JP3825852B2 - 電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 - Google Patents

電子写真感光体、プロセスカートリッジ及び電子写真装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関し、詳しくは特定の樹脂を含有する表面層を有する電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真方法は米国特許第2297691号公報に示されるように画像露光の間に受けた照射量に応じて電気抵抗が変化しかつ暗所では絶縁性の物質をコーティングした支持体よりなる光導電性材料を用いる。この光導電性材料を用いた電子写真感光体に要求される基本的な特性としては(1)暗所で適当な電位に帯電できること、(2)暗所において電位の散逸が少ないこと及び(3)光照射によって速やかに電荷を散逸せしめること等が挙げられる。
【0003】
従来より電子写真感光体としてはセレン、酸化亜鉛及び硫化カドミウム等の無機光導電性化合物を主成分とする感光層を有する無機感光体が広く使用されてきた。しかし、これらは前記(1)〜(3)の条件は満足するが熱安定性、耐湿性、耐久性及び生産性において必ずしも満足できるものではなかった。
【0004】
無機感光体の欠点を克服する目的で様々な有機光導電性化合物を主成分とする電子写真感光体の開発が近年盛んに行われている。例えば米国特許3837851号明細書にはトリアリルピラゾリンを含有する電荷輸送層を有する感光体、米国特許3871880号明細書にはペリレン顔料の誘導体からなる電荷発生層と3−プロピレンとホルムアルデヒドの縮合体からなる電荷輸送層とからなる感光体等が公知である。
【0005】
更に、有機光導電性化合物はその化合物によって電子写真感光体の感光波長域を自由に選択することが可能であり、例えばアゾ顔料では特開昭61−272754号公報及び特開昭56−167759号公報には可視領域で高感度を示すも物質が開示されており、また特開昭57−19576号公報及び特開昭61−228453号公報には赤外領域まで感度を有する化合物が示されている。
【0006】
これらの材料のうち赤外領域に感度を示すものは近年進歩の著しいレーザービームプリンター(以下LBPと略す)やLEDプリンターに使用されその需要頻度は高くなってきている。
【0007】
これら有機光導電性化合物を用いた電子写真感光体は電気的、機械的双方の特性を満足させるために電荷輸送層と電荷発生層を積層させた機能分離型の感光体として利用される場合が多い。一方、当然のことながら、電子写真感光体には適用される電子写真プロセスに応じた感度、電気的特性、更には光学的特性を備えていることが要求される。
【0008】
特に繰り返し使用される電子写真感光体においてはその電子写真感光体表面にはコロナまたは直接帯電、画像露光、トナー現像、転写工程及び表面クリーニング等の電気的、機械的外力が直接加えられるため、それらに対する耐久性も要求される。
【0009】
具体的には帯電時のオゾン及び窒素酸化物による電気的劣化や、帯電時の放電、クリーニング部材の摺擦によって表面が摩耗したり傷が発生したりする機械的劣化、電気的劣化に対する耐久性が求められている。
【0010】
電気的劣化は、光が照射した部分にキャリアーが滞留し光が照射していない部分と電位差が生じる現象が特に問題であり、これはフォトメモリーとして生じる。
【0011】
無機感光体と異なり物質的に柔らかいものが多い有機感光体には、機械的劣化に対する耐久性が劣り耐久性向上が特に切望されている。
【0012】
上記のような感光体に要求される耐久特性を満足させるためにいろいろ試みがなされてきた。
【0013】
表面層によく使用され摩耗性及び電気特性に良好な樹脂としてはビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂が注目されているが、前述したような問題点全てを解決できるわけでもなく次のような問題点を有している。
【0014】
(1)溶解性に乏しくジクロロメタンや1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化脂肪族炭化水素類の一部にしか良好な溶解性を示さないうえ、これらの溶剤は低沸点のため、これらの溶剤で調製した塗工液を用いて感光体を製造すると塗工面が白化し易い。塗工液の固形分管理等にも手間がかかる。
【0015】
(2)ハロゲン化脂肪族炭化水素類以外の溶剤に対しては、テトラヒドラフラン、ジオキサン、シクロヘキサノンあるいはそれらの混合溶剤に一部可溶であるが、その溶液は数日でゲル化する等経時性が劣り、感光体製造には不向きである。
【0016】
(3)更に、上記式(1)及び(2)が改善されたとしても、ビスフェノールAを骨格とするポリカーボネート樹脂にはソルベントクラックが発生し易い。
【0017】
(4)加えて、従来のポリカーボネート樹脂では該樹脂で形成された被膜に潤滑性がないため感光体に傷がつき易く、電子写真感光体の摩耗量を低くするようなクリーニング設定ではトナー融着等の画像欠陥になったり、クリーニングブレードの早期の劣化によるクリーニング不良やトナー融着等が生じてしまうことがあった。
【0018】
前記(1)及び(2)に挙げた溶液安定性についてはポリマーの構造単位として嵩高いシクロヘキシレン基を有するポリカーボネートZ樹脂を使用するか、ビスフェノールZやビスフェノールC等と共重合させることによって解決されてきた。
【0019】
また、ソルベントクラックについても特開平6−51544号公報及び特開平6−75415号公報に開示されているように、シロキサン変成ポリカーボネートやエーテル変成ポリカーボネートを用いることにより解決することが可能である。ところがこれら変成ポリカーボネートは従来のポリカーボネート樹脂に比べソルベントクラックを対策とするためにポリマー内の内部応力に対して柔軟性をもたしている構造をとっているため、結果、重合体本体の機械的強度が低下するという欠点があった。
【0020】
更に、近年、特開昭57−17826号公報及び特開昭58−40566号公報に開示されているような帯電部材に直接電圧をかけ電子写真感光体に電荷を印加する直接帯電方式が主流となりつつある。
【0021】
これは、導電ゴム等で構成されたローラー状の帯電部材を直接電子写真感光体に当接させ電荷を印加する方法であり、スコロトロン等に比べ、オゾン発生量が格段に少ない、スコロトロンは帯電器に流す電流の80%前後はシールドに流れるため浪費されるのに対して、直接帯電はこの浪費分がなく非常に経済的である等のメリットを持つ。
【0022】
しかし、直接帯電はパッシェン則による放電による帯電のため帯電安定性が非常に悪いという欠点を持つ。この対策として直流電圧に交流電圧を重畳させた、いわゆるAC/DC帯電方式が考案されている(特開昭63−149668号公報)。
【0023】
この帯電方式により帯電時の安定性は向上したが、ACを重畳するために電子写真感光体表面の放電量は大幅に増大するため電子写真感光体の削れ量が増加してしまうという欠点を新たに生じてしまい、機械的強度のみならず電気的強度も要求されるようになってきた。
【0024】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、従来のポリカーボネート樹脂を表面層として有する場合の問題点を解決し、優れた耐ソルベントクラック性をもちつつ機械的強度が強く、かつ直接帯電による耐電気特性が良好で、しかもフォトメモリーが小さく製造が容易な電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することである。
【0025】
【課題を解決するための手段】
即ち、本発明は、電子写真感光体を直接帯電する電子写真装置用の電子写真感光体であって、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)1.9以上3.0以下である(前記分子量は、10 2×10の分子量領域を測定するためのカラムを用いたGPCによって測定される分子量である)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体である。
【0026】
【化2】
(式中、Xは−CR1314−(R13及びR14は水素原子、置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基、またはR13とR14が結合することによって形成されるシクロペンチリデン基またはシクロヘキシリデン基である)、置換されてもよいメチレン基、エチレン基、フルオレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または−SO−である。また、R乃至 は水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基またはナフチル基である。)
また、本発明は、上記電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
以下に式(1)で示される構成単位の具体例を表1で示すが、これらに限られるものではない。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
【表4】
【0032】
【表5】
【0033】
【表6】
【0034】
好ましい例としては構成単位例1、2、3及び7が挙げられ、特に構成単位1及び2が好ましい。
【0035】
本発明において用いられる式(1)で示される構成単位を有する重合体は、下記式(2)で示されるビスフェノールを通常溶解性を上げるためテレフタル酸塩化物及びイソフタル酸塩化物の混合物とアルカリ下で溶媒/水系中で攪拌して界面重合させることによって合成できる。
【0036】
【化3】
(式中、Xは−CR1314−(R13及びR14は水素原子、置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基、またはR13とR14が結合することによって形成されるシクロペンチリデン基またはシクロヘキシリデン基である)、置換されてもよいメチレン基、エチレン基、フルオレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または−SO2 −である。また、R1 乃至R8 は水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基またはナフチル基である。)
【0037】
テレフタル酸塩化物及びイソフタル酸塩化物の比率はその重合体の溶解性を考慮して決定されるもので定説はない。ただし、いずれかの塩化物の塩化物全体に対する比率が30mol%以下になると合成した重合体の溶解性が極端に低下するので注意が必要である。通常は1/1の比率で合成するのが好ましい。
【0038】
本発明において用いられる式(1)で示される構成単位を有する重合体は、末端にカルボキシル基が残存しているとフォトメモリー及び残留電位の増大を招くため、残末端基の数を減らすことが好ましい。そのためには、低分子の数を減らすことが必要である。具体的には分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)3.0以下とすることが必要である。分子量分布が3.0を越える場合、低分子であるオリゴマーなどが増加し先に述べたように残末端基が増加してしまう。また、これらの低分子が膜中に存在するということはミクロ的には膜が局部的に脆弱になってしまう。このように分子量分布が3.0を超えると電子写真特性や機械的強度に問題が生じてくる。
【0039】
カルボキシル基残存によるフォトメモリー及び残留電位の増大の原因については、まだはっきりとは確認されていないが、フォトメモリーにおいては電荷輸送材料との錯体形成によるキャリア発生のため、また残留電位においてはカルボキシル基自体のトラップ作用によるものと推測される。
【0040】
なお、本発明における分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ)によるクロマトグラムを用いて次の条件で測定される。
【0041】
即ち、40℃のヒートチャンバー中でカラムを安定化させ、この温度におけるカラムに、溶媒としてTHF(テトラヒドロフラン)を毎分1mlの流速で流し、試料濃度として0.05〜0.6重量%に調整した樹脂のTHF試料溶液を50〜200μl注入して測定する。試料の分子量測定にあたっては、試料の有する分子量分布を、数種の単分散ポリスチレン標準試料により作製された検量線の対数値とカウント数との関係から算出した。検量線作成用の標準ポリスチレン試料としては、例えば、Pressure Chemical Co.製あるいは東洋ソーダ工業社製の分子量が6×102 、2.1×103 、4×103 、1.75×104 、5.1×104 、1.1×105 、3.9×105 、8.6×105 、2×106 、4.48×106 のものを用い、少なくとも10点程度の標準ポリスチレン試料を用いるのが適当である。また、検出器にはRI(屈折率)検出器を用いる。
【0042】
カラムは、103 〜2×106 の分子量領域を適確に測定するためには、市販のポリスチレンゲルカラムを単独または複数組合せて用いるのが良い。例えば、Waters社製のμ−styragel 500,103 ,104 ,105 や、昭和電工社製のshodex KF−80Mや、KF−801,803,804,805,KA−802,803,804,805、あるいは東洋曹達製のTSKgel G1000H,G2000H,G2500H,G3000H,G4000H,G5000H,G6000H,G7000H,GMHHR−L,GMHHR−N,GMHHR−M,GMHHR−Hが好ましい。
【0043】
本発明の電子写真感光体においては式(1)で示される構成単位が同一のもので構成される重合体でも、2種類以上の式(1)で示される別種の構成単位からなる共重合体でもよい。
【0044】
本発明による電子写真感光体は特に優れた耐ソルベントクラック性と機械的強度とAC帯電における耐電気特性を合わせ持ち、良好な電子写真特性を持っているものである。
【0045】
本発明による重合体は構成単位中に剛直性を有するユニットが含有され、電子写真感光体形成時にそのユニットが部分的にガラス化することによって高分子被膜全体の耐久性を上げるものである。
【0046】
またこの分子内部における部分的ガラス化により分子内密度を上げかつ非晶質部分と結晶質部分を同一分子内に併せ持つため塗膜形成時に発生する分子内応力をも緩和することができ、それによりソルベントクラックの要因となる薬品が侵入しても内部応力を維持しクラックが生じないと推定される。
【0047】
機械的強度は結晶質部分の存在により強固になるものと推測される。
【0048】
耐電気特性においては、カーボネート結合に比較してアリール基のエステル結合であるアリレート構造はAC帯電による電流に強く特に耐電気性能が上がっていると考えられる。この理由は確認されていないがカーボネート結合はカルボキシ基の両側に酸素原子があるためダイポールモーメントが大きく電気エネルギーに対して弱いためと推測される。
【0049】
以下本発明に用いる電子写真感光体の構成について説明する。
【0050】
本発明における電子写真感光体は、感光層が電荷輸送材料と電荷発生材料を同一の層に含有する単層型であっても、電荷輸送層と電荷発生層に分離した積層型でもよいが電子写真特性的には積層型が好ましい。
【0051】
使用する導電性支持体は導電性を有するものであればよく、アルミニウム、ステンレス等の金属、あるいは導電層を設けた金属、紙及びプラスチック等が挙げられ、形状はシート状及び円筒状等が挙げられる。
【0052】
LBP等画像入力がレーザー光の場合は散乱による干渉縞防止、または支持体の傷を被覆することを目的とした導電層を設けてもよい。これは、カーボンブラック及び金属粒子等の導電性粉体をバインダー樹脂に分散させて形成することができる。導電層の膜厚は5〜40μmが好ましく、より好ましくは10〜30μmである。
【0053】
その上に接着機能を有する中間層を設ける。中間層の材料としてはポリアミド、ポリビニルアルコール、ポリエチレンオキシド、エチルセルロース、カゼイン、ポリウレタン及びポリエーテルウレタン等が挙げられる。これらは適当な溶剤に溶解して塗布される。中間層の膜厚は0.05〜5μmが好ましく、より好ましくは0.3〜1μmである。
【0054】
中間層の上には電荷発生層が形成される。本発明に用いられる電荷発生物質としてはセレン−テルル、ピリリウム、チアピリリウム系染料、フタロシアニン、アントアントロン、ジベンズピレンキノン、トリスアゾ、シアニン、ジスアゾ、モノアゾ、インジゴ、キナクリドン及び非対称キノシアニン系の各顔料が挙げられる。機能分離型の場合、電荷発生層は前記電荷発生物質を0.3〜4倍量のバインダー樹脂及び溶剤とともにホモジナイザー、超音波分散、ボールミル、振動ボールミル、サンドミル、アトライター、ロールミル及び液衝突型高速分散機等の方法でよく分散し、分散液を塗布、乾燥させて形成される。電荷発生層の膜厚は5μm以下が好ましく、より好ましくは0.1〜2μmである。
【0055】
電荷輸送層は主として電荷輸送材料と本発明に用いる重合体を含むバインダー樹脂とを溶剤中に溶解させた塗料を塗工・乾燥して形成する。用いられる電荷輸送材料としてはトリアリールアミン系化合物、ヒドラゾン化合物、スチルベン化合物、ピラゾリン系化合物、オキサゾール系化合物、トリアリルメタン系化合物及びチアゾール系化合物等が挙げられる。
【0056】
これらは0.5〜2倍量のバインダー樹脂と組み合わされ塗工、乾燥し電荷輸送層を形成する。電荷輸送層の膜厚は5〜40μmが好ましく、より好ましくは15〜30μmである。
【0057】
図1に本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成を示す。
【0058】
図において、1はドラム状の本発明の電子写真感光体であり、軸2を中心に矢印方向に所定の周速度で回転駆動される。感光体1は、回転過程において、一次帯電手段3によりその周面に正または負の所定電位の均一帯電を受け、次いで、スリット露光やレーザービーム走査露光等の像露光手段(不図示)からの画像露光光4を受ける。こうして感光体1の周面に静電潜像が順次形成されていく。
【0059】
形成された静電潜像は、次いで現像手段5によりトナー現像され、現像されたトナー現像像は、不図示の給紙部から感光体1と転写手段6との間に感光体1の回転と同期取り出されて給紙された転写材7に、転写手段6により順次転写されていく。
【0060】
像転写を受けた転写材7は、感光体面から分離されて像定着手段8へ導入されて像定着を受けることにより複写物(コピー)として装置外へプリントアウトされる。
【0061】
像転写後の感光体1の表面は、クリーニング手段9によって転写残りトナーの除去を受けて清浄面化され、更に前露光手段(不図示)からの前露光光10により除電処理された後、繰り返し像形成に使用される。なお、一次帯電手段3が帯電ローラー等を用いた接触帯電手段である場合は、前露光は必ずしも必要ではない。
【0062】
本発明においては、上述の電子写真感光体1、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9等の構成要素のうち、複数のものをプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このプロセスカートリッジを複写機やレーザービームプリンター等の電子写真装置本体に対して着脱可能に構成してもよい。例えば、一次帯電手段3、現像手段5及びクリーニング手段9の少なくともひとつを感光体1と共に一体に支持してカートリッジ化して、装置本体のレール12等の案内手段を用いて装置本体に着脱可能なプロセスカートリッジ11とすることができる。
【0063】
また、画像露光光4は、電子写真装置が複写機やプリンターである場合には、原稿からの反射光や透過光、あるいは、センサーで原稿を読取り、信号化し、この信号に従って行われるレーザービームの走査、LEDアレイの駆動及び液晶シャッターアレイの駆動等により照射される光である。
【0064】
本発明の電子写真感光体は電子写真複写機に利用するのみならず、レーザービームプリンター、CRTプリンター、LEDプリンター、液晶プリンター及びレーザー製版等電子写真応用分野にも広く用いることができる。
【0065】
以下実施例に従って説明する。実施例中部は重量部を表わす。
〔実施例1〕
30φ、254mmのアルミニウムシリンダーを支持体とし、それに、以下の材料より構成される塗料を支持体上に浸漬コーティング法で塗布し140℃で30分熱硬化して15μmの導電層を形成した。
【0066】
導電性顔料:SnO2 コート処理硫酸バリウム 10部
抵抗調節用顔料:酸化チタン 2部
バインダー樹脂:フェノール樹脂 6部
レベリング材:シリコーンオイル 0.001部
溶剤:メタノール、メトキシプロパノール0.2/0.8 20部
【0067】
次に、この上にN−メトキシメチル化ナイロン3部及び共重合ナイロン3部をメタノール65部及びn−ブタノール30部の混合溶媒に溶解した溶液を浸漬コーティング法で塗布し0.5μmの中間層を形成した。
【0068】
次に、CuKα特性X線回折のブラッグ角2θ±0.2°が9.0°、14.2°、23.9°及び27.1°に強いピークを有するオキシチタニウムフタロシアニン(TiOPc)4部及びポリビニルブチラール(商品名:エスレックBM2、積水化学製)2部及びシクロヘキサノン60部をφ1mmガラスビーズを用いたサンドミル装置で4時間分散した後、エチルアセテート100部を加えて電荷発生層用分散液を調製した。これを浸漬コーティング法で塗布し0.3μmの電荷発生層を形成した。
【0069】
次に、下記構造式のアミン化合物9部、
【0070】
【化4】
下記構造式のアミン化合物1部
【0071】
【化5】
と表2の条件1記載の重合体10部を、モノクロロベンゼン30部及びジクロロメタン70部の混合溶媒に溶解した。
【0072】
この重合体は分子量分布(Mw/Mn)が2.2になるように所定ビフェノール(0.01mol)を水酸化ナトリウム(0.8g)及び塩化テトラメチルアンモニウム(1g)を水100mlに溶かして1リットルのミキサー中に投入し、これに1,2−ジクロロエタン(30ml)にテレフタル酸塩化物(0.005mol)及びイソフタル酸塩化物(0.005mol)を溶かしたものを攪拌しながら投入し10分高速攪拌し2時間放置後、末端のカルボキシル基を停止するためにp−tert−ブチルフェノールをモノマーに対して5mol%投入し、さらに30分攪拌後、1,2−ジクロロエタン液を回収しこれに大量のヘキサンを投入しポリマーとして回収したものである。なお、回収後水洗浄、クロロホルム溶解及びメタノール滴下による精製工程を3回行ったものを用いた。
【0073】
回収したポリマーについてはGPCにより分子量分布(Mw/Mn)の測定を行った。表2の条件1記載の重合体の分子量分布(Mw/Mn)は2.2となった。この塗料を浸積法で塗布し120℃で2時間乾燥することによって、膜厚25μmの電荷輸送層を形成した。
【0074】
次に、評価について説明する。
【0075】
装置はヒューレットパッカード製LBP「レーザージェット4plus」(プロセススピード71mm/sec)を改造して用いた。改造は一次帯電の制御を定電流制御を定電圧制御とした。作成した電子写真感光体をこの装置で32℃、95%RH下で通紙耐久(HH耐久)を行った。シーケンスはプリント1枚毎に1回停止する間欠モードとした。
【0076】
トナーがなくなったならば補給し画像で問題が出るまで耐久した。
【0077】
また、研磨テープを用いたテーバー摩耗試験機を用い15分摩耗させ、そのときの重量減少分を測定した。
【0078】
更に、電子写真感光体の一部に3000Lux、10分間の白色蛍光灯の光を当て10分間放置後、明部電位を測定し光を当てる前から明部電位がどれだけ下がったかを測定しフォトメモリー値とした。
【0079】
更に、ソルベントクラック性は表面に皮脂を付着させ48時間放置し顕微鏡観察によりソルベントクラックの有無を観察し、クラックの認められたものを×、認められないものを○とした。
【0080】
その結果を表3に示す。
【0081】
【表7】
テレフタル酸塩化物とイソフタル酸塩化物の混合比はモル比で1:1とした。
【0082】
〔実施例2〜12〕
電荷輸送層のバインダー樹脂に表2の条件2〜12のものを用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し評価した。その結果を表3に示す。
【0083】
【表8】
【0084】
〔比較例1〜5〕
電荷輸送層のバインダー樹脂に表4の条件1〜5のものを用いた以外は実施例1と同様に電子写真感光体を作成し評価した。その結果を表5に示す。
【0085】
【表9】
【0086】
【表10】
【0087】
【表11】
【0088】
【発明の効果】
本発明の電子写真感光体は、機械的強度を損なうことなく優れた耐ソルベントクラック性を有し、更に機械的強度が強く、かつ直接帯電による放電に対する耐電気特性が良好であり、フォトメモリーが小さく製造が容易な直接帯電に適した電子写真感光体、及び該電子写真感光体を有するプロセスカートリッジ及び電子写真装置を提供することが可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電子写真感光体を有するプロセスカートリッジを有する電子写真装置の概略構成の例を示す図である。
【符号の説明】
1 本発明の電子写真感光体
2 軸
3 一次帯電手段
4 画像露光光
5 現像手段
6 転写手段
7 転写材
8 像定着手段
9 クリーニング手段
10 前露光光
11 プロセスカートリッジ
12 レール

Claims (4)

  1. 電子写真感光体を直接帯電する電子写真装置用の電子写真感光体であって、導電性支持体上に感光層を有する電子写真感光体において、該電子写真感光体の表面層が、分子量分布(重量平均分子量/数平均分子量=Mw/Mn)1.9以上3.0以下である(前記分子量は、10 2×10の分子量領域を測定するためのカラムを用いたGPCによって測定される分子量である)下記一般式(1)で示される繰り返し単位を有するポリアリレート樹脂を含有することを特徴とする電子写真感光体。
    (式中、Xは−CR1314−(R13及びR14は水素原子、置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基またはフェニル基、またはR13とR14が結合することによって形成されるシクロペンチリデン基またはシクロヘキシリデン基である)、置換されてもよいメチレン基、エチレン基、フルオレン基、単結合、−O−、−S−、−SO−または−SO−である。また、R乃至 は水素原子、ハロゲン原子、置換されてもよいメチル基、エチル基、プロピル基、フェニル基またはナフチル基である。)
  2. 前記ポリアリレート樹脂が下記構造単位例1〜9のいずれかで示される繰り返し構造を有することを特徴とする請求項1に記載の電子写真感光体。
  3. 請求項1または2に記載の電子写真感光体、及び該電子写真感光体を直接帯電する帯電手段、現像手段及びクリーニング手段からなる群より選ばれた少なくともひとつの手段を一体に支持し、電子写真装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
  4. 請求項1または2に記載の電子写真感光体、該電子写真感光体を直接帯電する帯電手段、像露光手段、現像手段及び転写手段を有することを特徴とする電子写真装置。
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