JP6349575B2 - Hmbを含有する酸性飲料 - Google Patents

Hmbを含有する酸性飲料 Download PDF

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Description

本発明は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を含む飲料に関する。さらに詳しくは、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を含み、析出沈殿を生じない保存安定性に優れた飲料に関する。
3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸とは、必須アミノ酸であるロイシンの代謝産物であり、運動時の筋組織ダメージの軽減、筋肉・筋力の増加、筋組織ダメージの回復向上、筋肉の合成と分解のバランスを改善、筋肉維持、体脂肪減少、ひきしめ、基礎代謝向上等の機能を有する物質である。ロイシンからの代謝生成量はわずか5%程度であることから、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩(以下、「HMB」という。)を栄養製品、栄養補助食品、機能性食品に配合して、スポーツサプリメント、ロコモティブシンドローム予防サプリメント、サルコペニア予防サプリメント、メタボリックシンドローム予防サプリメント、ダイエット補助サプリメントとして摂取することが知られている。
一般的に流通するHMBの原料としては、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム(以下、「HMBCa」という。)が知られており、サプリメントにより摂取するHMBCaの推奨量は1〜3g/日である。HMBCaの推奨量をサプリメントに配合する場合、錠剤、ソフトカプセル等の剤型では、大きな錠剤とするか、摂取錠数を多くする必要があった。
そこで、HMBCaは水への溶解性に優れる特性を有することから、液剤として摂取することが知られている。例えば、特許文献1には、脂肪、炭水化物、タンパク質及びHMBCaを含有する栄養エマルジョンとして摂取することが記載されている。
しかし、従来の栄養エマルジョンは、医療用の栄養食品として利用されるものであり、脂肪、炭水化物、タンパク質等の栄養成分の乳化安定性を高めることを目的とするものである。それゆえ、栄養エマルジョンは、乳化安定性を重視するあまり、味を良くすることは考えておらず、美味しく飲みやすいものではなかった。
特表2013−517808号公報
そこで、栄養エマルジョンによるHMB摂取に替えて、HMBを飲料に配合させることが考えられる。しかしながら、飲料の酸味料として一般的に使用されるクエン酸、酒石酸をHMB配合飲料に添加すると、析出沈殿物が発生するという問題点があった。
また、加熱殺菌工程や冷蔵保存時においては、さらに析出沈殿物の発生しやすいという問題点もあった。
そこで、本発明は、HMBを配合した飲料において、爽やかな酸味を呈する飲料を提供すべく、HMB及び酸味料を配合した飲料において、析出沈殿物が発生することなく保存安定性に優れた酸性飲料を提供することを目的とする。
本発明者は、上記問題点を解決すべく検討した結果、爽やかな酸味を呈させる酸味料としてクエン酸、酒石酸を添加した場合に、リンゴ酸、乳酸を併用することにより析出沈殿物の発生が抑制されることを見いだし、本発明を完成するに至った。
また、加熱殺菌工程や冷蔵保存時においても析出沈殿物を発生しない酸味料をスクリーニングすることにより、析出沈殿物を生じない安定性に優れた酸味料添加飲料を提供するに至った。
具体的には、本発明は、以下のHMB及び酸味料を配合する飲料を提供する。
[本願第1発明の構成]
上記課題を解決するための本願第1発明は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)及び(B)を含有することを特徴とする飲料である。
(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
(B)クエン酸、クエン酸三ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
[本願第2発明の構成]
上記課題を解決するための本願第2発明は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)を含有し、クエン酸塩、酒石酸塩を含まないことを特徴とする飲料である。
(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸から選択される1種又は2種以上
[本願第3発明の構成]
上記課題を解決するための本願第3発明は、前記(A)の配合量は、前記(B)の配合量に対して1/3以上であることを特徴とする本願第1発明に記載の飲料である。
[本願第4発明の構成]
上記課題を解決するための本願第4発明は、前記(A)がリンゴ酸であり、前記(B)がクエン酸であることを特徴とする本願第1又は3発明に記載の飲料である。
[本願第5発明の構成]
上記課題を解決するための本願第5発明は、前記(B)の酸味料は、果汁由来であることを特徴とする本願第1、3又は4発明のいずれかに記載の飲料である。
[本願第6発明の構成]
上記課題を解決するための本願第6発明は、前記飲料は、40℃以上の温度で加熱殺菌処理したことを特徴とする本願第1〜5発明のいずれかに記載の飲料である。
[本願第7発明の構成]
上記課題を解決するための本願第7発明は、前記飲料は、0℃〜15℃の温度で72時間以上冷蔵したことを特徴とする本願第1〜6発明のいずれかに記載の飲料である。
[本願第8発明の構成]
上記課題を解決するための本願第8発明は、前記3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウムであることを特徴とする本願第1〜7発明のいずれかに記載の飲料である。
本願第1、2発明によれば、HMBを配合した飲料において、爽やかな酸味を呈する飲料を提供することができ、摂取推奨量の多いHMBを容易に摂取することができる。
また、HMB及び酸味料を配合した飲料において、析出沈殿物が発生することなく、保存安定性に優れた飲料を提供することができる。
本願第3、4、6〜8発明によれば、析出沈殿物の発生を阻害する効果が顕著なものとなる。
本願第5発明によれば、クエン酸、酒石酸を含有する果汁を使用しても析出沈殿物が発生することがなく、果汁のフレッシュさを有するHMB配合飲料を提供することができる。
以下に、本発明の実施形態について詳細に述べる。
[HMB]
本発明のHMBとは、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩であり、飲料に配合されて摂取される。HMBの塩としては、特に制限されないが、カルシウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウム塩が挙げられる。特に、カルシウム塩が好ましい。
本発明のHMBを摂取することにより、運動時の筋組織ダメージの軽減、筋肉・筋力の増加、筋組織ダメージの回復向上、筋肉の合成と分解のバランスを改善、筋肉維持、体脂肪減少、ひきしめ、基礎代謝向上等の効果を奏する。
HMBの摂取量は、一日あたり0.01〜10gであり、好ましくは、1〜3gであり、飲料に溶解して摂取される。
飲料に対するHMB配合量は、0.01〜30質量%であり、好ましくは、0.02〜5質量%であり、特に好ましくは、0.2〜3質量%である。
[飲料]
本発明の飲料の容量は、特に限定されないが、1〜2000mLであり、好ましくは、50〜1000mL、特に好ましくは、80〜600mLである。
容器は、容量に応じて適宜選択され、具体的には、ペットボトル、瓶、アルミ缶、スチール缶、テトラパック、ミルクカートン、チアパック、ポーション容器等が挙げられる。ペットボトル、瓶等の透明容器は、本発明の析出沈殿物抑制効果が顕著になるため好ましい。
本発明の飲料の状態は、特に限定されないが、液体、又は、ゼリーやヨーグルト等の高粘度の流動状物であってもよい。また、粉末飲料として、飲用前に水に溶解する形態としてもよい。液体では析出沈殿物の沈降速度が早いことから、本発明の析出沈殿物抑制効果が顕著になるため好ましい。また、液体は透明であることが好ましい。
飲料には、HMB及び酸味料の他、甘味料、pH調整剤、増粘剤、果汁、香料、酸化防止剤、機能性成分等を添加してもよい。
[酸味料]
本発明において、HMB配合飲料に添加される酸味料は、(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上、及び、(B)クエン酸、クエン酸三ナトリウム、酒石酸、酒石酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上である。
(B)成分のクエン酸は、みかんやレモン等の柑橘類の酸味成分であり、すっきりとした爽やかな酸味を呈し、飲料の味を調整するために適した原料である。特に、レモン風味、パイナップル風味、ミカン風味、オレンジ風味等の味を付ける際には有用である。
また、クエン酸三ナトリウムは、クエン酸の酸味を緩和するなど、酸味の改良、向上効果をもつ酸味料である。
酒石酸、酒石酸ナトリウムは、ぶどうに多く含まれる酸で、やや渋みを感じる爽快な酸味を有する。酸味の付与、増強効果を有する酸味料である。
しかし、これらの(B)成分の酸味料のみをHMB配合飲料に添加すると、析出沈殿物を発生するため、(B)成分のみでは、酸味料を添加した飲料を流通することができない。
これに対して、(A)成分であるリンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウムを(B)成分と併用することにより、HMBと(B)成分による析出沈殿物の形成を阻害することができる。
リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウムは、リンゴなどの果実類に広く含まれる酸であり、クエン酸に比べ酸味度は同じ程度であるが、わずかに刺激的で持続性のある酸味を付与する効果がある。
また、乳酸、乳酸ナトリウムは、ヨーグルトや乳酸菌飲料等の酸味の主成分である。やわらかくコクがあり、わずかに渋みのある酸味料である。
さらに本発明では、HMB及び酸味料を配合した飲料として、(B)成分の酸味料を使用せずに酸味を付ける方法も挙げられる。その際、酸味料ではないが、クエン酸一カリウム、クエン酸三カリウム、クエン酸カルシウム、クエン酸鉄、クエン酸鉄アンモニウム等のクエン酸塩、DL−酒石酸水素カリウム等の酒石酸塩を形成するものを添加しないことが好ましい。
これらのクエン酸塩、酒石酸塩を含まない条件において、(A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウム、乳酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸から選択される1種又は2種以上を添加することにより、析出沈殿物を形成せずに酸味を付けることが可能である。
以上の条件において、他の酸味料を添加することも可能である。本発明の酸味料とは、食品添加物に「酸味料」の用途として使用が認められているものを示す。また、L−アスコルビン酸(別名:ビタミンC)は、食品添加物の用途として「強化剤、酸化防止剤」として認められているが、多量に添加することにより爽やかな酸味を呈することから、本発明において「酸味料」に含むものと定義する。さらに、食品添加物には、L体、DL体の光学異性体の種類まで特定されているものがあるが、本発明の「酸味料」においては光学異性体について限定しない。
食品添加物の「酸味料」として認定されているものは、具体的に、アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウム(別名:クエン酸ナトリウム)、グルコノデルタラクトン(別名:グルコノラクトン)、グルコン酸、グルコン酸カリウム、グルコン酸ナトリウム、コハク酸、コハク酸一ナトリウム、コハク酸二ナトリウム、酢酸ナトリウム、DL−酒石酸(別名:dl−酒石酸)、L−酒石酸(別名:d−酒石酸)、DL−酒石酸ナトリウム(別名:dl−酒石酸ナトリウム)、L−酒石酸ナトリウム(別名:d−酒石酸ナトリウム)、二酸化炭素(別名:炭酸ガス)、乳酸、乳酸ナトリウム、氷酢酸、フマル酸、フマル酸一ナトリウム(別名:フマル酸ナトリウム)、DL−リンゴ酸(別名:dl−リンゴ酸)、DL−リンゴ酸ナトリウム(別名:dl−リンゴ酸ナトリウム)、リン酸が挙げられる。
その他、上記酸味料を含む天然物を使用してもよい。例えば、パイナップル果汁、レモン果汁のようにクエン酸を含有する果汁や、りんご果汁のようにリンゴ酸を含有する果汁、米酢のように酢酸を含有する発酵物などが挙げられる。
これらの天然物を使用する場合には、天然物に含まれる酸味料の含量を測定して適切な配合量に調整して使用する。
上記(A)成分及び上記(B)成分を配合した飲料において、上記(B)成分の酸味料としては、クエン酸を使用することが好ましい。クエン酸を使用することにより、すっきりとした爽やかな酸味を付けることができる。また、上記(B)成分に、果汁由来のものを使用することが好ましい。これにより果汁のフレッシュさを飲料に付与することができる。
また、上記(A)成分及び上記(B)成分を配合した飲料において、上記(A)成分の酸味料としては、リンゴ酸を使用することが好ましい。リンゴ酸を使用することにより、HMBと(B)成分による析出沈殿物の発生阻害に対して高い効果が認められ、さらには、すっきりとした良い酸味の飲料を提供することができる。
酸味料の全配合量は、酸味料の種類や所望の味に応じて適宜決定されるが、0.01〜10質量%であり、好ましくは、0.05〜1質量%である。
(A)成分の酸味料の配合量は0.01〜10質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%であり、更に好ましくは0.08〜0.5質量%である。
(B)成分の酸味料の配合量は0.01〜5質量%であり、好ましくは0.05〜1質量%であり、更に好ましくは0.08〜0.5質量%である。
また、本発明のHMBと酸味料を配合する飲料のpHは1〜6.5であり、pH2〜6であることが好ましい。
上記(A)成分及び上記(B)成分を配合した飲料において、(A)成分の配合量は、特に限定しないが、(B)成分の配合量に対して1/3以上であることが好ましい。(A)成分の配合量を(B)成分の配合量に対して1/3以上とすることにより、析出沈殿物の発生阻害に対して高い効果が認められる。
この配合量よる効果は、(A)成分としてリンゴ酸、(B)成分としてクエン酸を使用した場合に、より顕著な効果として認められる。
また、(A)成分として乳酸、(B)成分としてクエン酸を使用した場合には、(A)成分の配合量を(B)成分の配合量に対して1.2倍以上であることが好ましく、1.5倍以上であることが特に好ましい。
[製造方法]
本発明のHMB及び酸味料を配合する飲料の製造方法は、各成分を混合溶解し、加熱殺菌処理をすることが好ましい。
加熱殺菌処理とは、40℃以上に加熱することにより殺菌する処理である。好ましくは60℃以上、更に好ましくは80℃以上に加熱する。また、加熱温度は、130℃以下であり、好ましくは100℃以下である。
加熱時間は、温度条件に応じて適宜設定されるが10〜180分間である。温度条件が40〜100℃である場合は20〜180分間が好ましく、温度条件が100〜130℃である場合は、10〜30分間が好ましい。
加熱殺菌処理をすることにより、HMBと上記(B)成分による析出沈殿物の発生が生じ易くなるが、(A)成分を添加することにより析出沈殿物の発生を阻害することができる。
また、本発明の製造方法において、加熱殺菌処理をした飲料を長期保存するために、0〜15℃で冷蔵することが好ましい。冷蔵することにより、菌の発生や、果汁等の成分の変性を抑制することができる。さらには、冷たい飲料を服用することにより、おいしく感じたり、運動して熱くなった体を冷却するという効果もある。
冷蔵保存期間は、24時間以上であることが好ましく、流通時間等を勘案すれば、72時間以上であることが更に好ましい。
冷蔵することにより、HMBと上記(B)成分による析出沈殿物の発生が生じ易くなるが、(A)成分を添加することにより析出沈殿物の発生を阻害することができる。
次に、実施例及び比較例を挙げて前記実施形態をさらに具体的に説明する。なお、表1〜4に記載された数値は質量%であり、表5、6に記載された数値は重量(g)を表している。
(実施例1、2、比較例1〜4)
各例では、表1に表示される各成分を混合溶解することによりHMB及び酸味料を配合した飲料を調製する。得られた飲料を90℃で30分間加熱して殺菌後、室温に冷却する。常温まで冷却した飲料を8℃の冷蔵庫で72時間保管した。
各例において、析出沈殿物の有無について目視確認により評価した。評価基準は以下のとおりである。
◎:8℃で72時間冷蔵後も析出沈殿物が発生せず、澄明な液体であった。
○:加熱殺菌処理をしても析出沈殿物が発生しなかったが、8℃で72時間冷蔵後、わずかな析出沈殿物が認められた。
×:加熱殺菌処理後、多量の析出沈殿物が認められた。
Figure 0006349575
比較例1、2は、HMBCaとクエン酸又は酒石酸のみを添加した飲料であり、加熱殺菌処理後に多量の析出沈殿物が発生した。これに対して、実施例1、2では、さらにリンゴ酸又は乳酸を添加した飲料であり、冷蔵保管後も析出沈殿物が発生しなかった。よって、リンゴ酸又は乳酸を添加することにより、クエン酸又は酒石酸とHMBCaからなる析出沈殿物の形成を阻害することがわかる。
さらに、比較例3では、リンゴ酸又は乳酸に代えて、アスコルビン酸を添加したものの、析出沈殿物の発生を抑制することができなかった。比較例4では、クエン酸に対するアスコルビン酸の配合量を多くした飲料を調製したが、これも析出沈殿物の発生を抑制することができなかった。
(実施例3〜6)
実施例1、2と同様に、表2に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
Figure 0006349575
実施例3〜6では、HMBCaとリンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酢酸のみを添加した飲料を調製した。その結果、冷蔵保管後も析出沈殿物が発生しなかった。よって、酸味料としてクエン酸及び酒石酸を添加しない場合、リンゴ酸、乳酸、アスコルビン酸、酢酸により酸味を調製することにより、HMBCaを配合した酸性飲料を提供することができる。
(実施例7〜12)
実施例1、2と同様に、表3に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
Figure 0006349575
実施例7〜12では、HMBCaと酸味料としてリンゴ酸及びクエン酸を配合した飲料において、クエン酸に対するリンゴ酸の配合割合を変えて評価した。その結果、リンゴ酸の配合量をクエン酸の配合量の1/3以上とすることにより析出沈殿物の発生阻害に対して高い効果が認められた。
一方、リンゴ酸の配合量がクエン酸の配合量の1/4以下では、加熱殺菌後には、析出沈殿物は認められなかったものの、冷蔵保管後、わずかに析出が認められた。なお、リンゴ酸の配合量がクエン酸の配合量の1/4以下とした飲料においても、常温下で72時間保管した場合には析出沈殿物は認められなかった。
(実施例13、14)
実施例1、2と同様に、表4に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
Figure 0006349575
実施例13、14では、HMBCaと酸味料として乳酸及びクエン酸を配合した飲料において、クエン酸に対する乳酸の配合割合を変えて評価した。その結果、乳酸の配合量をクエン酸の配合量の2倍以上とすることにより析出沈殿物の発生阻害に対して高い効果が認められた。
(実施例15、16)
実施例15、16では、清涼飲料として「パイナップル果汁30%飲料」及び「スポーツドリンク」を調製した。調製方法は、実施例1、2と同様に、表5、6に示される各成分を混合溶解してHMB及び酸味料を配合した飲料を調製した。そして、加熱殺菌処理及び冷蔵保管し、析出沈殿物の有無について評価した。
Figure 0006349575
Figure 0006349575
実施例15、16のいずれの飲料においても析出沈殿物は認められず、また、飲料の状態において変色等の変化も認められなかった。
本発明は、酸味料を配合して爽やかな酸味を呈し、HMBを含有する清涼飲料を提供することができる。これにより、多量のHMBを摂取することが可能なHMB含有清涼飲料を提供することができる。
本発明は、クエン酸含む果汁を配合したフレッシュな清涼飲料において、HMBを添加することができる。

Claims (8)

  1. 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、
    前記酸味料は、次の(A)及び(B)を含有し、
    前記(A)の配合量は、前記(B)の配合量に対して1/3以上であることを特徴とする飲料。
    (A)リンゴ酸、リンゴ酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
    (B)クエン酸、クエン酸三ナトリウムから選択される1種又は2種以上
  2. 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)及び(B)を含有し、
    前記(A)の配合量は、前記(B)の配合量に対して1/1以上であることを特徴とする飲料。
    (A)酸、乳酸ナトリウムから選択される1種又は2種以上
    (B)クエン酸、クエン酸三ナトリウムから選択される1種又は2種以上
  3. 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩、及び酸味料を配合する飲料であって、前記酸味料は、次の(A)を含有し、クエン酸、クエン酸塩、酒石酸、酒石酸塩を含まないことを特徴とする飲料。
    (A)酸、乳酸ナトリウム、アスコルビン酸、氷酢酸、酢酸ナトリウム、酢酸から選択される1種又は2種以上
  4. 前記(A)がリンゴ酸であり、前記(B)がクエン酸であることを特徴とする請求項1記載の飲料。
  5. 前記(B)の酸味料は、果汁由来であることを特徴とする請求項1、又は4のいずれかに記載の飲料。
  6. 前記飲料は、40℃以上の温度で加熱殺菌処理したことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の飲料。
  7. 前記飲料は、0℃〜15℃の温度で72時間以上冷蔵したことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の飲料。
  8. 前記3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸又はその塩は、3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウムであることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の飲料。
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