JP2010099019A - 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤、酸味成分被覆乾燥果実及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法 - Google Patents

酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤、酸味成分被覆乾燥果実及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2010099019A
JP2010099019A JP2008274066A JP2008274066A JP2010099019A JP 2010099019 A JP2010099019 A JP 2010099019A JP 2008274066 A JP2008274066 A JP 2008274066A JP 2008274066 A JP2008274066 A JP 2008274066A JP 2010099019 A JP2010099019 A JP 2010099019A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coated
dried fruit
sour
dried
component
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2008274066A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5116164B2 (ja
JP2010099019A5 (ja
Inventor
Sachiko Ishida
幸子 石田
Masashi Kobayashi
正志 小林
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kracie Foods Ltd
Original Assignee
Kracie Foods Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kracie Foods Ltd filed Critical Kracie Foods Ltd
Priority to JP2008274066A priority Critical patent/JP5116164B2/ja
Publication of JP2010099019A publication Critical patent/JP2010099019A/ja
Publication of JP2010099019A5 publication Critical patent/JP2010099019A5/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5116164B2 publication Critical patent/JP5116164B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Abstract

【課題】
乾燥果実表面に酸味成分を付与する際、酸味成分が吸湿することを防止するのに優れた、酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤、酸味成分被覆乾燥果実及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法を提供する。
【解決手段】
酸味成分を被覆する乾燥果実に用いる酸味成分の吸湿防止剤であって、ビタミンCを有効成分とすることを特徴とする酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤によって達成される。
【選択図】なし

Description

本発明は、乾燥果実表面に酸味成分を付与する際、酸味成分が吸湿することを防止するのに優れた、酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤、酸味成分被覆乾燥果実及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法に関する。
一般にレーズンなどの乾燥果実は、そのまま食したり、製菓用に加工されたりする。しかし、乾燥果実はそのまま食する場合、甘味が強い。そこでつまみ食べして連食するためには、乾燥果実自体の甘さとのバランスをとるために、酸味を付与して調味加工することが望ましい。しかし、クエン酸等の酸味料で乾燥果実表面を被覆して味付けをすると、被覆工程中に乾燥果実表面がべたついて、作業効率が低下したり、外観が悪くなるとともに、手でつまむ時に指が汚れたり、乾燥果実同士が結着するなどの問題があった。
従来、乾燥果実をコーティングする技術としては糖衣があり、例えば、フルーツチップ等の粒状食品を、糖衣層で被覆してなるアスコルビン酸含有糖衣物が知られている(例えば、特許文献1参照)。これは、予めアスコルビン酸を溶解した溶液で糖衣することにより、アスコルビン酸の品質劣化を防止するものである。
しかしながら、上記糖衣方法は、アスコルビン酸の褐変防止を目的としたもので、乾燥果実自体の甘味緩和の目的で、酸味成分による風味付けをした際に生じる酸味成分の吸湿の解決を図るものではない。また、アスコルビン酸を溶解した溶解した溶液の被覆、そして乾燥を繰り返すハード糖衣なので、外観からはセンターの粒状食品を想起できなかったり、カリカリとした食感のために乾燥果実のソフトな食感が活かされないなど、改良の余地があった。
その他のコーティング方法としては、ベタツキやブロッキングを起こさず、速やかで鮮烈な酸味を発現させる目的で、増粘剤を溶解した掛け液を食品に掛けた後、リンゴ酸粉末と難溶性有機酸粉末(アジピン酸及び/又はフマル酸)を含む粉体原料を掛けて接着後、乾燥する酸味料のコーティング方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
しかしながら、上記コーティング方法は、コーティング対象が、キャンディ、チューインガム、錠菓、チョコレート等の菓子を中心とした低水分(水分含有量5重量%未満)の食品であるため、水分含有量が5重量%以上あるような、比較的高水分の乾燥果実にコーティングすると、コーティング工程時は乾燥性が悪くベタツキを生じ、製造後長期保存した場合には、ブロッキングを起こすという問題があった。また、酸味料主体によるコーティングでは、栄養強化にはならなかった。
また、その他のコーティング方法としては、センターの食品の防湿性および耐酵素性を向上させる目的で、酸化防止剤であるアスコルビン酸ステアリン酸エステルで被覆された食品が知られている(例えば、特許文献3参照)。
しかしながら、上記被覆アスコルビン酸ステアリン酸エステルは、防湿性効果は認められるが、油溶性成分であるため、ビタミンC特有の爽快な酸味が得られない、或いはアスコルビン酸と比較すると体内へのビタミンC吸収率が悪いという問題があった。また、爽快な酸味を発現させるために多量に被覆しようとすると、被覆層の接着性が悪かった。
他に、フマル酸等のpH低下剤によりpHを4〜5に調整したジペプチド甘味料含有溶液をドライフルーツ類等の食品の表面に付着した後加熱乾燥する、乾燥甘味食品が知られている(例えば、特許文献4参照)。
しかしながら、上記乾燥甘味食品で用いられるフマル酸は、ジペプチド甘味料含有溶液のpHを調整するという目的上、食品への付着量は極微量で、栄養強化に繋がらず、また溶液浸漬という製造方法から、べたつきを生じ、食品同士が結着するという問題があった。また、表面付着量を増加させるためにフマル酸等のpH低下剤を多量に用いると、併用している甘味料の分解が生じ、ドライフルーツ類全体の風味を壊すといった問題もあった。
また、乾燥果実を被覆層によって酸化安定性を向上させ、賞味期限を延長する目的で、乾燥果実と、脂質等による可食性フィルムを含む被覆層と、さらに機能性および/または生物活性または機能性食品成分等を添加する被覆乾燥果実が知られている(例えば、特許文献5参照)。
しかしながら、上記被覆乾燥果実は、酸化安定性は向上したが、添加する成分によってはべたつきを生じ、食品同士が結着するという問題があった。
特開平8−70792号公報 特開2006−141256号公報 特開昭63−7769号公報 特開昭57−141248号公報 特表2006−501834号公報
本発明は、以上のような事情に鑑みなされたものであって、その目的とするところは、乾燥果実表面に酸味成分を付与する際、酸味成分が吸湿することを防止するのに優れた、酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤、酸味成分被覆乾燥果実及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法を提供するにある。
本発明は、酸味成分を被覆する乾燥果実に用いる酸味成分の吸湿防止剤であって、ビタミンCを有効成分とすることを特徴とする酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤により上記目的を達成する。
好ましくは、更に、下記(1)の有機酸を含有する。
(1)フマル酸、アジピン酸、グルタミン酸のうち1種又は2種以上
また、更に、下記(A)又は(B)を含有することが好適である。
(A)糖質
(B)融点が30〜50℃の油脂
他に好ましくは、酸味成分の被覆が、ソフト糖衣又はパウダーコーティングによって行われる。
また、本発明の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤によって被覆されていることを特徴とする酸味成分被覆乾燥果実により上記目的を達成する。
他に本発明は、乾燥果実の表面を被覆する酸味成分として、ビタミンCを用いることを特徴とする、酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法により上記目的を達成し、更に好ましくは、酸味成分の被覆が、ソフト糖衣又はパウダーコーティングによって行われる。
すなわち、本発明者らは、乾燥果実の甘味を緩和し、総合的に良好な風味とするため、乾燥果実の表面に酸味を付与することを検討した。その結果、酸味の付与条件によって、乾燥果実表面が吸湿したり、吸湿しにくかったりする現象が生じることが判明した。そこで
、さらに検討した結果、酸味成分として従来使われている有機酸の種類によって、吸湿性に違いが生じることがわかった。この現象は、酸味成分の種類或いは添加方法によっては、空気中の水分子との結合性が異なり、乾燥果実の表面において吸湿性に違いが生じるためと推定される。
そこで、本発明者らは、乾燥果実表面に酸味を付与する際に最も吸湿性に効果がある成分についてさらに追求した結果、吸湿防止剤としてビタミンCを用いると、酸味成分の被覆作業中から吸湿が防止されるため、被覆作業性が良好で、長期保存中に乾燥果実表面がべたつかず、乾燥果実同士の結着が抑制され、外観も良好で、ビタミンC自体が酸味付与剤として働き、総合的に酸味と甘味のバランスのよい風味の乾燥果実となり、ビタミンCとしての栄養強化もできることを見出した。また、ビタミンCに特定の酸味料を組み合わせることで、さらに吸湿を防止する効力が向上することも見出した。また、酸味成分の被覆方法を、粉体成分と糖質含有水溶液とを交互に被覆して乾燥するソフト糖衣か、若しくはパウダーコーティングによって行うことにより、乾燥果実本来のソフトな食感や外観を活かした形態とできることを見出し、本発明に到達した。
本発明によれば、ビタミンCを含有する被覆層で乾燥果実を被覆するので、特に5〜30重量%という水分含有量が比較的高い乾燥果実をセンターとしても、被覆作業時からべたつかず、長期保存中でも吸湿を防止することができる。したがって、ビタミンC自体の変質が防止され、ビタミンCの残存性に優れ、栄養強化を図ることができる。
更には、特定の有機酸を併用すると、他の酸味成分を含有しても乾燥果実の吸湿を防止できる。
また更に、糖質又は融点が30〜50℃の油脂を含有するので、より一層吸湿防止性に優れ、外観も良好である。
本発明の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤は、吸湿防止性に優れているので、乾燥果実同士が結着しない。したがって、乾燥果実を個包装せず、複数個を裸のまま容器に収容密封することが可能で、容器から直接乾燥果実をつまみ食べするという連食性に優れている。
また、保存性向上のために甘味を高く設定した乾燥果実でも、本発明の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤によって、表層から速やかに発現する酸味がその甘味を緩和し、総合的に酸味と甘味のバランスのよい風味を呈する。
また、本発明によれば、乾燥果実本来のソフトな食感や外観を活かした形態とすることができる。
本発明を詳しく説明する。
本発明の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤(以下、「吸湿防止剤」と記す)は、ビタミンCを含有する。ビタミンCは吸湿防止成分として、また酸味成分として有効に作用する。該ビタミンCは、水溶性ビタミンの一種でアスコルビン酸のL体を指し、アスコルビン酸やアスコルビン酸の塩類等が挙げられる。これらは単独でも2種以上併用してもよい。好ましくは、アスコルビン酸が、風味すなわちビタミンC特有の爽快な酸味を得る点で望ましい。アスコルビン酸の剤型は粉末・顆粒などの乾燥体である。
更に、酸味成分被覆乾燥果実全体重量中、ビタミンCを0.5重量%以上10重量%以下含有することが、吸湿防止性に優れ、且つ外観及び風味を良好にする点で好適である。
上記ビタミンC含有量は、吸湿防止剤被覆操作による、最終製品の段階の酸味成分被覆乾燥果実のビタミンC付着量を指す。
ビタミンC含有量は、酸味成分被覆乾燥果実全体重量中10重量%よりも多くなると、乾燥果実の表面が白濁し外観が悪くなる、或いは酸味が強くなるため風味が悪くなる傾向がある。
本発明の吸湿防止剤に有機酸を用いる場合は、フマル酸は吸湿防止性且つ乾燥果実の甘味と酸味のバランスのよい風味を得る点で、アジピン酸及びグルタミン酸が吸湿防止性の点で好適に用いられる。
また、本発明の吸湿防止剤には、本発明の目的を損なわない範囲で、適宜選択した副原料を用いてもよい。例えば、各種糖質(粉末糖類、糖アルコール、液糖、蜂蜜、水飴等)、澱粉類(澱粉、化工澱粉、変性澱粉、澱粉分解物等)、油脂、乳類、粉末呈味原料(粉末茶類、卵白粉末、卵黄粉末、酸味料、調味料、粉末エキス等)、香料、安定剤、ゼラチン等のゲル化剤、アラビアガムやプルラン等の増粘安定剤、カルシウムやナトリウム等の塩類、着色料、栄養成分(コラーゲン、ヒアルロン酸、食物繊維、ビタミン類、ミネラル、DHA、ビフィズス菌増殖因子、ガルシニア・カンボジアエキス粉末、ギムネマ粉末等)が挙げられる。これらは必要に応じ、上記吸湿防止剤に直接添加しても、該吸湿防止剤による被覆層の表面に更に被覆層として添加してもよい。
上記副原料の中でも更に、糖質又は融点30〜50℃の油脂を含有すると、被覆作業時の作業性、吸湿防止性、外観、風味の点で好ましい。
上記糖質とは、上述の各種糖質を指し、例えば、ショ糖、ブドウ糖、乳糖、果糖、麦芽糖、マルチトール、エリスリトール、パラチニット、ラクチトール、キシリトール及び水飴等が挙げられる。
上記糖質には、ゲル化剤や増粘安定剤を併用すると、被覆操作の作業性及び外観の点で好ましい。
上記油脂とは、融点が30℃以上50℃以下の油脂で、例えば、パーム油、或いは、パーム油、ヤシ油、ナタネ油、大豆油等の硬化油、或いは、融点を30〜50℃に調製した混合油脂等が挙げられ、これらは単独もしくは複数組み合わせて用いてもよい。
油脂の融点が30℃未満では、長期保存中溶解し吸湿防止効果を得られなくなる傾向があり、融点が50℃より高いと、摂食時に口腔内で油脂が溶解しないため風味が悪くなる傾向がある。
本発明における乾燥果実とは、果実や野菜の実・皮などを乾燥させたもので、砂糖等の糖液に浸漬する等の加糖処理後、或いは未処理のまま、適宜の方法で乾燥させたものである。好ましくは、水分含有量が、5重量%以上であることが、より好ましくは、5〜30重量%であることが、本願効果を効果的に得られる点で望ましい。また、果汁浸漬処理や、褐変防止のための亜硫酸塩等による処理等を、適宜乾燥工程前後に施してよい。例えば、クランベリー、パパイヤ、パイナップル、マンゴー、アップル、レーズン、メロン、カンタローブ、プルーン、洋ナシ、キウイ、アンズ、イチゴ、バナナ、オレンジ、レモン、柚子、ピーチ、柑橘系のピール等の乾燥果実が挙げられる。
本発明の酸味成分被覆乾燥果実は、吸湿防止剤によって被覆される。被覆方法は、上記吸湿防止剤原料及び必要に応じて副原料を混合した粉末成分と糖質含有水溶液とを、回転釜等に交互に投入し、被覆乾燥して吸湿防止剤を形成するソフト糖衣、或いは上記粉末成分のみを直接回転釜等で被覆するパウダーコーティング、または上記粉末成分と油脂を交互に被覆する等、いずれの方法を用いてもよい。なお、該糖質は、糖質を含有する水溶液で、好ましくは50〜70重量%糖質含有水溶液が、生産性及び乾燥性の点で望ましい。
好ましくは、酸味成分含有粉末と糖質含有水溶液とを、交互に掛けて乾燥するソフト糖衣か、酸味成分含有粉末をそのまま掛けるパウダーコーティングが望ましい。ソフト糖衣またはパウダーコーティングとした場合には、酸味成分含有糖液を掛けて乾燥を繰り返すハード糖衣とは異なり、被覆層が、乾燥果実の形状に沿った凹凸で形成されるので、乾燥果実の形状を活かした外観とすることができ好適である。また、ソフト糖衣やパウダーコーティングは、ハード糖衣とは異なりソフトな食感なので、乾燥果実本来の食品を活かした商品設計とすることができる。またいずれの場合も、ビタミンCは乾燥体のまま用いるこ
とが、ビタミンCの残存性を高める点で望ましい。
また、被覆回数は一回以上であればよい。更に、最終的に酸味成分被覆乾燥果実が、前述のビタミンCの含有量範囲となるよう、粉末成分のビタミンC配合量及び被覆回数を調整すると、吸湿防止性、外観、風味の点で好適である。例えば、粉末成分のビタミンC配合量を粉末成分全体重量中、10〜60重量%とし、被覆回数を1〜5回とすることが、被覆操作の作業性、外観、風味の点で望ましい。
なお、ソフト糖衣とパウダーコーティングのうちのどちらの被覆方法を採用するかは、乾燥果実の形状、水分含有量等により適宜採用すればよい。例えば、扁平形状や乾燥果実の水分含有量が高いものは、被覆作業性、乾燥果実同士の結着やべたつき防止の点で、パウダーコーティングが適しており、乾燥果実の水分含有量が低い場合には、ビタミンC効力の残存性、風味や外観の点でソフト糖衣が適している。また、パウダーコーティングやソフト糖衣に、油脂コーティングを組み合わせるとビタミンC効力の残存性の点で更に好適である。更には、ソフト糖衣と油脂の組み合わせが、ビタミンC効力の残存性の点で最も好適である。
本発明の吸湿防止剤によって被覆された酸味成分被覆乾燥果実は、上記原料を用いて、例えば次のようにして製造される。
まず、乾燥果実を準備する。
次に、ビタミンCと、必要に応じて有機酸や副原料を粉体混合し、粉末成分を調製する。またこれとは別に、粉末糖質と水と、必要に応じて副原料を混合した糖質含有水溶液を調製するか、又は融点が30〜50℃の油脂を準備する。
そしてまず、回転釜に上記乾燥果実を投入し、回転釜を10〜35rpm程度で回転させながら、送風温度15〜35℃、湿度20〜60%、風速3〜20m/sに設定する。まず、上記粉末成分を掛け、次に上記糖質含有溶液又は上記油脂を振り掛け、1〜20分間送風したまま回転させる。この一連の被覆操作を、1回以上繰り返すことにより、本発明の吸湿防止剤によって被覆された酸味成分被覆乾燥果実が得られる。上記粉末成分と糖質含有水溶液とを交互に被覆したものがソフト糖衣である。また、上記吸湿防止剤を被覆した後に、融点30〜50℃の油脂による被覆操作を加えてもよい。
また他に、上記粉末成分のみを1回以上振り掛けてたパウダーコーティングでも、本発明の酸味成分被覆乾燥果実を得ることができる。
この酸味成分被覆乾燥果実を製品化する際には、適宜包装体で包装すればよい。好ましくは、包装体の材質がアルミ、アルミ蒸着、ガラス蒸着等の吸湿防止性のある密封可能な材質であることが、包装後、更に、結着することなく、風味を維持できる点で好適である。
以下、実施例に基づき本発明を具体的に説明する。
<実施例1〜8、比較例1>
まず、乾燥果実のクランベリーを準備した。(水分含有量:16重量%、大きさ:15mm×15mm×15mm)
次に、表1の組成の粉末成分、糖質含有水溶液、油脂をそれぞれ調製した。
次に、クランベリー50kgを回転釜に投入し、回転釜を25rpmで回転させながら、送風温度28℃、湿度45%以下に設定した。粉末成分0.75kgを掛けた後、糖質含有水溶液0.9kg又は油脂0.3kgを掛け、風速5〜5m/sで送風しながら、5分間回転させた。粉末成分と、糖質含有水溶液又は油脂の被覆回数は、表1の通りに行った。その後回転釜から取り出し、雰囲気温度26℃、湿度45%以下にて24時間静置させ、吸湿防止剤によって被覆された酸味成分被覆クランベリーを得た。
なお、水分含有量は、ケット水分計FD−240−2(ケット社製)にて、105℃で静置
し、30秒間の水分測定値の変化量が0.05%以内になった時の測定値とした。
<実施例9〜21、比較例2>
まず、下記乾燥果実を準備した。(大きさ:10mm×10mm×12mm)
実施例9〜15:マンゴー(水分含有量:10重量%)
実施例16〜18、20、比較例2:パイナップル(水分含有量:7重量%)
実施例19、21:パパイヤ(水分含有量:11重量%)
次に、表2〜3の組成の粉末成分、糖質含有水溶液又は油脂を調製した。
以降は、前述の実施例1と同様にして、各吸湿防止剤によって被覆された酸味成分被覆乾燥果実を得た。
なお、実施例20及び21の油脂は、表3に記載の被覆回数を施した後に、油脂0.25kgを1回振りかけた。
上記実施例品及び比較例品の被覆操作時の作業性、それぞれ約30gをアルミ蒸着平パウチに収容密封し55℃3日間保管したものについて、吸湿防止性、結着性及びビタミンCの残存性を以下のように評価した。また、製造直後の上記実施例品及び比較例品の外観及び風味を、専門パネラー10名で官能評価した。
(吸湿防止性)
目視、触る等して表面状態を観察した。
(結着性)
全体重量あたりに占める乾燥果実同士の結着品の重量割合で算出した。
(ビタミンCの残存性)
製造直後のビタミンC含有量を100%として、保管品のビタミンC含有量の残存率を算出した。なお、ビタミンC含有量は以下の方法で測定した。
(ビタミンC含有量測定法)
検体30gを正確に計量し、蒸留水220gを加えて攪拌後、1分間静置したものの上清について、インドフェノール滴定法にて測定した。
Figure 2010099019
Figure 2010099019
Figure 2010099019
評価の結果、実施例では、全ての評価において、良好な結果であった。特にビタミンCを含有すると、更に、フマル酸、アジピン酸及びグルタミン酸を併用すると、被覆操作時の作業性、吸湿防止性、結着性、ビタミンCの残存性、外観及び風味が良好であった。また、ソフト糖衣である実施例1、2、9〜15、19はセンターである乾燥果実の食品がそのまま活かされ、乾燥果実の凹凸の形状に沿った被覆層が形成されていた。
これに対して、ビタミンCを含有しない比較例1は、酸味が付与されず、風味が悪かった。また、比較例2は、ビタミンCを含有しない酸味成分(有機酸)のみでの酸味付与であったため、被覆操作時の作業性、吸湿防止性、結着性及び外観が不良であった。

Claims (7)

  1. 酸味成分を被覆する乾燥果実に用いる酸味成分の吸湿防止剤であって、ビタミンCを有効成分とすることを特徴とする酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤。
  2. 更に、下記(1)の有機酸を含有することを特徴とする請求項1記載の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤。
    (1)フマル酸、アジピン酸、グルタミン酸のうち1種又は2種以上
  3. 更に、下記(A)又は(B)を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤
    (A)糖質
    (B)融点が30〜50℃の油脂
  4. 酸味成分の被覆が、ソフト糖衣又はパウダーコーティングによって行われることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤。
  5. 請求項1乃至4の何れか1項に記載の酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤によって被覆されていることを特徴とする酸味成分被覆乾燥果実。
  6. 乾燥果実の表面を被覆する酸味成分として、ビタミンCを用いることを特徴とする、酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法。
  7. 酸味成分の被覆が、ソフト糖衣又はパウダーコーティングによって行われることを特徴とする請求項6記載の酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法。
JP2008274066A 2008-10-24 2008-10-24 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法 Active JP5116164B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274066A JP5116164B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008274066A JP5116164B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法

Publications (3)

Publication Number Publication Date
JP2010099019A true JP2010099019A (ja) 2010-05-06
JP2010099019A5 JP2010099019A5 (ja) 2011-04-21
JP5116164B2 JP5116164B2 (ja) 2013-01-09

Family

ID=42290219

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008274066A Active JP5116164B2 (ja) 2008-10-24 2008-10-24 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5116164B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010098333A1 (ja) * 2009-02-24 2010-09-02 クラシエフーズ株式会社 乾燥カット柑橘系果実及びその製法
JP2011234903A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2017153459A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 クラシエフーズ株式会社 高酸味ソフトキャンディ及びその製法

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08505773A (ja) * 1990-05-31 1996-06-25 アメイジン・レーズンズ・インターナショナル・インコーポレイテッド 乾燥フルーツ製品の製法
JPH1180007A (ja) * 1997-09-04 1999-03-23 Morinaga Milk Ind Co Ltd ビフィズス菌含有錠剤及びその製造方法
JP2001089397A (ja) * 1999-09-17 2001-04-03 Morinaga Milk Ind Co Ltd 生理活性物質含有錠剤及びその製造方法
JP2004147569A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Asahi Soft Drinks Co Ltd 微量栄養素強化飲食品

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH08505773A (ja) * 1990-05-31 1996-06-25 アメイジン・レーズンズ・インターナショナル・インコーポレイテッド 乾燥フルーツ製品の製法
JPH1180007A (ja) * 1997-09-04 1999-03-23 Morinaga Milk Ind Co Ltd ビフィズス菌含有錠剤及びその製造方法
JP2001089397A (ja) * 1999-09-17 2001-04-03 Morinaga Milk Ind Co Ltd 生理活性物質含有錠剤及びその製造方法
JP2004147569A (ja) * 2002-10-31 2004-05-27 Asahi Soft Drinks Co Ltd 微量栄養素強化飲食品

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2010098333A1 (ja) * 2009-02-24 2010-09-02 クラシエフーズ株式会社 乾燥カット柑橘系果実及びその製法
JPWO2010098333A1 (ja) * 2009-02-24 2012-09-06 クラシエフーズ株式会社 乾燥カット柑橘系果実及びその製法
JP6075951B2 (ja) * 2009-02-24 2017-02-08 クラシエフーズ株式会社 乾燥カット柑橘系果実及びその製法
JP2011234903A (ja) * 2010-05-11 2011-11-24 Sanyo Product Co Ltd 遊技機
JP2017153459A (ja) * 2016-03-04 2017-09-07 クラシエフーズ株式会社 高酸味ソフトキャンディ及びその製法
JP7120738B2 (ja) 2016-03-04 2022-08-17 クラシエフーズ株式会社 高酸味ソフトキャンディ及びその製法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5116164B2 (ja) 2013-01-09

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US20180020686A1 (en) Composition and methods for improving organoleptic properties of food products
JP6105709B2 (ja) 乾燥カット柑橘系果実及びその褐変防止方法
Olivas et al. Use of edible coatings to preserve the quality of fruits and vegetables during storage
JP5116164B2 (ja) 酸味成分被覆乾燥果実用の吸湿防止剤及び酸味成分被覆乾燥果実の吸湿防止方法
Dhall Application of edible coatings on fruits and vegetables
KR100508819B1 (ko) 해초류 및 채소류를 함유하는 기능성 쌀 및 이의 제조방법
WO2013183767A1 (ja) 機能性成分を含有する糖衣層付き固形食品およびその製造方法
AU2003209733B2 (en) Non-sticky, free-flowing comestible and a process for its preparation
KR20030064553A (ko) 다층 구조의 찰떡 및 그 제조 방법
JP5808514B2 (ja) 中間水分食品の加熱劣化臭防止方法及び密封容器入り中間水分食品の製法
KR102500411B1 (ko) 곤약젤리 제조용 겔화제 및 이를 포함하는 곤약젤리 및 곤약젤리의 제조방법
Serrano et al. Advances in edible coatings
Madhu et al. Use of edible coatings to increase the shelf life of jaggery: A review
Thakur et al. Advances in edible coating for improving the shelf life of fruits
CN105228465B (zh) 中间水分食品
Dar et al. Effect of CaCl2, citric acid and storage period on physico-chemical characteristics of cherry candy
JP7169060B2 (ja) 低糖質食品組成物
WO2023120684A1 (ja) 野菜の食感改良剤およびそれを用いる野菜の食感の改良方法
Dhall Application of Edible Films and Coatings on Fruits and Vegetables
JP6284282B2 (ja) チューインガム用果実風味持続剤並びにそれを含有するチューインガム及び複層チューインガム
KR100770040B1 (ko) 심층수를 이용한 사과 스낵의 제조방법
JP7120738B2 (ja) 高酸味ソフトキャンディ及びその製法
JP6306809B2 (ja) 風味持続剤及び果実含有チューインガムの風味持続方法及び果実含有チューインガム及び果実含有複層チューインガム
Garg et al. Edible Coating For Improvement Of Horticulture Crops
EP4326090A1 (en) Shelf stable food with flavor

Legal Events

Date Code Title Description
A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110309

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20110530

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20111208

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20111221

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120221

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120220

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120718

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120918

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121015

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121015

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5116164

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151026

Year of fee payment: 3

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313111

R360 Written notification for declining of transfer of rights

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R360