JP2004152663A - 表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器並びに表示パネルの製造方法 - Google Patents

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康史 柄沢
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Abstract

【課題】外気の遮断効果がより高い封止方法を用いた表示パネル、その製造方法等を得る。
【解決手段】表示を行う表示部1が形成された土台用のシリコン基板3と、凹部を有し、少なくとも表示部1を覆うように被せてシリコン基板3との接合面を陽極接合した封止用の透明基板2とを少なくとも備えて、原子レベルの接合を行い、水分や酸素等の外部からの侵入を防ぎ、格段の封止効果を得ることにより、例えば有機EL素子で構成した表示部1の長寿命化を図る。
【選択図】 図1

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は表示用パネル等に関するものである。水分、温度等に影響を受けやすい有機電界発光素子を用いた表示パネルに特に適用されるものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、表示パネルは携帯電話機をはじめとしてコンピュータ、電子手帳、携帯ゲーム機等といった様々な電子機器、家電機器に利用されている。しかも、その種類も豊富で、例えば液晶表示パネル(LCD:Liquid Crystal Display)、プラズマ表示パネル(PDP:Plasma Display Panel)等、様々な種類の表示パネルが提供されている。その中でも、表示パネルの軽量化等の点で、現在最も注目をされているのが有機電界発光素子(以下、有機EL素子という)を利用した表示パネル(OELD:Organic Electro Luminescence Display)である。有機EL素子は、自己発光であるため自認性がよく、応答速度が速いので、その素子を利用した表示パネルは動画を表示するために有望な装置である。
【0003】
ところが、現在の有機EL素子は、水分、酸素等の影響を受けると、電極との間で剥離を起こしてしまったり、素子自体が変質してしまったりしてその発光寿命が短くなってしまう。そこで、例えば光硬化性樹脂を介して封止する方法(特許文献1参照)、凹部を有する基板を接着バインダーを介して接着する方法(特許文献2参照)、低融点金属を用いて凹部を有する基板を融着する方法(特許文献3参照)等、表示パネルの有機EL素子を水分、酸素等(これらを含む外気)から遮断するための技術が様々提供されている。
【0004】
【特許文献1】
特開平5−182759号公報
【特許文献2】
特開平9−7763号公報
【特許文献3】
特開平10−172757号公報
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記のような硬化性樹脂や接着バインダの場合、水分が水蒸気となった場合に、透過してくることがある。また、低融点金属を用いた場合でも、接着表面において濡れ性がばらついた場合には隙間が生じることがある。このように、従来の方法では外気の水分等を十分に遮断することができなかった。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題点を解決するためになされたものであり、外気の遮断効果がより高い封止方法を用いた表示パネル、その製造方法等を得ることを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る表示パネルは、表示を行う表示部が形成された土台用基板と、凹部を有し、少なくとも表示部を覆うように被せて土台用基板との接合面を陽極接合した封止用基板とを備えたものである。
本発明においては、凹部が表示部を覆うようにして封止用基板を被せた上で、土台用基板と封止用基板とを陽極接合する。したがって、原子レベルの接合ができる陽極接合を行うことで、水分や酸素等の外部からの侵入を防ぐことができ、低いコストで格段の封止効果を得ることができる。また廃棄物の削減にも寄与することができる。
【0008】
また、本発明に係る表示パネルは、表示を行う表示部が形成された土台用基板と、凹部を有し、少なくとも表示部を覆うように被せて土台用基板との接合面を常温接合した封止用基板とを備えたものである。
本発明においては、凹部が表示部を覆うようにして封止用基板を被せた上で、土台用基板と封止用基板とを常温接合する。したがって、原子レベルの接合ができる陽極接合を行うことで、水分や酸素等の外部からの侵入を防ぐことができ、低いコストで格段の封止効果を得ることができる。また廃棄物の削減にも寄与することができる。しかも、接合時に加熱しないので、製造工程のエネルギー消費を抑えることができ、表示部を熱から保護することができる。
【0009】
また、本発明に係る表示パネルの表示部は電界発光素子で構成する。
本発明においては、表示部は電界発光素子で構成する。したがって、封止による効果が特に発揮され、酸素や水分を含む外気の侵入を防ぎ、電界発光素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。有機EL素子の場合には特に有効である。
【0010】
また、本発明に係る表示パネルは、封止用基板を透明材料で形成し、土台用基板をシリコンで形成するものである。
本発明においては、陽極接合等を行いやすいように土台用基板をシリコンで構成し、封止用基板を表示面としてガラス等の透明材料で構成する。したがって、陽極接合、常温接合が行いやすくなる。
【0011】
また、本発明に係る表示パネルは、封止用基板をシリコンで形成し、土台用基板を透明材料で形成するものである。
本発明においては、陽極接合等を行いやすいように封止用基板をシリコンで構成し、土台用基板を表示面としてガラス等の透明材料で構成する。したがって、陽極接合、常温接合が行いやすくなる。
【0012】
また、本発明に係る表示パネルは、封止用基板及び土台用基板を透明材料で形成するものである。
本発明においては、両面表示を行うために、封止用基板及び土台用基板を透明材料で形成する。陽極接合の場合は基板間に酸化金属等を挟んでから陽極接合を行う。したがって、両面表示を実現することができる。
【0013】
また、本発明に係る表示パネルでは、透明材料として、ナトリウムイオンを含む硼珪酸系のガラスを用いる。
本発明においては、特に陽極接合に必要なイオン成分の移動を促し、接合時の加熱による歪みを起こさないようにナトリウムイオンを含む硼珪酸系のガラスを用いる。したがって、特に陽極接合を有効に行うことができ、シリコンに近い熱膨張係数を有する硼珪酸系のガラスを用いることで、歪みの少ない表示パネルを得ることができる。
【0014】
また、本発明に係る表示パネルは、封止用基板により封止された部分は、真空環境又は不活性ガスが充填された環境にする。
本発明においては、水分及び酸素が表示部と触れないようにするため、覆われて封止された部分は、真空又は不活性ガスを充填する。したがって、特に表示部が有機EL素子で構成されている場合には、素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。
【0015】
また、本発明に係る電子機器は、上述に記載の表示パネルを備え、表示機能を行わせる。
本発明においては、携帯電話機、デジタルカメラ等の電子機器の表示部分に本発明の表示パネルを用いる。したがって、外気の侵入を防ぎ、特に電界発光素子の場合には、発光の効率及び寿命を損ねることなく、表示機能に関しては長寿命の電子機器を得ることができる。
【0016】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、土台用基板に形成した表示部を覆うように、凹部を有する封止用基板を被せる工程と、封止用基板と土台用基板との間に電圧を印加し、接触面を加熱して陽極接合する工程とを有している。
本発明においては、凹部が表示部を覆うようにして封止用基板を被せて土台用基板と封止用基板とを陽極接合する。したがって、原子レベルの陽極接合ができ、水分や酸素等の外部からの侵入を防ぐことができ、格段の封止効果を得ることができる。
【0017】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、封止用基板と土台用基板との間に電圧を印加してから接触面を加熱する。
本発明においては、電圧を印加してから接触面を加熱する。したがって、有効な陽極接合を行うことができる。
【0018】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、接合面の加熱をレーザを用いて行うものである。
本発明においては、陽極接合時の接合面の加熱をレーザで行う。したがって、局所的な加熱を行うことができ、陽極接合時における熱の影響を表示部に及ぼすことがなく、表示部の質を保護することができる。
【0019】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、少なくとも接合面に酸化金属膜を成膜した上で、陽極接合を行うものである。
本発明においては、少なくとも接合面に対して酸化金属膜を成膜して陽極接合を行う。したがって、有効な陽極接合を行うことができる。
【0020】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、土台用基板に形成した表示部を覆うように、封止用基板を被せる工程と、封止用基板と土台用基板とのそれぞれの接合面を洗浄する工程と、封止用基板と土台用基板とを加圧して常温接合する工程とを有するものである。本発明においては、凹部が表示部を覆うようにして封止用基板を被せて土台用基板と封止用基板とを常温接合する。したがって、原子レベルの陽極接合ができ、水分や酸素等の外部からの侵入を防ぐことができ、格段の封止効果を得ることができる。しかも、接合時に加熱しないので、製造工程のエネルギー消費を抑えることができ、表示部を熱から保護することができる。
【0021】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、アルゴンを用いて接合面を逆スパッタして洗浄を行うものである。
本発明においては、常温接合を行うために洗浄を行い、表面を活性化させるが、そのためにアルゴン(Ar)を用いて接合面を逆スパッタする。したがって、常温接合を行う場合の汚れを取り除き、基板の表面活性化を有効に行うことができる。
【0022】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、製造工程が真空中又は不活性ガス雰囲気中で行われる。
本発明においては、水分及び酸素が表示部と触れないようにするため、真空中又は不活性ガス雰囲気中で工程を行う。したがって、特に表示部が有機EL素子で構成されている場合には、素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。
【0023】
また、本発明に係る表示パネルの製造方法は、表示部に表示を行わせる電力を供給するための溝又は孔を土台用基板にあらかじめ形成しておき、凹部を有する基板を接合後に溝又は孔を塞ぐ工程を有するものである。
本発明においては、表示部の表示制御又は表示部が発光素子の場合には発光させるための電力を供給するために、溝又は孔を土台用基板に形成しておき、接合後、無機物質などで溝又は孔を塞ぐようにする。したがって、表示に必要な電力を供給することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の第1の実施の形態に係る表示パネルの構成を示す図である。図1(a)は上面図を表し、図1(b)はa−a’間の断面図を表している。1は有機EL素子が形成され、実際に表示が行われる部分となる表示部である。ここで、表示部1には表示を行うための電極等が形成されているものとする。また、場合によっては各有機EL素子を制御するために一体形成された回路を含んでいる場合もある。透明基板2は封止用基板であり、本実施の形態ではナトリウムイオンを含む硼珪酸系の硬質ガラスを用いるものとする。これは、イオンの移動を促し陽極接合を行いやすくし、しかもシリコンに近い熱膨張係数である硼珪酸系のガラスにすることにより歪み等をなくすためである。また、本実施の形態では、シリコン基板3上に形成された表示部1を覆うため、透明基板2に凹部を形成し、その窪んだ部分に表示部1が被せられるものとする。シリコン基板3は土台用基板として構成する。ここで、本実施の形態ではシリコン基板3上に表示部1が形成されるものとする。
【0025】
本実施の形態における表示パネルは、凹部を有する透明基板2とシリコン基板3とを陽極接合を用いて接合するようにしたものである。陽極接合を用いると、原子レベルでの接合がなされるので、水分や酸素が侵入する余地がなく、格段の封止効果を得ることができる。
【0026】
図2はシリコン基板3に施す加工を表す図である。この加工は、有機EL素子の発光に必要となる電力を外部から供給するための導電層等を確保するために行うものである。図2(a)のような導電溝4はエッチング等により形成する。また、導電溝4の代わりとして、図2(b)のように、シリコン基板3の所定の箇所に、表示部1を形成する面の反対の面からエッチング等により孔を空け、電力を外部から供給するための導電孔5(スルーホール)を設けるようにしてもよい。例えば導電孔5の内周部分には導電性の金属によるメッキにより導電層を形成しておく。このような導電溝4又は導電孔5をシリコン基板3上に表示部1を形成する前に形成しておくようにする。
【0027】
図3は表示パネルの製造手順を表す図である。次に本実施の形態の表示パネルの製造手順について説明する。まず、シリコン基板3の表面に、有機EL素子に電荷を供給するための電極を形成する。電極の材料としては、一般的に、陽極の場合は仕事関数が高い材料がよく、陰極の場合は仕事関数が低い材料がよい。場合によっては、輝度を高くするために素子が発光した光を反射できる機能を有する材料にすることもできる。また、有機EL素子の発光を制御するための制御回路を同時にシリコン基板3上に形成することもできる。
【0028】
そして、形成した電極上に有機EL素子の層を形成する。有機EL素子は、例えば、正孔注入層、発光層及び電子注入層を積層して形成するものである。そして、形成した有機EL素子の層の上に、シリコン基板3表面に形成した電極が供給する電荷と逆極性の電荷を供給するための透明の対向電極を形成し、表示部1を形成する。
【0029】
一方、透明基板2については、フォトリソグラフィー法を用いて凹部を形成する領域を残してレジストとなる膜を形成(パターニング)した後、フッ硝酸等のフッ酸(HF)系等の溶液にでウェットエッチングを行う。又はフッ素系ガスを用いてドライエッチングを行う。ここで、この接合面の平均線粗さ(Ra)が0.1μm以下とする。ただ、できれば0.05μm以下とすることが望ましい。また、凹部(窪み)の深さの下限値は表示部1の高さとなる。ここで、表示部1の高さは約10μmである。また、どちらかの接合面が荒れていれば、十分な接触が行えず、不完全な接合になってしまう場合があるため、透明基板2及びシリコン基板3の接合面は鏡面研磨等を施し、できる限り平坦にしておく(図3(a))。
【0030】
次に、透明基板2と表示部1を形成したシリコン基板3との位置を整合(アライメント)し、接触させる(図3(b))。 以後の作業については、封止された内部に水分、酸素等が含まれないようにするため、真空中で行うようにする。また、窒素(N)、アルゴン(Ar)等の不活性ガスを加圧充填して封止する場合には、これらのガスを含む雰囲気中で作業を行う。
【0031】
そして、整合した後、陽極接合を行う。陽極接合とは、重ねた基板を、例えば300℃で加熱しながら、シリコン基板3を陽極とし、透明基板2を陰極として、直流電圧を数分間印加することによって接合を行うもので、これにより、共有結合にいたる原子レベルでの接合が行われる。ここでは、直流電圧として800Vを印加する(図3(c))。また、両基板の接触部分を加熱するが、この基板の加熱には、局所的な加熱ができるようにレーザ光を利用する(図3(d))。ここで、レーザ光を発光するレーザ装置は、透明基板2を透過してシリコン基板3との接触部分を加熱できるものであれば、例えば炭酸ガスレーザ、YAGレーザ、半導体レーザ等、その種類は問わない。また、レーザ装置からのレーザ光をそのまま用いて移動させながら接合部分を加熱してもよいし、例えば回折素子等を用いて加熱に必要な強度の光を線状に照射してもよい。ここでは、精度よく、効率よく接合を行うために、レーザ光は両基板に電圧を印加した後に照射する。
【0032】
陽極接合は、数十μAの電流が流れているかどうかを判断することにより、接合が完了したかどうかを判断することができる。陽極接合が完了したものと判断すると、例えば、樹脂等を用いて導電溝4又は導電孔5から水分等の侵入口を塞ぐようにする。この領域においては樹脂等が用いられることになるが、陽極接合された領域に比べるとわずかであるので、水分や酸素の侵入を格段に防ぐことができる。
【0033】
以上のように第1の実施の形態によれば、凹部を有する透明基板2とシリコン基板3とを陽極接合を用いて接合するようにしたので、原子レベルでの接合がなされ、水分や酸素の侵入を防ぐことができ、格段の封止効果を得ることができる。そのため、有機EL素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。また、乾燥剤等を用いなくてもよいので、低いコストで格段の封止効果を得ることができ、廃棄物の削減にも寄与することができる。
【0034】
実施の形態2.
図4は本発明の第2の実施の形態に係る表示パネルの構成を示す図である。図4(a)は上面図を表し、図4(b)はb−b’間の断面図を表している。1Aは表示部である。表示部1Aは透明基板2A上に形成されている点で第1の実施の形態の表示部1とは異なる。本実施の形態の透明基板2Aは、土台用の基板として構成されている点で透明基板2とは異なる。また、シリコン基板3Aは、封止用基板として構成されている点でシリコン基板3とは異なる。したがって、シリコン基板3Aには凹部が形成され、その窪んだ部分に表示部1Aが被せられるものとする。
【0035】
本実施の形態の表示パネルの製造手順については、第1の実施の形態において、シリコン基板3の代わりに透明基板2Aを用い、透明基板2の代わりにシリコン基板3Aを用いて形成したもの(つまり、透明基板とシリコン基板とが入れ代わって形成したもの)であるので、説明を省略する。ただし、透明基板2A側が表示面になるため、透明基板2Aの表面に形成される電極は透明導電膜によるものでなければならない。逆に対向する電極に反射機能を発揮する材料を用いるようにしてもよい。また、透明基板2A上に、例えばアモルファスシリコンや低温ポリシリコンを用いて有機EL素子発光の制御を行う回路、素子等を構成することになる。したがって、場合によっては、第1の実施の形態とは異なり、透明基板2Aをナトリウムイオン(アルカリイオン)を含まないガラスで構成する場合もある。
【0036】
以上のように第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、透明基板2Aとシリコン基板3Aとを陽極接合を用いて接合するようにしたので、原子レベルでの接合がなされ、水分や酸素の侵入を防ぐことができ、格段の封止効果を得ることができる。そのため、有機EL素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。
【0037】
実施の形態3.
上述の第1及び第2の実施の形態において、少なくとも陽極接合を行う領域に対して、例えば酸化ニッケル(NiO)等の酸化金属をスパッタリングや蒸着によって形成した上で陽極接合を行うようにしてもよい。このようにすることで、より、効率的に陽極接合を行うことができる。
【0038】
実施の形態4.
図5は本発明の第4の実施の形態に係る常温接合を用いた表示パネルの製造手順を表す図である。ここで、本実施の形態の表示パネルの構成は図1と同じである。また、図5(a)に示す透明基板2及び表示部1を形成したシリコン基板3の製造方法は、第1の実施の形態と同様であるので説明を省略する。
【0039】
次に、透明基板2とシリコン基板3との位置を整合(アライメント)し、接触させるが、接触直前に少なくともこれらの接合面となる部分について清浄する(図5(b))。ここで清浄とは精密清浄することであり、例えばクリーンルーム内において、高度に精製された溶媒等を用いて表面の非常に微小な汚染物を取り除くものである。もちろん、各期板の接触面は非常に平滑にしておく。本実施の形態では、真空度が1×10−1の環境下において、アルゴンを用いて逆スパッタリングを行って清浄化するものとする。逆スパッタリングは、加速電圧を0.1〜2kVとし、電流値を1〜20mAとして1〜10分間の照射を行ったものである。これにより、接合部分表面を活性化させておく。
【0040】
清浄した後、真空度を1×10−7として接触した両基板を加圧して接合し、封止する(図5(c))。アルゴンを用いた清浄により表面が活性化しているので、加熱等を行わなくても、常温において原子的に接合(常温接合)を施すことができる。これにより、製造時に施される熱によって有機EL素子を変質や劣化させることがなくなる。次に、第1の実施の形態と同様に、導電溝4や導電孔5の開口部分を樹脂等でを塞ぐ。これにより表示パネルが完成する。
【0041】
以上のように第4の実施の形態によれば、透明基板2とシリコン基板3とを常温接合を用いて接合するようにしたので、原子レベルでの接合がなされ、水分や酸素の侵入を防ぐことができ、格段の封止効果を得ることができる。また、常温で接合を行えるので、製造時の加熱等の温度変化もない。そのため、有機EL素子の変質や劣化を防ぐことができ、発光の効率及び寿命を損ねることなく保つことができる。また、乾燥剤等を用いなくてもよいので、低いコストで格段の封止効果を得ることができ、廃棄物の削減にも寄与することができる。しかも、接合時に加熱しないので、製造工程のエネルギー消費を抑えることができ、表示部を熱から保護することができる。
【0042】
実施の形態5.
上述した第4の実施の形態については、第2の実施の形態のように透明基板2Aを土台用基板とし、シリコン基板3Aを封止用基板とした場合でも適用することができる。
【0043】
実施の形態6.
上述の実施の形態では、封止用基板又は土台用基板のどちらか一方がシリコン基板であった。本発明はこれに限定されるものではなく、封止用基板及び土台用基板を透明基板で構成することができる。このような場合、電極は両面とも透明電極で形成する必要がある。また、陽極接合を行う場合は、陽極接合ができる程度の酸化金属を基板間に挟む必要がある。これにより、有機EL素子の発光による表示を両面において行うことができる。また、この構成において、どちらか一方の面に反射膜、反射機能有する電極等を設けて反射させることにより、片面のみの表示を行うこともできる。
【0044】
実施の形態7.
上述の実施の形態は、全て有機EL素子を用いた表示用パネルについて説明した。ただ、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、無機EL素子等、他の同様な平面の表示パネルでも実現することができる。
【0045】
実施の形態8.
図6は本発明の第8の実施の形態に係る電子機器を表す図である。図6(a)はPDA(Personal Digital Assistant)、図6(b)は携帯電話、図6(c)はデジタルカメラを表す。また、本実施の形態では図示していないが、コンピュータ、ゲーム機等、表示機能を有し、表示用パネルを用いる電子機器に本発明の表示パネルを利用することができる。屋外で使用する機器において特に効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態に係る表示パネルの構成を示す図である。
【図2】シリコン基板3に施す加工を表す図である。
【図3】本実施の形態の表示パネルの製造手順を表す図である。
【図4】第2の実施の形態に係る表示パネルの構成を示す図である。
【図5】第4の実施の形態に係る表示パネルの製造手順を表す図である。
【図6】第8の実施の形態に係る電子機器を表す図である。
【符号の説明】
1、1A 表示部、2、2A 透明基板、3、3A シリコン基板、4 導電溝、5 導電孔

Claims (17)

  1. 表示を行う表示部が形成された土台用基板と、
    凹部を有し、少なくとも前記表示部を覆うように被せて前記土台用基板との接合面を陽極接合した封止用基板と
    を備えたことを特徴とする表示パネル。
  2. 表示を行う表示部が形成された土台用基板と、
    凹部を有し、少なくとも前記表示部を覆うように被せて前記土台用基板との接合面を常温接合した封止用基板と
    を備えたことを特徴とする表示パネル。
  3. 前記表示部は電界発光素子で構成することを特徴とする請求項1又は2記載の表示パネル。
  4. 前記封止用基板を透明材料で形成し、前記土台用基板をシリコンで形成することを特徴とする請求項1又は2記載の表示パネル。
  5. 前記封止用基板をシリコンで形成し、前記土台用基板を透明材料で形成することを特徴とする請求項1又は2記載の表示パネル。
  6. 前記封止用基板及び前記土台用基板を透明材料で形成することを特徴とする請求項1又は2記載の表示パネル。
  7. 前記透明材料として、ナトリウムイオンを含む硼珪酸系のガラスを用いることを特徴とする請求項4、5又は6記載の表示パネル。
  8. 前記封止用基板により封止された部分は、真空環境又は不活性ガスが充填された環境にすることを特徴とする請求項1又は2記載の表示パネル。
  9. 請求項1〜8のいずれかに記載の表示パネルを備え、表示機能を行わせることを特徴とする電子機器。
  10. 土台用基板に形成した表示部を覆うように、凹部を有する封止用基板を被せる工程と、
    前記封止用基板と前記土台用基板との間に電圧を印加し、接触面を加熱して陽極接合する工程と
    を有することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  11. 前記封止用基板と前記土台用基板との間に電圧を印加してから前記接触面を加熱することを特徴とする請求項10記載の表示パネルの製造方法。
  12. 前記接合面の加熱をレーザを用いて行うことを特徴とする請求項10記載の表示パネルの製造方法。
  13. 少なくとも接合面に酸化金属膜を成膜した上で、前記陽極接合を行うことを特徴とする請求項10記載の表示パネルの製造方法。
  14. 土台用基板に形成した表示部を覆うように、封止用基板を被せる工程と、
    前記封止用基板と前記土台用基板とのそれぞれの接合面を洗浄する工程と、
    前記封止用基板と前記土台用基板とを加圧して常温接合する工程と
    を有することを特徴とする表示パネルの製造方法。
  15. アルゴンを用いて接合面を逆スパッタして前記洗浄を行うことを特徴とする請求項14記載の表示パネルの製造方法。
  16. 前記製造工程が真空中又は不活性ガス雰囲気中で行われることを特徴とする請求項10又は14記載の表示パネルの製造方法。
  17. 前記表示部に表示を行わせる電力を供給するための溝又は孔を前記土台用基板にあらかじめ形成しておき、前記凹部を有する基板を接合後に前記溝又は前記孔を塞ぐ工程を有することを特徴とする請求項10又は14記載の表示パネルの製造方法。
JP2002317903A 2002-10-31 2002-10-31 表示パネル及びその表示パネルを備えた電子機器並びに表示パネルの製造方法 Pending JP2004152663A (ja)

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