JP2004149717A - 疑似接着剤ならびに疑似接着シート - Google Patents

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Abstract

【課題】疑似接着シートの多湿環境下にける剥離性を良化させる。
【解決手段】モノマー原料中にブチルアクリレートモノマーを50〜90質量%、エチルアクリレートモノマーを5〜45質量%含むアクリル酸エステル共重合体樹脂を乳化したアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを含み、天然ゴムラテックスを含まない接着基剤を用いて疑似接着剤を構成することにより解決される。
【選択図】なし

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、一時的に接着するが、必要時に容易に剥離できる機能を有する疑似接着用シートおよびそれに用いる疑似接着剤に関するものである。さらに詳しく述べれば、支持体シートの少なくとも片面に、通常状態では接着せず加圧等により接着性を有しかつ接着後に再剥離が可能な疑似接着剤層が設けられている、折り畳み疑似接着用シート、重ね合わせ疑似接着用シート、その他親展性を有する情報隠蔽シート、親展性葉書、親展性封筒等に好適な疑似接着用シート、ならびに前記接着剤層の形成のための疑似接着剤に関する。
【0002】
【従来の技術】
個人情報などの各種情報が折り畳み内面に記載された往復葉書状の葉書を折り畳み、重ね合わせた部分を疑似接着して、情報を隠蔽したのち、郵送し、受取人が疑似接着部分を剥離して隠蔽情報を読み取る葉書システムが普及している。葉書システムは、会社が従業員にあるいは銀行やクレジット会社が顧客に親展性を有する情報を連絡する場合に使用されることが多く、親展性情報の漏洩防止性(隠蔽性)や宛名印刷等の印字・印刷が好適にできること(印刷適性)はもちろんのこと、受取人が必要時に容易に剥離できること(剥離性)も重要である。
【0003】
このような葉書システムには、通常、基材シートの表裏面の少なくとも一方の面に、一時的には接着するが必要時に容易に剥離する疑似接着剤層を有する疑似接着シートが使用されている。旧来、疑似接着剤層を形成するための疑似接着剤は、初期接着強度が高く親展性情報の初期の漏洩防止性が高い天然ゴムラテックス(ここで、本明細書において天然ゴムラテックスとは、原料中に天然ゴムを含むラテックスをいい、例えば、天然ゴムに他の樹脂などをグラフト重合させたラテックスも含む。)を含む接着基剤(以下、天然ゴム系基剤ともいう。)として用いていた。
【0004】
しかし上記天然ゴム系基剤は、湿度、紫外線、熱等の影響を受けやすく、多湿環境下あるいは太陽光に長時間さらされる環境下等において接着強度の変化が大きいという欠点があった。また、天季節や採取木による天然ゴム品質の差による初期接着強度のばらつきをなくすため疑似接着剤に含有せしめる天然ゴムラテックス量の調整等、煩雑な操作を必要とする欠点があった。
【0005】
そこで、本発明者らは、先の出願において、天然ゴム系基剤に代えて、合成ゴムラテックスを接着基剤とする疑似接着剤を用いた疑似接着シートを出願し、開示した。かかる疑似接着シートにより、天然ゴム採取木等による品質のばらつきが改善され、これまで不可能であった高速塗工機による塗工を可能ならしめた。また、周囲環境に起因する接着強度の変化についても、天然ゴム系基剤を使用する旧来製品と比較すれば、その変化が少なく一応の改善が見られた。
【特許文献1】
特開平2001−335765
【特許文献2】
特願平2002−224146
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記環境による接着強度の変化のなかでも、多湿環境下におけるあるいは一度水に濡れた場合における剥離性の問題に関しては、使用者からいまだ改善の声が聞かれ、さらなる向上が求められていることが知見された。すなわち、剥離性の問題に関してはいまだ十分に改善されたとはいず、さらなる改良が求められている。
【0007】
そこで、本発明の主たる課題は、疑似接着シートならびに疑似接着剤の剥離性をさらに良化させることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決した本発明およびその作用効果は次記のとおりである。
<請求項1記載の発明>
接着基剤を含み、基材シートに塗布されて、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成する疑似接着剤であって、
前記接着基剤が、モノマー原料中にブチルアクリレートモノマーを50〜90質量%、
エチルアクリレートモノマーを5〜45質量%含むアクリル酸エステル共重合体樹脂を乳化したアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを含み、天然ゴムラテックスを含まないものである、
ことを特徴とする疑似接着剤。
【0009】
<請求項2記載の発明>
前記アクリル酸エステル共重合体樹脂の、分子量が5〜100万でありかつガラス転移温度が−60℃〜−20℃である、請求項1記載の疑似接着剤。
【0010】
<請求項3記載の発明>
前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに非親和性を示す微粒子充填剤が50〜200質量部配合されている請求項1または2記載の疑似接着剤。
【0011】
<請求項4記載の発明>
請求項1〜3の何れか1項に記載の疑似接着剤を塗工してなる疑似接着剤層を、表裏面の少なくとも一方の面に有することを特徴とする疑似接着シート。
【0012】
(作用効果)
従来例でも記載のとおり、本発明者らは、天然ゴムを原料としない合成ゴムラテックスを使用することにより、周囲環境に起因する接着強度の変化の少ない接着基剤が得られることを知見している。しかし、多湿環境下おける剥離性については、たびたび問題が生じており必ずしも満足のいくものではなかった。そこで、ラテックスやエマルジョンについてさらなる研究を重ねた結果、モノマー原料中にブチルアクリレートモノマーを50〜90質量%、エチルアクリレートモノマーを5〜45質量%含むアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンが、疑似接着剤の構成に適した接着力を有し、しかも、多湿環境下における接着強度の変化がわずかであることを知見した。そして、かかるアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンの作用効果を相殺しないよう、天然ゴムラテックスを含まないこととして接着基剤を構成することとした。このようにして得られた本発明にかかる接着基剤を用いることにより、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンの多湿環境下における接着強度の上昇がわずかであるという作用効果をそのまま奏する疑似接着剤が得られる。そして、かかる合成樹脂エマルジョンは合成により得ることができるので、天然ゴムラテックスにあった採取木の違い等による製品の品質誤差ということもなく、製品ごとに剥離性の問題が改善されたり、されなかったりするということがない疑似接着剤が得られる。さらには、本発明者らは、かかるアクリル酸エステル共重合体エマルジョンのなかでも、特に、分子量が5〜100万でありかつガラス転移温度が−60℃〜−20℃であるものは、より、多湿環境下における接着強度の変化が小さいことを知見しており、これを接着基剤として用いると、その作用効果が保持され、多湿環境下における接着強度の変化が非常に小さい疑似接着剤が得られる。
【0013】
当該アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを用いて疑似接着剤を構成するには、微粒子充填材を含有せしめて、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンの接着力を調整することにより達成できるが、このようにするならば、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに非親和性を示す微粒子充填剤を50〜200質量部配合するのが望ましい。この範囲とすると、好適な疑似接着力が得られる。そして、この疑似接着剤を基材シートの少なくとも片面に塗布することにより、剥離性の問題が解消された疑似接着シートが得られる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次いで、本発明の実施の形態を以下に詳述する。
本実施の形態にかかるの疑似接着剤は、基材シートに塗布されて、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成する疑似接着剤である。
【0015】
本発明の疑似接着剤が塗布される基材シートは特に限定されない。従来から、この種の疑似接着シートの形成に用いられている各種基材シートを問題なくしようできる。例えばセルロース繊維を主体とする上質紙や、各種合成紙等を挙げることができる。
【0016】
疑似接着剤に、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると、例えば加圧されると、剥離可能に疑似接着するようにするためには、接着基剤に微粒子充填材を含有せしめればよい。すなわち、接着基剤に対して、これに非親和性を示す微粒子充填材を含有せしめて、接着基剤の接着力を調整すれば疑似接着力を有するようになる。
【0017】
本発明においては、前記接着基剤は、モノマー原料中にブチルアクリレートモノマーを50〜90質量%、エチルアクリレートモノマーを5〜45質量%含むアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを含むもの(以下、エマルジョン基剤ともいう。)とする。好適には、モノマー原料中にブチルアクリレートモノマーを55〜85質量%、エチルアクリレートモノマーを10〜40質量%含むアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを含むものとする。ブチルアクリレートモノマーが50質量%未満であると、所望の接着力が得られず、90質量%を超えると接着力が強くなりすぎる。また、エチルアクリレートモノマーが5質量%未満であると、塗工性に劣るようになり、40質量%を超えると、接着性に劣るようになるとともに、インクの着肉性が悪くなる。また、ブチルアクリレートモノマーとエチルアクリレートモノマーが上記範囲の配合割合とされていないモノマー原料からなるエマルジョン基剤では、多湿環境下における剥離性の改善があまり望めない。
【0018】
モノマー原料からアクリル酸エステル共重合体エマルジョンを生成する方法は、特に限定されない。例えば、乳化剤と水と重合開始に必要量のモノマーと重合体開始剤を反応器に仕込み、その後重合の進行に応じて適宜モノマーを追加するモノマー添加方法等によって製造することができる。
【0019】
ここで、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンは、好適には、分子量5〜100万、ガラス転移温度が−60℃〜−20℃のものとする。かかる範囲のものとすると、多湿環境下における接着強度の変化がより小さくなる。ガラス転移温度および分子量は、各モノマーの配合量や重合時間等により調整すればよい。
【0020】
本発明にかかるエマルジョン基剤は、天然ゴムラテックス(天然ゴムに他の樹脂などをグラフト重合させたラテックスも含む。)を含まないものとする。天然ゴムラテックスを含有せしめると、天然ゴムラテックスに起因する、多湿環境下において接着強度の過度の上昇という従来問題点が改善されなくなり、本発明のエマルジョン基剤による剥離性改善の効果がなくなる。
【0021】
上記のエマルジョン基剤には、必要に応じて、従来既知の添加剤を添加することができる。添加剤としては、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、浸透剤、酸化防止剤、耐水化剤、防腐剤などが挙げられる。
【0022】
微粒子充填材としては、従来既知のものが使用できる。具体例としては、クレー、一次または二次凝集体を形成しているカルサイト系沈降性炭酸カルシウム、二次凝集体を形成しているアラゴナイト系沈降性炭酸カルシウム、炭酸カルシウム、スチレンビーズ、シリカ、合成微粒子シリカ、アミノ表面改質シリカ、ワックス表面処理シリカ、球状シリカ、通常のカルシウムや、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムもしくはチタン等の金属の酸化物、水酸化物、炭酸塩、珪酸塩、またはこれらの混合物等が挙げられる。
【0023】
本発明のエマルジョン基剤を用いて、疑似接着剤を製造する場合には、前記エマルジョン基剤100質量部に対して微粒子充填材を50〜200質量部含有せしめるのが好適である。微粒子充填材が50未満であるとブロッキングの発生が懸念され、200質量部を超えると所望の疑似接着力が得られないことがある。なお、より具体的な微粒子充填剤の配合量および種類は、前記エマルジョン基剤の物性に応じて上記範囲のなかで適宜定めればよい。
【0024】
上記疑似接着剤を基材シートに設けるには、従来既知の塗工機あるいは印刷機による塗工により設けることができる。塗工機としては、例えば、ブレードコーター、カーテンコーター、ロッドコーター、エアーナイフコーター、ゲートロールコーター、ビルブレードコーター、ロッドメタリングコーター、2ロールコーターあるいはスプレーコーター等の塗工機が挙げられる。
【0025】
上記疑似接着剤の好適な塗工量としては、3〜15g/mとするのが望ましく、3g/m未満であると、所望の接着力が得られず意図しない剥離が生じることがあり、15g/mを超えると、接着力が強くなりすぎて剥離することができないことがあるうえに、糊粕の付着による操業上および品質上のトラブルを招きやすくなる。
【0026】
疑似接着剤層の塗工厚は、5〜20μmとするのが望ましく、また、均一な疑似接着剤層を得るために、塗工後に疑似接着剤層表面を、約1〜10kg/cmで加圧し、疑似接着剤層表面の過度の突出を平坦にすることが好ましい。これは、カレンダー処理等により行うことができる。
【0027】
<実験例>
本発明にかかる疑似接着シート(実施例)とその他の疑似接着シート(比較例)従来の疑似接着シート(従来例)とについて、初期接着強度、多湿環境下の接着強度、耐水性、の各種の項目について試験し比較した。実施例および比較例は、100g/mの上質紙(大きさ縦150×横300mm)の一方の面の全面に、ワイヤーバーにて本発明の疑似接着剤または本発明とは異なる疑似接着剤を8g/mで塗工した後、温度23℃、湿度50%の状況下で30分間調整して疑似接着剤層を設けて作成した。なお、各実施例および各比較例の疑似接着剤の詳細は次記のとおりである。
【0028】
(実施例1)ブチルアクリレートモノマー55質量%、エチルアクリレートモノマー10質量%を含むモノマー原料から、分子量30万、ガラス転移温度−60℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)175質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0029】
(実施例2)ブチルアクリレートモノマー55質量%、エチルアクリレートモノマー40質量%を含むモノマー原料から、分子量70万、ガラス転移温度−30℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)175質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0030】
(実施例3)ブチルアクリレートモノマー85質量%、エチルアクリレートモノマー10質量%を含むモノマー原料から、分子量50万、ガラス転移温度−45℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)60質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0031】
(実施例4)ブチルアクリレートモノマー70質量%、エチルアクリレートモノマー25質量%を含むモノマー原料から、分子量80万、ガラス転移温度−50℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)175質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0032】
(比較例1)ブチルアクリレートモノマー45質量%、エチルアクリレートモノマー3質量%を含むモノマー原料から、分子量50万、ガラス転移温度−10℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)50質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0033】
(比較例2)ブチルアクリレートモノマー30質量%、エチルアクリレートモノマー50質量%を含むモノマー原料から、分子量60万、ガラス転移温度−70℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)175質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0034】
(比較例3)ブチルアクリレートモノマー95質量%、エチルアクリレートモノマー5質量%を含むモノマー原料から、分子量40万、ガラス転移温度−53℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)175質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0035】
(比較例4)ブチルアクリレートモノマー30質量%、エチルアクリレートモノマー50質量%を含むモノマー原料から、分子量3万、ガラス転移温度−70℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン175質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)50質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0036】
(比較例5)ブチルアクリレートモノマー30質量%、エチルアクリレートモノマー50質量%を含むモノマー原料から、分子量110、ガラス転移温度−45℃のアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを得た。このアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン175質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)50質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0037】
(従来例1)天然ゴムラテックス100質量部に対して、微粒子充填剤(トクシールGU−N:株式会社トクヤマ製)175質量部を添加して疑似接着剤を調製した。
【0038】
実施例、比較例および従来例の評価は、表1に示す。なお、各評価項目の詳細は次記のとおりである。
【0039】
[初期接着強度]二枚の疑似接着シートの疑似接着剤層同士をシーラー(大日本印刷株式会社製:MS9100)によりギャップ14で前記疑似接着剤層同士を接着長148mm、剥離しろ2mmとなるように加圧接着し、その後ただちに引き剥がしたときの接着強度をT型剥離強度試験機により測定した。なお、表中の上段は評価を、下段は測定値を示す。評価基準は、◎:測定値が250〜350kgの範囲にあり好適な疑似接着性を示す。△:測定値が220kg以上250未満kgであり意図しない剥離が生ずる可能性が高い、または測定値が350kg超380kg以下であり剥離の際に破れる可能性が高い、を示す。×:測定値が220kg未満であり意図しない剥離が生ずる可能性が極めて高く実用的ではない、または、測定値が380kgを超えており剥離の際に破れる可能性が極めて高く実用的ではない、を示す。
【0040】
[多湿環境下における剥離性]二枚の疑似接着シートの疑似接着剤層同士をシーラー(大日本印刷株式会社製:MS9100)によりギャップ14で前記疑似接着剤層同士を接着長148mm、剥離しろ2mmとなるように加圧接着し、温度23℃、湿度80%の状況下に一週間放置した後、ただちに引き剥がしたときの接着強度をT型剥離強度試験機により温度23℃、湿度50%の状況下で測定した。なお、表中の上段および下段の記載事項、ならびに評価基準は、初期接着強度と同様である。
【0041】
[耐水性]二枚の疑似接着シートの疑似接着剤層同士をシーラー(大日本印刷株式会社製:MS9100)によりギャップ14で前記疑似接着剤層同士を接着長148mm、剥離しろ2mmとなるように加圧接着した後、水に1分間浸漬し、次いで乾燥機(105℃)で3時間乾燥させ、その後ただちに引き剥がしたときの接着強度をT型剥離強度試験機により温度23℃、湿度50%の状況下で測定した。なお、表中の上段および下段の記載事項、ならびに評価基準は、初期接着強度と同様である。
【0042】
【表1】
Figure 2004149717
【0043】
表を見てみると、本発明の実施例1〜5ついては、初期接着強度、多湿環境下における剥離強度、および耐水性のすべての項目で好適な疑似接着性を示す結果が得られている。また、初期接着強度と、多湿環境下における剥離強度等との剥離強度の差が少なく、周囲環境における接着強度の変化が小さいことも示されている。従って、これら本発明の疑似接着シートは、多湿環境下等であっても意図しない剥離が生ずる可能性や破れの可能性が極めて低いものであるといえる。一方、比較例1および5は、初期接着性に劣るという結果が得られている。従って、これらは、意図しない剥離が生ずる可能性があり実用的ではないものといえる。他方、比較例2〜4および従来例については、初期接着強度については好適である結果が得られているが、多湿環境下における接着強度等において接着強度が著しく上昇する結果が得られている。従って、多湿環境下において剥離の際に破れる可能性が極めて高いものであるといえる。
【0044】
【発明の効果】
以上詳述のとおり、本発明によれば、製品毎の接着強度の差が少なくしかも多湿環境下における接着強度の変化が小さい疑似接着シートが提供される。

Claims (4)

  1. 接着基剤を含み、基材シートに塗布されて、通常の状態では接着せずに所定の条件が付与されると剥離可能に疑似接着する疑似接着剤層を形成する疑似接着剤であって、
    前記接着基剤が、モノマー原料中にブチルアクリレートモノマーを50〜90質量%、
    エチルアクリレートモノマーを5〜45質量%含むアクリル酸エステル共重合体樹脂を乳化したアクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンを含み、天然ゴムラテックスを含まないものである、
    ことを特徴とする疑似接着剤。
  2. 前記アクリル酸エステル共重合体樹脂の、分子量が5〜100万でありかつガラス転移温度が−60℃〜−20℃である、請求項1記載の疑似接着剤。
  3. 前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョン100質量部に対して、前記アクリル酸エステル共重合体樹脂エマルジョンに非親和性を示す微粒子充填剤が50〜200質量部配合されている請求項1または2記載の疑似接着剤。
  4. 請求項1〜3の何れか1項に記載の疑似接着剤を塗工してなる疑似接着剤層を、表裏面の少なくとも一方の面に有することを特徴とする疑似接着シート。
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