JP2004147569A - 微量栄養素強化飲食品 - Google Patents

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Abstract

【課題】微量栄養素強化飲食品において、添加された微量栄養素による嗜好性の低下を生じさせないようにすることもしくは嗜好性の低下が緩和されるようにする。
【解決手段】微量栄養素を強化した飲食品に対して1種類または数種類のアミノ酸を添加することにより、微量栄養素を強化した飲食品に生じる特有のオフフレーバーの発生を抑制し、飲食品が本来もつ風味を損なうことなく人体に有用な微量栄養素を摂取することができる飲食品を完成した。

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ビタミン類やミネラル類等の微量栄養素が多く含まれる微量栄養素強化飲食品に関する。
【0002】
【従来の技術】
飲食品には、例えば無果汁のオレンジ飲料などに代表されるように、味覚や香りを楽しむ類のものもあれば、スポーツ飲料のようにその中に含まれる栄養素が重視されるものもある。こうした中にあって、果汁飲料や野菜汁飲料のように、味覚や香りも楽しめるが栄養素も十分に含まれている、というようなものもあるが、そうしたものに対しても、更に味を良くしてその嗜好性を向上させるか、あるいは、栄養価を上げる等して飲食品の機能を充実させる、というような開発努力がなされている。
【0003】
そうして、こうした技術開発の潮流の下において、人体にとって有用なビタミン類やミネラル類等の微量栄養素が多く含まれる微量栄養素強化飲食品の開発も行われており、微量栄養素(ビタミン類、ミネラル類)を強化した飲食品は、栄養改善法により保健機能食品(栄養機能食品)として認められるための添加量が定められている。
【0004】
ここで、「微量栄養素の強化」ということに関しては、栄養改善法によると、例えばビタミンCでは、飲料100mlあたり8mg以上含有している場合に「保健機能食品(栄養機能食品)」と表示することができる。
【0005】
【特許文献1】
特公平7−8205号公報(「天然パインアップル果汁もしくは果肉を含み且つ/又はパインアップル様香味が賦与された飲食品を調製するに際し、その調製の任意の段階で、スレオニン、リジン又はその塩、メチオニン及びバリンから選ばれる少なくとも2種のアミノ酸を配合することを特徴とする上記飲食品の風味増強方法。」が開示されている。)
【0006】
【特許文献2】
特公昭62−54464号公報(「柑橘系飲料の調製に際し、プロリン、アスパラギン酸及び/またはその可食性塩類、グルタミンアスパラギン酸及び/またはその可食性塩類の3種よりなる群から選ばれた少なくとも2種のアミノ酸もしくはプロリン単独を添加配合することを特徴とする柑橘系飲料の風味改善方法。」が開示されている。)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、微量栄養素(ビタミン、ミネラル)を強化した飲食品は人体にとって有用な価値ある食品であるが、添加された微量栄養素特有の香味により、その食品本来の嗜好性が損なわれてしまうことがあった。
【0008】
これに関し、特許文献1にて開示されている「飲食品の風味増強方法」は、天然パインアップル果汁が本来的に有する好ましい風味を更に増強するために所定のアミノ酸を添加するものであり、特許文献2にて開示されている「柑橘系飲料の風味改善方法」は、柑橘系飲料が本来的に有する好ましくない風味を改善するために所定のアミノ酸を添加するものである。これらは、いずれもその飲料が本来的に有する風味を増強あるいは改善するものであって、後から添加された栄養素等に基づく風味には無関係なものである。従って、特許文献1や特許文献2で開示されている方法では、微量栄養素強化飲食品の製造の際に添加された微量栄養素による香味の問題を解決することはできない。
【0009】
本発明は以上のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、微量栄養素強化飲食品において、添加された微量栄養素による嗜好性の低下を生じさせないようにすることもしくは嗜好性の低下が緩和されるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、微量栄養素強化飲食品について微量栄養素の添加に伴う嗜好性の低下防止に関して試行錯誤をした結果、微量栄養素に係る成分を飲食品に所定量添加すると、当該微量栄養素が持っている香味により、その飲食品が本来持っている嗜好性が損なわれてしまうこととなるが、これに対して1種類または数種類のアミノ酸を添加することで本来の飲食品の嗜好性の維持、向上が図れるということが判明し、本発明を完成するに至った。なお、本発明においては、添加されるアミノ酸自身も人体に対して機能調節等の働きがあることから、その意味で、より有用な飲食品となっている。
【0011】
即ち、本発明は、微量栄養素を強化した飲食品に対して1種類または数種類のアミノ酸を添加することにより、微量栄養素を強化した飲食品に生じる特有のオフフレーバーの発生を抑制したものであり、飲食品が本来もつ風味を損なうことなく人体に有用な微量栄養素を摂取することができる飲食品を完成したというものである。
【0012】
より具体的には、本発明においては以下のようなものを提供する。
【0013】
(1) 風味改善剤もしくは微量栄養素臭のマスキング剤としてアミノ酸が添加されている微量栄養素強化飲食品。
【0014】
本発明に係る微量栄養素強化飲食品は、常温下に暫く放置しても、微量栄養素臭もしくはその劣化臭がしてこない。このため、本発明に係る微量栄養素強化飲食品は、好ましくは、長期保存用の微量栄養素強化飲食品、長期陳列用の微量栄養素強化飲食品、長期携帯用の微量栄養素強化飲食品としてとらえることができる。
【0015】
(2) 微量栄養素の高濃度化に応じて、アミノ酸を添加することにより、微量栄養素の高濃度化に応じて生じる微量栄養素臭の発生を抑制する方法。
【0016】
この方法によればアミノ酸が添加された飲食品の味は別として、とにかく微量栄養素臭の発生が抑制されることになる。この効果がマスキング作用によるものかどうかは明らかではないが、微量栄養素強化飲食品の経時劣化により生じるであろう劣化臭の発生も抑制される。
【0017】
(3) アミノ酸を添加することにより微量栄養素強化飲食品における微量栄養素の増量を図ることを特徴とする微量栄養素の増量方法。
【0018】
即ち、微量栄養素強化飲食品を作製するために微量栄養素に係る成分を所定量添加すると、微量栄養素が持っている香味によってその飲食品が本来持っている嗜好性を損なわれることとなってしまうことから、微量栄養素強化飲食品の作製にあたって微量栄養素の添加量が制限されるというようなことがあったが、本発明によってそのような問題が解消されたために、本発明を利用すれば、微量栄養素強化飲食品の作製にあたって、添加される微量栄養素を従来よりも増量することができるようになるものである。
【0019】
(4) 風味改善剤もしくはビタミン臭のマスキング剤として、アラニン、グリシン、プロリン、及びアルギニンの4種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を含有するビタミンC強化飲食品。
【0020】
ここで、上記のようなビタミンC強化飲食品を製造するにあたっては、上記のようなアミノ酸を「風味改善剤もしくはビタミン臭のマスキング剤」として添加することになるが、ある飲食品中に上記アミノ酸が「風味改善剤もしくはビタミン臭のマスキング剤」として含有されているものであるか否かは、例えば対象の商品に表示される効能その他の表示によって、アミノ酸が「風味改善剤もしくはビタミン臭のマスキング剤」としては添加されていない他の飲食品と区別することができる。
【0021】
いずれにしても、アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸が、何らかの形で「風味改善剤もしくはビタミン臭のマスキング剤」として添加されているものであれば本発明に係るビタミンC強化飲食品に該当する。
【0022】
また、本発明に係るビタミンC強化飲食品は、常温下に暫く放置しても、ビタミン臭もしくはその劣化臭がし難い。このため、本発明に係るビタミンC強化飲食品は、好ましくは、長期保存用のビタミンC強化飲食品、長期陳列用のビタミンC強化飲食品、長期携帯用のビタミンC強化飲食品としてとらえることができる。
【0023】
(5) アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を添加配合することを特徴とするビタミンC強化飲食品の風味改善方法。
【0024】
本発明に従って、ビタミンC強化飲食品に対して、甘味を有するアミノ酸、特にアラニン、グリシン、プロリンを添加すると、ビタミンCが多量に含まれている飲食品に特有の薬品っぽい臭いやまったりとした塩味が改善されることになる。
【0025】
(6) アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を添加配合することにより、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキングを行うことを特徴とする、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキング方法。
【0026】
本発明に従って、ビタミンC強化飲食品に対して甘いアミノ酸、特にアラニン、グリシン、プロリンを添加すると、ビタミンCが多量に含まれている飲食品に特有の薬品っぽい臭い等が抑制される。
【0027】
(7) ビタミンCの含有量が8%(w/vol)以上のビタミンC強化飲食品に対しての方法であることを特徴とする(6)記載の方法。
【0028】
即ち本発明は、栄養改善法によって「ビタミンC強化飲食品」とされている「飲料100mlあたり8mg以上のビタミンCを含有しているもの」に対して有効である。
【0029】
(8) 前記食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング方法でもある(6)または(7)記載の方法。
【0030】
本発明に係るビタミンC強化飲食品は、常温下に暫く放置しても、ビタミン臭もしくはその劣化臭がしてこない。このため、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキングを行うべく上記のアミノ酸を添加する方法は、ビタミンC強化飲食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング方法としてとらえることができる。
【0031】
(9) アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を主成分として含む、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキング剤。
【0032】
本発明に係るビタミンC強化飲食品は、常温下に暫く放置しても、ビタミン臭もしくはその劣化臭がしてこない。このため、本発明に係るビタミンC強化飲食品を作製するにあたって添加される「アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸」は勿論のこと、それを主成分として含む製剤も、飲食品中におけるビタミンCに起因するビタミン臭を抑制する機能を備えているものであるため、これらはいずれも、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキング剤として把握することができる。
【0033】
(10) 前記食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング剤でもある(9)記載マスキング剤。
【0034】
本発明に係るビタミンC強化飲食品は、常温下に暫く放置しても、ビタミン臭もしくはその劣化臭がしてこない。このため、上記の「ビタミン臭のマスキング剤」は、ビタミンC強化飲食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング作用も備えているものと考えられるので、上記の「ビタミン臭のマスキング剤」は、ビタミンC強化飲食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング剤としてとらえることができる。
【0035】
(11) アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を主成分として含む、ビタミンC強化飲食品の風味改善剤。
【0036】
本発明に係るビタミンC強化飲食品を作製するにあたって添加される「アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸」やそれを主成分として含む製剤は、ビタミンC強化飲食品中に高濃度で含まれているビタミンCに起因した薬品っぽい臭い(ビタミン臭)やまったりとした塩味を抑制し、あるいは効果的に緩和しているものであると考えられるため、ビタミンC強化飲食品の風味改善剤として把握することができる。
【0037】
[用語の定義等]
「飲食品」というのは、流動性を備えており、飲用が可能なもの一般を意味し、ある種のヨーグルトのような半流動体のようなものも含む。
【0038】
「栄養機能食品」というのは、栄養改善法による保険機能食品として認められる添加量に従って添加された量の微量栄養素を含有している飲食品(微量栄養素強化飲食品)のことを意味する。栄養改善法によれば、「栄養機能食品(微量栄養素強化飲食品)」に対して、ミネラル2種とビタミン12種について、上下限が決められている。
【0039】
即ち、「栄養機能食品」とすることができるのは微量栄養素(ビタミン類、ミネラル類)を所定量含有した食品であるが、栄養改善法によると、ビタミンCでは飲料100mlあたり8mg以上含有している場合に「栄養機能食品」と表示することができる。他に、「栄養機能食品」と表示するための要件として、飲料100mlあたり、カルシウム:53mg以上、鉄:0.9mg以上、ナイアシン:1.1mg以上、パントテン酸:0.38mg以上、ビオチン:2.3μg以上、ビタミンA:41μg以上、ビタミンB:0.08mg以上、ビタミンB:0.09mg以上、ビタミンB:0.11mg以上、ビタミンB12:0.18μg以上、ビタミンC:8mg以上、ビタミンD:0.19μg以上、ビタミンE:0.8μg以上、葉酸:15μg以上であることが規定されている。
【0040】
【発明を実施するための形態】
本発明に係る微量栄養素(ビタミン類、ミネラル類)強化飲食品は、ビタミン強化飲食品に1種または数種を混合したアミノ酸を添加することで、ビタミン強化飲食品に生じる特有のビタミン臭の発生を抑制し、飲食品が本来もつ風味を損なうことなく人体に有用なビタミンを供給する飲食品を摂取することを可能にしたものであり、ある側面では、アミノ酸の添加によるビタミン臭のマスキング効を得たものである。
【0041】
本発明に従い、微量栄養素を強化した飲食品に対して1種類のアミノ酸、または数種類のアミノ酸を混合して添加することにより、微量栄養素を強化した飲食品に生じる特有のオフフレーバーの発生を抑制でき、飲食品が本来もつ風味を損なうことなく人体に有用な微量栄養素を摂取する飲食品を提供することができるようになる。アミノ酸の種類は特に限られることなく、アミノ酸の添加量は0.01%〜0.1%(飲料全体に対する重量パーセント)で効果が認められる。
【0042】
微量栄養素を強化した飲食品に生じる特有のオフフレーバーは、強化された微量栄養素の種類によって異なるものであり、アミノ酸の種類は、消失させたいオフフレーバーの種類に応じて適宜選択される。消失させたいオフフレーバーに対しては必ず、対応するアミノ酸が存在するものと考えられる。
【0043】
微量栄養素(ビタミン類、ミネラル類)を強化した飲食品は、栄養改善法により保健機能食品(栄養機能食品)として認められる添加量が定められている。それらの成分を所定量添加すると、微量栄養素が持っている香味により、その飲食品が本来持っている嗜好性を損なう。嗜好性を損なわない飲食品を開発するために試行錯誤し、1種類または数種類のアミノ酸を添加することで本来の飲食品の嗜好性の維持、向上が図れることが判った。添加するアミノ酸自身にも人体に対して機能調節などの働きがあり、より有用な食品となる。
【0044】
ビタミンC強化オレンジ飲料(栄養機能食品)において、プロリン、グリシン、アラニンおよびグリシンを添加した嗜好性を検証した。初期品質において、アミノ酸添加群はアミノ酸無添加群に対して有意に好まれた。ビタミンC強化飲料に見られる異臭がなくなり、マスキングの効果があることがわかった。またシェルライフ期間においてもビタミンの劣化臭と思われる異臭が少なくなっており、品質を向上する効果が見られた。
【0045】
栄養改善法によれば、「栄養機能食品(微量栄養素強化飲食品)」に対して、ミネラル2種とビタミン12種について、上下限が決められている(飲料100mlあたり、カルシウム:53mg以上、鉄:0.9mg以上、ナイアシン:1.1mg以上、パントテン酸:0.38mg以上、ビオチン:2.3μg以上、ビタミンA:41μg以上、ビタミンB:0.08mg以上、ビタミンB:0.09mg以上、ビタミンB:0.11mg以上、ビタミンB12:0.18μg以上、ビタミンC:8mg以上、ビタミンD:0.19μg以上、ビタミンE:0.8μg以上、葉酸:15μg以上)。このような食品においてもマスキングの効果が認められる。
【0046】
対象となる栄養強化飲料としては、例えばビタミンC1000mg含有飲料、ミネラル強化清涼飲料(無果汁)、果汁100%ビタミンC200mg飲料等を挙げることができるが、これらに限られることなく、現在市販されている全ての栄養強化飲料を対象とすることができる。
【0047】
【実施例】
ベースを市販のオレンジ果汁飲料としたもので、飲料100mlあたり1000mgのビタミンCを含むビタミンC強化飲料と、このビタミンC強化飲料に対して0.05mgのアラニンを添加したものについて、製造直後のものと37℃で4週間保存をしたものに対して、官能検査を行った。その結果を表1に示す。
【0048】
【表1】
Figure 2004147569
【0049】
この表1の結果から明らかなように、製造直後のものどうしを比較した場合でも、製造後に暫く放置したものについても、アラニンを添加したもののほうが嗜好性が良い。また、アラニンを添加したものについては、製造直後のものと37℃で4週間保存をしたものとの間で、嗜好性について大きな変化は生じていない。このことから、アラニンは、ビタミンC強化飲食品において、その中の高濃度ビタミンCに起因して生じているビタミン臭を抑制もしくはマスキングし、これによってビタミンC強化飲食品の嗜好性の低下を抑えているということがわかる。これについて別の見方をすれば、アラニンが添加されることにより、不快なビタミン臭を発しているビタミンC強化飲食品の風味が改善されているということになる。
【0050】
更に、アラニンを添加したものについては、製造直後のものと37℃で4週間保存をしたものとの間で、嗜好性について大きな変化は生じていないということから、アラニンが添加されることにより、嗜好性を低下させる原因となるビタミン臭の抑制もしくはマスキングがなされているだけでなく、ビタミン臭もしくはビタミンC強化飲食品の劣化臭までもが抑制もしくはマスキングされ、経時劣化によるビタミンC強化飲食品の嗜好性の低下も抑えられている。
【0051】
次に、ベースを市販のオレンジ果汁飲料としたもので、飲料100mlあたり1000mgのビタミンCを含むビタミンC強化飲料と、このビタミンC強化飲料に対して0.05mgの各種の遊離アミノ酸を添加したものについて、製造直後のものに対して、官能検査を行った。その結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 2004147569
【0053】
別の実験により、アミノ酸の添加量は0.01%〜0.1%(飲料全体に対する重量パーセント)で効果が認められた。また、マスキングの効果は、遊離アミノ酸の種類により異なるが、ベースの飲料タイプによっても異なる。飲料タイプとしては、今回実験結果を示したビタミンC強化オレンジ飲料の他には、ビタミンC1000mg含有飲料、ミネラル強化清涼飲料(無果汁)、果汁100%ビタミンC200mg飲料等において、改善効果が認められた。
【0054】
また、栄養改善法によれば、「栄養機能食品(微量栄養素強化飲食品)」に対して、ミネラル2種(カルシウム、鉄)とビタミン12種(ナイアシン、パントテン酸、ビオチン、ビタミンA、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB、ビタミンB12、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、葉酸)について、上下限が決められているが、それら全てについて、マスキングの効果が認められている。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、所定のアミノ酸添加が行われることにより、添加された微量栄養素による嗜好性の低下が防止された微量栄養素強化飲食品が提供されることになる。

Claims (11)

  1. 風味改善剤もしくは微量栄養素臭のマスキング剤としてアミノ酸が添加されている微量栄養素強化飲食品。
  2. 微量栄養素の高濃度化に応じて、アミノ酸を添加することにより、微量栄養素の高濃度化に応じて生じる微量栄養素臭の発生を抑制する方法。
  3. アミノ酸を添加することにより微量栄養素強化飲食品における微量栄養素の増量を図ることを特徴とする微量栄養素の増量方法。
  4. 風味改善剤もしくはビタミン臭のマスキング剤として、アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を含有するビタミンC強化飲食品。
  5. アラニン、グリシン、プロリン、及びアルギニンの4種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を添加配合することを特徴とするビタミンC強化飲食品の風味改善方法。
  6. アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を添加配合することにより、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキングを行うことを特徴とする、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキング方法。
  7. ビタミンCの含有量が8%(w/vol)以上のビタミンC強化飲食品に対しての方法であることを特徴とする請求項6記載の方法。
  8. 前記食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング方法でもある請求項6または7記載の方法。
  9. アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を主成分として含む、ビタミンC強化飲食品におけるビタミン臭のマスキング剤。
  10. 前記食品の経時劣化により生じる劣化臭のマスキング剤でもある請求項9記載マスキング剤。
  11. アラニン、グリシン、及びプロリンの3種よりなる群から選ばれた1種もしくは2種以上のアミノ酸を主成分として含む、ビタミンC強化飲食品の風味改善剤。
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