JP2004148596A - インクジェット記録装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】画像形成中に記録ヘッドの吐出回復処理等の印字中断動作を行った場合でも、記録中断動作前後で画像の濃度や色味に差が生じることがないインクジェット記録装置を提供する。
【解決手段】画像形成中に記録ヘッドの吐出回復処理等の記録中断動作を行った際に、記録中断時間を検出し、記録中断時間の長さに応じて、記録ヘッドからのインク吐出には至らない短パルス加熱を行う。さらに、記録ヘッド温度が記録中断動作前の温度より低い場合には、記録ヘッドからのインク吐出には至らない短パルス加熱を行って、記録中断動作前の記録ヘッド温度まで温度を上昇させ、画像形成動作を再開する。
【選択図】 図9

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明はインクジェット記録装置に関する。特に連続画像の記録動作中に中断を行い、記録を再開するときの濃度ムラを補正する機構を有するインクジェット記録装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
プリンタ、複写機、ファクシミリ等の機能を有する記録装置、あるいはコンピューターやワードプロセッサ等を含む複合型電子機器やワークステーションなどの出力機器として用いられる記録装置(プリント装置)としては、画像情報(記録情報)に基づいて、紙、布、プラスチックシート、OHP用シート等の被記録媒体(被記録材)に向けてインクを吐出することで記録を実行するインクジェット記録装置が普及している。
【0003】
また、これら被記録媒体の材質に対する要求も様々なものがあり、近年では、これらの要求に対する開発が進み、通常の被記録媒体である紙(薄紙や加工紙を含む)や樹脂薄板(OHPシート等)などの他に、布、皮革、不織布、更には金属等を被記録媒体として用いる記録装置も使用されるようになっている。
【0004】
前記インクジェット記録装置は、被記録材の搬送方向(副走査方向)と交差する方向(主走査方向)に記録ヘッドを複数回走査させながら画像を記録する所謂シリアルスキャン方式の記録装置が主体であり、記録ヘッドユニットの小型化が可能で、低コストな構成で構成されることから、これまで、各社から数多くのインクジェット記録装置が製品化されている。
【0005】
このようなシリアルスキャン方式のインクジェット記録装置では、記録動作を行った場合、記録ヘッドからのインク吐出時に発生するインクミスト、あるいは吐出されたインクが被記録材に到達したときの衝撃で発生するスプラッシュミスト等により、記録ヘッドの吐出口面にインクミストが付着してしまうことがある。そのため、付着したインクミストが記録ヘッドの吐出口を塞いでしまい、その結果、インクの吐出不良を生じることがある。
【0006】
そこで、ウレタンゴム等のゴム状弾性体からなるワイピングブレードを設け、このワイピングブレードを記録ヘッドの吐出口面に当接させた状態で該記録ヘッドを移動させることにより、吐出口周辺に付着したインクミストを拭き取り、除去する構成が採られている。このような吐出回復動作をワイピング動作という。
【0007】
また、記録動作時には記録ヘッドの複数の吐出口より選択的にインクを吐出させて画像を形成するため、個々のノズルに関してみれば、インク吐出を伴なわずに先端の吐出口が大気に触れたままの状態も起こる。このようなノズルはノズル内のインクの蒸発乾燥が進み、インクの粘度が増大してしまうことによる、吐出インク量の減少、吐出スピードの減少による吐出方向の偏向等の吐出不良を生ずることがある。そこで、蒸発乾燥して増粘したインクを除去する目的で、記録ヘッドのノズルから、記録に無関係なインク吐出を被記録媒体以外の所定の場所で行うことで、吐出不良を未然に防止するようにしている。このような吐出回復動作を予備吐出動作という。
【0008】
また、連続して、長時間記録ヘッドによる記録動作が継続された場合、記録インクを吐出する際に蓄熱された熱により、記録ヘッドの温度が上昇してしまい、記録ヘッドのノズル近傍に位置するインク溜り(共通液室)等に気体が泡として混入し、その気泡がある程度の大きさになるとノズルへのインクの供給を妨げ、インクが正常に吐出されなくなってしまうことがある。そこで、記録ヘッドの吐出口が配設される面に対し、ゴム等の材料で形成されたキャップを当接させ、キャップを介してノズル近傍のインクと一緒にノズル近傍の気泡を強制的に吸引排出する処理を行う。このような吐出回復動作を吸引動作という。
【0009】
このような記録ヘッドの吐出回復動作を画像形成前、画像形成終了後もしくは、画像形成途中の次の走査が始まるまでの待機時間中に行うことにより、記録ヘッドからのインクを正常に吐出させ、画像品位の低下を防ぎ、常に良好な品位の画像形成を行うことが可能となる。
【0010】
特に、長尺バナー印字等のように連続した面積の大きな画像形成動作を行う際には、常に良好な品位の画像形成を行うために、画像形成途中においても、記録を中断してもこのような吐出回復動作行うことが必要となる場合がある。
【0011】
つまり、長尺バナー印字のような記録動作中の記録ヘッドの温度は、長時間、連続して記録インクを吐出するための熱エネルギーを記録ヘッドに供給するため、記録動作開始直後と比較して温度が高くなってしまう。
【0012】
そのため、記録動作途中の次の走査が始まるまでの待機時間中に前記吐出回復動作としてワイピング動作を行うと、ワイピング動作中は連続して熱エネルギーをインクに供給しないため、また、記録動作途中での記録ヘッド温度はインクジェット記録装置を設置している環境温度と比較して高くなっているため、吐出回復動作中の放熱により、記録動作を再開した時の記録ヘッド温度は、吐出回復動作前と比較して低くなってしまう。
【0013】
同様に、記録動作途中の次の走査が始まるまでの待機時間中に前記吐出回復動作として予備吐出動作を行った場合は、予備吐出動作中は熱エネルギーをインクに供給するものの、画像形成中と比較すると連続的に記録ヘッドに供給する熱エネルギーが少ないため、吐出回復動作中の放熱の影響が大きく、やはり記録動作を再開した時の記録ヘッド温度は、吐出回復動作前と比較して低くなってしまう。
【0014】
また、記録動作途中の次の走査が始まるまでの待機時間中に前記吐出回復動作として吸引動作を行った場合には、吸引動作中は連続して熱エネルギーを記録ヘッドに供給しないため、また、吐出回復動作中の放熱に加えて、更に、記録ヘッドにインクを供給するインク供給路中のインクが吸引動作によって記録ヘッド内に流入することにより、記録ヘッドが冷却され、記録動作を再開した時の記録ヘッド温度は、ワイピング動作、予備吐動作のような吐出回復動作前の場合のような放熱の場合よりもさらに低くなってしまう。
【0015】
しかしながら、このような従来の吐出回復処理には次のような解決すべき課題がある。すなわち、インクジェット記録ヘッドにおいて、そのインクの吐出量を一定に保つためには、インク温度が非常に重要なパラメータである。つまり、インクの粘度や表面張力は温度によって変化し、これにより吐出されるインクの吐出量が変化する。
【0016】
そのため、記録ヘッドからのインクを正常に吐出させ、画像品位の低下を防ぎ、常に良好な品位の画像形成を行うために、記録ヘッドの吐出回復動作を画像形成途中の次の走査が始まるまでの待機時間中に行うと、画像形成を再開した直後の記録ヘッドのインク温度は、吐出回復動作前の記録ヘッドのインク温度と比較して低くなっているので、インク吐出量が小さくなってしまい、濃度が低下してしまう。
【0017】
また、さらに、長尺バナー印字の場合のように、大容量の画像データを、インターフェース等の画像データ転送手段により、インクジェット記録装置に転送して記録動作を行う場合、画像データの転送速度が、インクジェット記録装置側の記録速度よりも遅くなってしまうようなプリント環境設定で記録動作が行われると、ホストコンピュータからの画像データが転送されるまで、一時的に、記録動作を中断し、記録する画像データが転送終了してから、記録動作を再開しなければならないことがある。この際、記録動作の中断時間長さは、インクジェット記録装置に接続されたホストコンピュータのCPU速度とインターフェース仕様と記録画像データ量に依存してしまう為、記録動作の中断時間および記録ヘッドの印字中断による放熱でのヘッド温度低下での濃度低下の状態は、一義的には決まらず、ユーザー環境により、いろいろ変化してしまう。
【0018】
また、前述したような印字中断時の濃度低下は、印字中断前後の隣接した画像領域で発生するため、微小な濃度低下でも、実際の印字画像上では非常に目立ち易く、画像品位の劣化を招いてしまう。
【0019】
ところで、例えば、特開平6−328723号(特許文献1)には、記録ヘッドの吐出口面に付着したインク滴による汚染を解消するために、吐出口面にノズル内のインクを溢れ出させて吐出口面を清掃した後に、記録ヘッドの温度を吐出口面の清掃直前の温度まで回復せる技術が開示されている。
【0020】
【特許文献1】
特開平6−328723号公報
【0021】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術では、吐出口面を清掃した後に、記録ヘッド加熱手段を用いて、吐出口面の清掃直前の温度まで回復させる構成としているが、記録ヘッド清掃動作以外の記録動作中断の場合や、記録動作中断時間が変化するような場合における記録濃度への影響については十分な考慮は成されていなかった。
【0022】
本発明は上記の問題点に鑑みてなされたものであり、記録ヘッドによる記録動作中に記録ヘッドの記録中断動作を行った場合でも、記録動作中断前後での記録画像に濃度差や色味差が生じることがないインクジェット記録装置を提供することを目的とする。
【0023】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するための本発明の記録装置は、複数のインク吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置において、前記記録ヘッドによる画像記録動作中に記録動作を一時的に中断した後、記録動作を再開させて画像記録動作を行う際に、記録中断時間を検出する計時手段と、記録動作が再開される前に、前記計時手段で検出された前記記録中断時間の長さに応じて記録ヘッドの温度制御を行う制御手段とを有する。
【0024】
このような構成によると、中断時間の長さが影響するにじみの抑制を抑制することができる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
【0026】
(実施の形態1)
図1は、本発明のインクジェット記録装置の各実施例に共通な構成を示した模式的斜視図である。図1において、記録ヘッド1と、紙等の被記録媒体4(不図示)の記録面を形成、保持するためのプラテンローラ23との間を、連続紙またはカット紙形態の被記録媒体4が、ピンチローラ(不図示)によりプラテンローラ23に押し当てられながら搬送される。記録ヘッド1はキャリッジ21の上に搭載されており、2本のガイドレール24aおよび24bに沿って図中SA、SB方向にシリアルスキャン駆動され、その過程で被記録媒体に対する記録が行われる。このキャリッジ21は、プーリ28aと28bとの間に設けられたベルト29およびプーリ28a、28bを介して、モータ26の軸27に接続され、モータ26の回転に応じてSA、SB方向の駆動が行われる。
【0027】
記録ヘッド1は、例えば、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(Bk)の4色に対応して4つの記録ユニットを有する。Y、M、CおよびBkの記録を行う記録ユニットには、独立してインク供給経路が設けられ、それぞれインク供給パイプ20Y、20M、20C、20Bkを介してインクタンク19Y、19M、19C、19Bkからイエロー(Yellow)、マゼンタ(Magenta)、シアン(Cyan)、ブラック(Black)の各色が供給される。
【0028】
キャッピング手段22と吸引キャップ42とワイピング手段25は、記録ヘッドによる記録画像領域外に設けられている。記録ヘッド1を搭載したキャリッジ21がホームポジションHPの位置まで移動し、吸引キャップ42が記録ヘッド1と対向した状態で、吸引キャップ42が矢印f方向に移動して記録ヘッド1の吐出口面に当接した後に吸引キャップ42による吐出回復動作は行われる。
【0029】
また、キャッピング手段22によるキャッピング動作は、同様に、キャッピングポジションCPの位置までキャリッジ21が移動した後、キャッピング手段22が記録ヘッド1と対向した状態で、キャッピング手段22が矢印f方向に移動し、記録ヘッド1の吐出口面に当接することで行われる。
【0030】
また、ワイピング手段25によるワイピング動作は、同様に、ワイピングポジションWPの位置までキャリッジ21が移動した後、ワイピング手段25が記録ヘッド1と対向した状態で、ワイピング手段25が矢印f方向に移動し、記録ヘッド1の吐出口面に当接して行われる。
【0031】
そして、インクジェット記録装置が図示していないインターフェース手段とを経由して記録画像データを受け取ると、図示しない紙搬送ユニットによって送られる被記録媒体に記録すべく、記録ヘッド1を搭載したキャリッジ21が主走査方向SA、SB方向にスキャン走査するように制御される。1スキャン分の画像を記録すると、被記録媒体4はキャリッジ21と直行する方向(副走査方向)に1スキャンの主走査で記録された画像幅に相当する1バンド分の量だけ搬送される。
【0032】
キャリッジ1の近傍には該キャリッジの絶対位置を検出するために、エンコーダフィルム(不図示)を配設し、該キャリッジ21に搭載されたエンコーダセンサ(不図示)でエンコーダフィルムを読み取ることにより、キャリッジ21の絶対位置を検出するように制御される。
【0033】
そして、このエンコーダセンサからの位置検出信号に基づいて、キャリッジ21を走査させることにより、各ホームポジション(ワイピングポジション;WP、ホームポジション;HP、キャッピングポジション;CP)の位置で、キャリッジ21が停止されるようにしている。
【0034】
本実施例で説明する記録ヘッド1は、副走査方向に600dpi(ドット/インチ)間隔で、256個の吐出口が配列されており、各吐出口に連通したインク流路内には、インクを局所的に加熱して膜沸騰を起こさせ、その圧力によってインクを吐出させるための電気熱変換体がそれぞれ設けられている。
【0035】
また、インクジェット記録ヘッド1には、上記電気熱変換体が設けられた基板と同一の基板上に、記録ヘッド温度検出用センサ50(図2参照)が設けられている。
【0036】
図2は本発明を適用したインクジェット記録装置における制御系の構成例を示すブロック図である。
【0037】
ここで、800は主制御部をなすコントローラであり、後述されるシーケンス等を実行する例えばマイクロコンピュータ形態のCPU801、その手順に対応したプログラムや各種変換テーブル,記録ヘッドに印加される駆動ヒートパルスの電圧値,パルス幅その他の固定データを格納したROM802及び画像データを展開する領域や作業用の領域等を設けたRAM803を有す。
【0038】
環境温度センサ811で検出された環境温度はコントローラ800に入力され、記録ヘッド1に搭載した記録ヘッド温度検出センサ50の出力値の校正に使用される。
【0039】
タイマー812は、後述する、記録ヘッドによる印字動作中断時間を測定する為の記録中断動作時間検出手段である。
【0040】
805は記録画像データの供給源をなすホスト装置であり、記録画像データその他コマンド,ステータス信号等はインターフェース手段(I/F)804を介してインクジェット記録装置本体のコントローラ800との間で送受信される。
【0041】
806は記録画像データ等に応じて記録ヘッドの電気熱変換体(吐出用ヒータ)を駆動するためのヘッドドライバである。記録ヘッド温度検出用センサ50で検出された温度検出値はコントローラ800に入力され、このコントローラ800の制御からヘッドドライバ806に、この検出された温度信号の値に応じて最適となるような駆動パルス信号を記録ヘッド1へ印加するよう指示がなされ、記録ヘッド1からの記録インクの吐出動作が実行される。
【0042】
26はキャリッジ21を主走査方向に移動させるための主走査モータ、807はそのモータドライバである。810は被記録媒体4を搬送(副走査)するための副走査モータで808はそのモータドライバである。
【0043】
次に、上述したインクジェット記録装置において、画像形成動作の動作途中で印字中断動作として吐出回復処理を行った場合の記録ヘッドの温度制御について説明する。
【0044】
図3は、吸引動作による吐出回復処理を行い、その後に記録ヘッドの温度制御を行わなかった場合における記録ヘッド温度の時間推移を示している。図3中の副走査記録位置A点は記録動作中に印字中断動作として吸引動作を行った地点を示している。A点より前の画像形成時の記録ヘッド温度は、連続してインクの吐出のための熱エネルギーが記録ヘッドに供給されているため、画像記録動作開始時と比較して高くなっている。一方、吸引動作中には連続して熱エネルギーを記録ヘッドに供給しないこと、また、吐出回復動作中の放熱することに加えて、更に、記録ヘッドにインクを供給するインク供給路中の低温のインクが吸引動作によって記録ヘッド内に流入して冷却されることにより、副走査位置A点より以降の画像記録動作を再開した直後の記録ヘッド温度は、吐出回復動作前と比較して低くなっている。
【0045】
ところで、図4に示すように、液体の記録インクを吐出して記録動作を行うインクジェット記録装置において、記録ヘッド温度が上昇すると記録ヘッド液室内の記録インク温度も上昇することで記録インクの粘度が低下してしまい、結果として記録ヘッドからのインク吐出量が増加してしまう。
【0046】
その結果、図5に示したように、吸引動作による吐出回復処理をおこなって記録中断をした後に、記録動作を再開して画像を形成した場合、副走査記録位置A点(吸引動作を行った地点)の前後で濃度変化が発生してしまう。この記録中断動作前後での濃度変化は隣接した画像領域で発生するため、微小な(例えばOD差で0.02程度)濃度低下でも実際の印字画像上では非常に目立ち易く画像品位上、大きな問題となってしまう。
【0047】
また、上述したように、吐出回復動作として吸引動作以外のワイピング動作及び予備吐出動作を画像形成記録動作途中で行った場合やホストコンピュータからの画像データが装置本体に転送されるまで等の一時的な記録動作の中断の場合においても、図5に示したのと同様な記録中断動作の前後での記録画像の濃度変化が発生してしまう。
【0048】
そこで、本発明においては、記録ヘッドでの画像形成記録動作中の記録中断動作としての吸引動作による吐出回復処理を行った後に記録ヘッドの加熱温度制御を行うようにしている。
【0049】
つまり、記録ヘッド1による画像形成記録動作開始後、記録中断動作が行われる直前の複数の記録ヘッド1(本実施例では4個の記録ヘッド)の各記録ヘッド温度Ta1〜Ta4を測定し、各記録ヘッド温度Ta1〜Ta4の平均値Tave1をコントローラ800に一旦格納し、記録中断動作中に吸引動作が行われ、記録中断動作が解除されて記録動作が再開される時点で、吐出回復動作前の記録ヘッド1の温度Tb1〜Tb4を測定し、Tb1〜Tb4の平均値Tave2を算出する。例えば、図6は各記録ヘッド温度Ta1〜Ta4とTb1〜Tb4の一例を示した表であり、この表の場合は、平均値Tave1は、Tave1=47.3℃、平均値Tave2は、Tave2=40℃となる。
【0050】
そして、コントローラ800に格納された記録ヘッド温度Tave1とTave2とを比較し、Tave2がTave1に到達するまで、記録ヘッドに対して、記録ヘッドからのインク吐出には至らない短いパルス幅の駆動信号(図7)を記録ヘッドの電気熱変換体に印加して記録ヘッド温度を上昇させる(短パルス加熱)記録ヘッド温度制御を行うことにより、記録ヘッド温度Tave1に到達した後に画像形成を再開する。
【0051】
上述したように、画像形成記録動作途中で吸引回復動作による記録中断動作を行った後に、記録ヘッド温度加熱制御を行った場合の記録ヘッド温度変化図8に示す。図8中の副走査記録位置A点は、図3と同様記録ヘッドに対して吸引動作を行った地点を示している。A点より以前の画像記録動作中の記録ヘッド温度は前述のように画像記録動作開始直後と比較して高くなっている。また、副走査記録位置A点における吸引動作終了直後の記録ヘッド温度は、吐出回復動作前と比較して低くなっている。しかし、本実施例では吸引動作終了直後、画像記録動作を再開する前に、短パルス加熱による記録ヘッドの加熱温度制御を行うことで、画像形成を再開する直前の記録ヘッド温度Tave2を、図9に示したように、Tave1まで上昇させている。その結果、記録中断動作としての吐出回復処理の吸引動作前後での記録画像濃度差の発生を改善している。
【0052】
ところで、本発明者らのさらなる検討により、記録中断動作前後での記録画像への濃度差を発生させる要因として、上述した記録ヘッド温度差に加え記録中断時間の長さもあることが判明した。
【0053】
つまり、これまで述べてきたように、画像記録動作を再開する前に、短パルス加熱を行うことで、画像形成を再開する直前の記録ヘッド温度Tave2を、図9に示したように、記録中断動作前の記録ヘッド温度Tave1まで上昇させたとしても、記録動作中断時間の長さによって、被記録媒体への記録インクの吸収の状態、被記録媒体上に記録された記録インクドットの滲みの状態が異なり、結果として、記録中断部の画像濃度に段差状に画像濃度が低下してしまう領域が発生することがある。
【0054】
図10及び図11は、記録中断時間差と段差状の画像濃度差の状態を示した概略図である。記録中断時間t2 secの場合(図11)の段差状画像濃度差ΔD2(ΔD2=DB2−DA2)は、記録中断時間長さの短い、記録中断時間t1 sec(t2>t1)の場合(図10)の段差状画像濃度差ΔD1(ΔD1=DB1−DA1)に比べて、濃度差が大きくなってしまう(ΔD2>ΔD1)。記録中断時の段差状画像濃度差は、記録中断時間が長くなる程大きくなってしまう。
【0055】
ここで、本実施例での記録中断時間とは、記録ヘッドを搭載したキャリッジが主走査方向へとシリアルスキャンしながら記録動作を継続している最中に、吸引動作、ワイピング動作、予備吐動作、或いは、画像データの転送待ちといった制御司令がコントローラ800などの制御部から出されてから、実際にキャリッジの主走査移動動作が一旦停止し、記録ヘッドでの記録動作が停止し、記録中断司令が解除され、キャリッジが再び主走査移動を始め、記録動作が再開の指示が出されるまでの時間であると定義して説明する。
【0056】
なおにじみを抑制するため加熱制御は記録動作の直前に成される。
【0057】
また、図中LAは記録ヘッドの複数のノズルでの記録幅を示している。
【0058】
図12は、記録ヘッドの記録中断時間;ti secと、記録中断前後での記録画像濃度差;ΔD=DB−DAの関係を示したグラフであり、記録中断時間tiが短い時間の場合は、記録の濃度差ΔDがほとんどなく、記録中断時間ti がtα secより長くなると、記録動作再開時の記録画像濃度が徐々に低下し、記録中断動作前後での記録濃度差が発生し始め、その後、記録中断時間tiが長くなる程、記録濃度差ΔDが徐々に大きくなり、記録中断時間tiがさらに長くなり、tβsec(tβ>tα)まで長くなると、記録濃度差が飽和してしまうようになる。(ΔD=DM;ti>tβ)
【0059】
そこで、本発明では記録中断動作を行った場合の、記録中断時間の長さに応じて、記録ヘッドに異なる温度制御を行ってから、記録動作を再開させるように制御するようにし、記録中断時間に違いが発生した場合でも、記録中断動作前後での記録画像へ濃度差の発生を防止できるようにしている。
【0060】
そして、本実施例では、図13に示したように、記録中断動作を行った場合、記録中断時間の長さによって、にじみ補正のための短パルス加熱を行い、この短パルス加熱のパルス数;N(パルス)を記録中断時間の長さによって切り替えるといった記録ヘッド温度制御を行っている。そしてこのにじみ補正のための短パルス加熱をさらに行った後に記録ヘッドによる記録動作を再開させるように制御している。
【0061】
上述した、図12に示したグラフの場合で説明すると、記録ヘッドでの記録中断時間;tiが、tαより短い場合は、記録中断前後での記録画像濃度差;ΔD=DB−DAがほとんどないことから、記録中断時間;tiがtα以下の時間の場合は、
にじみ補正パルス数;N=0(0<ti<tα)
とし、記録中断時間tiがtαより長くなると、記録動作再開時の記録画像濃度が徐々に低下し、記録中断動作前後での記録濃度差が発生し始めることから、記録ヘッドに印加するにじみ補正パルス数;Nを中断時間に応じて徐々に増加させる。
にじみ補正パルス数;N=h(ti)(tα<ti<tβ)
その後、記録中断時間tiがさらに長くなり、tβ(tβ>ti)まで長くなると、
記録濃度差が飽和してしまう為、記録ヘッドに印加するにじみ補正パルス数;Nは一定のパルス数を印加するようにしている。
にじみ補正パルス数;N=h(tβ);一定値(tβ<ti)
このような、にじみ補正パルス数;Nは、にじみ補正パルス数関数;N=h(ti)をあらかじめ実験的に求めておき、記録中断時間検出手段からの記録中断時間;tiに基づいて、コントローラ800のCPU801により、にじみ補正パルス数;Nの値を演算で算出してもよい。
【0062】
また、図14に示したように、あらかじめ、にじみ補正パルス数;Nと記録中断時間;tiとの関係をテーブルで作成して、コントローラ800内のROM802に格納しておき、記録中断時間検出手段からの記録ヘッドの記録中断時間;tiが検出された後、コントローラ800のROM802から、にじみ補正パルス数;Nの値を算出してもよい。
【0063】
図15は、本発明のインクジェット記録装置の、記録中断動作時の制御方法を説明する為のフローチャートで、記録ヘッド1による画像形成記録動作開始後、複数の記録ヘッド1(本実施例では4個の記録ヘッド)の各記録ヘッド温度T1〜T4を記録ヘッド温度検出手段としての温度センサ50により測定し、コントローラ800に一旦格納する(S101)。
【0064】
格納するタイミングは、一回の走査が終了して次の走査が始まるまでの待機時間であり、この待機時間中に吸引動作が行われたかどうかを判断し(S102)、吸引動作が行われない場合には、次の走査中の複数の記録ヘッド1の各記録ヘッド温度Ta1〜Ta4を、前回の走査で格納された値に上書きして格納する。
【0065】
前記待機時間中に吸引動作が行われた場合には、その時点で格納されている値を吐出回復動作前の記録ヘッド1の温度Ta1〜Ta4として確定し(S103)、Ta1〜Ta4の平均値Tave1をコントローラ800に格納する(S104)。
【0066】
吸引動作終了後(S105)、温度センサ50により、吸引動作終了後の各記録ヘッド温度Tb1〜Tb4が測定検出され(S106)、Tb1〜Tb4の平均値Tave2が計算され(S107)、コントローラ800に格納されている記録中断動作前の記録ヘッドの平均温度Tave1との比較を行い(S108)、吸引動作後の記録ヘッド温度Tave2が吸引動作前の記録ヘッド温度Tave1より低い場合にはTave1に到達するまで、記録ヘッドからのインク吐出には至らない温度補償用の短パルス加熱を行うことにより記録ヘッドの温度制御が行われる(S109)。
【0067】
記録ヘッド温度がTave1に到達した後、今度は、吸引動作により記録時間が中断された記録中断時間が記録中断時間検出手段としてのタイマー812により計測され(S110)、コントローラ800によって、にじみ補正パルス数が算出される(S111)。この算出されたにじみ補正パルス数分のにじみ補正用の短パルスが記録ヘッドに印加され(S112)、記録ヘッドによる画像記録動作が再開される(S113)。
【0068】
なお、本発明は、記録動作中断動作として、吐出回復動作としての吸引動作以外のワイピング動作や予備吐出動作を記録動作の途中で行った後、あるいは、ホストコンピュータからの画像データが装置本体に転送されるまで、一時的に記録動作を中断してしまう場合などにおいても有効である。これの中断動作においても吸引動作による中断の場合と同様に、記録中断動作後に温度補償のための短パルス加熱を行うよう記録ヘッドの温度制御を行い、さらに、記録中断時間差に応じたにじみ補正のための短パルス駆動制御を行ってから画像形成を再開することにより、記録中断動作前後で記録画像に濃度や色味に差を生じさせないで、高品位な画像記録を達成することが可能となる。また、記録動作中断動作としては吐出回路動作だけでなく、他の処理動作でも良い。
【0069】
また、本実施例では、記録動作中断前後の記録ヘッド温度差を抑制する制御と記録中断時間差に応じて、にじみ補償を行うための記録ヘッドの温度制御を行う方法として、短パルス加熱を用いる例で説明してきたが、インクを吐出するパルス幅の駆動パルスを印加して記録ヘッドから回復用のキャップ内に吐出することで記録ヘッド温度を制御しても、あるいは、短パルス駆動と記録ヘッドからインクを吐出するパルス幅の駆動パルスを混在させて制御しても、本発明の効果は十分達成することができる。
【0070】
さらに記録ヘッドの温度を制御する方法として、記録ヘッド内に設けられたインク吐出用の発熱素子と別に設けられた加熱素子や、記録ヘッドの外部に当接して設けられた加熱手段を有する場合に、これらの記録ヘッド加熱手段を使って、或いは、これらの記録ヘッド加熱手段と上述した記録ヘッドへの印加駆動パルスとの組み合わせて、記録ヘッドの温度制御を行ってもよい。
【0071】
また、本実施例では、記録動作中断前後の記録ヘッド温度として、複数の記録ヘッドの平均温度の値を算出して説明しているが、各記録ヘッドの温度として、記録動作中断前後の温度をそれぞれ独立に検知して、記録ヘッドの温度制御を行うことにより、本発明の効果を、さらに、向上させることも可能となる。
【0072】
(本実施例2)
図16は本発明の第2の実施例を説明する為のグラフである。本実施例では、記録ヘッドの記録動作中断時に、記録中断時間の長さによって発生する、印字動作中断前後での被記録媒体への記録インクの吸収の状態、被記録媒体上に記録された記録インクドットの滲みの状態が記録インクの種類によって異なる点を考慮し、結果として、記録中断部の画像濃度に段差状の画像濃度が低下する濃度差が発生しないように、さらに最適に制御する方法を示している。
【0073】
これまで、実施例1では、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの4色の記録インクで画像記録を行うインクジェット記録装置の場合での説明をしてきたが、近年、フォト写真画質並みの記録画像を出力する為に、上記4色に加え、フォトシアンインク、フォトマゼンタインクといった、インク濃度の低いインクを搭載した、6色の記録インクで画像記録を行うインクジェット記録装置が各社から発売されてきている。
【0074】
そして、本発明者らの検討によって、インク濃度の低いフォト淡インクの場合とインク濃度の高い通常の濃インクの場合とで、記録動作中断時の、記録中断時間の長さによる、記録インクの吸収状態の違いで記録画像濃度差の発生の仕方が異なることが判明した。
【0075】
そこで本発明の実施例2では、記録インクの種類に応じて、記録動作中断時の記録ヘッドに対しての制御方法を最適に制御し、より高品位の画像記録を達成することができるようにしている。
【0076】
つまり、図16に示したように、記録中断時間tiの長さが変化した場合の、記録動作再開時の記録画像濃度の徐々に低下する特性と濃度変化の値は、記録インクの種類によって異なり、記録インク濃度の高い濃シアンインクの方が、短い記録中断時間でも記録濃度差が発生し易く、これに比較して記録インク濃度の低いフォト淡シアンインクの方は、濃シアンインクと同じ記録中断時間の場合でも記録濃度差が発生し難く、さらに、濃度差の値も小さくなる。
【0077】
そして、グラフに示したように、記録ヘッドでの記録中断時間;tiと、記録中断前後での記録画像濃度差;ΔD=DB−DAの関係は、濃シアンインクの場合は、記録中断時間tαcまでは記録の濃度差ΔDがほとんどなく、記録中断時間tiがtαcより長くなると、記録動作再開時の記録画像濃度が徐々に低下し、記録中断動作前後での記録濃度差が発生し始め、その後、記録中断時間tiが長くなる程、記録濃度差ΔDが徐々に大きくなり、記録中断時間tiがさらに長くなり、tβc(tβc>tαc)まで長くなると、記録濃度差が飽和してしまうようになる。(ΔD=DMc;ti>tβc)
【0078】
これに対して、フォト淡シアンインクの場合は、濃シアンインクの場合よりも長い記録中断時間tαpc(tαc<tαpc)になるまで記録濃度差ΔDが発生せず、記録濃度差が飽和する記録中断時間tβpcも、濃シアンインクの場合よりも短い時間で飽和してしまう。
(tαc<tαpc<tβpc<tβc)
【0079】
そこで本実施例では、図17に示したように、濃シアンインクの場合とフォト淡シアンインクの場合に、それぞれのインク色の記録ヘッドに印加するにじみ補正パルス数;Nを、にじみ補正パルス数関数;N=f(ti)、N=g(ti)として、あらかじめ実験的に独立に別々に測定して決定しておき、記録ヘッドでの記録動作中断時に記録中断時間検出手段としてのタイマー812からの記録ヘッドの記録中断時間;tiが検出された後、コントローラ800のCPU801により、それぞれの記録インク色に応じて、にじみ補正パルス数;Nの値を演算で算出し、記録動作再開時直前に、各インク色の記録ヘッドにそれぞれのインク色に対応したにじみ補正パルスを印加するように制御するようにしている。
【0080】
そして、本実施例のように、記録ヘッドから吐出される記録インク色の種類に応じて、記録動作中断時の際に各記録ヘッドに印加するにじみ補正パルス数Nの値を、記録中断動作前後での記録濃度差が最小となるように最適化設定することにより、記録中断動作前後での画像品位をより高品位な状態で画像を記録することが可能となる。
【0081】
図18は、濃シアンインクの場合とフォト淡シアンインクの場合で、それぞれのインク色の記録ヘッドに印加するにじみ補正パルス数Nを、濃シアンインクの場合とフォト淡シアンインクの場合で、独立作成した記録中断時間tiとにじみ補正印加パルス数のテーブルを示している。
【0082】
そして、濃シアンインクとフォト淡シアンインクのにじみ補正パルス数テーブルを、コントローラ800のROM802内に格納しておき、記録中断時間検出手段としてのタイマー812から、記録ヘッドの印字中断時間;tiが検出された後、コントローラ800のROM802から、にじみ補正パルス数;Nの値を算出した後、記録動作再開時直前に、記録ヘッドににじみ補正パルスを印加するように制御することも可能である。
【0083】
本発明は、特にインクジェット記録方式の中でも、熱エネルギーを利用してインクを吐出する方式の記録手段を使用するインクジェット記録装置において優れた効果をもたらすものである。かかる方式によれば、記録の高密度化、高精細化が達成できるからである。
【0084】
以上本発明の実施例を説明したが、上述の実施例においては、前記記録動作中断前後の記録ヘッド温度を検出する手段を更に有し、前記制御手段は記録動作が再開される前に検出された記録動作中断前後の温度に応じて記録ヘッドの温度制御を行い、その後に検出された印字中断時間の長さに応じた前記記録ヘッドの温度制御を行う手段でもよく、記録インク色の異なる複数の記録ヘッドを有し、前記検出された記録中断時間の長さに応じた記録ヘッドの温度制御を前記記録インク色の異なる複数の記録ヘッド毎に行ってもよい。
【0085】
また、前記制御手段は、前記記録ヘッドの複数のインク吐出口からインクを吐出するには至らない程度に小さいエネルギーの駆動パルスを、前記記録ヘッドに対して印加する手段を有してもよく、前記制御の手段は、前記記録ヘッドの複数のインク吐出口からインクを吐出するエネルギーの駆動パルスを、前記記録ヘッドに対して印加する手段を兼ねていてもよい。
【0086】
また、制御手段は、前記記録ヘッドに対して印加する駆動パルス数を制御する手段を有してもよい。
【0087】
また、制御手段は、記録に関与しないインクを前記記録ヘッドから吐出させるものであってもよい。
【0088】
また、制御手段は記録中断時間が長くなる程、前記記録ヘッドへの印加駆動パルス数を増加させるよう制御してもよい。
【0089】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなごとく、本発明のインクジェット記録装置は、前記記録ヘッドによる画像記録動作中に記録動作を一時的に中断した後、記録動作を再開させて画像記録動作を行う際に、記録中断時間を検出する計時手段と、記録動作が再開される前に、前記計時手段で検出された前記記録中断時間の長さに応じて記録ヘッドの温度制御を行う制御手段とを有することにより、記録動作中断前後でも記録画像に濃度差や色味差が生じることのない、高品位な画像を記録することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を適用したインクジェット記録装置の実施の形態を示す模式的斜視図である。
【図2】本発明を適用したインクジェット記録装置の制御系の構成例を示すブロック図である。
【図3】画像形成途中に吐出回復処理として吸引動作を行った後にインクの温度制御を行わなかった場合の記録ヘッド温度推移を示すグラフである。
【図4】記録ヘッド温度とインク吐出量の関係を示すグラフである。
【図5】画像形成途中に吐出回復処理として吸引動作を行った後の画像濃度を示すグラフである。
【図6】実施例1における、記録ヘッド温度の状態を示した表である。
【図7】記録ヘッドの温度制御に用いる駆動パルス例を示す図である。
【図8】画像記録動作途中に記録中断動作としての吐出回復処理として、吸引動作を行った後に記録ヘッドに短パルス加熱動作を行った場合の記録ヘッド温度状態を示すグラフである。
【図9】画像記録動作途中に記録中断動作としての吐出回復処理として、吸引動作を行った後の記録ヘッドの温度制御を行った場合の記録ヘッド温度推移を示したグラフである。
【図10】画像記録動作途中に記録中断動作としての吐出回復処理として、吸引動作を行った後の記録ヘッドの温度制御を行った場合の画像濃度推移を示したグラフである。
【図11】画像記録動作途中に記録中断動作としての吐出回復処理として、吸引動作を行った後の記録ヘッドの温度制御を行った場合で、記録中断時間差がある場合の画像濃度差を示したグラフである。
【図12】記録中断時間と画像濃度差の状態を示したグラフである。
【図13】本発明の記録中断時間とにじみ補正パルス数の関係を示したグラフである。
【図14】本発明の記録中断時間とにじみ補正パルス数の関係を示した補正テーブルを示した表である。
【図15】本発明の画像記録動作途中で、記録中断動作として吐出回復処理を行った場合の画像記録動作再開までの動作を示すフローチャートである。
【図16】本発明の第2の実施例である、異なるインク色の場合の記録中断時間と画像濃度差の関係を示したグラフである。
【図17】本発明の第2の実施例である、異なるインク色の場合の記録中断時間とにじみ補正パルス数の関係を示したグラフである。
【図18】本発明の第2の実施例である、異なるインク色の場合の記録中断時間とにじみ補正パルス数の関係を示した補正テーブルを示した表である。
【符号の説明】
1 記録ヘッド
2 装置本体(搬送系ユニットを含む)
4 被記録媒体
19 インクタンク
20 インク供給パイプ
21 キャリッジ
22 キャッピング手段
23 プラテンローラ
24a/24b ガイドレール
25 ワイピング手段
26 主走査モータ
27 軸
28a/28b プーリ
29 ベルト
42 吸引キャップ
50 温度センサ
800 コントローラ
801 CPU
802 ROM
803 RAM
804 インターフェース
805 ホスト装置
806 ヘッドドライバ
807/808 モータドライバ
810 副走査モータ
811 環境温度センサ
812 タイマー

Claims (1)

  1. 複数のインク吐出口を備える記録ヘッドを用いて記録を行う記録装置において、
    前記記録ヘッドによる画像記録動作中に記録動作を一時的に中断した後、記録動作を再開させて画像記録動作を行う際に、記録中断時間を検出する計時手段と、記録動作が再開される前に、前記計時手段で検出された前記記録中断時間の長さに応じて記録ヘッドの温度制御を行う制御手段とを有することを特徴とするインクジェット記録装置。
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