので、高確率状態に対応した演出、若しくは当該演出が擬似的に行われているときの確率状態の予測を更に行い難くすることができ、当該演出中の遊技の興趣が向上する。
また、第1実施形態の遊技機10にあっては、前記遊技制御手段(遊技制御装置100)は、前記特別遊技状態を発生させたことを契機として、通常遊技状態よりも遊技者に有利な遊技状態である特定遊技状態(時短状態)を所定期間発生させるとともに、前記確率設定手段により前記確率状態を前記通常確率状態から前記高確率状態へ移行可能であり、前記演出実行手段(演出制御装置300)は、前記転落抽選に当選して前記通常確率状態へ移行したにも拘わらず、前記高確演出継続手段(演出制御装置300)による演出を選択することにより、前記高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)を擬似的に行っている場合であっても、前記所定期間の特定遊技状態(時短状態)が終了したとき、当該高確演出継続手段による演出(マルチライン表示)を終了して、前記通常確率状態が設定されていることを遊技者に報知(シングルライン表示)可能とするよう構成されている。
従って、第1実施形態の遊技機10によれば、転落抽選に当選して通常確率状態へ移行したにも拘わらず、高確演出継続手段(演出制御装置300)による演出を選択することにより、高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)を擬似的に行っている場合であっても、所定期間の特定遊技状態(時短状態)が終了したとき、通常確率状態が設定されていることを遊技者に報知(シングルライン表示)することができるので、高確率状態が継続している期待感を遊技者に過度に与えないように抑制することができる。
これにより、高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)が擬似的に行われているとき、大当りがなかなか発生しないことへの不満を軽減することができる。
また、第1実施形態の遊技機10にあっては、前記始動入賞領域には、遊技球を受け入れ難い第1状態と遊技球を受け入れ易い第2状態とに変換可能な変換部材(可動部材37b,37b)を備える変動入賞装置(普通変動入賞装置37)が含まれ、前記遊技制御手段(遊技制御装置100)は、前記変換部材(可動部材37b,37b)の変換制御を実行可能な変換制御実行手段(遊技制御装置100)と、前記変換制御実行手段(遊技制御装置100)が前記変換部材(可動部材37b,37b)の制御を行う変換確率状態として、第1変換確率状態と、前記第1変換確率状態よりも前記第2状態に変換し易い第2変換確率状態と、の何れかを設定可能とする変換確率設定手段(遊技制御装置100)と、を備え、前記特定遊技状態は、前記変換確率設定手段(遊技制御装置100)により前記変換確率状態として前記第2変換確率状態が設定されている遊技状態とするよう構成されている。
従って、第1実施形態の遊技機10によれば、特定遊技状態(時短状態)が終了した場合であっても、当該特定遊技状態(時短状態)のときの始動入賞領域(例えば普通変動入賞装置37)への遊技球の入賞により、直ぐに変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)を開始し易くなるので、確率状態が通常確率状態へ移行していた場合でも、当該通常確率状態へ移行していたことへの失望感を軽減することができる。
また、第1実施形態の遊技機10にあっては、前記演出実行手段(演出制御装置300)は、前記変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)において複数の識別情報が変動表示する変動態様を異ならせることによって、前記通常確率状態に対応した演出(シングルライン表示)又は前記高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)を行うよう構成されている。
従って、第1実施形態の遊技機10によれば、変動表示ゲーム(特図変動表示ゲーム)における変動態様を異ならせることによって、通常確率状態に対応した演出(シングルライン表示)又は高確率状態に対応した演出(マルチライン表示)を行うことができるので、確率状態の変化に気付き易くすることができる。
[第2実施形態]
次に、第2実施形態の遊技機10について説明する。
第2実施形態の遊技機10は、遊技状態が時短状態に移行した場合、当該時短状態の特図変動表示ゲームを複数のモード(時短演出)のうちの何れかのモードにおいて実行することを特徴としている。
以下、第1実施形態と同様の構成を有する部分については同じ符号を付して説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
〔時短演出開始処理〕
第2実施形態の演出制御装置300では、図32に示した時短演出開始処理に替えて図42に示した時短演出開始処理を行う。
図42に示すように、第2実施形態の演出制御装置300は、先ず、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄(大当り図柄)をチェックする(ステップB201)。
次いで、大当り図柄に対応した時短演出を選択する(ステップB202)。
具体的には、図44(b)に示すように、時短演出には、転落抽選に当選したときの転落報知の態様がそれぞれ異なるように設定されたサイレントモード、スリリングモード、擬似スリリングモード、偽善スリリングモードの4つのモードがある。
そして、これらのモードは、転落抽選の際に用いられる転落判定値として設定される転落確率(転落確率A又は転落確率B)に応じて選択される割合が異なるように設定されている。
より具体的には、転落判定値として転落確率Aが設定されている場合、サイレントモードが40%、擬似スリリングモードが30%、偽善スリリングモードが30%の割合で選択されるようになっている。一方、転落判定値として転落確率Bが設定されている場合、サイレントモードが40%、スリリングモードが60%の割合で選択されるようになっている。
なお、転落確率(転落確率A又は転落確率B)は、第1実施形態の遊技機10と同様、時短状態の開始の契機となった大当りの図柄に応じて選択されるようになっている。
次いで、時短用演出テーブルを設定し(ステップB203)、当該時短用演出テーブルに基づき演出パターンを設定するための時短中演出設定処理(ステップB204)を実行して、時短演出開始処理を終了する。
〔転落報知設定処理〕
第2実施形態の演出制御装置300では、図34に示した転落報知設定処理に替えて図43に示した転落報知設定処理を行う。
図43に示すように、第2実施形態の演出制御装置300は、先ず、転落コマンドを受信したか否かを判定する(ステップB211)。
ステップB211で、転落コマンドを受信していないと判定した場合(ステップB211;No)は、サイレントモード中であるか否かを判定する(ステップB212)。
ステップB212で、サイレントモード中であると判定した場合(ステップB212;Yes)は、転落報知設定処理を終了する。
一方、ステップB212で、サイレントモード中でないと判定した場合(ステップB212;No)は、いわゆるガセの演出である偽演出を実行するか否かを判定する(ステップB213)。偽演出の実行の有無は所定の確率に基づく抽選により決定する。
ステップB213で、偽演出を実行すると判定した場合(ステップB213;Yes)は、偽演出として転落報知危機擬似演出を実行して(ステップB214)、転落報知設定処理を終了する。
一方、ステップB213で、偽演出を実行しないと判定した場合(ステップB213;No)は、転落報知設定処理を終了する。
また、ステップB211で、転落コマンドを受信したと判定した場合(ステップB211;Yes)は、スリリングモード中であるか否かを判定する(ステップB215)。
ステップB215で、スリリングモード中であると判定した場合(ステップB215;Yes)は、転落報知演出を実行して(ステップB216)、転落報知設定処理を終了する。
一方、ステップB215で、スリリングモード中でないと判定した場合(ステップB215;No)は、偽善スリリングモード中であるか否かを判定する(ステップB217)。
ステップB217で、偽善スリリングモード中であると判定した場合(ステップB217;Yes)は、転落報知危機演出を実行して(ステップB218)、転落報知設定処理を終了する。
一方、ステップB217で、偽善スリリングモード中でないと判定した場合(ステップB217;No)、即ち、サイレントモード中、又は、擬似スリリングモード中の場合は、転落報知危機演出を実行することなく、転落報知設定処理を終了する。
次に、第2実施形態の遊技機10において、遊技状態が時短状態にあるときの演出表示の一例について、図45〜図47を用いて説明する。
図45(a)は、特別遊技状態の最終ラウンドのサイクル遊技が行われている状態を示す図である。
図45(a)に示すように、最終ラウンドのサイクル遊技が行われ、当該サイクル遊技機が終了、即ち特別遊技状態が終了すると、時短状態に移行する。
図45(b)は、演出制御装置300により時短中演出が実行された状態を示す図である。
図45(b)に示すように、時短中演出設が実行されると、時短状態に移行したことを示す表示(例えば、「☆ドキドキタイム☆START」)がなされる。
図45(c)は、大当り終了後、時短状態1回目の飾り特図変動表示ゲームがサイレントモードにおいて開始された状態を示す図である。
図45(c)に示すように、時短状態においてサイレントモードが設定されている場合には、星を模した図柄が背景表示されるのみとなっている。
なお、表示装置41の表示画面右上に表示されている「50回」の表示は、時短状態における残りのゲーム回数を表示するものである。
一方、図45(d)は、大当り終了後、時短状態1回目の飾り特図変動表示ゲームがスリリングモード、擬似スリリングモード、又は偽善スリリングモードの何れかのモードにおいて開始された状態を示す図である。
図45(d)に示すように、時短状態においてスリリングモード、擬似スリリングモード、又は偽善スリリングモードの何れかのモードが設定されている場合には、星を模した図柄が背景表示されるとともに、表示画面中央には転落抽選の当選の有無を報知するためのアイテム画像(例えば、爆弾を模した画像)が表示されるようになっている(図44(b)参照)。このため、飾り特図変動表示ゲームの変動表示は表示画面の左上部で行われるようになっている。
図46(a)は、図45(c)に示したサイレントモードの続きを示す図であり、時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始された状態を示す図である。
続けて、図46(b)は、当該時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームがはずれ結果態様で終了し、次の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図46(b)に示すように、次(時短動作状態22回目)の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する場合、サイレントモードが設定されているときは、何も演出表示がなされず、また、図46(c)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームの変動開始後も何も演出表示がなされない、即ち転落抽選に当選したことを報知しないようになっている(図44(b)参照)。
なお、時短状態が終了すると、サイレントモードも終了し、確率状態を報知するようになっている(図44(b)参照)。
図46(d)は、図45(d)に示したモードのうちのスリリングモードの続きを示す図であり、時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始された状態を示す図である。
続けて、図46(e)は、当該時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームがはずれ結果態様で終了する直前の状態を示す図であり、表示画面の左上部に表示された識別図柄(例えば「2」「4」「3」)が揺れ変動表示された状態を示している。
そして、この演出表示例では、次の飾り特図変動表示ゲームで転落抽選に当選することとなっているため、当該転落抽選に当選する可能性を有することを示唆する転落予告演出を実行することが可能となっている。具体的には、図46(e)に示すように、表示画面中央に表示された爆弾画像の導火線に火が点けられる演出表示が行われることによって、爆弾が爆発する可能性を示唆、即ち転落抽選に当選する可能性を有することを示唆することができるようになっている。
続けて、図46(f)は、時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームがはずれ結果態様で終了し、次の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図46(f)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する場合、スリリングモードが設定されているときは、当該次の飾り特図変動表示ゲームの開始直後に爆弾画像が爆発する演出表示(転落報知演出;ステップB216)が行われることによって、転落抽選に当選したことを報知するようになっている(図44(b)参照)。
そして、図46(g)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームの変動開始後、例えば破裂後の爆弾画像が表示されるとともに、「残念」の文字が表示されるようになっている。
なお、時短状態中に転落抽選に当選しなかった場合は、時短状態の終了とともにスリリングモードを終了し、確率状態を報知するようになっている(図44(b)参照)。
図47(a)は、図45(d)に示したモードのうちの擬似スリリングモードの続きを示す図であり、時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始された状態を示す図である。
続けて、図47(b)は、当該時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームがはずれ結果態様で終了し、次の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図47(b)に示すように、次(時短動作状態22回目)の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する場合、擬似スリリングモードが設定されているときは、爆弾画像が爆発する演出表示は行わず、また、図47(c)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームの変動開始後も当該爆弾画像が爆発する演出表示を行わない、即ち転落抽選に当選したことを報知しないようになっている(図44(b)参照)。
なお、時短状態が終了すると、擬似スリリングモードも終了し、確率状態を報知するようになっている(図44(b)参照)。
図47(d)は、図45(d)に示したモードのうちの偽善スリリングモードの続きを示す図であり、時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームの変動表示が開始された状態を示す図である。
続けて、図47(e)は、当該時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームがはずれ結果態様で終了する直前の状態を示す図であり、表示画面の左上部に表示された識別図柄(例えば「2」「4」「3」)が揺れ変動表示された状態を示している。
そして、この演出表示例では、次の飾り特図変動表示ゲームで転落抽選に当選することとなっているため、当該転落抽選に当選する可能性を有することを示唆する転落予告演出を実行することが可能となっている。具体的には、図47(e)に示すように、表示画面中央に表示された爆弾画像の導火線に火が点けられる演出表示が行われることによって、爆弾が爆発する可能性を示唆、即ち転落抽選に当選する可能性を有することを示唆することができるようになっている。
続けて、図47(f)は、時短状態21回目の飾り特図変動表示ゲームがはずれ結果態様で終了し、次の飾り特図変動表示ゲームが開始された直後の状態を示す図である。
図47(f)に示すように、次の飾り特図変動表示ゲームにおいて転落抽選に当選する場合、偽善スリリングモードが設定されているときは、当該次の飾り特図変動表示ゲームの開始直後に爆弾画像をもとの状態、つまり導火線に点火される前の状態で表示(転落報知危機演出;ステップB218)することによって、転落抽選に当選したことを報知しないようになっている。また、このとき「セーフ♪」の文字を表示することによって、遊技者に対して転落抽選に当選していないかのように思わせることができるようになっている。
そして、図47(g)に示すように、当該次の飾り特図変動表示ゲームの変動開始後も、もとの状態の爆弾画像を表示することによって転落抽選に当選したことを報知しないようになっている(図44(b)参照)。
なお、時短状態が終了すると、偽善スリリングモードも終了し、確率状態を報知するようになっている(図44(b)参照)。
以上のように、第2実施形態の遊技機10によれば、特別遊技状態の終了後の時短状態において、転落抽選に当選したか否かを報知する報知態様がそれぞれ異なる複数のモード演出の中から一のモード演出を選択して特図変動表示ゲームを実行するようになっているので、特別遊技状態の終了後の時短状態において、転落抽選に当選したか否かを把握し難くすることができ、当該時短状態の特図変動表示ゲームの結果、そして転落抽選に当選したか否かということに対する関心を高めることができる。
これにより、時短状態のモード演出の実行中、高確率状態が継続している期待感を維持させつつ、遊技者に転落へのスリル感を与えることができるようになり、遊技の興趣が向上する。
また、第2実施形態の遊技機10によれば、各モード演出は、転落抽選の転落確率に応じて選択される割合が異なるように設定されているので、同じようなモード演出が実行されている場合であっても、いずれのモード演出が実行されているかを見定めることによって、転落確率を推測することができるようになる。これにより、時短状態のモード演出に対してより関心を持たせることができるようになるので、遊技の興趣が向上する。
また、第2実施形態の遊技機10によれば、時短状態終了時には全てのモードにおいて確率状態を報知するので、時短状態が終了したにも拘わらずまだ高確率状態が継続しているかもしれないという期待感を過度に与えることを抑制することができる。
(変形例)
次に、本発明の第1,第2実施形態に係る遊技機の変形例について説明する。当該変形例は、図48に示すように、遊技制御装置100と外部情報端子71および一括表示装置50との間に図柄制御基板80を設けて、前記実施例では遊技用マイコン110が行っていた処理の一部を図柄制御基板80が行うことで、遊技用マイコン110の負担を軽減するようにしたものである。また、本変形例では、一括表示装置50に、特図1変動表示ゲームを実行するセグメント型表示器(特図1表示器)51および特図2変動表示ゲームを実行するセグメント型表示器(特図1表示器)52の他、普図変動表示ゲームを実行するセグメント型表示器(普図表示器)54を設けている。
本変形例における図柄制御基板80は、遊技制御装置100から出力される始動入賞口36への入賞検出信号としての始動口1入賞信号と普通変動入賞装置37への入賞検出信号としての始動口2入賞信号との論理和をとって延長した信号を始動口信号として生成する合成回路81、特図変動表示ゲームで小当りに当選した場合に遊技制御装置100から出力される特別図柄小当り信号と特別図柄当り信号との論理和をとった信号を大当り1信号として生成する合成回路82、2R大当りの発生に基づいて遊技制御装置100から出力される役物連続作動装置作動中信号と2R表示LED信号と普通変動時間短縮状態信号との論理和をとった信号を大当り2信号として生成する合成回路83を備える。
また、図柄制御基板80は、2R大当りの発生に基づいて遊技制御装置100から出力される役物連続作動装置作動中信号と2R表示LED信号との論理和をとった信号を大当り3信号として生成する合成回路84、遊技機で前面枠開放や遊技枠開放、磁気エラーなどの異常が発生した場合に遊技制御装置100から出力される遊技機エラー状態信号を扉・枠開放・セキュリティ信号として生成する中継回路85、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの開始に伴って遊技制御装置100から出力される特別図柄1変動中信号と特別図柄2変動中信号との論理和をとった信号を特図図柄確定回数信号として生成する合成回路86を備える。
さらに、図柄制御基板80は、普図変動表示ゲームの開始に伴って遊技制御装置100から出力される普通図柄変動中信号を普図図柄確定回数信号として出力する中継回路87、特図1変動表示ゲームや特図2変動表示ゲームの開始に伴って遊技制御装置100から出力される特別図柄1変動中信号や特別図柄2変動中信号、普図変動表示ゲームの開始に伴って出力される普通図柄変動中信号、一括表示装置50のセグメント型表示器51,52,54を駆動するために遊技制御装置100から出力されるセグメント信号(前段セグメント信号)やデジット信号に基づいてセグメント型表示器51,52,54へ供給するセグメント駆動信号(後段セグメント信号)やデジット駆動信号(後段デジット信号)を生成して出力する図柄変動制御回路88を備える。
図49には、上記図柄変動制御回路88の機能が示されている。図49において左側は遊技制御装置100から変動停止中と変動中にそれぞれ出力される前段セグメント信号を、また右側は前段セグメント信号を受けて図柄変動制御回路88から出力される後段セグメント信号を示す。図49に示されているように、変動停止中は遊技制御装置100からの前段セグメント信号がほぼそのままの形態で後段セグメント信号として図柄変動制御回路88から出力される。一方、変動中は遊技制御装置100から例えば直前の停止時の前段セグメント信号がそのまま出力され、図柄変動制御回路88は変動中を示す信号に基づいて対応するセグメント型表示器へ、中央のセグメントのみが点滅を繰り返すような後段セグメント信号を生成して出力するようになっている。
図50には、図48の図柄変動制御回路88の動作タイミングチャートが示されている。図50において、(a)は遊技制御装置100から図柄変動制御回路88へ供給される前段セグメント信号、(b)は遊技制御装置100から図柄変動制御回路88へ供給されるデジット信号、(c)は遊技制御装置100から図柄変動制御回路88へ供給される変動中信号で、特図1用と特図2用と普図用の3種類がある。また、(d)は図柄変動制御回路88から出力される後段セグメント信号である。図50においては、期間T1の間に特図1の変動中信号がハイレベル(有効レベル)になっているので、ハッチングが付されている特図1の図柄のみ変動表示され、他の図柄は静止表示されることとなる。
図50のように、遊技制御装置100と外部情報端子71および一括表示装置50との間に、上記のような図柄制御基板80を設けることによって、外部情報端子71を介して外部の試験装置へ出力する信号を生成する遊技制御装置100(特に遊技用マイコン110)の負担を軽減することができるとともに、試験装置による試験時間を短縮することができるという利点がある。
また、図柄制御基板80は、機種すなわち遊技盤30の構成(仕様)が変わっても共通に使用可能に構成することができ、これによって製造コストの低減を図ることができる。
なお、変動中を示す信号に基づいて対応するセグメント型表示器へ中央のセグメントのみが点滅を繰り返すような後段セグメント信号を生成して出力する代わりに、クロック信号で更新動作を行うカウンタ回路を図柄変動制御回路88に設け、カウンタ回路の値を用いて「0」〜「9」のような数字やその他の記号を順繰りに表示させるようなセグメント信号を生成して表示器51,52または54へ出力するように構成しても良い。
なお、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
例えば、上記第1実施形態において、特別遊技状態の終了後の特図変動表示ゲームでは、高確率状態から低確率状態へ移行(転落)するまで転落抽選を行うようにしたが、当該低確率状態への移行条件として、特別遊技状態の終了後、転落抽選は行わずに所定回転数のみ高確率状態に設定するスペシャルタイム(ST)を行うようにしても良い。
具体的には、特別遊技状態の終了後、所定条件(例えば、当該特別遊技状態の発生契機となった大当り図柄情報)に基づいて、転落確率Aによる転落抽選を行うか、転落確率Bによる転落抽選を行うか、又は、上記スペシャルタイムを行うかを選択するようにする。なお、スペシャルタイムの回転数は、時短状態に実行される特図変動表示ゲームの最大実行回数と同じにすることが望ましい。
これにより、高確率状態に対応した演出(例えば、マルチライン表示)、若しくは当該演出が擬似的に行われているときの確率状態の予測を行い難くすることができるので、当該演出中の遊技の興趣が向上する。
また、特別遊技状態の終了後、スペシャルタイムが選択された場合、時短状態中は高確率状態が維持される(途中で転落する虞がない)ので、時短状態中の高確率状態に対応した演出の信頼度が高まる。
また、上記第1実施形態において、転落判定値に転落確率Bが設定され、且つ、時短状態1回目の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合、当該特図変動表示ゲームでは転落抽選に当選したことを報知せず、次の特図変動表示ゲームで報知するようにしたが、これ以外にも、時短状態1回目の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選した場合、最初から低確率状態であったかのように見せるため低確率中演出(例えば、シングルライン表示)を行うようにしても良い。ただし、かかる実施例の遊技機は、特別遊技状態の終了後、高確率状態に移行する場合と、低確率状態を継続する場合と、に振り分け可能であることを条件とする。
これにより、時短状態1回目の特図変動表示ゲームで転落抽選に当選したことによる失望感を遊技者に与えないようにすることができる。
また、本発明の遊技機は、上記実施形態に示されるようなパチンコ遊技機に限定されるものではなく、例えば、その他のパチンコ遊技機、アレンジボール遊技機、雀球遊技機などの遊技機を使用する全ての遊技機に適用可能である。