JP2004154281A - 寝具 - Google Patents

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JP2004154281A
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Takayoshi Okuya
孝良 奥谷
Tsutomu Nakamura
勤 中村
Yoji Shimura
洋二 志村
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Nishikawa Sangyo Co Ltd
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Nishikawa Sangyo Co Ltd
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Abstract

【課題】寝床内気象を使用者の体温に応じて常に最も好ましい温度に保つことの出来る寝具を得る。
【解決手段】寝具において相変化物質を内包するマイクロカプセルを、高吸湿繊維よりなる布帛に配している。相変化物質は、22〜37℃に融点を有するパラフィン系ワックス又はその誘導体を主成分とするものであり、マイクロカプセルは、布帛を構成する繊維内に分散させるか布帛表面にバインダーと共に塗付されている。そして、高吸湿繊維布帛は50〜100重量%の、紙糸又はアクリレート系高吸湿繊維としている。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、掛布団,敷布団,敷パッド,ベッドマット等身体を覆い、所謂寝床内気象(身体と寝具間の温度環境)を冬は暖かく、夏は涼しいと感じることの出来る寝具に関する。
【0002】
【従来の技術】
寝具の寝床内気象は33±1℃、50±5%RHが快適な睡眠が得られる条件といわれている。寒いときには断熱性の高い暖かい寝具、暑い時には冷感を得る薄い寝具を用い、また寝室の温度条件を変えて対応しているのが現状で、寝具材料としては、冬には毛や空気を多く含んだ嵩高な繊維、夏には麻や木綿等の熱伝導率の良い繊維が使われている。
【0003】
冷感を得られる素材として紙をテープ状にカットした後に撚りをかけて紐状の紙糸とし、これを製編織した編織物は知られている。紙の特徴である吸水性,吸湿性,断熱性に優れた紙糸に耐水処理を施しベトツキの少ない、衣料等の素材に適した清涼感のある編織物が提案されている(特許文献1参照)。
【0004】
また、相変化物質の固体から液体への相変化を利用し対象物の熱を吸収又は放出するため相変化物質をマイクロカプセル化しバインダー樹脂に分散させ布帛に塗付する技術が開示されている(特許文献2,3,4参照)。
【0005】
人は就寝時、快適な眠りを得るには、寝床内気象は33±1℃、50±5%RHがよいといわれている。
就寝する場合、寝具温度が体温より低ければ寝具が暖まるまでは、体温は寝具側に移動していく。寝具温度が、体温と室内温度との間で安定するまでには約60分以上の時間がかかる。いかに速く寝床内気象を安定させるかが肝要であり、その安定が寝具の快適性につながり、且つ快適睡眠につながることになる。
【0006】
【特許文献1】
特開2001−254244号公報 (2頁1欄)
【特許文献2】
米国特許第4756958号明細書 (アブストラクツ)
【特許文献3】
特許第3244451号明細書 (特許請求の範囲,請求項1)
【特許文献4】
特表2001−523596号 (特許請求の範囲,請求項1乃至請求項9)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の点に鑑みて、本発明は寝床内気象を使用者の体温に応じて常に最も好ましい温度に保つことの出来る寝具を得ることを目的としている。
【0008】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、寝具において相変化物質を内包するマイクロカプセルを、高吸湿繊維よりなる布帛に配している。
相変化物質は、22〜37℃に融点を有するパラフィン系ワックス又はその誘導体を主成分とするものであり、マイクロカプセルは、布帛を構成する繊維内に分散させるか布帛表面にバインダーと共に塗付されている。
そして、高吸湿繊維布帛は50〜100重量%の、紙糸又はアクリレート系高吸湿繊維としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態について以下説明する。
本発明は、掛布団,敷布団,敷パッド,ベッドマット等身体を覆う寝具に実施することが出来る。
【0010】
本発明の寝具を構成する布帛は、高吸湿繊維よりなる布帛1に相変化物質2を内包したマイクロカプセル3を配してなるものである。布帛1に上記カプセル3を配する手段は、図1Bに示す如く布帛1の表面に上記マイクロカプセルをコーティング或いはプリント等の手段でバインダー4と共に付着させても良く、或いは図1Cに示す如く、マイクロカプセル3を練り込んだ糸5を編成或いは製織しても良い。不織布の状態でも勿論差し支えない。
【0011】
本発明に用いる高吸湿繊維は20℃50%RHでの飽和吸湿率が8〜70重量%好ましくは8〜60重量%の高吸湿繊維で、夏季用布団とする場合は、毛羽立ちが少なく、冷たく感じる紙糸による布帛が好ましい。紙糸は8〜40g/mのパルプ製の紙を3〜100mm好ましくは5〜50mm幅にスリットしたテープを加撚した紐状の糸で、該紙糸を製編織し編織物として寝具に供する。また、冬季用布団とする場合は、アクリレート系繊維の紡績糸が毛羽立が多く暖感を与えるので好ましい。
【0012】
20℃,65%RHの高吸湿性繊維の飽和吸湿率が8〜70重量%であれば寝具として汗を良く吸い寝床内の湿度の上昇を防ぎ、就寝中もべとつきを感じることなく快適性を保つことができる。吸湿性が8%以下で低い場合は、寝床内への影響は少なく、吸湿性が70%を超えると繊維が吸湿して風合いが極端に低下する。好ましくは吸湿性を8〜60重量%とするのが望ましい。
【0013】
本発明に用いる、相変化物質は、22〜37℃で好ましくは25〜34℃の範囲で固体から液体に相変化するパラフィン系又はその誘導体を主成分とする物質で、例えばn−オクタデカンを挙げる事が出来、該相変化物質は0.5乃至100ミクロンのマイクロカプセルにして用いる。繊維中にマイクロカプセルを練り込む場合には0.5〜20ミクロンとし、布帛表面にコーティングする場合は2〜50ミクロンが望ましい。該相変化物質は、結晶化,溶融に際して熱を吸収又は放出することにより、温度を安定化するので、本発明寝具の所望の温度での使用を可能とすることが出来る。マイクロカプセルとしては、公知のものを適用する。
【0014】
本発明に用いる寝具の形態は、寝具側地として用いる高吸湿繊維布帛に直接相変化物質を含むマイクロカプセルを塗付してもよいし、該布帛の身体に接する反対側に別布帛として配しても良い。
【0015】
布帛の開口率としては10〜80%、好ましくは20〜60%が良い。開口率が低いと湿度調節はよくなるが熱伝達効果が悪くなり、一方開口率が高くなると高吸湿繊維が少なくなり湿度調節効果が低くなる。
【0016】
【発明の効果】
相変化物質と高吸湿繊維とを併せて同時に寝具に用いることで、就寝直後は、温度が高い時(夏期)には接触温冷感で感じ、気温の低い時(冬期)には、身体から蒸散した水分による高吸水繊維への吸着発熱により暖かさを感じる。同時に、身体の熱は相変化物質に伝わり、周囲より温度が低いときには放熱となり、高いときには蓄熱される。即ち、温度調節が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】Aはカプセルの断面図、Bはマイクロカプセルをバインダーにより寝具の布帛に付着された断面図、Cは糸の断面図。
【符号の説明】
1 布帛
2 相変化物質
3 カプセル
4 バインダー
5 糸

Claims (6)

  1. 相変化物質を内包するマイクロカプセルを、高吸湿繊維よりなる布帛に配したことを特徴とする寝具。
  2. 相変化物質は22〜37℃に融点を有するパラフィン系ワックス又はその誘導体を主成分とすることを特徴とする請求項1記載の寝具。
  3. マイクロカプセルは布帛を構成する繊維内に分散させてなることを特徴とする請求項1記載の寝具。
  4. マイクロカプセルは布帛表面にバインダーと共に付着させてなることを特徴とする請求項1記載の寝具。
  5. 高吸湿繊維布帛は少なくとも50〜100重量%の紙糸より構成されたものであることを特徴とする請求項1記載の寝具。
  6. 高吸湿繊維布帛は少なくとも50〜100重量%のアクリレート系高吸湿繊維である請求項1記載の寝具。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008539997A (ja) * 2005-05-19 2008-11-20 キルツ オブ デンマーク アクティーゼルスカブ ダウン層と組み合わせた活性熱吸収/放出層を備えるマットレス
WO2008149127A1 (en) * 2007-06-07 2008-12-11 Lamb, Nathan, George, Charlton A fabric
CN105578928A (zh) * 2013-07-26 2016-05-11 泰普尔-派迪克管理有限责任公司 用于提供清凉感的支撑垫

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