JP2004150298A - 水素ポンプ及び水素ポンプを用いた燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【解決手段】インペラ14の回転によりケーシング12内に水素ガスを吸入して吐出する水素ポンプにおいて、インペラ14の端面19あるいはこれに対向するケーシング12の内側面20に溝を設けたことを特徴とする。
【選択図】 図3
Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、燃料電池車両等の燃料電池システムに用いられる水素ポンプ及び水素ポンプを用いた燃料電池システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
水素ガスと酸化剤ガスを反応させて発電する燃料電池では発電に伴い水が生成されるので、この生成水を燃料電池から排出するため、水素ガス及び酸化剤ガスを発電に必要な消費量よりも多く供給している。したがって、燃料電池から排出される水素ガスの排出ガスには未反応ガスが含まれており、これをそのまま放出したのでは燃費が悪化してしまう。そこで、燃費向上のために水素の排出ガスを水素ポンプを用いて積極的に循環させ、新鮮な水素ガスと混合して再度燃料電池に供給する燃料電池システムが提案されている。
例えば、上記システムに用いられる水素ポンプとしては、ダイアフラムによって区画された密閉空間の容積をダイアフラムを変位させることにより変化させて水素の吸入と吐出を行うダイアフラム型の水素ポンプが知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002−147363号公報
【0004】
ところが、このようなダイアフラム型の水素ポンプを用いて上述した水素ガスを循環させるための容量を確保しようとすると、ポンプの大型化が避けられないという問題がある。
そのため、燃料電池システム、特に車載用の燃料電池システムの水素循環流路には、インペラをケーシング内で回転させる形式の遠心式ポンプを用いることが検討されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記遠心式ポンプを使用することで、ある程度の容量を確保して搭載スペースに大きな制限のある車載用燃料電池システムへの搭載が可能となるが、水素排出ガス中に含まれる水分が低温時に凝縮して氷点下で凍結するとインペラがロックしてしまう。
このようなインペラのロックはインペラとこれに近接するケーシング内壁との間に存在する水が凍結するために起こるが、これを防止するためにインペラとケーシング内壁との間のクリアランスを大きくすると、ポンプ内部での昇圧工程中に内部リークが発生してしまい、ポンプ性能が低下するという問題がある。
また、モータの起動トルクを上げることにより、起動トルクで凍結部分において両者を分離しポンプを起動できるようにすることも考えられるが、モータが大型化してしまう。
そこで、この発明は、ポンプ性能を低下させることなく、凍結による水素ポンプのロックを防止できる水素ポンプ及び水素ポンプを用いた燃料電池システムを提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1に記載した発明は、インペラ(例えば、実施形態におけるインペラ14)の回転によりケーシング(例えば、実施形態におけるケーシング12)内に水素ガスを吸入して吐出する水素ポンプにおいて、インペラの端面(例えば、実施形態における端面19)あるいはこれに対向するケーシングの内側面(例えば、実施形態における内側面20)に溝(例えば、実施形態における溝21,22,23あるいは溝25,26,27)を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、溝によりインペラの端面に近接して対向するケーシング内側面との間の凍結可能面積を減少させることができる。
【0007】
請求項2に記載した発明は、前記溝がインペラの回転軸(例えば、実施形態における回転軸15)を中心にして同心円状に複数形成されることを特徴とする。
このように構成することで、ポンプ内部での昇圧工程中に溝にガスが流れ込んでも、この溝は同心円状に流れインペラの径方向には流れない。
【0008】
請求項3に記載した発明は、インペラの回転によりケーシング内に水素ガスを吸入して吐出する水素ポンプにおいて、前記ケーシングの内側面とこれに対向するインペラの端面の双方に溝(例えば、実施形態における溝21,22,23、溝25,26,27)を設けたことを特徴とする。
このように構成することで、ケーシングの内側面のみならず、インペラ側においても、対向するケーシングの内側面との間の凍結可能面積を減少させることができる。
【0009】
請求項4に記載した発明は、前記ケーシングの内側面の溝とインペラの端面の溝とが互いに位置をずらして形成されることを特徴とする。
このように構成することで、インペラとケーシングの内側面との間において互いに近接して凍結可能性の高い部位を著しく減少させることができる。
【0010】
請求項5に記載した発明は、前記ケーシングの内面あるいはインペラの表面に撥水加工が施されることを特徴とする。
このように構成することで、凍結した部位では付着水が表面張力で盛り上がり接触面積が少ない状態で凍結するため仮に凍結した場合でも凍結解除力が少なくて済む。
【0011】
請求項6に記載した発明は、燃料電池(例えば、実施形態における燃料電池1)から排出される燃料ガスの排出ガスを再度燃料電池に供給する水素ポンプを用いた燃料電池システムにおいて、燃料ガスの排出ガスの環流通路(例えば、実施形態における水素オフガス循環流路7)にインペラの回転により水素ガスを送り出す水素ポンプ(例えば、実施形態における水素ポンプ8,24,28,29,30)を設け、この水素ポンプのケーシング内壁とインペラとの間に溝又は撥水加工(例えば、実施形態における撥水加工のための被膜H、溝21,22,23、溝25,26,27)を施したことを特徴とする。ここで、請求項7に記載したように前記撥水加工は撥水材を添着したものとすることができる。
このように構成することで、運転停止時において、燃料ガスの排出ガス中に含まれる水が水素ポンプのインペラとケーシング内壁との間で凍結した場合でも、溝又は撥水加工により凍結解除力を低減してポンプ駆動時において低トルクで簡単にインペラとケーシングとを分離できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施形態を図面と共に説明する。図1は車載用の燃料電池システムを示す概略図である。
燃料電池(FC)1は、例えば固体ポリマーイオン交換膜等からなる固体高分子電解質膜をアノード電極とカソード電極とで両側から挟持し更にセパレータで挟持したセルを複数積層して構成されている。アノード電極に燃料ガスとして水素ガスを供給し、カソード電極に酸化剤ガスとして酸素を含む空気を供給すると、アノード電極で触媒反応により発生した水素イオンが、固体高分子電解質膜を通過してカソード電極まで移動し、カソード電極で酸素と電気化学反応を起こして発電し、水が生成される。
【0013】
空気はコンプレッサ2により所定圧力に昇圧されて燃料電池1のカソード電極に供給され、反応後には燃料電池1から空気オフガスとして圧力制御弁3を介して排出される。
一方、高圧水素タンク(H2)4から供給される水素ガスは、水素ガス供給流路5の途中に設けられた圧力制御弁6によって所定圧力に減圧されて燃料電池1のアノード電極に供給される。燃料電池1に供給された水素ガスは発電に供された後、燃料電池1から水素オフガスとして水素オフガス循環流路(燃料ガスの排出ガスの環流通路)7に排出される。
【0014】
水素オフガス循環流路7は、圧力制御弁6よりも下流の水素ガス供給流路5に接続され、水素オフガス循環流路7の途中には水素ポンプ8と逆止弁9が設けられている。燃料電池1から排出された水素オフガスは、水素ポンプ8で昇圧され、逆止弁9を通って水素ガス供給流路5に合流するようになっており、これにより水素オフガスは、高圧水素タンク4から供給される新鮮な水素ガスと混合されて、再び燃料電池1のアノード電極に供給される。ここで、図1に示すように水素オフガス循環流路7に例えばエゼクタ10を更に追加して循環性能を高めてもよい。尚、11は排出弁を示す。
【0015】
次に、この発明の第1実施形態の水素ポンプについて説明する。図2は水素ポンプの正断面図、図3は図2のA−A線に沿う断面図である。
水素ポンプ8はいわゆる遠心式ポンプであり、ケーシング12内のポンプ室13の内部にインペラ(羽根車)14を備えている。インペラ14の回転軸15は軸受け(支持部)16を介してケーシング12に回転自在に支持され、この回転軸15が図示しないモータに接続されている。
ケーシング12の外周部、この実施形態ではケーシング12の下部には、水素オフガスをポンプ室13内に導入する吸込部17と、ポンプ室13内で昇圧された水素オフガスを吐出する吐出部18が設けられている。この吸込部17及び吐出部18が水素オフガス循環流路7に接続されている。
【0016】
ここで、ケーシング12の内壁のうち、インペラ14の軸方向の端面19に対向するケーシング12の内側面20,20には各々溝21,22,23が形成されている。
各溝21,22,23は環状で各々が回転軸15の軸受け16を中心にして同心円状に形成された環状溝で、溝21、溝22、溝23の順に直径が大きくなっている。各溝21,22,23は角断面形状に形成されているが、断面形状はこれに限定されない。
【0017】
ここで、前記インペラ14の端面19とケーシング12の内側面20との間にはクリアランスCLが形成され、ポンプ内部での昇圧工程中にリークが生じない程度の寸法(例えば、100μm)に形成されている。ここで、図3の内周壁Nの領域に溝を形成しなかったのは水素ポンプ8の昇圧工程で圧力が抜けてしまうからである。
【0018】
上記実施形態によれば、燃料電池1の運転を停止して系内の温度が低下すると、水素オフガス循環流路7内の湿潤ガス中の水分が凝結したり、あるいは生成水が水素ポンプ8のケーシング12の内壁やインペラ14に付着した状態となる。この状態で再起動する場合に外気温が氷点下となっていると、上記凝結水等が凍結する場合がある。
【0019】
ところが、この実施形態ではインペラ14の端面19に対向するケーシング12の内側面20,20に各々溝21,22,23を設けたことで、溝21,22,23によりインペラ14の端面19に近接して対向するケーシング12の内側面20の凍結可能面積を減少させることができるため、インペラ14の端面19とケーシング12の内側面20との間で凍結した凝結水等の凍結面積が小さくなる。
そのため、凝結水や生成水が凍結し難くなったり、仮に凍結した場合でもインペラ14とケーシング12との結合力が小さくなるため、水素ポンプ8を駆動した場合に凍結部分が簡単に分離して水素ポンプ8を駆動できる。
【0020】
したがって、凍結によるインペラ14のロックが起きないように、インペラ14の端面19とこれに対向するケーシング12の内側面20との間のクリアランスCLを大きくする必要なく、できる限りこのクリアランスCLを小さくできるため、ポンプ性能を高く維持したまま凍結により駆動不能となる不具合をなくすことができる。
また、前記溝21,22,23がインペラ14の回転軸15の軸受け16を中心にして同心円状に複数形成されることにより、水素ポンプ8内部での昇圧工程中に溝21,22,23にガスが流れ込んでも、この溝21,22,23は同心円状に流れインペラ14の径方向には流れない。その結果、溝21,22,23が内部リークの原因とはならずポンプ性能を低下させることはない。
【0021】
次に、この発明の第2実施形態に係る水素ポンプを図1及び図2の一部を援用し図4に基づいて説明する。尚、図2、図3と同一部分には同一符号を付して説明する。図4は図3に対応する水素ポンプの断面図である。
この水素ポンプ24も図1に示す燃料電池システムに用いられる遠心式の水素ポンプであり、ケーシング12内のポンプ室13の内部にインペラ14を備え、インペラ14の回転軸15は軸受け16を介してケーシング12に回転自在に支持され、この回転軸15が図示しないモータに接続されている点、ケーシング12の下部には、水素オフガスをポンプ室13内に導入する吸込部17と、ポンプ室13内で昇圧された水素オフガスを吐出する吐出部18が設けられ、これら吸込部17及び吐出部18が水素オフガス循環流路7に接続されている点等の基本的構造は第1実施形態と同様である。
【0022】
ここで、ケーシング12の内壁のうち、インペラ14の軸方向の端面19に対向するケーシング12の内側面20,20には各々溝21,22,23が形成されている。各溝21,22,23は環状で各々が回転軸15の軸受け16を中心にして同心円状に形成された環状溝で、溝21、溝22、溝23の順に直径が大きくなっている。
【0023】
また、上記溝21,22,23に対応してインペラ14の軸方向の端面19,19には、各々溝25,26,27が設けられている。これらの溝25、溝26、溝27は回転軸15を中心にして同心円状に形成された環状溝であって、ケーシング12の内側面20の溝21、溝22、溝23に対して互いに位置をずらして形成されている。具体的には、ケーシング12の溝21の内側に溝25が、ケーシング12の溝21と溝22との間の位置に溝26が、ケーシング12の溝22と溝23との間の位置に溝27が各々形成されている。
【0024】
上記第2実施形態によれば、ケーシング12の内側面20のみならず、インペラ14側においても、対向するケーシング12の内側面20との間の凍結可能面積を減少させることができる。よって、インペラ14の端面19とケーシング12の内側面20との間で凍結した凝結水等の凍結面積が更に小さくなり、凍結し難くなると共に凍結した場合でも結合力が小さくなるため、水素ポンプ24を駆動可能とできる。
その結果、凍結する面積が少なくなった分だけインペラ14とケーシング12内側面20との間のクリアランスCLを更に小さくすることができポンプ性能をより一層高く維持したまま、凍結防止を実現できる。
【0025】
とりわけ、この実施形態では、前記ケーシング12の内側面20の溝21,22,23とインペラ14の端面19の溝25,26,27とが互いに位置をずらして形成されていることで、インペラ14とケーシング12の内側面20との間において互いに近接した凍結可能性のある部位を著しく減少させることができる点で有利である。
【0026】
次に、図5、図6に示すのは上記各実施形態の他の態様である。
図5に示す第3実施形態の水素ポンプ28は、図2、図3の実施形態の水素ポンプ8において溝21,22,23を含むケーシング12内面及びインペラ14の表面に撥水加工が施されたものである。
また、図6に示す第4実施形態の水素ポンプ29は図4の実施形態の水素ポンプ24において溝21,22,23を含むケーシング12内面及び溝25,26,27を含むインぺラ14の表面に凍結解除力を低減するために撥水加工(太い実線で示す撥水材の添着による撥水性の被膜Hの形成や表面加工等)が施されたものである。尚、前述した各実施形態と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
ここで、撥水加工としては、例えば、NTTアドバンステクノロジ株式会社製の超撥水材料「HIREC」を用いたり、テフロン(登録商標)コーティング等の撥水性被膜の被覆処理を採用することができる。
【0027】
このように撥水加工を施すのは次の理由による。燃料電池1の運転を停止して凝結水等がケーシング12内やインペラ14表面に付着すると、撥水加工が施してある部分の水滴は付着し難く、付着したとしても表面張力で盛り上がり接触面積が少ない状態となる。そのため仮に付着した状態で凍結した場合でも凍結解除力が少なくて済むのである。
【0028】
したがって、図5に示す実施形態では、図2、図3に示した第1実施形態の効果に加えて、更にケーシング12とインペラ14が凍結しても撥水加工している分だけ凍結解除力が小さくなるので、水素ポンプ28を駆動してトルクが作用するとインペラ14を容易に凍結ロック解除することができる。
また、このことは図6における実施形態でも同様であり、図4に示した第2実施形態の効果に加え、更にケーシング12とインペラ14が凍結しても撥水加工している分だけ凍結解除力が小さくなるので、水素ポンプ29を駆動してトルクが作用するとインペラ14を容易に凍結ロック解除することができる。
【0029】
尚、この発明の実施形態は上記実施形態に限られるものではなく、例えば図7に示す第5実施形態の水素ポンプ30のように、図5に示す実施形態において溝21,22,23を形成しない構造を採用することもできる。尚、図5に示す実施形態と同一部分には同一符号を付して説明は省略する。
具体的にはこの実施形態の水素ポンプ30は、ケーシング12内面とインペラ14の表面に撥水加工として太い実線で示す被膜H(表面加工等でもよい)が施されているのみである。
【0030】
前述した図5の実施形態の水素ポンプ28では溝21,22,23を、図6の実施形態の水素ポンプ29では溝21,22,23と溝25,26,27を形成した上で撥水加工を施していたが、撥水加工だけで凍結解除力を十分に低減でき、インペラ14がケーシング12の内壁に凍結していても水素ポンプ30を駆動することで簡単に凍結部分を引き剥がしてインペラ14を回転することができる場合には、上記溝21,22,23を設ける必要がないからである。よって、この実施形態によれば前述した実施形態のように溝加工をしなくても済むだけ、製造コストを低減できるメリットがある。
【0031】
したがって、上述したように溝21,22,23を設けた水素ポンプ8、溝21,22,23及び溝25,26,27を設けた水素ポンプ24、これらに更に撥水加工を施した水素ポンプ28,29、又は前記各溝21,22,23、溝25,26,27を設けることなく撥水加工のみを施した水素ポンプ30を、燃料電池1から排出される燃料ガスの排出ガスを再度燃料電池1に供給する水素オフガス循環流路7に用いた燃料電池システムに用いることで、運転停止時において、燃料ガスの排出ガス中に含まれる凝結水等が上記水素ポンプ8,24,28,29,30のインペラ14とケーシング12内壁との間で凍結した場合でも、凍結解除力が低減するためポンプ駆動時において簡単にインペラ14とケーシング12とを分離できる。
よって、燃料電池1を低温起動する際でも上記水素ポンプの確実な駆動を確保して燃料電池システムを駆動することができる。
【0032】
尚、この発明は上記実施形態に限られるものではなく、例えば、水素ポンプは水素オフガス循環流路7以外の部位に用いられる場合にも適用できる。また、ケーシング12の内側面20の溝21,22,23、インペラ14の端面19の溝25,26,27は径方向に延びるものでなければ環状である必要はなく凹部(長さのない溝)であってもよい。また、撥水加工はインペラ14の表面とケーシング12内面との何れかに設ければよい。
また、第1実施形態においてインペラ14の端面19にのみ溝21,22,23を設けるようにしてもよい。
【0033】
【発明の効果】
以上説明してきたように、溝によりインペラの端面に近接して対向するケーシング内側面との間の凍結可能面積を減少させることができるため、インペラの端面とケーシングの内側面との間で凍結した凝結水等の凍結面積が小さくなり、凍結し難くなると共に凍結した場合でも結合力が小さくなるためポンプを駆動可能とできる。
したがって、インペラとケーシング内側面との間のクリアランスを小さくしてポンプ性能を高く維持したまま凍結により駆動不能となる不具合をなくすことができる。
【0034】
請求項2に記載した発明によれば、ポンプ内部での昇圧工程中に溝にガスが流れ込んでも、この溝は同心円状に流れインペラの径方向には流れないので、溝が内部リークの原因とはならずポンプ性能を低下させることはないという効果がある。
【0035】
請求項3に記載した発明によれば、ケーシングの内側面のみならず、インペラ側においても、対向するケーシングの内側面との間の凍結可能面積を減少させることができるため、インペラの端面とケーシングの内側面との間で凍結した凝結水等の凍結面積が更に小さくなり、凍結し難くなると共に凍結した場合でも結合力が小さくなるため、ポンプを駆動可能とできる効果がある。
したがって、凍結する面積が少なくなった分だけインペラとケーシング内側面との間のクリアランスを更に小さくすることができポンプ性能をより一層高く維持したまま、凍結防止を実現できる。
【0036】
請求項4に記載した発明によれば、インペラとケーシングの内側面との間において互いに近接して凍結可能性の高い部位を著しく減少させることができるため、確実に凍結防止することができる効果がある。
【0037】
請求項5に記載した発明によれば、凍結した部位では凝結水等が表面張力で盛り上がり接触面積が少ない状態で凍結するため、仮に凍結した場合でも凍結解除力が少なくて済み少ない駆動力でもインペラを容易にロック解除することができる効果がある。
【0038】
請求項6、7に記載した発明によれば、運転停止時において、燃料ガスの排出ガス中に含まれる水分が凝結する等して水素ポンプのインペラとケーシング内壁との間で凍結した場合でも、溝又は撥水加工により凍結解除力を低減してポンプ駆動時において低トルクで簡単にインペラとケーシングとを分離できるため、燃料電池を低温起動する際でも水素ポンプを確実に駆動して燃料電池を駆動することができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態の車載用の燃料電池システムを示す概略図である。
【図2】この発明の第1実施形態の水素ポンプの正断面図である。
【図3】図2のA−A線に沿う断面図である。
【図4】第2実施形態の図3に相当する断面図である。
【図5】第3実施形態の図3に相当する断面図である。
【図6】第4実施形態の図3に相当する断面図である。
【図7】第5実施形態の図3に相当する断面図である。
【符号の説明】
1 燃料電池
7 水素オフガス循環流路(水素ガスの排出ガスの環流通路)
12 ケーシング
14 インペラ
15 回転軸
19 端面
20 内側面
21,22,23,25,26,27 溝
H 被膜
Claims (7)
- インペラの回転によりケーシング内に水素ガスを吸入して吐出する水素ポンプにおいて、インペラの端面あるいはこれに対向するケーシングの内側面に溝を設けたことを特徴とする水素ポンプ。
- 前記溝がインペラの回転軸を中心にして同心円状に複数形成されることを特徴とする請求項1記載の水素ポンプ。
- インペラの回転によりケーシング内に水素ガスを吸入して吐出する水素ポンプにおいて、前記ケーシングの内側面とこれに対向するインペラの端面の双方に溝を設けたことを特徴とする水素ポンプ。
- 前記ケーシングの内側面の溝とインペラの端面の溝とが互いに位置をずらして形成されることを特徴とする請求項3に記載の水素ポンプ。
- 前記ケーシングの内面あるいはインペラの表面に撥水加工が施されることを特徴とする請求項1〜請求項4の何れかに記載の水素ポンプ。
- 燃料電池から排出される燃料ガスの排出ガスを再度燃料電池に供給する水素ポンプを用いた燃料電池システムにおいて、水素ガスの排出ガスの環流通路にインペラの回転により燃料ガスを送り出す水素ポンプを設け、この水素ポンプのケーシング内壁とインペラとの間に溝又は撥水加工を施したことを特徴とする水素ポンプを用いた燃料電池システム。
- 前記撥水加工は撥水材を添着したものであることを特徴とする請求項6記載の水素ポンプを用いた燃料電池システム。
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