JP2004151473A - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明は、従来のポリカーボネート樹脂を表面層として有していた問題点を解決し、機械的、電気的強度及び密着性が高く、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、高安定に優れた電子写真感光体を提供することです。
【解決手段】本発明は導電性支持体、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層し、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有し、かつ支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されていることを特徴とする電子写真感光体である。
【選択図】 図1
【解決手段】本発明は導電性支持体、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層し、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有し、かつ支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されていることを特徴とする電子写真感光体である。
【選択図】 図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは特定の樹脂を含有する感光層が、支持体の端部にて支持体上に直接塗工されている電子写真感光体、及びこの電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は米国特許第2297691号に示されるように、画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化し、かつ暗所では絶縁性の物質をコーティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめることなどが挙げられる。
【0003】
従来より電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかしこれらは前記(1)〜(3)の条件は満足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性、生産性において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開発が近年盛んに行われている。例えば米国特許3837851号にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体、米国特許3871880号にはペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光体等が公知である。
【0005】
さらに有機光導電性化合物はその化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能であり、例えばアゾ顔料では特開昭61−272754号公報、特開昭56−167759号公報に示された物質は可視領域で高感度を示すものが開示されておりまた、特開昭57−19576号公報、特開昭61−228453号公報に示された化合物は、赤外領域まで感度を有していることが示されている。
【0006】
これらの材料のうち赤外領域に感度を示すものは、近年進歩の著しいレーザービームプリンター(以下LBPと略す)やLEDプリンターに使用され、その需要頻度は高くなってきている。
【0007】
これら有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体は、電気的、機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性を備えていることが要求される。
【0008】
特に繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面にはコロナまたは直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程、表面クリーニングなどの電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
【0009】
具体的には、帯電時のオゾン、および窒素酸化物による電気的劣化や、帯電時の放電、クリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化、電気的劣化にたいする耐久性が求められている。
【0010】
電気的劣化は、光が照射した部分にキャリアーが滞留し光が照射していない部分と電位差が生じる現象が特に問題であり、これはフォトメモリーとして生じる。
【0011】
機械的劣化は特に無機感光体と異なり、物質的に柔らかいものが多い有機感光体には機械的劣化に対する耐久性が劣り、耐久性向上は特に切望されているものである。
【0012】
上記のような感光体に要求される耐久特性を満足させるためにいろいろな試みがなされてきた。
【0013】
表面層によく使用される摩耗性、電気特性に良好な樹脂としては、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂が注目されているが、前述したような問題点すべてを解決できるわけでもなく、次のような問題点を有している。
【0014】
(1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部にしか良好な溶解性が示さないうえ、これらの溶剤は低沸点のため、これらの溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化しやすい。塗工液の固形分管理などにも手間がかかる。
【0015】
(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対してはテトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その溶液は数日でゲル化するなど経時性が悪く、感光体製造には不向きである。
【0016】
(3)さらに上記(1)、(2)が改善されたとしても、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂にはソルベントクラックが発生しやすい。
前記(1)、(2)に挙げた溶液安定性については、ポリマーの構造単位として嵩高いシクロヘキシレン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使用するか、ビスフェノールZ、ビスフェノールCなどと共重合させることによって解決されてきた。
【0017】
また、ソルベントクラックについても特開平6−51544号公報、特開平6−75415号公報に開示されているように、シリコン変性ポリカーボネート、エーテル変性ポリカーボネートを用いることにより解決することが可能である。ところがこれら変性ポリカーボネートは従来のポリカーボネート樹脂に比べソルベントクラックを対策するために、ポリマー内の内部応力に対して柔軟性をもたしている構造をとっているため、結果、重合体本体の機械的強度が低下するという欠点があった。
【0018】
さらに近年、特開昭57−17826号公報、特開昭58−40566号公報に開示してあるような、帯電部材に直接電圧をかけ電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が主流となりつつある。
【0019】
これは導電ゴムなどで構成されたローラー状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印加する方法であり、スコロトロンなどに比べ、オゾン発生量が格段に少ない。スコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である、などのメリットをもつ。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、直接帯電はパッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非常に悪いという欠点をもつ。この対策として直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案されている(特開昭63−149668号公報)。
【0021】
この帯電方式により帯電時の安定性は良化したが、ACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大して、電子写真感光体の削れ量が増加してしまうという欠点が新たに生じた。
【0022】
このように、電子写真感光体には、機械的強度のみならず、電気的強度も要求されるようになってきた。
【0023】
更に高耐久、高安定化を図るための駆動または従動部材の結合方法として、かん合凹部を設けた駆動または従動部材の凹部内に支持体端部を切り曲げて結合する方法が考案されている(特開平5−200462公報)。
【0024】
しかし切り曲げ結合するためには、表面層の塗膜剥がれを防止する必要があるがこれまでの感光層だと下引き層が塗布されているために、支持体との密着性が悪いために、直接帯電による放電の影響や現像コロが当接されているために、感光体端部における削れが発生したり、画像端部カブリが問題となり、この為耐久性能を著しく低下させてしまうという問題点があった。
【0025】
本発明の目的は、従来のポリカーボネート樹脂を表面層として有していた問題点を解決し、機械的、電気的強度及び密着性が高く、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、高安定に優れた電子写真感光体を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は導電性支持体、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層し、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有し、かつ支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されていることを特徴とする電子写真感光体である。
【外2】
【0027】
(式中、Xは−CR13CR14−(R13及びR14は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換の、α、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または、−SO2−を示し、R1〜R12は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す)。
【0028】
また、本発明は、上記電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0029】
また本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる樹脂の構成単位の具体例表1で示すが、これらにかぎられるものではない。
【0031】
【表1】
【0032】
好ましい例としては構成単位例1,2,7が挙げられ特に構成単位1が好ましい。
【0033】
本発明において用いられる式(1)で示される構成単位を有する樹脂は、下記式(2)で示されるビスフェノールを通常溶解性を上げる為テレフタル酸塩化物、イソフタル酸塩化物の混合物とアルカリ下で溶媒/水系中で攪拌することにより界面重合を行うことができる。
【0034】
テレフタル酸塩化物、イソフタル酸塩化物の比率はその重合体の溶解性を考慮して決定されるもので定説はない。ただし、いずれかの塩化物が30mol%以下になると合成した重合体の溶解性が極端に低下するので注意が必要である。
通常は1/1の比率で合成するのが好ましい。
【外3】
【0035】
(式中、Xは−CR9R10−(ただしR9およびR10は各々独立に水素子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−である。また、R1〜R8は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)。
【0036】
本発明の電子写真感光体においては式(1)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(1)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更には式(1)で示される構成単位を有する樹脂を2種以上、あるいは該樹脂とそれ以外の樹脂をブレンドしてもよい。また、本発明に用いられる樹脂は5000〜200000の粘度平均分子量を有することが好ましく、特に10000〜100000の粘度平均分子量を有することが好ましい。
【0037】
本発明による樹脂は構成単位中に剛直性を有するユニットが含有され、電子写真感光体形成時にそのユニットが部分的にガラス化することによって高分子被膜全体の機械的強度をあげるものである。
【0038】
耐電気特性においては電気的劣化による分子切断が、カーボネート結合に比較してアリール基のエステル結合であるアリレート構造は帯電による電流に強く特に耐電気性能が上がっていると考えられる。この理由は確認されていないがカーボネート結合はカルボキシ基の両側に酸素原子がある為ダイポールモーメントが大きく電気エネルギーに対して弱い為と推測される。
【0039】
本発明の電子写真感光体においては支持体の端部において、特に上端部を切り曲げ結合する時に、支持体上に下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有する電荷輸送層が直接塗布されていることにより、端部において電荷輸送層と支持体との密着性が非常に良好となる。この為直接帯電による放電の影響や該基体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体端部に接地時に発生する端部削れや端部画像かぶれに非常に効果的であり、この事により電子写真感光体の耐久性を向上できる。
【外4】
【0040】
(式中、Xは−CR13CR14−(R13及びR14は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換の、α、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または、−SO2−を示し、R1〜R12は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す)。
【0041】
本発明の電子写真感光体において、該基体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体端部から15mm以内に接地していることが好ましく、特に10mm以内が好ましい。
【0042】
本発明の電子写真感光体において、支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されている部分が支持体端部から15mm以内であることが好ましく、特に10mm以内が好ましい。
【0043】
本発明の電子写真感光体において、電荷輸送層の塗工方法としてはディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などがあるが、特にディッピング法が支持体上端から塗布することが可能である為好ましい。
【0044】
以下本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0045】
使用する導電性基体は導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチックなどが挙げられ、形状はシート状、円筒状などが挙げられる。
【0046】
LBPなど画像入力がレーザー光の場合は散乱による干渉縞防止、または基盤の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これはカーボンブラック、金属粒子などの導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
【0047】
その上に接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、ガゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05μm〜5μm、好ましくは0.3μm〜1μmが適当である。
【0048】
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生物質としては、セレンーテルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。機能分離型の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜2μmが適当である。
【0049】
電荷輸送層は主として電荷輸送材料と本発明からなるバインダー樹脂を溶剤中に溶解させた塗料をディッピング法により塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送材料としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。
【0050】
これらは0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜30μmが適当である。
【0051】
以下実施例に従って説明する。
【0052】
【実施例】
(実施例1)
φ30mm×357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、これにポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5重量%メタノール溶液を浸漬法で支持体上端9mmの位置から塗布し、0.5μm厚の下引層を設けた。
【0053】
次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部、nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で支持体上端9mmの位置から塗布し0.5μmの中間層を形成した。
【0054】
次に下記構造式
【外5】
【0055】
のビスアゾ顔料を2部(重量部、以下同様)、ポリビニルベンザール樹脂を1部及びシクロヘキサノン100部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散した。この分散液にテトラヒドロフラン100部を加えて、中間層上に浸漬法で支持体上端から9mmの位置から塗布した。
次に下記構造式のアミン化合物9部
【外6】
【0056】
下記構造式のアミン化合物1部
【外7】
【0057】
と表1の構成単位例1記載の樹脂10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この溶液を前記電荷発生層上に浸漬法で支持体上端から3mmの位置から塗布し、120℃、1時間熱風乾燥して25μmの電荷輸送層を形成した。
【0058】
次に、ポリアセタール樹脂の射出成形により角穴形状のかん合凹部を対向して2個所設けた駆動および従動部材を作製し、前述の感光層を塗布した電子写真感光体の表面層塗布上端に駆動部材を、塗布下端に従動部材を挿入し、各々2個所のかん合凹部内に支持体端部を支持体鉛直方向に0.8mm切り曲げて結合させた。
【0059】
電子写真装置は、キヤノン製MEDIO GP−405を用いた。この装置は、一次帯電及び転写帯電共に、感光体に接触配置された帯電部材に直流電圧のみを印加することにより、感光体に帯電させる接触帯電方式を用いている。
【0060】
また、該感光体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体上端から3.5〜8.5mmの位置に設置している。
【0061】
また、この装置のプロセススピードは210(mm/sec)であり、転写ローラーの長さは307(mm)である。
【0062】
作成した電子写真感光体をこの装置で、32℃85%RH下で通紙耐久を行った。シーケンスはプリント1枚ごとに1回停止する間欠モードとした。
【0063】
トナーがなくなったら補給し、100K枚まで耐久を行った。
【0064】
その結果、耐久を通して塗膜剥がれの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0065】
(実施例2)
電荷発生層の樹脂を表1の構成単位例2記載の重合体で調整した以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0066】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、耐久を通して塗膜削れの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0067】
(実施例3)
電荷発生層の樹脂を表1の構成単位例7記載の重合体で調整した以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0068】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、耐久を通して塗膜削れの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0069】
(実施例4)
電荷発生層及び中間層が指示体上端5mmの位置から塗布されている以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0070】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、耐久を通して塗膜削れの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0071】
(比較例1)
電荷発生層の樹脂をポリカーボネイト樹脂(商品名Z200、三菱ガス化学(株))で調整した以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0072】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、50K枚で上端部の塗膜削れが悪化し、耐久続行が不可能となった。
【0073】
(比較例2)
電荷発生層の樹脂をポリカーボネイト樹脂(商品名Z200、三菱ガス化学(株))で調整した以外は、実施例4と同様の電子写真感光体を製造した。
【0074】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、50K枚で上端部の塗膜削れが悪化し、耐久続行が不可能となった。
【0075】
(比較例3)
感光層全てが支持体上端3mmの位置から塗布されている以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0076】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、50K枚で上端部の塗膜削れが悪化し、耐久続行が不可能となった。
【0077】
上記実施例及び比較例の結果を表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体においては支持体の端部において、特に上端部を切り曲げ結合する時に、支持体上に一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有する電荷輸送層が直接塗布されていることにより、機械的、電気的強度及び密着性が強く、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、高安定に優れた電子写真感光体及びそれを有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリのブロック図の例を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
13 画像読取部
14 コントローラー
15 受信回路
16 送信回路
17 電話
18 回線
19 画像メモリ
20 CPU
21 プリンターコントローラー
22 プリンタ
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体に関し、詳しくは特定の樹脂を含有する感光層が、支持体の端部にて支持体上に直接塗工されている電子写真感光体、及びこの電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は米国特許第2297691号に示されるように、画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化し、かつ暗所では絶縁性の物質をコーティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては、(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の逸散が少ないこと、(3)光照射によって速やかに電荷を逸散せしめることなどが挙げられる。
【0003】
従来より電子写真感光体としては、セレン、酸化亜鉛、硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかしこれらは前記(1)〜(3)の条件は満足するが、熱安定性、耐湿性、耐久性、生産性において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開発が近年盛んに行われている。例えば米国特許3837851号にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体、米国特許3871880号にはペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光体等が公知である。
【0005】
さらに有機光導電性化合物はその化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能であり、例えばアゾ顔料では特開昭61−272754号公報、特開昭56−167759号公報に示された物質は可視領域で高感度を示すものが開示されておりまた、特開昭57−19576号公報、特開昭61−228453号公報に示された化合物は、赤外領域まで感度を有していることが示されている。
【0006】
これらの材料のうち赤外領域に感度を示すものは、近年進歩の著しいレーザービームプリンター(以下LBPと略す)やLEDプリンターに使用され、その需要頻度は高くなってきている。
【0007】
これら有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体は、電気的、機械的双方の特性を満足させるために、電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら電子写真感光体には、適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、さらには光学的特性を備えていることが要求される。
【0008】
特に繰り返し使用される電子写真感光体においては、その電子写真感光体表面にはコロナまたは直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程、表面クリーニングなどの電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
【0009】
具体的には、帯電時のオゾン、および窒素酸化物による電気的劣化や、帯電時の放電、クリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化、電気的劣化にたいする耐久性が求められている。
【0010】
電気的劣化は、光が照射した部分にキャリアーが滞留し光が照射していない部分と電位差が生じる現象が特に問題であり、これはフォトメモリーとして生じる。
【0011】
機械的劣化は特に無機感光体と異なり、物質的に柔らかいものが多い有機感光体には機械的劣化に対する耐久性が劣り、耐久性向上は特に切望されているものである。
【0012】
上記のような感光体に要求される耐久特性を満足させるためにいろいろな試みがなされてきた。
【0013】
表面層によく使用される摩耗性、電気特性に良好な樹脂としては、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂が注目されているが、前述したような問題点すべてを解決できるわけでもなく、次のような問題点を有している。
【0014】
(1)溶解性に乏しく、ジクロロメタンや1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部にしか良好な溶解性が示さないうえ、これらの溶剤は低沸点のため、これらの溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化しやすい。塗工液の固形分管理などにも手間がかかる。
【0015】
(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対してはテトラヒドロフラン、ジオキサン、シクロヘキサノンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その溶液は数日でゲル化するなど経時性が悪く、感光体製造には不向きである。
【0016】
(3)さらに上記(1)、(2)が改善されたとしても、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂にはソルベントクラックが発生しやすい。
前記(1)、(2)に挙げた溶液安定性については、ポリマーの構造単位として嵩高いシクロヘキシレン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使用するか、ビスフェノールZ、ビスフェノールCなどと共重合させることによって解決されてきた。
【0017】
また、ソルベントクラックについても特開平6−51544号公報、特開平6−75415号公報に開示されているように、シリコン変性ポリカーボネート、エーテル変性ポリカーボネートを用いることにより解決することが可能である。ところがこれら変性ポリカーボネートは従来のポリカーボネート樹脂に比べソルベントクラックを対策するために、ポリマー内の内部応力に対して柔軟性をもたしている構造をとっているため、結果、重合体本体の機械的強度が低下するという欠点があった。
【0018】
さらに近年、特開昭57−17826号公報、特開昭58−40566号公報に開示してあるような、帯電部材に直接電圧をかけ電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が主流となりつつある。
【0019】
これは導電ゴムなどで構成されたローラー状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印加する方法であり、スコロトロンなどに比べ、オゾン発生量が格段に少ない。スコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である、などのメリットをもつ。
【0020】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、直接帯電はパッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非常に悪いという欠点をもつ。この対策として直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案されている(特開昭63−149668号公報)。
【0021】
この帯電方式により帯電時の安定性は良化したが、ACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大して、電子写真感光体の削れ量が増加してしまうという欠点が新たに生じた。
【0022】
このように、電子写真感光体には、機械的強度のみならず、電気的強度も要求されるようになってきた。
【0023】
更に高耐久、高安定化を図るための駆動または従動部材の結合方法として、かん合凹部を設けた駆動または従動部材の凹部内に支持体端部を切り曲げて結合する方法が考案されている(特開平5−200462公報)。
【0024】
しかし切り曲げ結合するためには、表面層の塗膜剥がれを防止する必要があるがこれまでの感光層だと下引き層が塗布されているために、支持体との密着性が悪いために、直接帯電による放電の影響や現像コロが当接されているために、感光体端部における削れが発生したり、画像端部カブリが問題となり、この為耐久性能を著しく低下させてしまうという問題点があった。
【0025】
本発明の目的は、従来のポリカーボネート樹脂を表面層として有していた問題点を解決し、機械的、電気的強度及び密着性が高く、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、高安定に優れた電子写真感光体を提供することである。
【0026】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は導電性支持体、感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層し、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有し、かつ支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されていることを特徴とする電子写真感光体である。
【外2】
【0027】
(式中、Xは−CR13CR14−(R13及びR14は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換の、α、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または、−SO2−を示し、R1〜R12は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す)。
【0028】
また、本発明は、上記電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジである。
【0029】
また本発明は、上記電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置である。
【0030】
【発明の実施の形態】
本発明に用いられる樹脂の構成単位の具体例表1で示すが、これらにかぎられるものではない。
【0031】
【表1】
【0032】
好ましい例としては構成単位例1,2,7が挙げられ特に構成単位1が好ましい。
【0033】
本発明において用いられる式(1)で示される構成単位を有する樹脂は、下記式(2)で示されるビスフェノールを通常溶解性を上げる為テレフタル酸塩化物、イソフタル酸塩化物の混合物とアルカリ下で溶媒/水系中で攪拌することにより界面重合を行うことができる。
【0034】
テレフタル酸塩化物、イソフタル酸塩化物の比率はその重合体の溶解性を考慮して決定されるもので定説はない。ただし、いずれかの塩化物が30mol%以下になると合成した重合体の溶解性が極端に低下するので注意が必要である。
通常は1/1の比率で合成するのが好ましい。
【外3】
【0035】
(式中、Xは−CR9R10−(ただしR9およびR10は各々独立に水素子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である。)、置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換のα、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−、または−SO2−である。また、R1〜R8は各々独立に水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基、または置換もしくは無置換のアリール基である)。
【0036】
本発明の電子写真感光体においては式(1)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(1)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。更には式(1)で示される構成単位を有する樹脂を2種以上、あるいは該樹脂とそれ以外の樹脂をブレンドしてもよい。また、本発明に用いられる樹脂は5000〜200000の粘度平均分子量を有することが好ましく、特に10000〜100000の粘度平均分子量を有することが好ましい。
【0037】
本発明による樹脂は構成単位中に剛直性を有するユニットが含有され、電子写真感光体形成時にそのユニットが部分的にガラス化することによって高分子被膜全体の機械的強度をあげるものである。
【0038】
耐電気特性においては電気的劣化による分子切断が、カーボネート結合に比較してアリール基のエステル結合であるアリレート構造は帯電による電流に強く特に耐電気性能が上がっていると考えられる。この理由は確認されていないがカーボネート結合はカルボキシ基の両側に酸素原子がある為ダイポールモーメントが大きく電気エネルギーに対して弱い為と推測される。
【0039】
本発明の電子写真感光体においては支持体の端部において、特に上端部を切り曲げ結合する時に、支持体上に下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有する電荷輸送層が直接塗布されていることにより、端部において電荷輸送層と支持体との密着性が非常に良好となる。この為直接帯電による放電の影響や該基体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体端部に接地時に発生する端部削れや端部画像かぶれに非常に効果的であり、この事により電子写真感光体の耐久性を向上できる。
【外4】
【0040】
(式中、Xは−CR13CR14−(R13及びR14は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換の、α、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または、−SO2−を示し、R1〜R12は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す)。
【0041】
本発明の電子写真感光体において、該基体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体端部から15mm以内に接地していることが好ましく、特に10mm以内が好ましい。
【0042】
本発明の電子写真感光体において、支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されている部分が支持体端部から15mm以内であることが好ましく、特に10mm以内が好ましい。
【0043】
本発明の電子写真感光体において、電荷輸送層の塗工方法としてはディッピング法、スプレーコーティング法、スピンナーコーティング法、ビードコーティング法、ブレードコーティング法、ビームコーティング法などがあるが、特にディッピング法が支持体上端から塗布することが可能である為好ましい。
【0044】
以下本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0045】
使用する導電性基体は導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレスなどの金属、あるいは導電層を設けた金属、紙、プラスチックなどが挙げられ、形状はシート状、円筒状などが挙げられる。
【0046】
LBPなど画像入力がレーザー光の場合は散乱による干渉縞防止、または基盤の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これはカーボンブラック、金属粒子などの導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μm、好ましくは10〜30μmが適当である。
【0047】
その上に接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、ガゼイン、ポリウレタン、ポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05μm〜5μm、好ましくは0.3μm〜1μmが適当である。
【0048】
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生物質としては、セレンーテルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、インジゴ、キナクリドン、非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。機能分離型の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3〜4倍量の結着剤樹脂および溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミルおよび液衝突型高速分散機などの方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。電荷発生層の膜厚は5μm以下、好ましくは0.1〜2μmが適当である。
【0049】
電荷輸送層は主として電荷輸送材料と本発明からなるバインダー樹脂を溶剤中に溶解させた塗料をディッピング法により塗工乾燥して形成する。用いられる電荷輸送材料としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物、チアゾール系化合物などが挙げられる。
【0050】
これらは0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は5〜40μm、好ましくは15〜30μmが適当である。
【0051】
以下実施例に従って説明する。
【0052】
【実施例】
(実施例1)
φ30mm×357.5mmのアルミニウムシリンダーを支持体として、これにポリアミド樹脂(商品名:アミランCM8000、東レ製)の5重量%メタノール溶液を浸漬法で支持体上端9mmの位置から塗布し、0.5μm厚の下引層を設けた。
【0053】
次にこの上にNメトキシメチル化ナイロン3部および共重合ナイロン3部をメタノール65部、nブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬法で支持体上端9mmの位置から塗布し0.5μmの中間層を形成した。
【0054】
次に下記構造式
【外5】
【0055】
のビスアゾ顔料を2部(重量部、以下同様)、ポリビニルベンザール樹脂を1部及びシクロヘキサノン100部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で20時間分散した。この分散液にテトラヒドロフラン100部を加えて、中間層上に浸漬法で支持体上端から9mmの位置から塗布した。
次に下記構造式のアミン化合物9部
【外6】
【0056】
下記構造式のアミン化合物1部
【外7】
【0057】
と表1の構成単位例1記載の樹脂10部をモノクロロベンゼン100部に溶解した。この溶液を前記電荷発生層上に浸漬法で支持体上端から3mmの位置から塗布し、120℃、1時間熱風乾燥して25μmの電荷輸送層を形成した。
【0058】
次に、ポリアセタール樹脂の射出成形により角穴形状のかん合凹部を対向して2個所設けた駆動および従動部材を作製し、前述の感光層を塗布した電子写真感光体の表面層塗布上端に駆動部材を、塗布下端に従動部材を挿入し、各々2個所のかん合凹部内に支持体端部を支持体鉛直方向に0.8mm切り曲げて結合させた。
【0059】
電子写真装置は、キヤノン製MEDIO GP−405を用いた。この装置は、一次帯電及び転写帯電共に、感光体に接触配置された帯電部材に直流電圧のみを印加することにより、感光体に帯電させる接触帯電方式を用いている。
【0060】
また、該感光体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体上端から3.5〜8.5mmの位置に設置している。
【0061】
また、この装置のプロセススピードは210(mm/sec)であり、転写ローラーの長さは307(mm)である。
【0062】
作成した電子写真感光体をこの装置で、32℃85%RH下で通紙耐久を行った。シーケンスはプリント1枚ごとに1回停止する間欠モードとした。
【0063】
トナーがなくなったら補給し、100K枚まで耐久を行った。
【0064】
その結果、耐久を通して塗膜剥がれの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0065】
(実施例2)
電荷発生層の樹脂を表1の構成単位例2記載の重合体で調整した以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0066】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、耐久を通して塗膜削れの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0067】
(実施例3)
電荷発生層の樹脂を表1の構成単位例7記載の重合体で調整した以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0068】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、耐久を通して塗膜削れの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0069】
(実施例4)
電荷発生層及び中間層が指示体上端5mmの位置から塗布されている以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0070】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、耐久を通して塗膜削れの発生は無く、更に端部カブリの無い非常に良好な画像が得られた。
【0071】
(比較例1)
電荷発生層の樹脂をポリカーボネイト樹脂(商品名Z200、三菱ガス化学(株))で調整した以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0072】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、50K枚で上端部の塗膜削れが悪化し、耐久続行が不可能となった。
【0073】
(比較例2)
電荷発生層の樹脂をポリカーボネイト樹脂(商品名Z200、三菱ガス化学(株))で調整した以外は、実施例4と同様の電子写真感光体を製造した。
【0074】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、50K枚で上端部の塗膜削れが悪化し、耐久続行が不可能となった。
【0075】
(比較例3)
感光層全てが支持体上端3mmの位置から塗布されている以外は、実施例1と同様の電子写真感光体を製造した。
【0076】
このようにして得られた電子写真感光体について、実施例1と同様の評価を行った結果、50K枚で上端部の塗膜削れが悪化し、耐久続行が不可能となった。
【0077】
上記実施例及び比較例の結果を表2に示した。
【0078】
【表2】
【0079】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体においては支持体の端部において、特に上端部を切り曲げ結合する時に、支持体上に一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有する電荷輸送層が直接塗布されていることにより、機械的、電気的強度及び密着性が強く、かつ繰り返しの電子写真プロセスにおいて常に高品位な画像が得られる高耐久、高安定に優れた電子写真感光体及びそれを有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【図2】本発明の電子写真感光体を有するファクシミリのブロック図の例を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール
13 画像読取部
14 コントローラー
15 受信回路
16 送信回路
17 電話
18 回線
19 画像メモリ
20 CPU
21 プリンターコントローラー
22 プリンタ
Claims (9)
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該感光層が電荷発生層と電荷輸送層を積層し、該電荷輸送層が下記一般式(1)で示される構成単位を有する樹脂を含有し、かつ支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されていることを特徴とする電子写真感光体。
【外1】
(式中、Xは−CR13CR14−(R13及びR14は同一または異なって水素原子、トリフルオロメチル基、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。)置換もしくは無置換のシクロアルキリデン基、置換もしくは無置換の、α、ω−アルキレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または、−SO2−を示し、R1〜R12は同一または異なって水素原子、ハロゲン原子、置換もしくは無置換のアルキル基または置換もしくは無置換のアリール基を示す。) - 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該基体の外部に取り付けられた現像コロが該支持体端部から15mm以内に接地していることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、支持体の端部において支持体上に電荷輸送層が直接塗布されている部分が支持体端部から15mm以内であることを特徴とする電子写真感光体。
- 導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電荷輸送層がディッピング法で塗工され製造されることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の電子写真感光体において、該電子写真感光体の少なくとも一端にかん合凹部を設けた駆動または従動部材の凹部内に支持体端部を切り曲げて結合していることを特徴とする電子写真感光体。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体、及び帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選択される少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
- プロセスカートリッジが帯電手段を有し、該帯電手段がAC/DC接触帯電手段であることを特徴とする請求項6に記載のプロセスカートリッジ。
- 請求項1乃至5のいずれかに記載の電子写真感光体、帯電手段、露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
- 帯電手段がAC/DC接触帯電手段であることを特徴とする請求項8に記載の電子写真装置。
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