JP3224649U - 冷感生地及びそれを有する紡織品 - Google Patents

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Abstract

【課題】冷感作用がより長く持続できるようにした冷感生地及びそれを有する紡織品を提供する。【解決手段】この冷感生地は、織布又は不織布からなる生地と、該生地の片面又は両面に塗布された冷感材料層14とを有する。冷感材料層14は、融点が20〜39℃である相転移物質を含有する、マイクロカプセルと、接触冷感材料と、有機バインダとを含有し、前記接触冷感材料は、吸水性樹脂、ジェル状物質、及びシリコン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有し、前記有機バインダは、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有する。【選択図】図1

Description

本考案は、相転移物質を含有する冷感材料層が塗布された冷感生地及びそれを有する紡織品に関する。
生地に身体が接触した時、冷感を感じるのは、皮膚から生地へ熱移動が生じるからであり、この熱移動量が多いほど冷感を良く感じることができる。
冷感が得られる素材として、相転移物質を封入したマイクロカプセル(「PCM」と呼ばれている)を繊維に付着させてなるものがある。相転移物質は、固体状態から液体状態へ相転移する際に吸熱反応が生じるので、マイクロカプセル中の相転移物質が、体温によって温められて溶融すると、吸熱反応が生じて皮膚から生地へ熱移動が生じ、冷感を得ることができる。
上記のような冷感を感じるものとして、例えば、下記特許文献1には、接触冷感評価値(Q−max)が0.2W/cm2以上である布からなる表生地と、前記表生地の裏側に配置された、融点が20〜37℃である相転移物質を封入したマイクロカプセルを含有する相転移物質含有シートと、相転移物質含有シートの裏側に配置された中綿層と、中綿層の裏側に配置された布からなる裏生地とを備えた、繊維積層体が記載されている。また、前記中綿層は、例えば、ナイロン繊維やポリエステル繊維等の、クッション性を有する比較的肉厚のものが好ましいことが記載されている。
実用新案登録第3185616号公報
上記繊維積層体によれば、就寝時など繊維積層体が身体と接触した際、マイクロカプセル中の相転移物質が、体温によって温められて溶融し、吸熱反応が生じて皮膚から生地へ熱移動が生じ、冷感を得ることができる。また、身体との接触により相転移物質が溶解して冷感が低下しても、寝返り等によって身体の接触位置が変化して、身体が接触しない状態になったときに、速やかに冷却して凝固するので、次に身体が接触したときに再び吸熱反応を生じさせることが可能となる。
しかしながら、相転移物質による冷感は、身体との接触により相転移物質が全て溶解してしまうと消失してしまうので、持続した冷感が得られにくいという欠点があった。
したがって、本考案の目的は、冷感作用がより長く持続できるようにした冷感生地及びそれを有する紡織品を提供することにある。
上記目的を達成するため、本考案の冷感生地は、織布又は不織布からなる生地と、該生地の片面又は両面に塗布された冷感材料層とを有する冷感生地において、
前記冷感材料層は、融点が20〜39℃である相転移物質を含有するマイクロカプセルと、接触冷感材料と、有機バインダとを含有し、
前記接触冷感材料は、吸水性樹脂、ジェル状物質、及びシリコン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有し、
前記有機バインダは、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする。
本考案の冷感生地によれば、冷感材料層として、融点が20〜39℃である相転移物質を含有するマイクロカプセルの他に、吸水性樹脂、ジェル状物質、及びシリコン樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる接触冷感材料を含有するものを使用するので、身体が接触したとき、マイクロカプセルに含まれる相転移物質の溶解による吸熱と、接触冷感材料による吸熱とが両方作用する。また、マイクロカプセルに含まれる相転移物質の溶解による吸熱は、身体だけでなく、冷感材料層中に混合されて存在する接触冷感材料にも直接作用するので、接触冷感材料の温度上昇を効果的に抑制することができ、冷感の持続時間を長くすることができる。また、有機バインダは、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有するものを使用することにより、冷感材料層が剥がれにくくなり、耐洗濯性に優れた冷感生地を得ることができる。
本考案の冷感生地においては、前記吸水性樹脂は、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロース・プロピレン・グラフト・コポリマー、澱粉・アクリル酸・グラフト・コポリマーから選ばれたものからなり、前記ジェル状物質は、キサンタンガム、寒天、ペクチンから選ばれたものからなり、前記シリコン樹脂は、熱伝導性シリコン樹脂、メチルビニルポリシロキサンから選ばれたものからなるものが好ましく、それによって接触冷感材料の冷感をより効果的に得ることができる。
また、本考案の冷感生地においては、前記冷感材料層は、更に消臭剤、柔軟剤、及び防カビ剤から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましく、それによって、生地の消臭効果、柔軟性、防カビ効果を高めることができる。
また、本考案の冷感生地においては、前記生地が織布からなり、前記冷感材料層は、5〜200g/m2の量で塗布されていることが好ましく、それによって、冷感作用を有する表生地として好適な冷感生地を提供することができる。
また、本考案の冷感生地においては、前記生地が不織布からなり、前記冷感材料層は、5〜300g/m2の量で塗布されていることが好ましく、それによって、表生地の内側に配置するのに好適な冷感生地を提供することができる。
一方、本考案の紡織品は、上記いずれかの冷感生地を有することを特徴とする。
本考案の紡織品によれば、上記いずれかの冷感生地を有することにより、身体が接触したとき、冷感作用を長く持続させることができる。
本考案の紡織品は、寝具用カバー、シーツ、布団、敷きパッド、枕、ラグ、クッション、ソファーカバー、タオル、カーテン、帽子、襟巻き、靴底シート、靴下、鉢巻、手首巻き、椅子シート、椅子カバー及び衣服から選ばれた1種であることが好ましく、それによって、それぞれの紡織品に持続性に優れた冷感作用を付与することができる。
本考案の紡織品の一つの態様においては、前記冷感生地は、前記紡織品の表生地として使用されており、前記冷感材料層は、前記表生地の裏面に塗布されていることが好ましく、それによって、冷感材料層による冷感作用を、身体と接触する表生地に直接付与することができ、冷感効果を高めることができる。
本考案の紡織品の別の態様においては、前記冷感生地は、前記紡織品の表生地の内側に配置されており、前記冷感材料層は、前記表生地に接する面に塗布されていることが好ましく、それによって、冷感生地が表生地で覆われるので、冷感生地に冷感材料層を比較的多量に塗布した場合でも、相転移物質が表面に染み出すことを抑制できる。
本考案によれば、冷感材料層として、相転移物質を含有するマイクロカプセルの他に、吸水性樹脂、ジェル状物質、及びシリコン樹脂から選ばれた少なくとも1種からなる接触冷感材料を含有する冷感生地を使用するので、冷感の持続時間を長くすることができる。また、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有する有機バインダを使用することにより、冷感材料層が剥がれにくくなり、耐洗濯性に優れている。
本考案を敷きパットに適用した一実施形態を示す部分断面図である。 本考案を敷きパットに適用した他の実施形態を示す部分断面図である。 本考案を敷きパットに適用した更に他の実施形態を示す部分断面図である。 本考案を布団カバーに適用した一実施形態を示す部分断面図である。 本考案を布団に適用した一実施形態を示す部分断面図である。 本考案及び比較例の枕カバーの冷感持続性を評価する試験に用いた金網と検体とを示す平面図である。 同試験に用いた試験装置を示す説明図である。 同試験において実施した熱負荷工程のスケジュールを示す図表である。
本考案の冷感生地は、織布又は不織布からなる生地と、該生地の片面又は両面に塗布された冷感材料層とを有する。
上記織布としては、例えば、綿、麻、絹、ウールなどの天然繊維や、レーヨン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステルなどの化学繊維、及びそれらの混成物からなる織物が用いられ、織物の種類としては、例えばニットや布帛が挙げられる。
上記不織布としては、例えば、綿、麻、絹、ウールなどの天然繊維や、レーヨン、ナイロン、ポリエチレン、ポリエステルなどの化学繊維、及びそれらの混成物からなる不織布が用いられる。上記不織布は、乾式法、湿式法、スパンボンド法、スパンレース法、サーマルボンド法、ニードルパンチ法等の、周知の方法で製造することができる。
織布又は不織布からなる生地の目付量としては、10〜500g/m2であることが好ましく、20〜300g/m2であることがより好ましい。
冷感材料層は、相転移物質を含有するマイクロカプセルと、接触冷感材料と、有機バインダとを含有する。相転移物質の融点は、20〜39℃であることが好ましい。
相転移物質としては、例えば、n−ヘプタデカン、n−オクタデカン、ノナデカン、n−エイコサンなどのアルカンの混合物などからなり、融点が20〜39℃であるものが用いられる。相転移物質は、外部温度が溶融エンタルピー値を上回る時に、熱を吸収することで、周囲温度の上昇を遅らせる働きをなす。
相転移物質は、固体又はエマルジョンの形態にされて、マイクロカプセルに封入され、固体又はエマルジョンの形態にされて、冷感材料として用いられる。マイクロカプセルの壁材としては、例えば、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリスチレン、アクリル樹脂などが用いられるが、相転移物質の染み出し抑制効果が高く、ホルムアルデヒドなどの発生のない、ポリメタクリル酸メチル樹脂などのアクリル樹脂が好ましく用いられる。
接触冷感材料としては、吸水性樹脂、ジェル状物質、及びシリコン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有するものが用いられる。
吸水性樹脂としては、例えば、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロース・プロピレン・グラフト・コポリマー、澱粉・アクリル酸・グラフト・コポリマーなどが好ましく用いられる。
ジェル状物質としては、例えば、キサンタンガム、寒天、ペクチンなどが好ましく用いられる。
シリコン樹脂としては、例えば、熱伝導性シリコン樹脂、メチルビニルポリシロキサンなどが好ましく用いられる。
有機バインダとしては、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種が好ましく用いられる。これによって、冷感材料層が生地から剥がれにくくすることができ、耐洗濯性を高めることができる。
本考案の冷感生地において、前記冷感材料層は、更に消臭剤、柔軟剤、及び防カビ剤から選ばれた少なくとも1種を含有することが好ましい。消臭剤としては、例えば珪酸塩類などを用いることができる。柔軟剤としては、例えば有機シリコン類などを用いることができる。防カビ剤としては、例えば、ビフェニル、OPP(o-phenylphenol,)などの有機防カビ剤や、過硫酸アンモニウム、燐酸カルシウム、銀イオン化合物などの無機防カビ剤や、マスタードエクストラクト(Mustard extract)、ヨモギなどの天然防カビを用いることができる。
また、本考案の冷感生地は、織布又は不織布からなる生地の片面又は両面に、融点が好ましくは20〜39℃である相転移物質を含有するマイクロカプセルと、接触冷感材料と、有機バインダとを含有する混合液を塗布する塗布工程と、前記塗布された混合液を乾燥させて、前記生地に付着した冷感材料層を形成する乾燥工程とを含む工程によって製造できる。
前記混合液は、前記マイクロカプセルを、好ましくは10〜90質量%、より好ましくは20〜50質量%含んでいる。また、前記接触冷感材料を、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは1〜20質量%含んでいる。更に、前記有機バインダを、好ましくは8〜89質量%、より好ましくは30〜50質量%含んでいる。
更に、前記混合液は、前記消臭剤を1〜5質量%、前記柔軟剤を1〜5質量%、前記防カビ剤を0.5〜2質量%含有することが好ましい。
混合液の調製方法は、特に限定されないが、例えば下記の工程が採用できる。
(1)有機バインダを、調整桶にいれて、300〜500回転/分ぐらいのスピードでかき混ぜる。
(2)相転移物質を含有する、マイクロカプセルを調整桶にゆっくり入れて、10分間ぐらいかき混ぜる。
(3)接触冷感材料を調整桶に入れて5分間くらいかき混ぜる。
(4)消臭剤と防カビ剤と柔軟剤を調整桶に入れて、3分間ぐらいかき混ぜる。
(5)必要により、水や増粘剤や網詰り防止剤を適量添加する。
混合液の塗布は、印刷、コーティング、射出成形などの方法で行うことができる。
印刷は、例えばシルクスクリーン印刷機を用いて行うことできる。生地の布面に対する混合液の印刷面積は、例えば20〜100%にすることができる。シルクスクリーンの孔サイズ(スクリーン・メッシュ・ナンバー)は、20〜300が好ましく用いられる。
混合液の塗布量は、後の乾燥工程を経た乾燥重量として、生地として織布を用いる場合は、5〜200g/m2の量で塗布することが好ましく、5〜120g/m2の量で塗布することがより好ましい。それによって、冷感作用を有する表生地として好適な冷感生地を提供することができる。
また、生地として不織布を用いる場合は、5〜300g/m2の量で塗布することが好ましく、5〜200g/m2の量で塗布することがより好ましい。それによって、表生地の内側に配置するのに好適な冷感生地を提供することができる。
生地の布面に混合液を塗布した後、例えば熱風乾燥、ホットプレス、超音波、蒸気乾燥、遠赤外線加熱、真空乾燥加熱などの方法で、好ましくは50〜180℃にて乾燥を行う。これによって、マイクロカプセルや、接触冷感材料が、有機バインダを介して結合して、生地表面に接合された冷感材料層が形成される。
こうして得られた本考案の冷感生地は、身体が接触したとき、マイクロカプセルに含まれる相転移物質の溶解による吸熱と、接触冷感材料による吸熱とが両方作用する。また、マイクロカプセルに含まれる相転移物質の溶解による吸熱は、身体だけでなく、冷感材料層中に混合されて存在する接触冷感材料にも直接作用するので、接触冷感材料の温度上昇を効果的に抑制することができ、冷感の持続時間を長くすることができる。また、有機バインダとして、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有するものを使用することにより、冷感材料層が剥がれにくくなり、耐洗濯性に優れた冷感生地を得ることができる。
次に、上記冷感生地を用いた本考案の紡織品について説明する。本考案の紡織品としては、例えば、寝具用カバー、シーツ、布団、敷きパッド、枕、ラグ、クッション、ソファーカバー、タオル、カーテン、帽子、襟巻き、靴底シート、靴下、鉢巻、手首巻き、椅子シート、椅子カバー、衣服などが挙げられる。
これらの紡織品に上記冷感生地を配置する層構造としては、例えば図1〜5に示す構造が採用できる。
図1は、敷きパットに適用した一実施例を示し、この敷きパット10は、表生地11と、裏生地12との間に、中わた13が配置され、各層がキルティング、接着等の方法で一体化された構造をなしている。そして、表生地11の裏面に、冷感材料層14が形成されており、この表生地11が、本考案の冷感生地を構成している。なお、表生地11は織布で構成されている。この敷きパット10によれば、表生地11の裏面に冷感材料層14が形成されているので、表生地11を通して冷感材料層14に熱が伝達されやすくなり、冷感効果を高めることができる。
図2は、敷きパットに適用した他の実施例を示している。なお、以下の実施例においては、実質的に同じ部分には同じ符号を付して、その説明を省略することにする。この敷きパット20は、図1の実施例とほぼ同じ構造をなしているが、冷感材料層14が表生地11の表面側に形成されている点が、図1の実施例と相違している。この敷きパット20では、冷感材料層14が表生地11の表面側に形成されている身体が冷感材料層14に直接接触することになるので、冷感効果をより高めることができる。
図3は、敷きパットに適用した更に他の実施例を示している。この敷きパット30は、表生地11の内側に、不織布15が配置され、この不織布15の表生地11側の面に、冷感材料層14が形成されている。そして、不織布15と裏生地12との間に中わた13が配置されている。この敷きパット30では、表生地11の表面に身体が接触したとき、表生地11を通して、不織布15の表生地11側の面に形成された冷感材料層14に熱が伝わり、冷感効果を得ることができる。そして、表生地11の内側に配置された不織布15に冷感材料層14を形成することにより、表生地11の肌触りを損なうことがなく、冷感材料層14を比較的多量に塗布形成しても、相転移物質の表生地11表面への染み出しなどを抑制できる。
図4は、布団カバーに適用した他の実施例を示している。この布団カバー40は、表生地11と、裏生地12とが袋状に形成されており、裏生地12の内側に冷感材料層14が形成されている。この布団カバー40で布団を包んで使用することにより、身体が布団カバー40の裏生地12の表面に接触すると、裏生地12を通して冷感材料層14に熱が伝わり、冷感作用がもたらされる。
図5は、布団に適用した他の実施例を示している。この布団50は、表生地11と裏生地12との間に、中わた13が配置されている。そして、裏生地12の内面に冷感材料層14が形成されている。身体が布団50の裏生地12に直接又は図示しない布団カバーを介して接触すると、裏生地12(又は布団カバーの裏生地及び布団50の裏生地12)を介して冷感材料層14に熱が伝わり、冷感作用がもたらされる。
<試験例1>
[実施例1]
生地として、綿の布帛(番手 60S*40S 打込み数172*120)を用い、この生地の片面に、融点30℃の相転移物質を含有するマイクロカプセル(PCM)34質量%、セルロース・プロプリン・グラフト・コポリマー(吸水性樹脂、接触冷感材料)15質量%、ポリウレタンバインダ45質量%、消臭剤3質量%、柔軟剤2質量%、防カビ剤1質量%に、適量の水と増粘剤とを加えて形成した混合液を、スクリーン印刷によって塗布し、乾燥することにより、冷感材料層を形成した。冷感材料層の塗布面積は50%、塗布量は20g/m2、乾燥温度は150℃1〜3分間とした。こうして実施例1の冷感生地を得た。
[比較例1]
実施例1において、接触冷感材料としてのセルロース・プロプリン・グラフト・コポリマー(吸水性樹脂)を添加しない混合液を塗布して、その他は実施例1と同様にして、比較例1の冷感生地を得た。
上記実施例1及び比較例1の冷感生地について、接触冷感評価値(Q−max)を測定した。ここで、接触冷感評価値(Q−max)とは、人がものに触れた瞬間の冷たさを移動した熱量で数値化したものであって、数値が大きいほど冷感を強く感じることができる。本考案において、接触冷感評価値(Q−max)は、温度20℃の環境下で、温度差20℃のセンサーにサンプルを接触させたときの熱の移動量を測定した値を意味する。この結果を下記表1に示す。
<試験例2>
[実施例2]
生地として、レーヨン不織布(目付量50g/m2)を用い、この生地の片面に、融点28℃の相転移物質を含有するマイクロカプセル(PCM)30質量%、ジェルとポリアクリル酸の混合物(吸水性樹脂、接触冷感材料)15質量%、ポリウレタンバインダ50質量%、消臭剤3質量%、柔軟剤2質量%、防カビ剤1質量%に、適量の水と増粘剤とを加えて形成した混合液を、コーティング加工装置を用いて塗布し、乾燥することにより、冷感材料層を形成した。冷感材料層の塗布面積は50%、塗布量は20g/m2、乾燥温度は150℃1〜3分間とした。こうして実施例2の冷感生地を得た。
[比較例2]
実施例2において、冷感材料層を形成しないレーヨン不織布(目付量50g/m2)の生地を比較例2とした。実施例2及び比較例2の生地を用いて、下記の方法より、持続冷感を試験した。
45度に傾斜した試料台に、試料となる実施例2、比較例2の生地を並べて取付け、その15cm前に90℃の熱板を平行にセットした。そして、サーモグラフィ装置により、1分、2分、4分、6分、8分、10分後の試料の表面温度を測定した。試験環境は、室温20±2℃、湿度65±4%RHである。この結果を下記表2に示す。
表2に示すように、冷感材料層を形成した生地は、表面温度の上昇が抑制され、10分経過後も、単なる生地に比べて表面温度が2.0℃低く維持された。
<試験例3>
[実施例3]
前記実施例2と同様にして、レーヨン不織布に冷感材料層を形成した冷感生地を作成した。この冷感生地を用いて、下記層構成の枕カバーを製造した。
1層:表生地:ナイロン65%、レーヨン30%、ポリウレタン5%
2層:冷感材料層+レーヨン不織布
3層:吸水性中綿(ポリエステル100%)
4層:ポリエステルのニット生地。
[比較例3]
市販品の枕カバー(N社製品)を、比較例3とした。この枕カバーは、下記層構成からなっている。
1層:表生地:ナイロン100%
2層:ポリエチレン不織布
3層:中綿(ポリエステル80%、アクリレート20%)
4層:シンカーパイル(パイル:80%ポリエステル+20%コットン;地糸:ポリエステル100%)。
[比較例4]
市販品の枕カバー(I社製品)を、比較例4とした。この枕カバーは、下記層構成からなっている。
1層:表生地:複合繊維(PE60%+ナイロン40%)
2層:ポリエチレン不織布
3層:中綿(レーヨン30%+ポリエステル70%)
4層:ポリメッシュ(ポリエステル100%)。
実施例3、比較例3、比較例4のそれぞれの枕カバーの切片を用いて、熱負荷時において検体表面温度が気中温度に達するまでの時間を測定した。
具体的には、図6に示すように、金網61上に、実施例3の枕カバー(切片)62、比較例3の枕カバー(切片)63、比較例4の枕カバー(切片)64を載せ、それぞれの枕カバー62,63,64に熱電対65を設置した。
また、図7に示すように、台66上に、上記枕カバー62,63,64を載せた金網61を載せた。そして、支柱67で支持された温風発生装置68を、台66上に向けて温風を送風できるように設置した。更に、三脚69で支持されたサーモグラフィカメラ70で、台66の金網61上に載置された枕カバー62,63,64の表面温度を測定できるようにした。
温風発生装置68は、検体表面で36〜37℃になるように距離等を調整した。温風発生装置68により、枕カバー62,63,64に温風を吹き付けて熱負荷をかけるタイミングを、図8に示すように設定した。
こうして、20分間隔で5分間ずつ繰り返し温風を吹き付けて、熱電対65によって検体表面温度を測定し、温風を吹き付けたときから、検体表面温度が気中温度に達するまでの時間を、それぞれの枕カバー62,63,64について測定した。
この結果を下記表3に示す。
表3に示すように、2層目のレーヨン不織布に、本考案の構成からなる冷感材料層を設けた実施例3の枕カバー62は、市販品である比較例3の枕カバー63、比較例4の枕カバー64に比べて、検体表面温度が気中温度に達するまでの時間が顕著に長くなっており、冷感保持効果が長く持続することがわかる。
[実施例4]
生地として、綿の布帛(番手 60S*40S 打込み数172*120)を用い、この生地の片面に、融点30℃の相転移物質を含有するマイクロカプセル(PCM)34質量%、セルロース・プロプリン・グラフト・コポリマー(吸水性樹脂、接触冷感材料)15質量%、ポリウレタンバインダ45質量%、消臭剤3質量%、柔軟剤2質量%、防カビ剤1質量%に、適量の水と増粘剤とを加えて形成した混合液を、スクリーン印刷によって塗布し、乾燥することにより、冷感材料層を形成した。冷感材料層の塗布面積は50%、塗布量は20g/m2、乾燥温度は150℃1〜3分間とした。こうして実施例4の冷感生地を得た。
この生地も、実施例1と同様な冷感性能を有していた。
[実施例5]
生地として、レーヨン不織布(目付量50g/m2)を用い、この生地の片面に、融点28℃の相転移物質を含有するマイクロカプセル(PCM)30質量%、ジェルとポリアクリル酸の混合物(接触冷感材料)15質量%、ポリウレタンバインダ50質量%、消臭剤3質量%、柔軟剤2質量%、防カビ剤1質量%に、適量の水と増粘剤とを加えて形成した混合液を、コーティング加工装置を用いて塗布し、乾燥することにより、冷感材料層を形成した。冷感材料層の塗布面積は50%、塗布量は20g/m2、乾燥温度は150℃1〜3分間とした。こうして実施例5の冷感生地を得た。
この生地も、実施例2と同様な冷感性能を有していた。
[実施例6]
生地として、ナイロン50%、レーヨン45%、ポリウレタン5%の繊維からなるニット天竺生地(目付量200g/m2)を用い、この生地の片面に、融点28℃の相転移物質を含有するマイクロカプセル(PCM)40質量%、メチルビニルポリシロキサン(接触冷感材料)10質量%、ポリウレタンバインダ44質量%、消臭剤2質量%、柔軟剤2質量%、防カビ剤2質量%に、適量の水と増粘剤とを加えて形成した混合液を、プリント装置を用いて塗布し、乾燥することにより、冷感材料層を形成した。冷感材料層の塗布面積は60%、塗布量は30g/m2とした。こうして実施例6の冷感生地を得た。
この生地も、実施例2と同様な冷感性能を有していた。
10、20、30 敷きパット
11 表生地
12 裏生地
13 中わた
14 冷感材料層
15 不織布

Claims (9)

  1. 織布又は不織布からなる生地と、該生地の片面又は両面に塗布された冷感材料層とを有する冷感生地において、
    前記冷感材料層は、相転移物質を含有するマイクロカプセルと、接触冷感材料と、有機バインダとを含有し、
    前記接触冷感材料は、吸水性樹脂、ジェル状物質、及びシリコン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有し、
    前記有機バインダは、アクリル樹脂、及びポリウレタン樹脂から選ばれた少なくとも1種を含有することを特徴とする冷感生地。
  2. 前記吸水性樹脂は、ポリアクリル酸ナトリウム、メチルセルロース、エチルセルロース、セルロース・プロピレン・グラフト・コポリマー、澱粉・アクリル酸・グラフト・コポリマーから選ばれたものからなり、
    前記ジェル状物質は、キサンタンガム、寒天、ペクチンから選ばれたものからなり、
    前記シリコン樹脂は、熱伝導性シリコン樹脂から選ばれたものからなる、請求項1記載の冷感生地。
  3. 前記冷感材料層は、更に消臭剤、柔軟剤、及び防カビ剤から選ばれた少なくとも1種を含有する、請求項1又は2記載の冷感生地。
  4. 前記生地が織布からなり、前記冷感材料層は、5〜200g/m2の量で塗布されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷感生地。
  5. 前記生地が不織布からなり、前記冷感材料層は、5〜300g/m2の量で塗布されている、請求項1〜3のいずれか1項に記載の冷感生地。
  6. 請求項1〜5のいずれか1項に記載された冷感生地を有する紡織品。
  7. 前記紡織品は、寝具用カバー、シーツ、布団、敷きパッド、枕、ラグ、クッション、ソファーカバー、タオル、カーテン、帽子、襟巻き、靴底シート、靴下、鉢巻、手首巻き、椅子シート、椅子カバー及び衣服から選ばれた1種である、請求項6記載の紡織品。
  8. 前記冷感生地は、前記紡織品の表生地として使用されており、前記冷感材料層は、前記表生地の裏面に塗布されている、請求項6又は7記載の紡織品。
  9. 前記冷感生地は、前記紡織品の表生地の内側に配置されており、前記冷感材料層は、前記表生地に接する面に塗布されている、請求項6又は7記載の紡織品。
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