JP6309287B2 - 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム含有飲料 - Google Patents
3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム含有飲料 Download PDFInfo
- Publication number
- JP6309287B2 JP6309287B2 JP2014013907A JP2014013907A JP6309287B2 JP 6309287 B2 JP6309287 B2 JP 6309287B2 JP 2014013907 A JP2014013907 A JP 2014013907A JP 2014013907 A JP2014013907 A JP 2014013907A JP 6309287 B2 JP6309287 B2 JP 6309287B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- acid
- hmb
- salt
- beverage
- organic acid
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Non-Alcoholic Beverages (AREA)
Description
HMB投与による筋タンパク質合成の促進および/または分解抑制には、1日1.5 g〜3 gのHMBの摂取が必要であり、そのような大量のHMBの摂取には飲料の形態が好ましい。
カルシウム含有清涼飲料 (特許文献1) およびクエン酸及びカルシウムが共存する果汁含有カプセル化ゼリー (特許文献2) では、製品製造中にカルシウム塩が析出することがあるため、その解決法が種々検討されている。例えば、カルシウム含有清涼飲料においては、有機酸を用いてpHを2.5以上4未満とすると沈殿物が生成されず、用いる酸の例示としてクエン酸、リンゴ酸、酒石酸等が挙げられている (特許文献1)。また、クエン酸およびカルシウムを配合したゼリーを高温殺菌する際に、クエン酸および他の有機酸を併用すると白濁および白色沈殿物の生成を防止でき (特許文献2)、用いる有機酸の例示として、リンゴ酸、酒石酸、フマル酸、コハク酸、グルコン酸等が挙げられている。
(1) 3-ヒドロキシ-3-メチル酪酸カルシウム(以下「HMB-Ca」という)を2 g/100 mL以下の濃度で含有する水溶液に、該HMB-Caに対してオルニチン塩酸酸を4〜6当量、オルニチンアスパラギン酸塩を2〜6当量、またはアスパラギン酸ナトリウムを2〜6当量加え、さらに有機酸またはその塩を加えてpHを4未満に調整した後、65〜100 ℃で10秒〜25分間の加熱条件で加熱し、その後0.1時間〜2日間かけて4 ℃〜25 ℃まで冷却することを特徴とする、沈殿物および濁りがないHMB-Ca含有飲料の製造方法。
(2) 有機酸またはその塩を加えて調整したpHが、3.5〜3.8である(1)に記載の方法。
(3) 加熱条件が、90 ℃で5分間である(1)または(2)に記載の方法。
(4) 有機酸またはその塩が、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、酒石酸およびシュウ酸並びにそれらの塩からなる群から選ばれる有機酸またはその塩である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(5) 有機酸またはその塩が、クエン酸またはその塩である(1)〜(3)のいずれか1つに記載の方法。
(6) 2 g/100 mL以下の濃度のHMB-Ca、および該HMB-Caに対して4〜6当量のオルニチン塩酸酸、2〜6当量のオルニチンアスパラギン酸塩、または2〜6当量のアスパラギン酸ナトリウムを含有する飲料であって、さらに当該飲料のpHを4未満に調整するために必要な量の有機酸またはその塩を含む、沈殿物および濁りがないHMB-Ca含有飲料。
(7) 有機酸またはその塩の量が、当該飲料のpHを3.5〜3.8に調整するために必要な量である(6)に記載のHMB-Ca含有飲料。
(8) 有機酸またはその塩が、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、酒石酸およびシュウ酸並びにそれらの塩からなる群から選ばれる有機酸またはその塩である(6)または(7)に記載のHMB-Ca含有飲料。
(9) 有機酸またはその塩が、クエン酸またはその塩である(6)または(7)に記載のHMB-Ca含有飲料。
市販されているHMB-Caとしては、小林香料株式会社製のものを挙げることができる。
HMB-Caを化学的に合成する方法としては、例えば、J. Am. Chem. Soc. 80:2882-2887 (1958)に記載の方法が挙げられる。すなわち、ジアセトンアルコールをアルカリ性次亜塩素酸ナトリウムにより酸化して遊離酸を得た後に、水酸化カルシウムを加えて中和し、エタノール水溶液から結晶化により回収するという方法である。
HMB-Caの水和物もHMB-Caと同様に、市販品を利用することもでき、また公知の化学的に合成する方法により製造することもできる。
本発明の方法で用いられ、かつ本発明のHMB-Ca含有飲料に含まれるオルニチン塩酸塩、およびオルニチンアスパラギン酸塩は、市販されているものを利用することもでき、また公知の化学的に合成する方法、および発酵生産する方法により製造することもできる。
オルニチン塩酸塩、およびオルニチンアスパラギン酸塩を発酵生産する方法としては、例えば、特開昭61-119194号公報等に記載の方法等が知られている。本発明で用いられるアスパラギン酸ナトリウムは、公知の化学合成法により製造可能であり、および発酵生産する方法により製造することもできる。また市販されているものを利用することもできる。
アスパラギン酸ナトリウムを発酵生産する方法としては、例えばWO2008/013187等に記載の発酵法により得られたアスパラギン酸を精製する際に、まずアスパラギン酸を水に溶かし、次いで水酸化ナトリウムを添加してpHを6.5に調整し、その後、濾過や濃縮等を行う方法等が挙げられる。
本発明の飲料は、HMB-Ca、有機酸およびオルニチン塩酸酸、オルニチンアスパラギン酸塩またはアスパラギン酸ナトリウムを含有させる以外は、一般的な飲料の製造方法により製造することができる。
糖類としては、飲料の製造に用いられるものであれば特に制限されることもなく、単糖類、二糖類、オリゴ糖類、多糖類、糖アルコール、甘味料のいずれでも良い。該糖類としては、例えばブドウ糖、果糖、ショ糖、麦芽糖、トレハロース、キシリトール、エリスリトール、還元水飴、デキストリン、でんぷん、ソルビトール、マルチトール、スクラロース、アスパルテーム、アセスルファムK、ステビア、サッカリンナトリウム、グリチルリチン二カリウム、ソーマチン、還元パラチノース、ラクチトール、マンニトール等が挙げられる。好ましくは、飲料中でメイラード反応を起こさない糖であるエリスリトール、ソルビトール、マルチトール、還元パラチノース、ラクチトール、マンニトール、キシリトール等が好ましい。
着色料としては、飲料に使用できるものであれば特に制限はされないが、例えば食用黄色5号、食用赤色2号、食用青色2号、カロチノイド色素、トマト色素等が挙げられる。
また、本発明の飲料のpHとしては、4未満であればよく、通常は2〜4未満、好ましくは3〜4未満、特に好ましくは3.5〜3.8であり、有機酸を用いてpH調整を行う。
加熱条件で加熱する際の加熱方法としては、食品分野で一般的に用いられる加熱方法が用いられ、例えば、プレート式熱交換器、多管式(シェル&チューブ)、多重管式等の管式熱交換器等を用いる加熱方法等が挙げられ、プレート式熱交換器が好ましい。
加熱時間は、日本の食品衛生法またはそれに相当する各国の法律に適合する加熱時間であればよく、10秒〜25分間が好ましく、30秒〜15分間が好ましく、1分〜5分間がより好ましい。より具体的には、90 ℃で5分間加熱処理する条件を挙げることができる。
冷却は、4 ℃〜25 ℃まで冷却することが好ましい。冷却時間は0.1時間〜2日間が好ましく、0.5時間〜1日間がより好ましい。また、冷却は同一温度で連続的に行うか、または冷却開始から終了まで徐々に温度を低下させながら行ってもよい。沈殿物および/または濁りの有無は、いずれも目視により測定することができる。
本発明の飲料の3-ヒドロキシ-3-メチル酪酸カルシウム (HMB-Ca) の濃度としては、2 g/100 mL以下が好ましく、通常は0.1〜2 g/100 mL、より好ましくは1〜2 g/100 mLである。
比較例1
水100 mLにHMB-Ca 2 g (バイオメディカルウェルネス社)を加えて、さらにコハク酸ナトリウムを2当量加えて溶解させた。その溶液に、クエン酸(無水)を適量加えてpHを3.8に調整後、瓶に充填し、90 ℃で5分間加熱した。その後、室温放置して25 ℃まで冷却したところ、沈殿物が生成した。
Claims (9)
- 3-ヒドロキシ-3-メチル酪酸カルシウム(以下「HMB-Ca」という)を2 g/100 mL以下の濃度で含有する水溶液に、該HMB-Caに対してオルニチン塩酸塩を4当量、オルニチンアスパラギン酸塩を2当量、またはアスパラギン酸ナトリウムを2〜4当量加え、さらに有機酸またはその塩を加えてpHを4未満に調整した後、65〜100 ℃で10秒〜25分間の加熱条件で加熱し、その後0.1時間〜2日間かけて4 ℃〜25 ℃まで冷却することを特徴とする、沈殿物および濁りがないHMB-Ca含有飲料の製造方法。
- 有機酸またはその塩を加えて調整したpHが、3.5〜3.8である請求項1に記載の方法。
- 加熱条件が、90 ℃で5分間である請求項1または2に記載の方法。
- 有機酸またはその塩が、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、酒石酸およびシュウ酸並びにそれらの塩からなる群から選ばれる有機酸またはその塩である請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- 有機酸またはその塩が、クエン酸またはその塩である請求項1〜3のいずれか1つに記載の方法。
- 2 g/100 mL以下の濃度のHMB-Ca、および該HMB-Caに対して4当量のオルニチン塩酸塩、2当量のオルニチンアスパラギン酸塩、または2〜4当量のアスパラギン酸ナトリウムを含有する飲料であって、さらに当該飲料のpHを4未満に調整するために必要な量の有機酸またはその塩を含む、沈殿物および濁りがないHMB-Ca含有飲料。
- 有機酸またはその塩の量が、当該飲料のpHを3.5〜3.8に調整するために必要な量である請求項6に記載のHMB-Ca含有飲料。
- 有機酸またはその塩が、クエン酸、フマル酸、リンゴ酸、アジピン酸、リン酸、酒石酸およびシュウ酸並びにそれらの塩からなる群から選ばれる有機酸またはその塩である請求項6または7に記載のHMB-Ca含有飲料。
- 有機酸またはその塩が、クエン酸またはその塩である請求項6または7に記載のHMB-Ca含有飲料。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014013907A JP6309287B2 (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム含有飲料 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2014013907A JP6309287B2 (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム含有飲料 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2015139404A JP2015139404A (ja) | 2015-08-03 |
JP6309287B2 true JP6309287B2 (ja) | 2018-04-11 |
Family
ID=53770215
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2014013907A Active JP6309287B2 (ja) | 2014-01-29 | 2014-01-29 | 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム含有飲料 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP6309287B2 (ja) |
Family Cites Families (6)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP3507722B2 (ja) * | 1999-03-11 | 2004-03-15 | サッポロホールディングス株式会社 | カルシウム含有透明清涼飲料の製造方法 |
WO2004050664A1 (en) * | 2002-12-05 | 2004-06-17 | Md Bioalpha Co., Ltd. | Method for preparation of amino acid chelate |
US20080096804A1 (en) * | 2006-10-20 | 2008-04-24 | Viva Pharmaceuticals Inc. | Pure amino acid chelate complexes and uses thereof |
DK2512236T3 (en) * | 2009-12-18 | 2017-01-16 | Metabolic Tech Inc | IMPROVED PROCEDURE FOR ADMINISTRATION OF BETA-HYDROXY-BETA-METHYL BUTYRATE (HMB) |
TWI526161B (zh) * | 2010-06-10 | 2016-03-21 | 亞培公司 | 包含鈣hmb及可溶性蛋白質之實質上透明營養液 |
JP6349575B2 (ja) * | 2013-12-03 | 2018-07-04 | 小林香料株式会社 | Hmbを含有する酸性飲料 |
-
2014
- 2014-01-29 JP JP2014013907A patent/JP6309287B2/ja active Active
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2015139404A (ja) | 2015-08-03 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5314207B1 (ja) | ミネラル含有飲料及びその製造方法、並びにミネラル含有飲料の塩味抑制方法 | |
JP5574662B2 (ja) | 加温販売用果汁飲料の加温劣化抑制方法、加温販売用果汁飲料の製造方法及び加温販売用果汁飲料 | |
CN1893829A (zh) | 容器装饮料 | |
CN1719986B (zh) | 钙加强酸性饮料 | |
JP4907215B2 (ja) | 食酢入り果汁飲料 | |
RU2005104391A (ru) | Аморфные водорастворимые соли цитрата кальция и способ их получения и применения | |
JP5534806B2 (ja) | シトルリン含有飲料 | |
US10869492B2 (en) | Beverage product and method and apparatus for producing beverage product | |
JPWO2019235306A1 (ja) | 飲料、飲料の製造方法又は組み合わせ | |
JP6309287B2 (ja) | 3−ヒドロキシ−3−メチル酪酸カルシウム含有飲料 | |
JP5952442B2 (ja) | 高甘味度甘味料の呈味改善方法 | |
WO2016175113A1 (ja) | 炭酸感が改善された炭酸飲料 | |
JP6714984B2 (ja) | クエン酸由来の異味が低減された容器詰めクエン酸高含有酸性飲料 | |
JP5181486B2 (ja) | 亜鉛化合物配合経口用組成物 | |
JP2007246509A (ja) | 銅化合物配合経口用組成物 | |
CN107951034B (zh) | 维生素泡腾制剂及其制备方法 | |
JP2008099683A (ja) | 高甘味度甘味料の呈味改善方法 | |
JPWO2020045562A1 (ja) | ピロロキノリンキノンの安定化剤、それを含む組成物及び安定化方法 | |
JP6902076B2 (ja) | 炭酸感が改善された炭酸飲料 | |
WO2019031529A1 (ja) | 飲料 | |
JP6350978B2 (ja) | 高濃度オロト酸溶液、及びオロト酸含有飲料の製造方法 | |
JP5266644B2 (ja) | アスコルビン酸含有液剤 | |
JP6832689B2 (ja) | ビールテイスト飲料、ビールテイスト飲料の製造方法、及び、ビールテイスト飲料の香味向上方法 | |
KR20210086711A (ko) | 분말 식품 | |
JP2006094817A (ja) | 食酢飲料 |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20170123 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20171121 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20171129 |
|
A521 | Request for written amendment filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523 Effective date: 20180123 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20180220 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20180314 |
|
R150 | Certificate of patent or registration of utility model |
Ref document number: 6309287 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |
|
R250 | Receipt of annual fees |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250 |